イオン発生フロアカバー及びこれを形成する方法
本発明は、周囲環境と境界をなす面を有するフロアカバーを提供しており、該面は、該面の実質的に下方に配置した電気的に分極可能な、焦電的な粒子を効果的な量だけ含む構造を有している。本発明は、負イオン発生方法も提供しており、該方法は、建物の周囲環境と境界をなす面を有するフロアカバーを、該建物内に位置決めする工程を有する。フロアカバーは、前記面から1ミリメートルに満たない箇所に配置した、効果的な量からなる焦電的に分極可能な材料を含有していることにより、人や物が、焦電的に分極可能な材料を摩擦により加熱し得るように該面上を通行すると、負イオンが発生するようになっている。このように負イオンが発生することにより、大気中の臭気、風媒のバクテリア、カビ芽胞、花粉、その他有害な粒子を中和し、又は減少させることが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、発明の名称が「イオン発生フロアカバー及びフロアカバー内にイオン粒子を埋め込む方法」であり、2005年1月14日に出願した、特許出願第11/036,941を優先権主張した出願であり、かつ、該出願の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
周囲環境は、静電気の放電及び/又は自然発生的な原因により、しばしば正電荷又は負電荷を帯びるようになるガス分子から構成されている。負電荷を帯びた分子が高度に濃縮されたものを、「負イオン」又は「マイナスイオン」と呼び、これは、滝の周辺や、田舎の牧草地、海岸、山地に存在していることが多い。一方、正電荷を帯びた分子が高度に濃縮したものは、「正イオン」と呼ばれ、都市やオフィスビル、工場、その他都市設備等の、汚染領域に存在することが多い。
【0003】
現在、科学者は、我々が呼吸する周囲環境中に存在する負イオンの濃度のレベルにより、益がもたされる可能性があることを認識している。例えば、周囲環境中に存在する高レベルの負イオンは、花粉、カビ芽胞、煤煙、粉塵、風媒による病原菌、バクテリア等の、通常正の電荷を帯びた有害な微粒状の汚染物質を大気中から除去するという、有益な効果をしばしばもたらしている。これらの汚染物質は、負イオンと汚染物質とを衝突させることにより、大気から取り除くことが多い。負イオンと風媒による汚染物質が衝突すると、負イオンの可動性及び有効性が失われる。こういった衝突により、風媒による汚染物質は、大気中で衰え、沈静化する。部屋の中の空気を浄化するために、負の電荷を帯びたイオンを使用することは、米国特許第3,973,927や6,610,127等に開示されているように、公知である。
【0004】
空気が中にこもる建物は、空気中に含まれる負イオンが消耗されることにより、息をする際にむっとするし、不愉快になりがちである。負イオンの消耗を抑え、微粒状の汚染物質を凝結させて大気からおいやり、付近の外部に移すことにより、空気を浄化させる静電除去装置(エアイオナイザ)がこれまで各種開発されてきた。この種の従来型静電除去装置は、一般的に、先細電極が設けられており、該先細電極は、この近隣に強度の電界を発生させるために、高電圧供給に連結されている。電極の、高電圧極性いかんにより、これら強力な電界の近辺に存在する中性のガス分子が、正イオン又は負イオンに変化する。送風機を使用すると共に、同様に帯電した電極から静電気を撃退すると、部屋中に負電荷イオンが分散して、大気中の微粒状の汚染物質が沈殿すると共に、これに伴って有益な生理的効果が更に増す。
【0005】
こういった技術は、ヘアブラシ、歯ブラシ、履物、化粧品、空調装置、衣類、水処理装置、トイレ、ヘアドライヤ、及びその他の電機製品等の、一般的な家庭用、ヘルスケア用製品に取り入れられている。プラスチック材にイオンを埋め込んだ例は、米国特許4,526,832や4,743,493に開示されている。Shintomeに対して与えられた米国特許6,964,808には、壁材が開示されており、これは、少なくとも珪酸と酸化アルミニウムを含む鉱珪酸塩からなる火山灰堆積物に、所定量の結合剤と水を加え、共に混合し、混合したものを壁の表面に塗布することにより形成される。鉱珪酸塩及び大気中の水分内に含まれる正イオンの自然な反応により、電荷の交換が行われ、負電荷イオンが壁の表面に発生する。湿度調整装置もまた、大気中に含まれる水分量を調整して、イオン交換率を制御することによる、負電荷イオン発生装置として提案されている。ある実施例では、水素又は酸素発生活性酸素種又は酸素遊離基と反応する、酸化チタンを含有する火山灰堆積物が使用されている。活性酸素種が発生すると、エアフィルタの役割をする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この技術分野では、高圧や湿度調整を必要としなくても、負イオンを発生させることと関連して生まれる上記利点を全て発揮し、かつ、通常の使用の副産物として負イオンが効果的な量だけ発生し得る床材に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、周囲環境と境界をなす面を有し、該面は、該面の実質的に下方に配置した、効果的な量からなる電気的に分極可能な焦電粒子からなる構造を有するフロアカバーを提供する。実施例によっては、効果的な量からなる電気的に分極可能な粒子の一部は、周囲環境に対して露出している。また、別の実施例においては、前記面の最上に摩耗層を、前記露出させた電気的に分極可能な粒子を、該面から1ミリメートルに満たない箇所に配置させる形で設けられる。
【0008】
好ましい実施例においては、フロアカバーは、大気と境界をなす面及び、該面の実質的に下方に配置したトルマリン粒子の層を有する形で設けられる。
【0009】
負イオン発生方法は、ビルの周囲環境と境界をなす面を有するフロアカバーを、該建物内に配置することによるものである。このフロアカバーは、前記面から1ミリメートルに満たない箇所に設けられた、有効な量からなる焦電的に分極可能な物質を有することにより、人や物が該面上を通過すると、焦電的に分極可能な物質が摩擦により加熱されて、負イオンが発生するようになっている。
【0010】
別の方法は、人や物がフロアカバーを通過して、周囲環境と境界をなす面と摩擦により係合すると、該面の実質的に下方に配置した焦電的に分極可能な材料が摩擦によって加熱され、これによりフロアカバーにより負イオンが発生する。
【0011】
