説明

イソキノリン誘導体を含有する医薬

【課題】本発明の課題は、CRTH2の阻害作用を有する化合物を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患の予防剤又は治療剤を提供することにある。
【解決手段】式(I)


表される化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CRTH2(Chemoattractant Receptor-homologous molecule expressed on Th2 cells)の阻害作用を有する化合物を有効成分として含有する医薬品に関する。
【背景技術】
【0002】
CRTH2はNagataらにより1999年にTh2細胞選択的に発現している分子としてクローニングされた、Gタンパク質結合型の7回膜貫通分子である(非特許文献1参照)。
【0003】
Th2細胞は活性化T細胞の一形態で、IL−4、IL−5、IL−13等のサイトカイン産生を介してB細胞からのIgE産生を誘導することが報告されている(非特許文献2参照)。また、それらのサイトカインは好酸球や好塩基球の活性化を誘導することも報告されている(非特許文献3、4参照)。以上のことから、Th2細胞は直接的に、あるいは他の細胞、因子を介し間接的に、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の病態形成に強く関与すると考えられている(非特許文献5参照)。
【0004】
前述の通り、CRTH2はそのTh2細胞に選択的に発現している分子としてクローニングされており、さらにケモカイン受容体と比較的高い相同性がある(非特許文献6参照)こともあわせ、免疫応答や免疫関連疾患への関与が推測されていた。その後、Th2細胞に加え好酸球、好塩基球でも発現していること、リガンドがPGD2であり、その作用により細胞遊走反応を誘導すること等が示され(非特許文献7参照)、特にアレルギー性疾患への関与が強く示唆されるようになった。
【0005】
それらin vitro 試験に加え、CRTH2特異的リガンドによる喘息モデル、皮膚炎モデルの症状増悪(非特許文献8参照)、CRTH2欠損マウスでの皮膚炎症状抑制(非特許文献9参照)、ヒトアレルギー性鼻炎患者でのCRTH2発現量増大(非特許文献10参照)などCRTH2が喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患に関与している可能性が報告されており、これらの情報からCRTH2阻害を機序とする上記治療薬創出の可能性が示唆されている。
【0006】
従来、CRTH2阻害剤としてインドリル酢酸誘導体(特許文献1参照)、フェノキシ酢酸誘導体(特許文献2参照)、ピリミジニル酢酸誘導体等(特許文献3参照)が報告されているが、本発明の有効成分である化合物と同様の構造を有する化合物は開示されていない。また、本発明の有効成分である化合物と構造が類似する化合物が報告されているが、CRTH2阻害作用を有することは記載も示唆もされていない(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2005/019171
【特許文献2】WO2005/115382
【特許文献3】WO2004/096777
【特許文献4】WO2004/101528
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Nagata. et. al. J. Immunol. 162. 1278. 1999
【非特許文献2】Del Prete. et. al. Allergy. 47. 450. 1992
【非特許文献3】Pope. et. al. J. Allergy. Clin. Immunol. 108. 594. 2001
【非特許文献4】Min. et. al. Curr. Opin. Hematol. 15. 59. 2008
【非特許文献5】Broide. et. al. J. Allergy. Clin. Immunol. 108(2 suppl.). S65. 2001
【非特許文献6】Abe. et. al. Gene. 227. 71. 1999
【非特許文献7】Hirai. et. al. J. Exp. Med. 193. 225. 2001
【非特許文献8】Shiraishi. et. al. J. Pharmacol. Exp. Ther. 312. 954. 2005
【非特許文献9】Satoh. et. al. J. Immunol. 177. 2621. 2006
【非特許文献10】Kano. et al. Am. J. Rhinol. 20. 342. 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、CRTH2の阻害作用を有する化合物を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患の予防剤又は治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記目的のための鋭意研究を行った結果、新規イソキノリン誘導体がこの目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は(1)
式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0012】
【化1】

【0013】
式中、
1はC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基を示し、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6ハロアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、グアニジノ基、C1-6アルキルスルホニル基、カルボキシ基、C2-7アルコキシカルボニル基、C2-7アルカノイルオキシ基、フェニル基、ベンゾイル基、フェノキシ基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアジアゾリル基、モルホリノ基、式−NR56、式−SO2NR78、式−NR9SO210、式−CONR1112、及び式−NR13COR14からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良く、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
Xは酸素原子、硫黄原子、式−CH2−、式−CO−、又は式−NR2−を示し、
2は水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
Yは単結合、式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、式−NR3CO−W−NR4SO2−、式−SO2NR3−W−、式−CH2−W−、式−CONR3−W−、式−CONR3−W−O−、式−CH2−O−W−、式−CH2NR3−W−、式−CONR3−W−NR4CO−、式−O−W−、又は式−O−W−O−を示し、
3及びR4は、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、Wは、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルキレン基の任意の1つの炭素原子が環構成炭素原子としてC3-6シクロアルキル環を形成した基、C2-6アルケニレン基、又はC3-6シクロアルキレン基を示し(但し、Yが式−CONR3−W−NR4CO−又は式−O−W−O−である場合、Wは単結合ではない)、
Zはベンゼン環、ピリミジン環、又はピラジン環を示し、
aはカルボキシ基、カルバモイル基、テトラゾリル基、又は式−CONHOHを示し、
b及びRcは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基を示し、
d、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基を示す(但し、化合物が{1−[3−(ブタン−2−イルオキシ)ベンジル]−6,7−ジメトキシイソキノリン−4−イル}酢酸、(1−{[3−(ブタン−2−イル)フェニル]カルボニル}−6,7−ジメトキシイソキノリン−4−イル)酢酸、(1−{[3−(ブタン−2−イルオキシ)フェニル]カルボニル}−6,7−ジメトキシイソキノリン−4−イル)酢酸、2−(6,7−ジメトキシ−1−{[3−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]カルボニル}イソキノリン−4−イル)アセトアミド、(6,7−ジメトキシ−1−{[3−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]カルボニル}イソキノリン−4−イル)酢酸、2−{6,7−ジメトキシ−1−[(3−メトキシフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセトアミド、{6,7−ジメトキシ−1−[(3−メトキシフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸である場合を除く)。
【0014】
(2)Rd、Re、Rf及びRgが、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基(但し、Rd、及びRgが共に水素原子であり、かつRe、及びRfが共にC1-6アルコキシ基である場合を除く)である(1)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0015】
(3)R1がC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキルスルホニル基、カルボキシ基、フェニル基、ベンゾイル基、フェノキシ基、式−NR56、及び式−SO2NR78からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良く、
Xが酸素原子、式−CH2−、又は式−CO−であり、
Zがベンゼン環であり、
aがカルボキシ基、カルバモイル基、テトラゾリル基、又は式−CONHOHであり、
b及びRcが、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基であり、
d、Re、Rf及びRgが、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルコキシ基である(1)又は(2)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0016】
(4)R1がC1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6ハロアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、グアニジノ基、C1-6アルキルスルホニル基、カルボキシ基、C2-7アルコキシカルボニル基、C2-7アルカノイルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアジアゾリル基、モルホリノ基、式−NR56、式−SO2NR78、式−NR9SO210、式−CONR1112、及び式−NR13COR14からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良く、
Yが単結合、式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、式−CONR3−W−、式−O−W−、式−CH2O−、又は式−CH2NR3−であり、
Wが、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基、又はC3-6シクロアルキレン基であり、
aがカルボキシ基であり、
b及びRcが水素原子であり、
d、Re、Rf及びRgが水素原子である(1)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0017】
(5)R1がC1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良く、
Xが式−CH2−、又は式−CO−であり、
Yが式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、又は式−O−W−であり、
Wが、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基、又はC3-6シクロアルキレン基であり、
Zがベンゼン環であり、
aがカルボキシ基であり、
b及びRcが水素原子であり、
d、Re、Rf及びRgが水素原子である(1)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0018】
(6)式(II)で表される(1)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0019】
【化2】

【0020】
式中、
1’がC3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキルスルホニル基、フェニル基、ベンゾイル基、フェノキシ基、式−NR56、及び式−SO2NR78からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良く、
5、R6、R7、及びR8が、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基であり、
X’が式−CH2−、又は式−CO−であり、
W’が、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基、又はC3-6シクロアルキレン基である。
【0021】
(7)R1’がC3-6シクロアルキル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、又はイソキノリル基であり、前記フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、及びイソキノリル基は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良い、(6)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0022】
(8)R1’がC1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良いフェニル基であり、
W’が、単結合である(6)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0023】
(9)X’が式−CH2−である(6)〜(8)のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0024】
(10)X’が式−CO−である(8)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0025】
(11)式(III)で表される(1)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0026】
【化3】

【0027】
式中、
1’’がC3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56、からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良く、
5、及びR6が、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基であり、
X’’が式−CH2−、又は式−CO−であり、
W’’が単結合、C2-6アルキレン基の任意の1つの炭素原子が環構成炭素原子としてC3-6シクロアルキル環を形成した基、又はC1-6アルキレン基である。
【0028】
(12)R1’’がC3-6シクロアルキル基、アダマンチル基、テトラヒドロナフチル基、フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾフラニル基、又はベンゾチエニル基であり、前記フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾフラニル基、及びベンゾチエニル基は、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、フェニル基、及びフェノキシ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良い、(11)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0029】
(13)X’’が式−CH2−である(11)又は(12)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【0030】
(14)W’’がC1-6アルキレン基である(11)〜(13)のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【発明の効果】
【0031】
本発明はCRTH2の阻害作用を有する化合物を有効成分として含有した医薬品であり、喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防又は治療作用を有する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明において、C1-6アルキル基とは炭素原子数1〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。
【0033】
2-6アルケニル基とは炭素2〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルケニル基を意味し、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基などを挙げることができる。
【0034】
1-6アルキレン基とは炭素原子数1〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルキレン基を意味し、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、エチリデン基、ジメチルメチレン基、メチルエチレン基などを挙げることができる。
【0035】
2-6アルキレン基の任意の1つの炭素原子が環構成炭素原子としてC3-6シクロアルキル環を形成した基とは、例えば1,1−エチレンエチレン基、1,1−トリメチレンエチレン基、1,1−テトラメチレンエチレン基、1,1−ペンタメチレンエチレン基、1,1−エチレントリメチレン基、2,2−エチレントリメチレン基などを挙げることができる。上記の各基をそれぞれ下記に構造で示す。
【0036】
【化4】

【0037】
2-6アルケニレン基とは炭素原子数2〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルケニレン基を意味し、例えばエテニレン基、プロペニレン基、メチルエテニレン基などを挙げることができる。
【0038】
3-6シクロアルキル基とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を意味する。
【0039】
3-6シクロアルケニル基とは、炭素原子数3〜6のシクロアルケニル基であり、例えばシクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基などを挙げることができる。
【0040】
3-6シクロアルキレン基とは、炭素原子数3〜6個のシクロアルキレン基を意味し、例えばシクロプロパン−1,1−ジイル基、シクロブタン−1,1−ジイル基、シクロペンタン−1,1−ジイル基、シクロヘキサン−1,1−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基などを挙げることができる。
【0041】
芳香族複素環基とは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を環内に1又は2個含む単環式芳香族複素環基又は縮合環式芳香族複素環を意味し、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、イミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピラゾリル基、ピロリル基、キノキサリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリル基、シンノリニル基、ピロロピリジル基、ナフチリジル基、イミダゾピリジル基、インダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基などを挙げることができる。
【0042】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
【0043】
1-6アルコキシ基とは炭素原子数1〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルコキシ基を意味し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などを挙げることができる。
【0044】
1-6アルキルチオ基とは炭素原子数1〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルキルチオ基を意味し、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基などを挙げることができる。
【0045】
1-6ハロアルキル基とは、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルキル基を意味し、好ましいハロゲン原子の数は3〜5である。例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などを挙げることができる。
【0046】
1-6ハロアルキルチオ基とは、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルキルチオ基を意味し、好ましいハロゲン原子の数は3〜5である。例えば、トリフルオロメチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基などを挙げることができる。
【0047】
1-6ハロアルコキシ基とは、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルコキシ基を意味し、好ましいハロゲン原子の数は3〜5である。例えばトリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基などを挙げることができる。
【0048】
1-6アルキルスルホニル基とは炭素原子数1〜6個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルキルスルホニル基を意味し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、tert−ペンチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基などを挙げることができる。
【0049】
2-7アルコキシカルボニル基とは、炭素原子数2〜7個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルコキシカルボニル基を意味し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基などを挙げることができる。
【0050】
2-7アルカノイルオキシ基とは炭素原子数2〜7個の直鎖状、又は分岐鎖状のアルカノイルオキシ基を意味し、例えばアセトキシ基、プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、イソブチロイルオキシ基などを挙げることができる。
【0051】
医薬上許容される塩とは、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウム、アルキルアンモニウムなどとの塩、又は鉱酸又は有機酸との塩である。それらは、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、アルミニウム、トリエチルアンモニウム、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ぎ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ステアリン酸、コハク酸、エチルコハク酸、ラクトビオン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アジピン酸、システイン、N−アセチルシステイン、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、ヨウ化水素、ニコチン酸、シュウ酸、ピクリン酸、チオシアン酸、ウンデカン酸、アクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマー等との塩を挙げることができる。
【0052】
本発明の有効成分である化合物又はその医薬上許容される塩は溶媒和物としても存在しうる。例えば、化合物の水和物、及び化合物の医薬上許容される塩の水和物等が挙げられる。これらも全て本発明に包含される。
【0053】
本発明では、有効成分である化合物を常用の賦形剤、増量剤、pH調節剤、溶解剤などを添加し、常用の製剤技術によって錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、液剤、懸濁剤、注射剤、塗布剤などに調製し、経口的、経皮的あるいは静脈内に投与することができる。
【0054】
本発明では、成人の患者に対して1日あたり0.01〜100mg/kgの化合物を1回〜数回に分けて投与することができる。この投与量は疾病の種類、患者の年齢、体重、症状などにより適宜増減することができる。
【0055】
本発明の有効成分である化合物の好ましい態様としては、以下の化合物が挙げられる。Xが式−CH2−、又は式−CO−である化合物が好ましい。Yが式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、式−NR3CO−W−NR4SO2−、式−CONR3−W−、式−CONR3−W−O−、式−CH2−O−W−、式−CH2NR3−W−、式−CONR3−W−NR4CO−、式−O−W−、又は式−O−W−O−である化合物が好ましく、式−NR3CO−W−、又は式−CONR3−W−である化合物がより好ましく、式−NHCO−、又は式−CONH−W−(WはC1-6アルキレン基)である化合物がさらに好ましい。Zがベンゼン環である化合物が好ましく、より好ましくはX及びYがパラの位置で結合している。R1がC3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、又はイソキノリル基であり、前記フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、及びイソキノリル基は、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキルスルホニル基、フェニル基、ベンゾイル基、フェノキシ基、式−NR56、及び式−SO2NR78からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良い化合物が好ましく、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良いフェニル基である化合物がさらに好ましく、1〜3個のハロゲン原子で置換されたフェニル基である化合物がよりさらに好ましい。Raがカルボキシ基である化合物が好ましい。Rb及びRcが、共に水素原子である化合物が好ましい。Rd、Re、Rf及びRgが、いずれも水素原子である化合物が好ましい。
【0056】
本発明の有効成分である化合物は、例えば以下に示す製造法によって合成することができる。
スキーム1
【0057】
【化5】

