イオン発生装置
【課題】装置に異常が発生した場合にその異常及び異常個所を容易に確認することができるイオン発生装置を提供する。
【解決手段】PCI制御回路51〜54は、イオン発生装置の動作が正常であるか否かを判定する。マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でイオン発生ユニット41〜44が正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、ルーバ21〜24の開閉態様が異なるようにルーバ制御回路58を制御する。例えば、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、イオン発生装置100の運転を停止させ、当該吹出口に対応するルーバのみを開く。
【解決手段】PCI制御回路51〜54は、イオン発生装置の動作が正常であるか否かを判定する。マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でイオン発生ユニット41〜44が正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、ルーバ21〜24の開閉態様が異なるようにルーバ制御回路58を制御する。例えば、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、イオン発生装置100の運転を停止させ、当該吹出口に対応するルーバのみを開く。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンを発生させるイオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脱臭作用や除菌作用を有する液体から霧を発生させ、ファンを用いて発生させた気流によって霧を室内に拡散させることにより、室内の壁面等の脱臭や除菌をすることが可能な空気清浄機が実用化されている。
【0003】
例えば、空気吸引口から空気を吸い込み、イオン発生部で発生したイオンを含んだ空気を複数の空気吹出口から吹き出すイオン発生装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
このようなイオン発生装置では、複数の空気吹出口それぞれにイオン発生部及びイオンセンサなどを設けている。そして、イオンセンサでイオンが正常に発生していないことを検出すると、装置の前面に設けられたLEDなどの表示灯を点灯又は点滅させて装置の異常を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−29553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のようなイオン発生装置で、例えば、イオンセンサでイオン濃度の異常などを検出した場合、異常をLEDで通知することができるものの、複数のイオン発生部のいずれが異常であるかを知ることができない場合があった。また、イオン発生装置を天井に設置した場合には、1つのLEDで異常を通知することができたとしても、異常の発生を視認することが困難な場合もあった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、装置に異常が発生した場合にその異常及び異常個所を容易に確認することができるイオン発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るイオン発生装置は、イオン発生ユニットで発生したイオンを含む空気を吹き出すための吹出口を開閉する風向調整板を駆動する駆動部を備えるイオン発生装置において、自装置の動作が正常であるか否かを判定する判定部と、該判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、前記風向調整板の開閉態様が異なるように前記駆動部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、判定部は、自装置(イオン発生装置)の動作が正常であるか否かを判定する。動作が正常であるか否かは、例えば、イオン発生ユニットで発生するイオン濃度が正常値の範囲内であるか否か、イオン発生ユニットが正常に装着されているか否か、イオン発生ユニットに内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがあるか否か等を判定する。なお、これらに限定されるものではない。
【0010】
制御部は、判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、風向調整板の開閉態様が異なるように駆動部を制御する。例えば、正常時に風向調整板が開状態の場合には、異常時には風向調整板を閉状態にする。また、正常時に風向調整板が開状態の場合には、異常時には風向調整板の開閉を繰り返す状態、あるいは正常時の開き具合よりもさらに大きく開いた状態にする。これにより、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、容易に異常を確認することができる。
【0011】
本発明に係るイオン発生装置は、前記吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、前記制御部は、前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する風向調整板の開き度合を、他の風向調整板の開き度合よりも大きくすることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、制御部は、判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する風向調整板の開き度合を、他の風向調整板の開き度合よりも大きくする。例えば、正常時の風向調整板の開き度合を0度(閉状態)〜45度とした場合、異常時の風向調整板の開き度合を45度よりも大きく、例えば、80度、90度等にする。これにより、風向調整板が他の風向調整板よりも大きく開いている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0013】
本発明に係るイオン発生装置は、前記吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、前記制御部は、前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する風向調整板のみを閉じることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、制御部は、判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する風向調整板のみを閉じる。これにより、風向調整板が閉じている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0015】
本発明に係るイオン発生装置は、前記判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する報知部と、正常でない箇所を点検するための点検要求信号を外部装置から取得する取得部とを備え、前記制御部は、前記取得部で点検要求信号を取得した場合、前記判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する風向調整板の開閉態様が他の風向調整板の開閉態様と異なるようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、報知部は、判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する。報知部は、例えば、LED等の表示灯とすることができる。そして、保守要員等が、異常個所を特定するため、例えば、リモートコントロール等の外部装置から正常でない箇所を点検するための点検要求信号を送信した場合、取得部は当該点検要求信号を取得する。取得部は、例えば、リモートコントロール等の受光部である。制御部は、取得部で点検要求信号を取得した場合、判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する風向調整板の開閉態様が他の風向調整板の開閉態様と異なるようにする。これにより、仮にいずれかのイオン発生ユニットに異常が発生した場合でも、保守要員等が点検又は交換作業を行うまでは正常なイオン発生ユニットの動作及びイオン発生装置の運転を継続することができる。また、保守要員等の点検又は交換作業時に、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができるので、点検又は交換作業の能率を高めることができる。
【0017】
本発明に係るイオン発生装置は、1又は複数の吹出口に対応させて表示部を備え、前記制御部は、前記判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、前記表示部の表示態様が異なるようにしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、1又は複数の吹出口に対応させて表示部を備える。表示部は、例えば、LEDとすることができ、LEDが点灯した場合に、吹出口に対応した態様で外部から認識することができる箇所であれば任意の箇所に設けることができる。制御部は、判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、表示部の表示態様を異なるようにする。例えば、正常時に表示部が消灯の場合には、異常時には表示部を点灯又は点滅にする。これにより、表示部他の表示部と異なり、点灯又は点滅している箇所(吹出口)に対応するイオン発生ユニットが異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0019】
本発明に係るイオン発生装置は、前記制御部は、前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する表示部を点灯させ、他の吹出口に対応する表示部を消灯させることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、制御部は、判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する表示部を点灯させ、他の吹出口に対応する表示部を消灯させる。これにより、表示部が点灯している箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0021】
本発明に係るイオン発生装置は、前記制御部は、前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する表示部のみを点滅させることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、制御部は、判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する表示部のみを点滅させる。これにより、表示部が点滅している箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0023】
