説明

イミダゾアゼピノン化合物の製造方法

(a)式(II)または(III)(式中、環Aは、フェニルまたはフラニルなどのC3−14アリールまたはC3−14ヘテロアリールである)の化合物を提供し、次いで(b)式(II)または(III)の化合物を酸と組み合わせて、式Iの化合物を生成することによって実行される、式Iの化合物を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
抗原に遭遇すると、ナイーブCD4+Tヘルパー前駆(Thp)細胞は、2つの異なるサブセット、1型Tヘルパー(Th1)および2型Tヘルパー(Th2)に分化する。これらの分化したTh細胞は、それらの異なる機能的能力と固有のサイトカインプロファイルの両方によって定義される。具体的には、Th1細胞は、インターフェロン−ガンマ、インターロイキン(IL)−2、および腫瘍壊死因子(TNF)−ベータを産生し、これらはマクロファージを活性化し、細胞性免疫および食細胞依存性防御反応に関与する。対照的に、Th2細胞は、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、およびIL−13を産生することが知られ、これらは強力な抗体産生、好酸球活性化、およびいくつかのマクロファージ機能の阻害に関与し、それによって食細胞非依存性防御反応を提供する。したがって、Th1とTh2細胞は、異なる免疫病理学的応答に関連する。
【0002】
さらに、それぞれの型のTh細胞の発達は、異なるサイトカイン経路によって媒介される。具体的には、IL−4はTh2の分化を促進し、同時にTh1の発達を阻害することが示されている。対照的に、IL−12、IL−18、およびIFN−ガンマは、Th1細胞の発達に重要なサイトカインである。したがって、サイトカイン自体が、Th分極を促進し、Th1とTh2の間の均衡を保つ正および負のフィードバックシステムを形成する。
【0003】
Th1細胞は、様々な臓器特異的自己免疫疾患、クローン病、ヘリコバクターピロリ誘発性消化性潰瘍、急性腎同種移植片拒絶、および原因不明の習慣流産の病因に関与している。対照的に、アレルゲン特異的Th2応答は、遺伝的に感受性である個体のアトピー性疾患の原因である。さらに、Th2は、オーメン症候群、特発性肺線維症、および進行性全身性硬化症において優勢である依然として未知の抗原に応答する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不均衡なTh1/Th2細胞分化に関連する様々な状態の治療に有用な新規の治療剤を開発するという、いまだ満たされていない高い医学的要求が残されている。これらの状態の多くには、現在利用可能な治療剤の選択肢が適していない。したがって、Th1/Th2パラダイムは、アレルギーおよび自己免疫疾患の療法に関する方策の開発に理論的根拠を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、式I
【化1】

の化合物を製造する方法であって、
(a)式(II)または(III)
【化2】

(式中、
環Aは、C3−14アリールまたはC3−14ヘテロアリールであり、
nは、0〜4の整数であり(たとえば、0、1、2、3、または4、0〜1、0〜2、0〜3)、
は存在毎に、水素、ヒドロキシル、C1−10アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンジル、ハロ、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、フェノキシル、およびフェニルからなる群から独立して選択されるか、または隣接する2個のRは一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、Rは、原子価が許すとおり環Aに結合し、
RおよびR’はそれぞれ独立して、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルスルホニル、C1−10ハロアルキル、C1−10アミノアルキル、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C3−10複素環、C3−14アリール、もしくはC3−14ヘテロアリールであるか、または
RおよびR’は一緒になって、Nと共に、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C4−10ヘテロシクリル、C3−14アリール、もしくはC3−14ヘテロアリール環系を形成し、この環系は、非置換であるか、もしくはハロ、酸素、ヒドロキシル、スルフリル、アミノ、ニトロ、シアノ、C1−10ハロアルキル、C1−10アルキル、C3−10スピロシクリル、C3−10スピロヘテロシクリル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アミノアルキル、C1−10チオアルキル、C3−10ヘテロシクリル、C3−10シクロアルキル、C3−14アリール、およびC3−14ヘテロアリールからなる群から独立して選択された置換基で1〜4回置換され、
およびRは独立して、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニルであるか、または一緒になって、C2−10アルケニルもしくはC2−10アルケニレニデン(alkenylenidene)であるか、またはRおよびRは一緒になって、C3−10シクロアルキルもしくはC3−10ヘテロシクリルを形成し、
10およびR11は、水素、酸素、ヒドロキシル、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルスルホニル、C1−10ハロアルキル、C1−10アミノアルキル、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C3−10複素環、C3−14アリール、およびC3−14ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または一緒になって、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、C3−10ヘテロシクリルを形成し、
は、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、
は、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置されている)
の化合物を提供するステップと、
(b)前記式(II)または(III)の化合物を酸と組み合わせて、式Iの化合物を生成するステップとを含む方法である。
【0006】
一部の実施形態において、本発明は、式(Ia)
【化3】

の化合物を製造する方法であって、
(a)式(IIa)または(IIIa)
【化4】

(式中、
およびRは独立して、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニルであるか、または一緒になって、C2−10アルケニルもしくはC2−10アルケニレニデンであるか、またはC3−10シクロアルキルもしくはC3−10ヘテロシクリルを形成し、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素およびメチルから選択されるか、またはRおよびRは一緒になって、−(CHCH)−であり、
およびRは独立して、C2−10アルケニル(たとえば、C3−10アルケニル)またはC2−10アルキニル(たとえば、C3−10アルキニル)であり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置され、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、C1−10アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンジル、ハロ、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、フェノキシ、およびフェニルからなる群から選択されるか、またはRおよびR、ならびにRおよびRから選択された1対は一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、
は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキレン、C2−10アルケニレン、C2−10アルキニレンであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラノニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、
前記Rは、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメトキシ、5−メチルイソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンジルオキシ、アセチル、(シアニル)C1−3アルキル、(フェニル)C2−3アルケニル、およびハロからなる群から独立して選択された0〜5個の置換基で置換され、
は、水素、メチル、エチル、プロピル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであり、
ここでRは、メチル、エチル、ハロ、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはキノキサリニルから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている)
の化合物を提供するステップと、
(b)前記式(IIa)または(IIIa)の化合物を酸と組み合わせて、式(Ia)の化合物を生成するステップとを含む方法を提供する。
【0007】
本発明の他の実施形態において、式Iの化合物は、式(Ib)、(Ic)、または(Id)
【化5】

の化合物であり、
同様に、式(II)または式(III)の化合物は、式(IIb−d)または(IIIb−d)
【化6】

(式中、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素およびメチルから選択されるか、またはRおよびRは一緒になって、−(CHCH)−であり、
およびRは独立して、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置され、
およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、C1−10アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンジル、ハロ、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、フェノキシ、およびフェニルからなる群から選択されるか、またはRおよびR、ならびにRおよびRから選択された1対は一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、
は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキレン、C2−10アルケニレン、C2−10アルキニレンであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラノニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、
前記Rは、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメトキシ、5−メチルイソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンジルオキシ、アセチル、(シアニル)C1−3アルキル、(フェニル)C2−3アルケニル、およびハロからなる群から独立して選択された0〜5個の置換基で置換され、
は、水素、メチル、エチル、プロピル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであり、
ここでRは、メチル、エチル、ハロ、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはキノキサリニルから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている)
の化合物である。
【0008】
一部の実施形態において、化合ステップ(b)は、溶媒中で実行される。一部の実施形態において、溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、エーテル、メタノール、水、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0009】
一部の実施形態において、ステップ(b)の酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、ハロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、モノ、ジ、またはトリクロロ酢酸、リン酸、硫酸、ショウノウスルホン酸、ギ酸、酢酸、酒石酸、ハロ酢酸、ジベンゾイル酒石酸、塩酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、および臭化水素酸からなる群から選択される。
【0010】
一部の実施形態において、酸は、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル、四塩化チタン、塩化金(III)、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、および塩化ニオブからなる群から選択されたルイス酸である。
【0011】
一部の実施形態において、式Iaの化合物のRはHでなく、式(IIa)および(IIIa)の化合物のRはHであり、前記方法は、
(c)式Iaの化合物をR8*−Y
(式中、
Yは、ブロモ、クロロ、ヨード、トリフリル(すなわち、トリフルオロメチルスルホニル)、トシル(すなわち、4−メチルフェニルスルホニル)、またはメシル(すなわち、メタンスルホニル)であり、
8*は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニルであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルである)の化合物および塩基と組み合わせて、前記式Iaの化合物を生成するステップをさらに含む。一部の実施形態において、塩基は、水素化ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、およびカリウムtert−ブトキシドからなる群から選択される。
【0012】
一部の実施形態において、前記式(Ia)の化合物のRは−X−Rであり、前記式(IIa)および式(IIIa)の化合物のRはHであり、
前記方法は、(c)式(Ia)の化合物をZ−X−R(式中、Zは、ブロモ、クロロ、ヨード、トリフリル(すなわち、トリフルオロメチルスルホニル)、トシル(すなわち、4−メチルフェニルスルホニル)、またはメシル(すなわち、メタンスルホニル)である)および塩基と組み合わせて、前記式(Ia)の化合物を生成するステップをさらに含む。一部の実施形態において、塩基は、ジアザ(1,3)ビシクロ[5.4.0]ウンデカンである。
【0013】
一部の実施形態において、前記式(Ia)の化合物のRは−X−Rであり、前記式(IIa)および式(IIIa)の化合物のRはHであり、前記方法は、(c)式(Ia)の化合物をR−C(=O)Hおよび還元剤と組み合わせて、前記式(Ia)の化合物を生成するステップをさらに含む。一部の実施形態において、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。一部の実施形態において、ステップ(c)は、溶媒中で実行される。一部の実施形態において、溶媒は、N−メチルピロリドン、ジクロロメタン、トルエン、ジクロロエタン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される。
【0014】
一部の実施形態において、式(Ia)の化合物は、以下からなる群から選択される。
【化7】

