説明

イソキノリン化合物及びその医薬用途

本発明は、下記一般式(1)


により表されるイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物に関するものであり、当該化合物を含有するポリ(ADP−リボース)合成酵素の機能亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療薬、及び、当該化合物を含有するポリ(ADP−リボース合成酵素阻害剤に関するものである。また、当該化合物は、脳梗塞予防及び/又は治療薬、特に脳梗塞急性期予防及び/又は治療薬として有用である。さらに、脳梗塞、特に脳梗塞急性期に伴う神経症候を改善する予防及び/又は治療薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、新規なイソキノリン化合物及びそれを有効成分とする医薬に関するものである。
【背景技術】
ポリ(ADP−リボース)合成酵素(Poly(ADP−ribose)polymerase;以下、「PARP」と略することもある)は、ニコチン酸アミドヌクレオチド(NAD)を基質として、ニコチン酸アミドとリボースの結合を切断し、ADP−リボース残基を蛋白質に転移し、複数個のADP−リボース残基を付加重合させる核内酵素である。この酵素はアポトーシス関連酵素として注目を集めており、虚血時に疾患部位で産生される一酸化窒素や活性酸素等のフリーラジカルで傷害を受けたDNAの切れ目を認識することで活性化し、DNA修復を補佐することが主な役割とされてきた。
近年、PARPの活性化が細胞内NADの減少を引き起こし、この減少を補うためATPを多量に消費する結果、細胞内エネルギーを枯渇させ、細胞を死に至らせると考えられている。PARPノックアウトマウスを用いた実験で、培養神経細胞が一酸化窒素やNMDA(N−methyl−D−aspartate)等の興奮性アミノ酸による障害に対して抵抗性を示すこと、また脳虚血によって引き起こされる脳梗塞巣を80%以上抑制する驚異的な保護効果を示すことが明らかとなった(Eliasson MJL.et.al.、Nature Med.、3、1089−95(1997))。
しかし、現在まで報告されているPARP阻害剤で脳梗塞治療薬として臨床試験に提供されたものはない。また、現在まで報告されているPARP阻害剤として、たとえば、5−置換−3、4−ジヒドロ−2H−イソキノリン誘導体(特開平2−124874号公報)、1、11b−ジヒドロベンゾピラノ[4.3.2−de]イソキノリン−3−オン誘導体(WO99/11645公報)、3、4−ジヒドロ−5−[4−(1−ピペリジニル)−ブトキシ]−1(2H)−イソキノリノン(WO99/08680及びWO99/11649各号公報)、ピリミジン誘導体(WO00/42025公報)、ベンズイミダゾール誘導体(WO00/64878及びWO00/68206各号公報)、フタラジン誘導体(WO00/67734及びWO00/44726各号公報)、キナゾリノン誘導体(WO02/48117及びWO02/44157各号公報)などが知られているが、これらのPARP阻害活性はそれほど強力なものではない。
また特公昭46−12454号公報には鎮痛作用および血糖降下作用を有するイソキノリン誘導体が、米国特許第1174272及び同1062357各号公報には降圧作用を有するキナゾリン誘導体が、英国特許第1174272、同1062357及びドイツ特許第2121031各号公報には血圧降下作用を有するキナゾリン誘導体が、米国特許第4808595号公報には眼圧低下作用を有するフロピリジン誘導体が、特開昭64−42472号公報には脳機能障害改善作用を有するキナゾリン誘導体がそれぞれ開示されているが、これらは何れもPARP阻害作用に着目したものではない。
【特許文献1】特開平2−124874号公報
【特許文献2】WO99/11645公報
【特許文献3】WO99/08680公報
【特許文献4】WO99/11649公報
【特許文献5】WO00/42025公報
【特許文献6】WO00/64878公報
【特許文献7】WO00/68206公報
【特許文献8】WO00/67734公報
【特許文献9】WO00/44726公報
【特許文献10】WO02/48117公報
【特許文献11】WO02/44157公報
【特許文献12】特公昭46−12454号公報
【特許文献13】米国特許第1174272号公報
【特許文献14】米国特許第1062357号公報
【特許文献15】英国特許第1174272号公報
【特許文献16】英国特許第1062357号公報
【特許文献17】ドイツ特許第2121031号公報
【特許文献18】米国特許第4808595号公報
【特許文献19】特開昭64−42472号公報
【非特許文献1】Eliasson MJL.et.al.、Nature Med.、3、1089−95(1997)
【発明の開示】
本発明の課題は、PARP阻害作用を有し、脳梗塞治療薬、特に脳梗塞急性期治療薬として有用な化合物及び中間体として有用な化合物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、下記一般式(I)により表されるイソキノリン化合物、その光学活性体、その医薬上許容しうる塩、その水和物およびその水付加物が強力なPARP阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)下記一般式(I)

〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)〕
により表されるイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(2)一般式(I)において、
は水素原子又はアルキルを示し、
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から5のアルキレン鎖を示し、
Rは、一般式(II)を示す前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子又はアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル又はヒドロキシアルキルを示す。)
(3)一般式(I)において、
は水素原子又はメチルを示し、
Yは存在しないか、メチレン、エチレン、プロピレン、又は2−ヒドロキシプロピレンを示し、
Rは一般式(II)を示す前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から3の整数を示す。
tは1から4の整数を示す。
が水素原子、メチルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基、ヒドロキシメチル又は2−ヒドロキシエチルを示す。
が2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル又は2−ヒドロキシプロピルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、メチル、ヒドロキシメチル又は2−ヒドロキシエチルを示す。)
(4)
(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(2)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(3)3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(4)3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(5)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(6)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(7)3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(8)3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(9)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(10)3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(11)3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(12)3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(13)3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(14)(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(15)(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(16)(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(17)(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(18)(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(19)3−[2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(20)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(21)3−(1−メチル−2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン
(22)3−[1−(3−ヒドロキシ−2、2−ジメチルプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(23)5−メチル−3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(24)3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(25)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(26)(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(27)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(28)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(29)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(30)5−メチル−3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(31)5−メチル−3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(32)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(33)3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(35)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(37)(−)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(38)(+)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
から選ばれる前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水和物又はそれらの水付加和物。
(5)一般式(I)において、
は水素原子又はメチルを示し、
Yは存在せず、
Rは一般式(II)を示す前記のイソキノリン化合物、
その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、XはCHを示す。
Wは窒素原子を示す。
sは1から2の整数を示す。
tは2の整数を示す。
がメチルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
がヒドロキシエチルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。)
(6)
(2)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(9)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(10)3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(11)3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(21)3−(1−メチル−2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン
(22)3−[1−(3−ヒドロキシ−2、2−ジメチルプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(23)5−メチル−3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(24)3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(28)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(29)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(30)5−メチル−3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(31)5−メチル−3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(33)3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(37)(−)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(38)(+)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
から選ばれる前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(7)一般式(I)において、
は水素原子又はメチルを示し、
Yはエチレン、プロピレン又は2−ヒドロキシプロピレンを示し、
Rは一般式(II)を示す前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、Xは窒素原子を示す。
WはCHを示す。
sは1から3の整数を示す。
tは1から4の整数を示す。
及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル又はヒドロキシメチルを示す。
は水素原子を示す。
但しRが水素原子又はアルキルを示す場合、R’は水酸基又はヒドロキシメチルを示す。)
(8)
(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(3)3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(4)3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(5)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(6)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(7)3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(8)3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(12)3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(13)3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(14)(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(15)(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(16)(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(17)(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(18)(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(19)3−[2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(20)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(25)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(26)(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(27)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(32)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(35)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
から選ばれる前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(9)一般式(1)において、
は水素原子又はメチルを示し、
Yは存在しないか、エチレンを示し、
Rは一般式(II)を示す前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、一般式(I)においてYが存在する場合、Xは窒素原子を示す。一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1又は2の整数を示す。
tは1から3の整数を示す。
が水素原子を示す場合、R及びR’は、それぞれ水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
がヒドロキシエチルを示す場合、R及びR’は、それぞれ水素原子、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。)
(10)
(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(2)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(5)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(28)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(37)(−)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(38)(+)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
から選ばれる前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(11)一般式(I)において、
はメチルを示し、
Yは存在せず、
Rは一般式(II)を示す前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(式中、XはCHを示す。
Wは窒素原子を示す。
sは1又は2を示す。
tは2の整数を示す。
及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
はヒドロキシエチルを示す。)
(12)
(2)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その光学活性体、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(13)
(28)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その光学活性体、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(14)
(37)(+)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(15)
(38)(−)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(16)一般式(I)において、
はメチルを示し、
Yはエチレンを示し、
Rは一般式(II)を示す前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、Xは窒素原子を示す。
WはCHを示す。
sは1を示す。
tは2又は3の整数を示す。
及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
は水素原子を示す。
但しRが水素原子を示す場合R2’は水酸基又はヒドロキシメチルを示す。)
(17)
(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(18)
(5)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(19)
(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(20)
(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(21)前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を含有するポリ(ADP−リボース)合成酵素の機能亢進に起因する疾患の予防及び/又は治療薬。
(22)脳梗塞に用いられる前記の予防及び/又は治療薬。
(23)脳梗塞急性期に用いられる前記の予防及び/又は治療薬。
(24)脳梗塞に伴う神経症候を改善する前記の予防及び/又は治療薬。
(25)前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を含有する脳梗塞の予防及び/又は治療薬。
(26)脳梗塞急性期に用いられる前記の予防及び/又は治療薬。
(27)脳梗塞に伴う神経症候を改善する前記の予防及び/又は治療薬。
(28)前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を含有するポリ(ADP−リボース)合成酵素阻害剤。
(29)下記から選ばれる化合物。
(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド
(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド
(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン
(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド
(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド
(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン
(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン塩酸塩
(30)
下記一般式(11’)

