イバンドロン酸ナトリウム多形体
薬物物質の新規な結晶性形態、より具体的には、結晶性形態の強度、すなわち熱力学的安定性、すなわち高められた溶解度、迅速な作用開始および高められたバイオアベイラビリティーを有する薬物物質の熱力学的に安定な形態を提供することが、製薬研究者の試みであった。イバンドロン酸ナトリウムは、破骨細胞介在性骨吸収を阻害する、窒素含有ビスフォスフォネートである。本出願では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態およびその調製方法が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、イバンドロン酸ナトリウムの新規な結晶性形態、およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イバンドロン酸ナトリウムは、破骨細胞介在性骨吸収を阻害する、窒素含有ビスフォスフォネートである。イバンドロン酸ナトリウムの化学名は、3−(N−メチル−N−ペンチル)アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−二リン酸モノナトリウム塩であり、式(I)
【0003】
【化1】
の化学構造で表される。
【0004】
イバンドロン酸のモノナトリウム塩は、悪性低カルシウム血症、骨溶解症、パジェット病、骨粗鬆症および転移性骨疾患などの骨障害の治療で有用であり、Boniva(商標)の商品名にて市販されている。これは、閉経後女性における骨粗鬆症の治療および予防に適応とされる。
【0005】
Gallらは、米国特許第4927814号明細書中に、一般的かつ具体的に、イバンドロン酸およびその類似体、それらの生理学的に許容し得る塩を記載している。該特許は、また、医薬組成物、およびカルシウム代謝の異常または疾患の予防治療における該組成物の使用を開示している。
【0006】
Eiermannらは、特許文献1中に、イバンドロン酸ナトリウム一水和物の結晶性形態Aと称される結晶性形態、およびその調製方法を記載している。
【0007】
Eiermannらは、別のPCT出願、特許文献2中に、イバンドロン酸ナトリウム一水和物の結晶性形態Bと称される別の結晶性形態を、その調製方法と一緒に記載している。
【0008】
Lifshitz−Lironらは、特許文献3中に、イバンドロン酸ナトリウムの形態C、D、E、F、G、H、J、K、K2、K3、Q、Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6、QQ、R、S、T、ヘミ−エタノレートおよびエタノレートと称されるいくつかの結晶性形態を、非晶性形態ならびにそれらの調製方法と一緒に記載している。
【0009】
Pulla Reddy Muddasaniらは、特許文献4中に、イバンドロン酸ナトリウム一水和物の形態IおよびIIと称される新規な結晶性形態を記載している。該出願には、非晶性のイバンドロン酸ナトリウム一水和物も記載されている。
【0010】
上記の特許および特許出願のすべてが、各種多形性形態を開示しているが、商業的製造に使用することができ、かつ製剤および治療上の利益の双方をもたらすことのできる新規な結晶性形態の必要性がなお存在する。
【0011】
異なる形態は、剤形設計において、ならびにバイオアベイラビリティーおよび/または生物学的同等性に関して重要であり得る溶解度などの特性に関して、異なる特性を提供する可能性がある。異なる形態は、また、安定性に関する利点を提供する可能性がある。多形性形態は、それらの物理的特性を異にする場合があるので、規制当局は、新規薬物物質のすべての多形性形態、例えば、結晶性、非晶性、ならびに擬多形性形態、例えば、溶媒和物などを識別するために努力することを求めている。
【0012】
薬物物質のいくつかの多形体は、薬物結晶の物理的形態および形状の同時変化のみならず明瞭な物理的特性の付随的変化をもたらす、貯蔵による他の結晶性形態への転化という欠点を有する。一般に、分子は、熱力学的により安定な形態、多くはより低い溶解度を有する形態に戻る。このような熱力学的に安定な形態は、時には、特に経口投与にとって低下した、または最適状態に及ばないバイオアベイラビリティーをもたらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2006081963号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006081962号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2006024024号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2007074475号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この目的に向けて、薬物物質の新規な結晶性形態、より具体的には、結晶性形態の強度、すなわち熱力学的安定性、すなわち高められた溶解度、迅速な作用開始および高められたバイオアベイラビリティーを有する薬物物質の熱力学的に安定な形態を提供することが、製薬研究者の試みであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本出願は、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態およびその調製方法を提供する。
【0016】
一態様では、約5.2、17.4、20.1、25.2および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Iと称される結晶性形態が提供される。
【0017】
別の態様では、約5.2、10.6、17.2、18.1、21.6、25.6および33.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0018】
別の態様では、約5.4、10.9、14.4、17.3、18.2、19.4、20.3、21.7、24.7および25.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0019】
別の態様では、約4.9、9.7、19.7、21.2、21.9、26.5および31.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0020】
別の態様では、約4.8、10.8、19.7、22.0および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Vと称される別な結晶性形態が提供される。
【0021】
別の態様では、約4.8、9.6、15.4、19.4、21.7、24.2、28.2、32.9および37.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0022】
別の態様では、約4.9、9.8、10.9、14.1、17.1、18.6、19.8、23.8、24.8および25.9±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、結晶性イバンドロン酸ナトリウムの形態VIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0023】
別の態様では、約6.1、16.7、18.1、20.3および30.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0024】
別の態様では、約19.5、20.8、25.4、26.3および34.9±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0025】
別の態様では、約4.6、5.8、17.2、19.4、24.4および28.0±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Xと称される別な結晶性形態が提供される。
【0026】
別の態様では、約4.7、5.9、9.6、17.1および19.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0027】
別の態様では、約4.9、6.0、9.7、12.4、17.0、19.3、24.9、29.3、30.3および36.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0028】
別の態様では、約4.8、6.0、9.7、16.9、19.7、24.9および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0029】
別の態様では、約4.8、6.0、9.6、17.0、18.2、19.2、20.1および24.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0030】
別の態様では、約4.7、5.9、9.6、19.5、21.4、26.3、30.8および35.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0031】
別の態様では、約5.0、5.9、10.1、15.2、15.7、16.1、17.0、20.0、22.4および23.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0032】
別の態様では、約4.5、5.8、8.9、18.1、19.8、24.5、25.9、29.6および35.5±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0033】
別の態様において、本発明は、約5.0、5.9、10.0、17.0、20.1および28.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIIIと称される別な結晶性形態を提供する。
【0034】
別の態様では、4.7、5.7、9.4、17.0、21.4、24.3、28.2、29.5および35.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0035】
別の態様では、約5.1、5.8、16.7、20.8、25.0および33.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0036】
別の態様では、約4.6、5.9、16.4、20.2、24.7、26.2、28.3、29.7および35.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0037】
別の態様では、約5.2、17.2、19.4、20.2および25.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0038】
別の態様では、約4.7、12.7、17.1、17.5、19.2および28.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0039】
別の態様では、約4.6、9.1、17.3、18.5および19.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0040】
別の態様では、約4.6、5.2、10.6、13.0、17.1、19.4、20.2および34.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0041】
別の態様では、3.8、4.5、9.0、9.9、17.3、18.4および19.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0042】
別の態様では、約4.5、5.1、10.3、15.4、17.1、19.5、20.7、25.3、26.4および30.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0043】
別の態様では、4.4、5.9、9.7、12.1、17.1、19.4、21.3、24.9、30.3および35.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0044】
別の態様では、6.0、6.3、12.4、14.3、16.5、19.7、20.2、21.5、24.7および26.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0045】
別の態様では、約4.7、5.1、5.7、14.0、16.2、20.0、21.1、24.5、25.9および28.0±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0046】
別の態様では、約4.5、4.7、8.9、13.4および26.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXXIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0047】
さらに別の態様では、約5.5、6.3、19.3および23.1±0.2°の2θに特性ピークを有し、図32と実質的に一致する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファと称される別な結晶性形態が提供される。
【0048】
他のさらなる別の態様では、約5.5、10.9、19.3、23.1および33.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態ベータと称される別な結晶性形態が提供される。
【0049】
別の態様では、イバンドロン酸ナトリウムの本発明の結晶性形態を、医薬として許容し得る賦形剤と共に含有する医薬組成物が提供される。
【0050】
別の実施形態において、本発明は、実質的に図1〜33に示したまたは描かれた通りのパターンを有する本明細書中でI〜XXXI、アルファおよびベータとして識別される、イバンドロン酸ナトリウムの特有の結晶性形態を包含する。これらは、本明細書中で、実質的に個々の図に描かれた通りの粉末X線回折パターンを有する結晶性形態として言及される。「実質的に」とは、限定はされないが、使用する装置、サンプル調製、好ましいパッキングおよび配向、照射源などを含む、結晶学および粉末X線回折の技術分野の当業者にとって周知のいくつかの因子によって、パターンがそれらのピーク位置および相対的ピーク強度に関して変化し得ることと認識される。しかし、当業者は、本明細書中の図をイバンドロン酸ナトリウムの未知形態から生じるパターンと比較し、その正体を本明細書中で開示され特許を請求される形態の1つとして識別することが可能なはずである。
【0051】
さらに別の実施形態において、本発明は、+0.2°の2θが一意的にその形態を識別する、多くは4〜10個である任意のピーク数を選択することによって個別的に記述することのできる、イバンドロン酸ナトリウムの形態I〜XXXIならびにアルファおよびベータと称することができる、いくつかの結晶性形態を包含する。
【0052】
さらに別の実施形態において、本発明は、形態I、V、VIII、アルファおよびベータと称することのできる、イバンドロン酸ナトリウムのいくつかの結晶性形態を包含する。本発明によるさらに別の実施形態では、本明細書中で「溶媒和形態(solvatomorph)」と呼ばれる、結晶性のイバンドロン酸ナトリウム溶媒和物が提供される。本発明によるイバンドロン酸ナトリウム溶媒和物には、水、炭化水素溶媒、ケトン、アルコール、ニトリル、エーテル、アミン、エステルおよび酸を使用して作られるものが含まれる。詳細には、結晶性イバンドロン酸塩溶媒和物は、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、n−ブタノン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルケトン、アセトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、ジメチルスルホキシド、メチルt−ブチルエーテル、ジクロロメタン、ホルムアミド、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、またはジメチルアセトアミドを使用して作られるものである。したがって、例えば、溶媒和物は、イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物であり得る。溶媒和物は、ヘミ溶媒和物、一溶媒和物、セスカ溶媒和物、二溶媒和物、三溶媒和物、四溶媒和物、五溶媒和物などのように、元となるイバンドロン酸ナトリウム分子に対して任意の割合の溶媒(遊離の溶媒ではなく、結晶化溶媒としても知られる拘束された溶媒)を含む。形態Vは、例えば、ギ酸溶媒和物(1:1)である。
【0053】
本発明の別の態様は、結晶性形態アルファの調製方法である。該方法は、イバンドロン酸ナトリウムの溶媒和物を、その残留溶媒含有量が約1%(wt/wt)未満となるまで脱溶媒和することを含む。これは、乾燥することによって完遂できる。別の実施形態において、形態アルファは、ギ酸溶媒和物、酢酸溶媒和物、エタノールグリコール溶媒和物、またはジメチルスルホキシド(「DMSO」)溶媒和物を、その残留溶媒含有量が約1%(wt/wt)未満となるまで脱溶媒和することによって作り出すことができる。イバンドロン酸ナトリウム溶媒和物は、適切な温度で、溶媒含有量の所望される減少を達成するのに十分な時間乾燥することによって脱溶媒和され得る。
【0054】
乾燥は、約50〜約150℃の温度で完遂できる。
【0055】
本発明の別の態様において、結晶性形態アルファから結晶性形態ベータのイバンドロン酸ナトリウムへ転化するための方法が提供され、該方法は、形態アルファを、転化を完遂するのに十分な時間湿潤環境に曝露することを含む。好ましくは、使用される大気の水分含有量は30%超を超える。より好ましくは、湿潤環境は、40〜80%の範囲の水分含有量を含む。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】イバンドロン酸ナトリウムの実施例2の結晶性形態Iに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図2】イバンドロン酸ナトリウムの実施例8の結晶性形態IIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図3】イバンドロン酸ナトリウムの実施例9の結晶性形態IIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図4】イバンドロン酸ナトリウムの実施例12の結晶性形態IVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図5】イバンドロン酸ナトリウムの実施例14の結晶性形態Vに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図6】イバンドロン酸ナトリウムの実施例16の結晶性形態VIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図7】イバンドロン酸ナトリウムの実施例17の結晶性形態VIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図8】イバンドロン酸ナトリウムの実施例19の結晶性形態VIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図9】イバンドロン酸ナトリウムの実施例20の結晶性形態IXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図10】イバンドロン酸ナトリウムの実施例21の結晶性形態Xに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図11】イバンドロン酸ナトリウムの実施例22の結晶性形態XIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図12】イバンドロン酸ナトリウムの実施例23の結晶性形態XIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図13】イバンドロン酸ナトリウムの実施例24の結晶性形態XIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図14】イバンドロン酸ナトリウムの実施例25の結晶性形態XIVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図15】イバンドロン酸ナトリウムの実施例26の結晶性形態XVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図16】イバンドロン酸ナトリウムの実施例27の結晶性形態XVIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図17】イバンドロン酸ナトリウムの実施例28の結晶性形態XVIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図18】イバンドロン酸ナトリウムの実施例29の結晶性形態XVIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す図である。
【図19】イバンドロン酸ナトリウムの実施例30の結晶性形態XIXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図20】イバンドロン酸ナトリウムの実施例31の結晶性形態XXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図21】イバンドロン酸ナトリウムの実施例32の結晶性形態XXIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図22】イバンドロン酸ナトリウムの実施例33の結晶性形態XXIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図23】イバンドロン酸ナトリウムの実施例34の結晶性形態XXIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図24】イバンドロン酸ナトリウムの実施例35の結晶性形態XXIVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図25】イバンドロン酸ナトリウムの実施例36の結晶性形態XXVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図26】イバンドロン酸ナトリウムの実施例37の結晶性形態XXVIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図27】イバンドロン酸ナトリウムの実施例38の結晶性形態XXVIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図28】イバンドロン酸ナトリウムの実施例39の結晶性形態XXVIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図29】イバンドロン酸ナトリウムの実施例40の結晶性形態XXIXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図30】イバンドロン酸ナトリウムの実施例41の結晶性形態XXXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図31】イバンドロン酸ナトリウムの実施例42の結晶性形態XXXIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図32】イバンドロン酸ナトリウムの実施例43による結晶性形態アルファの実例サンプルに関する粉末X線回折パターンの実例を示す図である。
【図33】イバンドロン酸ナトリウムの実施例44による結晶性形態ベータの実例サンプルに関する粉末X線回折パターンの実例を示す図である。
【図34】10℃/分で250℃まで測定した形態ベータのDSCを例示する図である。
【図35】10℃/分で250℃まで測定した形態ベータのTGAを例示する図である。
【図36】10℃/分で250℃まで測定した形態VのDSCを例示する図である。
【図37】10℃/分で250℃まで測定した形態VのTGAを例示する図である。
【図38】形態VのIRスペクトルを例示する図である。
【図39】10℃/分で250℃まで測定した形態アルファのDSCを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本出願は、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態およびその調製方法を提供する。
【0058】
一態様では、約5.2、17.4、20.1、25.2および31.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Iと称される新規な結晶性形態が提供される。本明細書中の前記の特性ピークに加えて、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、11.9、15.4、18.0、18.4、19.1、19.3、20.1、21.9、24.7および31.3±0.2°にピークを含むこともできる。同一の固体形態に対するXRPDパターンは、典型的には、いくつかの関連因子の関数として変化し、その因子のいくつかには、X線回折装置およびオペレーター−オペレーターの変動性が含まれることに留意されたい。図1に、形態Iに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0059】
別の態様では、約5.2、10.6、17.2、18.1、21.6、25.6および33.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IIと称される別の結晶性形態が提供される。図2に、形態IIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0060】
