説明

イオン発生ユニット及び電気機器

【課題】イオンセンサを交換することなくイオン発生部だけを交換することができるイオン発生ユニット及び該イオン発生ユニットを備える電気機器を提供する。
【解決手段】イオン発生ユニット41は、一面が開口した箱状の収容部411、正イオン及び負イオンを発生する電極部413、412を備えたイオン発生部410、イオンセンサ414、イオン発生部410を収容部411に収容した状態で収容部411を取り外し可能に覆う蓋部421、イオンセンサ414を収容部411に収容した状態で収容部411を取り外し困難に覆う覆部422、収容部411の一側端部に設けられ、イオン発生ユニット41を機械的及び電気的に接続するためのコネクタ415、収容部411の他側端部に設けられ、イオン発生ユニット41をケースに固定するためのねじ部416などを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンを発生させるイオン発生ユニット及びイオン発生ユニットを備える電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脱臭作用や除菌作用を有する液体から霧を発生させ、ファンを用いて発生させた気流によって霧を室内に拡散させることにより、室内の壁面等の脱臭や除菌をすることが可能な空気清浄機又は空気調和機が実用化されている。
【0003】
このような空気清浄機又は空気調和機は、イオン発生器を備えている。イオン発生器は、例えば、略直方体のケースに収納されており、空気の通流方向と交差する方向に離隔してプラスイオン及びマイナスイオンをそれぞれ発生するイオン発生部を備える。また、イオン発生部の近傍にはイオンセンサを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−62036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のようなイオン発生器は、イオン発生部とイオンセンサとが一体化されているため、仮にイオン発生部に異常が発生した場合には、イオン発生器自体を交換する必要がある。このため、イオンセンサが正常であるにもかかわらず、イオンセンサもイオン発生器ごと交換しなければならず、不要なコスト高を招いていた。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、イオンセンサを交換することなくイオン発生部だけを交換することができるイオン発生ユニット及び該イオン発生ユニットを備える電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るイオン発生ユニットは、イオン発生部、及び該イオン発生部で発生したイオンを検出するイオンセンサを収容する収容部を備えるイオン発生ユニットにおいて、前記イオンセンサを露出することなく前記イオン発生部を前記収容部から取り外すための開口部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、イオンセンサを露出することなく収容部から取り外すための開口部を備える。仮にイオン発生部に異常が発生し、イオンセンサが正常である場合には、イオンセンサを露出することなく、開口部からイオン発生部を取り出し、イオン発生部を交換した後、イオン発生部を開口部に挿入して収容部に取り付け、イオン発生部を交換したイオン発生ユニットをイオン発生装置に装着する。これにより、正常なイオンセンサを交換することなくイオン発生部だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる。
【0009】
本発明に係るイオン発生ユニットは、前記開口部を覆い、取り外し又は開閉可能な蓋部を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、開口部を覆い、取り外し又は開閉可能な蓋部を備える。例えば、蓋部は、ねじ等で取り外しが容易な態様で収容部に取り付けることができる。あるいは、蓋部をヒンジ等で回動可能に収容部に固定し、蓋部を開閉するようにしてもよい。あるいは、開口部を開閉できるように蓋部を摺動可能に取り付け、蓋部を摺動させて開口部を開閉するようにしてもよい。仮にイオン発生部に異常が発生し、イオンセンサが正常である場合には、蓋部を収容部から取り外し又は開閉し、イオンセンサを露出することなく、イオン発生部を交換した後、蓋部を収容部に取り付け又は開口部を閉じ、イオン発生部を交換したイオン発生ユニットをイオン発生装置に装着する。これにより、正常なイオンセンサを交換することなくイオン発生部だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる。
【0011】