(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
はジアルキルアミノを示す。)の化合物と、下記一般式(14)

〔式中、Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)
はN−アルキル−N−アルコキシアミノを示す。〕の化合物を反応させ、下記一般式(15)

(R、J、Y及びRは上記と同義である)の化合物を製造する方法。
(31)
下記一般式(15)

〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
はジアルキルアミノを示す。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)〕の化合物を用いて、下記一般式(16)

(R、Y及びRは上記と同義である)の化合物を製造する方法。
(32)
下記一般式(16)

〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)〕の化合物を用いて下記一般式(1)

〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)〕
の化合物を製造する方法。
(33)
前記の工程を含む前記に記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を製造する方法。
(34)
前記の工程を含む前記のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を製造する方法。
【発明を実施するための最良の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
一般式(I)の化合物は下記式(III)のように互変異性体の形態を取りうる。本発明では両互変異性体も含有する。

上記一般式(I)における各基の具体例は次の通りである。
における置換基の具体例は次のとおりであり、環の任意の炭素原子上に置換される。
ハロゲン原子:フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、中でもフッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
アルキル:炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチルなどが挙げられ、中でもメチルが好ましい。
アルコキシ:アルキル(上記と同義)と酸素原子とから構成されるアルコキシルであり、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第3級ブトキシなどが挙げられ、中でもメトキシが好ましい。
ハロアルキル:1又は2以上のハロゲン原子(上記と同義)で置換されたアルキル(上記と同義)であり、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2、2−ジフルオロエチル、2、2、2−トリフルオロエチルなどが挙げられ、中でもトリフルオロメチルが好ましい。
ジアルキルアミノ:アルキル部は同一又は異なって、それぞれ独立したアルキル(上記と同義)を有するジアルキルアミノであり、アルキル部は環を形成しても良い。例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル等が挙げられ、中でもジメチルアミノが好ましい。
アシル:アルキル(上記と同義)とカルボニルから構成される、総炭素数が1〜4であるアシルであり、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、2−メチルプロピオニル、ブチリルなどが挙げられる。
アルコキシカルボニル:アルコキシ(上記と同義)とカルボニルから構成されるエステルであり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、第3級ブトキシカルボニルなどが挙げられる。
N−アルキルカルバモイル:炭素数1〜4であるモノアルキルアミノとカルボニルから構成されるN−アルキルカルバモイルであり、例えばN−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイルなどが挙げられる。
N、N−ジアルキルカルバモイル:ジアルキルアミノ(上記と同義)とカルボニルから構成されるN、N−ジアルキルカルバモイルであり、例えばN、N−ジメチルカルバモイル、N、N−ジエチルカルバモイル、N、N−ジプロピルカルバモイル、N、N−ジブチルカルバモイルなどが挙げられる。
アシルアミノ:アシル(上記と同義)とアミノから構成されるアシルアミノであり、例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノなどが挙げられる。
ジアシルアミノ:2つのアシル(上記と同義)とアミノから構成されるジアシルアミノであり、アシル部は独立しており、同一でも異なっていてもよく、例えばN、N−ジアセチルアミノ、N、N−ジプロピオニルアミノ、N、N−ジブチリルアミノなどが挙げられる。
アルキルチオ:アルキル(上記と同義)と硫黄原子とから構成されるアルキルチオであり、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどが挙げられ、中でもメチルチオが好ましい。
アルコキシカルボニルアミノ:アルコキシカルボニル(上記と同義)とアミノから構成されるアルコキシカルボニルアミノであり、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
N−アルキルスルファモイル:モノアルキルアミノ(上記と同義)とスルホンから構成されるN−アルキルスルファモイルであり、例えばN−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−プロピルスルファモイル、N−ブチルスルファモイルなどが挙げられる。
N、N−ジアルキルスルファモイル:ジアルキルアミノ(上記と同義)とスルホンから構成されるN、N−ジアルキルスルファモイルであり、例えばN、N−ジメチルスルファモイル、N、N−ジエチルスルファモイル、N、N−ジプロピルスルファモイル、N、N−ジブチルスルファモイルなどが挙げられる。
アルコキシアルキルオキシ:アルコキシ(上記と同義)、アルキル(上記と同義)及び酸素から構成されるアルコキシアルキルオキシであり、アルコキシ及びアルキルはそれぞれ、上記と同義であり、例えばメトキシメチルオキシ、エトキシメチルオキシなどが挙げられ、中でもメトキシメチルオキシが好ましい。
の置換位置としてはイソキノリン環上の5位または7位に置換されているのが好ましく、特に5位が好ましい。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。例えば、
(1)−CH(OH)CH
(2)−CHCH(OH)CH−、
(3)−CHCHCH(OH)CH−、
(4)−CHCHCHCH(OH)CH−、
(5)−CHCHCHCHCH(OH)CH−、
(6)−CHCHCHCHCHCH(OH)CH−、
(7)−CHCHCHCHCHCHCH(OH)CH−、
(8)−CHCH(CHOH)CH−、
(9)−CHCH(CHCHOH)CH−、
などが挙げられ、中でも(2)が好ましい。また、直鎖状アルキレン鎖としては、エチレン、プロピレンが好ましい。
及びR2’における置換基の具体例は次の通りであり、環の任意の炭素原子上に置換される。
アルキル:Rにおけるアルキルと同義である。
ヒドロキシアルキル:アルキル(Rにおけるアルキルと同義)と水酸基とから構成されるヒドロキシアルキルであり、中でも、ヒドロキシメチルが好ましい。
アルコキシカルボニル:アルコキシ(Rにおけるアルコキシと同義)とカルボニルから構成されるアルコキシカルボニルであり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、第3級ブトキシカルボニルなどが挙げられるが、中でもエトキシカルボニルが好ましい。
ジアルキルアミノアルキル:ジアルキルアミノ(Rにおけるジアルキルアミノと同義)とアルキル(Rにおけるアルキルと同義)とから構成されるジアルキルアミノアルキルであり、中でもジメチルアミノメチルが好ましい。
ジアルキルカルバモイル:ジアルキルアミノ(Rにおけるジアルキルアミノと同義)と、カルボニルから構成されるジアルキルカルバモイルであり、中でもジメチルカルバモイルが好ましい。
における置換基の具体例は次の通りである。
アルキル:Rにおけるアルキルと同義であるが、メチル、エチル、プロピル、イソブチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
ヒドロキシアルキル:Rにおけるヒドロキシアルキルと同義であるが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、4−ヒドロキシブチルなどを挙げることができ、中でもヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシプロピル、2、2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルが好ましく、ヒドロキシメチル及びヒドロキシエチルが特に好ましい。
モノアルキルアミノ:Rにおけるモノアルキルアミノと同義であるが、中でもメチルアミノが好ましい。
ジアルキルアミノ:Rにおけるジアルキルアミノと同義であるが、中でもジメチルアミノが好ましい。
アルコキシカルボニル:Rにおけるアルコキシカルボニルと同義であるが、中でもエトキシカルボニルが好ましい。
アルキルスルホニル:アルキル(Rにおけるアルキルと同義)とスルホニルとから構成されるアルキルスルホニルであり、メタンスルホニル、エタンスルホニルなどが挙げられる.
アシル:Rにおけるアシルと同義である。
置換基を有しても良いアシルアミノ:Rにおけるアシルアミノと同義であるが、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、2−メチルプロピオニルアミノ、ブチリルアミノから選ばれる炭素数1〜4のアシルとアミノ基から構成される基を挙げることができる。また、置換基としては、好ましくはハロゲン原子(特に、フッ素原子)が挙げられ、例えばトリフルオロアセチルアミノが挙げられる。
置換基を有してもよいベンゾイルアミノ:置換基としてはRにおける置換基と同様のものを挙げることができる。
アリールアルキル:アリールとアルキル(Rにおけるアシルアミノと同義)から構成されるアリールアルキルであり、例えばベンジル、フェネチル等が挙げられ、中でもベンジルが好ましい。
アルキルスルホニルアミノ:アルキルスルホニル(上記と同義)とアミノから構成されるアルキルスルホニルアミノであり、例えば、メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ等が挙げられ、中でもメタンスルホニルアミノが好ましい。
一般式(I)の化合物及びその医薬上許容しうる塩としては無機酸又は有機酸との酸付加塩が挙げられる。
一般式(I)の化合物及びその医薬上許容しうる塩は、水付加物、水和物及び溶媒和物として存在することもあるので、これらの水付加物、水和物及び溶媒和物もまた本発明に包含される。また、一般式(I)の化合物が不斉原子を有する場合には少なくとも2種類の光学異性体が存在する。これらの光学異性体及びその混合物(ラセミ体を含む)は本発明に包含される。
一般式(I)に含まれる本発明化合物は次の方法によって合成することができる。後記反応式群において、各記号の定義は特に示さない限り、上記と同義である。
合成法1

公知の方法で得られた一般式(11)の化合物と、公知の方法を用いて得られる一般式(12)の化合物をn−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドなどの有機合成化学上一般的に用いられる適当な塩基の存在下、反応の進行を阻害しない適当な溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、又はこれらの任意の混合溶媒など)中、−78℃から溶媒の還流温度、好ましくは−78℃〜室温で0.1(6分)〜48時間、好ましくは1時間〜24時間反応させることによって一般式(13)の化合物を得ることができる。
合成法2

