イメージセンサユニット、及び、イメージセンサユニットを用いた画像読取装置
【課題】分割出力されたセンサ信号の合成を行う際の処理を容易とするイメージセンサユニットを提供する。
【解決手段】光電変換部PDからのセンサ信号をシフトレジスタSRにより2以上に分割して転送する光電変換素子13を複数個備え、それらの光電変換素子13kからのセンサ信号を2以上のチャンネルで出力すると共に、光電変換素子13kより出力される転送終了の制御信号Sを分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニット4であって、光電変換素子13kを最大数備えたチャンネルにおける終端に位置する光電変換素子13kより出力される転送終了の制御信号Sを、光電変換素子13kの全てに入力する。
【解決手段】光電変換部PDからのセンサ信号をシフトレジスタSRにより2以上に分割して転送する光電変換素子13を複数個備え、それらの光電変換素子13kからのセンサ信号を2以上のチャンネルで出力すると共に、光電変換素子13kより出力される転送終了の制御信号Sを分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニット4であって、光電変換素子13kを最大数備えたチャンネルにおける終端に位置する光電変換素子13kより出力される転送終了の制御信号Sを、光電変換素子13kの全てに入力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサユニット、及び、イメージセンサユニットを用いた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像読取装置としては、密着型イメージセンサユニット(CIS;Contact Image Sensor)を用いたフラットベッド方式の画像読取装置が知られている。画像読取装置には、イメージセンサユニットが設けられており、このイメージセンサユニットに設けられたセンサ基板上には、図5の配線接続図に示すように光電変換素子15k(kは1から11の自然数)が複数個実装されている。
【0003】
この光電変換素子15kには、例えば、図6の回路ブロック図に示すように、走査開始データ入力端子SI、電源端子VDD、メインクロック入力端子CLK、スタートパルス入力端子TR、チップセレクタ入力端子SEL、センサ信号出力端子VOUT、GND端子GND、走査終了データ出力端子NEXTの入出力端子が設けられている。
また、光電変換素子15kは、主として受光部としての光電変換部PD、光電変換部PDからのセンサ信号を一時的に保持する保持部としてのコンデンサCM、及び、センサ信号の転送部としてのシフトレジスタSRから構成されている。
【0004】
この構成により、スタートパルス入力端子TRは、転送開始の制御信号(スタートパルス)であり、さらに外部との同期信号として機能するものである。
【0005】
また、チップセレクタ入力端子SELは、最初に出力を行う(以下、先頭と記載)光電変換素子15kの認識信号であり、先頭と認識した光電変換素子15kは、走査開始データ入力端子SIを外部から入力せずに自己で走査開始データ入力端子SIを作成し走査を開始する。その認識方法として、例えば、チップセレクタ入力端子SELにHi信号を入力すると先頭の光電変換素子15kと認識し、Low信号だと先頭でない光電変換素子15kと認識する。
【0006】
即ち、図7のタイミングチャートに示すように、例えば、1872個の光電変換部PDによって光電変換されたセンサ信号が、光電変換素子15k内部において先頭画素から順次転送された後、センサ信号出力端子VOUTより先頭画素から順次出力される構成である。
【0007】
尚、図7における1、乃至、1872の数字は光電変換素子15kにおける画素位置を表しており、例えば、1であれば1画素目であることを示している。
【0008】
しかしながら、上述の構成では、光電変換部PD、コンデンサCM、及び、シフトレジスタSRが夫々1対1に対応する必要があった。このため、特に光電変換素子15kを高解像度化する場合においては、集積するトランジスタ等が多くなることで表面積が増加することになり、高コストとなる問題があった。
【0009】
そこで、図8の回路ブロック図に示すように、例えば、コンデンサCM、及び、シフトレジスタSRを光電変換部PDに対して1/4に減らした光電変換素子13kが提案されている。この光電変換素子13kは、光電変換部PDとコンデンサCMとの間に切換SWを備えると共に、第2スタートパルス入力端子TR2を備えることでコンデンサCM、及び、シフトレジスタSRの簡略化を行うことが可能となるものである。このため、光電変換素子13kの表面積を縮小することができ、コスト低減が可能となるものである。
【0010】
この構成により、第2スタートパルス入力端子TR2は、分割転送開始の制御信号(第2スタートパルス)によって、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期が検知されるものであり、イメージセンサユニット内部の同期信号となる。
即ち、図9のタイミングチャートに示すように、スタートパルス入力端子TR、及び、第2スタートパルス入力端子TR2によって、切換SW(SW1、乃至、SW4)を切り換えることにより、光電変換素子13k内部において4回に分割して転送(以下、分割転送と略す)された後、光電変換素子13k外部へ出力される構成である。
【0011】
尚、図中のTR、及び、TR2は、切換SW1、乃至、SW4がONとなるタイミングを示すものである。
また、図9における1、乃至、1872の数字は光電変換素子13kにおける画素位置を表しており、例えば、1であれば1画素目であることを示している。
【0012】
ところで、このイメージセンサユニットは、1872個の光電変換部PDと、468個のコンデンサCM、及び、シフトレジスタSRとを有する光電変換素子13kを11個用いることで、A4版の主走査方向において2400dpiの読取精度を有するものである。
【0013】
このため、全ての光電変換素子13kのセンサ信号出力端子VOUTは同一のチャンネルに配線接続した場合、全てのセンサ信号を同一のチャンネルで出力することになり、センサ信号の出力に時間がかかり原稿の読取時間が増大する問題があった。
一般的に、センサ信号の出力時間を短縮させる方法として、2以上のチャンネルに分割して出力(以下、分割出力と略す)することが行われている。
【0014】
ここで、4回の分割転送を行う光電変換素子13kを用い、2チャンネルに分割したイメージセンサユニットの配線接続について説明する。
図10は、従来の光電変換素子13kの配線接続図であり、図11は、従来の同一のチャンネルによるセンサ信号の出力のタイミングと、従来の他の一例における2チャンネルによるセンサ信号の分割出力のタイミングとを比較したタイミングチャートである。
【0015】
尚、図11における(x,y)は、x=光電変換素子13kの位置、y=分割転送の回数を示しており、例えば(1,1)は、光電変換素子131における分割転送1回目のデータであることを示している。
【0016】
このイメージセンサユニットは、光電変換素子131、乃至、光電変換素子136のセンサ信号出力端子VOUTと、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311のセンサ信号出力端子VOUTとが夫々別のチャンネルに配線接続されている。
即ち、光電変換素子131、乃至、光電変換素子136は分割された一方のチャンネルの出力としてのVOUT−1に配線接続され、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311は分割された他のチャンネルの出力としてのVOUT−2に配線接続されている。
【0017】
VOUT−1において最初に出力を行う(以下、先頭と記載)光電変換素子131、及び、VOUT−2において最初に出力を行う(以下、同様に先頭と記載)光電変換素子137のチップセレクタ入力端子SELは、常時Hi信号を入力し先頭の光電変換素子として動作させる。また、光電変換素子131、及び、光電変換素子137の走査終了データ出力端子NEXTは、光電変換素子132、及び、光電変換素子138の走査開始データ入力端子SIと配線接続される。また、これ以後、光電変換素子136、及び、光電変換素子1311に至るまで同様に走査終了データ出力端子NEXTと走査開始データ入力端子SIとが配線接続される。これにより、チャンネル毎に先頭の光電変換素子13kから出力された転送終了の制御信号S(走査終了データ)が次の光電変換素子13k+1に入力できるものである。
