説明

イソニコチンアミドオレキシン受容体アンタゴニスト

本発明は、イソニコチンアミド化合物に関し、これはオレキシン受容体のアンタゴニストであり、そしてこれは、神経学的及び精神医学的障害、並びにオレキシン受容体が関与する疾患の治療又は予防に有用である。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、及び、オレキシン受容体が関与する、かかる疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オレキシン(ヒポクレチン)は、視床下部で産生される2つの神経ペプチド:オレキシンA(OX−A)(33アミノ酸ペプチド)及びオレキシンB(OX−B)(28アミノ酸ペプチド)を含む(サクライ(Sakurai T.)ら著、「Cell」、1998年、第92巻、p.573−585)。オレキシンは、ラットにおいて食物消費を刺激することが判明しており、摂食行動を調節する中枢フィードバックメカニズムにおけるメディエイタとしての、これらのペプチドの生理的役割が示唆されている(サクライ(Sakurai T.)ら著、「Cell」、1998年、第92巻、p.573−585)。オレキシンは、睡眠及び覚醒の状態を調節しており、ナルコレプシー又は不眠症の患者に、有望な新規治療アプローチを切り開くものである(ケメリー(Chemelli R.M.)ら著、「Cell」、1999年、第98巻、p.437−451)。オレキシンはまた、覚醒、応答、学習及び記憶において役割を果たすものとして示されてきた(ハリス(Harris)ら著、「Trends Neurosci.」、2006年、第29巻、第10号、p.571−577)。2つのオレキシン受容体が、哺乳類においてクローニングされ、特性決定されてきた。それらは、G−タンパク質結合受容体のスーパーファミリーに属する(サクライ(Sakurai T.)ら著、「Cell」、1998年、第92巻、p.573−585):オレキシン−1受容体(OX又はOX1R)は、OX−Aに選択的であり、オレキシン−2受容体(OX2又はOX2R)は、OX−A並びにOX−Bに結合することができる。オレキシンが関与していると推定される生理作用は、オレキシン受容体の2つのサブタイプとしての、OX1受容体及びOX2受容体の一方又は双方を介して発現されると考えられる。
【発明の概要】
【0002】
発明の要旨
本発明は、イソニコチンアミド化合物に関し、これは、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、そしてこれは、神経学的及び精神医学的障害、並びにオレキシン受容体が関与する疾患の治療又は予防に有用である。本発明はまた、これらの化合物を含む医薬組成物、及びオレキシン受容体が関与するかかる疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用に関する。
【0003】
発明の詳細な記載
本発明は、式I:
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、
は、フェニル、ナフチル及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、フェニル、ナフチル及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、フェニル、ナフチル、C3−6シクロアルキル、−NR1011及び複素環からなる群より選択され;
1a、R1b及びR1cは、Aの結合価が置換を可能にしない場合には存在しなくてもよく、そして独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(ここで、mは、独立して、0又は1であり、nは、独立して、0又は1であり(ここで、mが0であるか、又はnが0である場合、結合は存在する)、そしてここで、アルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(ここで、アルケニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(ここで、アルキニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(ここで、フェニル又はナフチルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(9)−(C=O)−O複素環(ここで、複素環は、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(10)−(C=O)−NR1011(ここで、R10及びR11は、独立して:
(a)水素、
(b)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
(c)C3−6アルケニル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
(d)C3−6アルキニル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
(e)C3−6シクロアルキル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
(f)フェニル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、及び
(g)複素環(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
からなる群より選択される)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)12(ここで、qは、0、1又は2であり、そしてここで、 R12は、R10及びR11の定義から選択される)、
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群より選択され;
2a、R2b及びR2cは、Aの結合価が置換を可能にしない場合には存在しなくてもよく、そして独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(ここで、アルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(ここで、アルケニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(ここで、アルキニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(ここで、フェニル又はナフチルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(9)−(C=O)−O複素環(ここで、複素環は、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO
からなる群より選択され;
3a、R3b及びR3cは、Aの結合価が置換を可能にしない場合には存在しなくてもよく、そして独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(ここで、アルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(ここで、アルケニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(ここで、アルキニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(ここで、フェニル又はナフチルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(9)−(C=O)−O複素環(ここで、複素環は、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO、からなる群より選択され;
及びRは、独立して、水素及びC1−6アルキルから選択され、これは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換され、或いは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3−6シクロアルキルを形成してもよく、ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換され;
は、水素、C1−6アルキル又はC3−6シクロアルキルであり、これは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換され;
13は:
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(ここで、アルキルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(4)−O−(C1−3)パーフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(ここで、アルケニルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(ここで、アルキニルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(ここで、フェニル又はナフチルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(9)−(C=O)−O複素環(ここで、複素環は、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO、からなる群より選択され;
14は:
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)複素環、
(10)−COH、及び
(11)−CN、
からなる群より選択される]の化合物又は薬学的に許容されるその塩に関する。
【0006】
本発明の1つの実施態様は、式Ia:
【0007】
【化2】

【0008】
[式中、A、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R3c及びRは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0009】
本発明の1つの実施態様は、式Ib:
【0010】
【化3】

【0011】
[式中、A、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0012】
本発明の1つの実施態様は、式Ic:
【0013】
【化4】

【0014】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0015】
本発明の1つの実施態様は、式Ic’:
【0016】
【化5】

【0017】
[式中、A、A、R1a、R1b、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0018】
本発明の1つの実施態様は、式Id:
【0019】
【化6】

【0020】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0021】
本発明の1つの実施態様は、式Id’:
【0022】
【化7】

【0023】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0024】
本発明の1つの実施態様は、式Ie:
【0025】
【化8】

【0026】
[式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0027】
本発明の1つの実施態様は、式If:
【0028】
【化9】

【0029】
[式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0030】
本発明の1つの実施態様は、式Ig:
【0031】
【化10】

【0032】
[式中、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0033】
本発明の1つの実施態様は、式Ih:
【0034】
【化11】

【0035】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0036】
本発明の1つの実施態様は、式Ii:
【0037】
【化12】

【0038】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b及びR3cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0039】
本発明の1つの実施態様は、式Ij:
【0040】
【化13】

【0041】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a及びR3bは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0042】
本発明の1つの実施態様は、式Ij’:
【0043】
【化14】

【0044】
[式中、A、R1a、R2a、R2b、R2c、R3a及びR3bは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0045】
本発明の1つの実施態様は、式Ik:
【0046】
【化15】

【0047】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a及びR3bは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0048】
本発明の1つの実施態様は、式Il:
【0049】
【化16】

【0050】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R2c、R3a及びR3bは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0051】
本発明の1つの実施態様は、式Im:
【0052】
【化17】

【0053】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b及びR2cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0054】
本発明の1つの実施態様は、式In:
【0055】
【化18】