別の態様では、約5.4、10.9、14.4、17.3、18.2、19.4、20.3、21.7、24.7および25.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IIIと称される別の結晶性形態が提供される。図3に、形態IIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0061】
別の態様では、約4.9、9.7、19.7、21.2、21.9、26.5および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IVと称される別の結晶性形態が提供される。図4に、形態IVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0062】
別の態様では、約4.8、10.8、19.7、22.0および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Vと称される別の結晶性形態が提供される。本明細書中の前記の特性ピークに加えて、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、9.7、15.7、20.0、21.2、26.4、30.5および31.1±0.2°の2θにピークを含むこともできる。図5に、形態Vに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0063】
別の態様では、約4.8、9.6、15.4、19.4、21.7、24.2、28.2、32.9および37.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIと称される別の結晶性形態が提供される。図6に、形態VIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0064】
別の態様では、約4.9、9.8、10.9、14.1、17.1、18.6、19.8、23.8、24.8および25.9±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIIと称される別の結晶性形態が提供される。図7に、形態VIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0065】
別の態様では、約6.1、16.7、18.1、20.3および30.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIIIと称される別の結晶性形態が提供される。本明細書中の前記の特性ピークに加えて、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、9.7、17.1、19.3、20.0、21.5および24.9±0.2°にピークを含むこともできる。図8に、形態VIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0066】
別の態様では、約19.5、20.8、25.4、26.3および34.9±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IXと称される別の結晶性形態が提供される。図9に、形態IXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0067】
別の態様では、約4.6、5.8、17.2、19.4、24.4および28.0±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Xと称される別な結晶性形態が提供される。図10に、形態Xに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0068】
別の態様では、約4.7、5.9、9.6、17.1および19.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、結晶性イバンドロン酸ナトリウムの形態XIと称される別な結晶性形態が提供される。図11に、形態XIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0069】
別の態様では、約4.9、6.0、9.7、12.4、17.0、19.3、24.9、29.3、30.3および36.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIIと称される別な結晶性形態が提供される。図12に、形態XIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0070】
別の態様では、約4.8、6.0、9.7、16.9、19.7、24.9および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIIIと称される別な結晶性形態が提供される。図13に、形態XIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0071】
別の態様では、約4.8、6.0、9.6、17.0、18.2、19.2、20.1および24.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIVと称される別な結晶性形態が提供される。図14に、形態XIVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0072】
別の態様では、約4.7、5.9、9.6、19.5、21.4、26.3、30.8および35.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVと称される別な結晶性形態が提供される。図15に、形態XVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0073】
別の態様では、約5.0、5.9、10.1、15.2、15.7、16.1、17.0、20.0、22.4および23.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIと称される別な結晶性形態が提供される。図16に、形態XVIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0074】
別の態様では、約4.5、5.8、8.9、18.1、19.8、24.5、25.9、29.6および35.5±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIIと称される別な結晶性形態が提供される。図17に、形態XVIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0075】
別の態様では、本発明は、約5.0、5.9、10.0、17.0、20.1および28.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIIIと称される別な結晶性形態を提供する。図18に、形態XVIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0076】
別の態様では、4.7、5.7、9.4、17.0、21.4、24.3、28.2、29.5および35.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIXと称される別な結晶性形態が提供される。図19に、XIXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0077】
別の態様では、約5.1、5.8、16.7、20.8、25.0および33.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXと称される別な結晶性形態が提供される。図20に、形態XXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0078】
別の態様では、約4.6、5.9、16.4、20.2、24.7、26.2、28.2、29.7および35.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIと称される別な結晶性形態が提供される。図21に、形態XXIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0079】
別の態様では、約5.2、17.2、19.4、20.2および25.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIIと称される別な結晶性形態が提供される。図22に、形態XXIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0080】
別の態様では、約4.7、12.7、17.1、17.5、19.2および28.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIIIと称される別な結晶性形態が提供される。図23に、形態XXIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0081】
別の態様では、約4.6、9.1、17.3、18.5および19.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIVと称される別な結晶性形態が提供される。図24に、形態XXIVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0082】
別の態様では、約4.6、5.2、10.6、13.0、17.1、19.4、20.2および34.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVと称される別な結晶性形態が提供される。図25に、形態XXVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0083】
別の態様では、3.8、4.5、9.0、9.9、17.3、18.4および19.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIと称される別な結晶性形態が提供される。図26に、形態XXVIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0084】
別の態様では、約4.5、5.1、10.3、15.4、17.1、19.5、20.7、25.3、26.4および30.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIIと称される別な結晶性形態が提供される。図27に、形態XXVIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0085】
別の態様では、4.4、5.9、9.7、12.1、17.1、19.4、21.3、24.9、30.3および35.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIIIと称される別な結晶性形態が提供される。図28に、形態XXVIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0086】
別の態様では、6.0、6.3、12.4、14.3、16.5、19.7、20.2、21.5、24.7および26.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIXと称される別な結晶性形態が提供される。図29に、形態XXIXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0087】
別の態様では、約4.7、5.1、5.7、14.0、16.2、20.0、21.1、24.5、25.9および28.0±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXXと称される別な結晶性形態が提供される。図30に、形態XXXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0088】
別の態様では、約4.5、4.7、8.9、13.4および26.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXXIと称される別な結晶性形態が提供される。図31に、形態XXXIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0089】
さらに別の態様では、約5.5、6.3、19.3および23.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファと称される別な結晶性形態が提供される。形態アルファに対する本明細書中の前記特性ピークに加え、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、11.0、15.0、18.4、21.0、22.4、28.1および33.3±0.2°にピークを含むこともできる。図32に、形態アルファに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0090】
他のさらに別の態様では、約5.5、10.9、19.3、23.1および33.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態ベータと称される別な結晶性形態が提供される。形態ベータに対する本明細書中の前記特性ピークに加え、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、14.9、18.3、20.9、22.4、23.1および27.9±0.2°にピークを含むこともできる。前に言及したように、同一の固体形態に対するXRPDパターンは、典型的には、いくつかの関連因子の関数として変化し、その因子のいくつかには、X線回折装置およびオペレーター−オペレーターの変動性が含まれることに留意されたい。図33に、形態ベータに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0091】
さらなる別の態様では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I、形態III、形態IV、形態V、形態VII、形態VIII、形態X、形態XI、形態XII、形態XIII、形態XIV、形態XV、XII、XIII、XIV、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、形態XXVIIIの調製方法が提供され、該方法は、
ステップ−1)イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中の溶液を準備するステップ;
ステップ−2)ステップ(1)の溶液を、適切な反溶媒(antisolvent)または反溶媒混合物を添加することによって飽和させるステップ;
ステップ−3)ステップ(2)の溶液を適切な温度で適切な時間撹拌して、固体を沈殿させるステップ;
ステップ4)ステップ(3)の固体を従来の方法で回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得るステップ;を含む。
上記4つのステップのすべてを、本発明の開示として、本明細書中で個別的に説明する。
【0092】
ステップ1)イバンドロン酸ナトリウム溶液の準備
イバンドロン酸ナトリウム溶液は、イバンドロン酸ナトリウムを適切な溶媒に溶解することによって得ることができ、あるいは、このような溶液は、イバンドロン酸ナトリウムを形成する反応から直接的に得ることができる。
【0093】
イバンドロン酸ナトリウムを溶解するのに使用できる適切な溶媒には、限定はされないが、水;ギ酸、酢酸などの酸性溶媒;ホルムアミド、DMSO;およびこれらの混合物が含まれる。
【0094】
溶解のための温度は、約25℃〜約100℃の範囲でよい。
【0095】
時間は、イバンドロン酸ナトリウムの完全溶解に必要とされる長さでよいが、約30分〜約10時間の範囲、またはそれ以上でよい。
【0096】
ステップ2)ステップ(1)の溶液の、適切な条件下での適切な反溶媒または反溶媒混合物の添加による飽和
ステップ(1)の溶液の飽和は、適切な条件下で適切な反溶媒または反溶媒混合物を添加することによって実施できる。飽和のために使用できる適切な反溶媒には、限定はされないが、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素溶媒;アセトン、n−ブタノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノールなどのアルコール性溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテルが含まれる。これら溶媒の任意の混合物も考えられる。
【0097】
飽和のため温度は、約−20℃〜約35℃の範囲でよい。
【0098】
ステップ3)ステップ(2)の溶液の撹拌
ステップ(2)の溶液を、固体物質を沈殿させるのに適切な温度で適切な時間撹拌すればよい。
【0099】
ステップ(3)を実施するのに適切な温度は、約10℃〜約35℃の範囲、好ましくは約30℃であってよい。
【0100】
溶液を撹拌する時間は、約30分〜約10時間の範囲、またはそれ以上でよいが、イバンドロン酸ナトリウムの固体物質の完全沈殿を達成するような長さに延長できる。
【0101】
ステップ4)ステップ(3)の固体の回収
ステップ(3)の後に得られる固体物質を従来の方法で回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得ることができる。
【0102】
最終混合物から固体物質を回収する方法は、操作温度未満に冷却することを含め、または含めず、重力、吸引、遠心分離による濾過などの技術のいずれかから選択することができる。そのようにして単離された結晶は、不純物の割合がより高い母液をわずかに吸蔵している場合がある。所望なら、フィルター上で結晶を溶媒で洗浄して、母液を洗い流すことができる。
【0103】
ステップ(4)で得られる湿潤ケーキを、場合によってさらに乾燥することもできる。
【0104】
場合による乾燥は、棚段乾燥機、真空オーブン、エアーオーブン、流動床乾燥機、回転フラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどから選択できる従来の装置中で実施できる。結晶性多形性形態の乾燥を実施するための乾燥温度は、多形性形態およびその性質に応じて、真空を用いるまたは用いない、約30℃〜約90℃の範囲でよい。乾燥は、所望の製品品質パラメーターが達成されるまで、任意の所望される時間実施することができる。好ましくは、時間は、約1〜20時間の範囲でよい。
【0105】
該方法は、その好ましい実施形態の1つにおいて、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Iを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを水、酢酸、ギ酸、またはDMSOなどの溶媒に利用する溶媒に応じて約50℃〜約160℃の範囲の温度で溶解すること、続いて、反溶媒としてエチレングリコールを約30℃の温度で添加することを含む。
【0106】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをホルムアミドに約110℃〜約130℃で溶解すること、続いて、エタノール、n−プロパノールまたはn−ブタノールから選択される反溶媒を約30℃の温度で添加することを含む。
【0107】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約50℃〜70℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてメチルエチルケトンまたはn−プロパノールを約50℃で添加することを含む。
【0108】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Vを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約50℃〜約65℃の温度で溶解すること、続いて、反溶媒としてメチルt−ブチルエーテルを添加することを含む。結晶性形態Vは、133.3℃で始まり約160℃で終わり約144.8℃にピークが記録されるDSCサーモグラムを有する、イバンドロン酸ナトリウムのギ酸との安定な溶媒和形態である。
【0109】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを水に約100℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてイソプロピルアルコールを約30℃で添加することを含む。
【0110】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約50℃〜約60℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてアセトンを添加することを含む。形態VIIIは、イバンドロン酸ナトリウムの水溶液を濃縮することによって得ることができる。
【0111】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Xを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを水に約100℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてn−プロパノールを添加すること、そして約100℃で撹拌することを含む。
【0112】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを酢酸に約100℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてイソプロピルアルコールを添加すること、そして約70℃で撹拌することを含む。
【0113】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約60℃〜65℃の温度で溶解すること、続いて、外界温度の条件下で徐々に濃縮することを含む。
【0114】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約50℃〜約60℃の温度で溶解すること、続いて、反溶媒としてアセトニトリルを添加すること、続いて約30℃で撹拌することを含む。
【0115】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約60℃で溶解すること、続いて、反溶媒として1,4−ジオキサンを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0116】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約60℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてジクロロメタンを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0117】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをホルムアミドに約150℃〜165℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてn−ブタノールを25℃〜35℃で添加すること、そして約15〜30分間撹拌することを含む。
【0118】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをホルムアミドに約50℃〜60℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてn−プロパノールを約50℃〜60℃で添加することを含む。
【0119】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをDMSOに約150℃〜160℃で溶解すること、続いて、反溶媒として酢酸エチルを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0120】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをホルムアミドに約120℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてn−ブタノールを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0121】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをジメチルスルホキシド(DMSO)に約150℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてメチルt−ブチルエーテルを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0122】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを水に約100℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0123】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを酢酸に約60℃〜65℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてエチルメチルケトンを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0124】
さらに別の態様では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態II、形態VI、形態XVI、形態XVII、形態XVIII、形態XIX、形態XX、形態XXI、形態XXIX、形態XXXの調製方法が提供され、該方法は、
ステップ−01)イバンドロン酸ナトリウムを適切な溶媒または溶媒混合物中に懸濁するステップ;
ステップ−02)ステップ01)の懸濁液を撹拌するステップ;