【0018】
スタートパルス入力端子TRは、他の全ての光電変換素子13Kのスタートパルス入力端子TRと配線接続され、転送開始の制御信号を検知することで、原稿の1走査ライン分の読取の動作が開始されるものである。また、同時に、先頭の光電変換素子131、及び、光電変換素子137のSI信号が内部生成され光電変換部PDからのセンサ信号の1回目の分割転送が開始される。
【0019】
第2スタートパルス入力端子TR2は、チャンネル毎に他の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2と配線接続され、さらに、夫々がチャンネル毎の終端に位置する光電変換素子136、及び、光電変換素子1311の走査終了データ出力端子NEXTと配線接続されている。
また、第2スタートパルス入力端子TR2は、転送終了の制御信号Sを分割転送開始の制御信号(走査開始データ)として検知することで、切換SW2、乃至、SW4に配線接続された光電変換部PDからの分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期が検知されるものである。
【0020】
VOUT−1は光電変換素子131、乃至、光電変換素子136のセンサ信号出力端子VOUTに配線接続され、転送開始の制御信号に応じて光電変換素子131、乃至、光電変換素子136からのセンサ信号を出力するものである。
VOUT−2は光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311のセンサ信号出力端子VOUTに配線接続され、転送開始の制御信号に応じて光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311からのセンサ信号を出力するものである。
【0021】
この構成において、イメージセンサユニットによるセンサ信号の出力の動作説明を行う。
【0022】
スタートパルス入力端子TRが転送開始の制御信号を検知すると、光電変換素子13k内部において光電変換部PDの分割転送が開始される。
【0023】
先ず、スタートパルス入力端子TRによって制御される切換SW1がONとなることで、光電変換素子131の1、5、9・・・1865、1869画素目に対応するセンサ信号がコンデンサCMに転送される。その後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−1の出力として信号処理部9へ出力される。
同時に、光電変換素子137の1、5、9・・・1865、1869画素目に対応するセンサ信号がコンデンサCMに転送される。その後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−2の出力として信号処理部9へ出力される。
【0024】
切換SW1に配線接続された全てのセンサ信号が転送されると、光電変換素子131の走査終了データ出力端子NEXTから光電変換素子132の走査開始データ入力端子SIへ転送終了の制御信号Sが出力される。これにより、転送終了の制御信号Sが分割転送開始の制御信号として検知され、光電変換素子132より切換SW1に配線接続された光電変換部PDからのセンサ信号の転送が開始される。
同時に、光電変換素子137の走査終了データ出力端子NEXTから光電変換素子138の走査開始データ入力端子SIへ転送終了の制御信号Sが出力される。これにより、転送終了の制御信号Sが分割転送開始の制御信号として検知され、光電変換素子138より切換SW1に配線接続された光電変換部PDからのセンサ信号の転送が開始される。
【0025】
この動作をVOUT−1の終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311まで繰り返すことで、切換SW1に対応するセンサ信号の出力が完了となる。
【0026】
その後、VOUT−1終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311の走査終了データ出力端子NEXTから夫々転送終了の制御信号Sが出力される。
即ち、光電変換素子136からの転送終了の制御信号SはVOUT−1の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2に入力され、光電変換素子1311からの転送終了の制御信号SはVOUT−2の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2に入力される。
これにより、2回目の分割転送開始の制御信号が検知され、第2スタートパルス入力端子TR2によって制御される切換SW2が夫々ONとなり、VOUT−1、及び、VOUT−2共に分割された2回目のセンサ信号の出力が開始される。
【0027】
この時、光電変換素子136、及び、光電変換素子1311は自己から出力された転送終了の制御信号Sを、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を検知する制御信号とすることとなる。また、光電変換素子131、乃至、光電変換素子135、及び、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1310は他の光電変換素子136、及び、1311から出力された転送終了の制御信号Sを、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を検知する制御信号とすることとなる。
【0028】
出力されるセンサ信号は、切換SW2に配線接続された2、6、10・・・1866、1870画素目に対応するセンサ信号であり、コンデンサCMに転送された後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−1、及び、VOUT−2の出力として信号処理部9へ出力されるものである。この動作を、VOUT−1の終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311まで繰り返すことで、切換SW2に対応するセンサ信号の出力が完了となる。
【0029】
その後、再び終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311の走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sが出力され、夫々の信号がチャンネル毎に第2スタートパルス入力端子TR2に入力されることで、次回の分割転送開始の制御信号として検知することとなる。
【0030】
以降、切換SW3、切換SW4も同様の動作を繰返し、光電変換素子13k内部における合計4回の分割転送、及び、光電変換素子13k外部への合計2回(2チャンネル)の分割出力によって1走査ライン分の全てのセンサ信号の出力が完了する。
【0031】
信号処理部9へ出力されたVOUT−1、及び、VOUT−2からのセンサ信号は、1走査ライン分のセンサ信号としてA/D変換され画像処理が行われる。
以上の動作を全ての走査ライン分繰り返すことで、原稿を読み取るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開平2−210950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
しかしながら、上述するように、チャンネル毎に光電変換素子13kの数が異なる場合、分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号となる転送終了の制御信号Sの出力の時期がチャンネル毎に異なる問題があった(図12参照)。
尚、図12における(x,y)は、x=光電変換素子13kの位置、y=分割転送の回数を示しており、例えば(1,1)は、光電変換素子131における分割転送1回目のデータであることを示している。
このため、分割出力されたセンサ信号の合成を行う際、処理が煩雑となる為、チャンネル毎に分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を一致させる必要が生じるものであった。
【0034】
本発明はかかる実情に鑑みなされたものであり、分割出力されたセンサ信号の合成を行う際の処理を容易とするイメージセンサユニット、及び、イメージセンサユニットを用いた画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