公知の方法で得られた、一般式(11’)の化合物(式中、Jはアミノ、モノアルキルアミノ(Rにおけるモノアルキルと同義)またはジアルキルアミノ(Rにおけるジアルキルアミノと同義)を示す)と一般式(12)の化合物を合成法1に記した方法に従い合成することにより、一般式(13)の化合物を得ることができる。
合成法3

一般式(11’)の化合物と一般式(14)の化合物(式中、JはN−アルキル−N−アルコキシアミノまたはジアルキルアミノ(Rにおけるジアルキルアミノと同義)を示し、N−メチル−N−メトキシアミノが好ましい)をn−ブチルリチウム、第二級ブチルリチウム、第三級ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミドなどの有機合成化学上一般的に用いられる適当な塩基の存在下、反応の進行を阻害しない適当な上記溶媒中、−78℃から溶媒の還流温度で0.1(6分)〜48時間反応させる事によって一般式(15)の化合物を得る事ができる。一般式(15)の化合物を酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、塩酸、硫酸、またはこれらの任意の混合溶媒中、室温〜溶媒の還流温度で0.1(6分)〜48時間反応させる事によって一般式(16)の化合物を得る事ができる。一般式(16)の化合物を反応の進行を阻害しない適当な溶媒(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジメトキシエタン、2−メトキシエタノール、酢酸、アンモニア水溶液、またはこれらの任意の混合溶媒など)中、アンモニア源(例えば、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、アンモニア水溶液などの有機合成化学上一般的に用いられるアンモニア塩)と室温〜溶媒の還流温度で0.1(6分)〜48時間反応させる事によって一般式(13)の化合物を得ることができる。
このようにして得られる本発明化合物は常法により単離精製することができる。
一般式(I)に含まれる本発明化合物は以下に示す中間体を用いて合成することもできる。
例えば、(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピオニトリル、(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピオニトリル、(S)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピオニトリル、(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド、(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド、(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン、(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド、(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン、及び、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン塩酸塩は新規な化合物であり、本発明の一般式(I)のうち、(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、及び、(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オンを合成する際の中間体として有用である。
また、(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピオニトリル、(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピオニトリル、(S)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピオニトリルとN、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド又は、N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミドとを合成法1に従って反応させることにより、本発明の一般式(I)のうち、(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オンを合成することができる。
上記方法にて得られる一般式(I)の化合物、光学異性体またはその医薬上許容しうる塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物は強力なPARP阻害作用を有し、脳梗塞予防及び/又は治療薬、特に脳梗塞急性期予防及び/又は治療薬として有用である。さらに、脳梗塞、特に脳梗塞急性期に伴う神経症候を改善する予防及び/又は治療薬として有用である。また、脳梗塞、特に脳梗塞急性期に伴う神経症候は、米国国立衛生研究所(NIH;National Institute of Health)によって定義されたNIH Stroke Scale(Brott T、et al.;Measurement of acute cerebral infarction:a clinic al examination scale.Stroke 第20巻、864−870頁、1989年)を用いてスコア化することにより評価することができる。
本発明のイソキノリン化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を医薬として用いる場合、本発明化合物を製剤上許容しうる担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、乳化剤、希釈剤、溶解補助剤など)と混合して得られる医薬組成物あるいは製剤(錠剤、ピル剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤、注射剤、点滴剤あるいは坐剤など)の形態で経口的または非経口的に投与することができる。医薬組成物は通常の方法にしたがって製剤化することができる。本明細書において、非経口とは、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などを含むものである。注射用調剤は当該分野で知られた方法で調製することができる。直腸投与用の坐剤は、その薬物と適当な補形剤などと混合して製造することができる。経口投与用の固形投与剤型としては、粉剤、顆粒剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上記したものが挙げられる。経口投与用の液剤は、医薬として許容されるエマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などが挙げられる。
投与量は年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組合せ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。本発明化合物、その光学異性体またはその医薬上許容しうる塩は、低毒性で安全に使用することができ、その1日の投与量は、患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路などによって異なるが、たとえば非経口的には皮下、静脈内、筋肉内または直腸内に、約0.01〜50mg/人/日、好ましくは0.01〜20mg/人/日投与され、また経口的には約0.01〜150mg/人/日、好ましくは0.1〜100mg/人/日投与されることが望ましい。
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例には限定されない。ここで示すJ値の単位はHzである。
原料合成例1

(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジン(東京化成社)50gを塩化メチレン500mLに溶解し、室温で攪拌しながらアクリロニトリル36mLを滴下した。そのまま室温で一晩攪拌した。反応終了後、溶媒を濃縮して(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピオニトリル76gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.61−1.94(5H、m)、2.33(1H、q、J=8Hz)、2.53(2H、dd、J=6Hz、8Hz)、2.61−2.71(2H、m)、3.01−3.10(1H、m)、3.16−3.24(1H、m)、3.37−3.46(1H、m)、3.64(1H、dd、J=3Hz、11Hz)
原料合成例2

(R)−(−)−3−ピロリジノール塩酸塩(東京化成社)50g及び炭酸カリウム55.8gをアセトニトリル500mL及び水100mLの混合溶媒に溶解し、室温でアクリロニトリル29mLを滴下した。そのまま室温で一晩攪拌した。反応終了後溶媒を濃縮して得られた残渣を水に溶解し、炭酸カリウムを飽和するまで加えた。クロロホルムで3回抽出後、炭酸カリウムで乾燥し、溶媒を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール10:1)にて精製し、(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピオニトリル53gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.68−1.81(1H、m)、2.04−2.10(1H、m)、2.13−2.27(1H、m)、2.34−2.43(1H、m)、2.51−2.63(3H、m)、2.72−2.84(3H、m)2.91−2.99(1H、m)、4.30−4.40(1H、m)
原料合成例3

(S)−(+)−3−ピロリジノール(オメガ社)12.3g及びアクリロニトリル10.2mLを用いて原料合成例1と同様に反応を行い、(S)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピオニトリル53gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.68−1.81(1H、m)、2.04−2.10(1H、m)、2.13−2.27(1H、m)、2.34−2.43(1H、m)、2.51−2.63(3H、m)、2.72−2.84(3H、m)2.91−2.99(1H、m)、4.30−4.40(1H、m)
原料合成例4

N、O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩198.6g、重曹620.9g、塩化メチレン1.5Lおよび水1.1Lを加えて、氷冷下でアクリル酸クロリド150mLを滴下した。氷冷下で4時間攪拌し、塩化メチレン層を分取した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を濃縮してN−メチル−N−メトキシアクリルアミドを223.79g得た。これ以上の生成は行わず次工程に用いた。
H−NMR(CDCl)δ:3.27(3H、s)、3.71(3H、s)、5.76(1H、dd、J=2Hz、11Hz)、6.43(1H、dd、J=2Hz、17Hz)、6.74(1H、dd、J=11Hz、17Hz)
原料合成例5

(R)−(−)−3−ピロリジノール塩酸塩51.8g、炭酸カリウム69.6g、水125mLおよびアセトニトリル500mLを加えて室温で1時間攪拌し、原料合成例4で得られたN−メチル−N−メトキシアクリルアミド42gのアセトニトリル溶液60mLを滴下し、室温で終夜反応した。反応終了後、アセトニトリルを減圧濃縮し、残った水層に炭酸カリウム添加し、過飽和とした。水層をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで脱水、濃縮して(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド76.7gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.65−1.75(1H、m)、2.10−2.25(1H、m)、2.36(1H、dd、J=8.79Hz、15.2Hz)、2.60−2.70(4H、m)、2.75−2.80(2H、m)、2.80−2.90(3H、m)、3.18(3H、s)、3.48(1H、brs)、3.70(3H、s)、4.33 4.35(1H、m)
原料合成例6

窒素気流下、ジイソプロピルアミン63.8mLとテトラヒドロフラン90mLを加えて−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.56mol/L、280mL)を滴下し、0℃で30分攪拌した。反応液を−78℃にした後、N、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド42.5gのテトラヒドロフラン溶液120mLを滴下し、−78℃で1時間攪拌した。続いて原料合成例5で得られた(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド38.6gのテトラヒドロフラン溶液120mLを滴下した後、徐々に室温に戻して終夜反応した。反応終了後、水200mLを加えテトラヒドロフランを減圧濃縮し、反応液をクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで脱水、濃縮して(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド79.4gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.04(3H、t、J=7.2Hz)、1.21(3H、t、J=7.2Hz)、1.65−1.80(1H、m)、2.10−2.30(2H、m)、2.21(3H、s)、2.40−2.50(1H、m)、2.60−2.80(5H、m)、2.80−2.95(1H、m)、3.00−3.20(2H、m)、3.30−3.40(1H、m)、3.40−3.70(1H、m)、3.70−4.00(2H、m)、4.29−4.32(1H、m)、7.01−7.07(1H、m)、7.16−7.20(2H、m)
原料合成例7

原料合成例6で得られた(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド124gを25%(v/v)硫酸水溶液600mLに溶解し、12時間加熱還流した。反応終了後、クロロホルムで反応液を洗浄し、水層を炭酸カリウムでアルカリ性にした。クロロホルムを加えて不溶物をセライトろ過で除いた後、水層をクロロホルムで抽出した。無水硫酸マグネシウムで脱水、濃縮して析出した結晶をジエチルエーテル−酢酸エチルで洗浄、吸引ろ取して(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリンを55.6g得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.65−1.80(1H、m)、2.10−2.25(1H、m)、2.30−2.40(1H、m)、2.46(3H、s)、2.56−2.61(1H、m)、2.74−2.78(1H、m)、2.85−2.96(3H、m)、4.32−4.36(1H、m)、6.43(1H、s)、7.34(3H、t、J=7.5Hz)、7.51(1H、d、J=7.5Hz)、8.12(1H、d、J=7.5Hz)
原料合成例8

