説明

イオン発生装置

【課題】天井面の汚れを防止することができるイオン発生装置を提供する。
【解決手段】ルーバ21の対向する縁辺のうち、周縁部2a側の縁辺に沿ってルーバ21の内側に突条部材211を設けてある。ルーバ22の対向する縁辺のうち、周縁部2b側の縁辺に沿ってルーバ22の内側に突条部材221を設けてある。ルーバ23の対向する縁辺のうち、周縁部2c側の縁辺に沿ってルーバ23の内側に突条部材231を設けてある。ルーバ24の対向する縁辺のうち、周縁部2d側の縁辺に沿ってルーバ24の内側に突条部材241を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンを発生させるイオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脱臭作用や除菌作用を有する液体から霧を発生させ、ファンを用いて発生させた気流によって霧を室内に拡散させることにより、室内の壁面等の脱臭や除菌をすることが可能な空気清浄機が実用化されている。
【0003】
例えば、空気吸引口から空気を吸い込み、イオン発生部で発生したイオンを含んだ空気を複数の空気吹出口から吹き出すイオン発生装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
このようなイオン発生装置を天井面に取り付ける場合には、イオン発生装置本体の大部分を天井に設けた開口内に埋め込んで、空気の吸引口及び吹出口が設けられたパネルを天井面から露出した状態でイオン発生装置を天井に取り付ける。そして、吹出口には風向を調整するためのルーバ(風向調整板)を回動可能に装着してあり、ルーバの開き具合を変えることにより、風向を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−29553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のようなイオン発生装置を天井に取り付ける場合、ルーバを閉じた状態であっても、ルーバの先端部と吹出口との隙間から漏出する空気がパネルの周縁部から天井面に沿って流れる。このため、天井面の周辺の塵又は埃を巻き込んだ空気が天井面に沿って流れるため天井面に汚れが付着するという問題があった。また、ルーバを完全に閉じた状態ではなく、わずかに開いた状態であっても、吹出口から吹き出された空気がルーバに当たり、ルーバの内側面に沿って風向を変えて天井面に沿って流れるため、同様の問題が発生する。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、天井面の汚れを防止することができるイオン発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るイオン発生装置は、イオン発生ユニットと、該イオン発生ユニットで発生したイオンを含む空気を吹き出すための吹出口が設けられ、取付面に取り付けられるパネルと、前記吹出口を開閉するとともに風向を調整する風向調整板とを備えるイオン発生装置において、前記風向調整板で前記吹出口を閉じた状態で、該吹出口から漏出する空気を前記取付面から離隔する方向へ導出する導出部を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、導出部は、風向調整板で吹出口を閉じた状態で、当該吹出口から漏出する空気を取付面から離隔する方向へ導出する。取付面は、例えば、天井面であり、導出部は風向調整板に沿って天井面の方へ流れる空気を天井面から離れる方向へ導く。これにより、天井面の周辺の塵又は埃を巻き込んだ空気が天井面に沿って流れることを抑制して、天井面の汚れを防止することができる。
【0010】
本発明に係るイオン発生装置は、前記吹出口及び風向調整板は、略同寸法の矩形状をなし、前記パネルの周縁部に設けてあり、前記風向調整板は、前記吹出口の前記周縁部と反対側の縁部に沿った軸回りに回動可能に設けられ、前記導出部は、前記風向調整板の前記周縁部側の縁辺に沿って設けてあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、吹出口及び風向調整板は、略同寸法の矩形状をなし、パネルの周縁部に設けてある。風向調整板は、吹出口の対向する縁部のうち、周縁部と反対側の縁部に沿った軸回りに回動可能に設けてある。すなわち、風向調整板は、吹出口の周縁部よりも中央部よりの端部に沿った軸回りに回動し、風向調整板が閉じた状態では、風向調整板の周縁部側の縁辺が吹出口の周縁部側の端部の内側に収まる。導出部は、風向調整板の周縁部側の縁辺に沿って設けてある。これにより、風向調整板の周縁部側の縁辺と吹出口の端部との隙間から漏出する空気の流れる方向を取付面(天井面)が離れる方向へ導くことができる。
