説明

イヌハッカ油の回収を向上させる方法

イヌハッカ植物の凝縮水蒸気蒸留物からのイヌハッカ油含有相の改善された分離による、ネペタ(Nepeta)属のイヌハッカ植物からのイヌハッカ油の回収のための高収率方法が記載される。イヌハッカ油は、昆虫忌避組成物における使用のために、定量的収率で得られ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年11月11日に出願された米国仮特許出願第61/260,370号に基づく米国特許法第119条(e)による優先権を主張し、その仮特許出願の利益を主張するものであり、この仮特許出願は、この参照によりその全体が本明細書の一部としてあらゆる目的のために援用される。
【0002】
本発明は、ネペタ(イヌハッカ)(Nepeta)属の植物からのイヌハッカ油の回収を改善する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
ジヒドロネペタラクトンが昆虫忌避性を示すことが証明されている(例えば、参照によりその全体が本明細書の一部としてあらゆる目的のために援用される、特許文献1を参照されたい)。ジヒドロネペタラクトンは、ネペタラクトンの水素化によって得られ得るものであり、そのネペタラクトンは、ネペタ属の植物(イヌハッカ植物)の精油の成分として単離され得る。本明細書においてイヌハッカ油と称するネペタ(Nepeta)植物材料からの精油は、種々の単離方法(水蒸気蒸留、有機溶媒抽出、マイクロ波補助有機溶媒抽出、超臨界流体抽出、機械的抽出、および冷浸法(最初に油脂への常温抽出を行い続いて有機溶媒抽出を行う)を含む)によって得られてきた。水蒸気蒸留[例えば、非特許文献1)により記載されているもの]は、イヌハッカ油を得るための最も有効な方法である。特許文献2(この参照によりその全体が本明細書の一部としてあらゆる目的のために援用される)として公開された、所有者が共通する、同時係属中の出願には、イヌハッカ油をネペタ・カタリア(Nepeta cataria)由来の植物材料を水蒸気蒸留して得るための改善された方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0112166号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0034906号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Regnier,F.E.ら(Phytochemistry(1967)6:1281−1289
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イヌハッカ油から得られるものとしての昆虫忌避剤ジヒドロネペタラクトンの商業生産のためには、ネペタ(Nepeta)植物材料から得られるネペタラクトンを含有するイヌハッカ油の収率をさらに上昇させることが望まれる。したがって、ネペタ(Nepeta)植物からのイヌハッカ油の回収のための改善された技術の必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ネペタ(Nepeta)属に属するイヌハッカ油植物の水蒸気抽出後のイヌハッカ油の収率を上昇させる、イヌハッカ油回収方法を提供する。
【0008】
よって、本発明は、(a)ネペタ(Nepeta)植物材料を水蒸気と接触させて、イヌハッカ油および水を含む揮発混合物を形成し;(b)この揮発混合物を凝縮させて、イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を形成し;(c)この第1の液体混合物を少なくとも1種の非水混和性有機抽出溶媒と接触させて、溶媒相および水相を含有する第2の液体混合物を形成し;(d)この第2の液体混合物において、溶媒相と水相とを分離させ、その溶媒相を回収し;そして(e)上記の抽出溶媒をその溶媒相から除去してイヌハッカ油を単離することにより、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、(a)ネペタ(Nepeta)植物材料を水蒸気と接触させて、イヌハッカ油および水を含む揮発混合物を形成し;(b)この揮発混合物を凝縮させて、イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を形成し;(c)この第1の液体混合物において、イヌハッカ油と水とを分離させ、そのイヌハッカ油を回収し;(d)(c)において回収されたイヌハッカ油を少なくとも1種の非水混和性抽出溶媒と接触させて、溶媒相および水相を含有する第2の液体混合物を形成し;(e)この第2の液体混合物において、溶媒相と水相とを分離させ、その溶媒相を回収し;そして(f)上記の抽出溶媒をその溶媒相から除去してイヌハッカ油を単離することにより、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0010】
さらなる実施形態において、工程(c)および(f)で得られたイヌハッカ油を合わせたものが、全単離イヌハッカ油である。
【0011】