本発明の上記記載の特徴や利点、他の特徴や利点は、後に詳述した本発明の好ましい実施例に十分に開示されると共に、これら記述により明らかになる。また、これらの記述は、類似する部分に類似する番号を記載した、添付の図面と共に考慮するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好ましい実施例の記述は、添付した図面に関連して読むことになっており、該添付図面は、本発明の全記述の一部であると解釈されるものである。図面は必ずしも一定の尺度に応じて作成されているわけではなく、発明の特徴の一部は、明瞭かつ簡潔に表現するため、誇張した尺度で示されることもあり、また、幾分概略的な形状で示されていることもある。また、「水平」、「垂直」、「上」、「下」、「上部」、「底部」等の相対的な用語及びその派生語(例えば、「水平に」、「下方に」、「上方に」等)は、記述内容、又は、言及した図面に示す方位を指していると解釈されるものである。これらの相対的な用語は、表現上の便宜のために使用するものであり、通常は特別な方位を必要とすることを意図していない。「内方へ」と「外方へ」、「長手方向の」と「短手方向の」を含む用語等は、適宜、互いに相対的、伸延軸又は回転中心軸に対して相対的であると解釈するものとする。また、「連結した」、「相互に連結した」等の、取り付け、連結に関する用語は、構造体が、互いに対して直接固定されているか、若しくは介在する構造を介して、間接的に固定されているか、若しくは取り付けられている関係だけでなく、明確に否定する表現が無い限り、互いが移動自在である関係、固定的な装着である関係を指す場合もある。更に、「適切に作用するように連結した」とは、関係する構造が、その関係によって意図したように作用し得る、取り付け、連結、結合を指している。クレーム中に、もし「手段プラス機能」節が使用されている場合には、これは、構造的に同等なものだけでなく、同等な構造をも含む形で、具体的に述べた機能を実行するために、明細書の記載や図面によって表され、示唆され、明らかになった構造を含むものとする。
【0013】
本発明は、電極及び電流を使用せずに、連続的に負イオン7を発生する機能を有する、空気浄化性質を有するフロアカバー5を提供するものである。人9がフロアカバー5上を歩くと、高度に可動性を有する負イオン7が、周囲環境内で移動し、循環する。フロアカバー5は、一枚以上のタイル、シート、板材、細長いフロアタイルの形で設けることが出来、また、ポリビニルクロライド、ゴム、リノリウム、重合樹脂、強化樹脂、ビニル複合材料、他の弾性材、カーペット、石、セラミック、金属、ガラス、織物、木材、これらの適宜な組み合わせによる複合物、これらの適宜な組み合わせによる薄板、これらの適宜な組み合わせよるラミネート等の表面を有する、サイズ、形状が異なるフロアタイル、シート、板材を含むシートや板材の形で設けることが出来る。
【0014】
本発明の一実施例では、フロアカバー5は、タイル10の形状をしており、これは、底層12、美観層14、及び周囲環境に負電荷を持つイオン化粒子、又は負イオン7を連続的に発散する、自然イオン化鉱物やセラミック材の混合物16を有している。底層12は、実質的に平面的な上面20、及び底面22を有しており、ポリマーバインダ、充填剤、スタビライザ、任意の可塑剤、加工助剤、顔料等の混合物を有する単層から形成される平坦なシートで構成されていることが多い。例えば、ポリマがポリビニルクロライド(PVC)ホモポリマである場合には、可塑剤が必要である。当然のことながら、底層12は、例えば、1以上のPVC/ビニルアセテートコーポリマを含んでいてもよい。許容可能なポリマーバインダは、PVCホモアンドコーポリマ、メタロセン、ポリオレフィン、アクリル酸ポリマ、ポリエステル、及び他の熱可塑性ポリマ材料を含むポリオレフィンホモアンドコーポリマ等である。許容可能な他のポリマーバインダは、ゴム、リノリウム、エポキシ、アクリル樹脂、ポリエステル等の、熱硬化性のポリマであるが、底層12の製造工程は、ポリマーバインダの選択如何により変わり得る。上面20は、周囲環境との境界を形成するか、若しくは、これに、追加層を被覆してもよい。
【0015】
底層12を単色にする場合には、Banbury(登録商標)や従来の(当該技術分野で公知のタイプの)押し出し成形機を用いて、組成物を混合し、加熱した混合物を、少なくとも1台のカレンダーを用いて供給することにより形成し、これにより、要求に応じて分離したフロアタイル10に切断することが出来る強化シートが製造される。この工程においては、つや出しロールや仕上ロールを任意に入れても良い。底層12を多色単層にする場合には、即ち、底層12がフロアカバーに美観的な価値も与えたい場合には、上記のようにそれぞれ異なる色のシートを作るが、これらは次々に、粒子やチップに砕かれ、又は、他の形状に切断される。ある実施例では、これらの粒子やチップは、その後一緒に混合し、カレンダーを作用させて熱処理することで、単層で、多色の強化された底層12が製造される。一般的に、このカレンダー処理は、視覚的には、方向性を有する線条がつき、形状にゆがみが出てしまう。このタイプの構成の例としては、連邦仕様(Federal Specification)SS−T−312b、タイプIV、組成Iに示された、弾性床、ビニルコンポジションタイルがある。この他、この技術分野で公知なものとしては、ノンディレクショナル(非定向)映像を作り出す、平床式押圧工程(本技術分野で知られている別の工程)を使用しても良い。この工程により、正方形やチップ等の、模様付き領域を有する固い層を製造することができる。底層12は、他の公知の床基板構造から構成することが出来るのは勿論であり、フェルト、ガラスマット、スクリム、織物、充填若しくは非充填固体層、充填若しくは非充填フォーム層、或いはこれらの組み合わせが含まれるが、これに限定されるわけではない。
【0016】
美観層14が、ポリマーバインダー、充填剤、スタビライザ、任意の可塑剤、加工助剤、顔料等の混合物を含む単一の、熱処理層から形成された、平坦で、実質的に平面的なシート及び、上面26と底面28から構成されている限り、底層12とその組成に関しては同様である。上面26は、周囲環境との境界を形成していても、或いは、1以上の層により更に被覆されていても良い。美観層14のポリマーバインダーには、微粒子状またはチップ状の1以上の顔料を、所定の模様、色、織り方で、所定の量だけ添加することにより、上面26に所定の色や、色による模様をつけることが多い。美観層14を底層12に、該底層12の上面20を、美観層14の底面28にしっかりと係合させ、若しくは、接着させることにより、仕上タイル10を形成させる。別の実施例では、美観層14は、上面26から視認できる着色図案や模様を有する印刷層50(図12−14)により構成されていることもある。印刷層は、輪転グラビア、スクリーン、フレキソ印刷、インタリオ、インクジェットにより形成したり、また、分極可能材を沈積させて、印刷層50の一部を形成させると同時に、若しくは、これとは独立して使用することが可能な別の印刷処理工程により形成することも出来る。印刷層50は、周囲環境との境界を形成していても、或いは、1以上の層により更に被覆されていても良い。
【0017】
本発明は、分極可能材16、即ち、効果的な量からなる、電気的に分極可能な粒子を、(美観層14の上面26に関して)浅い領域に埋め込むことにより、室温で周囲環境に、自然に負イオン7を放つようにしたフロアカバー5を提供している。分極可能材16の層を配置する好ましい深さは、適宜に負イオンを発生させ、かつ費用に関し効果的に該層を製造するにあたって、例えば、美観層14の上面26等(図8、9、10、11参照)の、周囲環境との境界を形成する表面から1ミリに満たない。分極可能な粒子の一部を周囲環境に対して露出させ、残りの分極可能な粒子を実質的に前記面の下方に配置させるようにして、分極可能材16の層30を配置すると、十分な効果を発揮させることが出来る。この構成により、足裏、靴底29、ブーツ底、或いはフロアカバー5の最も外側の表面、即ち摩耗面35上を転がる車輪33の表面31と接触することにより、焦電的に分極可能な粒子を摩擦により直接加熱させることが出来る。
