説明

イソクリシス種のエキス

【課題】ヒトの毛髪の成長及び/又はヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響又は改質するための更なる薬剤を提供すること。
【解決手段】本発明はイソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスのエキス、その化粧上の使用、皮膚への使用及び/又は治療上の使用及び組成物並びにイソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスのこのようなエキスを含む化粧製品、皮膚製品又は治療製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイソクリシス(Isochrysis)種、好ましくはタヒチアン・イソクリシス(Tahitian Isochrysis)のエキス、その化粧上の使用、皮膚への使用及び/又は治療上の使用及び組成物並びにイソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスのこのようなエキスを含む化粧製品、皮膚製品又は治療製品に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧及び皮膚科学の分野では、ヒトの毛髪の成長に影響又は改質するための薬剤を提供する、即ち、ヒトの毛髪成長の速度を増大し、かつ/又はそうしないと非増殖的な毛包からの毛髪成長を刺激するための薬剤を提供するようにとの要望が存する。同様に、ヒトの毛髪の成長の速度を低下するヒトの毛髪の成長に影響又は改質し、かつ/又は無毛になる(unhair)ための薬剤が探求される。ヒトの毛髪の成長の影響又は改質は局所に制限可能であるべきであることが好ましい。
【0003】
他方で、化粧品の分野では、ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響又は改質するための薬剤、即ち、ヒトの皮膚及び/又は毛髪の着色を増大する(以下、“ブラウニング”又は“黄褐色化”とも称される)ため、又は皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を減少する(以下、“ライトニング”とも称される)ための薬剤が探求される。
【0004】
毛髪成長は連続の、着実に進行する行為ではないが、その代わりに毛髪成長サイクルの幾つかの段階を受ける毛包中の毛髪物質の生成から生じる。毛包の静止期中には大量の毛髪物質の生成はなく、一方、毛髪成長期中に毛髪物質の生成が開始され、又は続けられる。幾つかの毛包が明らかに休止状態に変化し、その状態では明らかに不定の時間にわたって更なる毛髪物質が生成されず、毛髪の損失をもたらす。
【0005】
遺伝学的気質だけでなく、自然の老化プロセス及び/又は疾患が男性及び女性の両方で毛髪損失及び一層遅い毛髪成長に寄与する。人口の約50%が50才までにこの特徴を或る程度まで示し、その場合、性別には関係なく12才〜40才の間で毛髪が薄くなり始める(Otberg N.ら, Endocrinol Metab Clin North Am. 2007, 36(2), 379-398及びPrice V H., Investig Dermatol Symp Proc. 2003, 8(1), 24-27)。
【0006】
ヒトの毛髪の成長を増進するために、毛髪物質の生成の期間を延長し、かつ/又は、例えば、明らかに休止している毛包を再活性化することにより、毛包の静止期を短縮することがこうして提案されていた。従って、毛髪成長を刺激するだけでなく、毛髪損失を予防し、かつ遅延又は軽減することができる薬剤が脱毛症の治癒として有益であり得るだけでなく、毛髪障害と関連する心理社会的イベントに積極的に影響するので有益であり得る。研究により、ネガチブなステレオタイプと関連するボディイメージの不満、例えば、一層年をとり、一層弱くかつ一層魅力的でなくなると感じることを含む、毛髪損失による心理社会的影響が明らかになった(S. Pickard-Holley, Sem. Oncol. Nurs. 1995, 11, 235-238)。
【0007】
毛髪成長を刺激するための種々の薬剤が提案されてきた。ミノキシジル(ロガイン)、フィナステリド(プロペシア)及びデュタステリド(アボダルト)を含む薬物が毛髪損失のための認可された治療である。しかしながら、それらは医療的処方箋を必要とし、また人口の或る割合(%)のみにおいて活性である。更に、これらの薬物の幾つかは、ホルモンの作用のために、女性の使用は許されていない。従って、閉経期前の女性は、妊娠時、男性胎児における異常のリスクがあるため、フィナステリドを服用すべきではない(S. Krusら, J. Appl. Cosmetol. 2007, 25, 59-74)。
【0008】
ミノキシジルは少数パーセントの患者について毛髪成長を誘導するのに有効である薬物であり、頭皮の上部の毛髪のみを再成長させるであろう。経口服用される場合の不利な作用は、頻脈、狭心症及び液体停留である。局所適用される場合、不利な作用は、主として皮膚疾患、即ち、局所の刺激、かゆみ、乾燥及び紅斑である(S. Krusら, J. Appl. Cosmetol. 2007, 25, 59-74)。
【0009】
毛髪損失を治療するのに利用できるその他の医療治療として、徹底的な手術技術、例えば、頭皮減少、頭皮弁又は毛包単位移植が挙げられる。これらの手術は高コストは言うまでもなく、合併症のリスク、例えば、ドナー領域と関連するヘアーラインの上昇、壊死の可能性及び毛髪成長の方向の不自然な外観、感覚消失及び術後のケアーをもたらす。
【0010】
毛髪成長を誘導するとしている薬草製剤(例えば、ヘアー・プライム)は低コストで入手し得るが、それらの有効性はしばしば非常に限定的である。
【0011】
他方で、人体の一部を無毛にすることが時折望ましい。従って、例えば、頭皮に毛髪を有することは一般に好ましいが、非常にしばしば毛髪は体のその他の部分、特に肢の上、腕の下及び顔では望まれない。更に、医療措置を要する病的な毛髪成長疾患(例えば、多毛、毛包炎、偽性鬚毛包炎)がある。
【0012】
種々の処置(シェービング、電気分解、脱毛クリーム又はローション、ワックス処理、引き抜き、及び治療アンチアンドロゲンを含む)が望まれない毛髪を除去するのに使用されてきた。これらの通常の処置は一般にそれらと関連する欠点を有する。例えば、シェービングは刻み傷及び切り傷を生じることがあり、また毛髪再成長の速度の増大の認知を残し得る。また、シェービングは望ましくない無精ひげを残し得る。一方、電気分解は、治療領域を長期間にわたって無毛に保ち得るが、高価であり、痛みがあり、しかも時折瘢痕を残す。脱毛クリームは、非常に有効であるが、典型的にはそれらの高い刺激潜在性のために頻繁な使用は推奨されない。ワックス処理及び引き抜きは痛み、不快、及び短い毛髪の不十分な除去を生じ得る。最後に、女性の多毛を治療するのに使用されていた、アンチアンドロゲンは、望まれない副作用を有し得る。
【0013】
皮膚又は毛髪ライトニング活性成分は一形態又は別の形態でメラニン代謝又は異化作用に介入する。メラニン色素(これらは通常色が褐色〜黒色である)が、皮膚のメラノサイト中で生成され、ケラチノサイトに移され、皮膚又は毛髪にその色を与える。哺乳類では、褐色-黒色のユーメラニンが主としてヒドロキシ置換芳香族アミノ酸、例えば、L-チロシン及びL-DOPAから生成され、黄色〜赤色のフェオメラニンが更に硫黄含有分子から生成される(Cosmetics & Toiletries 1996, 111(5), 43-51)。L-チロシンから出発して、L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-DOPA)が銅含有主要酵素チロシナーゼにより生成され、順にチロシナーゼによりドーパクロームに変換される。種々の酵素により触媒された一連の工程により、後者が酸化されてメラニンを生成する。
【0014】
皮膚ライトニング剤が種々の理由のために使用される。或る理由のために、ヒトの皮膚中のメラニン生成メラノサイトが一様に分布されない場合、周囲の皮膚領域よりも明るい、又は暗い色素スポットが生じる。この問題を解消するために、皮膚及び毛髪ライトニング剤が販売され、これらはこのような色素スポットを調整することを少なくとも部分的に助ける。加えて、多くの人がかれらの自然に暗い皮膚の色を明るくし、又は皮膚の色素沈着を防止したいという要望を有する。毛髪ライトニング剤は再成長している望ましくない毛髪を明るくし、それにより目立たせなくする。加えて、多くの人がかれらの自然に暗い毛髪の色を明るくしたいという望みを有する。これは非常に安全かつ有効な皮膚及び毛髪ライトニング剤を必要とする。多くの皮膚及び毛髪ライトニング剤は多かれ少なかれ強力なチロシナーゼインヒビターを含む。しかしながら、これが皮膚及び毛髪ライトニングについての唯一の可能な経路である。
【0015】
更に、紫外線により生じる皮膚色素沈着の増大から皮膚を保護するために、UV吸収物質がまた使用される。しかし、これは純粋に物理的に誘導される作用であり、細胞のメラニン生成(これはまた紫外線の不在下で検出し得る)についての皮膚ライトニング剤の生物学的作用とは区別されなければならない。更に、UV吸収剤は皮膚の真のライトニングをもたらすものではなく、紫外線により生じる皮膚色素沈着の増大を単に抑制するものである。
【0016】
ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、例えば、アルブチン、ビタミンC、アスコルビン酸の誘導体、例えば、アスコルビルパルミテート、コウジ酸及びコウジ酸の誘導体、例えば、コウジ酸ジパルミテートが、特に市販の化粧又は治療の皮膚及び毛髪ライトニング製剤中に使用される。
【0017】
最も普通に使用される皮膚及び毛髪ライトナーの一つはヒドロキノンである。しかしながら、この化合物はメラノサイトに細胞傷害作用を有し、皮膚に刺激性である。その理由のために、このような製剤は、例えば、ヨーロッパ、日本及び南アフリカで化粧適用に最早正式に認可されていない。加えて、ヒドロキノンは酸化に非常に敏感であり、化粧製剤中でほんのかろうじて安定化し得る。アルブチンはヒドロキノングルコシドであり、これはin situで加水分解してヒドロキノンを生成し、それ故、まさにヒドロキノンと同じく毒物学的条件で問題である。
【0018】
ビタミンC及びアスコルビン酸誘導体は皮膚についてのみ不適な作用を有する。更に、それらはチロシナーゼインヒビターとして直接に作用しないが、その代わりにメラニン生合成の着色中間段階を減少する。
【0019】
コウジ酸(5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピラノース)はチロシナーゼインヒビターであり、これはその酵素中の銅原子をキレート化することによりその触媒作用を抑制する。それは市販の皮膚及び毛髪ライトニング剤中に使用されるが、高い感作潜在性を有し、接触アレルギーを生じる。
【0020】
他方で、体の部分を黄褐色にすることが時折望ましい。皮膚及び毛髪ブラウニング剤は、メラニン生成メラノサイトが一様に分布されない場合に、色素スポットを調整することを少なくとも部分的に助けることができる。加えて、多くの人がかれらの自然に淡い皮膚の色を着色し、太陽の放射線に暴露されずに皮膚の色素沈着を発生することを要望する。加えて、或る人は一層強くかつ均一な毛髪の色を得たいという願望を有する。この理由のために、非常に安全かつ有効な皮膚及び毛髪ブラウニング剤が必要である。
【0021】
また、きれいな皮膚の人では、太陽への高暴露が非常に重要なBビタミン葉酸の分解を生じ得ることが知られている。例えば、妊娠中の葉酸欠乏が重度の奇形をもたらす。葉酸はまたDNA合成に必要であり、それ故、精子生成に必須である。それ故、葉酸欠乏は不妊をもたらし得る。それ故、紫外線に対する保護が葉酸欠乏を防止する。
【0022】
人工皮膚ブラウニングは化粧又は医療により行なわれ、下記の主アプローチが役割を果たす。カロテン製剤が規則的に服用される場合、カロテンが皮下組織の脂肪組織中に貯蔵され、皮膚がオレンジ色から黄褐色に次第に変化する。
【0023】
ウォッシャブルメーキャップ製剤は明るい皮膚着色を得るのに使用し得る(例えば、新鮮な緑色のクルミの殻、ヘナのエキス)。
【0024】
皮膚ブラウニングはまた所謂自己黄褐色化製剤を使用して皮膚の角質層への化学変化により得られる。最も重要な活性成分はジヒドロキシアセトンである。この方法で得られた皮膚ブラウニングは洗い去られず、皮膚の通常のフレーキングで除去されるにすぎない(約5〜10日後)。ジヒドロキシアセトンはケトトリオースとして、また還元糖として分類され、それはマイラード反応のラインに沿った一連の中間工程により皮膚中のアミノ酸又はケラチン中の遊離アミノ基及びイミノ基と反応してメラノイド(これらは時折またメラノイジンと称される)として知られている褐色の物質を生成する。
【0025】
これの一つの欠点は、“日焼けした”皮膚と違って、ジヒドロキシアセトンで得られた皮膚ブラウニングが皮膚を日焼けから保護しないことである。ジヒドロキシアセトンの更なる欠点は、特に紫外線の影響下で、それが通常少量であるが、ホルムアルデヒドを放出するという事実にある。ジヒドロキシアセトンはまた不快な、薬品臭を有する。
【0026】
自己黄褐色化剤で得られる着色は日光への暴露なしに得られる。対照的に、所謂“プレ-タン(pre-tan)製品”又は“タンプロモーター”がまた利用でき、これらは日光への暴露の前に適用される必要がある。太陽のもとに、これらの製剤はその後に黄色に変化し、表皮の明黄褐色の着色を生じ、これが更に“日焼け”を増やす。
【0027】
紫外線に依存しない人工ブラウニングの別の型はホルモン(これらはまた通常(自然の)紫外線の結果として生体中で放出され、最終的にメラノサイトを刺激してメラニンを合成する)によりもたらされる。これに関して挙げられる例はプロオピオメラノコルチン(POMC)の誘導体、例えば、[アルファ]-MSH(メラノサイト刺激ホルモン)及び合成変異体(例えば、[Nle(4),D-Phe(7)]-[アルファ]-MSH)であり、これらは或る場合に天然[アルファ]-MSHよりもかなり高い活性レベルを示す。これらのホルモンは原則としてブラウニングを生じ得るが、化粧品中のそれらの使用が禁止される。何とならば、それらは医療指示なしに広く使用されるべきではない薬理学上強力な物質(ホルモン)であるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
以上のように、当業界には、ヒトの毛髪の成長及び/又はヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響又は改質するための更なる薬剤を提供することに対する継続的な要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明によれば、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスの細胞物質を、ヘキサン、酢酸エチル、エタノール、水、メタノール、イソプロパノール及びこれらの抽出剤の2種以上の混合物からなる群から選ばれた液体抽出剤で抽出する工程を含み、
その抽出がa)50℃以下の温度における24時間までの抽出剤へのその細胞物質の暴露、及びb)エキスを得るための細胞物質の除去(そのエキスは組成物であり、又は更に組成物へと更に加工される)を含むことを特徴とする、
a) ヒトの毛髪の成長及び/又は
b) ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着
に影響又は改質するための組成物を得る方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施例1-3の結果を示す。
【図2】実施例4-5の結果を示す。
【図3】実施例6-8の結果を示す。
【図4】実施例9-20の結果を示す。
【図5】実施例21-26の結果を示す。
【図6】実施例27-30の結果を示す。
【図7】実施例31-42の結果を示す。
【図8】実施例43-50の結果を示す。
【図9】実施例51-54の結果を示す。
【図10】実施例55-62の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
微小藻類(microalgae)は以前に化粧品の分野で使用されていた。例えば、EP1745794A2はヒト又は動物の原生動物感染症を予防又は治療するための微小藻類又は微小藻類エキスの使用を開示している。また、米国特許第5,767,095号はイソクリシス・ガルバナ(Isochrysis galbana)から得られたモノガラクトシル-ジエイコサペンタノイルグリセロールを含む局所抗炎症組成物を開示している。イソクリシス・ガルバナの全細胞が安定化された酸化還元電位を得るため、また海治療法のための非生物的海水を再生するためにFR2801788及びFR2676454に使用されていた。また、EP1886679、EP918517B1及びWO 94/24984のような幾つかの書類が微小藻類細胞の抽出により特定の物質を得るための方法を記載している。これらの書類のいずれもがヒトの毛髪の成長及び/又はヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響又は改質するためのイソクリシス、特にタヒチアン・イソクリシスの有用性を教示又は示唆していない。
【0032】
米国特許第2006/269497号は発毛剤としてのアスタキサンチンの使用を開示しており、またアスタキサンチンが微小藻類中に見られることを示している。イソクリシス、特にタヒチアン・イソクリシスは記載されていない。
【0033】
特開2002-068943は一般にテストステロン-5-アルファ-レダクターゼを抑制するための幾つかの微小藻類の種及び属のエキスの使用を開示している。イソクリシス目が一般に記載されている。しかしながら、その書類はまた特別な培養が微小藻類細胞を得るのに必要であり、しかも異なる培養条件が夫々の微小藻類種に必要とされることを記載している。その書類はイソクリシス属についての培養条件を開示していない。
【0034】
FR2657012A1は実施例8に藻類を水性エタノール(水:エタノール=19:1(v/v))に導入し、前記藻類を高せん断力を有するミキサー(ウルトラ・タラックス)で粉砕することにより得られたイソクリシス藻類のエキスを開示している。粉砕後、抽出が20℃で24時間行なわれた。分断された藻類が続いて濾過により分離された。これとは対照的に、本発明では、藻類は抽出の前に粉砕しない。その代わりに、細胞物質が実質的に又は完全に無傷であり、又は凍結乾燥される。分断されたイソクリシス藻類から得られた、又は得られるエキスは本発明に従って得られたものとは明らかに異なる。本発明によれば、細胞物質は100以上の細胞を含むサンプルの細胞の90%の細胞膜が、好ましくはヨウ化プロピジウム染色及び光学検査により測定して、無傷である場合に実質的に又は完全に無傷と考えられる。
【0035】
従って、本発明において、“イソクリシス種の細胞物質”、特に“タヒチアン・イソクリシスの細胞物質”は凍結乾燥された、実質的に又は完全に無傷の細胞又はこれらの混合物の組成物を表し、これらの細胞は夫々イソクリシス種細胞又はタヒチアン・イソクリシス細胞である。細胞物質は、分断された細胞の合計含量が、好ましくはヨウ化プロピジウム染色により測定して、全細胞の10%未満であることを条件として、キャリヤー媒体を含み得る。要するに、本発明に従って抽出されるものは細胞の均一にされ、又は実質的に分断された塊ではない。その代わりに、本発明の細胞物質は下記の工程:
1. イソクリシス種細胞及び/又は好ましくはタヒチアン・イソクリシス細胞を培養する工程、
2.細胞を回収して完全に、又は実質的に無傷の細胞物質を得る工程、
3.必要により工程2の細胞物質を1回又は複数の回数洗浄して、実質的に又は完全に無傷の洗浄された細胞物質を得る工程、
4.必要により工程2及び/又は工程3の細胞物質を凍結乾燥する工程
からなる方法により得られることが好ましい。
【0036】
異なる生物学的種は異なる物質を含むことが一般に知られている。従って、一種の微小藻類種の使用により得られる効果は異なる微小藻類種の使用により得られる効果を予測するのに使用し得ない。更に、以下に示されるように、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスのエキスにより得られる効果は正確な抽出条件に大きく依存し、更には使用される抽出方法の変更により逆にされるかもしれない。
【0037】
従って、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスのエキスが、ヒトの毛髪の成長及び/又はヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響又は改質するのに有益であることは驚くべきことであった。また、本発明のエキスは生物学的物質、即ち、微小藻類細胞物質から出発して簡単かつ信頼できる方法により有効な組成物の製造を有利に可能にする。
【0038】
イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスは、本発明のエキス及び組成物を得るのに使用される。タヒチアン・イソクリシスはマタイバ(タヒチ)で集められるイソクリシスの株である。本発明によれば、オーストラリアンCSIROコレクションから得られる株CS177(また海産物の培養のためのプロバソリ-ギラード国立センターでCCMP1324として、微生物の培養のためのカナジアンセンターでNEPCC601として登録されている)が使用されることが好ましい。この株はタヒチのマタイバで1977年にK. Hainesにより分離されていた。
【0039】
本発明によれば、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスの細胞物質が、ヘキサン、酢酸エチル、エタノール、水、メタノールからなる群から選ばれた液体抽出剤で抽出される。抽出剤はまた上記抽出剤の2種以上の混合物、例えば、ヘキサン/酢酸エチル1:1(v/v)の混合物であってもよい。これらの抽出剤がヒトの毛髪の成長及び/又はヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響又は改質するのに最良の結果を与えた。
【0040】
抽出のために、細胞物質が工程a)で50℃以下の温度、好ましくは16-40℃の温度、最も好ましくは20-30℃の温度で24時間までにわたって液体抽出剤と接触される。また、抽出剤への細胞物質の暴露は好ましくは24時間までにわたって、更に好ましくは1-10時間にわたって、最も好ましくは2-6時間にわたって続く。本明細書に記載された全抽出条件について、抽出が暗所で行なわれた場合に、最良の結果が得られた。また、抽出剤との細胞物質の接触中に、その物質が、好ましくは撹拌により、かき混ぜられることが好ましい。
【0041】
細胞物質対液体抽出剤の比(w:v)は以下に詳述される凍結乾燥された細胞物質を使用する場合には好ましくは200mg:1ml〜1mg:1ml、更に好ましくは140mg:1ml〜5mg:1ml、最も好ましくは80mg:1ml〜10mg:1mlである。
【0042】
抽出後に、工程b)でエキスが、好ましくは遠心分離、濾過もしくはデカント又はその他の好適な方法により、細胞物質の除去により得られる。従って、目視検査に従って粒子を含まない上澄み(典型的には黄緑色〜緑褐色の)が得られる。エキスはヒトの毛髪の成長及び/又はヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響又は改質するための組成物として使用でき、又は、更に好ましくは、以下に詳述されるような組成物に更に加工される。
【0043】
工程b)でエキスから除去された細胞物質は、典型的には数分にわたって、好ましくは1時間までにわたって、工程a)で抽出剤への別の暴露に使用し得る。従って、抽出は工程a)及びb)を1回、2回、3回又は4回、好ましくは1回又は2回繰り返すことを含むことが好ましく、夫々の工程a)で工程b)の前に夫々除去された細胞物質が使用され、工程b)のエキスが合わされる。この方法で、再現可能な組成及び高収率の抽出された活性成分を有する連続エキスが得られる。
【0044】
本発明の好ましい方法において、抽出の工程a)で使用される細胞物質は異なる抽出剤による先の抽出の工程b)で得られる。従って、2種のエキス又は組成物が提供され、その方法が繰り返されて更なるエキス又は組成物を提供し得る。
【0045】
下記の抽出により得られ、又は得られたエキス及び組成物が特に好ましい。
1.酢酸エチルによる抽出、続いてエタノールによる抽出、続いて水による抽出又は酢酸エチルによる抽出、続いて30%の水性エタノール又は水による抽出
2.メタノール又はエタノールによる抽出、続いて水による抽出
3.ヘキサンによる抽出、続いて酢酸エチルによる抽出、続いてエタノールによる抽出、続いて水による抽出
4.メタノール又はエタノールによる抽出、続いてヘキサン/酢酸エチル1:1(v/v)の混合物、ヘキサン又は酢酸エチルによる抽出、続いて水による抽出
【0046】
エキス及び組成物の光毒性は欧州共同体の公式ジャーナル(2000年4月25日からのその委員会の指示2000/33/EG、補遺II、B.41)及びOECDガイドライン432に従って5未満の光毒性指数に調節されることが好ましい。5未満の光毒性指数で、組成物は最早光毒性潜在性を有するとは考えられない。
【0047】
光毒性を調節するために、必要により合わされてもよいエキス(固体形態ではない)が3:1〜1:20(w/w)、好ましくは1:1〜1:12(w/w)の乾燥エキス:活性炭の比で活性炭で処理されることが好ましい。本発明の“乾燥エキス”という用語は、例えば、抽出剤を完全に除去することにより得られる、本発明のエキスの抽出剤を含まない重量を表す。この処理はヒトの毛髪の成長及び/又はヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響又は改質するための活性の最小の損失を生じ得る。しかしながら、その処理はそうしないとエキス中に含まれる光毒性成分を信頼できる程に除去する。この処理の更なる利益は殆どのエキスの着色の減少である。
【0048】
組成物を調製するために、抽出剤が、好ましくは蒸発又はその他の好適な方法により、(必要により合わされてもよい)エキスから除去されて、濃縮形態又は乾燥形態(乾燥エキス)のエキスを得ることが好ましく、後者は懸濁液、粘稠な液体、粉末又は顆粒として得られることが好ましい。濃縮形態は50-80質量%の乾燥分及び50-20質量%の残留抽出剤を含むことが好ましい。
【0049】
組成物は、その後必要により化粧上かつ/又は皮膚学上かつ/又は治療上許される固体キャリヤーを濃縮形態又は乾燥形態(乾燥エキス)のエキスに添加し、次いで必要によりその混合物を好適な方法により乾燥させることにより生成される。この場合、使用される生物に少なくとも毒性ではない固形物(固体)が化粧上、皮膚学上又は治療上許容される。好ましい固体はヒドロコロイド、例えば、澱粉、分解され、又は化学的もしくは物理的に変性された澱粉(特にデキストリン及びマルトデキストリン)、ラクトース、変性セルロース、アラビアゴム、ガッチゴム、トラガカントゴム、カラヤ、カラゲナン、プルラン、カードラン、キサンタンゴム、ゲランゴム、グアーゴム、ローカストビーンガム、アルギネート、寒天、ペクチン、イヌリン又はグルコース及びこれらの固体の2種以上の混合物である。
【0050】
組成物はまた必要により化粧上かつ/又は皮膚学上かつ/又は治療上許される溶媒、例えば、中性油、鉱油、シリコーンオイル、植物油、トリグリセリド、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、ポリオール脂肪酸エステル、例えば、コグニスからセチオールHEとして入手し得るPEG-7グリセリルココエート、エタノール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、1,2-ペンタンジオール又はその他の1,2-アルカンジオール、グリセリン及び水並びにこれらの溶媒の2種以上の混合物を濃縮形態又は乾燥形態(乾燥エキス)のエキスに添加し、必要により残留抽出剤を好適な方法により完全に除去することにより生成し得る。本発明に従って調製されたこのような組成物は特に化粧目的のために直ぐに更に加工できる。これらの組成物は必要により可溶化剤、防腐剤又は酸化防止剤の添加により調製し得る。
【0051】
1,2-ペンタンジオールもしくは1,2-ヘキサンジオール又はこれらのジオールの一種と上記溶媒の一種以上の混合物、例えば、水と1,2-ジオールの混合物が溶媒として選ばれることが最も好ましい。ジオールは非常に良好な可溶化特性を有するだけでなく、生物利用能増強及び加湿活性を示す。更に、1,2-ジオールの濃度に応じて、組成物を微生物増殖から保護するのに更なる防腐剤が必要とされず、又はごく減量されたレベルの防腐剤が必要とされる。酸化防止剤、例えば、トコフェロールもしくはトコフェロール混合物、トコフェロールアセテート、BHT又はその他の好適な酸化防止剤がまた容易に混入される。
【0052】
非常に親油性のエキス、例えば、ヘキサンエキス又は酢酸エチルエキスについて、中性油、鉱油、シリコーンオイル、植物油、トリグリセリド、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、ポリオール脂肪酸エステル、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート及びエタノール並びにこれらの溶媒の2種以上の混合物が好ましい。
【0053】
エキス又はエキスを含む液体もしくは固体組成物はまた固体シェル物質によるカプセル化により更に加工でき、これは澱粉、分解され、又は化学的もしくは物理的に変性された澱粉(特にデキストリン及びマルトデキストリン)、ゼラチン、ワックス物質、リポソーム、アラビアゴム、寒天、ガッチゴム、ゲランゴム、変性セルロース及び未変性セルロース、プルラン、カードラン、カラゲナン、アルギン酸、アルギネート、ペクチン、イヌリン、キサンタンゴム及び上記物質の2種以上の混合物から選ばれることが好ましい。
【0054】
固体シェル物質はゼラチン(豚肉、牛肉、家禽及び/又は魚のゼラチン並びにこれらの混合物が有利であり、好ましくは200以上のブルーム値を有し、好ましくは240以上のブルーム値を有する少なくとも一種のゼラチンを含む)、マルトデキストリン(好ましくはトウモロコシ、小麦、タピオカ又はジャガイモから得られ、好ましいマルトデキストリンは10〜20の範囲のDE値を示す)、変性セルロース(例えば、セルロースエーテル)、アルギネート(例えば、アルギン酸Na)、カラゲナン(ベータ-カラゲナン、イオタ-カラゲナン、ラムダ-カラゲナン及び/又はカッパー-カラゲナン)、アラビアゴム、カードラン及び/又は寒天から選ばれることが好ましい。ゼラチンは特に種々のブルーム値でその良好な生体利用能のために使用される。製造は、例えば、EP0389700A、日本特許第7196478号、米国特許第4,251,195号、同第6,214,376号、WO 03/055587又はWO 2004/050069に記載されたように行ない得る。