【0058】
スキーム中、Z、Y、R1、R、R、R、Rは前記と同意義であり、Halは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示し、Lはカルボン酸の一般的な保護基、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年、P. G. M. Wuts、T. Green 編)等に記載されている基を示し、具体的にはC1−6アルキル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基等を示す。
【0059】
工程(1−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、水素化ナトリウム、tert−ブトキシカリウム、ヘキサメチルジシラザンナトリウムなどの塩基存在下、化合物1−aに化合物1−bを反応させ、さらに、酸素雰囲気下で攪拌することにより化合物1−cを製造することができる。
【0060】
工程(1−2):この反応は例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年、P. G. M. Wuts、T. Green 編)等に記載された方法またはそれに準じた方法で行えばよい。具体的には、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒中、化合物1−cを塩酸などの鉱酸、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基で加水分解することにより化合物1−dを製造することができる。Lがベンジル基、4−メトキシベンジル基の場合は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、パラジウムカーボン等の触媒存在下、化合物1−cを水素添加することにより化合物1−dを製造してもよい。Lが4−メトキシベンジル基の場合は、硝酸セリウムアンモニウム(CAN)や2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)を用いた脱保護反応により化合物1−dを製造してもよい。
【0061】
工程(1−3):塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物1−dを塩化オキサリル、塩化チオニル等で処理することで得られるカルボン酸塩化物を、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の極性溶媒中、ジアゾメタンやトリメチルシリルジアゾメタン等で処理することでα−ジアゾメチルケトン体を製造することができる。この化合物を、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒と水との混合溶媒中、または水溶液中で酸化銀や酢酸銀等と反応させることにより、本発明の有効成分である化合物1−eを製造することができる。
【0062】
スキーム2
【0063】
【化6】

【0064】
スキーム中、Z、R、R、R、R、L、Halは前記と同意義であり、Qは式−NH−、式−O−、式−CO−、式−CHO−、式−CHNH−を示し、Lはアニリン、フェノール、カルボン酸、一級アミン、一級アルコールの一般的な保護基、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年、P. G. M. Wuts、T. Green 編)等に記載されている基を示し、具体的には、Qが式−NH−、式−O−、式−CHO−、又は式−CHNH−の時は、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、メチル基、アセチル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等を示し、Qが式−CO−の時は、C1−6アルキル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基等を示す。
【0065】
工程(2−1):化合物2−aを用い、工程(1−1)と同様の操作を行なうことで化合物2−bを製造することができる。
工程(2−2):化合物2−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで化合物2−cを製造することができる。
工程(2−3):化合物2−cを用い、工程(1−3)と同様の操作を行なうことで化合物2−dを製造することができる。
【0066】
工程(2−4):硫酸などの鉱酸存在下、化合物2−dをC1−6アルキルアルコール、ベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール等でエステル化することで化合物2−eを製造することができる。又は、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、または非存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP(登録商標))、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)等の縮合剤存在下、化合物2−dにC1−6アルキルアルコール、ベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール等を反応させることにより化合物2−eを製造してもよい。又は、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物2−dを塩化オキサリル、塩化チオニル等で処理することで得られるカルボン酸塩化物を、C1−6アルキルアルコール、ベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール等と反応させることにより化合物2−eを製造してもよい。さらには、Lがメチル基の場合は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒中、化合物2−dをジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン等と反応させることにより化合物2−eを製造してもよく、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム等の塩基存在下、化合物2−dをヨードメタンと反応させることにより化合物2−eを製造してもよい。
【0067】
工程(2−5):この反応は例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年、P. G. M. Wuts、T. Green 編)等に記載された方法またはそれに準じた方法で行えばよい。具体的には、Lがtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブチル基、4−メトキシベンジル基、トリメチルシリル基の場合は、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、塩酸等の鉱酸や酢酸、トリフルオロ酢酸等を用いた2−eの脱保護反応により化合物2−fを製造することができる。Lがベンジル基、4−メトキシベンジル基の場合は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、パラジウムカーボン等の触媒存在下、化合物2−eを水素添加することにより化合物2−fを製造することもできる。Lがトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基の場合は、化合物2−eをフッ化カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド等で処理することで化合物2−fを製造することもできる。Qが式−O−、又は式−CHO−で、Lがメチル基の場合は、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物2−eをBBrで処理することで化合物2−fを製造することができる。Lがアセチル基の場合は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒中、化合物2−eを塩酸などの鉱酸、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基で加水分解することにより化合物2−fを製造することができる。Qが式−CO−のときは、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで化合物2−fを製造することができる。
【0068】
スキーム3
【0069】
【化7】

【0070】
スキーム中、Z、R、R、R、R、Lは前記と同意義であり、Tは式−CO−W−R、式−CO−W−R、式−CO−W−O−R、式−SO−W−R、又は式−CO−W−NRSO−R(W、R、Rは前記と同意義である)を示し、Uは一般的な脱離基、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェノキシ基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等を示す。
【0071】
工程(3−1):Uが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フェノキシ基、イミダゾリル基、トリアゾリル基の場合は、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、または非存在下、化合物2−fに化合物3−aを反応させることにより化合物3−bを製造することができる。また、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基を溶媒として用い、化合物2−fに化合物3−aを反応させることにより化合物3−bを製造してもよい。Tが式−CO−W−R、式−CO−W−O−R、式−CO−W−NRSO−Rの場合には、Uが水酸基であってもよく、化合物3−bは、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、または非存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP(登録商標))、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)等の縮合剤存在下、化合物3−aに化合物2−fを反応させることにより製造することができる。
【0072】
工程(3−2):化合物3−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物3−cを製造することができる。
【0073】
スキーム4
【0074】
【化8】

【0075】
スキーム中、Z、R1、R、R、R、R、W、Lは前記と同意義である。
工程(4−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、化合物2−fに化合物4−aを反応させることにより化合物4−bを製造することができる。
【0076】
工程(4−2):化合物4−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物4−cを製造することができる。
【0077】
スキーム5
【0078】
【化9】

【0079】
スキーム中、Z、R、R、R、R、Lは前記と同意義であり、Qは式−NH−、式−O−、式−CHO−、又は式−CHNH−を示し、Tは、式−W−R、又は式−W−O−R(W、Rは前記と同意義である)を示し、Uは一般的な脱離基、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルフォニルオキシ基、p−トルエンスルフォニルオキシ基等を示す。
【0080】
工程(5−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム等の塩基存在下、または非存在下、化合物2−fに化合物5−aを反応させることにより化合物5−bを製造することができる。Qが式−O−の場合には、Uが水酸基であってもよく、化合物5−bは、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリフェニルホスフィンやトリ−n−ブチルフォスフィン等の試薬と、ジエチルアゾジカルボキシラートやテトラメチルアゾジカルボキシアミド等の試薬存在下、化合物5−aに化合物2−fを反応させることにより製造することができる。
【0081】
工程(5−2):化合物5−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物5−cを製造することができる。
【0082】
スキーム6
【0083】
【化10】

【0084】
スキーム中、Z、R、R、R、R、Lは前記と同意義であり、Tは、式−W−R、式−W−O−R、又は式−W−NRCO−R(W、R、Rは前記と同意義である)を示す。
【0085】
工程(6−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、または非存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP(登録商標))、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)等の縮合剤存在下、化合物2−fに化合物6−aを反応させることにより化合物6−bを製造することができる。又は、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物2−fを塩化オキサリル、塩化チオニル等で処理することで得られるカルボン酸塩化物を、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物6−aと反応させることにより化合物6−bを製造してもよい。
【0086】
工程(6−2):化合物6−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物6−cを製造することができる。
【0087】
スキーム7
【0088】
【化11】

【0089】
スキーム中、Z、R、R、R、R、R、L、Qは前記と同意義である。
工程(7−1):メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物2−fを水素化ホウ素ナトリウムや水素化アルミニウムリチウム等の還元剤で処理することで化合物7−aを製造することができる。テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、トリフルオロ酢酸、ボロントリフルオライドエーテラート等の存在下、トリメチルシランと反応させることにより化合物7−aを製造してもよい。又は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、パラジウムカーボン等の触媒存在下、化合物2−fを水素添加することにより化合物7−aを製造してもよい。
【0090】
工程(7−2):化合物7−aを用い、スキーム3乃至5の工程と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物7−bを製造することができる。ただしこの場合、Yは式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、式−NR3CO−W−NR4SO2−、式−CH2−O−W−、式−CH2NR3−W−、式−O−W−、又は式−O−W−O−(W、R、Rは前記と同意義である)を示す。
【0091】
スキーム8
【0092】
【化12】

【0093】
スキーム中、Z、Y、R1、R、R、R、R、L、Halは前記と同意義であり、R15、R16、R17はC1−6アルキル基を示す。
【0094】
工程(8−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、水素化ナトリウム、tert−ブトキシカリウム、ヘキサメチルジシラザンナトリウムなどの塩基存在下、化合物1−aに化合物8−aを反応させ、さらに、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等の水溶液で処理することで、化合物8−bを製造することができる。
【0095】
工程(8−2):化合物8−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで化合物8−cを製造することができる。
工程(8−3):化合物8−cを用い、工程(1−3)と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物8−dを製造することができる。
【0096】
スキーム9
【0097】
【化13】

【0098】
スキーム中、Z、R、R、R、R、R、R15、R16、R17、Q、L、L、Halは前記と同意義である。
工程(9−1):化合物9−aを用い、工程(8−1)と同様の操作を行なうことで化合物9−bを製造することができる。
工程(9−2):化合物9−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで化合物9−cを製造することができる。
工程(9−3):化合物9−cを用い、工程(1−3)と同様の操作を行なうことで化合物9−dを製造することができる。
工程(9−4):化合物9−dを用い、工程(2−4)と同様の操作を行なうことで化合物9−eを製造することができる。
工程(9−5):化合物9−eを用い、工程(2−5)と同様の操作を行なうことで化合物9−fを製造することができる。
【0099】
工程(9−6):化合物9−fを用い、スキーム3乃至6の工程と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物9−gを製造することができる。ただしこの場合、Yは、式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、式−NR3CO−W−NR4SO2−、式−CONR3−W−、式−CONR3−W−O−、式−CH2−O−W−、式−CH2NR3−W−、式−CONR3−W−NR4CO−、式−O−W−、又は式−O−W−O−(W、R、Rは前記と同意義である)を示す。
【0100】
スキーム10
【0101】
【化14】

【0102】
スキーム中、Z、Y、R、R、R、R、R、L、Halは前記と同意義であり、Qは式酸素原子、硫黄原子、又は式−NR−(Rは前記と同意義である)を示す。
【0103】
工程(10−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム等の塩基存在下、または非存在下、化合物1−aに化合物10−aを反応させることにより化合物10−bを製造することができる。
【0104】
工程(10−2):化合物10−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで化合物10−cを製造することができる。
工程(10−3):化合物10−cを用い、工程(1−3)と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物10−dを製造することができる。
【0105】
スキーム11
【0106】
【化15】

【0107】
スキーム中、Z、Y、R、R、R、R、R、Q、Q、L、L、Halは前記と同意義である。
工程(11−1):化合物11−aを用い、工程(10−1)と同様の操作を行なうことで化合物11−bを製造することができる。
工程(11−2):化合物11−bを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで化合物11−cを製造することができる。
工程(11−3):化合物11−cを用い、工程(1−3)と同様の操作を行なうことで化合物11−dを製造することができる。
工程(11−4):化合物11−dを用い、工程(2−4)と同様の操作を行なうことで化合物11−eを製造することができる。
工程(11−5):化合物11−eを用い、工程(2−5)と同様の操作を行なうことで化合物11−fを製造することができる。
【0108】
工程(11−6):化合物11−fを用い、スキーム3乃至6の工程と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物11−gを製造することができる。ただしこの場合、Yは、式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、式−NR3CO−W−NR4SO2−、式−CONR3−W−、式−CONR3−W−O−、式−CH2−O−W−、式−CH2NR3−W−、式−CONR3−W−NR4CO−、式−O−W−、又は式−O−W−O−(W、R、Rは前記と同意義である)を示す。
【0109】
スキーム12
【0110】
【化16】