【0018】
「焦電効果」を発揮する、即ち、あらゆる方向における温度の変化に反応して、自発的な分極変化を発揮し、これにより材料の表面やその周囲に「静電荷」の増大を招く、鉱物、化合物、混合材料を、分極可能材16に含有させることも出来る。ウレタンからなる摩耗面35の最も外側表面上を足や、乗り物が移動して、分極可能材16が摩擦により加熱されると、分極可能材16が電気分極を引き起こし、これにより、負イオンが生産されることがわかる。本発明のある実施例によると、約995mPaの圧力で、1分間に約150センチメートルの割合で、フロアカバー5上を移動することにより、摩擦力を摩耗面35に作用すると、大気中1立方センチメートルあたり40―140の負イオンが発生する。平衡状態を達成するのに必要な時間間隔は、湿度60%、摂氏25度、フロアカバー5の路面抵抗が約1メガオームに満たない、地表条件では、約5分である。なお、これらの結果は、台湾の工業技術研究院、材料研究所によって提供されるタイプの、負イオン測定システム(ITC−403Aベースの測定システム)を使用して測定されたものである。
【0019】
本発明に関連して分極可能材16として使用できる鉱物タイプの例としては、トルマリン、蛇紋石、ゼオライト、及び、Ti、Na、Zn、Siからなる化合物や、他の分極可能な化合物があるが、これに限定されるわけではない。所望の量の負イオン8を発生させるためには、しばしば、トルマリン、蛇紋石、他の鉱物を共に混合して使用することが出来る。分極可能材16には、効果をもたらすのに十分な量の負イオン7の発生を促進させることで知られている、火山灰や、陶器グレードのセラミック材の形状が含まれていることもある。トルマリンは、例えば、1立方センチメートルにつき約100粒子から、1立方センチメートルにつき約650粒子までの範囲の、効果的な量の負イオン7の発生を促進させる強い焦電効果を発揮することで知られており、故に、これを本発明に使用することが好ましい場合が多い。一般的には、分極可能材16は、約0.25―0.35ミクロンの範囲で、好ましくは平均で約0.3ミクロンの大きさを有する粒子に精製する。
【0020】
図6に示すように、本発明の1実施例においては、分極可能材16部分が、周囲環境と境界をなす上面26において露出するように、分極可能材16の層40が、美観層14の上面26に隣接する形で配置されている。本実施例においては、分極可能材の個別の粒子が、少なくとも部分的に上面26上で露出するように、分極可能材16を上面26内に埋め込んだり(図6)、該上面に塗布している(図7)。本実施例では、0.6−0.8ミリメートルの粒子サイズを有する分極可能材16を使用することが出来る。分極可能材16を、該美観層14の厚みのいたるところに分配する形で、該層内に混合することが出来るのは勿論である。ある実施例では、ポリマシステム当たり約10重量パーセントの有効量を使用すると、適宜な結果を得ることが出来る(図8、図9)。
【0021】
更に別の実施例においては、本システムの摩耗を抑えるため分極化可能材16を被覆するものとして、摩耗面35を有する比較的薄い保護被覆42を上面26にあてがうこともあるが、これは常に適用されるわけではない。該保護被覆42は、周囲環境と境界をなす場合もあり、1以上の層により更に被覆される場合もある。層40を保護し保持する目的で使用できる被覆の種類は、上塗り(フィニッシュ)、みがき(ポリッシュ)、ウレタン、アクリル樹脂、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ゴム、熱可塑性ゴム、熱可塑性エチレン、及び、アルミナやアルミナ化合物等の、本技術分野で公知の他の被覆材を含むが、これに限定されるものではない。ある実施例では、ソルベントベース、アクリルポリオールを含有した、熱硬化ウレタン被覆を、適宜な結果と共に使う。フロアカバー5には、しばしば2重のポリウレタン被覆42を施して、0.15〜0.3ミリメートルの厚みで作成することにより、耐久性を高めている。最終製品のイオン発生密度を高めるために保護被覆42を有するフロアカバー5には、しばしばホットプレスラミネーション(加圧用多段ホットプレス)を使う。保護被覆42は、上面26にあてがう、クリアpvc等の、予備成型フィルム、サーリン、ウレタンから構成することも出来る。分極可能材16の層40は、被覆42内に設けても良いし(図11)、分極可能材16を、適当な結果を用いて、被覆42に混ぜ込んで、その厚みのいたるところに分配しても良いことは勿論である(図5)。この実施例においては、分極可能材16を満遍なく混ぜ込んで均等に分配すると、材料の変色を抑えることが出来る。加えて、分極可能材16を被覆42の底面に隣接して、若しくは該底面上に配置する(図10)と、(装飾印刷層50を、図12〜14に示すように、被覆42のすぐ真下の層として用いる場合には、)分極可能材16を逆に被覆したり、印刷インク内に混ぜ合わせることが出来る。
【0022】
本発明は、明細書に開示し、図面に示した特別な構成だけに限定されることは決してなく、特許請求の範囲内に含まれるいかなる変更や、これと同等のものも含まれると解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明に従って形成されたフロアカバー上を歩行する人を示す破断斜視図である。
【図2】図2は、図1と同様な、フロアカバー上を歩行する人を示す破断斜視図であるが、該フロアカバー上を転がる物体の動きも示されている。
【図3】図3は、本発明に従って形成されたフロアタイルの部分破断、部分断面、部分模式斜視図である。
【図4】図4は、図3の4−4線に沿って切断した、図3に示すフロアタイルの横断面図である。
【図5】図5は、図4に示すフロアタイルの一部拡大図である。
【図6】図6は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図7】図7は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図8】図8は、本発明に従って形成したフロアタイルの更に別の実施例の破断横断面図である。
【図9】図9は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図10】図10は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図11】図11は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施例に従って形成されたフロアタイルの部分破断、部分断面、部分模式斜視図であり、装飾画像が含まれている。
【図13】図13は、図12の13−13線に沿って切断した、本発明に従って形成したフロアタイルの破断、横断面図である。
【図14】図14は、図12及び図13に示す図と同様な、破断、横断面図である。
【技術分野】
