イノシトール誘導体、ならびに異常なタンパク質の折りたたみまたは凝集、あるいはアミロイドの形成、沈着、蓄積または残存を特徴とする疾患の処置におけるその使用

【課題】異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を処置するための化合物、組成物、及び方法を提供すること。
【解決手段】構造式(I)


によって表されるイノシトール誘導体であって、式中、Xが、scyllo−イノシトール基であり、式中、R、R、R、R、R及びRが、明細書中に規定される通りである、イノシトール誘導体;或いはその薬学的に許容される塩を説明する。異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患の予防及び/又は処置で使用するための、化合物、前記化合物を含む組成物、並びに前記化合物を使用する方法も説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/725,634号(2005年10月13日出願)に対する、米国特許法第119条(e)の下の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を処置するための化合物、複合体、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
scyllo−イノシトールは、ヘキサヒドロキシシクロヘキサンの既知の9つの立体異性体の1つである(非特許文献1)。本化合物は、myo−イノシトール(5mM)の5〜12%と試算される量でヒトの脳に存在する(非特許文献2)。2004年9月10日に公開の特許文献1では、タンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存における疾患の予防及び処置におけるscyllo−イノシトールの使用が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2004/075882号パンフレット
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Bouveault L. Bull. La Societe Chimique Paris 1894: 11: 44−147
【非特許文献2】Michaelis T et al., NMR in Biomedicien 1993: 6: 105−109
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
大まかに言えば、本発明は、被験体において異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を処置する方法であって、以下の化学式Iの単離された、又は純粋な、具体的には実質的に純粋な化合物であって:
【0007】
【化5】

式中、Xが、scyllo−イノシトール基であり、式中、R、R、R、R、R及びRの1つ以上が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R、R及びRの残りがヒドロキシルである、
化合物;或いは又はその薬学的に許容される塩を含む、方法を提供する。
【0008】
本発明は又、被験体において異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を処置する方法であって、以下の化学式IIの単離された、又は純粋な、具体的には実質的に純粋な化合物であって:
【0009】
【化6】

式中、R、R、R、R、R及びRの1つ以上が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルホネート、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R、R及びRの残りがヒドロキシルである、
化合物を含む、方法も提供する。
【0010】
一態様においては、被験体において異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を処置する方法であって、本明細書に定義する化学式I又はIIの単離され、純粋な、具体的には実質的に純粋な化合物であるが、但し、(a)R、R、R、R、R及びRの1つがアルキル又はフッ素である場合に、R、R、R、R、R及びRの残りの4つ以下がヒドロキシルであり、(b)R、R、R、R、R及びRの1つがアミノ又はアジドである場合に、R、R、R、R、R及びRの4つ以下がヒドロキシルであり、(c)R、R、R、R、R及びRの2つがアミノである場合に、R、R、R、R、R及びRの3つ以下がヒドロキシルであり、(d)R、R、R、R、R及びRの3つがアミノ、カルボキシ、カルバミル、スルホニル、イソキサゾリル、イミダゾリル、又はチアゾリルである場合に、R、R、R、R、R及びRの残りが全てヒドロキシルであるわけではないことを条件とする、化合物を含む、方法が提供される。
【0011】
本発明の態様において、本明細書で定義された化学式I又はII(国際特許公開第2004/075882号に開示する化合物を除く)の単離された、又は純粋な、具体的には実質的に純粋な化合物を含む、被験体において異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を処置する方法が提供される。
【0012】
本発明は又、被験体において本明細書に開示する疾患を処置する方法であって、1つ以上の化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物の治療有効量を被験体に投与することを含む、方法も提供する。一態様において、本発明は、処置後に有益効果をもたらす処置を提供する。本発明の方法は、治療的に使用してもよければ、本明細書に開示する疾患に罹患しやすい被験体に予防的に使用してもよい。
【0013】
一態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物の有効量を投与することにより、健常な被験体又は加齢により記憶力が減退した被験体の記憶力を改善する方法を提供する。
【0014】
本発明は更に、記憶力、特に短期記憶力、及び老化プロセスに関連する他の精神機能障害を改善する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物の有効量を投与することを含む、方法にも関する。
【0015】
一実施形態においては、記憶力を損なうか又は記憶力を減ずることが知られている疾患、障害、虚弱又は疾患であると診断されていないが、記憶力の改善を必要とする哺乳動物を処置する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物又はその栄養補給的に許容される誘導体の記憶力の改善に有効な量を哺乳動物に投与することを含む、方法が提供される。
【0016】
本発明の別の態様においては、タンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存における障害に関連した、中枢神経系又は末梢神経系或いは全身の器官の病態を被験体において処置する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において被験体に投与することを含む、方法が提供される。
【0017】
更なる態様において、本発明は、アミロイドの形成、沈着、蓄積、及び/又は残存を阻害する、或いは既存のアミロイドを溶解/崩壊させる、化学式I又はIIの治療的化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を、被験体に投与することを含む、方法を提供する。従って、本発明の化合物及び組成物は、アミロイドの沈着が起こる障害においてアミロイドーシスを阻害するために使用される場合がある。
【0018】
別の態様において、本発明は、被験体において本発明の化合物により阻害又は分離可能なアミロイドの相互作用に関連した病態を処置する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において投与することを含む、方法を提供する。
【0019】
一態様において、本発明は、被験体においてアミロイドタンパク質集合を予防又は阻害する、アミロイドの沈着物の除去を強化する、或いはアミロイドの沈着物の沈着を遅延する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において被験体に投与することを含む、方法を提供する。
【0020】
一態様において、本発明は、被験体においてアミロイド原線維形成、臓器の特異的機能不全(例えば、神経変性)、又は細胞毒性を低減又は阻害する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において被験体に投与することを含む、方法を提供する。
【0021】
本発明は、アミロイドの沈着、具体的にはアミロイドーシス、より具体的にはアルツハイマー病を特徴とする疾患を処置する特定の用途を有する。従って、本発明は、1つ以上の化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において投与することを含む処置方法であって、アミロイドの沈着、より具体的にはアルツハイマー病を特徴とする疾患の症状を伴う被験体に投与すると、有益効果、好ましくは持続的な有益効果をもたらす方法に関する。一実施形態において、有益効果は、凝集したAβの崩壊、Aβオリゴマーによって誘発される長期増強作用の阻害及び/又はシナプス機能の維持の増強、及び/又はAβの脳内蓄積、大脳アミロイド斑の沈着、脳内の可溶性Aβオリゴマー、グリア活性、炎症、及び/又は認知機能低下の低減の1つ以上によって明らかになる。
【0022】
一態様において、本発明は、疾患(例えば、アルツハイマー病等)を患う被験体において疾患の進行を軽減するか、又は疾患を軽減する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において投与することを含む、方法を提供する。
【0023】
本発明は、疾患(例えば、アルツハイマー病)の進行を遅延させる方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において投与することを含む、方法に関する。
【0024】
本発明は又、疾患を患う被験体の生存率を増加させる方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において投与することを含む、方法にも関する。
【0025】
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病を患う被験体の寿命を延ばす方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において投与することを含む、方法に関する。
【0026】
一態様において、本発明は、軽度認識障害(MCI)を処置する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において投与することを含む、方法を提供する。
【0027】
一態様において、本発明は、被験体においてアミロイドの沈着、及び認知障害発病後の神経病理、及びアミロイド斑の神経病理を回復する方法であって、化学式I又はIIの化合物、その薬学的に許容される塩、或いは化学式I又はIIの化合物並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む組成物を治療有効量において投与することを含む、方法を提供する。
【0028】
本発明の化合物又は組成物は、本明細書に開示する疾患を処置するために効果的な経路によって罹患体に投与してもよい。投与経路の例としては、静脈内、経口、腹腔内、及び皮下投与が含まれる。
【0029】
本発明は又、化学式I又はIIの化合物、或いは化学式I又はIIの化合物又はその栄養補給的に許容される誘導体及び許容される担体を含む栄養補給剤をヒトに投与することにより、健常なヒトの食物を補う投与計画も含む。本発明は更に、化学式I又はIIの化合物或いはその栄養補給的に許容される誘導体を毎日ヒトに投与することにより、健常なヒトの食物を補う投与計画も含む。
【0030】
栄養補給剤1グラム当たり約5〜30ミリグラムの1つ以上の化学式I又はIIの化合物或いはその栄養補給的に許容される誘導体を含む栄養補給剤をヒトに投与することを含む、ヒトの食物を補う投与計画が提供される。一実施形態において、栄養補給剤の一部は、ヒトの朝食時に投与され、栄養補給剤の第二の部分は、ヒトの昼食時に投与される。
【0031】
本発明の特定の態様において、化学式I又はIIの化合物は、プロドラッグであるか、又は本明細書に記載されるような担体を含む。
【0032】
本発明は又、本明細書で定義される化学式I又はIIの化合物であるが、但し、(a)R、R、R、R、R及びRの1つがアルキル又はフッ素である場合に、R、R、R、R、R及びRの残りの4つ以下がヒドロキシルであり、(b)R、R、R、R、R及びRの1つがアミノ又はアジドである場合に、R、R、R、R、R及びRの4つ以下がヒドロキシルであり、(c)R、R、R、R、R及びRの2つがアミノである場合に、R、R、R、R、R及びRの3つ以下がヒドロキシルであり、(d)R、R、R、R、R及びRの3つがアミノ、カルボキシ、カルバミル、スルホニル、イソキサゾリル、イミダゾリル、又はチアゾリルである場合に、R、R、R、R、R及びRの残りが全てヒドロキシルであるわけではない、化合物を提供する。
【0033】
本発明は又、化学式I又はIIの化合物(国際特許公開第2004/075882号に開示する化合物を除く)も提供する。
【0034】
本発明の化合物は、in vivoで活性物質に変換されるプロドラッグの形態である場合がある。一例として、化学式I又はIIの化合物において、R、R、R、R、R及びRの1つ以上は、活性化合物(例えば、治療活性化合物)又は後に活性化合物を産生する中間化合物を供給するために、被験体へ投与後に開裂される開裂性基を有する遊離基である場合がある。開裂性基は、酵素的又は非酵素的に除去可能なエステルである場合がある。
【0035】
化学式I又はIIの化合物は、場合によりR、R、R、R、R又はRの1つ以上と相互作用する担体を場合がある。担体としては、ポリマー、炭水化物、ペプチド、又はそれらの組み合わせが含まれる。担体は、例えば、1つ以上のアルキル、ハロ、チオール、ヒドロキシル、又はアミノによって置換される場合がある。
【0036】
化学式I又はIIの化合物は、医薬品又は栄養補給剤として使用する組成物中に組み込んでもよい。
【0037】
一態様において、本発明は、本明細書に開示する疾患を予防及び/又は処置するための組成物を提供する。従って、本発明は、化学式I又はIIの化合物を、具体的には疾患を処置するのに治療上有効な量の化学式I又はIIの化合物を含む薬学的組成物を提供する。より具体的には、本発明は、本明細書に開示する疾患を処置するのに有益な効果を提供するために、被験体への投与に適合した形態で薬学的組成物を提供する。
【0038】
別の態様において、組成物は、疾患を患う被験体への投与により、Aβ原線維の集合又は凝集、Aβ毒性、Aβ42レベル、異常なタンパク質の折りたたみ、凝集、アミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存、並びに/或いはアミロイドの相互作用を予防、軽減及び/又は阻害するか、並びに/或いは既に形成されている原線維の分解を促進するような形態である。本発明の組成物は、被験体における、Aβの凝集の破壊又は分離;Aβオリゴマーによる長期増強作用の阻害の増強;シナプス機能の維持;アミロイドの脳内沈着、大脳アミロイド斑の沈着、脳内の可溶性Aβオリゴマー、グリア活性、炎症、及び/又は認知機能低下の低減の1つ以上をもたらす形態であってよい。更に、本発明の組成物は、被験体において既に形成されている又は既に沈着しているアミロイド原線維又はアミロイドを溶解又は破壊をもたらす形態であってよい。
【0039】
一態様において、本発明は、被験体における、Aβの凝集の破壊、Aβおりごまーによって誘発された長期増強作用の軽減又は阻害の増強、シナプス機能の維持、並びに/或いは、アミロイドの脳内沈着、大脳アミロイド斑の沈着、脳内の可溶性Aβオリゴマー、グリア活性、炎症及び/又は認知機能低下の低減のために治療有効量の本発明の化合物を含む組成物を特徴とする。組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル内に含まれ得る。
【0040】
本発明は更に、化学式I又はIIの1種以上の化合物を含む、安定した薬学的組成物を調製するための方法を提供する。組成物を調製後、それらを適切な容器に入れ、指示された疾患の処置のためにラベル表記してもよい。本発明の組成物の投与においては、このようなラベルに、量、頻度及び投与方法が含まれると考えられる。
【0041】
本発明は更に、1種以上の化学式I又はIIの化合物或いはその栄養補給的に許容される誘導体を含む栄養補給剤組成物を提供する。一態様において、本発明は、記憶力を改善する目的において、化学式I又はIIの化合物或いはその栄養補給的に許容される誘導体を含む、哺乳動物による摂取、具体的にはヒトによる摂取のための栄養補給剤を提供する。別の態様において、本発明は、栄養補給剤を摂取した個体の精神機能の低下を遅延させ、記憶力、具体的には短期記憶力を改善するために、化学式I又はIIの化合物或いはその栄養補給的に許容される誘導体を含む栄養補給剤を提供する。
【0042】
本発明の栄養補給剤は、好ましくは、良好な味であり、事実上身体に吸収され、かなりの治療効果を提供するものである。
【0043】
本発明は又、本発明の化学式I又はIIの化合物を含む市販のピル、錠剤、カプレット、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、ベジキャップ(vegicap)、液体ドロップ、エリキシル、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、又は液体媒質に混合して)、坐薬、無菌注射液、及び/若しくは無菌包装粉末、を作製する方法も提供する。
【0044】
一態様において、本発明の栄養補給剤は、飲料として配合されるが、顆粒、カプセル剤又は坐剤の形態で配合される場合がある。
【0045】
一態様において、本発明の化合物及び組成物は、アミロイドの形成、凝集、又は沈着に関連する疾患を処置するために、治療的又は予防的に投与される場合がある。本発明の化合物及び組成物は、何ら特定の理論に拘束されるものではないが、以下の機構:Aβ原線維の集合、凝集、Aβ毒性、Aβ42レベル、異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存、並びに/或いはアミロイドの相互作用の予防、軽減及び/又は阻害;Aβによって誘発された神経変性又は細胞毒性の阻害又は軽減;既に形成されている原線維の分解の促進;凝集したAβの破壊又は分離;Aβオリゴマーによって誘発された長期増強作用の阻害強化;シナプス機能の維持;脳からのAβ除去の強化;Aβの分解増進;並びに/或いは、アミロイドβの脳内沈着、大脳アミロイド斑の沈着、脳内の可溶性Aβオリゴマー、グリア活性、炎症、及び/又は認知機能低下の軽減;の1つ以上を制限なく使用して、疾患の経過を改善するために作用する場合がある。
【0046】
本発明は又、疾患を処置するための医薬品の調製のため、少なくとも1種の化学式I又はIIの化合物又はそれらを含む組成物の使用も想定する。本発明は更に、疾患を予防及び/又は処置する医薬品の調製における、本発明の薬学的組成物の使用を提供する。医薬品は、薬が使用される状況にかかわらず、アミロイドの形成、沈着、蓄積、及び/又は残存を阻害するために、ピルタブレット、カプレット、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、ベジキャップ、液体ドロップ、エリキシル、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、又は液体媒質に混合して)、坐薬、無菌注射液、及び/若しくは無菌包装粉末のような、被験体によって摂取されるための形態であってもよい。
【0047】
本発明は又、本発明の1種以上の化合物又は組成物を含むキットを提供する。一態様において、本発明は、1種以上の化合物を含む組成物、容器、及び取扱説明書を包含する、疾患を予防及び/又は処置するためのキットを提供する。キットの組成物は更に、薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含み得る。一態様において、本発明は、組成物の投与又はキットが、本明細書に開示する疾患の処置又は予防に関連するという情報を公共に分配することを含む、本発明の組成物又はキットの販売を促進する方法を提供する。
【0048】
別の態様において、本発明は、被験体において異常なタンパク質の折たたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を処置するのに治療上有効な量の化学式IIIの化合物であって:
【0049】
【化7】

式中、Xがシクロヘキサン環であり、式中、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つが、独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシル、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシル、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR−、−NR、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から独立して選択され;R、R、R、R、R又はRの残りの少なくとも1つがヒドロキシルである、
化合物;或いはその薬学的に許容される塩を含む、
薬学的組成物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルに関する。
【0050】
更に別の態様において、本発明は、治療有効量の以下の化学式IVの化合物であって:
【0051】
【化8】

式中、R、R、R、R、R及びRが化学式IIIと同義である、
化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0052】
別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、Rがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシヒドロキシル、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択されるが;
但し、R、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシルであるわけではないことを条件とする、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0053】
更に別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、Rがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRの1つがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRの4つが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0054】
別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、Rがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRの2つがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRの3つが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0055】
別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、Rがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRの3つがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRの2つが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0056】
更に別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、Rがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRの4つがヒドロキシルであり;R、R、R、R及びRの1つが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0057】
別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R及びRの1つが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアシル、ハロ、オキソ、=NR、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、CO、又は−SOであり、式中、R及びRが上記と同義であり;R、R、R、R、R及びRの残りの4つ以下がヒドロキシルである、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0058】
別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R及びRの2つが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアシル、ハロ、オキソ、=NR、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、CO、又は−SOであり、式中、R及びRが上記と同義であり;R、R、R、R、R及びRの3つ以下がヒドロキシルである、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0059】
更に別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R及びRの3つが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキル、ハロ、オキソ、=NR、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、CO、又は−SOであり、式中、R及びRが上記と同義であり;R、R、R、R、R及びRの2つ以下がヒドロキシルである、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0060】
別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの4つがヒドロキシルであり;R、R、R、R、R又はRの1つが、それぞれ独立して、基CH、OCH、NO、CF、OCF、F、Cl、Br、I及びCNから選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0061】
更に別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの5つがヒドロキシルであり;R、R、R、R、R又はRの1つが、基CH、OCH、NO、CF、OCF、F、Cl、Br、I及びCNから選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0062】
更に別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの2つ、3つ、4つ又は5つがヒドロキシルであり;R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つが、場合によりよる置換アルコキシルであり;R、R、R、R、R又はRの残りが、もしあれば、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−Cアシル、C−Cアシルオキシヒドロキシル、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−CO、オキソ、−POH−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環式から選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0063】
更に別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの4つがヒドロキシルであり;R、R、R、R、R又はRの1つが、C−Cアルコキシルである、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する(例えば、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つは、メトキシである)。
【0064】
更に別の態様において、本発明は、化学式IVの化合物であって、式中、R、R、R、R及びRの2つ、3つ又は4つがヒドロキシルであり;Rが、場合により置換アルコキシルであり;R、R、R、R又はRの残りが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−Cアシル、C−Cアシルオキシヒドロキシル、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−CO、オキソ、−POH−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0065】
更に別の態様において、本発明は、化学式IVの化合物であって、式中、RがC−Cアルコキシルであり;R、R、R、R及びRがヒドロキシルである、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する(例えば、Rはメトキシである)。
【0066】
別の態様において、本発明は、化合物が以下のメチル−scyllo−イノシトール:
【0067】
【化9】