D−プロリノール30gおよびテトラヒドロフラン300mLを加えて室温で攪拌しながらN−メチル−N−メトキシアクリルアミド28.7gを加えた。反応終了後、反応液を濃縮して油状物として(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミドを定量的に得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.62−1.89(4H、m)、2.22−2.30(1H、m)、2.48−2.80(4H、m)、3.16−3.48(6H、m)、3.18(3H、s)、3.65−3.71(1H、m)、3.70(3H、s)
原料合成例9

ジイソプロピルアミン104mLおよびテトラヒドロフラン500mLを加えて窒素気流下、−78℃で攪拌しながらn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(457mL、1.56mol/L)を滴下した。滴下終了後、0℃で30分間攪拌し、再び−78℃まで冷却した。反応液にN、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド67.0gのテトラヒドロフラン(150mL)溶液を滴下した。滴下終了後、−78℃でさらに1時間攪拌し、原料合成例8で得られた(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド64gのテトラヒドロフラン(150mL)溶液を滴下した。滴下終了後、−78℃でさらに1時間攪拌し、室温まで徐々に加温した。反応終了後、反応液に氷および水を加えて有機層を分液した。有機層を濃縮し、先ほどの水層と合わせてクロロホルムで2回抽出した。有機層を濃縮して(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミドを油状物として得た。これ以上の精製は行わずそのまま次の反応に用いた。
H−NMR(CDCl)δ:1.04(3H、t、J=7Hz)、1.21(3H、t、J=7Hz)、1.62−1.94(4H、m)、2.12−2.22(1H、m)、2.21(3H、s)、2.36−2.44(1H、m)、2.52−2.63(2H、m)、2.68−2.82(1H、m)、2.97−3.24(5H、m)、3.32−3.40(2H、m)、3.62−3.90(4H、m)、7.03−7.08(1H、m)、7.16−7.20(2H、m)
原料合成例10