【0012】
本発明に係るイオン発生装置は、前記導出部は、前記風向調整板を閉じた状態で該風向調整板の内側の縁辺に沿って設けた突条部材であることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、導出部は、風向調整板を閉じた状態で風向調整板の内側の縁辺に沿って設けた突条部材である。突条部材(導出部)を具備しない場合は、風向調整板の内側に当たった空気が風向調整板の内側表面に沿って流れ、そのまま風向調整板の周縁部側の縁辺と吹出口の端部との隙間から取付面(天井面)に沿って流れる。突条部材(導出部)を備えることにより、風向調整板の内側表面に沿って流れる空気の方向を突条部材で風向調整板の内側表面に対して略垂直上方向に変えることができる。流れる方向を突条部材により風向調整板の内側表面に対して略垂直上方向に変えた空気は、パネル内に当たり、略垂直下方向に流れる向きを変え、風向調整板の周縁部側の縁辺(突条部材の周縁部側の側面)と吹出口の端部との隙間から取付面(天井面)に対して略垂直下方向に流れる。これにより、天井面の周辺の塵又は埃を巻き込んだ空気が天井面に沿って流れることを抑制して、天井面の汚れを防止することができる。
【0014】
本発明に係るイオン発生装置は、前記突条部材の前記軸側の側面は、凹状に湾曲してあることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、突条部材の軸側の側面(突条部材の周縁部側の側面と反対側の側面)は、凹状に湾曲してある。これにより、風向調整板の内側表面に沿って流れる空気の向きを、凹状の湾曲部分で風向調整板の内側表面に対して略垂直上方向に変えることができる。
【0016】
本発明に係るイオン発生装置は、前記パネルの周縁部に前記吹出口及び前記風向調整板それぞれを複数設けてあり、前記パネルの中央部に空気の取入口を設けてあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、パネルの周縁部に吹出口及び風向調整板それぞれを複数設けてあり、パネルの中央部に空気の取入口を設けてある。すなわち、取入口の周りに吹出口及び風向調整板が設けられている。導出部を具備しない場合には、風向調整板が開いた状態で吹出口から吹き出された空気が風向調整板の内側表面に沿って流れるため、風向調整板の先端(風向調整板の周縁部側の縁辺)付近では、発生したイオンの一部が取入口に向かって流れる空気に取り込まれてしまう。導出部(突条部材)を備えることにより、風向調整板の先端(風向調整板の周縁部側の縁辺)で空気の流れを変えることができる。例えば、導出部(突条部材)により、風向調整板の内側表面に対して略垂直上方向に空気の流れを変えることができるので、発生したイオンの一部が取入口に向かって流れる空気に取り込まれてしまう事態を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、天井面の周辺の塵又は埃を巻き込んだ空気が天井面に沿って流れることを抑制して、天井面の汚れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを閉じた状態の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを開いた状態の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図3】本実施の形態のイオン発生装置の内部構成の一例を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態のイオン発生ユニットの一例を示す外観斜視図である。
【図5】本実施の形態のイオン発生装置の構成の一例を示す平面図である。
【図6】本実施の形態のイオン発生装置の構成の一例を示す要部断面図である。