及び薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルである、薬学的組成物に関する。
【0068】
別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの2つ、3つ、4つ又は5つがヒドロキシルであり;R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つがハロであり;R、R、R、R、R及びRの残りが、もしあれば、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−CO、オキソ、−POH−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRであり、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0069】
更に別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの4つがヒドロキシルであり;R、R、R、R、R又はRの1つがハロであり;R、R、R、R、R又はRの1つが、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−Cアシル、C−Cアシルオキシヒドロキシル、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−CO、オキソ、−POH−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択され、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つがハロである、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関する。
【0070】
更に別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの5つがヒドロキシルであり;R、R、R、R、R又はRの1つが、ハロである、化合物;並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む薬学的組成物に関し、例えば、本発明は、化学式IVの化合物であって、式中、R、R、R、R及びRがヒドロキシルであり、Rがハロであり;好ましくは、ハロは、フルオロ、クロロ、又はブロモである、化合物を含む薬学的組成物に関する。
【0071】
別の態様において、本発明は、化合物が以下の1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトール:
【0072】
【化10】

及び薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルである、薬学的組成物に関する。
【0073】
別の態様において、本発明は、アミロイドの沈着を特徴とする疾患の処置に使用する、例えば、アルツハイマー病の処置に使用する、化学式III又はIVの化合物、或いはメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む薬学的組成物に関する。
【0074】
別の態様において、本発明は、被験体においてAβ原線維の集合又は凝集、Aβ毒性、Aβ42レベル、異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、アミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存、及び/又はアミロイドの相互作用を予防、低減及び/又は阻害する方法であって、化学式III又はIVの化合物或いはメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む薬学的組成物の治療有効量を投与することを含む、方法に関する。
【0075】
別の態様において、本発明は、Aβの分解促進、及び/又はアミロイドβの脳内沈着、大脳アミロイド斑の沈着、脳内の可溶性Aβオリゴマー、グリア活性、炎症、及び/又は認知機能低下を軽減する方法であって、化学式III又はIVの化合物或いはメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む薬学的組成物を治療有効量において投与することを含む、方法に関する。
【0076】
別の態様において、本発明は、被験体においてタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存における障害に関連した中枢神経系又は末梢神経系或いは全身の器官の病態を処置する方法であって、化学式III又はIVの化合物或いはメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む薬学的組成物を治療有効量において被験体に投与することを含む、方法に関する。
【0077】
別の態様において、本発明は、被験体においてアミロイドタンパク質の集合を予防又は阻害する、アミロイドの沈着物の除去を強化する、又はアミロイドの沈着物の沈着を遅延させる方法であって、化学式III又はIVの化合物或いはメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む薬学的組成物を治療有効量において被験体に投与することを含む、方法に関する。
【0078】
別の態様において、本発明は、被験体においてアルツハイマー病の進行を遅らせる方法であって、化学式III又はIVの化合物或いはメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む薬学的組成物を治療有効量において被験体に投与することを含む、方法に関する。
【0079】
別の態様において、本発明は、被験体において軽度認識障害(MCI)を処置する方法であって、化学式III又はIVの化合物或いはメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む薬学的組成物を治療有効量において被験体に投与することを含む、方法に関する。
【0080】
別の態様において、本発明は、化学式III又はIVの化合物、メチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む組成物、或いは化学式III又はIVの化合物又はメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む組成物を含む栄養補給剤、並びに許容される担体をヒトに投与することを含む、ヒトの食物を補う投与計画に関し、幾つかの実施形態おいては、ヒトに対して毎日投与され、別の実施形態においては、約5〜30ミリグラムの量で定期的に投与される。
【0081】
別の態様において、本発明は、異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を予防及び/又は処置する方法であって、化学式III又はIVの少なくとも1種の化合物、或いはメチル−scyllo−イノシトール又は1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールを含む組成物、並びにコンテナ、及び取扱説明書を含むキットに関し、幾つかの実施形態において、説明書は、アルツハイマー病を処置するための情報を提供する。
【0082】
これら及び本発明のその他の態様、特徴、及び長所は、当業者には以下の詳細な説明から明らかになるはずである。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
被験体において異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を処置するための薬学的組成物であって、治療有効量の以下の化学式IIIの化合物であって:
【化1】


式中、Xが、シクロヘキサン環であり、
、R、R、R、R及びRの少なくとも1つが、独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR−、−NR、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択され;並びに
、R、R、R、R又はRの残りの少なくとも1つがヒドロキシルである、
化合物;或いはその薬学的に許容される塩;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む、薬学的組成物。
(項目2)
治療有効量の以下の化学式IVの化合物であって:
【化2】


式中、R、R、R、R、R及びRが、項目1に定義されている、
化合物;或いはその薬学的に許容される塩

並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目3)
式中、Rがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、ヒドロキシル、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択されるが;
但し、R、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシルであるわけではないことを条件とする、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目4)
式中、Rがヒドロキシルであり;
、R、R、R及びRの1つがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R及びRの4つが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目5)
式中、Rがヒドロキシルであり;
、R、R、R及びRの2つがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R及びRの3つが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目6)
式中、Rがヒドロキシルであり;
、R、R、R及びRの3つがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R及びRの2つが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目7)
式中、Rがヒドロキシルであり;
、R、R、R及びRの4つがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R及びRの1つが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10シクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C10アリール−C−Cアルコキシ、C−C10アロイル、C−C10ヘテロアリール、C−C10複素環、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、−SOH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−OSi(R、−COH、−CO、オキソ、−POH、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R、及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目8)
式中、R、R、R、R及びRの1つが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアシル、ハロ、オキソ、=NR、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、CO、又は−SOであり、式中、R及びRが項目1に定義されており;並びに
、R、R、R、R及びRの残りの4つ以下がヒドロキシルである、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目9)
式中、R、R、R、R、及びRの2つが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアシル、ハロ、オキソ、=NR、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、CO、又は−SOであり、式中、R及びRが項目1に定義されており;並びに
、R、R、R、R及びRの3つ以下がヒドロキシルである、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目10)
式中、R、R、R、R及びRの3つが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキル、ハロ、オキソ、=NR、−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、CO、又は−SOであり、式中、R及びRが項目1に定義されており;並びに
、R、R、R、R及びRの2つ以下がヒドロキシルである、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目11)
式中、R、R、R、R、R又はRの4つがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R、R又はRの1つが、それぞれ独立して、基CH、OCH、NO、CF、OCF、F、Cl、Br、I及びCNからなる群から選択される、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目12)
式中、R、R、R、R、R又はRの5つがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R、R又はRの1つが、CH、OCH、NO、CF、OCF、F、Cl、Br、I及びCNから選択される、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目13)
式中、R、R、R、R、R又はRの2つ、3つ、4つ又は5つがヒドロキシルであり;
、R、R、R、R又はRの少なくとも1つが、場合により置換アルコキシであり;並びに
、R、R、R、R又はRの残りが、もしあれば、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、ヒドロキシル、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−CO、オキソ、−POH−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目14)
式中、R、R、R、R、R又はRの5つがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R、R又はRの1つがC−Cアルコキシである、
項目13に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目15)
式中、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つがメトキシである、
項目14に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目16)
式中、R、R、R、R及びRの2つ、3つ又は4つがヒドロキシルであり;
が、場合により置換アルコキシルであり;並びに
、R、R、R又はRの残りが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、ヒドロキシル、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−CO、オキソ、−POH−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、
項目2に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目17)
式中、RがC−Cアルコキシであり;
、R、R、R及びRがヒドロキシルである、
項目16に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目18)
式中、Rがメトキシである、
項目17に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目19)
前記化合物がメチル−scyllo−イノシトール:
【化3】


である、薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目20)
式中、R、R、R、R、R又はRの2つ、3つ、4つ又は5つがヒドロキシルであり;
、R、R、R、R又はRの少なくとも1つがハロであり;並びに
、R、R、R、R又はRの残りが、もしあれば、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−CO、オキソ、−POH−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRであり、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択される、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目21)
式中、R、R、R、R、R又はRの4つがヒドロキシルであり;
、R、R、R、R又はRの1つがハロであり;並びに
、R、R、R、R又はRの1つが、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−C10シクロアルキル、C−Cアシル、C−Cアシルオキシ、ヒドロキシル、−NH、−NHR、−NR−、=NR、−S(O)0−2、−SH、ニトロ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、−Si(R、−CO、オキソ、−POH−NHC(O)R、−C(O)NH、−C(O)NHR、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NH、−S(O)NHR、及び−S(O)NRから選択され、式中、R及びRが、独立して、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−C10アリール、C−C10アリールC−Cアルキル、C−C10ヘテロアリール、及びC−C10複素環から選択され;R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つがハロである、
項目20に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目22)
式中、R、R、R、R、R又はRの5つがヒドロキシルであり;並びに
、R、R、R、R又はRの1つがハロである、
項目1に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目23)
式中、R、R、R、R又はRがヒドロキシルであり、
がハロである、
項目2に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目24)
式中、ハロがフルオロ、クロロ、又はブロモである、
項目22に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目25)
式中、ハロがフルオロ、クロロ、又はブロモである、
項目23に記載の薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目26)
前記化合物が1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトール:
【化4】