請求項1記載のイメージセンサユニットは、光源と、光電変換部からのセンサ信号を転送部により2以上に分割して転送する光電変換素子と、前記光電変換素子が複数個実装され、且つ、前記光電変換素子からのセンサ信号を2以上のチャンネルに分割して出力するよう配線接続されるセンサ基板と、前記光電変換素子に原稿からの反射光を結像する結像素子とを備え、前記光電変換素子より出力される転送終了の制御信号を分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニットであって、前記光電変換素子を最大数備えた前記チャンネルにおける終端に位置する前記光電変換素子より出力される前記転送終了の制御信号を、前記光電変換素子の全てに入力することを特徴とする。
【0036】
請求項2記載のイメージセンサユニットを用いた画像読取装置は、光源と、光電変換部からのセンサ信号を転送部により2以上に分割して転送する光電変換素子と、前記光電変換素子が複数個実装され、且つ、前記光電変換素子からのセンサ信号を2以上のチャンネルに分割して出力するよう配線接続されるセンサ基板と、前記光電変換素子に原稿からの反射光を結像する結像素子とを備え、前記光電変換素子より出力される転送終了の制御信号を分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニットを用いた画像読取装置であって、前記光電変換素子を最大数備えた前記チャンネルにおける終端に位置する前記光電変換素子より出力される前記転送終了の制御信号を、前記光電変換素子の全てに入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
以上のように、センサ信号を複数のチャンネルにて分割出力する際に、チャンネル毎に光電変換素子13kの数が異なる場合、光電変換素子13kを最大数備えたチャンネルの終端に位置する光電変換素子13kの走査終了データ出力端子NEXTと、他の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2とを配線接続する。このため、分割転送を行う光電変換素子13kを用いて2以上のチャンネルでの分割出力を行う際、分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号となる走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sを全ての光電変換素子13kに入力することで共通化できるようになる。
これにより、各チャンネルにおいて分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を同期させることが容易となり、分割出力されたセンサ信号の合成を行う際の処理を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明を適用できる画像読取装置の構造を示す図である。
【図2】図2は、イメージセンサユニット4の構造を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明を適用できる光電変換素子13kの配線接続図である。
【図4】図4は、本発明を適用できる2チャンネルによるセンサ信号の分割出力のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】図5は、光電変換素子15kの配線接続図である。
【図6】図6は、光電変換素子15kの回路ブロック図である。
【図7】図7は、光電変換素子15kからのセンサ信号の転送のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図8】図8は、光電変換素子13kの回路ブロック図である。
【図9】図9は、光電変換素子13kからのセンサ信号の分割転送のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】図10は、従来の光電変換素子13kの配線接続図である。
【図11】図11は、従来の同一のチャンネルによるセンサ信号の出力のタイミングと、従来の他の一例における2チャンネルによるセンサ信号の分割出力のタイミングとを比較したタイミングチャートである。
【図12】図12は、従来の他の一例における2チャンネルによるセンサ信号の分割出力のタイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明を適用できるフラットベッド方式の画像読取装置の構造を示す図である。
尚、従来例と同様の構成部材には同一符号を付し、説明を省略する。また、重複する動作における詳細な説明は省略する。
1は筺体であり、この筐体1には原稿載置部として、例えば、ガラス製の透明板からなるプラテンガラス2と、このプラテンガラス2上に載置された原稿を覆うように開閉自在設けられたプラテンカバー3とが設けられている。
また、筺体1の内部には、イメージセンサユニット4が格納されており、イメージセンサユニット4は、例えば、密着型イメージセンサ(CIS;Contact Image Sensor)ユニットである。5はイメージセンサユニット4を囲むように保持する保持部材であり、6は保持部材5をプラテンガラス2に沿って移動可能に設けられたスライドシャフト、7は駆動モータ、8はワイヤ、9は信号処理部である。
【0040】
この構成により、駆動モータ7を駆動して保持部材5に取り付けられたワイヤ8を機械的に動かすことにより、イメージセンサユニット4をスライドシャフト6に沿って読取方向(副走査方向)に移動するものである。
【0041】
図2は、イメージセンサユニット4の構造を示す概略図である。
10は原稿照明用の光源であり、この光源10には夫々赤緑青(以下、RGBと略す)3色の発光波長を持つLEDからなる発光素子10r、10g、10bが備えられており、これらの発光素子10r、10g、10bを順次点灯駆動することにより光を照射する構成である。
11は光源10から照射された光を原稿へと導く導光体であり、この導光体11の長手方向の一方の端面に光源10が配置されている。
12は結像素子としてのロッドレンズアレイであり、このロッドレンズアレイ12は、正立等倍結像型レンズ素子が複数配列されたものである。
13はロッドレンズアレイ12にて結像された反射光(原稿画像)をセンサ信号に変換する光電変換素子であり、14は光電変換素子13k(kは1から11の自然数)が複数個実装されたセンサ基板である。
また、光源10、導光体11、ロッドレンズアレイ12、光電変換素子13kの実装されたセンサ基板14の機能部品は、図示しない支持体としてのフレームに所定の位置関係で夫々取り付け支持された構成である。
【0042】
尚、本実施形態では、光電変換素子13kの数は11個であるが、光電変換素子13kの数は特に限定されない。
【0043】
以上の構成により、イメージセンサユニット4はプラテンガラス2の直下の読取位置において、光源10に設けられた発光素子10r、10g、10bを順次点灯駆動することにより光を照射する。照射された光は導光体11を通して図示しない原稿の表面に主走査方向においてライン状に略均一に照射される。照射された光は原稿によって反射され、この反射光はロッドレンズアレイ12により、センサ基板14上に設けられた光電変換素子13k上に集束結像する。反射光は光電変換素子13kによりセンサ信号に変換され、このセンサ信号はセンサ基板14を介して信号処理部9により処理される。
このように反射光のRGB全ての光を1走査ライン読み取ることで、原稿からの反射光の主走査方向における1走査ラインの読取動作を行うものである。
【0044】
1走査ラインの読取動作の後、イメージセンサユニット4はさらに1走査ライン分副走査方向へ移動しつつ、原稿に光を照射しながら同様に1走査ラインの読取動作を行う。この読取動作を繰り返すことで原稿の全面を走査するものである。
【0045】
次に、センサ基板7と光電変換素子13kとの関係について説明する。図3は、本発明を適用できる光電変換素子13kの配線接続図である。このセンサ基板7の平面形状は細長い長方形であり、両面(又は多層)に図示しない回路パターンが構成されている。
このセンサ基板7上には、光電変換素子13kが一定の間隔で配列されており、この配列の方向が画像読取装置の主走査方向となる。
【0046】