原料合成例9で得られた(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド全量を濃塩酸250mLおよび水250mLに溶解し、10時間加熱還流した。反応終了後反応液を室温まで冷却し、トルエン200mLで洗浄した。水層に炭酸カリウム300gの水溶液を加えて液性を塩基性とし、クロロホルムで2回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を濃縮して得られた残渣にアセトンを加えてさらに濃縮し、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリンを67g得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.66−1.92(4H、m)、2.32−2.42(1H、m)、2.46(3H、s)、2.65−2.70(4H、m)、3.12−3.28(2H、m)、3.38(1H、dd、J=4Hz、11Hz)、3.64(1H、dd、J=4Hz、11Hz)、6.43(1H、s)、7.34(1H、t、J=8Hz)、7.51(1H、d、J=8Hz)、8.12(1H、d、J=8Hz)
また、公知の方法を用いて(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリンを塩酸塩化し、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン塩酸塩を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.70−2.18(4H、m)、2.47(3H、s)、3.08−3.22(3H、m)、3.60−3.85(5H、m)、5.51(1H、brs)、6.82(1H、s)、7.47(1H、t、J=8Hz)、7.69(1H、d、J=7Hz)、7.99(1H、d、J=8Hz)、10.31(1H、brs)
【実施例1】
ジイソプロピルアミン122mLをテトラヒドロフラン400mLに溶解し、氷冷下でn−ブチルリチウム(1.56mol/L)534mLを滴下した。氷冷下で30分間攪拌し、続いて−78℃まで冷却した。反応液にN、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド85.4gのテトラヒドロフラン溶液150mLを滴下し、−78℃で0.5時間攪拌した。反応液を−78℃まで冷却し、(R)−1−(2−シアノエチル)−3−ヒドロキシピロリジン53gのテトラヒドロフラン溶液150mLを滴下した。そのまま反応液を室温まで上昇させた。反応終了後、反応液に水を加えて有機層を分液後、濃縮した。残渣をクロロホルムに溶解し、飽和食塩水で洗浄、続いて硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を1規定塩酸で抽出し、その後液性を塩基性とした。水層をクロロホルムで抽出して硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン23.6gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.83−1.96(1H、m)、2.21−2.32(1H、m)、2.48(3H、s)、2.49−2.55(1H、m)、2.72−2.79(3H、m)、2.81−2.92(3H、m)、2.96−3.05(1H、m)、4.42−4.49(1H、m)、6.33(1H、s)、7.29(1H、t、J=8Hz)、7.43(1H、d、J=7Hz)、8.22(1H、d、J=8Hz)、11.40(1H、brs).MS(EI)272(M+)
また、公知の方法を用いて(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オンを塩酸塩化し、(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.83−2.00(1.5H、m)、2.15−2.30(0.5H、m)、2.48(3H、m)、2.96−3.10(2.5H、m)、3.14−3.66(5.5H、m)4.37−4.50(1H、m)、5.55(1H、brs)、6.52(0.5H、s)、6.54(0.5H、s)、7.34(1H、t、J=8Hz)、7.53(1H、d、J=7Hz)8.02(1H、d、J=8Hz)、10.70(0.5H、brs)、11.27(0.5H、brs)、11.43(0.5H、brs)、11.46(0.5H、brs).MS(EI)272(M+).[α]=−3.52°(c=1.15、MeOH)
(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オンの別途合成法を以下に示す。
酢酸165mLに炭酸アンモニウム65.3gを徐々に加えた。発泡終了後、(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン54.3gを添加して1時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、水酸化ナトリウム(115g)水溶液(300mL)に加えて(発熱、アンモニア臭あり)室温で30分攪拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで脱水、濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加えて懸洗、ろ取し、(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン45.1gを得た。
【実施例2】
5−メチル−3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン1.0g、重曹0.52g、及び2−ブロモエタノール0.67gをアセトニトリル20mLに溶解し、加熱還流した。反応終了後、反応液を濃縮して得られた残渣に水を加えてクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン0.4gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.80−1.95(2H、m)、1.96−2.10(2H、m)、2.24−2.33(2H、m)、2.53(3H、s)、2.56−2.65(3H、m)、3.05−3.15(2H、m)、3.67(2H、t、J=5Hz)、6.44(1H、s)、7.34(1H、t、J=7Hz)、7.48(1H、d、J=7Hz)、8.24(1H、d、J=7Hz)、10.72(1H、brs).MS(EI)286(M+)
【実施例3】
N、N−ジエチル−2−メチルベンズアミド3.45gと4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ブチロニトリル1.5gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン536.3mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.78−1.95(2H、m)、2.03−2.20(2H、m)、2.31−2.49(2H、m)、2.62−2.90(4H、m)、3.09−3.30(2H、m)、4.35−4.49(1H、m)、5.83(1H、brs)、6.32(1H、s)、7.35−7.45(2H、m)、7.56−7.62(1H、m)、8.34(1H、d、J=8Hz)、14.41(1H、brS)MS(EI)272(M+)
【実施例4】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド2.00gと4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ブチロニトリル0.8gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン157.5mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.88−2.00(2H、m)、2.08−2.19(2H、m)、2.36−2.42(2H、m)、2.50(3H、s)、2.62−2.98(4H、m)、3.16−3.30(2H、m)、4.39−4.48(1H、m)、5.86(1H、brs)、6.43(1H、s)、7.27−7.32(1H、m)、7.44(1H、b、J=7Hz)、8.22(1H、b、J=8Hz)、14.45(1H、brs)
MS(EI)286(M+)
【実施例5】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド4.10gと3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピオニトリル1.5gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン157.5mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.88−1.99(1H、m)、2.22−2.38(1H、m)、2.48−2.57(4H、m)、2.71−2.95(6H、m)、3.01−3.10(1H、m)、3.51(1H、brs)、4.42−4.51(1H、m)、6.34(1H、s)、7.27−7.31(1H、m)、7.43(1H、b、J=7Hz)、8.22(1H、b、J=8Hz)、11.42(1H、brs).
MS(EI)272(M+)
【実施例6】
N、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド4.347gと3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピオニトリル1.6gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン397.6mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.84−1.97(1H、m)、2.21−2.37(1H、m)、2.43−2.55(1H、m)、2.70−2.82(3H、m)、2.82−2.95(3H、m)、3.00−3.11(1H、m)、4.44−4.50(1H、m)、6.25(1H、s)、7.38−7.45(1H、m)、7.57−7.62(1H、t、J=7Hz)、8.34(1H、d、J=8Hz)、11.41(1H、brs)
MS(EI)258(M+)
【実施例7】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド3.17gと3−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)プロピオニトリル1.51gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン268mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:11.5(brs、1H)、8.24(d、J=8.1、1H)、7.49(d、J=8.1、1H)、7.30(t、J=8.1、1H)、6.39(s、1H)、3.65−3.80(m、2H)、3.30(brs、1H)、3.10−3.30(m、1H)、3.00−3.10(m、1H)、2.85−3.00(m、1H)、2.70−2.85(m、2H)、2.50(s、3H)、2.35−2.60(m、2H)、1.30−1.75(m、6H).MS(EI)300(M+)
【実施例8】
N、N−ジエチル−2−メチルベンズアミド3.42gと3−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)プロピオニトリル1.51gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン392mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:11.5(brs、1H)、8.36(d、J=7.8、1H)、7.60(t、J=7.8、1H)、7.39−7.46(m、2H)、6.29(s、1H)、3.65−3.85(m、2H)、3.30(brs、1H)、3.10−3.30(m、1H)、3.00−3.10(m、1H)、2.85−3.00(m、1H)、2.70−2.80(m、2H)、2.45−2.60(m、1H)、2.30−2.45(m、1H)、1.30−1.75(m、6H).MS(EI)286(M+)
【実施例9】
3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩1.1gと2−ブロモエタノール1.0gを原料として実施例2と同様に反応を行い、3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン0.39gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.71−1.91(2H、m)、2.00−2.10(2H、m)、2.22−2.33(2H、m)、2.50−2.65(3H、m)、3.04−3.13(2H、m)、3.62−3.67(2H、m)、6.34(1H、s)、7.42−7.52(2H、m)、7.61−7.67(1H、m)、8.34−8.38(1H、m)、10.69(1H、brs).MS(EI)272(M+)
【実施例10】
3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩500mgと3−ブロモ−1−プロパノール315mgを用いて実施例2と同様に反応を行い、3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン136mgを得た。
H−NMR(270MHz、DMSO−d)δ:1.79−1.91(4H、m)、2.12−2.17(2H、m)、2.69−3.02(5H、m)、3.44−3.52(5H、m)、6.37(1H、s)、7.42−7.47(1H、m)、7.66−7.71(2H、m)、8.13(1H、d、J=7.8Hz)、11.31(1H、brS).MS(EI)286(M+)
【実施例11】
3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩500mgと4−ブロモ−1−ブタノール434mgを用いて実施例2と同様に反応を行い、3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン50mgを得た。
H−NMR(270MHz、DMSO−d)δ:1.44−1.47(4H、m)、1.57−1.63(2H、m)、1.88−1.97(4H、m)、2.27−2.41(3H、m)、2.95−2.99(2H、m)、3.40−3.42(2H、m)、4.55−4.65(1H、m)、6.36(1H、s)、7.38−7.43(1H、m)、7.57−7.65(2H、m)、8.12(1H、d、J=7.8Hz)、11.20(1H、brS).MS(EI)300(M+)
【実施例12】
N、N−ジエチル−2−メチルベンズアミド1.91gと3−ヒドロキシ−4−(ピロリジン−1−イル)ブチロニトリル1.54gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン0.089gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.75−1.84(4H、m)、2.32−2.84(8H、m)、4.00−4.06(1H、m)、6.26(1H、s)、7.39−7.46(2H、m)、7.61(1H、t、J=8Hz)、8.36(1H、d、J=8Hz)、9.85(1H、brs).MS(EI)272(M+)
【実施例13】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド2.65gと3−ヒドロキシ−4−(ピロリジン−1−イル)ブチロニトリル2.31gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン0.066gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.75−1.84(4H、m)、2.32−2.90(8H、m)、2.39(3H、s)、4.06−4.11(1H、m)、6.36(1H、s)、7.28(1H、t、J=8Hz)、7.42(1H、d、J=8Hz)、8.19(1H、d、J=8Hz)、10.00(1H、brs).MS(EI)286(M+)
【実施例14】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド4.60gと(S)−3−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)プロピオニトリル2.01gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン351mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:12.4(brs、1H)、8.23(d、J=8.1、1H)、7.45(d、J=8.1、1H)、7.31(t、J=8.1、1H)、6.39(s、1H)、4.10(brs、1H)、3.76(d、J=14.1、1H)、3.56(d、J=14.1、1H)、3.35−3.50(m、1H)、3.10−3.25(m、1H)、2.85−2.95(m、2H)、2.70−2.80(m、1H)、2.60−2.70(m、1H)、2.50(s、3H)、2.40−2.45(m、1H)、1.80−2.00(m、4H).MS(EI)286(M+)
【実施例15】
N、N−ジエチル−2−メチルベンズアミド4.96gと(S)−3−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)プロピオニトリル2.00gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン515mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:12.4(brs、1H)、8.35(d、J=7.8、1H)、7.59−7.64(m、1H)、7.35−7.50(m、2H)、6.28(s、1H)、4.06(brs、1H)、3.76(d、J=14.1、1H)、3.55(d、J=14.1、1H)、3.35−3.45(m、1H)、3.10−3.25(m、1H)、2.80−3.00(m、2H)、2.65−2.80(m、1H)、2.55−2.65(m、1H)、2.35−2.45(m、1H)、1.70−2.00(m、4H).MS(EI)272(M+)
【実施例16】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド4.84gと(S)−4−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)ブチロニトリル2.30gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン363mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:12.1(brs、1H)、8.23(d、J=8.1、1H)、7.46(d、J=8.1、1H)、7.28−7.34(m、1H)、6.44(s、1H)、5.16(brs、1H)、3.80(d、J=14.1、1H)、3.60(d、J=14.1、1H)、3.20−3.30(m、1H)、2.80−3.00(m、2H)、2.60−2.80(m、2H)、2.51(s、3H)、2.40−2.45(m、1H)、2.20−2.35(m、1H)、1.70−2.05(m、6H).MS(EI)300(M+)
【実施例17】
N、N−ジエチル−2−メチルベンズアミド5.23gと(S)−4−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)ブチロニトリル2.30gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン331mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:12.2(brs、1H)、8.34(d、J=8.1、1H)、7.59−7.64(m、1H)、7.39−7.48(m、2H)、6.34(s、1H)、5.05(brs、1H)、3.80(d、J=14.1、1H)、3.60(d、J=14.1、1H)、3.15−3.20(m、1H)、2.70−2.85(m、2H)、2.60−2.70(m、2H)、2.40−2.55(m、1H)、2.20−2.35(m、1H)、1.70−2.10(m、6H)
【実施例18】
N、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド5.0136gと(R)−4−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)ブチロニトリル2.2gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン627.3mgを得た。これをアセトン溶媒中1N HCl水溶液を2.4ml加え、析出結晶をろ取し(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩555.3mgを得た。
H−NMR(CDOD)δ:1.83−2.25(7H、m)、2.68−2.73(2H、m)、3.08−3.22(2H、m)、3.43−3.70(4H、m)、3.85−3.90(1H、m)、6.54(1H、s)、7.45−7.50(1H、m)、7.59(1H、d、J=8Hz)、7.70(1H、t、J=8Hz)、8.24(1H、d、J=8Hz).MS(EI)286(M+)
【実施例19】
N、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド5.6017gと3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル2.26gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン327.5mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.63−1.76(2H、m)、1.84−2.02(2H、m)、2.22−2.39(2H、m)、2.62−2.99(6H、m)、3.61−3.80(2H、m)、6.25(1H、s)、7.36−7.46(2H、m)、7.57−7.62(1H、m)、8.30(1H、d、J=8Hz)、11.37(1H、brs).MS(EI)272(M+)
【実施例20】
N、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド4.975gと(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピオニトリル2.0gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン408.4mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.75−2.00(3H、m)、2.36−2.48(1H、m)、2.59−2.78(2H、m)、2.83−2.96(2H、m)、3.11−3.23(1H、m)、3.35−4.45(1H、m)、3.50−3.62(1H、m)、3.71−3.81(1H、m)、4.02(1H、brs)、6.29(1H、s)、7.39−7.50(2H、m)、7.58−7.64(1H、m)、8.35(1H、d、J=8Hz)、12.41(1H、brs).MS(EI)272(M+)
【実施例21】
2−N−t−ブトキシカルボニル−4−オキソピペコリン酸7.96gをテトラヒドロフラン中トリエチルアミン存在下、エチルクロロホルメート3.45mlを氷冷下で滴下して混合酸無水物とした。析出した塩をろ過後、ろ液を再度氷冷してエタノール15mlを加えて室温で攪拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチルを加えて0.5規定塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤ろ別、溶媒を濃縮してエチル 2−N−t−ブトキシカルボニル−4−オキソピペコレート6.39gを得た。
得られたエチル 2−N−t−ブトキシカルボニル−4−オキソピペコレート6.39gを1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとエタノールに溶解しトシルメチルイソシアニド5.30gを加えて−78℃とした。t−ブトキシカリウム6.09gを反応液温度が上がらないように注意深く加えた後、室温で攪拌した。反応液を濃縮後、10%クエン酸水溶液を加えてクロロホルム抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤ろ別、溶媒を濃縮、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製してエチル 2−N−t−ブトキシカルボニル−4−シアノピペコレート1.21gを得た。