ステップ−03)ステップ02)の固体を従来の方法で回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得るステップ;を含む。
上記3ステップのすべてを、本発明の開示として本明細書に個別的に説明する。
【0125】
ステップ−01)イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中への懸濁
イバンドロン酸ナトリウムを溶媒または溶媒混合物中に懸濁する方法は、成分を混合することを含む。イバンドロン酸ナトリウムを懸濁するのに使用できる適切な溶媒には、限定はされないが、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、水、ギ酸、酢酸など;またはこれらの混合物が含まれる。
【0126】
ステップ−02)ステップ(1)の懸濁液の撹拌
懸濁液を撹拌するための温度は、約−10℃〜約35℃の範囲でよい。
【0127】
時間は、イバンドロン酸ナトリウムの完全沈殿に必要とされるような長さ、完全沈殿の達成に応じた約30分〜約10時間、またはそれ以上の時間でよい。
【0128】
ステップ03)ステップ(2)の固体の回収
ステップ−02)で得られる沈殿物から、当業者に周知の従来の方法で固体を回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得ることができる。
【0129】
固体の結晶性形態の回収に利用される従来の技術/方法は、例えば窒素などの不活性雰囲気の存在下または不在下での濾過、デカンテーション、遠心分離などから選択できる。
【0130】
ステップ(3)で得られる湿潤ケーキを、所望される結晶性多形性形態の特性に応じて、必要であれば場合によってさらに乾燥することができる。
【0131】
乾燥は、適切には、棚段乾燥機、真空オーブン、エアーオーブン、流動床乾燥機、回転フラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどから選択される装置中で実施できる。乾燥は、約30℃〜約90℃の温度で、真空を用いてまたは用いないで実施できる。乾燥は、必要とされる製品純度が達成されるまで任意の所望される時間実施することができ、大抵は約1〜20時間で十分である。
【0132】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてホルムアミドを使用し、約0〜5℃、または50〜60℃で約10時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IIが得られる。
【0133】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルホルムアミドを使用し、約50〜約60℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIが得られる。
【0134】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルアセトアミドを使用し、約50〜約60℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIが得られる。
【0135】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を使用し、約25〜35℃で約10時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIIが得られる。
【0136】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルアセトアミドを使用し、約25〜35℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIIIが得られる。
【0137】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルホルムアミドを使用し、約25〜35℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIXが得られる。
【0138】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒として水を使用し、約0〜5℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXが得られる。
【0139】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルスルホキシドを使用し、約50〜60℃で10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIが得られる。
【0140】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてギ酸を使用し、約50〜60℃で10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIXが得られる。
【0141】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒として酢酸を使用し、約50〜60℃で10時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXXが得られる。
【0142】
本発明のさらに別の実施形態では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IXの調製方法が提供され、該方法は、
ステップ1)イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中の溶液を準備するステップ;
ステップ2)ステップ(1)からの固体を回収してイバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態IXを得るステップ;を含む。
上記2つのステップを、本発明の開示として本明細書中で個別的に説明する。
【0143】
ステップ1)イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中溶液の準備
イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中溶液の準備は、イバンドロン酸ナトリウムを溶媒または溶媒混合物に適切な温度で溶解することを含む。イバンドロン酸ナトリウムを溶解するのに使用できる適切な溶媒には、限定はされないが、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノールなどのアルコール性溶媒;ギ酸、酢酸などの酸性溶媒;またはこれらの混合物が含まれる。好ましくは、水を利用して溶液を調製する。
【0144】
溶解のために温度は、約25℃〜約100℃の範囲、または使用する溶媒の還流温度でよい。
【0145】
ステップ2)ステップ(1)からの固体の回収
ステップ1)から得られる溶液を凍結乾燥またはフリーズドライすることによって固体結晶性形態を回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態IXを得ることができる。
【0146】
よりさらなる態様では、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXXIの調製方法が提供され、該方法は、
ステップ−1)イバンドロン酸ナトリウムの適切な弱酸中の溶液を適切な条件下で準備するステップ;
ステップ−2)ステップ(1)の固体を従来の適切な技術で回収してイバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得るステップ;を含む。
【0147】
上記方法では、溶媒として酢酸を使用し、続いて約60〜65℃で撹拌し、溶媒の緩慢な蒸発のために放置して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXXIが得られる。形態XXXIは、イバンドロン酸ナトリウムの酢酸溶液を外界温度下で徐々に濃縮することによっても形成できる。
【0148】
さらに別の態様では、形態アルファと称される新規な結晶性形態の調製方法が提供され、該方法は、イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物(形態V)を、ギ酸含有量が約1%(w/w)未満になるまで脱溶媒和することを含む。好ましい脱溶媒和の方式は、乾燥による。
【0149】
結晶性形態アルファは、イバンドロン酸ナトリウムの、限定はされないが、ギ酸溶媒和物、酢酸溶媒和物、エチレングリコール溶媒和物、DMSO溶媒和物を含む任意の溶媒和された多形性形態を、溶媒和物含有量が約1%(w/w)未満になるまで脱溶媒和することによって得ることもできる。
【0150】
イバンドロン酸ナトリウムの本発明による結晶性形態アルファは、カールフィッシャー法で約0.1%〜約10%(w/w)の範囲の水分含有量を有することができる。
【0151】
イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物(形態V)は、約50℃〜約150℃、好ましくは約100℃の温度での乾燥に付すことができる。乾燥は、流動床乾燥機などの直接接触式乾燥機、または棚段乾燥機などの間接接触式乾燥機を使用して実施することができる。乾燥は、真空を印加して、またはしないで実施することができる。脱溶媒和に必要とされる正確な時間は、当業者が容易に決定することができる。同じ時間および温度を、本明細書に記載のその他の溶媒和物の脱溶媒和に採用して形態アルファを生成させることができる。
【0152】
別の態様では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータの調製方法が提供され、該方法は、形態アルファを、好ましくは30%を超える水分を有する湿潤環境に曝露することを含む。好ましくは、約40%〜約80%の範囲の水分含有量を含む湿潤環境を利用する。
【0153】
結晶性形態ベータは、イバンドロン酸ナトリウムの本発明による任意の多形性形態を湿潤環境に曝露することによって得ることもできる。
【0154】
イバンドロン酸ナトリウムの本発明による結晶性形態ベータの固体は、約0.1%〜約10%(w/w)の範囲(カールフィッシャー法で)の水分含有量を有することができ、かつ好ましくは約1%(w/w)未満のギ酸含有量を有することができる。
【0155】
湿潤環境は、窒素、アルゴンなどの気体の存在する不活性雰囲気中で実現することもできる。該方法において元の形態が曝露される湿潤環境の相対湿度は、好ましくは30%を超え、より好ましくは約40〜80%の範囲である。形態アルファを、約20℃〜約80℃、好ましくは約50℃の温度で該湿度に曝露すればよい。湿潤雰囲気への曝露継続時間は、形態アルファから形態ベータへの転化のために必要とされる時間によって決まり、その時間は、該雰囲気の温度および湿度などのパラメーターによって決まり、当業者により容易に決定され得る。流動床乾燥機または加湿チャンバーなどの適切な装置中で湿潤空気を使用することによって、形態アルファを、制御された条件下で湿潤雰囲気に曝露してもよい。
【0156】
湿潤環境に曝露することには、室温で大気中の水分に曝露することなどの他の方法も含まれる。
【0157】
本発明の多形体のための出発原料は、当技術分野で周知の任意の方法により得られる、粗製または純粋なイバンドロン酸ナトリウムでよい。出発原料は、どちらの方法の場合も、当技術分野で周知の任意の方法により得られる、非晶性または結晶性形態、あるいは非晶性と結晶性形態との混合物などの任意の多形性形態でもよい。
【0158】
形態アルファおよび形態ベータをはじめとする本発明の多形体を調製するための出発原料は、当技術分野で周知の任意の、または本発明の方法により得られる粗製または純粋なイバンドロン酸ナトリウムでよい。出発原料は、どちらの方法の場合も、当技術分野で周知の任意の、または本発明の方法により得られる、イバンドロン酸ナトリウムの非晶性または結晶性形態、あるいはイバンドロン酸ナトリウムの非晶性と結晶性形態との混合物などの任意の多形性形態でもよい。
【0159】
イバンドロン酸ナトリウムの本発明による結晶性形態の調製方法では、イバンドロン酸ナトリウムの個々の結晶性形態の種結晶を場合によって使用することもできる。
【0160】
本明細書中で提供されるすべての粉末X線回折パターンデータは、PANalytical Axe D8 Advance 粉末X線回折計を使用して得た。XRPDパターンは、CuKα放射線を使用し、波長1.5418Åで記録した。
【0161】
乾燥した生成物を、所望の粒子径を得るために場合によって粉砕することができる。粉砕またはミクロ化は、生成物の乾燥に先立って、または乾燥完了後に実施できる。粉砕操作は、粒子を互いに高速で衝突させることによって、粒子の大きさを細かくし、かつ粒子の表面積を増加させる。
【0162】
乾燥は、物質の粒子径がより小さく、かつ表面積がより大きい場合に、より効率的であり、それゆえ、粉砕を乾燥操作に先立って実施できる。
【0163】
粉砕は、適切には、エアージェットミルのようなジェット粉砕装置を使用して、またはその他の従来的粉砕装置を使用して行うことができる。
【0164】
さらに別の態様において、本発明は、イバンドロン酸ナトリウムの本発明による結晶性多形体、および少なくとも1種の医薬として許容し得る担体を含有する医薬組成物を包含する。
【0165】
イバンドロン酸ナトリウムの本発明による多形体は、経口投与のための固形組成物として、カプセル、錠剤、ピル、粉末または顆粒の形態で製剤することができる。これらの組成物において、本発明による活性物は、1種または複数の医薬として許容し得る賦形剤と混合される。活性物は、各剤形中に、約0.1μg〜2gの量で存在できる。より典型的には、各剤形は、約1mg〜約250mg、より好ましくは約2.5mg〜約150mgを含有する。薬物物質は、水、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコールまたは流動パラフィンなどの溶媒またはビヒクルを含有する、例えば、溶液、懸濁液、シロップ、エレキシルおよび乳液をはじめとする、経口投与のための液状組成物として製剤され、使用されることができる。
【0166】
非経口投与のための組成物は、懸濁液、乳液、または水性もしくは非水性の無菌溶液でよい。溶媒またはビヒクルとしては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(特にオリーブ油)、および注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を採用できる。これらの組成物は、補助剤、特に、湿潤化剤、乳化剤および分散剤を含有することができる。滅菌は、いくつかの方法で、例えば、微生物用フィルターを使用すること、組成物中に滅菌剤を組み込むこと、照射または加熱によって実施できる。それらの組成物は、使用時に無菌水またはその他任意の注射可能な無菌媒体中に溶解できる無菌組成物の形態で調製できる。
【0167】
本発明で使用される医薬として許容し得る担体には、限定はされないが、デンプン、α化デンプン、乳糖、粉末セルロース、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、マンニトール、ソルビトール、糖などの希釈剤;アラビアゴム、グアーゴム、トラガカントゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、α化デンプンなどの結合剤;デンプン、グリコール酸デンプンナトリウム、α化デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素などの崩壊剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;アニオンまたはカチオンまたは中性界面活性剤などの溶解または湿潤増強剤;各種グレードのシクロデキストリン、樹脂などの錯体形成剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、各種グレードのメチルメタクリレート、ワックスなどの放出速度調節剤が含まれる。使用される医薬として許容し得るその他の賦形剤には、限定はされないが、フィルム形成剤、可塑剤、着色剤、風味剤、甘味剤、粘度増強剤、保存剤、酸化防止剤などが含まれる。
【0168】
示差走査熱量(DSC)分析に利用される方法は、TA InstrumentsからのDSC Q200 V9.4 Build 287モデルで250℃まで10℃/分の勾配で決定した。熱重量分析(TGA)曲線の作成には、TGA Q500 V6.4 Build 193装置を、380℃まで10℃/分の勾配で使用した。
【0169】
いくつかの具体的な態様および実施形態に関して本発明を説明するが、本明細書を考察することにより、他の実施形態も当業者にとって明らかになろう。本発明は、いくつかの具体的な態様および実施形態をより詳細に説明している以下の実施例を参照することによって、さらに明確にされるが、該実施例は、いかなる意味でも本発明の範囲を限定することを意図しない。物質および方法に対する多くの修正が、本発明の範囲から逸脱しないで実施できることは、当業者にとって明らかであろう。
【実施例】
【0170】
(実施例1):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Iの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、水(3mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を100℃まで加熱し、15分間撹拌した。生じた均一反応溶液を室温まで冷却し、エチレングリコール(15mL)を一度に仕込んだ。生じた反応混合物を室温で10〜15分間撹拌した。分離した固体を、濾過し、30分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態I(693mg)を得た。
【0171】
(実施例2):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、酢酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を60〜65℃まで加熱し、15分間撹拌した。生じた溶液を室温まで冷却し、エチレングリコール(15mL)を添加した。溶液を室温で10〜15分間撹拌した。分離した固体を濾過し、該固体を30分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態I(910mg)を得た。
【0172】
(実施例3):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を60〜65℃まで加熱し、15分間撹拌して澄明な溶液とした。生じた反応溶液を室温まで冷却し、エチレングリコール(10mL)を添加した。生じた懸濁液を室温で15分間撹拌した。分離した固体を濾過し、該固体を30分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態I(625mg)を得た。
【0173】
(実施例4):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I
イバンドロン酸ナトリウム(602.1mg)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;2mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を150〜160℃まで加熱し、15分間撹拌して澄明な溶液とした。生じた均質な反応溶液を室温まで冷却し、エチレングリコール(40mL)を分割(2×20mL)して仕込み、生じた溶液を10〜15分間撹拌した。分離した固体を濾過し、該固体を30分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態I(521mg)を得た。
【0174】
(実施例5):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(10mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。懸濁液を50〜60℃で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、5分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態II(454mg)を得た。
【0175】
(実施例6):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態II
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(10mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。得られた混合物を0〜5℃で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、50〜60℃で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態II(502mg)を得た。
【0176】
(実施例7):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態II
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA;10mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、0〜5℃まで冷却し、10〜12時間撹拌した。生じた反応混合物を、濾過し、50〜60℃で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態II(623mg)を得た。
【0177】
(実施例8):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態II
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;10mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、0〜5℃まで冷却し、10〜12時間撹拌した。得られた固体を、濾過し、50〜60℃で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態II(802mg)を得た。
【0178】
(実施例9):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ホルムアミド(5mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、120〜125℃まで加熱し、15〜30分間撹拌した。生じた溶液にエタノール(25mL)を120〜125℃で添加し、30〜60分間撹拌した。反応溶液を、25〜35℃まで冷却し、2〜3時間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を約15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態III(1.16g)を得た。
【0179】
(実施例10):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態III
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(5mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、120〜125℃まで加熱し、15分間撹拌した。生じた反応溶液を室温まで冷却し、n−プロパノール(25mL)を添加した。生じた溶液を、1〜2時間撹拌して固体を分離した。分離された固体を濾過し、得られた固体を60℃で2時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態III(0.42g)を得た。
【0180】
(実施例11):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態III
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、120〜125℃まで加熱し、続いて15分間撹拌した。生じた溶液を室温まで冷却し、n−ブタノール(25mL)を徐々に仕込んだ。生じた反応溶液を、固体が分離するまで1〜2時間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を50〜60℃で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態III(0.4g)を得た。
【0181】
(実施例12):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(602mg)を、ギ酸(0.6mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、60〜70℃まで撹拌下で5〜10分間加熱した。溶液を室温まで冷却し、エチルメチルケトン(15mL)を一度に仕込み、5〜10分間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態IV(464.2mg)を得た。
【0182】
(実施例13):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IV
イバンドロン酸ナトリウム(802mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、50〜60℃まで加熱し、5〜10分間撹拌した。生じた溶液に、n−プロパノール(10mL)を添加し、5〜10分間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態IV(914mg)を得た。
【0183】
(実施例14):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Vの調製
