説明

イダゾキサン塩またはその多形体の1つをベースにした医薬組成物

イダゾキサン、その誘導体の1つおよびその製薬上許容される塩、そのラセミ体、その光学活性異性体および多形体を含んでなる医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は製薬業に関係するもので、活性成分の医薬投与処方物に関する。更に詳しくは、本発明は、5〜100mgの活性成分の用量を有し、従来通りの放出性を示す、イダゾキサン塩の非フィルムコート錠の、工業生産に適した、安定な処方物に関する。これらの錠剤は、水蒸気に対して防漏性のパッケージで提供される。好ましくは、用いられるイダゾキサン塩は塩酸イダゾキサン多形体である。
【0002】
イダゾキサンは、アルファ‐アドレナリン作動性レセプターに対するその拮抗性で知られている。この化合物は、その化学構造、その合成プロセス、ある医薬処方物および抗うつ剤としてその治療用途について、特許EP033655で開示されている。イダゾキサンはヒト臨床医学においてうつ病の治療で4週間にわたり1日3回5〜40mgの用量で研究され、ハミルトン尺度でプラセボに対して有意な改善を示した(Drug of the Future,10,No.9,782,1985)。パーキンソン病の場合に似た症状、例えばラットでレセルピン(F.C.Colpaert,Neuropharmacologie,26,1431,1987)または神経毒MPTP(F.C.Colpaert et al,Brain.Res.Bul.,26,627,1991)により誘導される症状でも、様々な化合物の効果を評価するために、様々な研究がサルまたはラットで行われた。更に詳しくは、特許FR92 14694は、パーキンソン病、その特発型での進行およびその進展の治療向け薬剤の製造における、イダゾキサンおよびその誘導体の使用に関する。特許出願FR96 03674は、うつ病およびその様々なタイプ、および抗うつ剤が用いられる病状を治療する上で、同時、別々または連続使用の混合医薬製剤として、ミルナシプランおよびイダゾキサンを含有した製品に関する。
【0003】
イダゾキサンの大規模工業使用を考える前に、いくつかの問題が解決されねばならない。特に、この活性成分と適合した賦形剤を見つけ、その安定性を保証するために適したビヒクルのタイプを選択し、イダゾキサンの吸湿性およびその安定性の問題を特に考慮しながら製造プロセスを求めることが必要である。更に、活性成分は粒径および打錠性に関して適切な物性を示さねばならない。したがって、活性成分を湿気から防ぐ適切な防漏性パッケージを選択することが必要である。これらが、本発明が解決しようとする、なお未解決の問題である。
【発明の具体的説明】
【0004】
本発明は、全質量に対して、5〜25%のイダゾキサンの塩もしくは水和物またはそれらの誘導体、10〜40%の微結晶セルロース、0.1〜5%の滑沢剤、0.1〜0.5%のコロイドシリカおよび25〜90%のラクトースを含有した医薬組成物に関する。好ましくは、本発明は、全質量に対して、5〜20%のイダゾキサン塩またはイダゾキサン水和物、10〜40%の微結晶セルロース、1〜5%の滑沢剤、0.1〜0.5%のコロイドシリカおよび29.5〜84.8%のラクトースを含有した医薬組成物に関する。
【0005】
“イダゾキサンおよびその誘導体”とは、下記一般式Iの化合物:
【化1】

(上記式中Rは水素原子、直鎖または分岐C‐Cアルキル基および直鎖または分岐C‐Cアルコキシ基を表わす)、並びにその治療上許容される塩、そのラセミ体、その光学活性異性体およびその多形体を意味する。好ましくは、Rは水素原子、メトキシ基またはN‐プロピル基を表わす。このように、本発明の一面は、上記のような、下記式IIのイダゾキサンを含有した安定な処方物に関する:
【化2】