【0055】
本発明に従って得られ、又は得られた液体、固体(乾燥エキス以外)又はカプセル化形態の組成物は全組成物に対して0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、最も好ましくは0.1-5質量%の乾燥エキスを含む。
【0056】
本発明によれば、ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着に影響するのにほんの低い活性を有し、又は有しないヒトの毛髪の成長を刺激するための組成物が提供され、その組成物は抽出剤としてメタノールを使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含む。驚くことに、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシス、細胞物質、特に凍結乾燥された物質をメタノールで直接抽出することにより、上記効果が得られることがわかった。
【0057】
更に本発明によれば、ヒトの毛髪の成長を刺激し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するための組成物が提供され、その組成物は抽出剤として酢酸エチルを使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含む。驚くことに、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシス、細胞物質、特に凍結乾燥された物質を酢酸エチルで直接抽出することにより、上記効果が得られることがわかった。
【0058】
更に本発明によれば、ヒトの毛髪の成長を刺激し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するための組成物が提供され、その組成物はそのバイオマスを抽出剤としてのメタノールで最初に抽出した後にヘキサン/酢酸エチル1:1(v/v)混合物を使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含む。驚くことに、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシス、細胞物質、特に凍結乾燥された物質をメタノールで抽出し、続いてヘキサン/酢酸エチル1:1(v/v)で抽出することにより、上記効果が得られることがわかった。このエキスの更なる利益はその非常に明るい黄色の着色である。また本発明によれば、ヒトの毛髪の成長を刺激するのにほんの低い活性を有しないで、又は有して、ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するための組成物が提供され、その組成物は抽出剤として水を使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含む。驚くことに、好ましくはメタノール、エタノール、酢酸エチル及び/又はヘキサン又はこれらの溶媒の2種以上の混合物による凍結乾燥された物質の先の抽出後に、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシス、細胞物質を水で抽出することにより、上記効果が得られることがわかった。
【0059】
ヒトの毛髪の成長を抑制しつつ、ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するために、酢酸エチル又はヘキサンによる抽出、続いて酢酸エチルによる抽出後に得られた細胞物質について抽出剤としてエタノールを使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含む組成物が本発明に従って提供される。再度驚くことに、このような組成物は上記効果を得ることを可能にする。
【0060】
また本発明によれば、ヒトの毛髪の成長を抑制し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を減少するための組成物が提供され、その組成物は抽出剤としてエタノールを使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含む。驚くことに、イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシス、細胞物質、特に凍結乾燥された物質をエタノールで直接抽出することにより、上記効果が得られることがわかった。
【0061】
本発明の組成物は化粧製品、皮膚製品又は治療製品の一部であることが有利であり得る。このような製品中に、組成物がヒトの皮膚及び/又は毛髪へのその製品の適用又は経口消費後に上記効果を得るのに充分な量で存在することが好ましい。
【0062】
化粧製品、皮膚製品又は治療製品(局所又は経口適用のための)中の組成物の濃度は全製品の
−少なくとも0.001ppm、好ましくは少なくとも0.01ppm、最も好ましくは少なくとも0.1ppm、かつ
−せいぜい100ppm、好ましくはせいぜい50ppm、最も好ましくはせいぜい10ppmの乾燥エキスであることが好ましい。
本発明の化粧製品、皮膚製品又は治療製品はそれ自体知られている通常の方法により製造され、その結果、エキス又はエキス組成物が化粧製品、皮膚製品又は治療製品(これらは通常の組成を有することができ、また上記効果に加えて皮膚又は毛髪の治療、ケアー及び洗浄に使用し得る)に混入される。
【0063】
本発明のエキス又はエキス組成物についての使用の必須の分野は(本発明のエキスの存在は別として)化粧又は皮膚の光保護のため、皮膚及び/又は毛髪の治療、ケアー及び洗浄のため、或いは装飾化粧品中のメーキャップ製品として利用できる化粧製品、皮膚製品又は治療製品である。それ故、このような製品は、例えば、洗浄組成物、例えば、石鹸、合成洗剤、洗浄液、シャワー及び浴製剤、スキンケアー組成物、例えば、エマルション(溶液、分散液、懸濁液として;W/O、O/W又は多重乳剤、PITエマルション、エマルションフォーム、ミクロエマルション又はナノエマルション、ピッカーリングエマルション型(調製方法及び成分に応じて)のクリーム、ローション又はミルク)、軟膏、ペースト、ゲル(ヒドロゲル、ヒドロ分散ゲル、オレオゲルを含む)、アルコール性又は水性/アルコール性溶液、オイル、トナー、バルサム、血清、粉末(例えば、フェースパウダー、ボディパウダー)、拭くためのソーキング液、オードトワレ、オーデコロン、香水、ワックス(マスク、ムース、スティック、ペンシル、ロール-オンとしての提示形態を含む)、(ポンプ)スプレー、エアロゾル(フォーミング、ノン-フォーミング又はアフター-フォーミング)、足ケアー組成物(角質溶解剤、消臭剤を含む)、虫除け組成物、日焼け止め組成物、自己黄褐色化組成物及び/又はアフターサン製剤としてのスキンケアー組成物(上記された)、シェービング組成物又はアフターシェーブ、毛髪除去組成物、毛髪ケアー組成物、例えば、シャンプー(通常の毛髪、あぶらぎった毛髪、乾燥した、ストレスを受けた(損傷された)毛髪のためのシャンプー、2-in-1シャンプー、ふけ防止シャンプー、ベビーシャンプー、乾燥頭皮のためのシャンプー、シャンプー濃厚物を含む)、コンディショナー、毛髪トリートメントケアー、ヘアートニック、ヘアーローション、ヘアーリンス、スタイリングクリーム、ポマード、永久ウェーブ組成物及び固定組成物、ヘアースムーシング組成物(ストレートニング組成物、リラクサー)、ヘアーセッティング組成物、スタイリング助剤(例えば、ゲル又はワックス);ブロンディング組成物、毛髪着色組成物、例えば、一時的な、直接吸収される、半永久毛髪着色組成物、永久毛髪着色組成物、装飾ボディケアー組成物、例えば、ネイルケアー組成物(ネイルワニス及びネイルワニス除去剤)、装飾化粧品(例えば、パウダー、アイシャドー、カージャルペンシル、リップスティック、マスカラ)、メーキャップ、メーキャップ除去剤としてのスキンケアー組成物、消臭剤及び/又は発汗防止剤としてのスキンケアー組成物として存在し得る。
【0064】
また、エキス又はエキス組成物を、例えば、錠剤、糖剤、カプセル、ジュース、溶液及び顆粒の形態で、又は食養法に使用される経口消費可能な製品(食品としてのそれらの機能に加えて内面からの美を与える)の形態で経口投与することが有利である。
【0065】
本発明の組成物は、特に化粧品中で、更なる通常の成分、例えば、防腐剤、特にUS2006/0089413に記載されたもの、抗菌剤、例えば、抗菌剤又は酵母及びカビを措置するための薬剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、にきび予防薬及び皮脂減少剤、特にWO 2008/046791に記載されたもの、皮膚の老化に対する化合物、特にWO 2005/123101に記載されたもの、ふけ防止剤、特にWO 2008/046795に記載されたもの、刺激防止剤(抗炎症薬、刺激予防剤、刺激抑制剤)、特にWO 2007/042472及びUS2006/0089413に記載されたもの、酸化防止剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、キャリヤー物質、特にWO 2005/123101に記載されたもの、キレート剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、消臭剤及び発汗防止剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、水分調節剤(加湿剤、乾燥防止物質、保湿物質)、特にWO 2005/123101に記載されたもの、オスモライト、特にWO 2005/123101に記載されたもの、適合溶質、特にWO 01/76572及びWO 02/15868に記載されたもの、タンパク質及びタンパク質加水分解物、特にWO 2005/123101及びWO 2008/046676に記載されたもの、皮膚ライトニング剤、特にWO 2007/110415に記載されたもの、皮膚黄褐色化剤、特にWO 2006/045760に記載されたもの、清涼剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、皮膚清涼剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、加温剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、紫外線吸収剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、紫外線フィルター、特にWO 2005/123101に記載されたもの、WO 2005/107692記載のベンジリデン-ベータ-ジカルボニル化合物及びWO 2006/015954記載のアルファ-ベンゾイル-ケイ皮酸ニトリル、虫除け剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、植物部分、植物エキス、特にWO 2005/123101に記載されたもの、ビタミン、特にWO 2005/123101に記載されたもの、乳化剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、ゲル化剤、特にWO 2005/123101に記載されたもの、
【0066】
油、特にWO 2005/123101に記載されたもの、ワックス、特にWO 2005/123101に記載されたもの、脂肪、特にWO 2005/123101に記載されたもの、リン脂質、特にWO 2005/123101に記載されたもの、飽和脂肪酸及びモノ-又はポリ不飽和脂肪酸並びにα-ヒドロキシ酸及びポリヒドロキシ-脂肪酸並びに飽和及び/又は不飽和の分岐及び/又は非分岐アルカンカルボン酸のエステル、特にWO 2005/123101に記載されたもの、表面活性物質(表面活性剤)、特にWO 2005/123101に記載されたもの、コレステロール及び/又は脂肪酸及び/又はセラミド及び/又はシュードセラミドを含む皮膚修復剤、特にWO 2006/053912に記載されたもの、染料及び着色剤並びに色素、特にWO 2005/123101に記載されたもの、香気薬品及び風味料並びにフレグランス、特にS. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, プライベート公表ハウス, Montclair, N.J., 1969及びSurburg, Panten, Common Fragrance and Flavor Materials, 第5編, Wiley-VCH, Weinheim 2006に記載されたもの、好ましくはUS2008/0070825に明記されたもの、アルコール及びポリオール、特にWO 2005/123101に記載されたもの、有機溶媒、特にWO 2005/123101に記載されたもの、シリコーン及びシリコーンオイル並びにシリコーン誘導体、特にWO 2008/046676に記載されたもの、抗ウイルス薬、研磨剤、アンチセルライト薬、収れん薬、防腐薬、帯電防止剤、バインダー、緩衝剤、細胞刺激薬、洗剤、ケアー剤、脱毛剤、軟化剤、酵素、エッセンシャルオイル、特にUS2008/0070825に記載されたもの、繊維、フィルム形成剤、定着剤、フォーム形成剤、フォーム安定剤、発泡を防止するための物質、フォームブースター、ゲル形成剤、毛髪成長活性剤、毛髪成長インヒビター、毛髪ケアー剤、毛髪セッティング剤、毛髪ストレートニング剤、毛髪スムースニング、漂白剤、ストレートニング剤、しみ除去剤、増白剤、含浸剤、汚れ反発剤、摩擦減少剤、潤滑剤、不透明剤、可塑剤、カバリング剤、研磨剤、光沢剤、ポリマー、特にWO 2008/046676に記載されたもの、粉末、ペプチド、単糖類、二糖類及びオリゴ糖類、リオイリング剤、摩擦剤、皮膚平滑剤、皮膚洗剤、皮膚ケアー剤、皮膚治癒剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、皮膚平滑剤、栄養剤、皮膚加温剤、安定剤、洗剤、ファブリックコンディショニング剤、懸濁剤、増粘剤、酵母エキス、藻類又は微小藻類エキス、動物エキス、液化剤、着色保護剤、防錆剤及び電解質と有利に組み合わされ得る。
【0067】
補助物質及び添加剤が、製品の合計質量を基準として、5〜99.99質量%、好ましくは10〜80質量%の量で含まれ得る。夫々の場合に使用される化粧助剤又は皮膚助剤及び添加剤並びに香水の量は、特別な製品の性質に応じて、簡単な試験及びエラーにより当業者により容易に決められる。
製品はまた製品の合計質量を基準として、99.99質量%まで、好ましくは5〜80質量%の量の水を含み得る。
【0068】
本発明の製品は一種以上の更なる毛髪成長変調剤を含み得る。一部相乗効果に基づく一層迅速な毛髪成長変調はこの方法で達成し得る。
