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イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよび/またはネオジムの耐食コーティング組成物用強化剤としての使用
説明

イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよび/またはネオジムの耐食コーティング組成物用強化剤としての使用

【課題】金属部品用の、水溶性相または有機相中に微粒子金属を含有する耐食コーティング組成物の耐食性のための強化剤を使用した金属部品用塗料組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】酸化物または塩の形態における、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムから選択された少なくとも1つの元素を耐食コーティング組成物の耐食性のための強化剤として使用した金属部品用塗料組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐食性の改善した、好ましくは六価クロムを含まない金属部品用耐食コーティングの開発に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、あらゆる種類の金属部品、特に鋼または鋳鉄のもの、または亜鉛または亜鉛層でできた表面をもつもの、例えば、自動車工業に用いるために高耐食性を必要とするものに適用される。六価クロムを含まない耐食コーティング組成物は既に推奨されている。これらの組成物のいくつかは微粒子金属を含有している。亜鉛および/またはアルミニウムのような微粒子金属は、組成物中で懸濁しており、腐蝕性媒体に対する犠牲的保護を有する金属部品を提供する。例えば、水溶性耐食コーティング組成物が金属部品用に記載されており、微粒子金属、適切な溶剤、増粘剤およびシランで形成されたバインダーを含有している。組成物に酸化モリブデン(MoO)を組み込むことによって貯蔵安定性および耐食性能が改善された微粒子金属系組成物がまた記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の範囲において、出願人は、酸化物または塩の形態におけるイットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムから選択された少なくとも1つの元素を、微粒子金属を含有する組成物の中に組み込むことにより該組成物の耐食性を改善する可能性があることを発見した。
【0004】
微粒子金属を含有するコーティング組成物の耐食性能は、上記した元素を酸化モリブデンと組み合わせると、更に改善することが分かった。
【0005】
本発明に関係する微粒子金属を含有する組成物は、水溶性相または有機相組成物であってもよい。これらは高耐食性が必要とされるときに推奨される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の主題は、金属部品用の、水溶性相または有機相中に微粒子金属を含有する耐食コーティング組成物の耐食性を強化するための薬剤としての、酸化物または塩の形態における、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムから選択された少なくとも1つの元素の使用である。
【0007】
本発明の更なる主題は、金属部品用の水溶性相または有機相中に微粒子金属を含有する耐食コーティング組成物の耐食性のための強化剤としての、任意で酸化モリブデンMoOと組み合わせた、上記した元素のうちの少なくとも1つの使用である。
【0008】
この解釈は限定されるものではないが、上記した元素の少なくとも1つが存在していると、組成物中の微粒子金属により付与される耐食保護の効果を高めることができるものと考えられる。
【0009】
組成物中に存在する微粒子金属は、異なる幾何形状、均一または不均一な構造、特に、球、層状、レンズ形またはその他特定の形態の粉末形態で添加されるのが好ましい。
【0010】
組成物の耐食性のための強化剤として用いられる上記した元素の酸化物または塩は、通常、粉末形態にあり、その粒子は20μm未満のD50を有する(値D50とは粒子の数の50%がこの値未満の粒度であり、粒子の数の50%がこの値を超える粒度であることを意味する)。コーティング組成物の調製中、粒子研削または分散ステップ(凝集体を素粒子へと分解する)を事前に行って、組成物が3μm未満のD50を有する粒子を含有するようにしてもよい。
【0011】
これらの酸化物または塩は、水溶性相または有機相に完全に溶解、部分溶解または完全に不溶であってもよい。それらは組成物中に分散または溶解した形態にあってもよい。
【0012】
イットリウム塩は、酢酸、塩化、ギ酸、炭酸、スルファミン酸、乳酸、硝酸、シュウ酸、硫酸、リン酸およびアルミン酸(YAl12)イットリウムおよびこれらの混合物から選択すると有利である。
【0013】
酸化イットリウムはYの形態にあるのが有利である。
【0014】
イットリウムは酸化物形態で用いるのが好ましい。
【0015】
コーティング組成物を調製するのに用いる酸化イットリウムYは、通常、1μm〜40μmのサイズを有する粒子の形態であり、約6〜8μmのD50を有する。コーティング組成物を調製するときは、事前の粒子研削および分散ステップ(凝集体を素粒子へと分解する)を行って、組成物が3μm未満のD50を有する粒子を含有するようにしてもよい。
【0016】
