説明

イベント監視用車載器

【課題】交通事故等と関連のある重要度の高いイベントを精度良く検出すると共に、出力するデータの容量を減らすことが可能なイベント監視用車載器を提供する。
【解決手段】車両に加わった加速度の情報を取得する加速度入力部129と、ブレーキの踏みこみに対応するブレーキ信号を入力するブレーキ信号入力部127と、前記加速度入力部が取得した加速度と、前記ブレーキ信号入力部が入力したブレーキ信号とに基づいて、少なくとも急減速発生時にはイベント情報を生成する制御部110と、前記制御部にて発生したイベント情報を所定の管理サーバに送信する無線通信部121とを備える。ブレーキのオンオフと加速度に基づいてイベントを識別するので精度が高い。イベント情報をリアルタイムで管理者に届けることができる。保存するデータの容量も低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の車両に搭載可能なイベント監視用車載器に関し、例えば車両の安全な運行に役立つ情報や、交通事故発生時の状況を表す情報の収集などに利用可能なイベントを監視するためのイベント監視用車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、交通事故発生時等の状況を表す情報を自動的に収集し記録する車載器として、従来よりドライブレコーダが利用されている。一般的なドライブレコーダは、大きな加速度の発生を検出した時、つまり所定のイベントが発生した時に、交通事故等の状態とみなして車載カメラで撮影した映像等の情報を自動的に記録する。従って、ドライブレコーダが記録した情報を解析することにより、交通事故の発生原因の特定等が可能になる。
【0003】
また、トラック等の業務用車両には、デジタルタコグラフと呼ばれる車載器が搭載される場合が多い。一般的なデジタルタコグラフは、例えば車速、エンジン回転速度、車両の位置等の情報を例えば定期的に収集して自動的に記録する。従って、デジタルタコグラフが記録した情報を解析することにより、管理者は乗務員の実際の運転状況を把握することが可能であり、安全運転のための乗務員の指導などに役立てることができる。デジタルタコグラフも様々なイベントの発生に対して情報を記録することが可能である。また、ドライブレコーダとデジタルタコグラフとが連携して動作する場合もある。
【0004】
ドライブレコーダの従来技術として、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。特許文献1においては、乗務員が通常のハンドル操作を行っている限りは、車両に大きな加速度がかかったと誤検出されないような、加速度検出を行うことを目的としている。そして、左右方向の加速度、前後方向の加速度、および車速を取得し、これらのデータに基づき、加速度の変化パターンから急ブレーキ、通常ブレーキの有無等のイベントを検出している。
【0005】
また、デジタル運行記録装置の従来技術として特許文献2に開示された技術が知られている。特許文献2においては、データ記録媒体としてICメモリカードを利用し、衝撃発生時刻前後の所定時間について車速の生データを記録し、衝撃が加わった時刻を記録し、衝撃発生時刻の前後所定回数についてブレーキ操作された時刻を記録することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−61681号公報
【特許文献2】特開平5−258144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1においては、ブレーキ(ペダル)が踏まれることを前提に、加速度の変化パターンから急ブレーキ、通常ブレーキの有無等のイベントを検出しているので、ブレーキが踏まれることなく衝突した場合のイベントは正しく検出できない可能性がある。
【0008】
また、特許文献2の技術を利用すれば、衝突等の異常が発生した時には、車速の生データ、衝撃が加わった時刻およびブレーキ操作された時刻の情報を記録することができる。しかし、衝突が発生した時に得られた重要なデータと、比較的重要度の低いデータ、例えば乗務員の故意の減速により検出されたイベントとを区別するためには、データを記録したカードを車載器から取り外して事務所に持ち帰り、事務所でカードから大量のデータ読み出し、時間をかけて解析しなければならない。
【0009】
また、特許文献1、特許文献2のいずれにおいてもメモリカードにデータを記録している。しかし、交通事故が発生したような状況では、該当する車両が事務所まで走行して戻ることができなくなったり、運転者が事務所との間で連絡がとれない状態になる場合もある。従って、事務所側においては、交通事故の発生を把握することもできないし、状況のデータを記録したメモリカードを回収することもできず、状況の把握のためにイベント監視用車載器(ドライブレコーダ等)を役立てることができない。