さらに別の実施形態において、本発明は、(a)イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を供給し;(b)この第1の液体混合物を少なくとも1種の非水混和性有機抽出溶媒と接触させて、溶媒相および水相を含有する第2の液体混合物を形成し;(c)この第2の液体混合物において、溶媒相と水相とを分離させ、その溶媒相を回収し;そして(d)上記の抽出溶媒をその溶媒相から除去してイヌハッカ油を単離することにより、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0012】
さらに別の実施形態において、本発明は、(a)イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を供給し;(b)この第1の液体混合物において、イヌハッカ油と水とを分離させ、そのイヌハッカ油を回収し;(c)(b)において回収されたイヌハッカ油を少なくとも1種の非水混和性抽出溶媒と接触させて、溶媒相および水相を含有する第2の液体混合物を形成し;(d)この第2の液体混合物において、溶媒相と水相とを分離させ、その溶媒相を回収し;そして(e)上記の抽出溶媒をその溶媒相から除去してイヌハッカ油を単離することにより、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0013】
さらに別の実施形態において、工程(b)および(e)で得られたイヌハッカ油を合わせたものが、全単離イヌハッカ油である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、ネペタ(Nepeta)属の植物材料からのイヌハッカ油の回収のための改善された方法に関する。イヌハッカ油は、ネペタラクトンを含有し、ネペタラクトンは、水素化されると、昆虫忌避活性体(active)として機能することが分かっているジヒドロネペタラクトンを生じる。用語「昆虫忌避剤」または「昆虫忌避組成物」は、本明細書で使用される場合、昆虫をその昆虫が好む宿主から、または製品から抑止する、化合物または組成物をいう。典型的に、昆虫忌避剤は、宿主に局所的に塗布されたり、物品中に組み込まれたりして、その宿主または物品が存在する空間から昆虫を抑止し得る、化合物または組成物である。
【0015】
改善されたイヌハッカ油抽出
イヌハッカ油は、植物材料からの精油の単離に一般的に使用されている標準的な水蒸気蒸留技術を用いての植物材料からのその油の低回収につながるいくつかの特性を示す。イヌハッカ油は水と類似した密度を有しており、水蒸気蒸留プロセスにおいて使用される凝縮水と別個の油相を、容易に一体化して形成しない。さらに、イヌハッカ油の主成分であるネペタラクトンは、高温で水和して、不揮発性の不必要な副生物になる。本発明は、植物材料からのイヌハッカ油の単離のこれらの欠点を克服して、適度の温度において高い収率でその油を回収するための向上した方法を提供する。
【0016】
本発明の方法において、ネペタ(Nepeta)植物材料(本明細書ではイヌハッカ植物材料とも呼ばれる)の水蒸気蒸留の結果生じるイヌハッカ油および水溶液の揮発混合物は、イヌハッカ油を溶解する非水混和性有機溶媒と接触させられる。出願人は、この抽出溶媒を使用することにより、その抽出溶媒を使用せずにイヌハッカ油相が分離されたときに水蒸気蒸留物の水性部分中に残るかなりの量のイヌハッカ油が単離されることを見出した。減圧下での溶媒の除去は、水素化イヌハッカ油昆虫忌避剤の調製における使用に適したイヌハッカ油をもたらす。イヌハッカ油の収率は、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、またはそれ以上改善して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、または99%の定量的収率を全体として達成し得る。例えば、イヌハッカ油の収率は、上記に示した割合で、有機抽出溶媒の不在下でのイヌハッカ油と水との分離から得られるイヌハッカ油の収率よりも高くなり得る。回収の改善の程度は、特定の方法での水蒸気蒸留のみからの回収のレベル、さらなる抽出のために使用される有機溶媒、および抽出プロセスの繰り返しの使用を含むファクターによって変化する。
【0017】
水蒸気蒸留
本発明の方法において、イヌハッカ油植物は水蒸気蒸留に供されるが、結果として生じるイヌハッカ油および水の揮発混合物の凝縮後の抽出が改善される。イヌハッカ油中にネペタラクトンを含有するネペタ(Nepeta)属の、任意の植物が使用され得る。好ましいのは、ネペタ・カタリア(Nepeta cataria)の植物である。当該技術分野において知られている植物材料の水蒸気蒸留のための任意の方法(例えば、イヌハッカ油回収のために典型的に使用される方法)が使用され得る。
【0018】
例えば、イヌハッカ油を回収するための従来の蒸留方法によれば、ネペタ・カタリア(Nepeta cataria)由来の植物材料は、水蒸気と接触させられて、イヌハッカ油および水を主として含む気相異種混合物を形成する。次いで、この揮発混合物は、凝縮されて、イヌハッカ油および水を含む異種液体混合物を形成する。
【0019】