ジルコニウム塩は、炭酸、ケイ酸、硫酸およびチタン酸ジルコニウムおよびこれらの混合物から選択するのが好ましい。
【0017】
酸化ジルコニウムはZrOの形態であると有利である。
【0018】
ランタン塩は、酢酸、シュウ酸、硝酸、硫酸、炭酸、リン酸およびアルミン酸(LaAlO)ランタンおよびこれらの混合物から選択するのが有利である。
【0019】
酸化ランタンはLaの形態であるのが好ましい。
【0020】
セリウム塩は、塩化、炭酸、酢酸、硝酸、シュウ酸、硫酸、リン酸、モリブデン酸(Ce(MoO)およびタングステン酸(Ce(WO)セリウムおよびこれらの混合物から選択するのが有利である。
【0021】
酸化セリウムはCeOの形態であるのが有利である。
【0022】
セリウムは塩化セリウムまたはCeOの形態で用いるのが好ましい。
【0023】
プラセオジム塩は、炭酸、塩化、硝酸、シュウ酸および硫酸プラセオジムおよびこれらの混合物から選択するのが有利である。
【0024】
酸化プラセオジムはPr11の形態にあるのが有利である。
【0025】
ネオジム塩は、炭酸、塩化、硝酸および硫酸ネオジムおよびこれらの混合物から選択するのが有利である。
【0026】
酸化ネオジムはNdの形態にあるのが有利である。
【0027】
組成物がまた、組成物の耐食性のための強化剤として用いる上記した元素の1つと組み合わせて酸化モリブデンMoOを含有するときは、MoOが、モリブデン含量が約60重量%を超える本質的に純粋な斜方角結晶形態で組み込まれると有利である。
【0028】
酸化モリブデンMoOは、1μm〜200μmのサイズを有する粒子の形態にあるのが好ましい。
【0029】
組成物の耐食性のための該強化剤は、0.25<耐食性強化剤:MoO<20、好ましくは0.5<耐食性強化剤:MoO<16、更に好ましくは0.5<耐食性強化剤:MoO<14の重量比で酸化モリブデンMoOと組み合わせるのが好ましい。
【0030】
好ましくは酸化イットリウムYが、酸化モリブデンMoOと組み合わせて用いられる。本発明の更なる主題は、0.25<Y:MoO<20、好ましくは0.5<Y:MoO<16、更に好ましくは0.5<Y:MoO<14の重量比で酸化モリブデンMoOと組み合わされた酸化イットリウムYの使用である。
【0031】
本発明の更なる主題は、
−少なくとも1種類の微粒子金属、
−任意で酸化モリブデンMoOと組み合わされた、酸化物または塩の形態におけるイットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムから選択された、組成物の耐食性のための強化剤、
−バインダー、および、
−1種類以上の有機溶剤と任意で組み合わせた水か、1種類以上の互いに混和性を有する有機溶剤、
を含有する金属部品用の耐食コーティング組成物に関する。
【0032】
コーティング組成物は、少なくとも1種類の微粒子金属、すなわち、1種類以上の微粒子金属を含有している。
【0033】
微粒子金属含量は、組成物の重量に対して10重量%〜40重量%であると有利である。
【0034】
微粒子金属は、亜鉛、アルミニウム、錫、マンガン、ニッケル、これらの合金およびこれらの混合物から選択してよい。
【0035】
微粒子金属は、亜鉛、アルミニウム、これらの合金およびこれらの混合物から選択されるのが好ましい。合金は、少なくとも3重量%のアルミニウム、好ましくは7重量%のアルミニウムを含有する亜鉛とアルミニウムの合金、および少なくとも10重量%の錫を含有する亜鉛と錫の合金から選択するのが好ましい。
【0036】
組成物の耐食性強化剤の含量は、組成物の重量に対して0.5重量%〜10重量%、好ましくは組成物の重量に対して1重量%〜8重量%、更に好ましくは組成物の重量に対して1〜7重量%であるのが好ましい。
【0037】
組成物の耐食性のための強化剤は、好ましくは酸化物の形態Yのイットリウム、または好ましくは塩化セリウムの形態のセリウムであると有利である。
【0038】
組成物の耐食性のための強化剤を、0.25<耐食性強化剤:MoO<20、好ましくは0.5<耐食性強化剤:MoO<16、更に好ましくは0.5<耐食性強化剤:MoO<14の重量比で酸化モリブデンMoOと組み合わせると有利である。
【0039】
バインダー含量は、組成物の重量に対して3重量%〜20重量%であるのが好ましい。バインダーは水溶性または有機相中有機および/またはミネラル系であってもよい。バインダーの選択は、異なる基準、特にコーティング組成物の焼成温度に応じて異なる。
【0040】
バインダーは、任意で有機官能化されたγ−グリシドキシプロピル−トリメトキシシランまたはγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのようなアルコキシル化シラン、シリコーン樹脂、ナトリウムおよび/またはカリウムおよび/またはリチウムのケイ酸塩、ジルコネート、チタネート、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリルおよびこれらの混合物から選択されるのが好ましい。
【0041】
バインダーは、フェノール系、アミノプラスト系、またはジシアンジアミド系の架橋剤と組み合わせてもよい。架橋反応を触媒させるために酸触媒を添加してもよい。
【0042】
組成物が水溶性相の場合は、コロイダルシリカをバインダーとして樹脂と組み合わせて用いてもよい。
【0043】
コーティング組成物が水溶性相の場合は、液体相は水から形成され、30重量%までの有機溶剤または有機水混和性溶剤の混合物も含有していてよい。
【0044】