【0010】
また、従来のドライブレコーダやデジタルタコグラフが記録するデータは、記録する情報量が膨大になる可能性が高いので、記録媒体として大容量のメモリカードを用意しなければならず、装置コストの上昇は避けられない。更に、衝撃を検出するために比較的高価な加速度センサを1つ又は複数使用するので、装置コストの低減が難しい。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、交通事故等と関連のある重要度の高いイベントを精度良く検出すると共に、出力するデータの容量を減らすことが可能なイベント監視用車載器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本発明に係るイベント監視用車載器は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1) 任意の車両に搭載可能なイベント監視用車載器であって、
車両に加わった加速度の情報を取得する加速度入力部と、
ブレーキの踏みこみに対応するブレーキ信号を入力するブレーキ信号入力部と、
前記加速度入力部が取得した加速度と、前記ブレーキ信号入力部が入力したブレーキ信号とに基づいて、少なくとも急減速発生時にはイベント情報を生成する制御部と、
前記制御部にて発生したイベント情報を所定の管理サーバに送信する無線通信部と、
を備えること。
(2) 上記(1)に記載のイベント監視用車載器であって、
前記制御部は、前記加速度入力部が取得した加速度に基づいて車両が急減速したことを判別した場合に、ブレーキの踏み込み無しとする旨の信号を前記ブレーキ信号入力部が入力したときと、ブレーキの踏み込み有りとする旨の出力を前記ブレーキ信号入力部が入力したときとで互いに種類の異なるイベント情報を生成すること。
(3) 上記(1)に記載のイベント監視用車載器であって、
前記制御部が生成したイベント情報を記憶する不揮発性メモリを更に備え、
前記制御部は、前記無線通信部による送信が完了したイベント情報を前記不揮発性メモリ上から自動的に消去すること。
(4) 上記(2)に記載のイベント監視用車載器であって、
前記制御部は、特定の種類のイベント情報について、前記無線通信部の送信制御の有無を切り替える情報を設定情報として管理すること。
(5) 上記(1)に記載のイベント監視用車載器であって、
前記加速度入力部は、車両側から入力される車速の情報に基づいて加速度の情報を生成すること。
【0013】
上記(1)の構成のイベント監視用車載器によれば、交通事故等のイベントが発生した時に、精度よくイベント情報を発生させることができ、このイベント情報をリアルタイムで車両の管理者に通知することができる。
上記(2)の構成のイベント監視用車載器によれば、運転者の意図した車両の減速に基づくイベントと、意図しない衝突事故等に起因する車両の減速を表すイベントとを自動的に区別することができる。
上記(3)の構成のイベント監視用車載器によれば、イベント情報が頻繁に発生するような状況であっても、大容量の不揮発性メモリを搭載する必要がない。
上記(4)の構成のイベント監視用車載器によれば、車両の管理者等が必要に応じて特定の種類のイベント情報の送信有無を切り替えることができる。
上記(5)の構成のイベント監視用車載器によれば、格別な加速度センサを搭載しなくても良いので、装置のコスト低減に役立つ。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、交通事故等と関連のある重要度の高いイベントを精度良く検出することができ、出力するデータの容量を減らすことも可能になる。すなわち、ブレーキの踏みこみ状況と加速度とに基づいてイベント情報を生成するので、交通事故の発生を表す重要なイベントや、運転者の故意の減速によるイベントを精度良く検出できる。また、様々な情報の時系列変化を表す大量の情報を出力する必要がないので、出力するデータの容量が大幅に削減される。更に、車両の管理者に対してリアルタイムでイベント情報を通知できる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態のイベント監視用車載器の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示したイベント監視用車載器の動作の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<装置の構成>
本発明のイベント監視用車載器に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0018】