【図7】本実施の形態のイオン発生装置の導出部の構成の一例を示す要部断面図である。
【図8】比較例としての突条部材を具備しないイオン発生装置の構成の一例を示す要部断面図である。
【図9】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを開いた状態の一例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバを閉じた状態の構成の一例を示す外観斜視図であり、図2は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバを開いた状態の構成の一例を示す外観斜視図であり、図3は本実施の形態のイオン発生装置100の内部構成の一例を示す斜視図である。イオン発生装置100は、一面が開口した箱状のケース1、ケース1の開口面に装着される矩形状のパネル2などを備える。
【0021】
ケース1を天井面などの取付面に設けた開口内に収容することにより、取付面にパネル2を取り付ける。イオン発生装置100を天井に設置した状態では、取付面からパネル2が露出した形となり、イオン発生装置100は、いわゆる天井埋込型のイオン発生装置である。
【0022】
パネル2は、中央部に矩形状の空気の取入口10を設けてあり、取入口10を設けた箇所の高さ寸法(厚み寸法)が大きく、パネル2の中央部から周部に向かって高さ寸法が小さくなるようにパネル2の表面(前面)を取入口10の面に対して傾斜させてある。
【0023】
平面視が略矩形状のパネル2は、4つの周縁部2a、2b、2c、2dを有する。周縁部2a〜2dは、パネル2の外周部分である。パネル2の周縁部2a〜2dには、矩形状の空気の吹出口11、12、13、14を設けてある。また、それぞれの吹出口11〜14には、風向調整板であるルーバ21、22、23、24を設けてある。
【0024】
吹出口11は、平面視が略矩形状をなし、パネル2の周縁部2aに平行に対向する端部11a、11bを有する。端部11aは、周縁部2a側の端部であり、端部11bは、周縁部2aと反対側(パネル2の中央部側)の端部である。
【0025】
また、吹出口12は、平面視が略矩形状をなし、パネル2の周縁部2bに平行に対向する端部12a、12bを有する。端部12aは、周縁部2b側の端部であり、端部12bは、周縁部2bと反対側(パネル2の中央部側)の端部である。
【0026】
また、吹出口13は、平面視が略矩形状をなし、パネル2の周縁部2cに平行に対向する端部13a、13bを有する。端部13aは、周縁部2c側の端部であり、端部13bは、周縁部2cと反対側(パネル2の中央部側)の端部である。
【0027】
また、吹出口14は、平面視が略矩形状をなし、パネル2の周縁部2dに平行に対向する端部14a、14bを有する。端部14aは、周縁部2d側の端部であり、端部14bは、周縁部2dと反対側(パネル2の中央部側)の端部である。
【0028】
ルーバ21〜24は、吹出口11〜14と略同寸法であり、ルーバ21〜24が閉じた状態では、パネル2の表面とルーバ21〜24の外側表面とが略同一面をなすように、吹出口11〜14内に収容される。ここで、ルーバ21〜24の外側表面とは、ルーバ21〜24が閉じた状態で外部から視認できる側の表面であり、また外側表面と反対側の面を内側表面と称する。
【0029】
パネル2の周縁部2a〜2dに吹出口11〜14及びルーバ21〜24を設けてあり、パネル2の中央部に空気の取入口10を設けてある。すなわち、取入口10の周りに吹出口11〜14及びルーバ21〜24が設けられている。
【0030】
ルーバ21は、吹出口11の対向する端部11a、11bのうち、パネル2の周縁部2aと反対側の縁部11bに沿った軸回りに回動可能に設けられている。また、ルーバ22は、吹出口12の対向する端部12a、12bのうち、パネル2の周縁部2bと反対側の縁部12bに沿った軸回りに回動可能に設けられている。また、ルーバ23は、吹出口13の対向する端部13a、13bのうち、パネル2の周縁部2cと反対側の縁部13bに沿った軸回りに回動可能に設けられている。また、ルーバ24は、吹出口14の対向する端部14a、14bのうち、パネル2の周縁部2dと反対側の縁部14bに沿った軸回りに回動可能に設けられている。
【0031】