【0001】
本件は、発明の名称が「イオン発生フロアカバー及びフロアカバー内にイオン粒子を埋め込む方法」であり、2005年1月14日に出願した、特許出願第11/036,941を優先権主張した出願であり、かつ、該出願の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
周囲環境は、静電気の放電及び/又は自然発生的な原因により、しばしば正電荷又は負電荷を帯びるようになるガス分子から構成されている。負電荷を帯びた分子が高度に濃縮されたものを、「負イオン」又は「マイナスイオン」と呼び、これは、滝の周辺や、田舎の牧草地、海岸、山地に存在していることが多い。一方、正電荷を帯びた分子が高度に濃縮したものは、「正イオン」と呼ばれ、都市やオフィスビル、工場、その他都市設備等の、汚染領域に存在することが多い。
【0003】
現在、科学者は、我々が呼吸する周囲環境中に存在する負イオンの濃度のレベルにより、益がもたされる可能性があることを認識している。例えば、周囲環境中に存在する高レベルの負イオンは、花粉、カビ芽胞、煤煙、粉塵、風媒による病原菌、バクテリア等の、通常正の電荷を帯びた有害な微粒状の汚染物質を大気中から除去するという、有益な効果をしばしばもたらしている。これらの汚染物質は、負イオンと汚染物質とを衝突させることにより、大気から取り除くことが多い。負イオンと風媒による汚染物質が衝突すると、負イオンの可動性及び有効性が失われる。こういった衝突により、風媒による汚染物質は、大気中で衰え、沈静化する。部屋の中の空気を浄化するために、負の電荷を帯びたイオンを使用することは、米国特許第3,973,927や6,610,127等に開示されているように、公知である。
【0004】
空気が中にこもる建物は、空気中に含まれる負イオンが消耗されることにより、息をする際にむっとするし、不愉快になりがちである。負イオンの消耗を抑え、微粒状の汚染物質を凝結させて大気からおいやり、付近の外部に移すことにより、空気を浄化させる静電除去装置(エアイオナイザ)がこれまで各種開発されてきた。この種の従来型静電除去装置は、一般的に、先細電極が設けられており、該先細電極は、この近隣に強度の電界を発生させるために、高電圧供給に連結されている。電極の、高電圧極性いかんにより、これら強力な電界の近辺に存在する中性のガス分子が、正イオン又は負イオンに変化する。送風機を使用すると共に、同様に帯電した電極から静電気を撃退すると、部屋中に負電荷イオンが分散して、大気中の微粒状の汚染物質が沈殿すると共に、これに伴って有益な生理的効果が更に増す。
【0005】
こういった技術は、ヘアブラシ、歯ブラシ、履物、化粧品、空調装置、衣類、水処理装置、トイレ、ヘアドライヤ、及びその他の電機製品等の、一般的な家庭用、ヘルスケア用製品に取り入れられている。プラスチック材にイオンを埋め込んだ例は、米国特許4,526,832や4,743,493に開示されている。Shintomeに対して与えられた米国特許6,964,808には、壁材が開示されており、これは、少なくとも珪酸と酸化アルミニウムを含む鉱珪酸塩からなる火山灰堆積物に、所定量の結合剤と水を加え、共に混合し、混合したものを壁の表面に塗布することにより形成される。鉱珪酸塩及び大気中の水分内に含まれる正イオンの自然な反応により、電荷の交換が行われ、負電荷イオンが壁の表面に発生する。湿度調整装置もまた、大気中に含まれる水分量を調整して、イオン交換率を制御することによる、負電荷イオン発生装置として提案されている。ある実施例では、水素又は酸素発生活性酸素種又は酸素遊離基と反応する、酸化チタンを含有する火山灰堆積物が使用されている。活性酸素種が発生すると、エアフィルタの役割をする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この技術分野では、高圧や湿度調整を必要としなくても、負イオンを発生させることと関連して生まれる上記利点を全て発揮し、かつ、通常の使用の副産物として負イオンが効果的な量だけ発生し得る床材に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、周囲環境と境界をなす面を有し、該面は、該面の実質的に下方に配置した、効果的な量からなる電気的に分極可能な焦電粒子からなる構造を有するフロアカバーを提供する。実施例によっては、効果的な量からなる電気的に分極可能な粒子の一部は、周囲環境に対して露出している。また、別の実施例においては、前記面の最上に摩耗層を、前記露出させた電気的に分極可能な粒子を、該面から1ミリメートルに満たない箇所に配置させる形で設けられる。
【0008】
好ましい実施例においては、フロアカバーは、大気と境界をなす面及び、該面の実質的に下方に配置したトルマリン粒子の層を有する形で設けられる。
【0009】
負イオン発生方法は、ビルの周囲環境と境界をなす面を有するフロアカバーを、該建物内に配置することによるものである。このフロアカバーは、前記面から1ミリメートルに満たない箇所に設けられた、有効な量からなる焦電的に分極可能な物質を有することにより、人や物が該面上を通過すると、焦電的に分極可能な物質が摩擦により加熱されて、負イオンが発生するようになっている。
【0010】
別の方法は、人や物がフロアカバーを通過して、周囲環境と境界をなす面と摩擦により係合すると、該面の実質的に下方に配置した焦電的に分極可能な材料が摩擦によって加熱され、これによりフロアカバーにより負イオンが発生する。
【0011】
本発明の上記記載の特徴や利点、他の特徴や利点は、後に詳述した本発明の好ましい実施例に十分に開示されると共に、これら記述により明らかになる。また、これらの記述は、類似する部分に類似する番号を記載した、添付の図面と共に考慮するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好ましい実施例の記述は、添付した図面に関連して読むことになっており、該添付図面は、本発明の全記述の一部であると解釈されるものである。図面は必ずしも一定の尺度に応じて作成されているわけではなく、発明の特徴の一部は、明瞭かつ簡潔に表現するため、誇張した尺度で示されることもあり、また、幾分概略的な形状で示されていることもある。また、「水平」、「垂直」、「上」、「下」、「上部」、「底部」等の相対的な用語及びその派生語(例えば、「水平に」、「下方に」、「上方に」等)は、記述内容、又は、言及した図面に示す方位を指していると解釈されるものである。これらの相対的な用語は、表現上の便宜のために使用するものであり、通常は特別な方位を必要とすることを意図していない。「内方へ」と「外方へ」、「長手方向の」と「短手方向の」を含む用語等は、適宜、互いに相対的、伸延軸又は回転中心軸に対して相対的であると解釈するものとする。また、「連結した」、「相互に連結した」等の、取り付け、連結に関する用語は、構造体が、互いに対して直接固定されているか、若しくは介在する構造を介して、間接的に固定されているか、若しくは取り付けられている関係だけでなく、明確に否定する表現が無い限り、互いが移動自在である関係、固定的な装着である関係を指す場合もある。更に、「適切に作用するように連結した」とは、関係する構造が、その関係によって意図したように作用し得る、取り付け、連結、結合を指している。クレーム中に、もし「手段プラス機能」節が使用されている場合には、これは、構造的に同等なものだけでなく、同等な構造をも含む形で、具体的に述べた機能を実行するために、明細書の記載や図面によって表され、示唆され、明らかになった構造を含むものとする。
