説明

イメージセンサの金属配線形成方法

【課題】金属配線の熱安定性を確保し、イメージセンサの暗電流特性を改善させるためのイメージセンサの金属配線形成方法を提供すること。
【解決手段】半導体基板上にコンタクトプラグを備える第1の層間絶縁膜を形成するステップと、該第1の層間絶縁膜上に拡散防止膜を形成するステップと、フォーミングガスアニールを行うステップと、前記拡散防止膜上に第2の層間絶縁膜を形成するステップと、該第2の層間絶縁膜及び拡散防止膜を選択的にエッチングしてトレンチを形成するステップと、該トレンチを埋め込むまで導電物質層を形成するステップと、該導電物質層を平坦化してコンタクトプラグと電気的に接続する金属配線を形成するステップとを含み、上記した本発明は、 金属配線を形成する工程の前に拡散防止膜を形成した後、アニール処理を行って金属配線の熱安定性を確保し、イメージセンサの暗電流特性を改善させて金属配線の信頼性及び素子の信頼性を向上させるという効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサの形成方法に関し、特に、イメージセンサの金属配線形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、1次元又は2次元以上の光学情報を電気信号に変換する装置である。イメージセンサの種類は、大別して撮像管及び固体撮像素子に分類される。撮像管は、テレビを中心に、画像処理技術を駆使した階層、制御、認識などで幅広く常用され、これにより、応用技術が発展しつつある。市販の固体のイメージセンサは、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型とCCD(Charge Coupled Device)型の2種類がある。
【0003】
CMOSイメージセンサは、CMOS製造技術を利用して光学的イメージを電気的信号に変換させる素子であって、画素数の分だけMOSトランジスタを作り、これを用いて順次出力を検出するスイッチング方式を採択している。CMOSイメージセンサは、従来よりイメージセンサとして広く使われているCCDイメージセンサに比べて駆動方式が簡便で、且つ、多様なスキャニング方式の実現が可能であり、信号処理回路を単一チップに集積することができるため、製品の小型化が可能なだけでなく、互換性のCMOS技術を利用することから、製造単価を下げることができ、電力消費も極めて少ないという長所を持っている。
【0004】
近年、イメージセンサの製造において、ノイズを減少させるために、金属配線間の層間厚を減少させる試みが多く行われている。そのうちの1つがダマシン(Damascene)法を利用して銅(Cu)配線を形成するものである。これは、銅がアルミニウム(Al)に比べて電気伝導度が低く、厚さが薄くても優れた配線特性を維持するためである。
【0005】
また、銅配線を用いたイメージセンサの形成工程において、素子の暗電流を低減するために、フォーミングガス(forming gas)を用いたパッド処理後、アニール処理を追加する。暗電流特性は、通常400℃以上の高温でアニール処理を行ってこそ減少される。このような特性は、フィック(Fick)の拡散方程式から確認することができる。
【0006】
[拡散方程式]
C(x、t)=erfc(x/(4Dt)1/2
D=D*exp(−E/kT)
前記拡散方程式において、Dは拡散(diffusion)係数、tは時間、Cは濃度、Eは活性化エネルギーを示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、銅配線の熱的劣化特性のため、温度が450℃以上の高温でアニール処理を行うことができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記した従来の技術の問題を解決するために提案されたものであって、その目的は、金属配線の熱安定性を確保し、イメージセンサの暗電流特性を改善させるためのイメージセンサの金属配線形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記の目的を達成するために、本発明のイメージセンサの金属配線形成方法は、半導体基板上にコンタクトプラグを備える第1の層間絶縁膜を形成するステップと、該第1の層間絶縁膜上に拡散防止膜を形成するステップと、フォーミングガスアニールを行うステップと、前記拡散防止膜上に第2の層間絶縁膜を形成するステップと、該第2の層間絶縁膜及び拡散防止膜を選択的にエッチングしてトレンチを形成するステップと、該トレンチを埋め込むまで導電物質層を形成するステップと、該導電物質層を平坦化してコンタクトプラグと電気的に接続する金属配線を形成するステップとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に説明する。
【0011】
図1Aないし図1Dは、本発明の好ましい実施形態に係るイメージセンサの金属配線形成方法を説明するための断面図である。
【0012】
図1Aに示すように、半導体基板11上に第1の層間絶縁膜(ILD;Inter Layer Dielectric)12を形成する。ここで、半導体基板11には、図示されていないが、素子分離膜及びトランジスタが備えられる。
【0013】
次に、第1の層間絶縁膜12を選択的にエッチングしてコンタクトホール13を形成する。このために、図示されていないが、第1の層間絶縁膜12上に感光膜を形成し、露光及び現象によりコンタクトホール13予定領域を開放させる。続いて、感光膜をエッチングマスクとして、第1の層間絶縁膜12をエッチングしてコンタクトホール13を形成した後、酸素プラズマで感光膜を除去する。
【0014】
