説明

イソオキサゾリン誘導体の製造方法

本発明は、式IB〔式中、A1、A2、A3、A4、L、Y1、Y2、R1、R2、R3、R4、およびR5は、請求項に定義されるとおりである〕で示される化合物の製造方法に関する。この方法は、式II〔式中、Y1、Y2、L、A1、A2、R1、R2、R3、R4、およびR5は、式Iで示される化合物に対して定義したとおりである〕で示される化合物を、水、塩基、およびキラル相間移動触媒の存在下で、ヒドロキシルアミンと反応させることを含み、このキラル相間移動触媒は、キニン誘導体である。発明はまた、式IBで示される化合物および式IBで示される化合物を含む鏡像異性的富化混合物に関する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IB
【化1】

〔式中、
1およびY2の一方は、S、SO、またはSO2であり、かつ他方はCH2であり、
Lは、直接結合またはメチレンであり、
1およびA2はC−Hであり、またはA1およびA2の一方はC−Hでありかつ他方はNであり、
1は、水素またはメチルであり、
2は、クロロジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、
3は、3,5−ジブロモ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、または3,4,5−トリクロロ−フェニルであり、
4は、メチルであり、
5は、水素であり、
またはR4およびR5は、一緒になって、架橋1,3−ブタジエン基を形成する〕
で示される化合物の製造方法であって、式II
【化2】

〔式中、Y1、Y2、L、A1、A2、R1、R2、R3、R4、およびR5は、以上の式Iで示される化合物に対して定義したとおりである〕
で示される化合物を、水、塩基、およびキラル相間移動触媒の存在下で、ヒドロキシルアミンと反応させることを含み、前記キラル相間移動触媒がキニン誘導体である、方法。
【請求項2】
前記キラル相間移動触媒が式III
【化3】

〔式中、R6は、場合により置換されていてもよいアリールまたは場合により置換されていてもよいヘテロアリールであり、Wは、またはエチルまたはビニルであり、かつXは、アニオンである〕
で示される化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キラル相間移動触媒が式IIIa
【化4】

〔式中、R6は、場合により置換されていてもよいアリールまたは場合により置換されていてもよいヘテロアリールであり、かつXは、アニオンである〕
で示される化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
6が、フェニルもしくは1〜5個のR7により置換されたフェニル、ナフチルもしくは1〜5個のR7により置換されたナフチル、アントラセニルもしくは1〜5個のR7により置換されたアントラセニル、またはヘテロアリールもしくは1〜4個のR7により置換されたヘテロアリールであり、
各R7が、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C8アルキル、C1〜C8ハロアルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8ハロアルコキシ、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、または1〜5個のハロゲンにより置換されたフェニルであり、隣接する炭素原子上の2個のR7置換基が、一緒になって、O、N(R8)、およびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を含有する部分飽和五〜七員環を形成してもよく、
かつ各R8が、独立して、水素またはC1〜C4アルキルである、
請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
6が、フェニルもしくは1〜5個のR7により置換されたフェニル、アントラセニルもしくは1〜5個のR7により置換されたアントラセニル、またはピリジルもしくは1〜4個のR7により置換されたピリジルであり、かつ
各R7が、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、またはC1〜C4ハロアルコキシであり、隣接する炭素原子上の任意の2個のR7置換基が、一緒になって、1個または2個のO原子を含有する部分飽和五〜七員環を形成してもよい、
請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項6】
6が、1〜5個のR7により置換されたフェニル、ピリジルもしくは1〜4個のR7により置換されたピリジル、ピリミジニルもしくは1〜3個のR7により置換されたピリミジニル、または基A
【化5】

もしくは1〜4個のR7により置換された基Aであり、かつ各R7が、独立して、ハロゲン、ニトロ、C1〜C4アルキル、またはC1〜C4アルコキシである、請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項7】
6が、ハロゲン、メチル、およびメトキシから独立して選択される1〜5個の置換基により置換されたフェニル、ピリジルもしくは1〜4個のハロゲン原子により置換されたピリジルである、請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項8】
6が、フッ素、メチル、およびメトキシから独立して選択される3〜5個の置換基により置換されたフェニルである、請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項9】
式IIIで示される化合物が、式IIIA、IIIB、IIIC、IIID、IIIE、IIIF、IIIG、IIIH、IIIJ、IIIK、IIIL、IIIM、IIIN、またはIIIO
【化6】

〔式中、Xは、アニオンである〕
で示される化合物である、請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項10】
Xがハロゲンである、請求項2〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
式IAで示される化合物と式IBで示される化合物とを含む混合物の製造方法であって、
【化7】