光電変換素子13kには、例えば、走査開始データ入力端子SI、電源端子VDD、第2スタートパルス入力端子TR2、メインクロック入力端子CLK、スタートパルス入力端子TR、チップセレクタ入力端子SEL、センサ信号出力端子VOUT、GND端子GND、走査終了データ出力端子NEXTの入出力端子が設けられている。
また、これらの入出力端子は夫々ワイヤーボンディング等により回路パターンと配線接続された構成である。
【0047】
イメージセンサユニット4は、光電変換素子131、乃至、光電変換素子136のセンサ信号出力端子VOUTと、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311のセンサ信号出力端子VOUTとが夫々別のチャンネルに配線接続されている。
即ち、光電変換素子131、乃至、光電変換素子136は分割された一方のチャンネルの出力としてのVOUT−1に配線接続され、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311は分割された他のチャンネルの出力としてのVOUT−2に配線接続されている。
この時、光電変換素子13kは、チャンネル数(=2)にて光電変換素子数(=11)を除した場合に剰余(=1)を生じる個数である。このため、VOUT−1が光電変換素子13kを最大数(=6)備えたチャンネルとなり、光電変換素子136がその終端に位置する光電変換素子13kとなる。
【0048】
VOUT−1において最初に出力を行う(以下、先頭と記載)光電変換素子131、及び、VOUT−2において最初に出力を行う(以下、同様に先頭と記載)光電変換素子137のチップセレクタ入力端子SELは、常時Hi信号を入力し先頭の光電変換素子として動作させる。また、光電変換素子131、及び、光電変換素子137の走査終了データ出力端子NEXTは光電変換素子132、及び、光電変換素子138の走査開始データ入力端子SIと配線接続される。また、これ以後、光電変換素子136、及び、光電変換素子1311に至るまで同様に走査終了データ出力端子NEXTと走査開始データ入力端子SIとが配線接続される。これにより、チャンネル毎に先頭の光電変換素子13kから出力された転送終了の制御信号Sが次の光電変換素子13k+1に入力できるものである。
【0049】
スタートパルス入力端子TRは、他の全ての光電変換素子13Kのスタートパルス入力端子TRと配線接続され、転送開始の制御信号を検知することで、原稿の1走査ライン分の読取の動作が開始されるものである。また、同時に、先頭の光電変換素子131、及び、光電変換素子137のSI信号が内部生成され光電変換部PDからのセンサ信号の1回目の分割転送が開始される。
【0050】
第2スタートパルス入力端子TR2は、他の全ての光電変換素子13Kの第2スタートパルス入力端子TR2と配線接続され、さらには、VOUT−1の終端に位置する光電変換素子136の走査終了データ出力端子NEXTと配線接続されている。
また、第2スタートパルス入力端子TR2は、転送終了の制御信号Sを分割転送開始の制御信号として検知することで、切換SW2、乃至、SW4に配線接続された光電変換部PDからの分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期が検知されるものである。
【0051】
VOUT−1は光電変換素子131、乃至、光電変換素子136のセンサ信号出力端子VOUTに配線接続され、転送開始の制御信号に応じて光電変換素子131、乃至、光電変換素子136からのセンサ信号を出力するものである。
VOUT−2は光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311のセンサ信号出力端子VOUTに配線接続され、転送開始の制御信号に応じて光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311からのセンサ信号を出力するものである。
また、電源端子VDDは電源部に配線接続され、電源が供給される。メインクロック入力端子CLKは光電変換素子13kの動作を制御するための信号が供給される。GND端子GNDは接地される構成である。
【0052】
尚、上述する光電変換素子13kの入出力端子は一例を示すものであり、光電変換素子13kの種類・構造等の違いにより端子数は異なる。
【0053】
図8は、本発明を適用できる光電変換素子13kのブロック図である。
光電変換素子13kは、受光部としての光電変換部PD、光電変換部PDからのセンサ信号を一時的に保持する保持部としてのコンデンサCM、及び、センサ信号の転送部としてのシフトレジスタSRから構成されている。
SWは切換スイッチであり、例えば、4回の分割転送の場合、1個の光電変換部PDに対し、夫々切換SW1、乃至、SW4を介して、コンデンサCM、及び、シフトレジスタSRが一対配線接続されている。
【0054】
尚、本実施例におけるイメージセンサユニット4は、1872個の光電変換部PDと、468個のコンデンサCM、及び、シフトレジスタSRとを有する光電変換素子13kを11個用いることで、A4版の主走査方向において2400dpiの読取精度を有するものである。
【0055】
この構成において、イメージセンサユニット4によるセンサ信号の出力の動作説明を行う。
スタートパルス入力端子TRが転送開始の制御信号を検知すると、原稿からの反射光は光電変換部PDにてセンサ信号に変換される。
その後、スタートパルス入力端子TRによって制御される切換SW1がONとなることで、光電変換素子131の1、5、9・・・1865、1869画素目に対応する一画素分のセンサ信号がコンデンサCMに転送された後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−1の出力として信号処理部9へ出力される。
同時に、光電変換素子137の1、5、9・・・1865、1869画素目に対応する一画素分のセンサ信号がコンデンサCMに転送された後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−2の出力として信号処理部9へ出力される。
【0056】
切換SW1に配線接続された全てのセンサ信号が転送されると、光電変換素子131の走査終了データ出力端子NEXTから光電変換素子132の走査開始データ入力端子SIへ転送終了の制御信号Sが出力される。これにより、転送終了の制御信号Sが分割転送開始の制御信号として検知され、光電変換素子132より切換SW1に配線接続された光電変換部PDからのセンサ信号の転送が開始される。
同時に、光電変換素子137の走査終了データ出力端子NEXTから光電変換素子138の走査開始データ入力端子SIへ転送終了の制御信号Sが出力される。これにより、転送終了の制御信号Sが分割転送開始の制御信号として検知され、光電変換素子138より切換SW1に配線接続された光電変換部PDからのセンサ信号の転送が開始される。
この動作をVOUT−1の終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311まで繰り返すことで、切換SW1に対応するセンサ信号の出力が完了となる。
【0057】
その後、光電変換素子136の走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sが出力され、全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2に入力される。
これにより、2回目の分割転送開始の制御信号が検知され、第2スタートパルス入力端子TR2によって制御される切換SW2が夫々ONとなり、VOUT−1、及び、VOUT−2共に分割された2回目のセンサ信号の出力が開始される。
【0058】
この時、光電変換素子136は自己から出力された転送終了の制御信号Sを、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を検知する制御信号とすることとなる。また、光電変換素子131、乃至、光電変換素子135、及び、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311は他の光電変換素子136から出力された転送終了の制御信号Sを、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を検知する制御信号とすることとなる。
【0059】