である、薬学的組成物;
並びに薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル。
(項目27)
アミロイドの沈着を特徴とする疾患の処置で使用するための、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目28)
アミロイドの沈着を特徴とする疾患の処置で使用するための、項目2に記載の薬学的組成物。
(項目29)
前記疾患がアルツハイマー病である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目30)
Aβ原線維の集合又は凝集、Aβ毒性、Aβ42レベル、異常なタンパク質の折りたたみ及び凝集、アミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存、及び/又はアミロイドの相互作用を、被験体において予防、軽減及び/又は阻害するための方法であって、治療有効量の項目1に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
(項目31)
Aβの分解を増大させる、及び/又はアミロイドβの脳内蓄積、大脳アミロイド斑の沈着、脳内の可溶性Aβオリゴマー、グリア活性、炎症、及び/又は認知機能低下を軽減する方法であって、項目1に記載の薬学的組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
(項目32)
タンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存における障害に関連した、中枢神経系又は末梢神経系或いは全身の器官の病態を被験体において処置する方法であって、項目1に記載の薬学的組成物の治療有効量を該被験体に投与することを含む、方法。
(項目33)
被験体において、アミロイドタンパク質の集合を予防又は阻害する、アミロイドの沈着物の除去を強化する、又はアミロイドの沈着物の沈着を遅延させる方法であって、項目1に記載の薬学的組成物の治療有効量を該被験体に投与することを含む、方法。
(項目34)
被験体においてアルツハイマー病の進行を遅延させる方法であって、項目1に記載の薬学的組成物の治療有効量を該被験体に投与することを含む、方法。
(項目35)
被験体において軽度認識障害(MCI)を処置する方法であって、項目1に記載の薬学的組成物の治療有効量を該被験体に投与することを含む、方法。
(項目36)
ヒトの食物を補う投与計画であって、項目1に記載の化学式IIIの組成物、又は項目1に記載の化学式IIIの組成物および許容される担体を含む栄養補給剤を該ヒトに投与することを含む、投与計画。
(項目37)
前記投与が該ヒトに対して毎日行われる、項目36に記載の投与計画。
(項目38)
項目1に記載の組成物が約5〜約30ミリグラムの範囲の量で投与される、項目37に記載の投与計画。
(項目39)
異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いはアミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存を特徴とする疾患を予防及び/又は処置するための化学式IIIの少なくとも1種の化合物を含む、項目1に記載の組成物、並びに容器及び取扱説明書を含む、キット。
(項目40)
前記説明書がアルツハイマー病を処置するための情報を提供する、項目39に記載のキット。
【発明を実施するための形態】
【0083】
(実施形態の詳細な説明)
便宜上、明細書、実施例、及び添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語を以下にまとめる。
【0084】
本明細書における終点による数値範囲の列挙には、その範囲内に含まれる全ての数及び分数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、及び5が含まれる)。更に、全ての数及びその分数は「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。「約」という用語は、言及される数のプラス又はマイナスの0.1〜50%、5〜50%、又は10〜40%、好ましくは10〜20%、より好ましくは10%若しくは15%を意味する。更に、「a」、「an」及び「the」という冠詞には、内容から明確にそうでないと示されていない限り、複数形を含むと理解されるべきである。従って、例えば、「化合物」を含有する組成物との言及には、2つ以上の化合物の混合物が含まれる。
【0085】
「投与する」及び「投与」という用語は、予防及び/又は処置の目的のために、本明細書で企図した化合物又は組成物の治療有効量が被験体に与えられるプロセスを指す。組成物は、被験体の臨床状態、投与の部位及び方法、投与量、罹患体の年齢、性別、体重、及び医師が知り得る他の要素を考慮し、善良な医療実務に則って投与される。
【0086】
「処置する」という用語は、このような用語が適用される疾患の進行又はこのような疾患の1つ以上の症状を元に戻す、軽減する、又は阻害することを指す。処置には、診断時以降の被験体の管理及び介護が含まれる。処置は、緊急に又は長期的に行われる場合がある。被験体の病態に従って、本用語は疾患の予防も指し、発病の阻止、又は疾患に関連する症状の予防も含む。本用語は又、このような疾患を患う前に、疾患又はこのような疾患に関連する症状を軽減することも指す。このような、疾患を患う前の疾患の重症化を予防又は軽減することは、本発明の化合物又は組成物を、投与の時点でこのような疾患に罹患している被験体に投与することを指す。又、「予防する」という用語は、疾患の再発又はこのような疾患に関連する1つ以上の症状を予防することも指す。処置の目的は、疾患と闘うことであり、症状又は合併症の発病を予防又は遅延させるための活性化合物の投与、又は症状若しくは合併症の軽減、又はこのような病態及び/又は疾患の除去、若しくは部分的な除去を含む。「処置」及び「治療的」という用語は、「処置する」という用語が上記で定義されたように、処置する行為を指す。
【0087】
「被験体」、「個体」、又は「罹患体」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、哺乳動物等の温血動物を含めた動物を指す。哺乳動物には、哺乳動物のメンバーが含まれるが、これらに限定されない。一般的に、本用語はヒトを指す。本用語は又、ウマ、ウシ、ヒツジ、家禽、魚、ブタ、ネコ、イヌ及び動物園動物、ヤギ、類人猿(例えばゴリラ又はチンパンジー)、及びラットやマウスのような齧歯類を含む、食物のため、又はペットとして育てられる家畜を含む。処置における一般的な被験体としては、本明細書に開示する疾患を患う人、或いは疾患に罹患している疑いのある人又は以前に処置を受けた人、若しくは本明細書で説明された疾患に罹り易い人、罹っている人、罹ったことのある人等が含まれる。被験体は、アルツハイマー病等の本明細書に開示する疾患に対して遺伝的素因を有していてもよいし、有していなくてもよい。特定の態様において、被験体は認知障害及びアミロイド斑の神経病理の兆候を示す。本発明の実施形態において、被験体は、アルツハイマー病に罹り易い人、又アルツハイマー病に罹患している人である。
【0088】
本明細書で使用される「健常な被験体」という用語とは、記憶力を損なうか、又は記憶力を減少させことが知られている診断疾患、障害、虚弱質、又は軽疾患であると診断されない被験体、具体的には哺乳動物を意味する。
【0089】
「有益効果」とは、本発明の特定の態様において、好ましい薬学的効果及び/又は治療効果、並びに改善された生物活性等の、本発明の化合物又はそれらの組成物の効果を指す。本発明の態様において、有益効果としては、Aβ原線維の集合又は凝集、Aβ毒性、Aβ42レベル、異常なタンパク質の折りたたみ、凝集、アミロイドの形成、沈着、蓄積又は残存、及び/又はアミロイド脂質の相互作用の予防、軽減、又は阻害、並びに/或いは既に形成されている原線維の分解の促進等が含まれるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態において、有益効果としては、凝集したAβの破壊;Aβオリゴマーによって誘発された長期増強作用の阻害強化;シナプス機能の維持;Aβが誘発する進行性の認知機能低下及び大脳アミロイド斑症状の阻害;認知力の改善;寿命の延長;Aβの脳内蓄積の低減;大脳アミロイド斑の沈着の低減;脳内の可溶性Aβオリゴマー(例えば、Aβ42)の低減;グリア活性の低減;炎症の軽減;及び/又は認知機能低下の軽減等が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの態様において、有益効果は、強化された安定性、長い半減期、及び/又は脳血液関門を超えての取り込み及び輸送の強化等の、本発明の組成物/調合物の好ましい特性である。
【0090】
本発明の化合物を含まないか、又は本発明の範囲ではないイノシトール化合物(myo−イノシトール、又は変性されていないscyllo−イノシトール)の場合の効果に対する本発明の化合物の効果の統計分析の観点から、本有益効果は、統計的に有意な効果であってよい。「統計的に有意な」又は「有意に異なる」効果又はレベルは、標準よりも高いか、又は低いレベルを表す。本発明の実施形態において、差は、本発明の化合物なしで得た効果と比較して、1.5、2、3、4、5又は6倍高くてもよいし、又は低くてもよい。
【0091】
「薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル」という語句は、活性成分の効果又は活性に干渉せず、投与される被験体に対して毒性を有さない媒質を指す。担体、賦形剤又はビヒクルとしては、希釈剤、結合剤、接着剤、潤滑剤、崩壊剤、バルク剤、湿潤化剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、並びに特定の組成物を調製するために必要な場合がある吸収剤等の種々の物質が含まれる。担体等の例としては、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。活性物質のためのこのような媒質及び物質の使用は、当該技術分野で周知である。
【0092】
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、所望の薬学的性質を有する塩を意味する。薬学的に許容される塩とは、過度の毒性、炎症、アレルギー反応等を引き起こさずに、被験体又は罹患体の生体組織に接触しての使用に適した、妥当な損益比を有する塩を意味する。薬学的に許容される塩については、例えば、S. M. Berge, et
al., J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66:1に記載されている。好適な塩は、化合物中の酸性プロトンが無機又は有機塩基と反応可能な場合に形成されてもよい塩等である。好適な無機塩としては、アルカリ金属、例えばナトリウム及びカリウム、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムで形成されるものが含まれる。好適な有機塩としては、有機塩基、例えば、アミン塩基(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン(tromethamine)及びN−メチルグルカミン等)で形成されるものが含まれる。又、適切な塩としては、無機酸(例えば、塩化水素酸及び臭化水素酸)及び有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、マレイン酸及びアルカン−及びアレーン−スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸)で形成された酸付加塩が含まれる。2つの酸性基が存在する場合、医薬として許容されてもよい塩は、モノ−酸−モノ−塩又はジ−塩であってもよく、又同様に、2つより多くの酸性基が存在する場合は、このような基の幾つか又は全てが塩化できる。
【0093】
「治療有効量」とは、1つ以上の所望の効果、具体的には1つ以上有益効果を引き起こす、本発明の活性化合物又は組成物の量又は用量を指す。物質の治療有効量は、疾患状態、年齢、性別、及び被験体の体重、並びに被験体において所望される反応を顕在化させる物質の能力等の因子に従って変わり得る。薬剤投与計画は、最適の治療反応(例えば、持続的な有益効果)を与えるように調節することができる。例えば、幾つかの分割用量を毎日投与してもよく、又は、治療状況の緊急性によって示されるように、比例的に減少させてもよい。
【0094】
「栄養補給的に許容される誘導体」という用語は、同様の様式で作用して意図された効果を発現し、構造的類似性及び生理的適合性を有するような、言及された化学種に対する誘導体又は代替物を指す。代替物の例としては、塩、エステル、水和物、又は言及された化学物質の複合体等が含まれるが、これらに限定されない。又、代替物は、in vivoで化学反応を起こして言及された化学物質又はその代替品を生成する、言及された化学物質の前駆体又はプロドラッグであってもよい。
【0095】
一般的に、「純粋な」という用語は、90%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%以上の純度を意味し、「実質的に純粋な」という用語は、組成物又は本発明の治療用量において利用できるように製造された、従来の精製プロセスによって容易に又無理なく除去することができない不純物のみを含むような、合成された化合物を意味する。
【0096】
本明細書に使用される「ポリマー」という用語は、同じ繰り返しサブユニット、又は異なる繰り返しサブユニットの何れかの、2つ以上の単量体サブユニットを含む分子を指す。モノマーは一般的に、炭素を含む低分子量分子の単一構造を含む。ポリマーは、場合により置換されてもよい。本発明において使用できるポリマーの例としては、ビニル、アクリル、スチレン、及び炭水化物由来ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレン、ポリメチレングリコール、ポリ−トリメチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、並びにそれらのコポリマー、塩、及び誘導体が含まれる。本発明の特定の態様において、ポリマーは、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸);ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸−コアクリロニトリル、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸−コ−スチレン)、ポリ(ビニルスルホン酸);ポリ(ナトリウム−4−スチレンスルホン酸);そこから誘導されたサルフェートとスルホネート;ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、及びポリ(ビニルアルコール)である。
【0097】
本明細書で使用される「炭水化物」という用語は、ポリヒドロキシアルデヒド、又はポリヒドロキシケトン、並びにそれらの誘導体を指す。最も単純な炭水化物は、単糖であり、多くのヒドロキシル基(通常は、官能基を除いて各炭素原子上に1つ)を有する小さな直鎖状のアルデヒド及びケトンである。単糖の例としては、エリトロース、アラビノース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、トレオース、キシロース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、アルドヘキソース、フルクトース、ケトヘキソース、リボース、及びアルドペントース等が含まれる。他の炭水化物は、単糖単位から構成され、単糖単位の数によって、二糖、オリゴ糖、又は多糖等がある。二糖は、共有結合的グリコシド結合で結合した2つの単糖単位で構成される。二糖の例としては、スクロース、ラクトース、及びマルトース等が含まれる。オリゴ糖と多糖は、グリコシド結合によって結合した、単糖単位のより長い鎖で構成される。一般的に、オリゴ糖は3〜9個の間の単糖単位を含み、多糖は10個より多い単糖単位を含む。炭水化物基は、化学式I又はIIの化合物における結合位置以外の、1位、2位、3位、又は4位において置換される場合がある。例えば、炭水化物は、場合により置換される、1つ以上のアルキル、アミノ、ニトロ、ハロ、チオール、カルボキシル、又はヒドロキシル基によって置換される場合がある。置換される炭水化物の具体例は、グルコサミン又はガラクトサミンである。
【0098】
本発明の態様において、炭水化物は、糖質、具体的にはヘキソース又はペントースであり、アルドース又はケトースであってもよい。糖はD系列又はL系列に属していてもよく、アミノ糖、デオキシ糖類、及びそれらのウロン酸誘導体を含む。本発明の実施形態において、炭水化物がヘキソースの場合、そのヘキソースは、グルコース、ガラクトース、又はマンノースからなる群から選択されるか、又は置換されるヘキソース糖残基、例えば、ヘキソサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、具体的にはD−グルコサミン(2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコース)又はD−ガラクトサミン(2−アミノ−2−デオキシ−D−ガラクトース)等のアミノ糖残基等である。好適なペントース糖としては、アラビノース、フコース、及びリボースが含まれる。
【0099】
糖残基は、1,1結合、1,2結合、1,4結合、1,5結合、又は1,6結合から化学式I又はII化合物に結合していてもよい。結合は、化学式I又はIIの化合物の酸素原子を介する場合がある。酸素原子は、−CH−基又は−S−基によって1回以上置換されてもよい。
【0100】
「炭水化物」という用語は又、レクチン(例えば、コンカナバリンA、小麦胚芽凝集素、ピーナッツアグルチニン、血清ムコイド、及びオロソムコイド)等の糖タンパク質、及びセレブロシドやガングリオシド等の糖脂質を含む。
【0101】
本発明の実施において担体として使用される「ペプチド」は、ペプチド結合により共有結合した1、2、3、4、又は5つ以上のアミノ酸を含む。ペプチドは、1つ以上の天然起源アミノ酸、類似体、誘導体、及びそれらの同族類を含み得る。ペプチドは、その安定性、バイオアベイラビィティ、溶解性等が増加するようにペプチドを変性させ得る。本明細書で使用される「ペプチド類似体」及び「ペプチド誘導体」は、ペプチドの化学構造を模倣する分子、若しくはペプチドの機能的特性を維持する分子を含む。本発明の態様において、担体は、アラニン、グリシン、プロリン、メチオニン、セリン、トレオニン、ヒスチジン、又はアスパラギン等のアミノ酸である。他の態様において、担体は、アラニル−アラニル、プロリル−メチオニル、又はグリシル−グリシル等のペプチドである。更に、他の態様において、担体は、アルブミン、アンチトリプシン、マクログロブリン、ハプトグロビン、セルロプラスミン、トランスフェリン、α−リポタンパク質、β−リポタンパク質、β−グロブリン、γ−グロブリン、或いはフィブリノーゲン等のポリペプチドである。
【0102】
ペプチドの類似体、誘導体、及び模倣物の設計へのアプローチは、当分野において公知である。例えば、Farmer, P. S. in Drug Design (E.
J. Ariens, ed.) Academic Press, New York, 1980, vol. 10, pp. 119−143;Ball, J. B. and Alewood, P. F. (1990) J. Mol. Recognition 3:55;Morgan, B. A. and Gainor, J. A. (1989) Ann. Rep. Med. Chem. 24:243;及びFreidinger, R. M. (1989) Trends Pharmacol. Sci. 10:270を参照されたい。又、Sawyer, T. K. (1995) “Peptidomimetic Design and Chemical Approaches to Peptide Metabolism” in Taylor, M. D. and Amidon, G. L. (eds.) Peptide−Based Drug Design: Controlling Transport and Metabolism, Chapter 17;Smith, A. B. 3rd, et al. (1995) J. Am. Chem. Soc. 117:11113−11123;Smith, A. B. 3rd, et al. (1994) J. Am. Chem. Soc. 116:9947−9962;及びHirschman, R., et al. (1993) J. Am. Chem. Soc. 115:12550−12568も参照されたい。
【0103】
ペプチド類似体、ペプチド誘導体、及びペプチド模倣物の例としては、1つ以上のベンゾジアゼピン分子で置換されるペプチド(例えば、James, G. L. et al. (1993) Science 260:1937−1942を参照)、メチル化されたアミド結合を有するペプチド、及び「レトロ−インベルソ」ペプチド(Sistoによる米国特許第4,522,752号を参照)が含まれる。
【0104】
ペプチド誘導体の例としては、アミノ酸側鎖、ペプチド骨格、アミノ末端又はカルボキシ末端が誘導化されたペプチド(例えば、メチル化されたアミド結合を有するペプチド性化合物)が含まれる。
【0105】
「模倣物」という用語、具体的には「ペプチド模倣物」という用語は、同配体を含むことが意図される。「同配体」という用語は、第一の構造の立体コンホメーションが第二の構造に特異的な結合部位に適合するために、第二の化学構造の代替となり得る化学構造を指す。本用語は特に、当業者に周知のペプチド骨格変性物(即ち、アミド結合模倣物)を包含する。このような変性物は、アミド窒素、α−炭素、アミドカルボニルの変性、アミド結合の完全な置換、伸長、欠失、又は骨格の架橋を含む。同配体の他の例としては、1つ以上のベンゾジアゼピン分子で置換されるペプチドが含まれる(例えば、James,
G. L. et al. (1993) Science 260:1937−1942を参照)。
【0106】
他の可能な変性には、N−アルキル(又はアリール)置換([CONR])、ラクタム及びその他の環状構造を構築する主鎖架橋、化合物中の全てのL−アミノ酸の全てのD−アミノ酸置換(「インベルソ」化合物)又はレトロインベルソアミノ酸の組み込み([NHCO])が含まれる。「インベルソ」とは、配列のL−アミノ酸をD−アミノ酸で置き換えることを意味し、「レトロ−インベルソ」又は「エナンチオ−レトロ」は、アミノ酸の配列を逆にすること(「レトロ」)及びL−アミノ酸をD−アミノ酸で置き換えることを意味する。例えば、もし親ペプチドがThr−Ala−Tyrであれば、レトロ変性型はTyr−Ala−Thrであり、インベルソ型は、thr−ala−tyrであり、そしてレトロインベルソ型はtyr−ala−thrである(小文字は、D−アミノ酸を示す)。親ペプチドと比較して、レトロインベルソペプチドは、反転した骨格を有するが、側鎖の元の空間的コンホメーションを実質的に保持しており、親ペプチドと密接に類似したトポロジーを有するレトロインベルソ異性体を生じる。Goodman et al.
“Perspectives in Peptide Chemistry” pp.
283−294 (1981)を参照されたい。「レトロ−インベルソ」ペプチドの更なる説明に関しては、Sistoによる米国特許第4,522,752号も参照されたい。
【0107】
ペプチドは、特定のアミノ酸(例えば、セリン)の側鎖上の官能基又は他の好適な官能基を通して本発明の化合物に結合し得る。本発明の一実施形態において、担体は、側鎖上の官能基を通して3つ以上のアミノ酸に結合した基を有する4つ以上のアミノ酸を含み得る。別の実施形態においては、担体は、1つのアミノ酸であり、具体的にはアミノ酸のスルホン酸塩誘導体(例えば、システイン酸等)である。
【0108】
単独又は「チオアルキル」及び「アリールアルキル」等の他の用語の中の「アルキル」は、直鎖(即ち、直線状)又は分岐鎖であってもよい一価の飽和炭化水素基を意味する。本発明の特定の態様おいて、アルキル基は、約1〜20個の炭素原子、好ましくは約1〜10個、1〜8個、又は3〜8個の炭素原子、より好ましくは約3〜6個の炭素原子を含む。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、アミル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、ペンタデシル、n−ヘキサデシル、ヘプタデシル、n−オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ドシル、n−テトラコシル等、並びにその分岐鎖変異体が含まれる。本発明の特定の実施形態において、アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、アミル、トリブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、及びn−ヘキシルを含むか又はそれらからなる群から選択されるC−C低級アルキルである。アルキル基は、場合により化学式I又はIIの化合物の調製を妨げず、化合物の有効性を減少させない位置において置換基によって置換される場合がある。アルキル基は、場合により本明細書に定義されるような基で置換される場合がある。特定の態様において、アルキル基は、ハロ、低級アルコキシヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、サルフェート、スルホキシド、置換カルボキシル、ハロゲン化低級アルキル(例えば、CF)、ハロゲン化低級アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルボニルオキシ、低級アルキルカルボニルアミノ、及びアリール(例えば、フェニルメチル、即ちベンジル)等の1〜5個の置換基によって置換される。
【0109】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を有する、不飽和の非環式分岐鎖型又は直鎖型炭化水素基を示す。アルケニル基は、約2〜10個の炭素原子、好ましくは約3〜8個の炭素原子、より好ましくは約3〜6個の炭素原子を含んでもよい。好適なアルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル(例えば、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル(アリル)、プロパ−2−エン−2−イル、ブテン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、ヘキセン−1−イル、3−ヒドロキシヘキセン−1−イル、ヘブテン−1−イル、及びオクテン−1−イル等)が含まれる。アルケニル基は、場合によりアルキル基と同様に置換されていてもよい。特定の態様において、アルケニル基は、ハロ、低級アルコキシヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、サルフェート、スルホキシド、置換カルボキシル、ハロゲン化低級アルキル(例えば、CF)、ハロゲン化低級アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルボニルオキシ、低級アルキルカルボニルアミノ、及びアリール等の1〜5個の置換基によって置換される。
【0110】
「アルキニル」という用語は、1つ以上の三重結合を有する、不飽和の分岐鎖型又は直鎖型炭化水素基を指す。アルキニル基は、約1〜20個、1〜15個、又は2〜10個の炭素原子、好ましくは約3〜8個の炭素原子、より好ましくは約3〜6個の炭素原子を含んでもよい。好適なアルキニル基の例としては、エチニル(例えば、プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イル)、ブチニル(例えば、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イル)、ペンチニル(例えば、ペンチン−1−イル、ペンチン−2−イル、4−メトキシペンチン−2−イル、3−メチルブチン−1−イル)、ヘキシニル(例えばヘキシン−1−イル、ヘキシン−2−イル、ヘキシン−3−イル、及び3,3−ジメチルブチン−1−イル基等が含まれる。その基は、場合によりアルキル基と同様に置換されていてもよい。特定の態様において、アルキニル基は、ハロ、低級アルコキシヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、サルフェート、スルホキシド、置換カルボキシル、ハロゲン化低級アルキル、ハロゲン化低級アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルボニルオキシ、低級アルキルカルボニルアミノ、及びアリール等の1〜5個の置換基によって置換される。
【0111】
「アルキレン」という用語は、約1〜10個の炭素原子及び2つ以上の共有結合のための結合位置を有する直鎖状又は分岐鎖状の基を指す。このような基の例としては、メチレン、エチレン、エチリデン、メチルエチレン、及びイソプロピリデンが含まれる。
【0112】
「アルケニレン」という用語は、約2〜10個の炭素原子、すくなくとも1つの二重結合、及び2つ以上の共有結合のための結合位置を有する直鎖状又は分岐鎖状の基を指す。このような基の例としては、1,1−ビニリデン(CH=C)、1,2−ビニリデン(−CH=CH−)、及び1,4−ブタジエニル(−CH=CH−CH=CH−)等が含まれる。
【0113】
「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子等のハロゲンを指す。
【0114】
「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」という用語は、単一の−OH基を指す。
【0115】
「シアノ」という用語は、4つの共有結合の内の3つを窒素原子と共有する炭素基、具体的には−CNを指す。
【0116】
「アルコキシ」という用語は、1〜約10個の炭素原子のアルキル部分を有する直鎖状又は分岐鎖状のオキシ含有基(例えば、メトキシ基)を示し、これは置換される場合がある。特定のアルコキシ基は、約1〜6個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」基である。約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシは、C−Cアルキル−O−基(式中、C−Cアルキルは本明細書に記載の意味を有する)を含む。アルコキシ基の例示的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシが含まれるが、これらに限定されない。「アルコキシ」基は、場合により「アルキルアルコキシ」基を提供するためのアルキル原子;「ハロアルコキシ」基(例えば、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、及びフルオロプロポキシ)及び「ハロアルコキシアルキル」基(例えば、フルオロメトキシメチル、クロロメトキシエチル、トリフルオロメトキシメチル、ジフルオロメトキシエチル、及びトリフルオロエトキシメチル)を提供するためのハロ原子(例えばフルオロ、クロロ、又はブロモ)を含む、本明細書に開示する1つ以上の置換基によって更に置換される場合がある。
【0117】
「アルケニルオキシ」という用語は、約2〜10個の炭素原子のアルケニル部分を有する直鎖状又は分岐鎖状のオキシ含有基(例えば、エテニルオキシ基又はプロペニルオキシ基)を指す。特定のアルケニルオキシ基は、約2〜6個の炭素原子を有する「低級アルケニルオキシ」基である。アルケニルオキシ基の例としては、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニロキシ、及びイソプロペニルオキシアルキルが含まれる。「アルケニルオキシ」基は、「ハロアルケニルオキシ」基(例えば、トリフルオロエテニルオキシ、フルオロエテニルオキシ、ジフルオロエテニルオキシ、及びフルオロプロペニルオキシ)を提供するためのハロ原子(例えばフルオロ、クロロ、又はブロモ)を含む、本明細書に開示する1つ以上の置換基によって置換される場合がある。
【0118】
「シクロアルキル」という用語は、約3〜15個の炭素原子を有し、1個、2個、3個又は4個の環(このような環は、ペンダント状に結合している場合もあれば、縮合している場合もある)を含む基を指し、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、アダマンチル等を指す。本発明の特定の態様において、シクロアルキル基は、約3〜8個の炭素原子を有する「低級シクロアルキル」基であり、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルである。「シクロアルキル」という用語は又、シクロアルキル基がアリール基又はヘテロシクリル基と縮合した基も含む。シクロアルキル基は、場合により本明細書に開示するような基によって置換される場合もある。特定の態様において、アルケニル基は、ハロ、低級アルコキシヒドロキシル、シアノ、ニトロ、チオ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、サルフェート、スルホキシド、置換カルボキシル、ハロゲン化低級アルキル(例えば、CF)、ハロゲン化低級アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルボニルオキシ、低級アルキルカルボニルアミノ、及びアリール等の1〜5個の置換基によって置換される。
【0119】
「シクロアルケニル」という用語は、約2〜15個の炭素原子、1つ以上の炭素−炭素二重結合、及び1個、2個、3個又は4個の環(このような環は、ペンダント型で結合している場合もあれば、縮合している場合もある)を含む基を指す。本発明の特定の態様において、シクロアルケニル基は、3〜7個の炭素原子を有する「低級シクロアルケニル」基であり、具体的にはシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニルである。シクロアルケニル基は、場合により本明細書に開示するような基によって置換される場合もある。
【0120】
「シクロアルキニル」という用語は、環状のアルキニル基を指す。
【0121】
「シクロアルコキシ」という用語は、オキシ基に結合したシクロアルキル基を指す。シクロアルコキシ基の例としては、シクロヘキソキシ及びシクロペントキシが含まれる。シクロアルコキシ基は、場合により本明細書に開示するような基によって置換される場合もある。
【0122】
「アリール」という用語は、単独で、又は組み合わせて、1個、2個又は3個の環(このような環は、ペンダント型で結合している場合もあれば、縮合している場合もある)を含む炭素環式芳香族系を指す。「縮合した」という用語は、第一の環と共通の、又は第一の環と共有の、2つの隣接する原子を有することにより、第二の環が存在している(即ち、結合又は形成されている)ことを意味する。「アリール」という用語は、例えばフェニル、ナフチル、インデニル、ベンゾシクロオクテニル、ベンゾシクロヘプテニル、ペンタレニル、アズレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、アセフチレニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、及びアントラセニル等の芳香族基が含まれるが、これらに限定されない。アリール基は、場合により本明細書に開示するような基、例えばヒドロキシル、アルキル、カルボニル、カルボキシル、チオール、アミノ、及び/又はハロによって置換される場合がある。置換アリール基の例としては、フェニル、クロロフェニル、及びアミノフェニル等が含まれる。
【0123】
「アリールオキシ」という用語は、酸素原子に結合した上記と同義のアリール基を指す。アリールオキシ基の例としては、ナフチルオキシ、キノリルオキシ、イソキノリジニルオキシ等が含まれる。
【0124】
本明細書で使用される「アリールアルコキシ」という用語は、アルコキシ基に結合したアリール基を指す。アリールアルコキシの代表例としては、2−フェニルエトキシ、3−ナフト−2−イルプロポキシ、及び5−フェニルペンチルオキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0125】
「アロイル」という用語は、本明細書で定義されたカルボニル基に結合した、上記と同義のアリール基を示し、アロイルとしては、ベンソイル及びトルオイル等が含まれるが、これらに限定されない。
アロイル基は、場合により本明細書に定義されるような基で置換されていてもよい。
【0126】
「ヘテロアリール」という用語は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から選択される5〜15個の環員を有する、少なくとも1つの環原子がヘテロ原子である、完全不飽和ヘテロ原子含有環状芳香族基を指す。ヘテロアリール基は、1つ、2つ又は3つの環を含んでもよく、その環はペンダント状に結合していてもよいし、又は縮合していてもよい。「ヘテロアリール」基の例としては、1〜4個の窒素原子を含む不飽和の5〜6員の単環式複素環基、具体的にはピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル等;1〜5個の窒素原子を含む不飽和縮合複素環基、具体的にはインドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル等;酸素原子を含む3〜6員の不飽和単環式複素環基、具体的には2−フリル、3−フリル等;硫黄原子を含む5〜6員の不飽和単環式複素環基、具体的には2−チエニル、3−チエニル等;酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含む5〜6員の不飽和単環式複素環基、具体的にはオキサゾリル、イソオキサゾリル、及びオキサジアゾリル;1〜2個の酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合複素環基、具体的にはベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル等;1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含む5〜6員の不飽和単環式複素環基、例えば、チアゾリル、チアジアゾリル等;1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含む5〜6員の不飽和縮合複素環基、例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル等が含まれるが、これらに限定されない。本用語は又、複素環基がアリール基、具体的には二環基(例えば、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等)と縮合している基も含む。ヘテロアリール基は、場合により本明細書に定義されるような基(例えばヒドロキシル、アルキル、カルボニル、カルボキシル、チオール、アミノ、及び/又はハロ)で置換されていてもよい。
【0127】
「複素環」という用語は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子から選択される約5〜15個の環員を有する、少なくとも1つの環原子がヘテロ原子である、飽和又は部分的に飽和ヘテロ原子含有環状芳香族基を指す。複素環基は、1つ、2つ又は3つの環を含んでもよく、その環はペンダント状に結合していてもよいし、又は縮合していてもよい。飽和複素環基の例としては、1〜4個の窒素原子を含む3〜6員の飽和単環式複素環基(例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、及びピペラジニル);1〜2個の酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含む3〜6員の飽和単環式複素環基(例えば、モルホリニル);1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含む3〜6員の飽和単環式複素環基(例えば、チアゾリジニル)等が含まれるが、これらに限定されない。部分的に飽和した複素環基の例としては、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、及びジヒドロチアゾールが含まれるが、これらに限定されない。例示的な複素環基としては、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニル、1,3−ジオキソラニル、2H−ピランイル、4H−ピランイル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、1,4−ジチアニル、チオモルフォリニル等が含まれるが、これらに限定されない。複素環基は、場合により本明細書に定義されるような基(例えばヒドロキシル、アルキル、カルボニル、カルボキシル、チオール、アミノ、及び/又はハロ)で置換されていてもよい。
【0128】
「サルフェート」という用語は、単独又は他の用語と結合して使用され、当該技術分野で認識されており、以下の化学式であって:
【0129】
【化11】