コーティング組成物が有機相の場合は、液体相を有機溶剤または互いに混和性の有機溶剤の混合物から完全に作成する。
【0045】
有機溶剤は、バインダーを溶解し、その分散液を安定化させるために、バインダーに対して選択される。有機溶剤は、ホワイトスピリット、アルコール、ケトン、芳香族溶剤、およびグリコールエーテルのようなグリコール溶剤、特に、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコール、アセテート、ポリエチレングリコールおよびニトロプロパンおよびこれらの混合物から選択されると有利である。
【0046】
コーティング組成物は、用途によって必要とされる場合には、例えば、浸漬遠心分離により適用される場合には、増粘剤も含んでいてよい。
【0047】
増粘剤の含量は、組成物の重量に対して7重量%未満、好ましくは組成物の重量に対して0.005重量%〜7重量%である。
【0048】
増粘剤は、ヒドロキシメチル−セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ポリウレタンまたはアクリル系の結合増粘剤、シリカ、マグネシウムおよび/またはリチウムにより任意で処理されたシリケートのようなシリケート、または有機親和性クレイおよびこれらの混合物のようなセルロース誘導体から選択するのが有利である。
【0049】
コーティング組成物はまた、特に、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、MoS、グラファイト、ポリスルホン、合成または天然ワックスおよび窒化物、ならびにそれらの混合物から選択される自己潤滑系を得るのに十分な量で潤滑剤を含有していてもよい。
【0050】
水溶性相にある場合には、コーティング組成物は、シュベグマン(Schwegman)製シュベーゴ(Schwego)フォーム(乳化炭化水素)のような消泡剤、エトキシル化モニルフェノールまたはエトキシル化ポリアルコールのような湿潤剤、サイテック(Cytec)製アエロゾル(Aerosol)TR70(スルホコハク酸ナトリウム)のような界面活性剤、プロギヴァ(Progiva)製エコサイド(Ecocide)D75のような殺生物剤、および組成物のpHを調製するためのホウ酸のような弱酸から選択される、バインダーと相容性のあるその他の添加剤を含有していてもよい。
【0051】
好ましい態様において、コーティング組成物は、以下の成分を含有している。
−少なくとも1種類の微粒子金属を10重量%〜40重量%
−任意で酸化モリブデンMoOと組み合わされた、酸化物または塩の形態におけるイットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムから選択される、組成物のための耐食性強化剤を0.5%〜10%
−増粘剤を7重量%まで
−バインダーを3%〜20%、
−ケイ酸ナトリウムおよび/またはカリウムおよび/またはリチウムを3重量%まで、好ましくは0.05重量%〜2重量%
−1種類以上の潤滑剤を7重量%まで
−有機溶剤または有機溶剤の混合物を1重量%〜30重量%
−任意でホウ酸のような弱鉱酸を0.1重量%〜10重量%
−任意でアニオン界面活性剤を0.01重量%〜1重量%、および、
−100%までを補う水。
【0052】
上記した耐食性強化剤を酸化モリブデンと組み合わせる場合には、酸化モリブデンは組成物の0.5重量%〜2重量%に相当するのが好ましい。
【0053】
明らかに、本発明はまた、上記した組成物を用いた金属部品に適用される耐食コーティングにも拡大される。
【0054】
適用は、スプレー、浸漬ドレンまたは浸漬遠心分離によりなされ、コーティング層は、好ましくは70℃〜350℃の温度で、約10〜60分間、対流により実施される焼成工程(例えば、対流または赤外による)にかけられる。
【0055】
有利な一実施形態によれば、耐食コーティングは、焼成工程の前に、(例えば、対流または赤外による)特に70℃の温度範囲で約10〜30分間オンラインにて対流によるコートされた金属部品の乾燥工程を伴う適用工程から得られる。
【0056】
これらの条件の下、このように適用される乾燥フィルムの厚さは、3μm(11g/m)〜15μm(55g/m)、好ましくは4μm(15g/m)〜10μm(40g/m)、更に好ましくは5μm(18g/m)〜10μm(40g/m)である。
【0057】
本発明はまた、上記した組成物を用いて適用された耐食コーティングが与えられた好ましくは鋼の金属基材にも拡大される。
【0058】
本体そのものを他のコーティングでコートして、耐食保護または潤滑のようないくつかの特性を更に強化させてもよい。耐食保護を強化するコーティングは、アルカリシリケート、特にケイ酸ナトリウムおよび/またはカリウムおよび/またはリチウム、アクリル、ジルコネート、チタネート、シラン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはこれらの混合物のいずれかを含有していてもよく、これらの樹脂は任意でコロイダルシリカと組み合わされている。潤滑のためのコーティングは、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、MoS、グラファイト、ポリスルホン、合成または天然ワックスおよび窒化物およびそれらの混合物から選択される潤滑剤を含有していてもよい。
【実施例】
【0059】
腐蝕試験
A)任意で酸化モリブデン(MoO)と組み合わせた水溶性相中の酸化イットリウム(Y)の耐食性能に与える影響
【0060】
表1に示すコーティング組成物で比較実験を行った。
【0061】
【表1】