毛髪成長を刺激するための薬剤は、例えば、ピリミジン誘導体、例えば、2,4-ジアミノピリミジン-3-オキサイド(アミネキシル)、2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン-3-オキサイド(ミノキシジル)及びこれらの誘導体、6-アミノ-1,2-ジヒドロ-1-ヒドロキシ-2-イミノ-4-ピペリジノピリミジン及びその誘導体、ピリドキシン塩酸塩、キサンチンアルカロイド、例えば、カフェイン、テオブロミン及びテオフィリン並びにこれらの誘導体、6-(ベンジルアミノ)プリン(またサイトキニンBとして知られている)、パントテン酸及びその誘導体、ケルセチン及びその誘導体、ジヒドロケルセチン(タキシフォリン)及びその誘導体、カリウムチャンネルオープナー、抗アンドロゲン剤、合成又は天然の5-還元酵素インヒビター、ニコチン酸エステル、例えば、トコフェリルニコチネート、ベンジルニコチネート及びC1-C6アルキルニコチネート、タンパク質、例えば、トリペプチドLys-Pro-Val、ジフェンシプレン、ホルモン、フィナステリド、デュタステリド、フルタミド、ビカルタミド、プレグナン誘導体、プロゲステロン及びその誘導体、シプロテロンアセテート、スピロノラクトン及びその他の利尿薬、カルシニューリンインヒビター、例えば、FK506(タクロリムス、フジマイシン)及びその誘導体、シクロスポリンA及びその誘導体、グリセリルモノペンタデカノエート又は毛髪毛包中のATP生成のその他のプロモーター、モノニトログアイアコール、ビオチン、カルプロニウムクロリド、トコフェロール及びその誘導体、セファランチン、硫黄、ビタミンB6、グリシルレチン酸及びその誘導体、イノシトール、ヒノキチオール、メチオニン、セリン、スレオニン、亜鉛及び亜鉛塩、ポリフェノール、プロシアニジン、プロアントシアニジン、フィトステロール、例えば、ベータ-シトステロール、ビオチン、ユージノール、(±)-ベータ-シトロネルロール、パンテノール、グリコーゲン(例えば、イガイからの)、カンコーソー、胎盤エキス、ロイヤルゼリーエキス、デュークエキス、微生物、藻類、微小藻類又は例えば、タンポポ属(レオントドン又はタラキサカム)、オルトシフォン属、ビテックス属、コーヒー属、ガラナ属、テオブロマ属、ウスバサイシン属、カボチャ属、センブリ属、トウガラシ属又はエンジュ属の植物及び植物部分からのエキス、ノコギリヤシ、クララ、ビジウム、キビ、ブラックコホシュ、ダイズ、クローブ、蚕沙、ハグマノキ、ブッソウゲ、チャノキ、イェルバマテエキス、ツルドクダミ、甘草、ブドウ、チョウセンニンジン、イチョウ、リンゴ、オオムギもしくはホップ又は/及び米もしくは小麦からの加水分解産物である。
【0069】
毛髪成長を抑制するための薬剤は、例えば、アクチビン、アクチビン誘導体又はアクチビンアゴニスト、オルニチンデカルボキシラーゼインヒビター、例えば、アルファ-ジフルオロメチルオミチン又は五環式トリテルペン、例えば、ウルソル酸、ベツリン、ベツリン酸、オレアノール酸及びその誘導体、オルニチンアミノトランスフェラーゼインヒビター、セリンプロテアーゼ、5-アルファ-還元酵素インヒビター、5-リポキシゲナーゼインヒビター、シクロオキシゲナーゼインヒビター、タンパク質-チロシンキナーゼインヒビター、タンパク質キナーゼCインヒビター、スルホトランスフェラーゼインヒビター、一酸化窒素シンセターゼインヒビター、アルカリホスファターゼインヒビター、エラスターゼのような酵素のインヒビター、中性エンドペプチダーゼインヒビター、マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター、システイン経路酵素のインヒビター、アンドロゲン受容体アンタゴニスト、S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼインヒビター、ガンマ-グルタミルトランスペプチダーゼインヒビター、トランスグルタミナーゼインヒビター、VEGFモジュレーター、毛包の細胞の膜を横切ってのグルコース移入をブロックする化合物、例えば、フロレチン、ダイズ由来セリンプロテアーゼインヒビター、微生物、藻類、微小藻類又は、例えば、マメ科、ナス科、イネ科、ガガイモ科又はウリ科、ツノマタ属、フノリ属、イギス属、ダニビリマ属、ダイズ属、ワレモコウ属、オフィキナリス属、カレンデュラ・オフィキナリス、ハマメリス・ヴィルギニアーナ、アルニカ・モンタナ、シロヤナギ、西洋オトギリソウ又はギヌネマ・シルベスタの植物及び植物部分からのエキスである。
【0070】
その時に本発明の製剤中の毛髪成長の変調のための付加的な活性成分(一種以上の化合物)の上記例の量はその製品の合計質量を基準として、好ましくは0.00001〜30質量%、好ましくは0.0001〜20質量%、特に好ましくは0.001〜5質量%である。
【0071】
本発明の製品はまた好ましくは皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を変調し、かつ化粧(例えば、皮膚)適用及び/又は治療適用に適しているその他の活性成分を含み得る。相乗効果に一部基づく皮膚及び/又は毛髪の色素沈着の一層迅速な変調がこの方法で達成し得る。
【0072】
これに関して有利な皮膚及び毛髪のライトニング活性成分はコウジ酸(5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピラノン)、コウジ酸誘導体、例えば、コウジ酸ジパルミテート、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、レゾルシノール、硫黄含有分子、例えば、グルタチオン又はシステイン、アルファ-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)及びこれらの誘導体、N-アセチルチロシン及びその誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、4-アルキルレゾルシノール、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン、クロモン誘導体、例えば、アロエシン、フラボノイド、チモール誘導体、1-アミノエチルホスフィン酸、チオ尿素誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド(ニアシナミド)、亜鉛塩、例えば、塩化亜鉛又はグルコン酸亜鉛、シジャプリシン及びその誘導体、トリテルペン、例えば、マスリン酸、ステロール、例えば、エルゴステロール、ベンゾフラノン、例えば、センキウノリド、ビニルグアイコール及びエチルグアイコール、ジオン酸、例えば、オクタデセンジオン酸及びアゼライン酸、酸化窒素合成のインヒビター、例えば、L-ニトロアルギニン及びその誘導体、2,7-ジニトロインダゾール又はチオシトルリン、金属キレーター(例えば、アルファ-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びこれらの誘導体)、レチノイド、大豆のミルク及びエキス、セリンプロテアーゼインヒビターもしくはリポ酸又は皮膚及び毛髪のライトニングのためのその他の合成もしくは天然の活性成分であり、後者はまた植物からのエキス、例えば、ウワウルシエキス、米エキス、パパイヤエキス、甘草エキス又はそれから濃縮された成分、例えば、グラブリジン又はリコカルコンA、バンノキエキス、ルメックス種及びラムラス種のエキス、マツ種(ピヌス)のエキス、ビチス種のエキス又はこれらから濃縮されたスチルベン誘導体、ユキノシタ、クワ、スクテラリア及び/又はブドウのエキスの形態で使用される。
【0073】
これに関して有利な皮膚及び毛髪の黄褐色化活性成分はチロシナーゼの基質又は基質類似体、例えば、L-チロシン、N-アセチルチロシン、L-DOPA又はL-ジヒドロキシフェニルアラニン、キサンチンアルカロイド、例えば、カフェイン、テオブロミン及びテオフィリン並びにこれらの誘導体、プロオピオメラノコルチンペプチド、例えば、ACTH、アルファ-MSH、これらのペプチド類似体及びメラノコルチン受容体に結合するその他の物質、ペプチド、例えば、Val-Gly-Val-Ala-Pro-Gly、Lys-Ile-Gly-Arg-Lys又はLeu-Ile-Gly-Lys、プリン、ピリミジン、葉酸、銅塩、例えば、グルコン酸銅、塩化銅又はピロリドン酸銅、1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール、例えば、5-ピラジン-2-イル-1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール、クルクミン、ジグリシン酸亜鉛(Zn(Gly)2)、例えば、EP0584178に記載された重炭酸マグネシウム(II)錯体(“シュードカタラーゼ”)、例えば、WO 2005/032501に記載された四置換シクロヘキセン誘導体、WO 2005/102252及びWO 2006/010661に記載されたイソプレノイド、メラニン誘導体、例えば、メラシン-100及びメランZe、ジアシルグリセロール、脂肪族又は環式ジオール、プソラレン、プロスタグランジン及びこれらの類似体、アデニレートシクラーゼのアクチベーター及びケラチノサイトへのメラノソームの移入を活性化する化合物、例えば、セリンプロテアーゼ又はPAR-2受容体のアゴニスト、クリサンセサム種、ワレモコウ種の植物及び植物部分のエキス、クルミエキス、ウルクンエキス、ルバーブエキス、トレハロース、エリトルロース及びジヒドロキシアセトンである。皮膚及び毛髪の着色又はブラウニングをもたらすフラボノイド(例えば、ケルセチン、ラムネチン、カンフェロール、フィセチン、ゲニステイン、ダイドゼイン、クリシン及びアピゲニン、エピカテキン、ジオスミン及びジオスメチン、モリン、ケルシトリン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、フロリドジン及びフロレチン)がまた使用し得る。
【0074】
その時に本発明の製品中の皮膚及び毛髪の色素沈着の変調のための付加的な活性成分(一種以上の化合物)の上記例の量はその製剤の合計質量を基準として、好ましくは0.00001〜30質量%、好ましくは0.0001〜20質量%、特に好ましくは0.001〜5質量%である。
【0075】
化粧上かつ/又は皮膚学上の活性製品の形態の本発明の製品は化粧品及び皮膚薬品に通常の様式で充分な量で皮膚及び/又は毛髪に適用される。この場合、更に日焼け止め製品として作用する本発明の化粧製品及び皮膚製品は特別な利点を与える。これらの製品(製剤)は少なくとも一種のUVAフィルター及び/又は少なくとも一種のUVBフィルター及び/又は少なくとも一種の無機色素を有利に含む。この場合、製品は、例えば、日焼け止め製剤に通常使用されるような種々の形態であってもよい。それらは、例えば、溶液、油中水(W/O)型もしくは水中油(O/W)型のエマルション又は、例えば、水中油中水(W/O/W)型の多重エマルション、ゲル、水分散液、固形スティック又はエアロゾルであってもよい。
【0076】
記載されたように、本発明の製品は紫外線を吸収する物質と有利に合わせられ、そのフィルター物質の合計量は、毛髪又は皮膚を紫外線から保護する化粧製品を提供するために、製剤の合計質量を基準として、例えば、0.01〜40質量%、好ましくは0.1〜10質量%、特に1.0〜5.0質量%である。
【0077】
本発明の好ましい製品は、好ましくは油中水(W/O)型もしくは水中油(O/W)型の水性エマルション又は、例えば、水中油中水(W/O/W)型の多重エマルション、更に好ましくは油中水(W/O)型のエマルションの形態の日焼け止め製剤である。
【0078】
本発明の好ましい日焼け止め製剤(製品)は、日焼け止め製剤の合計質量を基準として、10質量%より多く、好ましくは12質量%から40質量%までの範囲、更に好ましくは15質量%から35質量%までの範囲の合計量の有機UVフィルターを含む。
【0079】
この場合、有利な有機UVフィルターは
・p-アミノ安息香酸
・(25モル)エトキシル化p-アミノ安息香酸エチルエステル
・p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシルエステル
・(2モル)N-プロポキシル化p-アミノ安息香酸エチルエステル
・p-アミノ安息香酸グリセロールエステル
・サリチル酸ホモメンチルエステル(ホモサレート)(ネオヘリオパン(登録商標)HMS)
・サリチル酸-2-エチルヘキシルエステル(ネオヘリオパン(登録商標)OS)
・トリエタノールアミンサリチレート
・4-イソプロピルベンジルサリチレート
・アントラニル酸メンチルエステル(ネオヘリオパン(登録商標)MA)
・ジイソプロピルケイ皮酸エチルエステル
・p-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルエステル(ネオヘリオパン(登録商標)AV)
・ジイソプロピルケイ皮酸メチルエステル
・p-メトキシケイ皮酸イソアミルエステル(ネオヘリオパン(登録商標)E1000)
・p-メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン塩
・p-メトキシケイ皮酸イソプロピルエステル
・2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(ネオヘリオパン(登録商標)303)
・エチル-2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート
・2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸及び塩(ネオヘリオパン(登録商標)ヒドロ)
・3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オンメチルスルフェート
・テレフタルイリデンジボルナンスルホン酸及び塩(メキソリル(登録商標)SX)
【0080】
・4-t-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)/((ネオヘリオパン(登録商標)357)
・β-イミダゾール-4(5)-アクリル酸(ウロカン酸)
・2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(ネオヘリオパン(登録商標)BB)
・2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸
・ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン
・2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン
・テトラヒドロキシベンゾフェノン
・2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン
・2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン
・2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン
・3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及び塩
・3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-ショウノウ(ネオヘリオパン(登録商標)MBC)
・3-ベンジリデン-d,l-ショウノウ
・4-イソプロピルジベンゾイルメタン
・2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン
・フェニレンビス-ベンズイミダジルテトラスルホン酸二ナトリウム塩(ネオヘリオパン(登録商標)AP)
・2,2'-(1,4-フェニレン)-ビス-(1H-ベンゾイミダゾール-4,6-ジスルホン酸)一ナトリウム塩
【0081】