本発明に係るイオン発生装置は、前記判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する報知部と、正常でない箇所を点検するための点検要求信号を外部装置から取得する取得部とを備え、前記制御部は、前記取得部で点検要求信号を取得した場合、前記判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する表示部の表示態様が他の吹出口に対応する表示部の表示態様と異なるようにしてあることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、報知部は、判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する。報知部は、例えば、LED等の表示灯とすることができる。そして、保守要員等が、異常個所を特定するため、例えば、リモートコントロール等の外部装置から正常でない箇所を点検するための点検要求信号を送信した場合、取得部は当該点検要求信号を取得する。取得部は、例えば、リモートコントロール等の受光部である。制御部は、取得部で点検要求信号を取得した場合、判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する表示部の表示態様が他の表示部の表示態様と異なるようにする。これにより、仮にいずれかのイオン発生ユニットに異常が発生した場合でも、保守要員等が点検又は交換作業を行うまでは正常なイオン発生ユニットの動作及びイオン発生装置の運転を継続することができる。また、保守要員等の点検又は交換作業時に、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができるので、点検又は交換作業の能率を高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、容易に異常を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを閉じた状態の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを開いた状態の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図3】本実施の形態のイオン発生装置の内部構成の一例を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態のイオン発生ユニットの一例を示す外観斜視図である。
【図5】本実施の形態のイオン発生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態のイオン発生装置による異常時の態様の一例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態のイオン発生装置の異常時の様子の一例を示す平面図である。
【図8】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第1例を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第1例を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第2例を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第2例を示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第3例を示すフローチャートである。
【図13】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第3例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバを閉じた状態の構成の一例を示す外観斜視図であり、図2は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバを開いた状態の構成の一例を示す外観斜視図であり、図3は本実施の形態のイオン発生装置100の内部構成の一例を示す斜視図である。イオン発生装置100は、一面が開口した箱状のケース1、ケース1の開口面に装着される矩形状のパネル2などを備える。
【0028】
パネル2は、中央部に矩形状の空気の取入口10を設けてあり、取入口10を設けた箇所の高さ寸法(厚み寸法)が大きく、パネル2の中央部から周部に向かって高さ寸法が小さくなるようにパネル2の表面(前面)を取入口10の面に対して傾斜させてある。
【0029】
パネル2の周縁部には、矩形状の空気の吹出口11、12、13、14を設けてある。また、それぞれの吹出口11〜14には、風向調整板であるルーバ21、22、23、24を設けてある。
【0030】
ルーバ21〜24は、吹出口11〜14と略同寸法を有する矩形状をなす。ルーバ21〜24は、パネル2の周縁部と反対側の吹出口11〜14の縁部に沿った軸回りに回動可能に設けられている。ルーバ21〜24の回動動作は、後述のルーバ制御回路58により制御される。ルーバ21〜24を閉じることにより、吹出口11〜14はルーバ21〜24で覆われる。また、ルーバ21〜24を適宜の角度(例えば、取入口10の面に対する角度)で開くことにより、吹出口11〜14から吹き出されるイオンを含む空気は、ルーバ21〜24の内側面に当たって風向を調整することができる。また、吹出口11〜14から吹き出されるイオンを含む空気は、パネル2の中央部から周縁部へ向かう方向に吹き出すことができる。
【0031】
吹出口11〜14の近傍には、それぞれの吹出口11〜14に対応させて表示部としてのLED31、32、33、34を設けてある。LED31〜34は、例えば、取入口10の周縁部と各吹出口11〜14の端部との間に設けることができる。
【0032】
LED31〜34には、点灯時の光で、例えば、ルーバ21〜24の外側面の所望の領域を照らすことができるように導光部材(不図示)を設けることもできる。これにより、ルーバ21〜24の開閉状態に関わらず、ルーバ21〜24の外側表面の所望の領域を光らせることができ、外部からの視認性を高めることができる。
【0033】
パネル2の前面には、異常の発生を報知する報知部としてのLEDランプ、リモートコントロール等の外部装置から所定の信号を取得する取得部としての受光部などを備える表示パネル25を設けてある。
【0034】
例えば、表示パネル25は、複数のLEDランプを備え、イオン発生装置100が運転状態であることを示すLEDランプ(運転ランプ)、後述のイオン発生ユニットの交換を知らせるためのLEDランプ、イオン発生ユニット等の異常を報知するためのLEDランプ、イオン発生ユニット又はフィルタ(不図示)等の清掃を通知するためのLEDランプなどを備える。
【0035】
図2又は図3に示すように、それぞれの吹出口11〜14の内側には、イオン発生ユニット41、42、43、44を装着している。
【0036】
図4は本実施の形態のイオン発生ユニット41の一例を示す外観斜視図である。なお、他のイオン発生ユニット42〜44もイオン発生ユニット41と同等であるので、以下では、イオン発生ユニット41について説明する。
【0037】
イオン発生ユニット41は、箱状の収容部411を備え、収容部411には、正イオン及び負イオンを発生する電極部413、412を備えたイオン発生部、イオンセンサ414などを収容している。
【0038】
イオン発生部は、矩形状の板状体であり、一方の端部近傍にマイナスイオンを発生させる電極部412を設けてあり、他方の端部近傍にプラスイオンを発生させる電極部413を設けてある。
【0039】
収容部411の一側端部には、イオン発生ユニット41を機械的及び電気的に接続するためのコネクタ415を備える。また、収容部411の一側端部には、イオン発生ユニット41をケース1に固定するためのねじ部416を設けてある。
【0040】
イオン発生ユニット41は、空気中の水蒸気をプラズマ放電によりイオン化することにより、プラスイオンとしてのH+ (H2 O)n (nは任意の自然数)と、マイナスイオンとしてのO2 - (H2 O)m (mは任意の自然数)とを発生する。そして、これらが化学反応することにより、活性種である過酸化水素(H2 O2 )及び/又は水酸基ラジカル(OH)が生成され、空気中の浮遊細菌や浮遊ウィルス等が除去される。
【0041】
これにより、それぞれの吹出口11〜14は、独立にプラスイオンを含む空気、及びマイナスイオンを含む空気を吹き出すことができ、イオン発生装置100から吹き出した空気中のプラスイオンとマイナスイオンとが直ちに中和することを防止できる。そして、イオンの中和を防止することにより、イオンの拡散性を向上させることができる。
【0042】
また、図3に示すように、ケース1の中央部には、ファン3を設けてある。ファン3は、いわゆるターボファンであり、回転軸方向に立設した複数の羽板を備える。羽板は、ファン3の周方向に沿って傾斜させてある。すなわち、ファン3の回転軸から羽板の両端部までの半径方向に沿った距離が異なり、ファン3を回転させることにより、羽板が空気を外側に押し出すようにしてある。これにより、ファン3が回転することにより、取入口から空気が取り込まれ、ファン3の回転により、取り込まれた空気は、それぞれの吹出口11〜14からイオンを含んだ状態で放出される。
【0043】
図5は本実施の形態のイオン発生装置100の構成の一例を示すブロック図である。イオン発生装置100は、マイクロコンピュータ50、イオン発生ユニット41〜44、PCI制御回路51〜54、リモコン受光部55、所定のデータを記憶するメモリ56、ファン3、ファン3の運転・停止及び回転数等を制御するファン制御回路57、ルーバ21〜24、ルーバ21〜24の開閉を駆動するルーバ制御回路58、表示パネル25、表示部31〜34、表示部31〜34の点灯、点滅及び消灯を制御する表示部制御回路59などを備える。
【0044】
PCI制御回路51〜54は、マイクロコンピュータ50からの指令を受けて、イオン発生ユニット41〜44の駆動、停止を制御する。例えば、イオン発生ユニット41〜44を連続駆動(連続にイオンを発生させる)し、あるいは、イオン発生ユニット41〜44を間欠駆動(所定の間隔でオン/オフを繰り返すことで、間欠的にイオンを発生させる)する。
【0045】
また、PCI制御回路51〜54は、イオン発生ユニット41〜44の動作が正常であるか否かを判定する判定部としての機能を有する。なお、当該判定部の機能をマイクロコンピュータ50が実行する構成でもよい。
【0046】
動作が正常であるか否かは、例えば、イオン発生ユニット41〜44で発生するイオン濃度が正常値の範囲内であるか否か、イオン発生ユニット41〜44が正常に装着されているか否か、イオン発生ユニット41〜44に内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがあるか否か等を判定する。なお、これらに限定されるものではない。また、マイクロコンピュータ50が判定部の機能を実施する場合には、イオン発生ユニット41〜44の正常・異常の判定に加えて、PCI制御回路51〜54の正常・異常を含めることもできる。
【0047】
マイクロコンピュータ50は、制御部としての機能を有する。すなわち、マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でイオン発生ユニット41〜44が正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、ルーバ21〜24の開閉態様が異なるようにルーバ制御回路58を制御する。
【0048】
例えば、イオン発生ユニット41〜44が正常時にルーバ21〜24が開状態の場合には、イオン発生ユニット41〜44が異常時にはルーバ21〜24を閉状態にする。また、イオン発生ユニット41〜44が正常時にルーバ21〜24が開状態の場合には、イオン発生ユニット41〜44が異常時にはルーバ21〜24の開閉を繰り返す状態、あるいは正常時の開き具合よりもさらに大きく開いた状態にする。これにより、イオン発生ユニット41〜44等の異常が発生した場合に、容易に異常を確認することができる。
【0049】
より具体的には、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口11〜14のいずれかに対応するルーバ21〜24のいずれかの開き度合を、他のルーバの開き度合よりも大きくする。例えば、正常時のルーバ21〜24の開き度合を0度(閉状態)〜45度とした場合、異常時のルーバ21〜24の開き度合を45度よりも大きく、例えば、80度、90度等にする。これにより、ルーバが他のルーバよりも大きく開いている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0050】
あるいは別の形態として、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応するルーバのみを閉じる。これにより、ルーバ21〜24のうち、ルーバが閉じている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0051】
