説明

イソシアナトシラン及びシリルイソシアヌレートの製造方法

【課題】イソシアナトシラン及びシリルイソシアヌレートの新規な製造方法の提供。
【解決手段】a)シリルオルガノカルバメート及び、任意に、有効量のクラッキング触媒を含んでなるクラッキング反応溶媒をクラッキング反応ゾーンに準備する工程と、b)クラッキング反応溶媒を、前記クラッキング反応ゾーンでクラッキング反応条件下に置き、イソシアナトシラン及び副産物アルカノールを得る工程と、c)前記イソシアナトシラン及び前記副産物アルカノールをクラッキング反応ゾーンから回収する工程と、d)クラッキング反応の間及び/又は反応後に、前記クラッキング反応溶媒の一部をパージする工程と、e)三量体化反応ゾーンに、パージされた前記クラッキング反応溶媒を添加する工程と、f)パージされた前記クラッキング反応溶媒を、前記三量体化反応ゾーンで三量体化反応条件に置き、シリルイソシアヌレート及び副産物アルカノールを得る工程を含んでなる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイソシアナトシラン及び1,3,5−トリス[(トリアルコキシシリル)アルキル]イソシアヌレートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なイソシアナトシランの製造方法が公知である。特許文献1及び2及びは、シリルオルガノカルバメートの熱分解(クラッキング)によるイソシアナトシランの製造方法を記載している。
【0003】
特許文献3に記載されている方法によれば、シリルオルガノカルバメートを例えば300℃〜600℃の高温で反応ゾーンにて気化させ、イソシアナトシランを形成させている。
【0004】
特許文献4は、イソシアナトシランを調製するいわゆる「ホットオイル」法を開示する。このプロセスによれば、カルバマトオルガノシラン(すなわちシリルオルガノカルバメート)を不活性液体溶媒に添加して、形成された混合物を、カルバマトオルガノシランがイソシアナトシランに変換するのに効果的な温度及び圧力で維持する。
【0005】
特許文献5は、裂開−蒸留用リアクターを使用して液相のカルバマトオルガノシラン(すなわちシリルオルガノカルバメート)を触媒的に切断(クラッキング)し、イソシアナトシランを調製する方法を記載する。反応溶媒の一部(例えば15−25重量%)は、高分子量成分を一定レベルに保つためにリアクターの底部からパージする。更にパージされた材料をアルコールと混合してイソシアナトシランをクエンチし、再蒸留し、その一部をリアクターに再添加する。
【0006】
イソシアナトシランを調製する高温気相方法は、特許文献6及び特許文献7及び特許文献8に記載されている。但しこれらの方法は、高温での操作が可能な特殊な装置が必要であり、それに付随して高い設備投資が必要となるのが欠点である。
【0007】
特許文献9では、シリルオルガノカルバメートを高分子量イソシアネート及び遷移金属触媒の存在下で分解する方法を記載する。
【0008】
特許文献10では、3−アミノプロピルシランをイソシアネート(例えばMDI)と最初に反応させて対応する尿素を調製し、次いで触媒の存在下で熱分解させ、イソシアナトシランを調製する方法を記載する。
【0009】
多くのイソシアナトシランの調製方法は、カルバメート誘導体の低温クラッキングを利用する。
【0010】
特許文献11は、最も一般的であるアルキルアルコールよりむしろアシルウレア基を離脱基として利用して、イソシアナトシランを調製する方法を記載する。ただしこのプロセスは中間体の調製が課題であり、特に溶媒と得られる塩との分離の困難性が課題として挙げられる。
【0011】
特許文献12には、二酸化炭素、ハロシリル化合物及び第三級アミンスカベンジャーの存在下におけるアミノシランの直接的な反応によりカルバミン酸ハロシリルを調製することによる、イソシアナトシランの調製方法が開示されている。得られるカルバミン酸ハロシリルは比較的低い温度で分解し、イソシアナトシランが産生される。但し生成物を得るには困難な精製工程を必要とする。
【0012】
特許文献13は、シリルオルガノカルバメートを直接メチルトリクロロシランと反応させ、Nシリル化されたカルバメートを調製し、更にわずかに加熱して分解させ、イソシアナトシラン及びアルコキシクロロメチルシランを等モル量で調製する方法を開示する。但しこの方法では酸トラップ(例えばトリエチルアミン)が必要であり、更にその後の分離及び処分若しくはリサイクルが必要となるのが欠点として挙げられる。
【0013】
イソシアナトシランの調製のための非クラッキング方法の代表例が特許文献14及び特許文献15に記載されており、そこではアミノプロピルシランを非常に毒性の高いホスゲンと直接反応させ、所望のイソシアネートを調製している。
【0014】
様々なシリルイソシアヌレートの製造方法が公知である。
【0015】
特許文献16は、ハロ有機シラン中間体を高沸点の極性溶媒(例えばジメチルホルムアミド)の存在下で金属シアネートと反応させ、シリルイソシアヌレートを調製する方法を記載している。その後、極性溶媒を真空除去する。しかしながら、溶媒は有毒であり、また除去が困難である。