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・フェノール,-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル),(メキソリル(登録商標)XL)
・4,4'-[(6-[4-(1,1-ジメチルアミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ]-ビス-(安息香酸-2-エチルヘキシルエステル)(ユバソーブ(登録商標)HEB)
・2,2'-メチレンビス-(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール)、(チノソーブ(登録商標)M)
・2,4-ビス-[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジン
・ベンジリデンマロネートポリシロキサン(パルソル(登録商標)SLX)
・グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシシンナメート
・二ナトリウム-2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ-5,5'-ジスルホベンゾフェノン
・ジプロピレングリコールサリチレート
・ナトリウムヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホネート
・4,4',4-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)-トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシルエステル)(ユビヌル(登録商標)T150)
・2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(チノソーブ(登録商標)S)
・2,4-ビス-[{(4-(3-スルホネート)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンナトリウム塩
・2,4-ビス-[{(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-[4-(2-メトキシエチルカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス-[{4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-[4-(2-エチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン
【0082】
・2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス-[{4-トリス-(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス-[{4-(2”-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス-[{4-(1',1',1',3',5',5',5'-ヘプタメチルシロキシ-2”-メチルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(ユビヌル(登録商標)Aプラス)
・WO 02/38537のインダニリデン化合物である。
【0083】
好ましくは上述した量の、本発明の製品中に特に好ましい有機UVフィルター(特にそれらが日焼け止め製剤の形態である場合)は
・p-アミノ安息香酸
・3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オンメチルスルフェート
・サリチル酸ホモメンチルエステル(ネオヘリオパン(登録商標)HMS)
・2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(ネオヘリオパン(登録商標)BB)
・2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(ネオヘリオパン(登録商標)ヒドロ)
・テレフタルイリデンジボルナンスルホン酸及び塩(メキソリル(登録商標)SX)
・4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(ネオヘリオパン(登録商標)357)
・3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及び塩
・2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(ネオヘリオパン(登録商標)303)
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・p-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルエステル(ネオヘリオパン(登録商標)AV)
・(25モル)エトキシル化p-アミノ安息香酸エチルエステル
・p-メトキシケイ皮酸イソアミルエステル(ネオヘリオパン(登録商標)E1000)
・2,4,6-トリアニリロ-(p-カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン(ユビヌル(登録商標)T150)
・フェノール,2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル),(メキソリル(登録商標)XL)
・4,4'-[(6-[4-(1,1-ジメチルアミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ]-ビス-(安息香酸-2-エチルヘキシルエステル)(ユバソーブ(登録商標)HEB)
・3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-ショウノウ(ネオヘリオパン(登録商標)MBC)
・3-ベンジリデンショウノウ
・サリチル酸-2-エチルヘキシルエステル(ネオヘリオパン(登録商標)OS)
・4-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシルエステル(パジメートO)
・ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びNa塩
・2,2'-メチレンビス-(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール)(チノソーブ(登録商標)M)
・フェニレンビス-ベンズイミダジルテトラスルホン酸二ナトリウム塩(ネオヘリオパン(登録商標)AP)
・2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(チノソーブ(登録商標)S)
・ベンジリデンマロネートポリシロキサン(パルソル(登録商標)SLX)
・メンチルアントラニレート(ネオヘリオパン(登録商標)MA)
・2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(ユビヌル(登録商標)Aプラス)
・WO 02/38537のインダニリデン化合物である。
【0084】
日焼け止め製剤の形態の本発明の製品は15以上、好ましくは20以上、更に好ましくは30以上のSPF(太陽保護係数)を有することが好ましい。
【0085】
日焼け止め製剤の形態の本発明の好ましい製品は、好ましくは日焼け止め製剤の合計質量を基準として、0.2-10質量%の範囲、更に好ましくは0.5-5質量%の範囲の量の、4-(1,1-ジメチルエチル)-4'-メトキシジベンゾイルメタン(4-t-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン:アボベンゾン)を含む。
【0086】
成分(a)及び(b)を含む好ましい日焼け止め製剤では、そのpH値はpH4からpH8まで、好ましくはpH4からpH6.5までの範囲である。
【0087】
本発明の製品は一種以上の適合性の溶質を含んでもよい。好ましい適合性の溶質、即ち、ジミオ-イノシトールホスフェート(DIP)、ジグリセリンホスフェート(DGP)、ジ-ミオ-イノシトールホスフェート(DIP)、環状2,3-ジホスホグリセレート(cDPG)、1,1-ジ-グリセロールホスフェート(DGP)、ベータ-マンノシルグリセレート(フィロイン)、ベータ-マンノシルグリセラミド(フィロイン-A)及びジ-マンノシル-ジ-イノシトールホスフェート(DMIP)がWO 01/76572に記載されており、またEP0553884A、EP0671161A及びWO 94/15923に記載されているような、エクトイン及びエクトイン誘導体、特に((S)-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-メチル-4-ピリミジンカルボン酸)及びヒドロキシエクトイン((S,S)-1,4,5,6-テトラヒドロ-5-ヒドロキシ-2-メチル-4-ピリミジンカルボン酸)が同様に好ましい。
好ましくは、適合性の溶質の合計質量は、本発明の製品の合計質量を基準として、0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。
【0088】
また、メントール、好ましくはl-メントール、メントングリセリンアセタール(トレード名:フレスコラート(登録商標)MGA)、メンチルラクテート(好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチル-l -ラクテート、トレード名:フレスコラート(登録商標)ML)、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えば、メンチル-3-カルボン酸-N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル-3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル-2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセリンケタール、3-メンチル-3,6-ジ-及びトリオキサルカノエート、3-メンチルメトキシアセテート、N-(4-シアノメチルフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、N-(4-シアノフェニル)-p-メンタンカルボキサミド及びイシリンからなる群から選ばれた一種以上の清涼剤を含む本発明の製品が好ましい。
【0089】
好ましい清涼剤はl-メントール、メントングリセリンアセタール(トレード名:フレスコラート(登録商標)MGA)、メンチルラクテート(好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチル-l-ラクテート、トレード名:フレスコラート(登録商標)ML)、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネートであり、l-メンチル-l-ラクテートが特に好ましい。
【0090】
本発明の製品は一種以上のアンチセルライト剤だけでなく、アンチセルライト剤の活性を高め、又は増大する薬剤を含んでもよい。
【0091】
アンチセルライト剤及び脂肪分解剤はWO 2007/077541に記載されたもの、及びベータ-アドレナリン作用性受容体アゴニスト、例えば、シネフリン及びその誘導体からなる群から選ばれることが好ましい。
【0092】
アンチセルライト剤の活性を高め、又は増大する薬剤、特にC神経線維を刺激し、かつ/又は脱分極する薬剤はカプサイシン及びその誘導体、バニリル-ノニルアミド及びその誘導体、L-カルニチン、補酵素A、イソフラボノイド、大豆エキス、アナナスエキス及び共役リノール酸からなる群から選ばれることが好ましい。
【0093】
本発明の或る種の製品について、更にグリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2,5-ヘキサンジオール、3,6-オクタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,3-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、1,3-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,2-テトラデカンジオールからなる群から選ばれた一種、二種又はそれ以上の化合物を含むものが好ましい。
【0094】
加えて、本発明の製品は更にキトサン、トタロール、ファルネソール、グリセロールモノラウレート、アリールアルキルアルコール、例えば、4-メチル-4-フェニル-2-ペンタノール及びその誘導体(DE10143434、特に4-メチル-4-フェニル-2-ペンタノール)、ミュゲアルコール(2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール)、その他のアリールアルキルアルコール(例えば、DE4447361、DE10330697、米国特許第4,110,430号又はEP1157687に開示されているような)、2-ブチルオクタン酸、2-ヘキシルデカン酸、p-アニス酸、抗菌性を有するエッセンシャルオイル及び、例えば、チモール又はユーゲノールのような抗菌性を有するエッセンシャルオイルからの単離物、パーヒュームオイル又は抗菌活性を有する単一アロマ薬品、ポリグリセロールエステル、例えば、ポリグリセリル3-カプリレート、又は上記物質の組み合わせのような既知の抗菌薬(これらは、とりわけ、腕の下の臭い、足の臭い、にきび又はふけ生成に対して一般に使用される)を含んでもよい。
【0095】
本発明の製品において、(金属)キレーターとの組み合わせが或る場合に有利である。ここで使用されることが好ましい(金属)キレーターは、とりわけ、α-ヒドロキシ脂肪酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α-ヒドロキシ酸、例えば、とりわけ、クエン酸、乳酸及びリンゴ酸、並びにフミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン又はEDTA、EGTA及びこれらの誘導体である。
更に、本発明が下記の図面及び実施例により記載され、これらは特許請求の範囲を限定しない。
【実施例】
【0096】
抽出実施例1:“直接エキス”の調製
タヒチアン・イソクリシスCS177を使用して下記の工程によりエキスを調製した。
1. 10mg:1mlの比(乾燥質量/容積)の選ばれた抽出剤中の粉末状の凍結乾燥されたイソクリシス細胞物質の懸濁液を調製する。
2. その懸濁液を暗所で室温で16時間撹拌する。
3. その懸濁液を2000gで15分間遠心分離して上澄み及び細胞物質ペレットを回収する。
4. そのペレットを工程1で使用された各1mlについて上記の選ばれた抽出剤0.5ml中で再度懸濁する。
5. その懸濁液を2000gで15分間にわたって直ちに遠心分離して上澄み及び細胞物質ペレットを回収する。
6. 工程4及び5をもう1回繰り返す。
7. 上澄みを合わせて夫々の抽出剤の“直接エキス”を生成する。
抽出剤を水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル及びヘキサンから選んだ。
【0097】
【表1】