本発明に係るイオン発生ユニットは、前記イオンセンサが収容された収容部を取り外し又は開閉困難に覆う覆部を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、イオンセンサが収容された収容部を取り外し又は開閉困難に覆う覆部を備える。例えば、覆部は、収容部から容易に取り外し又は開閉ができない程度に、例えば、覆部に嵌合部材を設け、収容部に被嵌合部材を設けることができる。仮にイオン発生部に異常が発生し、イオンセンサが正常である場合には、蓋部を収容部から取り外し、イオン発生部を交換した後、蓋部を収容部に取り付け、イオン発生部を交換したイオン発生ユニットをイオン発生装置に装着する。これにより、正常なイオンセンサを交換することなくイオン発生部だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる。
【0013】
本発明に係るイオン発生ユニットは、前記イオン発生部は、イオンを発生するための電極を有し、前記イオンセンサは、イオンを検出するためのセンサ面を有し、前記収容部は、該収容部の一部に前記センサ面を露出させて前記イオンセンサを収容してあり、前記一部から前記電極を突出させて前記イオン発生部を収容してあることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、イオン発生部は、イオンを発生するための電極を有する。イオンセンサは、イオンを検出するためのセンサ面を有する。収容部は、当該収容部の一部にセンサ面を露出させてイオンセンサを収容してあり、当該収容部の一部から電極を突出させてイオン発生部を収容してある。収容部の一部とは、例えば、収容部の外形を画定する一面である。すなわち、収容部の一部(一面)には、センサ面を露出させるとともに、電極を突出させてある。電極を突出させることにより、イオンを発生しやすくするとともに、発生したイオンを放出させやすくすることができる。また、イオンセンサのセンサ面を収容部の一面に露出させることにより、収容部の一面とセンサ面とを同一面上に配置することができ、イオンセンサが空気の流れを妨げることがない。
【0015】
本発明に係るイオン発生ユニットは、前記イオン発生部は、正イオンを発生するための電極と負イオンを発生するための電極とを離隔して設けてあり、イオン検出対象の一方の電極と前記イオンセンサとの離隔寸法を画定する仮想直線と、該一方の電極と他方の電極との離隔寸法を画定する仮想直線との間の角度が90度より大きく180度より小さくなるように前記イオンセンサを設けてあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、イオン発生部は、正イオンを発生するための電極と負イオンを発生するための電極とを離隔して設けてある。イオン検出対象の一方の電極(例えば、負イオンを発生するための電極)とイオンセンサとの離隔寸法を画定する仮想直線と、当該一方の電極と他方の電極(例えば、正イオンを発生するための電極)との離隔寸法を画定する仮想直線との間の角度が90度より大きく180度より小さくなるようにイオンセンサを設けてある。離隔寸法は、例えば、電極間の寸法であり、イオンセンサの中心(センサ面の中心)と電極との間の寸法である。仮想直線は、例えば、電極と垂直に交差する平面上に投影した直線とすることができる。角度は、例えば、100度から140度程度とすることができる。
【0017】
上述の構成により、例えば、イオンセンサを一方の電極に近づけるとともに、他方の電極から遠ざけることができる。また、角度を90度より大きくすることにより、電極同士が水平(横方向)に配置されたときに、イオンセンサがイオン検出対象の一方の電極(例えば、負イオンを発生するための電極)の直下に位置することなく、当該電極から斜め下方向に配置される。このため、ファンから送出される空気の風向が、垂直(縦方向)ではなく、垂直方向に対して斜め方向となる場合でも、風向に沿ってイオン検出対象の電極の下流側にイオンセンサを配置することができるとともに、イオンセンサをイオン検出対象ではない電極(例えば、正イオンを発生するための電極)から遠ざけることができるので、イオン濃度を精度よく検出することができる。
【0018】
本発明に係る電気機器は、前述の発明に係るイオン発生ユニットを備え、該イオン発生ユニットで発生したイオンを吹出口から放出するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、正常なイオンセンサを交換することなくイオン発生部だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる電気機器を実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、正常なイオンセンサを交換することなくイオン発生部だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを閉じた状態の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを開いた状態の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図3】本実施の形態のイオン発生装置の内部構成の一例を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態のイオン発生ユニットの一例を示す外観斜視図である。