【0016】
特許文献17は、シリルイソシアネートを強塩基性触媒(例えばアルカリ金属水酸化物又はアルコキシド)の存在かで熱処理、又は三量体に環化するように加熱してシリルイソシアヌレートを調製する方法を記載する。しかしながら、この工程をシリルイソシアヌレートの調製に使用する場合、有毒なイソシアネートの単離が必要となり、また濃く着色された生成物となる。
【0017】
特許文献18は、クラッキング触媒の存在下、適度な加熱及び大気中より低い圧力下で、シリルオルガノカルバメートをクラッキングさせ非単離のイソシアナトシラン中間体及び副産物アルコールを得、更にそのイソシアナトシランを三量体形成触媒の存在下でin situで三量体形成させ、シリルイソシアヌレートを調製する方法を開示する。この工程における典型的クラッキング触媒としてはアルミニウム、チタン、マグネシウム及びジルコニウムアルコキシドが挙げられ、例えばアルミニウムトリエトキシドが好ましく、またジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート及び2−エチルヘキサン酸スズのようなスズカルボン酸塩も好ましい。特許文献18の工程中で使用される三量体形成触媒としては、ナトリウムメトキシド及び氷酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸などのナトリウム、カリウム、リチウム及びセシウム塩のような、有機酸のアルカリ金属塩が挙げられる。クラッキング触媒及び三量体形成触媒は、特許文献18の工程に含まれる、シリルオルガノカルバメートのシリルイソシアヌレートへの転換全体にわたって存在させる。毒性及び/又は環境保護的な考慮から、前述のアルミニウム含有及びスズ含有クラッキング触媒は、固形物の場合にはその固形物を液体生成物から分離しなければならず、又は液体の場合には液体生成物中に溶存することとなり、それにより生成物シリルイソシアヌレートの着色などの不安定性を生じさせ、及び/又はエンドユーザーに対して悪影響を与えることもありうる。
【0018】
【特許文献1】米国特許第3494951号公報
【特許文献2】米国特許第3607901号公報
【特許文献3】米国特許第5393910号公報
【特許文献4】米国特許第6008396号公報
【特許文献5】米国特許第6388117号公報
【特許文献6】米国特許第5393910号公報
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0049064号公報
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0249179号公報
【特許文献9】独国特許発明第10161272号公報
【特許文献10】特開平09−328489号公報
【特許文献11】米国特許第4697009号公報
【特許文献12】米国特許第4064151号公報
【特許文献13】独国特許発明第10108543号公報
【特許文献14】特開平09−208589号公報
【特許文献15】米国特許第4654428号公報
【特許文献16】米国特許第3598852号公報
【特許文献17】米国特許第4880927号公報
【特許文献18】米国特許第5218133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、イソシアナトシラン及びシリルイソシアヌレートの新規な製造方法の提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
当該方法は、
a)シリルオルガノカルバメート及び、任意に、有効量のクラッキング触媒を含んでなるクラッキング反応溶媒をクラッキング反応ゾーンに準備する工程と、
b)クラッキング反応溶媒を、前記クラッキング反応ゾーンでクラッキング反応条件下に置き、イソシアナトシラン及び副産物アルカノールを得る工程と、
c)前記イソシアナトシラン及び前記副産物アルカノールをクラッキング反応ゾーンから回収する工程と、
d)クラッキング反応の間及び/又は反応後に、前記クラッキング反応溶媒の一部をパージする工程と、
e)三量体化反応ゾーンに、パージされた前記クラッキング反応溶媒を添加する工程と、
f)パージされた前記クラッキング反応溶媒を、前記三量体化反応ゾーンで三量体化反応条件に置き、シリルイソシアヌレート及び副産物アルカノールを得る工程を含んでなる。
【0021】
上記(d)のパージ工程は、(1)クラッキング反応溶媒を、クラッキング反応ゾーンにおいて定常条件に維持するため、(2)除去しなければ時間経過と共にクラッキング反応ゾーンに蓄積し、反応動態及び/又は反応速度に有害な影響を及ぼしうる不純物を除去するため、(3)分解反応条件のためにオーバーヘッドまで蒸留されうる有害な不純物の存在下においても、生成物イソシアナトシランを安定化させるため、及び(4)一般のシリルオルガノカルバメートの供給ストックからシリルイソシアヌレートのフィードストックを生産するために重要である。
【0022】