式中、Rが、電子対、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、複素環系、炭水化物、ペプチド又はペプチド誘導体である、
化学式で表されてもよい基を含む。
【0130】
「スルホニル」という用語は、単独で、又はアルキルスルホニル又はアリールスルホニル等のように他の用語と結合して使用され、二価の基−SO−を指す。本発明の態様において、R、R、R、R又はRの1つ以上が、スルホニル基の場合、スルホニル基は、置換又は非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、複素環基、炭水化物、ペプチド、又はペプチド誘導体と結合し得る。
【0131】
「スルホン酸エステル」という用語は、当該技術分野で認識されており、以下の化学式であって:
【0132】
【化12】

式中、Rが、電子対、水素、アルキル、シクロアルキニル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環系、炭水化物、ペプチド又はペプチド誘導体である、
化学式によって表される基を含む。
【0133】
スルホン化アルキル基の例としては、エチル硫酸、エタンスルホン酸、2−アミノエタン−1−オール硫酸、1−プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、1,2−ジエタンジスルホン酸、1,2−エタンジオール二硫酸、1,3−プロパンジスルホン酸、1−プロパノール硫酸、1,3−プロパンジオール二硫酸、1−ブタンスルホン酸、1,4−ブタンジオール二硫酸、1,2−エタンジオール二硫酸、3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸サルフェート、1,4−ブタンスルホン酸、1,4−ブタンジオール一硫酸、1−ペンタンスルホン酸、1,5−ペンタンジスルホン酸、1,5−ペンタンジオール硫酸、4−ヘプタンスルホン酸、1,3,5−ヘプタントリオールトリサルフェート、2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールトリサルフェート、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオールトリサルフェート、1,3,5,7−ヘプタンテトラオールテトラサルフェート、1,3,5,7,9−ノナンペンタサルフェート、1−デカンスルホン酸、及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0134】
シクロアルキルスルホン化された基の例としては、1,3−シクロヘキサンジオールジサルフェート、1,3,5−ヘプタントリオールトリサルフェートが含まれる。
【0135】
アリールスルホン化された基の例としては、1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−1−ナフタレンスルホン酸、3,4−ジアミノ−1−ナフタレンスルホン酸、及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0136】
複素環式スルホン化された化合物の例としては、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、及びテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド−3,4−ジスルホン酸、及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0137】
スルホン化炭水化物の例としては、スクロースオクタスルホネート、5−デオキシ−1,2−O−イソプロピリデン−α−D−キシロフラノース−5−スルホン酸又はそのアルカリ土類金属塩、メチル−α−D−グルコピラノシド2,3−ジサルフェート、メチル−4−O−ベンジリデン−α−D−グルコピラノシド2,3−ジサルフェート、2,3,4,3’,4’−スクロースペンタサルフェート、1,3:4,6−ジ−O−ベンジリデン−D−マンニトール−2,5−ジサルフェート、D−マンニトール−2,5−ジサルフェート、2,5−ジ−O−ベンジル−D−マンニトールテトラサルフェート、及びその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0138】
「スルフィニル」という用語は、単独で、或いはアルキルスルフィニル(即ち、−S(O)−アルキル)又はアリールスルフィニル等のように他の用語と結合して使用され、二価の基−S(O)−を指す。
【0139】
「スルホキシド」という用語は、基−S=Oを指す。
【0140】
「スルフェニル」又は「スルファニル」という用語は、基SR(この場合、Rはが水素ではない)を指す。Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、シリル、複素環基、ヘテロアリール、カルボニル、又はカルボキシルであってもよい。
【0141】
「アミノ」という用語は、単独で又は組み合わせて、窒素原子が、水素ヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、又はシリルと一般的な化学式−NR1011(式中、R10及びR11は、水素ヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シリル、ヘテロアリール、又は複素環の組み合わせであってよく、これらは置換される場合もあれば、置換されない場合もある)との任意の組み合わせである3つの置換基に結合している基を指す。場合により、窒素原子上の1つの置換基はヒドロキシルアミンとして知られるアミンを提供するためのヒドロキシル基(−OH)であってもよい。アミノ基の具体的な例としては、アミノ(−NH)、アルキルアミノ、アシルアミノ、シクロアミノ、アシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、及び低級アルキルシリルアミノ、具体的にはメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、2−プロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、シクロプロピルアミノ、ベンジルアミノ、アリルアミノヒドロキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ピペリジン、ベンジルアミノ、ジフェニルメチルアミノ、トリチルアミノ、トリメチルシリルアミノ、及びジメチル−tert−ブチルシリルアミノが含まれる。
【0142】
「チオール」という用語は−SHを意味する。
【0143】
「チオアルキル」という用語は、単独で又は組み合わせて、硫黄原子(S)がアルキル基に結合している化学官能基を示し、これは置換される場合がある。チオアルキル基の例としては、チオメチル、チオエチル、及びチオプロピルが含まれる。
【0144】
「チオアリール」という用語は、単独で又は組み合わせて、硫黄原子(S)が、一般化学式−SR12(式中、R12は置換される場合があるアリール基である)のアリール基に結合している化学官能基を指す。チオアリール基及び置換チオアリール基の具体的な例としては、チオフェニル、パラ−クロロチオフェニル、チオベンジル、4−メトキシ−チオフェニル、4−ニトロ−チオフェニル、及びパラ−ニトロチオベンジルが含まれる。
【0145】
「チオアルコキシ」という用語は、単独で又は組み合わせて、硫黄原子(S)が一般化学式−SR13(式中、R13は置換される場合があるアルコキシ基である)のアルコキシ基に結合している化学官能基を指す。本発明の態様において、「チオアルコキシ基」は、1〜6個の炭素原子を有し、−S−(O)−C−Cアルキル基(式中、C−Cアルキルは上記と同義の意味を持つ)を指す。C−Cチオアルコキシとしても知られる、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状のチオアルコキシ基の具体的な例としては、チオメトキシ及びチオエトキシが含まれる。
【0146】
「カルボニル」という用語は、4つの共有結合の内の2つを酸素原子と共有する炭素基を指す。
【0147】
「カルボキシル」という用語は、単独で又は組み合わせて、−C(O)OR14−(式中、R14は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合がある)を指す。本発明の態様において、カルボキシル基はエステル型の形態であり、エステル化する基として低級アルキル基を含む場合がある。本発明の特定の態様において、カルボキシル基は、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−アルコキシカルボニル(例えば、tert−ブトキシカルボニル)、アリールメトキシカルボニル(場合により例えば、低級アルキル、低級アルコキシヒドロキシル、ハロ、及び/又はニトロで置換されるフェニル等の1つ又は2つのアリール基を有するがこれらに限定されない)、例えば、ベンジルオキシカルボニル、メトキシベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニル、2−ヨードエトキシカルボニル−tertーブチルカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシ−カルボニル、ベンズヒドロキシカルボニル、ジ−(4−メトキシフェニル−メトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニル、2−ヨードエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、又は2−トリフェニルシリルエトキシカルボニル等、である。エステル型の形態の更なるカルボキシル基は、有機シリルオキシカルボニル等のシリルオキシカルボニル基である。このような化合物におけるケイ素置換基は、低級アルキル(例えば、エチル)、アルコキシ(例えば、メトキシ)、及び/又はハロ(例えば、塩素)によって置換される場合がある。ケイ素置換基の例としては、トリメチルシリル、及びジメチル−tert−ブチルシリルが含まれる。
【0148】
「カルボン酸エステル」という用語は、単独で又は組み合わせて、−C(O)OR21(式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある)を指す。特定の実施形態において、−C(O)OR21は、エステル又はアミノ酸誘導体である。
【0149】
「カルボキサミド」という用語は、単独で又は組み合わせて、カルボニル基の2つの非共有結合の1つに結合された、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、モノシクロアルキルアミノ、アルキルシクロアルキルアミノ、及びジシクロアルキルアミノ基、或いは窒素原子を含む複素環基を指す。
【0150】
「カルバモイル」という用語は、官能基−N(CO)O−であって、式中、窒素原子又は酸素原子の何れかが、置換シクロヘキサン基に結合してもよく、もう一方が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、シクロアルキルにより一置換又は二置換(窒素原子の場合のみ)されているか、又は窒素原子が複素環の環員であってもよい、官能基を指す。
【0151】
「ニトロ」という用語は、−NO−を意味する。
【0152】
「アシル」という用語は、単独で又は組み合わせて、例えば、場合により置換される、ヒドリド、アルキル(例えば、ハロアルキル)、アルケニル、アルキニル、アルコキシ(「アルコキシ」は、アセチルオキシ、ブチリルオキシ、イソーバレリルオキシ、フェニルアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシベンゾイルオキシ、及びアルコキシアルキル及びハロアルコキシ等の置換されるアルコキシを含む)、アリール、ハロ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、スルフィニル(例えば、アルキルスルフィニルアルキル)、シクロアルキル、シクロアルケニル、チオアルキル、チオアリール、アミノ(例えば、アルキルアミノ又はジアルキルアミノ)、及びアラルコキシ、から選択される基に結合したカルボニル基又はチオカルボニル基を意味する。「アシル」基の例示的な例としては、ホルミル、アセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、フタロイル、マロニル、ニコチニル等が含まれる。
【0153】
本明細書において、「アルキル」、「アルコキシ」、「アルケニル」、「アルキニル」、「ヒドロキシル」等の基に使用される用語は、非置換及び置換基の両方を指す。本明細書及び特許請求の範囲で使用される「置換される」という用語は、特定の原子上の任意の1つ以上の部分(例えば、水素原子)が、本明細書に開示する群から選ばれたものによって置換されていることを意昧する。但し、その特定の原子の標準原子価は超過せず、又この置換は安定した化合物をもたらすものとする。置換基及び/又は基の組み合わせが許容されるのは、このような組み合わせの結果として安定した化合物が得られる場合だけである。「安定した化合物」とは、反応混合物から有用な程度の純度にまで単離し、そして有効な治療剤へ製剤化することに耐え得る十分に堅牢な化合物を指す。
【0154】
化学式Iの化合物の基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカノイル、アルキレン、アルケニレン、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキレン、ハロアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、アルキルアリール、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、複素環、ヘテロアリール、スルホニル、スルフェニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、アルキルスルフィニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、アミノ、オキシ、ハロ、アジド、チオ、シアノヒドロキシル、ホスホネート、ホスフィネート、チオアルキル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールスルホニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールオキシアルキル、アリールアセトアミドイル、アリールオキシ、アロイル、アラルカノイル、アラルコキシ、アリールオキシアルキル、ハロアリールオキシアルキル、ヘテロアロイル、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルコキシアルキル、チオアリール、アリールチオアルキル、アルコキシアルキル、及びアシル基等を含むがこれらに限定されない、当業者に明らかな1つ以上の置換基によって置換される場合がある。
【0155】
「疾患」とは、1つ以上の病態学的症状、又はシクロヘキサンヘキサオール、特にscyllo−イノシトール化合物が治療効果を提供する症候群を指す。「疾患」は、異常なタンパク質の折りたたみ又は凝集、或いは異常なアミロイドの形成、沈着、蓄積、残存、又はアミロイド脂質相互作用を特徴とする病態を含む。本発明の態様において、本用語は、Aβアミロイド、AAアミロイド、ALアミロイド、IAPPアミロイド、PrPアミロイド、α−ミクログロプリンアミロイド、トランスチレチン、プレアルブミン、及びプロカルシトニンからなる群、特にAβアミロイド及びIAPPアミロイドからなる群から選択されるアミロイドタンパク質を含む、アミロイド又はアミロイド原線維の形成、沈着、蓄積又は残存に関連する病態を指す。「疾患」は、異常に凝集したタンパク質を分離すること、並びに/或いは、既に形成された、又は既に沈着したアミロイド又はアミロイド原線維を溶解又は破壊することが望ましいような病態であってもよい。
【0156】
本発明の特定の態様において、疾患はアミロイドーシスである。「アミロイドーシス」とは、アミロイドと呼ばれる、同様の特性を有する幾つかの異なる種類のタンパク質原線維の1つの蓄積を特徴とする、後天性の、又は遺伝に起因する種々の疾患群を指す。アミロイドは、1つの器官に蓄積するか、又は身体中に分散し得る。疾患は、心臓、脳、腎臓、及び消化管等、影響を受ける領域において、深刻な問題の原因と成り得る。アミロイドの沈着物の原線維組成物は、種々のアミロイド疾患の特徴的な特性である。主にβアミロイドペプチド(β−AP)の原線維で構成された脳内及び脳血管性の沈着物は、アルツハイマー病(家族性及び散発性の両方の形態)の主要な特徴であり、膵島アミロイドタンパク質ペプチド(IAPP;アミリン)は、II型糖尿病に関連する膵島細胞アミロイドの沈着物の原線維の特徴であり、β−2−ミクログロブリンは、長期血液透析治療の結果として形成されるアミロイドの沈着物の主要成分である。プリオン関連疾患(例えば、クロイツフェルト−クロイツフェルト−ヤコブ病、スクレピー、ウシ海綿状脳炎等)は、プリオンタンパク質のプロテアーゼ耐性形態の蓄積を特徴とする。
【0157】
特定の障害は、原発性アミロイドーシスであると考えられているが、先在疾患又は合併疾患としての証拠がない。原発性アミロイドーシスは、通常、「アミロイド軽鎖型」(AL−タイプ)タンパク質原線維の存在を特徴とする。続発性アミロイドーシスには、潜在的な慢性炎症性又は感染症による病状(例えば、慢性関節リウマチ、若年性慢性関節炎、強直性脊椎炎、乾癬、成人スチル病、ベーチェット症候群、クローン病、慢性の微生物感染(例えば、頭蓋骨骨髄炎、結核、及びハンセン病等)、悪性新生物(ホジキンリンパ腫、腎癌、並びに腸、肺、及び尿生殖路の癌、基底細胞癌、線毛細胞癌)等)がある。続発性アミロイド症は、血清アミロイドAタンパク質(ApoSSA)に由来するAAタイプの原線維の沈着を特徴とする。族遺伝性アミロイドーシスは、ATTRトランスサイレチンタイプのニューロパシーであるか、腎又は心臓血管の沈着物に関連している場合があり、それらは異なったアミロイド成分を有する他の症候群を含む(例えばAA原線維を特徴とする家族性地中海熱)。アミロイドーシスの他の形態は、しばしば腫瘍のような、摘出臓器に見出される沈着物で特徴付けられた病巣を含む。更に、アミロイドーシスは老化に関連しており一般的に、心臓又は脳におけるプラーク形成を特徴とする。アミロイドーシスは、成人発症の糖尿病等全身性疾患、長期血液透析や慢性炎又は形質細胞疾患の結果による併発症を含む。
【0158】
本発明の態様において、本発明の化合物、組成物、及び方法を使用して処置及び/又は予防が可能なアミロイド疾患としては、アルツハイマーの疾患、ダウン症候群、ボクサー痴呆、多系統萎縮症、封入体筋炎、オランダ型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、ニーマン・ピック病C型、脳内βアミロイド血管障害、皮質基質変性に付随した認知症、II型糖尿病のアミロイドーシス、慢性炎のアミロイドーシス、悪性腫瘍と家族性地中海熱のアミロイドーシス、多発性骨髄腫アミロイドーシス、B細胞性障害、じんま疹及び聴覚障害を伴うネフロパシー(マックル−ウェルズ症候群)、全身性炎症性疾患に関連したアミロイドーシス、骨髄腫に関連した特発性な原発性アミロイドーシス、又はマクログロブリン血症;免疫細胞障害に関連したアミロイドーシス;モノクローナル高ガンマグロブリン血症;潜在的疾患;慢性炎症性疾患に関連した局部小結節性アミロイドーシス;幾つかの免疫細胞障害に関連したアミロイドーシス;家族性アミロイドポリニューロパチー;アミロイドーシスアルツハイマー病及び他の神経変性疾患を伴う遺伝性脳出血、慢性血液透析とインシュリノーマに関連したアミロイドーシス、プリオン病のアミロイドーシス、(伝達性海綿状脳症プリオン病)、クロイツフェルト−ヤコブ病、ゲルストマン−シュトロイスラー症候群、クールー病、スクレピー、手根管圧迫症候群に関連したアミロイドーシス、老人性の心臓アミロイドーシス、家族性アミロイド多発性神経障害、内分泌腫瘍に関連したアミロイドーシス、特にアルツハイマー病及びII型糖尿病が含まれるが、これらに限定されない。
【0159】
本発明の態様において、本発明の化合物、組成物、及び方法を使用して処置及び/又は予防が可能な疾患には、β−プリーツシート、原線維、及び/又は、凝集物又はオリゴマー中のタンパク質、タンパク質フラグメント、及びペプチドの堆積をもたらす、中枢神経系又は末梢神経系或いは全身の器官の病態が含まれる。具体的に疾患は、アルツハイマー病(初老性及び老人性の形態);アミロイド血管症;軽度認識障害;アルツハイマー病関連の認知症(例えば、血管性認知症又はアルツハイマー型痴呆);タウオパチー(例えば、好銀性顆粒疾患、大脳皮質基底核変性症、ボクサー痴呆、カルシウム沈着を伴うびまん性神経原線維濃縮体、パーキンソン症候群を伴う前頭側頭認知症、プリオン関連の疾患、ハレルフォルデン−スパッツ病、筋緊張性の栄養障害、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアマニアン運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソン病、大脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎、及びタングルのみの認知症)、α−シヌクレイノパシー(例えば、レビー小体型認知症)、膠細胞細胞質封入体を伴う多系統萎縮症、シャイ−ドレーガー症候群、脊髄小脳失調(例えば、マッカード−ジョセフ病);線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、脳内鉄蓄積I型を伴う神経変性、きゅう覚不全、及び筋萎縮側索硬化症);パーキンソン病(例えば、家族性又は非家族性の);筋萎縮側索硬化症;痙性対麻痺(例えば、シャペロン及び/又はAAAタンパク質の機能低下と関連のある);ハンチントン舞踏病、脊髄小脳失調、フリードリッヒ運動失調;ポリグルタミン、ポリアラニン、又は対応遺伝子の中のトリ−又はテトラ−ヌクレオチドエレメントの病理学的な伸長から生じる他の繰り返しを伴う、細胞内及び/又は神経細胞内のタンパク質凝集物に関連した神経変性疾患;脳血管障害;ダウン症候群;外傷後のアミロイドの沈着βペプチドを伴う頭部損傷;プリオン関連疾患(クロイツフェルト−ヤコブ病、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー病、及び変異型クロイツフェルト−ヤコブ病);家族性英国型痴呆症;家族性デンマーク型痴呆症;痙性失調症を伴う初老期痴呆症;脳のアミロイド血管症、英国型;痙性失調症を伴う初老期痴呆;脳のアミロイド血管症、デンマーク型;ニューロセルピン封入体(FENIB)を伴う家族性痴呆症;アミロイドポリニューロパチー(例えば、老人性アミロイド多発性神経障害又は全身性アミロイドーシス);アミロイドβペプチドによる封入体筋肉炎;家族性及びフィンランド型アミロイドーシス;多発性骨髄腫に関連した全身性アミロイドーシス;家族性発作性漿膜炎;慢性感染症及び炎症;並びに膵島アミロイドポリペプチド(IAPP)に関連したII型糖尿病、である。
【0160】
本発明の選択された態様において、疾患はニューロン性障害である(例えば、アルツハイマー病、ダウン症、パーキンソン病、舞踏病ハンチントン、病原性の精神病性の病態、統合失調症、食物摂取減少障害、睡眠−覚醍、エネルギー代謝の恒常的制御障害、自律神経機能失調症、ホルモン平衡、調節障害、体液、高血圧症、発熱病、睡眠調節異常、神経性無食欲症、鬱病等の不安に関連する疾患、てんかん等の発作、退薬とアルコール依存症、認知機能不全及び認知症等の障害)。
【0161】
本発明の特定の選択された態様において、疾患は、アルツハイマー病、認知症、MCI、ハンチントン病、パーキンソン病、筋萎縮側索硬化、てんかん、ピック病、及び本明細書に開示した他の同様の疾患及び障害のような疾患と障害を含む神経変性疾患又は神経変性障害である。
【0162】
又、本発明の化合物は、α−シヌクレイン/NAC原繊維形成を阻害又は予防する役割、α−シヌクレイン/NAC成長を阻害又は予防する役割を果たし、並びに/或いは以前に形成されたα−シヌクレイン/NAC原繊維及びα−シヌクレイン/NAC原繊維関連のタンパク質沈着物の分解、破壊、及び/又は分解を誘発する。本発明の化合物又は組成物による処置に適したシヌクレイン病又はシヌクレイノパシーの例としては、シヌクレイン原線維、具体的にはα−シヌクレイン原線維の形成、堆積、蓄積又は残存に関連した疾患であり、パーキンソン病、レビー体型認知症、多系統萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、脳内鉄蓄積I型を伴う神経変性、嗅覚性機能不全、グアムの筋萎縮性側索硬化症を含むが、これらに限定されない。
【0163】
本発明の態様において、疾患は、神経フィラメント及び/又はスーパーオキシドジスムターゼタンパク質の糸条物及び凝集物を伴う運動ニューロン疾患、シャペロンの機能低下、及び/又はAAAタンパク質に関連した痙性対麻痺及び脊髄小脳失調は、DRPLA又はマッカード−ジョセフ病である。
【0164】
他の態様において、疾患は、クロイツフェルト−ヤコブ病、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー病、変異型クロイツフェルト−ヤコブ病を含むプリオン病、及び老人性アミロイドポリニューロパシ又は全身性アミロイドーシスを含むアミロイドポリニューロパチーである。
【0165】
一実施形態において、疾患は、家族性型及び非家族性型のアルツハイマー病又はパーキンソン病である。本発明の特定の実施形態において、疾患はアルツハイマー病である。
【0166】
本発明の特定の態様において、疾患は、アミロイド形成性タンパク質又はペプチドによるマクロファージの存在に起因する炎症プロセスを特徴とする場合がある。本発明の方法は、マクロファージ活性化の阻害及び/又は炎症プロセスの阻害を伴う場合がある。方法は、罹患体においてマクロファージの侵入又は炎症の経過又は程度を軽減、遅延、あるは元に戻すことを含む場合がある。
【0167】
疾患は、本発明の化合物によって破壊又は分離できる分子相互作用に関連した病態である場合がある。「本発明の化合物によって破壊又は分離できる分子相互作用」は、アミロイドタンパク質とタンパク質又は糖タンパク質を含む相互作用を含む。アミロイドタンパク質を含む相互作用は、アミロイドタンパク質−アミロイドタンパク質相互作用、アミロイド−プロテオグリカン相互作用、アミロイド−プロテオグリカン/グリコサミノグリカン(GAG)相互作用、及び/又はアミロイドタンパク質−グリコサミノグリカン相互作用を含む。相互作用タンパク質は、細胞表面のタンパク質、分泌されたタンパク質又は細胞外タンパク質であってもよい。
【0168】
本発明の化合物又は組成物を使用により処置又は阻害されてもよい疾患としては、アミロイドタンパク質を含む分子相互作用及びタンパク質又は糖タンパク質を含む化合物の相互作用の崩壊又は溶解により恩恵を受ける疾患等が含まれる。本発明の化合物を使用して処置又は阻害されてもよい疾患の例としては、細菌疹、ウイルス、プリオン、及び糸状菌によって引き起こされた感染症が含まれる。このような障害及び/又は疾患の例としては、単純ヘルペスウイルス、偽狂犬病ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、百日咳菌、トラコーマクラミジア、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ;ライム病ボレリア、ナイセリア−ゴノレエ、結核菌、黄色ブドウ球菌、ストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・スイス、熱帯マラリア病原虫、アマゾンリーシュマニア、クルーズトリパノソーマ、リステリア菌、マイコプラズマ肺炎菌、腸管毒素原性大腸菌、尿路病原性大腸菌、及び緑膿菌等が含まれる。
【0169】
「相互作用」又は「相互作用する」という用語は、タンパク質や、脂質、炭水化物、ヌクレオチド等の他の分子、及び他の細胞代謝産物との間の物理的関連性を指す。相互作用の例としては、タンパク質−タンパク質相互作用等が含まれる。これらの用語は、生理的条件下における、例えば、静電性、疎水性、イオン性、及び/又は水素結合相互作用に起因する2つの分子間の好ましくは安定的関連性を意味する。特定の相互作用分子又は関連分子は、それらの1つ以上が活性化(例えば、リン酸化)された後にしか相互作用しない。タンパク質類と他の細胞分子の間の相互作用は、直接的又は間接的であってもよい。
【0170】
化合物
本発明は、化学式Iの単離された、具体的には純粋な、より具体的には実質的に純粋な化合物であって、式中、Xが、scyllo−イノシトール又はその立体配置異性体の基であり、R、R、R、R、R及びRの1つ以上、又は2つ以上、或いは3つ以上が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R、R又はRの残りがヒドロキシルであるが、但し(a)R、R、R、R、R及びRの1つがアルキル又はフッ素原子である場合に、R、R、R、R、R及びRの残りの4つ以下がヒドロキシルであり、(b)R、R、R、R、R及びRの1つがアミノ又はアジドである場合に、R、R、R、R、R及びRの4つ以下がヒドロキシルであり、(c)R、R、R、R、R及びRの2つがアミノである場合に、R、R、R、R、R及びRの3つ以下がヒドロキシルであり、(d)R、R、R、R、R及びRがイソプロピリデンではないことを条件とする、化合物を提供する。
【0171】
一態様において、本発明は、化学式IIの単離された、具体的には純粋な、より具体的には実質的に純粋な化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの1つ以上、2つ以上、或いは3つ以上が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルホネート、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R、R又はRの残りがヒドロキシルであるが、但し(a)R、R、R、R、R及びRの1つがアルキル又はフッ素原子である場合に、R、R、R、R、R及びRの残りの4つ以下がヒドロキシルであり、(b)R、R、R、R、R及びRの1つが、アミノ又はアジドである場合に、R、R、R、R、R及びRの3つ以下がヒドロキシルであり、(c)R、R、R、R、R及びRの2つがアミノである場合に、R、R、R、R、R及びRの3つ以下がヒドロキシルであり、(d)R、R、R、R、R及びRがイソプロピリデンではないことを条件とする、化合物を提供する。
【0172】
本発明の態様において、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの1つ以上、2つ以上又は3つ以上が、独立して、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルホネート、スルホキシド、サルフェート、ニトロ、シアノ、イソシアナート、チオアリール、チオアルコキシ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、Cl、I、Br、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R、R又はRの残りがヒドロキシルである、化合物が提供される。
【0173】
本発明の別の態様においては、化学式Iの化合物であって、式中、Rが、エクアトリアル位においてヒドロキシルであり、R、R、R、R及びRの少なくとも1つ、2つ、3つ又は4つが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルフェニル、スルホニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R及びRの残りがヒドロキシルである、化合物が提供される。
【0174】
本発明の別の態様においては、化学式Iの化合物であって、式中、Rが、エクアトリアル位においてヒドロキシルであり、R、R、R、R及びRの少なくとも2つが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R及びRの残りがヒドロキシルである、化合物が提供される。
【0175】
特定の態様においては、化学式Iの化合物であって、式中、Rが、エクアトリアル位においてヒドロキシルであり、R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つ、2つ、3つ又は4つが、独立して、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、ニトロ、シアノ、ニトロ、シアノ、イソシアナート、Cl、Br、I、アシルオキシ、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルホネート、スルホキシド、サルフェート、チオアルコキシ、チオアリール、カルボキシル、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R及びRの残りがヒドロキシルである、化合物が提供される。
【0176】
更なる態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの2つがヒドロキシルであり、R、R、R、R、R及びRの残りの2つ以上が、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、又はアシルオキシ、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、アミノ、イミノ、シアノ、イソシアナート、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、ハロ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、及びカルボキサミドである、化合物を提供する。
【0177】
更なる態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの2つがヒドロキシルであり、R、R、R、R、R及びRの残りの3つ以上が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、アジド、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドである、化合物を提供する。
【0178】
更なる態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの2つがヒドロキシルであり、R、R、R、R、R及びRの残りの1つ、2つ又は4つが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドである、化合物を提供する。
【0179】
更なる態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの3つがヒドロキシルであり、R、R、R、R、R及びRの残りの1つ、2つ又は3つが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドである、化合物を提供する。
【0180】
更なる態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの3つがヒドロキシルであり、R、R、R、R、R及びRの残りの1つ、2つ又は3つが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドである、化合物を提供する。
【0181】
更なる態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R及びRの4つがヒドロキシルであり、R、R、R、R及びRの残りの1つ又は2つが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルホネート、スルフェニル、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、アジド、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドである、化合物を提供する。
【0182】
本発明の特定の態様においては、化学式Iの化合物であって、式中、R、R、R、R及びRがヒドロキシルであり、Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、アジド、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R及びR残りがヒドロキシルである、化合物が提供される。一実施形態において、Rは、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、イミノ、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルホキシド、サルフェート、チオアルコキシ、チオアリール、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド、具体的にはアルコキシ、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルホキシド、サルフェート、チオアルコキシ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドからなる群から選択される。
【0183】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの2つ、3つ、4つ又は5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、置換アルキル、又はシクロアルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
【0184】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの2つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
【0185】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの3つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
【0186】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの4つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
【0187】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
【0188】
本発明の上記の実施形態の選択された化合物において、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つは−OR20であり、式中、R20は、−CF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又はシクロプロピルである。
【0189】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R、及びRはヒドロキシルであり、Rは−OR20であり、式中、R20は、CF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又はシクロプロピルである。
【0190】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは、−OR20であり、式中、R20は、CF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又はシクロプロピルである。
【0191】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは、−OR20であり、式中、R20は、CF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又はシクロプロピルである。
【0192】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは−OR20であり、式中、R20は、CF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又はシクロプロピルである。
【0193】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは−OR20であり、式中、R20は、CF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又はシクロプロピルである。
【0194】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ、アルキル、又は置換アルキルで、具体的にはアルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、アルキルハロ、ハロアルキルハロ、アルキルハロアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はシクロアルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、より具体的にはCF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又は3〜4員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは−OR20であり、式中、R20は、CF、CFCF、CFCH、CHNO、CHNH、C(CH、又はシクロプロピルである。
【0195】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの2つ、3つ、4つ又は5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはカルボン酸エステルである。本発明の態様において、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つは、−C(O)OR21であり、式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある。
【0196】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの2つがヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つは、カルボン酸エステルである。
【0197】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの3つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つは、カルボン酸エステルである。
【0198】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの4つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つは、カルボン酸エステルである。
【0199】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りはカルボン酸エステルである。
【0200】
本発明のこれらの実施形態の選択された態様において、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つは、−C(O)OR21であり、式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある。
【0201】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、及びRがヒドロキシルであり、Rはカルボン酸エステルである。本発明の態様において、Rは、−C(O)OR21であり、式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある。
【0202】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはカルボン酸エステルである。本発明の態様において、Rは−C(O)OR21であり、式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある。
【0203】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはカルボン酸エステルである。本発明の態様において、Rは、−C(O)OR21であり、式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある。
【0204】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはカルボン酸エステルである。本発明の態様において、Rは−C(O)OR21であり、式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある。
【0205】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはカルボン酸エステルである。本発明の態様において、Rは−C(O)OR21であり、式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある。
【0206】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはカルボン酸エステルである。本発明の態様において、Rは、−C(O)OR21であり、式中、R21は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アミノ、チオール、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル、チオアリール、チオアルコキシ、又は複素環であり、これらは場合により置換される場合があり、具体的には1つ以上のアルキル、アミノ、ハロ、アルキルアミノ、アリール、カルボキシル、アリール、又は複素環で置換されるアルキルで置換される場合がある。
【0207】
特定の実施形態において、R21はアミノ酸誘導体又はエステル誘導体を提供するために選択される。本発明の好ましい実施形態において、R21は、
【0208】
【化13】