出力されるセンサ信号は、切換SW2に配線接続された2、6、10・・・1866、1870画素目に対応するセンサ信号であり、コンデンサCMに転送された後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−1、及び、VOUT−2の出力として信号処理部9へ出力される。この動作を、VOUT−1の終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311まで繰り返すことで、切換SW2に対応するセンサ信号の出力が完了となる。
その後、再び終端に位置する光電変換素子136の走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sが出力され、その信号が全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2に入力されることで、次回の分割転送開始の制御信号として検知することとなる。
【0060】
以降、切換SW3、切換SW4も同様の動作を繰返し、光電変換素子13k内部における合計4回の分割転送、及び、光電変換素子13k外部への合計2回(2チャンネル)の分割出力によって1走査ライン分の全てのセンサ信号の出力が完了する。
信号処理部9へ出力されたVOUT−1、及び、VOUT−2からのセンサ信号は、1走査ライン分のセンサ信号としてA/D変換され画像処理が行われる。
以上の動作を全ての走査ライン分繰り返すことで、原稿を読み取るものである。
【0061】
本実施の形態では、光電変換素子13kからのセンサ信号の出力を複数のチャンネルにて分割出力する際に、チャンネル毎に光電変換素子13k数が異なる場合、光電変換素子13kを最大数備えたチャンネルの終端に位置する光電変換素子13kの走査終了データ出力端子NEXTと、他の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2とを配線接続する構成である。
【0062】
この構成により、分割転送を行う光電変換素子13kを用いて2以上のチャンネルでの分割出力を行う際、分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号となる走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sを全ての光電変換素子13kに入力することで共通化できるようになる。このため、各チャンネルにおいて分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を同期させることが可能となる(図4参照)。
これにより、分割出力されたセンサ信号の合成を行う際の処理が容易となる。
【0063】
尚、図4における(x,y)は、x=光電変換素子13kの位置、y=分割転送の回数を示しており、例えば(1,1)は、光電変換素子131における分割転送1回目のデータであることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明はイメージスキャナー、ファクシミリ、複写機等の画像読取装置として有効な技術である。
【符号の説明】
【0065】
4 イメージセンサユニット
13 光電変換素子
S 転送終了の制御信号
SI 走査開始データ入力端子
TR2 第2スタートパルス入力端子
TR スタートパルス入力端子
SEL チップセレクタ入力端子
VOUT センサ信号出力端子
NEXT 走査終了データ出力端子
PD 光電変換部
CM コンデンサ
SR シフトレジスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサユニット、及び、イメージセンサユニットを用いた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像読取装置としては、密着型イメージセンサユニット(CIS;Contact Image Sensor)を用いたフラットベッド方式の画像読取装置が知られている。画像読取装置には、イメージセンサユニットが設けられており、このイメージセンサユニットに設けられたセンサ基板上には、図5の配線接続図に示すように光電変換素子15k(kは1から11の自然数)が複数個実装されている。
【0003】
この光電変換素子15kには、例えば、図6の回路ブロック図に示すように、走査開始データ入力端子SI、電源端子VDD、メインクロック入力端子CLK、スタートパルス入力端子TR、チップセレクタ入力端子SEL、センサ信号出力端子VOUT、GND端子GND、走査終了データ出力端子NEXTの入出力端子が設けられている。
また、光電変換素子15kは、主として受光部としての光電変換部PD、光電変換部PDからのセンサ信号を一時的に保持する保持部としてのコンデンサCM、及び、センサ信号の転送部としてのシフトレジスタSRから構成されている。
【0004】
この構成により、スタートパルス入力端子TRは、転送開始の制御信号(スタートパルス)であり、さらに外部との同期信号として機能するものである。
【0005】
また、チップセレクタ入力端子SELは、最初に出力を行う(以下、先頭と記載)光電変換素子15kの認識信号であり、先頭と認識した光電変換素子15kは、走査開始データ入力端子SIを外部から入力せずに自己で走査開始データ入力端子SIを作成し走査を開始する。その認識方法として、例えば、チップセレクタ入力端子SELにHi信号を入力すると先頭の光電変換素子15kと認識し、Low信号だと先頭でない光電変換素子15kと認識する。
【0006】
即ち、図7のタイミングチャートに示すように、例えば、1872個の光電変換部PDによって光電変換されたセンサ信号が、光電変換素子15k内部において先頭画素から順次転送された後、センサ信号出力端子VOUTより先頭画素から順次出力される構成である。
【0007】
尚、図7における1、乃至、1872の数字は光電変換素子15kにおける画素位置を表しており、例えば、1であれば1画素目であることを示している。
【0008】
しかしながら、上述の構成では、光電変換部PD、コンデンサCM、及び、シフトレジスタSRが夫々1対1に対応する必要があった。このため、特に光電変換素子15kを高解像度化する場合においては、集積するトランジスタ等が多くなることで表面積が増加することになり、高コストとなる問題があった。
【0009】
そこで、図8の回路ブロック図に示すように、例えば、コンデンサCM、及び、シフトレジスタSRを光電変換部PDに対して1/4に減らした光電変換素子13kが提案されている。この光電変換素子13kは、光電変換部PDとコンデンサCMとの間に切換SWを備えると共に、第2スタートパルス入力端子TR2を備えることでコンデンサCM、及び、シフトレジスタSRの簡略化を行うことが可能となるものである。このため、光電変換素子13kの表面積を縮小することができ、コスト低減が可能となるものである。
【0010】
この構成により、第2スタートパルス入力端子TR2は、分割転送開始の制御信号(第2スタートパルス)によって、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期が検知されるものであり、イメージセンサユニット内部の同期信号となる。
即ち、図9のタイミングチャートに示すように、スタートパルス入力端子TR、及び、第2スタートパルス入力端子TR2によって、切換SW(SW1、乃至、SW4)を切り換えることにより、光電変換素子13k内部において4回に分割して転送(以下、分割転送と略す)された後、光電変換素子13k外部へ出力される構成である。
【0011】
尚、図中のTR、及び、TR2は、切換SW1、乃至、SW4がONとなるタイミングを示すものである。
また、図9における1、乃至、1872の数字は光電変換素子13kにおける画素位置を表しており、例えば、1であれば1画素目であることを示している。
【0012】
ところで、このイメージセンサユニットは、1872個の光電変換部PDと、468個のコンデンサCM、及び、シフトレジスタSRとを有する光電変換素子13kを11個用いることで、A4版の主走査方向において2400dpiの読取精度を有するものである。
【0013】
このため、全ての光電変換素子13kのセンサ信号出力端子VOUTは同一のチャンネルに配線接続した場合、全てのセンサ信号を同一のチャンネルで出力することになり、センサ信号の出力に時間がかかり原稿の読取時間が増大する問題があった。
一般的に、センサ信号の出力時間を短縮させる方法として、2以上のチャンネルに分割して出力(以下、分割出力と略す)することが行われている。