典型的な蒸留装置の図は、所有者が共通する、同時係属中の出願である国際公開第2008/079261号パンフレットに示されており、この特許文献は、本参照によりその全体が本明細書の一部としてあらゆる目的のために援用される。従来の水蒸気蒸留装置は、以下の説明に従って使用され得る。植物材料は、レトルト中の一連のスチームインジェクター上に充填される。そのような目的に使用され得る好適なレトルトは、Juniper Mfg.(Redmond,OR)から入手可能である。レトルトの蓋は閉じられ、そのレトルトおよび冷却器の両方に対してシールされる。水蒸気は、噴射マニホールド(またはスチームインジェクター)を介して、充填された植物材料中に噴射される。この水蒸気は、1)植物上の腺状(または分泌性)突起を破裂させ、当該油を放出させるためのエネルギー、および2)当該油が気相に運び込まれるのを可能にするのに十分なほど当該油を揮発性にする当該油との不均一共沸混合物の形成という、2つの機能を提供する。この水蒸気および揮発油は、混合蒸留物として凝縮される。
【0020】
任意の適切な水源からの冷却水が、冷却器中を流通する。その冷却作用が、水蒸気およびイヌハッカ油蒸気が凝縮するのを可能にする。冷却器は、凝縮された水およびイヌハッカ油の冷却器から回収缶への重力による排出を可能にするようなやり方で構成される。この水およびイヌハッカ油は、回収缶にダクトで送り込まれ、その際、任意選択で、当該油および水が効果的に分離するのを可能にする静穏ゾーンを生じさせるようなやり方で内部バッフルが使用される。この静穏ゾーンは、その凝縮物の空塔速度が当該油の水からの遊離速度未満であるゾーンである。典型的に、凝縮物の温度は、当該油および水が分離缶の静穏ゾーンにおいて効果的に分離するのを可能にするために、適度の温度(およそ40〜60℃)で制御される。
【0021】
イヌハッカ油の回収のための公知の水蒸気蒸留方法において、分離されたイヌハッカ油および水は2つの相を形成し、イヌハッカ油がより重い下層となる。概して、この水は、例えばデカンテーションにより、廃水として除去される。
【0022】
さらに、水蒸気蒸留は、下記のような蒸留装置において実施され得る。植物材料が、レトルト中に充填される。レトルトの蓋は閉じられ、そのレトルトおよび冷却器の両方に対してシールされる。イヌハッカ植物材料の蒸留のための水蒸気は、任意の適切な手段により(例えば、噴射マニホールドを介した直接噴射により)供給され得る。代替的な実施形態において、この水蒸気は、レトルトに水を加え、そしてその水を当該植物材料の存在下で沸騰させることによって得られ得る。後者の方法を、直火式レトルトの使用という。この水蒸気および揮発イヌハッカ油は凝縮され、イヌハッカ油は上記のとおりに分離され、回収される。
【0023】
水蒸気抽出プロセスの1つの例において、レトルトが一杯になるように、レトルト中のスチームインジェクターの上方に13kgの乾燥イヌハッカ植物材料が充填され、レトルトの内壁に沿った水蒸気のチャネリングが最小限に抑えられるように、植物材料がレトルトの側面に確実にシールされる。このレトルトはシールされ、漏れのない緊密な状態にされる。別個のボイラーにおいて生成された生蒸気は、480g/分の速度で合計60分間レトルトの底部内に噴射される。この蒸気の圧力は、植物材料および冷却器を横切る圧力低下に備えるために、大気圧より僅かに高い。冷却水流は、凝縮物温度が蒸留の間中約45℃から約55℃の間となるように、冷却器に対して調節される。ネペタラクトンの水和が起こる傾向を減少させるために、約75℃未満、好ましくは約60℃または約55℃未満の温度を維持することが望ましい。望ましくない副生物であるネペタル酸への水和の割合は、温度の上昇とともに高まる。この温度は、真空下で蒸留装置を操作することによって下げられ得る。
【0024】
この系に適用される真空の程度は、系成分に依存するが、約13kPa〜約70kPaの絶対圧力を達成することが好ましい。約20kPa〜約45kPaの絶対圧力が、より好ましい。また、真空の適用は、水が回収缶からレトルトに戻って再循環される系において使用され得る。
【0025】
回収缶が凝縮物で満たされた後、水相凝縮物は、回収缶から廃水排水管へと排出されるか、またはこの水は、再循環される。この蒸留器は、1時間にわたってこのやり方で操作される。合計およそ2.2kgの水蒸気が、乾燥イヌハッカ植物材料1kg当りに使用される。およそ50mLまたは52グラムのイヌハッカ油が、回収缶の底部に回収される。これは、イヌハッカ植物の元の乾燥重量のおよそ0.40重量%に相当する。
【0026】
向上したイヌハッカ油回収
本発明の方法において、上記のとおりの方法で得られたイヌハッカ油および水溶液の揮発後凝縮混合物からのイヌハッカ油の回収は、イヌハッカ油含有相(溶媒相)とその蒸留物混合物の水相との分離を向上させることによって改善される。水相に残るイヌハッカ油を溶解する非水混和性有機溶媒である少なくとも1種の抽出溶媒が、イヌハッカ油および水溶液の凝縮混合物に添加される。使用され得る抽出溶媒は、非水混和性であり、水性混合物中のイヌハッカ油を溶解し、かつその混合物の水性部分からのイヌハッカ油の遊離の増加をもたらす任意の有機溶媒である。そのような抽出溶媒は、イヌハッカ油密度が異なる程度よりも大きく水密度と異なる密度を有する。典型的に、この抽出溶媒の密度は、水の密度と少なくとも約0.1g/cc異なる。その差は、正または負のいずれかであり得る。