イバンドロン酸ナトリウム(600mg)を、ギ酸(0.6mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、60〜65℃まで撹拌下に10〜15分間加熱した。生じた溶液を25〜35℃まで冷却し、続いてメチルt−ブチルエーテル(MTBE;15mL)を仕込んだ。生じた混合物溶液を15分間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される粉末X線回折パターンを有する結晶性形態V(575mg)を得た。
【0184】
(実施例15):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態V
イバンドロン酸ナトリウム(50g)を、清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込み、ギ酸とメチルt−ブチルエーテルからなる溶液(比率1:1、350mL)を添加した。混合物を、澄明溶液を得るためにさらに撹拌した。不溶物を濾過して除去した。濾液を撹拌下に50℃まで15分間加熱し、続いて、メチルt−ブチルエーテル(500mL)を添加した。生じた混合物を、25℃まで放冷し、15分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、メチルt−ブチルエーテルで洗浄し、次いで、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態V(60g)を得た。
【0185】
(実施例16):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VI
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;10mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、50〜60℃まで10〜12時間加熱した。固体を濾過し、吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態VI(1.51g)を得た。
【0186】
(実施例17):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VII
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、脱塩水(1mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、100℃まで加熱、撹拌した。生じた溶液を室温まで冷却し、イソプロピルアルコール(20mL)を添加し、10〜15分間撹拌した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態VII(755mg)を得た。
【0187】
(実施例18):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、50〜60℃まで15分間加熱、撹拌し、続いて反応溶液を室温まで冷却した。溶液にアセトン(8mL)を添加し、10〜15分間撹拌した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態VIII(720mg)を得た。
【0188】
(実施例19):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIII
イバンドロン酸ナトリウム(500mg)を、脱塩水(2mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、60〜65℃まで加熱した。生じた溶液を室温で徐々に濃縮して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態VIII(485mg)を得た。
【0189】
(実施例20):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(500mg)を、脱塩水(2mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。生じた澄明溶液を、清浄で乾燥したペトリ皿に仕込んだ。溶液をフリーズドライチャンバー中で−10℃まで凍結し、高真空(0.1Torr)下に−10〜10℃の温度範囲で7〜8時間にわたって乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される形態IX(420mg)を得た。
【0190】
(実施例21):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Xの調製
イバンドロン酸ナトリウム(802mg)を、脱塩水(3mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、100℃まで加熱、撹拌した。生じた溶液に、100℃でn−プロピルアルコール(20mL)を添加し、5〜10分間撹拌した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態X(836mg)を得た。
【0191】
(実施例22):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(803.2mg)を、酢酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、60〜65℃まで加熱、撹拌した。生じた溶液に、IPA(2×20mL)を分割して添加し、15分間撹拌して固体を分離した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XI(954mg)を得た。
【0192】
(実施例23):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(500mg)を、ギ酸(1.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、60〜65℃まで撹拌下で加熱した。生じた溶液を放置して外界条件下で徐々に濃縮して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XII(477mg)を得た。
【0193】
(実施例24):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、50〜60℃まで加熱、撹拌し、続いて、溶液を室温まで冷却した。生じた反応溶液に、室温でアセトニトリル(8mL)を15〜20分間で添加した。分離された固体を、濾過し、10〜15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される形態XIII(655mg)を得た。
【0194】
(実施例25):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、60〜65℃まで加熱、撹拌し、続いて、反応溶液を室温まで冷却した。生じた反応溶液に、1,4ジオキサン(2×10mL)を分割して添加し、室温で15分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XIV(720mg)を得た。
【0195】
(実施例26):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(600mg)を、ギ酸(0.6mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、60〜65℃まで撹拌下に15分間加熱した。反応溶液を室温まで冷却した。生じた溶液に、ジクロロメタン(10+5mL)を分割して添加し、室温で15分間撹拌した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XV(350mg)を得た。
【0196】
(実施例27):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.02g)を、ジメチルアセトアミド(DMA;8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。生じた混合物を、50〜60℃で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XVI(910mg)を得た。
【0197】
(実施例28):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.01g)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。生じた混合物を室温で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XVII(900mg)を得た。
【0198】
(実施例29):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.02g)を、ジメチルアセトアミド(DMA;8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を室温で10〜12時間撹拌した。固体を濾過し、得られた固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XVIII(850mg)を得た。
【0199】
(実施例30):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.01g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;6mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を室温で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XIX(955mg)を得た。
【0200】
(実施例31):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、DM水(1.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、0〜5℃まで撹拌下に10〜12時間冷却した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XX(159mg)を得た。
【0201】
(実施例32):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.01g)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、50〜60℃まで加熱し、10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXI(880mg)を得た。
【0202】
(実施例33):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(2mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、155〜160℃まで加熱し、15分間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した。生じた反応溶液に、n−ブタノール(10mL)を添加し、15分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、吸引し、真空下に室温で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXII(800mg)を得た。
【0203】
(実施例34):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(802.1mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、50〜60℃まで加熱し、5〜10分間撹拌した。生じた溶液に、n−プロパノール(10mL)を50〜60℃で撹拌しながら5〜10分間で添加した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXIII(914mg)を得た。
【0204】
(実施例35):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(603.1mg)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;2mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、150〜160℃まで加熱し、15分間撹拌した。生じた反応溶液を室温まで冷却した。生じた溶液に、酢酸エチル(20mL)を添加し、15分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXIV(575mg)を得た。
【0205】
(実施例36):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ホルムアミド(5mL)中に120℃の温度まで加熱しながら溶解した。該溶液に、n−ブタノール(25mL)を添加し、120℃で1時間撹拌した。懸濁液を室温まで冷却し、75分間撹拌し、次いで、濾過し、続いて真空下で吸引乾燥して、712mgの標題化合物を得た。
【0206】
(実施例37):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(602.2mg)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;2mL)に150〜160℃の温度まで加熱しながら溶解し、次いで、得られた溶液を室温まで冷却した。生じた溶液に、メチルt−ブチルエーテル(MTBE;20mL)を添加し、室温で1〜2時間撹拌した。懸濁液を、濾過し、真空下で吸引乾燥して、587mgの標題化合物を得た。
【0207】
(実施例38):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(790mg)を、水(3mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、100℃まで加熱し、15分間撹拌し、完全な溶解をチェックした。反応溶液にTHF(35mL)を100℃で添加し、5〜10分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXVII(986.2mg)を得た。
【0208】
(実施例39):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、酢酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、60〜65℃まで加熱し、続いて15分間撹拌し、完全な溶解をチェックした。反応溶液にエチルメチルケトン(30mL)を60〜65℃で添加し、5〜10分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXVIII(725mg)を得た。
【0209】
(実施例40):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1mg)を、ギ酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、50〜60℃まで加熱し、10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、真空下で15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXIX(393.2mg)を得た。
【0210】
(実施例41):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、酢酸(1mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、50〜60℃まで加熱し、10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、真空下で15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXX(868.2mg)を得た。
【0211】
(実施例42):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXXIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(500mg)を、酢酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、60〜65℃まで加熱し、10〜15分間撹拌した。溶液を室温で徐々に濃縮し、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXXIを得た。
【0212】
(実施例43):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態アルファの調製
イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物(形態V)(60g)を、100℃の温度の熱エアーオーブン中、大気圧で9時間加熱して、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファを得た。
収量:50g、水分含有量:0.66%(KF法)、ギ酸含有量:0.16%(w/w)。
【0213】
(実施例44):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータの調製
イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物(形態V)(50g)を100℃の温度の熱エアーオーブン中、大気圧で8時間加熱した。物質を、オーブンから取り出し、大気条件に24時間曝露して、イバンドロン酸ナトリウムの形態ベータを得た。
【0214】
収量:45g、水分含有量:8.9%(KF法)、ギ酸含有量:0.52%(w/w)。
DSCサーモグラム:2つのピーク、127.3℃にピーク−01、183.8℃にピーク−02を示す。
【0215】
(実施例45):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータの調製
実施例2で得られたイバンドロン酸ナトリウムの形態アルファ(8g)を、流動床乾燥機中の湿潤雰囲気(70〜80%の範囲の相対湿度を有する)に25℃〜35℃の範囲の温度で24時間曝露して、形態ベータを得た。
【0216】
収量:8g、水分含有量:9.2g(KF法)。
【0217】
(実施例46):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータの調製
イバンドロン酸ナトリウム(50g)を清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込み、ギ酸とメチルt−ブチルエーテルからなる溶液(比率1:1、350mL)を添加した。混合物を、澄明な溶液を得るために40〜45℃まで加熱した。不溶物を濾過により除去した。濾液を、45〜50℃まで撹拌しながら10分間加熱、続いて、メチルt−ブチルエーテル(500mL)を添加した。生じた混合物を、室温まで放冷し、20分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、メチルt−ブチルエーテル(100mL)で洗浄し、次いで、15分間吸引した。化合物を、真空下に50℃でさらに3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Vを得た。
【0218】
M.C.:KF法で2.37%、ギ酸含有量15.25%(w/w)。
【0219】
イバンドロン酸ナトリウムの上記方法で得られた結晶性形態V(55g)を、熱エアーオーブン中、100℃の温度で15時間加熱して、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファを得た。
収量:39g、水分含有量:2.97%(KF法)、ギ酸含有量:0.16%(w/w)。
【0220】
上記で得られた物質(5g)を、オーブンから取り出し、加湿チャンバー中の湿潤雰囲気(25℃で60%の相対湿度を有する)に30〜40分間曝露して、形態ベータを得た。
収量:5.3g、水分含有量:9.02%(KF法)、ギ酸含有量:0.18%(w/w)。
【技術分野】
【0001】
本出願は、イバンドロン酸ナトリウムの新規な結晶性形態、およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イバンドロン酸ナトリウムは、破骨細胞介在性骨吸収を阻害する、窒素含有ビスフォスフォネートである。イバンドロン酸ナトリウムの化学名は、3−(N−メチル−N−ペンチル)アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−二リン酸モノナトリウム塩であり、式(I)
【0003】
【化1】
の化学構造で表される。
【0004】
イバンドロン酸のモノナトリウム塩は、悪性低カルシウム血症、骨溶解症、パジェット病、骨粗鬆症および転移性骨疾患などの骨障害の治療で有用であり、Boniva(商標)の商品名にて市販されている。これは、閉経後女性における骨粗鬆症の治療および予防に適応とされる。
【0005】
Gallらは、米国特許第4927814号明細書中に、一般的かつ具体的に、イバンドロン酸およびその類似体、それらの生理学的に許容し得る塩を記載している。該特許は、また、医薬組成物、およびカルシウム代謝の異常または疾患の予防治療における該組成物の使用を開示している。
【0006】
Eiermannらは、特許文献1中に、イバンドロン酸ナトリウム一水和物の結晶性形態Aと称される結晶性形態、およびその調製方法を記載している。
【0007】
Eiermannらは、別のPCT出願、特許文献2中に、イバンドロン酸ナトリウム一水和物の結晶性形態Bと称される別の結晶性形態を、その調製方法と一緒に記載している。
【0008】
Lifshitz−Lironらは、特許文献3中に、イバンドロン酸ナトリウムの形態C、D、E、F、G、H、J、K、K2、K3、Q、Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6、QQ、R、S、T、ヘミ−エタノレートおよびエタノレートと称されるいくつかの結晶性形態を、非晶性形態ならびにそれらの調製方法と一緒に記載している。
【0009】
Pulla Reddy Muddasaniらは、特許文献4中に、イバンドロン酸ナトリウム一水和物の形態IおよびIIと称される新規な結晶性形態を記載している。該出願には、非晶性のイバンドロン酸ナトリウム一水和物も記載されている。
【0010】
上記の特許および特許出願のすべてが、各種多形性形態を開示しているが、商業的製造に使用することができ、かつ製剤および治療上の利益の双方をもたらすことのできる新規な結晶性形態の必要性がなお存在する。
【0011】
異なる形態は、剤形設計において、ならびにバイオアベイラビリティーおよび/または生物学的同等性に関して重要であり得る溶解度などの特性に関して、異なる特性を提供する可能性がある。異なる形態は、また、安定性に関する利点を提供する可能性がある。多形性形態は、それらの物理的特性を異にする場合があるので、規制当局は、新規薬物物質のすべての多形性形態、例えば、結晶性、非晶性、ならびに擬多形性形態、例えば、溶媒和物などを識別するために努力することを求めている。
【0012】
薬物物質のいくつかの多形体は、薬物結晶の物理的形態および形状の同時変化のみならず明瞭な物理的特性の付随的変化をもたらす、貯蔵による他の結晶性形態への転化という欠点を有する。一般に、分子は、熱力学的により安定な形態、多くはより低い溶解度を有する形態に戻る。このような熱力学的に安定な形態は、時には、特に経口投与にとって低下した、または最適状態に及ばないバイオアベイラビリティーをもたらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2006081963号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006081962号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2006024024号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2007074475号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この目的に向けて、薬物物質の新規な結晶性形態、より具体的には、結晶性形態の強度、すなわち熱力学的安定性、すなわち高められた溶解度、迅速な作用開始および高められたバイオアベイラビリティーを有する薬物物質の熱力学的に安定な形態を提供することが、製薬研究者の試みであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本出願は、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態およびその調製方法を提供する。
【0016】
一態様では、約5.2、17.4、20.1、25.2および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Iと称される結晶性形態が提供される。
【0017】
別の態様では、約5.2、10.6、17.2、18.1、21.6、25.6および33.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0018】
別の態様では、約5.4、10.9、14.4、17.3、18.2、19.4、20.3、21.7、24.7および25.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0019】
別の態様では、約4.9、9.7、19.7、21.2、21.9、26.5および31.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0020】