〔式中、Y1、Y2、L、A1、A2、R1、R2、R3、R4、およびR5は、以上の式Iで示される化合物に対して定義したとおりであり、前記混合物では、式IBで示される化合物が鏡像異性的に富化される〕
式II
【化8】

〔式中、Y1、Y2、L、A1、A2、R1、R2、R3、R4、およびR5は、以上の式Iで示される化合物に対して定義したとおりである〕
で示される化合物を、水、塩基、およびキラル相間移動触媒の存在下で、ヒドロキシルアミンと反応させることを含み、前記キラル相間移動触媒がキニン誘導体である、方法。
【請求項12】
式IB
【化9】

〔式中、
1およびY2の一方は、S、SO、またはSO2であり、かつ他方はCH2であり、
Lは、直接結合またはメチレンであり、
1およびA2はC−Hであり、またはA1およびA2の一方はC−Hでありかつ他方はNであり、
1は、水素またはメチルであり、
2は、クロロジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、
3は、3,5−ジブロモ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、または3,4,5−トリクロロ−フェニルであり、
4は、メチルであり、
5は、水素であり、
またはR4およびR5は、一緒になって、架橋1,3−ブタジエン基を形成する〕
で示される化合物。
【請求項13】
式IAで示される化合物と、式IBで示される化合物と
【化10】

〔式中、
1およびY2の一方は、S、SO、またはSO2であり、かつ他方はCH2であり、
Lは、直接結合またはメチレンであり、
1およびA2はC−Hであり、またはA1およびA2の一方はC−Hでありかつ他方はNであり、
1は、水素またはメチルであり、
2は、クロロジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、
3は、3,5−ジブロモ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、または3,4,5−トリクロロ−フェニルであり、
4は、メチルであり、
5は、水素であり、
またはR4およびR5は、一緒になって、架橋1,3−ブタジエン基を形成し、
前記混合物では、式IBで示される化合物が鏡像異性的に富化される〕
を含む混合物。
【請求項14】
式Iで示される化合物中、Lが直接結合またはメチレンであり、Y1およびY2の一方がSでありかつ他方がCH2であり、A1およびA2がC−Hであり、R1が水素またはメチルであり、R2がトリフルオロメチルであり、R3が3,5−ジクロロ−フェニルであり、R4がメチルであり、かつR5が水素である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法、化合物、または混合物。
【請求項15】
式Iで示される化合物中、Lが直接結合またはメチレンであり、Y1およびY2の一方がSOでありかつ他方がCH2であり、A1およびA2がC−Hであり、R1が水素またはメチルであり、R2がトリフルオロメチルであり、R3が3,5−ジクロロ−フェニルであり、R4がメチルであり、かつR5が水素である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法、化合物、または混合物。
【請求項16】
式IBで示されるシスSOおよびトランスSO化合物の全量に対する式IBで示されるシスSO化合物のモル比率が50%超である、請求項15に記載の方法または混合物。
【請求項17】
式Iで示される化合物中、Lが直接結合またはメチレンであり、Y1およびY2の一方がSO2でありかつ他方がCH2であり、A1およびA2がC−Hであり、R1が水素またはメチルであり、R2がトリフルオロメチルであり、R3が3,5−ジクロロ−フェニルであり、R4がメチルであり、かつR5が水素である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法、化合物、または混合物。
【請求項18】
Lが直接結合であるとき、Y2がCH2でありかつY1がS、SO、またはSO2であり、Lがメチレンであるとき、Y2がS、SO、またはSO2でありかつY1がCH2である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法、化合物、または混合物。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に定義される、式IBで示される化合物または式IBおよびIAで示される化合物を含む混合物を、殺虫上、殺ダニ上、殺線虫上、または殺軟体動物上の有効量で、有害生物、有害生物の居場所、または有害生物の攻撃を受けやすい植物もしくは植物繁殖材料に、適用することを含む、昆虫、ダニ、線虫、および/または軟体動物の防除方法。
【請求項20】
式III*
【化11】

〔式中、R6は、2,4,6−トリフルオロフェニル、メチルおよびフッ素から独立して選択される1〜5個の基により置換されたフェニル(ただし(providing that)、前記フェニルは、少なくとも1個のメチルおよび1個のフッ素により置換されるものとする)、メトキシおよびニトロから独立して選択される1〜5個の基により置換されたフェニル(ただし(providing that)、前記フェニルは、少なくとも1個のメトキシおよび1個のニトロにより置換されるものとする)、メトキシおよびハロゲンから独立して選択される1〜5個の基により置換されたフェニル(ただし(providing that)、前記フェニルは、少なくとも1個のメトキシおよび1個のハロゲンにより置換されるものとする)、ハロゲン、ニトロ、C1〜C4アルキル、もしくはC1〜C4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基により置換されたピリミジニル、ピリジルもしくは1〜4個のハロゲンにより置換されたピリジル、または基A、
【化12】