【0014】
ここで、4回の分割転送を行う光電変換素子13kを用い、2チャンネルに分割したイメージセンサユニットの配線接続について説明する。
図10は、従来の光電変換素子13kの配線接続図であり、図11は、従来の同一のチャンネルによるセンサ信号の出力のタイミングと、従来の他の一例における2チャンネルによるセンサ信号の分割出力のタイミングとを比較したタイミングチャートである。
【0015】
尚、図11における(x,y)は、x=光電変換素子13kの位置、y=分割転送の回数を示しており、例えば(1,1)は、光電変換素子131における分割転送1回目のデータであることを示している。
【0016】
このイメージセンサユニットは、光電変換素子131、乃至、光電変換素子136のセンサ信号出力端子VOUTと、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311のセンサ信号出力端子VOUTとが夫々別のチャンネルに配線接続されている。
即ち、光電変換素子131、乃至、光電変換素子136は分割された一方のチャンネルの出力としてのVOUT−1に配線接続され、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311は分割された他のチャンネルの出力としてのVOUT−2に配線接続されている。
【0017】
VOUT−1において最初に出力を行う(以下、先頭と記載)光電変換素子131、及び、VOUT−2において最初に出力を行う(以下、同様に先頭と記載)光電変換素子137のチップセレクタ入力端子SELは、常時Hi信号を入力し先頭の光電変換素子として動作させる。また、光電変換素子131、及び、光電変換素子137の走査終了データ出力端子NEXTは、光電変換素子132、及び、光電変換素子138の走査開始データ入力端子SIと配線接続される。また、これ以後、光電変換素子136、及び、光電変換素子1311に至るまで同様に走査終了データ出力端子NEXTと走査開始データ入力端子SIとが配線接続される。これにより、チャンネル毎に先頭の光電変換素子13kから出力された転送終了の制御信号S(走査終了データ)が次の光電変換素子13k+1に入力できるものである。
【0018】
スタートパルス入力端子TRは、他の全ての光電変換素子13Kのスタートパルス入力端子TRと配線接続され、転送開始の制御信号を検知することで、原稿の1走査ライン分の読取の動作が開始されるものである。また、同時に、先頭の光電変換素子131、及び、光電変換素子137のSI信号が内部生成され光電変換部PDからのセンサ信号の1回目の分割転送が開始される。
【0019】
第2スタートパルス入力端子TR2は、チャンネル毎に他の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2と配線接続され、さらに、夫々がチャンネル毎の終端に位置する光電変換素子136、及び、光電変換素子1311の走査終了データ出力端子NEXTと配線接続されている。
また、第2スタートパルス入力端子TR2は、転送終了の制御信号Sを分割転送開始の制御信号(走査開始データ)として検知することで、切換SW2、乃至、SW4に配線接続された光電変換部PDからの分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期が検知されるものである。
【0020】
VOUT−1は光電変換素子131、乃至、光電変換素子136のセンサ信号出力端子VOUTに配線接続され、転送開始の制御信号に応じて光電変換素子131、乃至、光電変換素子136からのセンサ信号を出力するものである。
VOUT−2は光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311のセンサ信号出力端子VOUTに配線接続され、転送開始の制御信号に応じて光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311からのセンサ信号を出力するものである。
【0021】
この構成において、イメージセンサユニットによるセンサ信号の出力の動作説明を行う。
【0022】
スタートパルス入力端子TRが転送開始の制御信号を検知すると、光電変換素子13k内部において光電変換部PDの分割転送が開始される。
【0023】
先ず、スタートパルス入力端子TRによって制御される切換SW1がONとなることで、光電変換素子131の1、5、9・・・1865、1869画素目に対応するセンサ信号がコンデンサCMに転送される。その後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−1の出力として信号処理部9へ出力される。
同時に、光電変換素子137の1、5、9・・・1865、1869画素目に対応するセンサ信号がコンデンサCMに転送される。その後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−2の出力として信号処理部9へ出力される。
【0024】
切換SW1に配線接続された全てのセンサ信号が転送されると、光電変換素子131の走査終了データ出力端子NEXTから光電変換素子132の走査開始データ入力端子SIへ転送終了の制御信号Sが出力される。これにより、転送終了の制御信号Sが分割転送開始の制御信号として検知され、光電変換素子132より切換SW1に配線接続された光電変換部PDからのセンサ信号の転送が開始される。
同時に、光電変換素子137の走査終了データ出力端子NEXTから光電変換素子138の走査開始データ入力端子SIへ転送終了の制御信号Sが出力される。これにより、転送終了の制御信号Sが分割転送開始の制御信号として検知され、光電変換素子138より切換SW1に配線接続された光電変換部PDからのセンサ信号の転送が開始される。
【0025】
この動作をVOUT−1の終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311まで繰り返すことで、切換SW1に対応するセンサ信号の出力が完了となる。
【0026】
その後、VOUT−1終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311の走査終了データ出力端子NEXTから夫々転送終了の制御信号Sが出力される。
即ち、光電変換素子136からの転送終了の制御信号SはVOUT−1の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2に入力され、光電変換素子1311からの転送終了の制御信号SはVOUT−2の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2に入力される。
これにより、2回目の分割転送開始の制御信号が検知され、第2スタートパルス入力端子TR2によって制御される切換SW2が夫々ONとなり、VOUT−1、及び、VOUT−2共に分割された2回目のセンサ信号の出力が開始される。
【0027】
この時、光電変換素子136、及び、光電変換素子1311は自己から出力された転送終了の制御信号Sを、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を検知する制御信号とすることとなる。また、光電変換素子131、乃至、光電変換素子135、及び、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1310は他の光電変換素子136、及び、1311から出力された転送終了の制御信号Sを、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を検知する制御信号とすることとなる。
【0028】
出力されるセンサ信号は、切換SW2に配線接続された2、6、10・・・1866、1870画素目に対応するセンサ信号であり、コンデンサCMに転送された後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−1、及び、VOUT−2の出力として信号処理部9へ出力されるものである。この動作を、VOUT−1の終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311まで繰り返すことで、切換SW2に対応するセンサ信号の出力が完了となる。
【0029】