【0015】
本明細書に記載のとおり、本発明は、式X
【化8】

(式中、
Qは、−C(R)(R)−または−CH=CH=(シスもしくはトランス)であり、
およびRは、H、C1−3アルキル、C2−4アルケニルから独立して選択されるか、または一緒になって、C1−6アルキリデンもしくはC2−6アルケニリデンであり、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素およびメチルから選択され、
Xは、メチレン、エチレン、またはプロペニレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、またはピロリルであり、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、およびハロから独立して選択された0〜5個の置換基で置換され、
は、H、メチル、エチル、プロペニル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、またはチエニルであり、
ここでRは、メチル、エチル、ハロ、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、およびシクロプロピルから独立して選択された0〜3個の置換基で置換され、
、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、およびフェノキシから選択されるか、または
およびR、ならびにRおよびRから選択された1対は一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−である)の化合物、
または医薬的に許容されるその塩、C1−6アルキルエステルもしくはアミド、またはC2−6アルケニルエステルもしくはアミドを提供するか、または上記の方法によって製造する。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、式Iの化合物、またはそのサブセットもしくは例を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、関節リウマチまたは多発性硬化症の治療に有用である。
【0017】
他の実施形態は、薬剤の製造における式Iの化合物、またはそのサブセットもしくは例の使用を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療するための薬剤の製造における式Iの化合物、またはそのサブセットもしくは例の使用を提供する。
【0018】
本発明の他の態様を本明細書に開示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
A.定義
本発明の化合物は、上に一般的に記載した化合物を含み、さらに本明細書に開示する実施形態、下位実施形態、および種によって例示される。本明細書では、別段の指示のないかぎり、以下の定義が適用される。
【0020】
本明細書に記載のとおり、本発明の化合物は、上に一般的に例示したもの、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および種によって例示されるものなどの、1つまたは複数の置換基で場合により置換されていてもよい。一般に、用語「置換された」は、所与の構造の水素ラジカルが特定の置換基のラジカルで置き換えられることを指す。別段の指示のないかぎり、置換された基は、その基の置換可能なそれぞれの位置に置換基を有することができ、任意の所与の構造において複数の位置が特定の群から選択された複数の置換基で置換されていてもよいとき、置換基はすべての位置で同一であっても異なっていてもよい。本発明によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定な化合物または化学的に実行可能な化合物の形成をもたらすものである。
【0021】
本明細書では、用語「安定な」は、本明細書に開示した1つまたは複数の目的のためのそれらの生成、検出、ならびに好ましくは回収、精製、および使用を可能にする条件に供したとき、実質的に変化しない化合物を指す。一部の実施形態において、安定な化合物または化学的に実行可能な化合物は、少なくとも1週間、湿分または他の化学的反応性条件の不在下、40℃以下の温度で保持されたとき、実質的に変化しない化合物である。
【0022】
本明細書では、用語「アルキル」または「アルキル基」は、完全に飽和している、直鎖(すなわち、非分岐)非分岐、分岐、または環状炭化水素鎖を意味する。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1から20個の炭素原子を含有する。一部の実施形態において、アルキル基は、1から10個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、アルキル基は、1から3個の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、アルキル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、アルキル基は、1〜2個または2〜3個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、用語「アルキル」または「アルキル基」は、炭素環とも称されるシクロアルキル基を指す。代表的なC1−3アルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびシクロプロピルが含まれる。
【0023】
本明細書では、用語「アルケニル」または「アルケニル基」は、1つまたは複数の二重結合を有する、直鎖(すなわち、非分岐)、分岐、または環状炭化水素鎖を指す。一部の実施形態において、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態は、2〜4個の炭素原子を含有する。一部の実施形態において、アルケニル基は、2〜5の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、アルケニル基は、3〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含有する。他の態様によれば、用語アルケニルは、「ジエン」とも称される2個の二重結合を有する直鎖炭化水素を指す。他の実施形態において、用語「アルケニル」または「アルケニル基」は、シクロアルケニル基を指す。代表的なC2−4アルケニル基には、−CH=CH、−CHCH=CH(アリルとも称される)、−CH=CHCH、−CHCHCH=CH、−CHCH=CHCH、−CH=CHCHCH、−CH=CHCH=CH、およびシクロブテニルが含まれる。
【0024】
本明細書では、用語「アルコキシ」または「アルキルチオ」は、酸素(「アルコキシ」)または硫黄(「アルキルチオ」)原子を介して、炭素主鎖に結合している、前に定義したアルキル基を指す。
【0025】
本明細書では、用語「アルキレン」は、直鎖または分岐、飽和または不飽和の二価炭化水素鎖を指す。一部の実施形態において、アルキレン基は、1〜20個の炭素原子を含有する。一部の実施形態において、アルキレン基は、1〜10個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、アルキレン基は、1〜6個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、アルキレン基は、2〜5、1〜4、2〜4、1〜3、または2〜3個の炭素原子を含有する。代表的なアルキレン基には、メチレン、エチレン、およびプロピレンが含まれる。いくつかの実施形態において、アルキレン基は二重結合を有し、本明細書では「アルケニレン」と称される。他の実施形態において、アルキレン基は三重結合を有し、本明細書では「アルキニレン」と称される。
【0026】
本明細書では、用語「メチレン」、「エチレン」、および「プロピレン」は、それぞれ二価部分−CH−、−CHCH−、および−CHCHCH−を指す。
【0027】
本明細書では、用語エテニレン、プロペニレン、およびブテニレンは、二価部分−CH=CH−、−CH=CHCH−、−CHCH=CH−、−CH=CHCHCH−、−CHCH=CHCH−、および−CHCHCH=CH−を指し、エテニレン、プロペニレン、およびブテニレン基はそれぞれ、シスまたはトランス配置であることができる。いくつかの実施形態において、エテニレン、プロペニレン、またはブテニレン基は、トランス配置であることができる。
【0028】
本明細書では、用語「アルキリデン」は、メチレンの一または二アルキル置換によって形成された二価炭化水素基を指す。一部の実施形態において、アルキリデン基は、1〜10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アルキリデン基は、1〜6個の炭素原子を有する。他の実施形態において、アルキリデン基は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜5、または2〜6個の炭素原子を有する。そのような基には、プロピリデン(CHCHCH=)、エチリデン(CHCH=)、メチリデン(CH=)、およびイソプロピリデン(CH(CH)CH=)などが含まれる。
【0029】
本明細書では、用語「アルケニリデン」は、メチレンの一または二アルケニル置換によって形成された、1つまたは複数の二重結合を有する二価炭化水素基を指す。一部の実施形態において、アルケニリデン基は、2〜10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アルケニリデン基は、2〜6個の炭素原子を有する。他の実施形態において、アルケニリデン基は、2〜6、2〜5、2〜4、または2〜3個の炭素原子を有する。一態様によれば、アルケニリデンは、2個の二重結合を有する。代表的なアルケニリデン基には、CHCH=C=、CH=CHCH=、CH=CHCHCH=、およびCH=CHCHCH=CHCH=が含まれる。
【0030】
本明細書では、用語「アルケニリデン」は、メチレンの一または二アルケニル置換によって形成された、1つまたは複数の二重結合を有する二価炭化水素基を指す。一部の実施形態において、アルケニリデン基は、2〜10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アルケニリデン基は、2〜6個の炭素原子を有する。他の実施形態において、アルケニリデン基は、2〜6、2〜5、2〜4、または2〜3個の炭素原子を有する。一態様によれば、アルケニリデンは、2個の二重結合を有する。代表的なアルケニリデン基には、CHCH=C=、CH=CHCH=、CH=CHCHCH=、およびCH=CHCHCH=CHCH=が含まれる。
【0031】
本明細書では、用語「スピロ環」は、アルケニレンまたはアルキレン基の両端が親分子部分の同じ炭素に結合して、二環式基を形成しているアルケニレンまたはアルキレン基を表わす。一部の実施形態において、これは3〜10個の炭素を含有する。いくつかの実施形態において、これは4〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態において、これは3〜6個の炭素原子を含有する。その親基と一緒になった代表的なスピロ複素環基には、これらに限定されるものではないが、2−アザスピロ[4.5]デカン−3−オン、1,3−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン、1−オキサ−3−アザスピロ[4.5]デカン−2−オン、2−オキサ−4−アザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンが含まれる。
【0032】
本明細書では、用語「スピロ複素環」は、ヘテロアルケニレンまたはヘテロアルキレン基の両端が親分子部分の同じ炭素に結合して、二環式基を形成しているヘテロアルケニレンまたはヘテロアルキレン基を表わす。一部の実施形態において、これは3〜10個の炭素を含有する。いくつかの実施形態において、これは4〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態において、これは3〜6個の炭素原子を含有する。その親基と一緒になった代表的なスピロ複素環基には、これらに限定されるものではないが、1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン、および1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、1,8,10−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−オン、2,4,8−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オン、2−オキサ−4,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オン、2−オキサ−4,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オン、8−オキサ−1,10−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−オン、2−オキサ−4,8−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オン、および8−オキサ−1,10−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−オンが含まれる。
【0033】
本発明の「スピロ環」または「スピロ複素環」基は、アルキル、アリール、アリールアルコキシアルキル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、またはX−R(式中、Xは、メチレン、エチレン、プロピレン、エテニレン、プロペニレン、またはブテニレンであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラノニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、前記Rは、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメトキシ、5−メチルイソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンジルオキシ、アセチル、(シアニル)C1−3アルキル、(フェニル)C2−3アルケニル、およびハロからなる群から独立して選択された0から5個の置換基で置換されている)からなる群から選択された1つまたは複数の置換基で場合により置換されていることができる。
【0034】
本明細書では、用語「C1−6アルキルエステルまたはアミド」は、C1−6アルキルエステルまたはC1−6アルキルアミドを指し、それぞれのC1−6アルキル基は上に定義されたとおりである。そのようなC1−6アルキルエステル基は、式(C1−6アルキル)OC(=O)−または(C1−6アルキル)C(=O)O−のものである。そのようなC1−6アルキルアミド基は、式(C1−6アルキル)NHC(=O)−または(C1−6アルキル)C(=O)NH−のものである。
【0035】
本明細書では、用語「C2−6アルケニルエステルまたはアミド」は、C2−6アルケニルエステルまたはC2−6アルケニルアミドを指し、それぞれのC2−6アルケニル基は上に定義されたとおりである。そのようなC2−6アルケニルエステル基は、式(C2−6アルケニル)OC(=O)−または(C2−6アルケニル)C(=O)O−のものである。そのようなC2−6アルケニルアミド基は、式(C2−6アルケニル)NHC(=O)−または(C2−6アルケニル)C(=O)NH−のものである。
【0036】
本明細書では、用語「アルキニル」または「アルキニル基」は、1つまたは複数の三重結合を有する、直鎖(すなわち、非分岐)または分岐炭化水素鎖を指す。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、アルキニル基は、2〜4または2〜3個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、用語「アルキニル」または「アルキニル基」は、シクロアルキニル基を指す。代表的なC2−6アルキニル基には、−C≡CH、−CHC≡CH(ビニルとも称される)、−C≡CCH、−CHCHC≡CH、−CHC≡CCH、−C≡CHCHCH、−CHCHCHC≡CH、−C≡CCHCHCH、−CHC≡CCHCH、−CHCHC≡CCH、−CHCHCHCHC≡CH、−C≡CCHCHCHCH、−CHC≡CCHCHCH、−CHCHC≡CCHCH、−CHCHCHC≡CCH、シクロブチニル、シクロブチンメチル、シクロペンチニル、シクロペンチンメチル、およびシクロヘキシニルが含まれる。
【0037】
単独または別の基の一部として本明細書で用いられる「シクロアルキル」は、3から10個の炭素原子を有する基を指す。一部の実施形態において、本発明に用いられるシクロアルキルは、3から8個の炭素原子を有する。適切なシクロアルキルには、これらに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルなどが含まれ、他の脂肪族、ヘテロ脂肪族、または複素環部分の場合のように、アルキルおよび低級アルキルに関して上に示したものと同じ基で場合により置換されていてもよい。
【0038】
単独または別の基の一部として本明細書で用いられる「ヘテロシクロアルキル」または「複素環」は、非芳香族3、4、5、6、7、または8員環または多環式基を指し、これらに限定されるものではないが、酸素、硫黄、および窒素から独立して選択された1から4個のヘテロ原子を有する、縮合6員環を含む二環式または三環式基を含み、ここで(i)窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化されていてもよく、(ii)窒素ヘテロ原子は場合により四級化されていてもよく、(iv)シクロアルキル、アリール、複素環、ベンゼン、またはヘテロ芳香族環とスピロ環を形成するか、または縮合していてもよい。一部の実施形態において、本発明に用いられる複素環は、3から10個の炭素原子を有する。代表的な複素環には、これらに限定されるものではないが、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン、モルホリン、アゼチジン、アゼピン、アジリジン、ジアゼピン、1,3−ジオキソラン、ジオキサン、ジチアン、フラン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサジアゾール、オキサジアゾリン、オキサジアゾリジン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラジン、テトラゾール、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、チアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、チオフェン、チオモルホリン、チオモルホリンスルホン、チオピラン、トリアジン、トリアゾール、トリチアン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチオピラン、ベンゾジオキシン、1,3−ベンゾジオキソール、シンノリン、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、ナフチリジン、イソベンゾフラン、イソベンゾチオフェン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、フタラジン、プリン、ピラノピリジン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、キナゾリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、およびチオピラノピリジンなどが含まれる。これらの環には、それらの四級化誘導体が含まれ、アルキルおよび低級アルキルに関して上に示したものと同じ基で場合により置換されていてもよい。
【0039】
単独または別の基の一部として本明細書で用いられる「アリール」は、1つまたは複数の芳香環を有する、単環炭素環式環系または二環炭素環式縮合環系を指す。一部の実施形態において、本発明に用いられるアリールは、3から14個の炭素原子を有する。アリールの代表的な例には、アズレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、およびテトラヒドロナフチルなどが含まれる。用語「アリール」は、別段の指示のないかぎり、置換および非置換アリールの両方を含むことが意図され、これらの基は、アルキルおよび低級アルキルに関して上に示したものと同じ基で場合により置換されていてもよい。
【0040】
単独または別の基の一部として本明細書で用いられる「ヘテロアリール」は、1つまたは複数の炭素原子が、O、N、およびSなどのヘテロ原子で置き換えられている環状芳香族炭化水素を指す。ヘテロアリール基が複数のヘテロ原子を含有する場合、ヘテロ原子は同一であっても異なっていてもよい。一部の実施形態において、本発明に用いられるヘテロアリールは、3から14個の炭素原子を有する。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、チエニル、フラニル、ピラジニル、ピロリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、トリアゾリル、ピリダジニル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、イソチアゾリル、およびベンゾ[b]チエニルが含まれる。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は、5および6員環であり、O、N、およびSから独立して選択された1から3個のヘテロ原子を含有する。それぞれのヘテロ原子を含むヘテロアリール基は、化学的に実行可能であるかぎり、非置換であるか、または1から4個の置換基で置換されていることができる。たとえば、ヘテロ原子NまたはSは、=Oと示すことのできる、1つまたは2つのオキソ基で置換されていてもよい。
【0041】
単独または別の基の一部として本明細書で用いられる「アミン」または「アミノ基」は、ラジカル−NHを指す。「場合により置換されている」アミンは、水素の0、1、または2個が適切な置換基で置き換えられている−NH基を指す。二置換アミンは、架橋している、すなわちアミン窒素を含む複素環構造を形成する置換基を有することができる。
【0042】
用語「アルキルアミノ」は、構造−NHR’(式中、R’は本明細書に定義したアルキルである)を有する基を指す。用語「アミノアルキル」は、構造NH2R’−(式中、R’は本明細書に定義したアルキルである)を有する基を指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。他のいくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、本発明に用いられるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、アルキル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、アルキル基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含有する。アルキルアミノの例には、これらに限定されるものではないが、メチルアミノ、エチルアミノ、およびイソプロピルアミノなどが含まれる。
【0043】
単独または別の基の一部として本明細書で用いられる「ハロアルキル」は、それに結合した1、2、または3個のハロゲン原子を有する、上に定義したアルキル基を指し、クロロメチル、ブロモエチル、およびトリフルオロメチルなどの基が例である。
【0044】
本明細書では、「ハロ酢酸」は、式XCH3−nCOOHを有する。Xは、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子である。nは、1、2、または3である。例には、トリフルオロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、モノ、ジ、またはトリクロロ酢酸が含まれる。
【0045】
別段の指示のないかぎり、本明細書では化学基または部分を記載するために用いられる命名法は、名称を左から右に読み、分子残部への結合点が名称の右側にある慣例に従う。たとえば、基「(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル」は、アルキル末端で分子の残部に結合している。さらなる例には、結合点がエチル末端にあるメトキシエチル、および結合点がアミン末端にあるメチルアミノが含まれる。
【0046】
別段の指示のないかぎり、二価の基が、「−」で示される2つの末端結合部分を含むその化学式によって記載される場合、結合は左から右に読まれるものであることが理解される。例として、Xが−CHCH=CH−であるとき、Xは、左側のメチレンでヒダントイン核の窒素に結合し、Xは、右側のメチンでRに結合している。
【0047】
別段の指示のないかぎり、本明細書に示した構造は、その構造のすべての異性体(たとえば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座))形態、たとえば、各不斉中心のRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)配座異性体を含むことも意図される。いくつかの実施形態において、式IのQ基が二重結合を含むとき、その二重結合は、シス(E)またはトランス(Z)配座であることができる。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学的異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座)混合物は、本発明の範囲内である。別段の定めのないかぎり、本発明の化合物のすべての互変異性体は、本発明の範囲内である。さらに、別段の定めのないかぎり、本明細書に示される構造は、1つまたは複数の同位体富化原子の存在のみが異なる化合物を含むことも意図される。たとえば、水素が重水素またはトリチウムで置き換えられているか、または炭素が13Cもしくは14C富化炭素で置き換えられていることを除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。そのような化合物は、たとえば、生物学的アッセイの分析ツールまたはプローブとして有用である。
【0048】
本明細書では、用語「治療」、「治療する」、および「治療すること」は、本明細書に記載の疾患または障害を回復させる、軽減する、その発症を遅らせる、その進行を阻害するか、または予防することを指す。一部の実施形態において、治療は、1つまたは複数の症状が発現した後に行うことができる。他の実施形態において、治療は、症状の不在下で行うことができる。たとえば、治療は、症状の発現前に(たとえば、症状の病歴を考慮し、かつ/または遺伝的もしくは他の感受性因子を考慮して)、感受性である個体に行うことができる。治療はまた、症状が消散した後、たとえば再発を予防または遅延するために継続することができる。
【0049】
本出願では以下の略語が用いられる可能性がある。テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル(ACN)、塩化メチレン(CHCl)、エーテル(EtO)、メタノール(MeOH)、水(HO)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、トリフルオロ酢酸(TFA)、ショウノウスルホン酸(CSA)、塩酸(HCl)、ヨウ化水素酸(HI)、フッ化水素酸(HF)、臭化水素酸(HBr)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)、塩化トリメチルシリル(TMSCl)、四塩化チタン(TiCl)、塩化金(III)(AuCl)、三フッ化ホウ素(BF)、三塩化アルミニウム(AlCl)、塩化鉄(III)(FeCl)、および塩化ニオブ(NbCl)、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)カリウムtert−ブトキシド(KOBu)、水素化ナトリウム(NaH)、ジアザ(1,3)ビシクロ[5.4.0]ウンデカン(DBU)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBHCN)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc))、N−メチルピロリドン(NMP)、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(NaHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)。
【0050】
B.化合物
一実施形態において、本発明は、式X
【化9】

(式中、
Qは、−C(R)(R)−または−CH=CH=(シスもしくはトランス)であり、
およびRは、H、C1−3アルキル、C2−4アルケニルから独立して選択されるか、または一緒になって、C1−6アルキリデンもしくはC2−6アルケニレニデンであり、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素およびメチルから選択され、
Xは、メチレン、エチレン、またはプロペニレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、ナフチル、またはピロリルであり、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、およびハロから独立して選択された0〜5個の置換基で置換され、
は、H、メチル、エチル、プロペニル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであり、
ここでRは、メチル、エチル、ハロ、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、およびシクロプロピルから独立して選択された0〜3個の置換基で置換され、
、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、およびフェノキシから選択されるか、または
およびR、ならびにRおよびRから選択された1対は一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−である)の化合物、
または医薬的に許容されるその塩、C1−6アルキルエステルもしくはアミド、またはC2−6アルケニルエステルもしくはアミドを提供する。
【0051】
いくつかの実施形態において、Qは、−C(R)(R)−であり、式中、RおよびRは、H、メチル、エチルから独立して選択されるか、または一緒になって、CH=、アリリデン、プロピリデン、プロペニリデン、もしくはエチリデンである。他の実施形態において、RおよびRは、独立してHおよびメチルから選択されるか、または一緒になって、CH=である。他の実施形態によれば、RおよびRは、H、メチル、エチルから独立して選択されるか、または一緒になって、プロピリデン、アリリデン、またはCH=である。いくつかの実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立して、H、メチル、およびエチルから選択される。他の実施形態において、RおよびRの1つはHであり、他方はメチルまたはエチルである。さらに他の実施形態において、RおよびRの1つはメチルであり、他方はHである。さらに他の態様は、式Xの化合物を提供し、式中、RおよびRの1つはHである。さらに他の実施形態によれば、RおよびRは一緒になって、プロピリデン、ビニリデン、またはCH=である。
【0052】
上に一般的に定義したとおり、Xは、メチレン、エチレン、またはプロペニレンである。いくつかの実施形態において、Xは、メチレンまたはエチレンである。他の実施形態において、Xは、トランス配置にある−CHCH=CH−である。
【0053】
いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRはそれぞれ水素である。
【0054】
一実施形態によれば、Rは、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、ブロモ、フルオロ、およびクロロから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている。他の実施形態によれば、Rは、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、水素、フルオロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、およびブロモから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態において、Rは、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、メチル、メトキシ、フルオロ、およびブロモから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている。他の実施形態において、Rは、フェニル、4−キノリニル、5−キノリニル、8−キノリニル、5−イソキノリニル、3−インドリル、N−メチル−3−インドリル、5−キノキサリニル、1−ナフチル、または2−ナフチルであり、メチル、メトキシ、およびブロモから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されているか、またはさらに置換されている。さらに他の実施形態によれば、Rは、以下の置換基、2位のフルオロ、メチル、またはヒドロキシル、3位の水素、メチル、またはメトキシ、および5位の水素、メチル、またはメトキシを有するフェニルである。他の態様によれば、Rは、2−フルオロ−3,5−ジメチルフェニル、2−フルオロ−3,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル、2,3−ジメチル、または2−メチル−3,5−ジメトキシフェニルである。
【0055】
一実施形態によれば、Rは、場合により置換されている、H、メチル、エチル、メトキシエチル、メチルチオエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ベンジル、またはフェニルである。他の実施形態によれば、Rは、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ベンジル、またはフェニルであり、フェニルは、ピロリルまたはピラゾリルで場合により置換されている。いくつかの実施形態において、Rは、ベンジル、フェニル、(ピロリル)フェニル、または(ピラゾリル)フェニルである。他の実施形態において、Rは、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、またはメトキシエチルである。さらに他の実施形態において、Rは、メチル、エチル、メトキシ、エチル、またはヒドロキシエチルである。
【0056】
いくつかの実施形態において、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、およびクロロから選択される。他の実施形態において、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、メトキシ、およびフルオロから選択される。さらに他の実施形態において、Rは、メトキシまたはフルオロである。他の実施形態によれば、RおよびRは、メトキシまたはフルオロである。
【0057】
他の態様によれば、本発明は、式Ibの化合物を提供し、式中、
Qは、−C(R)(R)−であり、
およびRは、H、メチル、エチルから独立して選択されるか、または一緒になって、CH=、アリリデン、プロピリデン、プロペニリデン、エチリデンであり、
、R、R、およびRはそれぞれ水素であり、
Xは、メチレン、エチレン、またはプロペニレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、ブロモ、フルオロ、およびクロロから独立して選択された0〜3個の置換基で置換され、
は、場合により置換されている(段落[0029]に記載のとおり)、H、メチル、エチル、メトキシエチル、メチルチオエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ベンジル、またはフェニルであり、
、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、メトキシ、ベンジルオキシ、フルオロ、およびクロロから選択される。
【0058】
他の態様によれば、本発明は、式Ibの化合物を提供し、式中、
Qは、−C(R)(R)−であり、
およびRは、Hおよびメチルから独立して選択されるか、または一緒になって、CH=であり、
、R、R、およびRはそれぞれ水素であり、
Xは、メチレン、エチレン、またはプロペニレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、水素、フルオロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシル、およびブロモから独立して選択された0〜3個の置換基で置換され、
は、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ベンジル、またはフェニルであり、フェニルは、ピロリルまたはピラゾリルで場合により置換され、
、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、メトキシ、およびフルオロから選択される。
【0059】
本発明のさらに他の態様は、式Xの化合物を提供し、式中、
Qは、−C(R)(R)−であり、
およびRは、H、メチル、エチルから独立して選択されるか、または一緒になって、プロピリデン、アリリデン、またはCH=であり、
、R、R、およびRはそれぞれ水素であり、
Xは、メチレンまたはエチレンであり、
は、フェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、メチル、メトキシ、フルオロ、およびブロモから独立して選択された0〜3個の置換基で置換され、
は、H、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ベンジル、またはフェニルであり、フェニルは、ピロリルまたはピラゾリルで場合により置換されている。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明は、式Ibの化合物を提供し、式中、
Qは、−C(R)(R)−であり、
およびRの1つはHであり、他方はメチルまたはエチルであり、
、R、R、およびRはそれぞれ水素であり、
は、以下の置換基、2位のフルオロ、メチル、またはヒドロキシル、3位の水素、メチル、またはメトキシ、および5位の水素、メチル、またはメトキシを有するフェニルであり、
は、メチル、エチル、メトキシ、エチル、またはヒドロキシエチルである。
【0061】
上記および本明細書に記載のすべての実施形態、クラス、およびサブクラスは単独および組み合わせの両方を企図していることが理解される。
【0062】
代表的な式Xの化合物は、下記の実施例の項および表1〜2に示される。たとえば、本発明の化合物の特定の例には、これらに限定されるものではないが、下式、
【化10】