もしくはハロゲンおよびメトキシから独立して選択される1〜4個の置換基により置換された基Aであり、かつXは、アニオン、好ましくはハロゲンアニオン、より好ましくは塩化物イオンまたは臭化物イオンである〕
で示される化合物。
【請求項21】
式III*で示される化合物が、式IIIC、IIIE、IIIF、IIIH、IIIJ、IIIK、IIIL、IIIN、またはIIIO
【化13】

〔式中、Xは、アニオンである〕
で示される化合物である、請求項20に記載の式III*で示される化合物。
【請求項22】
式III
【化14】

〔式中、R6は、場合により置換されていてもよいアリールまたは場合により置換されていてもよいヘテロアリールであり、かつXは、アニオン、好ましくはハロゲンアニオン、より好ましくは塩化物イオンまたは臭化物イオンである〕
で示される化合物の製造方法であって、式IV
【化15】

で示される化合物を式V
【化16】

〔式中、R6およびXは、式IIIで示される化合物に対して定義したとおりである〕
で示される化合物と反応させることを含み、式IIIで示される化合物が請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法での使用に供される、方法。
【請求項23】
請求項1〜18のいずれか一項に定義される式IBで示される化合物または式IBおよびIAで示される化合物を含む混合物の製造におけるキラル相間移動触媒(catalyst catalyst)としての、請求項2〜9のいずれか一項に定義される式IIIで示される化合物の使用。
【請求項24】
水、塩基、およびキラル相間移動触媒の存在下でβ−ケト不飽和カルボニル基をヒドロキシルアミンと反応させる工程を含み、前記キラル相間移動触媒がキニン誘導体である、請求項1〜18のいずれか一項に定義される式IBで示される化合物または式IBおよびIAで示される化合物を含む混合物の製造方法。
【請求項25】
式IBで示される化合物または式IAおよびIBで示される化合物
【化17】

〔式中、
1およびY2の一方は、S、SO、またはSO2であり、かつ他方はCH2であり、
Lは、直接結合またはメチレンであり、
1およびA2はC−Hであり、またはA1およびA2の一方はC−Hでありかつ他方はNであり、
1は、水素またはメチルであり、
2は、クロロジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり、
3は、3,5−ジブロモ−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、または3,4,5−トリクロロ−フェニルであり、
4は、メチルであり、
5は、水素であり、
またはR4およびR5は、一緒になって、架橋1,3−ブタジエン基を形成する〕
を含む混合物の製造方法であって、
式XV
【化18】

〔式中、Y1、Y2、L、A1、A2、R1、R2、R3、R4、およびR5は、式Iで示される化合物に対して定義したとおりである〕
で示される化合物を、水、塩基、およびキラル相間移動触媒の存在下で、ヒドロキシルアミンと反応させることを含み、前記キラル相間移動触媒がキニン誘導体である、方法。
【請求項26】
請求項13〜18のいずれか一項に定義される混合物と、1種以上の追加の生物学的活性成分とを含む組成物。
【請求項27】
成分Aが、請求項1〜18のいずれか一項に定義される式IBで示される化合物または式IBおよびIAを含む混合物であり、かつ化合物Bが、イミダクロプリド、エンロフロキサシン、プラジクアンテル、ピランテルエンボネート、フェバンテル、ペネタメート、モロキシカム(moloxicam)、セファレキシン、カナマイシン、ピモベンダン、クレンブテロール、フィプロニル、イベルメクチン、オメプラゾール、チアムリン、ベナゼプリル、ミルベマイシン、シロマジン、チアメトキサム、ピリプロール、デルタメトリン、セフキノム、フロルフェニコール、ブセレリン、セフォベシン、ツラトロマイシン、セフチオウル(ceftiour)、セラメクチン、カルプロフェン、メタフルミゾン、モキシデクチン、メトプレン(S−メトプレンを含む)、クロルスロン、ピランテル、アミトラズ、トリクラベンダゾール、アベルメクチン、アバメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン、セラメクチン、ネマデクチン、アルベンダゾール、カンベンダゾール、フェンベンダゾール、フルベンダゾール、メベンダゾール、オクスフェンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、テトラミソール、レバミソール、ピランテルパモエート、オキサンテル、モランテル、トリクラベンダゾール、エプシプランテル、フィプロニル、ルフェヌロン、エクジソンまたはテブフェノジドである、殺有害生物上有効量の成分Aと、殺有害生物上有効量の成分Bとを含む組合せ製剤。

【公表番号】特表2013−520456(P2013−520456A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554271(P2012−554271)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051513
【国際公開番号】WO2011/104089
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】