【0013】
本発明は、電極及び電流を使用せずに、連続的に負イオン7を発生する機能を有する、空気浄化性質を有するフロアカバー5を提供するものである。人9がフロアカバー5上を歩くと、高度に可動性を有する負イオン7が、周囲環境内で移動し、循環する。フロアカバー5は、一枚以上のタイル、シート、板材、細長いフロアタイルの形で設けることが出来、また、ポリビニルクロライド、ゴム、リノリウム、重合樹脂、強化樹脂、ビニル複合材料、他の弾性材、カーペット、石、セラミック、金属、ガラス、織物、木材、これらの適宜な組み合わせによる複合物、これらの適宜な組み合わせによる薄板、これらの適宜な組み合わせよるラミネート等の表面を有する、サイズ、形状が異なるフロアタイル、シート、板材を含むシートや板材の形で設けることが出来る。
【0014】
本発明の一実施例では、フロアカバー5は、タイル10の形状をしており、これは、底層12、美観層14、及び周囲環境に負電荷を持つイオン化粒子、又は負イオン7を連続的に発散する、自然イオン化鉱物やセラミック材の混合物16を有している。底層12は、実質的に平面的な上面20、及び底面22を有しており、ポリマーバインダ、充填剤、スタビライザ、任意の可塑剤、加工助剤、顔料等の混合物を有する単層から形成される平坦なシートで構成されていることが多い。例えば、ポリマがポリビニルクロライド(PVC)ホモポリマである場合には、可塑剤が必要である。当然のことながら、底層12は、例えば、1以上のPVC/ビニルアセテートコーポリマを含んでいてもよい。許容可能なポリマーバインダは、PVCホモアンドコーポリマ、メタロセン、ポリオレフィン、アクリル酸ポリマ、ポリエステル、及び他の熱可塑性ポリマ材料を含むポリオレフィンホモアンドコーポリマ等である。許容可能な他のポリマーバインダは、ゴム、リノリウム、エポキシ、アクリル樹脂、ポリエステル等の、熱硬化性のポリマであるが、底層12の製造工程は、ポリマーバインダの選択如何により変わり得る。上面20は、周囲環境との境界を形成するか、若しくは、これに、追加層を被覆してもよい。
【0015】
底層12を単色にする場合には、Banbury(登録商標)や従来の(当該技術分野で公知のタイプの)押し出し成形機を用いて、組成物を混合し、加熱した混合物を、少なくとも1台のカレンダーを用いて供給することにより形成し、これにより、要求に応じて分離したフロアタイル10に切断することが出来る強化シートが製造される。この工程においては、つや出しロールや仕上ロールを任意に入れても良い。底層12を多色単層にする場合には、即ち、底層12がフロアカバーに美観的な価値も与えたい場合には、上記のようにそれぞれ異なる色のシートを作るが、これらは次々に、粒子やチップに砕かれ、又は、他の形状に切断される。ある実施例では、これらの粒子やチップは、その後一緒に混合し、カレンダーを作用させて熱処理することで、単層で、多色の強化された底層12が製造される。一般的に、このカレンダー処理は、視覚的には、方向性を有する線条がつき、形状にゆがみが出てしまう。このタイプの構成の例としては、連邦仕様(Federal Specification)SS−T−312b、タイプIV、組成Iに示された、弾性床、ビニルコンポジションタイルがある。この他、この技術分野で公知なものとしては、ノンディレクショナル(非定向)映像を作り出す、平床式押圧工程(本技術分野で知られている別の工程)を使用しても良い。この工程により、正方形やチップ等の、模様付き領域を有する固い層を製造することができる。底層12は、他の公知の床基板構造から構成することが出来るのは勿論であり、フェルト、ガラスマット、スクリム、織物、充填若しくは非充填固体層、充填若しくは非充填フォーム層、或いはこれらの組み合わせが含まれるが、これに限定されるわけではない。
【0016】
美観層14が、ポリマーバインダー、充填剤、スタビライザ、任意の可塑剤、加工助剤、顔料等の混合物を含む単一の、熱処理層から形成された、平坦で、実質的に平面的なシート及び、上面26と底面28から構成されている限り、底層12とその組成に関しては同様である。上面26は、周囲環境との境界を形成していても、或いは、1以上の層により更に被覆されていても良い。美観層14のポリマーバインダーには、微粒子状またはチップ状の1以上の顔料を、所定の模様、色、織り方で、所定の量だけ添加することにより、上面26に所定の色や、色による模様をつけることが多い。美観層14を底層12に、該底層12の上面20を、美観層14の底面28にしっかりと係合させ、若しくは、接着させることにより、仕上タイル10を形成させる。別の実施例では、美観層14は、上面26から視認できる着色図案や模様を有する印刷層50(図12−14)により構成されていることもある。印刷層は、輪転グラビア、スクリーン、フレキソ印刷、インタリオ、インクジェットにより形成したり、また、分極可能材を沈積させて、印刷層50の一部を形成させると同時に、若しくは、これとは独立して使用することが可能な別の印刷処理工程により形成することも出来る。印刷層50は、周囲環境との境界を形成していても、或いは、1以上の層により更に被覆されていても良い。
【0017】
本発明は、分極可能材16、即ち、効果的な量からなる、電気的に分極可能な粒子を、(美観層14の上面26に関して)浅い領域に埋め込むことにより、室温で周囲環境に、自然に負イオン7を放つようにしたフロアカバー5を提供している。分極可能材16の層を配置する好ましい深さは、適宜に負イオンを発生させ、かつ費用に関し効果的に該層を製造するにあたって、例えば、美観層14の上面26等(図8、9、10、11参照)の、周囲環境との境界を形成する表面から1ミリに満たない。分極可能な粒子の一部を周囲環境に対して露出させ、残りの分極可能な粒子を実質的に前記面の下方に配置させるようにして、分極可能材16の層30を配置すると、十分な効果を発揮させることが出来る。この構成により、足裏、靴底29、ブーツ底、或いはフロアカバー5の最も外側の表面、即ち摩耗面35上を転がる車輪33の表面31と接触することにより、焦電的に分極可能な粒子を摩擦により直接加熱させることが出来る。
【0018】
「焦電効果」を発揮する、即ち、あらゆる方向における温度の変化に反応して、自発的な分極変化を発揮し、これにより材料の表面やその周囲に「静電荷」の増大を招く、鉱物、化合物、混合材料を、分極可能材16に含有させることも出来る。ウレタンからなる摩耗面35の最も外側表面上を足や、乗り物が移動して、分極可能材16が摩擦により加熱されると、分極可能材16が電気分極を引き起こし、これにより、負イオンが生産されることがわかる。本発明のある実施例によると、約995mPaの圧力で、1分間に約150センチメートルの割合で、フロアカバー5上を移動することにより、摩擦力を摩耗面35に作用すると、大気中1立方センチメートルあたり40―140の負イオンが発生する。平衡状態を達成するのに必要な時間間隔は、湿度60%、摂氏25度、フロアカバー5の路面抵抗が約1メガオームに満たない、地表条件では、約5分である。なお、これらの結果は、台湾の工業技術研究院、材料研究所によって提供されるタイプの、負イオン測定システム(ITC−403Aベースの測定システム)を使用して測定されたものである。