本発明の工程により、産業的に重要な材料であるイソシアナトシラン及びシリルイソシアヌレートの大量生産が可能となり、またそれは、これらの材料の周知の製造方法と組合せても、廃棄物の減少又は削減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の方法におけるクラッキング処理では、以下の一般式で表される少なくとも1つのシリルオルガノカルバメート
SiX(3−a)RNHCOOR
(式中、Rは2〜11個の炭素原子、好ましくは3〜5個の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、各Rは独立に炭素原子数が1〜8のアルキル若しくはハロゲン化アルキル基、炭素原子数が少なくとも6のアリール基、又は炭素原子数が少なくとも7のアラルキル群であり、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基であり、Xは加水分解性アルコキシ基であり、aは0〜3の整数である)
を、任意にクラッキング触媒の存在下、クラッキング反応条件でクラッキングし、以下の一般式のイソシアナトシラン
SiX(3−a)RNCO
及び以下の一般式の副産物アルカノール
OH
を生じさせる(式中、R、R、R及びXは上記の定義と同様である)。
【0024】
前述のイソシアナトシランの材料となるシリルオルガノカルバメートはいかなる周知若しくは従来法(例えば米国特許第5218133号及び第6673954号の方法。その全開示内容を本願明細書に援用する)に従って調製してもよい。要約すると、アミノシラン(例えばアミノアルキルトリエトキシシラン(アミノプロピル−トリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランなど)と、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート又はその混合物(例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネートなど)とを、塩基性触媒(ナトリウムメトキシド、ナトリウムメチレートなどのアルカリ金属アルコキシド)の存在下で反応させることによりシリルオルガノカルバメートを調製することができ、その反応により得られたシリルオルガノカルバメートをギ酸、氷酢酸、プロパン酸、ブタン酸などのカルボン酸で中和し、対応するカルボン酸のアルカリ金属塩(すなわち本発明に係る工程中のクラッキング反応用の触媒として有用なカルボン酸塩)が形成される。
【0025】
クラッキング触媒の存在下で本発明のクラッキング操作を実施する場合、この操作に用いるクラッキング触媒がシリルオルガノカルバメート反応物質中に既に存在することとなるため、本発明の工程では、アルカリ金属アルコキシドを用いて、更にカルボン酸で中和して調製したシリルオルガノカルバメートを使用するのが有利である。したがって、この方法に従って本発明に係る方法のクラッキング処理に利用するシリルオルガノカルバメートを調製することは、本発明の具体的態様である。上記方法のシリルオルガノカルバメート反応物質の調製方法では、米国特許第5218133号において好ましい態様であると示されるアルカリ金属カルボン酸塩の除去工程が不要となる。但し必要に応じて、シリルオルガノカルバメート中に存在する塩を、周知の方法(例えば濾過及び/又は蒸留)によって除去してもよい。すなわち、当該塩が強力な三量体形成触媒として作用するため、クラッキングゾーンから一部の塩を除去することは有利である。
【0026】
本発明の処理のクラッキング処理の実施において有用なシリルオルガノカルバメート反応物質の例としては、メチルN−3−(トリメトキシシリル)−プロピルカルバメート、エチルN−3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−3−(メチルジメトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−3−(ジメチルメトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバメート、エチルN−3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−4−(トリメトキシシリル)ブチルカルバメート、メチルN−3−(トリエトキシシリル)ブチルカルバメートなどが挙げられる。
【0027】
クラッキング触媒を使用する場合、かかる反応に使用されるいずれの触媒(例えば米国特許第5218133号で開示されるもの(その全開示内容が本発明に援用される))であってもよい。好適には、クラッキング触媒はカルボン酸塩であり、具体的にはカルボン酸アンモニウム、カルボン酸アルカリ金属塩又はカルボン酸アルカリ土類金属塩のうちの少なくとも1つが選択される。
【0028】
本発明における用語「アンモニウム」とは、アンモニウムカチオン(NH)及びそのモノ−、ジ−、トリ−及びテトラヒドロカルビル置換された誘導体を指すと理解される。
【0029】