【0027】
使用され得る抽出溶媒としては、ヘキサン、石油エーテル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン(DCM)およびクロロホルムが挙げられるが、これらに限定されない。水溶液に対する、イヌハッカ油の密度および疎水性と比較してより大きいこれらの溶媒の密度および疎水性の差異により、これらの溶媒に溶解したイヌハッカ油は、凝縮水蒸気蒸留物中の水からより容易に別個の層に分配され、次いでこの層が、その水層から単離され得る。
【0028】
典型的には単一の抽出溶媒が使用されるが、複数の溶媒も、混合物として、または逐次的に、使用され得る。典型的に、抽出溶媒が凝縮水蒸気蒸留物に添加され、この組合せが混合され、次いで分離が可能にされる。混合は、注入、攪拌または振盪によるなど、任意の方法により得る。分離は、沈降または浮遊などの任意の方法により得る。分離特性は、使用される具体的な抽出溶媒に依存する。例えば、ヘキサンを抽出溶媒として使用する場合は、分離されたヘキサンおよびイヌハッカ油は、混合物の水性部分の上に浮遊する。それに対して、ジクロロメタン(DCM)を抽出溶媒として使用する場合は、分離されたDCMおよびイヌハッカ油は、混合物の水性部分の下に沈降する。減圧下での溶媒の除去は、水素化イヌハッカ油昆虫忌避剤の調製における使用に適したイヌハッカ油をもたらす。
【0029】
水を回収缶からレトルトに導くラインの配置は、回収缶中の水の位置、すなわち、水相がイヌハッカ油の上にあるか、イヌハッカ油の下にあるかに依存する。従来の回収装置が、抽出溶媒およびイヌハッカ油の相が水溶液の上に分離する場合に使用され得る。また、冷却器または回収缶において形成され得る腐蝕生成物が回収缶の底部に集まり、この缶の底部にある液相を汚染する。したがって、上相として当該油相を有することのさらなる利点は、存在し得るいかなる腐蝕生成物ともその油相が分離されるという点である。
【0030】
抽出溶媒および水性混合物は、回収缶に回収され得、その際、任意選択で、イヌハッカ油および水性混合物の最初の分離について上記されたように、抽出溶媒含有イヌハッカ油相および水相が効果的に分離するのを可能にする静穏ゾーンを生じさせるようなやり方で内部バッフルが使用され得る。
【0031】
イヌハッカ油を含有する抽出溶媒は単離され、この抽出溶媒は、当該技術分野において知られている任意の好適な方法により(例えば、蒸発により)除去される。この抽出溶媒は、回収され、再利用され得る。
【0032】
代替的な実施形態において、抽出溶媒は、抽出溶媒が添加されていない凝縮水蒸気抽出混合物からのイヌハッカ油相と水相との分離に続いて、この水相に添加される。この実施形態において、イヌハッカ油の一部は抽出溶媒を使用しないで単離され、イヌハッカ油のさらなる部分が抽出溶媒を使用して回収される。
【0033】
別の実施形態において、抽出溶媒による抽出は、初期凝縮水蒸気抽出混合物への、および/または初期分離水相への、ならびにその後の分離水相への添加により、複数回行われる。抽出は、イヌハッカ油植物材料からの凝縮水蒸気蒸留物中のイヌハッカ油の少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%が回収されるまで行われ得る。
【0034】
イヌハッカ油の利用
回収されたイヌハッカ油は、昆虫忌避組成物を調製するために使用され得る。このイヌハッカ油は、ネペタラクトンを有効な昆虫忌避剤であるジヒドロネペタラクトンに転化するために水素化される。ネペタラクトンは、天然にはイヌハッカ油中に種々の立体異性体で存在し、水素化されて、ジヒドロネペタラクトン立体異性体の混合物またはジヒドロネペタラクトンを形成する。炭酸ストロンチウムに担持されたパラジウムまたは炭素およびパラジウムなどの触媒を使用した、ジヒドロネペタラクトンを製造するための水素化の1つの例が、Regnierら[Phytochemistry 6:1281−1289(1967)]に記載されている。
【0035】
例えば、水素化反応は、約−10℃〜約200℃の温度にて水素の存在下で実施され得る。反応のための水素圧は、一般的に、約0.1MPa〜約20.7MPaである。時間、温度、水素圧および流量ならびに供給量は、所与の触媒を用いたイヌハッカ油の水素化の最適な転化率が得られるように、公知の原理に従って調整され得る。好適な水素化反応は、米国特許第7,067,677号明細書(本参照によりその全体が本明細書の一部としてあらゆる目的のために援用される)に記載されている水素化反応である。そこに記載されているのは、ニッケル、白金またはパラジウムではない触媒金属の存在下でのネペタラクトンの水素化である。この方法は、約25℃〜約250℃の温度にて、約0.1MPa〜約20MPaの水素圧で実施され得る。ジヒドロネペタラクトンを作製するための他の好適な方法としては、本参照によりその全体が本明細書の一部としてあらゆる目的のために援用される米国特許出願公開第2010/0168447号明細書として公開された、所有者が共通する、同時係属中の出願に記載されている方法が挙げられる。水素化反応は、バッチ式で単一の反応器において、逐次バッチ式で一連の反応器において、1つ以上の反応器内の複数の反応ゾーンにおいて、または連続法のために通例使用されている装置の任意のものにおいて連続モードで実施され得る。