【0098】
抽出実施例2:“連続エキス”の調製
“連続エキス”の調製のために、最初に直接エキスを調製した。工程6後に、細胞物質ペレットを選ばれた更なる抽出剤中で再度懸濁させ、次いで選ばれた更なる抽出剤を用いて工程3〜7を再度行なった。
一連の連続エキスを表2に従って生成した。
【0099】
【表2】

【0100】
実施例1-3:直接MeOHによる毛包成長の変調
これらの実施例は毛包代謝に関する抽出実施例1の“直接メタノールエキス”の影響を実証する。
【0101】
夫々の実験及び対照9-12について、毛包を使用し、24ウェルプレートに3つの毛包/ウェルの密度で入れた。毛包を頭皮の上部から採取し、改良ウィリアムス培地Eを使用して培養のために無菌の24ウェルプレートに移した。培養中に管理されるのに適した毛包を選ぶために行なわれた18時間のプレ-インキュベーション後に培養を9日間行なった。良好な活力段階及び0.2mm以上の成長を示す毛包のみを使用した。
【0102】
措置された毛包で観察された成長性能を対照グループ(これはエキスサプリメントを含まない以外は同じ培地中で培養された)と比較した。
【0103】
その実験デザインは0.1、1及び10μg/mlに相当する3種の最終濃度における直接MeOHエキスによる措置にあった。その濃度を抽出された凍結乾燥されたバイオマスに関して計算した。これらの補給された培地を得るために、必要量の直接MeOHエキスを溶媒蒸発にかけ、次いでDMSOに再度溶解した。このDMSO溶解エキスの最終濃度を実験培地に所望のエキス量を補給するために調節し、0.05%に等しいDMSO中の最終濃度を同時に得た。同じ濃度のDMSOをまた対照グループの培養のための培地中で使用した。
【0104】
微小藻類措置の活性を対照グループにより行なわれた伸びと比較した変化%として表される毛包成長の増大により実証する。実験を10日の培養(9日の措置)後に終了した。毛包の成長を顕微鏡写真により研究し、続いて画像分析により測定した。全ての毛包を2日毎に写真撮影した。
3種のドナーから採取された毛包を採用して、記載された実験を3回繰り返した。結果をプールし、表3及び図1に合わせ、これらの場合、毛包伸びを実験グループと未措置対照の間の比(%)として表す。
【0105】
表3:培養10日目における毛包の成長−3回反復からプールされたデータ
伸び(対照性能の[%]±標準偏差)
【0106】
【表3】