【図5】本実施の形態のイオン発生ユニットの収容部側から見た分解斜視図である。
【図6】本実施の形態のイオン発生ユニットの第1例としての蓋部側から見た分解斜視図である。
【図7】本実施の形態のイオン発生ユニットの一例を示す側面図である。
【図8】吹出口の内側の一例を示す要部断面図である。
【図9】本実施の形態のイオン発生ユニットの第2例としての分解斜視図である。
【図10】本実施の形態のイオン発生ユニットの第3例としての分解斜視図である。
【図11】本実施の形態のイオン発生ユニットの第4例としての分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバを閉じた状態の構成の一例を示す外観斜視図であり、図2は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバを開いた状態の構成の一例を示す外観斜視図であり、図3は本実施の形態のイオン発生装置100の内部構成の一例を示す斜視図である。イオン発生装置100は、一面が開口した箱状のケース1、ケース1の開口面に装着される矩形状のパネル2などを備える。なお、以下では、電気機器の一例としてイオン発生装置について説明するが、電気機器はイオン発生装置に限定されるものではなく、空気清浄機、エアコン、ファンヒータ、加湿器、除湿器、冷蔵庫、殺菌装置などを含む。
【0023】
パネル2は、中央部に矩形状の空気の取入口10を設けてあり、取入口10を設けた箇所の高さ寸法(厚み寸法)が大きく、パネル2の中央部から周部に向かって高さ寸法が小さくなるようにパネル2の表面(前面)を取入口10の面に対して傾斜させてある。
【0024】
パネル2の周縁部には、矩形状の空気の吹出口11、12、13、14を設けてある。また、それぞれの吹出口11〜14には、風向調整板であるルーバ21、22、23、24を設けてある。
【0025】
ルーバ21〜24は、吹出口11〜14と略同寸法を有する矩形状をなす。ルーバ21〜24は、パネル2の周縁部と反対側の吹出口11〜14の縁部に沿った軸回りに回動可能に設けられている。ルーバ21〜24の回動動作は、後述のルーバ制御回路58により制御される。ルーバ21〜24を閉じることにより、吹出口11〜14はルーバ21〜24で覆われる。また、ルーバ21〜24を適宜の角度(例えば、取入口10の面に対する角度)で開くことにより、吹出口11〜14から吹き出されるイオンを含む空気は、ルーバ21〜24の内側面に当たって風向を調整することができる。また、吹出口11〜14から吹き出されるイオンを含む空気は、パネル2の中央部から周縁部へ向かう方向に吹き出すことができる。
【0026】
吹出口11〜14の近傍には、それぞれの吹出口11〜14に対応させて表示部としてのLED31、32、33、34を設けてある。LED31〜34は、例えば、取入口10の周縁部と各吹出口11〜14の端部との間に設けることができる。
【0027】
LED31〜34には、点灯時の光で、例えば、ルーバ21〜24の外側面の所望の領域を照らすことができるように導光部材(不図示)を設けることもできる。これにより、ルーバ21〜24の開閉状態に関わらず、ルーバ21〜24の外側表面の所望の領域を光らせることができ、外部からの視認性を高めることができる。
【0028】
パネル2の前面には、異常の発生を報知する報知部としてのLEDランプ、リモートコントロール等の外部装置から所定の信号を取得する取得部としての受光部などを備える表示パネル25を設けてある。
【0029】
例えば、表示パネル25は、複数のLEDランプを備え、イオン発生装置100が運転状態であることを示すLEDランプ(運転ランプ)、後述のイオン発生ユニットの交換を知らせるためのLEDランプ、イオン発生ユニット等の異常を報知するためのLEDランプ、イオン発生ユニット又はフィルタ(不図示)等の清掃を通知するためのLEDランプなどを備える。
【0030】
図2又は図3に示すように、それぞれの吹出口11〜14の内側には、イオン発生ユニット41、42、43、44を装着している。
【0031】
また、図3に示すように、ケース1の中央部には、ファン3を設けてある。ファン3は、いわゆるターボファンであり、回転軸方向に立設した複数の羽板を備える。羽板は、ファン3の周方向に沿って傾斜させてある。すなわち、ファン3の回転軸から羽板の両端部までの半径方向に沿った距離が異なり、ファン3を回転させることにより、羽板が空気を外側に押し出すようにしてある。これにより、ファン3が回転することにより、取入口から空気が取り込まれ、ファン3の回転により、取り込まれた空気は、それぞれの吹出口11〜14からイオンを含んだ状態で放出される。
【0032】