99.99%純粋なY(ロディア(Rhodia))
ホワイトスピリット中約92%のペースト形態の亜鉛(80%アルスタパ(Alu Stapa)PGクロマル(Chromal)VIII、エカルトヴェルケ(Eckart Werke)製))
アルミニウム、ジプロピレングリコール中約80%
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(クロンプトン(Chrompton))
ケイ酸ナトリウム(ロディア(Rhodia))
エトキシル化ノニルフェノールタイプの湿潤剤(ユニケマ(Uniqema))
エトキシル化ノニルフェノールタイプの湿潤剤(ユニケマ(Uniqema))
シリカタイプの凝固防止剤(デグサ(Degussa))
炭化水素タイプの消泡剤
【0062】
準備された試材
−処理済み基材:脱気済みショットブラスト鋼スクリュー
−コーティング組成物の適用:浸漬遠心分離
−焼成:310℃で25分
−コーティング層重量:26±2g/m
【0063】
このやり方で処理した鋼スクリューを、規格NFISO9227に準拠して塩水噴霧試験を行った。塩水噴霧抵抗性の結果を表2に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
表2から明らかな通り、酸化イットリウムYをコーティング組成物に添加すると、これらの組成物で処理した試材における塩水噴霧抵抗性が増大している。
【0066】
同じく、酸化イットリウムYをMoOと組み合わせると、耐食性能が更に改善される。YとMoOの間に相互作用または相乗効果が観察され、これによって組成物の耐食性能が増大する。
【0067】
B)7%のアルミニウムにより合金にした亜鉛(スタパ(Stapa)ZnAl、エカルトヴェルケ(Eckart Werke)製)の耐食性能に与える影響
【0068】
比較実験を表3に挙げたコーティング組成物で実施した。
【0069】
【表3】