および医薬的に許容されるそれらの塩が含まれる。
【0063】
C.式Iおよび式Iaの化合物の製造方法
一部の実施形態において、本発明は、式I
【化11】

の化合物を製造する方法であって、
(a)式(II)または(III)
【化12】

(式中、
環Aは、C3−14アリールまたはC3−14ヘテロアリールであり、
nは、0〜4の整数であり、
は存在毎に、水素、ヒドロキシル、C1−10アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンジル、ハロ、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、フェノキシル、およびフェニルからなる群から独立して選択されるか、または隣接する2個のRは一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、Rは、原子価が許すとおり環Aに結合し、
RおよびR’はそれぞれ独立して、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルスルホニル、C1−10ハロアルキル、C1−10アミノアルキル、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C3−10複素環、C3−14アリール、もしくはC3−14ヘテロアリールであるか、または
RおよびR’は一緒になって、Nと共に、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C4−10ヘテロシクリル、C3−14アリール、もしくはC3−14ヘテロアリール環系を形成し、この環系は、非置換であるか、もしくはハロ、酸素、ヒドロキシル、スルフリル、アミノ、ニトロ、シアノ、C1−10ハロアルキル、C1−10アルキル、C3−10スピロシクリル、C3−10スピロヘテロシクリル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アミノアルキル、C1−10チオアルキル、C3−10ヘテロシクリル、C3−10シクロアルキル、C3−14アリール、およびC3−14ヘテロアリールからなる群から独立して選択された置換基で1〜4回置換され、
およびRは独立して、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニルであるか、または一緒になって、C2−10アルケニルもしくはC2−10アルケニレニデンであるか、またはRおよびRは一緒になって、C3−10シクロアルキルもしくはC3−10ヘテロシクリルを形成し、
10およびR11は、水素、酸素、ヒドロキシル、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルスルホニル、C1−10ハロアルキル、C1−10アミノアルキル、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C3−10複素環、C3−14アリール、およびC3−14ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または一緒になって、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、C3−10ヘテロシクリルを形成し、
は、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、
は、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置されている)
の化合物を提供するステップと、
(b)前記式(II)または(III)の化合物を酸と組み合わせて、式Iの化合物を生成するステップとを含む方法を提供する。
【0064】
一部の実施形態において、Rは、二重結合に対してシスに配置されている。
【0065】
一部の実施形態において、環Aは、フェニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、インダジル、およびベンゾイミダゾリルからなる群から選択される。他の実施形態において、環Aは、フェニルまたはフラニルである。
【0066】
一部の実施形態において、環Aは、フェニルまたはフラニルであり、nは、整数0〜3であり、Rは存在毎に、水素、メトキシル、ベンジルオキシからなる群から独立して選択されるか、または隣接する2個のRは一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、RおよびR’は一緒になって、Nと共に、C4−10ヘテロシクリルを形成し、このC4−10ヘテロシクリルは、非置換であるか、またはC4−6スピロ環、C3−10スピロ複素環からなる群から独立して選択された置換基で3〜7回置換され、RおよびRは独立して、水素、C1−10アルキルであるか、または一緒になって、C2−6アルケニルであり、R10およびR11は、水素であり、Rは、C2−5アルケニルまたはC2−5アルキニルであり、Rは、C2−5アルケニルまたはC2−5アルキニルであり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置されている。
【0067】
一部の実施形態において、ステップ(b)は、溶媒中で実行される。一部の実施形態において、溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、エーテル、メタノール、水、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0068】
一部の実施形態において、酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、モノ、ジ、またはトリクロロ酢酸、リン酸、硫酸、ショウノウスルホン酸、ギ酸、酢酸、酒石酸、ハロ酢酸、ジベンゾイル酒石酸、塩酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、臭化水素酸からなる群から選択される。一部の実施形態において、酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ショウノウスルホン酸、ギ酸、酢酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸からなる群から選択される。
【0069】
一部の実施形態において、酸は、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル、四塩化チタン、塩化金(III)、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、および塩化ニオブからなる群から選択されたルイス酸である。一部の実施形態において、酸は、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル、四塩化チタン、およびジクロロジイソプロポキシチタンからなる群から選択されたルイス酸である。
【0070】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(Ia)
【化13】

の化合物を製造する方法であって、
(a)式(IIa)または(IIIa)
【化14】

(式中、
およびRは、独立して水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニルであるか、または一緒になって、C2−10アルケニルもしくはC2−10アルケニレニデンであるか、またはC3−10シクロアルキルもしくはC3−10ヘテロシクリルを形成し、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素およびメチルから選択されるか、またはRおよびRは一緒になって、−(CHCH)−であり、
およびRは独立して、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置され、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、C1−10アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンジル、ハロ、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、フェノキシ、およびフェニルからなる群から選択されるか、またはRおよびR、ならびにRおよびRから選択された1対は一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、
は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキレン、C2−10アルケニレン、C2−10アルキニレンであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラノニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、
前記Rは、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメトキシ、5−メチルイソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンジルオキシ、アセチル、(シアニル)C1−3アルキル、(フェニル)C2−3アルケニル、およびハロからなる群から独立して選択された0〜5個の置換基で置換され、
は、水素、メチル、エチル、プロピル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであり、
ここでRは、メチル、エチル、ハロ、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはキノキサリニルから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている)
の化合物を提供するステップと、
(b)前記式(IIa)または(IIIa)の化合物を酸と組み合わせて、式(Ia)の化合物を生成するステップとを含む方法を提供する。
【0071】
一部の実施形態において、RおよびRは独立して、水素もしくはC1−10アルキルであるか、または一緒になって、C2−4アルケニルであり、R、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素およびメチルから選択されるか、またはR3およびR6は一緒になって、−(CH2CH2)−であり、Rは、−(CHC(R)=C(Rii)(Riii)または−(CHC≡C(R)であり、式中、R、Rii、Riiiは存在毎に独立して、水素、C1−6アルキルであり、mは0または1であり、Rは、−(CHC(Riv)=C(R)(Rvi)であり、式中、Riv、R、Rviは独立して、水素、C1−6アルキルであり、pは0または1であり、R、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、メトキシル、ベンジルオキシからなる群から選択されるか、またはRおよびR、ならびにRおよびRから選択された1対は一緒になって、−O−(CH)−O−であり、Rは、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニルであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、前記Rは、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメトキシ、5−メチルイソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンジルオキシ、アセチル、(シアニル)C1−3アルキル、(フェニル)C2−3アルケニル、およびハロからなる群から独立して選択された0〜5個の置換基で置換され、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであり、ここでRは、メチル、エチル、ハロ、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、およびキノキサリニルから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている。
【0072】
いくつかの実施形態において、ステップ(b)は、溶媒中で実行される。いくつかの実施形態において、溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、エーテル、メタノール、水、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒を含む。
【0073】
一部の実施形態において、酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、硫酸、ショウノウスルホン酸、ギ酸、酢酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、塩酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、臭化水素酸からなる群から選択される。一部の実施形態において、酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ショウノウスルホン酸、ギ酸、酢酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸からなる群から選択される。一部の実施形態において、酸は、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル、四塩化チタン、塩化金(III)、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、および塩化ニオブからなる群から選択されたルイス酸である。一部の実施形態において、ルイス酸は、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル、四塩化チタン、またはジクロロジイソプロポキシチタンである。
【0074】
一部の実施形態において、式Iaの化合物のRがHでなく、式(IIa)および(IIIa)の化合物のRがHであるとき、前記方法は、(c)式Iaの化合物をR8*−Y(式中、Yは、ブロモ、クロロ、ヨード、トリフリル(すなわち、トリフルオロメチルスルホニル)、トシル(すなわち、4−メチルフェニルスルホニル)、またはメシル(すなわち、メタンスルホニル)であり、R8*は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニルであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルである)の化合物および塩基と組み合わせて、前記式Iaの化合物を生成するステップをさらに含む。一部の実施形態において、Yは、ブロモ、クロロ、またはヨードであり、R8*は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニルであり、Rは、フェニルである。一部の実施形態において、塩基は、水素化ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、およびカリウムtert−ブトキシドからなる群から選択される。
【0075】
一部の実施形態において、前記式(Ia)の化合物のRは−X−Rであり、前記式(IIa)および式(IIIa)の化合物のRはHであり、前記方法は、(c)式(Ia)の化合物をZ−X−R(式中、Zは、ブロモ、クロロ、ヨード、トリフリル(すなわち、トリフルオロメチルスルホニル)、トシル(すなわち、4−メチルフェニルスルホニル)、またはメシル(すなわち、メタンスルホニル)である)および塩基と組み合わせて、前記式(Ia)の化合物を生成するステップをさらに含む。一部の実施形態において、塩基は、ジアザ(1,3)ビシクロ[5.4.0]ウンデカンである。
【0076】
一部の実施形態において、前記式(Ia)の化合物のRが−X−Rであり、前記式(IIa)および式(IIIa)の化合物のRがHであるとき、前記方法は、(c)式(Ia)の化合物をR5−C(=O)Hおよび還元剤と組み合わせて、前記式(Ia)の化合物を生成するステップをさらに含む。一部の実施形態において、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。一部の実施形態において、ステップ(c)は、溶媒中で実行される。任意の適切な溶媒または溶媒系を用いることができる(たとえば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,256,314号、第7,227,028号、および第6,469,200号を参照のこと)。一部の実施形態において、溶媒は、N−メチルピロリドン、ジクロロメタン、トルエン、ジクロロエタン、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される。
【0077】
一部の実施形態において、R1およびR2は独立して、水素またはC1−3アルキルであり、R3、R4、R6、およびR7は、水素であり、Rdは、−(CH2)mC(Ri)=C(Rii)(Riii)または−(CH2)mC≡C(Ri)であり、式中、Ri、Rii、Riiiは存在毎に独立して、水素、C1−3アルキルであり、mは0または1であり、Reは、−(CH2)pC(Riv)=C(R)(Rvi)であり、式中、Riv、R、Rviは独立して、水素、C1−3アルキルであり、pは0または1であり、R、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素またはC1−3アルコキシであり、Rは、水素またはX−Rであり、Xは、C1−3アルキレンであり、Rは、フェニル、ピロリル、ピラゾリルであり、前記Rは、C1−3アルキルの1または2個の置換基で置換され、Rは、水素、メチル、エチル、またはプロピルである。
【0078】
代表的な式(Ia)および式(I)の化合物は、下記の実施例の項および表に示される。たとえば、本発明の化合物の特定の例には、これらに限定されるものではないが、以下が含まれる。
【化15】

【0079】
C.使用、製剤、および投与
医薬的に許容される組成物
本明細書に記載の化合物および組成物は一般に、Th1細胞形成の阻害に有用である。具体的には、これらの化合物およびその組成物は、T−betシグナル伝達経路の直接または間接的阻害剤として有用である。そのため本発明の化合物および組成物は、したがってTh1細胞および/またはT−betシグナル伝達経路に媒介される疾患および疾患症状の治療にも特に適している。
【0080】
特定の一実施形態において、本発明の化合物および組成物は、T−betシグナル伝達経路の直接または間接的阻害剤であり、したがってこれらの化合物および組成物は、T−betシグナル伝達経路に関連する疾患または疾患症状の治療、または重症度の軽減に特に有用である。
【0081】
本明細書では、用語「患者」または「対象」は、動物、好ましくは哺乳動物、もっとも好ましくはヒトの患者または対象を意味する。
【0082】
いくつかの実施形態において、本発明は、式Xの化合物を含む組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、表1および2に示す化合物のいずれかを含む組成物を提供する。他の態様によれば、本発明は、ER−819724、ER−819755、ER−819750、ER−819749、ER−819735から選択された化合物を含む組成物を提供する。さらに他の態様によれば、本発明は、ER−819543、ER−819549、ER−819543、ER−819701、ER−819544、ER−819594、ER−819647、ER−819657、ER−819659、およびER−819592から選択された化合物を含む組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、ER−819595、ER−819597、ER−819641、ER−819673、ER−819651、ER−819583、ER−819604、ER−819593、ER−819658、およびER−819648から選択された化合物を含む組成物を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、ER−819602、ER−819689、ER−819646、ER−819655、ER−819703、ER−819667、ER−819601、ER−819605、ER−819652、ER−819688、ER−819603、ER−819642、およびER−819628から選択された化合物を含む組成物を提供する。他の実施形態は、ER−819−891、ER−ER−819772、ER−819771、ER−819770、ER−819769、ER−819768、およびER−819767から選択された化合物を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、ER−819556、ER−819557、ER−819558、およびER−819752から選択された化合物を含む組成物を提供する。他の実施形態は、ER−819877、ER−819878、ER−819879、ER−819882、およびER−819763から選択された化合物を含む組成物を提供する。
【0083】
用語「医薬的に許容される担体、補助剤、またはビヒクル」は、それと共に製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない非毒性の担体、補助剤、またはビヒクルを指す。本発明の組成物に用いることのできる医薬的に許容される担体、補助剤、またはビヒクルには、これらに限定されるものではないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、たとえばヒト血清アルブミン、緩衝物質、たとえばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、または電解質、たとえば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリラート、ロウ、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が含まれる。
【0084】
本発明の化合物の医薬的に許容される塩には、医薬的に許容される無機および有機の酸および塩基から誘導されるものが含まれる。適切な酸塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモアート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシラート、およびウンデカン酸塩が含まれる。シュウ酸などの他の酸は、それ自体は医薬的に許容されないが、本発明の化合物および医薬的に許容されるそれらの酸付加塩を得る際に中間体として有用な塩の調製に用いることができる。
【0085】
適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属(たとえば、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(たとえば、マグネシウム)、アンモニウム、およびN+(C1−4アルキル)塩が含まれる。本発明はまた、本明細書に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も想定する。そのような四級化によって、水溶性もしくは油溶性、または水分散性もしくは油分散性生成物を得ることができる。
【0086】
本発明の組成物は、経口、非経口、吸入噴霧、局所、経直腸、経鼻、口腔内、経膣的に、またはインプラント型リザーバによって投与することができる。本明細書では、用語「非経口」には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病変内、および頭蓋内注射または注入技法が含まれる。好ましくは、本組成物は、経口、腹腔内、または静脈内投与される。本発明の組成物の無菌注射可能形態は、水性または油性懸濁液であることができる。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を用いて、当分野で知られている技法に従って製剤化することができる。この無菌注射可能調剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射可能溶液または懸濁液、たとえば1,3−ブタンジオール溶液であることもできる。用いることのできる許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌固定油が溶媒または懸濁化媒質として通常用いられる。
【0087】
この目的で、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性(bland)固定油を用いることができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、注射可能剤の調製に有用であり、特にポリオキシエチル化型の天然の医薬的に許容される油、たとえばオリーブ油またはヒマシ油なども同様である。これらの油性溶液または懸濁液はまた、エマルションおよび懸濁剤を含む医薬的に許容される投与形態の製剤化に一般に用いられる、カルボキシメチルセルロースまたは類似の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤も含有することができる。他の一般に用いられるTween、Spanなどの界面活性剤、ならびに医薬的に許容される固体、液体、または他の投与形態の製造に一般に用いられる他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤も製剤化のために用いることができる。
【0088】
医薬的に許容される本発明の組成物は、任意の経口的に許容される投与形態で経口投与することができ、これらに限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤、または液剤が含まれる。経口用錠剤が用いられる場合、一般に用いられる担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も典型的に添加される。カプセル形態での経口投与の場合、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。経口で用いるために水性懸濁剤が必要とされる場合には、有効成分を乳化剤および懸濁化剤と化合する。所望であれば、ある種の甘味剤、香味剤、または着色剤も添加することができる。
【0089】
あるいは、医薬的に許容される本発明の組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与することができる。これらの坐剤は、薬剤を、室温では固体であるが、直腸温では液体であり、したがって直腸内で融解して薬物を放出する適切な無刺激性賦形剤と混合することによって調製できる。そのような材料には、カカオ脂、蜜ロウ、およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0090】
医薬的に許容される本発明の組成物は、特に、治療標的が局所適用によって容易に接近可能な領域または器官を含むとき(目、皮膚、または下部腸管の疾患を含む)、局所投与することもできる。適切な局所製剤は、これらの各領域または器官用に容易に調製される。
【0091】
下部腸管の局所適用は、直腸坐剤製剤(上記参照)または適切な注腸製剤で達成できる。局所経皮パッチを用いることもできる。
【0092】
局所適用の場合、医薬的に許容される組成物は、1種または複数の担体に懸濁または溶解した活性成分を含有する適切な軟膏に製剤化することができる。本発明の化合物を局所投与するための担体には、これらに限定されるものではないが、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウ、および水が含まれる。あるいは、医薬的に許容される組成物は、1種または複数の医薬的に許容される担体に懸濁または溶解した活性成分を含有する適切なローションまたはクリームに製剤化できる。適切な担体には、これらに限定されるものではないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルロウ、セテアリルアルコール、2オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が含まれる。
【0093】
眼科使用の場合、医薬的に許容される組成物は、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤を含むかまたは含まない、等張pH調整無菌食塩水中の微粉化懸濁液として、または、好ましくは等張pH調整無菌食塩水中の溶液として製剤化することができる。あるいは、眼科使用の場合、医薬的に許容される組成物は、ワセリンなどの軟膏に製剤化することができる。
【0094】
医薬的に許容される本発明の組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与することもできる。そのような組成物は、医薬製剤分野でよく知られている技法によって調製され、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを増強する吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の通常の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、食塩水中の溶液として調製することができる。
【0095】
もっとも好ましくは、医薬的に許容される本発明の組成物は、経口投与用に製剤化される。
【0096】
単回投与形態の組成物を生成するために担体材料と合わせることのできる本発明の化合物の量は、治療される宿主、および特定の投与様式に応じて異なる。好ましくは、組成物は用量0.01〜100mg/体重kg/日の阻害剤がこれらの組成物を受容する患者に投与されるように製剤化されるべきである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、用量0.01mgから50mgを提供する。他の実施形態において、用量0.1から25mg、または5mgから40mgが提供される。
【0097】
任意の特定の患者に対する具体的な用量および治療レジメンは、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、ならびに治療する医師の判断、および治療される特定の疾患の重症度を含む様々な要因によって決まることが理解されるはずである。組成物中の本発明の化合物の量も、組成物中の特定の化合物によって決まることになる。
【0098】
化合物および医薬的に許容される組成物の使用
式I、式Ia、または式Ibの化合物は、in vitroおよびin vivoの両方において、T−bet阻害剤として有用である。T−bet(T細胞に発現するT−box)は、Th1/Th2均衡の重要なレギュレータであるTh1特異転写因子である。S.J.Szabo,et al.,Cell,100:655−669(2000)を参照されたい。T−betはTh1細胞において選択的に誘発され、インターフェロン−ガンマ遺伝子を転写活性化し、インターフェロン−ガンマ産生を誘発し、極性化Th2細胞をTh1経路に移行させることができる。T−betはまた、CD8+T細胞、ならびに先天免疫系細胞、たとえばNK細胞および樹状細胞において、IFN−ガンマ産生を制御する。したがって、T−betシグナル伝達経路の直接または間接的阻害剤(T−betの発現を阻害する化合物を含む)は、過剰に活性なTh1応答の均衡を保つのに治療的に有用であり、したがって関節リウマチおよび多発性硬化症などのTh1媒介性疾患の治療に有用である。Rが水素であるものなど、一部の実施形態において、式Iまたは式Iaの化合物はまた、RがX−Rである式Iまたは式Iaの他の化合物を製造するための中間体としても有用である。式Iまたは式Iaの化合物のRがHであるものなど、一部の実施形態において、それらの化合物はまた、RがHでない他の式I、式Iaの化合物を製造するための中間体としても有用である。
【0099】
一実施形態によれば、本発明は、生体試料においてTh1細胞の形成を阻害する方法であって、前記生体試料を本発明の化合物、または前記化合物を含む組成物と接触させるステップを含む方法に関する。
【0100】
他の実施形態によれば、本発明は、生体試料においてT−betシグナル伝達経路の活性を直接または間接的に阻害する方法であって、前記生体試料を本発明の化合物、または前記化合物を含む組成物と接触させるステップを含む方法に関する。
【0101】
本明細書では、用語「生体試料」には、非限定的に細胞培養物もしくはその抽出物、哺乳動物から得られた生検材料もしくはその抽出物、および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙、または他の体液もしくはそれらの抽出物が含まれる。
【0102】
一実施形態によれば、本発明は、患者においてTh1細胞の形成を阻害する方法であって、前記患者に本発明の化合物、または前記化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法に関する。
【0103】
具体的には、本発明は、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する、またはその重症度を軽減する方法に関し、前記方法は、それを必要とする患者に本発明による組成物を投与することを含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、本発明は、式Iの化合物を投与することによって、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、表1および2に示す化合物1〜70のいずれかを投与することによって、本明細書に記載のとおりT−bet媒介性疾患を治療する方法を提供する。他の態様によれば、本発明は、ER−819724、ER−819755、ER−819750、ER−819749、ER−819735から選択された化合物を投与することによって、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する方法を提供する。さらに他の態様によれば、本発明は、ER−819543、ER−819549、ER−819543、ER−819701、ER−819544、ER−819594、ER−819647、ER−819657、ER−819659、およびER−819592から選択された化合物を投与することによって、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、ER−819595、ER−819597、ER−819641、ER−819673、ER−819651、ER−819583、ER−819604、ER−819593、ER−819658、およびER−819648から選択された化合物を投与することによって、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する方法を提供する。さらに他の実施形態において、本発明は、ER−819602、ER−819689、ER−819646、ER−819655、ER−819703、ER−819667、ER−819601、ER−819605、ER−819652、ER−819688、ER−819603、ER−819642、およびER−819628から選択された化合物を投与することによって、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する方法を提供する。さらに他の実施形態は、ER−819−891、ER−819772、ER−819771、ER−819770、ER−819769、ER−819768、およびER−819767から選択された化合物を投与することによって、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、ER−819556、ER−819557、ER−819558、およびER−819752から選択された化合物を投与することによって、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する方法を提供する。さらに他の実施形態は、ER−819877、ER−819878、ER−819879、ER−819882、およびER−819763から選択された化合物を投与することによって、関節リウマチまたは多発性硬化症を治療する方法を提供する。
【0105】
本明細書に記載の本発明がより十分に理解されるように、以下の実施例を示す。これらの実施例は例示のみを目的とするものであり、いかなる意味でも本発明を限定するものと解釈されないことが理解されるべきである。たとえば、下記の特許請求の範囲において、化合物が本明細書で番号「ER−xxxxxx」によって識別される場合、その化合物が下記の実施例において「無塩」または特定の塩として明記されている場合であっても、その化合物は遊離塩基(または無塩)およびそれらの医薬的に許容される任意の塩(たとえば、上記の定義に特定されている)の両方の化合物を包含することが意図される。さらに、化合物の構造が本明細書で番号「ER−xxxxxx」に関連して示され、その構造が波状(sinusoidal)または「波」線で示されるメチル基を含有する場合、その化合物はラセミ混合物およびエナンチオマー的に純粋な化合物の両方の化合物を包含することが意図される。
【実施例】
【0106】
化合物
マイクロウェーブを用いる反応は、Biotage Corporationから提供されるEmrys Liberator装置を用いて行った。溶媒の除去は、BuechiロータリーエバポレータまたはGenevac遠心エバポレータを用いて行った。分析および分取クロマトグラフィは、酸性、中性、または塩基性条件下、順相または逆相HPLCカラムを用い、Waters自動精製装置を用いて行った。化合物はELSDクロマトグラムの面積パーセントによって判定し、>90%純粋と推定した。NMRスペクトルは、Varian300MHz分光計を用いて記録した。
【0107】
本発明の化合物を調製するための一般的方法および実験を以下に示す。いくつかの例では、特定の化合物を例として記載する。しかしながら、いずれの場合も本発明の一連の化合物が、下記のスキームおよび実験に従って調製されたことが理解される。
【0108】
【化16】