ルーバ21〜24の回動動作は、ルーバ制御回路(不図示)により制御される。ルーバ21〜24を閉じることにより、吹出口11〜14はルーバ21〜24で覆われる。また、ルーバ21〜24を適宜の角度(例えば、取入口10の面に対する角度)で開くことにより、吹出口11〜14から吹き出されるイオンを含む空気は、ルーバ21〜24の内側面に当たって風向を調整することができる。また、吹出口11〜14から吹き出されるイオンを含む空気は、パネル2の中央部から周縁部へ向かう方向に吹き出すことができる。
【0032】
吹出口11〜14の近傍には、それぞれの吹出口11〜14に対応させて表示部としてのLED31、32、33、34を設けてある。LED31〜34は、例えば、取入口10の周縁部と各吹出口11〜14の端部との間に設けることができる。LED31〜34は、各吹出口11〜14から吹き出される空気に含まれるイオンの濃度が正常値の範囲でない場合などの異常時に点灯又は点滅するようになっている。
【0033】
LED31〜34には、点灯時の光で、例えば、ルーバ21〜24の外側面の所望の領域を照らすことができるように導光部材(不図示)を設けることもできる。これにより、ルーバ21〜24の開閉状態に関わらず、ルーバ21〜24の外側表面の所望の領域を光らせることができ、外部からの視認性を高めることができる。
【0034】
パネル2の前面には、異常の発生を報知する報知部としてのLEDランプ、リモートコントロール等の外部装置から所定の信号を取得する取得部としての受光部などを備える表示パネル25を設けてある。
【0035】
例えば、表示パネル25は、複数のLEDランプを備え、イオン発生装置100が運転状態であることを示すLEDランプ(運転ランプ)、後述のイオン発生ユニットの交換を知らせるためのLEDランプ、イオン発生ユニット等の異常を報知するためのLEDランプ、イオン発生ユニット又はフィルタ(不図示)等の清掃を通知するためのLEDランプなどを備える。
【0036】
また、図3に示すように、ケース1の中央部には、ファン3を設けてある。ファン3は、いわゆるターボファンであり、回転軸方向に立設した複数の羽板を備える。羽板は、ファン3の周方向に沿って傾斜させてある。すなわち、ファン3の回転軸から羽板の両端部までの半径方向に沿った距離が異なり、ファン3を回転させることにより、羽板が空気を外側に押し出すようにしてある。これにより、ファン3が回転することにより、取入口から空気が取り込まれ、ファン3の回転により、取り込まれた空気は、それぞれの吹出口11〜14からイオンを含んだ状態で放出される。
【0037】
図2又は図3に示すように、それぞれの吹出口11〜14の内側には、イオン発生ユニット41、42、43、44を装着している。
【0038】
図4は本実施の形態のイオン発生ユニット41の一例を示す外観斜視図である。なお、他のイオン発生ユニット42〜44もイオン発生ユニット41と同等であるので、以下では、イオン発生ユニット41について説明する。
【0039】
イオン発生ユニット41は、箱状の収容部411を備え、収容部411には、正イオン及び負イオンを発生する電極部413、412を備えたイオン発生部、イオンセンサ414などを収容している。
【0040】
イオン発生部は、矩形状の板状体であり、一方の端部近傍にマイナスイオンを発生させる電極部412を設けてあり、他方の端部近傍にプラスイオンを発生させる電極部413を設けてある。
【0041】
収容部411の一側端部には、イオン発生ユニット41を機械的及び電気的に接続するためのコネクタ415を備える。また、収容部411の一側端部には、イオン発生ユニット41をケース1に固定するためのねじ部416を設けてある。
【0042】
イオン発生ユニット41は、空気中の水蒸気をプラズマ放電によりイオン化することにより、プラスイオンとしてのH+ (H2 O)n (nは任意の自然数)と、マイナスイオンとしてのO2 - (H2 O)m (mは任意の自然数)とを発生する。そして、これらが化学反応することにより、活性種である過酸化水素(H2 2 )及び/又は水酸基ラジカル(OH)が生成され、空気中の浮遊細菌や浮遊ウィルス等が除去される。
【0043】
これにより、それぞれの吹出口11〜14は、独立にプラスイオンを含む空気、及びマイナスイオンを含む空気を吹き出すことができ、イオン発生装置100から吹き出した空気中のプラスイオンとマイナスイオンとが直ちに中和することを防止できる。そして、イオンの中和を防止することにより、イオンの拡散性を向上させることができる。