【0006】
塩酸イダゾキサンはCキラル中心にプロトンを有し、その結果2つの可能なR(−)およびS(+)エナンチオマー(鏡像異性体)が存在する。本発明による医薬組成物は好ましくはラセミ混合物を含有するが、例えばキラルカラムで2つの立体異性体を分割することが可能であれば、組成物のイダゾキサンがエナンチオマーの一方または他方に富み、事実上排他的にエナンチオマーの一方または他方を実際に含有することさえも、想定することが可能である。2つのエナンチオマーは異なる薬物動態特性を有しているが(例8参照)、2つのエナンチオマーが分割されるとしても、インビトロ(生理的条件下、pH7.4、37℃;例8.1参照)およびインビボ(例8.2参照)の双方で一方から他方への相互変換が生じる。イダゾキサンの多形体もその解釈に含まれる。
【0007】
好ましい態様において、イダゾキサン塩は塩酸イダゾキサンであり、滑沢剤はベヘン酸グリセリルであり、ステアリン酸マグネシウムは活性成分と適合しない。
【0008】
本発明による医薬組成物は特に工業生産に適し、安定である。処方物が錠剤に関する欧州薬局方の主要試験を満たしながら、ロータリー式生産装置でバッチを得ることが可能なとき、該処方物は“工業的に生産しうる”または“工業生産に適する”と記載される。“安定”とは、40℃、75%RH(相対湿度)で1月後に1.5%未満の分解不純物、25℃、60%RHで2年後に多くて2%の不純物を生じるにすぎない、パッケージ入り錠剤を意味する。
【0009】
更に好ましい態様において、イダゾキサン塩はI、II、III、IV、VおよびVI型の多形体、または少くとも2、少くとも3、少くとも4、5もしくは6種のイダゾキサン多形体の混合物から選択される。医薬組成物が、イダゾキサンの多形体またはイダゾキサンの多形体の混合物に限定されることはない。この医薬組成物で使用に適した他のイダゾキサンベース化合物は、US特許2,979,511および4,818,764で示されている。
【0010】
多形体は、図1、2、3、4、5および6で各々示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられ、Mettler FP800を用いて測定された、図7および8で示される示差熱分析サーモグラムでも特徴付けられる。塩酸イダゾキサン(II型)のX線回折スペクトルおよびMettler FP800を用いて測定された示差熱分析サーモグラムが、図2および7で各々示されている。示差熱分析に関して、他の製造元または他のモデルの示差熱分析装置(例えばPerkin-Elmer)の使用では異なるサーモグラムになりうる、と注意すべきである。本発明は、Mettler FP800を用いて得られたここで示されるサーモグラム値のみならず、および他のタイプの示差熱分析装置を用いて得られる相当サーモグラム値でも特徴付けられる。
【0011】
これら6つのI、II、III、IV、VおよびVI型をそのまま保存することも、本発明の目的の1つである。
【0012】
I型の多形体は、約4.0200、6.6400、6.9000、7.0800、8.0800、9.0000、9.9600、9.9600、10.8400、11.7200、12.1400、12.3800、12.9800、13.3000、13.5200、14.9000、15.0600、15.2400および21.4000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる。I型の多形体は、約4.0200、6.6400、6.9000、7.0800、8.0800、9.0000、9.9600、9.9600、10.8400、11.7200、12.1400、12.3800、12.9800、13.3000、13.5200、14.9000、15.0600、15.2400および21.4000度θで特徴的ピークを有し、約4.7400、5.7200、8.9200、16.8600または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠くX線回折スペクトルでも特徴付けられる。I型の多形体は、約207.5±0.2で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムでも特徴付けられる。
【0013】
II型の多形体は、約4.7400、5.7200、6.6800、7.5000、8.9200、9.9600、11.5200、12.3000、12.9400、13.5400、14.3000、15.6800、16.8600および18.9000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる。II型の多形体は、約203.9±0.4で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムでも特徴付けられる。
【0014】
III型の多形体は、約4.0400、4.7000、5.7400、6.6200、6.9200、7.4600、8.0400、8.7800、8.9800、9.9800、10.8200、11.4600、11.6400、12.3200、12.9400、13.5400、14.2400、15.0600、15.6200および16.8400度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる。III型の多形体は、約203.8±0.5で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムでも特徴付けられる。
【0015】
IV型の多形体は、約4.8000、5.9000、6.8400、7.3200、8.0800、8.6600、9.4600、9.6800、11.1600、11.4000、11.9000、12.2200、12.6800、13.8400、14.4200、14.9800および18.1000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる。IV型の多形体は、約4.8000、5.9000、6.8400、7.3200、8.0800、8.6600、9.4600、9.6800、11.1600、11.4000、11.9000、12.2200、12.6800、13.8400、14.4200、14.9800および18.1000度θで特徴的ピークを有し、約6.6800、13.5400、15.6800、16.8600または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠くX線回折スペクトルでも特徴付けられる。IV型の多形体は、約205.3±0.5で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムでも特徴付けられる。
【0016】
V型の多形体は、約5.0400、5.8400、7.9400、9.2800、9.4400、10.1200、12.0200、12.5600、12.9200、13.7400、13.9400、14.5200、14.8200、15.2800、16.2800および16.7400度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる、塩酸イダゾキサン一水和物である。V型の多形体は、約5.0400、5.8400、7.9400、9.2800、9.4400、10.1200、12.0200、12.5600、12.9200、13.7400、13.9400、14.5200、14.8200、15.2800、16.2800および16.7400度θで特徴的ピークを有し、約4.7400、6.6800、7.5000、8.9200、11.5200、14.3000、15.6800または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠くX線回折スペクトルでも特徴付けられる。V型のイダゾキサン一水和物多形体は、約205.6±0.4で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムでも特徴付けられる。
【0017】
VI型の多形体は、約5.6150、6.7350、7.5350、9.5250、10.3450、10.6050、11.0350、11.2850、11.5350、12.1150、12.3750、12.9550、13.5150、13.9950、14.5250、14.9350、15.0450、15.1950、16.3450、17.0450、17.2850、17.5750および17.8250度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる。
【0018】
本発明は、次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、および(v)I型の多形体を得るエタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化からなるプロセスによる、IおよびVI型のイダゾキサン多形体の合成方法を提供する。VI型の多形体の合成方法では、次の追加段階:(vi)常時攪拌および環境温度下で1〜4日間にわたる100°エタノール中懸濁状態でI型の維持、(vii)真空下の濾過、および(viii)真空下オーブン中で乾燥を含む。VI型の多形体の合成方法では、加えて、I型の多形体の合成の段階(v)後に、次の段階:(vi′)高温で常時攪拌下100°エタノール中懸濁状態でI型の維持、(vii′)結晶化を誘導するために溶媒の部分蒸発まで真空下でエタノールの蒸留、(viii′)0°への溶液の冷却、(ix′)濾過およびオーブン中の乾燥も含めてよい。
【0019】
本発明は、次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、および(vi)III型を得るためにエタノールまたはIV型を得るために1‐ブタノールで再結晶化による上記塩酸塩の精製からなるプロセスによる、IIIおよびIV型のイダゾキサン多形体の合成方法も提供する。こうして、多形体IIIおよびIVが得られる。
【0020】
本発明は、次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、および(vi)5倍容量のアセトン80%および水20%の混合液で再スラリー化からなるプロセスによる、V型として本文で示された、塩酸イダゾキサン一水和物の合成方法も提供する。こうして、一水和物が得られる。
【0021】
本発明は、イダゾキサンの水和物およびこのような水和物を含有した医薬組成物にも関する。“水和物”という用語は1/2水和物、一水和物、二水和物、三水和物および同タイプの他物質を包含するが、限定する意味ではない。
【0022】
本発明による組成物は経口で投与され、そのため経口投与用に適した形態で、好ましくは固形で処方される。適切な固体経口品目の中では:錠剤、硬ゼラチンカプセル、顆粒および同タイプの他の品目が挙げられる。経口投与に適した医薬組成物は、本発明の多形化合物、あるいはその混合物、その誘導体、そのアナログまたはその製薬上許容される塩もしくは水和物に加えて、同じく製薬上許容されるキャリア、希釈剤または賦形剤を含有している。キャリアまたは希釈剤として常用される不活性賦形剤が本発明の組成物で用いられ、それらは、例えば、ガム、デンプン(例えばコーンスターチ、プレゼラチン化デンプン)、糖(例えばラクトース、マンニトール、スクロースまたはデキストロース)、セルロース物質(例えば微結晶セルロース)、アクリレート類(例えばポリ(メチルアクリレート))、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルクまたはそれらの混合物である。好ましい希釈剤はラクトース一水和物である。それらが固体錠剤の形態で提供される場合には、組成物は崩壊剤(例えば微結晶セルロース)、滑沢剤(例えばベヘン酸グリセリル)および流動化剤(例えばコロイドシリカ)を更に含有しうる。
【0023】
好ましい態様において、医薬組成物は塩酸イダゾキサン、ラクトース一水和物、微結晶セルロース、ベヘン酸グリセリルおよびコロイドシリカを含有している。更に好ましくは、医薬組成物は10重量%の塩酸イダゾキサン、61.46重量%のラクトース一水和物、26.34重量%の微結晶セルロース、2重量%のベヘン酸グリセリルおよび0.2重量%のコロイドシリカを含有している。
【0024】
本発明の一態様において、組成物は、好ましくは、50〜1000mg、好ましくは50〜600mg、更に好ましくは約100mg、200mg、300mg、400mgまたは約500mgの質量を有する錠剤の形態で処方される。
【0025】
本発明は、ここで記載されたイダゾキサン多形体のうちいずれか1つの固体または液体物理的形態を含有した医薬組成物にも関する。例えば、イダゾキサン多形体は結晶形態で提供され、あらゆる粒径を有しうる。イダゾキサン多形体の粒子は微粉砕または凝集させて、微粒状顆粒、粉末の形態またはいずれか他の固体物理的形態で提供でき、好ましい態様は固形に相当する。
【0026】
投与しやすい均一投薬量の単位剤形で経口組成物を処方することが、特に有利である。ここで用いられている単位剤形とは、治療される対象への単位投薬に適した物理的に別個の単位に関する;各単位は所要の薬学的ベクトルと共に所望の治療効果を生じるように計算された既定量の活性化合物を含有している。本発明の単位剤形の規格は、活性化合物に独特の特徴および得られるべき具体的治療効果と、個体の治療用のこのような活性化合物の組成物の当業界で固有の制約により定められ、これらの規格も上記要素に直接依存している。
【0027】
医薬組成物は、使用説明書と一緒に、パッケージ、容器または分配装置へ入れられる。
【0028】
有利には、該錠剤は、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン製の錠剤ボトル、アルミニウムサッシェまたは“オールアルミニウム”ブリスターパックからなる、防漏性パッケージで提供される。
【0029】
本発明による医薬組成物は、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸、経口腔、鼻内、リポソーム、膣または眼内投与に適した形態、あるいはカテーテルまたはステントによる局所送達に適した形態でも提供しうる。
【0030】
本発明の別な面は、粉末混合物の直接打錠による上記組成物の製造プロセスに関する。意外にもポビドンのような常用結合剤がこの活性成分と不適合であるため、湿潤液での造粒段階を含むプロセスよりもこの製造プロセスの方が好ましい。一方、直接打錠プロセスは、打錠段階より先に、例えば圧縮による、乾式造粒の段階を含む。打錠による製造プロセスでは、イダゾキサン塩は、その平均径で表わすと、50〜250ミクロン、好ましくは75〜150ミクロン、更に具体的には100〜125ミクロン付近の粒径を有する。更に、イダゾキサン塩またはイダゾキサン水和物は、0.4〜0.8、好ましくは0.5〜0.7、更に好ましくは0.6付近の嵩密度を有する。
【0031】
本発明は、薬剤の製造、特に中枢神経系の障害の予防および/または治癒治療用薬剤の製造における、上記組成物の使用にも関する。好ましくは、錠剤形態の薬剤は、うつ病、パーキンソン病および/または重度精神障害、例えば精神分裂病および分裂感情障害の治療向けである。
【0032】
他の好ましい態様によると、本薬剤は、重度精神心的障害、特に精神分裂病および分裂感情障害の予防および/または治癒治療用に、第二薬剤、好ましくは非定型神経弛緩剤、更に好ましくはアルファ‐2‐アドレノレセプターに対する拮抗親和性よりもドパミンDレセプターに対して大きな拮抗親和性を示す非定型神経弛緩剤と一緒に用いられる。非定型神経弛緩剤の定義については、US特許出願2004/0127489と、2002年6月29日付で出願された出願US60/398,718およびUS60/398,719に基づく国際出願WO2004/011031参照。非定型神経弛緩剤の中では、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、セルチンドールおよびジプラシドンが挙げられる。更に好ましくは、非定型神経弛緩剤はオランザピンである。上記第一薬剤および上記第二薬剤の投与は、いずれかの順序で、同時、別々または連続的に行われる。
【0033】
本発明の他の特徴および利点は、下記例の一連の記載から明らかになるであろう。これらの例では、下記図面が参考にされる。これらの図面および例は本発明を説明するためにあり、いかなる事情下でもその範囲を限定しうると解釈されることはない。
【0034】
図1:I型の塩酸イダゾキサン多形体のX線回折図
図2:II型の塩酸イダゾキサン多形体のX線回折図
図3:III型の塩酸イダゾキサン多形体のX線回折図
図4:IV型の塩酸イダゾキサン多形体のX線回折図
図5:V型の塩酸イダゾキサン一水和物のX線回折図
図6:VI型の塩酸イダゾキサン一水和物のX線回折図
図7:I、II、III、V型の塩酸イダゾキサン多形体の示差熱分析サーモグラム
図8:IV型の塩酸イダゾキサン多形体の示差熱分析サーモグラム
【実施例】
【0035】
例1:塩酸イダゾキサン含有処方物の安定性試験
塩酸イダゾキサンは、アルファ‐2‐アドレノレセプター拮抗剤のカテゴリーに属する。この分子の化学名は2‐(2‐イミダゾリニル)‐1,4‐ベンゾジオキサン塩酸塩であり、その分子式はC1112・HClである。
【0036】
イダゾキサンは、水およびメタノールに易溶性で、エタノールに可溶性〜中度の可溶性である、やや吸湿性で白色〜実質的白色の粉末の形態で提供される。そのやや吸湿性のために、それは湿気の排除下で防漏性パッケージ中に保管されねばならない。行われたすべての試験に際して、この分子は下記特性を示した:
‐99.0〜101.0%の塩酸イダゾキサン含有率
‐既知不純物の個別含有率≦0.2%
‐未知不純物の個別含有率≦0.1%
‐不純物の全含有率≦1.0%
【0037】
塩酸イダゾキサンの主要不純物は、791011:N‐(2‐アミノエチル)‐1,4‐ベンゾジオキサン‐2‐カルボキサミドとして知られている。
【0038】
活性成分の安定性を様々なストレス条件下で試験した:
‐密閉ボトル中+4℃(対照)
‐50℃、開放ボトル
‐40℃、30%RH、開放ボトル
‐40℃、75%RH、開放ボトル
【0039】
どのような条件であろうと、塩酸イダゾキサンはいかなる官能的変化も受けず、有意の化学的不安定性は高い相対湿度でも観察されない(791011の割合≦0.03%および未知不純物の不在)。
【0040】
塩酸イダゾキサンと乾燥形態の様々な常用賦形剤との間で、適合性試験を40℃、75%RHで1月間行った。
【0041】
得られた結果は下記表1で示され、製造直後のモニタリングとストレス条件下で1月間後のモニタリングとで二元混合物の挙動に驚くべき差異を呈するが、一方活性成分単独では完全に安定である。
【表1】