ER−811160:上記スキーム1に示したとおり、シアン化カリウム(22.5g、0.335mol)の水(50mL)溶液を5分間かけて、1−Boc−ピペリドン(32.48g、0.1598mol)および炭酸アンモニウム(33.8g、0.351mol)の水(90mL)およびメタノール(110mL)溶液に滴加した。添加完了直後に、オフホワイト色の沈殿物が形成し始めた。反応フラスコを密閉し、懸濁液を室温で72時間攪拌した。得られた淡黄色の沈殿物を濾過し、少量の水で洗浄して、無色の固体としてER−811160(37.1g、86%)を得た。
【0109】
【化17】

ER−818039:上記スキーム2に示したとおり、ER−811160(30.0g、0.111mol)、3,5−ジメトキシベンジルブロミド(30.9g、0.134mol)、および炭酸カリウム(18.5g、0.134mol)のアセトン(555mL)懸濁液を還流下で一晩加熱した。反応溶液を室温に冷却し、濾過し、真空中で濃縮した。オレンジ色の粗生成物を最少量のMTBE(250mL)に溶解した。少量のヘキサン(50mL)を添加し、生成物を無色の固体として沈澱させ(2時間)、それを真空濾過で単離した。濾過ケークを少量のMTBEで洗浄し、真空中で乾燥して、ER−818039(39.6g、85%)を得た。
【0110】
【化18】

ER−823143:上記スキーム3に示したとおり、ER−818039(2.15g、0.00512mol)を含有する1口丸底フラスコに、1,4−ジオキサン中4N HClの溶液(3.8mL、0.049mol)をゆっくりと添加した。出発材料は20分間でゆっくりと溶解し、30分後に無色の沈殿物が形成した。その後、MTBE(3ml)を添加した。2時間後、反応物を濾過し、MTBEで洗浄して、無色の固体としてER−823143(1.81g、99%)を得た。
【0111】
【化19】

ER−817098:上記スキーム4に示したとおり、ER−823143(41.5mg、0.000117mol)および4Åモレキュラーシーブの1,2−ジメトキシエタン(0.5mL、0.004mol)懸濁液に、窒素雰囲気下、3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(21.3mg、0.000128mol)、次いでトリエチルアミン(16.2μL、0.000117mol)を添加した。反応物を1時間攪拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(34.6mg、0.000163mol)を添加し、反応物を一晩攪拌した。溶出液として酢酸エチルを用い、フラッシュクロマトグラフィによって、無色の固体としてER−817098(45.3mg、83%)を得た。
【0112】
【化20】

ER−817116:上記スキーム5に示したとおり、ER−817098−00(50.0mg、0.000106mol)および1−ブロモ−2−メトキシエタン(15.6μL、0.000160mol)のN−メチルピロリジノン(1.0mL、0.010mol)溶液に、テトラヒドロフラン中1.0Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液(0.16mL)を添加した。温度を80℃に上昇させ、反応混合物を一晩攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水でクエンチし、その後、MTBEで数回抽出した。MTBE抽出物を合わせ、水(2×)およびブライン(1×)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。溶出液として酢酸エチルを用い、フラッシュクロマトグラフィによって、無色の油としてER−817116(32.2mg、58%)を得た。
【0113】
【化21】

ER−819543:上記スキーム6に示したとおり、ER−817116−00(91.6mg、0.000174mol)のテトラヒドロフラン(1.8mL、0.022mol)溶液に−78℃で、エーテル中1.0Mアリルマグネシウムブロミド溶液(0.35mL)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温に温め、一晩攪拌した。質量分光分析によって生成物への25%転化が示され、したがって反応混合物を−78℃に再び冷却し、さらに1.35mLのエーテル中1.0Mアリルマグネシウムブロミドを添加した。反応混合物を室温に温め、4時間攪拌した。その後、反応混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(2.00mL、0.0260mol)を滴加して処理し、真空中で濃縮した。次いで、トリエチルアミンを加えて、残留TFAを中和した。酢酸エチルを添加し、粗反応生成物をフラッシュクロマトグラフィ(溶出液:100%酢酸エチル)で精製して、無色の固体としてER−819543(56.8mg、59%)を得た。
【0114】
【化22】

ER−819544:上記スキーム7に示したとおり、ER−817116−00(100.5mg、0.0001905mol)のテトラヒドロフラン(1.9mL、0.023mol)溶液に−78℃で、テトラヒドロフラン中0.5M2−メチルアリルマグネシウムクロリド溶液(800μL)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温に温め、6時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(1.00mL、0.0130mol)を滴加して処理し、次いで真空中で濃縮した。トリエチルアミンを加えて、残留TFAを中和した。酢酸エチルを添加し、溶出液として酢酸エチルを用い、フラッシュクロマトグラフィによって粗反応生成物を精製して、無色の固体としてER−819544(66.2mg、61%)を得た。
【0115】
【化23】

ER−817118:上記スキーム8に示したとおり、ER−817098(2.85g、0.00607mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液に、水素化ナトリウム(364mg、0.00910mol)、次いでヨードエタン(758μL、0.00910mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌した。水を非常にゆっくりと添加し、反応混合物をMTBEで数回抽出した。MTBE抽出物を合わせ、水(2×)およびブライン(1×)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。溶出液として酢酸エチルを用い、フラッシュクロマトグラフィによって、無色の油としてER−817098(2.89g、96%)を得た。
【0116】
【化24】

ER−819651:上記スキーム9に示したとおり、テトラヒドロフラン中1Mマグネシウム攪拌懸濁液(5.58mL)に0℃で、1−ブロモ−2−ブチン(414μL、0.00459mol)をゆっくりと添加した。2時間攪拌した後(反応溶液は黒色のままである)、ER−817118(228.4mg、0.0004590mol)の無水THF(10mL)溶液を0℃でゆっくりと添加した。反応物を室温に温め、4時間攪拌した。その後、反応混合物を−78℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(0.95mL、0.012mol)を滴加して処理すると、溶液は透明になった。反応混合物を室温に温め、1時間攪拌した。水浴温度40℃でロータリーエバポレータを用い、反応混合物を真空中で濃縮乾固した。残留する淡褐色の固体をトリエチルアミンで塩基性化し(透明固体)、フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:塩化メチレン中2%EtOH)で精製して、不純なER−819651を得た。続いてHPTLC(トルエン中8%EtOH)で再び精製して、無色の固体としてER−819651(128.8mg、53%)を得た。
【0117】
【化25】

ER−819626:上記スキーム10に示したとおり、テトラヒドロフラン中1Mマグネシウム攪拌懸濁液(4.990mL)に0℃で、1−ブロモ−2−ペンテン(485.6μL、0.004106mol)をゆっくりと添加した。2時間攪拌した後(反応溶液は黒色のままである)、ER−817118(204.3mg、0.0004106mol)の無水THF(10mL)溶液を0℃でゆっくりと添加した。反応混合物を室温に温め、4時間攪拌した(反応溶液は黒色のままである)。反応物を−78℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(0.85mL、0.011mol)を滴加して処理すると、反応混合物は透明になった。反応混合物を室温に温め、1時間攪拌した。水浴温度40℃でロータリーエバポレータを用い、反応混合物を真空中で濃縮乾固した。粗生成物(淡褐色固体)をトリエチルアミンで塩基性化し(透明固体)、フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:塩化メチレン中2%EtOH)で精製して、白色の固体としてER−819626(110.2mg、49%)を得た。
【0118】
【化26】

ER−823988:上記スキーム11に示したとおり、ER−817116(1.006g、0.0019067mol)のテトラヒドロフラン(7.6mL、0.094mol)溶液に−78℃で、テトラヒドロフラン中1.0Mビニルマグネシウムブロミド溶液(3.8mL)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温に温め、1時間攪拌した。質量分光分析によって相当量の残留出発材料が示され、したがって反応混合物を0℃に再び冷却し、さらに3.8mLのテトラヒドロフラン中1.0Mビニルマグネシウムブロミド溶液を添加した。反応混合物を2時間攪拌し、その後、水酸化アンモニウム飽和水溶液を滴加してクエンチした。混合物を酢酸エチルで数回抽出した。有機抽出物を合わせ、水(2×)およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:酢酸エチル中5%エタノール)によって、無色の固体としてER−823988(0.605g、57%)を得た。
【0119】
【化27】

ER−819673:上記スキーム12に示したとおり、ER−823988(163.1mg、0.0002935mol)を室温でトリフルオロ酢酸(2.00mL、0.0260mol)に溶解した。反応混合物を40℃に温め、2時間攪拌し、その後、真空中で濃縮した。残留物を少量のアセトンに溶解し、少量の炭酸カリウムで塩基性となるまで処理した。フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:酢酸エチル中2%エタノール)によって、無色のガラス状固体としてER−819673(0.101g、64%)を得た。
【0120】
【化28】

ER−823914:上記スキーム13に示したとおり、ER−823143(5.03g、0.0141mol)のテトラヒドロフラン(30.0mL、0.370mol)溶液に−78℃で、エーテル中1.0Mアリルマグネシウムブロミド溶液(71mL)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温に温め、一晩攪拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(21.8mL、0.283mol)を滴加して処理し、次いで真空中で少量の残留量に濃縮した。トリエチルアミンを加えて残留TFAを中和し、その後、混合物を真空中で濃縮乾固した。残留する赤色油をメタノール(138mL、3.41mol)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカルボナート(3.34g、0.0148mol)、続いてトリエチルアミン(2.38mL、0.0169mol)で処理し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:酢酸エチル中50%ヘキサン)で精製して、無色の固体としてER−823914(3.25g、52%)を得た。
【0121】
【化29】

ER−823915:ER−823914(2.20g、0.00496mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(12.4mL、0.160mol)溶液に、水素化ナトリウム(298mg、0.00744mol)、続いてヨードエタン(607μL、0.00744mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、水でクエンチし、MTBEで数回抽出した。MTBE抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:酢酸エチル中40%ヘキサン)によって、無色の泡状物としてER−823915(0.80g、34%)を得た。
【0122】
【化30】

ER−823917:上記スキーム15に示したとおり、ER−823915(799.2mg、0.001695mol)を、1,4−ジオキサン中4M塩化水素溶液(10mL)に溶解した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、真空中で濃縮して、オレンジ色の固体としてER−823917(0.69g、定量的)を得た。
【0123】
【化31】

ER−819597:上記スキーム16に示したとおり、ER−823917(100.0mg、0.0002451mol)、4Åモレキュラーシーブ、および3,5−ジメチルベンズアルデヒド(50.9mg、0.000368mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL、0.013mol)に溶解/懸濁した。30分間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(76.6mg、0.000343mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌した。白色沈殿物が形成されるまで、水を添加した。水で数回洗浄しながら、沈殿物を濾過によって集めた。次いで、濾液を真空中で乾燥して、無色の固体としてER−819597(108.0mg、90%)を得た。
【0124】
ER−819689、ER−819688、ER−819604、ER−819595、ER−819594、ER−819593、ER−819592、ER−819582、およびER−819777を、ER−819597と実質的に同じ方法で調製した。一部の例では、所望の生成物を反応混合物から沈澱させることができ、他の例では、反応混合物を水でクエンチし、その後、適切な水不混和性溶媒で抽出し、続いてクロマトグラフィで精製する。
【0125】
【化32】