その後、再び終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311の走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sが出力され、夫々の信号がチャンネル毎に第2スタートパルス入力端子TR2に入力されることで、次回の分割転送開始の制御信号として検知することとなる。
【0030】
以降、切換SW3、切換SW4も同様の動作を繰返し、光電変換素子13k内部における合計4回の分割転送、及び、光電変換素子13k外部への合計2回(2チャンネル)の分割出力によって1走査ライン分の全てのセンサ信号の出力が完了する。
【0031】
信号処理部9へ出力されたVOUT−1、及び、VOUT−2からのセンサ信号は、1走査ライン分のセンサ信号としてA/D変換され画像処理が行われる。
以上の動作を全ての走査ライン分繰り返すことで、原稿を読み取るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開平2−210950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
しかしながら、上述するように、チャンネル毎に光電変換素子13kの数が異なる場合、分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号となる転送終了の制御信号Sの出力の時期がチャンネル毎に異なる問題があった(図12参照)。
尚、図12における(x,y)は、x=光電変換素子13kの位置、y=分割転送の回数を示しており、例えば(1,1)は、光電変換素子131における分割転送1回目のデータであることを示している。
このため、分割出力されたセンサ信号の合成を行う際、処理が煩雑となる為、チャンネル毎に分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を一致させる必要が生じるものであった。
【0034】
本発明はかかる実情に鑑みなされたものであり、分割出力されたセンサ信号の合成を行う際の処理を容易とするイメージセンサユニット、及び、イメージセンサユニットを用いた画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
請求項1記載のイメージセンサユニットは、光源と、光電変換部からのセンサ信号を転送部により2以上に分割して転送する光電変換素子と、前記光電変換素子が複数個実装され、且つ、前記光電変換素子からのセンサ信号を2以上のチャンネルに分割して出力するよう配線接続されるセンサ基板と、前記光電変換素子に原稿からの反射光を結像する結像素子とを備え、前記光電変換素子より出力される転送終了の制御信号を分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニットであって、前記光電変換素子を最大数備えた前記チャンネルにおける終端に位置する前記光電変換素子より出力される前記転送終了の制御信号を、前記光電変換素子の全てに入力することを特徴とする。
【0036】
請求項2記載のイメージセンサユニットを用いた画像読取装置は、光源と、光電変換部からのセンサ信号を転送部により2以上に分割して転送する光電変換素子と、前記光電変換素子が複数個実装され、且つ、前記光電変換素子からのセンサ信号を2以上のチャンネルに分割して出力するよう配線接続されるセンサ基板と、前記光電変換素子に原稿からの反射光を結像する結像素子とを備え、前記光電変換素子より出力される転送終了の制御信号を分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニットを用いた画像読取装置であって、前記光電変換素子を最大数備えた前記チャンネルにおける終端に位置する前記光電変換素子より出力される前記転送終了の制御信号を、前記光電変換素子の全てに入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
以上のように、センサ信号を複数のチャンネルにて分割出力する際に、チャンネル毎に光電変換素子13kの数が異なる場合、光電変換素子13kを最大数備えたチャンネルの終端に位置する光電変換素子13kの走査終了データ出力端子NEXTと、他の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2とを配線接続する。このため、分割転送を行う光電変換素子13kを用いて2以上のチャンネルでの分割出力を行う際、分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号となる走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sを全ての光電変換素子13kに入力することで共通化できるようになる。
これにより、各チャンネルにおいて分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を同期させることが容易となり、分割出力されたセンサ信号の合成を行う際の処理を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明を適用できる画像読取装置の構造を示す図である。
【図2】図2は、イメージセンサユニット4の構造を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明を適用できる光電変換素子13kの配線接続図である。
【図4】図4は、本発明を適用できる2チャンネルによるセンサ信号の分割出力のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】図5は、光電変換素子15kの配線接続図である。
【図6】図6は、光電変換素子15kの回路ブロック図である。
【図7】図7は、光電変換素子15kからのセンサ信号の転送のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図8】図8は、光電変換素子13kの回路ブロック図である。
【図9】図9は、光電変換素子13kからのセンサ信号の分割転送のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】図10は、従来の光電変換素子13kの配線接続図である。
【図11】図11は、従来の同一のチャンネルによるセンサ信号の出力のタイミングと、従来の他の一例における2チャンネルによるセンサ信号の分割出力のタイミングとを比較したタイミングチャートである。
【図12】図12は、従来の他の一例における2チャンネルによるセンサ信号の分割出力のタイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明を適用できるフラットベッド方式の画像読取装置の構造を示す図である。
尚、従来例と同様の構成部材には同一符号を付し、説明を省略する。また、重複する動作における詳細な説明は省略する。
1は筺体であり、この筐体1には原稿載置部として、例えば、ガラス製の透明板からなるプラテンガラス2と、このプラテンガラス2上に載置された原稿を覆うように開閉自在設けられたプラテンカバー3とが設けられている。
また、筺体1の内部には、イメージセンサユニット4が格納されており、イメージセンサユニット4は、例えば、密着型イメージセンサ(CIS;Contact Image Sensor)ユニットである。5はイメージセンサユニット4を囲むように保持する保持部材であり、6は保持部材5をプラテンガラス2に沿って移動可能に設けられたスライドシャフト、7は駆動モータ、8はワイヤ、9は信号処理部である。
【0040】
この構成により、駆動モータ7を駆動して保持部材5に取り付けられたワイヤ8を機械的に動かすことにより、イメージセンサユニット4をスライドシャフト6に沿って読取方向(副走査方向)に移動するものである。
【0041】
図2は、イメージセンサユニット4の構造を示す概略図である。
10は原稿照明用の光源であり、この光源10には夫々赤緑青(以下、RGBと略す)3色の発光波長を持つLEDからなる発光素子10r、10g、10bが備えられており、これらの発光素子10r、10g、10bを順次点灯駆動することにより光を照射する構成である。
11は光源10から照射された光を原稿へと導く導光体であり、この導光体11の長手方向の一方の端面に光源10が配置されている。
12は結像素子としてのロッドレンズアレイであり、このロッドレンズアレイ12は、正立等倍結像型レンズ素子が複数配列されたものである。