【0044】
図5は本実施の形態のイオン発生装置100の構成の一例を示す平面図であり、図6は本実施の形態のイオン発生装置100の構成の一例を示す要部断面図である。図5はイオン発生装置100をパネル2の前面(表面)側から見た状態を示す。また、図6はルーバ21が開いた状態を示す。
【0045】
ルーバ21の対向する縁辺のうち、周縁部2a側(パネル2の中央部側と反対側)の縁辺に沿って導出部としての突条部材211を設けてある。突条部材211は、ルーバ21の内側の縁辺に設けられている。
【0046】
また、ルーバ22の対向する縁辺のうち、周縁部2b側(パネル2の中央部側と反対側)の縁辺に沿って導出部としての突条部材221を設けてある。突条部材221は、ルーバ22の内側の縁辺に設けられている。
【0047】
また、ルーバ23の対向する縁辺のうち、周縁部2c側(パネル2の中央部側と反対側)の縁辺に沿って導出部としての突条部材231を設けてある。突条部材231は、ルーバ23の内側の縁辺に設けられている。
【0048】
また、ルーバ24の対向する縁辺のうち、周縁部2d側(パネル2の中央部側と反対側)の縁辺に沿って導出部としての突条部材241を設けてある。突条部材241は、ルーバ24の内側の縁辺に設けられている。
【0049】
図7は本実施の形態のイオン発生装置100の導出部の構成の一例を示す要部断面図である。なお、以下では、ルーバ21を例として説明するが、他のルーバ22〜24も同様である。図7に示すように、導出部は、ルーバ21の内側の縁辺に沿って設けられた突条部材211である。突条部材211は、パネル2の周縁部側の側面と反対側の側面(ルーバ21の回動軸側の側面)が凹状に湾曲してある。すなわち、突条部材211は、凹状の湾曲面211aを有する。
【0050】
突条部材211(導出部)は、ルーバ21で吹出口11を閉じた状態で、吹出口11から漏出する空気を取付面(天井面)から離隔する方向へ導出する。すなわち、突条部材211(導出部)は、ルーバ21の内側表面に沿って天井面の方へ流れる空気を天井面から離れる方向へ導く。これにより、天井面の周辺の塵又は埃を巻き込んだ空気が天井面に沿って流れることを抑制して、天井面の汚れを防止することができる。
【0051】
より具体的には、ルーバ21は、吹出口11の端部11bに沿った軸回りに回動し、ルーバ21が閉じた状態では、ルーバ21の周縁部2a側の縁辺が吹出口11の周縁部2a側の端部11aの内側に収まる。突条部材211(導出部)は、ルーバ21の周縁部2a側の縁辺に沿って設けてある。これにより、ルーバ21の周縁部2a側の縁辺と吹出口11の端部11aとの隙間から漏出する空気の流れる方向を取付面(天井面)が離れる方向へ導くことができる。
【0052】
すなわち、図7に示すように、ルーバ21を閉じた状態でイオン発生装置100を運転している場合(例えば、他のルーバが開いた状態となっている)、ファン3により吹出口に送出された空気Aは、ルーバ21の内側表面に当たる。ルーバ21の内側表面に沿って流れる空気Bは、突条部材211(導出部)によりルーバ21の内側表面に対して略垂直上方向(符号BからCの方向)に変えることができる。突条部材211により流れる方向をルーバ21の内側表面に対して略垂直上方向に変えた空気は、パネル内に当たり、略垂直下方向(符号Dの向き)に流れる向きを変え、ルーバ21の周縁部2a側の縁辺(突条部材211の周縁部2a側の側面)と吹出口11の端部11aとの隙間から取付面(天井面)に対して略垂直下方向に流れる。これにより、天井面の周辺の塵又は埃を巻き込んだ空気が天井面に沿って流れることを抑制して、天井面の汚れを防止することができる。
【0053】
図8は比較例としての突条部材を具備しないイオン発生装置の構成の一例を示す要部断面図である。図8に示すように、突条部材211(導出部)を具備しない場合は、ルーバ21の内側に当たった空気がルーバ21の内側表面に沿って流れ(符号B′で示す方向)、そのままルーバ21の周縁部2a側の縁辺と吹出口11の端部11aとの隙間から取付面(天井面)に沿って流れる。図8の例では、天井面の周辺の塵又は埃を巻き込んだ空気が天井面に沿って流れるため天井面に汚れが付着するという問題があるが、本実施の形態にあっては、かかる問題を解消することができる。
