説明

イムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器

【課題】イムノクロマトグラフィー法に用いる、液体の試料が試験片に浸透する時間を適正に制御し、確実に検査を実行することができる検査容器を提供する。
【解決手段】試験片20の支持台13・・・を有する容器本体11と、支持台上の試験片20に試料を滴下するために開口した滴下口14を有し、かつ、滴下口14から試料が移動する方向に離れた位置に測定窓15を有する容器蓋部12とから成り、イムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器について、試験片20を支持台13−1に押し付ける度合いによって、試料が試験片20を移動する時間を制御するために、支持台上の試験片20に向かって突出し、試験片20を押し付ける突条部分22を容器蓋部12の滴下口14の口縁に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イムノクロマトグラフィー法は、試料中の検出対象の抗原又は抗体と標識抗体又は抗原との複合体を形成させた後に試験片に浸透させ、捕捉抗体又は抗原を固定させたテストラインを通過する際に、標識抗体−検出対象抗原−捕捉抗体又は標識抗原−検出対象抗体−捕捉抗原の複合体を形成し、テストラインでの標識物の有無によって、被測定物質の存在及び不存在と存在時の量の概略を目視で確認できるようにした方法であり、感染症や妊娠の診断などに用いられている。この方法に用いられる試験片は試薬を含むので、安全衛生を期すとともに、検査の正確性等を考慮して容器に入れて扱われることが多い。容器は容器本体と容器蓋部とが折り曲げヒンジによって結合している一体型のものと、容器本体と容器蓋部とが別々に形成された分離型のものがあり、何れのタイプの容器も容器本体と容器蓋部が決められた位置でセットされ、かつ、内部に配置される試験片が動かないようにピン状の突起を設けて固定するようになっている。
【0003】
また、特開2005−37384号の発明は、容器蓋部に相当する側に少なくとも2箇所の凸部を設け、容器本体に相当する側には上記凸部に対抗する凸部を設けて成る免疫クロマトグラフィー用デバイスを開示している。上記各凸部は、発明の詳細な説明にテストストリップと容器本体との界面を伝って試料が流出してしまうことを防止できると記載されているとおり、テストストリップの試料添加部材と標識保持部材を密着させることを目的とする。即ち、容器本体側の凸部によって、テストストリップが容器本体の内面に密着することが防止されるので、被検試料を無駄なく検査することができるものである。しかしながら、無駄なく検査することはもちろん必要であるが、確実に検査が行われることも重要であり、この点に関する保証は未だ明確ではない。
【0004】
イムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器は、その構造によって使い易さが左右されるのみならず、正確な測定を左右する可能性を持っているものである。しかし、従来の容器を精査しても、この観点から工夫されたと思われるものは前記のデバイスの他には見出すことができない。特開平6−160388号は分離型の容器構造として図示されているが、ハウジング又はケーシング或いはキャップについては、防湿性に言及されている程度に止まっている。その他は、特開2009−2822号、2010−38797号などに見られるように、容器に関する具体的な改良を伴うものではない。
【0005】
【特許文献1】特開2005−37384号
【特許文献2】特開平6−160388号
【特許文献3】特開2009−2822号
【特許文献4】特開2010−38797号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、イムノクロマトグラフィー法に用いる、液体の試料が試験片に浸透する時間を適正に制御し、確実に検査を実行することができる検査容器を提供することである。また、本発明の他の課題は、イムノクロマトグラフィー法に用いる液体の試料の内、反応に関与しないものによる妨害を排除することができる検査容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本発明は、試験片の支持台を有する容器本体と、支持台上の試験片に試料を滴下するために開口した滴下口を有し、かつ、滴下口から試料が移動する方向に離れた位置に測定窓を有する容器蓋部とから成り、イムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器について、試験片を支持台に押し付ける度合いによって、試料が試験片を移動する時間を制御するために、支持台上の試験片に向かって突出し、試験片を押し付ける突条部分を容器蓋部の滴下口の口縁に設けるという手段を講じたものである。