【0042】
塩酸イダゾキサンと最も適合する賦形剤は、ラクトース、マンニトール、微結晶セルロースおよびHPMCである。この試験では、医薬処方で常用される賦形剤の存在下において、塩酸イダゾキサンの高い反応性を示している。
【0043】
従来のゼラチンベース硬ゼラチンカプセル形を、この分子の第一処方物を製造する上で作製した。
【0044】
ラクトースおよびマンニトールを、二元適合性の結果に基づき、希釈剤として用いた。これらの希釈剤を従来の滑沢賦形剤:タルクおよびステアリン酸マグネシウムと併用した。
【0045】
ステアリン酸マグネシウムで得られた否定的結果にもかかわらず、これらの処方物をタルクおよびステアリン酸マグネシウムで滑沢化させたが、これはステアリン酸マグネシウムの実際の使用レベルでこの不適合性を確認するために行われたものである。
【0046】
活性成分のわずかな吸湿性と、不純物791011(生成物自体反応性)の形成による開環のリスクのために、製造された硬ゼラチンカプセルを防漏性パッケージ(ポリプロピレン錠剤ボトル)へ入れた。
【0047】
製造された処方物の組成が下記表2で掲載されている:
【表2】

【0048】
錠剤ボトル中安定条件下40℃、75%RHで1月間後、分析によると全体的に許容しえない分解生成物レベルを示す(下記表3参照):
【表3】

【0049】
したがって、単純な硬ゼラチンカプセル処方で塩酸イダゾキサンを処方することは不可能である;帰結として、この活性成分はゼラチンと不適合であることが証明された。更に、該処方はステアリン酸マグネシウムの不適合性を証明している。
【0050】
錠剤処方が、活性成分の満足すべき安定性をもたらす上で必要なことがわかった。更に、ステアリン酸マグネシウムの代替品がベヘン酸グリセリルと特定された。
【0051】
活性成分の良い分布均一性を得るために、活性成分および賦形剤の物理的特性とはできるだけ無関係に、湿式造粒による錠剤製造を最初に試験する。
【0052】
湿式造粒を水により高速ミキサー/グラニュレーターで行った。得られた顆粒を流動空気床で乾燥させ、次いで0.4mmスクリーンで選別する。
【0053】
2通りの操作を選択した:
‐希釈剤、結合剤/崩壊剤および活性成分すべての造粒。造粒、乾燥および篩分け後、該粒子を滑沢剤と混ぜることで滑沢化を行う。
‐または、希釈剤の半分および結合剤/崩壊剤の半分と全活性成分との造粒。造粒、乾燥および篩分け後、該粒子と残り半分の結合剤/崩壊剤および希釈剤との混合、次いで滑沢剤の添加および混合
【0054】
次いで、錠剤をオールアルミニウムブリスターパックまたは防漏性錠剤ボトルへ入れた。
【0055】
用いられた処方物(mg)および薬技術結果が下記表4および5で各々記載されている:
【表4】

【0056】
錠剤の総質量に対して10%の湿潤液で造粒を行った。
【表5】

【0057】
処方5と質的に相当する処方物で行われた追加試験では、錠剤の総質量に対して10%の塩酸イダゾキサン含有率と、10%の微結晶セルロース含有率との組合せのとき、錠剤の硬度と打錠時の割れとの間で最良の妥協性が得られることを示した。
【0058】
実現可能性(硬度および割れ)に関して得られた結果は、微結晶セルロースタイプの結合剤/崩壊剤8〜15%と一緒に5〜10%範囲の塩酸イダゾキサンのとき満足しうる。そこで、処方5が最適化されるまで実験を続けた;この目的のため、湿潤液の量を2通りで試験した:5%および20%
‐処方8:5%の湿潤液
‐処方12:20%の湿潤液
【0059】
これらの処方に関する結果が下記表6で表わされている。不純物のレベルを40℃、75%RHで1月間後に調べた。
【表6】

【0060】
活性成分について試験された希釈度(10%)のとき、造粒に際して湿潤に用いられた5〜20%の水では、混合で満足しうる均質性(含有率の変動係数>6%)は得られない。
【0061】
更に、得られた分解レベルは、わずかに低いが、硬ゼラチンカプセルで試験された処方物により得られる場合と匹敵している(1.5%〜2.3%の生成物791011)。
【0062】
錠剤の製造に関して、湿式造粒の代替プロセスは直接打錠である。したがって、造粒で得られた結果を考慮すると、塩酸イダゾキサンについてはこのプロセスの可能性を検討した方が論理にかなっている。
【0063】
活性成分の薬技術的特性は以下の通りである:
‐0.5〜0.8g/mlの嵩密度
‐100〜300μmの平均径
‐打錠に向いた適性:交換式錠剤プレスで、10,000ニュートンの力が負荷されたとき、純粋活性成分で得られる錠剤(容積=1cm)の硬度は面積1cmの丸型フォーマットに対して10〜30Nである。
【0064】
用いられた処方が下記表7に掲載されている:
【表7】