【0054】
また、図7に示すように、突条部材211は、凹状の湾曲面211aを有するので、ルーバ21の内側表面に沿って流れる空気の向きを、凹状の湾曲部分でルーバ21の内側表面に対して略垂直上方向に変えることができ、風切音などの騒音の発生も抑制することができる。なお、図7で例示した構成及び作用効果は、ルーバ22〜24についても同様に該当する。
【0055】
図9は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバ21を開いた状態の一例を示す要部断面図である。図9の符号Eで示すように、突条部材211(導出部)を具備しない場合は、ルーバ21が開いた状態で吹出口11から吹き出された空気がルーバ21の内側表面に沿って流れるため、ルーバ21の先端(ルーバ21の周縁部2a側の縁辺)付近では、発生したイオンの一部が取入口10に向かって流れる空気(符号Eで示す)に取り込まれてしまう。
【0056】
突条部材211(導出部)を備えることにより、符号Bで示すように、ルーバ21の先端(ルーバ21の周縁部2a側の縁辺)で空気の流れを変えることができる。例えば、突条部材211(導出部)により、ルーバ21の内側表面に対して略垂直上方向(符号Bの方向)に空気の流れを変えることができるので、発生したイオンの一部が取入口10に向かって流れる空気に取り込まれてしまう事態を抑制することができる。
【0057】
上述の実施の形態では、ルーバ21〜24が完全に閉じた状態で吹出口11〜14から漏出する空気の流れる方向を天井面から離れる方向へ導くことができる。さらに、本実施の形態によれば、ルーバ21〜24を完全に閉じた状態ではなく、わずかに開いた状態であっても、ルーバ21の内側表面に対して略垂直上方向に空気の流れを変えることができるので、吹出口11〜14へ送出された空気がルーバ21〜24の内側面に沿って風向を変えて天井面に沿って流れることを抑制することができる。
【0058】
上述の実施の形態では、イオン発生ユニット及び吹出口を複数備える構成であったが、これに限定されるものではなく、イオン発生ユニット及び吹出口は1つであってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ケース
2 パネル
2a、2b、2c、2d 周縁部
3 ファン
10 取入口
11、12、13、14 吹出口
21、22、23、24 ルーバ(風向調整板)
211、221、231、241 突条部材(導出部)
41、42、43、44 イオン発生ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン発生ユニットと、該イオン発生ユニットで発生したイオンを含む空気を吹き出すための吹出口が設けられ、取付面に取り付けられるパネルと、前記吹出口を開閉するとともに風向を調整する風向調整板とを備えるイオン発生装置において、
前記風向調整板で前記吹出口を閉じた状態で、該吹出口から漏出する空気を前記取付面から離隔する方向へ導出する導出部を備えることを特徴とするイオン発生装置。
【請求項2】
前記吹出口及び風向調整板は、
略同寸法の矩形状をなし、前記パネルの周縁部に設けてあり、
前記風向調整板は、
前記吹出口の前記周縁部と反対側の縁部に沿った軸回りに回動可能に設けられ、
前記導出部は、
前記風向調整板の前記周縁部側の縁辺に沿って設けてあることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記導出部は、
前記風向調整板を閉じた状態で該風向調整板の内側の縁辺に沿って設けた突条部材であることを特徴とする請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記突条部材の前記軸側の側面は、凹状に湾曲してあることを特徴とする請求項3に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
前記パネルの周縁部に前記吹出口及び前記風向調整板それぞれを複数設けてあり、
前記パネルの中央部に空気の取入口を設けてあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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