あるいは別の形態として、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、イオン発生装置100の運転を停止させ、当該吹出口に対応するルーバのみを開く。これにより、ルーバ21〜24のうち、ルーバが開いている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0052】
あるいは別の形態として、次のようにしてもよい。PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、マイクロコンピュータ50は、表示パネル25の所定のLEDランプを点灯させて、イオン発生ユニット41〜44のいずれかが正常でないことを報知する。そして、保守要員等が、異常個所を特定するため、例えば、リモートコントロール等の外部装置から正常でない箇所を点検するための点検要求信号を送信した場合、リモコン受光部55は当該点検要求信号を取得する。マイクロコンピュータ50は、リモコン受光部55で点検要求信号を取得した場合、PCI制御回路51〜54でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応するルーバの開閉態様が他のルーバの開閉態様と異なるようにする。
【0053】
これにより、仮にいずれかのイオン発生ユニットに異常が発生した場合でも、保守要員等が点検又は交換作業を行うまでは正常なイオン発生ユニットの動作及びイオン発生装置100の運転を継続することができる。また、保守要員等の点検又は交換作業時に、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができるので、点検又は交換作業の能率を高めることができる。
【0054】
ルーバ21〜24に加えて、あるいはルーバ21〜24とは別に、表示部31〜34を用いることもできる。上述のように、表示部31〜34は、例えば、LEDとすることができ、LEDが点灯した場合に、吹出口に対応した態様で外部から認識することができる箇所であれば任意の箇所に設けることができる。
【0055】
マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でイオン発生ユニット41〜44が正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、表示部31〜34の表示態様が異なるように表示部制御回路59を制御する。例えば、イオン発生ユニット41〜44が正常時に表示部31〜34が消灯の場合にはイオン発生ユニット41〜44のいずれかが異常時には表示部31〜34のいずれかを点灯又は点滅にする。これにより、表示部が他の表示部と異なり、点灯又は点滅している箇所(吹出口)に対応するイオン発生ユニットが異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0056】
より具体的には、マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する表示部を点灯させ、他の吹出口に対応する表示部を消灯させる。これにより、表示部が点灯している箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット41〜44等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0057】
あるいは別の形態として、マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する表示部のみを点滅させる。これにより、表示部が点滅している箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット41〜44等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0058】
あるいは別の形態として、次のようにしてもよい。PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、マイクロコンピュータ50は、表示パネル25の所定のLEDランプを点灯させて、イオン発生ユニット41〜44のいずれかが正常でないことを報知する。そして、保守要員等が、異常個所を特定するため、例えば、リモートコントロール等の外部装置から正常でない箇所を点検するための点検要求信号を送信した場合、リモコン受光部55は当該点検要求信号を取得する。マイクロコンピュータ50は、リモコン受光部55で点検要求信号を取得した場合、PCI制御回路51〜54でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する表示部の表示態様が他の表示部の表示態様と異なるようにする。
【0059】
これにより、仮にいずれかのイオン発生ユニットに異常が発生した場合でも、保守要員等が点検又は交換作業を行うまでは正常なイオン発生ユニットの動作及びイオン発生装置100の運転を継続することができる。また、保守要員等の点検又は交換作業時に、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができるので、点検又は交換作業の能率を高めることができる。
【0060】
図6は本実施の形態のイオン発生装置100による異常時の態様の一例を示す説明図である。図6は上述の内容を簡単にまとめたものである。イオン発生ユニット41〜44の正常又は異常を通知するための部材としては、それぞれの吹出口11〜14に対応したルーバ21〜24、及び/又は表示部31〜34を用いることができる。
【0061】
図6に示すように、ルーバ21〜24を用いる場合、イオン発生ユニット41〜44が正常時にルーバ21〜24が開状態であるときは、異常ありの吹出口に対応するルーバを開状態とし、異常なしの吹出口に対応するルーバを閉状態とする。この場合には、イオン発生装置100の運転を停止させることで、正常なイオン発生ユニットに対応するルーバは閉じた状態にし、異常なイオン発生ユニットに対応するルーバだけを開くことにより、異常があることを容易に認識することができる。
【0062】
なお、異常なしの吹出口に対応するルーバを開状態とすることもできる。この場合には、異常ありの吹出口に対応するルーバの開き度合を、異常なしの吹出口に対応するルーバの開き度合より大きくすればよい。
【0063】
また、別の態様として、イオン発生ユニット41〜44が正常時にルーバ21〜24が開状態であるときは、異常ありの吹出口に対応するルーバを開閉動作させ、異常なしの吹出口に対応するルーバを開状態とする。なお、この場合、異常なしの吹出口に対応するルーバを閉状態とすることもできる。これにより、例えば、イオン発生装置100が運転中に、1つのルーバだけが開閉動作を繰り返すことにより異常があることを容易に認識することができる。
【0064】
また、図6に示すように、表示部31〜34を用いる場合、イオン発生ユニット41〜44が正常時に表示部31〜34が消灯状態であるときは、異常ありの吹出口に対応する表示部を点灯状態とし、異常なしの吹出口に対応する表示部を消灯状態とする。これにより、例えば、イオン発生装置100が運転中に、表示部が点灯していることにより異常があることを容易に認識することができる。
【0065】
また、別の形態として、イオン発生ユニット41〜44が正常時に表示部31〜34が消灯状態であるときは、異常ありの吹出口に対応する表示部を点滅状態とし、異常なしの吹出口に対応する表示部を消灯状態とする。これにより、例えば、イオン発生装置100が運転中に、表示部が点滅していることにより異常があることを容易に認識することができる。
【0066】
図7は本実施の形態のイオン発生装置100の異常時の様子の一例を示す平面図である。図7の例は、吹出口11からのイオン発生に異常がある場合を示す。図7に示すように、吹出口11に対応するルーバ21は開状態となり、他の正常な吹出口に対応するルーバ22〜24は閉状態にする。また、吹出口11に異常がある場合には、例えば、吹出口11に対応するルーバ21の符号Aで示す領域が光るように表示部31を点灯させ、他の正常な吹出口に対応する表示部は消灯させる。これにより、外部から異常の有無を容易に確認することができるとともに、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかも容易に判断することができる。なお、異常時の態様は図7の例に限定されるものではない。
【0067】
次に、本実施の形態のイオン発生装置100の動作について説明する。図8及び図9は本実施の形態のイオン発生装置100の処理手順の第1例を示すフローチャートである。なお、以下の処理手順では、便宜上主体をマイクロコンピュータ50として説明する。
【0068】
マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S11)、異常がない場合(S11でNO)、動作開始信号を受信したか否かを判定する(S12)。動作開始信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0069】
動作開始信号を受信していない場合(S12でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS11以降の処理を続ける。動作開始信号を受信した場合(S12でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を開始し、運転ランプを点灯させ、ルーバを開く(S13)。
【0070】
マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S14)、異常がない場合(S14でNO)、動作停止信号を受信したか否かを判定する(S15)。動作停止信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0071】
動作停止信号を受信していない場合(S15でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS14以降の処理を続ける。動作停止信号を受信した場合(S15でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S16)、処理を終了する。
【0072】
ステップS11で吹出口に異常がある場合(S11でYES)、マイクロコンピュータ50は、後述のステップS18の処理を行う。また、ステップS14で吹出口に異常がある場合(S14でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S17)、ステップS18の処理を行う。
【0073】
マイクロコンピュータ50は、異常を示すランプを点灯又は点滅させる(S18)。なお、異常を示すランプは、例えば、表示パネル25のLEDランプである。マイクロコンピュータ50は、吹出口固有の異常であるか否かを判定する(S19)。なお、吹出口固有の異常とは、例えば、イオン発生ユニット41〜44で発生するイオン濃度が正常値の範囲内でない場合、イオン発生ユニット41〜44が正常に装着されていない場合、イオン発生ユニット41〜44に内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがある場合などである。
【0074】
吹出口固有の異常である場合(S19でYES)、マイクロコンピュータ50は、異常が発生した吹出口のルーバを開き、ルーバの表示部を点灯又は点滅させる(S20)。なお、ルーバ及び表示部の両方を動作させるのではなく、ルーバのみ、あるいは表示部のみを動作させてもよい。吹出口固有の異常でない場合(S19でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS20の処理を行わずに、後述のステップS21の処理を行う。
【0075】
マイクロコンピュータ50は、異常解除されたか否かを判定する(S21)。異常の解除は、例えば、イオン発生ユニットの交換作業あるいは清掃作業などによって行われる。異常解除されていない場合(S21でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS21の処理を続け、異常が解除された場合(S21でYES)、異常を示すランプを消灯する(S22)。
【0076】