【0065】
得られた錠剤を防漏性ブリスターパック(オールアルミニウム)へ入れた。
【0066】
製造後に得られた薬技術結果が、40℃、75%RHで1月間後にみられた不純物のパーセンテージと一緒に、下記表8で記載されている。
【表8】

【0067】
処方11が最良の硬度を有し、最低の不純物レベルを示し、したがって選択された。
【0068】
処方8、9および10は、ロータリープレスで工業的製造を考えるには、低すぎる硬度を有している。更に、観察された割れおよび粘着性は全体的に許容しえない。したがって、直接打錠により得られたこの処方11が、直接打錠方式の技術的実現可能性および活性成分の満足しうる安定性を得る上で、最良の妥協物である。
【0069】
安定性は、20μmアルミニウムで密封された、ブリスターパックタイプ、45μmアルミニウムの防漏性パッケージでも満足しうる(下記表9参照)。
【表9】

【0070】
例2:処方例
処方1:
塩酸イダゾキサン 5%
微結晶セルロース 10%
ベヘン酸グリセリル 5%
コロイドシリカ 0.1%
ラクトース一水和物 100%まで適量
この処方によれば、オールアルミニウムブリスターパックへ入れられる塩酸イダゾキサン10〜30mg含有の錠剤を製造することができる。
【0071】
処方2:
塩酸イダゾキサン 5%
微結晶セルロース 40%
ベヘン酸グリセリル 1%
コロイドシリカ 0.1%
ラクトース一水和物 100%まで適量
この処方によれば、オールアルミニウムブリスターパックへ入れられる塩酸イダゾキサン10〜30mg含有の錠剤を製造することができる。
【0072】
処方3:
塩酸イダゾキサン 5%
微結晶セルロース 40%
ベヘン酸グリセリル 5%
コロイドシリカ 0.5%
ラクトース一水和物 100%まで適量
この処方によれば、オールアルミニウムブリスターパックへ入れられる塩酸イダゾキサン10〜30mg含有の錠剤を製造することができる。
【0073】
処方4:
塩酸イダゾキサン 20%
微結晶セルロース 10%
ベヘン酸グリセリル 5%
コロイドシリカ 0.1%
ラクトース一水和物 100%まで適量
この処方によれば、オールアルミニウムブリスターパックへ入れられる塩酸イダゾキサン10〜30mg含有の錠剤を製造することができる。
【0074】
処方5:
塩酸イダゾキサン 20%
微結晶セルロース 40%
ベヘン酸グリセリル 2%
コロイドシリカ 0.1%
ラクトース一水和物 100%まで適量
この処方によれば、オールアルミニウムブリスターパックへ入れられる塩酸イダゾキサン10〜30mg含有の錠剤を製造することができる。
【0075】
処方6:
塩酸イダゾキサン 20%
微結晶セルロース 40%
ベヘン酸グリセリル 5%
コロイドシリカ 0.1%
ラクトース一水和物 100%まで適量
この処方によれば、オールアルミニウムブリスターパックへ入れられる塩酸イダゾキサン10〜30mg含有の錠剤を製造することができる。
【0076】
処方7:
塩酸イダゾキサン 10%
微結晶セルロース 26.34%
ベヘン酸グリセリル 2%
コロイドシリカ 0.2%
ラクトース一水和物 100%まで適量
この処方によれば、オールアルミニウムブリスターパックへ入れられる塩酸イダゾキサン10〜30mg含有の錠剤を製造することができる。
【0077】
注記:工業ロータリープレスで製造された、例示されるこれら錠剤(処方1〜7)の物理化学分析の結果は、防漏性パッケージへ入れた後で、以下を示した:
‐製造直後でおよび経時的に15分未満の錠剤の崩壊時間
‐製造後30分間でおよび経時的に80%以上の活性成分溶解率
‐6%未満の含有率値のCV
‐理論投薬量の±5%以内の錠剤中活性成分の平均含有率
‐経時的に良い安定性:25℃、60%RHで24月間後に2%未満の不純物の合計
‐製造後および経時的に良い微生物学的品質
【0078】
例3:安定性および分解特性
ICH基準による光安定性試験では分解を示さなかった。更に、促進および長期条件安定性試験を行い、I型の多形体の長期安定性が表10で示されている:
【表10】

【0079】
例4:I型の多形体の溶解性の分析
様々な溶媒中におけるI型の多形体の溶解性が表11で示されている。
【表11】

【0080】
例5:合成プロセス
5.1.従来技術の塩酸イダゾキサンの合成プロセス
塩酸イダゾキサンは下記公知法に従い合成しうる:
2‐〔2‐(1,4‐ベンゾジオキサニル)〕‐2‐イミダゾリン塩酸塩の製造。メタノール(20ml)中ナトリウムメトキシド(1.45g)の溶液をメタノール(870ml)中2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサン(145g)の攪拌溶液へ環境温度で1分間かけて加える。環境温度で更に4時間攪拌した後、溶液を冷却し、エチレンジアミン(64.7g)を5℃の温度で滴下する。次いでメタノール中塩化水素の溶液(塩化水素34.8g含有の溶液134g)を5℃の温度で2時間かけて攪拌溶液へ加える。0〜10℃で更に20時間後、沈殿したエチレンジアミン二塩酸塩を濾去し、濾液を真空下40℃で300gに減らす。エチレンジアミン二塩酸塩を再び除去し、残留濾液を真空下40℃で蒸発に付し、完全乾固させる。固体残渣(225g)をジクロロメタン(1.1L)と攪拌し、乾燥塩化水素をやや過剰になるまで5〜10℃で散布する。次いで粗生成物を濾取し(172g)、真空下40℃で濾液を濃縮して得られた第二産出物(24g)と合わせる。これら2産出物について、熱時濾過および384gが得られるまで真空下で濾液の濃縮、エタノールからの結晶化により、融点207‐208℃の灰白色結晶生成物(175.5g、81%)を得る。エチレンジアミンおよび塩化水素が逆の順序でメタノールへ加えられても、同収率が得られる。
【0081】
5.2.各種多形体の塩酸イダゾキサンの合成プロセス
I型のいずれかの多形体を有する塩酸イダゾキサンが、下記方法に従い合成しうる:
(a)段階1.第一段階は、トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒、テトラブチルアンモニウムブロミドの存在下で、カテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応から、2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンを得ることからなる。反応は80〜90℃の温度で行う。二重脱色後、トルエンを蒸発させ、2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの油状抽出物をラセミ形で得る。
【0082】
(b)段階2.ナトリウムメトキシドの存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンはイミデートを生成するが、単離せず、これを更にエチレンジアミンおよび塩酸の存在下でイダゾキサンに環化させる。過剰のエチレンジアミンを塩酸の添加により結晶化させ、次いで濾去する。塩酸イダゾキサンの再結晶化をエタノールから行う。得られた医薬物質はラセミI型に相当する。
【0083】
異なる溶媒を用いる追加精製の段階により、異なる多形体の塩酸イダゾキサンが得られる。
【0084】
(c)段階3‐精製
最終化合物の精製は、その特徴点のうちいずれか1つが規格と合わない場合に可能である。
【0085】
硫酸化灰分、重金属およびエチレンジアミン分のような不純物の場合、再処理は塩基形への復元、次いで液体/液体洗浄からなり、その後で塩酸塩形へ戻す。次いで再結晶化を行う。
【0086】
溶液の明澄性、溶液の色、溶液のpH、2‐クロロアクリロニトリル分および関連物質(高圧液体クロマトグラフィー)に関する不適格の場合、再処理は再結晶化からなる。
【0087】
水分および残留溶媒に関する不適格の場合は、乾燥を行う。
【0088】
この精製/再結晶化段階は、次の溶媒:アセトニトリル、n‐プロパノール、メタノール、エタノール、1‐ブタノールおよびn‐ブタノールを用いて行える。
【0089】
III型はI型をエタノールで再結晶化することにより得られる。
【0090】
IV型はI型を1‐ブタノールで再結晶化することにより得られる。
【0091】
塩酸イダゾキサン一水和物(V型)は、5倍容量のアセトン/水混合液にI型を再スラリー化することにより得られる。
【0092】
VI型は、7倍容量の100°エタノール中乾燥重量で1部のI型の懸濁液を常時攪拌下環境温度で1〜4日間にわたり維持し、真空下で濾過し、オーブン中真空下70℃で一夜乾燥させることにより得られる。
【0093】
VI型も、エタノール中I型の溶液を常時攪拌下高温で維持し、結晶化を誘導するために溶媒の部分蒸発まで真空下でエタノールを蒸留し、次いで3時間かけて溶液を0°へ冷却し、濾過し、オーブン中真空下70℃で一夜乾燥することにより得られる。
【0094】
例6:イダゾキサン多形体I〜VIの粉末X線回折による結晶学的分析
粉末X線回折による結晶解析を、下記表12で詳細に記載されているように、本発明のプロセスに従い得られるイダゾキサンI〜VI型で行った。
【表12】