【0008】
本発明の検査容器は、前記のようにイムノクロマトグラフィー法における正確な測定と言う目的を容器構造の面から可能にするものである。この検査容器は、試験片の支持台を有する容器本体と、支持台上の試験片に試料を滴下するために開口した滴下口を有し、かつ、滴下口から試料が移動する方向に離れた位置に測定窓を有する容器蓋部とから成る基本的構成を有している。検査容器が、容器本体と容器蓋部とが折り曲げヒンジによって結合している一体型であるか、容器本体と容器蓋部とが別々に形成された分離型であるかは問わない。
【0009】
容器を構成する容器本体には支持台が設けられ、また、容器蓋部には滴下口と測定窓が設けられている。支持台に載置した試験片に試料が滴下されると、それは滴下口から試験片に供給されるが、余剰の試料が試験片の上面を流れて、試験片の上側より反応に干渉する場合がある。また、容器内部に試料が溢れると、容器内部の壁面と試験片の界面を伝って流れ、試験片の側面から反応に干渉することがあり、何れの場合も反応を不確実なものとする。これに対して、支持台は試験片を載せ、容器本体内部の底部から試験片を離しておくことができるから、支持台を設けることは、上記のような事態を回避するために有益である。
【0010】
さらに、滴下口から試験片に滴下された試料の量が過剰であった場合には、余分な試料を後方へ流出させるために、傾斜面を、試料移動方向とは反対方向の容器本体の支持台の上面に形成することが望ましい。試験片に滴下された試料は前方へ移動し、反応に関わることになるが、上記反応への干渉を避けるために、傾斜面を形成して余剰の試料を後方へ排除するものである。なお、傾斜面の角度として望ましいのは1.5〜10度程度である。本発明における方向の前後については、滴下口から供給された試験片が移動する測定窓の方向を前方、これと逆の方向を後方としている。
【0011】
上記滴下口は外部から滴下する試料を内部の試験片に導くもので、試験片に供給された試料液中の被検物質は滴下口に配置された被検物質と反応する標識物を含むサンプルパッドに浸透し、反応し、測定窓の方向(前方)へ移動する。反応は1〜2秒間程度の短秒時に行われるが、試料の移動方向に何の抵抗もない場合には反応が完結しないまま移動し、不十分な反応しか得られないという結果に終わることがある。
【0012】
そこで、本発明では支持台上の試験片に向かって突出し、試験片を押し付ける突条部分を容器上部の滴下口の口縁に有するものとし、上記突条部分によって試験片を支持台に押し付ける度合いによって、試験片に試料が吸収され、検査容器の前方或いは後方へ移動して行く時間を調整する。言い換えれば、突条部分の突出する長さ及び試験片を押し付ける面積を、試料が試験片を移動する時間を制御するパラメーターとして構成したものである。浸透した試料が移動して行くのに要する時間は試験片を押し付ける突条部分の突出する長さ(押し付ける強さ)と、試験片を押し付ける突条部分先端の面積によって変化する。また、滴下口の辺部の突条部分の突出する長さと、滴下口及び測定窓との間に設ける突出部分の突出する長さを調整することによって、反応時間をさらに精密にコントロールすることができる。
【0013】
試験片を構成する材質によって、試験片を押し付ける突条部分の突出する長さ(押し付ける強さ)と、試験片を押し付ける突条部分先端の面積は変わり得る。本発明では、前記の反応時間から推測して、試料が滴下された試験片上に3〜10秒程度留まることが望ましいと判断している。それだけの停留時間が得られれば、試料の滴下忘れ防止ないしは過剰な試料滴下防止にも有効と考えられるからである。なお、上記突条部分の突出する長さ(押し付ける強さ)と、突条部分先端の面積は突条部分を構成する材質によっても変化するので、材質を選択することも必要である。
【0014】