次いで、コンタクトホール13を埋め込むまで導電物質層を形成し、第1の層間絶縁膜12の表面に到達するまで導電物質層を平坦化してコンタクトプラグ14を形成する。ここで、コンタクトプラグ14はタングステンで形成することができ、Ti/TiN膜を備える。
【0015】
続いて、第1の拡散防止膜15を形成する。ここで、拡散防止膜はSiC又はSiNで形成することができる。
【0016】
次に、フォーミングガスアニール(forming gas anneal)処理を行う。ここで、フォーミングガスアニール処理は、H及びNの混合ガスで行うが、H/Nの割合は3%〜30%の範囲の雰囲気で行うことができる。また、アニール処理は、400℃〜600℃の範囲の高温で10分から3時間行う。
【0017】
このような、パッドアニール(pad anneal)処理は、後続MIMキャパシタ処理の際に発生し得る欠陥を予め除去することによって、MIMキャパシタの信頼性及び素子信頼性の向上を極大化させることができる。
【0018】
図1Bに示すように、第1の拡散防止膜15上に第2の層間絶縁膜16を形成する。ここで、第2の層間絶縁膜16は、窒素を含有したFSG(Fluorinated Silicate Glass)膜で形成する。窒素を含有したFSG膜は、薄膜内にN−Hを含有することで、高いH濃度(D)による暗電流特性を改善する。このような特性は、下記の反応式から確認することができる。第2の層間絶縁膜16には、その他の誘電物質、例えば、低い誘電率を有するCVD SiOC又はSOD(Spin on Dielectric)を用いることもできる。
【0019】
[反応式1]
+SiH+NO+SiF ⇒ SiOF(N、NH)
SiH+SiF+CO ⇒ SiOF(C)
前記反応式1により形成された絶縁膜の種類による暗電流特性を表1に整理した。
【0020】
【表1】

【0021】
表1に示すように、N及びNHを含有した絶縁膜は、暗電流が1code〜20code、Cを含有する絶縁膜は、暗電流が15code〜100codeであって、N及びNHを含有する絶縁膜の暗電流がより低いことが分かる。
【0022】
N及びNHを含有する第2の層間絶縁膜16を形成するために、前記反応式1のように、N、SiH、NO、及びSiFを混合して行うが、このとき、Nを300sccm〜3000sccm、NOを400sccm〜2000sccm、SiHを100sccm〜800sccm、SiFを300sccm〜1000sccmの範囲の流量で流し、13.332Pa〜1333.2Pa(0.1Torr〜10Torr)の範囲の圧力を印加して行うことができる。
【0023】
次いで、図示されていないが、後続の金属配線形成用トレンチを形成するための露光の際、第2の層間絶縁膜16内の窒素含有による問題を解決するために、シリコンを多量含有した酸化膜(silicon rich oxide)を更に形成することができる。このとき、シリコンを多量含有した酸化膜は500Å〜2000Åの範囲の厚さで形成する。
【0024】
続いて、第2の層間絶縁膜16を選択的にエッチングして第1のトレンチ17を形成する。このために、図示されていないが、第2の層間絶縁膜16上に感光膜を形成し、露光及び現象により第1のトレンチ17予定領域を開放させる。次いで、感光膜をエッチングマスクとして、第2の層間絶縁膜16及び拡散防止膜15をエッチングしてコンタクトプラグ14の表面を開放させる第1のトレンチ17を形成し、酸素プラズマで感光膜を除去する。
【0025】
次に、第1のトレンチ17を埋め込むまで導電物質層を形成し、第2の層間絶縁膜16の表面に到達するまで導電物質層を平坦化してコンタクトプラグ14と電気的に接続する第1の金属配線膜18を形成する。ここで、第1の金属配線膜18は銅配線膜で形成し、銅配線膜を形成する前に、銅拡散防止膜を形成する。
【0026】
図1Cに示すように、第1の金属配線膜18を備えた第2の層間絶縁膜16上に第2の拡散防止膜19を形成する。ここで、第2の拡散防止膜19は前記第1の拡散防止膜15のように、SiC又はSiNで形成できる。
【0027】
次いで、第2の拡散防止膜19上に第3の層間絶縁膜20を形成する。ここで、第3の層間絶縁膜20は、前記第2の層間絶縁膜16のように、窒素を含有したFSG膜で形成する。このために、N、SiH、NO、及びSiFを混合して行うが、このとき、Nを300sccm〜3000sccm、NOを400sccm〜2000sccm、SiHを100sccm〜800sccm、SiFを300sccm〜1000sccmの範囲の流量で流し、13.332Pa〜1333.2Pa(0.1Torr〜10Torr)の範囲の圧力を印加して行うことができる。
【0028】
図1Dに示すように、第3の層間絶縁膜20は、デュアルダマシン法により第2のトレンチ21を形成する。
【0029】
次いで、第2のトレンチ21を埋め込むまで導電物質層を形成し、第3の層間絶縁膜30の表面に到達するまで導電物質層を平坦化してビア(via)及び第2の金属配線膜22を形成する。ここで、第2の金属配線膜22は、銅配線膜で形成するが、銅配線膜を形成する前に、第2のトレンチ21上に銅拡散防止膜を形成する。
【0030】
上記した本発明は、コンタクトプラグを形成した後、SiC又はSiNで拡散防止膜を形成し、アニール処理を行って後続の金属配線の熱安定性を確保することができ、窒素を含有したFSG膜を形成して暗電流特性を改善できるという長所がある。
【0031】
上述した本発明は、金属配線を形成する工程の前に拡散防止膜を形成した後、アニール処理を行って金属配線の熱安定性を確保し、イメージセンサの暗電流特性を改善させて金属配線の信頼性及び素子の信頼性を向上させるという効果がある。