【0095】
タイプCの水平ゴニオメーターCGRおよびCu対陰極(λ=1.54051Å)を装備したPhilips PW1730装置を用い、40kVおよび20mAで操作して、サンプルを分析した。
【0096】
偽効果のないプレートサンプルホルダーを用いて、製造業者の指示に従い、標準操作手順によりサンプルを調製した。良い均一性を保証するために乳棒および乳鉢を用いて穏やかに粉砕した後、サンプルを分析した。
【0097】
塩酸イダゾキサンの融解および分解では、この温度範囲内において多形体の熱分析試験を行えないことが観察された。X線回折による結晶解析のみが、異なる結晶形の発見を行えるのである。
【0098】
図1は本発明のプロセス(例5.2)に従い製造されたI型のイダゾキサン多形体に関するX線回折図を表わしている;図2は従来技術に従い製造されたII型のイダゾキサン多形体に関するX線回折図を表わしている(例5.1);図3および4は各々IIIおよびIV型のイダゾキサン多形体に関するX線回折図を表わしている(例5.2);図5はV型のイダゾキサン多形体に関するX線回折図を表わしている(例5.2);および図6はVI型のイダゾキサン多形体に関するX線回折図を表わしている。X線回折図に対応するデータが下記表13〜18で示されている:
【表13】

【0099】
【表14】

【0100】
【表15】

【0101】
【表16】

【0102】
【表17】

【0103】
【表18】

【0104】
試験された異なる型で異なる結晶度が強度に有意の差異を生じ、特に4.02度θでX線の強度に実質的な変化があった。II、IIIおよびIV型の回折図は互いに明らかに異なっている。例えば、II型の回折図は5.52、7.5および11.52度θで3つの回折ピークを有している。III型に特徴的な4.04度θのピークは、II型の回折図に存在していない。III型は4.70度θで回折ピークを示すが、これはIV型の回折図には存在していない。IV型は8.78および8.98度θで2つのピークを示すが、これはIII型の回折図には存在していない。V型の回折図も独特であり、他と区別しやすい。
【0105】
例7:イダゾキサン多形体I〜Vの示差熱分析
示差熱分析を本発明のプロセス(例5.2)に従い得られたI〜V型のイダゾキサン多形体で行った。
【0106】
密閉およびクリンプされたアルミニウム容器にサンプルを入れた。各々4mgのI〜V型の3サンプルを分析した。伸ばした基線(示差熱分析曲線の直線部分)とピークの前側の最も急な勾配の接線との交点にある温度を調べることにより、融解の開始温度をIUPACの指示に従い求めた。最終温度はピークの頂点に相当する。基準値としてインジウムの溶融のエンタルピー(28.5J/g)を用いて装置を較正した。10℃/minで30〜240℃および150〜240℃の2分析にサンプルを付した。第二分析の目的は、融解の開始および終了の温度を正確に求めることであった。この目的のため、4回の測定を各サンプルで行い、これら値の平均と相対誤差をStudent-Fischer表を用いて計算した(P=0.05でt=3.182)。エンタルピーも同様に計算したが、但し5回の測定に基づいた(t=2.776、P=0.05)。
【0107】
熱重量分析を30〜400℃、窒素下10℃/minでV型のイダゾキサン一水和物9.888mgで行った。
【0108】
図7および8は、本発明のプロセスに従い製造された、I〜V型のイダゾキサンに関する(上記装置で測定された)代表的示差熱分析サーモグラムを表わしている。
【0109】
固体‐固体転移は、融解前の温度上昇中に、いずれのサンプルでも観察されなかった。
【0110】
多数サンプルの結果が表19で示されている:
【表19】

【0111】
ここに掲載されたデータで示されているように、I〜V型のイダゾキサンは独特な示差熱分析サーモグラムを示している。
【0112】
V型のイダゾキサン一水和物は87.5±0.4℃で水分子の喪失を示す吸熱ピークを呈し、これは207.6±5.6J/gの脱水エンタルピーである。第二の吸熱ピークは201±0.4℃で始まり、205.6±0.4℃で終わるが、これはサンプルの融点に相当し、分子の分解範囲内で生じる。この分解は、220℃付近に位置する融解後の発熱ピークで現される。
【0113】
分析された異なるイダゾキサン多形体の吸熱量は、示差熱分析が行われる加熱速度、即ち走査の速度、用いられる較正標準、装置の較正、相対湿度および化学的純度に応じて変わる。いかなる所定のサンプルでも、観察される吸熱量は装置毎に異なりうるが、但し装置が同様に較正されれば、それは本文で規定された範囲内に通常留まるであろう。
【0114】
例8
8.1.インビトロにおけるイダゾキサンのラセミ化
イダゾキサン分子のC位における不斉は、2種のエナンチオマー、R(−)およびS(+)を生じさせる。この位置におけるプロトンの不安定性は、2つの型の間で自然相互変換を可能にしうる。生理化学、生化学および生物学に基づく方法を用いて、インビトロでイダゾキサンのラセミ化を調べた。
【0115】
プロトンの不安定性を、核磁気共鳴スペクトル法により、生理的リン酸緩衝液(pH7.4)中37℃でプロトン‐重水素変換をモニターすることで調べた。約50%の変換が80分後に生じ、変換は4時間後に事実上完了した。
【0116】
リン酸緩衝液(pH7.4)中25および37℃で2エナンチオマーのラセミ化を高圧液体クロマトグラフィーにより調べた。2エナンチオマーのラセミ化の動態は、25℃で約5時間および37℃で1時間のラセミ化半減期と、同一であることがわかった。
【0117】
ラット大脳皮質組織を用いて、2エナンチオマーに対するα‐アドレノレセプターの結合値を評価した。加えて、マウスでグアナベンズにより誘導される低体温症の抑制により生物活性を評価した。初めに、S(+)型はR(−)型の場合より10倍大きな結合親和性を示し、低体温症の拮抗作用が15倍有効であるとわかった。しかしながら、結合試験の場合は緩衝液中37℃で1.5時間および挙動性モデルの場合は4時間のプレインキュベートから、2エナンチオマー間で活性に認知しうるほどの差異が最終的になくなったが、これはラセミ化の平衡に実際に達したことを示している。
【0118】
8.2.イダゾキサンエナンチオマーの薬物動態
若い健康な男性被験者をランダムに割り当て、下記物質の各々の1回分を1回で投与した:イダゾキサンラセミ体(I型の多形体)20mg;R(−)エナンチオマー10mg;S(+)エナンチオマー10mg。各エナンチオマーの薬物動態パラメーターが下記表20および21で示されている。
【0119】
【表20】