図4は本実施の形態のイオン発生ユニット41の一例を示す外観斜視図であり、図5は本実施の形態のイオン発生ユニット41の収容部411側から見た分解斜視図であり、図6は本実施の形態のイオン発生ユニット41の第1例としての蓋部421側から見た分解斜視図であり、図7は本実施の形態のイオン発生ユニット41の一例を示す側面図である。なお、他のイオン発生ユニット42〜44もイオン発生ユニット41と同等であるので、以下では、イオン発生ユニット41について説明する。
【0033】
図4に示すように、イオン発生ユニット41は、一面が開口した箱状の収容部411、正イオン及び負イオンを発生する電極部413、412を備えたイオン発生部410、イオンセンサ414、イオン発生部410を収容部411に収容した状態で収容部411を取り外し可能に覆う蓋部421、イオンセンサ414を収容部411に収容した状態で収容部411を取り外し困難に覆う覆部422、収容部411の一側端部に設けられ、イオン発生ユニット41を機械的及び電気的に接続するためのコネクタ415、収容部411の他側端部に設けられ、イオン発生ユニット41をケース1に固定するためのねじ部416などを備える。
【0034】
イオン発生部410は、矩形状の板状体であり、一方の端部近傍にマイナスイオンを発生させる電極部412を設けてあり、他方の端部近傍にプラスイオンを発生させる電極部413を設けてある。
【0035】
イオン発生ユニット41は、空気中の水蒸気をプラズマ放電によりイオン化することにより、プラスイオンとしてのH+ (H2 O)n (nは任意の自然数)と、マイナスイオンとしてのO2 - (H2 O)m (mは任意の自然数)とを発生する。そして、これらが化学反応することにより、活性種である過酸化水素(H2 2 )及び/又は水酸基ラジカル(OH)が生成され、空気中の浮遊細菌や浮遊ウィルス等が除去される。
【0036】
これにより、それぞれの吹出口11〜14は、プラスイオンを含む空気、及びマイナスイオンを含む空気を分けて吹き出すことができ、イオン発生装置100から吹き出した空気中のプラスイオンとマイナスイオンとが直ちに中和することを防止できる。そして、イオンの中和を防止することにより、イオンの拡散性を向上させることができる。
【0037】
収容部411の底板419には、イオン発生部410の各電極部412、413を底板419の表面から突出させて配置させるため、略矩形状の開口417を形成してある。
【0038】
また、底板419の角部近傍には、イオンセンサ414のセンサ面414aが底板419の表面(一面)と同一面をなすようにイオンセンサ414(センサ面414a)を露出させるための開口418を形成してある。イオンセンサ414は、例えば、略矩形状をなし、開口418は、イオンセンサ414と略同寸法の矩形状をなす。また、底板419のセンサ面414aが露出する箇所には、イオンセンサ414又はセンサ面に直接手が触れないように、枠状の保護部材428を設けてある。
【0039】
収容部411は、イオン発生部410を収容するための収容空間431を有する。イオン発生部410の各電極部412、413を開口417から外側に突出させた状態で、イオン発生部410を収容空間431内に収容することができる。なお、イオン発生部410の固定には、適宜の部材(例えば、ねじ等)を用いればよい。
【0040】
イオン発生部410を収容部411の収容空間431に収容した状態で収容部411(より具体的には、イオン発生部410)を覆う蓋部421を取り付けることができる。蓋部421は、蓋部421に設けられたねじ部425を、収容部411の底板419の内側面に設けられたねじ孔426に挿入して締め付けることにより、蓋部421を収容部411から取り外し可能に(取り外しが容易に)に取り付けることができる。
【0041】
なお、蓋部421を収容部411に取り付ける方法は、ねじ部とねじ孔に限定されるものではなく、取り外しが容易な構成であれば、他の構成を用いることもできる。
【0042】
また、収容部411は、イオンセンサ414を収容するための収容空間432を有する。収容空間432を画定する収容部411の側板上端部には、覆部422を収容部411に嵌合させるための突起状の嵌合部424を3つ設けてある。また、覆部422の嵌合部424に対応する位置には、被嵌合部としての嵌合孔423を設けてある。
【0043】
イオンセンサ414を収容部411の収容空間432に収容した状態で収容部411(より具体的には、イオンセンサ414)を覆う覆部422を取り付けることができる。覆部422は、覆部422に設けられた嵌合孔423に、収容部411に設けられた突起状の嵌合部424を嵌合することにより、覆部422を収容部411から取り外し又は開閉困難に取り付けることができる。
【0044】