【0070】
準備された試材:
−処理済み基材:脱気済みショットブラスト鋼スクリュー
−コーティング組成物の適用:浸漬遠心分離
−焼成:310℃で25分
−コーティング層重量:26±2g/m
【0071】
鋼スクリューを表3のコーティング組成物で処理して、規格NFISO9227に準拠して塩水噴霧試験を行った。
【0072】
塩水噴霧抵抗性の結果を表4に示す。
【0073】
【表4】

【0074】
表4によれば、組成物の耐食性能は亜鉛よりも合金亜鉛の方でより良好であることが分かる。
【0075】
C)水溶性相中の塩化セリウムの耐食性能に与える影響
【0076】
比較実験を表5に挙げたコーティング組成物で実施した。
【0077】
【表5】

【0078】
準備された試材:
−処理済み基材:脱気済みショットブラスト鋼スクリュー
−コーティング組成物の適用:浸漬遠心分離
−焼成:310℃で25分
−コーティング層重量:26±2g/m
【0079】
鋼スクリューを表5のコーティング組成物で処理して、規格NFISO9227に準拠して塩水噴霧試験を行った。
【0080】
塩水噴霧抵抗性の結果を表6に示す。
【0081】
【表6】

【0082】
表6から明らかな通り、塩化セリウムをコーティング組成物に添加すると、これらの組成物で処理した試材の塩水噴霧抵抗性が増大する。
【0083】
D)水溶性相中の炭酸イットリウムの耐食性能に与える影響
【0084】
比較実験を表7に挙げたコーティング組成物で実施した。
【0085】
【表7】

【0086】
実施例1と同様に鋼スクリューを準備、処理および試験した。塩水噴霧抵抗性の結果を表8に示す。
【0087】
【表8】

【0088】
表8から明らかな通り、炭酸イットリウムを酸化モリブデンMoOと組み合わせると、耐食性能が改善される。炭酸イットリウムとMoOの間に相互作用または相乗効果が観察され、これによって組成物の耐食性能が増大する。
【0089】
E)水溶性相中の様々な酸化物の耐食性能に与える影響
【0090】
比較実験を表9に挙げたコーティング組成物で実施した。
【0091】
【表9】