【0120】
【表21】

【0121】
結果は、R(−)およびS(+)型のイダゾキサンが異なる薬物動態特性を示すことを表している。S(+)エナンチオマーはR(−)エナンチオマーより約1.5倍良い見掛けクリアランスおよび分布を示すが、同様のt1/2であり、血漿中ではR(−)レベルの方が高い。
【0122】
2エナンチオマーは遅い限定されたプロセスに従い互いに変換され(約4時間のTmax;5時間のR(−)からS(+)および4時間のS(+)からR(−)への変換t1/2)、R(−)の形成はS(+)の場合よりもやや多い。ラセミ体の投与後における各エナンチオマーの薬物動態特性は、単独でエナンチオマーの投与後に得られるエナンチオマーの薬物動態特性を合わせたものであり、このことはエナンチオマーが一緒に投与された場合にそれらの間で相互作用が生じないことを示唆している。S(+)およびR(−)の濃度は類似した速度でピークに達し下降するが、R(−)はS(+)より大きな割合で循環している。投与された3種の薬剤はすべて十分に耐えうるものであった。
【0123】
例9:精神分裂病の治療用薬剤としてイダゾキサンの使用
精神分裂病または従来の神経弛緩剤での治療に抵抗性とみなされた分裂感情障害にかかった患者17例による二重盲検試験の対象にイダゾキサンを選び、コントロールとしてプラセボを用いた(R.E.Litman,W.W.Hong et al.,J.Clin.Psychopharmacol.,August,13(4),264-7(1993);R.E.Litman,T.P.Su et al.,Br.J.Psychiatry,May,168(5),571-9(1996))。
【0124】
患者の治療は、少くとも2週間にわたり塩酸フルフェナジンで彼らを安定化させるように修正し、錐体外路症状を抑えるためにメシル酸ベンゾトロピンを用いた(1例の患者は、重度の錐体外路症状があるため、チオリダジンで安定化させた)。初回用量20mgで1日2回イダゾキサンを加え、2週間かけて至適定常用量まで各回に20mgずつ徐々に用量を増加させ、120mg/日の目標用量で、少くとも4週間維持した。イダゾキサンの投薬量を2週間かけて1日20mgずつ徐々に減少させ、患者にフルフェナジン単独で少くとも3週間投与した。治療中断の期間後、患者12例に至適用量で少くとも5週間にわたりクロザピンを投与した。
【0125】
フルフェナジンでの治療にイダゾキサンを加えると、フルフェナジン単剤療法と比較して、症状の有意な軽減をもたらした。Bunney-Hamburg標準精神評価尺度、簡略精神医学評価尺度の総合評点、簡略精神医学評価尺度の陰性症状および簡略精神医学評価尺度の陽性症状で、異常な思考および偏執症的疑いに関するものを含めて、改善が観察された。改善がわずか(簡略精神医学評価尺度の総合評点で10〜15%程度の軽減)と判明したにしても、それは神経弛緩剤の効果を高める他の非神経弛緩剤に頼ったときに得られる場合と匹敵するレベルであることがわかった。簡略精神医学評価尺度の総合評点および陰性症状の改善は、血漿および尿ノルアドレナリン作動剤で観察される変化と相関している。加えて、フルフェナジンと組み合わせたイダゾキサンの治療は、クロザピン単独の場合と比較しても負けないことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】I型の塩酸イダゾキサン多形体のX線回折図。
【図2】II型の塩酸イダゾキサン多形体のX線回折図。
【図3】III型の塩酸イダゾキサン多形体のX線回折図。
【図4】IV型の塩酸イダゾキサン多形体のX線回折図。
【図5】V型の塩酸イダゾキサン一水和物のX線回折図。
【図6】VI型の塩酸イダゾキサン一水和物のX線回折図。
【図7】I、II、III、V型の塩酸イダゾキサン多形体の示差熱分析サーモグラム。
【図8】IV型の塩酸イダゾキサン多形体の示差熱分析サーモグラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全質量に対して、5〜25%のイダゾキサン塩またはイダゾキサン水和物、10〜40%の微結晶セルロース、0.1〜5%の滑沢剤、0.1〜0.5%のコロイドシリカおよび25〜90%のラクトースを含んでなる医薬組成物。
【請求項2】
全質量に対して、5〜20%のイダゾキサン塩、イダゾキサン水和物またはそれらの誘導体、10〜40%の微結晶セルロース、1〜5%の滑沢剤、0.1〜0.5%のコロイドシリカおよび29.5〜84.8%のラクトースを含んでなる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
塩が塩酸塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
イダゾキサンが、図1で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、I型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
イダゾキサンが、約4.0200、6.6400、6.9000、7.0800、8.0800、9.0000、9.9600、9.9600、10.8400、11.7200、12.1400、12.3800、12.9800、13.3000、13.5200、14.9000、15.0600、15.2400および21.4000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる、I型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
イダゾキサンが、約4.0200、6.6400、6.9000、7.0800、8.0800、9.0000、9.9600、9.9600、10.8400、11.7200、12.1400、12.3800、12.9800、13.3000、13.5200、14.9000、15.0600、15.2400および21.4000度θで特徴的ピークを有し、約4.7400、5.7200、8.9200、16.8600または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠くX線回折スペクトルにより特徴付けられる、I型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
I型の多形体が、約207.5±0.2で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
イダゾキサンが、約4.0200、6.6400、6.9000、7.0800、8.0800、9.0000、9.9600、9.9600、10.8400、11.7200、12.1400、12.3800、12.9800、13.3000、13.5200、14.9000、15.0600、15.2400および21.4000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトル、および約207.5±0.2で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、I型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
イダゾキサンが、図2で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、II型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
イダゾキサンが、約4.7400、5.7200、6.6800、7.5000、8.9200、9.9600、11.5200、12.3000、12.9400、13.5400、14.3000、15.6800、16.8600および18.9000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる、II型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
II型の多形体が、は、約203.9±0.4で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
イダゾキサンが、約4.7400、5.7200、6.6800、7.5000、8.9200、9.9600、11.5200、12.3000、12.9400、13.5400、14.3000、15.6800、16.8600および18.9000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトル、および約203.9±0.4で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、II型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
イダゾキサンが、図3で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、III型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
イダゾキサンが、約4.0400、4.700、5.7400、6.6200、6.9200、7.4600、8.0400、8.7800、8.9800、9.9800、10.8200、11.4600、11.6400、12.3200、12.9400、13.5400、14.2400、15.0600、15.6200および16.8400度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる、III型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
III型の多形体が、約203.8±0.5で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
イダゾキサンが、約4.0400、4.700、5.7400、6.6200、6.9200、7.4600、8.0400、8.7800、8.9800、9.9800、10.8200、11.4600、11.6400、12.3200、12.9400、13.5400、14.2400、15.0600、15.6200および16.8400度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトル、および約203.8±0.5で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、III型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項17】
イダゾキサンが、図4で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、IV型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項18】
イダゾキサンが、約4.8000、5.9000、6.8400、7.3200、8.0800、8.6600、9.4600、9.6800、11.1600、11.4000、11.9000、12.2200、12.6800、13.8400、14.4200、14.9800および18.1000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる、IV型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項19】
イダゾキサンが、約4.8000、5.9000、6.8400、7.3200、8.0800、8.6600、9.4600、9.6800、11.1600、11.4000、11.9000、12.2200、12.6800、13.8400、14.4200、14.9800および18.1000度θで特徴的ピークを有し、約6.6800、13.5400、15.6800、16.8600または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠くX線回折スペクトルにより特徴付けられる、IV型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項20】
IV型の多形体が、約205.3±0.5で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