別の態様では、約4.8、10.8、19.7、22.0および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Vと称される別な結晶性形態が提供される。
【0021】
別の態様では、約4.8、9.6、15.4、19.4、21.7、24.2、28.2、32.9および37.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0022】
別の態様では、約4.9、9.8、10.9、14.1、17.1、18.6、19.8、23.8、24.8および25.9±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、結晶性イバンドロン酸ナトリウムの形態VIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0023】
別の態様では、約6.1、16.7、18.1、20.3および30.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0024】
別の態様では、約19.5、20.8、25.4、26.3および34.9±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0025】
別の態様では、約4.6、5.8、17.2、19.4、24.4および28.0±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Xと称される別な結晶性形態が提供される。
【0026】
別の態様では、約4.7、5.9、9.6、17.1および19.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0027】
別の態様では、約4.9、6.0、9.7、12.4、17.0、19.3、24.9、29.3、30.3および36.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0028】
別の態様では、約4.8、6.0、9.7、16.9、19.7、24.9および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0029】
別の態様では、約4.8、6.0、9.6、17.0、18.2、19.2、20.1および24.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0030】
別の態様では、約4.7、5.9、9.6、19.5、21.4、26.3、30.8および35.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0031】
別の態様では、約5.0、5.9、10.1、15.2、15.7、16.1、17.0、20.0、22.4および23.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0032】
別の態様では、約4.5、5.8、8.9、18.1、19.8、24.5、25.9、29.6および35.5±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0033】
別の態様において、本発明は、約5.0、5.9、10.0、17.0、20.1および28.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIIIと称される別な結晶性形態を提供する。
【0034】
別の態様では、4.7、5.7、9.4、17.0、21.4、24.3、28.2、29.5および35.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0035】
別の態様では、約5.1、5.8、16.7、20.8、25.0および33.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0036】
別の態様では、約4.6、5.9、16.4、20.2、24.7、26.2、28.3、29.7および35.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0037】
別の態様では、約5.2、17.2、19.4、20.2および25.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0038】
別の態様では、約4.7、12.7、17.1、17.5、19.2および28.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0039】
別の態様では、約4.6、9.1、17.3、18.5および19.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0040】
別の態様では、約4.6、5.2、10.6、13.0、17.1、19.4、20.2および34.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVと称される別な結晶性形態が提供される。
【0041】
別の態様では、3.8、4.5、9.0、9.9、17.3、18.4および19.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0042】
別の態様では、約4.5、5.1、10.3、15.4、17.1、19.5、20.7、25.3、26.4および30.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0043】
別の態様では、4.4、5.9、9.7、12.1、17.1、19.4、21.3、24.9、30.3および35.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIIIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0044】
別の態様では、6.0、6.3、12.4、14.3、16.5、19.7、20.2、21.5、24.7および26.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0045】
別の態様では、約4.7、5.1、5.7、14.0、16.2、20.0、21.1、24.5、25.9および28.0±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXXと称される別な結晶性形態が提供される。
【0046】
別の態様では、約4.5、4.7、8.9、13.4および26.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXXIと称される別な結晶性形態が提供される。
【0047】
さらに別の態様では、約5.5、6.3、19.3および23.1±0.2°の2θに特性ピークを有し、図32と実質的に一致する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファと称される別な結晶性形態が提供される。
【0048】
他のさらなる別の態様では、約5.5、10.9、19.3、23.1および33.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態ベータと称される別な結晶性形態が提供される。
【0049】
別の態様では、イバンドロン酸ナトリウムの本発明の結晶性形態を、医薬として許容し得る賦形剤と共に含有する医薬組成物が提供される。
【0050】
別の実施形態において、本発明は、実質的に図1〜33に示したまたは描かれた通りのパターンを有する本明細書中でI〜XXXI、アルファおよびベータとして識別される、イバンドロン酸ナトリウムの特有の結晶性形態を包含する。これらは、本明細書中で、実質的に個々の図に描かれた通りの粉末X線回折パターンを有する結晶性形態として言及される。「実質的に」とは、限定はされないが、使用する装置、サンプル調製、好ましいパッキングおよび配向、照射源などを含む、結晶学および粉末X線回折の技術分野の当業者にとって周知のいくつかの因子によって、パターンがそれらのピーク位置および相対的ピーク強度に関して変化し得ることと認識される。しかし、当業者は、本明細書中の図をイバンドロン酸ナトリウムの未知形態から生じるパターンと比較し、その正体を本明細書中で開示され特許を請求される形態の1つとして識別することが可能なはずである。
【0051】
さらに別の実施形態において、本発明は、+0.2°の2θが一意的にその形態を識別する、多くは4〜10個である任意のピーク数を選択することによって個別的に記述することのできる、イバンドロン酸ナトリウムの形態I〜XXXIならびにアルファおよびベータと称することができる、いくつかの結晶性形態を包含する。
【0052】
さらに別の実施形態において、本発明は、形態I、V、VIII、アルファおよびベータと称することのできる、イバンドロン酸ナトリウムのいくつかの結晶性形態を包含する。本発明によるさらに別の実施形態では、本明細書中で「溶媒和形態(solvatomorph)」と呼ばれる、結晶性のイバンドロン酸ナトリウム溶媒和物が提供される。本発明によるイバンドロン酸ナトリウム溶媒和物には、水、炭化水素溶媒、ケトン、アルコール、ニトリル、エーテル、アミン、エステルおよび酸を使用して作られるものが含まれる。詳細には、結晶性イバンドロン酸塩溶媒和物は、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、n−ブタノン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルケトン、アセトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、ジメチルスルホキシド、メチルt−ブチルエーテル、ジクロロメタン、ホルムアミド、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、またはジメチルアセトアミドを使用して作られるものである。したがって、例えば、溶媒和物は、イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物であり得る。溶媒和物は、ヘミ溶媒和物、一溶媒和物、セスカ溶媒和物、二溶媒和物、三溶媒和物、四溶媒和物、五溶媒和物などのように、元となるイバンドロン酸ナトリウム分子に対して任意の割合の溶媒(遊離の溶媒ではなく、結晶化溶媒としても知られる拘束された溶媒)を含む。形態Vは、例えば、ギ酸溶媒和物(1:1)である。
【0053】
本発明の別の態様は、結晶性形態アルファの調製方法である。該方法は、イバンドロン酸ナトリウムの溶媒和物を、その残留溶媒含有量が約1%(wt/wt)未満となるまで脱溶媒和することを含む。これは、乾燥することによって完遂できる。別の実施形態において、形態アルファは、ギ酸溶媒和物、酢酸溶媒和物、エタノールグリコール溶媒和物、またはジメチルスルホキシド(「DMSO」)溶媒和物を、その残留溶媒含有量が約1%(wt/wt)未満となるまで脱溶媒和することによって作り出すことができる。イバンドロン酸ナトリウム溶媒和物は、適切な温度で、溶媒含有量の所望される減少を達成するのに十分な時間乾燥することによって脱溶媒和され得る。
【0054】
乾燥は、約50〜約150℃の温度で完遂できる。
【0055】
本発明の別の態様において、結晶性形態アルファから結晶性形態ベータのイバンドロン酸ナトリウムへ転化するための方法が提供され、該方法は、形態アルファを、転化を完遂するのに十分な時間湿潤環境に曝露することを含む。好ましくは、使用される大気の水分含有量は30%超を超える。より好ましくは、湿潤環境は、40〜80%の範囲の水分含有量を含む。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】イバンドロン酸ナトリウムの実施例2の結晶性形態Iに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図2】イバンドロン酸ナトリウムの実施例8の結晶性形態IIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図3】イバンドロン酸ナトリウムの実施例9の結晶性形態IIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図4】イバンドロン酸ナトリウムの実施例12の結晶性形態IVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図5】イバンドロン酸ナトリウムの実施例14の結晶性形態Vに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図6】イバンドロン酸ナトリウムの実施例16の結晶性形態VIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図7】イバンドロン酸ナトリウムの実施例17の結晶性形態VIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図8】イバンドロン酸ナトリウムの実施例19の結晶性形態VIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図9】イバンドロン酸ナトリウムの実施例20の結晶性形態IXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図10】イバンドロン酸ナトリウムの実施例21の結晶性形態Xに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図11】イバンドロン酸ナトリウムの実施例22の結晶性形態XIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図12】イバンドロン酸ナトリウムの実施例23の結晶性形態XIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図13】イバンドロン酸ナトリウムの実施例24の結晶性形態XIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図14】イバンドロン酸ナトリウムの実施例25の結晶性形態XIVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図15】イバンドロン酸ナトリウムの実施例26の結晶性形態XVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図16】イバンドロン酸ナトリウムの実施例27の結晶性形態XVIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図17】イバンドロン酸ナトリウムの実施例28の結晶性形態XVIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図18】イバンドロン酸ナトリウムの実施例29の結晶性形態XVIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す図である。
【図19】イバンドロン酸ナトリウムの実施例30の結晶性形態XIXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図20】イバンドロン酸ナトリウムの実施例31の結晶性形態XXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図21】イバンドロン酸ナトリウムの実施例32の結晶性形態XXIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図22】イバンドロン酸ナトリウムの実施例33の結晶性形態XXIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図23】イバンドロン酸ナトリウムの実施例34の結晶性形態XXIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図24】イバンドロン酸ナトリウムの実施例35の結晶性形態XXIVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図25】イバンドロン酸ナトリウムの実施例36の結晶性形態XXVに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図26】イバンドロン酸ナトリウムの実施例37の結晶性形態XXVIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図27】イバンドロン酸ナトリウムの実施例38の結晶性形態XXVIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図28】イバンドロン酸ナトリウムの実施例39の結晶性形態XXVIIIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図29】イバンドロン酸ナトリウムの実施例40の結晶性形態XXIXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図30】イバンドロン酸ナトリウムの実施例41の結晶性形態XXXに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図31】イバンドロン酸ナトリウムの実施例42の結晶性形態XXXIに関する粉末X線回折(XRPD)パターンの実例を示す図である。
【図32】イバンドロン酸ナトリウムの実施例43による結晶性形態アルファの実例サンプルに関する粉末X線回折パターンの実例を示す図である。
【図33】イバンドロン酸ナトリウムの実施例44による結晶性形態ベータの実例サンプルに関する粉末X線回折パターンの実例を示す図である。
【図34】10℃/分で250℃まで測定した形態ベータのDSCを例示する図である。
【図35】10℃/分で250℃まで測定した形態ベータのTGAを例示する図である。
【図36】10℃/分で250℃まで測定した形態VのDSCを例示する図である。
【図37】10℃/分で250℃まで測定した形態VのTGAを例示する図である。
【図38】形態VのIRスペクトルを例示する図である。
【図39】10℃/分で250℃まで測定した形態アルファのDSCを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本出願は、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態およびその調製方法を提供する。
【0058】
一態様では、約5.2、17.4、20.1、25.2および31.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Iと称される新規な結晶性形態が提供される。本明細書中の前記の特性ピークに加えて、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、11.9、15.4、18.0、18.4、19.1、19.3、20.1、21.9、24.7および31.3±0.2°にピークを含むこともできる。同一の固体形態に対するXRPDパターンは、典型的には、いくつかの関連因子の関数として変化し、その因子のいくつかには、X線回折装置およびオペレーター−オペレーターの変動性が含まれることに留意されたい。図1に、形態Iに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0059】
別の態様では、約5.2、10.6、17.2、18.1、21.6、25.6および33.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IIと称される別の結晶性形態が提供される。図2に、形態IIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0060】
別の態様では、約5.4、10.9、14.4、17.3、18.2、19.4、20.3、21.7、24.7および25.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IIIと称される別の結晶性形態が提供される。図3に、形態IIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0061】
別の態様では、約4.9、9.7、19.7、21.2、21.9、26.5および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IVと称される別の結晶性形態が提供される。図4に、形態IVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0062】
別の態様では、約4.8、10.8、19.7、22.0および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Vと称される別の結晶性形態が提供される。本明細書中の前記の特性ピークに加えて、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、9.7、15.7、20.0、21.2、26.4、30.5および31.1±0.2°の2θにピークを含むこともできる。図5に、形態Vに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0063】
別の態様では、約4.8、9.6、15.4、19.4、21.7、24.2、28.2、32.9および37.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIと称される別の結晶性形態が提供される。図6に、形態VIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0064】
別の態様では、約4.9、9.8、10.9、14.1、17.1、18.6、19.8、23.8、24.8および25.9±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIIと称される別の結晶性形態が提供される。図7に、形態VIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0065】
別の態様では、約6.1、16.7、18.1、20.3および30.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態VIIIと称される別の結晶性形態が提供される。本明細書中の前記の特性ピークに加えて、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、9.7、17.1、19.3、20.0、21.5および24.9±0.2°にピークを含むこともできる。図8に、形態VIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0066】
別の態様では、約19.5、20.8、25.4、26.3および34.9±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態IXと称される別の結晶性形態が提供される。図9に、形態IXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0067】
別の態様では、約4.6、5.8、17.2、19.4、24.4および28.0±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態Xと称される別な結晶性形態が提供される。図10に、形態Xに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0068】
別の態様では、約4.7、5.9、9.6、17.1および19.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、結晶性イバンドロン酸ナトリウムの形態XIと称される別な結晶性形態が提供される。図11に、形態XIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0069】
別の態様では、約4.9、6.0、9.7、12.4、17.0、19.3、24.9、29.3、30.3および36.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIIと称される別な結晶性形態が提供される。図12に、形態XIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0070】
別の態様では、約4.8、6.0、9.7、16.9、19.7、24.9および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIIIと称される別な結晶性形態が提供される。図13に、形態XIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0071】
別の態様では、約4.8、6.0、9.6、17.0、18.2、19.2、20.1および24.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIVと称される別な結晶性形態が提供される。図14に、形態XIVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0072】
別の態様では、約4.7、5.9、9.6、19.5、21.4、26.3、30.8および35.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVと称される別な結晶性形態が提供される。図15に、形態XVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0073】
別の態様では、約5.0、5.9、10.1、15.2、15.7、16.1、17.0、20.0、22.4および23.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIと称される別な結晶性形態が提供される。図16に、形態XVIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0074】