【0056】
[式中、A、A、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b及びR2cは、本明細書に定義された通りである]の化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0057】
本発明の1つの実施態様は、Aが、フェニルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ナフチルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ヘテロアリールである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ピリジルである化合物を包含する。
【0058】
本発明の1つの実施態様は、Aが、フェニル又はピリジルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、フェニルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ナフチルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ヘテロアリールである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、キノキサリニルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ピリジルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ピラジニルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、キノリニルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、インドリルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ジヒドロインドリルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ベンゾイミダゾリルである化合物を包含する。
【0059】
本発明の1つの実施態様は、Aが、ピラゾリルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ピラゾリル(これは、メチルで置換される)である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ピリジルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ピリジル(これは、水素以外の少なくとも1つの置換基で置換される)である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ピリジル(これは、フルオロ又はクロロで置換される)である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、2−ピリジル又は4−ピリジルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、未置換の3−ピリジル以外である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、チアゾリルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、5−チアゾリルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、チアゾリル(これは、C1−6アルキルで置換される)である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、フェニルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、フェニル(これは、水素以外の少なくとも1つの置換基で置換される)である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、フェニル(これは、ヒドロキシル、メチルアミノカルボニル又はジメチルアミノメチルで置換される)である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、シクロペンチルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、モルホリニルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、ピロリジニルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aが、アゼチジニルである化合物を包含する。
【0060】
本発明の1つの実施態様は、R1a、R1b及びR1cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(7)フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(8)−O−フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0061】
本発明の1つの実施態様は、R1a、R1b及びR1cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、及び
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0062】
本発明の1つの実施態様は、R1a、R1b及びR1cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、及び
(3)C1−6アルキル、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0063】
本発明の1つの実施態様は、R1a、R1b及びR1cが、独立して:
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、及び
(4)メチル、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0064】
本発明の1つの実施態様は、Aが、フェニルであり、そしてR1a、R1b及びR1cが、独立して:
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、及び
(4)メチル、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0065】
本発明の1つの実施態様は、R2a、R2b及びR2cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(7)フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(8)−O−フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0066】
本発明の1つの実施態様は、R2a、R2b及びR2cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、及び
(6)−NH−C1−6アルキル又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これは、未置換であるか、又はハロゲンで置換される)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0067】
本発明の1つの実施態様は、R2a、R2b及びR2cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲンで置換される)、
(4)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲンで置換される)、及び
(5)−NH−C1−6アルキル又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これは、未置換であるか、又はハロゲンで置換される)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0068】
本発明の1つの実施態様は、R2a、R2b及びR2cが、独立して:
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、及び
(8)トリフルオロメチル、
(9)−N(CH)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0069】
本発明の1つの実施態様は、Aがフェニルであり、そしてR2a、R2b及びR2cが、独立して:
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、及び
(8)トリフルオロメチル、
(9)−N(CH)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0070】
本発明の1つの実施態様は、R3a、R3b及びR3cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(7)フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(8)−O−フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0071】
本発明の1つの実施態様は、R3a、R3b及びR3cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、及び
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0072】
本発明の1つの実施態様は、R3a、R3b及びR3cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、及び
(3)C1−6アルキル、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0073】
本発明の1つの実施態様は、R3a、R3b及びR3cが、独立して:
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、及び
(4)メチル、
からなる群より選択される化合物を包含する。
【0074】
本発明の1つの実施態様は、Aがピリジルであり、そしてここで、R3aがハロゲンであり、R3bが水素であり、そしてR3cが水素である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aがピリジルであり、そしてここで、R3aがクロロ又はフルオロであり、R3bが水素であり、そしてR3cが水素である化合物を包含する。
【0075】
本発明の1つの実施態様は、Aがピラゾリルであり、そしてここで、R3aが、C1−6アルキルであり、R3bが水素であり、そしてR3cが水素である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Aがピラゾリルであり、そしてここで、R3aがメチルであり、R3bが水素であり、そしてR3cが水素である化合物を包含する。
【0076】
本発明の1つの実施態様は、Rが、水素又はC1−6アルキルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、水素又はメチルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、水素である化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、水素又はC1−6アルキルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、水素又はメチルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、水素である化合物を包含する。
【0077】
本発明の1つの実施態様は、Rが、水素、C1−6アルキル又はC3−6シクロアルキルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、C1−6アルキルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、C3−6シクロアルキルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、水素、メチル又はエチルである化合物を包含する。本発明の1つの実施態様は、Rが、水素である化合物を包含する。
【0078】
本発明の具体的な実施態様は、本明細書の実施例の主題化合物からなる群より選択される化合物又は薬学的に許容されるその塩を包含する。
【0079】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有してよく、したがって、ラセミ体及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在してもよい。分子上の様々な置換基の性質に依存して、追加の不斉中心が存在してもよい。かかる不斉中心の各々は、独立して、2つの光学異性体を生じるものであり、混合物の状態及び純粋な又は部分的に精製された化合物として、全ての可能な光学異性体及びジアステレオマーが本発明の範囲内に包含されることが意図される。本発明は、これらの化合物のかかる異性体の全てを包含するものとする。式Iは、具体的な立体化学なしの化合物類の構造を示す。
【0080】
これらのジアステレオマーの個別の合成又はそのクロマトグラフ分離は、本明細書に開示された方法を適切に修正することにより、当該技術分野において周知のように達成し得る。それらの絶対立体化学は、必要に応じて立体配置が既知の不斉中心を含有する試薬を用いて誘導体化された結晶性生成物又は結晶性中間体のX線結晶解析によって測定してもよい。所望であれば、化合物のラセミ混合物を分離して個々のエナンチオマーが単離されるようにしてもよい。分離は、当該技術分野において周知の方法によって行なってよく、例えば、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物とカップリングさせてジアステレオマー混合物を生成した後、個々のジアステレオマーを分別結晶又はクロマトグラフィーといった標準的な方法により分離してもよい。カップリング反応は、しばしば、エナンチオマー的に純粋な酸又は塩基を使用した塩の生成である。ジアステレオマー誘導体は、次に、付加されたキラル残基を切断することにより純粋なエナンチオマーに変換してもよい。化合物のラセミ混合物はまた、キラル固定相を利用したクロマトグラフ法によって直接分離してもよく、この方法は当該技術分野において周知である。別法として、化合物の任意のエナンチオマーを、当該技術分野において既知の方法により、立体配置が既知である光学的に純粋な出発原料又は試薬を使用して立体選択的に合成することによって得てもよい。
【0081】
当業者に理解される通り、ハロゲン又はハロは、本明細書で用いるとき、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを包含することが意図される。同様に、C1−6アルキルにおける場合、C1−6は、直鎖又は分枝鎖状で、1、2、3、4、5又は6個の炭素を有する基を同定するものと定義され、例えば、C1−8アルキルは、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルを包含する。独立して置換基で置換されるものとして示された基は、独立して、多数のかかる置換基で置換されていてもよい。用語「複素環」は、本明細書で用いるとき、不飽和及び飽和複素環式基の双方を包含し、ここで、不飽和複素環式基(すなわち「ヘテロアリール」)は、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、ジヒドロインドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びそれらのN−オキシドを包含し、そしてここで、飽和複素環基は、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル及びテトラヒドロチエニル及びそれらのN−オキシドを包含する。
【0082】
用語「薬学的に許容される塩」は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を包含する。特定の実施態様は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウムの塩を包含する。固体形態にある塩は、2種以上の結晶構造で存在してもよく、また水和物の形態で存在してもよい。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩には、第一級、第二級及び第三級のアミンの塩;天然産置換アミンを含む置換アミン塩、及び環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を包含する。
【0083】
本発明化合物が塩基性である場合、塩は、無機及び有機酸を含む薬学的に許容される非毒性の酸から調製してもよい。かかる酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素、塩化水素、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを包含する。特定の実施態様は、クエン酸、臭化水素、塩化水素、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸を含む。本明細書で用いる場合、式Iの化合物についての記載は、薬学的に許容される塩も包含することを意味するものと理解されよう。
【0084】
本発明を例示するものとしては、実施例及び本明細書に開示された化合物の使用がある。本発明の範囲内の具体的な化合物は、以下の実施例に開示された化合物及び薬学的に許容されるそれらの塩と、それらの個々のエナンチオマー又はジアステレオマーとからなる群より選択される化合物を包含する。
【0085】
主題化合物は、かかる阻害を必要とする哺乳類などの患者に有効量の化合物を投与することを含む、オレキシン受容体活性に拮抗する方法において有用である。本発明は、本明細書に開示された化合物のオレキシン受容体活性のアンタゴニストとしての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、他の多様な哺乳類を本発明の方法に従って治療し得る。本発明は、医薬において使用するための本発明の化合物又は薬学的に許容されるその塩に関する。本発明はさらに、オレキシン受容体活性に拮抗するため又は本明細書に開示された障害及び疾患をヒト及び動物において治療するための、医薬の製造のための本発明の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用に関する。
【0086】
本方法で治療される患者は、一般に、哺乳類、例えば、男性又は女性であるヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床家が求めている、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発することができる主題化合物の量を意味する。当業者は、本発明の化合物の有効量を用いて、現在障害に苦しんでいる患者を治療することにより又は障害に苦しめられた患者を予防的に治療することにより、神経学的及び精神医学的障害に影響を及ぼし得ることが理解される。本明細書で用いる場合、用語「治療」及び「治療すること」は、本明細書に記載された神経学的及び精神医学的障害の進行を、遅延、中断、阻止、制御又は停止させ得る全てのプロセスを指すが、必ずしも全ての障害症候の完全な排除を示すものではなく、また特に、かかる疾患又は障害の素因をもつ患者における上記の症状の予防療法も指す。用語、化合物「の投与」及び又は「投与すること」は、本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを、それを必要とする個体に与えることを意味するものと理解されるべきである。
【0087】
用語「組成物」は、本明細書で用いるとき、特定の成分を特定の量で含む生成物、並びに、特定の量の特定の成分の組合せから直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図する。医薬組成物に関するかかる用語は、活性成分と担体を構成する不活性成分とを含む生成物、並びに、任意の2種以上の成分の組合せ、複合体形成又は凝集から又は1種以上の成分の解離から又は1種以上の成分の別のタイプの反応若しくは相互作用から、直接又は間接的に得られる任意の生成物を包含することが意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを混合することにより製造される任意の組成物を包含する。「薬学的に許容される」により、担体、希釈剤又は賦形剤が、配合物の他の成分と適合性でなければならず、かつその受容者に有害であってはならないことを意味する。
【0088】
オレキシン受容体OX1R及び/又はOX2Rアンタゴニストとしての本発明の化合物の有効性は、「FLIPR Ca2+ Flux Assay」(オクムラ(Okumura)ら著、「Biochem Biophys.Res.Comm.」、2001年、第280巻、p.976−981)を含む、当該技術分野において周知の方法により、過度の実験を伴わずに容易に測定し得る。典型的な実験においては、本発明の化合物のOX1及びOX2受容体アンタゴニスト活性を、以下の実験法に従って測定した。細胞内カルシウム測定には、ラットのオレキシン−1受容体又はヒトのオレキシン−2受容体を発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、2mM L−グルタミン、0.5g/ml G418、1%ヒポキサンチン−チミジンサプリメント、100U/ml ペニシリン、100ug/ml ストレプトマイシン及び10% 熱不活化ウシ胎児血清(FCS)を含有するイスコフ(Iscove)変法DMEMで増殖させる。細胞は、ポリ−D−リジンをコートしたベクトン−ディッキンソン(Becton−Dickinson)黒色384ウェル透明底滅菌済プレート中に、20,000細胞/ウェルで播種する。全ての試薬は、ギブコ−インビトロジェン社(GIBCO−Invitrogen Corp)から得た。播種されたプレートを、37℃及び5%COにて一晩インキュベートする。アゴニストとして、Ala−6,12ヒトオレキシン−Aを、1%ウシ血清アルブミン(BSA)中の1mMストック溶液として調製し、アッセイバッファ(20mM HEPES、0.1%BSA及び2.5mMプロベネシドを含有するHBSS、pH7.4)中に希釈して、最終濃度70pMでアッセイに使用する。試験化合物は、DMSO中の10mMストック溶液として調製し、次に384ウェルプレート中で、まずDMSOで、次にアッセイバッファで希釈する。アッセイの当日に、細胞をアッセイバッファ100ulで3回洗浄し、次に1uM Fluo−4AMエステル、0.02%プルロニック酸及び1%BSAを含有するアッセイバッファ 60ul中で、60分間(37℃、5%CO)インキュベートする。次いで色素添加溶液を吸引し、細胞をアッセイバッファ100ulで3回洗浄する。同じバッファ30ulを、各ウェルに残しておく。蛍光イメージングプレートリーダー(Fluorescent Imaging Plate Reader)(FLIPR、モレキュラーデバイス(Molecular Devices))内で、体積25ulの試験化合物をプレートに添加し、5分間インキュベートし、最後にアゴニスト25ulを添加する。蛍光を、各ウェルについて1秒間隔で5分間測定し、蛍光ピークの高さを、アンタゴニストの代わりにバッファを用いて70pM Ala−6,12オレキシン−Aによって誘発される蛍光ピークの高さと比較する。各アンタゴニストについて、IC50値(アゴニストの応答の50%を阻害するのに要する化合物の濃度)を測定する。別法として、化合物の効力を、放射線結合アッセイ(バーグマン(Bergman)ら著、「Med.Chem.Lett.」、2008年、第18巻、p.1425−1430)によって評価してもよく、これにおいては、阻害定数(Ki)を、OX1又はOX2のいずれかの受容体を発現しているCHO細胞から調製された膜において測定する。本発明において使用し得る化合物の固有のオレキシン受容体アンタゴニスト活性は、これらのアッセイによって測定し得る。
【0089】
特に、以下の実施例の化合物は、上記のアッセイにおいて、一般に約50μM未満のIC50で、ラットのオレキシン−1受容体及び/又はヒトのオレキシン−2受容体を拮抗する活性を有していた。本発明の範囲内の多くの化合物が、上記のアッセイにおいて、一般に約100nM未満のIC50でラットのオレキシン−1受容体及び/又はヒトのオレキシン−2受容体を拮抗する活性を有していた。本発明の化合物はまた、放射線結合アッセイにおいても、オレキシン−1受容体及び/又はオレキシン−2受容体に対し、一般に、Ki<100nMの活性を有していた。追加のデータを、以下の実施例において示す。かかる結果は、オレキシン−1受容体及び/又はオレキシン−2受容体のアンタゴニストとして使用する際の、化合物の固有活性の指標である。一般に、当業者は、物質が約50μM未満、好ましくは約100nM未満のIC50をもつ場合に、それをオレキシン受容体を有効に拮抗するものと見なすことを理解するであろう。本発明はまた、オレキシン−1受容体及び/又はオレキシン−2受容体のアゴニストとしての活性をもつ化合物も、発明の包括的な範囲内に包含する。他のピリジル化合物に関して、本発明化合物は、経口バイオアベイラビリティの増加、代謝安定性、代謝酵素阻害の低減(例えば、チトクロムP450 3A4(CYP3A4)阻害の低減)、トランスポーター阻害の低減(例えば、p−糖タンパク質/PGP阻害の低減)に関し、及び/又は、ヒトのオレキシン−2受容体を含む他の受容体に対する選択性に関し、予想外の特性を示す。
【0090】