【0092】
E−1)電子化学
−処理済み基材:脱気済みサンド鋼スクリュー
−コーティング組成物の適用:ハンドコータによる
−焼成:310℃で25分
−コーティング層重量:26±2g/m
【0093】
ソーラトロン(SOLARTRON)1250アナライザー(シュラムベルガー(Schlumberger))により1時間にわたって、大気曝露、走査速度±10mV、0.1mV.s−1でコーティングの分極抵抗を測定した。これらの測定結果を表10に示す。分極抵抗値が高いほど、コーティングの良好な耐食性能が見込まれる。
【0094】
【表10】

【0095】
表10から明らかな通り、イットリウム、セリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジムまたはジルコニウムの酸化物をコーティング組成物に添加すると、コーティングの分極抵抗が増大し、コーティングの耐食性も増大するものと考えられる。
【0096】
E−2)耐食性
【0097】
実施例1と同様に鋼スクリューを準備、処理および試験した。塩水噴霧抵抗性の結果を表11に示す。
【0098】
【表11】

【0099】
表11から明らかな通り、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジムまたはジルコニウムの酸化物をコーティング組成物に添加すると、これらの組成物で処理した試材の塩水噴霧抵抗性が増大する。最良の酸化物はYと考えられるが、ネオジム、プラセオジムおよびランタンもまた非常に良好な結果を示す。
【0100】
更に、酸化物を酸化モリブデンMoOと組み合わせると、耐食性能は更に改善される。酸化物とMoOの間に相互作用または相乗効果が観察され、これによって組成物の耐食性能が増大する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性相または有機相中に微粒子金属を含有するコーティング組成物の耐食性強化剤として、酸化物または塩の形態における、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムから選択される少なくとも1つの元素を添加することを特徴とする、金属部品用塗料組成物の製造方法。
【請求項2】
耐食性強化剤としての前記元素のうちの1つを酸化モリブデンMoOと組み合わせることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記微粒子金属により付与される耐食保護の効果を強化するために、前記微粒子金属が幾何学的に様々な構造を有し、均一または不均一な粉末状態で前記組成物に添加される請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記元素が、酸化物の形態Yであるイットリウム、または炭酸イットリウムの形態にあるイットリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記酸化イットリウムYが、3μm未満のD50であり、1μm〜40μmのサイズを有する粒子の形態で用いられることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記元素が、塩化セリウムの形態または酸化物の形態CeOであるセリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記元素が、La、Pr11、NdまたはZrOであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記酸化モリブデンMoOを、モリブデン換算で該酸化モリブデンの60%を越える量が斜方晶形態である、実質的に純粋な斜方晶形態で用いることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
酸化モリブデンMoOが、1μm〜200μmのサイズを有する粒子の形態にあることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記耐食性強化剤を、0.25<耐食性強化剤/MoO<20の重量比で前記酸化モリブデンMoOと組み合わせることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
−少なくとも1種類の微粒子金属、
−酸化物または塩の形態にあるイットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、プラセオジムおよびネオジムから選択された耐食性強化剤、
−バインダー、および、
−水もしくは水と1種類以上の有機溶剤との組合せ、または1種類以上の互いに混和性を有する有機溶剤
を含有することを特徴とする金属部品用の耐食性コーティング組成物。
【請求項12】
前記耐食性強化剤を、酸化モリブデンMoOと組み合わせることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
0.5重量%〜2重量%の前記酸化モリブデンMoOを含有することを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
10重量%〜40重量%の前記少なくとも1種類の微粒子金属を含有することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1種類の微粒子金属が、亜鉛、アルミニウム、錫、マンガン、ニッケル、これらの合金およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記微粒子金属が、亜鉛、アルミニウム、これらの合金およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記耐食性強化剤を前記組成物の重量に対して0.5重量%〜10重量%含有することを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記耐食性強化剤が、酸化物の形態Yであるイットリウム、または炭酸イットリウムの形態にあるイットリウムであることを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記耐食性強化剤が、塩化セリウムの形態、または酸化物の形態CeOであるセリウムであることを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記耐食性強化剤がLa、Pr11、NdおよびZrOから選択される請求項11〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記耐食性強化剤を、0.25<耐食性強化剤/MoO<20の重量比で前記酸化モリブデンMoOと組み合わせることを特徴とする請求項12〜19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