試料の滴下口についても、次の工夫を加えることで検査を良好に進めることができる。即ち、滴下口は、試料移動方向と平行方向の辺部と直交方向の辺部とを有し、かつ、平行方向の辺部の長さが直交方向の辺部の長さよりも大であることは良い結果を生む。試料移動方向と平行方向の辺部の長さ及び面積を大とすることにより、試料は前後方向に流れるようになり、側方に流れ出すことがなくなる。なお、想定される以上の量が滴下された場合には上記制御の難しいこともあるが、その場合には後方の直交方向の辺部の長さを僅かに短くし、前記後方の傾斜面に余剰分が誘導されるようにする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、イムノクロマトグラフィー法に用いる、液体の試料が試験片に浸透する時間を、検査容器の突条部分の突出する長さ及び試験片を押し付ける面積を設定することによって、反応の進行を適正に制御し、確実に検査を実行することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、イムノクロマトグラフィー法に用いる液体の試料の量を、突条部分の突出する長さ等の条件を適切に設定することによって、余剰の試料などによる妨害を排除することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係るイムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器10を分解して示す平面図であり、本発明の例1である。11は試験片の支持台を有する容器本体、12は滴下口と測定窓構成を有している容器蓋部を示す。よって、この図示の例の検査容器10は、容器本体11と容器蓋部12は別々に形成された分離型のものであることが分かる。
【0017】
例1の図における検査容器10は細長い形態を有しており、その長手方向に沿って複数個の支持台13・・・と、容器長手方向の細長い滴下口14及び測定窓15が配置されている。支持台13・・・は容器本体内部の底部から試験片を離して反応を確実なものとするもので、後部支持台13−1、中間支持台13−2及び前部支持台13−3から成り、後部支持台13−1は容器蓋部12の滴下口14に対応する位置、中間支持台13−2は測定窓15に対応する位置に夫々設けられている。また、後部支持台13−1は容器蓋部12の滴下口14よりもやや大きい平面形状を有し、中間支持台13−2は測定窓15よりもやや大きい平面形状を有している。
【0018】
16−1は後部試験片受け、16−2は前部試験片受けを示しており、夫々ほぼコの字型(或いはカッコ型)のものを対向配置しており、試験片20の両端が配置される。本発明では、後部試験片受け16−1は後部支持台13−1の後方の位置に、また、前部試験片受け16−2は前部支持台13−3の前方の位置に夫々設けられている。よって、後部試験片受け16−1の中に試験片20の後端を置き、前部試験片受け16−2の中に試験片20の前端を置くことで、試験片20の各部位が滴下口14、測定窓15に配置されることになる。
【0019】
試験片20として例示したものは、試料が滴下されるサンプルパッド17、テストライン18−1及びコントロールライン18−2から成る反応ライン及び吸収パッド19を有している。この試験片20は、イムノクロマトグラフィー法を、毛細管現象を利用したアッセイ法として実行するものであり、図1等に示したとおりのものとは限らないが、概ね上記の要素17、18、19を、ベース部材21上に配置した構成を有するものであれば良い。しかし、実際に使用に供される試験片20は様々であるので、それらの形態に応じて検査容器の内部構造を変更することができる。
【0020】
さらに、図2を参照して、本発明による試料の浸透時間制御構造について説明する。各図中の符号22は突条部分であり、後部支持台13−1の上にある試験片20のサンプルパッド17に向かって突出し、その部分を押し付ける作用をする。この突条部分22は、容器蓋部12の滴下口14の口縁を形成しており、試料移動方向と直交方向の辺部A、Bと、試料移動方向と平行方向の辺部E、Fとから構成されている(図1参照)。そして突条部分22を構成する辺部A、B、E、Fの突出する長さ及び試験片20を押し付ける面積を、試料が試験片を移動する時間を制御するパラメーターとして本発明が構成されているものである。
【0021】
これとともに、後部支持台13−1には、傾斜面23を試料移動方向とは反対方向の容器本体11の上面に形成する。図7を除く各図に於いては、後部支持台13−1の傾斜面23を把握できるほどには表現していないが、この傾斜面23は、後方(図2、図4の各左方)が下がるように設けられている。図示の例では、測定窓15の前後にも上記と同じような突条部分24が設けられており、これらは試料移動方向と直交方向の辺部C、Dを有している。