オレキシン受容体は、広範囲の生物学的機能に関係づけられてきた。これにより、ヒト又は他の種での様々な疾患プロセスにおけるこれらの受容体の潜在的役割が示唆されてきた。本発明の化合物は、以下の症状又は疾患の1つ以上を含む、オレキシン受容体に関連した様々な神経学的及び精神医学的障害を、治療、予防、改善、管理又はリスク低減する上で有用である:睡眠異常、睡眠障害、(睡眠の質の向上、睡眠の質の改善、睡眠効率の上昇、睡眠維持の増強を含む);患者の睡眠時間を患者が入眠努力している時間で割ることで計算される値の増加;睡眠開始の改善;睡眠潜伏期又は開始(寝入るのに要する時間)の短縮;入眠困難の低減;睡眠持続性の増加;睡眠中の覚醒回数の減少;睡眠中の断続的な覚醒の減少;夜間覚醒の減少;最初の睡眠開始後の覚醒時間の減少;睡眠総量の増加;睡眠分断の低減;レム睡眠期間のタイミング、頻度又は持続期間の変更;徐波(すなわち、第3又は4期)睡眠期間のタイミング、頻度又は持続期間の変更;第2期睡眠の量及びパーセンテージの増加;徐波睡眠の促進;睡眠中のEEG−デルタ活動の増強;夜間覚醒、特に早朝覚醒の減少;日中の敏捷性の増加;日中傾眠の低減;日中の過剰な睡眠の治療又は低減;睡眠の深さの満足感の増大;睡眠維持の向上;特発性不眠症;睡眠困難;不眠症、過眠症、特発性過眠症、反復性過眠症、内因性過眠症、ナルコレプシー、睡眠中断、睡眠時無呼吸、覚醒、夜間ミオクローヌス、レム睡眠中断、時差ぼけ、交代勤務者の睡眠障害、睡眠異常、夜驚、不眠症(抑うつ、情緒/気分障害、アルツハイマー病又は認知障害に付随する)、並びに夢遊病及び夜尿症及び加齢に伴う睡眠異常;アルツハイマー型日没症候群;概日リズムに関連した症状並びに時間帯横断旅行及び回転交代勤務制に付随する精神的及び身体的障害;副作用としてレム睡眠の減少をもたらす薬物に起因する症状;線維筋痛症;非回復性睡眠及び筋肉痛によって発症する症候群又は睡眠中の呼吸障害に付随する睡眠時無呼吸;睡眠の質低下から生じる症状;学習増加;記憶増強;記憶保持の増加;過剰な摂食に付随する摂食障害及びそれらに付随する合併症;脅迫性摂食障害;肥満(遺伝的又は環境的を問わない何らかの原因による)、肥満関連障害、過食、食欲不振、病的飢餓、カヘキシー、食欲調節異常、高血圧、糖尿病、高血漿インスリン濃度及びインスリン抵抗性、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌及び結腸癌、骨関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心疾患、肺疾患、異常心拍及び不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、急性及びうっ血性心不全;低血圧;高血圧;尿閉;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;虚血性又は出血性卒中;クモ膜下出血;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎臓病;グルコース耐性障害;突然死、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダー−ウィリー症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠損患者、正常変異低身長、ターナー症候群、及び代謝活性の低下を示すか、又は、例えば急性リンパ芽球性白血病の小児などの安静時エネルギー消費の低下を徐脂肪総体重のパーセンテージとして示す他の病的症状、X症候群としても知られるメタボリックシンドローム、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常、性機能及び生殖機能不全、例えば生殖機能障害、不妊、男性の性機能低下及び女性の多毛症、母体肥満に付随する胎児欠陥、胃腸運動障害、腸運動ジスキネジア、肥満関連胃食道逆流、視床下部疾患、下垂体疾患、呼吸障害、例えば肥満−低換気症候群(ピックウィック症候群)、息切れ、心血管障害、炎症、例えば脈管系の全身性炎症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、下背部痛、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、麻酔危険度上昇、肥満の二次的結果のリスク低減、例えば左心室肥大のリスク低減;脳内で異常な振動活動が生じる疾患又は障害(抑うつ、片頭痛、神経障害性疼痛、パーキンソン病、精神病及び統合失調症を含む)、並びに、特に視床を介する活動の異常なカップリングが存在する疾患又は障害;認識機能増強(正常、健康、若年、成人又は加齢集団において一過性又は慢性的に生じる及びまた精神医学性、神経性、心血管性及び免疫性の障害においても一過性又は慢性的に生じる、全てのタイプの注意、学習及び記憶機能における欠損を含む認識機能障害を含む);記憶増強;記憶保持増加;免疫応答増大;免疫機能増大;ホットフラッシュ;寝汗;寿命延長;統合失調症;心拍のような神経系により課せられる興奮/弛緩リズムによって支配される筋肉関連疾患及び他の心血管系の障害;血管拡張又は血管収縮及び血圧といった細胞増殖に関連する症状;癌;心不整脈;高血圧;うっ血性心不全;生殖器/泌尿系の症状;性機能及び生殖能力の異常;性機能不全;精神性欲不全;性的障害;腎機能の充実度;麻酔薬に対する応答性;抑うつ又はさらに具体的には抑うつ障害といった、気分障害、例えば、単一エピソード型又は回帰性大うつ病性障害及び気分変調性障害又は双極性障害、例えばI型双極性障害及びII型双極性障害及び循環気質性障害、一般的な身体疾患に起因する気分障害及び物質誘発性気分障害;情動神経症;抑うつ神経症;不安神経症;不安障害(急性ストレス障害、広所恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会不安障害、特定恐怖症、物質誘発性不安障害及び一般的な身体疾患に起因する不安を含む);急性の神経学的及び精神医学的障害、例えば心臓バイパス手術及び移植後の脳欠陥、卒中、虚血性卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性ニューロン損傷;ハンチントン舞踏病;ハンチントン病及びトウレット症候群;クッシング症候群/疾患;好塩基性腺腫;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺腫;視床下部疾患;炎症性大腸疾患;胃ジスキネジア;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;アドレナリン下垂体疾患(adrenohypophysis);下垂体疾患;アドレナリン下垂体機能低下;アドレナリン下垂体機能亢進症;視床下部性腺機能低下;カールマン症候群(無嗅覚症、嗅覚減退);機能性又は心因性無月経;下垂体機能低下;下垂体性甲状腺機能低下;視床下部−副腎機能不全;特発性高プロラクチン血症;下垂体障害性成長ホルモン欠損症;特発性発育不全;小人症;巨人症;先端巨大症;筋委縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼球損傷;網膜症;認識障害;特発性及び薬物誘発性パーキンソン病;筋痙攣及び筋痙性に付随する障害(震顫、てんかん、痙攣、発作障害、アブサンス発作、複雑部分発作及び全身性発作を含む);レノックス−ガストー症候群;認知症を含む認識障害(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管性の問題又は卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病;周産期低酸素症、他の一般的な身体疾患又は物質乱用に付随);せん妄、健忘症又は加齢関連認識減退;統合失調症又は精神病、例えば、統合失調症(妄想型、解体型、緊張型又は未分化型を含む)、統合失調症型障害、分裂情動性障害、妄想性障害、一過性精神障害、共有精神病性障害、一般的な身体疾患に起因する精神病性障害及び物質誘発性精神病性障害;多重人格症候群及び心因性健忘症を含む、分裂障害;物質関連障害、物質使用、物質乱用、物質探求、物質復活、全てのタイプの心理学的及び身体的な嗜癖及び嗜癖行動、応答関連行動(物質誘発性せん妄、持続性認知症、持続性健忘症、精神病性障害又は不安障害;アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、ハルシノジェン、吸入剤、モルヒネ、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤又は抗不安剤を含む物質に対する耐性、嗜癖性摂食、嗜癖性摂食行動、ビンジ/パージ摂食行動、依存症、禁断又は再発を含む);食欲、味覚、摂食又は飲酒障害;運動障害、例えば、運動不能症及び無動−硬直症候群(パーキンソン病、薬剤誘発性パーキンソン病、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、多系統委縮症、皮質基底変性症、パーキンソン症−ALS認知症複合及び基底核石灰化を含む)、慢性疲労性症候群、疲労(パーキンソン疲労、多発性硬化症性疲労、睡眠障害又は概日リズム障害により生じる疲労を含む)、薬剤誘発性パーキンソニズム(例えば、神経弛緩剤誘発性パーキンソニズム、神経弛緩性悪性症候群、神経弛緩剤誘発性急性ジストニア、神経弛緩剤誘発性急性アカシジア、神経弛緩剤誘発性急性ジスキネジア及び薬剤誘発性姿勢震顫)、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、てんかん及びジスキネジア[震顫(例えば、安静時震顫、本態性震顫、姿勢震顫及び意図震顫)、舞踏病(例えば、シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬剤誘発性舞踏病及び片側バリズム)、ミオクローヌス(一般的ミオクローヌス及び局限性ミオクローヌスを含む)、チック(単純チック、複合チック及び症候性チックを含む)、むずむず脚症候群及びジストニア(特発性ジストニア、薬剤誘発性ジストニア、症候性ジストニア及び発作(paroxyma)ジストニアといった一般的ジストニア、及び、眼瞼痙攣、口顎部ジストニア、痙攣性発声障害、痙攣性斜頚、軸性ジストニア、書痙及び片麻痺性ジストニアといった局限性ジストニアを含む);疾病分類学的実体を含む神経変性疾患、例えば、脱抑制−痴呆−パーキンソニズム−筋委縮複合;淡蒼球−橋−黒質の変性;てんかん;急発作;注意欠陥/多動性障害(ADHD);行為障害;片頭痛(片側頭痛を含む);頭痛;痛覚過敏;疼痛;疼痛に対し増強又は強調された感覚、例えば知覚過敏、灼熱痛及び異痛症;急性疼痛;熱傷性疼痛;非定形顔面痛;神経障害性疼痛;背部痛;複合性局所性疼痛症候群I型及びII型;関節炎痛;スポーツ損傷性疼痛;感染、例えばHIVに関連した疼痛、化学療法後の疼痛;卒中後疼痛;術後疼痛;神経痛;嘔吐、吐き気、吐出;胃ジスキネジア;胃潰瘍;カールマン症候群(無嗅覚);喘息;癌、内臓痛に付随する症状、例えば過敏性腸症候群及びアンギナ;摂食障害;尿失禁;物質耐性;物質禁断(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、催眠剤などを含む);精神病;統合失調症;不安(全般性不安障害、パニック障害及び強迫性障害を含む);気分障害(抑うつ、躁病、双極性障害を含む);三叉神経痛;聴力損失;耳鳴り;眼球損傷を含むニューロン損傷;網膜症;眼の黄斑変性;嘔吐;脳浮腫;例えば、急性及び慢性の疼痛症状、激痛、難治性疼痛、炎症痛、神経障害性疼痛、外傷後の疼痛、骨及び関節痛(骨関節塩)、反復運動痛、歯痛、癌性疼痛、筋筋膜性疼痛(筋肉損傷、線維筋痛症)、術中疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、片頭痛及び片側頭痛を含む疼痛、及び一般的なオレキシン系の機能不全に関連した他の疾患。
【0091】
したがって、具体的な実施態様において、本発明は、睡眠の質の向上;睡眠維持の増強;レム睡眠の増加;第2期睡眠の増加;睡眠パターン分断の低減;不眠症及び全てのタイプの睡眠障害の治療;神経障害性疼痛及びむずむず脚症候群を含む、神経学的障害などの疾患に付随する睡眠障害の治療又は管理;嗜癖障害の治療又は管理;精神活性物質使用及び乱用の治療又は管理;認識強化;記憶保持の増加;肥満の治療又は管理;糖尿病、及び食欲、味覚、摂食又は飲酒障害の治療又は管理;視床下部疾患の治療又は管理;抑うつの治療又は管理;欠神てんかんを含むてんかんの治療、管理、改善又はリスク低減;神経障害性疼痛を含む疼痛の治療又は管理;パーキンソン病の治療又は管理;精神病の治療又は管理;気分変調障害、気分障害、精神病性障害及び不安障害の治療又は管理;大うつ病及び大うつ性障害を含むうつ病の治療又は管理;双極性障害の治療又は管理、又は統合失調症の治療、管理、改善若しくはリスク低減のための、これを要する哺乳類患者における方法であって、本発明の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む。
【0092】
主題化合物はさらに、本明細書に示した疾患、障害及び症状の、予防、治療、管理、改善又はリスク低減のための方法に有用である。本明細書の組成物中の活性成分の投与量は、変更してもよいが、活性成分の量は、適切な剤形が得られるような量でなければならない。活性成分は、最適な薬学的効果を与え得る量で、かかる治療を要する患者(動物及びヒト)に投与し得る。選択される投与量は、所望の治療効果、投与経路及び治療期間に依存する。用量は、疾患の性質及び重篤度、患者の体重、患者が受けている特別食、併用医薬、及び当業者に理解される他の要因に依存して、患者ごとに変更し得る。一般に、有効なオレキシン受容体拮抗作用を得るためには、1日当たり、0.0001ないし10mg/kg体重の投与量レベルが、患者、例えばヒト及び高齢者に投与される。投与量範囲は、一般に1日当たり患者当たり、約0.5mgないし1.0gでよく、これを単回で又は複数回で投与してもよい。1つの実施態様においては、投与量範囲は、1日当たり患者当たり、約0.5mgないし500mgでよく;別の実施態様では、1日当たり患者当たり、約0.5mgないし200mgでよく;また別の実施態様では、1日当たり患者当たり、約5mgないし50mgでよい。本発明の医薬組成物は、例えば約0.5mgないし500mgの活性成分を含み、又は約1mgないし250mgの活性成分を含む固形製剤で提供してよい。医薬組成物は、約1mg、5mg、10mg、25mg、30mg、50mg、80mg、100mg、200mg又は250mgの活性成分を含む固形製剤の形態で提供してもよい。経口投与用には、組成物は、治療されるべき患者に対症的に調整するため1.0ないし1000ミリグラムの活性成分、例えば、約1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900及び1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供してもよい。化合物は、1日当たり1ないし4回、例えば、1日当たり1又は2回の用法で投与してよい。化合物は、就寝前に投与してもよい。例えば、化合物は、就寝の1時間前、就寝の約30分前又は就寝の直前に投与してもよい。
【0093】
本発明の化合物は、本発明の化合物又は他の薬剤が有効な疾患又は症状の、治療、予防、管理、改善又はリスク低減において1種以上の他の薬剤と併用してもよく、薬剤の組み合わせは、いずれかの薬剤単独よりも安全又は有効である。かかる他の薬剤は、それらに通常用いられる経路及び量で、本発明の化合物と同時又は順次に投与し得る。本発明の化合物が1種以上の他の薬剤と同時に投与される場合、かかる他の薬剤と本発明の化合物とを含有する単位剤形の医薬組成物が意図される。しかしながら、併用療法はまた、本発明の化合物と1種以上の他の薬剤とが、別々の重複するスケジュールで投与される療法も包含する。また、1種以上の他の活性成分と併用する場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低用量で使用できることも意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1種以上の他の活性成分を含有するものを包含する。上記の併用は、本発明の化合物と1種の他の活性化合物との併用だけでなく、2種以上の他の活性化合物との併用も包含する。
【0094】
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用な疾患又は症状の、予防、治療、管理、改善又はリスク低減に使用される他の薬剤と併用してもよい。かかる他の薬剤は、それらに通常用いられる経路及び量で、本発明の化合物と同時又は順次に投与してもよい。本発明の化合物が1種以上の他の薬剤と同時に投与される場合、本発明の化合物に加えて、かかる他の薬剤を含有する医薬組成物が意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1種以上の他の活性成分も含有するものを包含する。
【0095】
本発明の化合物の、第2の活性成分に対する重量比は、変更可能であって、各成分の有効用量に依存する。一般に、それぞれの有効用量が使用できる。したがって、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と併用する場合、本発明の化合物の他の薬剤に対する重量比は、約1000:1ないし約1:1000、例えば、約200:1ないし約1:200の範囲内であろう。本発明の化合物と他の活性成分との併用もまた、一般に、上記の範囲内となるが、どの場合でも、各活性成分の有効量を使用するべきである。かかる併用の場合、本発明の化合物及び他の活性薬剤は、別々に又は一緒に投与してもよい。さらに、一方の成分の投与は、他方の薬剤の投与の前、同時又はその後でよい。
【0096】
本発明の化合物は、睡眠の質の向上、睡眠異常及び睡眠障害の予防及び治療に有用であることが当該技術分野において周知な他の化合物、例えば、鎮静剤、催眠剤、不安緩和剤、抗精神病薬、抗不安薬、抗ヒスタミン剤、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2Aアンタゴニスト及び5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む、5HT−2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニスト、ヒスタミンH3インバースアゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動薬、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニスト及びアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T型カルシウムチャンネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、例えば:アジダゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エスクロリノール(ethchlorynol)、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、イニジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オルノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポホール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム及びそれらの塩、並びにそれらの組合せなどと併用して投与してもよく、又は、本発明の化合物を、光療法又は電気刺激といった物理的方法の使用と併用して投与してもよい。
【0097】
別の実施態様においては、主題化合物は、別々か又は同一の医薬組成物として投与されることが当業者に周知の他の化合物と併用されてもよく、限定されるものではないが、例えば、インスリン増感剤、例えば(i)PPARγアゴニスト、例えばグリタゾン類(例えば、シグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン;ロシグリタゾン;トログリタゾン;ツラリク;BRL49653;CLX−0921;5−BTZD)、GW−0207、LG−100641及びLY−300512など);(iii)ビグアニド、例えばメトホルミン及びフェンホルミン;(b)インスリン又はインスリン疑似物質、例えばビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルジン、インスリン亜鉛水性懸濁液(遅効又は超遅効);Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン)及びGLP−1(7−36)−NH);(c)スルホニル尿素、例えばアセトヘキサミド;クロルプロパミド;ダイアビネス;グリベンクラミド;グリピジド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソラミド;トラザミド及びトルブタミド;(d)α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース;アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945及びMOR14など;(e)コレステロール低下剤、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン及び他のスタチン類)、(ii)胆汁酸/金属イオン封鎖剤、例えばコレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;コレスチド(Colestid)(登録商標);ロコレスト(LoCholest)(登録商標)など、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩、(iii)増殖因子活性化受容体αアゴニスト、例えばフェンフィブロン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート及びベンザフィブラート)、(iv)コレステロール吸収阻害剤、例えばスタノールエステル、ベータ−シトステロール、チケシドなどのステロールグリコシド及びエゼチミベのようなアゼチジノンなど、並びに、アバシミベ及びメラナミドなどの(アシルCoA:コレステロールセシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、(v)抗酸化剤、例えばプロブロコール、(vi)ビタミンE、及び(vii)甲状腺ホルモン類似薬;(f)PPARαアゴニスト、例えば、ベクロフィブラート、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート及びゲムフィブロジル、及び他のフィブリン酸誘導体、例えばアトロミド(Atromid)(登録商標)、ロピド(Lopid)(登録商標)及びトリコール(Tricol)(登録商標)など、並びに、WO97/36579に記載されたPPARαアゴニスト;(g)PPARδアゴニスト、例えばWO97/28149に記載されたもの;(h)PPARα/δアゴニスト、例えばムラグリタザール及びUS6,414,002に記載された化合物;(i)抗肥満剤、例えば(1)成長ホルモン分泌促進物質、成長ホルモン分泌促進物質受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、NN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692、429及びL−163,255、並びに、米国特許第5,536,716及び6,358,951号、米国特許出願第2002/049196及び2002/022637号及びPCT出願第WO01/56592及びWO02/32888号に開示されたもの;(2)タンパク質チロシンリン酸化酵素阻害剤−1B(PTP−1B)阻害剤;(3)カンナビノイド受容体リガンド、例えばカンナビノイドCB1受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニスト、例えばリモナバント、タラナバント、AMT−251、及び、SR−14778及びSR14176A(Sanfi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY65−2520(Bayer)、及び、米国特許第5,532,237、4,973,587、5,013,837、5,081,122、5,112,820、5,292,736、5,624,941、6,028,084号、PCT出願第WO96/33159、WO98/33765、WO98/43636、WO98/43635、WO01/09120、WO98/31227、WO98/41519、WO98/37061、WO00/10967、WO00/10968、WO97/29079、WO99/02499、WO01/58869、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO02/076949、WO03/007887、WO04/048317及びWO05/000809号に開示されたもの;(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えばフェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン及びシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、例えばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、トレカドリン、ゼネカD7114、SR59119A;(6)膵臓リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタット(キセニカル(Xenical)(登録商標))、トリトンWR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、ジエチルウンベリフェリルホスファート及びPCT出願第WO01/77094号に開示されたもの;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、及び、米国特許第6,001,836号及びPCT特許公開第WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173及びWO01/89528号に開示されたもの;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A及びJCF−104、及び、米国特許第6,057,335;6,043,246;6,140,354;6,166,038;6,180,653;6,191,160;6,313,298;6,335,345;6,337,332;6,326,375;6,329,395;6,340,683;6,388,077;6,462,053;6,649,624及び6,723,847号、欧州特許第EP−01010691及びEP−01044970号;PCT国際特許公開第WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/24768;WO98/25907;WO98/25908;WO98/27063、WO98/47505;WO98/40356;WO99/15516;WO99/27965;WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376;WO01/85714、WO01/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/22592、WO0248152及