本発明における用語「カルボン酸塩(カルボキシレート)」とは、最高約20の炭素原子数のモノカルボン酸、ジカルボン酸又は酸無水物、好適には最高約12の炭素原子数の塩を意味する。
【0030】
本発明のクラッキング触媒のアンモニウムカルボン酸塩としては、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロパン酸アンモニウム、n−ブタン酸アンモニウム、n−ペンタノン酸アンモニウム、2−メチルプロパン酸アンモニウム、3−メチルブタン酸アンモニウム(吉草酸塩)、安息香酸アンモニウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、2−エチルヘキサン酸テトラメチルアンモニウム、2−エチルヘキサン酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸テトラメチルアンモニウム、安息香酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸テトラプロピルアンモニウム、安息香酸テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0031】
カルボン酸アルカリ金属塩としては、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、プロパン酸リチウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、プロパン酸ナトリウム、n−ブタン酸ナトリウム、n−ヘキサン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、マロン酸二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、アジピン酸二ナトリウムなどが挙げられる。
【0032】
本発明のクラッキング触媒に使用するアルカリ土類金属カルボン酸塩としては、ギ酸、酢酸、プロパン酸、n−ブタン酸などに由来する、カルシウム、マグネシウム及びバリウムのカルボン酸塩が挙げられる。
【0033】
アルカリ金属カルボン酸塩は常法に従い調製するか、又は例えばin situで簡便に調製してもよく、通常好適な結果が得られる。特に本発明に係る使用に適しているものはアルカリ金属ギ酸塩である。なぜなら、それらは対応する酢酸塩及びより高級カルボン酸のカルボン酸塩と比較し、濾過によって反応生成物の混合物からより容易に除去することができるからである。上記の通りの製造方法であるため、好適なことにアルカリ金属カルボン酸塩がシリルオルガノカルバメート反応体に既に存在し、シリルオルガノカルバメートの調製に使用するアルカリ金属アルコキシド触媒はその反応後にカルボン酸で中和される。あるいは、アルカリ金属アルコキシド及びカルボン酸をシリルオルガノカルバメートに添加してin situでアルカリ金属カルボン酸塩を調製してもよく、及び/又は事前に調製したアルカリ金属カルボン酸塩をシリルオルガノカルバメートに添加して調製してもよい。
【0034】
任意のカルボン酸塩触媒は、反応溶媒に添加する方法に関係なく、本発明に利用した場合にはクラッキング反応にとり触媒的に有効量で存在することとなる。クラッキング反応溶媒を三量体化反応ゾーンに一部供給することにより、任意のカルボン酸塩触媒が三量体化反応に供され、その結果シリルイソシアヌレート生成物が得られる。通常、クラッキング反応用液体溶媒中の全シリルオルガノカルバメートに対して約0.01〜約1重量%、好適には約0.05〜約0.2重量%のカルボン酸塩触媒を使用でき、一般に良い結果が得られる。
【0035】
本発明の処理のクラッキング処理は、シリルオルガノカルバメート含有反応混合物を、任意にカルボン酸塩クラッキング触媒の存在下で、適切なクラッキング条件(例えば高温及び大気圧より低い圧力)下で、シリルオルガノカルバメートからイソシアナトシランへの転換のために充分な時間、加熱することによって実施することができる。気相又は液相条件を利用してもよいが、好適には液相反応に適する条件で実施する。クラッキング反応ゾーンを気相条件下で操作する場合、クラッキング反応ゾーン(例えば図1の調整カラム15)に連結した調整装置の底部からクラッキング反応溶媒をパージする。クラッキング反応ゾーンを液相条件下で操作する場合、クラッキング反応ゾーン(すなわち図1のクラッキング反応ゾーン13)からクラッキング反応溶媒をパージする。不活性有機溶剤又は溶媒混合物を使用してもよいが、通常ほとんど効果がない。
【0036】
当業者であれば、実験的な方法を直接的に適用し、特定のシリルオルガノカルバメート反応物質、及び(使用される場合)任意のカルボン酸塩クラッキング触媒に適するクラッキング条件を容易に最適化できる。滞留時間は約1分〜約24時間、好適には約15分〜約5時間で、約140℃〜約500℃の温度、好適には約180℃〜約220℃で、約5〜約500mmHg、好適には約50〜約300mmのHgの圧力により、通常良好な結果が得られる。
【0037】