マイクロコンピュータ50は、解除された異常が、吹出口固有の異常であるか否かを判定し(S23)、吹出口固有の異常であった場合(S23でYES)、異常が発生した吹出口のルーバを閉じ、ルーバの表示部を消灯し(S24)、処理を終了する。吹出口固有の異常でない場合(S23でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS24の処理を行わずに、処理を終了する。
【0077】
図10及び図11は本実施の形態のイオン発生装置100の処理手順の第2例を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S31)、異常がない場合(S31でNO)、動作開始信号を受信したか否かを判定する(S32)。動作開始信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0078】
動作開始信号を受信していない場合(S32でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS31以降の処理を続ける。動作開始信号を受信した場合(S32でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を開始し、運転ランプを点灯させ、ルーバを開く(S33)。
【0079】
マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S34)、異常がない場合(S34でNO)、動作停止信号を受信したか否かを判定する(S35)。動作停止信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0080】
動作停止信号を受信していない場合(S35でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS34以降の処理を続ける。動作停止信号を受信した場合(S35でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S36)、処理を終了する。
【0081】
ステップS31で吹出口に異常がある場合(S31でYES)、マイクロコンピュータ50は、後述のステップS38の処理を行う。また、ステップS34で吹出口に異常がある場合(S34でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S37)、ステップS38の処理を行う。
【0082】
マイクロコンピュータ50は、吹出口固有の異常であるか否かを判定する(S38)。なお、吹出口固有の異常とは、例えば、イオン発生ユニット41〜44で発生するイオン濃度が正常値の範囲内でない場合、イオン発生ユニット41〜44が正常に装着されていない場合、イオン発生ユニット41〜44に内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがある場合などである。
【0083】
吹出口固有の異常である場合(S38でYES)、マイクロコンピュータ50は、異常が発生した吹出口のルーバを開き、ルーバの表示部を点灯又は点滅させる(S39)。なお、ルーバ及び表示部の両方を動作させるのではなく、ルーバのみ、あるいは表示部のみを動作させてもよい。吹出口固有の異常でない場合(S38でNO)、マイクロコンピュータ50は、異常を示すランプを点灯又は点滅させる(S40)。
【0084】
マイクロコンピュータ50は、異常解除されたか否かを判定する(S41)。異常の解除は、例えば、イオン発生ユニットの交換作業あるいは清掃作業などによって行われる。異常が解除された場合(S41でYES)、マイクロコンピュータ50は、解除された異常が、吹出口固有の異常であるか否かを判定する(S42)。異常が解除されていない場合(S41でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS41の処理を続ける。
【0085】
吹出口固有の異常であった場合(S42でYES)、マイクロコンピュータ50は、異常が発生した吹出口のルーバを閉じ、ルーバの表示部を消灯し(S43)、処理を終了する。吹出口固有の異常でない場合(S42でNO)、マイクロコンピュータ50は、異常を示すランプを消灯し(S44)、処理を終了する。
【0086】
図12及び図13は本実施の形態のイオン発生装置100の処理手順の第3例を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S51)、異常がない場合(S51でNO)、動作開始信号を受信したか否かを判定する(S52)。動作開始信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0087】
動作開始信号を受信していない場合(S52でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS51以降の処理を続ける。動作開始信号を受信した場合(S52でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を開始し、運転ランプを点灯させ、ルーバを開く(S53)。
【0088】
マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S54)、異常がない場合(S54でNO)、動作停止信号を受信したか否かを判定する(S55)。動作停止信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0089】
動作停止信号を受信していない場合(S55でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS54以降の処理を続ける。動作停止信号を受信した場合(S55でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S56)、処理を終了する。
【0090】
ステップS51で吹出口に異常がある場合(S51でYES)、マイクロコンピュータ50は、後述のステップS58の処理を行う。また、ステップS54で吹出口に異常がある場合(S54でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S57)、ステップS58の処理を行う。
【0091】
マイクロコンピュータ50は、異常を示すランプを点灯又は点滅させる(S58)。なお、異常を示すランプは、例えば、表示パネル25のLEDランプである。マイクロコンピュータ50は、点検要求信号を受信したか否かを判定する(S59)。なお、点検要求信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0092】
点検要求信号を受信した場合(S59でYES)、マイクロコンピュータ50は、吹出口固有の異常であるか否かを判定する(S60)。なお、吹出口固有の異常とは、例えば、イオン発生ユニット41〜44で発生するイオン濃度が正常値の範囲内でない場合、イオン発生ユニット41〜44が正常に装着されていない場合、イオン発生ユニット41〜44に内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがある場合などである。
【0093】
吹出口固有の異常である場合(S60でYES)、マイクロコンピュータ50は、異常が発生した吹出口のルーバを開き、ルーバの表示部を点灯又は点滅させ(S61)、後述のステップS62の処理を行う。なお、ルーバ及び表示部の両方を動作させるのではなく、ルーバのみ、あるいは表示部のみを動作させてもよい。
【0094】
点検要求信号を受信していない場合(S59でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS60、61の処理を行わずに、ステップS62の処理を行う。
【0095】
マイクロコンピュータ50は、異常解除されたか否かを判定する(S62)。異常の解除は、例えば、イオン発生ユニットの交換作業あるいは清掃作業などによって行われる。異常解除されていない場合(S62でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS59の処理を続け、異常が解除された場合(S62でYES)、異常を示すランプを消灯する(S63)。
【0096】
マイクロコンピュータ50は、解除された異常が、吹出口固有の異常であるか否かを判定し(S64)、吹出口固有の異常であった場合(S64でYES)、異常が発生した吹出口のルーバを閉じ、ルーバの表示部を消灯し(S65)、処理を終了する。吹出口固有の異常でない場合(S64でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS65の処理を行わずに、処理を終了する。
【0097】
上述のように、イオン発生ユニット等の異常が発生し、吹出口から所定範囲内の濃度のイオンを発生させることができない場合、ルーバの開閉態様及び/又は表示部の表示態様を正常状態での態様と異なる態様にすることにより、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に知ることができ、イオン発生ユニットの清掃又は交換の際の作業を容易にすることができる。
【0098】
上述の実施の形態では、イオン発生ユニット及び吹出口を複数備える構成であったが、これに限定されるものではなく、イオン発生ユニット及び吹出口は1つであってもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 ケース
2 パネル
3 ファン
10 取入口
11、12、13、14 吹出口
21、22、23、24 ルーバ(風向調整板)
25 表示パネル(報知部、取得部)
31、32、33、34 表示部
41、42、43、44 イオン発生ユニット
50 マイクロコンピュータ(制御部)
51、52、53、54 PCI制御回路(判定部)
55 リモコン受光部(取得部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンを発生させるイオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脱臭作用や除菌作用を有する液体から霧を発生させ、ファンを用いて発生させた気流によって霧を室内に拡散させることにより、室内の壁面等の脱臭や除菌をすることが可能な空気清浄機が実用化されている。
【0003】
例えば、空気吸引口から空気を吸い込み、イオン発生部で発生したイオンを含んだ空気を複数の空気吹出口から吹き出すイオン発生装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
このようなイオン発生装置では、複数の空気吹出口それぞれにイオン発生部及びイオンセンサなどを設けている。そして、イオンセンサでイオンが正常に発生していないことを検出すると、装置の前面に設けられたLEDなどの表示灯を点灯又は点滅させて装置の異常を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−29553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のようなイオン発生装置で、例えば、イオンセンサでイオン濃度の異常などを検出した場合、異常をLEDで通知することができるものの、複数のイオン発生部のいずれが異常であるかを知ることができない場合があった。また、イオン発生装置を天井に設置した場合には、1つのLEDで異常を通知することができたとしても、異常の発生を視認することが困難な場合もあった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、装置に異常が発生した場合にその異常及び異常個所を容易に確認することができるイオン発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るイオン発生装置は、イオン発生ユニットで発生したイオンを含む空気を吹き出すための吹出口を開閉する風向調整板を駆動する駆動部を備えるイオン発生装置において、自装置の動作が正常であるか否かを判定する判定部と、該判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、前記風向調整板の開閉態様が異なるように前記駆動部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、判定部は、自装置(イオン発生装置)の動作が正常であるか否かを判定する。動作が正常であるか否かは、例えば、イオン発生ユニットで発生するイオン濃度が正常値の範囲内であるか否か、イオン発生ユニットが正常に装着されているか否か、イオン発生ユニットに内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがあるか否か等を判定する。なお、これらに限定されるものではない。