【0111】
スキーム中、Z、R、R、R、R、Uは前記と同意義であり、Tは式−W−R、式−CO−W−R、式−CO−W−R、式−CO−W−O−R、又は式−SO−W−R(W、Rは前記と同意義である)を示し、R18はC1−6アルキル基を示す。
【0112】
工程(12−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、水素化ナトリウム等の塩基存在下、化合物12−aに化合物12−bを反応させることにより本発明の有効成分である化合物12−cを製造することができる。また、化合物4−c、化合物6−c及びQが式−CHNH−である化合物5−cを用いて同様の反応を行うことにより、窒素原子がC1〜6アルキル化された本発明の有効成分である化合物を製造することができる。
【0113】
スキーム13
【0114】
【化17】

【0115】
スキーム中、Z、Y、R、R、R、R、R、R18、L、L、Uは前記と同意義であり、Qは式−O−、式−CO−、又は式−CHO−を示し、Qは式−CH−、又は式−CO−を示す。
【0116】
工程(13−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、水素化ナトリウム、tert−ブトキシカリウム等の塩基存在下、化合物13−aに化合物12−bを反応させることにより化合物13−bを製造することができる。
【0117】
工程(13−2):化合物13−bを用い、工程(2−5)と同様の操作を行なうことで化合物13−cを製造することができる。
工程(13−3):化合物13−cを用い、スキーム5乃至6の工程と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物13−dを製造することができる。ただしこの場合、Yは式−O−W−、式−O−W−O−、式−CH2−O−W−、式−CONR−W−、式−CONR−W−O−、又は式−CONR−W−NRCO−(W、R、Rは前記と同意義である)を示す。
スキーム14
【0118】
【化18】

【0119】
スキーム中、Z、Y、R、R、R、R、R、R18、L、L、U、Qは前記と同意義であり、R19はC1−6アルキル基を示す。
工程(14−1):化合物14−bを用い、工程(13−1)と同様の操作を行なうことで化合物14−cを製造することができる。
工程(14−2):化合物14−bを用い、工程(2−5)と同様の操作を行なうことで化合物14−dを製造することができる。
【0120】
工程(14−3):化合物14−dを用い、スキーム5乃至6の工程と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物14−eを製造することができる。ただしこの場合、Yは式−O−W−、式−O−W−O−、式−CH2−O−W−、式−CONR−W−、式−CONR−W−O−、又は式−CONR−W−NRCO−(W、R、Rは前記と同意義である)を示す。
【0121】
スキーム15
【0122】
【化19】

【0123】
スキーム中、Z、Y、R、Lは前記と同意義であり、R20、R21はC1−6アルコキシ基又は水素原子を示す。
【0124】
工程(15−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、または非存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP(登録商標))、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)等の縮合剤存在下、化合物15−aに化合物15−bを反応させることにより化合物15−cを製造することができる。又は、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物15−bを塩化オキサリル、塩化チオニル等で処理することで得られるカルボン酸塩化物を、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物15−aと反応させることにより化合物15−cを製造してもよい。
【0125】
工程(15−2):塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、2−クロロピリジン等の添加物存在下、または非存在下、化合物15−cをオキシ塩化リン、五酸化二リン、ポリリン酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸等で処理することで、化合物15−dを製造することができる。
【0126】
工程(15−3):化合物15−dを硫黄で処理することで、化合物15−eを製造することができる。又は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、デカヒドロナフタレン等の脂肪族炭化水素系溶媒中、化合物15−dをパラジウムカーボン等で処理することで、化合物15−eを製造してもよい。
【0127】
工程(15−4):化合物15−eを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで化合物15−fを製造することができる。
工程(15−5):化合物15−fを用い、工程(1−3)と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物15−gを製造することができる。
【0128】
スキーム16
【0129】
【化20】

【0130】
スキーム中、Z、Y、R、R20、R21、Lは前記と同意義である。
工程(16−1):化合物16−aを用い、工程(15−1)と同様の操作を行なうことで化合物16−bを製造することができる。
工程(16−2):化合物16−bを用い、工程(15−2)と同様の操作を行なうことで化合物16−cを製造することができる。
工程(16−3):化合物16−cを用い、工程(15−3)と同様の操作を行なうことで化合物16−dを製造することができる。
工程(16−4):化合物16−dを用い、工程(1−2)と同様の操作を行なうことで本発明の有効成分である化合物16−eを製造することができる。
【0131】
スキーム17
【0132】
【化21】

【0133】
スキーム中、Z、Y、R、R、R、R、R、Qは前記と同意義である。
工程(17−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、または非存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP(登録商標))、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)等の縮合剤存在下、化合物17−aにアンモニア水溶液を反応させることにより化合物17−bを製造することができる。又は、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物17−aを塩化オキサリル、塩化チオニル等で処理することで得られるカルボン酸塩化物を、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、アンモニア水溶液と反応させることにより本発明の有効成分である化合物17−bを製造してもよい。
【0134】
工程(17−2):塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、化合物17−bを塩化ホスホリル、塩化チオニル、塩化オキサリル等で処理することで、化合物17−cを製造することができる。
【0135】
工程(17−3):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン塩酸塩、塩化アンモニウムの存在下、または非存在下、化合物17−cをアジ化ナトリウムと反応させることにより、本発明の有効成分である化合物17−dを製造することができる。
スキーム18
【0136】
【化22】

【0137】
スキーム中、Z、Y、R、R、R、R、R、Qは前記と同意義である。
工程(18−1):テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、または非存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロリン酸塩(PyBOP(登録商標))、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)等の縮合剤存在下、化合物17−aにヒドロキシルアミン又はその塩酸塩を反応させることにより本発明の有効成分である化合物18−aを製造することができる。ヒドロキシルアミンの代わりに、O−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ヒドロキシルアミン、O−ベンジルヒドロキシルアミン等の水酸基が保護された試薬を用いて同様の操作を行い、得られた化合物を、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年、P. G. M. Wuts、T. Green 編)等に記載された方法またはそれに準じた方法で脱保護反応を行い、本発明の有効成分である化合物18−aを製造することができる。具体的には、保護基がテトラヒドロピラニル基の場合、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、塩酸等の鉱酸や酢酸、トリフルオロ酢酸等を用いた脱保護反応により本発明の有効成分である化合物18−aを製造することができる。保護基がベンジル基の場合は、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中、パラジウムカーボン等の触媒存在下、水素添加することにより本発明の有効成分である化合物18−aを製造することができる。
【0138】
ここで、反応は−78℃から反応に用いる溶媒の沸点の範囲で適切な温度を選択し、常温下、加圧下、マイクロウェーブ照射下等で実施することができる。
【0139】
以下に本発明を詳細に説明するため、有効成分である化合物の実施例及び試験例を示す。
【実施例】
【0140】
[実施例1]
[1−({4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]酢酸
(1)4-アミノフェニルアセトニトリル(1.41g)のエタノール(5ml)溶液にジ−tert−ブチルジカーボネート(3.10g)のエタノール(5ml)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。析出物を濾過し、乾燥後、[4−(シアノメチル)フェニル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチルエステル(984mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.52 (s, 9 H), 3.69 (s, 2 H), 6.49 (br. s., 1 H), 7.22 - 7.26 (m, 2 H), 7.35 - 7.41 (m, 2 H)
【0141】
(2)実施例1−(1)で得た化合物(286mg)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に、氷浴下でナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.6ml、1M溶液)を加え、氷浴下で30分攪拌した。1−クロロ−イソキノリン−4−カルボン酸メチルエステルのテトラヒドロフラン(3ml)溶液を氷浴下で加え、室温で2.5時間攪拌した。さらに、反応液を酸素雰囲気下、室温で17時間撹拌した。飽和塩化アンモニア水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH型シリカゲル(NH−DM1020、富士シリアル株式会社)、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜30%)で精製し、メチル 1−({4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−カルボキシラート(289mg)を黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.53 (s, 9 H), 4.07 (s, 3 H), 6.72 (br. s., 1 H), 7.43 - 7.49 (m, 2 H), 7.62 - 7.66 (m, 1 H), 7.83 - 7.89 (m, 3 H),8.09 - 8.13 (m, 1 H), 8.99 - 9.03 (m, 1 H), 9.20 (s, 1 H)
【0142】
(3)実施例1−(2)で得た化合物(1.33g)のメタノール(30ml)懸濁液に、1N水酸化ナトリウム水溶液(30ml)を加えて、室温で15時間攪拌した。さらに35℃で3時間攪拌後、酢酸、水を加えた。析出物を濾過、水で洗浄後、乾燥し、1−({4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−カルボン酸(1.08g)を淡橙色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.53 (s, 9 H), 6.90 (br. s., 1 H), 7.45 - 7.50 (m, 2 H), 7.65 - 7.69 (m, 1 H), 7.86 - 7.93 (m, 3 H), 8.12 - 8.15(m, 1 H), 9.11 - 9.15 (m, 1 H), 9.39 (s, 1 H)
【0143】
(4)実施例1−(3)で得た化合物(1.08g)のクロロホルム(20ml)溶液に、氷浴下でオキサリルクロライド(0.709ml)を滴下し、室温で3.5時間攪拌後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物にテトラヒドロフラン(10ml)、アセトニトリル(10ml)を加え、氷浴下、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2.75ml、2M溶液)を滴下し、氷浴下、2時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物に水(10ml)、1,4−ジオキサン(10ml)と酢酸銀(138mg)を加え、60℃で30分攪拌した。室温に戻し、水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物にメタノール(20ml)を加え、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(4.54ml、2M溶液)を滴下し、室温で30分攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜35%)で精製し、メチル [1−({4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]アセタート(578mg)を黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.51 (s, 9 H), 3.72 (s, 3 H), 4.10 (s, 2 H), 6.72 (br. s., 1 H), 7.42 - 7.47 (m, 2 H), 7.58 - 7.63 (m, 1 H), 7.75 -7.81 (m, 1 H), 7.88 - 7.93 (m, 2 H), 8.02 - 8.06 (m, 1 H), 8.16 - 8.20 (m, 1 H), 8.50 (s, 1 H)
【0144】
(5)実施例1−(4)で得た化合物(1.09g)のメタノール(10ml)溶液に、1.3N水酸化ナトリウム水(10ml)を加え、さらにテトラヒドロフラン(5ml)を加えて室温で1.5時間攪拌した。50℃で1.5時間攪拌後、2N塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物を再結晶(酢酸エチル)し、標題化合物(144mg)を無色固体として得た。
【0145】
[実施例2]
{1−[(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
(1)実施例1−(4)で得た化合物(100mg)のクロロホルム(1ml)溶液に、氷浴下でトリフルオロ酢酸(1ml)を加え、室温で1.5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、メチル {1−[(4−アミノフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(91mg)を黄色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.73 (s, 3 H), 4.09 (s, 2 H), 6.62 - 6.66 (m, 2 H), 7.58 - 7.62 (m, 1 H), 7.75 - 7.82 (m, 3 H), 8.01 - 8.04 (m, 1H), 8.15 - 8.18 (m, 1 H), 8.50 (s, 1 H)
【0146】
(2)実施例2−(1)で得た化合物(500mg)のピリジン(8ml)溶液に、氷浴下で3,4−ジクロロベンゾイルクロライド(490mg)を加え、室温で13.5時間攪拌した。酢酸エチル、クロロホルム、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=20〜50%)で精製し、メチル {1−[(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(685mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.74 (s, 3 H), 4.12 (s, 2 H), 7.55 - 7.83 (m, 7 H), 7.97 - 8.08 (m, 4 H), 8.21 - 8.24 (m, 1 H), 8.52 (s, 1 H)
【0147】
(3)実施例2−(2)で得た化合物(650mg)のメタノール(10ml)懸濁液に、氷浴下で1N水酸化ナトリウム水(10ml)を加えた。さらに室温下でテトラヒドロフラン(10ml)を加え、室温で30分攪拌した。氷浴下で水、塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物を再結晶(エタノール−水)し、標題化合物(489mg)を無色固体として得た。
【0148】
実施例2と同様の操作を行い、実施例3から実施例126の化合物を得た。実施例1から126の構造式及びNMR値を表1−1から表1−13に示す。
【0149】
【化23】