上記スキーム17は、一般的な環化法を示す。上記スキーム17に示したとおり、ER−823143(0.0141mol)のテトラヒドロフラン(30.0mL)溶液に−78℃で、エーテル中1.0Mアルケニルマグネシウムブロミド溶液(71mL)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温に温め、一晩攪拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(0.283mol)を滴加して処理した。反応溶液を真空中で少量に濃縮し、その後、トリエチルアミンで処理して残留TFAを中和した。粗生成物を真空中で濃縮乾固した。次いで、得られた残留物をメタノール(138mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカルボナート(0.0148mol)、続いてトリエチルアミン(0.0169mol)で処理した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィで精製して、所望の生成物を得た。
【0126】
【化33】

上記スキーム18は、R基を導入する一般的方法を示す。上記スキーム18に示したとおり、出発材料(0.00496mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(12.4mL)溶液に、水素化ナトリウム(0.00744mol)、続いてハロゲン化アルキル(0.00744mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、水でクエンチし、MTBEで数回抽出した。MTBE抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィによって所望の生成物を得た。
【0127】
【化34】

上記スキーム19に示したとおり、出発材料(0.001695mol)を1,4−ジオキサン中4M塩化水素溶液(10mL)に溶解した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、真空中で濃縮して、所望の生成物を得た。
【0128】
【化35】

上記スキーム20は、−X−R基(Xは−CH−である)を導入する一般的方法を示す。上記スキーム20に示したとおり、出発材料(0.0002451mol)、4Åモレキュラーシーブ、およびアルデヒド(0.000368mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)に溶解/懸濁した。30分間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.000343mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、水でクエンチした。一部の例では、所望の生成物は反応を水でクエンチすることによって沈澱し、その場合には濾過によって単離し、その後、フラッシュクロマトグラフィで精製することができる。他の例では、所望の生成物を適切な水不混和性有機溶媒を用いて抽出し、続いてフラッシュクロマトグラフィまたは逆相分取HPLCによって精製することができる。
【0129】
【化36】

ER−819658:上記スキーム21に示したとおり、2mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−819623(71.6mg、0.000176mol)、3,5−ジメトキシベンジルクロリド(41.1mg、0.000220mol)、N−メチルピロリジノン(700.0μL)、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(60.0μL、0.000401mol)を入れた。反応混合物を密封し、180℃で60秒間、マイクロウェーブで加熱した。逆相HPLCで精製して、ER−819658(54.9mg、60%)を得た。
【0130】
ER−819637およびER−819627を、ER−819658と実質的に同じ方法で調製した。
【0131】
【化37】

上記スキーム22は、−X−R基(Xは−CH−である)を導入する別の一般的方法を示す。上記スキーム22に示したとおり、2mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、出発材料(0.000176mol)、ハロゲン化アルキル(0.000220mol)、N−メチルピロリジノン(700.0μL)、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(0.000401mol)を入れた。反応器バイアルを密封し、180℃で60秒間、マイクロウェーブで加熱した。逆相HPLCで精製して、所望の生成物を得た。
【0132】
【化38】

ER−819666:上記スキーム23に示したとおり、ER−819621(2.30g、0.00503mol)を含有するフラスコに、1,4−ジオキサン中4M塩化水素溶液(15.0mL)を添加した。反応混合物を室温で30分間攪拌し、その後、真空中で濃縮して、ER−819666(1.98g、定量的)を得た。
【0133】
【化39】

ER−819585:上記スキーム24に示したとおり、攪拌子を含有する2mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−819666(653.4mg、0.001659mol)、3,5−ジメトキシベンジルクロリド(377.6mg、0.002023mol)、N−メチルピロリジノン(5.00mL、0.0518mol)、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(560.0μL、0.003745mol)を入れた。反応器バイアルを密封し、180℃で60秒間、マイクロウェーブで加熱した。逆相HPLCで精製して、ER−819585(52.1mg、68%)を得た。
【0134】
【化40】

ER−819621:上記スキーム25に示したとおり、攪拌子を備えた2mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−819585(70.0mg、0.000138mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(830.0μL、0.01072mol)、臭化ベンジル(40.0μL、0.000336mol)、およびテトラヒドロフラン中1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液(350.0μL)を入れた。反応器バイアルを密封し、200℃で900秒間、マイクロウェーブで加熱した。分取逆相HPLCで精製して、ER−819662(35.14mg、43%)を得た。
【0135】
ER−819663、ER−819661、ER−819659、ER−819650、ER−819647、ER−819641を、ER−819662と実質的に同じ方法で調製した。
【0136】
【化41】

上記スキーム26は、−X−R基(Xは−CH−である)を導入する一般的方法を示す。上記スキーム26に示したとおり、攪拌子を含有する2mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−819666(0.001659mol)、ハロゲン化アルキル(0.002023mol)、N−メチルピロリジノン(5.00mL)、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(0.003745mol)を入れた。反応器バイアルを密封し、180℃で60秒間、マイクロウェーブで加熱した。分取逆相HPLCで精製して、所望の生成物を得た。
【0137】
【化42】

上記スキーム27は、R基を導入する一般的方法を示す。上記スキーム27に示したとおり、攪拌子を備えた2mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、出発材料(0.000138mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(830μL)、R−ブロミド(0.000336mol)、およびテトラヒドロフラン中1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液(350μL)を入れた。反応器バイアルを密封し、200℃で2700秒間まで、マイクロウェーブで加熱した。分取逆相HPLCで精製して、所望の生成物を得た。
【0138】
【化43】

ER−819590:上記スキーム28に示したとおり、ER−819585(31.6mg、0.0000622mol)および1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−1H−ピロール(18.2mg、0.0000747mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(500μL、0.007mol)溶液に、水素化ナトリウム(2.99mg、0.0000747mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、水(1mL)で注意深くクエンチし、酢酸エチルで数回抽出した。有機抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:ヘキサン中50%酢酸エチル)によって、無色の固体としてER−819590(18.8mg、46%)を得た。
【0139】
【化44】

ER−819638:上記スキーム29に示したとおり、2mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−819639(102.3mg、0.0002151mol)、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(80.0μL、0.000530mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1000.0μL)、およびテトラヒドロフラン中1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液(530.0μL)を入れた。反応器バイアルを密封し、200℃で900秒間、マイクロウェーブで加熱した。反応は完了しなかった。したがって、追加の2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(80μL、2.5当量)およびテトラヒドロフラン中1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液(530μL、2.4当量)を添加し、バイアルを200℃で900秒間、再び加熱した。分取逆相HPLCで精製して、ER−819638(57.8mg、44.5%)を得た。
【0140】
【化45】

ER−819660:上記スキーム30に示したとおり、ER−819638(57.8mg、0.0000957mol)のエタノール(0.539mL、0.00922mol)溶液を、1M塩酸(0.970mL)で処理し、室温で3時間攪拌した。1M水酸化ナトリウム水溶液(0.970mL)を滴加して、反応混合物を中和した。分取逆相HPLCで精製して、ER−819660(29.06mg、58.4%)を得た。
【0141】
ER−819657およびER−819642を、ER−819660と実質的に同じ方法で調製した。
【0142】
【化46】

ER−819139:上記スキーム31に示したとおり、2L丸底フラスコに、4−ピペリドン一水和物一塩酸塩(46.5g、0.302mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(600mL)を入れた。得られた懸濁液に、窒素下、炭酸ナトリウム(58.3g、0.550mol)、ヨウ化ナトリウム(28.9g、0.193mol)、および3,5−ジメトキシベンジルクロリド(51.4g、0.275mol)を加えた。次いで、得られたベージュ色の懸濁液を90℃に加熱し、窒素下、一晩攪拌した。反応混合物は濁り、黄金色になった。反応混合物を濾過し、その後、得られたオレンジ色の濾液を高真空ロータリーエバポレータで最少量の溶媒に濃縮した。塩化アンモニウム飽和水溶液(300mL)を添加し、混合物をMTBEで抽出した(250mL抽出液)。合わせた有機相を乾燥し(無水NaSO)、濃縮して、赤褐色の油ER−823139(想定定量的収率)を得た。
【0143】
【化47】

ER−823106:上記スキーム32に示したとおり、水(2.8mL)およびメタノール(3.0mL)中のER−823139懸濁液に、2−メトキシエチルアミン(1.36mL、0.0157mol)を添加した。得られた褐色の懸濁液に、12M塩酸水溶液(1.31mL)を滴加した。反応混合物を40℃に加熱し、シアン化カリウム(1.02g、0.0157mol)の水(2.3mL、0.13mol)溶液を滴加した。相当量の出発材料が依然として溶解していなかった。したがって、追加のメタノール(3.0mL、0.074mol)および水(2.8mL、0.16mol)を添加し、懸濁液を室温で18時間攪拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機物を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、真空中で濃縮して、黄褐色の粗生成物ER−823106(4.70g、99%)を得た。
【0144】
【化48】

ER−819669:上記スキーム33に示したとおり、ER−823106(0.48g、0.0014mol)の塩化メチレン(2.0mL)溶液に室温で、イソシアン酸クロロスルホニル(0.125mL、0.001440mol)をゆっくりと滴加した。内部温度が30℃に上昇し、そのため氷浴を用いて、温度を16℃から25℃に保った。混合物を室温で1時間攪拌し、その後、真空中で濃縮して、淡黄色の泡状物を得た。残留物に1M塩酸(4.0mL)を添加した。得られた懸濁液を室温で10分間攪拌し、その後、1時間110℃で加熱した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、水酸化ナトリウム5M水溶液(〜1.2mL)で中和した。淡黄色の白濁した沈殿物が形成され、それを酢酸エチルで抽出した(5×、TLCによって最終抽出物に生成物がほとんど/まったく含まれなくなるまで)。合わせた有機物をブラインで洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、暗黄色の油を得た。この油を、DCM/酢酸エチル(1:1)、DCM/酢酸エチル/メタノール(9:9:1)、および酢酸エチル/MeOH(9:1)を用いて、フラッシュクロマトグラフィで精製して、ER−819669(17mg、31%)を得た。
【0145】
【化49】

ER−819695:上記スキーム34に示したとおり、ER−819669(110mg、0.00029mol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(87.2μL、0.000583mol)、および3,4,5−トリメトキシベンジルクロリド(107mg、0.000495mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.1mL)溶液を180℃で60秒間、マイクロウェーブで加熱した。分取逆相HPLCで精製して、無色の油としてER−819695(129mg、79%)を得た。
【0146】
【化50】

ER−819700:上記スキーム35に示したとおり、ER−819695(118mg、0.000212mol)のテトラヒドロフラン(4mL、0.05mol)溶液に−78℃で、テトラヒドロフラン中0.5M2−メチルアリルマグネシウムクロリド溶液(4.232mL)を、内部温度を−50℃未満に保ちながら、3分間かけて滴加した。冷却浴を除去し、反応混合物を0℃に温めた。0℃で2時間後、TLC(9:1酢酸エチル−MeOH、ニンヒドリン染色、UV)は反応の完了を示した。トリフルオロ酢酸(0.978mL、0.0127mol)をゆっくりと慎重に添加することによって反応混合物をクエンチして、黄色の溶液を得た。次いで、反応混合物を室温に温め、10分間攪拌し、その後、水浴温度30℃でロータリーエバポレータを用い、真空中で濃縮した。得られた黄色の残留物を酢酸エチルに溶解し、過剰の重炭酸ナトリウム飽和水溶液で慎重に処理した。ガスの発生が止まるまで、二相混合物を攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで再び抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。分取TLC酢酸エチル/MeOH(9:1)で精製して、ER−819700(85mg、67%)を得た。
【0147】
【化51】

ER−819701:上記スキーム36に示したとおり、ER−819700(45mg、0.000076mol)の塩化メチレン(2.25mL)溶液に室温で、トリフルオロメタンスルホン酸(20μL、0.0002mol)を滴加した。40分後、反応を飽和NaHCOでクエンチし(暗黄色からほぼ無色に変色した)、室温で20分間強く攪拌し、塩化メチレン(3×)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。100%酢酸エチル、次いで酢酸エチル/メタノール(19:1)を用い、フラッシュクロマトグラフィで精製して、ER−819701(26mg、58%)を得た。
【0148】
ER−819655、ER−819672、ER−819698、ER−819704を、ER−819701と実質的に同じ方法で調製した。
【0149】
【化52】

上記スキーム37は、種々のR、R、およびR基を導入する一般的方法を示す。上記スキーム37に示したとおり、ER−819669(0.00029mol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(87.2μL、0.000583mol)、およびハロゲン化アルキル(0.000495mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.1mL)溶液を180℃で60秒間、マイクロウェーブで加熱した。分取逆相HPLCで精製して、所望の生成物を得た。
【0150】
【化53】

上記スキーム38に示したとおり、出発材料(0.000212mol)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液に−78℃で、テトラヒドロフラン中2−メチルアリルマグネシウムクロリドの0.5M溶液(4.232mL)を、内部温度を−50℃未満に保ちながら、3分間かけて滴加した。冷却浴を除去し、反応混合物を0℃に温めた。0℃で2時間後、トリフルオロ酢酸(0.978mL、0.0127mol)をゆっくりと慎重に添加することによって反応混合物をクエンチした。次いで、反応混合物を室温に温め、10分間攪拌し、その後、水浴温度30℃に設定したロータリーエバポレータを用い、真空中で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、過剰の重炭酸ナトリウム飽和水溶液で慎重に処理した。ガスの発生が止まるまで、二相混合物を攪拌した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。酢酸エチル/メタノール(9:1)による分取TLCで精製して、所望の生成物を得た。
【0151】
【化54】

上記スキーム39に示したとおり、出発材料(0.000076mol)の塩化メチレン(2.25mL)溶液に室温で、トリフルオロメタンスルホン酸(20μL、0.0002mol)を滴加した。40分後、反応を過剰の重炭酸ナトリウム飽和水溶液でクエンチし、室温で20分間強く攪拌し、塩化メチレン(3×)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。100%酢酸エチル、次いで酢酸エチル/メタノール(19:1)を用い、フラッシュクロマトグラフィで精製して、所望の生成物を得た。
【0152】
【化55】

ER−819676:上記スキーム40に示したとおり、ER−819675(80.0mg、0.000171mol)のテトラヒドロフラン(2mL、0.03mol)溶液に−78℃で、テトラヒドロフラン中2−メチルアリルマグネシウムクロリドの0.5M溶液(3.422mL)を、内部温度を−60℃未満に保ちながら、3分間かけて滴加した。反応混合物をゆっくりと−35℃に温めた(約1.5時間)。反応を塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。酢酸エチル/メタノール(19:1)で溶出し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィで精製して、ER−819676(85mg、95%)を得た。
【0153】
【化56】

ER−819677:上記スキーム41に示したとおり、ER−819676(56mg、0.00011mol)の塩化メチレン(5000μL)溶液に室温で、トリフルオロメタンスルホン酸(90μL、0.001mol)を滴加して、黄色の溶液を得た。3時間後、反応を重炭酸ナトリウム飽和水溶液でクエンチし、室温で20分間強く攪拌し、塩化メチレン(3×)で抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。酢酸エチル/メタノール(9:1)を用い、分取TLCで精製して、ER−819677(22mg、40%)を得た。
【0154】
【化57】

ER−823141:上記スキーム42に示したとおり、ER−820757(1.62g、6.556mmol)を塩化メチレン(80mL)に溶解した。トリフェニルホスフィン(3.44g、13.1mmol)および四臭化炭素(4.35g、13.1mmol)を添加し、混合物を室温で一晩攪拌した。真空中で濃縮し、次いで溶出液として酢酸エチル/ヘプタン(1:9)を用い、フラッシュクロマトグラフィによって、薄灰色の固体としてER−823141(1.93g、95%)を得た。
【0155】
【化58】

ER−823142:上記スキーム43に示したとおり、磁気攪拌子を備えた5mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−823140(200.0mg、0.6263mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)、ER−823141(388mg、1.25mmol)、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(211μL、1.41mmol)を入れて、淡黄色の溶液を得た。反応混合物を180℃で90秒間、マイクロウェーブで加熱した。酢酸エチル(5.0mL)を添加し、続いて塩化アンモニウム飽和水溶液(2.5mL)および水(2.5mL)を添加した。有機層を単離し、水層を酢酸エチル(5.0mL)で抽出(2×)した。合わせた有機抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液(5.0mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(0〜2.5%メタノール/酢酸エチル)で精製して、無色の固体としてER−823142(218mg、63%)を得た。
【0156】
【化59】

ER−823163:上記スキーム44に示したとおり、磁気攪拌子を備えた5mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−823142(100.0mg、0.1823mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(1.00mL)、テトラヒドロフラン中1.0Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液(0.43mL)、および臭化エチル(0.032mL、0.438mmol)を入れた。混合物を170℃で150秒間、マイクロウェーブで加熱した。反応混合物を室温に冷却し、MTBE(2mL)で処理した。塩化アンモニウム飽和水溶液(1mL)を添加し、混合物を10分間攪拌した。有機層を単離し、水層を再びMTBE(2×2mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(2mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル)で精製して、淡黄色の固体としてER−823163(83mg、79%)を得た。
【0157】
【化60】

ER−823166:上記スキーム45に示したとおり、ER−823163(153.0mg、0.2654mmol)を無水テトラヒドロフラン(1.5mL)に溶解し、その溶液を0℃に冷却した。エーテル中アリルマグネシウムブロミドの1.0M溶液(1.327mL)を添加し、混合物を0℃で1.5時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液(1.5mL)を添加し、混合物を10分間攪拌した。混合物をMTBE(7mL)で抽出(2×)した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(3mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、真空中で濃縮して、粗ER−823166(160mg)を得て、それを精製することなくすぐに用いた。
【0158】
【化61】

ER−819703:上記スキーム46に示したとおり、ER−823166(110.0mg、0.1778mmol)のアセトニトリル(2.5mL)溶液に、窒素雰囲気下、5mLマイクロウェーブ反応器バイアル中、酢酸パラジウム(20.0mg、0.0889mmol)、トリ−o−トリルホスフィン(27.6mg、0.0907mmol)、およびトリエチルアミン(99.1μL、0.711mmol)を添加した。混合物を120℃で60分間、マイクロウェーブで加熱した。反応混合物をセライトおよびシリカゲルのショートパッドを通して濾過し、その後、パッドを酢酸エチル/メタノール(9:1)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。得られた残留物を分取逆相HPLCで精製して、ER−819703(10mg、12%)を得た。
【0159】
【化62】