【0010】
制御部は、判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、風向調整板の開閉態様が異なるように駆動部を制御する。例えば、正常時に風向調整板が開状態の場合には、異常時には風向調整板を閉状態にする。また、正常時に風向調整板が開状態の場合には、異常時には風向調整板の開閉を繰り返す状態、あるいは正常時の開き具合よりもさらに大きく開いた状態にする。これにより、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、容易に異常を確認することができる。
【0011】
本発明に係るイオン発生装置は、前記吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、前記制御部は、前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する風向調整板の開き度合を、他の風向調整板の開き度合よりも大きくすることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、制御部は、判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する風向調整板の開き度合を、他の風向調整板の開き度合よりも大きくする。例えば、正常時の風向調整板の開き度合を0度(閉状態)〜45度とした場合、異常時の風向調整板の開き度合を45度よりも大きく、例えば、80度、90度等にする。これにより、風向調整板が他の風向調整板よりも大きく開いている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0013】
本発明に係るイオン発生装置は、前記吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、前記制御部は、前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する風向調整板のみを閉じることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、制御部は、判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する風向調整板のみを閉じる。これにより、風向調整板が閉じている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0015】
本発明に係るイオン発生装置は、前記判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する報知部と、正常でない箇所を点検するための点検要求信号を外部装置から取得する取得部とを備え、前記制御部は、前記取得部で点検要求信号を取得した場合、前記判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する風向調整板の開閉態様が他の風向調整板の開閉態様と異なるようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、報知部は、判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する。報知部は、例えば、LED等の表示灯とすることができる。そして、保守要員等が、異常個所を特定するため、例えば、リモートコントロール等の外部装置から正常でない箇所を点検するための点検要求信号を送信した場合、取得部は当該点検要求信号を取得する。取得部は、例えば、リモートコントロール等の受光部である。制御部は、取得部で点検要求信号を取得した場合、判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する風向調整板の開閉態様が他の風向調整板の開閉態様と異なるようにする。これにより、仮にいずれかのイオン発生ユニットに異常が発生した場合でも、保守要員等が点検又は交換作業を行うまでは正常なイオン発生ユニットの動作及びイオン発生装置の運転を継続することができる。また、保守要員等の点検又は交換作業時に、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができるので、点検又は交換作業の能率を高めることができる。
【0017】
本発明に係るイオン発生装置は、1又は複数の吹出口に対応させて表示部を備え、前記制御部は、前記判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、前記表示部の表示態様が異なるようにしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、1又は複数の吹出口に対応させて表示部を備える。表示部は、例えば、LEDとすることができ、LEDが点灯した場合に、吹出口に対応した態様で外部から認識することができる箇所であれば任意の箇所に設けることができる。制御部は、判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、表示部の表示態様を異なるようにする。例えば、正常時に表示部が消灯の場合には、異常時には表示部を点灯又は点滅にする。これにより、表示部他の表示部と異なり、点灯又は点滅している箇所(吹出口)に対応するイオン発生ユニットが異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0019】
本発明に係るイオン発生装置は、前記制御部は、前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する表示部を点灯させ、他の吹出口に対応する表示部を消灯させることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、制御部は、判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する表示部を点灯させ、他の吹出口に対応する表示部を消灯させる。これにより、表示部が点灯している箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0021】
本発明に係るイオン発生装置は、前記制御部は、前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する表示部のみを点滅させることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、制御部は、判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する表示部のみを点滅させる。これにより、表示部が点滅している箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0023】
本発明に係るイオン発生装置は、前記判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する報知部と、正常でない箇所を点検するための点検要求信号を外部装置から取得する取得部とを備え、前記制御部は、前記取得部で点検要求信号を取得した場合、前記判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する表示部の表示態様が他の吹出口に対応する表示部の表示態様と異なるようにしてあることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、報知部は、判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する。報知部は、例えば、LED等の表示灯とすることができる。そして、保守要員等が、異常個所を特定するため、例えば、リモートコントロール等の外部装置から正常でない箇所を点検するための点検要求信号を送信した場合、取得部は当該点検要求信号を取得する。取得部は、例えば、リモートコントロール等の受光部である。制御部は、取得部で点検要求信号を取得した場合、判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する表示部の表示態様が他の表示部の表示態様と異なるようにする。これにより、仮にいずれかのイオン発生ユニットに異常が発生した場合でも、保守要員等が点検又は交換作業を行うまでは正常なイオン発生ユニットの動作及びイオン発生装置の運転を継続することができる。また、保守要員等の点検又は交換作業時に、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができるので、点検又は交換作業の能率を高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、容易に異常を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを閉じた状態の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本実施の形態のイオン発生装置のルーバを開いた状態の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図3】本実施の形態のイオン発生装置の内部構成の一例を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態のイオン発生ユニットの一例を示す外観斜視図である。
【図5】本実施の形態のイオン発生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態のイオン発生装置による異常時の態様の一例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態のイオン発生装置の異常時の様子の一例を示す平面図である。
【図8】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第1例を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第1例を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第2例を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第2例を示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第3例を示すフローチャートである。
【図13】本実施の形態のイオン発生装置の処理手順の第3例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバを閉じた状態の構成の一例を示す外観斜視図であり、図2は本実施の形態のイオン発生装置100のルーバを開いた状態の構成の一例を示す外観斜視図であり、図3は本実施の形態のイオン発生装置100の内部構成の一例を示す斜視図である。イオン発生装置100は、一面が開口した箱状のケース1、ケース1の開口面に装着される矩形状のパネル2などを備える。
【0028】
パネル2は、中央部に矩形状の空気の取入口10を設けてあり、取入口10を設けた箇所の高さ寸法(厚み寸法)が大きく、パネル2の中央部から周部に向かって高さ寸法が小さくなるようにパネル2の表面(前面)を取入口10の面に対して傾斜させてある。
【0029】
パネル2の周縁部には、矩形状の空気の吹出口11、12、13、14を設けてある。また、それぞれの吹出口11〜14には、風向調整板であるルーバ21、22、23、24を設けてある。
【0030】