【0150】
【表1−1】

【0151】
【表1−2】

【0152】
【表1−3】

【0153】
【表1−4】

【0154】
【表1−5】

【0155】
【表1−6】

【0156】
【表1−7】

【0157】
【表1−8】

【0158】
【表1−9】

【0159】
【表1−10】

【0160】
【表1−11】

【0161】
【表1−12】

【0162】
【表1−13】

【0163】
[実施例127]
{1−[(3−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
(1)[3−(シアノメチル)フェニル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチルエステル(2.32g)を用いて実施例1−(2)と同様の操作を行い、メチル 1−({3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−カルボキシラート(3.59g)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.49 (s, 9 H), 4.07 (s, 3 H), 6.58 (br. s., 1 H), 7.36 - 8.16 (m, 7 H), 8.99 - 9.04 (m, 1 H), 9.19 (s, 1 H)
【0164】
(2)実施例127−(1)で得た化合物(3.59g)を用いて実施例1−(3)と同様の操作を行い、1−({3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−カルボン酸(3.46g)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.49 (s, 9 H), 6.79 (br. s., 1 H), 7.39 - 8.18 (m, 7 H), 9.09 - 9.13 (m, 1 H), 9.35 (s, 1 H)
【0165】
(3)実施例127−(2)で得た化合物(3.46g)を用いて実施例1−(4)と同様の操作を行い、メチル [1−({3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]アセタート(1.03g)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.50 (s, 9 H), 3.73 (s, 3 H), 4.11 (s, 2 H), 6.56 (br. s., 1 H), 7.40 (s, 8 H), 8.51 (s, 1 H)
【0166】
(4)実施例127−(3)で得た化合物(1.03g)を用いて実施例2−(1)と同様の操作を行い、メチル {1−[(3−アミノフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(534mg)を黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.73 (s, 3 H), 3.79 (br. s., 2 H), 4.10 (s, 2 H), 6.84 - 8.21 (m, 8 H), 8.51 (s, 1 H)
【0167】
(5)実施例127−(4)で得た化合物(320mg)、3,4−ジクロロベンゾイルクロライドを用いて実施例2−(2)と同様の操作を行い、メチル {1−[(3−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(438mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.75 (s, 3 H), 4.08 (s, 2 H), 7.33 - 8.43 (m, 12 H), 8.45 (s, 1 H)
【0168】
(6)実施例127−(5)で得た化合物(438mg)を用いて実施例2−(3)と同様の操作を行い、標題化合物(178mg)を淡黄色固体として得た。
【0169】
[実施例128]
{1−[(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル](メチル)アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
水素化ナトリウム(48mg、油性60%)のテトラヒドロフラン(4ml)懸濁液に、実施例2−(3)で得た化合物(190mg)を氷浴下で加え、室温で1時間攪拌した。反応液にヨードメタン(0.5ml)を加え、室温で3時間攪拌した。2N塩酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物にジエチルエーテルを加えて攪拌後、析出物を濾過、乾燥し、標題化合物(60mg)を無色固体として得た。
【0170】
[実施例129]
{1−[(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
(1)実施例2−(1)で得た化合物(320mg)のピリジン(5ml)溶液に、氷浴下で3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(368mg)を加え、室温で1時間攪拌した。さらに3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(368mg)を追加し、室温で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/クロロホルム=0〜40%)で精製し、メチル {1−[(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(207mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.73 (s, 3 H), 4.11 (s, 2 H), 7.11 - 8.24 (m, 12 H), 8.49 (s, 1 H)
【0171】
(2)実施例129−(1)で得た化合物(207mg)を用いて実施例2−(3)と同様の操作を行い、標題化合物(24mg)を無色固体として得た。
【0172】
[実施例130]
{1−[(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
(1)実施例2−(1)で得た化合物(320mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)溶液に、氷浴下で3,4−ジクロロフェニルイソシアネート(282mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/クロロホルム=0〜70%)で精製し、メチル {1−[(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(287mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 3.67 (s, 3 H), 4.29 (s, 2 H), 7.33 - 8.15 (m, 11 H), 8.54 (s, 1 H), 9.19 (br. s., 1 H), 9.42 (br. s., 1 H)
【0173】
(2)実施例130−(1)で得た化合物(287mg)を用いて実施例2−(3)と同様の操作を行い、標題化合物(248mg)を黄色固体として得た。
【0174】
[実施例131]
(1−{[4−({[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]カルボニル}アミノ)フェニル]カルボニル}イソキノリン−4−イル)酢酸
(1)実施例2−(1)で得た化合物(320mg)のクロロホルム(5ml)溶液に、氷浴下でピリジン(0.324ml)、クロロギ酸フェニル(0.189ml)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、メチル [1−({4−[(フェノキシカルボニル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]アセタート(440mg)を褐色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.73 (s, 3 H), 4.11 (s, 2 H), 7.13 - 8.23 (m, 14 H), 8.52 (s, 1 H)
【0175】
(2)実施例131−(1)で得た化合物(440mg)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液に、3,4−ジクロロベンジルアルコール(354mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.680ml)を加え、8時間還流した。さらに、3,4−ジクロロベンジルアルコール(354mg)を追加し、8時間還流した。室温に戻し酢酸エチルを加え、水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=0〜50%)で精製し、メチル (1−{[4−({[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]カルボニル}アミノ)フェニル]カルボニル}イソキノリン−4−イル)アセタート(280mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.73 (s, 3 H), 4.11 (s, 2 H), 5.15 (s, 2 H), 6.99 (br. s., 1 H), 7.20 - 8.25 (m, 11 H), 8.51 (s, 1 H)
【0176】
(3)実施例131−(2)で得た化合物(280mg)を用いて実施例2−(3)と同様の操作を行い、標題化合物(235mg)を淡黄色固体として得た。
【0177】
[実施例132]
{1−[(4−{[(3,4−ジクロロベンジル)カルバモイル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
(1)実施例131−(1)で得た化合物(440mg)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、3,4−ジクロロベンジルアミン(0.397ml)を加え、80℃で5時間攪拌した。室温に戻し酢酸エチルを加え、水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=0〜5%)で精製し、メチル {1−[(4−{[(3,4−ジクロロベンジル)カルバモイル]アミノ}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(233mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 3.66 (s, 3 H), 4.23 - 4.34 (m, 4 H), 7.08 (br. s., 1 H), 7.27 - 8.15 (m, 11 H), 8.53 (s, 1 H), 9.40 (br. s., 1 H)
【0178】
(2)実施例132−(1)で得た化合物(233mg)を用いて実施例2−(3)と同様の操作を行い、標題化合物(60mg)を黄色固体として得た。
【0179】
[実施例133]
[1−({4−[(3,4−ジクロロベンジル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]酢酸
(1)実施例2−(1)で得た化合物(180mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)溶液に、3,4−ジクロロベンジルブロマイド(162mg)、炭酸カリウム(93mg)を加え、5時間還流した。さらに3,4−ジクロロベンジルブロマイド(162mg)を追加し、1時間還流した。室温に戻し酢酸エチルを加え、水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=0〜50%)で精製し、メチル [1−({4−[(3,4−ジクロロベンジル)アミノ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]アセタート(94mg)を黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 3.65 (s, 3 H), 4.25 (s, 2 H), 4.38 - 4.41 (m, 2 H), 6.62 - 6.66 (m, 2 H), 7.29 - 8.09 (m, 10 H), 8.47 (s, 1 H)
【0180】
(2)実施例133−(1)で得た化合物(94mg)を用いて実施例2−(3)と同様の操作を行い、標題化合物(53mg)を黄色固体として得た。
【0181】
[実施例134]
[1−({4−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]酢酸
(1)4−メトキシベンジルシアニド(2.94g)を用いて実施例1−(2)と同様の操作を行い、メチル 1−[(4−メトキシフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−カルボキシラート(5.42g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.88 (s, 3 H), 4.07 (s, 3 H), 6.91 - 6.98 (m, 2 H), 7.62 - 8.16 (m, 5 H), 8.99 - 9.03 (m, 1 H), 9.20 (s, 1 H)
【0182】
(2)実施例134−(1)で得た化合物(3.00g)を用いて実施例1−(3)と同様の操作を行い、1−[(4−メトキシフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−カルボン酸(1.97g)を褐色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 3.86 (s, 3 H), 7.05 - 7.10 (m, 2 H), 7.72 - 8.01 (m, 5 H), 8.97 - 9.01 (m, 1 H), 9.10 (s, 1 H), 13.79 (br. s., 1 H)
【0183】
(3)実施例134−(2)で得た化合物(1.97g)を用いて実施例1−(4)と同様の操作を行い、メチル {1−[(4−メトキシフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(1.03g)を淡褐色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.73 (s, 3 H), 3.88 (s, 3 H), 4.11 (s, 2 H), 6.92 - 6.97 (m, 2 H), 7.59 - 8.23 (m, 6 H), 8.51 (s, 1 H)
【0184】
(4)実施例134−(3)で得た化合物(1.03g)のクロロホルム(30ml)溶液に、氷浴下で三臭化ホウ素(3.70ml)のクロロホルム(30ml)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。氷浴下、メタノールを滴下し、反応液を水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=0〜5%)で精製し、メチル {1−[(4−ヒドロキシフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(463mg)を黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.74 (s, 3 H), 4.12 (s, 2 H), 6.71 - 6.76 (m, 2 H), 7.31 - 8.19 (m, 7 H), 8.49 (s, 1 H)
【0185】
(5)実施例134−(4)で得た化合物(200mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、3,4−ジクロロベンジルブロマイド(0.111ml)、炭酸カリウム(103mg)を加え、80℃で4時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=0〜50%)で精製し、メチル [1−({4−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]アセタート(70mg)を黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.73 (s, 3 H), 4.11 (s, 2 H), 5.09 (s, 2 H), 6.97 - 7.02 (m, 2 H), 7.23 - 8.23 (m, 9 H), 8.50 (s, 1 H)
【0186】
(6)実施例134−(5)で得た化合物(70mg)を用いて実施例2−(3)と同様の操作を行い、標題化合物(33mg)を無色アモルファスとして得た。
【0187】
実施例127から134の構造式及びNMR値を表2に示す。
【0188】
【化24】

【0189】
【表2】

【0190】
[実施例135]
{1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
(1)tert−ブチル 4−(シアノメチル)ベンゾアート(10.3g)を用いて実施例1−(2)と同様の操作を行い、メチル 1−{[4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル]カルボニル}イソキノリン−4−カルボキシラート(11.6g)を黄色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.61 (s, 9 H), 4.08 (s, 3 H), 7.65 - 9.04 (m, 8 H), 9.20 (s, 1 H)
【0191】
(2)実施例135−(1)で得た化合物(11.5g)を用いて実施例1−(3)と同様の操作を行い、1−{[4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル]カルボニル}イソキノリン−4−カルボン酸(9.47g)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 1.56 (s, 9 H), 7.45 - 9.01 (m, 8 H), 9.11 (s, 1 H), 13.83 (br. s., 1 H)
【0192】
(3)実施例135−(2)で得た化合物(9.47g)を用いて実施例1−(4)と同様の操作を行い、tert−ブチル 4−{[4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)イソキノリン−1−イル]カルボニル}ベンゾアート(4.09g)を橙色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.61 (s, 9 H), 3.73 (s, 3 H), 4.12 (s, 2 H), 7.64 - 8.33 (m, 8 H), 8.52 (s, 1 H)
【0193】
(4)実施例135−(3)で得た化合物(4.09g)のクロロホルム(200ml)溶液にトリフルオロ酢酸(33ml)を加え、50℃で1時間攪拌した。室温に戻し、水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、4−{[4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)イソキノリン−1−イル]カルボニル}安息香酸(3.39g)を黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.74 (s, 3 H), 4.14 (s, 2 H), 7.66 - 8.39 (m, 8 H), 8.54 (s, 1 H)
【0194】
(5)実施例135−(4)で得た化合物(1.20g)のクロロホルム(23ml)溶液に、オキサリルクロライド(0.457ml)、N,N−ジメチルホルムアミド(1drop)を加え、室温下で1時間攪拌した。減圧下、反応液を留去し、得られた粗生成物(316mg)にクロロホルム(3ml)、2−(4−クロロフェニル)エチルアミン(267mg)、ピリジン(0.139ml)を加え、室温下で14時間攪拌した。反応液を飽和塩化アンモニア水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=0〜50%、クロロホルム)で精製し、再結晶(n−ヘキサン/酢酸エチル)後、メチル {1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4-イル}アセタート(188mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.90 - 2.95 (m, 2 H), 3.68 - 3.76 (m, 5 H), 4.12 (s, 2 H), 6.13 - 6.20 (m, 1 H), 7.13 - 8.35 (m, 12 H), 8.51 (s, 1 H)
【0195】
(6)実施例135−(5)で得た化合物(188mg)のテトラヒドロフラン(3ml)溶液に、氷浴下で1N水酸化ナトリウム水(1.5ml)を加え、室温下で1時間攪拌した。氷浴下で水、1N塩酸水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物を再結晶(エタノール−水)し、標題化合物(143mg)を無色固体として得た。
【0196】
実施例135と同様の操作を行い、実施例136から実施例140の化合物を得た。実施例135から140の構造式及びNMR値を表3に示す。
【0197】
【化25】