【0022】
このような突条部分において、試料移動方向と平行方向の辺部E、F及び直交方向の辺部A、B、C、Dの突出する長さは同一で良いが、特に後方の辺部Aについては僅かに突出する長さを他の辺部よりも小とする方が良い。この後方の辺部Aの突出する長さを他の辺部よりも小とすることは、後部支持台13−1に設ける傾斜面23と共同して、余剰の試料を後方へ排除する作用を行わせるためである。なお、辺部A、Bと辺部C、Dの間にも突条部分H、Iを、試料移動方向と直交方向に設けている。この突条部分H、Iは、その突出する長さと突条部分22の辺部Aの突出する長さの3箇所の突出する長さの調整によって、反応時間をより精密にコントロールするためのものである。
【0023】
より具体的な形態を持つ、図6及び図7の例2を参照して説明を補足すると以下のとおりである。なお、説明の便宜上、同一の構成要素については同一の符号を用いる。図6は容器蓋部12を示しており、例2の滴下口14は試料移動方向と直交方向の辺部A、B及び平行方向の辺部E、Fを有し、辺部A、Bよりも辺部E、Fが長手方向に長く、測定窓15は試料移動方向と直交方向の後側の辺部Dを有していることは例1と同じである。しかし、測定窓15の前側の辺部C′は切除され、滴下口14と測定窓15の間に補助的な突条部分H、Iをそれに替えている。なお、25−1、25−2、25−3は後部、中間及び前部の試験片ガイドを示す。図7は容器本体11を示しており、試験片20の支持台13・・・は後部支持台13−1と前部支持台13−3が設けられ、中間のものは省略されている。後部支持台13−1は、その後半部に設けた傾斜面23を有しており、また、傾斜面23の後部には、傾斜面23を延長するように、二又状の傾斜片26が設けられている。
【0024】
数値に関する説明を追加すると、試料移動方向と直交方向の辺部A、B、C、Dに於いては、辺部Aを他の辺部B、C、Dよりも0.05〜0.2mm低く、好ましくは0.1mm程度低い長さとするのが良い。この時の突条部分22の辺部Bの突出する長さは突条部分H、Iの突出する長さとともに反応により決定する。辺部Bの突出する長さは試験片20に滴下された試料がサンプルパッドへ吸収される時間に関係し、辺部E、Fの突出する長さよりも0.05〜0.2mm短くすること望ましい。また、辺部C、Dの幅は辺部A、Bの幅の1.5〜2.5倍として好ましい効果を得た。後部支持台上面の傾斜面23の傾斜角度は前記の範囲内の2度として好結果を得た。
【0025】
上記の構成を有する本発明の検査容器10を使用するには、その容器本体11の後部試験片受け16−1、前部試験片受け16−2に試験片20を配置すること等により位置決めがなされ、上から容器蓋部12を被せることで定位置に固定される(図4及び図5参照)。このとき、滴下口14の辺部Aは他の辺部B、C、Dよりも0.1mm程度低く形成されており、さらに、試験片20のサンプルパッド17を支えている後部支持台13−1は後方への傾斜面23を有しているので、過剰滴下が行なわれても余剰分は後方へ導かれて流出し、反応を妨害しない状態に置かれる。このようして一定量の試料だけがサンプルパッド17に供給されるが、滴下口14の口縁には下向きの突条部分22があり、試料移動方向に対して直交方向の辺部A、Bと平行方向の辺部E、Fによる圧迫力が、上記サンプルパッド17の上面に加えられているので、サンプルパッド17上に供給された試料は試料滴下部に3〜5秒間程度は止まり、細長い滴下口14の前方へ毛細管現象により移動して行く。
【0026】
本発明によれば、試料が滴下された試験片上に必要な時間留まることになるので、確実に検査を実行することができる。試料が試験片20に停留する時間を調整するには、突条部分22の前記突出する長さ1.3mmに対して、これを短くするか接触面積を小さくすれば停留時間も短縮され、逆に突出する長さを長くするか接触面積を大きくすれば停留時間を延長することができる。従って、検査容器の突条部分の突出する長さ及び試験片を押し付ける面積をパラメーターとして、反応の進行を適正に制御し、確実な検査を行うことができるものである。実施形態によれば、上記とともに、突条部分H、Iの突出する長さも合わせて調整することが可能であり、これらの調整によって試料における反応の進行を最適化することができる。なお、滴下口14に滴下してサンプルパッド17に供給された試料は毛細管現象によって前方へ移動し、移動により抗原−抗体反応検出過程を経て、その結果、目的の抗原が存在していればテストライン18−1及びコントロールライン18−2に標識物の色調が現れ、抗原不存在のときにはコントロールライン18−2に標識物の色調が現れることになる。