びWO02/49648;WO02/094825;WO03/014083;WO03/10191;WO03/092889;WO04/002986及びWO04/031175に開示されたもの;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト、例えばWO01/21577及びWO01/21169に開示されたもの;(10)メラニン濃縮ホルモンI受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(Takeda)及びPCT特許出願第WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、WO03/004027号に開示されたもの;(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト、例えばSB−334867A及び本明細書の特許公開において開示されたもの;(13)セロトニン再吸収阻害剤、例えばフルオキセチン、パロキセチン及びセルトラリン;(14)メラノコルチンアゴニスト、例えばメラノタンII;(15)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えばCHIR86036(Chiron)、ME−10142及びME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron);PT−141及びPT−14(Palatin);(16)5HT−2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト例えば、BVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065、及び、米国特許第3,914,250号及びPCT出願第WO02/36596、WO02/48124、WO02/10169、WO01/66548、WO02/44152、WO02/51844、WO02/40456及びWO02/40457号に開示されたもの;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えばAR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623及びSR14613、及び、米国特許第5,739,106号に記載されたもの;(21)GLP−1アゴニスト;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレータ;(24)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えばヒオペラミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)及びO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバメート;(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害剤(β−HSD−1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト;(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤、例えばGW320659、デシピラミン、タルスプラム及びノミフェンシン;(29)グレリン受容体アンタゴニスト、例えばPCT出願第WO01/87335及びWO02/08250号に開示されたもの;(30)組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roshe)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含むレプチン;(31)レプチン誘導体;(32)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6,beta−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)及び[D−Phe6,Phe1
3]Bn(6−13)プロピルアミド、及び、「Pept.Sci.」、2002年8月、第8巻、第8号、p.461−75に開示された化合物;(33)CNTF(毛様体神経栄養因子)、例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド、PD170,292及びPD149164(Pfizer);(34)CNTF誘導体、例えば、アキソキン(Regeneron);(35)モノアミン再吸収阻害剤、例えばシブトラミン;(36)UCP−1(非共役型タンパク質−1)、2又は3アクチベーター、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸;(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS);(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤、例えばセルレニン及びC75;(39)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)アシル−エストロゲン、例えば、デル・マール−グラサ(del Mar−Grasa,M.)ら著、「Obesity Research」、2001年、第9巻、p.202−9に開示された、オレイル−エストロン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、例えばイソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、シタグリプチン及びUS6,699,871、WO03/004498;WO03/004496;EP1258476;WO02/083128;WO02/062764;WO03/000250;WO03/002530;WO03/002531;WO03/002553;WO03/002593;WO03/000180及びWO03/000181に開示された化合物;(46)ジカルボキシラーゼトランスポーター阻害剤;(47)グルコーストランスポター阻害剤;(48)ホスファートトランスポター阻害剤;(49)メトホルミン(グルコファージ(Glucophage)(登録商標));(50)トピラメート(トピマックス(Topimax)(登録商標));(50)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYY類似体、誘導体及びフラグメント、例えばBIM−43073D、BIM−43004C(Olitvak,D.A.ら著、「Dig.Dis.Sci.」、1999年、第44巻、第3号、p.643−48);(51)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V及びシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY;(52)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば膵臓ペプチド(PP)、及び他のY4アゴニスト、例えば、1229U91;(54)シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、例えばエトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS3347070、チラコキシブ又はJTE522、ABT963、CS502及びGW406381;(55)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(56)オピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン(レベックス(Revex)(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン;(57)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)阻害剤、例えばBVT3498、BVT2733、及び、WO01/90091、WO01/90090、WO01/90092、US6,730,690及びUS2004−0133011に開示されたもの;(58)アミノレックス;(59)アンフェクロラール;(60)アンフェタミン;(61)ベンズフェタミン;(62)クロルフェンテルミン;(63)クロベンゾレックス;(64)クロフォレックス;(65)クロミノレックス;(66)クロルテルミン;(67)シクレキセドリン;(68)デクストロアンフェタミン;(69)ジフェメトキシジン、(70)N−エチルアンフェンタミン;(71)フェンブトラザート;(72)フェニソレックス;(73)フェンプロレックス;(74)フルドレックス;(75)フミノレックス;(76)フルフリルメチルアンフェタミン;(77)レバンフェタミン;(78)レボファセトペラン:(79)メフェノレックス;(80)メタンフェプラモン;(81)メタンフェタミン;(82)ノルプソイドエフェドリン;(83)ペントレックス;(84)フェンジメトラジン;(85)フェンメトラジン;(86)ピシロレックス;(87)フィトファーム57、及び(88)ゾニサミド、(89)ニューロメジンU及びその類似体若しくは誘導体、(90)オキシントモジュリン及びその類似体若しくは誘導体、及び、(91)ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト(NK−1アンタゴニスト)、例えば米国特許第5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833及び5,637,699号に開示された化合物を包含する。
【0098】
別の実施態様においては、主題化合物は、ノルエピネフリン再吸収阻害剤(第三級アミン三環系及び第二級アミン三環系を含む)、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再吸収阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、非定形抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト、及びコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを包含する、抗抑うつ剤又は抗不安剤と併用してもよい。具体的な薬剤は、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン及びトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチン及びプロトリプチリン;シタロプラム、ドロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン及びセルトラリン;イソカルボキサミド、フェネルジン、トラニルシプロミン及びセレギリン;モクロベミド:ベラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロン、及び薬学的に許容されるそれらの塩を包含する。
【0099】
別の実施態様においては、主題化合物は、抗アルツハイマー薬;ベータセクレターゼ阻害剤;ガンマ−セクレターゼ阻害剤;成長ホルモン分泌促進物質;組換え成長ホルモン;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含むNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB−1受容体アンタゴニスト又はCB−1受容体インバースアゴニスト;ドキシサイクリン及びリファンピシンなどの抗生物質;メマンチンなどのN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト;コリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン;成長ホルモン分泌促進物質、例えば、イブタモレン、メシル酸イブタモレン及びカプロモレリン;ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABAインバースアゴニスト又はニューロン性ニコチンアゴニストと併用してもよい。
【0100】
別の実施態様においては、主題化合物は、鎮静剤、催眠剤、不安緩和剤、抗精神病薬、抗不安剤、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT−2アンタゴニストなど、例えばアジナゾラム、アルバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エスクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチチン、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポホール、プロトリプチリン、クアゼパム、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデム及びそれらの塩、並びにそれらの組合せなどと併用して投与してもよく、或いは、主題化合物を、光療法又は電気刺激といった物理的方法の使用と併用して投与してもよい。
【0101】
別の実施態様においては、主題化合物は、レボドパ(カルビドパ又はベンセラジドなどの選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤を併用又は併用せず)、抗コリン作動薬、例えばビペリデン(場合によりその塩酸塩又は乳酸塩)及びトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩、COMT阻害剤、例えばエンタカポン、MOA−B阻害剤、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、及びドーパミン受容体アゴニスト、例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド及びプラミペキソールと併用してもよい。
【0102】
別の実施態様においては、主題化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボトバ、レボドパとベンセラジド併用、レボドパとカルビドパ併用、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン又はトリフルオペラジンと併用してもよい。
【0103】
別の実施態様においては、主題化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン及びインドロンクラスの神経弛緩薬からの化合物と併用してもよい。フェノチアジン類の好適例には、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン及びトリフルオロペラジンを包含する。チオキサンテン類の好適例には、クロロプロチキセン及びチオチキセンを包含する。ジベンズアゼピンの一例は、クロザピンである。ブチロフェノンの一例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの一例は、ピモジドである。インドロンの一例は、モリンドロンである。他の神経弛緩薬には、ロキサピン、スルプリド及びリペリドンを包含する。
【0104】
別の実施態様においては、主題化合物は、ニコチンアゴニスト又はニコチン受容体部分アゴニスト、例えばバレニクリン、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン(ナルトレキソン・デポを含む)、アンタビュース及びナルメフェン)、ドーパミン作動薬(例えば、アポモルフィン)、ADD/ADHD剤(例えば、塩酸メチルフェニデート(例えば、リタリン(Ritalin)(登録商標)及びコンセルタ(Concerta)(登録商標))、アトモキセチン(例えば、ストラテラ(Strattera)(登録商標))、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、アンフェタミン(例えば、アデラール(Adderall)(登録商標))、及び抗肥満剤、例えばapo−B/MTP阻害剤、11ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11ベータ−HSD1型)阻害剤、ペプチドYY3−36又はその類似体、MCR−4アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、モノアミン再吸収阻害剤、交感神経様作動薬、β3アドレナリン作動性受容体アゴニスト、ドーパミン受容体アゴニスト、色素細胞刺激ホルモン受容体類似体、5−HT2c受容体アゴニスト、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、レプチン、レプチン類似体、レプチン受容体アゴニスト、ガラニン受容体アンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、ボンベシン受容体アゴニスト、ニューロペプチド−Y受容体アンタゴニスト(例えば、NPY Y5受容体アンタゴニスト)、甲状腺ホルモン模倣剤、デヒドロエピアンドステロン又はその類似体、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、他のオレキシン受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養因子、ヒトアグーチ関連タンパク質アンタゴニスト、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニスト、及びニューロメジンU受容体アゴニスト、及び薬学的に許容されるそれらの塩と併用してもよい。
【0105】
別の実施態様においては、主題化合物は、食欲減退剤、例えば、アミノレックス、アンフェクロラール、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェタミン、クロベンゾレックス、クロフォレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デクストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラザート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックス及びシブトラミン;選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI);ハロゲン化アンフェタミン誘導体、例えばクロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックス、及びシブトラミン、及び薬学的に許容されるそれらの塩と併用してもよい。
【0106】
別の実施態様においては、主題化合物は、アヘンアゴニスト、リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば5−リポキシゲナーゼの阻害剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えばシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、インターロイキン阻害剤、例えばインターロイキン−1阻害剤、NMDAアンタゴニスト、酸化窒素の阻害剤又は酸化窒素合成の阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤又はサイトカイン抑制抗炎症剤、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛剤、スフェンタニル、スリンダク、テニダップの化合物などと併用してもよい。同様に、主題化合物は、鎮痛剤;相乗剤、例えばカフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム;うっ血除去剤、例えばフェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン又はレボ−デスオキシ−エフェドリン;鎮咳剤、例えばコデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン又はデキストラメトルファン;利尿剤及び鎮静性又は非鎮静性の抗ヒスタミン剤と共に投与してもよい。
【0107】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射又は注入、皮下注射又はインプラント)、吸入スプレー、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下又は局所の投与経路により投与してよく、単独で又は組み合わせて、通常の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、及び各投与経路に適したビヒクルを含有する好適な投与単位製剤として製剤し得る。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどといった温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトにおける使用に有効である。
【0108】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、投与単位剤形で便利に供されてよく、薬学の技術分野において周知の任意の方法で調製し得る。全ての方法は、活性成分を、1種以上の副成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、有効成分を、液体担体若しくは超微粒子状の固形担体又はその双方と、均一かつ均質に会合させること、次に、必要に応じて、生成物を所望の製剤に成型することにより調製される。医薬組成物においては、活性な目的化合物は、医薬組成物中に疾患のプロセス又は症状に対し、所望の効果を生じるのに充分な量で含まれる。本明細書で用いるとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、並びに、特定の成分の特定の量の組合せから、直接又は間接的に得られる生成物を包含することを意図する。
【0109】
経口使用を意図した医薬組成物は、医薬組成物製造の技術分野において周知の任意の方法にしたがって調製してもよく、かかる組成物は、薬剤としてエレガントで飲みやすい製剤を提供するため、甘味剤、着香剤、着色剤及び保存剤からなる群より選択される1種以上の薬剤を含有してもよい。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物として含有する。これらの賦形剤は、例えば不活性な希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒剤及び崩壊剤、例えばコーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン又はアラビアゴム、及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクでよい。錠剤は、コーティングしていなくてもよく、或いは、既知の技術によってコーティングして、胃腸管内での崩壊及び吸収を遅らせて、それにより長時間の持続作用を供するようにしてもよい。経口用の組成物はまた、活性成分が、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンなどの不活性な固形希釈剤と混合されたゼラチン硬カプセルとして、或いは、活性成分が、水又は油性媒体、例えばラッカセイ油、流動パラフィン又はオリーブ油と混合されたゼラチン軟カプセルとして提供してもよい。水性懸濁液は、活性成分を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物として含有する。油性懸濁液は、有効成分を、適当な油中に懸濁することにより製剤し得る。水中油型エマルジョンもまた使用してよい。水の添加により水性懸濁液を調製するのに適した分散性粉末及び顆粒は、活性成分を、分散又は湿潤剤、懸濁化剤及び1種以上の保存剤との混合物で提供する。本発明の医薬組成物は、無菌の注射用の水性又は油性の懸濁液の形態でもよい。本発明の化合物はまた、直腸投与用の座剤の形態で投与してもよい。局所での使用には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液などを使用し得る。本発明の化合物はまた、吸入による投与用に製剤してもよい。本発明の化合物はまた、当該技術分野において既知の方法により、経皮パッチによって投与してもよい。
【0110】
本発明の化合物を調製するための数種の方法を、以下のスキーム及び実施例において例示する。出発原料は、当該技術分野において既知の方法により、又は本明細書に例示したように製造される。本明細書では、以下の略語が使用される:Me:メチル;Et:エチル;t−Bu:tert−ブチル;Ar:アリール;Ph:フェニル;Bn:ベンジル;Ac:アセチル;THF:テトラヒドロフラン;DEAD:ジエチルアゾジカルボキシラート;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;NMM:N−メチルモルホリン;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド;HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;EtN:トリエチルアミン;DCM:ジクロロメタン;DCE:ジクロロエタン;BSA:ウシ血清アルブミン;TFA:トリフルオロ酢酸;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;MTBE:メチルtert−ブチルエーテル;SOCl:塩化チオニル;CDI:カルボニルジイミダゾール;PyClu:1−(クロロ−1−ピロリジニルメチレン)−ピロリジニウムヘキサフルオロホスファート;rt:室温;HPLC:高速液体クロマトグラフィー。本発明の化合物は、様々な様式で調製し得る。ある場合には、最終生成物を、例えば、置換基を操作することによりさらに修飾してもよい。これらの操作には、これに限定されないが、還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応を包含してよく、これらの反応は当該技術分野において周知である。ある場合には、上記の反応スキームを行なう順序を変更して、反応を促進するか、又は不要の反応生成物を避けるようにしてもよい。以下の実施例は、本発明をより充分に理解するために提供するものである。これらの実施例は、例示にすぎず、何ら本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0111】
【化19】