ER−819679:上記スキーム47に示したとおり、5mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、磁気攪拌子、ER−823140(505.0mg、0.001581mol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(3.5mL)を入れた。混合物を数分間攪拌し、すべての固体を溶解して、透明でかすかに黄色の溶液を得た。3,4−ジベンジルオキシベンジルクロリド(910.8mg、0.002688mol)を添加し、溶液を攪拌して溶解した。次いで、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(475μL、0.00318mol)をシリンジで添加した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン添加後、溶液は急速にわずかに緑がかった色調を帯びたが、さらに濃い色にはならなかった。透明な溶液を攪拌して混合し、管をセプタムキャップで密封し、反応器バイアルを180℃で90秒間マイクロウェーブで加熱し、その後、一晩室温に放置した。TLCおよび質量分光分析は、少量のER−823140が残存していることを示した。したがって、反応バイアルを再び180℃で90秒間、マイクロウェーブで加熱した。透明な琥珀色の溶液を酢酸エチル(80mL)で希釈し、水(2×30mL)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(30mL)、水(30mL)、および飽和ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、真空中で濃縮して、淡褐色の固体としてER−819679(1.02g、104%)を得た。H NMR(CDCl)は、さらに精製することなく次のステップに用いるのに十分な純度を示した。
【0160】
【化63】

ER−819681:上記スキーム48に示したとおり、ER−819679(0.6204g、0.0009979mol)を室温でN,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL、0.064mol)に溶解し、その溶液を窒素下、氷浴中で冷却した。水素化ナトリウム(47.9mg、0.00120mol)をすべて一度に添加し、混合物を40分間攪拌した。ヨードエタン(100μL、0.001250mol)をシリンジで添加した。得られた濁った溶液を氷浴で冷却しながら、2.3時間攪拌し、その後、浴を取り除いた。室温で一晩、攪拌を続けた。反応溶液を酢酸エチル(80mL)および水(25mL)で希釈し、相を分離した。酢酸エチル相を水(2×25mL)、飽和ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾過し、真空中で濃縮して、オフホワイト色の薄膜を得た。この薄膜をヘプタン(3×〜2mL)で洗い流し、ヘプタンをピペットでデカントした。固体を真空で再び乾燥して、半固体泡状物としてER−819681(648.0mg、100%)を得て、それを加温によって融解した。
【0161】
【化64】

ER−819718:上記スキーム49に示したとおり、ER−819681(200.3mg、0.0003083mol)を窒素下、テトラヒドロフラン(3.0mL)に溶解し、その溶液をドライアイス/アセトン浴で−78℃に冷却した。テトラヒドロフラン中2−メチルアリルマグネシウムクロリドの0.5M溶液(2.0mL)を約3分間かけてシリンジで添加し、溶液を−78℃で5分間攪拌し、その後、浴を取り除き、溶液を室温で2.5時間攪拌した。溶液を再び−78℃に冷却し、トリフルオロ酢酸0.1mLでクエンチした。その後、この溶液を真空中で濃縮して、黄色の泡状物を得た。フラスコをドライアイス/アセトン浴で−78℃に冷却し、トリフルオロ酢酸3.0mLを添加した。トリフルオロ酢酸が固化し、そのためフラスコを浴から取り除き、室温に温めた。3時間後、塩化メチレン1mLを添加して、固体の溶解を助けた。室温で〜7時間後、水浴温度を約40℃に設定したロータリーエバポレータを用いて、赤色の溶液を真空中で濃縮した。残留する赤褐色の油を数mLの酢酸エチルに溶解し(超音波処理)、合計約80mLの酢酸エチルで希釈した。この溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液(40mL)、水(40mL)、および飽和ブライン(40mL)で洗浄した。次いで、有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、真空中で濃縮して、黄褐色の油(200.4mg)を得た。分取逆相HPLCで精製して、ER−819717(1.0mg、1.8%)およびER−819718(1.2mg、2.2%)を得た。
【0162】
本発明の化合物を、本明細書に記載の方法および当業者に知られる方法に従って調製した。そのような化合物には、下記の表1に記載する化合物が含まれる。表1は、本発明の代表的な化合物のH NMRデータを含む分析データを提供するものである。
【0163】
【表1A】

【表1B】

【表1C】

【表1D】

【表1E】

【表1F】

【表1G】

【表1H】

【0164】
生物学的実施例
HEKT−bet−lucアッセイ:このアッセイは、ルシフェラーゼレポーターを駆動するヒトT−betおよびT−box応答要素を発現する操作HEK細胞におけるT−bet依存性レポーター(ルシフェラーゼ)活性を測定する。HEKT−bet細胞を96ウェルプレートに2×10/ウェルで平板培養し、化合物を細胞培養物に24時間添加した。Steady−Glo試薬(Promega)50μlを添加することによってルシフェラーゼ活性を測定し、Victor Vリーダー(PerkinElmer)で試料を読み取った。化合物で処理した試料を化合物で処理していないビヒクルコントロールと比較することによって、化合物の活性を求めた。試験化合物不在下におけるルシフェラーゼの量に相当する最大値、および最大阻害時に得られる試験化合物値に相当する最小値を用いて、IC50値を算出した。
【0165】
正規化HEKT−betIC50値の決定:化合物をマイクロタイタープレートでアッセイした。各プレートは参照化合物を含み、参照化合物はER−819544であった。特定の化合物の非正規化IC50値を、同一マイクロタイタープレートで参照化合物に関して決定されたIC50値で割ることによって、相対効力値を得た。次いで、相対効力値に参照化合物の確定効力を掛けることによって、正規化HEKT−betIC50値を得た。このアッセイでは、ER−819544の確定効力は0.035μMであった。本明細書に提供されるIC50値は、この正規化法を用いて得られたものである。
【0166】
上記の正規化HEKT−bet−lucアッセイにおいて上に示した方法に従って、本発明の代表的な化合物をアッセイした。表1および下記の表2は、上記の正規化HEKT−bet−lucアッセイによって決定された5.0μMまでのIC50を有する、本発明の代表的な化合物を示す。
【0167】
【表2A】

【表2B】

【表2C】

【表2D】

【表2E】

【表2F】

【表2G】

【表2H】

【表2I】

【表2J】

【表2K】

【表2L】

【表2M】

【表2N】

【表2O】

【表2P】

【表2Q】

【0168】
【化65】

ER−817118:スキーム1〜4に従ってER−817098を調製した。上記スキーム50に示したとおり、ER−817098(2.85g、0.00607mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液に、水素化ナトリウム(364mg、0.00910mol)、次いでヨードエタン(758μL、0.00910mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌した。水を非常にゆっくりと添加し、反応混合物をMTBEで数回抽出した。MTBE抽出物を合わせ、水(2×)およびブライン(1×)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。溶出液として酢酸エチルを用い、フラッシュクロマトグラフィによって、無色の油としてER−817118(2.89g、96%)を得た。
【0169】
【化66】

ER−823914:上記スキーム51に示したとおり、ER−823143−01(5.03g、0.0141mol)のテトラヒドロフラン(30.0mL、0.370mol)溶液に−78℃で、エーテル中1.0Mアリルマグネシウムブロミド(71mL)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温に温め、一晩攪拌した。反応混合物を−78℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(21.8mL、0.283mol)を滴加して処理し、次いで真空中で少量の残留量に濃縮した。トリエチルアミンを加えて残留TFAを中和し、その後、混合物を真空中で濃縮乾固した。残留する赤色の油をメタノール(138mL、3.41mol)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカルボナート(3.34g、0.0148mol)、続いてトリエチルアミン(2.38mL、0.0169mol)で処理し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:酢酸エチル中50%ヘキサン)で精製して、無色の固体としてER−823914(3.25g、52%)を得た。
【0170】
【化67】

ER−823915:上記スキーム52に示したとおり、ER−823914(2.20g、0.00496mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(12.4mL、0.160mol)溶液に、水素化ナトリウム(298mg、0.00744mol)、次いでヨードエタン(607μL、0.00744mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、水でクエンチし、MTBEで数回抽出した。MTBE抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(溶出液:酢酸エチル中40%ヘキサン)によって、無色の泡状物としてER−823915(0.80g、34%)を得た。
【0171】
【化68】

ER−823917−01:上記スキーム53に示したとおり、ER−823915(799.2mg、0.001695mol)を、1,4−ジオキサン中4M塩化水素溶液(10mL)に溶解した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、真空中で濃縮して、オレンジ色の固体としてER−823917−01(0.69g、定量的)を得た。
【0172】
【化69】

ER−824184およびER−824185:上記スキーム55に示したとおり、ER−8239175(200mg)のアセトニトリル(1ml)溶液をCHIRALPAK(登録商標)AS−H SFCカラム(30mm×250mm、粒径5ミクロン)に注入し、95:5n−ヘプタン:i−プロパノールを用いて流速40ml/分で溶出した。溶出した画分は、波長290nmに設定したUV検出器を用いて検出した。最初の溶出画分を単離し、真空中ロータリーエバポレータで濃縮して、ER−824184を得て、次の溶出画分を単離し、真空中ロータリーエバポレータで濃縮して、ER−824185を得た。
【0173】
【化70】

ER−824188−01:上記スキーム56に示したとおり、ER−824184(25.33g、0.05371mol)を、1,4−ジオキサン中4M塩化水素溶液(135mL)に溶解した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、真空中で濃縮して、オレンジ色の固体としてER−824188−01(21.9g、定量的)を得た。ER−824188−01の単結晶X線回折分析は、スキーム56に示したとおり、立体中心の絶対配置がSであることを示した。
【0174】
【化71】

ER−824280−01:上記スキーム57に示したとおり、ER−824185(457.2mg、0.0009695mol)を、1,4−ジオキサン中4M塩化水素溶液(2.5mL)に溶解した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、真空中で濃縮して、オレンジ色の固体としてER−824280−01(383.2mg、97%)を得た。ER−824188−01のモッシャーアミド誘導体の単結晶X線回折分析は、スキーム56に示したとおり、立体中心の絶対配置がRであることを示した。
【0175】
【化72】

ER−819924:上記スキーム58に示したとおり、ER−824188−01(62.4mg、0.000153mol)およびN−メチルピロール−2−カルバルデヒド(0.000229mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(0.62mL)に溶解/懸濁した。30分間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(47.8mg、0.000214mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、逆相クロマトグラフィで精製して、油としてER−819924(71.1mg、83.4%)を得た。
【0176】
【化73】

ER−819925:上記スキーム59に示したとおり、ER−824280−01(59.5mg、0.000146mol)およびN−メチルピロール−2−カルバルデヒド(0.000219mol)をN,N’−ジメチルホルムアミド(0.60mL)に溶解/懸濁した。30分間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(45.6mg、0.000204mol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、その後、逆相クロマトグラフィで精製して、油としてER−819925(51.9mg、76.6%)を得た。
【0177】
【化74】

ER−819762:上記スキーム61に示したとおり、ER−824188−01(5.7g、0.0140mol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(4.4mL、0.029mol)、および3,5−ジメチルベンジルブロミド(4.7g、0.024mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液を97℃で一晩加熱した。水性の後処理およびフラッシュクロマトグラフィによる精製によって、無色の固体としてER−819762(4.86g、71%)を得た。
【0178】
【化75】

ER−819762−01:上記スキーム62に示したとおり、ER−819762(4.77g、0.00974mol)、アセトニトリル(10mL)、および水中1M HCl(11mL)の溶液を室温で約5分間攪拌した。この溶液を濃縮し、凍結乾燥後に無色の結晶としてER−819762−01(5.1g、定量的)を得た。ER−819762−01の単結晶X線回折分析は、スキーム62に示したとおり、立体中心の絶対配置がSであることを示した。
【0179】
【化76】

ER−819763:上記スキーム63に示したとおり、ER−824280−01(66.9g、0.1640mol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(54mL、0.361mol)、および3,5−ジメチルベンジルクロリド(42.4g、0.213mol)のN−メチルピロリジノン(669mL)溶液を72℃で2時間加熱した。冷却した後、水を添加して、所望の生成物を沈澱させた。濾過および真空下での乾燥によって、無色の固体としてER−819763(74.4g、92%)を得た。
【0180】
【化77】

ER−824102:上記スキーム64に示したとおり、ER−823143−01(4.00g、0.0112mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)溶液に室温で、アルファ−ブロモメシチレン(3.13g、0.0157mol)、次いでDBU(4.37mL、0.0292mol)を添加した。1時間攪拌した後、NH4Cl半飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈、1時間攪拌して、透明な2層を得た。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。MTBEから結晶化して、無色の固体としてER−824102(4.30g、87%)を得た(BMS−206)。
【0181】
【化78】

ER−819929:上記スキーム65に示したとおり、ER−824102(3.72g、0.0085mol)のテトラヒドロフラン(35mL)溶液に−65℃で、エーテル中1.0Mアリルマグネシウムブロミド(22.5mL、0.0255mol)を、内部温度を−50℃未満に保ちながら、10分間かけて添加した。反応混合物を0℃に温めた。0℃で3時間後、反応をNH4Cl飽和水溶液でクエンチし、酢酸エチルおよび水で希釈、10分間攪拌して、透明な2層を得た。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥、濾過し、真空中で濃縮して、無色の固体として粗生成物ER−819929(4.15g、定量的)を得て、それをさらに精製することなく次のステップに用いた(BMS−211)。
【0182】
【化79】

ER−819930:上記スキーム66に示したとおり、ER−819929(37mg、0.000077mol)のトリフルオロ酢酸(0.5mL)溶液を室温で16時間攪拌した。暗褐色−赤色反応混合物をEtOAc(5mL)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(5mL、注意:ガス発生)で中和した。2層混合物を10分間攪拌して、2つの透明なほぼ無色の層を得た。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。1:1ヘプタン−EtOAc、1:3ヘプタン−EtOAc、100%EtOAcで溶出し、フラッシュクロマトグラフィで精製して、無色の固体としてER−819930(26mg、73%)を得た(BMS−209)。
【0183】
【化80】

ER−820006およびER−820007:上記スキーム67に示したとおり、ER−819930(110mg、0.000238mol)および臭化メタリル(72μL、0.000715mol)のDMF(1.5mL)溶液に、テトラヒドロフラン中1.0Mリチウムヘキサメチルジシラジド溶液(0.52mL、0.00052mol)を添加した。室温で18時間攪拌した後、反応混合物をMTBEで希釈し、NH4Cl半飽和水溶液でクエンチした。水層を分離し、MTBEで抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。3:2ヘプタン−EtOAc、1:1ヘプタン−EtOAcで溶出し、フラッシュクロマトグラフィで精製して、無色の油としてラセミ生成物(69mg、55%)を得た。ラセミ生成物(55mg)を、Chiralpak ASカラムでのキラルHPLCに供し、ヘプタン−イソプロパノール(9:1)で溶出して、第1溶出エナンチオマーER−820006(21mg、38%、[α]=+83.7°(c=0.35、CHCl3)、および第2溶出エナンチオマーER−820007(23mg、42%、[α]=−74.2°(c=0.38、CHCl3)を得た。絶対立体化学は、ER−819762/ER−819763エナンチオマー対による旋光度およびキラルHPLC保持時間の類推に基づいて暫定的に割り当てた(BMS−232、242)。
【0184】
【化81】

ER−819786およびER−819787:上記スキーム68に示したとおり、攪拌子を備えた5mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−819930(110mg、0.000238mol)、DMF(1.5mL)、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(108μL、0.000715mol)、およびテトラヒドロフラン中1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド(520μL、0.00052mol)を入れた。反応器バイアルを200℃で15分間、マイクロウェーブで処理した。さらに2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(108μL、0.000715mol)、およびテトラヒドロフラン中1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド(520μL、0.00052mol)を添加し、反応混合物を200℃でさらに15分間、マイクロウェーブ照射によって加熱した。分取逆相HPLCで精製して、無色のガラス状油としてラセミ生成物(25mg、21%)を得た。ラセミ生成物(17mg)を、Chiralpac ASカラムでのキラルHPLCに供し、ヘプタン−イソプロパノール(9:1)で溶出して、第1溶出エナンチオマーER−819786(7.2mg、42%、[α]=+72.0°(c=0.1、CHCl3)、および第2溶出エナンチオマーER−819787(7.5mg、44%、[α]=−73.0°(c=0.1、CHCl3)を得た。絶対立体化学は、ER−819762/ER−819763エナンチオマー対による旋光度およびキラルHPLC保持時間の類推に基づいて暫定的に割り当てた(BMS−230、247)。
【0185】
【化82】

ER−819993およびER−819994:上記スキーム69に示したとおり、攪拌子を備えた5mLマイクロウェーブ反応器バイアルに、ER−819930(110mg、0.000238mol)、DMF(1.5mL)、((4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホナート(205mg、0.000715mol)、およびテトラヒドロフラン中1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド(520μL、0.00052mol)を入れた。反応器バイアルを200℃で15分間、マイクロウェーブ照射によって加熱した。さらに((4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホナート(157mg、0.000548mol)、およびテトラヒドロフラン中1.00Mリチウムヘキサメチルジシラジド(477μL、0.000477mol)を添加し、反応混合物を200℃でさらに15分間、マイクロウェーブ照射によって加熱した。分取逆相HPLCで精製して、ジアステレオマー1:1混合物として、アセトニドER−819993(40mg、30%)およびジオール材料(18mg、14%)を得た。ヘプタン−イソプロパノール(9:1)で溶出するChiralpac ASカラムでのキラルHPLCによるジアステレオマージオールの分離によって、第1溶出ジアステレオマーER−819788(5.0mg)および第2溶出ジアステレオマーER−819789(5.2mg)を得た。絶対立体化学は、ER−819762/ER−819763エナンチオマー対によるキラルHPLC保持時間の類推に基づいて暫定的に割り当てた(BMS−231、249)。
【0186】
【化83】