別の態様では、約4.5、5.8、8.9、18.1、19.8、24.5、25.9、29.6および35.5±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIIと称される別な結晶性形態が提供される。図17に、形態XVIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0075】
別の態様では、本発明は、約5.0、5.9、10.0、17.0、20.1および28.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XVIIIと称される別な結晶性形態を提供する。図18に、形態XVIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0076】
別の態様では、4.7、5.7、9.4、17.0、21.4、24.3、28.2、29.5および35.4±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XIXと称される別な結晶性形態が提供される。図19に、XIXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0077】
別の態様では、約5.1、5.8、16.7、20.8、25.0および33.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXと称される別な結晶性形態が提供される。図20に、形態XXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0078】
別の態様では、約4.6、5.9、16.4、20.2、24.7、26.2、28.2、29.7および35.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIと称される別な結晶性形態が提供される。図21に、形態XXIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0079】
別の態様では、約5.2、17.2、19.4、20.2および25.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIIと称される別な結晶性形態が提供される。図22に、形態XXIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0080】
別の態様では、約4.7、12.7、17.1、17.5、19.2および28.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIIIと称される別な結晶性形態が提供される。図23に、形態XXIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0081】
別の態様では、約4.6、9.1、17.3、18.5および19.7±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIVと称される別な結晶性形態が提供される。図24に、形態XXIVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0082】
別の態様では、約4.6、5.2、10.6、13.0、17.1、19.4、20.2および34.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVと称される別な結晶性形態が提供される。図25に、形態XXVに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0083】
別の態様では、3.8、4.5、9.0、9.9、17.3、18.4および19.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIと称される別な結晶性形態が提供される。図26に、形態XXVIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0084】
別の態様では、約4.5、5.1、10.3、15.4、17.1、19.5、20.7、25.3、26.4および30.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIIと称される別な結晶性形態が提供される。図27に、形態XXVIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0085】
別の態様では、4.4、5.9、9.7、12.1、17.1、19.4、21.3、24.9、30.3および35.8±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXVIIIと称される別な結晶性形態が提供される。図28に、形態XXVIIIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0086】
別の態様では、6.0、6.3、12.4、14.3、16.5、19.7、20.2、21.5、24.7および26.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXIXと称される別な結晶性形態が提供される。図29に、形態XXIXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0087】
別の態様では、約4.7、5.1、5.7、14.0、16.2、20.0、21.1、24.5、25.9および28.0±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXXと称される別な結晶性形態が提供される。図30に、形態XXXに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0088】
別の態様では、約4.5、4.7、8.9、13.4および26.6±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態XXXIと称される別な結晶性形態が提供される。図31に、形態XXXIに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0089】
さらに別の態様では、約5.5、6.3、19.3および23.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファと称される別な結晶性形態が提供される。形態アルファに対する本明細書中の前記特性ピークに加え、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、11.0、15.0、18.4、21.0、22.4、28.1および33.3±0.2°にピークを含むこともできる。図32に、形態アルファに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0090】
他のさらに別の態様では、約5.5、10.9、19.3、23.1および33.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンで特徴付けられる、イバンドロン酸ナトリウムの形態ベータと称される別な結晶性形態が提供される。形態ベータに対する本明細書中の前記特性ピークに加え、またはそのいずれかの代わりに、粉末X線回折パターンは、14.9、18.3、20.9、22.4、23.1および27.9±0.2°にピークを含むこともできる。前に言及したように、同一の固体形態に対するXRPDパターンは、典型的には、いくつかの関連因子の関数として変化し、その因子のいくつかには、X線回折装置およびオペレーター−オペレーターの変動性が含まれることに留意されたい。図33に、形態ベータに対する代表的な粉末X線回折パターンを示す。
【0091】
さらなる別の態様では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I、形態III、形態IV、形態V、形態VII、形態VIII、形態X、形態XI、形態XII、形態XIII、形態XIV、形態XV、XII、XIII、XIV、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、形態XXVIIIの調製方法が提供され、該方法は、
ステップ−1)イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中の溶液を準備するステップ;
ステップ−2)ステップ(1)の溶液を、適切な反溶媒(antisolvent)または反溶媒混合物を添加することによって飽和させるステップ;
ステップ−3)ステップ(2)の溶液を適切な温度で適切な時間撹拌して、固体を沈殿させるステップ;
ステップ4)ステップ(3)の固体を従来の方法で回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得るステップ;を含む。
上記4つのステップのすべてを、本発明の開示として、本明細書中で個別的に説明する。
【0092】
ステップ1)イバンドロン酸ナトリウム溶液の準備
イバンドロン酸ナトリウム溶液は、イバンドロン酸ナトリウムを適切な溶媒に溶解することによって得ることができ、あるいは、このような溶液は、イバンドロン酸ナトリウムを形成する反応から直接的に得ることができる。
【0093】
イバンドロン酸ナトリウムを溶解するのに使用できる適切な溶媒には、限定はされないが、水;ギ酸、酢酸などの酸性溶媒;ホルムアミド、DMSO;およびこれらの混合物が含まれる。
【0094】
溶解のための温度は、約25℃〜約100℃の範囲でよい。
【0095】
時間は、イバンドロン酸ナトリウムの完全溶解に必要とされる長さでよいが、約30分〜約10時間の範囲、またはそれ以上でよい。
【0096】
ステップ2)ステップ(1)の溶液の、適切な条件下での適切な反溶媒または反溶媒混合物の添加による飽和
ステップ(1)の溶液の飽和は、適切な条件下で適切な反溶媒または反溶媒混合物を添加することによって実施できる。飽和のために使用できる適切な反溶媒には、限定はされないが、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素溶媒;アセトン、n−ブタノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノールなどのアルコール性溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテルが含まれる。これら溶媒の任意の混合物も考えられる。
【0097】
飽和のため温度は、約−20℃〜約35℃の範囲でよい。
【0098】
ステップ3)ステップ(2)の溶液の撹拌
ステップ(2)の溶液を、固体物質を沈殿させるのに適切な温度で適切な時間撹拌すればよい。
【0099】
ステップ(3)を実施するのに適切な温度は、約10℃〜約35℃の範囲、好ましくは約30℃であってよい。
【0100】
溶液を撹拌する時間は、約30分〜約10時間の範囲、またはそれ以上でよいが、イバンドロン酸ナトリウムの固体物質の完全沈殿を達成するような長さに延長できる。
【0101】
ステップ4)ステップ(3)の固体の回収
ステップ(3)の後に得られる固体物質を従来の方法で回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得ることができる。
【0102】
最終混合物から固体物質を回収する方法は、操作温度未満に冷却することを含め、または含めず、重力、吸引、遠心分離による濾過などの技術のいずれかから選択することができる。そのようにして単離された結晶は、不純物の割合がより高い母液をわずかに吸蔵している場合がある。所望なら、フィルター上で結晶を溶媒で洗浄して、母液を洗い流すことができる。
【0103】
ステップ(4)で得られる湿潤ケーキを、場合によってさらに乾燥することもできる。
【0104】
場合による乾燥は、棚段乾燥機、真空オーブン、エアーオーブン、流動床乾燥機、回転フラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどから選択できる従来の装置中で実施できる。結晶性多形性形態の乾燥を実施するための乾燥温度は、多形性形態およびその性質に応じて、真空を用いるまたは用いない、約30℃〜約90℃の範囲でよい。乾燥は、所望の製品品質パラメーターが達成されるまで、任意の所望される時間実施することができる。好ましくは、時間は、約1〜20時間の範囲でよい。
【0105】
該方法は、その好ましい実施形態の1つにおいて、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Iを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを水、酢酸、ギ酸、またはDMSOなどの溶媒に利用する溶媒に応じて約50℃〜約160℃の範囲の温度で溶解すること、続いて、反溶媒としてエチレングリコールを約30℃の温度で添加することを含む。
【0106】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをホルムアミドに約110℃〜約130℃で溶解すること、続いて、エタノール、n−プロパノールまたはn−ブタノールから選択される反溶媒を約30℃の温度で添加することを含む。
【0107】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約50℃〜70℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてメチルエチルケトンまたはn−プロパノールを約50℃で添加することを含む。
【0108】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Vを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約50℃〜約65℃の温度で溶解すること、続いて、反溶媒としてメチルt−ブチルエーテルを添加することを含む。結晶性形態Vは、133.3℃で始まり約160℃で終わり約144.8℃にピークが記録されるDSCサーモグラムを有する、イバンドロン酸ナトリウムのギ酸との安定な溶媒和形態である。
【0109】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを水に約100℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてイソプロピルアルコールを約30℃で添加することを含む。
【0110】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約50℃〜約60℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてアセトンを添加することを含む。形態VIIIは、イバンドロン酸ナトリウムの水溶液を濃縮することによって得ることができる。
【0111】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Xを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを水に約100℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてn−プロパノールを添加すること、そして約100℃で撹拌することを含む。
【0112】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを酢酸に約100℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてイソプロピルアルコールを添加すること、そして約70℃で撹拌することを含む。
【0113】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約60℃〜65℃の温度で溶解すること、続いて、外界温度の条件下で徐々に濃縮することを含む。
【0114】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約50℃〜約60℃の温度で溶解すること、続いて、反溶媒としてアセトニトリルを添加すること、続いて約30℃で撹拌することを含む。
【0115】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約60℃で溶解すること、続いて、反溶媒として1,4−ジオキサンを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0116】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをギ酸に約60℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてジクロロメタンを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0117】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをホルムアミドに約150℃〜165℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてn−ブタノールを25℃〜35℃で添加すること、そして約15〜30分間撹拌することを含む。
【0118】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをホルムアミドに約50℃〜60℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてn−プロパノールを約50℃〜60℃で添加することを含む。
【0119】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをDMSOに約150℃〜160℃で溶解すること、続いて、反溶媒として酢酸エチルを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0120】
該方法は、その別の好ましい実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをホルムアミドに約120℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてn−ブタノールを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0121】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムをジメチルスルホキシド(DMSO)に約150℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてメチルt−ブチルエーテルを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0122】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを水に約100℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0123】
該方法は、その別の実施形態において、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIIIを得るために、イバンドロン酸ナトリウムを酢酸に約60℃〜65℃で溶解すること、続いて、反溶媒としてエチルメチルケトンを添加すること、そして約30℃で撹拌することを含む。
【0124】
さらに別の態様では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態II、形態VI、形態XVI、形態XVII、形態XVIII、形態XIX、形態XX、形態XXI、形態XXIX、形態XXXの調製方法が提供され、該方法は、
ステップ−01)イバンドロン酸ナトリウムを適切な溶媒または溶媒混合物中に懸濁するステップ;
ステップ−02)ステップ01)の懸濁液を撹拌するステップ;
ステップ−03)ステップ02)の固体を従来の方法で回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得るステップ;を含む。
上記3ステップのすべてを、本発明の開示として本明細書に個別的に説明する。
【0125】
ステップ−01)イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中への懸濁
イバンドロン酸ナトリウムを溶媒または溶媒混合物中に懸濁する方法は、成分を混合することを含む。イバンドロン酸ナトリウムを懸濁するのに使用できる適切な溶媒には、限定はされないが、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、水、ギ酸、酢酸など;またはこれらの混合物が含まれる。
【0126】
ステップ−02)ステップ(1)の懸濁液の撹拌
懸濁液を撹拌するための温度は、約−10℃〜約35℃の範囲でよい。
【0127】
時間は、イバンドロン酸ナトリウムの完全沈殿に必要とされるような長さ、完全沈殿の達成に応じた約30分〜約10時間、またはそれ以上の時間でよい。
【0128】
ステップ03)ステップ(2)の固体の回収
ステップ−02)で得られる沈殿物から、当業者に周知の従来の方法で固体を回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得ることができる。
【0129】
固体の結晶性形態の回収に利用される従来の技術/方法は、例えば窒素などの不活性雰囲気の存在下または不在下での濾過、デカンテーション、遠心分離などから選択できる。
【0130】
ステップ(3)で得られる湿潤ケーキを、所望される結晶性多形性形態の特性に応じて、必要であれば場合によってさらに乾燥することができる。
【0131】
乾燥は、適切には、棚段乾燥機、真空オーブン、エアーオーブン、流動床乾燥機、回転フラッシュドライヤー、フラッシュドライヤーなどから選択される装置中で実施できる。乾燥は、約30℃〜約90℃の温度で、真空を用いてまたは用いないで実施できる。乾燥は、必要とされる製品純度が達成されるまで任意の所望される時間実施することができ、大抵は約1〜20時間で十分である。
【0132】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてホルムアミドを使用し、約0〜5℃、または50〜60℃で約10時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IIが得られる。
【0133】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルホルムアミドを使用し、約50〜約60℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIが得られる。
【0134】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルアセトアミドを使用し、約50〜約60℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIが得られる。
【0135】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を使用し、約25〜35℃で約10時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIIが得られる。
【0136】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルアセトアミドを使用し、約25〜35℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIIIが得られる。
【0137】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルホルムアミドを使用し、約25〜35℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIXが得られる。
【0138】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒として水を使用し、約0〜5℃で約10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXが得られる。
【0139】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてジメチルスルホキシドを使用し、約50〜60℃で10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIが得られる。
【0140】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒としてギ酸を使用し、約50〜60℃で10〜12時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIXが得られる。
【0141】
上記方法の好ましい一実施形態において、溶媒として酢酸を使用し、約50〜60℃で10時間撹拌して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXXが得られる。
【0142】
本発明のさらに別の実施形態では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IXの調製方法が提供され、該方法は、
ステップ1)イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中の溶液を準備するステップ;
ステップ2)ステップ(1)からの固体を回収してイバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態IXを得るステップ;を含む。
上記2つのステップを、本発明の開示として本明細書中で個別的に説明する。
【0143】
ステップ1)イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中溶液の準備