得られたエチル 2−N−t−ブトキシカルボニル−4−シアノピペコレート1.21gをテトラヒドロフランに溶解し水冷した。水素化ホウ素リチウム279mgを加えた後、室温で21時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤ろ別、溶媒を濃縮して(N−t−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシメチル−4−シアノ)ピペリジン961mgを得た。
次に(N−t−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシメチル−4−シアノ)ピペリジン1.14gとN、N−ジエチル−2−メチルベンズアミド1.84gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−(1−t−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン616mgを得た。
得られた3−(1−t−ブトキシカルボニル−2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン616mgを酢酸エチルに溶解し4規定塩化水素酢酸エチル溶液2.0mlを加えて室温で6.5時間攪拌した。反応液を濃縮後、析出した結晶をジエチルエーテルで洗浄、減圧乾燥して3−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩433mgを得た。
得られた3−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩433mgをアセトニトリル、水、に溶解した後、35%ホルマリン340μlと水素化トリアセトキシホウ素化ナトリウム697mgを加えて室温で20分攪拌した。反応液を20%炭酸カリウム水溶液でアルカリ性にした後、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、乾燥剤ろ別、溶媒を濃縮した。析出した結晶をジエチルエーテルで洗浄、減圧乾燥して3−(1−メチル−2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン146mgを得た。
H−NMR(300MHz、DMSO−d)δ:11.1(brs、1H)、8.12(d、J=7.8、1H)、7.55−7.70(m、2H)、7.44(t、J=7.8、1H)、6.39(s、1H)、4.48(brs、1H)、3.55−3.75(m、2H)、2.60−2.80(m、3H)、2.40−2.60(m、1H)、2.42(s、3H)、1.70−2.00(m、4H).MS(EI)272(M+)
【実施例22】
3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩510mgと3−ブロモ−2、2−ジメチル−1−プロパノール474mgを用いて実施例2と同様に反応を行い、3−[1−(3−ヒドロキシ−2、2−ジメチルプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン92mgを得た。
H−NMR(270MHz、DMSO−d)δ:0.79(6H、s)、1.54−1.63(2H、m)、1.89−1.93(2H、m)、2.64−2.65(1H、m)、2.70−3.00(2H、m)、3.13−3.20(2H、m)、3.78−3.79(2H、m)、4.10−4.14(2H、m)、4.14−4.60(1H、m)、6.38(1H、s)、7.39−7.44(1H、m)、7.57−7.65(2H、m)、8.12(1H、d、J=8.1Hz)、11.25(1H、brS).MS(EI)314(M+)
【実施例23】
5−メチル−3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩1gと3−ブロモ−1−プロパノール751mgを用いて実施例2と同様に反応を行い、5−メチル−3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピベリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン221mgを得た。
融点197−199℃、H−NMR(270MHz、DMSO−d)δ:1.54−1.69(4H、m)、1.74−1.96(4H、m)、2.33−2.38(2H、m)、2.47−2.50(3H、m)、2.96−3.00(2H、m)、3.15−3.18(1H、m)、3.43−3.48(2H、m)、4.48−4.49(1H、m)、6.35(1H、s)、7.26−7.31(1H、m)、7.49(1H、d、J=7.0Hz)、7.99(1H、d、J=7.8Hz)、11.24(1H、brS).MS(EI)300(M+)
【実施例24】
3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩500mgと1−ブロモ−2−プロパノール394mgを用いて実施例2と同様に反応を行い、3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン87mgを得た。
H−NMR(270MHz、DMSO−d)δ:1.05(3H、d、J=5.9Hz)、1.61−1.70(2H、m)、1.85−1.89(2H、m)、2.03−2.09(2H、m)、2.20−2.26(2H、m)、2.40−2.50(2H、m)、2.94−2.98(1H、m)、3.75−3.76(1H、m)、4.26−4.28(1H、m)、6.36(1H、s)、7.38−7.43(1H、m)、7.57−7.67(2H、m)、8.11(1H、d、J=7.8Hz)、11.20(1H、brS).MS(EI)286(M+)
【実施例25】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド5.6095gと3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル2.44gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン418.2mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.71−1.91(3H、m)、2.01−2.10(2H、m)、2.30−2.42(2H、m)、2.49(3H、s)、2.71−2.79(4H、m)、2.89−2.98(2H、m)、3.78−3.85(1H、m)、6.33(1H、s)、7.26−7.30(1H、m)、7.44(1H、b、J=7Hz)、8.24(1H、b、J=8Hz)、11.38(1H、brs)
MS(EI)286(M+)
【実施例26】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド5.8040gと(R)−4−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)ブチロニトリル2.75gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン344.1mgを得た。
融点150.0−151.0℃、H−NMR(300MHz、CDCl)δ:1.73−2.08(6H、m)、2.31−2.40(2H、m)、2.49(3H、s)、2.70−2.80(2H、m)、2.85−2.95(2H、m)、3.75−3.87(1H、m)、6.34(1H、s)、7.27−7.32(1H、m)、7.44(1H、b、J=7Hz)、8.23(1H、b、J=8Hz)、11.43(1H、brs)
【実施例27】
N、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド5.2474gと3−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル2.62gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン888.2mgを得た。
融点192.0−193.0℃、H−NMR(CDCl)δ:1.42−1.53(1H、m)、1.63−1.71(1H、m)、1.82−1.91(2H、m)、2.39−2.40(2H、m)、2.61−2.76(5H、m)、2.84−2.91(1H、m)、3.19−3.21(1H、m)、3.86−3.98(1H、m)、6.23(1H、s)、7.37−7.45(2H、m)、8.33(1H、d、J=8Hz)、11.25(1H、brs)
【実施例28】
5−メチル−3−(ピロリジン−3−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩200mgと2−ブロモエタノール270μlを用いて実施例2と同様に反応を行い、3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン39mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:10.8(brs、1H)、8.19(d、J=8.0、1H)、7.42(d、J=8.0、1H)、7.28(t、J=8.0、1H)、6.36(s、1H)、3.70−3.85(m、2H)、3.10−3.35(m、2H)、3.05−3.20(m、1H)、2.65−2.85(m、2H)、2.55−2.65(m、1H)、2.48(s、3H)、2.25−2.40(m、2H)、1.85−2.00(m、1H).MS(ESI)273(M+1)
【実施例29】
3−(ピロリジン−3−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩201mgと2−ブロモエタノール285μlを用いて実施例2と同様に反応を行い、3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−2H−イソキノリン−1−オン58mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:10.8(brs、1H)、8.32(d、J=8.1、1H)、7.57−7.62(m、1H)、7.37−7.45(m、2H)、6.27(s、1H)、3.70−3.80(m、2H)、3.15−3.30(m、2H)、3.05−3.15(m、1H)、2.65−2.80(m、2H)、2.55−2.65(m、1H)、2.20−2.40(m、2H)、1.80−2.00(m、1H).MS(ESI)259(M+1)
【実施例30】
5−メチル−3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩1gと1−ブロモ−2−プロパノール994mgを用いて実施例2と同様に反応を行い、5−メチル−3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン147mgを得た。
H−NMR(270MHz、DMSO−d)δ:1.05(3H、d、J=6.2Hz)、1.68−1.77(2H、m)、1.85−1.89(2H、m)、2.04−2.09(2H、m)、2.15−2.30(2H、m)、2.39−2.50(4H、m)、2.95−2.99(2H、m)、3.77−3.78(1H、m)、4.23−4.25(1H、m)、6.34(1H、s)、7.26−7.32(1H、m)、7.49(1H、d、J=7.0Hz)、7.99(1H、d、J=7.8Hz)、11.23(1H、brS).MS(EI)300(M+)
【実施例31】
5−メチル−3−(ピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩1gと4−ブロモ−1−ブタノール433mgを用いて実施例2と同様に反応を行い、5−メチル−3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン201mgを得た。
H−NMR(270MHz、DMSO−d)δ:1.44−1.47(4H、m)、1.61−1.74(2H、m)、1.74−1.97(4H、m)、2.26−2.39(2H、m)、2.43−2.49(4H、m)、2.95−2.99(2H、m)、3.33−3.42(2H、m)、4.37−4.54(1H、m)、6.34(1H、s)、7.26−7.32(1H、m)、7.49(1H、d、J=7.0Hz)、7.99(1H、d、J=8.1Hz)、11.24(1H、brS).MS(EI)314(M+)
【実施例32】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド5.1101gと3−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル2.2gを用いて実施例1と同様に反応を行い、3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン269.6mgを得た。
融点184.0−185.0℃、H−NMR(300MHz、CDCl)δ:1.49−1.98(4H、m)、2.36−2.83(12H、m)、3.90−4.01(1H、m)、6.33(1H、s)、7.27−7.32(1H、m)、7.43(1H、b、J=7Hz)、8.22(1H、b、J=8Hz)、11.29(1H、brs).
MS(EI)286(M+)
【実施例33】
5−メチル−3−(ピロリジン−3−イル)−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩501mgと3−ブロモ−1−プロパノール991μlを用いて実施例2と同様に反応を行い、3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン216mgを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ:11.3(brs、1H)、8.21(d、J=7.8、1H)、7.45(d、J=7.8、1H)、7.26−7.33(m、1H)、6.37(s、1H)、4.80−4.95(m、2H)、3.15−3.25(m、2H)、3.07(d、J=9.6、1H)、2.80−2.90(m、1H)、2.60−2.75(m、1H)、2.50−2.60(m、1H)、2.50(s、3H)、2.20−2.40(m、2H)、1.75−1.95(m、3H).MS(EI)286(M+)
【実施例34】
N、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド4.07gと(S)−1−(2−シアノエチル)−3−ヒドロキシピロリジン1.6gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン0.228gを得た。
融点176−178℃、H−NMR(CDCl)δ:1.83−1.96(1H、m)、2.21−2.32(1H、m)、2.48(3H、s)、2.49−2.55(1H、m)、2.72−2.79(3H、m)、2.81−2.92(3H、m)、2.96−3.05(1H、m)、4.42−4.49(1H、m)、6.33(1H、s)、7.29(1H、t、J=8Hz)、7.43(1H、d、J=7Hz)、8.22(1H、d、J=8Hz)、11.40(1H、brs).MS(EI)272(M+)
【実施例35】
N、N−ジメチル−2、3−ジメチルベンズアミド1.41gと(R)−3−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル1.44gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン147mgを得た。
融点180.0−181.0℃、H−NMR(CDCl)δ:1.49−1.98(4H、m)、2.36−2.83(12H、m)、3.90−4.01(1H、m)、6.33(1H、s)、7.27−7.32(1H、m)、7.43(1H、b、J=7Hz)、8.22(1H、b、J=8Hz)、11.29(1H、brs)
MS(EI)286(M+)
【実施例36】
N、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド81.4gと(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピオニトリル55.6gを用いて実施例1と同様に反応を行い、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン12.5gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.76−1.96(4H、m)、2.39−2.44(1H、m)、2.50(3H、s)、2.62−2.76(2H、m)、2.85−2.96(2H、m)、3.11−3.22(1H、m)、3.38−3.46(1H、m)、3.55(1H、dd、J=3Hz、11Hz)、3.76(1H、dd、J=3Hz、12Hz)、6.39(1H、s)、7.31(1H、t、J=8Hz)、7.55(1H、d、J=8Hz)、8.26(1H、d、J=8Hz)、12.43(1H、brs).MS(EI)286(M+)
また、公知の方法を用いて(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オンを塩酸塩化し、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン塩酸塩2水和物を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.69−2.14(4H、m)、2.48(3H、s)、2.94−3.44(4H、m)、3.52−3.84(5H、m)、5.48(1H、brs)、6.55(1H、s)、7.34(1H、t、J=8Hz)、7.53(1H、d、J=7Hz)、8.02(1H、d、J=8Hz)、10.29(1H、brs)、11.47(1H、brs).MS(EI)286(M+).[α]D=+24.5°(c=1.009、MeOH).
(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オンの別途合成法を以下に示す。
(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン塩酸塩62gおよび酢酸186mLを加えて攪拌しながら炭酸アンモニウム74.4gを徐々に加えた。発泡終了後、反応液を加熱し、130℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、水酸化ナトリウム(140g)水溶液(200mL)を加えて80℃で攪拌した。反応終了後、反応液を濃縮してメタノール分を留去し、クロロホルムで2回抽出した。有機層を3規定塩酸300mLおよび100mLで2回抽出し、水層に炭酸カリウムを加えて液性を塩基性とした。水層をクロロホルムで2回抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加えてさらに濃縮し、少量の酢酸エチルに加熱溶解した後にジエチルエーテルを加えて析出した結晶を濾取し、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン41.5gを得た。
【実施例37】
ジイソプロピルアミン26.9gのテトラヒドロフラン溶液400mLを−5℃まで冷却し、1.57Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液を154ml滴下した。0℃で30分間攪拌後−78℃まで冷却しN、N−ジエチル−2、3−ジメチルベンズアミド45.1gのテトラヒドロフラン溶液50mLを滴下し−78℃1時間攪拌後、1−ベンジル−3−シアノピロリジン37.18gのテトラヒドロフラン溶液50mLを滴下した。滴下終了後反応液を室温まで上昇させ、室温で一夜攪拌し、更に還流下1時間攪拌した。反応液を約半分濃縮後、水及び塩化メチレンを加えて有機層を分液、水で洗浄、続いて硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、(±)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン66.38gを得た。
得られた(±)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン66.38gにメタノール1580ml中D−酒石酸31.32gを加え加熱還流後室温に冷却し、析出した(±)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン D−酒石酸塩44.56gを得た。
これを更にメタノールで2回再結晶を行い(−)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン D−酒石酸塩27.06gを得た。
更に再結晶母液から回収したものをメタノール再結晶を3回行い11.74gを得た。(−)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン D−酒石酸塩38.8gをメタノール150ml−塩化メチレン300ml中攪拌させ、1N水酸化ナトリウム水溶液200ml、水100mlを滴下しアルカリ性とし、塩化メチレン層を分液し、水で洗浄続いて硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、(−)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン 27.5gを得た。[α]22−101.8(C=0.998、CHCl
得られた(−)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン 27.5gに50%含水10%パラジウム炭素6g、エタノール400mlを加え水素雰囲気下50℃で6時間攪拌した。セライト濾過後濃縮し得られた残渣に酢酸エチルを加え析出した結晶を濾取し(−)−3−(ピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン 16.8697gを得た。
得られた(−)−3−(ピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン 3.0gにブロモエタノール8.21g、炭酸水素ナトリウム5.6g、メチルエチルケトン84ml及び水8.4mlを加え2時間還流下攪拌した。反応液を濃縮し塩化メチレンで抽出、水で洗浄続いて硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル;2/5)にて精製し、更に酢酸エチルより結晶化させ(−)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン 1.5425gを得た。
融点137.3−138.6℃、[α]22−53.1(C=1.005、CHCl)、H−NMR(300MHz、CDCl)δ:1.85−2.01(1H、m)、2.27−2.42(2H、m)、2.49(3H、s)、2.55−2.64(1H、m)、2.69−2.85(2H、m)、3.10−3.16(1H、m)、3.20−3.31(2H、m)、3.74−3.88(2H、m)、6.35(1H、s)、7.23−7.33(1H、m)、7.43(1H、d、J=7Hz)、8.20(1H、d、J=8Hz)、10.66(1H、brs)
MS(EI)272(M+)
【実施例38】
実施例37における(−)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン D−酒石酸塩 光学分割によって得られた母液をアルカリ処理し、上記と同様の方法でL−酒石酸塩としメタノール再結晶を3回行うことにより(+)−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン L−酒石酸塩38.99gを得た。更に上記と同様の方法で脱塩、脱ベンジル化及びヒドロキシエチル化を行い(+)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オンを得た。
融点137.0−138.6℃、[α]22+52.7(C=1.004、CHCl)、H−NMR(300MHz、CDCl)δ:1.85−2.01(1H、m)、2.27−2.42(2H、m)、2.49(3H、s)、2.55−2.64(1H、m)、2.69−2.85(2H、m)、3.10−3.16(1H、m)、3.20−3.31(2H、m)、3.74−3.88(2H、m)、6.35(1H、s)、7.23−7.33(1H、m)、7.43(1H、d、J=7Hz)、8.20(1H、d、J=8Hz)、10.66(1H、brs)
MS(EI)272(M+)
以下に、各実施例化合物の構造式を示す。以下の番号は上記実施例番号に対応する。