【0198】
【表3】

【0199】
[実施例141]
[1−({4−[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]酢酸
(1)実施例134−(4)で得た化合物(100mg)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に、2−(4−クロロフェニル)エタノール、トリ−n−ブチルフォスフィン(0.116ml)、テトラメチルアゾジカルボキシアミド(80mg)を加え、室温下で18時間攪拌した。水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜50%)で精製し、メチル [1−({4−[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]フェニル}カルボニル)イソキノリン−4−イル]アセタート(41mg)を無色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.09 (t, J=6.8 Hz, 2 H), 3.73 (s, 3 H), 4.10 (s, 2 H), 4.22 (t, J=6.8 Hz, 2 H), 6.89 - 8.52 (m, 13 H)
【0200】
(2)実施例141−(1)で得た化合物(38mg)を用いて実施例135−(6)と同様の操作を行い、標題化合物(35mg)を無色アモルファスとして得た。
【0201】
実施例141と同様の操作を行い、実施例142および実施例143の化合物を得た。
【0202】
[実施例144]
{1−[(4−ベンジルフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
(1)4−ベンジルフェニルアセトニトリル(2.06g)を用いて実施例1−(2)と同様の操作を行い、メチル 1−[(4−ベンジルフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−カルボキシラート(1.82g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 4.05 (s, 2 H), 4.07 (s, 3 H), 7.13 - 9.05 (m, 13 H), 9.19 (s, 1 H)
【0203】
(2)実施例144−(1)で得た化合物(1.81g)を用いて実施例1−(3)と同様の操作を行い、1−[(4−ベンジルフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−カルボン酸(1.10g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 4.03 (s, 2 H), 7.07 - 9.14 (m, 13 H), 9.34 (s, 1 H)
【0204】
(3)実施例144−(2)で得た化合物(1.10g)を用いて実施例1−(4)と同様の操作を行い、メチル {1−[(4−ベンジルフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(550mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.72 (s, 3 H), 4.05 (s, 2 H), 4.10 (s, 2 H), 7.15 - 8.26 (m, 13 H), 8.50 (s, 1 H)
【0205】
(4)実施例144−(3)で得た化合物(538mg)を用いて実施例135−(6)と同様の操作を行い、標題化合物(35mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0206】
実施例144と同様の操作を行い、実施例145の化合物を得た。
【0207】
[実施例146]
{1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸
(1)4−クロロベンジルアルコール(4.10g)のN,N−ジメチルホルムアミド(110ml)溶液に、氷浴下で水素化ナトリウム(60〜72%、952mg)を加え30分攪拌後、4−(ブロモメチル)安息香酸メチル(5.00g)を加え、室温下で3時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=5〜9%)で精製し、メチル 4−{[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]メチル}ベンゾアート(5.25g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.90 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 3.68 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 3.91 (s, 3 H), 4.56 (s, 2 H), 7.11 - 7.37 (m, 6 H), 7.92 - 8.05 (m, 2 H)
【0208】
(2)実施例146−(1)で得た化合物(2.50g)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に、氷浴下で水素化アルミニウムリチウム(467mg)を加え15分間攪拌後、室温下で2時間攪拌した。氷浴下で水を加えた後、2.5N水酸化ナトリウム水を加え30分間攪拌後、室温下で1.5時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧下で留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=9〜15%)で精製し、(4−{[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)メタノール(2.24g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.62 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 2.88 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 3.66 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 4.50 (s, 2 H), 4.69 (d, J=6.0 Hz, 2 H), 7.02 - 7.44 (m, 8 H)
【0209】
(3)実施例146−(2)で得た化合物(2.24g)のクロロホルム(40ml)溶液にトリエチルアミン(1.12ml)を加え、氷浴下で塩化チオニル(0.646ml)を加えた後室温下で1時間攪拌した。水を加えてクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物のDMSO(27ml)溶液にシアン化ナトリウム(436mg)を加え、室温下で1時間攪拌後、60℃で30分攪拌した。水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=15〜25%)で精製し、(4−{[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)アセトニトリル(1.62g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.89 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 3.66 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 3.74 (s, 2 H), 4.50 (s, 2 H), 7.04 - 7.34 (m, 8 H)
【0210】
(4)実施例146−(3)で得た化合物(1.42g)を用いて実施例1−(2)と同様の操作を行い、メチル 1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−カルボキシラート(950mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.84 - 2.94 (m, 2 H), 3.64 - 3.71 (m, 2 H), 4.08 (s, 3 H), 4.56 (s, 2 H), 7.11 - 8.17 (m, 11 H), 9.02 (d, J=8.7 Hz, 1 H), 9.20 (s, 1 H)
【0211】
(5)実施例146−(4)で得た化合物(951mg)を用いて実施例135−(6)と同様の操作を行い、1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−カルボン酸(950mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.82 - 2.95 (m, 2 H), 3.59 - 3.77 (m, 2 H), 4.59 (s, 2 H), 7.00 - 9.19 (m, 12 H), 9.38 (s, 1 H)
【0212】
(6)実施例146−(5)で得た化合物(674mg)を用いて実施例1−(4)と同様の操作を行い、メチル {1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(260mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.89 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 3.68 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 3.73 (s, 3 H), 4.11 (s, 2 H), 4.58 (s, 2 H), 7.12 - 8.27 (m, 12 H), 8.52 (s, 1 H)
【0213】
(7)実施例146−(6)で得た化合物(253mg)を用いて実施例135−(6)と同様の操作を行い、表題化合物(140mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0214】
[実施例147]
{1−[(4−{[(4−クロロベンジル)アミノ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸 塩酸塩
(1)4−ホルミル安息香酸メチル(10.0g)のクロロホルム(300ml)溶液に、4−クロロベンジルアミン(11.2g)を加え15分間攪拌後、ナトリウム トリアセトキシボロヒドリド(16.8g)を加えて室温下で2時間攪拌した。酢酸(10.5ml)を加えて4時間攪拌後、飽和重曹水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=15〜50%)で精製し、メチル 4−{[(4−クロロベンジル)アミノ]メチル}ベンゾアート(13.8g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.77 (s, 2 H), 3.84 (s, 2 H), 3.91 (s, 3 H), 7.24 - 7.33 (m, 4 H), 7.41 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.97 - 8.04 (m, 2 H)
【0215】
(2)実施例147−(1)で得た化合物(13.8g)のクロロホルム(239ml)溶液に、ジ−tert−ブチル ジカルボナート(12.5g)を加え、氷浴下で4−ジメチルアミノピリジン(5.80g)を加えた。室温下で3時間攪拌し、反応液を減圧下で留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=3〜7%)で精製し、メチル 4−{[(tert−ブトキシカルボニル)(4−クロロベンジル)アミノ]メチル}ベンゾアート(12.9g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.47 (s, 9 H), 3.92 (s, 3 H), 4.23 - 4.55 (m, 4 H), 7.05 - 7.33 (m, 6 H), 7.96 - 8.03 (m, 2 H)
【0216】
(3)実施例147−(2)で得た化合物(2.00g)を用いて実施例146−(2)と同様の操作を行い、tert−ブチル (4−クロロベンジル)[4−(ヒドロキシメチル)ベンジル]カルバマート(1.79g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.49 (s, 9 H), 1.63 - 1.67 (m, 1 H), 4.25 - 4.45 (m, 4 H), 4.66 - 4.73 (m, 2 H), 7.07 - 7.35 (m, 8 H)
【0217】
(4)実施例147−(3)で得た化合物(1.70g)を用いて実施例146−(3)と同様の操作を行い、tert−ブチル (4−クロロベンジル)[4−(シアノメチル)ベンジル]カルバマート(1.30g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.49 (s, 9 H), 3.74 (s, 2 H), 4.22 - 4.48 (m, 4 H), 7.06 - 7.32 (m, 8 H)
【0218】
(5)実施例147−(4)で得た化合物(1.30g)を用いて実施例1−(2)と同様の操作を行い、メチル 1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)(4−クロロベンジル)アミノ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−カルボキシラート(750mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.48 (s, 9 H), 4.08 (s, 3 H), 4.26 - 4.53 (m, 4 H), 7.04 - 8.22 (m, 11 H), 8.98 - 9.05 (m, 1 H), 9.20 (s, 1 H)
【0219】
(6)実施例147−(5)で得た化合物(749mg)を用いて実施例135−(6)と同様の操作を行い、1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)(4−クロロベンジル)アミノ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−カルボン酸(684mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.47 (br. s., 9 H), 4.21 - 4.58 (m, 4 H), 7.05 - 8.22 (m, 11 H), 9.09 - 9.17 (m, 1 H), 9.37 (s, 1 H)
【0220】
(7)実施例147−(6)で得た化合物(681mg)を用いて実施例1−(4)と同様の操作を行い、メチル {1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)(4−クロロベンジル)アミノ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセタート(230mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.48 (s, 9 H), 4.12 (s, 2 H), 4.25 - 4.51 (m, 4 H), 7.06 - 8.30 (m, 12 H), 8.52 (s, 1 H)
【0221】
(8)実施例147−(7)で得た化合物(223mg)を用いて実施例135−(6)と同様の操作を行い、{1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)(4−クロロベンジル)アミノ]メチル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸(170mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.47 (s, 9 H), 4.12 (s, 2 H), 4.23 - 4.54 (m, 4 H), 6.99 - 8.32 (m, 12 H), 8.52 (s, 1 H)
【0222】
(9)実施例147−(8)で得た化合物(168mg)の酢酸エチル(1ml)溶液に4N塩酸−酢酸エチル(1ml)を加え、室温下で15時間攪拌した。生成した固体を濾取し、表題化合物(120mg)を無色固体として得た。
【0223】
実施例141から147の構造式及びNMR値を表4に示す。
【0224】
【化26】

【0225】
【表4】

【0226】
[実施例148]
[1−(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンジル)イソキノリン−4−イル]酢酸
(1)実施例2−(1)で得た化合物(500mg)のテトラヒドロフラン(10ml)−メタノール(3ml)溶液に、氷浴下で水素化ホウ素ナトリウム(173mg)を加え15分間攪拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム(177mg)を加え、氷浴下で30分間攪拌した。さらに水素化ホウ素ナトリウム(354mg)を氷浴下で30分毎に3回加えた。飽和塩化アンモニア水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物のクロロホルム(7ml)溶液に、トリエチルシラン(1.5ml)とトリフルオロ酢酸(1.5ml)を加え、60℃で14時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=40〜60%)で精製し、メチル [1−(4−アミノベンジル)イソキノリン−4−イル]アセタート(165mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.53 (br. s., 2 H), 3.69 (s, 3 H), 3.99 (s, 2 H), 4.54 (s, 2 H), 6.56 - 6.61 (m, 2 H), 7.05 - 7.09 (m, 2 H), 7.51 -7.56 (m, 1 H), 7.66 - 7.70 (m, 1 H), 7.92 - 7.95 (m, 1 H), 8.18 - 8.22 (m, 1 H), 8.39 (s, 1 H)
【0227】
(2)実施例148−(1)で得た化合物(190mg)のピリジン(3ml)溶液に、氷浴下で3,4−ジクロロベンゾイルクロライド(195mg)を加え、室温で14時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を希塩酸で洗浄後、飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酸性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=30〜60%)で精製し、メチル [1−(4−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}ベンジル)イソキノリン−4−イル]アセタート(210mg)を淡茶色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.69 (s, 3 H), 4.00 (s, 2 H), 4.64 (s, 2 H), 7.26 - 7.28 (m, 2 H), 7.45 - 7.72 (m, 7 H), 7.90 - 7.97 (m, 2 H), 8.13- 8.17 (m, 1 H), 8.40 (s, 1 H)
【0228】
(3)実施例148−(2)で得た化合物(200mg)のテトラヒドロフラン(4ml)−メタノール(4ml)溶液に、氷浴下で1N水酸化ナトリウム水(6ml)を加え、氷浴下で20分間攪拌した。水、酢酸を加えて析出物を濾過し、水で洗浄後に乾燥した。得られた粗生成物を再結晶(エタノール−水)し、標題化合物(165mg)を無色固体として得た。
【0229】
[実施例149]
(1−{4−[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]ベンジル}イソキノリン−4−イル)酢酸
(1)実施例134−(3)で得た化合物(1.00g)を用いて実施例148−(1)と同様の操作を行い、メチル [1−(4−メトキシベンジル)イソキノリン−4−イル]アセタート(621mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.69 (s, 3 H), 3.74 (s, 3 H), 4.00 (s, 2 H), 4.60 (s, 2 H), 6.76 - 8.42 (m, 9 H)
【0230】
(2)実施例149−(1)で得た化合物(678mg)のクロロホルム(20ml)溶液に、−50℃で三臭化ホウ素(1.09ml)のクロロホルム(10ml)溶液を滴下し、氷浴下で1時間攪拌した。氷浴下、メタノールを滴下し、飽和重曹水加えてクロロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=20〜60%)で精製し、メチル [1−(4−ヒドロキシベンジル)イソキノリン−4−イル]アセタート(418mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.69 (s, 3 H), 4.00 (s, 2 H), 4.58 (s, 2 H), 6.66 - 8.40 (m, 9 H)
【0231】
(3)実施例149−(2)で得た化合物(120mg)を用いて実施例141−(1)と同様の操作を行い、メチル (1−{4−[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]ベンジル}イソキノリン−4−イル)アセタート(95mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.00 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 3.69 (s, 3 H), 3.99 (s, 2 H), 4.08 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 4.58 (s, 2 H), 6.73 - 8.41 (m, 13 H)
【0232】
(4)実施例149−(3)で得た化合物(83mg)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に1N水酸化ナトリウム水(1ml)を加え、室温下で23時間攪拌した。飽和塩化アンモニア水を加えた後、酢酸を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物にジエチルエーテルを加え、室温下で14時間攪拌した。生成した固体を濾取し、標題化合物(58mg)を無色固体として得た。
【0233】
実施例149と同様の操作を行い、実施例150および実施例151の化合物を得た。
【0234】
[実施例152]
[1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]スルファモイル}ベンジル)イソキノリン−4−イル]酢酸
(1)2−(4−クロロフェニル)エチルアミン(2.83g)、トリエチルアミン(1.46ml)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液に4−(ブロモメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(1.63g)を加えて室温下で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、飽和塩化アンモニア水で洗浄後に水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜30%)で精製し、4−(ブロモメチル)−N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]ベンゼンスルホンアミド(2.04g)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.67 - 2.82 (m, 2 H), 3.12 - 3.33 (m, 2 H), 4.38 (t, J=6.2 Hz, 1 H), 4.50 (s, 2 H), 6.93 - 7.80 (m, 8 H)
【0235】
(2)実施例152−(1)で得た化合物(927mg)のトルエン(12ml)溶液にトリ−n−ブチルホスフィン(0.883ml)を加え、60℃で30分間攪拌した。反応液を減圧下で留去し、得られた粗生成物のクロロホルム(10ml)溶液にn−ヘキサン(200ml)を滴下し室温下で1時間攪拌した。デカンテーション後、トリブチル(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]スルファモイル}ベンジル)ホスホニウム ブロミド(1.37g)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 0.88 - 0.96 (m, 9 H), 1.40 - 1.52 (m, 12 H), 2.31 - 2.40 (m, 6 H), 2.85 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 3.14 - 3.20 (m, 2 H), 4.46 - 4.58 (m, 2 H), 5.90 - 5.97 (m, 1 H), 7.07 - 7.24 (m, 4 H), 7.57 - 7.85 (m, 4 H)
【0236】
(3)実施例152−(2)で得た化合物(1.02g)と1−クロロ−イソキノリン−4−カルボン酸メチルエステル(381mg)のテトラヒドロフラン(9ml)溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.72ml、1.9M溶液)を−30℃で滴下し、室温下で2時間攪拌した。さらに50℃で1時間攪拌後、1M炭酸ナトリウム水(3.44ml)を加え、50℃で2時間攪拌した。酢酸エチルを加え、飽和塩化アンモニア水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜50%)で精製し、メチル 1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]スルファモイル}ベンジル)イソキノリン−4−カルボキシラート(124mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 2.57 - 2.63 (m, 2 H), 2.88 - 2.95 (m, 2 H), 3.96 (s, 3 H), 4.83 (s, 2 H), 7.07 - 8.83 (m, 13 H), 9.00 (s, 1 H)
【0237】
(4)実施例152−(3)で得た化合物(169mg)のテトラヒドロフラン(4ml)溶液に1N水酸化ナトリウム水(2ml)を加え、室温下で3時間攪拌した。氷浴下で水、1N塩酸水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]スルファモイル}ベンジル)イソキノリン−4−カルボン酸(164mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 2.58 - 2.65 (m, 2 H), 2.87 - 2.96 (m, 2 H), 4.82 (s, 2 H), 7.05 - 9.03 (m, 14 H), 13.45 (br. s., 1 H)
【0238】
(5)実施例152−(4)で得た化合物(164mg)のクロロホルム(4ml)溶液に、氷浴下でオキサリルクロライド(0.058ml)とN,N−ジメチルホルムアミド(0.004ml)を加えた。室温で1時間攪拌後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物にテトラヒドロフラン(2ml)、アセトニトリル(2ml)を加え、氷浴下で(トリメチルシリル)ジアゾメタン(0.341ml、2M溶液)を滴下し、氷浴下で1時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物に水(2ml)、1,4−ジオキサン(2ml)と酢酸銀(17mg)を加え、60℃で30分間攪拌した。反応液をセライトろ過し、濾液に水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酸性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=0〜15%)で精製し、ジエチルエーテルを加えて室温下で15時間攪拌した。得られた固体を濾取し、乾燥後、標題化合物(50mg)を淡黄色固体として得た。
【0239】
実施例148から152の構造式及びNMR値を表5に示す。
【0240】
【化27】