【0019】
本発明に関連して分極可能材16として使用できる鉱物タイプの例としては、トルマリン、蛇紋石、ゼオライト、及び、Ti、Na、Zn、Siからなる化合物や、他の分極可能な化合物があるが、これに限定されるわけではない。所望の量の負イオン8を発生させるためには、しばしば、トルマリン、蛇紋石、他の鉱物を共に混合して使用することが出来る。分極可能材16には、効果をもたらすのに十分な量の負イオン7の発生を促進させることで知られている、火山灰や、陶器グレードのセラミック材の形状が含まれていることもある。トルマリンは、例えば、1立方センチメートルにつき約100粒子から、1立方センチメートルにつき約650粒子までの範囲の、効果的な量の負イオン7の発生を促進させる強い焦電効果を発揮することで知られており、故に、これを本発明に使用することが好ましい場合が多い。一般的には、分極可能材16は、約0.25―0.35ミクロンの範囲で、好ましくは平均で約0.3ミクロンの大きさを有する粒子に精製する。
【0020】
図6に示すように、本発明の1実施例においては、分極可能材16部分が、周囲環境と境界をなす上面26において露出するように、分極可能材16の層40が、美観層14の上面26に隣接する形で配置されている。本実施例においては、分極可能材の個別の粒子が、少なくとも部分的に上面26上で露出するように、分極可能材16を上面26内に埋め込んだり(図6)、該上面に塗布している(図7)。本実施例では、0.6−0.8ミリメートルの粒子サイズを有する分極可能材16を使用することが出来る。分極可能材16を、該美観層14の厚みのいたるところに分配する形で、該層内に混合することが出来るのは勿論である。ある実施例では、ポリマシステム当たり約10重量パーセントの有効量を使用すると、適宜な結果を得ることが出来る(図8、図9)。
【0021】
更に別の実施例においては、本システムの摩耗を抑えるため分極化可能材16を被覆するものとして、摩耗面35を有する比較的薄い保護被覆42を上面26にあてがうこともあるが、これは常に適用されるわけではない。該保護被覆42は、周囲環境と境界をなす場合もあり、1以上の層により更に被覆される場合もある。層40を保護し保持する目的で使用できる被覆の種類は、上塗り(フィニッシュ)、みがき(ポリッシュ)、ウレタン、アクリル樹脂、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ゴム、熱可塑性ゴム、熱可塑性エチレン、及び、アルミナやアルミナ化合物等の、本技術分野で公知の他の被覆材を含むが、これに限定されるものではない。ある実施例では、ソルベントベース、アクリルポリオールを含有した、熱硬化ウレタン被覆を、適宜な結果と共に使う。フロアカバー5には、しばしば2重のポリウレタン被覆42を施して、0.15〜0.3ミリメートルの厚みで作成することにより、耐久性を高めている。最終製品のイオン発生密度を高めるために保護被覆42を有するフロアカバー5には、しばしばホットプレスラミネーション(加圧用多段ホットプレス)を使う。保護被覆42は、上面26にあてがう、クリアpvc等の、予備成型フィルム、サーリン、ウレタンから構成することも出来る。分極可能材16の層40は、被覆42内に設けても良いし(図11)、分極可能材16を、適当な結果を用いて、被覆42に混ぜ込んで、その厚みのいたるところに分配しても良いことは勿論である(図5)。この実施例においては、分極可能材16を満遍なく混ぜ込んで均等に分配すると、材料の変色を抑えることが出来る。加えて、分極可能材16を被覆42の底面に隣接して、若しくは該底面上に配置する(図10)と、(装飾印刷層50を、図12〜14に示すように、被覆42のすぐ真下の層として用いる場合には、)分極可能材16を逆に被覆したり、印刷インク内に混ぜ合わせることが出来る。
【0022】
本発明は、明細書に開示し、図面に示した特別な構成だけに限定されることは決してなく、特許請求の範囲内に含まれるいかなる変更や、これと同等のものも含まれると解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明に従って形成されたフロアカバー上を歩行する人を示す破断斜視図である。
【図2】図2は、図1と同様な、フロアカバー上を歩行する人を示す破断斜視図であるが、該フロアカバー上を転がる物体の動きも示されている。
【図3】図3は、本発明に従って形成されたフロアタイルの部分破断、部分断面、部分模式斜視図である。
【図4】図4は、図3の4−4線に沿って切断した、図3に示すフロアタイルの横断面図である。
【図5】図5は、図4に示すフロアタイルの一部拡大図である。
【図6】図6は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図7】図7は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図8】図8は、本発明に従って形成したフロアタイルの更に別の実施例の破断横断面図である。
【図9】図9は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図10】図10は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図11】図11は、本発明に従って形成したフロアタイルの一実施例の破断横断面図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施例に従って形成されたフロアタイルの部分破断、部分断面、部分模式斜視図であり、装飾画像が含まれている。
【図13】図13は、図12の13−13線に沿って切断した、本発明に従って形成したフロアタイルの破断、横断面図である。
【図14】図14は、図12及び図13に示す図と同様な、破断、横断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲環境と境界をなす面と、該面より実質的に下方に配置した有効な量からなる、電気的に分極可能な粒子からなる、フロアカバー。
【請求項2】
前記有効な量からなる、電気的に分極可能な粒子の一部は、前記周囲環境に対して露出していることを特徴とする、請求項1記載のフロアカバー。
【請求項3】
前記面の最上部に摩耗層が、前記電気的に分極可能な粒子の前記露出した部分上に配置される形で設けられていることを特徴とする、請求項2記載のフロアカバー。
【請求項4】
前記摩耗層は1ミリメートルに満たない厚みを有していることを特徴とする、請求項3記載のフロアカバー。
【請求項5】
前記電気的に分極可能な粒子は、トルマリン、蛇紋石、ゼオライトからなるグループから選択したことを特徴とする、請求項1記載のフロアカバー。