【0112】
エチル2,5−ジブロモイソニコチナート(A−1)を、スズキ反応条件下で、2位において選択的に反応させて、ビアリール中間体A−2を得ることができる。A−2に対して第2のスズキ反応を行ない、タイプA−3のトリアリール中間体が得られる。タイプA−3のトリアリールエステルを鹸化し、次いでカップリングして、タイプA−4のトリアリールイソニコチンアミドが得られる。
【0113】
【化20】

【0114】
タイプB−1のビアリールイソニコチナートを、Pd触媒アミノ化条件下で反応させて、タイプB−2の中間体を得ることができる。B−2のような化合物を、鹸化及びアミドカップリングにより最終化合物に進めて、B−3を得る。
【0115】
実施例1
【0116】
【化21】

【0117】
エチル2,5−ジブロモイソニコチナート(1−2)
2,5−ジブロモイソニコチン酸(1−1、5g、17.80mmol)及び硫酸(1.23mL、23.1mmol)のエタノール(100mL)中の溶液を、一晩加熱還流した。ロータリーエバポレーションにより、エタノールの体積を、その最初の体積の約1/4に減少させた後、粗反応混合物を、2 炭酸ナトリウム溶液とEtOAcとの間で分配し、層を分離し、有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄した。この溶液を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を、順相カラムクロマトグラフィー(0−50%EtOAc(ヘキサン中))により精製し、生成物(1−2)を暗色の油として得た。
ESI+MS[M]BrNO=308.0.
【0118】
エチル5−ブロモ−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキシラート(1−3)
エチル2,5−ジブロモイソニコチナート(1−2、1.5g、4.86mmol)の、脱気されたジメチルホルムアミド(24mL)中の溶液に、25℃で、(5−メチルピリジン−3−イル)ボロン酸(0.665g、4.86mmol)、PdCldppf(0.355g、0.486mmol)、炭酸セシウム(4.75g、14.6mmol)及び水(0.262mL、14.57mmol)を添加した。反応フラスコを窒素でパージし、密封し、50℃で一晩攪拌した。粗反応混合物を、水とEtOAcとの間で分配し、層を分離し、有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄した。溶媒を、ロータリーエバポレーションにより除去し、粗生成物を、順相カラムクロマトグラフィー(0−50%EtOAc(ヘキサン中))により精製し、生成物(1−3)を白色固体として得た。
ESI+MS[M]1413BrN=321.0.
【0119】
5’−メチル−5−フェニル−2,3’−ビピリジン−4−カルボン酸二塩酸塩(1−4)
エチル5−ブロモ−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキシラート(1−3、0.3g、0.934mmol)の、脱気されたジメチルホルムアミド(4mL)中の溶液に、25℃で、フェニルボロン酸(0.182g、1.5mmol)、PdCldppf(0.068g、0.093mmol)、4M 炭酸セシウム水溶液(0.817mL、3.27mmol)を添加した。反応フラスコを、窒素でパージし、密封し、65℃で2時間、次に室温で一晩攪拌した。カップリングを完全に行なうために、90℃でさらに30分間の加熱を要した。反応を室温に冷却させた後、1 LiOH(0.700mL)及び水(1mL)を添加し、反応を70℃で2時間加熱し、次に室温で一晩攪拌した。反応混合物を、ロータリーエバポレーションにより濃縮乾燥した。粗生成物を、DMF/DMSO/CHCN/水(5mL;2:2:1:0.5)中に溶解し、濾過し、逆相分取クロマトグラフィー(5−40%アセトニトリル(0.1%TFAバッファを加えた水中))により精製した。透明な分画をプールし、蒸発させて、TFA塩を白色固体として得た。この物質を、最少量のTHF/アセトニトリル中に溶解し、HClで飽和したエチルエーテルを添加し、白色沈殿を生成した。懸濁液を遠心分離した後、溶媒をデカンテートして除去した。これを、更に2回繰り返し、1回はHCl/エーテルで、次にそのままのエチルエーテルで行なった。最後のデカンテーションの後、固体を高真空下で乾燥させて、標題化合物(1−4)をビス−HCl塩として得た。
ESI+MS[M+H]1814・2HCl=291.1.
【0120】
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド(1−5)
5’−メチル−5−フェニル−2,3’−ビピリジン−4−カルボン酸二塩酸塩(1−4、0,056g、0.153mmol)のジメチルホルムアミド(13mL)中の、0℃に冷却された溶液に、EDC(0.046g、0.24mmol)及びHOBt(0.039g、0.257mmol)を、続いて1−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メタンアミン(3−6、0.035g、0.206mmol)及びN−メチルモルホリン(0.113mL、1.028mmol)を添加した。反応を、室温に3時間温めた。反応混合物を、DMSO(1mL)で希釈し、濾過し、逆相クロマトグラフィー(5→65%アセトニトリル(0.1%TFAバッファを加えた水中))により精製した。透明な分画をプールし、酢酸エチルと2 炭酸ナトリウムとの間で分配した。有機層を、水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して、標題化合物(1−5)を白色固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl)δ9.08(s,1H),8.76(s,1H)8.52(s,1H),8.21(s,1H),8.07(s,1H),7.43(m,2H),7.31(t,J=6.59Hz,2H),6.95(d,J=8.05Hz,1H),6.66(d,J=7.81Hz,1H),6.46(m,1H),4.39(d,J=5.37Hz,2H),3.87(s,3H),3.77(s,3H),2.44(s,3H).HRMS[M+H]C2624計算値 441.1921,実測値 441.1925.
【0121】
【表1−1】