上述のように、イオン発生部410が収容された収容部411を取り外し可能に覆う蓋部421と、イオンセンサ414が収容された収容部411を取り外し困難に覆う覆部422とを備える。例えば、蓋部421は、ねじ等で取り外しが容易な態様で収容部411に取り付けることができる。一方、覆部422は、収容部411から容易に取り外しができない程度に、例えば、覆部422に嵌合孔423を設け、収容部411に突起状の嵌合部材を設けることができる。なお、覆部422に突起状の嵌合部を設け、収容部411に嵌合孔を設けてもよい。
【0045】
仮にイオン発生部410に異常が発生し、イオンセンサ414が正常である場合には、蓋部421を収容部411から取り外し、イオン発生部410を交換した後、蓋部421を収容部411に取り付け、イオン発生部410を交換したイオン発生ユニット41をイオン発生装置100に装着する。これにより、正常なイオンセンサ414を交換することなくイオン発生部410だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる。
【0046】
なお、覆部422を収容部411に取り付ける方法は、上述の例に限定されるものではなく、例えば、覆部422の取り外しが困難であれば、どのような構成でもよい。
【0047】
上述の図4ないし図6で例示した構成では、覆部422を収容部411に嵌合させる構成であったが、これに限定されるものではなく、覆部422を具備しない構成とすることもできる。すなわち、イオン発生ユニット41は、蓋部421及び覆部422の両方を備える構成に代えて、蓋部421だけを具備する構成とすることができる。この場合には、蓋部421は、収容部411を覆い、イオンセンサ414を露出することなく取り外し可能である。
【0048】
仮にイオン発生部410に異常が発生し、イオンセンサ414が正常である場合には、蓋部421を収容部411から取り外し、イオンセンサ414を露出することなく、イオン発生部410を交換した後、蓋部421を収容部411に取り付け、イオン発生部410を交換したイオン発生ユニット41をイオン発生装置100に装着する。これにより、正常なイオンセンサを交換することなくイオン発生部だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる。
【0049】
また、イオン発生部410は、電極部412、413に、イオンを発生するための電極としての針電極412a、413aを有する(図7参照)。なお、以下の説明では、電極の一例として、針状の針電極について説明するが、電極は針状に限定されるものではなく、例えば、沿面放電によりイオンを放出する印刷電極などを用いることもできる。イオンセンサ414は、イオンを検出するためのセンサ面414aを有する。収容部411は、当該収容部411の一部(具体的には、底板419の表面)にセンサ面414aを露出させてイオンセンサ414を収容してあり、当該収容部411の一部(具体的には、底板419の表面)から針電極412a、413aを突出させてイオン発生部410を収容してある。なお、収容部の一部とは、例えば、収容部の外形を画定する一面(具体的には、底板419の表面)である。
【0050】
すなわち、収容部411の一部(一面)には、センサ面414aを露出させるとともに、針電極412a、413aを突出させてある。針電極412a、413aを突出させることにより、イオンを発生しやすくするとともに、発生したイオンを放出させやすくすることができる。また、イオンセンサ414のセンサ面414aを収容部411の一面に露出させることにより、収容部411の一面(具体的には、底板419の表面)とセンサ面414aとを同一面上に配置することができ、イオンセンサ414が空気の流れを妨げることがない。
【0051】
また、図4に示すように、イオン発生部410は、正イオンを発生するための針電極413aと負イオンを発生するための針電極412aとを離隔して設けてある。イオン検出対象の一方の針電極(例えば、負イオンを発生するための針電極)412aとイオンセンサ414との離隔寸法を画定する仮想直線L1と、針電極412aと他方の針電極(例えば、正イオンを発生するための針電極)413aとの離隔寸法を画定する仮想直線L2との間の角度αが90度より大きく180度より小さくなるようにイオンセンサ414を設けてある。
【0052】
ここで、離隔寸法は、例えば、針電極412a、413a間の寸法であり、あるいはイオンセンサ414の中心(センサ面414aの中心)と針電極412aとの間の寸法である。仮想直線は、例えば、針電極412a、413aと垂直に交差する平面上に投影した直線とすることができる。角度αは、例えば、100度から140度程度とすることができる。
【0053】
上述の構成により、例えば、イオンセンサ414を一方の針電極412aに近づけるとともに、他方の針電極413aから遠ざけることができる。また、角度αを90度より大きくすることにより、針電極412a、413a同士が水平(横方向)に配置されたときに、イオンセンサ414がイオン検出対象の一方の針電極(例えば、負イオンを発生するための針電極)412aの直下に位置することなく、当該針電極412aから斜め下方向に配置される。このため、ファンから送出される空気の風向が、垂直(縦方向)ではなく、垂直方向に対して斜め方向となる場合でも、風向に沿ってイオン検出対象の針電極412aの下流側にイオンセンサ414を配置することができるとともに、イオンセンサ414をイオン検出対象ではない針電極(例えば、正イオンを発生するための針電極)413aから遠ざけることができるので、イオン濃度を精度よく検出することができる。