ルーバ21〜24は、吹出口11〜14と略同寸法を有する矩形状をなす。ルーバ21〜24は、パネル2の周縁部と反対側の吹出口11〜14の縁部に沿った軸回りに回動可能に設けられている。ルーバ21〜24の回動動作は、後述のルーバ制御回路58により制御される。ルーバ21〜24を閉じることにより、吹出口11〜14はルーバ21〜24で覆われる。また、ルーバ21〜24を適宜の角度(例えば、取入口10の面に対する角度)で開くことにより、吹出口11〜14から吹き出されるイオンを含む空気は、ルーバ21〜24の内側面に当たって風向を調整することができる。また、吹出口11〜14から吹き出されるイオンを含む空気は、パネル2の中央部から周縁部へ向かう方向に吹き出すことができる。
【0031】
吹出口11〜14の近傍には、それぞれの吹出口11〜14に対応させて表示部としてのLED31、32、33、34を設けてある。LED31〜34は、例えば、取入口10の周縁部と各吹出口11〜14の端部との間に設けることができる。
【0032】
LED31〜34には、点灯時の光で、例えば、ルーバ21〜24の外側面の所望の領域を照らすことができるように導光部材(不図示)を設けることもできる。これにより、ルーバ21〜24の開閉状態に関わらず、ルーバ21〜24の外側表面の所望の領域を光らせることができ、外部からの視認性を高めることができる。
【0033】
パネル2の前面には、異常の発生を報知する報知部としてのLEDランプ、リモートコントロール等の外部装置から所定の信号を取得する取得部としての受光部などを備える表示パネル25を設けてある。
【0034】
例えば、表示パネル25は、複数のLEDランプを備え、イオン発生装置100が運転状態であることを示すLEDランプ(運転ランプ)、後述のイオン発生ユニットの交換を知らせるためのLEDランプ、イオン発生ユニット等の異常を報知するためのLEDランプ、イオン発生ユニット又はフィルタ(不図示)等の清掃を通知するためのLEDランプなどを備える。
【0035】
図2又は図3に示すように、それぞれの吹出口11〜14の内側には、イオン発生ユニット41、42、43、44を装着している。
【0036】
図4は本実施の形態のイオン発生ユニット41の一例を示す外観斜視図である。なお、他のイオン発生ユニット42〜44もイオン発生ユニット41と同等であるので、以下では、イオン発生ユニット41について説明する。
【0037】
イオン発生ユニット41は、箱状の収容部411を備え、収容部411には、正イオン及び負イオンを発生する電極部413、412を備えたイオン発生部、イオンセンサ414などを収容している。
【0038】
イオン発生部は、矩形状の板状体であり、一方の端部近傍にマイナスイオンを発生させる電極部412を設けてあり、他方の端部近傍にプラスイオンを発生させる電極部413を設けてある。
【0039】
収容部411の一側端部には、イオン発生ユニット41を機械的及び電気的に接続するためのコネクタ415を備える。また、収容部411の一側端部には、イオン発生ユニット41をケース1に固定するためのねじ部416を設けてある。
【0040】
イオン発生ユニット41は、空気中の水蒸気をプラズマ放電によりイオン化することにより、プラスイオンとしてのH+ (H2 O)n (nは任意の自然数)と、マイナスイオンとしてのO2 - (H2 O)m (mは任意の自然数)とを発生する。そして、これらが化学反応することにより、活性種である過酸化水素(H2 O2 )及び/又は水酸基ラジカル(OH)が生成され、空気中の浮遊細菌や浮遊ウィルス等が除去される。
【0041】
これにより、それぞれの吹出口11〜14は、独立にプラスイオンを含む空気、及びマイナスイオンを含む空気を吹き出すことができ、イオン発生装置100から吹き出した空気中のプラスイオンとマイナスイオンとが直ちに中和することを防止できる。そして、イオンの中和を防止することにより、イオンの拡散性を向上させることができる。
【0042】
また、図3に示すように、ケース1の中央部には、ファン3を設けてある。ファン3は、いわゆるターボファンであり、回転軸方向に立設した複数の羽板を備える。羽板は、ファン3の周方向に沿って傾斜させてある。すなわち、ファン3の回転軸から羽板の両端部までの半径方向に沿った距離が異なり、ファン3を回転させることにより、羽板が空気を外側に押し出すようにしてある。これにより、ファン3が回転することにより、取入口から空気が取り込まれ、ファン3の回転により、取り込まれた空気は、それぞれの吹出口11〜14からイオンを含んだ状態で放出される。
【0043】
図5は本実施の形態のイオン発生装置100の構成の一例を示すブロック図である。イオン発生装置100は、マイクロコンピュータ50、イオン発生ユニット41〜44、PCI制御回路51〜54、リモコン受光部55、所定のデータを記憶するメモリ56、ファン3、ファン3の運転・停止及び回転数等を制御するファン制御回路57、ルーバ21〜24、ルーバ21〜24の開閉を駆動するルーバ制御回路58、表示パネル25、表示部31〜34、表示部31〜34の点灯、点滅及び消灯を制御する表示部制御回路59などを備える。
【0044】
PCI制御回路51〜54は、マイクロコンピュータ50からの指令を受けて、イオン発生ユニット41〜44の駆動、停止を制御する。例えば、イオン発生ユニット41〜44を連続駆動(連続にイオンを発生させる)し、あるいは、イオン発生ユニット41〜44を間欠駆動(所定の間隔でオン/オフを繰り返すことで、間欠的にイオンを発生させる)する。
【0045】
また、PCI制御回路51〜54は、イオン発生ユニット41〜44の動作が正常であるか否かを判定する判定部としての機能を有する。なお、当該判定部の機能をマイクロコンピュータ50が実行する構成でもよい。
【0046】
動作が正常であるか否かは、例えば、イオン発生ユニット41〜44で発生するイオン濃度が正常値の範囲内であるか否か、イオン発生ユニット41〜44が正常に装着されているか否か、イオン発生ユニット41〜44に内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがあるか否か等を判定する。なお、これらに限定されるものではない。また、マイクロコンピュータ50が判定部の機能を実施する場合には、イオン発生ユニット41〜44の正常・異常の判定に加えて、PCI制御回路51〜54の正常・異常を含めることもできる。
【0047】
マイクロコンピュータ50は、制御部としての機能を有する。すなわち、マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でイオン発生ユニット41〜44が正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、ルーバ21〜24の開閉態様が異なるようにルーバ制御回路58を制御する。
【0048】
例えば、イオン発生ユニット41〜44が正常時にルーバ21〜24が開状態の場合には、イオン発生ユニット41〜44が異常時にはルーバ21〜24を閉状態にする。また、イオン発生ユニット41〜44が正常時にルーバ21〜24が開状態の場合には、イオン発生ユニット41〜44が異常時にはルーバ21〜24の開閉を繰り返す状態、あるいは正常時の開き具合よりもさらに大きく開いた状態にする。これにより、イオン発生ユニット41〜44等の異常が発生した場合に、容易に異常を確認することができる。
【0049】
より具体的には、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口11〜14のいずれかに対応するルーバ21〜24のいずれかの開き度合を、他のルーバの開き度合よりも大きくする。例えば、正常時のルーバ21〜24の開き度合を0度(閉状態)〜45度とした場合、異常時のルーバ21〜24の開き度合を45度よりも大きく、例えば、80度、90度等にする。これにより、ルーバが他のルーバよりも大きく開いている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0050】
あるいは別の形態として、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応するルーバのみを閉じる。これにより、ルーバ21〜24のうち、ルーバが閉じている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0051】
あるいは別の形態として、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、イオン発生装置100の運転を停止させ、当該吹出口に対応するルーバのみを開く。これにより、ルーバ21〜24のうち、ルーバが開いている箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0052】
あるいは別の形態として、次のようにしてもよい。PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、マイクロコンピュータ50は、表示パネル25の所定のLEDランプを点灯させて、イオン発生ユニット41〜44のいずれかが正常でないことを報知する。そして、保守要員等が、異常個所を特定するため、例えば、リモートコントロール等の外部装置から正常でない箇所を点検するための点検要求信号を送信した場合、リモコン受光部55は当該点検要求信号を取得する。マイクロコンピュータ50は、リモコン受光部55で点検要求信号を取得した場合、PCI制御回路51〜54でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応するルーバの開閉態様が他のルーバの開閉態様と異なるようにする。
【0053】
これにより、仮にいずれかのイオン発生ユニットに異常が発生した場合でも、保守要員等が点検又は交換作業を行うまでは正常なイオン発生ユニットの動作及びイオン発生装置100の運転を継続することができる。また、保守要員等の点検又は交換作業時に、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができるので、点検又は交換作業の能率を高めることができる。
【0054】
ルーバ21〜24に加えて、あるいはルーバ21〜24とは別に、表示部31〜34を用いることもできる。上述のように、表示部31〜34は、例えば、LEDとすることができ、LEDが点灯した場合に、吹出口に対応した態様で外部から認識することができる箇所であれば任意の箇所に設けることができる。
【0055】
マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でイオン発生ユニット41〜44が正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、表示部31〜34の表示態様が異なるように表示部制御回路59を制御する。例えば、イオン発生ユニット41〜44が正常時に表示部31〜34が消灯の場合にはイオン発生ユニット41〜44のいずれかが異常時には表示部31〜34のいずれかを点灯又は点滅にする。これにより、表示部が他の表示部と異なり、点灯又は点滅している箇所(吹出口)に対応するイオン発生ユニットが異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニットのうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0056】
より具体的には、マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する表示部を点灯させ、他の吹出口に対応する表示部を消灯させる。これにより、表示部が点灯している箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット41〜44等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0057】
あるいは別の形態として、マイクロコンピュータ50は、PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、当該吹出口に対応する表示部のみを点滅させる。これにより、表示部が点滅している箇所が異常であると確認することができるので、イオン発生ユニット41〜44等の異常が発生した場合に、複数のイオン発生ユニット41〜44のうち、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができる。
【0058】