クラッキング反応処理に使用できるイソシアナトシランの例としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチル−ジメトキシシラン、4−イソシアナトブチルトリメトキシシラン、4−イソシアナトブチルメチル−ジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルエチル−ジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルジメチルメトキシシラン、4−イソシアナトブチルトリ−エトキシシラン、3−イソシアナトプロピルフェニルメチルメトキシシランなどが挙げられる。
【0038】
イソシアナトシラン調製のためのクラッキング反応工程の間及び/又は後において、クラッキング反応溶媒の所定の部分を連続的又は断続的に除去し、シリルイソシアヌレートを形成させるための三量体化反応ゾーンへ供給する。例えば、フィードされるシリルオルガノカルバメート材料の重量に対して約1〜約70、好適には約10〜約50重量%のクラッキング反応溶媒を、クラッキング反応ゾーンから連続的にパージしてもよい。パージされたクラッキング反応溶媒を直接三量体化反応ゾーンへ供給してシリルイソシアヌレートへの転換をそこで行ってもよく、又は貯蔵タンク又は容器に一時的に貯蔵してもよく、それにより、クラッキング反応が完成したとき、保存しているクラッキング反応溶媒を、それが一旦パージされたゾーンに再度添加することができ、その際にはそこは三量体化反応ゾーンとして操作される。
【0039】
三量体化反応ゾーンにおいて、パージされたクラッキング反応溶媒の転換は、以下の一般反応式で表される。
【化1】

式中、R、R、X及びaは上記と同様の意味である。
【0040】
クラッキング反応と同様に、三量体化反応は触媒の有無に係らずに実施することが可能である。好適には、三量体化反応用の触媒を使用し、クラッキング操作において任意に利用されたのと同じアンモニウム、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカルボン酸塩触媒であってもよい。
【0041】
本発明の工程における三量体形成により得られるシリルイソシアヌレートとしては、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(メチルジメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルブチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(メチルジメトキシシリルブチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(トリエトキシシリル−プロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(フェニルメチルメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0042】
本発明の工程を図1に記載する。クラッキング反応ゾーン内での、液相反応条件におけるシリルイソシアヌレートの調製、及び三量体化反応ゾーン内で並列的に行われる、パージされたクラッキング反応溶媒からのイソシアナトシランの転換を示す工程フロー図である。
【0043】
三量体化反応条件は、クラッキング操作における条件と同様であっても異なってもよく、好適には約30分〜約24時間、好適には約4〜約10時間の滞留時間、約150℃〜約300℃、好適には約180℃〜約220℃の温度、約5〜約500mmHg、好適には約80〜約300mmHgのオーダーの圧力、の条件である。
【0044】
導管10を通じたシリルオルガノカルバメートのフィード(任意にアンモニウム、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のカルボン酸塩の触媒を含有)を、熱交換器11を通過させて予熱し、クラッキング反応ゾーン13中の塩基に、導管12を介して添加され、そこにおいて、液相条件下でシリルオルガノカルバメートのクラッキングが生じ、イソシアナトシラン及び副産物アルカノールが得られる。クラッキング反応を行わせ、得られるイソシアナトシラン、副産物アルカノール及び未反応シリルオルガノカルバメートのオーバーヘッドを、導管14から調整カラム15中の塩基に添加し、そこに濃縮物タンク17からの還流物を、導管16を介して供給する。調整カラム15中の気体/液体オーバーヘッドを、ライン18を経て濃縮器19に供給し、少量の未反応シリルオルガノカルバメート(例えばその約5重量%以下)を含有するテクニカルグレードのイソシアナトシラン縮合物を調製し、更にライン20を経て濃縮物タンク17に供給される。濃縮物タンク17のアルカノールオーバーヘッドを、導管21を経て濃縮器22に供給し、当該アルカノール濃縮物を、その後導管23を経て貯蔵部に供給する。濃縮物タンク17のイソシアナトシラン生成物は、導管24を経て取り出され、その一部はバルブ25により流路を変えられて、調整カラム14のための還流液として利用し、その他の部分はライン26を経て貯蔵部に供給される。