【0054】
図8は吹出口14の内側の一例を示す要部断面図である。なお、図8は吹出口14の内側の要部構成が分かるように一部破断の断面の様子を示す。イオン発生装置100を天井に取り付けた状態では、図8の上側が垂直方向下向きとなり、図8の下側が天井側、すなわち垂直方向上向きとなる。図8において、符号74は導入口である。導入口74は、吹出口14と連通し、吹出口14と略同寸法の長さを有するとともに、ファン3の羽板30の高さと略同寸法の高さを有する。導入口74は、ファン3が送出する空気を電極部412及び電極部413へ導くためのものである。なお、他の吹出口11〜13に対応して、導入口74の他に3つの導入口を具備するが、当該3つの導入口の構成は導入口74と同様であるので、以下では導入口74について説明する。
【0055】
図8において、符号30で示す羽板には、便宜上模様を付して他の箇所と区別できるようにしてある。また、符号Aは、ファン3、すなわち羽板30の回転方向を示す。
【0056】
ファン3から送出された空気は導入口74に流入し吹出口14の内側を通って吹出口14から吹き出す。そして、ファン3は、イオン発生部410で発生したイオンを吹出口14から放出すべく送風する。イオン発生部410は、正イオンを発生するための針電極413aを有する電極部413と負イオンを発生するための針電極412aを有する電極部412とを離隔して設けてある。また、イオン発生部410は、針電極412a、413aが水平方向(横方向)となるように取り付けてある。
【0057】
ファン3により導入口74から吹出口14に向かって、符号Bで示す方向に空気が流れる。ただし、符号Bの方向は、凡その風向を概念的に示すものである。より正確には、ファン3の羽板30が符号Aで示す方向に回転しているため、羽板30で押し出された空気は、導入口74から吹出口14に向かって斜め上方(図8では左上方、イオン発生装置100を取り付けた状態では斜め下方となる)に流れる。
【0058】
そして、針電極412aとイオンセンサ414との離隔寸法を画定する仮想直線L1と、針電極412aと針電極413aとの離隔寸法を画定する仮想直線L2との間の角度αが90度より大きく180度より小さくなるようにイオンセンサ414を設けてある。
【0059】
これにより、針電極412a、413a同士が水平(横方向)に配置されたときに、イオンセンサ414が針電極412aの直上(イオン発生装置100を取り付けた状態では直下)に位置することなく、針電極412aから斜め上方向(イオン発生装置100を取り付けた状態では斜め下方向)に配置される。このため、ファン3から送出される空気の風向が、垂直(縦方向)ではなく、垂直方向に対して斜め方向となる場合でも、風向に沿ってイオン検出対象の針電極412aの下流側にイオンセンサ414を配置することができるとともに、イオンセンサ414をイオン検出対象ではない針電極413aから遠ざけることができるので、イオン濃度を精度よく検出することができる。
【0060】
上述の例では、イオン発生ユニットが蓋部421を具備する構成であったが、イオン発生部410を取り外し可能に装着するための構成は、上述の例に限定されない。以下、他の例について説明する。
【0061】
図9は本実施の形態のイオン発生ユニット41の第2例としての分解斜視図である。図9に示すように、第2例では、蓋部421を具備しない。イオン発生ユニット41は、イオンセンサ414を露出することなく収容部411から取り外すための開口部433を備える。仮にイオン発生部410に異常が発生し、イオンセンサ414が正常である場合には、イオンセンサ414を露出することなく、開口部433からイオン発生部410を取り出し、イオン発生部410を交換した後、イオン発生部410を開口部433に挿入して収容部411に取り付け、イオン発生部410を交換したイオン発生ユニット41をイオン発生装置100に装着する。これにより、正常なイオンセンサ414を交換することなくイオン発生部410だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる。
【0062】
図10は本実施の形態のイオン発生ユニット41の第3例としての分解斜視図である。図10に示すように、蓋部427をヒンジ427aで回動可能に収容部411に固定し、蓋部427を、図10中矢印で示すように開閉するようにしてもよい。仮にイオン発生部410に異常が発生し、イオンセンサ414が正常である場合には、蓋部427を開き、イオンセンサ414を露出することなく、イオン発生部410を交換した後、蓋部427を閉じ、イオン発生部410を交換したイオン発生ユニット41をイオン発生装置100に装着する。これにより、正常なイオンセンサ414を交換することなくイオン発生部410だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる。