【0036】
水素化イヌハッカ油は、ヒトもしくは家畜の皮膚、体毛、毛衣、羽毛または獣皮への塗布に好適な配合物に組み込まれる。さらに、昆虫忌避剤配合物は、物品に塗布されても、組み込まれてもよい。昆虫忌避剤配合物は、皮膚表面/物品のすぐ上の空間における有効な昆虫忌避性に必要な最低忌避剤濃度を維持するために、皮膚表面または昆虫忌避剤物品からの最低有効蒸発速度を提供するように設計されている。それぞれ米国特許出願公開第2005/112166号明細書および米国特許出願公開第2007/0264297号明細書(各々本参照によりその全体が本明細書の一部としてあらゆる目的のために援用される)として公開された、所有者が共通する、同時係属中の出願には、有効なキャリア、およびイヌハッカ油を用いて調製された昆虫忌避組成物が開示されている。
【0037】
ジヒドロネペタラクトンを含有する昆虫忌避組成物は、種々の刺咬昆虫(アリ、ハチ(bee)、ブユ、ツツガムシ、ノミ、カ、サシバエ、ダニ、大型のハチ(wasp))、木喰虫(シロアリ)、害虫(イエバエ、ゴキブリ、シラミ、ワラジムシ)、および家屋害虫(ゴミムシダマシ、豆類につく甲虫、チリダニ、ガ、シミ、ゾウムシ)を含む、人間社会に害を与える種々の昆虫に対して有効である。
【実施例】
【0038】
本願発明の特定の実施形態の作用効果は、下記のとおりの一連の実施例(実施例1〜2)からさらに十分に理解され得る。これらの実施例の基礎となる実施形態は、代表的であるにすぎず、本発明を例示するためのそれらの実施形態の選択は、本実施例に記載されていない材料、成分、反応物、条件、工程もしくは技術が本発明における使用に適していないことを示すものではないし、本実施例に記載されていない主題が添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲から除外されることを示すものでもない。
【0039】
以下の略語が使用される:℃は摂氏度であり;Kgはキログラムであり;gはグラムであり;minは分であり;mlはミリリットルであり;CMOはイヌハッカ油である。
【0040】
実施例1
ジクロロメタンによるCMO/水混合物からのイヌハッカ油の抽出
イヌハッカ油(Thacker brothersから購入、1.73g)を分液漏斗に加え、続いて100gの水を加えた。この混合物(約1.73%重量/重量)を攪拌し、水より僅かに重いイヌハッカ油(CMO)層を沈降させた。次いで、分液漏斗中の水層からそのCMO層を分離し、計量した。この回収したCMOを、第1の量のCMOと呼んだ。
【0041】
水層に残るCMOの液滴が見え、CMOが水から完全には分離しなかったことを示していた。次いで、水より重い溶媒であるジクロロメタン(DCM)20ml量を、残りのCMO/水混合物を含有する分液漏斗に加えた。この漏斗を振盪させた。DCMを加え、CMO/水混合物を振盪させると、CMOの液滴は見えなくなり、CMOがDCM画分中に分配されたことを示していた。分配されたCMOを含むDCMを沈降させ、次いで分液漏斗から単離した。合計3回の抽出を、各回20mlのDCMを使用して行い、その3つのCMO/DCM混合物を組み合わせた。この合わせたCMO/DCM混合物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで減圧下にてDCMを除去した。結果として生じた試料は、第2の量のCMOであり、これを計量した。CMOの第1の量および第2の量を合計して、総CMO収量を得た。総パーセントCMO収率は、グラム単位での回収されたCMOの総重量を、開始CMO量(1.73g)に対する割合として除することによって算出した。結果を以下の表1に示す。
【0042】
実施例2
ヘキサンによるCMO/水混合物からのイヌハッカ油の抽出
イヌハッカ油(Thacker brothersから購入、1.56g)を分液漏斗に加え、続いて150gの水を加えた。この混合物(約1.04%重量/重量)を攪拌し、水より僅かに重いイヌハッカ油(CMO)層を沈降させた。次いで、そのCMO層を水層から分離し、計量した。この回収したCMOを、第1の量のCMOと呼んだ。
【0043】
水層に残るCMOの液滴が見え、CMOが水から完全には分離しなかったことを示していた。次いで、水より軽い溶媒であるヘキサン(HXN)20ml量を、残りのCMO/水混合物を含有する分液漏斗に加えた。この漏斗を振盪させた。HXNを加え、CMO/水混合物を振盪させると、CMOの液滴は見えなくなり、CMOがHXN画分中に分配されたことを示していた。分配されたCMOを含むHXNを浮遊させ、次いで分液漏斗から単離した。合計3回の抽出を、各回20mlのHXNを使用して行い、その3つのCMO/HXN混合物を組み合わせた。この合わせたCMO/HXN混合物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで減圧下にてHXNを除去した。結果として生じた試料は、第2の量のCMOであり、これを計量した。CMOの第1の量および第2の量を合計して、総CMO収量を得た。総パーセントCMO収率は、グラム単位での回収されたCMOの総重量を、開始CMO量(1.56g)に対する割合として除することによって算出した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