あるいは別の形態として、次のようにしてもよい。PCI制御回路51〜54でいずれかの吹出口11〜14からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、マイクロコンピュータ50は、表示パネル25の所定のLEDランプを点灯させて、イオン発生ユニット41〜44のいずれかが正常でないことを報知する。そして、保守要員等が、異常個所を特定するため、例えば、リモートコントロール等の外部装置から正常でない箇所を点検するための点検要求信号を送信した場合、リモコン受光部55は当該点検要求信号を取得する。マイクロコンピュータ50は、リモコン受光部55で点検要求信号を取得した場合、PCI制御回路51〜54でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する表示部の表示態様が他の表示部の表示態様と異なるようにする。
【0059】
これにより、仮にいずれかのイオン発生ユニットに異常が発生した場合でも、保守要員等が点検又は交換作業を行うまでは正常なイオン発生ユニットの動作及びイオン発生装置100の運転を継続することができる。また、保守要員等の点検又は交換作業時に、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に確認することができるので、点検又は交換作業の能率を高めることができる。
【0060】
図6は本実施の形態のイオン発生装置100による異常時の態様の一例を示す説明図である。図6は上述の内容を簡単にまとめたものである。イオン発生ユニット41〜44の正常又は異常を通知するための部材としては、それぞれの吹出口11〜14に対応したルーバ21〜24、及び/又は表示部31〜34を用いることができる。
【0061】
図6に示すように、ルーバ21〜24を用いる場合、イオン発生ユニット41〜44が正常時にルーバ21〜24が開状態であるときは、異常ありの吹出口に対応するルーバを開状態とし、異常なしの吹出口に対応するルーバを閉状態とする。この場合には、イオン発生装置100の運転を停止させることで、正常なイオン発生ユニットに対応するルーバは閉じた状態にし、異常なイオン発生ユニットに対応するルーバだけを開くことにより、異常があることを容易に認識することができる。
【0062】
なお、異常なしの吹出口に対応するルーバを開状態とすることもできる。この場合には、異常ありの吹出口に対応するルーバの開き度合を、異常なしの吹出口に対応するルーバの開き度合より大きくすればよい。
【0063】
また、別の態様として、イオン発生ユニット41〜44が正常時にルーバ21〜24が開状態であるときは、異常ありの吹出口に対応するルーバを開閉動作させ、異常なしの吹出口に対応するルーバを開状態とする。なお、この場合、異常なしの吹出口に対応するルーバを閉状態とすることもできる。これにより、例えば、イオン発生装置100が運転中に、1つのルーバだけが開閉動作を繰り返すことにより異常があることを容易に認識することができる。
【0064】
また、図6に示すように、表示部31〜34を用いる場合、イオン発生ユニット41〜44が正常時に表示部31〜34が消灯状態であるときは、異常ありの吹出口に対応する表示部を点灯状態とし、異常なしの吹出口に対応する表示部を消灯状態とする。これにより、例えば、イオン発生装置100が運転中に、表示部が点灯していることにより異常があることを容易に認識することができる。
【0065】
また、別の形態として、イオン発生ユニット41〜44が正常時に表示部31〜34が消灯状態であるときは、異常ありの吹出口に対応する表示部を点滅状態とし、異常なしの吹出口に対応する表示部を消灯状態とする。これにより、例えば、イオン発生装置100が運転中に、表示部が点滅していることにより異常があることを容易に認識することができる。
【0066】
図7は本実施の形態のイオン発生装置100の異常時の様子の一例を示す平面図である。図7の例は、吹出口11からのイオン発生に異常がある場合を示す。図7に示すように、吹出口11に対応するルーバ21は開状態となり、他の正常な吹出口に対応するルーバ22〜24は閉状態にする。また、吹出口11に異常がある場合には、例えば、吹出口11に対応するルーバ21の符号Aで示す領域が光るように表示部31を点灯させ、他の正常な吹出口に対応する表示部は消灯させる。これにより、外部から異常の有無を容易に確認することができるとともに、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかも容易に判断することができる。なお、異常時の態様は図7の例に限定されるものではない。
【0067】
次に、本実施の形態のイオン発生装置100の動作について説明する。図8及び図9は本実施の形態のイオン発生装置100の処理手順の第1例を示すフローチャートである。なお、以下の処理手順では、便宜上主体をマイクロコンピュータ50として説明する。
【0068】
マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S11)、異常がない場合(S11でNO)、動作開始信号を受信したか否かを判定する(S12)。動作開始信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0069】
動作開始信号を受信していない場合(S12でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS11以降の処理を続ける。動作開始信号を受信した場合(S12でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を開始し、運転ランプを点灯させ、ルーバを開く(S13)。
【0070】
マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S14)、異常がない場合(S14でNO)、動作停止信号を受信したか否かを判定する(S15)。動作停止信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0071】
動作停止信号を受信していない場合(S15でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS14以降の処理を続ける。動作停止信号を受信した場合(S15でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S16)、処理を終了する。
【0072】
ステップS11で吹出口に異常がある場合(S11でYES)、マイクロコンピュータ50は、後述のステップS18の処理を行う。また、ステップS14で吹出口に異常がある場合(S14でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S17)、ステップS18の処理を行う。
【0073】
マイクロコンピュータ50は、異常を示すランプを点灯又は点滅させる(S18)。なお、異常を示すランプは、例えば、表示パネル25のLEDランプである。マイクロコンピュータ50は、吹出口固有の異常であるか否かを判定する(S19)。なお、吹出口固有の異常とは、例えば、イオン発生ユニット41〜44で発生するイオン濃度が正常値の範囲内でない場合、イオン発生ユニット41〜44が正常に装着されていない場合、イオン発生ユニット41〜44に内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがある場合などである。
【0074】
吹出口固有の異常である場合(S19でYES)、マイクロコンピュータ50は、異常が発生した吹出口のルーバを開き、ルーバの表示部を点灯又は点滅させる(S20)。なお、ルーバ及び表示部の両方を動作させるのではなく、ルーバのみ、あるいは表示部のみを動作させてもよい。吹出口固有の異常でない場合(S19でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS20の処理を行わずに、後述のステップS21の処理を行う。
【0075】
マイクロコンピュータ50は、異常解除されたか否かを判定する(S21)。異常の解除は、例えば、イオン発生ユニットの交換作業あるいは清掃作業などによって行われる。異常解除されていない場合(S21でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS21の処理を続け、異常が解除された場合(S21でYES)、異常を示すランプを消灯する(S22)。
【0076】
マイクロコンピュータ50は、解除された異常が、吹出口固有の異常であるか否かを判定し(S23)、吹出口固有の異常であった場合(S23でYES)、異常が発生した吹出口のルーバを閉じ、ルーバの表示部を消灯し(S24)、処理を終了する。吹出口固有の異常でない場合(S23でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS24の処理を行わずに、処理を終了する。
【0077】
図10及び図11は本実施の形態のイオン発生装置100の処理手順の第2例を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S31)、異常がない場合(S31でNO)、動作開始信号を受信したか否かを判定する(S32)。動作開始信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0078】
動作開始信号を受信していない場合(S32でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS31以降の処理を続ける。動作開始信号を受信した場合(S32でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を開始し、運転ランプを点灯させ、ルーバを開く(S33)。
【0079】
マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S34)、異常がない場合(S34でNO)、動作停止信号を受信したか否かを判定する(S35)。動作停止信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0080】
動作停止信号を受信していない場合(S35でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS34以降の処理を続ける。動作停止信号を受信した場合(S35でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S36)、処理を終了する。
【0081】
ステップS31で吹出口に異常がある場合(S31でYES)、マイクロコンピュータ50は、後述のステップS38の処理を行う。また、ステップS34で吹出口に異常がある場合(S34でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S37)、ステップS38の処理を行う。
【0082】
マイクロコンピュータ50は、吹出口固有の異常であるか否かを判定する(S38)。なお、吹出口固有の異常とは、例えば、イオン発生ユニット41〜44で発生するイオン濃度が正常値の範囲内でない場合、イオン発生ユニット41〜44が正常に装着されていない場合、イオン発生ユニット41〜44に内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがある場合などである。
【0083】
吹出口固有の異常である場合(S38でYES)、マイクロコンピュータ50は、異常が発生した吹出口のルーバを開き、ルーバの表示部を点灯又は点滅させる(S39)。なお、ルーバ及び表示部の両方を動作させるのではなく、ルーバのみ、あるいは表示部のみを動作させてもよい。吹出口固有の異常でない場合(S38でNO)、マイクロコンピュータ50は、異常を示すランプを点灯又は点滅させる(S40)。
【0084】
マイクロコンピュータ50は、異常解除されたか否かを判定する(S41)。異常の解除は、例えば、イオン発生ユニットの交換作業あるいは清掃作業などによって行われる。異常が解除された場合(S41でYES)、マイクロコンピュータ50は、解除された異常が、吹出口固有の異常であるか否かを判定する(S42)。異常が解除されていない場合(S41でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS41の処理を続ける。
【0085】