【0063】
図11は本実施の形態のイオン発生ユニット41の第4例としての分解斜視図である。図11に示すように、図6の第1例の蓋部421、覆部422に代えて、略同寸法の枠体435と、枠体435に対して摺動可能に取り付けられた蓋部436を備える構成とすることもできる。枠体435には、蓋部436を摺動させるための突条部(不図示)を設けてあり、蓋部436の長手方向の縁部を突条部に挿設することにより、蓋部436を開閉可能に収容部411に取り付けることができる。なお、この場合、枠体435は、取り外し困難に収容部411に固定してある。
【0064】
仮にイオン発生部410に異常が発生し、イオンセンサ414が正常である場合には、蓋部436を摺動させて開き、イオンセンサ414を露出することなく、イオン発生部410を交換し、その後、蓋部436を摺動させて閉じ、イオン発生部410を交換したイオン発生ユニット41をイオン発生装置100に装着する。これにより、正常なイオンセンサ414を交換することなくイオン発生部410だけを交換することができ、不要なコスト高となる事態を防止することができる。
【0065】
上述の実施の形態では、イオン発生ユニット及び吹出口を複数備える構成であったが、これに限定されるものではなく、イオン発生ユニット及び吹出口は1つであってもよい。
【0066】
本実施の形態では、電気機器の一例としてイオン発生装置について説明したが、本実施の形態はイオン発生装置に限定されるものではなく、空気清浄機、エアコン、ファンヒータ、加湿器、除湿器、冷蔵庫、殺菌装置などの電気機器に対しても適用することができる。また、上述の電気機器において、イオン発生ユニットは着脱可能に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 ケース
2 パネル
3 ファン
10 取入口
11、12、13、14 吹出口
21、22、23、24 ルーバ
41、42、43、44 イオン発生ユニット
410 イオン発生部
411 収容部
412、413 電極部
412a、413a 針電極
414 イオンセンサ
414a センサ面
421、427、436 蓋部
422 覆部
433 開口部
435 枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン発生部、及び該イオン発生部で発生したイオンを検出するイオンセンサを収容する収容部を備えるイオン発生ユニットにおいて、
前記イオンセンサを露出することなく前記イオン発生部を前記収容部から取り外すための開口部を備えることを特徴とするイオン発生ユニット。
【請求項2】
前記開口部を覆い、取り外し又は開閉可能な蓋部を備えることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生ユニット。
【請求項3】
前記イオンセンサが収容された収容部を取り外し又は開閉困難に覆う覆部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン発生ユニット。
【請求項4】
前記イオン発生部は、
イオンを発生するための電極を有し、
前記イオンセンサは、
イオンを検出するためのセンサ面を有し、
前記収容部は、
該収容部の一部に前記センサ面を露出させて前記イオンセンサを収容してあり、
前記一部から前記電極を突出させて前記イオン発生部を収容してあることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のイオン発生ユニット。
【請求項5】
前記イオン発生部は、
正イオンを発生するための電極と負イオンを発生するための電極とを離隔して設けてあり、
イオン検出対象の一方の電極と前記イオンセンサとの離隔寸法を画定する仮想直線と、該一方の電極と他方の電極との離隔寸法を画定する仮想直線との間の角度が90度より大きく180度より小さくなるように前記イオンセンサを設けてあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のイオン発生ユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のイオン発生ユニットを備え、該イオン発生ユニットで発生したイオンを吹出口から放出するようにしてあることを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−105600(P2013−105600A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247925(P2011−247925)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)