実験例 PARP酵素活性阻害作用
酵素源として組換え体のヒトPARP(4667−02X、Trevigen)を使用した。ポリADPリボシル化反応は、酵素反応緩衝液(10mM Tris/HCl(pH8.0)、1mM MgCl、28mM KCl、28mM NaCl)にH−NAD(1.85kBq、NAD[アデニン−2、8−H]、第一化学)及びactivated DNA(0.02mg/mL、4667−03X、Trevigen)を加え、酵素源を添加することで開始させた。25℃で15分間インキュベーションした後、20%トリクロロ酢酸により反応を停止させ、生じた酸不溶性分画をGF/Bフィルターに吸着させた。フィルターを5%トリクロロ酢酸で数回洗浄した後、液体シンチレーション・カウンターでフィルター上の放射線量を測定した。
結果を表1に示す。PARP活性は、酵素源非添加サンプルの放射線量をブランク値として差し引くことで測定し、各試験化合物の50%酵素阻害値(IC50値)は化合物非添加サンプルの放射線量を100%として算出した。

DPQ=3、4−ジヒドロ−5−[4−(1−ピペリジニル)−ブトキシ]−1(2H)−イソキノリノン(特開平2−124874号公報実施例32に従い合成できる、WO99/08680及びWO99/11649各号公報に記載のPARP阻害剤)
この結果より、本発明の実施例で示された化合物は、いずれもDPQと比較して優れたPARP阻害活性を有することが明らかになった。
実験例2 安定性の測定
各化合物を生理食塩水に溶解し、1.0mg/mL、10mg/mLの濃度の溶液を調製した.室温、遮光下又は非遮光下で保存し、7日目及び11日目の残存率をHPLCにて測定した.結果を表2に示す.
カラム:Inertsil ODS3V(GL Science Inc.)
移動層:メタノール:0.01mol/L酢酸アンモニウム水溶液
検出波長:254nm
流速:1.0mL/min

この結果より、本発明化合物は水溶液中で安定であることが明らかになった。
実験例3 脳梗塞に伴う神経症候の改善効果
予め12時間以上絶食したカニクイザルを塩酸ケタミン(10mg/kg)注射液の筋肉内投与により麻酔した後、手術台に固定した。ペントバルビタール麻酔下に硫酸アトロピン(0.5mg/body)を筋肉内投与した後、歯科用ドリルにて約5mmの小孔を卵円孔と眼窩裂の近くに作製し、硬膜及びクモ膜を切開後、内頚動脈分岐部付近の中大脳動脈(MCA)本幹を露出した。内頚動脈分岐部付近のMCA本幹をバイポーラ凝固装置を用いて凝固・閉塞し、脳梗塞を作成した。その後、溶媒又は実薬を、3mg/kg/hrで6時間持続投与した。
MCA閉塞26時間後に脳梗塞に伴う神経症状を観察した。
神経症状は意識レベル、手足の麻痺及び姿勢・行動について以下のように5段階点数表で評価した。
1.意識レベル
スコア5:周りの音や人の気配に対し殆ど反応しない。
スコア4:周りの音や人の気配に対し反応するが、すぐ元の状態に戻る。
スコア3:周りの音や人の気配に反応し、暫くは持続する。
スコア2:周りの音や人の気配に対し絶えず反応する。
スコア1:周りの音や人の気配に対し絶えず反応し、表情も豊かである。
スコア0:周りの音や人の気配に対し正常に反応する。
2.手足の麻痺
スコア5:麻痺側の手及び足を全く使わない。
スコア4:麻痺側の手または足を使うこともあるが、力は備わっていない。
スコア3:麻痺側の手または足を使うが、餌を掴むことはできない。
スコア2:麻痺側の手及び足を頻繁に使うが、餌を掴むことはできない。
スコア1:麻痺側の手及び足を比較的自由に使い、餌を掴み口に持って行くことができる。
スコア0:麻痺側の手及び足を正常に使う。
3.姿勢及び行動
スコア5:座位の姿勢。
スコア4:座位から時々歩き回る。
スコア3:時々ケージに登る。
スコア2:よく歩き回る。
スコア1:よくケージに登る。
スコア0:正常に行動する。