他の実施形態においては、本発明の方法を下記のとおりに実施し得るであろう。イヌハッカ油の水蒸気蒸留を、レトルト、蒸気発生器、冷却器、および凝縮物を捕捉するための受け器からなる蒸留装置において実施する。乾燥イヌハッカ植物材料を、蒸留装置のレトルト中にレトルトが一杯になるように充填する。このレトルトをシールし、レトルトの底部内に水蒸気を噴射する。この水蒸気の圧力は、大気圧より僅かに高く、この蒸留装置の冷却器の冷却水温度は、受け器中の凝縮物温度が蒸留の間中45℃から55℃の間となるように調整される。
【0046】
蒸留が完了した後、イヌハッカ油および水からなる受け器混合物中の回収凝縮物を、分液漏斗に移す。水非混和性抽出溶媒(例えば、ヘキサン)を加え、この混合物を、水層および溶媒層を十分に混合させるために振盪する。この混合物を、それらの層を完全に2つの別個の液相へと分離させるために放置する。水層と抽出溶媒層とを分離する。この抽出溶媒を、イヌハッカ油の回収のために、溶媒層から蒸発させる。
【0047】
さらに別の実施形態において、本発明は、
(a)ネペタ(Nepeta)植物材料を水蒸気と接触させて、イヌハッカ油および水を含む揮発混合物を形成する工程と、
(b)工程(a)の揮発混合物を凝縮させて、イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を形成する工程と、
(c)(c)の第1の液体混合物を少なくとも1種の非水混和性有機抽出溶媒と接触させて、第2の液体混合物を形成する工程と、
(d)(c)の第2の液体混合物において、イヌハッカ油および(c)の抽出溶媒を含む相と、水相とを分離させる工程と、
(e)(d)のイヌハッカ油および抽出溶媒の相を回収する工程と、
(g)(e)のイヌハッカ油および抽出溶媒の相から抽出溶媒を除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を包含する、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0048】
さらに別の実施形態において、本発明は、
(a)ネペタ(Nepeta)植物材料を水蒸気と接触させて、イヌハッカ油および水を含む揮発混合物を形成する工程と、
(b)工程(a)の揮発混合物を凝縮させて、イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を形成する工程と、
(c)(b)の第1の液体混合物中において、イヌハッカ油相と水相とを分離させる工程と、
(d)(c)のイヌハッカ油相を回収する工程と、
(d)(c)の水相を少なくとも1種の非水混和性抽出溶媒と接触させて、第2の液体混合物を形成する工程と、
(e)(b)の第2の液体混合物において、イヌハッカ油および(d)の抽出溶媒を含む相と、水相とを分離させる工程と、
(f)(e)のイヌハッカ油および有機溶媒の相を回収する工程と、
(g)(f)のイヌハッカ油および有機溶媒の相から抽出溶媒を除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を包含する、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法であって、工程(c)および(g)のイヌハッカ油の組み合わせが、全単離イヌハッカ油である、方法を提供する。
【0049】
さらに別の実施形態において、本発明は、
(a)ネペタ(Nepeta)植物材料を水蒸気と接触させて、イヌハッカ油および水を含む揮発混合物を形成する工程と、
(b)工程(a)において得られた揮発混合物を凝縮させて、イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を形成する工程と、
(c)第1の液体混合物を少なくとも1種の非水混和性有機抽出溶媒と接触させて、第2の液体混合物を形成する工程と、
(d)第2の液体混合物中の水相からイヌハッカ油および上記抽出溶媒を含む溶媒相を分離する工程と、
(e)この溶媒相から上記抽出溶媒を除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を包含する、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0050】
さらに別の実施形態において、本発明は、
(a)ネペタ(Nepeta)植物材料を水蒸気と接触させて、イヌハッカ油および水を含む揮発混合物を形成する工程と、
(b)工程(a)において得られた揮発混合物を凝縮させて、イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を形成する工程と、