【0045】
イソシアナトシランを少量含み、未反応のシリルオルガノカルバメートを主に含む調整カラム15の底部液を、導管27を経てクラッキングゾーン13に供給し、再利用する。
【0046】
イソシアナトシランがクラッキングゾーン13において調製された後、クラッキング反応用の液体溶媒の所定量を連続的にそこからパージし、三量体化反応ゾーン29にライン28を経て供給し、そこで、パージされたクラッキング反応溶媒中の成分による三量体形成が生じ、得られるシリルイソシアヌレート生成物を導管30を経て貯蔵部に供給し、また得られるアルカノール副産物を導管31を経て貯蔵部に供給する。
【実施例】
【0047】
以下に本発明の工程の実施例を示す。調整カラムを備えている撹拌クラッキングリアクターに、クラッキング触媒を含まない、前蒸留により得たメチルN−3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバメート(3−アミノプロピルトリメトキシシラン(GE Silicones社製A−1110)とジメチルカーボネートから調製)を、200〜210℃及び50〜100mmHgのクラッキング条件に供した。カラムのプロフィールがクラッキング反応の完了を示したとき、N−3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバメートを補助タンクから連続的に供給した。次いで3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン反応生成物、未反応メチルN−3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバメート及びメタノール副産物を調整し、市販品にとり望ましい純度のイソシアネートとして調製した。周期的に、クラッキングゾーンの底部から、フィードされるカルバメートに対して約10重量%の割合で内容物をパージした。このパージした物質を別の三量体化反応ゾーンへ供給し、以下に記載の通り熱による三量体形成に供した。
【0048】
2Lの4首の丸底フラスコ(オーバーヘッド撹拌器、Vigreuxカラム、熱電対及び蒸留ヘッドを備えている)に、上記のパージされたクラッキング反応溶媒(62重量%のメチルN−3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバメートと3−イソシアナトプロピル−トリメトキシシランの混合物、及び15重量%の1,3,5−トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−イソシアヌレートを含有する)を670g添加した。この混合物を、約1.3mLの25重量%ナトリウムメトキシド溶液及び約3mLのギ酸で処理し、in situでギ酸ナトリウムを生成させ、次いで反応混合物を撹拌し、210mmHgで設定した初期圧力にて210℃に急速に加熱した。1時間、210℃に温度を維持した。この反応時間中、圧力が90mmHgまで徐々に減少した。次いで混合物を冷却し、濾過した。ガスクロマトグラフィを使用して、カルバメート/イソシアネートの混合ピークの消滅から転換効率を測定した結果、89%であった。形成された1,3,5−トリス、[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレートは、最終的な混合物の約71重量%を占めた。
【0049】
本発明の方法を具体的な実施態様に関して記載したが、当業者であれば、本発明の範囲内で様々に変化させることができ、その部材に関して均等物に代替することができることを理解するであろう。更に、本発明の基本的範囲から逸脱することなく、多くの修飾を行い、具体的な状況又は材料を本発明の教示に適応させることが可能である。すなわち、本発明は本発明の最良の実施形態として開示される具体例に限定することを意図するものではなく、むしろ本発明は添付の特許請求の範囲に属する全ての実施態様を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】クラッキング反応ゾーンにおいてイソシアナトシラン、及び三量体化反応ゾーンにおいてシリルイソシアヌレートを並列生産する場合の、本発明の工程を例示する工程フロー図である。
【符号の説明】
【0051】
10 導管
11 熱交換器
12 導管
13 クラッキング反応ゾーン
14 導管
15 調整カラム
16 導管
17 濃縮物タンク
18 ライン
19 濃縮器
20 ライン
21 導管
22 濃縮器
23 導管
24 導管
25 バルブ
26 ライン
27 導管
28 ライン
29 三量体化反応ゾーン
30 導管
31 導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアナトシラン及びシリルイソシアヌレートの製造方法であって、
a)シリルオルガノカルバメート及び、任意に、有効量のクラッキング触媒を含んでなるクラッキング反応溶媒をクラッキング反応ゾーンに準備する工程と、