【0032】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1A】本発明の好ましい実施形態に係るイメージセンサの金属配線形成方法を説明するための断面図である。
【図1B】本発明の好ましい実施形態に係るイメージセンサの金属配線形成方法を説明するための断面図である。
【図1C】本発明の好ましい実施形態に係るイメージセンサの金属配線形成方法を説明するための断面図である。
【図1D】本発明の好ましい実施形態に係るイメージセンサの金属配線形成方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0034】
11 半導体基板
12 第1の層間絶縁膜
13 コンタクトホール
14 コンタクトプラグ
15 第1の拡散防止膜
16 第2の層間絶縁膜
17 第1のトレンチ
18 第1の金属配線膜
19 第2の拡散防止膜
20 第3の層間絶縁膜
21 第2のトレンチ
22 第2の金属配線膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にコンタクトプラグを備える第1の層間絶縁膜を形成するステップと、
該第1の層間絶縁膜上に拡散防止膜を形成するステップと、
フォーミングガスアニールを行うステップと、
前記拡散防止膜上に第2の層間絶縁膜を形成するステップと、
該第2の層間絶縁膜及び拡散防止膜を選択的にエッチングしてトレンチを形成するステップと、
該トレンチを埋め込むまで導電物質層を形成するステップと、
該導電物質層を平坦化してコンタクトプラグと電気的に接続する金属配線を形成するステップと
を含むことを特徴とするイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項2】
前記拡散防止膜が、
SiC又はSiNで形成されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項3】
前記フォーミングガスアニールが、
及びNの混合ガスで行われるが、H/Nの割合を3%〜30%の範囲として行われることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項4】
前記フォーミングガスアニールが、
400℃〜600℃の範囲で10分から3時間行われることを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項5】
前記第2の層間絶縁膜が、多層構造で形成されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項6】
前記第2の層間絶縁膜が、窒素を含有するFSG膜で形成されることを特徴とする請求項5に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項7】
前記FSG膜が、N又はNOで形成されることを特徴とする請求項6に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項8】
を300sccm〜3000sccm、NOを400sccm〜2000sccm、SiHを100sccm〜800sccm、SiFを300sccm〜1000sccmの範囲の流量で流して形成することを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項9】
前記FSG膜が、13.332Pa〜1333.2Pa(0.1Torr〜10Torr)の範囲の圧力で形成されることを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項10】
前記第2の層間絶縁膜上にSRONを形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項11】
前記SRONが、500Å〜2000Åの範囲の厚さで形成されることを特徴とする請求項10に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項12】
前記トレンチが、デュアルダマシン法で形成されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項13】
前記金属配線膜が、銅配線膜で形成されることを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項14】
前記金属配線膜を形成する前に、
前記トレンチ上に金属拡散防止膜を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。
【請求項15】
前記コンタクトプラグが、タングステンで形成されるが、Ti/TiN膜の積層として形成されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサの金属配線形成方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【公開番号】特開2007−184602(P2007−184602A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−353193(P2006−353193)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(505087780)マグナチップセミコンダクター有限会社 (125)
【氏名又は名称原語表記】MAGNACHIP SEMICONDUCTOR LTD
【住所又は居所原語表記】1 Hyangjeong−dong,Heungduk−gu,Cheongju City,Chung Cheong Bok−do,Korea
【Fターム(参考)】