【0122】
【表1−2】

【0123】
【表1−3】

【0124】
実施例2
【0125】
【化22】

【0126】
5’−メチル−5−(1−ピロリジニル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボン酸(2−2)
エチル5−ブロモ−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキシラート(2−1、0.050g、0.156mmol)のトルエン(0.31mL)中の溶液に、25℃で、ピロリジン(0.026mL、0.311mmol)、BINAP(0.0096g、0.016mmol)を、続いてPd(OAc)(0.0035g、0.016mmol)及び炭酸セシウム(0.076g、0.234mmol)を添加し、系をマイクロ波反応器内で、135℃で0.5時間加熱した。系を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とEtOAcとの間で分配し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過及び濃縮の後、順相クロマトグラフィー(0→100%EtOAc(Hx中))により精製して、淡黄色の油を得た。この淡黄色の油(0.026g、0.083mmol)に、1:1 THF/MeOH(0.40mL)中、25℃で、水酸化ナトリウム水溶液(0.0125mL、0.125mmol、10M)を添加し、系をマイクロ波反応器内で、135℃で10分間加熱した。溶媒を真空中で除去して、標題化合物(2−2)を灰色の固体として得た。
ESI+MSC1617:実測値 284.2,要求値 284.1.
【0127】
N−[(5,6−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチル]−5’−メチル−5−(1−ピロリジニル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド(2−3)
5’−メチル−5−(1−ピロリジニル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボン酸(2−2、0.026g、0.085mmol)及び1−(5,6−ジメトキシ−2−ピリジニル)メタンアミン(3−6、0.017g、0.102mmol)の、DMF(0.17mL)中の溶液に、HATU(0.032g、0.085mmol)を、続いてDEA(0.074mL、0.426mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。系を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とEtOAcとの間で分配し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過及び濃縮の後、順相クロマトグラフィー(0→10%MeOH(EtOAc中))により精製して、標題化合物(2−3)をサーモン色の粉末として得た。
HNMR(500MHz,CDCl)δ8.93(s,1H),8.40(m,1H),8.32(s,1H),8.06(m,1H),7.08(s,1H),7.06(d,1H,J=8.0Hz),6.90(d,1H,J=8.0Hz),4.63(d,2H,J=4.5Hz),4.00(s,3H),3.89(s,3H),3.36(m,4H),2.40(s,3H),1.93(m,4H).HRMS[M+H]C2427計算値 434.2187,実測値 434.2211.
【0128】
【表2】

【0129】
本明細書で出発原料として用いたベンジルアミンのほとんどは、市販品であった。以下は、ベンジルアミンが市販されていなかった場合の、ベンジルアミン合成の例である。これらの例は、例示的にすぎず、何ら本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0130】
実施例3
【0131】
【化23】

【0132】
2−ブロモ−3−ヒドロキシ−6−ヨードピリジン(3−2)
2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジン(3−1、28g、161mmol)の水(360mL)の溶液に、KCO(44.5g、322mmol)及びI(40.8g、161mmol)を添加した。系を室温で1.5時間攪拌し、0℃に冷却し、次に濃HClで、溶液から固体が沈殿するまで(pH約6.0)処理した。固体を濾過により単離し、乾燥させて、標題化合物(3−2)を褐色の固体として得た。
ESI+MSCBrINO:実測値 299.8,要求値 299.9.
【0133】
2−ブロモ−3−メトキシ−6−ヨードピリジン(3−3)
2−ブロモ−3−ヒドロキシ−6−ヨードピリジン(3−2、40g、133mmol)のDMF(80mL)中の溶液に、KCO(16.77g、121mmol)及びヨウ化メチル(29.2mL、467mmol)を添加した。系を100℃で45分間攪拌し、室温に冷却し、次いで水(650mL)で処理し、0.5時間攪拌した。溶液から沈殿して得られた固体を、濾過により単離し、乾燥させて、標題化合物(3−3)を淡褐色の固体として得た。
ESI+MSCBrINO:実測値 313.8,要求値 313.9.
【0134】
2,3−ジメトキシ−6−ヨードピリジン(3−4)
2−ブロモ−3−メトキシ−6−ヨードピリジン(3−3、34g、108mmol)のDMF(65ml)の溶液に、ナトリウムメトキシド(メタノール中)(37mL、162mmol、4.37M)を添加し、100℃に加熱した。混合物を10分間攪拌し、飽和NaHCOとDCMとの間で分配した。有機層を、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカ上で勾配溶出(0−20%EtOAc(ヘキサン中))で精製し、標題化合物(3−4)を白色粉末として得た。
ESI+MS[M+H]INO:実測値 265.8,要求値 266.0.
【0135】
2,3−ジメトキシ−6−シアノピリジン(3−5)
2,3−ジメトキシ−6−ヨードピリジン(3−4、24.0g、91mmol)のDMF(181mL)中の溶液に、シアン化銅(9.73g、109mmol)を添加し、マイクロ波反応器内で、150℃で20分間加熱した。混合物を、飽和炭酸ナトリウムとEtOAcとの間で分配した。有機層を、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上で勾配溶出(0−40%EtOAc(ヘキサン中))で精製し、標題化合物(3−5)をオフホワイトの結晶性粉末として得た。
ESI+MS[M+H]:実測値 165.0,要求値 165.1.
【0136】
2,3−ジメトキシ−6−アミノメチルピリジン(3−6)
2,3−ジメトキシ−6−シアノピリジン(3−5、5.1g、31.1mmol)のMeOH(260mL)中の溶液に、パールマン(Pearlman)触媒(2.18g、3.11mmol、20wt%)及び濃HCl(20.0mL、249mmol、12M)を添加した。次に系を、バルーンによる、水素の雰囲気下で1.5時間攪拌した。反応内容物を、セライトのパッドを通して濾過し、メタノールを真空中で除去した。次いで粗混合物を、飽和NaCOを用いて塩基性化し、次に4:1 クロロホルム:エタノールを用いて抽出した。有機層を、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、シリカゲル上で勾配溶出(0−12%MeOH(10%NHOH)/DCM中)で精製して、所望の生成物(3−6)を象牙色(bone)の半固体として得た。
ESI+MS[M+H]12:M−16(−NH),実測値 152.06,要求値 168.2.
【0137】
実施例4
【0138】
【化24】