イバンドロン酸ナトリウムの適切な溶媒または溶媒混合物中溶液の準備は、イバンドロン酸ナトリウムを溶媒または溶媒混合物に適切な温度で溶解することを含む。イバンドロン酸ナトリウムを溶解するのに使用できる適切な溶媒には、限定はされないが、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノールなどのアルコール性溶媒;ギ酸、酢酸などの酸性溶媒;またはこれらの混合物が含まれる。好ましくは、水を利用して溶液を調製する。
【0144】
溶解のために温度は、約25℃〜約100℃の範囲、または使用する溶媒の還流温度でよい。
【0145】
ステップ2)ステップ(1)からの固体の回収
ステップ1)から得られる溶液を凍結乾燥またはフリーズドライすることによって固体結晶性形態を回収して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態IXを得ることができる。
【0146】
よりさらなる態様では、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXXIの調製方法が提供され、該方法は、
ステップ−1)イバンドロン酸ナトリウムの適切な弱酸中の溶液を適切な条件下で準備するステップ;
ステップ−2)ステップ(1)の固体を従来の適切な技術で回収してイバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態を得るステップ;を含む。
【0147】
上記方法では、溶媒として酢酸を使用し、続いて約60〜65℃で撹拌し、溶媒の緩慢な蒸発のために放置して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXXIが得られる。形態XXXIは、イバンドロン酸ナトリウムの酢酸溶液を外界温度下で徐々に濃縮することによっても形成できる。
【0148】
さらに別の態様では、形態アルファと称される新規な結晶性形態の調製方法が提供され、該方法は、イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物(形態V)を、ギ酸含有量が約1%(w/w)未満になるまで脱溶媒和することを含む。好ましい脱溶媒和の方式は、乾燥による。
【0149】
結晶性形態アルファは、イバンドロン酸ナトリウムの、限定はされないが、ギ酸溶媒和物、酢酸溶媒和物、エチレングリコール溶媒和物、DMSO溶媒和物を含む任意の溶媒和された多形性形態を、溶媒和物含有量が約1%(w/w)未満になるまで脱溶媒和することによって得ることもできる。
【0150】
イバンドロン酸ナトリウムの本発明による結晶性形態アルファは、カールフィッシャー法で約0.1%〜約10%(w/w)の範囲の水分含有量を有することができる。
【0151】
イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物(形態V)は、約50℃〜約150℃、好ましくは約100℃の温度での乾燥に付すことができる。乾燥は、流動床乾燥機などの直接接触式乾燥機、または棚段乾燥機などの間接接触式乾燥機を使用して実施することができる。乾燥は、真空を印加して、またはしないで実施することができる。脱溶媒和に必要とされる正確な時間は、当業者が容易に決定することができる。同じ時間および温度を、本明細書に記載のその他の溶媒和物の脱溶媒和に採用して形態アルファを生成させることができる。
【0152】
別の態様では、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータの調製方法が提供され、該方法は、形態アルファを、好ましくは30%を超える水分を有する湿潤環境に曝露することを含む。好ましくは、約40%〜約80%の範囲の水分含有量を含む湿潤環境を利用する。
【0153】
結晶性形態ベータは、イバンドロン酸ナトリウムの本発明による任意の多形性形態を湿潤環境に曝露することによって得ることもできる。
【0154】
イバンドロン酸ナトリウムの本発明による結晶性形態ベータの固体は、約0.1%〜約10%(w/w)の範囲(カールフィッシャー法で)の水分含有量を有することができ、かつ好ましくは約1%(w/w)未満のギ酸含有量を有することができる。
【0155】
湿潤環境は、窒素、アルゴンなどの気体の存在する不活性雰囲気中で実現することもできる。該方法において元の形態が曝露される湿潤環境の相対湿度は、好ましくは30%を超え、より好ましくは約40〜80%の範囲である。形態アルファを、約20℃〜約80℃、好ましくは約50℃の温度で該湿度に曝露すればよい。湿潤雰囲気への曝露継続時間は、形態アルファから形態ベータへの転化のために必要とされる時間によって決まり、その時間は、該雰囲気の温度および湿度などのパラメーターによって決まり、当業者により容易に決定され得る。流動床乾燥機または加湿チャンバーなどの適切な装置中で湿潤空気を使用することによって、形態アルファを、制御された条件下で湿潤雰囲気に曝露してもよい。
【0156】
湿潤環境に曝露することには、室温で大気中の水分に曝露することなどの他の方法も含まれる。
【0157】
本発明の多形体のための出発原料は、当技術分野で周知の任意の方法により得られる、粗製または純粋なイバンドロン酸ナトリウムでよい。出発原料は、どちらの方法の場合も、当技術分野で周知の任意の方法により得られる、非晶性または結晶性形態、あるいは非晶性と結晶性形態との混合物などの任意の多形性形態でもよい。
【0158】
形態アルファおよび形態ベータをはじめとする本発明の多形体を調製するための出発原料は、当技術分野で周知の任意の、または本発明の方法により得られる粗製または純粋なイバンドロン酸ナトリウムでよい。出発原料は、どちらの方法の場合も、当技術分野で周知の任意の、または本発明の方法により得られる、イバンドロン酸ナトリウムの非晶性または結晶性形態、あるいはイバンドロン酸ナトリウムの非晶性と結晶性形態との混合物などの任意の多形性形態でもよい。
【0159】
イバンドロン酸ナトリウムの本発明による結晶性形態の調製方法では、イバンドロン酸ナトリウムの個々の結晶性形態の種結晶を場合によって使用することもできる。
【0160】
本明細書中で提供されるすべての粉末X線回折パターンデータは、PANalytical Axe D8 Advance 粉末X線回折計を使用して得た。XRPDパターンは、CuKα放射線を使用し、波長1.5418Åで記録した。
【0161】
乾燥した生成物を、所望の粒子径を得るために場合によって粉砕することができる。粉砕またはミクロ化は、生成物の乾燥に先立って、または乾燥完了後に実施できる。粉砕操作は、粒子を互いに高速で衝突させることによって、粒子の大きさを細かくし、かつ粒子の表面積を増加させる。
【0162】
乾燥は、物質の粒子径がより小さく、かつ表面積がより大きい場合に、より効率的であり、それゆえ、粉砕を乾燥操作に先立って実施できる。
【0163】
粉砕は、適切には、エアージェットミルのようなジェット粉砕装置を使用して、またはその他の従来的粉砕装置を使用して行うことができる。
【0164】
さらに別の態様において、本発明は、イバンドロン酸ナトリウムの本発明による結晶性多形体、および少なくとも1種の医薬として許容し得る担体を含有する医薬組成物を包含する。
【0165】
イバンドロン酸ナトリウムの本発明による多形体は、経口投与のための固形組成物として、カプセル、錠剤、ピル、粉末または顆粒の形態で製剤することができる。これらの組成物において、本発明による活性物は、1種または複数の医薬として許容し得る賦形剤と混合される。活性物は、各剤形中に、約0.1μg〜2gの量で存在できる。より典型的には、各剤形は、約1mg〜約250mg、より好ましくは約2.5mg〜約150mgを含有する。薬物物質は、水、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコールまたは流動パラフィンなどの溶媒またはビヒクルを含有する、例えば、溶液、懸濁液、シロップ、エレキシルおよび乳液をはじめとする、経口投与のための液状組成物として製剤され、使用されることができる。
【0166】
非経口投与のための組成物は、懸濁液、乳液、または水性もしくは非水性の無菌溶液でよい。溶媒またはビヒクルとしては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(特にオリーブ油)、および注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を採用できる。これらの組成物は、補助剤、特に、湿潤化剤、乳化剤および分散剤を含有することができる。滅菌は、いくつかの方法で、例えば、微生物用フィルターを使用すること、組成物中に滅菌剤を組み込むこと、照射または加熱によって実施できる。それらの組成物は、使用時に無菌水またはその他任意の注射可能な無菌媒体中に溶解できる無菌組成物の形態で調製できる。
【0167】
本発明で使用される医薬として許容し得る担体には、限定はされないが、デンプン、α化デンプン、乳糖、粉末セルロース、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、マンニトール、ソルビトール、糖などの希釈剤;アラビアゴム、グアーゴム、トラガカントゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、α化デンプンなどの結合剤;デンプン、グリコール酸デンプンナトリウム、α化デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素などの崩壊剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;アニオンまたはカチオンまたは中性界面活性剤などの溶解または湿潤増強剤;各種グレードのシクロデキストリン、樹脂などの錯体形成剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、各種グレードのメチルメタクリレート、ワックスなどの放出速度調節剤が含まれる。使用される医薬として許容し得るその他の賦形剤には、限定はされないが、フィルム形成剤、可塑剤、着色剤、風味剤、甘味剤、粘度増強剤、保存剤、酸化防止剤などが含まれる。
【0168】
示差走査熱量(DSC)分析に利用される方法は、TA InstrumentsからのDSC Q200 V9.4 Build 287モデルで250℃まで10℃/分の勾配で決定した。熱重量分析(TGA)曲線の作成には、TGA Q500 V6.4 Build 193装置を、380℃まで10℃/分の勾配で使用した。
【0169】
いくつかの具体的な態様および実施形態に関して本発明を説明するが、本明細書を考察することにより、他の実施形態も当業者にとって明らかになろう。本発明は、いくつかの具体的な態様および実施形態をより詳細に説明している以下の実施例を参照することによって、さらに明確にされるが、該実施例は、いかなる意味でも本発明の範囲を限定することを意図しない。物質および方法に対する多くの修正が、本発明の範囲から逸脱しないで実施できることは、当業者にとって明らかであろう。
【実施例】
【0170】
(実施例1):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Iの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、水(3mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を100℃まで加熱し、15分間撹拌した。生じた均一反応溶液を室温まで冷却し、エチレングリコール(15mL)を一度に仕込んだ。生じた反応混合物を室温で10〜15分間撹拌した。分離した固体を、濾過し、30分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態I(693mg)を得た。
【0171】
(実施例2):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、酢酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を60〜65℃まで加熱し、15分間撹拌した。生じた溶液を室温まで冷却し、エチレングリコール(15mL)を添加した。溶液を室温で10〜15分間撹拌した。分離した固体を濾過し、該固体を30分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態I(910mg)を得た。
【0172】
(実施例3):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を60〜65℃まで加熱し、15分間撹拌して澄明な溶液とした。生じた反応溶液を室温まで冷却し、エチレングリコール(10mL)を添加した。生じた懸濁液を室温で15分間撹拌した。分離した固体を濾過し、該固体を30分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態I(625mg)を得た。
【0173】
(実施例4):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I
イバンドロン酸ナトリウム(602.1mg)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;2mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を150〜160℃まで加熱し、15分間撹拌して澄明な溶液とした。生じた均質な反応溶液を室温まで冷却し、エチレングリコール(40mL)を分割(2×20mL)して仕込み、生じた溶液を10〜15分間撹拌した。分離した固体を濾過し、該固体を30分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態I(521mg)を得た。
【0174】
(実施例5):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(10mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。懸濁液を50〜60℃で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、5分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態II(454mg)を得た。
【0175】
(実施例6):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態II
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(10mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。得られた混合物を0〜5℃で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、50〜60℃で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態II(502mg)を得た。
【0176】
(実施例7):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態II
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA;10mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、0〜5℃まで冷却し、10〜12時間撹拌した。生じた反応混合物を、濾過し、50〜60℃で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態II(623mg)を得た。
【0177】
(実施例8):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態II
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;10mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、0〜5℃まで冷却し、10〜12時間撹拌した。得られた固体を、濾過し、50〜60℃で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態II(802mg)を得た。
【0178】
(実施例9):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ホルムアミド(5mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、120〜125℃まで加熱し、15〜30分間撹拌した。生じた溶液にエタノール(25mL)を120〜125℃で添加し、30〜60分間撹拌した。反応溶液を、25〜35℃まで冷却し、2〜3時間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を約15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態III(1.16g)を得た。
【0179】
(実施例10):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態III
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(5mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、120〜125℃まで加熱し、15分間撹拌した。生じた反応溶液を室温まで冷却し、n−プロパノール(25mL)を添加した。生じた溶液を、1〜2時間撹拌して固体を分離した。分離された固体を濾過し、得られた固体を60℃で2時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態III(0.42g)を得た。
【0180】
(実施例11):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態III
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、120〜125℃まで加熱し、続いて15分間撹拌した。生じた溶液を室温まで冷却し、n−ブタノール(25mL)を徐々に仕込んだ。生じた反応溶液を、固体が分離するまで1〜2時間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を50〜60℃で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態III(0.4g)を得た。
【0181】
(実施例12):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(602mg)を、ギ酸(0.6mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、60〜70℃まで撹拌下で5〜10分間加熱した。溶液を室温まで冷却し、エチルメチルケトン(15mL)を一度に仕込み、5〜10分間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態IV(464.2mg)を得た。
【0182】
(実施例13):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IV
イバンドロン酸ナトリウム(802mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、50〜60℃まで加熱し、5〜10分間撹拌した。生じた溶液に、n−プロパノール(10mL)を添加し、5〜10分間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態IV(914mg)を得た。
【0183】
(実施例14):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Vの調製
イバンドロン酸ナトリウム(600mg)を、ギ酸(0.6mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、60〜65℃まで撹拌下に10〜15分間加熱した。生じた溶液を25〜35℃まで冷却し、続いてメチルt−ブチルエーテル(MTBE;15mL)を仕込んだ。生じた混合物溶液を15分間撹拌した。分離された固体を濾過し、得られた固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される粉末X線回折パターンを有する結晶性形態V(575mg)を得た。
【0184】
(実施例15):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態V
イバンドロン酸ナトリウム(50g)を、清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込み、ギ酸とメチルt−ブチルエーテルからなる溶液(比率1:1、350mL)を添加した。混合物を、澄明溶液を得るためにさらに撹拌した。不溶物を濾過して除去した。濾液を撹拌下に50℃まで15分間加熱し、続いて、メチルt−ブチルエーテル(500mL)を添加した。生じた混合物を、25℃まで放冷し、15分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、メチルt−ブチルエーテルで洗浄し、次いで、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態V(60g)を得た。
【0185】
(実施例16):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VI
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;10mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、50〜60℃まで10〜12時間加熱した。固体を濾過し、吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態VI(1.51g)を得た。
【0186】
(実施例17):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VII
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、脱塩水(1mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、100℃まで加熱、撹拌した。生じた溶液を室温まで冷却し、イソプロピルアルコール(20mL)を添加し、10〜15分間撹拌した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態VII(755mg)を得た。
【0187】
(実施例18):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、50〜60℃まで15分間加熱、撹拌し、続いて反応溶液を室温まで冷却した。溶液にアセトン(8mL)を添加し、10〜15分間撹拌した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態VIII(720mg)を得た。
【0188】
(実施例19):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIII
イバンドロン酸ナトリウム(500mg)を、脱塩水(2mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、60〜65℃まで加熱した。生じた溶液を室温で徐々に濃縮して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態VIII(485mg)を得た。
【0189】
(実施例20):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態IXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(500mg)を、脱塩水(2mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。生じた澄明溶液を、清浄で乾燥したペトリ皿に仕込んだ。溶液をフリーズドライチャンバー中で−10℃まで凍結し、高真空(0.1Torr)下に−10〜10℃の温度範囲で7〜8時間にわたって乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される形態IX(420mg)を得た。
【0190】
(実施例21):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Xの調製
イバンドロン酸ナトリウム(802mg)を、脱塩水(3mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、100℃まで加熱、撹拌した。生じた溶液に、100℃でn−プロピルアルコール(20mL)を添加し、5〜10分間撹拌した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態X(836mg)を得た。
【0191】
(実施例22):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(803.2mg)を、酢酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、60〜65℃まで加熱、撹拌した。生じた溶液に、IPA(2×20mL)を分割して添加し、15分間撹拌して固体を分離した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XI(954mg)を得た。
【0192】
(実施例23):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(500mg)を、ギ酸(1.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、60〜65℃まで撹拌下で加熱した。生じた溶液を放置して外界条件下で徐々に濃縮して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XII(477mg)を得た。
【0193】