イダゾキサンが、約4.8000、5.9000、6.8400、7.3200、8.0800、8.6600、9.4600、9.6800、11.1600、11.4000、11.9000、12.2200、12.6800、13.8400、14.4200、14.9800および18.1000度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトル、および約205.3±0.5で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、IV型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項22】
イダゾキサン一水和物が、図5で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、V型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項23】
イダゾキサン一水和物が、約5.0400、5.8400、7.9400、9.2800、9.4400、10.1200、12.0200、12.5600、12.9200、13.7400、13.9400、14.5200、14.8200、15.2800、16.2800および16.7400度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる、V型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項24】
イダゾキサン一水和物が、約5.0400、5.8400、7.9400、9.2800、9.4400、10.1200、12.0200、12.5600、12.9200、13.7400、13.9400、14.5200、14.8200、15.2800、16.2800および16.7400度θで特徴的ピークを有し、約4.7400、6.6800、7.5000、8.9200、11.5200、14.3000、15.6800または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠くX線回折スペクトルにより特徴付けられる、V型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項25】
イダゾキサン一水和物が、約205.6±0.4で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、V型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項26】
イダゾキサン一水和物が、約5.0400、5.8400、7.9400、9.2800、9.4400、10.1200、12.0200、12.5600、12.9200、13.7400、13.9400、14.5200、14.8200、15.2800、16.2800および16.7400度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトル、および約205.6±0.4で単一の最大値を示す示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、V型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項27】
イダゾキサン一水和物が、図6で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、VI型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項28】
イダゾキサン一水和物が、約5.6150、6.7350、7.5350、9.5250、10.3450、10.6050、11.0350、11.2850、11.5350、12.1150、12.3750、12.9550、13.5150、13.9950、14.5250、14.9350、15.0450、15.1950、16.3450、17.0450、17.2850および17.8250度θで特徴的ピークを有するX線回折スペクトルにより特徴付けられる、VI型の多形体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項29】
滑沢剤がベヘン酸グリセリルである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項30】
経口投与に適した形態で提供される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれかに記載された医薬組成物を含んでなる錠剤。
【請求項32】
50〜1,000mg、好ましくは100〜600mgの質量を有する、請求項31に記載の錠剤。
【請求項33】
防漏性パッケージで提供される、請求項31に記載の錠剤。
【請求項34】
水蒸気に対して防漏性のパッケージが、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン製の錠剤ボトル、アルミニウムサッシェまたは好ましくはオールアルミニウムブリスターパックからなる、請求項33に記載の錠剤。
【請求項35】
粉末混合物の直接打錠の段階を含んでなる、請求項31に記載された錠剤の製造方法。
【請求項36】
打錠が乾式造粒の段階により先行される、請求項35に記載の錠剤の製造方法。
【請求項37】
イダゾキサン塩もしくは水和物またはそれらの誘導体が、50〜250ミクロンのその平均径で表わされる粒度分析値を有する、請求項36に記載の錠剤の製造方法。
【請求項38】
イダゾキサン塩もしくは水和物またはそれらの誘導体が、好ましくは75〜150ミクロン、更に具体的には100〜125ミクロン付近の平均粒度分析値を有する、請求項36に記載の錠剤の製造方法。
【請求項39】
イダゾキサン塩もしくは水和物またはそれらの誘導体が、0.4〜0.8、好ましくは0.5〜0.7、更に好ましくは0.6付近の嵩密度を有する、請求項35に記載の錠剤の製造方法。
【請求項40】
うつ病、パーキンソン病と精神分裂病および分裂感情障害からなる群より選択される重度精神障害からなる群より選択される病状の治療および/または予防用の薬剤の製造に関する、請求項1〜30のいずれかに記載された組成物または請求項31〜34のいずれかに記載された錠剤の使用。
【請求項41】
同時、別々または連続投与用に、アルファ‐2‐ノルアドレナリン作動性レセプターよりもDレセプターに対して大きな拮抗親和性を有する非定型抗精神病神経弛緩剤と一緒の、精神分裂病および分裂感情障害からなる群より選択される重度精神障害の治療および/または予防用の薬剤の製造に関する、請求項1〜30のいずれかに記載された組成物または請求項31〜34のいずれかに記載された錠剤の使用。
【請求項42】
非定型神経弛緩剤が、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、セルチンドールおよびジプラシドンの中から選択される、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
図1で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、I型のイダゾキサン多形体。
【請求項44】
X線回折スペクトルが、約4.0200、6.6400、6.9000、7.0800、8.0800、9.0000、9.9600、9.9600、10.8400、11.7200、12.1400、12.3800、12.9800、13.3000、13.5200、14.9000、15.0600、15.2400および21.4000度θで特定ピークを有する、I型のイダゾキサン多形体。
【請求項45】
X線回折スペクトルが、約4.0200、6.6400、6.9000、7.0800、8.0800、9.0000、9.9600、9.9600、10.8400、11.7200、12.1400、12.3800、12.9800、13.3000、13.5200、14.9000、15.0600、15.2400および21.4000度θで特定ピークを有し、約4.7400、5.7200、8.9200、16.8600または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠く、I型のイダゾキサン多形体。
【請求項46】
示差熱分析サーモグラムが約207.5±0.2で単一の最大値を示す、I型のイダゾキサン多形体。
【請求項47】
X線回折スペクトルが、約4.0200、6.6400、6.9000、7.0800、8.0800、9.0000、9.9600、9.9600、10.8400、11.7200、12.1400、12.3800、12.9800、13.3000、13.5200、14.9000、15.0600、15.2400および21.4000度θで特定ピークを有し、示差熱分析サーモグラムが約207.5±0.2で単一の最大値を示す、I型のイダゾキサン多形体。
【請求項48】
図2で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、II型のイダゾキサン多形体。
【請求項49】
X線回折スペクトルが、約4.7400、5.7200、6.6800、7.5000、8.9200、9.9600、11.5200、12.3000、12.9400、13.5400、14.3000、15.6800、16.8600および18.9000度θで特徴的ピークを有する、II型のイダゾキサン多形体。
【請求項50】
示差熱分析サーモグラムが約203.9±0.4で単一の最大値を示す、II型のイダゾキサン多形体。
【請求項51】
X線回折スペクトルが、約4.7400、5.7200、6.6800、7.5000、8.9200、9.9600、11.5200、12.3000、12.9400、13.5400、14.3000、15.6800、16.8600および18.9000度θで特徴的ピークを有し、示差熱分析サーモグラムが約203.9±0.4で単一の最大値を示す、II型のイダゾキサン多形体。
【請求項52】
図3で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、III型のイダゾキサン多形体。
【請求項53】
X線回折スペクトルが、約4.0400、4.7000、5.7400、6.6200、6.9200、7.4600、8.0400、8.7800、8.9800、9.9800、10.8200、11.4600、11.6400、12.3200、12.9400、13.5400、14.2400、15.0600、15.6200および16.8400度θで特徴的ピークを有する、III型のイダゾキサン多形体。
【請求項54】
示差熱分析サーモグラムが約203.8±0.5で単一の最大値を示す、III型のイダゾキサン多形体。
【請求項55】
X線回折スペクトルが、約4.0400、4.7000、5.7400、6.6200、6.9200、7.4600、8.0400、8.7800、8.9800、9.9800、10.8200、11.4600、11.6400、12.3200、12.9400、13.5400、14.2400、15.0600、15.6200および16.8400度θで特徴的ピークを有し、示差熱分析サーモグラムが約203.8±0.5で単一の最大値を示す、III型のイダゾキサン多形体。
【請求項56】
図4で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、IV型のイダゾキサン多形体。
【請求項57】
X線回折スペクトルが、約4.8000、5.9000、6.8400、7.3200、8.0800、8.6600、9.4600、9.6800、11.1600、11.4000、11.9000、12.2200、12.6800、13.8400、14.4200、14.9800および18.1000度θで特徴的ピークを有する、IV型のイダゾキサン多形体。
【請求項58】
X線回折スペクトルが、約4.8000、5.9000、6.8400、7.3200、8.0800、8.6600、9.4600、9.6800、11.1600、11.4000、11.9000、12.2200、12.6800、13.8400、14.4200、14.9800および18.1000度θで特徴的ピークを有し、約6.6800、13.5400、15.6800、16.8600または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠く、IV型のイダゾキサン多形体。
【請求項59】
示差熱分析サーモグラムが約205.3±0.5で単一の最大値を示す、IV型のイダゾキサン多形体。
【請求項60】