【0139】
5−ブロモ−2,3−ジメトキシピリジン(4−2)
2,3−ジメトキシピリジン(4−1、2.5g、18.0mmol、1.0当量)の、ジクロロメタン:飽和NaHCO(80mL:40mL)中の溶液に、0℃で、臭素(0.93mL、18.0mmol、1.0当量)を添加し、反応混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物を、固体NaSO(約10g)でクエンチし、水層をジクロロメタン(3x100mL)で抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮した。残渣を、順相クロマトグラフィー(0−20%EtOAc(ヘキサン中)、シリカ)により精製し、所望の生成物(4−2)を、濃縮後に油として得た。
ESI+MS[M+H]NO計算値 218.0,実測値 218.0.
【0140】
5,6−ジメトキシニコチノニトリル(4−3)
5−ブロモ−2,3−ジメトキシピリジン(4−2、0.300g、1.38mmol、1.0当量)のジメチルホルムアミド(3.9mL)中の溶液に、シアン化銅(I)(0.15gL、1.65mmol、1.2当量)を添加し、反応混合物を、マイクロ波反応器内で、180℃で40分間加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAc(50mL)と水(50mL)との間で分配した。有機層を、水(2x30mL)及び食塩水(1x30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮した。残渣を、順相クロマトグラフィー(0−40%EtOAc(ヘキサン中)、シリカ)により精製して、所望の化合物(4−3)を、濃縮後に白色固体として得た。
ESI+MS[M+H]計算値 165.1,実測値 165.1.
【0141】
1−(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)メタンアミン(4−4)
5,6−ジメトキシニコチノニトリル(4−3、0.600g、3.65mmol、1.0当量)のメタノール(20mL)中の溶液に、窒素雰囲気下で、パールマン触媒(0.205g、0.292mmol、0.08当量、20重量パーセント)及び濃HCl(2.44mL)を添加し、反応を水素の雰囲気下に置いた。2時間後、反応を窒素の雰囲気下に置き、セライトを通し濾過して、触媒を除去した。反応混合物を、EtOAc中に溶解し、MgSO上で乾燥し、濃縮して、高純度の油性の固体(4−4)とした。
ESI+MS[M+H]12計算値 169.1,実測値 169.1.
【0142】
実施例5
【0143】
【化25】

【0144】
3−シクロプロピル−4−メトキシベンゾニトリル(5−2)
3−ブロモ−4−メトキシベンゾニトリル(5−1、5.0g、23.6mmol、1.0当量)、リン酸三カリウム水溶液(65.0ml、1.27M、3.5当量)、シクロプロピルボロン酸(10.1g、118mmol、5.0当量)、Pd(OAc)(0.539g、2.36mmol、0.1当量)及びトリシクロヘキシルホスフィン(0.661g、2.36mmol、0.1当量)の混合物を、脱気されたトルエン(103mL)中で攪拌し、80℃で3時間加熱した。追加量のシクロプロピルボロン酸(1.0g、1.16mmol、0.5当量)を添加し、溶液を80℃でさらに16時間加熱して、反応を完了させた。反応混合物を冷却し、食塩水とEtOAcとの間で分配した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して、橙色の油を得た。油を、順相カラムクロマトグラフィー(0−10%EtOAc(ヘキサン中))により精製して、生成物(5−2)を黄色の油として得た。
HNMR(CDCl)δ7.44(dd,1H,J=8.4,2.0Hz),7.09(d,1H,J=2.0Hz),6.86(d,1H,J=8.4Hz),3.92(s,3H),2.13(m,1H),0.97(m,2H),0.65(m,2H).
【0145】
1−(3−シクロプロピル−4−メトキシフェニル)メタンアミン(5−3)
水素化リチウムアルミニウム(ジエチルエーテル中)(17.3ml、1.0M、17.3mmol、3.0当量)を、3−シクロプロピル−4−メトキシベンゾニトリル(15−2、1.0g、5.77mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン(28.9ml)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下で、20分間にわたり注意深く添加した。得られた暗橙色の混合物を、0℃で30分間攪拌し、次に以下の順序で注意深くクエンチした:水(1.0ml)、15%NaOH水溶液(1.0ml)及び水(3.0ml)。得られたエマルジョンを、室温で30分間攪拌した。混合物に、スパチュラ数杯量の硫酸マグネシウムを添加して、全ての水を除去した。全混合物を、硫酸ナトリウムのパッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。収集された濾液を濃縮して、生成物(5−3)を黄色の油として得た。
ESI+MS[M−16]1115NO:実測値 161.1,要求値 161.2.
【0146】
実施例6
【0147】
【化26】

【0148】
2,3−ジメトキシ−5−アミノメチルピラジン(6−2)
2,3−ジクロロピラジン(6−1、3.5g、23.5mmol)のMeOH(115mL)中の溶液に、NaOMe(15.0mL、70.5mmol)を添加し、系を一晩攪拌した。次に反応内容物を、中度の多孔性のフリット漏斗を通して濾過し、濃縮し、EtOAcと水との間で分配した。有機層を、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、透明な油を得た。この透明な油(2.5g、17.8mmol)に、DMF 17mL中、0℃で、NBS(3.5g、19.6mmol)を添加し、系を一晩攪拌した。系をNaSOでクエンチし、次に氷水に注入した。溶液から沈殿して得られた固体を、濾過により単離し、乾燥させて、白色固体を得た。この白色固体(1g、4.5mmolに、DMF9mL中、シアン化銅(0.45g、5.0mmol)を添加し、マイクロ波反応器内で、185℃で20分間加熱した。混合物を冷却し、EtOAcと水との間で分配した。有機層を、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカによる勾配溶出(0−65%EtOAc(ヘキサン中))で精製して、白色粉末を得た。この白色粉末(0.740g、4.5mmol)に、MeOH40mL中、パールマン触媒(0.315g、0.45mmol)及び濃HCl(3.0mL、36mmol)を添加した。次いで系を、バルーンによる水素雰囲気下、1.5時間攪拌した。反応内容物を、セライトのパッドを通して濾過し、続いて真空中でメタノールを除去した。次に粗混合物を、DCM中に溶解し、飽和NaCOを用いて塩基性化し、次いでDCMで数回抽出した。有機層を、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、所望の生成物(6−2)を、象牙色の固体として得た。
ESI+MS[M+H]11:M−16(−NH),実測値 152.82,要求値 169.2.
【0149】
実施例7
【0150】
【化27】

【0151】
メチル2−クロロ−5−(1,3−チアゾール−2−イル)イソニコチナート(7−2)
100mLの丸底フラスコに、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(204mg、0.40mmol、0.1当量)を添加した。フラスコを次に、窒素でフラッシュし、1,4−ジオキサン(20mL)、メチル5−ブロモ−2−クロロイソニコチナート(7−1、1000mg、4.0mmol、1当量)及び2−(トリブチルスタンニル)−1,3−チアゾール(1.5mL、4.8mmol、1.2当量)を装入した。反応混合物を、65℃で3時間加熱し、EtOAc(20mL)で希釈し、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、残渣を、順相カラムクロマトグラフィー(0−40%EtOAc(ヘキサン中))により精製して、標題化合物(7−2)を、黄色の固体として得た。
ESI+MS[M+H]10ClNS=255.0
【0152】
メチル5’−メチル−5−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキシラート(7−3)
メチル2−クロロ−5−(1,3−チアゾール−2−イル)イソニコチナート(7−2、6.5g、26mmol、1当量)、(5−メチルピリジン−3−イル)ボロン酸(3.8g、28mmol、1.1当量)、炭酸セシウム(29g、89mmol、3.5当量)及びPdCl(dppf)−CHCl付加物(4.2g、5.1mmol、0.2当量)を、DMF(102mL)及び水(4.6mL、255mmol、10当量)中に懸濁した。反応混合物を、65℃で45分間加熱し、EtOAc(200mL)で希釈し、セライトを通して濾過した。有機層を、水(2x200mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣を、順相カラムクロマトグラフィー(40−80%EtOAc(ヘキサン中))により精製して、標題化合物(7−3)を黄褐色の固体として得た。
ESI+MS[M+H]1614S=312.1
【0153】
カリウム5’−メチル−5−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキシラート(7−4)
メチル5−メチル−5−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキシラート(7−3、890mg、2.9mmol、1当量)のテトラヒドロフラン(14.3mL)中の溶液に、カリウムトリメチルシラノラート(640mg、5.0mmol、1.75当量)を添加した。反応混合物を、室温で1時間攪拌した。酢酸エチル(15mL)を添加し、沈殿を濾過して、標題化合物(7−4)を白色固体として得た。
ESI+MS[M+H]1512S=298.1
【0154】
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−5−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド(7−5)
カリウム5’−メチル−5−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキシラート(7−4、980mg、2.9mmol、1当量)、1−(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メタンアミン(3−6、490mg、2.9mmol、1当量)、EDC(670mg、3.5mmol、1.2当量)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(480mg、3.5mmol、1.2当量)及びジイソプロピルエチルアミン(2.0mL、12mmol、4当量)を、DMF(14.6mL)中に懸濁し、反応混合物を65℃で2時間加熱した。次いで反応混合物を、DCM(50mL)と水(50mL)との間で分配した。層を分離し、有機層をMgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣を、順相カラムクロマトグラフィー(0−20%MeOH(EtOAc中))により精製し、白色固体を得て、これをクロロホルム/ヘキサンから再結晶化し、標題化合物(7−5)を結晶性の固体として得た(970mg、収率75%)。
HNMR(CDCl,300MHz)δ9.08(s,2H),8.53(s,1H),8.22(s,1H),8.11(s,1H),7.81(dd,J=3.1及び1.1Hz,1H),7.78(t,J=4.8Hz,1H),7.43(dd,J=3.3及び1.1Hz,1H),7.02(d,J=7.9Hz,1H),6.85(d,J=7.7Hz,1H),4.58(d,J=5.3Hz,2H),3.91(s,3H),3.88(s,3H),2.45(s,3H).HRMS(M+H)C2321S計算値 448.1438,実測値 448.1443
【0155】
【表3】