b)クラッキング反応溶媒を、前記クラッキング反応ゾーンでクラッキング反応条件下に置き、イソシアナトシラン及び副産物アルカノールを得る工程と、
c)前記イソシアナトシラン及び前記副産物アルカノールをクラッキング反応ゾーンから回収する工程と、
d)クラッキング反応の間及び/又は反応後に、前記クラッキング反応溶媒の一部をパージする工程と、
e)三量体化反応ゾーンに、パージされた前記クラッキング反応溶媒を添加する工程と、
f)パージされた前記クラッキング反応溶媒を、前記三量体化反応ゾーンで三量体化反応条件に置き、シリルイソシアヌレート及び副産物アルカノールを得る工程を含んでなる方法。
【請求項2】
前記クラッキング反応ゾーン及び/又は前記三量体化反応ゾーンが、液相条件で操作される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記クラッキング反応溶媒が、クラッキング触媒としてアンモニウムカルボン酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩及びアルカリ土類金属カルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも1つのカルボン酸塩を含み、パージされた前記クラッキング反応溶媒が、三量体形成触媒として前記触媒を含む三量体化反応ゾーンに添加される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記シリルオルガノカルバメートが一般式
SiX(3−a)RNHCOOR
で表され、前記イソシアナトシランが一般式
SiX(3−a)RNCO
で表され、前記シリルイソシアヌレートが一般式
【化1】

で表され、
前記副産物アルカノールが一般式
OH
で表され、
式中、Rが2〜11の炭素原子数の二価炭化水素基であり、Rが1〜8の炭素原子数のアルキル若しくはハロゲン化アルキル基、少なくとも6の炭素原子数のアリール基又は少なくとも7の炭素原子数のアラルキル基であり、Rが1〜8の炭素原子数のアルキル基であり、Xが加水分解性アルコキシ基であり、aが0〜3の整数である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記シリルオルガノカルバメートがメチルN−3−(トリメトキシシリル)−プロピルカルバメート、エチルN−3−(トリメトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−3−(メチルジメトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−3−(ジメチルメトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバメート、エチルN−3−(トリエトキシシリル)プロピルカルバメート、メチルN−4−(トリメトキシシリル)ブチルカルバメート及びメチルN−3−(トリエトキシシリル)ブチルカルバメートのうちの少なくとも1つであり、
前記イソシアナトシランが3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、4−イソシアナトブチルトリメトキシシラン、4−イソシアナトブチルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルジメチルメトキシシラン、4−イソシアナトブチルトリエトキシシラン及び3−イソシアナトプロピルフェニルメチルメトキシシランのうちの少なくとも1つであり、
前記シリルイソシアヌレートが1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(メチルジメトキシシリル−プロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(メチルジエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルブチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(メチルジメトキシシリルブチル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート及び1,3,5−トリス、(フェニルメチル−メトキシシリルプロピル)イソシアヌレートのうちの少なくとも1つである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記カルボン酸塩が、任意に塩無水物の形態であってもよい1〜約20の炭素原子数のカルボン酸から得られるカルボン酸アルカリ金属塩である、請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記カルボン酸塩が、任意に塩無水物の形態であってもよい1〜約12の炭素原子数のカルボン酸から得られるカルボン酸アルカリ金属塩である、請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記アルカリ金属カルボン酸塩が、任意に無水物の形態であってもよいギ酸リチウム、酢酸リチウム、プロパン酸リチウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、プロパン酸ナトリウム、n−ブタン酸ナトリウム、n−ヘキサン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項3記載の方法。