ER−81990:上記スキーム70に示したとおり、ER−824220−00(51.8mg、0.000139mol)、トリエチルアミン(97μL、0.00070mol)、4−ジメチルアミノピリジン(3.4mg、0.000028mol)、および(R)−(−)−α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニルアセチルクロリド(0.052mL、0.00028mol)の塩化メチレン(500μL)溶液を室温で5時間攪拌した。フラッシュクロマトグラフィで精製し、次いで酢酸エチル/ヘプタン/ペンタンから結晶化して、結晶としてER−819990(49.2mg、60%)を得た。
【0187】
【表3A】

【表3B】

【表3C】

【表3D】

【表3E】

【表3F】

【表3G】

【表3H】

【表3I】

【表3J】

【表3K】

【表3L】

【表3M】

【表3N】

【表3O】

【表3P】

【表3Q】

【表3R】

【表3S】

【表3T】

【0188】
分析方法
方法A1
溶媒A:水中0.2%Et
溶媒B:アセトニトリル中0.2%Et
流速:2.0ml/分
直線勾配
【0189】
【表4】

【0190】
方法C1
移動相:エタノール中0.1%EtNH
流速:1.0ml/分
無勾配
【0191】
【表5A】

【表5B】

【表5C】

【表5D】

【表5E】

【表5F】

【表5G】

【表5H】

【表5I】

【表5J】

【表5K】

【表5L】

【表5M】

【表5N】

【表5O】

【表5P】

【表5Q】

【表5R】

【表5S】

【表5T】

【表5U】

【表5V】

【表5W】

【表5X】

【表5Y】

【表5Z】

【0192】
【化84】

ER−824248:ER818039をスキーム1および2に従って調製した。上記スキーム70に示したとおり、ER−818039(1重量、1当量)を乾燥不活性化反応器に入れる。無水THF(4.45重量、5.0容量)を反応器に入れる。この溶液を50〜55℃に加熱する。温度を55℃〜60℃未満に保ちながら、THF中カリウムtert−ブトキシド20重量/重量%(1.6重量、1.2当量)を20分間かけて添加する。溶液を15〜20分間攪拌し、その後、温度を55℃未満に保ちながら、ヨードエタン(0.45重量、1.2当量)を15〜20分間かけて入れる。反応物を8〜12時間攪拌し、TLC(ヘプタン:EtOAc1:1)およびHPLCで完了をモニターする。反応が完了したら、反応器を20〜25℃に冷却し、その後、水(4重量)、次いでブライン(4重量)でクエンチし、EtOAc(4.51重量、5容量)を添加し、10〜15分間攪拌し、その後、分離させる。水層を分離し、必要であればEtOAc(4.51重量、5容量)で再び洗浄する。有機物を合わせ、30℃を超えないように真空中で濃縮乾固する。この油状の粗ER−824248(1.07重量、100%)を、精製することなく次のステップに用いる。
【0193】
【化85】

ER−824217−01:上記スキーム71に示したとおり、ER−824248(1重量、1当量)を反応器に入れる。無水メタノール(2重量、2.5容量)を加える。攪拌しながら、IPA中5〜6M塩化水素(0.74重量、0.81容量、2.0当量)を入れる。反応物を室温で攪拌し、TLC(EtOAc)およびHPLCでモニターする。15〜20分後、固体沈殿物が形成し始める。反応物を1〜3時間攪拌する。反応が完了したら、MTBE(1.85重量、2.5容量)を入れ、0℃に冷却し、1〜2時間攪拌し、次いで濾過し、ケークをMTBE(1.48重量、2容量)で洗浄、その後、設備供給真空(house vacuum)下、ブフナー漏斗を用い、室温で微細白色粉末を一晩乾燥してER−824217−01(0.78重量、92%)を得る。
【0194】
【化86】

ER−824217:上記スキーム72に示したとおり、ER−824217−01(1重量、1当量)を反応器に入れる。トルエンACS等級(4.32重量、5.0容量)を添加する。得られた混合物を20〜25℃で攪拌し、1N水酸化ナトリウム水溶液(3.1重量、1.2当量)を少しずつ添加する。添加が完了した後、30〜40分間攪拌する。その後、攪拌を停止し、層を分離させる。水層を分離し、TLC(EtOAc)で確認し、必要であればトルエン(5容量)で再び抽出し、30℃を超えないように有機相を真空中で濃縮する。MTBE(3.7重量、5容量)を加え、溶液が均質になるまで、55℃に加熱する(20〜40分)。0〜5℃に冷まし(〜1.0℃/分)、35〜32℃で結晶化が起こる。温度が0〜5℃に到達した時点で、3〜4時間攪拌し、その後、結晶材料を濾別する。設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で8〜12時間白色粉末を乾燥してER−824217−00(0.62重量、78%)を得る。
【0195】
【化87】

ER−824531:上記スキーム73に示したとおり、ER−824217(1重量、1当量)を反応器に入れる。不活性雰囲気下、無水THF(7.12重量、8.0容量)を入れる。反応混合物を0〜5℃に冷却する。温度を15℃未満に保つ速度で、THF中2.0Mアリルマグネシウムクロリド(2.86重量、2.88容量、2当量)を添加する。反応物を室温に温める。反応の進行をTLC(DCM中10%メタノール)およびHPLCでモニターする。反応が完了した(1〜2時間)後、NH4Cl飽和溶液(5.0重量)を入れ、次いでEtOAc(5.41重量、6容量)を入れる。10〜15分間攪拌し、その後、分離させる。水層を分け、TLCで確認し、必要であればEtOAc(4.51重量、5容量)で再び洗浄する。有機物を合わせ、30℃を超えないように真空中で濃縮する。MTBE(3.7重量、5容量)で共沸させる。生成物を含有する反応器にMeCN(7.86重量、10容量)を入れる。攪拌し、65〜70℃に加熱し、その後、0〜5℃に冷ます(0.5℃/分)。1〜2時間攪拌し、濾過し、設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で白色固体を乾燥してER−824531(0.89重量、80%)を得る。
【0196】
【化88】

ER−830808−00:上記スキーム74に示したとおり、ER−824531(1重量、1当量)を反応器に入れる。水(10.0容量)を添加する。白色スラリー混合物に室温でトリフルオロメタンスルホン酸水和物(0.25容量、1当量)を添加すると、白色沈殿物が形成したが、それを2時間攪拌し、濾過し、設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で白色固体を乾燥してER−830808−00(重量、%)を得る。
【0197】
【化89】

ER−830784−00:上記スキーム75に示したとおり、ER−830322(1重量、1当量)を反応器に入れる。メタノール(5容量)、次いで水(5容量)を添加し、スラリーを攪拌し、冷却する℃。トリフルオロメタンスルホン酸(0.48重量、1.05当量)を添加する。スラリーは透明な溶液になる。反応の完了をTLCまたはHPLCで確認する。反応が完了したら、室温に冷却し、1N NaOH(10容量)を入れ、1〜2時間攪拌、その後、白色固体を濾過し、設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で乾燥してER−830784−00(重量、%)を得る。
【0198】
【化90】

ER−823917−26:上記スキーム76に示したとおり、ER−824531(1重量、1当量)を反応器に入れる。無水ACN(アセトニトリル)(7.86重量、10.0容量)を添加する。白色スラリー混合物に20〜25℃で、温度を50℃未満に保ちながら、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.60重量、0.488容量、1.05当量)を添加する。反応の進行をTLC(DCM中10%メタノール)およびHPLCでモニターする。反応が完了した(10分)後、真空下、30℃を超えないように、ACNの量を1〜2容量に減じ、その後、MTBE(3.7重量、5容量)を入れ、0〜5℃に冷却し、1〜2時間攪拌する。黄色/オレンジ色の固体を濾過し、そのケークをMTBE(3.7重量、5容量)で洗浄する。設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で固体を一晩乾燥してER−823917−26(1.13重量、85%)を得る。その固体を次の段階に用いる。
【0199】
【化91】

ER−823917:上記スキーム77に示したとおり、固体ER−823917−26(1重量、1当量)を反応器に移す。ACN(1.57重量、2容量)を入れ、攪拌しながら0.5M NaOH(2重量、2容量)を入れ、すべて透明な溶液になるまで10〜15分間攪拌し、残りの0.5M NaOH(6重量、6容量)を入れる。スラリーを1〜2時間攪拌する。濾過し、ケークを水(4容量)で洗浄し、設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で乾燥する。白色固体として、ER−823917(0.64重量、90%)を得る。
【0200】
【化92】

ER−824188−00:上記スキーム78に示したとおり、以下を行う。
【0201】
(1)結晶化ステップ:ジ−p−トルイル−D−酒石酸(D−DPTTA)(1.0当量、1.04重量)を反応器に入れ、次いでIPA(5容量)を入れる。混合物を10〜15分間攪拌する。ER−823917−00(1.0当量、1重量)のIPA溶液(またはスラリー)(5容量)を、攪拌しながら5分間で反応器に加え、続いてさらに2容量のIPAで洗い流す。混合物を10〜15分間攪拌し、次いで、水(2.4容量)を1分以内に反応器に入れる。水の添加後、透明な溶液が形成され、15〜20分以内に結晶化が始まるはずである。溶液を室温で16〜24時間攪拌する。結晶化の進行を母液試料のHPLCによってモニターする(目標値:ER−824220/ER−824188面積%>=95%)
【0202】
結晶化が完了した後、混合物を濾過する。ER−824188D−DPTTA塩を含有するケークをIPA/水(1/1容量/容量、3×1容量)で3回洗浄する。洗浄溶液を母液と合わせ、ER−824220回収のために保管する。濾過ケークを高真空下で16時間乾燥し、その後、遊離塩基化/結晶化のために反応器に移す。
【0203】
(2)ER−824188の遊離塩基化:反応器中のER−824188D−DPTTA塩をメタノール(4容量)と共に5分間攪拌する。1N NaOH水溶液(2.5容量)を、攪拌しながら1分回以内に混合物に添加する。透明な溶液になるまで、混合物を10〜15分間攪拌する。水(10容量)を添加する。水添加の最初の2分以内に結晶化が始まる。混合物を4〜5時間攪拌し、その後、濾過する。ケークを水(各回1容量)で3回洗浄し、その後、恒量まで高真空下で乾燥して、ER−824188−00(38〜44%)を得る。
【0204】
【化93】

ER−819762:上記スキーム79に示したとおり、ER−824188−00(1重量、1当量)を不活性化反応器に入れる。無水NMP(8.0重量、8容量)を添加する。攪拌した溶液に室温で3,5−ジメチルベンズアルデヒド(0.397重量、0.398容量、1.1当量)を添加する。溶液を室温で1〜2時間攪拌する。NaBH(OAc)(0.721重量、1.2当量)を室温で一度に添加する(注:遅延性発熱)。溶液を室温で攪拌する。反応の進行をTLC(DCM中5%メタノール)およびHPLCでモニターする。反応が完了したら(1〜3時間)、溶液を65〜70℃に加熱し、その後、水(8重量)を入れる。白色の沈殿物が形成されるまで、15〜20℃に冷却する(〜1℃/分)。さらに1時間攪拌し、その後、15〜20℃で濾過し、ケークを水(2.0重量)で洗浄する。白色固体ER−819762(1.12重量、85%)を設備供給真空下、恒量に乾燥する。
【0205】
再結晶:ER−819762(1重量、1当量)を反応フラスコに加え、IPA(6.28重量、8容量)を添加し、スラリーを攪拌、溶液になるまで70〜75℃に加熱し、0〜5℃に冷まし(〜1℃/分)、その後、さらに2時間攪拌する。設備供給真空下、ブフナー漏斗を用いて濾過し、ケークをIPA(2容量)で洗浄、白色粉末を丸底フラスコに移し、設備供給真空下(10〜30トール)、8〜12時間乾燥してER−819762(0.88重量、88%)を得る。
【0206】
【化94】

ER−819924:上記スキーム80に示したとおり、ER−824188−00(1重量、1当量)を不活性化反応器に入れる。無水NMP(6.17重量、6.0容量)を添加する。攪拌した溶液に室温でN−メチル−2−ピロールカルボキシアルデヒド(0.362重量、0.399容量、1.2当量)を添加する。溶液を室温で1〜2時間攪拌する。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.84重量、1.4当量)を室温で一度に添加する(注:遅延性発熱)。溶液を室温で攪拌する。反応の進行をTLC(DCM中5%メタノール)およびHPLCでモニターする。反応が完了したら(1〜3時間)、溶液を65〜70℃に加熱し、その後、重炭酸ナトリウム飽和溶液(10容量)を入れる。白色の沈殿物が形成されるまで、15〜20℃に冷却する(〜1℃/分)。さらに1時間攪拌し、その後、濾過し、ケークを水(2.0重量)で洗浄する。白色固体ER−819762(1.25重量、100%)を設備供給真空下、恒量に乾燥する。
【0207】
再結晶:ER−819924−00(1重量、1当量)を反応フラスコに加え、IPA:ヘプタン(5:5容量/容量、3.92:3.42重量/重量)を添加し、スラリーを攪拌、溶液になるまで60〜70℃に加熱し、0〜5℃に冷まし(〜1℃/分)、その後、さらに2時間攪拌する。設備供給真空下、ブフナー漏斗を用いて濾過し、ケークをIPA:ヘプタン(1:1容量/容量、0.78:0.68重量/重量)で洗浄、設備供給真空下(10〜30トール)、8〜12時間乾燥してER−819924−00(1.04重量、83.3%)を得る。
【0208】
【化95】

ER−824165−01:上記スキーム81に示したとおり、ER−818039(1重量、1当量)を反応器に入れる。無水メタノール(2.0重量、2.5容量)を添加する。攪拌しながら、IPA中5〜6M塩化水素(1.85重量、2.17容量、5.0当量)を入れる。反応物を室温で攪拌し、TLC(EtOAc)およびHPLCでモニターする。反応物を12〜16時間攪拌する。反応が完了したら、MTBE(1.85重量、2.5容量)を入れ、0℃に冷却、1〜2時間攪拌し、その後濾過し、ケークをMTBE(1.85重量、2.5容量)で洗浄、次いで設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で微細白色粉末を一晩乾燥してER−824165−01(0.80重量、94%)を得る。
【0209】
【化96】

ER−824165−00:上記スキーム82に示したとおり、ER−824217−01(1重量、1当量)を反応器に入れる。MeOH(重量、2容量)を添加する。攪拌したスラリーに、1N NaOH(4.0重量、4.0容量)を添加する。すべて溶液になるまで混合物を攪拌し、その後、水(4容量)を入れる。60〜90分間攪拌し、その後、白色粉末を濾過する。設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で白色粉末を8〜12時間乾燥して、ER−824165−00(0.67重量、73.0%)を得る。
【0210】
【化97】

ER−830322:上記スキーム83に示したとおり、ER−824217(1重量、1当量)を反応器に入れる。不活性雰囲気下、無水THF(7.12重量、8.0容量)を入れる。温度を35℃未満に保つ速度で、THF中2.0Mアリルマグネシウムクロリド(重量、4.7容量、3.0当量)を添加する。反応の進行をTLC(DCM中10%メタノール)およびHPLCでモニターする。反応が完了した(1〜2時間)後、NH4Cl飽和溶液(10.0容量)を入れる。1〜2時間攪拌し、濾過し、設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で白色固体を乾燥してER−830322(重量、%)を得る。
【0211】
【化98】

ER−824106−00:上記スキーム84に示したとおり、ER−830322(1重量、1当量)を反応器に入れる。メタノール(5容量)、次いで水(5容量)を添加し、スラリーを攪拌し、35〜45℃に加熱する。トリフルオロメタンスルホン酸(0.48重量、1.05当量)を添加する。スラリーは透明な溶液になる。反応の完了をTLCまたはHPLCで確認する。反応が完了したら、室温に冷却し、1N NaOH(10容量)を入れ、1〜2時間攪拌、その後、白色固体を濾過し、設備供給真空下、ブフナー漏斗を用い、室温で乾燥してER−824106−00(0.58重量、61%)を得る。
【0212】
【化99】

ER−829921−00:上記スキーム85に示したとおり、以下を行う。
【0213】
(1)結晶化ステップ:ER−824106(1.0当量、1.0重量)をMeOH10容量でスラリーにし、室温で攪拌した。D−DBTA(ジ−ベンゾイル−D−酒石酸、1.0当量、1.1重量)をMeOH(2容量)に溶解し、1バッチでER−824106に添加した。混合物を10分間攪拌し、次いで水(1容量)を添加した。HPLCによって母液試料の所望でないエナンチオマー>90%eeが示されるまで、混合物を室温で18〜24時間攪拌した。
【0214】
結晶化終了後、反応器の混合物を濾過する。ER−829921−25を含有する濾過ケークを、濾過用漏斗において、MeOH/水(2/1容量)混合物(各回3容量)で2回洗浄した。洗浄溶液を母液と合わせ、ER−828098回収のために保管する。濾過ケークを高真空下、室温で16時間乾燥し、その後、加水分解/結晶化のために反応器に移す。
【0215】
加水分解/結晶化:フラスコ中のER−829921−25の結晶をMeOH(20容量)でスラリーにした。攪拌しながら、NaOH(1N水溶液)5容量を添加した。混合物を1時間攪拌し、ER−824106ラセミ混合物を結晶化した。ER−824106ラセミ混合物の結晶を濾過し、水15容量を濾液に添加し、混合物を室温で18時間攪拌し、所望のエナンチオマーを結晶化させた。次いで、混合物を濃縮してメタノールを除去し、その後、濾過した。ER−829921−00の濾過ケークを水3容量で2回洗浄し、その後、高真空下、室温で乾燥して最終生成物ER−829921−00を得た。
【0216】
【化100】