【0027】
このようにして、試験片20の殊にサンプルパッド17部分への吸収時間を遅くすることによって、反応が確実に行われて完結し、反応結果の正確性が向上する。従って、本発明の検査容器は十分に工夫された構造を具備しているので、熟練者によらなくてもイムノクロマトグラフィー法の検査の質を著しく向上することができる。また、現在使用中の検査容器では反応時間が不足するため十分な感度が得られないケースや、試料の過剰滴下によって反応が妨害されるケースに対して改善策を与え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るイムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器の例1を分解して示す平面説明図である。
【図2】同上の検査容器の容器本体と容器蓋部を接近配置して示す説明図である。
【図3】同上における滴下口部分を示す横断面図である。
【図4】同じく容器本体と容器蓋部を試料片とともに組み合わせた状態を示す説明図である。
【図5】同上における滴下口部分を示す横断面図である。
【図6】本発明に係るイムノクロマトグラフィー法に用いる例2の検査容器を示すもので、Aは容器蓋部を示す平面図、Bはその内面図である。
【図7】同じく例2の検査容器を示すもので、Aは容器本体の内部を示す平面図、Bはその中央縦断面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 検査容器
11 容器本体
12 容器蓋部
13−1、13−2、13−3 後部支持台、中間支持台、前部支持台
14 滴下口
15 測定窓
16−1、16−2 後部試験片受け、前部試験片受け
17 サンプルパッド
18−1、18−2 テストライン、コントロールライン
19 吸収パッド
20 試験片
21 ベース部材
22、24 突条部分
23 傾斜面
25−1、25−2、25−3 後部試験片ガイド、中間試験片ガイド、前部試験片ガイド
26 二又状傾斜片


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験片の支持台を有する容器本体と、支持台上の試験片に試料を滴下するために開口した滴下口を有し、かつ、滴下口から試料が移動する方向に離れた位置に測定窓を有する容器蓋部とから成り、イムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器であって、
試験片を支持台に押し付ける度合いによって、試料が試験片を移動する時間を制御するために、支持台上の試験片に向かって突出し、試験片を押し付ける突条部分を容器蓋部の滴下口の口縁に設けたことを特徴とするイムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器。
【請求項2】
滴下口から滴下された試料の量が過剰であった場合に、余分な試料を後方へ流出させるために、傾斜面を、試料移動方向とは反対方向の容器本体の支持台の上面に形成した請求項1記載のイムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器。
【請求項3】
滴下口の突条部分の辺部の突出する長さと、滴下口及び測定窓との間に設ける突出部分の突出する長さを調整することによって、反応時間をコントロールするように構成された請求項1記載のイムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器。
【請求項4】
試料の滴下口は、試料移動方向と平行方向の辺部と直交方向の辺部とを有し、かつ、平行方向の辺部の長さが直交方向の辺部の長さよりも大である請求項1又は2記載のイムノクロマトグラフィー法に用いる検査容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−168051(P2012−168051A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30081(P2011−30081)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(399032813)株式会社 ベセル (3)
【出願人】(000120456)栄研化学株式会社 (67)