【0241】
【表5】

【0242】
[実施例153]
1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}ベンジル)イソキノリン−4−イル]酢酸
(1)4−ブロモメチル安息香酸tert−ブチルエステル(22.1g)のトルエン(440ml)溶液にトリ−n−ブチルホスフィン(30.5ml)を加え、60℃で70分間攪拌した。反応液を減圧下で留去し、得られた粗生成物にn−ヘキサンを加えて攪拌した。得られた固体を濾取し、[4−(tert−ブトキシカルボニル)ベンジル](トリブチル)ホスホニウム ブロミド(36.0g)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 0.93 - 0.98 (m, 9 H), 1.44 - 1.52 (m, 12 H), 1.60 (s, 9 H), 2.37 - 2.46 (m, 6 H), 4.34 - 4.40 (m, 2 H), 7.50 - 8.02 (m, 4 H)
【0243】
(2)実施例153−(1)で得た化合物(33.8g)と1−クロロ−イソキノリン−4−カルボン酸メチルエステル(11.3g)のテトラヒドロフラン(235ml)溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(64ml、1.9M溶液)を−30℃で滴下し、室温下で45分間攪拌した。さらに50℃で75分間攪拌後、炭酸ナトリウム(10.2g)の水(120ml)溶液を加え、60℃で2時間攪拌した。1N塩酸水を加えてpH5にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜30%)で精製し、メチル 1−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ベンジル]イソキノリン−4−カルボキシラート(12.0g)を橙色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.55 (s, 9 H), 4.02 (s, 3 H), 4.76 (s, 2 H), 7.27 - 8.98 (m, 8 H), 9.14 (s, 1 H)
【0244】
(3)実施例153−(2)で得た化合物(11.8g)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液に1N水酸化ナトリウム水(150ml)を加え、50℃で2.5時間攪拌した。室温に戻し、1N塩酸水を加えpH5にしてから酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、1−[4−(tert−ブトキシカルボニル)ベンジル]イソキノリン−4−カルボン酸(11.1g)を淡橙色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 1.50 (s, 9 H), 4.76 (s, 2 H), 7.38 - 8.99 (m, 9 H)
【0245】
(4)実施例153−(3)で得た化合物(11.1g)のクロロホルム(265ml)溶液に、氷浴下でオキサリルクロライド(5.1ml)とN,N−ジメチルホルムアミド(0.1ml)を加え、氷浴下で70分間攪拌後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物にテトラヒドロフラン(133ml)、アセトニトリル(133ml)を加え、氷浴下で(トリメチルシリル)ジアゾメタン(29.5ml、2M溶液)を滴下し、氷浴下で3時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物に水(133ml)、1,4−ジオキサン(133ml)と酢酸銀(2.95g)を加え、60℃で45分間攪拌した。室温に戻し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物にメタノール(265ml)を加え、室温下で(トリメチルシリル)ジアゾメタン(44.2ml、2M溶液)を滴下し20分間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜40%)で精製し、tert−ブチル 4−{[4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)イソキノリン−1−イル]メチル}ベンゾアート(4.07g)を茶色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.55 (s, 9 H), 3.69 (s, 3 H), 4.01 (s, 2 H), 4.70 (s, 2 H), 7.29 - 8.13 (m, 8 H), 8.41 (s, 1 H)
【0246】
(5)実施例153−(4)で得た化合物(4.07g)のクロロホルム(40ml)溶液に、氷浴下でトリフルオロ酢酸(20ml)を加え、氷浴下で30分間攪拌した。さらに室温で3.5時間攪拌後、氷浴下で1N水酸化ナトリウム水を加えてpH5にしてから酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、4−{[4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)イソキノリン−1−イル]メチル}安息香酸(3.42g)を淡茶色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 3.62 (s, 3 H), 4.13 (s, 2 H), 4.71 (s, 2 H), 7.39 - 8.36 (m, 8 H), 8.37 (s, 1 H), 12.79 (br. s., 1 H)
【0247】
(6)実施例153−(5)で得た化合物(2.69g)のクロロホルム(40ml)溶液に、氷浴下でオキサリルクロライド(1.07ml)、N,N−ジメチルホルムアミド(3drops)を加え1時間攪拌した。減圧下反応液を留去し、得られた粗生成物にクロロホルム(40ml)を加え、氷浴下で2−(4−クロロフェニル)エチルアミン(1.68ml)、ピリジン(0.973ml)を加え1時間攪拌した。反応液を飽和塩化アンモニア水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜100%)で精製し、メチル [1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}ベンジル)イソキノリン−4−イル]アセタート(1.31g)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.87 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 3.61 - 3.67 (m, 2 H), 3.70 (s, 3 H), 4.01 (s, 2 H), 4.68 (s, 2 H), 6.04 (t, J=5.3 Hz, 1 H), 7.11 - 8.13 (m, 12 H), 8.40 (s, 1 H)
【0248】
(7)実施例153−(6)で得た化合物(1.31g)のテトラヒドロフラン(55ml)溶液に、氷浴下で1N水酸化ナトリウム水(14ml)を加え、室温下で2.5時間攪拌した。氷浴下で1N塩酸水を加えpH5にしてから酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酸性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=0〜15%)で精製した。得られた固体にジエチルエーテルを加え、室温下で17時間攪拌後濾取し、淡黄色固体(1.05g)を得た。得られた固体をエタノール(250ml)に40℃で溶解させ、水(2500ml)に滴下し、室温下で17時間攪拌した。析出した固体を濾取し、乾燥後、標題化合物(944mg)を淡黄色固体として得た。
【0249】
実施例153と同様の操作を行い、実施例154から実施例160の化合物を得た。実施例153から160の構造式及びNMR値を表6に示す。
【0250】
【化28】

【0251】
【表6】

【0252】
[実施例161]
(1−{4−[(2−フェニルエチル)カルバモイル]ベンジル}イソキノリン−4−イル)酢酸
(1)実施例153−(5)で得た化合物(100mg)と2−フェニルエチルアミン(0.045ml)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(55mg)のクロロホルム(3ml)懸濁液に、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(69mg)を加え、室温下で3時間攪拌した。反応液を水で洗浄後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=60〜100%)で精製し、メチル (1−{4−[(2−フェニルエチル)カルバモイル]ベンジル}イソキノリン−4−イル)アセタート(90mg)を淡褐色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm2.90 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 3.66 - 3.72 (m, 5 H), 4.01 (s, 2 H), 4.68 (s, 2 H), 5.98 - 6.07 (m, 1 H), 7.18 - 8.14 (m, 13 H), 8.40 (s, 1 H)
【0253】
(2)実施例161−(1)で得た化合物(90mg)を用いて実施例149−(4)と同様の操作を行い、標題化合物(73mg)を淡黄色固体として得た。
【0254】
実施例161と同様の操作を行い、実施例162から実施例251の化合物を得た。実施例161から251の構造式及びNMR値を表7−1から表7−9に示す。
【0255】
【化29】