【請求項6】
前記電気的に分極可能な粒子は、焦電特性を発揮することを特徴とする、請求項1記載のフロアカバー。
【請求項7】
前記電気的に分極可能な粒子の大きさは、平均して約0.25―0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項1記載のフロアカバー。
【請求項8】
有効な量からなる電気的に分極可能な粒子を、該分極可能な粒子が、周囲環境と境界をなす面を有する摩耗層内のあらゆる箇所に分配される形で、該摩耗層内に配置したことを特徴とする、フロアカバー。
【請求項9】
前記電気的に分極可能な粒子の大きさは、平均して約0.60―0.0.80ミリメートルの範囲内にあることを特徴とする、請求項3記載のフロアカバー。
【請求項10】
前記電気的に分極可能な粒子の大きさは、平均して約0.25―0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項8記載のフロアカバー。
【請求項11】
周囲環境と境界をなす面を有し、該面から1ミリメートルに満たない場所に、有効な量からなる電気的に分極可能な粒子を配置したことを特徴とする、フロアカバー。
【請求項12】
有効な量からなるトルマリン粒子を、該トルマリン粒子が、周囲環境と境界をなす面を有する摩耗層内のあらゆる箇所に分配される形で、該摩耗層内に配置したことを特徴とする、フロアカバー。
【請求項13】
周囲環境と境界をなす面を有し、該面から1ミリメートルに満たない場所に、有効な量からなる焦電物質を配置したことを特徴とする、フロアカバー。
【請求項14】
前記有効な量からなる、焦電物質の一部は、前記周囲環境に対して露出していることを特徴とする、請求項13記載のフロアカバー。
【請求項15】
前記周囲環境と前記面の間に配置し得るように、摩耗層を前記面の最上部に設け、該摩耗層は、前記焦電物質が露出した部分上に配置されたことを特徴とする、請求項14記載のフロアカバー。
【請求項16】
前記摩耗層は1ミリメートルに満たない厚みを有していることを特徴とする、請求項15記載のフロアカバー。
【請求項17】
前記焦電物質は、トルマリン、蛇紋石、ゼオライトからなるグループから選択したことを特徴とする、請求項13記載のフロアカバー。
【請求項18】
前記焦電物質の粒子の大きさは、平均して約0.25―0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項13記載のフロアカバー。
【請求項19】
前記焦電物質を前記摩耗層内のあらゆる箇所に分配したことを特徴とする、請求項15記載のフロアカバー。
【請求項20】
前記焦電物質の粒子の大きさは、平均して約0.60―0.80ミリメートルの範囲内にあることを特徴とする、請求項15記載のフロアカバー。
【請求項21】
前記焦電物質の粒子の大きさは、平均して約0.25―0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項15記載のフロアカバー。
【請求項22】
大気と境界をなす面を有し、該面から1ミリメートルに満たない箇所に、トルマリン粒子の層が形成されていることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項23】
大気と境界をなす面を有し、該面の実質的に下方にトルマリン粒子の層が配置され、該トルマリン粒子の一部は、前記周囲環境に対して露出していることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項24】
周囲環境と境界をなす面を有する層を有し、効果的な量からなる電気的に分極可能な粒子が前記層のあらゆる箇所に分配されていることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項25】
前記面の最上部に摩耗層が、前記電気的に分極化した粒子の露出部分上に配置される形で設けられていることを特徴とする、請求項24記載のフロアカバー。
【請求項26】
周囲環境と境界をなす面を有する第1層を有し、効果的な量からなる電気的に分極可能な粒子が前記第1層のあらゆる箇所に分配されていることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項27】
(A)(i)建物の周囲環境と境界をなす面、(ii)該面から1ミリメートルに満たない箇所に配置された、効果的な量からなる焦電気的に分極可能な物質、を有するフロアカバーを、前記建物内に配置する工程、
(B)前記焦電的に分極可能な物質を摩擦により加熱し得るように、前記面上を通過する工程からなる、負イオン発生方法。
【請求項28】
前記面上の移動は、1分間につき約150センチメートルの割合で、かつ約995mPaの圧力でなされることを特徴とする、請求項27記載の負イオン発生方法。
【請求項29】
(A)前記周囲環境と境界をなす面と摩擦により係合し得るようにフロアカバーを通過する工程、と
(B)前記面の実質的に下方に配置された焦電的に分極可能な材料を摩擦により加熱する工程からなる、負イオン発生方法。
【請求項30】
トルマリン、蛇紋石、ゼオライトからなるグループから選択した、効果的な量の焦電粒子を、周囲環境と境界をなす面を有すると共に、1ミリメートルに満たない厚みをもつ摩耗層内に配置し、前記焦電粒子は、前記摩耗層に満遍なく分配され、かつ、該粒子の平均的な大きさは、約0.60ミリメートルから約0.8ミリメートルの範囲内であることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項31】
前記焦電粒子の平均的な大きさは、約0.25―0.0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項30記載のフロアカバー。
【請求項32】
薄板状の層が少なくとも2層、と
周囲環境と境界をなす面、と
前記面に隣接する形で配置された、効果的な量の焦電物質、から構成される、フロアカバー。
【請求項33】
共に薄板状にした層が少なくとも2層、と
周囲環境と境界をなす面、と
前記少なくとも1層に満遍なく配置させた、効果的な量の焦電物質から構成される、フロアカバー。
【請求項1】
周囲環境と境界をなす面と、該面より実質的に下方に配置した有効な量からなる、電気的に分極可能な粒子からなる、フロアカバー。
【請求項2】
前記有効な量からなる、電気的に分極可能な粒子の一部は、前記周囲環境に対して露出していることを特徴とする、請求項1記載のフロアカバー。
【請求項3】
前記面の最上部に摩耗層が、前記電気的に分極可能な粒子の前記露出した部分上に配置される形で設けられていることを特徴とする、請求項2記載のフロアカバー。
【請求項4】
前記摩耗層は1ミリメートルに満たない厚みを有していることを特徴とする、請求項3記載のフロアカバー。
【請求項5】
前記電気的に分極可能な粒子は、トルマリン、蛇紋石、ゼオライトからなるグループから選択したことを特徴とする、請求項1記載のフロアカバー。
【請求項6】
前記電気的に分極可能な粒子は、焦電特性を発揮することを特徴とする、請求項1記載のフロアカバー。