の1つである。
【0209】
態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、
式中、R、R、R、R、R又はRの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つが、それぞれ独立して、
(a)1〜24個の炭素原子、具体的には1〜10個又は1〜6個の炭素原子、を有するアルキル;
(b)3〜16個の炭素原子、具体的には3〜10個又は3〜6個の炭素原子、を有するシクロアルキル;
(c)2〜24個の炭素原子、具体的には2〜10個又は2〜6個の炭素原子を有するアルケニル;
(d)4〜16個の炭素原子、具体的には4〜10個又は4〜6個の炭素原子、を有するシクロアルケニル;
(e)4〜24個の炭素原子、具体的には4〜10個、4〜8個、又は6個の炭素原子を有するアリール;
(f)アラルキル、アルカリール、アラルケニル、又はアルケニルアリール;
(g)酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子からなる群から選択される少なくとも1つの原子を含む複素環基;
(h)1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、又はtert−ブトキシ、特にメトキシ;
或いは
(i)ハロ、具体的にはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子、特に塩素原子;
である、
化合物を提供する。
【0210】
一態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、Rがヒドロキシルであり、R、R、R、R又はRの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つが、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、イコシル、ドコシル, lシクロプロピル, シクロペンチル, シクロヘキシル, ビニル、アリル、プロペニル、オクタジエニル、 オクテニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、オクタデカジエニル、ノナデセニル、オクタデカトリエニル、アラキドニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエンイル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピリジル、フリル、又はチアゾリルである、化合物を提供する。
【0211】
特定の態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R又はRの1つ、2つ又は3つが、それぞれ独立して、−OR25であり、式中、R25が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミド又は炭水化物である、化合物を提供する。
【0212】
特定の態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R、R又はRの1つ、2つ又は3つが、それぞれ独立して、
【0213】
【化14】