【0256】
【表7−1】

【0257】
【表7−2】

【0258】
【表7−3】

【0259】
【表7−4】

【0260】
【表7−5】

【0261】
【表7−6】

【0262】
【表7−7】

【0263】
【表7−8】

【0264】
【表7−9】

[実施例252]
【0265】
(1−{2−[(4−クロロベンジル)オキシ]ベンジル}イソキノリン−4−イル)酢酸
(1)2−メトキシベンジルクロリド(3.81g)を用いて実施例153−(1)と同様の操作を行い、トリブチル(2−メトキシベンジル)ホスホニウム クロリド(8.13g)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 0.89 - 0.97 (m, 9 H), 1.38 - 1.51 (m, 12 H), 2.37 - 2.47 (m, 6 H), 3.85 (s, 3 H), 4.10 - 4.16 (m, 2 H), 6.87 - 7.75 (m, 4 H)
【0266】
(2)実施例252−(1)で得た化合物(2.27g)を用いて実施例153−(2)と同様の操作を行い、メチル 1−(2−メトキシベンジル)イソキノリン−4−カルボキシラート(436mg)を淡橙色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.89 (s, 3 H), 4.01 (s, 3 H), 4.71 (s, 2 H), 6.75 - 8.99 (m, 8 H), 9.13 (s, 1 H)
【0267】
(3)実施例252−(2)で得た化合物(436mg)を用いて実施例153−(3)と同様の操作を行い、1−(2−メトキシベンジル)イソキノリン−4−カルボン酸
(335mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 3.82 (s, 3 H), 4.63 (s, 2 H), 6.76 - 8.93 (m, 8 H), 8.96 (s, 1 H), 13.38 (br. s., 1 H)
【0268】
(4)実施例252−(3)で得た化合物(335mg)を用いて実施例153−(4)と同様の操作を行い、メチル [1−(2−メトキシベンジル)イソキノリン−4−イル]アセタート(108mg)を茶色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.69 (s, 3 H), 3.91 (s, 3 H), 4.01 (s, 2 H), 4.65 (s, 2 H), 6.75 - 8.24 (m, 8 H), 8.40 (s, 1 H)
【0269】
(5)実施例252−(4)で得た化合物(70mg)を用いて実施例149−(2)と同様の操作を行い、メチル [1−(2−ヒドロキシベンジル)イソキノリン−4−イル]アセタート(39mg)を黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.68 (s, 3 H), 3.98 (s, 2 H), 4.60 (s, 2 H), 6.79 - 8.52 (m, 9 H), 11.41 (br. s., 1 H)
【0270】
(6)実施例252−(5)で得た化合物(39mg)と4−クロロベンジルブロマイド(42mg)を用いて実施例134−(5)と同様の操作を行い、メチル {1−[2−(4−クロロベンジルオキシ)ベンジル]イソキノリン−4−イル}アセタート
(57mg)を黄色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 3.69 (s, 3 H), 4.00 (s, 2 H), 4.68 (s, 2 H), 5.08 (s, 2 H), 6.81 - 8.20 (m, 12 H), 8.38 (s, 1 H)
【0271】
(7)実施例252−(6)で得た化合物(57mg)を用いて実施例149−(4)と同様の操作を行い、標題化合物(25mg)を淡黄色固体として得た。
【0272】
[実施例253]
[1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}ベンジル)−6−フルオロイソキノリン−4−イル]酢酸
(1)メチル 6−フルオロ−1オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−4−カルボキシラート(756mg)に塩化ホスホリル(5ml)を加えて100℃で1時間攪拌した。室温に戻し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物に飽和重曹水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、メチル 1−クロロ−6−フルオロイソキノリン−4−カルボキシラート(792mg)を茶色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 4.03 (s, 3 H), 7.48 - 8.77 (m, 3 H), 8.97 (s, 1 H)
【0273】
(2)4−(ブロモメチル)安息香酸(5.00g)のクロロホルム(40ml)溶液に、氷浴下でオキサリルクロライド(4ml)、N,N−ジメチルホルムアミド(2drops)を加え、室温下で3時間攪拌した。減圧下、反応液を留去し、得られた粗生成物にトルエン(70ml)、n−ヘキサン(70ml)を加え、室温下で攪拌しながら、2−(4−クロロフェニル)エチルアミン(3.02g)、ピリジン(1.6ml)を滴下した。室温下で65時間攪拌後、1N塩酸水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜80%)で精製し、4−(ブロモメチル)−N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]ベンズアミド(4.36g)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 2.84 (t, J=7.1 Hz, 2 H), 3.44 - 3.51 (m, 2 H), 4.73 (s, 1 H), 4.80 (s, 1 H), 7.22 - 7.83 (m, 8 H), 8.51 - 8.59 (m, 1 H)
【0274】
(3)実施例253−(2)で得た化合物(4.35g)を用いて実施例153−(1)と同様の操作を行い、トリブチル(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}ベンジル)ホスホニウム ブロミド(6.01g)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 0.86 - 0.96 (m, 9 H), 1.40 - 1.50 (m, 12 H), 2.28 - 2.38 (m, 6 H), 3.00 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 3.67 - 3.74 (m, 2 H), 4.36 - 4.42 (m, 2 H), 7.21 - 7.90 (m, 9 H)
【0275】
(4)実施例253−(1)で得た化合物(787mg)と実施例253−(3)で得た化合物(2.19g)のテトラヒドロフラン(15ml)溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(5.5ml、1.9M溶液)を−30℃で滴下し、室温下で1時間攪拌した。さらに50℃で2時間攪拌後、炭酸ナトリウム(695mg)の水(7ml)溶液を加え、60℃で5時間攪拌した。室温下で16時間攪拌後、1N塩酸水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=10%)で精製し、1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}ベンジル)−6−フルオロイソキノリン−4−カルボン酸(180mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 2.80 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 3.40 - 3.47 (m, 2 H), 4.77 (s, 2 H), 7.21 - 8.71 (m, 12 H), 9.07 (s, 1 H), 13.55 (br. s., 1 H)
【0276】
(5)実施例253−(4)で得た化合物(173mg)を用いて実施例152−(5)と同様の操作を行い、標題化合物(5mg)を無色固体として得た。
【0277】
[実施例254]
2−[1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}ベンジル)イソキノリン−4−イル]プロパン酸
(1)実施例153−(4)で得た化合物(500mg)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、−30℃でtert−ブトキシカリウム(150mg)を加えて5分間攪拌後、ヨウ化メチル(0.159ml)を加えて1.5時間攪拌した。さらに−30℃でヨウ化メチル(0.159ml)を加えて1.5時間攪拌後、飽和塩化アンモニア水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜20%)で精製し、tert−ブチル 4−{[4−(1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)イソキノリン−1−イル]メチル}ベンゾアート(319mg)を黄色油状として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.55 (s, 9 H), 1.70 (d, J=7.0 Hz, 3 H), 3.67 (s, 3 H), 4.36 (q, J=7.0 Hz, 1 H), 4.70 (s, 2 H), 7.30 - 8.14 (m, 8 H), 8.45 (s, 1 H)
【0278】
(2)実施例254−(1)で得た化合物(319mg)を用いて実施例153−(5)と同様の操作を行い、4−{[4−(1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イル)イソキノリン−1−イル]メチル}安息香酸(254mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 1.58 (d, J=6.9 Hz, 3 H), 3.59 (s, 3 H), 4.56 (q, J=6.9 Hz, 1 H), 4.73 (s, 2 H), 7.42 - 8.41 (m, 9 H)
【0279】
(3)実施例254−(2)で得た化合物(254mg)を用いて実施例161−(1)と同様の操作を行い、メチル 2−[1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}ベンジル)イソキノリン−4−イル]プロパノアート(234mg)を淡黄色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.70 (d, J=7.2 Hz, 3 H), 2.87 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 3.63 - 3.66 (m, 2 H), 3.67 (s, 3 H), 4.36 (q, J=7.2 Hz, 1 H), 4.68 (s, 2 H), 6.03 (br. s., 1 H), 7.12 - 8.14 (m, 12 H), 8.45 (s, 1 H)
【0280】
(4)実施例254−(3)で得た化合物(110mg)を用いて実施例149−(4)と同様の操作を行い、標題化合物(58mg)を無色固体として得た。
【0281】
[実施例255]
2−{1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}−2−メチルプロパン酸
(1)実施例135−(3)で得た化合物(181mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(3.6ml)溶液に、氷浴下で水素化ナトリウム(38mg)を加えて10分間攪拌後、ヨウ化メチル(0.058ml)を加えて1.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニア水を加えて酢酸エチルで抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=10〜30%)で精製し、tert−ブチル 4−{[4−(1−メトキシ−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)イソキノリン−1−イル]カルボニル}ベンゾアート(139mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.61 (s, 9 H), 1.84 (s, 6 H), 3.63 (s, 3 H), 7.59 - 8.31 (m, 8 H), 8.65 (s, 1 H)
【0282】
(2)実施例255−(1)で得た化合物(139mg)を用いて実施例153−(5)と同様の操作を行い、4−{[4−(1−メトキシ−2−メチル−1−オキソプロパン−2−イル)イソキノリン−1−イル]カルボニル}安息香酸(128mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 1.75 (s, 6 H), 3.55 (s, 3 H), 7.68 - 8.17 (m, 8 H), 8.66 (s, 1 H)
【0283】
(3)実施例255−(2)で得た化合物(128mg)を用いて実施例161−(1)と同様の操作を行い、メチル 2−{1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}−2−メチルプロパノアート(73mg)を無色アモルファスとして得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.84 (s, 6 H), 2.91 - 2.95 (m, 2 H), 3.63 (s, 3 H), 3.69 - 3.75 (m, 2 H), 6.10 - 6.15 (m, 1 H), 7.15 - 8.33 (m, 12 H), 8.64 (s, 1 H)
【0284】
(4)実施例255−(3)で得た化合物(70mg)の1,4−ジオキサン(1.4ml)溶液に1N水酸化リチウム水(1.4ml)を加え、100℃で1時間攪拌した。1N塩酸水を加えてpH4にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酸性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=30〜60%)で精製し、ジエチルエーテルを加えて15時間攪拌した。生成した固体を濾取し、標題化合物(21mg)を淡黄色固体として得た。
【0285】
[実施例256]
4−{[4−(2−アミノ−2−オキソエチル)イソキノリン−1−イル]メチル}−N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]ベンズアミド
実施例153−(7)で得た化合物(400mg)のテトラヒドロフラン(9ml)懸濁液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(283mg)を加えて室温下で2時間攪拌後、28%アンモニア水(0.45ml)を加えて室温下で1時間攪拌した。析出物を濾取し、乾燥後、標題化合物(384mg)を無色固体として得た。
【0286】
[実施例257]
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−4−{[4−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)イソキノリン−1−イル]メチル}ベンズアミド
(1)実施例256−(1)で得た化合物(362mg)に塩化ホスホリル(0.088ml)を加えて室温下で1時間攪拌した。反応液に氷水を加えてクロロホルムで抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=2〜10%)で精製し、N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−4−{[4−(シアノメチル)イソキノリン−1−イル]メチル}ベンズアミド(256mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 2.80 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 3.40 - 3.47 (m, 2 H), 4.45 (s, 2 H), 4.70 (s, 2 H), 7.20 - 8.44 (m, 13 H), 8.49 (s, 1 H)
【0287】
(2)実施例257−(1)で得た化合物(20mg)のトルエン(0.45ml)懸濁液にアジ化ナトリウム(9mg)とトリエチルアミン塩酸塩(19mg)を加えて72時間還流した。メタノール/クロロホルム(10%)を加えて、有機層を水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=10〜20%)で精製した。得られた固体にメタノール/クロロホルム(10%)を加えて、0.5N塩酸水で洗浄後、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、標題化合物(3.1mg)を無色固体として得た。
【0288】
[実施例258]
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−4−({4−[2−(ヒドロキシアミノ)−2−オキソエチル]イソキノリン−1−イル}メチル)ベンズアミド
(1)実施例153−(7)で得た化合物(41mg)とO−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)ヒドロキシルアミン(12mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(15mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液に、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(19mg)を加えて、室温下で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、反応液を水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=0〜20%)で精製し、N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−4−[(4−{2−オキソ−2−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)アミノ]エチル}イソキノリン−1−イル)メチル]ベンズアミド(49mg)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.20 - 1.85 (m, 6 H), 2.83 - 2.91 (m, 4 H), 3.59 - 3.98 (m, 5 H), 4.67 (s, 2 H), 4.84 - 4.95 (m, 1 H), 5.98 - 6.07 (m, 1 H), 7.10 - 8.29 (m, 12 H), 8.40 (s, 1 H)
【0289】
(2)実施例258−(1)で得た化合物(49mg)のメタノール(2ml)溶液に、氷浴下で4N塩酸−酢酸エチル(0.223ml)を加えて、室温下で3時間攪拌した。クロロホルムを加えて、反応液を水で洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=2〜20%)で精製し、標題化合物(17mg)を淡黄色固体として得た。
【0290】
[実施例259]
{1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)カルボニル]−6,7−ジメトキシイソキノリン−4−イル}酢酸
(1)4−(2−メトキシ−2−オキソエチル)安息香酸(1.00g)のアセトニトリル(50ml)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.63ml)とO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(2.94g)および2−(4−クロロフェニル)エチルアミン(790ml)を加えて、室温下で16時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=30〜50%)で精製し、メチル (4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)アセタート(2.02g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.88 - 2.93 (m, 2 H), 3.65 - 3.72 (m, 7 H), 6.08 - 6.19 (m, 1 H), 7.14 - 7.35 (m, 7 H), 7.63 - 7.67 (m, 1 H)
【0291】
(2)実施例259−(1)で得た化合物(2.02g)を用いて実施例153−(3)と同様の操作を行い、(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)酢酸(1.78g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.88 - 2.93 (m, 2 H), 3.67 - 3.72 (m, 4 H), 6.09 (br. s., 1 H), 7.15 - 7.67 (m, 8 H)
【0292】
(3)実施例259−(2)で得た化合物(250mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(8ml)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.401ml)とO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(449mg)およびエチル 4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノアート(231mg)加えて、室温下で15時間攪拌した。酢酸エチルを加えて、反応液を水で洗浄、後飽和食塩水で洗浄した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=30〜75%)で精製し、エチル 4−{[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)アセチル]アミノ}−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノアート(130mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.11 - 1.20 (m, 3 H), 2.49 - 4.10 (m, 19 H), 5.18 - 5.24 (m, 1 H), 6.30 - 6.36 (m, 1 H), 6.51 - 7.57 (m, 11 H)
【0293】
(4)実施例259−(3)で得た化合物(130mg)のクロロホルム(2.3ml)溶液に2−クロロピリジン(0.026ml)を加え−60℃に冷却後、無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.042ml)を加えて5分間攪拌した。氷浴下で5分間攪拌し、さらに室温下で1時間攪拌した。飽和重曹水を加えてクロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物に硫黄(9mg)を加えて、165℃で15分間攪拌した。エタノールを加えて不溶物をろ過で除去し、濾液中の溶媒を減圧下で留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、酢酸エチル/n−ヘキサン=33〜75%)で精製し、エチル {1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)カルボニル]−6,7−ジメトキシイソキノリン−4−イル}アセタート(30mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.23 - 1.28 (m, 3 H), 2.91 - 2.95 (m, 2 H), 3.69 - 3.74 (m, 2 H), 3.99 (s, 3 H), 4.03 (s, 2 H), 4.07 (s, 3 H), 4.16 - 4.21 (m, 2 H), 6.13 - 6.17 (m, 1 H), 7.15 - 8.02 (m, 10 H), 8.38 (s, 1 H)
【0294】
(5)実施例259−(4)で得た化合物(27mg)を用いて実施例149−(4)
と同様の操作を行い、標題化合物(7mg)を淡黄色固体として得た。
【0295】
[実施例260]
{1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)カルボニル]−6−メトキシイソキノリン−4−イル}酢酸
(1)3−シアノ−3−(3−メトキシフェニル)プロパン酸エチル(11.9g)のエタノール(41ml)溶液に12N塩酸(3.8ml)と20%パラジウムヒドロキシド オン カーボン(2.10g)を加えて、水素雰囲気下、室温で15時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性OH型シリカゲル、メタノール/クロロホルム=2〜9%)で精製し、エチル 4−アミノ−3−(3−メトキシフェニル)ブタノアート(3.80g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.11 - 1.16 (m, 3 H), 2.65 - 2.72 (m, 1 H), 2.79 - 2.86 (m, 1 H), 3.06 - 3.12 (m, 1 H), 3.24 - 3.30 (m, 1 H), 3.46 - 3.53 (m, 1 H), 3.76 - 3.79 (m, 3 H), 4.00 - 4.07 (m, 2 H), 6.76 - 7.26 (m, 4 H)
【0296】
(2)実施例260−(1)で得た化合物(280mg)と実施例259−(2)で得た化合物(250mg)を用いて実施例153−(6)と同様の操作を行い、エチル 4−{[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)アセチル]アミノ}−3−(3−メトキシフェニル)ブタノアート(210mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.12 - 1.18 (m, 3 H), 2.52 - 2.61 (m, 2 H), 2.90 - 2.95 (m, 2 H), 3.18 - 3.32 (m, 2 H), 3.48 (s, 2 H), 3.58 - 3.64 (m, 1 H), 3.68 - 3.73 (m, 2 H), 3.74 (s, 3 H), 4.01 - 4.07 (m, 2 H), 5.25 - 5.30 (m, 1 H), 6.14 - 6.19 (m, 1 H), 6.57 - 7.60 (m, 12 H)
【0297】
(3)実施例260−(2)で得た化合物(201mg)を用いて実施例259−(4)と同様の操作を行い、エチル {1−[(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェニル)カルボニル]−6−メトキシイソキノリン−4−イル}アセタート(40mg)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 1.26 (t, J=7.3 Hz, 3 H), 2.90 - 2.95 (m, 2 H), 3.69 - 3.73 (m, 2 H), 3.99 (s, 3 H), 4.04 (s, 2 H), 4.20 (q, J=7.3 Hz, 2 H), 6.12 - 6.16 (m, 1 H), 7.15 - 8.24 (m, 11 H), 8.44 (s, 1 H)
【0298】
(4)実施例260−(3)で得た化合物(37mg)を用いて実施例149−(4)
と同様の操作を行い、標題化合物(20mg)を淡黄色固体として得た。
【0299】
[実施例261]
[1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェノキシ)イソキノリン−4−イル]酢酸
(1)N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−4−ヒドロキシベンズアミド(605mg)と1−クロロ−イソキノリン−4−カルボン酸メチルエステル(443mg)および炭酸カリウム(332mg)のDMF(4ml)懸濁液を60℃で2時間攪拌した。酢酸エチルを加えて反応液を水で洗浄後に、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(NH型シリカゲル、クロロホルム/n−ヘキサン=50〜80%)で精製し、メチル 1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェノキシ)イソキノリン−4−カルボキシラート(782mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 2.93 (t, J=7.1 Hz, 2 H), 3.70 - 3.76 (m, 2 H), 3.98 (s, 3 H), 6.10 (t, J=5.5 Hz, 1 H), 7.15 - 8.52 (m, 11 H), 8.72 (s, 1 H), 9.01 (d, J=8.3 Hz, 1 H)
【0300】
(2)実施例261−(1)で得た化合物(782mg)を用いて実施例152−(4)と同様の操作を行い、1−(4−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]カルバモイル}フェノキシ)イソキノリン−4−カルボン酸(781mg)を無色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d ppm 2.87 (t, J=7.1 Hz, 2 H), 3.48 - 3.54 (m, 2 H), 7.26 - 9.01 (m, 14 H)
【0301】
(3)実施例261−(2)で得た化合物(350mg)を用いて実施例152−(5)と同様の操作を行い、標題化合物(5mg)を無色固体として得た。
【0302】
実施例252から261の構造式及びNMR値を表8−1から表8−2に示す。
【0303】
【表8−1】