【0156】
実施例8
【0157】
【化28】

【0158】
2−ブロモ−3−ヒドロキシ−6−ヨードピリジン(8−2)
2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジン(8−1、28g、161mmol)の水(360mL)中の溶液に、KCO(22.24g、161mmol)及びI(20.42g、80mmol)を添加した。系を、室温で1.5時間攪拌し、0℃に冷却し、次いで濃HClで、溶液から固体が沈殿するまで(pH約6.0)処理した。固体を濾過により単離し、乾燥させて、標題化合物(8−2)を、褐色の固体として得た。
ESI+MS[M+H]BrINO=299.8
【0159】
2−メトキシ−3−ヒドロキシ−6−シアノピリジン(8−3)
2−ブロモ−3−ヒドロキシ−6−ヨードピリジン(8−2、10g、33.3mmol、1.0当量)のDMF(104mL)中の溶液に、TBAI(1.23g,3.33mmol、0.1当量)、ジイソプロピルエチルアミン(17.5mL、100mmol、3.0当量)及びSEM−C1(8.87mL、50.0mmol、1.5当量)を添加した。系を、室温で24時間攪拌した。反応物を、EtOAcと飽和NaHCOとの間で分配した。有機層を、NaHCOで洗浄し、MgSO上で乾燥した。濃縮後、残渣を、順相カラムクロマトグラフィー(0−50%EtOAc(ヘキサン中))により精製して、淡黄色の油を得た。この淡黄色の油に、DMF145mL中、4.37MのNaOMeの、MeOH溶液(6.65mL、29.1mmol、1.0当量)を添加し、系を100℃で1時間加熱した。系を室温に冷却し、EtOAcと飽和NaHCOとの間で分配した。有機層を、食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥した。濃縮後、残渣を、順相カラムクロマトグラフィー(0−20%EtOAc(ヘキサン中))により精製して、透明な油を得た。この透明な油に、DMF69mL中、CuCN(3.71g、41.1mmol、2.0当量)を添加し、系を160℃で0.5時間照射した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、EtOAcと食塩水との間で分配した。有機層を、MgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣を、順相カラムクロマトグラフィー(0−50%EtOAc(ヘキサン中))により精製して、黄色の固体を得た。
ESI+MS[M+H]=151.0
【0160】
1−(5−シクロプロピル−6−メトキシピリジン−2−イル)メタンアミン(8−4)
2−メトキシ−3−ヒドロキシ−6−シアノピリジン(8−3、0.82g、5.43mmol、1.0当量)のTHF(27mL)中の溶液に、−78℃で、2.0MのNaHMDSのTHF溶液(4.07mL、8.14mmol、1.5当量)を、続いてコミンズ(Comins)試薬(3.19g、8.14mmol、1.5当量)を添加し、系を−78℃で、出発原料が薄層クロマトグラフィー(1:1 EtOAc(ヘキサン中)をTLC用の溶媒系として使用)で消失するまで攪拌した。次に系を、EtOAcと食塩水との間で分配し、MgSO上で乾燥した。濃縮後、残渣を順相カラムクロマトグラフィー(0−50%EtOAc(ヘキサン中))により精製して、淡黄色の油を得た。トルエン1.0mL及び水1.0mL中、この淡黄色の油に、カリウムシクロプロピルトリフルオロボラート塩(0.11g、0.744mmol、1.05当量)を、続いて1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.03当量、0.021mmol、13.9mg)及びCsCO(0.690g、2.13mmol、3.0当量)を添加し、系を100℃で1.5時間加熱した。次に系を、EtOAcと食塩水との間で分配し、MgSO上で乾燥した。濃縮後、残渣を順相カラムクロマトグラフィー(0−20%EtOAc(ヘキサン中))により精製して、透明な油を得た。MeOH1.72mL中、この透明な油に、パールマン触媒(0.024g、0.03mmol、0.1当量)及び濃HCl(0.23mL、2.76mmol、8.0当量)を添加した。次に系を、バルーンによる水素雰囲気下、一晩攪拌した。反応内容物を、セライトのパッドを通して濾過し、飽和NaCOを用いて塩基性化した。次いで、メタノールを真空中で除去し、次に混合物を、4:1クロロホルム:エタノールを用いて抽出した。有機層を、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、所望の生成物(8−4)を黄色の油として得た。
ESI+MS[M+H]1014O=162.0[M−16(−NH)]
【0161】
【表4】

【0162】
本発明を、そのある特定の実施態様について記載及び例示してきたが、当業者は、手順及びプロトコールの様々な応用、変更、修正、置換、削除又は付加が、本発明の趣旨及び範囲から離れることなく行なわれてよいことを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
は、フェニル、ナフチル及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、フェニル、ナフチル及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、フェニル、ナフチル、C3−6シクロアルキル、−NR1011及び複素環からなる群より選択され;
1a、R1b及びR1cは、Aの結合価が置換を可能にしない場合には存在しなくてもよく、そして独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(ここで、mは、独立して、0又は1であり、nは、独立して、0又は1であり(ここで、mが0であるか、又はnが0である場合、結合は存在する)、そしてここで、アルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(ここで、アルケニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(ここで、アルキニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(ここで、フェニル又はナフチルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(9)−(C=O)−O複素環(ここで、複素環は、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(10)−(C=O)−NR1011(ここで、R10及びR11は、独立して:
(a)水素、
(b)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
(c)C3−6アルケニル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
(d)C3−6アルキニル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
(e)C3−6シクロアルキル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
(f)フェニル(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、及び
(g)複素環(これは、未置換であるか、又はR13で置換される)、
からなる群より選択される)、
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)12(ここで、qは、0、1又は2であり、そしてここで、R12は、R10及びR11の定義から選択される)、
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO、からなる群より選択され;
2a、R2b及びR2cは、Aの結合価が置換を可能にしない場合には存在しなくてもよく、そして独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(ここで、アルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(ここで、アルケニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(ここで、アルキニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(ここで、フェニル又はナフチルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(9)−(C=O)−O複素環(ここで、複素環は、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO、からなる群より選択され;
3a、R3b及びR3cは、Aの結合価が置換を可能にしない場合には存在しなくてもよく、そして独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−(C=O)−O−C1−6アルキル(ここで、アルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(ここで、アルケニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(ここで、アルキニルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(ここで、フェニル又はナフチルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(9)−(C=O)−O複素環(ここで、複素環は、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO、からなる群より選択され;
及びRは、独立して、水素又はC1−6アルキルから選択され、これは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換され、或いは、R及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C3−6シクロアルキルを形成してもよく、ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換され;
は、水素、C1−6アルキル又はC3−6シクロアルキルであり、これは、未置換であるか、又はR13から選択される1個以上の置換基で置換され;
13は:
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシル、
(3)−(C=O)−O−C1−6アルキル(ここで、アルキルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(4)−O−(C1−3)パーフルオロアルキル、
(5)−(C=O)−O−C3−6シクロアルキル(ここで、シクロアルキルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(6)−(C=O)−C2−4アルケニル(ここで、アルケニルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(7)−(C=O)−C2−4アルキニル(ここで、アルキニルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(8)−(C=O)−O−フェニル又は−(C=O)−O−ナフチル(ここで、フェニル又はナフチルは、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(9)−(C=O)−O複素環(ここで、複素環は、未置換であるか、又はR14から選択される1個以上の置換基で置換される)、
(10)−(C=O)−NR1011
(11)−S(O)−NR1011
(12)−S(O)−R12
(13)−COH、
(14)−CN、及び
(15)−NO、からなる群より選択され;
14は:
(1)ヒドロキシル、
(2)ハロゲン、
(3)C1−6アルキル、
(4)−C3−6シクロアルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−O(C=O)−C1−6アルキル、
(7)−NH−C1−6アルキル、
(8)フェニル、
(9)複素環、
(10)−COH、及び
(11)−CN、からなる群より選択される]の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
が、フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、ピリジルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、チアゾリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1a、R1b及びR1cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(7)フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(8)−O−フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
1a、R1b及びR1cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、及び
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
からなる群より選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
1a、R1b及びR1cが、独立して:
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、及び
(4)メチル、
からなる群より選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
2a、R2b及びR2cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(7)フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(8)−O−フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
2a、R2b及びR2cが、独立して:
(1)水素、
(2)クロロ、
(3)フルオロ、
(4)ブロモ、
(5)メトキシ、
(6)t−ブトキシ、
(7)ジフルオロメチル、及び
(8)トリフルオロメチル、
(9)−N(CH)、
からなる群より選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
3a、R3b及びR3cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、フェニル若しくはナフチルで置換される)、
(5)−O−C1−6アルキル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル若しくはフェニルで置換される)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジル及びピリミジニルから選択され、これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(7)フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
(8)−O−フェニル(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、及び
(9)−NH−C1−6アルキル、又は−N(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)(これは、未置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル若しくは−NOで置換される)、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
3a、R3b及びR3cが、独立して:
(1)水素、
(2)ハロゲン、及び
(3)C1−6アルキル、
からなる群より選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−6−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−3,3’−ビピリジン−5−カルボキサミド;
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2,5−ビス(3,5−ジメチルフェニル)イソニコチンアミド;
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−6−(3,5−ジメチルフェニル)−3,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)イソニコチンアミド;
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−メチル−3,2’:5’,3”−ターピリジン−4’−カルボキサミド;
6−(3−クロロ−5−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−3,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−3−イル)メチル]−2−(3,5−ジメチルフェニル)−5−フェニルイソニコチンアミド;
5”−クロロ−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−2,3’:6’,3”−ターピリジン−4’−カルボキサミド;
N−[(5,6−ジメトキシピラジン−2−イル)メチル]−5−(3−フルオロフェニル)−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−(3−シクロプロピル−4−メトキシベンジル)−5−(3−フルオロフェニル)−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5−(2−フルオロフェニル)−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5−(3−フルオロフェニル)−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
5−(3−フルオロフェニル)−N−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−5−(3−フルオロフェニル)−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−5−ピラジン−2−イル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−[(5,6−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチル]−5’−メチル−5−(1−ピロリジニル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
5−アゼチジン−1−イル−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−5−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
5’−クロロ−N−[(5,6−ジメトキシピリジン−2−イル)メチル]−5−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−[(5−シクロプロピル−6−メトキシピリジン−2−イル)メチル]−5’−メチル−5−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−5−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
N−(3−エチル−4−メトキシベンジル)−5’−メチル−5−(4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−2,3’−ビピリジン−4−カルボキサミド;
からなる群より選択される化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項16】
不活性担体、及び請求項1に記載の化合物若しくは薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物。
【請求項17】
医薬において使用するための請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項18】
睡眠障害の治療又は予防用医薬の製造のための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用。
【請求項19】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を患者に投与することを含む、これを要する哺乳類患者において睡眠の質を向上させる方法。
【請求項20】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を患者に投与することを含む、これを要する哺乳類患者において不眠を治療する方法。
【請求項21】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩を患者に投与することを含む、これを要する哺乳類患者において肥満を治療又は管理する方法。

【公表番号】特表2012−507538(P2012−507538A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534650(P2011−534650)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/061987
【国際公開番号】WO2010/051236
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】