(実施例24):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、50〜60℃まで加熱、撹拌し、続いて、溶液を室温まで冷却した。生じた反応溶液に、室温でアセトニトリル(8mL)を15〜20分間で添加した。分離された固体を、濾過し、10〜15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される形態XIII(655mg)を得た。
【0194】
(実施例25):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、完全溶解のために、60〜65℃まで加熱、撹拌し、続いて、反応溶液を室温まで冷却した。生じた反応溶液に、1,4ジオキサン(2×10mL)を分割して添加し、室温で15分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XIV(720mg)を得た。
【0195】
(実施例26):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(600mg)を、ギ酸(0.6mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。混合物を、60〜65℃まで撹拌下に15分間加熱した。反応溶液を室温まで冷却した。生じた溶液に、ジクロロメタン(10+5mL)を分割して添加し、室温で15分間撹拌した。分離された固体を濾過し、該固体を15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XV(350mg)を得た。
【0196】
(実施例27):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.02g)を、ジメチルアセトアミド(DMA;8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。生じた混合物を、50〜60℃で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XVI(910mg)を得た。
【0197】
(実施例28):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.01g)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。生じた混合物を室温で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XVII(900mg)を得た。
【0198】
(実施例29):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XVIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.02g)を、ジメチルアセトアミド(DMA;8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を室温で10〜12時間撹拌した。固体を濾過し、得られた固体を15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XVIII(850mg)を得た。
【0199】
(実施例30):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XIXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.01g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;6mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を室温で10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XIX(955mg)を得た。
【0200】
(実施例31):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、DM水(1.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、0〜5℃まで撹拌下に10〜12時間冷却した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XX(159mg)を得た。
【0201】
(実施例32):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1.01g)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;8mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、50〜60℃まで加熱し、10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXI(880mg)を得た。
【0202】
(実施例33):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、ホルムアミド(2mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、155〜160℃まで加熱し、15分間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した。生じた反応溶液に、n−ブタノール(10mL)を添加し、15分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、吸引し、真空下に室温で2〜3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXII(800mg)を得た。
【0203】
(実施例34):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(802.1mg)を、ギ酸(0.8mL)を入れた清浄で乾燥した4口丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、50〜60℃まで加熱し、5〜10分間撹拌した。生じた溶液に、n−プロパノール(10mL)を50〜60℃で撹拌しながら5〜10分間で添加した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXIII(914mg)を得た。
【0204】
(実施例35):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(603.1mg)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;2mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、150〜160℃まで加熱し、15分間撹拌した。生じた反応溶液を室温まで冷却した。生じた溶液に、酢酸エチル(20mL)を添加し、15分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXIV(575mg)を得た。
【0205】
(実施例36):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、ホルムアミド(5mL)中に120℃の温度まで加熱しながら溶解した。該溶液に、n−ブタノール(25mL)を添加し、120℃で1時間撹拌した。懸濁液を室温まで冷却し、75分間撹拌し、次いで、濾過し、続いて真空下で吸引乾燥して、712mgの標題化合物を得た。
【0206】
(実施例37):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(602.2mg)を、ジメチルスルホキシド(DMSO;2mL)に150〜160℃の温度まで加熱しながら溶解し、次いで、得られた溶液を室温まで冷却した。生じた溶液に、メチルt−ブチルエーテル(MTBE;20mL)を添加し、室温で1〜2時間撹拌した。懸濁液を、濾過し、真空下で吸引乾燥して、587mgの標題化合物を得た。
【0207】
(実施例38):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(790mg)を、水(3mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、100℃まで加熱し、15分間撹拌し、完全な溶解をチェックした。反応溶液にTHF(35mL)を100℃で添加し、5〜10分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXVII(986.2mg)を得た。
【0208】
(実施例39):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXVIIIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(800mg)を、酢酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、60〜65℃まで加熱し、続いて15分間撹拌し、完全な溶解をチェックした。反応溶液にエチルメチルケトン(30mL)を60〜65℃で添加し、5〜10分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、15分間吸引して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXVIII(725mg)を得た。
【0209】
(実施例40):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXIXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1mg)を、ギ酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、50〜60℃まで加熱し、10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、真空下で15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXIX(393.2mg)を得た。
【0210】
(実施例41):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXXの調製
イバンドロン酸ナトリウム(1g)を、酢酸(1mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、50〜60℃まで加熱し、10〜12時間撹拌した。固体を、濾過し、真空下で15分間吸引乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXX(868.2mg)を得た。
【0211】
(実施例42):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態XXXIの調製
イバンドロン酸ナトリウム(500mg)を、酢酸(2.5mL)を入れた清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込んだ。反応混合物を、60〜65℃まで加熱し、10〜15分間撹拌した。溶液を室温で徐々に濃縮し、イバンドロン酸ナトリウムの所望される結晶性形態XXXIを得た。
【0212】
(実施例43):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態アルファの調製
イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物(形態V)(60g)を、100℃の温度の熱エアーオーブン中、大気圧で9時間加熱して、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファを得た。
収量:50g、水分含有量:0.66%(KF法)、ギ酸含有量:0.16%(w/w)。
【0213】
(実施例44):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータの調製
イバンドロン酸ナトリウムのギ酸溶媒和物(形態V)(50g)を100℃の温度の熱エアーオーブン中、大気圧で8時間加熱した。物質を、オーブンから取り出し、大気条件に24時間曝露して、イバンドロン酸ナトリウムの形態ベータを得た。
【0214】
収量:45g、水分含有量:8.9%(KF法)、ギ酸含有量:0.52%(w/w)。
DSCサーモグラム:2つのピーク、127.3℃にピーク−01、183.8℃にピーク−02を示す。
【0215】
(実施例45):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータの調製
実施例2で得られたイバンドロン酸ナトリウムの形態アルファ(8g)を、流動床乾燥機中の湿潤雰囲気(70〜80%の範囲の相対湿度を有する)に25℃〜35℃の範囲の温度で24時間曝露して、形態ベータを得た。
【0216】
収量:8g、水分含有量:9.2g(KF法)。
【0217】
(実施例46):イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータの調製
イバンドロン酸ナトリウム(50g)を清浄で乾燥した丸底フラスコに仕込み、ギ酸とメチルt−ブチルエーテルからなる溶液(比率1:1、350mL)を添加した。混合物を、澄明な溶液を得るために40〜45℃まで加熱した。不溶物を濾過により除去した。濾液を、45〜50℃まで撹拌しながら10分間加熱、続いて、メチルt−ブチルエーテル(500mL)を添加した。生じた混合物を、室温まで放冷し、20分間撹拌した。分離された固体を、濾過し、メチルt−ブチルエーテル(100mL)で洗浄し、次いで、15分間吸引した。化合物を、真空下に50℃でさらに3時間乾燥して、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態Vを得た。
【0218】
M.C.:KF法で2.37%、ギ酸含有量15.25%(w/w)。
【0219】
イバンドロン酸ナトリウムの上記方法で得られた結晶性形態V(55g)を、熱エアーオーブン中、100℃の温度で15時間加熱して、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファを得た。
収量:39g、水分含有量:2.97%(KF法)、ギ酸含有量:0.16%(w/w)。
【0220】
上記で得られた物質(5g)を、オーブンから取り出し、加湿チャンバー中の湿潤雰囲気(25℃で60%の相対湿度を有する)に30〜40分間曝露して、形態ベータを得た。
収量:5.3g、水分含有量:9.02%(KF法)、ギ酸含有量:0.18%(w/w)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V、形態VI、形態VII、形態VIII、形態IX、形態X、形態XI、形態XII、形態XIII、形態XIV、形態XV、形態XVI、形態XVII、形態XVIII、形態XIX、形態XX、形態XXI、形態XXII、形態XXIII、XXIV形態、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、形態XXVIII、形態XXIX、形態XXX、形態XXXI、形態アルファ、および形態ベータからなる群から選択される、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態。
【請求項2】
形態I、形態V、形態VIII、形態アルファ、および形態ベータからなる群から選択される、請求項1に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態。
【請求項3】
約5.2、17.4、20.1、25.2および31.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I。
【請求項4】
実質的に図1に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態I。
【請求項5】
約4.8、10.8、19.7、22.0および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態V。
【請求項6】
実質的に図5に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態V。
【請求項7】
約6.1、16.7、18.1、20.3および30.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIII。
【請求項8】
実質的に図8に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態VIII。
【請求項9】
イバンドロン酸ナトリウムの結晶性溶媒和物。
【請求項10】
前記溶媒和物が、水、炭化水素溶媒、ケトン、アルコール、ニトリル、エーテル、アミン、エステル、および酸である、請求項9に記載のイバンドロン酸塩溶媒和物の結晶性溶媒和物。
【請求項11】
前記溶媒和物が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、n−ブタノン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルケトン、アセトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、ジメチルスルホキシド、メチルt−ブチルエーテル、ジクロロメタン、ホルムアミド、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、またはジメチルアセトアミドである、請求項9に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性溶媒和物。
【請求項12】
イバンドロン酸ナトリウム溶媒和物を、その残留溶媒含有量が約1%(w/w)以下であるように脱溶媒和することを含む、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファの製造方法。
【請求項13】
前記イバンドロン酸ナトリウム溶媒和物が、形態I、形態V、および形態VIIIからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記イバンドロン酸ナトリウム溶媒和物が、約50と150℃の間の温度で脱溶媒和される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファを湿潤環境に、イバンドロン酸ナトリウムの前記形態アルファの少なくとも一部をイバンドロン酸ナトリウムの形態ベータに転化するのに十分な時間曝露することを含む、イバンドロン酸ナトリウムの形態ベータの製造方法。
【請求項16】
前記湿潤環境が、約20と約80℃の間の温度で30%を超える湿度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
約5.5、6.3、19.3および23.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態アルファ。
【請求項18】
実質的に図32に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態アルファ。
【請求項19】
約5.5、10.9、19.3、23.1および33.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータ。
【請求項20】
実質的に図33に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態ベータ。
【請求項1】
形態I、形態II、形態III、形態IV、形態V、形態VI、形態VII、形態VIII、形態IX、形態X、形態XI、形態XII、形態XIII、形態XIV、形態XV、形態XVI、形態XVII、形態XVIII、形態XIX、形態XX、形態XXI、形態XXII、形態XXIII、XXIV形態、形態XXV、形態XXVI、形態XXVII、形態XXVIII、形態XXIX、形態XXX、形態XXXI、形態アルファ、および形態ベータからなる群から選択される、イバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態。
【請求項2】
形態I、形態V、形態VIII、形態アルファ、および形態ベータからなる群から選択される、請求項1に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態。
【請求項3】
約5.2、17.4、20.1、25.2および31.3±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態I。
【請求項4】
実質的に図1に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態I。
【請求項5】
約4.8、10.8、19.7、22.0および31.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態V。
【請求項6】
実質的に図5に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態V。
【請求項7】
約6.1、16.7、18.1、20.3および30.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態VIII。
【請求項8】
実質的に図8に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態VIII。
【請求項9】
イバンドロン酸ナトリウムの結晶性溶媒和物。
【請求項10】
前記溶媒和物が、水、炭化水素溶媒、ケトン、アルコール、ニトリル、エーテル、アミン、エステル、および酸である、請求項9に記載のイバンドロン酸塩溶媒和物の結晶性溶媒和物。
【請求項11】
前記溶媒和物が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、n−ブタノン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルケトン、アセトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、ジメチルスルホキシド、メチルt−ブチルエーテル、ジクロロメタン、ホルムアミド、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、またはジメチルアセトアミドである、請求項9に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性溶媒和物。
【請求項12】
イバンドロン酸ナトリウム溶媒和物を、その残留溶媒含有量が約1%(w/w)以下であるように脱溶媒和することを含む、イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファの製造方法。
【請求項13】
前記イバンドロン酸ナトリウム溶媒和物が、形態I、形態V、および形態VIIIからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記イバンドロン酸ナトリウム溶媒和物が、約50と150℃の間の温度で脱溶媒和される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
イバンドロン酸ナトリウムの形態アルファを湿潤環境に、イバンドロン酸ナトリウムの前記形態アルファの少なくとも一部をイバンドロン酸ナトリウムの形態ベータに転化するのに十分な時間曝露することを含む、イバンドロン酸ナトリウムの形態ベータの製造方法。
【請求項16】
前記湿潤環境が、約20と約80℃の間の温度で30%を超える湿度を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
約5.5、6.3、19.3および23.1±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態アルファ。
【請求項18】
実質的に図32に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態アルファ。
【請求項19】
約5.5、10.9、19.3、23.1および33.2±0.2°の2θに特性ピークを有する粉末X線回折パターンを構成する、請求項2に記載のイバンドロン酸ナトリウムの結晶性形態ベータ。
【請求項20】
実質的に図33に描かれた通りの粉末X線回折パターンを構成する結晶性形態ベータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公表番号】特表2010−524967(P2010−524967A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504261(P2010−504261)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/060727
【国際公開番号】WO2008/131160
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(399131150)ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ・リミテッド (19)
【出願人】(506017137)ドクター レディズ ラボラトリーズ, インコーポレイテッド (24)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/060727
【国際公開番号】WO2008/131160
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(399131150)ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ・リミテッド (19)
【出願人】(506017137)ドクター レディズ ラボラトリーズ, インコーポレイテッド (24)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]