(c)第1の液体混合物中の水相からイヌハッカ油を分離する工程と、
(d)この水相を少なくとも1種の非水混和性抽出溶媒と接触させて、第2の液体混合物を形成する工程と、
(e)第2の液体混合物中の水相からイヌハッカ油および上記抽出溶媒を含む溶媒相を分離する工程と、
(f)この溶媒相から上記抽出溶媒を除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を包含する、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0051】
さらに別の実施形態において、本発明は、
(a)イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を供給する工程と、
(b)第1の液体混合物を少なくとも1種の非水混和性有機抽出溶媒と接触させて、第2の液体混合物を形成する工程と、
(c)第2の液体混合物中の水相からイヌハッカ油および上記抽出溶媒を含む溶媒相を分離する工程と、
(d)この溶媒相から上記抽出溶媒を除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を包含する、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0052】
さらに別の実施形態において、本発明は、
(a)イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を供給する工程と、
(b)第1の液体混合物中の水相からイヌハッカ油を分離する工程と、
(c)この水相を少なくとも1種の非水混和性抽出溶媒と接触させて、第2の液体混合物を形成する工程と、
(d)第2の液体混合物中の水相からイヌハッカ油および上記抽出溶媒を含む溶媒相を分離する工程と、
(e)この溶媒相から上記抽出溶媒を除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を包含する、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法を提供する。
【0053】
用語「発明」は、本明細書で使用される場合、非限定的な用語であり、他を除外して様々な本願発明の任意の単一の実施形態に関することが意図されるものではなく、明細書および特許請求の範囲に記載されるとおりの可能な実施形態を全て包含することが意図されるものである。
【0054】
本明細書においてある数値範囲が記載または規定される場合、この範囲は、その端点ならびにその範囲内の全ての個々の整数および端数を含み、また、その指定された範囲内の値のより大きい群の部分群を形成するそれらの端点ならびに内部の整数および端数の全ての種々の可能な組み合わせによって形成されるその範囲内のより狭い範囲の各々も、そのより狭い範囲の各々が明示的に記載されているかのように同程度に含む。本明細においてある数値範囲がある指定値より大きいものとして指定される場合、この範囲は、それにもかかわらず有限であり、本明細書に記載されるとおりの発明の文脈の範囲内で実施可能である値によってその上限境界が定められる。本明細書においてある数値範囲がある指定値未満であるものとして指定される場合、その範囲は、それにもかかわらず、ゼロではない値によってその下限境界が定められる。
【0055】
本明細書において、明示的に特記のない限り、または使用の文脈によってそうではないことが示されない限り、本発明の主題の実施形態は、特定の特徴もしくは構成要素「を含む」、「を包含する」、「を含有する」、「を有する」、「で構成される」、「により構成される」、または「よりなる」ものとして指定または記載される場合において、その明示的に指定または記載された特徴もしくは構成要素に加えて1つ以上の特徴もしくは構成要素が、その実施形態中に存在し得る。しかしながら、本発明の主題の代替的実施形態は、特定の特徴もしくは構成要素「から実質的になる」ものとして指定または記載され得、その実施形態において、その実施形態の実施原理または特徴的特性を著しく変更するであろう特徴もしくは構成要素は、その実施形態中には存在しない。本発明の主題のさらなる代替的実施形態は、特定の特徴もしくは構成要素「からなる」ものとして指定または記載され得、その実施形態においては、またはそのわずかな変形(insubstantial variations)においては、具体的に指定または記載された特徴もしくは構成要素しか存在しない。
【0056】
本明細書において、明示的に特記のない限り、または使用の文脈によってそうではないことが示されない限り、本明細書において記載される量、大きさ、範囲、配合、パラメータ、および他の数量および特性は、特に用語「約」によって修飾される場合、厳密であり得るが厳密である必要はなく、また、許容差、換算係数、端数処理、測定誤差などを反映して、ならびに、本発明の文脈の範囲内で指定値との機能的かつ/または実施可能な均等性を有する指定値の範囲外の値の、指定値の範囲内への包含を反映して、おおよそでよく、かつ/または、指定されているより(所望されるとおりに)大きくても小さくてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ネペタ(Nepeta)植物材料を水蒸気と接触させて、イヌハッカ油および水を含む揮発混合物を形成する工程と、