本実施形態のイベント監視用車載器100の構成例が図1に示されている。このイベント監視用車載器100は、トラック、タクシー等の業務用車両などに搭載し、車両側の各種センサ等と接続した状態で使用することを想定している。
【0019】
図1に示すイベント監視用車載器100の本体には、制御部110、通信モジュール121、GPSモジュール122、外部インタフェース123、表示部124、不揮発性メモリ125、外部インタフェース126、インタフェース127、128、129、および電源部130が備わっている。
【0020】
制御部110は、マイクロコンピュータにより構成され、予め用意したプログラムを実行することにより、イベント監視用車載器の機能を実現するための様々な動作を行う。制御部110の動作については後で説明する。
【0021】
通信モジュール121は、通信アンテナ17と接続されており、車両に搭載されたイベント監視用車載器100が車外の電子機器との間でデータ通信するために必要な無線通信機能を提供する。具体的には、移動体通信事業者等が提供する無線通信ネットワークの基地局との間で無線通信を行い、通信ネットワーク上に存在する図示しないASP(Application Service Provider)サーバとの間で通信することができる。また、このASPサーバは様々な車両を管理する会社の事務所等に配置される管理装置(例えばパーソナルコンピュータ)との間でも通信でき、イベント監視用車載器100と前記管理装置との間で通信を中継することもできる。
【0022】
GPS(Global Positioning System)モジュール122は、このイベント監視用車載器100を搭載した車両の現在位置を表す位置情報(緯度/経度)を生成する。すなわち、複数のGPS衛星からそれぞれ到来する電波をGPSアンテナ16で受信し、この受信信号に基づいて計算により位置を算出する。
【0023】
外部インタフェース123、126は、それぞれ所定の外部機器15、14とイベント監視用車載器100とを接続するために必要な機能を提供する。外部機器15、14の具体例としては、制御部110の動作を制御するための各種設定値を入力したり、不揮発性メモリ125からデータを読み取るための端末装置が想定される。
【0024】
表示部124は、制御部110の制御に従って、イベント監視用車載器100の動作状態を表す文字情報や数値などを運転者等に見える可視情報として、必要に応じて表示することができる。
【0025】
不揮発性メモリ125は、電力の供給が停止しても記憶内容を維持可能な記憶回路であり、制御部110の制御により、保存する必要のあるデータを記憶するために利用される。具体的には、イベント監視用車載器100が検出した各種イベント等の情報が不揮発性メモリ125に記憶される。但し、本実施形態では、既に送信され不要になったイベント情報は不揮発性メモリ125上から消去される。
【0026】
インタフェース127、128、129は、車両側の各部からイベント監視用車載器100に入力される各種の信号を制御部110の処理に適した状態に変換するための信号処理を行う。
【0027】
インタフェース129には車速センサ11が接続されている。車速センサ11は、車両の変速機の出力軸が所定量回動する毎に1つのパルス信号を出力する。従って、このパルス信号の周期を測定したり、所定時間内のパルス数を測定することにより車速(km/h)を算出することができる。また、単位時間あたりの車速の変化を前後方向の加速度として算出することができる。
【0028】
インタフェース128にはエンジン回転センサ12が接続されている。エンジン回転センサ12は、エンジンの出力軸が所定量回動する毎に1つのパルス信号を出力する。従って、このパルス信号の周期を測定したり、所定時間内のパルス数を測定することによりエンジン回転速度(rpm)を算出することができる。
【0029】
インタフェース127には、ブレーキ信号21や車両各種センサ信号22が入力される。ブレーキ信号21は、運転者によるブレーキペダルの踏み込みのオンオフに応じた2値信号であり、ストップランプの点灯のオンオフにも利用される。
【0030】
電源部130は、車両電源13、すなわち車載バッテリー等の電源回路から供給される電力を制御部110等の動作に必要な安定した直流電力(+5V等)に変換する。
【0031】
<装置の動作>
図1に示したイベント監視用車載器100の動作の概要が図2に示されている。図2に示す動作は、制御部110の制御により実現する。図2に示した動作について以下に説明する。
【0032】
ステップS11では、制御部110は車両のイグニッション信号のオンオフを識別し、イグニッションオンであればステップS15に進み、イグニッションオフであればステップS12に進む。