【0107】
DHA:ドコサヘキサエン酸、C22:6、最も主要なポリ不飽和酸(PUFA)
PUFA:DHA(C22:6)、EPA(C20:5)、ステアリドン酸(C18:4)、リノレン酸(C18:3)及びリノール酸(C18:2)
【0108】
また、結果を図1に示す。
結果は直接MeOHエキスの添加が未措置グループと比較して9%から18%まで変化する、毛包の成長の有意な増大をもたらすことを示す。最も有意な応答がまた統計的基礎で高度に有意(P<0.01)の結果である一層低い措置で得られた。
【0109】
実施例4-5:直接EtOHによる毛髪成長の変調
12-18の毛包を含む全ての実験グループ及び対照を調製した以外は、実施例1-3について記載されたのと同じ実験プロトコルを繰り返して直接エタノールエキスの活性を調べた。
3種のドナーから採取された毛包を措置して下記のデータを得た。表4及び図2が結果を要約する。
【0110】
表4:培養10日目における毛包の成長−3回反復からプールされたデータ
伸び(対照性能の[%]±標準偏差)
【0111】
【表4】

【0112】
* DHA(C22:6)、EPA(C20:5)、ステアリドン酸(C18:4)、リノレン酸(C18:3)及びリノール酸(C18:2)
結果は直接EtOHエキスの添加が未措置グループと比較して8%から19%まで変化する、毛包の成長の有意な減少をもたらすことを示す。最も有意な応答がまた統計的基礎で高度に有意(P<0.01)の結果である10μg/ml措置で得られた。
【0113】
実施例6-8:直接EtAcによる毛髪成長の変調
実施例1-3について記載されたのと同じ実験プロトコルを繰り返して直接酢酸エチルエキスの活性を調べた。
表5及び図3が異なるドナーを使用する3つの反復実験により得られた結果を要約する。
【0114】
表5:培養10日目における毛包の成長−3回反復からプールされたデータ
伸び(対照性能の[%]±標準偏差)
【0115】
【表5】

【0116】
* DHA(C22:6)、EPA(C20:5)、ステアリドン酸(C18:4)、リノレン酸(C18:3)及びリノール酸(C18:2)
データは毛包成長の変調についてのエキスの有効性を示す。中間濃度(1μg/ml)における措置が12%に等しい毛包成長の有意な刺激(P<0.05)を生じ、一方、措置の強さを増大又は減少すると、その変調が有意ではなくなった。
【0117】
実施例9-20:連続エキスによる毛髪成長の変調
“連続エキス”を抽出実施例2に記載されたように調製した。4種のエキスを調製し(直接HEX、続いて連続EtAc、続いて連続EtOH、続いて連続水)、3種の用量措置をそれらの夫々について試験した。異なるドナーから得られた毛包を使用して実験を3回繰り返し、データをプールして3種のドナーの平均応答を表した。表6及び図4が結果を要約する。
【0118】
表6:培養10日目における毛包の成長−3回反復からプールされたデータ
伸び(対照性能の[%]±標準偏差)
【0119】
【表6】

【0120】
* DHA(C22:6)、EPA(C20:5)、ステアリドン酸(C18:4)、リノレン酸(C18:3)及びリノール酸(C18:2)
【0121】
実験は毛髪成長に活性な二つのクラスの化合物が連続エキス中で分離されたことを示す。第一のものはヘキサンにより抽出され、それが措置の増大する強さに応答して抑制から刺激に変化する毛髪成長の変調を生じ、一方、第二のものは一層親水性であり、連続エタノールにより抽出された。この後者は10μg/mlで毛包成長の有意な抑制を生じた(P<0.05)。
【0122】
実施例21-26:直接ヘキサンエキスによる毛髪成長の変調
直接ヘキサンエキスを抽出実施例1に記載されたように調製して純粋なDHA(ドコサヘキサエン酸、C22:6)の活性と比較してヘキサンを使用して得られた直接エキスの活性を調べた。その実験の目的は直接Hexの作用がイソクリシス種、特にタヒチアン・イソクリシスにより合成されるPUFAの中で高度に代表されるDHAによる措置により再現性であることを確かめるためである。直接Hexエキスが約20%についてDHAから構成されることが検出されたので、0.1μg/mlにおける直接Hexによる措置が毛包を0.02μg/mlのDHAで措置することに相当することが推定された。この値付近でバランスされた措置を再現するために、毛包の三つのグループを0.003μg/mlから0.3μg/mlまでの範囲のDHAを補給された培地中で培養し、それらを通常のように0.1μg/mlから10μg/mlまでの範囲の直接Hexで措置されたその他と比較した。培地にDHAを補給するために、ドコサヘキサエン酸を培地中0.05%のDMSOの最終含量に達するのに適した濃度でDMSOに溶解した。実験を2回繰り返し、プールされた結果を表7及び図5に要約する。
【0123】
表7:培養10日目における毛包の成長−2種のドナーからプールされたデータ
伸び(対照性能の[%]±標準偏差)
【0124】
【表7】

【0125】
結果はDHAが抑制用量-応答を生じ、一方、直接Hexが低濃度(即ち、低DHA)で毛包成長を抑制し、高濃度(即ち、増大するDHA含量)でその成長を刺激したことを示す。これらのデータはDHA措置及び直接Hex措置が毛包成長に異なる効果を生じ、直接Hex活性がDHA含量により説明し得ないことを確かめる。
【0126】
実施例27-30:直接EtAc及び連続30%EtOHによる毛髪色素沈着の変調
タヒチアン・イソクリシスから得られた親油性(直接EtAc)エキス及び親水性(連続30%EtOH)エキスの色素沈着に関する活性を、単一ドナーから採取された生物学的サンプルによる実験を行なうことにより研究した。下記の実験措置を得るために、実験措置のための培地を先の抽出実施例に従って調製した。
1) 直接EtAc=0.1μg/ml及び1μg/ml
2) 連続30%EtOH=0.1μg/ml及び10μg/ml
毛包培養を培養の5日(措置の4日)後に終了した。続いて、毛包をフォンタナ・マッソン技術に従って染色された部分を調製することにより組織分析にかけた。皮膚乳頭毛周囲の組織のメラニン含量を画像分析により検出し、結果を表8及び図6に示す。
【0127】
表8:培養の5日目における毛包のメラニン含量−単一ドナーからのデータ
メラニン含量(対照性能の[%]±標準偏差)
【0128】
【表8】

【0129】
結果は微小藻類エキスによる毛包の措置が措置の4日後にメラニンの含量を増大したことを明らかに示す。応答の強さは用量により変化する。しかしながら、一層強い応答が10μg/mlの30%EtOHエキス(高度に有意;P<0.01)及び1μg/mlの直接EtAcエキスで措置することにより検出された。
【0130】
実施例31-42:連続エキスによる毛髪色素沈着の変調
イソクリシスバイオマスを抽出実施例2に既に記載されたように処理することにより調製された4工程連続エキス(ヘキサン、続いて酢酸エチル、続いてエタノール、続いて水)を使用して毛包色素沈着に関する実験を繰り返した。
培養技術及び組織分析は実施例27-30について記載されたものと同じであった。
【0131】
下記の実験措置を得るために、実験措置のための培地を先の記載に従って調製した。
1) 直接ヘキサン=0.1-1-10μg/ml;
2) 連続EtAc=0.1-1-10μg/ml;
3) 連続EtOH=0.1-1-10μg/ml;
4) 連続水=0.1-1-10μg/ml
結果を表9及び図7に示す。
【0132】
表9:培養の5日目における毛包のメラニン含量−単一ドナーからのデータ
メラニン含量(対照性能の[%]±標準偏差)
【0133】
【表9】

【0134】
結果は、10μg/mlの連続EtAc(ANOVA=P<0.05)及び10μg/mlの連続水(ANOVA=P<0.01)について統計上有意な結果でもって、実験措置に応答して一般の色素沈着増進を指摘する。
【0135】
実施例43-50:連続エキスによる皮膚色素沈着の変調
完全な厚さのヒトの皮膚の器官培養を、皮膚サンプルから出発し、約4x4mmの片を切除し、それらを6日目まで培養して行なった。培地は改良ウィリアム-Eであり、それを3日目に交換した。
抽出実施例2により記載された連続エキスのサンプルを空気乾燥させ、次いで1μg/ml及び10μg/mlの最終濃度を得るのに適した量のDMSOに再度溶解した。純粋なDMSOに溶解された、エキス5μlを培養皮膚サンプルの表面に適用して実験措置を毎日繰り返した。
【0136】
器官培養の6日後に、組織切片を皮膚サンプルから調製し、メラニン含量の量的変化をフォンタナ-マッソン染色技術後に調べた。メラミン定量を夫々の皮膚組織切片の顕微鏡写真の画像分析により得た。表10及び図8が結果を要約する。
【0137】
表10:培養の6日目における皮膚のメラニン含量−単一ドナーからのデータ
メラニン含量(対照性能の[%]±標準偏差)
【0138】
【表10】

【0139】
この実験で、全ての措置が皮膚メラニン含量の有意な(ANOVA=P<0.05)増大を生じた。直接Hex10μg/ml、連続EtAc1-10μg/ml、連続EtOH10μg/ml及び連続水1μg/mlによる措置が統計上高度に有意な応答を刺激した(ANOVA=P<0.01)。
【0140】
効果が一般に毛包中よりも強い色素沈着をもたらしたが、またこの場合に一層妥当な応答が組織を連続EtAcエキス(10μg/ml)及び連続水エキス(1μg/ml)で措置することにより記録された。
【0141】
実施例51-54:直接EtOHによる皮膚色素沈着の変調
先の実施例43-50について記載されたのと同じプロトコルを抽出実施例1の直接EtOHエキスに関する皮膚色素沈着に関する活性を調べるために計画された下記の実験で採用した。
同じ藻類株の2種の培養から得られた、タヒチアン・イソクリシスバイオマスの2種のサンプルを使用してエキス調製を行なった。2種のエキスの性能を比較するために、それらを直接EtOH1及び直接EtOH2と標識した。表11及び図9が結果を示す。
【0142】
表11:培養の6日目における皮膚のメラニン含量−単一ドナーからのデータ
メラニン含量(対照性能の[%]±標準偏差)
【0143】
【表11】

【0144】
結果は直接EtOHエキスの両方が異なる抽出剤で得られたエキスを使用して検出された刺激と対照的に、色素沈着を抑制したことを示す。タヒチアン・イソクリシスの両方のサンプルはそれらが異なる培養物に由来したのにもかかわらず同じ効果を示した。全ての応答が抑制であり、10μg/mlの直接EtOH1が統計的基礎で有意な応答を生じ(P<0.05)、一方、直接EtOH2が1μg/mlで非常に有意な応答を生じた(P<0.01)。
これは異なる活性がイソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシス、バイオマス中に存在し、それらが適当な溶媒を選ぶことにより分離し得ることを意味する。
【0145】
実施例55-62:直接EtOH及び“連続エキス”による皮膚色素沈着の変調
先の実施例51-54について記載されたのと同じプロトコルを、直接EtOHの活性を抽出実施例2の幾つかの“連続”エキスと比較するためにデザインされた実験で採用した。その実験の目的はまたタヒチアン・イソクリシスバイオマス中の異なる活性の存在及び異なる溶媒を使用することによりそれらを分離する可能性を確かめることであった。
実験に含まれるエキス及び得られた結果を表12及び図10に示す。
【0146】
表12:培養の6日目における皮膚のメラニン含量−単一ドナーからのデータ
メラニン含量(対照性能の[%]±標準偏差)
【0147】
【表12】