この結果より、本発明化合物は、脳梗塞に伴う神経症候を改善する作用を有することが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
上記一般式(I)の化合物、その光学異性体、それらの医薬上許容しうる塩、それらの水和物及びそれらの水付加物は、水溶液中で安定であり、公知化合物に比べて強力なPARP阻害作用を有し、脳梗塞治療薬、特に脳梗塞急性期治療薬として有用である。また、(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド、(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド、(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン、(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド、(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン、(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン塩酸塩は新規な化合物であり、一般式(I)の化合物を合成する際の中間体として有用である。
なお、本出願は、日本特許出願 特願2002−288833号、日本特許出願 特願2002−340175号、及び日本特許出願 特願2003−109160号を優先権主張して出願されたものであり、それらの全体が引用により援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)

〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)〕
により表されるイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項2】
一般式(I)において、
は水素原子又はアルキルを示し、
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から5のアルキレン鎖を示し、
Rは、一般式(II)を示す請求項1記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子又はアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル又はヒドロキシアルキルを示す。)
【請求項3】
一般式(I)において、
は水素原子又はメチルを示し、
Yは存在しないか、メチレン、エチレン、プロピレン、又は2−ヒドロキシプロピレンを示し、
Rは一般式(II)を示す請求項1又は2に記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から3の整数を示す。
tは1から4の整数を示す。
が水素原子、メチルを示す場合、R2及びR2’は同一又は異なって、それぞれ水酸基、ヒドロキシメチル又は2−ヒドロキシエチルを示す。
が2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル又は2−ヒドロキシプロピルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、メチル、ヒドロキシメチル又は2−ヒドロキシエチルを示す。)
【請求項4】
(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(2)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(3)3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(4)3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(5)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(6)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(7)3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(8)3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(9)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(10)3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(11)3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(12)3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(13)3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(14)(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(15)(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(16)(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(17)(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(18)(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(19)3−[2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(20)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(21)3−(1−メチル−2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン
(22)3−[1−(3−ヒドロキシ−2、2−ジメチルプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(23)5−メチル−3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(24)3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(25)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(26)(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(27)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(28)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(29)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(30)5−メチル−3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(31)5−メチル−3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(32)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(33)3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(35)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(37)(−)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(38)(+)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
から選ばれる請求項1から3のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水和物又はそれらの水付加和物。
【請求項5】
一般式(I)において、
は水素原子又はメチルを示し、
Yは存在せず、
Rは一般式(II)を示す請求項1から4のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、XはCHを示す。
Wは窒素原子を示す。
sは1から2の整数を示す。
tは2の整数を示す。
がメチルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
がヒドロキシエチルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。)
【請求項6】
(2)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(9)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(10)3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(11)3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(21)3−(1−メチル−2−ヒドロキシメチルピペリジン−4−イル)−2H−イソキノリン−1−オン
(22)3−[1−(3−ヒドロキシ−2、2−ジメチルプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(23)5−メチル−3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(24)3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(28)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(29)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(30)5−メチル−3−[1−(2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(31)5−メチル−3−[1−(4−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]−2H−イソキノリン−1−オン
(33)3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(37)(−)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(38)(+)−3−[1−(2−ヒドロキシルエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
から選ばれる請求項1から5のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項7】
一般式(I)において、
は水素原子又はメチルを示し、
Yはエチレン、プロピレン又は2−ヒドロキシプロピレンを示し、
Rは一般式(II)を示す請求項1から4のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、Xは窒素原子を示す。
WはCHを示す。
sは1から3の整数を示す。
tは1から4の整数を示す。
及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル又はヒドロキシメチルを示す。
は水素原子を示す。
但しRが水素原子又はアルキルを示す場合、R’は水酸基又はヒドロキシメチルを示す。)
【請求項8】
(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(3)3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(4)3−[3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)プロピル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(5)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(6)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(7)3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(8)3−[2−(2−ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(12)3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(13)3−[2−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(14)(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(15)(S)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(16)(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(17)(S)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(18)(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−2H−イソキノリン−1−オン
(19)3−[2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(20)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(25)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(26)(R)−3−[3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)プロピル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(27)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−2H−イソキノリン−1−オン
(32)3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(35)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピペリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
から選ばれる請求項1から4又は7のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項9】
一般式(I)において、
は水素原子又はメチルを示し、
Yは存在しないか、エチレンを示し、
Rは一般式(II)を示す請求項1から8のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、一般式(I)においてYが存在する場合、Xは窒素原子を示す。一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1又は2の整数を示す。
tは1から3の整数を示す。
が水素原子を示す場合、R及びR’は、それぞれ水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
がヒドロキシエチルを示す場合、R及びR’は、それぞれ水素原子、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。)
【請求項10】
(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(2)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(5)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル〕−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(28)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(37)(−)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
(38)(+)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン
から選ばれる請求項1から9のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項11】
一般式(I)において、
はメチルを示し、
Yは存在せず、
Rは一般式(II)を示す請求項1から6若しくは9又は10のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(式中、XはCHを示す。
Wは窒素原子を示す。
sは1又は2を示す。
tは2の整数を示す。
及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
はヒドロキシエチルを示す。)
【請求項12】
(2)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その光学活性体、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項13】
(28)3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その光学活性体、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項14】
(37)(+)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項15】
(38)(−)−3−[1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン−3−イル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項16】
一般式(I)において、
はメチルを示し、
Yはエチレンを示し、
Rは一般式(II)を示す請求項1から4又は7から10のいずれかに記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
(一般式(II)中、Xは窒素原子を示す。
WはCHを示す。
sは1を示す。
tは2又は3の整数を示す。
及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基又はヒドロキシメチルを示す。
は水素原子を示す。
但しRが水素原子を示す場合R2’は水酸基又はヒドロキシメチルを示す。)
【請求項17】
(1)(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項18】
(5)3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項19】
(34)(S)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項20】
(36)(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、その医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物。
【請求項21】
請求項1から20で表されるイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を含有するポリ(ADP−リボース)合成酵素の機能亢進に起因する疾患の子防及び/又は治療薬。
【請求項22】
脳梗塞に用いられる請求項21に記載の予防及び/又は治療薬。
【請求項23】
脳梗塞急性期に用いられる請求項21又は22に記載の予防及び/又は治療薬。
【請求項24】
脳梗塞に伴う神経症候を改善する請求項21から23のいずれかに記載の予防及び/又は治療薬。
【請求項25】
請求項1から20で表されるイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を含有する脳梗塞の予防及び/又は治療薬。
【請求項26】
脳梗塞急性期に用いられる請求項25に記載の予防及び/又は治療薬。
【請求項27】
脳梗塞に伴う神経症候を改善する請求項25又は26のいずれかに記載の予防及び/又は治療薬。
【請求項28】
請求項1から27で表されるイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を含有するポリ(ADP−リボース)合成酵素阻害剤。
【請求項29】
下記から選ばれる化合物。
(R)−3−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド
(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド
(R)−3−[2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン
(R)−3−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−N−メチル−N−メトキシプロパンアミド
(R)−N、N−ジエチル−2−[4−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)−2−オキソブチル]−3−メチルベンズアミド
(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン
(R)−3−[2−(2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル)エチル]−5−メチルイソクマリン塩酸塩
【請求項30】
下記一般式(11’)

(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
はジアルキルアミノを示す。)の化合物と、下記一般式(14)

〔式中、Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)
はN−アルキル−N−アルコキシアミノを示す。〕の化合物を反応させ、下記一般式(15)

(R、J、Y及びRは上記と同義である)の化合物を製造する方法。
【請求項31】
下記一般式(15)

〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
はジアルキルアミノを示す。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)〕の化合物を用いて、下記一般式(16)

(R、Y及びRは上記と同義である)の化合物を製造する方法。
【請求項32】
下記一般式(16)

〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)〕の化合物を用いて下記一般式(1)

〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、水酸基、アミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アシル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N、N−ジアルキルカルバモイル、アシルアミノ、ジアシルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルコキシカルボニルアミノ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、N、N−ジアルキルスルファモイル又はアルコキシアルキルオキシを示す。
Yは存在しないか、又は任意の炭素原子が水酸基を有することのできる炭素数1から8のアルキレン鎖を示す。
Rは下記一般式(II)示す。

(式中、XはCHもしくは窒素原子を示す。但し一般式(I)においてYが存在しない場合、XはCHを示す。
WはCH又は窒素原子を示す。
但しXがCHを示す場合、Wは窒素原子を示す。
sは1から5の整数を示す。
tは1から5の整数を示す。
が水素原子、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アシル、置換基を有してもよいアシルアミノ、置換基を有してもよいベンゾイルアミノ、アリールアルキル、スルファモイル又はアルキルスルホニルアミノを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水酸基又はヒドロキシアルキルを示す。
がヒドロキシアルキルを示す場合、R及びR’は同一又は異なって、それぞれ水素原子、水酸基、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル又はジアルキルカルバモイルを示すか、あるいはRとR’が一緒になってケトンを示す。)〕
の化合物を製造する方法。
【請求項33】
請求項30、31又は32のいずれかに記載の工程を含む請求項1に記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を製造する方法。
【請求項34】
請求項30、31及び32に記載の工程を含む請求項1に記載のイソキノリン化合物、その光学活性体、それらの医薬上許容される塩、それらの水付加物、水和物及びそれらの溶媒和物を製造する方法。

【国際公開番号】WO2004/031171
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【発行日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−500092(P2005−500092)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012608
【国際出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【出願人】(000006725)三菱ウェルファーマ株式会社 (92)
【Fターム(参考)】