【請求項9】
前記シリルオルガノカルバメートがアルカリ金属カルボン酸塩を含んでなり、アミノオルガノシランとジアルキルカーボネートとをアルカリ金属アルコキシド触媒の存在下で反応させてシリルオルガノカルバメートを調製し、カルボン酸で前記アルカリ金属アルコキシドを中和してアルカリ金属カルボン酸塩を調製し、それが前記シリルオルガノカルバメート中に残留してクラッキング反応ゾーンのクラッキング触媒として作用する工程によって前記シリルオルガノカルバメートが得られる、請求項3記載の方法。
【請求項10】
前記アルカリ金属アルコキシドがナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド又はカリウムtert−ブトキシドのうちの少なくとも1つであり、前記カルボン酸がギ酸、酢酸及びプロパン酸のうちの少なくとも1つである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記シリルオルガノカルバメートが約0.01〜約1重量%のアルカリ金属カルボン酸塩を含有する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記シリルオルガノカルバメートが約0.05〜約0.2重量%のアルカリ金属カルボン酸塩を含有する、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記アルカリ金属カルボン酸塩が、無水物の形態であってもよいギ酸リチウム、酢酸リチウム、プロパン酸リチウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、プロパン酸ナトリウム、n−ブタン酸ナトリウム、n−ヘキサン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記カルボン酸塩がシリルオルガノカルバメートの総量に対して約0.01〜約0.5重量%で存在する、請求項3記載の方法。
【請求項15】
前記カルボン酸塩がシリルオルガノカルバメートの総量に対して約0.05〜約0.2重量%で存在する、請求項3記載の方法。
【請求項16】
前記クラッキング反応ゾーンにおける反応条件が、約1分〜約24時間の滞留時間、約140℃〜約500℃の温度、約5〜約500mmHgの圧力であり、前記三量体化反応ゾーンの反応条件が、約30分〜約24時間の滞留時間、約150℃〜約300℃の温度、約5〜約500mmHgの圧力である、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記クラッキング反応ゾーンにおける反応条件が、約15分〜約5時間の滞留時間、約180℃〜約220℃の温度約50〜約300mmHgの圧力であり、前記三量体化反応ゾーンの反応条件が、約4分〜約10時間の滞留時間、約180℃〜約220℃の温度、約80〜約300mmHgの圧力である、請求項1記載の方法。
【請求項18】
クラッキングの間、クラッキング反応溶媒の所定部分が断続的又は連続的にパージされ、別の三量体化反応ゾーンへ供給されるか、又は貯蔵容器へ供給され、そこでクラッキング反応ゾーンから三量体化反応ゾーンへの切り替えがなされるまで保持され、更にクラッキング反応溶媒が前記貯蔵容器から取り出され、三量体化反応ゾーンへのフィードとされる、請求項1記載の方法。
【請求項19】
クラッキングの間、クラッキング反応ゾーンへのフィード中のシリルオルガノカルバメートの重量に対して約1〜約70重量%のクラッキング反応溶媒がパージされる、請求項1記載の方法。
【請求項20】
クラッキングの間、クラッキング反応ゾーンへのフィード中のシリルオルガノカルバメートの重量に対して約10〜約50重量%のクラッキング反応溶媒がパージされる、請求項17記載の方法。
【請求項21】
クラッキング触媒が前記クラッキングゾーンに存在せず、三量体形成触媒が前記三量体化反応ゾーンに存在する、請求項1記載の方法。
【請求項22】
三量体形成触媒が前記三量体化反応ゾーンに追加的に添加される、請求項3記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−542373(P2008−542373A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514692(P2008−514692)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/019943
【国際公開番号】WO2006/132799
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】