【0148】
結果は予想と一致する。直接EtOHは色素沈着を抑制する傾向があり、一方、連続EtOHは有意な刺激を生じた(P<0.05)。連続EtAc(P<0.01)及び連続水は予想されたようにメラニン合成を再度刺激した(実施例45-50を参照のこと)。
【0149】
実施例63-65:連続エキスによる毛髪成長の変調
“連続エキス”を抽出実施例2に記載されたように調製した。2種のエキスを調製し(直接MeOH、続いて連続Hex/EtAc)、3種の用量措置を連続Hex/EtAcエキスについて試験した。4種のドナーから採取された毛包を使用して実験を4回繰り返し、データをプールして4種のドナーの平均応答を表した。表13が連続Hex/EtAcエキスの結果を要約する。
【0150】
表13:培養の9日目における毛包の成長−4回の反復からプールされたデータ
伸び(対照性能の[%]±標準偏差)
【0151】
【表13】

【0152】
結果は連続Hex/EtAcエキスの添加が未措置グループと比較して、毛包の成長の有意な増大をもたらすことを証明する。最も有意な応答が1μg/mlの用量(これはまた統計的基礎で高度に有意(P<0.01)な結果を生じる)で措置することにより得られた。
連続Hex/EtAc乾燥エキスはほんの痕跡量のPUFA(<0.2質量%)を含んでいた。
【0153】
実施例66-67:“連続エキス”による皮膚色素沈着の変調
先の実施例51-54について記載されたのと同じプロトコルを、抽出実施例2の“連続エキス”の活性を測定するためにデザインされた実験で採用した。2種のエキスを調製し(直接MeOH、続いて連続Hex/EtAc)、連続Hex/EtAcエキスの3種の用量措置を試験した。
結果を表14に示す。
【0154】
表14:培養の6日目における皮膚のメラニン含量−単一ドナーからのデータ
メラニン含量(対照性能の[%]±標準偏差)
【0155】
【表14】

【0156】
この実験では、両方の措置がメラニン含量の増大を生じた。1μg/mlによる措置がメラニン含量の約30%の増大をもたらした。
【0157】
製品実施例1-11:皮膚ケアー
表1中、下記の番号は下記の製品を意味する。
1=皮膚黄褐色化“油中水”エマルション
2=UVA/Bブロードバンド保護を有する皮膚黄褐色化“水中油”エマルション
3=皮膚黄褐色化及び毛髪成長抑制“水中油”クリーム
4=UVB/UVA保護を有する毛髪成長抑制エアロゾルフォーム
5=皮膚ライトニング及び毛髪成長抑制クリームO/W
6=皮膚黄褐色化加湿香油
7=皮膚黄褐色化ボディスプレーO/W
8=皮膚ライトニング及び毛髪成長抑制ゲル
9=皮膚黄褐色化及び毛髪成長抑制ソーキング液(拭くための)
10=毛髪成長抑制及び毛髪ライトニング発汗防止ポンプスプレー
11=皮膚ライトニング非エアロゾルフォーム
表1:
【0158】
【表15】

【0159】
【表16】

【0160】
【表17】

【0161】
【表18】

【0162】
【表19】

【0163】
【表20】

【0164】
【表21】

【0165】
【表22】

【0166】
【表23】

【0167】
製品実施例12-20:毛髪ケアー
表2中、下記の番号は下記の製品を意味する。
12=毛髪成長刺激トニック
13=毛髪黄褐色化特性を有する2イン1アフターサンシャンプー
14=UVB/UVA保護を有する毛髪黄褐色化コンディショナー
15=毛髪成長刺激特性を有する液体毛髪リーブ-オン、ポンプ-フォーム
16=毛髪成長刺激スタイリングゲル
17=毛髪成長抑制かつ毛髪ライトニングセッティングフォーム
18=毛髪成長刺激特性及び毛髪黄褐色化特性を有するマスカラ
19=毛髪成長刺激ふけ防止シャンプー
20=毛髪刺激抑制リーブ-オン毛髪コンディショナー
21=毛髪黄褐色化かつ毛髪成長刺激シャンプー
表2:
【0168】
【表24】

【0169】
【表25】

【0170】
【表26】

【0171】
【表27】

【0172】
【表28】

【0173】
【表29】

【0174】
【表30】

【0175】
【表31】

【0176】
【表32】

【0177】
製品実施例22-34:内面からの美
直接消費のためのゼラチンカプセル
【0178】
【表33】

【0179】
アロマBは下記の組成(数値:質量%)を有していた:0.1%ネオテーム粉末、0.05%アスパルテーム、29.3%ペパーミント油アルベンシス、29.3%ペパーミント・ピペリタ油ウィラメット、2.97%スクラロース、2.28%トリアセチン、5.4%酒石酸ジエチル、12.1%ペパーミント油ヤキマ、0.7%エタノール、3.36%2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、3.0%2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、0.27%バニリン、5.5%D-リモネン、5.67%L-メンチルアセテート。
【0180】
直接消費に適したゼラチンカプセル(WO 2004/050069と同様の方法で製造した)は5mmの直径を有し、コアー材料:シェル材料の質量比は90:10であった。カプセルは10秒未満で口中で開き、50秒未満で完全に溶解した。
【0181】
圧縮錠剤
【0182】
【表34】

【0183】
調製指示:全成分を混合し、好適な機械中で圧縮製品にプレスする。
チューインガム
【0184】
【表35】

【0185】
表3中、下記の番号は下記の製品を意味する。
30=インスタント飲料混合物
31=無糖インスタント飲料混合物
32=炭酸化ソフトドリンク
33=大豆-フルーツドリンク
34=低脂肪ヨーグルト
表3:
【0186】
【表36】



【0187】
*びんに充填後に炭酸化

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスの細胞物質を、ヘキサン、酢酸エチル、エタノール、水、メタノール、イソプロパノール及びこれらの抽出剤の2種以上の混合物からなる群から選ばれた液体抽出剤で抽出する工程を含み、
その抽出がa)50℃以下の温度における24時間までの抽出剤へのその細胞物質の暴露、及びb)エキスを得るための細胞物質の除去(そのエキスは組成物であり、又は更に組成物へと更に加工される)を含み、
好ましくはイソクリシス種及び/又はタヒチアン・イソクリシスの細胞物質を
1. イソクリシス種細胞及び/又は好ましくはタヒチアン・イソクリシス細胞を培養する工程、
2.細胞を回収して完全に、又は実質的に無傷の細胞物質を得る工程、
3.必要により工程2の細胞物質を1回又は複数の回数洗浄して、実質的に又は完全に無傷の洗浄された細胞物質を得る工程、
4.必要により工程2及び/又は工程3の細胞物質を凍結乾燥する工程
からなる方法により得ることができ、又は得ることを特徴とする、
a) ヒトの毛髪の成長及び/又は
b) ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着
に影響又は改質するための組成物を得る方法。
【請求項2】
抽出が工程a)及びb)を1回、2回、3回又は4回繰り返すことを含み、かつ夫々の工程a)において夫々の先の工程b)で除去された細胞物質を使用し、工程b)のエキスを合わせる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
組成物の光毒性を5未満の光毒性指数に調節する工程を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
光毒性を調節するために、エキスを3:1〜1:20、好ましくは1:1〜1:12(全ての質量は乾燥質量として示される)の乾燥エキス:活性炭の比で活性炭で処理する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
抽出のために、細胞物質を異なる抽出剤による先の抽出の工程b)で得る、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
組成物が全組成物の0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、最も好ましくは0.1〜5質量%の乾燥エキスを含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
最初の工程a)で使用される細胞物質が凍結乾燥されたイソクリシス種、好ましくはタヒチアン・イソクリシスである、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
a) ヒトの毛髪の成長及び/又は
b) ヒトの毛髪の色素沈着及び/又は
c) ヒトの皮膚の色素沈着
に影響し、又は改質するための組成物であって、
前記組成物が請求項1から7のいずれかに記載の方法により得られることができ、又は得られることを特徴とする、上記組成物。
【請求項9】
−ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大しないでヒトの毛髪の成長を刺激するために、組成物がメタノールを抽出剤として使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含むことを特徴とし、もしくは
−ヒトの毛髪の成長を刺激し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するために、組成物がメタノールによる抽出後に得られた細胞物質について酢酸エチルを抽出剤として使用することにより、又はヘキサン/酢酸エチルの混合物を抽出剤として使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含むことを特徴とし、又は
−ヒトの毛髪の成長を刺激しないでヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するために、組成物が水を抽出剤として使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含むことを特徴とし、或いは
−ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大しつつヒトの毛髪の成長を抑制するために、組成物が酢酸エチル又はヘキサンによる抽出、続いて酢酸エチルによる抽出後に得られた細胞物質についてエタノールを抽出剤として使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含むことを特徴とし、又は
ヒトの毛髪の成長を抑制し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を減少するために、組成物がエタノールを抽出剤として使用することにより得られたエキスであり、又はそのエキスを含むことを特徴とする、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
請求項8及び9のいずれかに記載の組成物を含む化粧製品、皮膚製品又は治療製品であって、その製品がスキンケアー組成物、例えば、エマルション、軟膏、ペースト、ゲル、アルコール性又は水性/アルコール性溶液、オイル、トナー、バルサム、血清、粉末、拭くためのソーキング液(マスク、ムース、スティック、ペンシル、ロール-オン、スプレー、エアロゾルとしての提示形態を含む)、例えば、日焼け止め組成物、自己黄褐色化組成物及び/又はアフターサン製剤としてのスキンケアー組成物(上記された)、シェービング組成物又はアフターシェーブ、消臭剤及び/又は発汗防止剤、毛髪除去組成物、毛髪ケアー組成物、例えば、シャンプー、コンディショナー、毛髪トリートメントケアー、ヘアートニック、ヘアーローション、ヘアーリンス、スタイリングクリーム、ヘアーセッティング組成物、スタイリング助剤、ブロンディング組成物、毛髪着色組成物、装飾化粧品、例えば、マスカラ、例えば、錠剤、糖剤、カプセル、ジュース、溶液、顆粒の形態の口適用のための組成物及び内面から美を与える食品であることを特徴とする、上記製品。
【請求項11】
a) ヒトの毛髪の成長及び/又は
b) ヒトの毛髪の色素沈着及び/又は
c) ヒトの皮膚の色素沈着
に影響し、又は改質するためのタヒチアン・イソクリシスのエキスであり、又はそのエキスを含む組成物の使用であって、そのエキスが請求項1から7のいずれかに記載の方法により得られることができ、又は得られることを特徴とする、上記使用。
【請求項12】
−ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大しないでヒトの毛髪の成長を刺激するため、
−ヒトの毛髪の成長を刺激し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するため、
−ヒトの毛髪の成長を刺激し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を減少するため、
−ヒトの毛髪の成長を刺激しないでヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するため、
−ヒトの毛髪の成長を抑制し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大するため、
−ヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を増大しないでヒトの毛髪の成長を抑制するため、又は
−ヒトの毛髪の成長を抑制し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の色素沈着を減少するための請求項11記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−83893(P2010−83893A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−243879(P2009−243879)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】