であって、式中、R30が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、R、R、R、R、R又はRの残りがヒドロキシルである、化合物を提供する。
【0214】
本発明は、化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R及びRの少なくとも1つ、2つ、3つ又は4つがヒドロキシルであり、R、R、R、R及びRの残りが、アルキル、ハロ、アルコキシ、スルホニル、スルフィニル、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、又はカルボキシルである、化合物を提供する。
【0215】
本発明は、化学式I又はIIであって、式中、R、R、R、R、R又はRが、それぞれ独立して、F、N、NH、SH、NO、CF、OCF、SeH、Cl、Br、I、又はCNであるが、但し、R、R、R、R、R又はRの4つ又は5つがヒドロキシルであることを条件とする、化合物を提供する。
【0216】
本発明の特定の態様において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの1つ、より具体的にはRは、F、SeH、Cl、Br、I及びCNからなる群から選択される。
【0217】
本発明の他の特定の態様において、R、R、R、R、R又はRの4つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの2つは、F、−NO、SH、SeH、Cl、Br、I及びCNからなる群から選択される。
【0218】
本発明の更なる特定の態様において、R、R、R、R、R又はRの4つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りの2つは、低級アルキル、具体的にはメチル、エチル、ブチル、又はプロピルであり、好ましくはメチルである。
【0219】
本発明の更に特定の態様において、R、R、R、R、R又はRの4つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りの2つは、低級シクロアルキル、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、及びシクロペンチルである。
【0220】
本発明の更に特定の態様において、R、R、R、R、R又はRの1つ又は2つは、カルボキシル、カルバミル、スルホニル、又は窒素原子を含む複素環であり、具体的にはN−メチルカルバミル、N−プロピルカルバミル、N−シアノカルバミル、アミノスルホニル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、及びチアゾリルである。
【0221】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの2つ、3つ、4つ又は5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、又はtert−ブトキシである。
【0222】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの2つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、又はtert−ブトキシである。
【0223】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの3つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、又はtert−ブトキシである。
【0224】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの4つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。
【0225】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシであり、特にメトキシである。
【0226】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはメトキシである。
【0227】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはメトキシである。
【0228】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはメトキシである。
【0229】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはメトキシである。
【0230】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはメトキシである。
【0231】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはメトキシである。
【0232】
本発明の選択された実施形態において、本化合物は、メチル−scyllo−イノシトールであり、より具体的には表1の化合物ID260である。
【0233】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは置換アルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、アルキルで、具体的には低級アルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。
【0234】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、ハロ(例えば、フルオロ、クロロ、又はブロモ)で置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。特定の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、又はフルオロプロポキシである。
【0235】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、ハロアルコキシアルキルであり、具体的にはフルオロメトキシメチル、クロロメトキシエチル、トリフルオロメトキシメチル、ジフルオロメトキシエチル、又はトリフルオロエトキシメチルである。
【0236】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、及びRはヒドロキシルであり、Rは置換アルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、アルキルで、具体的には低級アルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。
【0237】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは置換アルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、アルキルで、具体的には低級アルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。
【0238】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは置換アルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、アルキルで、具体的には低級アルキルで置換される、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。
【0239】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは置換アルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、アルキルで、具体的には低級アルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。
【0240】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは置換アルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、アルキルで、具体的には低級アルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。
【0241】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは置換アルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的には、アルキルで、具体的には低級アルキルで置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。
【0242】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはハロ(例えば、フルオロ、クロロ、又はブロモ)で置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、又はフルオロプロポキシである。
【0243】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはハロ(例えば、フルオロ、クロロ、又はブロモ)で置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、又はフルオロプロポキシである。
【0244】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはハロ(例えば、フルオロ、クロロ、又はブロモ)で置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、又はフルオロプロポキシである。
【0245】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはハロ(例えば、フルオロ、クロロ、又はブロモ)で置換されるメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、又はフルオロプロポキシである。
【0246】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはハロ(例えば、フルオロ、クロロ、又はブロモ)で置換される、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、又はフルオロプロポキシである。
【0247】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはアルコキシであり、具体的には約1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり、より具体的にはハロ(例えば、フルオロ、クロロorブロモ)で置換される、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ、及びtert−ブトキシである。特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rは、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、又はフルオロプロポキシである。
【0248】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの2つ、3つ、4つ又は5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。
【0249】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの2つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。
【0250】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの3つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。
【0251】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの4つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、ヘテロアリール、複素環、アシル、アシルオキシ、スルホキシド、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルホネート、スルフィニル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、チオアルコキシ、チオアリール、ニトロ、シアノ、イソシアナート、ハロ、セレノ、シリル、シリルオキシ、シリルチオ、カルボキシル、カルボニル、カルバモイル、又はカルボキサミドであり、具体的にはアルキル、アミノ、イミノ、アジド、チオール、チオアルキル、ニトロ、チオアルコキシ、シアノ、又はハロであり、R、R、R、R、R又はRの少なくとも1つはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。
【0252】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、R又はRの5つはヒドロキシルであり、R、R、R、R、R又はRの残りはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。
【0253】
本発明の実施形態において、R、R、R、R、及びRはヒドロキシルであり、Rはハロであり、具体的にはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子であり、より具体的にはクロロである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R、及びRはヒドロキシルであり、Rはクロロである。
【0254】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはクロロである。
【0255】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはクロロである。
【0256】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはクロロである。
【0257】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはクロロである。
【0258】
本発明の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはハロであり、具体的にはフルオロ、クロロ、又はブロモであり、より具体的にはクロロである。本発明の特定の実施形態において、R、R、R、R及びRはヒドロキシルであり、Rはクロロである。
【0259】
本発明の選択された実施形態おいて、化合物は、表1に構造が示されている1−クロロ−1−デオキシ−scyllo−イノシトールである。
【0260】
本発明の化合物は更に、1種以上のポリマー、炭水化物、ペプチド、又はそれらの誘導体を含むがこれらに限定されない担体を含む場合もある。担体は、本明細書に記載の1つ以上のアルキル、アミノ、ニトロ、ハロゲン、チオール、チオアルキル、サルフェート、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、スルホキシド、ヒドロキシ基を含むがこれらに限定されない置換基で置換される場合がある。担体は、本発明の化合物に、直接的又は間接的に共有結合してよい。本発明の態様において、担体は、アラニン、グリシン、プロリン、メチオニン、セリン、トレオニン、又はアスパラギンを含むアミノ酸である。他の態様において、担体は、アラニル−アラニル、プロリル−メチオニル、又はグリシル−グリシルを含むペプチドである。
【0261】
担体は又、本発明の化合物を特定の生体組織又は臓器に標的化する分子も含む。具体的に、担体は、能動的又は受動的輸送の何れかによる本発明の化合物の脳への輸送を促進又は強化する場合がある。
【0262】
一実施形態において、本発明は化学式I又はIIの化合物であって、式中、R、R、R、R及びRの少なくとも1つが、場合により担体に直接的又は間接的に結合しているスルホネート基であり、具体的には炭水化物である、化合物を提供する。スルホン酸基の数は、有益効果を提供するように選択される場合がある。
【0263】
プロセス
本発明の化学式I又はIIの化合物は、当該知識、並びに実施例を含めた本出願の開示内容に関連がある当業者にとって一般的に既知の反応及び方法を使用して調製される場合がある。反応は、使用する試薬及び物質に適切であり、且つ生じさせる反応に好適な溶媒中で行われる。化合物に存在する官能基は、提案された反応手順と一致していなければならないことは、有機合成分野の当業者に理解されるであろう。これにより、本発明の所望の化合物を得るためには、合成手順の順序を変更するか、又は1つの特定のプロセススキームを別のものに優先して選択することが必要となることがある。合成経路の開発における別の重要な考慮事項に、本発明に記載の化合物に存在する反応性官能基の保護に使用される保護基の選択があることも認識されるであろう。当業者にとっての多くの選択肢が記載されている権威ある説明書は、Greene and Wuts(Protective Groups In Organic Synthesis, Wiley and
Sons, 1991)である。
【0264】
化合物又は本発明の調製で使用される出発物質及び試薬は、Aldrich Chemical Companny(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Bachem(米国カリフォルニア州トーランス)、Sigma(米国ミズーリ州セントルイス)、又はLancaster Synthesis Inc.(米国ニューハンプシャー州ウィンダム)等の民間の供給業者から入手可能であるか、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, vols.
1−17, John Wiley and Sons, New York, N.Y., 1991;Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds, vols. 1−5 and supps., Elsevier Science Publishers, 1989;Organic Reactions, vols. 1−40, John Wiley and Sons, New York, N.Y., 1991;March J.: Advanced Organic Chemistry, 4th ed., John Wiley and Sons, New York, N.Y.;及びLarock: Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, New York, 1989等の参考文献に記載の手順に従って当業者に周知の方法により調製される。scyllo−イノシトールを調製する特定のプロセスを開示した出版物としては、Husson, C., et al, Carbohyrate
Research 307 (1998) 163−165;及びSarmah, M. P. and Shashidar, M. S., Carbohydrate Research 338 (2003) 999−1001が含まれる。
【0265】
出発物質、中間体及び本発明化合物は、沈澱、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーー等ような従来の技法を使用して単離及び精製される場合がある。化合物は、物理定数及び分光学的方法、具体的にはHPLCを含めた従来の方法を使用して同定される場合がある。
【0266】
化学式I又はIIの化合物は、塩基性の性質であり、種々の無機酸及び有機酸と、多様で種々の塩を形成してよい。実際には、最初に化学式Iの化合物を反応混合物から薬学的に許容されない塩として単離し、その後、アルカリ試薬によって処理して遊離塩基性化合物に変換し、それに続いて、その遊離塩基を薬学的に許容される塩に変換するのが望ましい。本発明の塩基性化合物の酸付加塩は、塩基性化合物を、水性溶剤中或いはメタノール又はエタノール等の好適な有機溶媒中で、実質的に等量の選ばれた鉱酸又は有機酸で処理することにより容易に調製される。溶媒を慎重に蒸発させて、所望の固体の塩を得る。
【0267】
化学式I又はIIの化合物は、酸性の性質を有し、種々の薬学的に許容されるカチオンと共に塩基性塩を形成することができる。これらの塩は、従来の技法により、相当する酸性化合物を所望の薬学的に許容されるカチオンを含む水溶液で処理し、得られた溶液を、好ましくは減圧下で蒸発乾燥により乾固させて調製される場合がある。或いは、酸性化合物の低級アルカノール性溶液と所望のアルカリ金属アルコキシドとを共に混合し、得られた溶液を上記と同様の方法で蒸発乾燥により乾固させて調製される場合がある。何れの場合でも、完全に反応させて最大の収量を得るために、化学量論的量の試薬が使用される。
【0268】
組成物及びキット
本発明の化学式I又はIIの化合物は、薬学的組成物又は栄養補給剤中に配合される場合がある。本発明の薬学的組成物又はその画分は、所期の投与形態に基づいて選択され、従来の薬学における実施と一致する好適な薬学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む。
【0269】
好適な薬学的担体、賦形剤及びビヒクルについては、標準的文献のRemington’s Pharmaceuctical Sciences, Mack Publishing Companyに記載されている。カプセル又は錠剤の形態での経口投与のための一例として、活性成分は、ラクトース、デンプン、シュクロース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、グルコース、硫酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等の、経口用の非毒性である薬学的に許容される非活性担体と組み合わせてもよい。液剤形態での経口投与のために、薬剤成分は、エタノール、グリセロール、水等の、経口用の非毒性である任意の薬学的に許容される非活性担体と組み合わせることが可能である。好適な結合剤(例えば、ゼラチン、デンプン、トウモロコシ甘味料、天然糖(グルコースを含む);天然及び合成のガム及びワックス)、潤滑油(例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び塩化ナトリウム)、崩壊剤(例えば、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、及びキサンタンガム)、香料、並びに着色料も又、組成物又はその成分中で組み合わせてもよい。本明細書に記載の組成物は更に、湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤も含んでよい。
【0270】
本発明の組成物は、液体溶液、懸濁液、乳化液、錠剤、ピル、カプセル、徐放配合物、又は粉末であってよい。組成物は、従来の結合剤、及びトリグリセリド等の担体と共に、坐薬として配合してもよい。経口配合物には、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等の標準担体が含まれてもよい。種々の送達系(例えば、リポソーム、微小粒子、微小カプセル中への封入等)が既知であり、本発明の組成物の投与に使用してもよい。
【0271】
非経口投与用の配合物には、水溶液、シロップ、水性若しくは油性懸濁液、及び綿実油、ヤシ油、又は落花生油等の食用油との乳濁液等が含まれる場合がある。水性懸濁液に使用可能な分散剤又は懸濁剤には、トラガカント、アルギネート、アカシア、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、メチルセルロース、及びポリビニルピロリドン等の合成又は天然ガムが含まれる。
【0272】
非経口投与用の組成物には、無菌水性又は非水性溶媒(例えば、水、等張生理食塩水、等張グルコース溶液、緩衝液、又は治療活性剤の非経口投与に簡便に使用されるその他の溶媒)が含まれる場合がある。非経口投与を目的とした組成物には又、安定剤、緩衝液又は保存剤、例えば、メチルヒドロキシ安息香酸のような添加剤等の抗酸化剤が含まれる場合もある。
【0273】
本発明の組成物は、本明細書に記載の薬学的に許容される塩として配合してもよい。
【0274】
本発明の組成物は、例えば細菌保持フィルターによるのろ過、組成物への滅菌剤の添加、組成物の放射線照射、又は組成物の加熱によって滅菌される場合がある。或いは、本発明の化合物又は組成物は、使用の直前に、無菌溶媒中へ簡単に溶解される、無菌固体調製物、例えば凍結乾燥粉末として提供される場合がある。
【0275】
薬学的組成物を調製した後、適切な容器内に入れ、指示された病態の処置のためにラベル表示されてもよい。本発明の組成物の投与においては、このようなラベルに、量、頻度及び投与方法が含まれると考えられる。
【0276】
化学式I又はIIの化合物は、栄養補給剤として投与に好適な形態である場合がある。本発明の栄養補給剤は、場合により非活性成分(例えば、希釈剤又は充填剤)、粘性改質剤、防腐剤、人工香味料、着色剤、又は当該技術分野で従来から使用されているのその他の添加剤を含む場合がある。単なる一例としては、蜜ろう、レシチン、ゼラチン、グリセリン、キャラメル、カーミン等の従来の成分が含まれる場合がある。
【0277】
本発明の栄養補給剤組成物は、場合により第二の活性成分を含む場合がある。一実施形態において、第二の活性成分は、ピニトール、或いはその活性誘導体又は代謝物である。ピニトールは、アルファルファ、ブーゲンビリア、ガルバンソー、マツの木、及び大豆を含むがこれらに限定されない植物源から製造してもよい。ピニトールは又、例えば、InzitolTM(Humanetics Corporation[米国ミネソタ州])等のように、市販もされている。ピニトールの誘導体又は代謝物の例としては、ピニトール配糖体、ピニトールリン脂質、エステル化ピニトール、脂質結合ピニトール、ピニトールリン酸塩、ピニトールフィチン酸塩、及び加水分解ピニトール(例えば、d−キローイノシトール)等が含まれるが、これらに限定されない。
【0278】
栄養補給剤は、液体栄養補給剤(例えば、可欠液体)として提供される場合もあれば、或いは、組成物が、顆粒、カプセル剤又は坐剤として配合される場合もある。液体栄養補給剤は、水、グリコール、油、アルコール、香料、防腐剤、着色剤等を含めた幾つかの好適な担体及び添加剤を含む場合がある。カプセル剤、顆粒又は坐剤の形態で、本発明の組成物は、薬学的に許容される担体との混合物で配合される。
【0279】
栄養補給剤は、従来の方法によって調製されるソフトゲルの形態で提供される場合がある。ソフトゲルは一般的に、少量の栄養補給剤をカプセルに封入するゼラチンの層を含む。栄養補給剤は又、従来の方法により製造される場合がある液体充填型密閉ゼラチンカプセルの形態である場合もある。
【0280】
本発明の栄養補給剤食品組成物をカプセル剤、顆粒又は坐剤の形態で調製するには、本発明の1種以上の組成物を、従来の配合法に従って、薬学的に許容される担体と緊密に混合する場合がある。カプセル剤及び顆粒等の固体経口剤では、デンプン、糖質、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤等の好適な担体及び添加剤が含まれる場合がある。
【0281】
本発明の実施形態においては、有益効果、具体的には持続的な有益効果を提供するために、本発明の薬学的組成物の1種以上の成分が充填される1つ以上の容器を含む、薬学的パック又はキットが提供される。このような容器に関連するものは、取扱説明書、或いは医薬品又は生物学的製剤のラベル表示、製造、使用又は販売を規制している政府機関によって規定された形態の通知であって、ヒトへの投与のための製造、使用又は販売の機関による許可を反映する通知等の種々の書面資料であってよい。
【0282】
本発明の別の態様によれば、キットが提供される。一態様において、キットは本発明の化合物又は薬学的組成物を含む。キットは、本発明の組成物を含む容器を収納し、且つ被験体に組成物を投与するための取扱説明書を収納するパッケージであってもよい。
【0283】
適用
本発明は、疾患を処置する、具体的には、本明細書に開示する疾患の重症度、症状、及び/又は周期的再発性の予防及び/又は改善のために本発明の組成物を使用することを企図する。本発明は又、本発明の組成物及び処置を使用した哺乳動物の疾患の処置も企図する。本発明は、実施形態において、優れた溶解性、安定性、有効性、効能及び/又は有用性、具体的には優れた溶解性及び安定性を含めた有益効果を提供する化合物を含む組成物を提供する場合がある。
【0284】
本発明の一態様において、化学式I又はIIの化合物は、アルツハイマー病の処置に利用される。従って、化学式I又はIIの化合物の治療有効量を投与することによって、アルツハイマー病が処置される場合がある。このような処置は、中枢神経系の悪化、精神的機能の喪失、短期記憶の喪失、及び見当識障害を含むがこれらに限定されない、アルツハイマー病の退行作用を遅らせるために効果的な場合がある。
【0285】
一実施形態において、疾患がアルツハイマー病である場合、本発明の化合物又は組成物又は処置の有益効果は、以下の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又は全てとして、具体的には5つ以上として、より具体的には8つ以上として発現してよい。
【0286】
a)アルツハイマー病の症状を伴う被験体へ投与後における、本明細書に開示する化合物の非存在下でのレベルに比べた長期増強作用の増加又は回復。本発明の態様において、本明細書に開示する化合物は、被験体において少なくとも約0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20%、30%、33%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%の長期増強作用の増加を誘発する。
【0287】
b)アルツハイマー病の症状を伴う被験体へ投与後における、本明細書に開示する化合物の非存在下でのレベルに比べたシナプス機能の増加又は維持。本発明の態様において、本明細書に開示する化合物は、被験体において少なくとも約0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20%、30%、33%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、100%、125%、150%、175%、又は200%のシナプス機能の増加を誘発する。
【0288】
c)シナプトフィシンの増大。本発明の態様において、シナプトフィシンは、少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、100%、125%、150%、175%、又は200%増大する。
【0289】
d)シナプトフィシンの反応膿胞及び細胞体の増大。本発明の態様において、シナプトフィシンの反応膿胞及び細胞体は、少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、100%、125%、150%、175%、又は200%、より具体的には約100〜150%又は140〜150%増大する。