吹出口固有の異常であった場合(S42でYES)、マイクロコンピュータ50は、異常が発生した吹出口のルーバを閉じ、ルーバの表示部を消灯し(S43)、処理を終了する。吹出口固有の異常でない場合(S42でNO)、マイクロコンピュータ50は、異常を示すランプを消灯し(S44)、処理を終了する。
【0086】
図12及び図13は本実施の形態のイオン発生装置100の処理手順の第3例を示すフローチャートである。マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S51)、異常がない場合(S51でNO)、動作開始信号を受信したか否かを判定する(S52)。動作開始信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0087】
動作開始信号を受信していない場合(S52でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS51以降の処理を続ける。動作開始信号を受信した場合(S52でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を開始し、運転ランプを点灯させ、ルーバを開く(S53)。
【0088】
マイクロコンピュータ50は、吹出口(すなわち、吹出口に対応するイオン発生ユニット等)に異常があるか否かを判定し(S54)、異常がない場合(S54でNO)、動作停止信号を受信したか否かを判定する(S55)。動作停止信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0089】
動作停止信号を受信していない場合(S55でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS54以降の処理を続ける。動作停止信号を受信した場合(S55でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S56)、処理を終了する。
【0090】
ステップS51で吹出口に異常がある場合(S51でYES)、マイクロコンピュータ50は、後述のステップS58の処理を行う。また、ステップS54で吹出口に異常がある場合(S54でYES)、マイクロコンピュータ50は、ファン、イオン発生ユニットの動作を停止し、運転ランプを消灯させ、ルーバを閉じて(S57)、ステップS58の処理を行う。
【0091】
マイクロコンピュータ50は、異常を示すランプを点灯又は点滅させる(S58)。なお、異常を示すランプは、例えば、表示パネル25のLEDランプである。マイクロコンピュータ50は、点検要求信号を受信したか否かを判定する(S59)。なお、点検要求信号は、例えば、リモートコントロールからイオン発生装置100へ送信される。
【0092】
点検要求信号を受信した場合(S59でYES)、マイクロコンピュータ50は、吹出口固有の異常であるか否かを判定する(S60)。なお、吹出口固有の異常とは、例えば、イオン発生ユニット41〜44で発生するイオン濃度が正常値の範囲内でない場合、イオン発生ユニット41〜44が正常に装着されていない場合、イオン発生ユニット41〜44に内蔵のメモリ内のデータ(例えば、通算動作時間、イオン発生異常回数など)にエラーがある場合などである。
【0093】
吹出口固有の異常である場合(S60でYES)、マイクロコンピュータ50は、異常が発生した吹出口のルーバを開き、ルーバの表示部を点灯又は点滅させ(S61)、後述のステップS62の処理を行う。なお、ルーバ及び表示部の両方を動作させるのではなく、ルーバのみ、あるいは表示部のみを動作させてもよい。
【0094】
点検要求信号を受信していない場合(S59でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS60、61の処理を行わずに、ステップS62の処理を行う。
【0095】
マイクロコンピュータ50は、異常解除されたか否かを判定する(S62)。異常の解除は、例えば、イオン発生ユニットの交換作業あるいは清掃作業などによって行われる。異常解除されていない場合(S62でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS59の処理を続け、異常が解除された場合(S62でYES)、異常を示すランプを消灯する(S63)。
【0096】
マイクロコンピュータ50は、解除された異常が、吹出口固有の異常であるか否かを判定し(S64)、吹出口固有の異常であった場合(S64でYES)、異常が発生した吹出口のルーバを閉じ、ルーバの表示部を消灯し(S65)、処理を終了する。吹出口固有の異常でない場合(S64でNO)、マイクロコンピュータ50は、ステップS65の処理を行わずに、処理を終了する。
【0097】
上述のように、イオン発生ユニット等の異常が発生し、吹出口から所定範囲内の濃度のイオンを発生させることができない場合、ルーバの開閉態様及び/又は表示部の表示態様を正常状態での態様と異なる態様にすることにより、いずれのイオン発生ユニットが異常であるかを容易に知ることができ、イオン発生ユニットの清掃又は交換の際の作業を容易にすることができる。
【0098】
上述の実施の形態では、イオン発生ユニット及び吹出口を複数備える構成であったが、これに限定されるものではなく、イオン発生ユニット及び吹出口は1つであってもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 ケース
2 パネル
3 ファン
10 取入口
11、12、13、14 吹出口
21、22、23、24 ルーバ(風向調整板)
25 表示パネル(報知部、取得部)
31、32、33、34 表示部
41、42、43、44 イオン発生ユニット
50 マイクロコンピュータ(制御部)
51、52、53、54 PCI制御回路(判定部)
55 リモコン受光部(取得部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン発生ユニットで発生したイオンを含む空気を吹き出すための吹出口を開閉する風向調整板を駆動する駆動部を備えるイオン発生装置において、
自装置の動作が正常であるか否かを判定する判定部と、
該判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、前記風向調整板の開閉態様が異なるように前記駆動部を制御する制御部と
を備えることを特徴とするイオン発生装置。
【請求項2】
前記吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、
前記制御部は、
前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する風向調整板の開き度合を、他の風向調整板の開き度合よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、
前記制御部は、
前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する風向調整板のみを閉じることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する報知部と、
正常でない箇所を点検するための点検要求信号を外部装置から取得する取得部と
を備え、
前記制御部は、
前記取得部で点検要求信号を取得した場合、前記判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する風向調整板の開閉態様が他の風向調整板の開閉態様と異なるようにしてあることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
1又は複数の吹出口に対応させて表示部を備え、
前記制御部は、
前記判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、前記表示部の表示態様が異なるようにしてあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する表示部を点灯させ、他の吹出口に対応する表示部を消灯させることを特徴とする請求項5に記載のイオン発生装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する表示部のみを点滅させることを特徴とする請求項5に記載のイオン発生装置。
【請求項8】
前記判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する報知部と、
正常でない箇所を点検するための点検要求信号を外部装置から取得する取得部と
を備え、
前記制御部は、
前記取得部で点検要求信号を取得した場合、前記判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する表示部の表示態様が他の吹出口に対応する表示部の表示態様と異なるようにしてあることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項1】
イオン発生ユニットで発生したイオンを含む空気を吹き出すための吹出口を開閉する風向調整板を駆動する駆動部を備えるイオン発生装置において、
自装置の動作が正常であるか否かを判定する判定部と、
該判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、前記風向調整板の開閉態様が異なるように前記駆動部を制御する制御部と
を備えることを特徴とするイオン発生装置。
【請求項2】
前記吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、
前記制御部は、
前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する風向調整板の開き度合を、他の風向調整板の開き度合よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記吹出口及び風向調整板それぞれを複数備え、
前記制御部は、
前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する風向調整板のみを閉じることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する報知部と、
正常でない箇所を点検するための点検要求信号を外部装置から取得する取得部と
を備え、
前記制御部は、
前記取得部で点検要求信号を取得した場合、前記判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する風向調整板の開閉態様が他の風向調整板の開閉態様と異なるようにしてあることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
1又は複数の吹出口に対応させて表示部を備え、
前記制御部は、
前記判定部で正常であると判定した場合と、正常でないと判定した場合とで、前記表示部の表示態様が異なるようにしてあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する表示部を点灯させ、他の吹出口に対応する表示部を消灯させることを特徴とする請求項5に記載のイオン発生装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記判定部でいずれかの吹出口からのイオンの吹き出しが正常でないと判定した場合、該吹出口に対応する表示部のみを点滅させることを特徴とする請求項5に記載のイオン発生装置。
【請求項8】
前記判定部で正常でないと判定した場合、正常でないことを報知する報知部と、
正常でない箇所を点検するための点検要求信号を外部装置から取得する取得部と
を備え、
前記制御部は、
前記取得部で点検要求信号を取得した場合、前記判定部でイオンの吹き出しが正常でないと判定した吹出口に対応する表示部の表示態様が他の吹出口に対応する表示部の表示態様と異なるようにしてあることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−105599(P2013−105599A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247924(P2011−247924)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]