(b)揮発混合物を凝縮させて、イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を形成する工程と、
(c)第1の液体混合物を少なくとも1つの非水混和性有機抽出溶媒と接触させて、溶媒相および水相を含有する第2の液体混合物を形成する工程と、
(d)第2の液体混合物において、溶媒相を水相から分離し、溶媒相を回収する工程と、
(e)抽出溶媒を溶媒相から除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を含む、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法。
【請求項2】
(a)ネペタ(Nepeta)植物材料を水蒸気と接触させて、イヌハッカ油および水を含む揮発混合物を形成する工程と、
(b)揮発混合物を凝縮させて、イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を形成する工程と、
(c)第1の液体混合物において、イヌハッカ油を水から分離し、イヌハッカ油を回収する工程と、
(d)(c)において回収されたイヌハッカ油を少なくとも1つの非水混和性抽出溶媒と接触させて、溶媒相および水相を含有する第2の液体混合物を形成する工程と、
(e)第2の液体混合物において、溶媒相を水相から分離し、溶媒相を回収する工程と、
(f)抽出溶媒を溶媒相から除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を含む、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法。
【請求項3】
イヌハッカ油相が分離されている水相が、少なくとも1つの非水混和性抽出溶媒と接触して、イヌハッカ油および抽出溶媒の相が分離され、抽出溶媒が除去され、そしてイヌハッカ油が回収される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
イヌハッカ油の収率が、有機抽出溶媒非存在下での水からのイヌハッカ油の分離から得られるイヌハッカ油の収率よりも少なくとも約50%高い、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
水非混和性有機抽出溶媒は、水の密度と少なくとも約0.1g/ccの差で異なる密度を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
水非混和性有機抽出溶媒が、ヘキサン、石油エーテル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルムおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
回収されたイヌハッカ油を水素化する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
水素化されたイヌハッカ油を昆虫忌避組成物に配合する工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(a)イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を備える工程と、
(b)第1の液体混合物を少なくとも1つの非水混和性有機抽出溶媒と接触させて、溶媒相および水相を含有する第2の液体混合物を形成する工程と、
(c)第2の液体混合物において、溶媒相を水相から分離し、溶媒相を回収する工程と、
(d)抽出溶媒を溶媒相から除去してイヌハッカ油を単離する工程と
を含む、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法。
【請求項10】
(a)イヌハッカ油および水を含む第1の液体混合物を備える工程と、
(b)第1の液体混合物において、イヌハッカ油を水から分離し、イヌハッカ油を回収する工程と、
(c)(b)において回収されたイヌハッカ油を少なくとも1つの非水混和性抽出溶媒と接触させて、溶媒相および水相を含有する第2の液体混合物を形成する工程と、
(d)第2の液体混合物において、溶媒相を水相から分離し、溶媒相を回収する工程と、
(e)抽出溶媒を溶媒相から除去し、イヌハッカ油を単離する工程と
を含む、ネペタ(Nepeta)属の植物からイヌハッカ油を回収するための方法。

【公表番号】特表2013−510930(P2013−510930A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538930(P2012−538930)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/056167
【国際公開番号】WO2011/060027
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】