X線回折スペクトルが、約4.8000、5.9000、6.8400、7.3200、8.0800、8.6600、9.4600、9.6800、11.1600、11.4000、11.9000、12.2200、12.6800、13.8400、14.4200、14.9800および18.1000度θで特徴的ピークを有し、約6.6800、13.5400、15.6800、16.8600または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠き、示差熱分析サーモグラムが約205.3±0.5で単一の最大値を示す、IV型のイダゾキサン多形体。
【請求項61】
図5で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、V型のイダゾキサン多形体。
【請求項62】
X線回折スペクトルが、約5.0400、5.8400、7.9400、9.2800、9.4400、10.1200、12.0200、12.5600、12.9200、13.7400、13.9400、14.5200、14.8200、15.2800、16.2800および16.7400度θで特徴的ピークを有する、IV型のイダゾキサン多形体。
【請求項63】
X線回折スペクトルが、約5.0400、5.8400、7.9400、9.2800、9.4400、10.1200、12.0200、12.5600、12.9200、13.7400、13.9400、14.5200、14.8200、15.2800、16.2800および16.7400度θで特徴的ピークを有し、約4.7400、6.6800、7.5000、8.9200、11.5200、14.3000、15.6800または18.9000度θで少くとも1つのピークを欠く、V型のイダゾキサン多形体。
【請求項64】
示差熱分析サーモグラムが約205.6±0.4で単一の最大値を示す、V型のイダゾキサン多形体。
【請求項65】
X線回折スペクトルが、約5.0400、5.8400、7.9400、9.2800、9.4400、10.1200、12.0200、12.5600、12.9200、13.7400、13.9400、14.5200、14.8200、15.2800、16.2800および16.7400度θで特徴的ピークを有し、示差熱分析サーモグラムが約205.6±0.4で単一の最大値を示す、V型のイダゾキサン多形体。
【請求項66】
図6で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、VI型のイダゾキサン多形体。
【請求項67】
X線回折スペクトルが、約5.6150、6.7350、7.5350、9.5250、10.3450、10.6050、11.0350、11.2850、11.5350、12.1150、12.3750、12.9550、13.5150、13.9950、14.5250、14.9350、15.0450、15.1950、16.3450、17.0450、17.2850、17.5750および17.8250度θで特徴的ピークを有する、VI型のイダゾキサン多形体。
【請求項68】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、および(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化からなるプロセスにより生産される、I型のイダゾキサン多形体。
【請求項69】
図1で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、請求項68に記載のI型のイダゾキサン多形体。
【請求項70】
約207.5±0.2で単一の最大値を有する示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、請求項68に記載のI型のイダゾキサン多形体。
【請求項71】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、および(vi)エタノールで再結晶化による塩酸イダゾキサンの精製からなるプロセスにより生産される、III型のイダゾキサン多形体。
【請求項72】
図3で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、請求項71に記載のIII型のイダゾキサン多形体。
【請求項73】
約203.8±0.5で単一の最大値を有する示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、請求項71に記載のIII型のイダゾキサン多形体。
【請求項74】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、および(vi)1‐ブタノールで再結晶化による塩酸イダゾキサンの精製からなるプロセスにより生産される、IV型のイダゾキサン多形体。
【請求項75】
図4で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、請求項74に記載のIV型のイダゾキサン多形体。
【請求項76】
約205.3±0.5で単一の最大値を有する示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、請求項74に記載のIV型のイダゾキサン多形体。
【請求項77】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、および(vi)5倍容量のアセトン80%および水20%の混合液で再スラリー化からなるプロセスにより生産される、V型のイダゾキサン多形体。
【請求項78】
図5で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、請求項77に記載のV型のイダゾキサン多形体。
【請求項79】
約205.6±0.4で単一の最大値を有する示差熱分析サーモグラムにより特徴付けられる、請求項77に記載のV型のイダゾキサン多形体。
【請求項80】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)I型へのエタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、(vi)常時攪拌および環境温度下で1〜4日間にわたる100°エタノール中懸濁状態でI型の維持、(vii)真空下の濾過、および(viii)真空下オーブン中で乾燥、または(vi′)高温で常時攪拌下100°エタノール中懸濁状態でI型の維持、(vii′)結晶化を誘導するために溶媒の部分蒸発まで真空下でエタノールの蒸留、(viii′)0°への溶液の冷却、および(ix′)濾過およびオーブン中の乾燥からなるプロセスにより生産される、VI型のイダゾキサン多形体。
【請求項81】
図6で示されたX線回折スペクトルにより特徴付けられる、請求項80に記載のVI型のイダゾキサン多形体。
【請求項82】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、および(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化からなる、I型の塩酸イダゾキサン多形体の製造方法。
【請求項83】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、および(vi)溶媒で再結晶化による塩酸イダゾキサンの精製からなる、塩酸イダゾキサン多形体の製造方法。
【請求項84】
溶媒がエタノールであり、得られる多形体がIII型の多形体である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
溶媒が1‐ブタノールであり、得られる多形体がIV型の多形体である、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)エタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、および(vi)5倍容量のアセトン80%および水20%の混合液で再スラリー化からなる、V型の塩酸イダゾキサン多形体の製造方法。
【請求項87】
次の段階:(i)トルエンおよびジオキサンの混合液中、微粉砕炭酸カリウムおよび触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下でカテコールおよび2‐クロロアクリロニトリルの反応、(ii)トルエンの蒸発および2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンのラセミ混合物の生産、(iii)エチレンジアミンおよび塩酸の存在下で2‐シアノ‐1,4‐ベンゾジオキサンの環化、(iv)結晶化させて過剰のエチレンジアミンを除去するために塩酸の添加、(v)I型へのエタノール中塩酸イダゾキサンの再結晶化、(vi)常時攪拌および環境温度下で1〜4日間にわたる100°エタノール中懸濁状態でI型の維持、(vii)真空下の濾過、および(viii)真空下オーブン中で乾燥、または(vi′)高温で常時攪拌下100°エタノール中懸濁状態でI型の維持、(vii′)結晶化を誘導するために溶媒の部分蒸発まで真空下でエタノールの蒸留、(viii′)0°への溶液の冷却、および(ix′)濾過およびオーブン中の乾燥からなる、VI型の塩酸イダゾキサン多形体の製造方法。
【請求項88】
請求項43〜81のいずれかに記載された塩酸イダゾキサンおよび製薬上許容される賦形剤を含んでなる、医薬組成物。
【請求項89】
経口投与用に適した形態をとる、請求項88に記載の医薬組成物。
【請求項90】
錠剤の形態をとる、請求項88に記載の医薬組成物。
【請求項91】
非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸、経口腔、鼻内、リポソーム、膣または眼内投与に適した形態、あるいはカテーテルまたはステントによる局所送達に適した形態をとる、請求項88に記載の医薬組成物。
【請求項92】
塩酸イダゾキサン、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤および流動促進剤を含んでなる、経口投与用の医薬組成物。
【請求項93】
希釈剤がラクトース一水和物である、請求項92に記載の医薬組成物。
【請求項94】
崩壊剤が微結晶セルロースである、請求項92に記載の医薬組成物。
【請求項95】
滑沢剤がベヘン酸グリセリルである、請求項92に記載の医薬組成物。
【請求項96】
流動促進剤がコロイドシリカである、請求項92に記載の医薬組成物。
【請求項97】
組成物が錠剤の形態をとる、請求項92に記載の医薬組成物。
【請求項98】
錠剤が10mg錠剤である、請求項97に記載の医薬組成物。
【請求項99】
錠剤が20mg錠剤である、請求項97に記載の医薬組成物。
【請求項100】
塩酸イダゾキサンが、請求項43〜81のいずれかに記載された塩酸イダゾキサンである、請求項97に記載の医薬組成物。
【請求項101】
a.10重量%の塩酸イダゾキサンまたはその製薬上許容される塩もしくはその水和物、
b.61.46重量%のラクトース一水和物、
c.26.34重量%の微結晶セルロース、
d.2重量%のベヘン酸グリセリル、および
e.0.2重量%のコロイドシリカ
を含んでなる、経口投与用の医薬組成物。
【請求項102】
組成物が錠剤の形態をとる、請求項101に記載の医薬組成物。
【請求項103】
錠剤が10mg錠剤である、請求項101に記載の医薬組成物。
【請求項104】
錠剤が20mg錠剤である、請求項101に記載の医薬組成物。
【請求項105】
塩酸イダゾキサンが単一エナンチオマーである、請求項92〜101のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項106】
エナンチオマーがS(+)エナンチオマーである、請求項105に記載の医薬組成物。
【請求項107】
エナンチオマーがR(−)エナンチオマーである、請求項105に記載の医薬組成物。
【請求項108】
同時、別々または連続投与用に、製薬上許容される賦形剤中、アルファ‐2‐アドレノレセプターよりもDレセプターに対して大きな拮抗親和性を示す非定型抗精神病神経弛緩剤と一緒の、重度精神心的病気の治療および/または予防用の薬剤の製造に関する、請求項88〜107のいずれかに記載された組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−509911(P2007−509911A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537357(P2006−537357)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002773
【国際公開番号】WO2005/041956
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(500033483)ピエール、ファーブル、メディカマン (73)
【Fターム(参考)】