【0290】
e)アルツハイマー病の症状を伴う被験体への投与後における、炎症、具体的にはAβに起因する炎症反応の症状の悪化の軽減、遅延又は予防、或いは不在。
【0291】
f)アルツハイマー病の症状を伴う被験体における、本明細書に開示する化合物の非存在下で測定されたレベルに比べたアミロイドβの脳への蓄積の減少、遅延又は予防。本発明の態様において、化合物は、アミロイドβの脳への蓄積の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の減少を誘発する。
【0292】
g)アルツハイマー病の症状を伴う被験体における、本明細書に開示する化合物の非存在下で測定されたレベルに比べた脳のアミロイド斑の沈着の増加の抑制、遅延又は予防。本発明の態様において、化合物は、脳のアミロイド斑の沈着の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の抑制を誘発する。
【0293】
h)斑の数の増加の抑制、遅延又は予防。本発明の態様において、本明細書に開示する化合物は、斑の数の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の抑制を誘発する。特定の態様において、化合物は、斑の数の5〜15%又は10〜15%の抑制を誘発する。
【0294】
i)斑のサイズの増大の抑制、遅延又は予防。特定の態様において、化合物は、斑のサイズの少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の抑制を誘発する。特定の態様において、化合物は、斑のサイズの5〜15%又は10〜15%の抑制を誘発する。
【0295】
j)斑に覆われた脳の面積割合の増加の抑制、遅延又は予防。特定の態様において、化合物は、斑に覆われた脳の面積割合の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の抑制を誘発する。特定の態様において、化合物は、斑に覆われた脳の面積割合の5〜15%又は10〜15%の抑制を誘発する。
【0296】
k)アルツハイマー病の症状を伴う被験体における、本明細書に開示する化合物の非存在下で測定されたレベルに比べた脳内の可溶性Aβオリゴマーの増加の抑制、遅延又は予防。本発明の態様において、複合物は、可溶性Aβオリゴマーの少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の減少を誘発する。
【0297】
l)Aβ40の脳内濃度の増加の抑制、遅延又は予防。本発明の態様において、本発明で開示する化合物は、Aβ40の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の抑制を誘発する。特定の態様において、化合物は、Aβ40の脳内濃度の10〜50%、20〜45%、又は25〜35%の抑制を誘発する。
【0298】
m)CSF又は血液等の体液中におけるAβ42濃度の増加の抑制、遅延又は予防。本発明の態様において、本明細書に開示する化合物は、Aβ42の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の抑制を誘発する。特定の態様において、化合物は、Aβ42の脳内濃度の10〜50%、15〜40%、又は20〜25%の抑制を誘発する。
【0299】
n)Aβ42の脳内濃度の増加の抑制、遅延又は予防。特定の態様において、本明細書で開示する化合物は、Aβ42の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90の抑制を誘発する。特定の態様において、化合物は、Aβ42の脳内濃度の10〜50%、15〜40%、又は20〜25%の抑制を誘発する。
【0300】
o)アルツハイマー病の症状を伴う被験体における、本明細書に開示する化合物の非存在下で測定されたレベルに比べた脳内のグリア活性の増加の抑制、遅延又は予防。好ましくは、化合物は、グリア活性の少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の減少を誘発する。
【0301】
p)処置後の長期間における、具体的には少なくとも5週間、6週間、8週間、10週間、12週間、14週間、16週間、20週間、24週間、30週間、40週間、52週間、又は78週間における、より具体的には2〜4週間、2〜5週間、3〜5週間、2〜6週間、2〜8週間、2〜10週間、2〜12週間、2〜16週間、2〜20週間、2〜24週間、2週間〜12ヶ月間、2週間〜24ヶ月間における、ほぼ正常なシナプス機能の維持。
【0302】
q)アルツハイマー病の被験体における、疾患進行の速度の抑制又は遅延。具体的には、アルツハイマー病の被験体における認知機能低下の抑制又は遅延。
【0303】
r)認知障害の増加の抑制、遅延又は予防。
【0304】
s)アミロイド血管症の増加の抑制、遅延又は予防。
【0305】
t)死亡率悪化の低減。
【0306】
u)アルツハイマー病の症状を伴う被験体における生存率の増加。
【0307】
本発明の態様において、本発明の組成物又は処置の有益効果は、(a)及び(b);(a)、(b)、及び(c);(a)、(b)、(e)、(f)、及び(g);(a)、(b)、(e)、(f)〜(h);(a)、(b)、(e)、(f)〜(i);(a)、(b)、(e)、(f)〜(j);(a)、(b)、(e)、(f)〜(k);(a)、(b)、(e)、(f)〜(l);(a)、(b)、(e)、(f)〜(m);(a)、(b)、(e)、(f)〜(n);(a)、(b)、(e)、(f)〜(o);(a)、(b)、(e)、(f)〜(p);(a)、(b)、(e)、(f)〜(q);(a)、(b)、(e)、(f)〜(r);(a)、(b)、(e)、(f)〜(s);(a)、(b)、(e)、(f)〜(t);(a)〜(d);(a)〜(e);(a)〜(f);(a)〜(g);(a)〜(h);(a)〜(i);(a)〜(j);(a)〜(k);(a)〜(l);(a)〜(m);(a)〜(n);(a)〜(o);(a)〜(p);(a)〜(q);(a)〜(r);(a)〜(s);(a)〜(t)、又は(a)〜(u)として発現してよい。
【0308】
本発明の化合物、薬学的組成物、及び方法は、持続的な有益効果、好ましくは統計的に有意な持続的有益効果を有するものが選択されてもよい。一実施形態において、統計的に有意な持続的有益効果を有する薬学的組成物は、本発明の化合物の治療有効量を含んで提供される。
【0309】
幾つかの態様において、本発明の処置のより優れた有効性及び効能は、処置における治癒率を向上させ、不都合な副作用及び毒性を減少させる場合がある。選択された本発明の方法は又、アルツハイマー病の発病後の長期間が経過した後で処置を始めても、長年のアルツハイマー病を改善する場合がある。処置の長期にわたる効果は、本発明に従って、本発明の化合物又は組成物の投与後に達成されてもよい。
【0310】
一態様において、本発明は、アルツハイマー病を処置する方法であって、本発明の化合物又は組成物の治療有効量を、被験体において、Aβ又はAβ凝集物、具体的にはAβ40又はAβ40凝集物、並びにAβ42又はAβ42凝集物と接触させることを含む、方法に関する。
【0311】
別の態様において、本発明は、凝集したAβを投与後の長期にわたって崩壊させるのに十分な量の本発明の化合物を含む組成物を提供することによって、アルツハイマー病を処置する方法を提供する。
【0312】
更なる態様において、本発明は、アルツハイマー病の処置を必要とする罹患体において、アルツハイマー病を処置する方法であって、Aβオリゴマーによって誘発された長期増強作用の阻害を増強する、及び/又はシナプス機能を維持するのに十分な投与量で本発明の化合物を提供する組成物を、個体に投与することを含む、方法を提供する。別の態様において、本発明は、アルツハイマー病を処置する方法であって、投与後の長期にわたって、Aβの脳内での蓄積、大脳アミロイド斑の堆積、脳内の可溶性Aβオリゴマー、グリア活性、及び/又は炎症を軽減するために、本発明の化合物の一定量を、好ましくは経口又は全身において哺乳動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0313】
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病を処置する方法であって、投与後の長期にわたって認知機能低下を軽減するのに十分な量の本発明の化合物を含む組成物を、処置を必要とする哺乳動物に投与し、それによってアルツハイマー病を処置することを含む、方法を提供する。
【0314】
別の態様において、本発明は、アルツハイマー病を予防及び/又は処置する方法であって、投与後の長期にわたって凝集したAβを破壊するのに十分な量の本発明の化合物を含む組成物を、処置を必要とする哺乳動物に投与し、凝集したAβの量を測定し、それによってアルツハイマー病を処置することを含む、方法を提供する。凝集したAβの量は、Aβに特異的な抗体、又は検出可能な物質で標識した本発明の化合物を使用して測定される場合がある。
【0315】
本発明は又、β−セクレターゼ阻害剤、α−セクレターゼ阻害剤、及びイプシロンセクレターゼ阻害剤を含むがこれらに限定されない1種以上の更なる治療薬剤、疾患に起因する又は疾患に関連する合併症の処置に使用される薬剤、或いは副作用を処置又は予防する一般的な医薬品と組み合わせて、本発明の組成物を使用する方法も含む。
【0316】
本発明は又、障害又は疾患を処置する医薬品の調製のための、少なくとも1種の本発明の化合物を含む組成物の使用も企図する。
【0317】
一実施形態において、本発明は、障害又は疾患の処置において、治療的効果、具体的には有益効果、好ましくは持続的有益効果を提供する医薬品を調製するための、治療有効量の少なくとも1種の本発明の化合物の使用に関する。
【0318】
尚更なる実施形態において、本発明は、アルツハイマー病を長期的又は持続的に処置する医薬品を調製するための、本発明の化合物の使用も提供する。
【0319】
本発明の組成物及び方法の治療的効果及び毒性は、ED50(集団の50%において治療的に有効な用量)又はLD50(集団の50%に致死的な用量)の統計値等の統計学的パラメータを計算する等、細胞培養中又は実験動物による標準的な薬学的手順によって測定される場合がある。治療指数は、毒性効果に対する治療効果の用量比であり、ED50/LD50として表すことができる。大きな治療指数を示す薬学的組成物が好ましい。一例として、1種以上の治療効果、具体的には本明細書で開示する有益効果は、被験体又は疾患モデル(例えば、アルツハイマー病の症状を伴うTgCRND8マウス)において示されてもよい。
【0320】
投与
本発明の化合物及び組成物は、活性物質を、被験体又は罹患体の身体内の薬剤作用部位と接触させて、治療効果、具体的には有益効果、具体的には持続的な有益効果をもたらすような任意の手段によって投与してもよい。活性成分は、所望の有益効果を提供するために、同時又は連続的に、任意の順序で異なる時点において投与してもよい。本発明の化合物及び組成物は、局所的又は全身的な送達のために、徐放するように配合してもよい。治療効果、具体的には有益効果、より具体的には持続的な有益効果をもたらすため、本発明の組成物及び治療の効果を最適化する投与の形態及び経路を選択することは、熟練した医者又は獣医師の能力の範囲内に含まれる。
【0321】
組成物は、錠剤、カプセル剤(その各々が徐放性又は持続的放出性製剤を含む)、ピル剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤、シロップ剤、及び乳剤等の経口剤形態で投与される場合がある。それらは、製薬上の技術分野における当業者には全て周知の剤形である、静脈内(ボーラス若しくは注入)、腹腔内、皮下、又は筋肉内の形態で投与される場合がある。本発明の組成物は、好適な鼻腔内ビヒクルの局所使用を介した鼻腔内経路によって、又は、例えば、従来の経皮皮膚パッチを使用する等の経皮経路を介して投与される場合がある。経皮送達系を用いる投与のための投与プロトコルは、投与レジメの間、断続的ではなく連続的であってよい。又、徐放性製剤も、治療薬剤のために使用してもよい。
【0322】
本発明の投薬レジメンは、薬剤の薬物動態学的特性、及び投与の様式及び経路、罹患体の種、年齢、性別、健康、医学的状態及び体重、症状の性質及び程度、併用治療の種類、処置の頻度、投与経路、罹患体の腎臓及び肝機能、及び所望の効果等の既知の因子に依存して変わる。
【0323】
効果、具体的には有益効果、より具体的には持続的な有益効果を提供するために、特定の障害又は疾患の処置において効果的である本発明の治療薬の量は、病態又は疾患の性質により変動し、標準的な臨床技法により決定してもよい。配合で使用する正確な用量も、投与経路、疾患の重症度により変動し、医師の判断、及び各罹患体の状況に従って決定しなければならない。
【0324】
具体的に、投与に好適な投薬量範囲は、治療的効果、具体的には有益効果、より具体的には持続的な有益効果を提供するように選択される。投薬量範囲は一般的に、所望の生物反応を誘発するのに効果的である。投薬量範囲は一般的に、約0.1mg〜約2kg/日、約0.5mg〜約2kg/kg/日、約1mg〜約1g/kg/日、約1mg〜200mg/kg/日、約1mg〜約100mg/kg/日、約10mg〜約100mg/kg/日、約30mg〜70mg/kg/日、約1mg〜約50mg/kg/日、約2mg〜約50mg/kg/日、約2mg〜約40mg/kg/日、又は約3mg〜30mg/kg/日である。本発明の態様において、投薬量範囲は一般的に、被験体の体重のkg当たり、約0.5mg〜約2g/kg、約1mg〜約1g/kg、約1mg〜約200mg/kg、約1mg〜約100mg/kg、約1mg〜約50mg/kg、約10mg〜約100mg/kg、、又は約30mg〜70mg/kgである。
【0325】
本発明の幾つかの態様において、1日に1回、2回、又は3回以上、特に1日に1回又は2回投与される本明細書に開示する化合物の投薬量範囲は、約1〜100mg/kg、1〜90mg/kg、1〜80mg/kg、1〜75mg/kg、1〜70mg/kg、1〜60mg/kg、1〜50mg/kg、1〜40mg/kg、1〜35mg/kg、2〜35mg/kg、2.5〜30mg/kg、3〜30mg/kg、3〜20mg/kg、又は3〜15mg/kgである。本発明の実施形態において、1日2回投与される本明細書に開示する必要投薬量は、約1〜50mg/kg、1〜40mg/kg、2.5〜40mg/kg、3〜40mg/kg、3〜35mg/kg、最も好ましくは3〜30mg/kgである。本発明の実施形態おいて、化合物の1日に必要とされる投薬量は、約1〜80mg/kg、及び1〜70mg/kg、1〜65mg/kg、2〜70mg/kg、3〜70mg/kg、4〜65mg/kg、5〜65mg/kg、又は6〜60mg/kgの範囲内である。
【0326】
本発明の実施形態において、1日2回投与される本明細書に開示する化合物の必要投薬量は、約1〜50mg/kg、1〜40mg/kg、2.5〜40mg/kg、3〜40mg/kg、3〜35mg/kg、最も好ましくは3〜30mg/kgである。
【0327】
本発明の他の実施形態において、本明細書に開示する化合物の1日に必要な投薬量は、約1〜80mg/kg、及び1〜70mg/kg、1〜65mg/kg、2〜70mg/kg、3〜70mg/kg、4〜65mg/kg、5〜65mg/kg、又は6〜60mg/kgの範囲内である。
【0328】
本発明の組成物又は処置は、有益効果を提供するために、本発明の少なくとも1種の化合物の単位投与量を含む場合がある。「単位投与量」又は「投与量単位」は、単位用量、即ち、罹患体に投与することができ、且つ活性物質それ自体又は1種以上の固体又は液体の薬学的賦形剤、担体又はビヒクルを含む物理的及び化学的に安定した単位投与量であるまま、容易に取り扱い及び包装が可能な単回用量を指す。
【0329】
被験体は、化学式I又はIIの化合物或いはその組成物又は配合物を使用して、実質的に任意の所望のスケジュールで処置される場合がある。本発明の組成物は、1日に1回以上、具体的には1日に1回又は2回、1週間に1回、1ヶ月に1回、或いは継続的に投与される場合がある。しかしながら、被験体に対する処置はそれほど頻繁でない場合もあり、例えば1日おき、又は1週間に1回である場合もあれば、より頻繁な場合もある。本発明の化合物、組成物、又は配合物は、約1週間、約2〜4週間、約2〜6週間、約2〜8週間、約2〜10週間、約2〜12週間、約2〜14週間、約2〜16週間、約2週間〜6ヵ月、約2週間〜12ヵ月、約2週間〜18ヵ月、又は約2週間〜24ヵ月の間、或いは少なくとも約1週間、約2〜4週間、約2〜6週間、約2〜8週間、約2〜10週間、約2〜12週間、約2〜14週間、約2〜16週間、約2週間〜6ヵ月、約2週間〜12ヵ月、約2週間〜18ヵ月、又は約2週間〜24ヵ月の間、周期的又は連続的に被験体に投与される場合がある。
【0330】
一態様において、本発明は、化学式I又はIIの化合物、或いはその栄養補給的に許容される誘導体を含む栄養補給剤をヒトに投与することを含む、ヒトの食物を補足するための投与計画を提供する。被験体は、少なくともほぼ毎日、又はそれ以下の頻度、例えば1日おきか、又は1週間に1回の頻度で、栄養補給剤を使用して処置される場合がある。本発明の栄養補給剤は、毎日摂取してもよいが、それ以下の頻度、例えば1週間に数回、又は単に1回の投与量でさえも有益な場合がある。
【0331】
特定の態様において、本発明は、本明細書に開示する化合物又はその栄養補給的に許容される誘導体の約25〜200ミリグラムを毎日ヒトに投与することを含む、ヒトの食物を補足するための投与計画を提供する。別の態様においては、化学式I又はIIの化合物の約50ミリグラムを、毎日ヒトに投与する。
【0332】
本発明の栄養補給剤は、食事と共に摂取する場合もあれば、食後に摂取する場合もある。従って、栄養補給剤は、朝食時及び/又は昼食時に摂取する場合がある。又、部分的に、食事の直前、食事中、又は食事の直後に摂取する場合もある。毎日の消費のため、栄養補給剤の一部を朝食の直前、朝食中、又は朝食の直後に摂取し、栄養補給剤の残りの部分を昼食の直前、昼食中、又は昼食の直後に摂取する場合がある。朝食の部分と昼食の分はそれぞれ、化学式I又はIIの化合物のおよそ同じ量を提供してもよい。本明細書中に記載の栄養補給剤及び投与計画は、一般的に受け入れられている栄養学的ガイドラインに従ったバランスの取れた食事、及び1週間に数回の控えめから適度な程度の訓練のプログラムと組み合わせた場合に最も効果的な場合がある。
【0333】
以下では、特定の実施例によって本発明をより詳細に説明する。以下の実施例は、例示の目的で提供するものであり、決して本発明を限定することを目的としたものではない。
【実施例】
【0334】
(実施例1)
本発明の化合物を研究するために、国際特許公開第2004/075882号(PCT/CA2004/000272)に記載された以下の方法が使用可能である。
マウス:TgCRND8マウスの実験群[Chishti, M. A. et al., J. Biol Chem 276, 21562−21570 (2001);Janus, C. et al., Nature 408, 979−982 (2000)]には、最初に、体重1kg当たり5〜300mg/日の量の本明細書に開示する化合物で処置する。動物の2つの群(1治療目的当たりn=10のマウス)を、6週間〜5ヶ月の年齢において研究対象に加え、4〜6ヶ月の年齢において結果の分析を行う。体重、毛皮の特性、及び檻内の行動を観察する。
行動試験: モリス水迷路試験は、Janus. C. et al., Nature
408, (2000)に記載の通り実施する。非空間的事前訓練の後、マウスには、1日当たり4トライアルの判別訓練を5日間受けさせる。行動データを、薬剤又は遺伝子型、及び繰り返し因子として訓練セッションを使用した因子分散分析の混合モデル(ANOVA)を使用して分析する。
大脳アミロイド負荷:脳を取り出し、その半球を4%パラホルムアルデヒド中に固定し、パラフィルムワックス中で中央矢状面に包埋する。系統的で均一な無作為の切片のセットを得るため、5μmの一連の切片を脳全体にわたって採取する。50mm間隔での切片セットを分析(10〜14切片/セット)に使用する。斑は、ギ酸による抗体回復後に同定し、第一に抗Aβ抗体(Dako M−0872)でインキュベートし、次に第二抗体(Dako StreptABCcomplex/ホースラディッシュキット)でインキュベートする。最終試験体は、DABで可視化し、ヘマトキシリンを使用して対比染色する。アミロイド斑負荷は、Leica製マイクロスコープ及び日立製KP−M1U CCDビデオカメラをインターフェースとして、Leco IA−3001イメージ分析ソフトウェアによって評価する。血管性アミロイド負荷も同様に分析し、解剖器具を使用して罹患血管の直径を測定する。
血漿及び脳内Aβ濃度:半脳試料を、緩衝スクロース溶液中で均質化し、続いて、可溶性Aβレベルのために0.4%ジエチルアミン/100mMのNaClで処理し、又は全Aβの単離のために冷ギ酸で処理する。中性化後、試料を希釈し、市販のキット(BIOSOURCE International)を使用してAβ40及びAβ42の分析を行う。各脳半球を、繰り返し数3回において分析し、その平均値±SEMを報告する。全ての画分について、Aβ種分析のために尿素ゲルを使用してウェスタンブロット分析を行う(Wiltfang, J. et al., J Neurochem 81, 481−496 (2002))。Aβは、6E10(BIOSOURCE International)及び高ケミカルルミネッセンス(Enhanced Chemiluminenscence)(アマーシャム)を使用して検出する。
グリオーシス定量:パラホルムアルデヒドで固定した処置済み対照マウスの凍結脳半球から、無作為に等間隔で矢状切片を5つ選択して採取する。切片は、星状細胞に対しては抗ラットGFAP IgG2a(Dako;1:50に希釈)を使用して、又小膠細胞に対しては抗ラットCD68 IgG2b(Dako;1:50に希釈)を使用して免疫標識する。デジタル画像は、Zeiss製Axioscope 2 Plusマイクロスコープに取り付けられたCoolsnapデジタルカメラ(Photometries[米国アリゾナ州トゥーソン])を使用してキャプチャーする。画像は、Openlab 3.08イメージソフトウェア(Improvision[米国マサチューセッツ州レキシントン])を使用して分析する。
生存率調査:生存確率は、少量試料サイズに適するように、カプラン−メイヤー法(Haccou, P., & Mellis, E., Statistical Analysis of Behavioural Data, pg 120−186, Oxford University Press, Oxford (1995))により算定し、全ての死亡の発生時に残存確率を計算する。処置の比較には、タローンウェア定を使用する。
脳のAPPの分析:マウス半脳試料は、均質化し、pH7.4の20mMのTris、0.25Mのショ糖、1mMのEDTA、及び1mMのEGTA、並びにプロテアーゼ阻害薬反応混液中で、0.4%のDEA(ジエチルアミン)/100mMのNaClと混合して、109,000xgで回転させる。APPレベルについては、mAb 22C11を使用してウェスタンブロット法により上澄みを分析し、一方、APPホロタンパク質については、Janus, 2000;Chishti, M, 2001に記載の通り、mAb C1/6.1を使用してペレットを分析する。
【0335】
結果
本明細書に開示する化合物のin vivoでの有効性を評価するために、それらをアルツハイマー病のマウスモデル系(TgCRND8)に投与する(Chishti, M. A. et al, J. Biol Chem 276, 21562−21570 (2001);Janus, C. et al., Nature 408, 979−982 (2000))。TgCRND8マウス及び非トランスジェニック同腹仔を性別及び年齢の一致した群に割り当て、処置としての本明細書に開示する化合物の有効性を試験するのに使用する。そのマウスを、活性物質による処置を受ける群、見せかけの処置の群、処置を受けない群に無作為に割り当てる。評価項目は、認識機能、Aβの脳内濃度、及び神経病理である。
【0336】
データは、本明細書に開示する化合物が、TgCRND8マウスにおいて、アルツハイマー病に似た遺伝子表現型を予防及び回復し、認知障害、アミロイド斑、アミロイド血管症、Aβが誘発する炎症反応、及び又は死亡率の増加を低減できることを示すことが予想されている。本明細書に開示する化合物によって処置したマウスの脳内では、可溶性Aβオリゴマーのレベルが、かなり減少していることが予想されている。
【0337】
(実施例2)
本明細書に開示する化合物は、切り替えレバー周期比をアルツハイマー病のラットモデル系において試験できる(O’Hare, E. et al, Behavior Pharmacology, 7:742−753, (1996);Richardson, R L, et al., Brain Research, 54: 1−10, (2002))。このモデルは、ラットの脳へのアミロイドβオリゴマーの直接注入に起因する認知障害を検出することができる。認知力に悪影響を及ぼすことが知られているAβオリゴマーの注入と同時に、本化合物を投与することができるので、本化合物の、オリゴマーによって誘発される認知機能低下を抑制する能力を評価することができる。
【0338】
切り替えレバー周期比(ALCR)試験において、ラットは、最初に、2つのレバー実験室で餌強化を得るために、複雑な一連のレバー押し要件を学ばなければならない。被験体は、餌の褒美を得るために、最初のレバーを押した後で他のレバーに切り替えることにより2つのレバーの間を往復しなければならない。餌の褒美を得るために必要なレバー押しの正確な数は変わり、食物ペレット当たり最初の2レスポンスから、二次関数X−Xに基づいて56レスポンスまで増える。1周期は、これら一連のレバー押し要件の昇順及び降順の全体である(例えば、食物褒美当たり2回、6回、12回、20回、30回、42回、56回、56回、42回、30回、20回、12回、6回、及び2回のレバー押し)。このような全周期を毎日のセッションで6回行う。餌褒美を得るために必要な回数を押した後で被験体がレバーを継続する場合、即ち、交互にしない場合(反復エラー)、又は被験体がそのレバーでのレスポンス要件を完了する前にレバーを切り替える場合(切り替えエラー)、エラーが得点化される。
【0339】
(実施例3)
アミロイドβ(Aβ)原線維は、Kheterpal, I et al, Biochemistry, 2001 40(39):11757;及びCannon M J
et al, Anal Biochem. 2004 328(1):67に開示する方法により調製した。原線維は、アフィニティカラムに固定し、Leticia Toledo−Sherman, et al, J. Med. Chem. 2005,
48: 3221;又はSlon−Usakiewicz J. J. et al,
Clin. Proteom. J. 2004,1:227−234に記載の方法を使用して、FAC−MSにより検定した。具体的に、Aβ原線維は、以下のようなCBX1000C(COOH変性)ビーズ(Millipore製)上に固定した。CBX1000C(5mg)は、0.5MのNaCl(pH6.4)を含む0.1MのMES緩衝液中のEDAC/NHSとの反応により活性化した。室温にて45分間混合した後、そのビーズを遠心分離し、上澄みを取り除いて、1×MESで洗浄した。ビーズを250μLのMES緩衝液で再懸濁し、100μgのAβ原線維(1×PBS中)を加えた。混合物を室温にて2時間インキュベートし、その後、4℃にて一晩360℃垂直回転させながらインキュベートし、その後、1×PBSによって処理した。FAC−MSキャピラリーカラム(250μm id×2.5cm)に固定したAβ原線維を装填した後、50μL(200μL/hにて)の1XPBS緩衝液で洗浄し、続いて50μLの泳動緩衝液(1%DMSOを含む20mMのNHOAc)で洗浄した。固定されたアミロイド原線維の活性は、1%DMSOを含む20mMのNHOAc中にて、インジケータとしてAβモノマー(1μM)を、ボイドマーカーとしてM3(1μM)を使用して評価した。仕上げ緩衝液(makeup buffer)は、0.1%酢酸を含む90%メタノール水溶液とした。分析物溶液は、1%DMSOを含む20mMのNHOAc中に、インジケータとしてAβモノマー(1μM)を、ボイドマーカーとしてM3(1μM)を、並びに1〜10μMの範囲の化合物(表1を参照)含有していた。使用した流量は、仕上げ緩衝液に対して80μL/h、FAC−MSカラムに対して100μL/hであった。カラムを、AB/Sciex API3000三連四重極質量分析計(Concord[カナダ オンタリオ州])及びシリンジポンプ(Harvard Biosciences[米国マサチューセッツ州ホリストン])に接続し、Aβモノマー(M+N)信号が安定するまで泳動緩衝液により平衡化させた後、データを収集した。1分後、系を分析物溶液に切り替え、Aβモノマーの信号が最大となるまで少なくとも10分間データ収集を継続した。Aβモノマー信号がバックグランドレベルまで低下するまでカラムを泳動緩衝液で洗浄し、カラムを再生した。データは、カスタマイズしたエクセルのマクロを使用して分析し、アミロイドβ及びM3の破過時間を決定した。
【0340】
%シフトは以下の方程式から決定する:
%シフト=(t−t)/(t−tNSB)×100%
[式中、tは、任意の競合リガンドの存在下でのインジケータとボイドマーカーの間のS字形前部の変曲点で測定された破過時間差であり、tNSBは、固定された標的がない場合の非特異的破過時間差であり(並びに使用されたインジケータに対して一定である)、tは、競合リガンドの非存在下における破過時間差である]。
【0341】
1μM及び10μMの種々の化合物の存在下において、固定されたAβ原線維で検定した遊離AβモノマーのFAC−MS%シフト結果を、表1及び2に示す。
【0342】
(実施例4)
一置換scyllo−イノシトール(メチル、エチル、ベンジル、及びトリフロロメチル)は以下のようにして合成した。図1に図示するように、モノ−メチル scyllo−イノシトール(9)は、文献に記載の通りしてmyo−イノシトール(1)を出発物質として合成する。中間体6のメチル化のための文献に記載のプロトコルにより、600mgスケールにおいて〜230mgの純粋な7を得て、〜300mgの未反応の出発物質を回収した。7の構造はH−NMRにより確認した。約45mgのメチル scyllo−イノシトールを合成し、H−NMR及びMS分析により同定した。
【0343】
EtI及びBnBrによる中間体6のアルキル化は、6を出発物質として600mgスケールで行った。生成物は、カラムクロマトグラフィーで精製し、H−NMRにより同定した。又、中間体8(Me及びBn)並びに8のエチル類似体も合成した。約120mgのベンジル−scyllo−イノシトールを合成し、H−NMR及びMS分析により同定した。
【0344】
トリフロロメチル−scyllo−イノシトールは、モノ−メチル−scyllo−イノシトールと同様にして中間体6から合成した(図3を参照)。事実、トリフルオロヨードメタンは、オリジナルのプロトコルに対して幾つかの変更を必要とする気体である。従って、低温にて、中間体6のDMF溶液をCFIによって飽和し、その後、水素化ナトリウムを加え、反応器を密閉した。ガスが活発に発生したが、低温では反応の進行において変化は観察されなかった。
【0345】
二置換scyllo−イノシトール(1,3−ジメチル及び1,3−ジアセチル)は、メチル−scyllo−イノシトールを合成するプロセスと同様のプロセスで、中間体6を出発物質として合成した。図2には、中間体6から二置換scyllo−イノシトールを合成する5段階反応スキームを示す。
【0346】
【化15】