ER−829886:上記スキーム86に示したとおり、ER−829380−00(1.00重量、1.00容量、1.00当量)をアセトニトリル(10.0容量)に溶解し、ギ酸(0.77容量、10.0当量)で処理した。得られた混合物を室温で攪拌し、その後TLC(TBME、10%MeOH/DCM)を行った。合わせて5時間攪拌した後、混合物をTBME(100容量)で希釈し、NaHCO飽和水溶液(10.0容量)でクエンチし、分離した有機層をブライン(10.0容量)で洗浄した。次いで、有機層を濃縮して、白色の泡状物(1.00重量)として粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィで精製した。Redisepカラム(シリカゲル40.0重量)はヘプタン(200容量)で予め調製した。粗材料を最少量のDCMでカラムの頂上に負荷し、カラムを1:2TBME/ヘプタン(360容量)、1:1TBME/ヘプタン(360容量)、2:1TBME/ヘプタン(360容量)、3:1TBME/ヘプタン(360容量)、4:1TBME/ヘプタン(360容量)、TBME(360容量)で溶出した。すべての画分を各20容量集め、TLC(TBME)で分析した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、白色固体として所望の生成物を得た(0.53重量、収率54.7%)。
【0217】
ER−829380−00(1.00重量、1.00容量、1.00当量)をアセトニトリル(10.0容量)に溶解し、酢酸(1.16容量、10.0当量)で処理した。得られた混合物を室温で攪拌し、その後TLC(TBME、10%MeOH/DCM)を行った。反応結果は上記とまったく同じであるが、はるかに遅い。
【0218】
【化101】

ER−829582およびER−829678:上記スキーム87に示したとおり、ER−829380−00(1.00重量、1.00容量、1.00当量)をアセトニトリル(10.0容量)に溶解し、ピペリジン(0.20容量、1当量)を添加した。混合物を0℃に冷却した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.39容量、1.05当量)を滴加した(Tmax=15℃)。次いで混合物を室温で攪拌し、その後TLC(TBME、10%MeOH/DCM)を行った。反応が完了したところで(1時間)、反応混合物をNaHCO飽和水溶液(2.00容量)でクエンチし、TBME(20.0容量)で抽出した。分離した有機層を飽和NHCl(2.00容量)およびブライン(2.00容量)で洗浄した。有機層を濃縮して、白色の泡状物(1.25重量)として粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィで精製した。RediSepカラム(シリカゲル16.5重量)はヘプタン(44容量)で予め調製した。粗生成物を最少量のDCMでカラムの頂上に負荷した。カラムを1:2TBME/ヘプタン(132容量)、1:1TBME/ヘプタン(132容量)、2:1TBME/ヘプタン(132容量)で溶出した。すべての画分を各22.5容量集め、TLC(4:1TBME/ヘプタン)で分析した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、白色固体として所望の生成物を得た(0.22重量、収率23.0%)。同時に、副生成物としてER−829678(0.14重量、収率14.7%)も集めたが、これは酸処理によって所望の生成物に転化できる。
【0219】
ER−829380−00(1.00重量、1.00容量、1.00当量)をアセトニトリル(10.0容量)に溶解し、三フッ化ホウ素エーテラート(0.025容量、0.1当量)で処理した。得られた混合物を室温で攪拌し、その後TLC(2:1TBME/ヘプタン、TBME、10%MeOH/DCM)を行った。反応結果はTMSOTf触媒環化とまったく同じである。
【0220】
【化102】

ER−829582:上記スキーム88に示したとおり、ER−829678(1.00重量、1.00容量、1.00当量)をアセトニトリル(10.0容量)に溶解し、三フッ化ホウ素エーテラート(0.03容量、0.1当量)で処理した。その後、混合物を室温で攪拌し、TLC(2:1TBME/ヘプタン、10%MeOH/DCM)でモニターした。2.5時間攪拌した後、反応をNaHCO飽和水溶液(5.00容量)でクエンチし、TBME(50容量)で抽出した。分離した有機層をブライン(5.00容量)で洗浄し、濃縮して、白色の泡状物(0.96重量)として粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィで精製した。RediSepカラム(シリカゲル15.6重量)はヘプタン(39容量)で予め調製した。粗材料を最少量のDCMでカラムの頂上に負荷した。カラムを2:1ヘプタン/TBME(117容量)、1:1ヘプタン/TBME(117容量)、1:2ヘプタン/TBME(117容量)、TBME(197容量)で溶出した。すべての画分を各13容量集め、TLC(TBME)で分析した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、白色泡状物として所望の生成物を得た(0.61重量、収率61.2%)。出発材料も回収した。
【0221】
【化103】

ER−830537:上記スキーム89に示したとおり、ER−829859−00(1.00重量、1.00容量、1.00当量)をアセトニトリル(10.0容量)に溶解し、ピペリジン(0.20容量、1当量)を添加した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.39容量、1.05当量)を滴加した(Tmax=24℃)。次いで混合物を室温で攪拌し、その後TLC(TBME、10%MeOH/DCM)を行った。反応が完了したところで(1時間)、混合物をNaHCO飽和水溶液(10.0容量)でクエンチし、TBME(500容量)で抽出した。分離した有機層をNaHCO飽和水溶液(10.0容量)およびブライン(10.0容量)で洗浄した。有機層を濃縮して、黄色の泡状物(0.87重量)として粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィで精製した。RediSepカラム(シリカゲル43重量)はヘプタン(300容量)で予め調製した。粗材料を最少量のDCMでカラムの頂上に負荷した。カラムを1:2TBME/ヘプタン(384容量)、1:1TBME/ヘプタン(384容量)、2:1TBME/ヘプタン(384容量)、TBME(640容量)で溶出した。すべての画分を各75容量集め、TLC(4:1TBME/ヘプタン、TBME)で分析した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、白色泡状物として所望の生成物を得た(0.21重量、収率22.1%)。
【0222】
【化104】

ER−829954:上記スキーム90に示したとおり、ER−829909−00(1.00重量、1.00容量、1.00当量)をアセトニトリル(10.0容量)に溶解した。この溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.47容量、1.00当量)を滴加した。次いで混合物を室温で攪拌し、その後TLC(20%MeOH/DCM)を行った。反応が完了したところで、混合物をNaHCO飽和水溶液(10容量)でクエンチし、酢酸エチル(200容量)で抽出した。分離した有機層をNaHCO飽和水溶液(10.0容量)およびブライン(10.0容量)で洗浄した。有機層を濃縮して、黄色の油(1.5重量)として粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィで精製した。RediSepカラム(シリカゲル40.0重量)はヘプタン(100容量)で予め調製した。粗材料を最少量のDCMでカラムの頂上に負荷した。カラムを1:1TBME/ヘプタン(200容量)、2:1TBME/ヘプタン(200容量)、4:1TBME/ヘプタン(200容量)、TBME(400容量)、5%MeOH/DCM(200容量)、10%MeOH/DCM(200容量)、20%MeOH/DCM(400容量)で溶出した。すべての画分を各27容量集め、TLC(TBME、10%MeOH/DCM)で分析した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、黄色の油として所望の生成物を得た(0.26重量、収率27.4%)。
【0223】
ER−829909−00(1.00重量、1.00容量、1.00当量)をトルエン(20.0容量)に溶解し、塩化金(III)(0.10重量、0.12当量)で処理した。次いで混合物を加熱還流し、その後、TLC(10%MeOH/DCM、20%MeOH/DCM)およびMSを行った。22時間還流した後、混合物をDCM(25.0容量)で希釈し、三フッ化ホウ素エーテラート(0.36容量、1.10当量)で処理した。混合物を室温で1.5時間攪拌し、その後、NaHCO飽和水溶液(10.0容量)でクエンチし、酢酸エチル(300容量)で抽出し、ブライン(10.0容量)で洗浄した。有機層を濃縮して、粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィで精製した。RediSepカラム(シリカゲル89重量)はDCM(670容量)で予め調製した。粗材料を最少量のDCMでカラムの頂上に負荷した。カラムを2%MeOH/DCM(532容量)、5%MeOH/DCM(532容量)、10%MeOH/DCM(532容量)で溶出した。すべての画分を各111容量集め、TLC(10%MeOH/DCM)で分析した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、濃縮して、黄色の油として所望の生成物を得た(0.22重量、収率23.3%)。
【0224】
【化105】

【0225】
【化106】

【表6】

【0226】
本発明の一部の実施形態において、酸の選択は、式(II)、(III)、(IIa)、または(IIIa)の化合物の種々の置換基に依存する。たとえば、式(IIa)または(IIIa)のRが水素であるとき、酢酸、ギ酸、酒石酸などの弱酸を環化に用いることができる。しかしながら、Rがアルキルで置換されているときは、トリフルオロ酢酸(TFA)などのより強い酸を環化に用いることができる。
【0227】
他の実施形態
本発明のいくつかの実施形態を記載したが、本出願人らの基本的な実施例を変更して、本発明の化合物および方法を用いる他の実施形態を提供してもよいことは明らかである。したがって、本発明の範囲は、例として示した特定の実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

の化合物を製造する方法であって、
(a)式(II)または(III)
【化2】

(式中、
環Aは、フェニルまたはフラニルであり、
nは、0、1、2、3、または4から選択された整数であり、
は存在毎に、水素、ヒドロキシル、C1−10アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンジル、ハロ、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、フェノキシル、およびフェニルからなる群から独立して選択されるか、または隣接する2個のRは一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、Rは、原子価が許すとおり環Aに結合し、
RおよびR’はそれぞれ独立して、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルスルホニル、C1−10ハロアルキル、C1−10アミノアルキル、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C3−10複素環、C3−14アリール、もしくはC3−14ヘテロアリールであるか、または
RおよびR’は一緒になって、Nと共に、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C4−10ヘテロシクリル、C3−14アリール、もしくはC3−14ヘテロアリール環系を形成し、該環系は、非置換であるか、もしくはハロ、酸素、ヒドロキシル、スルフリル、アミノ、ニトロ、シアノ、C1−10ハロアルキル、C1−10アルキル、C3−10スピロシクリル、C3−10スピロヘテロシクリル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アミノアルキル、C1−10チオアルキル、C3−10ヘテロシクリル、C3−10シクロアルキル、C3−14アリール、およびC3−14ヘテロアリールからなる群から独立して選択された置換基で1〜4回置換され、
およびRは独立して、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニルであるか、または一緒になって、C2−10アルキリデンもしくはC2−10アルケニリデンであるか、またはRおよびRは一緒になって、C3−10シクロアルキルもしくはC3−10ヘテロシクリルを形成し、
10およびR11は、水素、酸素、ヒドロキシル、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルスルホニル、C1−10ハロアルキル、C1−10アミノアルキル、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、C3−10シクロアルキニル、C3−10ヘテロシクリル、C3−14アリール、およびC3−14ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または一緒になって、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、もしくはC3−10ヘテロシクリルを形成し、
は、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、
は、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置されている)
の化合物を提供するステップと、
(b)前記式(II)または(III)の化合物を酸と組み合わせて、式Iの化合物を生成するステップとを含む方法。
【請求項2】
nが、0、1、2、または3から選択された整数であり、
は存在毎に、水素、メトキシル、ベンジルオキシからなる群から独立して選択されるか、または隣接する2個のRは一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、
RおよびR’は一緒になって、Nと共に、C4−10ヘテロシクリルを形成し、該C4−10ヘテロシクリルは、非置換であるか、またはC4−6スピロシクリル、C3−10スピロヘテロシクリルからなる群から独立して選択された置換基で3〜7回置換され、
およびRは独立して、水素、C1−10アルキルであるか、または一緒になって、C2−6アルケニルであり、
10およびR11は、水素であり、
は、C2−5アルケニルまたはC2−5アルキニルであり、
は、C2−5アルケニルまたはC2−5アルキニルであり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式Iの化合物が、式(Ia)
【化3】

の化合物であり、
前記式(II)または式(III)の化合物が、式(IIa)または(IIIa)
【化4】

(式中、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素およびメチルから選択されるか、またはRおよびRは一緒になって、−(CHCH)−であり、
およびRは独立して、C2−10アルケニルまたはC2−10アルキニルであり、Rは、二重結合に対してシスまたはトランスに配置され、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、C1−10アルコキシ、ベンジルオキシ、ベンジル、ハロ、アミノ、(C1−6アルキル)アミノ、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル)アミノ、フェノキシ、およびフェニルからなる群から選択されるか、またはRおよびR、ならびにRおよびRから選択された1対は一緒になって、−O−(CH)−O−もしくは−O−CH−CH−O−であり、
は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキレン、C2−10アルケニレン、C2−10アルキニレンであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラノニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、
前記Rは、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメトキシ、5−メチルイソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンジルオキシ、アセチル、(シアニル)C1−3アルキル、(フェニル)C2−3アルケニル、およびハロからなる群から独立して選択された0〜5個の置換基で置換され、
は、水素、メチル、エチル、プロピル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであり、
ここでRは、メチル、エチル、ハロ、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはキノキサリニルから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている)
の化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
およびRが独立して、水素もしくはC1−10アルキルであるか、または一緒になって、C2−4アルケニルであり、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素およびメチルから選択されるか、またはRおよびRは一緒になって、−(CHCH)−であり、
は、−(CHC(R)=C(Rii)(Riii)または−(CHC≡C(R)であり、式中、R、Rii、Riiiは存在毎に独立して、水素、C1−6アルキルであり、mは0または1であり、
は、−(CHC(Riv)=C(R)(Rvi)であり、式中、Riv、R、Rviは独立して、水素、C1−6アルキルであり、pは0または1であり、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、メトキシル、ベンジルオキシからなる群から選択されるか、またはRおよびR、ならびにRおよびRから選択された1対は一緒になって、−O−(CH)−O−であり、
は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニルであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルであり、
前記Rは、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ヒドロキシル、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメトキシ、5−メチルイソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンジルオキシ、アセチル、(シアニル)C1−3アルキル、(フェニル)C2−3アルケニル、およびハロからなる群から独立して選択された0〜5個の置換基で置換され、
は、水素、メチル、エチル、プロピル、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、フェニル、ベンジル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、およびチエニルであり、
ここでRは、メチル、エチル、ハロ、ヒドロキシル、C1−3アルコキシ、C1−3アルキルチオ、(C1−3アルコキシ)C1−3アルキル、(C1−3アルキルチオ)C1−3アルキル、C1−3ヒドロキシアルキル、(C1−3メルカプトアルキル)フェニル、ベンジル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、チエニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはキノキサリニルから独立して選択された0〜3個の置換基で置換されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記化合ステップ(b)が、溶媒中で実行される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、エーテル、メタノール、水、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された溶媒を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、モノ、ジ、またはトリクロロ酢酸、リン酸、硫酸、ショウノウスルホン酸、ギ酸、酢酸、酒石酸、ハロ酢酸、ジベンゾイル酒石酸、塩酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ショウノウスルホン酸、ギ酸、酢酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記酸が、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル、四塩化チタン、塩化金(III)、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、塩化ニオブ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるルイス酸である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記酸が、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、塩化トリメチルシリル、四塩化チタン、ジクロロジイソプロポキシチタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるルイス酸である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
式Iaの化合物のRがHでなく、式(IIa)および(IIIa)の化合物のRがHであり、前記方法が、
(c)式Iaの化合物をR8*−Y
(式中、
Yは、ブロモ、クロロ、ヨード、トリフルオロメチルスルホニル、4−メチルフェニルスルホニル、またはメタンスルホニルであり、
8*は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、C1−10アルキニルであり、Rは、フェニル、ピロリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ピリジミジニル、ベンゾピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、キノキサリニル、またはナフチルである)
の化合物および塩基と組み合わせて、前記式Iaの化合物を生成するステップをさらに含む、請求項4〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
Yが、ブロモ、クロロ、またはヨードであり、R8*が、水素またはX−R(式中、Xは、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、またはC1−10アルキニルであり、Rは、フェニルである。)である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記塩基が、水素化ナトリウム、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムtert−ブトキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記式(Ia)の化合物のRが−X−Rであり、前記式(IIa)および式(IIIa)の化合物のRがHであり、
前記方法が、
(c)式(Ia)の化合物をZ−X−R(式中、Zは、ブロモ、クロロ、ヨード、トリフルオロメチルスルホニル、4−メチルフェニルスルホニル、またはメタンスルホニルである)および塩基と組み合わせて、前記式(Ia)の化合物を生成するステップをさらに含む、請求項4〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記塩基が、ジアザ(1,3)ビシクロ[5.4.0]ウンデカンである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記式(Ia)の化合物のRが−X−Rであり、前記式(IIa)および式(IIIa)の化合物のRがHであり、
前記方法が、
(c)式(Ia)の化合物をR−C(=O)Hおよび還元剤と組み合わせて、前記式(Ia)の化合物を生成するステップをさらに含む、請求項4〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記還元剤が、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、またはそれらの組み合わせである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ステップ(c)が、溶媒中で実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記溶媒が、N−メチルピロリドン、ジクロロメタン、トルエン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記還元剤が、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムであり、前記溶媒が、N−メチルピロリドンである、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
およびRが独立して、水素またはC1−3アルキルであり、
、R、R、およびRは、水素であり、
は、−(CHC(R)=C(Rii)(Riii)または−(CHC≡C(R)であり、式中、R、Rii、Riiiは存在毎に独立して、水素、C1−3アルキルであり、mは0または1であり、
は、−(CHC(Riv)=C(R)(Rvi)であり、式中、Riv、R、Rviは独立して、水素、C1−3アルキルであり、pは0または1であり、
、R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素またはC1−3アルコキシであり、
は、水素またはX−Rであり、Xは、C1−3アルキレンであり、Rは、フェニル、ピロリル、またはピラゾリルであり、前記Rは、C1−3アルキルの1または2個の置換基で置換され、
は、水素、メチル、エチル、またはプロピルである、請求項4〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記式(Ia)の化合物が、下式
【化5】

からなる群から選択される、請求項4〜10のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2011−504878(P2011−504878A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534978(P2010−534978)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/013162
【国際公開番号】WO2009/070305
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【Fターム(参考)】