【0033】
ステップS12では、制御部110は一時的な停止状態か否かを区別するために、イグニッションオフに切り替わってから所定のディレイ時間(例えば60秒間)を経過する前であるかを識別する。そして、ディレイ時間内であればステップS13に進み、ディレイ時間を経過した後であればステップS14に進む。
【0034】
ステップS13では、制御部110は「アイドリングストップ」を表す車両状態情報を生成する。この車両状態情報は不揮発性メモリ125に記憶される。
ステップS14では、制御部110は「イグニッションオフ」を表す車両状態情報を生成する。この車両状態情報は不揮発性メモリ125に記憶される。
【0035】
ステップS15では、制御部110はインタフェース129から最新の車速の情報を取り込み、車速を所定の閾値と比較することにより走行中か否かを識別する。走行中であればステップS17に進み、走行中でなければステップS16に進む。
【0036】
ステップS16では、制御部110は、「アイドリング」を表す車両状態情報を生成する。この車両状態情報は不揮発性メモリ125に記憶される。
【0037】
ステップS17では、制御部110が「急減速判定加速度」が設定済みか否かを識別し、設定済みであればステップS19に進み、未設定であればステップS18に進む。本実施形態のイベント監視用車載器100においては、管理者等が外部機器14を利用して各種の設定値をイベント監視用車載器100の不揮発性メモリ125に登録することができる。この設定値の中に「急減速判定加速度」も含まれる。
【0038】
ステップS18では、急減速発生のイベント情報について、「発生しない」動作モードに移行する。すなわち、これ以降は急減速発生に関するイベントの処理を省略する。
【0039】
ステップS19では、制御部110は最新の加速度の情報を取得し、この加速度を閾値である前記「急減速判定加速度」と比較する。取得した加速度が「急減速判定加速度」を超える場合はステップS22に進み、超えない場合はステップS21に進む。
【0040】
なお、本実施形態では制御部110はインタフェース129から取り込んだ車速信号に基づいて0.5秒毎に車速を算出し、更に0.5秒毎の車速の変化を加速度として算出する。この加速度をステップS19で比較する。
【0041】
ステップS21では、制御部110は「急減速」以外の車両状態とみなし、車速や加速度に基づき「急発進」、「急加速」、「通常運転」、「等速走行」等について判定を行いその結果を表す車両状態情報を生成する。この車両状態情報は不揮発性メモリ125に記憶される。
【0042】
ステップS22では、制御部110は「異常G値イベント判定」有無を表す設定値を参照し、「異常G値イベント判定」有であればステップS24に進み、無しであればステップS23に進む。この設定値については、管理者等が外部機器14を利用してイベント監視用車載器100の不揮発性メモリ125に登録することができる。
【0043】
ステップS23では、異常G値発生のイベント情報について、「発生しない」動作モードに移行する。すなわち、これ以降は異常G値発生に関するイベントの処理を省略する。
【0044】
ステップS24では、制御部110はインタフェース127から入力されるブレーキ信号21の状態を監視し、ステップS19で「急減速判定加速度」を超える加速度を検出した時点を基準として規定の時間中にブレーキオンになった(ブレーキペダルが踏み込まれた)か否かを識別し、ブレーキオンになった場合はステップS26に進み、ブレーキオフのまま変化がなければステップS25に進む。
【0045】
ステップS25では、制御部110は「異常G値イベント送信」有無を表す設定値を参照し、「異常G値イベント送信」有であればステップS29に進み、無しであればステップS30に進む。この設定値の「有無」については、管理者等が外部機器14を利用してイベント監視用車載器100の不揮発性メモリ125に登録することができる。
【0046】
ステップS26では、制御部110は「急減速イベント送信」有無を表す設定値を参照し、「急減速イベント送信」有であればステップS27に進み、無しであればステップS28に進む。
【0047】
ステップS27では、制御部110は急減速イベント発生を表すイベント情報を生成してこれを不揮発性メモリ125に記憶させた後、このイベント情報を通信モジュール121および通信アンテナ17を経由して前述のASPサーバに無線送信する。また、送信に成功したか否かを識別し、正しく送信できた場合には該当する送信済みのイベント情報を不揮発性メモリ125上から消去する。これにより、不揮発性メモリ125上に新たな空き領域が確保される。
【0048】