化学式I、II、III、及びIVの任意の1種以上の化合物は、本発明の任意の実施形態から除外される場合がある。表2に開示した化合物は、本発明の幾つかの実施形態から除外される。更に、国際特許公開第2004/075882号又は同第2006/053428号に開示する化合物は、本明細書に開示する実施形態から除外される。
【0347】
本発明は、本明細書に記載した特定の実施形態による範囲内に限定するべきではなく、それは、このような実施形態が本発明の一態様の単独の例示としてのみ意図されており、任意の機能的に同等の実施形態は本発明の適用範囲内に含まれるためである。実際に、本明細書に示し、記載したものに加えて、本発明の種々の改変が、上記の説明及び付随する図面より、当業者に明らかになるであろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【0348】
本明細書で引用する全ての刊行物、特許及び特許出願は、個別の刊行物、特許又は特許出願の全体が詳細且つ個別に参考として援用されるのと同程度に、全体が参考として援用される。本明細書に記載する全ての刊行物、特許及び特許出願は、これらの中で報告され、本発明に関連して使用する可能性がある方法等を記載及び開示する目的で、参考として本明細書で援用される。本明細書の如何なる記載も、先行発明により上記ような開示内容に先行する権利がないことの承認として、解釈されるものではない。
【0349】
(図1)
スキーム1
【0350】
【化16】

略語:CH(OCH=トリメチルオルトギ酸エステル、DMF=ジメチルホルムアミド;NaH=水素化ナトリウム、BzCl=ベンジルクロライド;IBA=ヨードソ安息香酸、Swenは、Swen酸化;NaBH=水素化ホウ素ナトリウム;Mel=ヨウ化メチル;NaOMe=ナトリウムメトキシド、MeOH=メタノール;TFAは、トリフルオロ酢酸である。
【0351】
(図2)
スキーム2
【0352】
【化17】

略語:構造6−OTs=p−トルエンスルホネート;BnBr=ベンジル臭化;手順3b−DMAP=4−ジメチルアミノピリジン、ACO=無水酢酸;手順5a、5b−H/Pd/C=炭素上の水素及びパラジウム;他の全ての略語は図1で定義されている通りである。
【0353】
(図3)
スキーム3
【0354】
【化18】

略語:CFI=トリフルオロヨウ化メチル。他の全ての略語は、図1及び2の通りである。
【0355】
【化19】

【0356】
【化20】

【0357】
【化21】

【0358】
【化22】

【0359】
【化23】

【0360】
【化24】

【0361】
【化25】

【0362】
【化26】

【0363】
【化27】

【0364】
【化28】

【0365】
【化29】

【0366】
【化30】

【0367】
【化31】

【0368】
【化32】

【0369】
【化33】

【0370】
【化34】

【0371】
【化35】

【0372】
【化36】

【0373】
【化37】

【0374】
【化38】

【0375】
【化39】

【0376】
【化40】

【0377】
【化41】

【0378】
【化42】

【0379】
【化43】

【0380】
【化44】

【0381】
【化45】

【0382】
【化46】

【0383】
【化47】

【0384】
【化48】

【0385】
【化49】

【0386】
【化50】

【0387】
【化51】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2013−18791(P2013−18791A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−235331(P2012−235331)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2008−535136(P2008−535136)の分割
【原出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(504430972)ワラタ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】