3重量%〜20重量%の有機バインダーおよび/またはミネラルバインダーを前記水溶性相または有機相中に含有することを特徴とする請求項11〜21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記バインダーが、アルコキシル化シラン、シリコーン樹脂、コロイダルシリカ、ナトリウムおよび/またはカリウムおよび/またはリチウムのケイ酸塩、ジルコネート、チタネート、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリルおよびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11〜22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記バインダーが有機官能化シランであることを特徴とする請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
ホワイトスピリット、アルコール、ケトン、芳香族溶剤、およびグリコール溶剤から選択される有機溶剤を含有することを特徴とする請求項11〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
7重量%までの増粘剤も含有することを特徴とする請求項11〜25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記増粘剤が、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ポリウレタンまたはアクリル系の結合増粘剤、シリカ、シリケート、または有機親和性クレイおよびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11〜26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、MoS、グラファイト、ポリスルホン、合成または天然ワックスおよび窒化物、ならびにそれらの混合物から選択される自己潤滑系を得るための潤滑剤も含有することを特徴とする請求項11〜27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
消泡剤、湿潤剤、界面活性剤および殺生物剤から選択された添加剤も含有することを特徴とする請求項11〜28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
−前記少なくとも1種類の微粒子金属を10重量%〜40重量%と、
−前記耐食性強化剤を0.5重量%〜10重量%と、
−前記バインダーを3重量%〜20重量%と、
−前記1種類以上の有機溶剤を1重量%〜30重量%と、
−総量が100重量%となるように添加される前記水と
を含有する請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物であって、さらに
−7重量%までの贈粘剤と、
−3重量%までのナトリウムおよび/またはカリウムおよび/またはリチウムのケイ酸塩と、
−7重量%までの1種類以上の潤滑剤と
を含有することを特徴とする組成物。
【請求項31】
0.1重量%〜10重量%の弱鉱酸も含有することを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
0.01重量%〜1重量%のアニオン界面活性剤も含有することを特徴とする請求項30または31に記載の組成物。
【請求項33】
スプレー、浸漬ドレンまたは浸漬遠心分離により請求項11〜32のいずれか一項に記載のコーティング組成物から得られ、そのコーティング層は対流または赤外により、70℃〜350℃の温度で、10〜60分間、焼成工程にかけられることを特徴とする金属部品の耐食コーティング。
【請求項34】
焼成工程の前に、対流または赤外により、70℃の温度領域で10〜30分間オンラインにて前記コートされた金属部品が乾燥工程にかけられることを特徴とする請求項33に記載の金属部品の耐食コーティング。
【請求項35】
3μm(11g/m)〜15μm(55g/m)の乾燥フィルム厚さで保護されるように金属部品に塗布されることを特徴とする請求項33または34に記載の金属部品の耐食コーティング。
【請求項36】
請求項33〜35のいずれか一項に記載の耐食コーティングが与えられた金属基材。
【請求項37】
前記耐食コーティングは、アルカリシリケート、アクリル、ジルコネート、チタネート、シラン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはこれらの混合物のいずれかを含む他のコーティングでそれ自体がコーティングされていることを特徴とする請求項36に記載の金属基材。
【請求項38】
前記耐食コーティングは、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、MoS、グラファイト、ポリスルホン、合成または天然ワックスおよび窒化物およびそれらの混合物から選択される潤滑剤を含むその他のコーティングでそれ自体がコーティングされていることを特徴とする請求項36に記載の金属基材。

【公開番号】特開2012−36396(P2012−36396A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205032(P2011−205032)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【分割の表示】特願2006−520044(P2006−520044)の分割
【原出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(502108374)
【氏名又は名称原語表記】NOF METAL COATINGS EUROPE
【Fターム(参考)】