【請求項7】
前記電気的に分極可能な粒子の大きさは、平均して約0.25―0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項1記載のフロアカバー。
【請求項8】
有効な量からなる電気的に分極可能な粒子を、該分極可能な粒子が、周囲環境と境界をなす面を有する摩耗層内のあらゆる箇所に分配される形で、該摩耗層内に配置したことを特徴とする、フロアカバー。
【請求項9】
前記電気的に分極可能な粒子の大きさは、平均して約0.60―0.0.80ミリメートルの範囲内にあることを特徴とする、請求項3記載のフロアカバー。
【請求項10】
前記電気的に分極可能な粒子の大きさは、平均して約0.25―0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項8記載のフロアカバー。
【請求項11】
周囲環境と境界をなす面を有し、該面から1ミリメートルに満たない場所に、有効な量からなる電気的に分極可能な粒子を配置したことを特徴とする、フロアカバー。
【請求項12】
有効な量からなるトルマリン粒子を、該トルマリン粒子が、周囲環境と境界をなす面を有する摩耗層内のあらゆる箇所に分配される形で、該摩耗層内に配置したことを特徴とする、フロアカバー。
【請求項13】
周囲環境と境界をなす面を有し、該面から1ミリメートルに満たない場所に、有効な量からなる焦電物質を配置したことを特徴とする、フロアカバー。
【請求項14】
前記有効な量からなる、焦電物質の一部は、前記周囲環境に対して露出していることを特徴とする、請求項13記載のフロアカバー。
【請求項15】
前記周囲環境と前記面の間に配置し得るように、摩耗層を前記面の最上部に設け、該摩耗層は、前記焦電物質が露出した部分上に配置されたことを特徴とする、請求項14記載のフロアカバー。
【請求項16】
前記摩耗層は1ミリメートルに満たない厚みを有していることを特徴とする、請求項15記載のフロアカバー。
【請求項17】
前記焦電物質は、トルマリン、蛇紋石、ゼオライトからなるグループから選択したことを特徴とする、請求項13記載のフロアカバー。
【請求項18】
前記焦電物質の粒子の大きさは、平均して約0.25―0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項13記載のフロアカバー。
【請求項19】
前記焦電物質を前記摩耗層内のあらゆる箇所に分配したことを特徴とする、請求項15記載のフロアカバー。
【請求項20】
前記焦電物質の粒子の大きさは、平均して約0.60―0.80ミリメートルの範囲内にあることを特徴とする、請求項15記載のフロアカバー。
【請求項21】
前記焦電物質の粒子の大きさは、平均して約0.25―0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項15記載のフロアカバー。
【請求項22】
大気と境界をなす面を有し、該面から1ミリメートルに満たない箇所に、トルマリン粒子の層が形成されていることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項23】
大気と境界をなす面を有し、該面の実質的に下方にトルマリン粒子の層が配置され、該トルマリン粒子の一部は、前記周囲環境に対して露出していることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項24】
周囲環境と境界をなす面を有する層を有し、効果的な量からなる電気的に分極可能な粒子が前記層のあらゆる箇所に分配されていることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項25】
前記面の最上部に摩耗層が、前記電気的に分極化した粒子の露出部分上に配置される形で設けられていることを特徴とする、請求項24記載のフロアカバー。
【請求項26】
周囲環境と境界をなす面を有する第1層を有し、効果的な量からなる電気的に分極可能な粒子が前記第1層のあらゆる箇所に分配されていることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項27】
(A)(i)建物の周囲環境と境界をなす面、(ii)該面から1ミリメートルに満たない箇所に配置された、効果的な量からなる焦電気的に分極可能な物質、を有するフロアカバーを、前記建物内に配置する工程、
(B)前記焦電的に分極可能な物質を摩擦により加熱し得るように、前記面上を通過する工程からなる、負イオン発生方法。
【請求項28】
前記面上の移動は、1分間につき約150センチメートルの割合で、かつ約995mPaの圧力でなされることを特徴とする、請求項27記載の負イオン発生方法。
【請求項29】
(A)前記周囲環境と境界をなす面と摩擦により係合し得るようにフロアカバーを通過する工程、と
(B)前記面の実質的に下方に配置された焦電的に分極可能な材料を摩擦により加熱する工程からなる、負イオン発生方法。
【請求項30】
トルマリン、蛇紋石、ゼオライトからなるグループから選択した、効果的な量の焦電粒子を、周囲環境と境界をなす面を有すると共に、1ミリメートルに満たない厚みをもつ摩耗層内に配置し、前記焦電粒子は、前記摩耗層に満遍なく分配され、かつ、該粒子の平均的な大きさは、約0.60ミリメートルから約0.8ミリメートルの範囲内であることを特徴とする、フロアカバー。
【請求項31】
前記焦電粒子の平均的な大きさは、約0.25―0.0.35ミクロンの範囲内にあることを特徴とする、請求項30記載のフロアカバー。
【請求項32】
薄板状の層が少なくとも2層、と
周囲環境と境界をなす面、と
前記面に隣接する形で配置された、効果的な量の焦電物質、から構成される、フロアカバー。
【請求項33】
共に薄板状にした層が少なくとも2層、と
周囲環境と境界をなす面、と
前記少なくとも1層に満遍なく配置させた、効果的な量の焦電物質から構成される、フロアカバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−527223(P2008−527223A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551321(P2007−551321)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/000802
【国際公開番号】WO2006/076351
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(507013523)ザクソン ユーエスエー インク (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/000802
【国際公開番号】WO2006/076351
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(507013523)ザクソン ユーエスエー インク (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]