ステップS28では、制御部110は急減速イベント発生を表すイベント情報を生成してこれを不揮発性メモリ125に記憶させる。この場合はイベント情報の無線送信は行わない。
【0049】
ステップS29では、制御部110は異常G値イベント発生を表すイベント情報を生成してこれを不揮発性メモリ125に記憶させた後、このイベント情報を通信モジュール121および通信アンテナ17を経由して前述のASPサーバに無線送信する。また、送信に成功したか否かを識別し、正しく送信できた場合には該当する送信済みのイベント情報を不揮発性メモリ125上から消去する。これにより、不揮発性メモリ125上に新たな空き領域が確保される。
【0050】
ステップS30では、制御部110は異常G値イベント発生を表すイベント情報を生成してこれを不揮発性メモリ125に記憶させる。この場合はイベント情報の無線送信は行わない。
【0051】
<一般的なイベント監視用車載器との違いの説明>
イベント監視用車載器100は上述のように動作するので、「急減速イベント発生」を表すイベント情報や「異常G値イベント発生」を表すイベント情報をリアルタイムで事務所等にいる管理者に知らせることができる。また、交通事故等が発生した場合であっても、車両の状況を車外の管理者に確実に知らせることができるので、事故発生時の対応が容易になる。
【0052】
更に、「急減速イベント発生」や「異常G値イベント発生」を表すイベントを互いに区別して高精度で検出することができるので、管理者は車両の状況を的確に把握できる。また、送信済みのイベント情報を不揮発性メモリ125から消去することにより、不揮発性メモリ125に必要とされる記憶容量を減らすことができる。また、イベント監視用車載器100が取得した情報を記憶する不揮発性メモリ125については、取り外しが可能なメモリカードを採用する必要がなく、コスト低減に役立つ。また、車速の変化から加速度を検出することにより、加速度センサが不要になりコスト低減が可能になる。
【0053】
なお、上述のイベント監視用車載器100においては検出された車速に基づいて加速度を算出しているが、専用の加速度センサをイベント監視用車載器100の本体内等に搭載しても良い。また、加速度センサから得られる加速度と、車速から得られる加速度との双方を参照してイベントの判定を行うように制御しても良い。
【符号の説明】
【0054】
11 車速センサ
12 エンジン回転センサ
13 車両電源
14,15 外部機器
16 GPSアンテナ
17 通信アンテナ
21 ブレーキ信号
22 車両各種センサ信号
100 イベント監視用車載器
110 制御部
121 通信モジュール
122 GPSモジュール
123,126 外部インタフェース
124 表示部
125 不揮発性メモリ
127,128,129 インタフェース
130 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の車両に搭載可能なイベント監視用車載器であって、
車両に加わった加速度の情報を取得する加速度入力部と、
ブレーキの踏みこみに対応するブレーキ信号を入力するブレーキ信号入力部と、
前記加速度入力部が取得した加速度と、前記ブレーキ信号入力部が入力したブレーキ信号とに基づいて、少なくとも急減速発生時にはイベント情報を生成する制御部と、
前記制御部にて発生したイベント情報を所定の管理サーバに送信する無線通信部と、
を備えることを特徴とするイベント監視用車載器。
【請求項2】
前記制御部は、前記加速度入力部が取得した加速度に基づいて車両が急減速したことを判別した場合に、ブレーキの踏み込み無しとする旨の信号を前記ブレーキ信号入力部が入力したときと、ブレーキの踏み込み有りとする旨の出力を前記ブレーキ信号入力部が入力したときとで互いに種類の異なるイベント情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のイベント監視用車載器。
【請求項3】
前記制御部が生成したイベント情報を記憶する不揮発性メモリを更に備え、
前記制御部は、前記無線通信部による送信が完了したイベント情報を前記不揮発性メモリ上から自動的に消去する
ことを特徴とする請求項1に記載のイベント監視用車載器。
【請求項4】
前記加速度入力部は、車両側から入力される車速の情報に基づいて加速度の情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のイベント監視用車載器。

【図1】
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【図2】
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