【0304】
【表8−2】

【0305】
[試験例1] CRTH2結合試験
ヒトCRTH2発現細胞KB8(ビーエムエル社)と3H標識プロスタグランジンD2(以下3H−PGD2と略す。GEヘルスケア社)との結合試験を用い、本発明の有効成分である化合物のCRTH2結合阻害活性を検討した。
【0306】
KB8を反応用緩衝液(10mM HEPES(インビトロジェン社)を含むHank‘s balanced salt solution(インビトロジェン社))に懸濁し、96 well plate(コースター社)に2×105個/wellとなるように分注し、さらに、本発明の化合物と3H−PGD2(終濃度5nM)を添加、攪拌後、4℃でインキュベートした。
【0307】
1時間後、セルハーベスター(パッカードバイオサイエンス社)を用いて、0.5%ポリエチレンイミン液(シグマ社)にてプレコートしたGF/Cフィルタープレート(パーキンエルマー社)へ細胞を回収し、その放射活性をTop count NXT(パーキンエルマー社)にて測定した(ここで得られた値を測定値aとする)。同様の操作を化合物非存在下で実施し、測定値bを得、化合物非存在下かつ非標識PGD2(終濃度50μM)存在下で実施し、測定値cを得た。
化合物の結合阻害率は下記計算式により算出した。
結合阻害率(%)=[1−(a−c)/(b−c)]×100
【0308】
また、被検化合物のCRTH2結合阻害活性は化合物非存在下での結合量に対し50%の阻害活性を示す値(IC50値)として算出した。すなわち、種々の濃度の被検化合物による結合阻害率を用い、データ分析ソフトウェアであるXLfit(IDBS社)により解析した用量依存的阻害曲線に従ってIC50値を算出し阻害活性の指標とした。試験結果を表9に示す。表9中、AはIC50値が50nM未満を示し、BはIC50値が50nM以上500nM未満を示し、CはIC50値が500nM以上1000nM未満を示し、DはIC50値が1000nM以上を示す。具体的な値としては、例えば実施例18(IC50値;3.5nM)、実施例57(IC50値;3.4nM)、実施例75(IC50値;2.9nM)、実施例82(IC50値;2.8nM)及び実施例143(IC50値;9.9nM)が挙げられる。
【0309】
【表9】

【0310】
[試験例2] CRTH2アンタゴニスト試験
KB8細胞にプロスタグランジンD2を添加した際に誘導される細胞内カルシウムイオン濃度上昇反応を利用して本発明の有効成分である化合物のアンタゴニスト活性を検討した。
【0311】
KB8細胞にFluo−4−AM(4−(6−アセトキシメトキシ−2,7−ジフルオロ−3−オキソ−9−キサンテニル)−4’−メチル−2,2’−(エチレンジオキシ)ジアニリド−N,N,N’,N’−テトラアセチックアシッドテトラキス (アセトキシメチル) エステル、シグマ社、終濃度1μM)を添加して37℃で30分間インキュベートし、リン酸緩衝液(インビトロジェン社)にて洗浄した後、反応用緩衝液(10mM HEPES(インビトロジェン社)、1mM塩化カルシウム(シグマ社)を含むHank‘s balanced salt solution(インビトロジェン社))に懸濁した。96 well plate(Nunc社)に2×105個/wellとなるように分注し、さらに、本発明の化合物とPGD2(終濃度100nM)を添加してFDSS6000(浜松ホトニクス社)にて経時的に蛍光強度を測定して最大蛍光強度値dを得た。同様の操作を化合物非存在下で実施し、最大蛍光強度値eを得、化合物非存在下かつPGD2非存在下で実施し、最大蛍光強度値fを得た。
化合物のカルシウムイオン濃度上昇阻害率は下記計算式により算出した。
阻害率(%)=[1−(d−f)/(e−f)]×100
【0312】
また、被検化合物のCRTH2アンタゴニスト活性は化合物非存在下でのカルシウムイオン濃度上昇に対し50%の阻害活性を示す値(IC50値)として算出した。すなわち、種々の濃度の被検化合物によるカルシウムイオン濃度上昇阻害率を用い、データ分析ソフトウェアであるXLfit(IDBS社)により解析した用量依存的阻害曲線に従ってIC50値を算出しアンタゴニスト活性の指標とした。試験結果を表10−1及び表10−2に示す。表中、AはIC50値が50nM未満を示し、BはIC50値が50nM以上500nM未満を示し、CはIC50値が500nM以上1000nM未満を示し、DはIC50値が1000nM以上示す。具体的な値としては、例えば実施例122(IC50値;2.3nM)、実施例153(IC50値;12nM)、実施例201(IC50値;20nM)、実施例234(IC50値;5.9nM)及び実施例240(IC50値;6.6nM)が挙げられる。
【0313】
【表10−1】

【0314】
【表10−2】

【産業上の利用可能性】
【0315】
本発明はCRTH2の阻害活性を有する化合物を含有する医薬であり、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患の予防剤又は治療剤として利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【化1】

式中、
1はC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基を示し、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6ハロアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、グアニジノ基、C1-6アルキルスルホニル基、カルボキシ基、C2-7アルコキシカルボニル基、C2-7アルカノイルオキシ基、フェニル基、ベンゾイル基、フェノキシ基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアジアゾリル基、モルホリノ基、式−NR56、式−SO2NR78、式−NR9SO210、式−CONR1112、及び式−NR13COR14からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良く、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
Xは酸素原子、硫黄原子、式−CH2−、式−CO−、又は式−NR2−を示し、
2は水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、
Yは単結合、式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、式−NR3CO−W−NR4SO2−、式−SO2NR3−W−、式−CH2−W−、式−CONR3−W−、式−CONR3−W−O−、式−CH2−O−W−、式−CH2NR3−W−、式−CONR3−W−NR4CO−、式−O−W−、又は式−O−W−O−を示し、
3及びR4は、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基を示し、Wは、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルキレン基の任意の1つの炭素原子が環構成炭素原子としてC3-6シクロアルキル環を形成した基、C2-6アルケニレン基、又はC3-6シクロアルキレン基を示し(但し、Yが式−CONR3−W−NR4CO−又は式−O−W−O−である場合、Wは単結合ではない)、
Zはベンゼン環、ピリミジン環、又はピラジン環を示し、
aはカルボキシ基、カルバモイル基、テトラゾリル基、又は式−CONHOHを示し、
b及びRcは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基を示し、
d、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基を示す(但し、化合物が{1−[3−(ブタン−2−イルオキシ)ベンジル]−6,7−ジメトキシイソキノリン−4−イル}酢酸、(1−{[3−(ブタン−2−イル)フェニル]カルボニル}−6,7−ジメトキシイソキノリン−4−イル)酢酸、(1−{[3−(ブタン−2−イルオキシ)フェニル]カルボニル}−6,7−ジメトキシイソキノリン−4−イル)酢酸、2−(6,7−ジメトキシ−1−{[3−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]カルボニル}イソキノリン−4−イル)アセトアミド、(6,7−ジメトキシ−1−{[3−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]カルボニル}イソキノリン−4−イル)酢酸、2−{6,7−ジメトキシ−1−[(3−メトキシフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}アセトアミド、{6,7−ジメトキシ−1−[(3−メトキシフェニル)カルボニル]イソキノリン−4−イル}酢酸である場合を除く)。
【請求項2】
d、Re、Rf及びRgが、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基(但し、Rd、及びRgが共に水素原子であり、かつRe、及びRfが共にC1-6アルコキシ基である場合を除く)である請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項3】
1がC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキルスルホニル基、カルボキシ基、フェニル基、ベンゾイル基、フェノキシ基、式−NR56、及び式−SO2NR78からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良く、
Xが酸素原子、式−CH2−、又は式−CO−であり、
Zがベンゼン環であり、
aがカルボキシ基、カルバモイル基、テトラゾリル基、又は式−CONHOHであり、
b及びRcが、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基であり、
d、Re、Rf及びRgが、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルコキシ基である請求項1又は2に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項4】
1がC1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6ハロアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、グアニジノ基、C1-6アルキルスルホニル基、カルボキシ基、C2-7アルコキシカルボニル基、C2-7アルカノイルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアジアゾリル基、モルホリノ基、式−NR56、式−SO2NR78、式−NR9SO210、式−CONR1112、及び式−NR13COR14からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良く、
Yが単結合、式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、式−CONR3−W−、式−O−W−、式−CH2O−、又は式−CH2NR3−であり、
Wが、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基、又はC3-6シクロアルキレン基であり、
aがカルボキシ基であり、
b及びRcが水素原子であり、
d、Re、Rf及びRgが水素原子である請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項5】
1がC1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良く、
Xが式−CH2−、又は式−CO−であり、
Yが式−NR3CO−W−、式−NR3CO−W−O−、式−NR3CO2−W−、式−NR3−W−、式−NR3SO2−W−、式−NR3CONR4−W−、又は式−O−W−であり、
Wが、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基、又はC3-6シクロアルキレン基であり、
Zがベンゼン環であり、
aがカルボキシ基であり、
b及びRcが水素原子であり、
d、Re、Rf及びRgが水素原子である請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項6】
式(II)で表される請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【化2】

式中、
1’がC3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキルスルホニル基、フェニル基、ベンゾイル基、フェノキシ基、式−NR56、及び式−SO2NR78からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良く、
5、R6、R7、及びR8が、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基であり、
X’が式−CH2−、又は式−CO−であり、
W’が、単結合、C1-6アルキレン基、C2-6アルケニレン基、又はC3-6シクロアルキレン基である。
【請求項7】
1’がC3-6シクロアルキル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、又はイソキノリル基であり、前記フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、及びイソキノリル基は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良い、請求項6に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項8】
1’がC1-6アルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良いフェニル基であり、
W’が、単結合である請求項6に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項9】
X’が式−CH2−である請求項6〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項10】
X’が式−CO−である請求項8に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項11】
式(III)で表される請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【化3】

式中、
1’’がC3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、アダマンチル基、テトラヒドロナフチル基、テトラヒドロインドリル基、フェニル基、ナフチル基、又は芳香族複素環基であり、前記フェニル基、ナフチル基、及び芳香族複素環基は、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェノキシ基、及び式−NR56、からなる群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されても良く、
5、及びR6が、それぞれ独立して水素原子、又はC1-6アルキル基であり、
X’’が式−CH2−、又は式−CO−であり、
W’’が単結合、C2-6アルキレン基の任意の1つの炭素原子が環構成炭素原子としてC3-6シクロアルキル環を形成した基、又はC1-6アルキレン基である。
【請求項12】
1’’がC3-6シクロアルキル基、アダマンチル基、テトラヒドロナフチル基、フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾフラニル基、又はベンゾチエニル基であり、前記フェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾフラニル基、及びベンゾチエニル基は、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、フェニル基、及びフェノキシ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基で置換されても良い、請求項11に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項13】
X’’が式−CH2−である請求項11又は12に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。
【請求項14】
W’’がC1-6アルキレン基である請求項11〜13のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する喘息、アトピー性皮膚炎、及びアレルギー性鼻炎からなる群から選択される疾患の予防剤又は治療剤。

【公開番号】特開2012−25742(P2012−25742A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138762(P2011−138762)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】