13はロッドレンズアレイ12にて結像された反射光(原稿画像)をセンサ信号に変換する光電変換素子であり、14は光電変換素子13k(kは1から11の自然数)が複数個実装されたセンサ基板である。
また、光源10、導光体11、ロッドレンズアレイ12、光電変換素子13kの実装されたセンサ基板14の機能部品は、図示しない支持体としてのフレームに所定の位置関係で夫々取り付け支持された構成である。
【0042】
尚、本実施形態では、光電変換素子13kの数は11個であるが、光電変換素子13kの数は特に限定されない。
【0043】
以上の構成により、イメージセンサユニット4はプラテンガラス2の直下の読取位置において、光源10に設けられた発光素子10r、10g、10bを順次点灯駆動することにより光を照射する。照射された光は導光体11を通して図示しない原稿の表面に主走査方向においてライン状に略均一に照射される。照射された光は原稿によって反射され、この反射光はロッドレンズアレイ12により、センサ基板14上に設けられた光電変換素子13k上に集束結像する。反射光は光電変換素子13kによりセンサ信号に変換され、このセンサ信号はセンサ基板14を介して信号処理部9により処理される。
このように反射光のRGB全ての光を1走査ライン読み取ることで、原稿からの反射光の主走査方向における1走査ラインの読取動作を行うものである。
【0044】
1走査ラインの読取動作の後、イメージセンサユニット4はさらに1走査ライン分副走査方向へ移動しつつ、原稿に光を照射しながら同様に1走査ラインの読取動作を行う。この読取動作を繰り返すことで原稿の全面を走査するものである。
【0045】
次に、センサ基板7と光電変換素子13kとの関係について説明する。図3は、本発明を適用できる光電変換素子13kの配線接続図である。このセンサ基板7の平面形状は細長い長方形であり、両面(又は多層)に図示しない回路パターンが構成されている。
このセンサ基板7上には、光電変換素子13kが一定の間隔で配列されており、この配列の方向が画像読取装置の主走査方向となる。
【0046】
光電変換素子13kには、例えば、走査開始データ入力端子SI、電源端子VDD、第2スタートパルス入力端子TR2、メインクロック入力端子CLK、スタートパルス入力端子TR、チップセレクタ入力端子SEL、センサ信号出力端子VOUT、GND端子GND、走査終了データ出力端子NEXTの入出力端子が設けられている。
また、これらの入出力端子は夫々ワイヤーボンディング等により回路パターンと配線接続された構成である。
【0047】
イメージセンサユニット4は、光電変換素子131、乃至、光電変換素子136のセンサ信号出力端子VOUTと、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311のセンサ信号出力端子VOUTとが夫々別のチャンネルに配線接続されている。
即ち、光電変換素子131、乃至、光電変換素子136は分割された一方のチャンネルの出力としてのVOUT−1に配線接続され、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311は分割された他のチャンネルの出力としてのVOUT−2に配線接続されている。
この時、光電変換素子13kは、チャンネル数(=2)にて光電変換素子数(=11)を除した場合に剰余(=1)を生じる個数である。このため、VOUT−1が光電変換素子13kを最大数(=6)備えたチャンネルとなり、光電変換素子136がその終端に位置する光電変換素子13kとなる。
【0048】
VOUT−1において最初に出力を行う(以下、先頭と記載)光電変換素子131、及び、VOUT−2において最初に出力を行う(以下、同様に先頭と記載)光電変換素子137のチップセレクタ入力端子SELは、常時Hi信号を入力し先頭の光電変換素子として動作させる。また、光電変換素子131、及び、光電変換素子137の走査終了データ出力端子NEXTは光電変換素子132、及び、光電変換素子138の走査開始データ入力端子SIと配線接続される。また、これ以後、光電変換素子136、及び、光電変換素子1311に至るまで同様に走査終了データ出力端子NEXTと走査開始データ入力端子SIとが配線接続される。これにより、チャンネル毎に先頭の光電変換素子13kから出力された転送終了の制御信号Sが次の光電変換素子13k+1に入力できるものである。
【0049】
スタートパルス入力端子TRは、他の全ての光電変換素子13Kのスタートパルス入力端子TRと配線接続され、転送開始の制御信号を検知することで、原稿の1走査ライン分の読取の動作が開始されるものである。また、同時に、先頭の光電変換素子131、及び、光電変換素子137のSI信号が内部生成され光電変換部PDからのセンサ信号の1回目の分割転送が開始される。
【0050】
第2スタートパルス入力端子TR2は、他の全ての光電変換素子13Kの第2スタートパルス入力端子TR2と配線接続され、さらには、VOUT−1の終端に位置する光電変換素子136の走査終了データ出力端子NEXTと配線接続されている。
また、第2スタートパルス入力端子TR2は、転送終了の制御信号Sを分割転送開始の制御信号として検知することで、切換SW2、乃至、SW4に配線接続された光電変換部PDからの分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期が検知されるものである。
【0051】
VOUT−1は光電変換素子131、乃至、光電変換素子136のセンサ信号出力端子VOUTに配線接続され、転送開始の制御信号に応じて光電変換素子131、乃至、光電変換素子136からのセンサ信号を出力するものである。
VOUT−2は光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311のセンサ信号出力端子VOUTに配線接続され、転送開始の制御信号に応じて光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311からのセンサ信号を出力するものである。
また、電源端子VDDは電源部に配線接続され、電源が供給される。メインクロック入力端子CLKは光電変換素子13kの動作を制御するための信号が供給される。GND端子GNDは接地される構成である。
【0052】
尚、上述する光電変換素子13kの入出力端子は一例を示すものであり、光電変換素子13kの種類・構造等の違いにより端子数は異なる。
【0053】
図8は、本発明を適用できる光電変換素子13kのブロック図である。
光電変換素子13kは、受光部としての光電変換部PD、光電変換部PDからのセンサ信号を一時的に保持する保持部としてのコンデンサCM、及び、センサ信号の転送部としてのシフトレジスタSRから構成されている。
SWは切換スイッチであり、例えば、4回の分割転送の場合、1個の光電変換部PDに対し、夫々切換SW1、乃至、SW4を介して、コンデンサCM、及び、シフトレジスタSRが一対配線接続されている。
【0054】
尚、本実施例におけるイメージセンサユニット4は、1872個の光電変換部PDと、468個のコンデンサCM、及び、シフトレジスタSRとを有する光電変換素子13kを11個用いることで、A4版の主走査方向において2400dpiの読取精度を有するものである。
【0055】
この構成において、イメージセンサユニット4によるセンサ信号の出力の動作説明を行う。
スタートパルス入力端子TRが転送開始の制御信号を検知すると、原稿からの反射光は光電変換部PDにてセンサ信号に変換される。
その後、スタートパルス入力端子TRによって制御される切換SW1がONとなることで、光電変換素子131の1、5、9・・・1865、1869画素目に対応する一画素分のセンサ信号がコンデンサCMに転送された後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−1の出力として信号処理部9へ出力される。
同時に、光電変換素子137の1、5、9・・・1865、1869画素目に対応する一画素分のセンサ信号がコンデンサCMに転送された後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−2の出力として信号処理部9へ出力される。
【0056】
切換SW1に配線接続された全てのセンサ信号が転送されると、光電変換素子131の走査終了データ出力端子NEXTから光電変換素子132の走査開始データ入力端子SIへ転送終了の制御信号Sが出力される。これにより、転送終了の制御信号Sが分割転送開始の制御信号として検知され、光電変換素子132より切換SW1に配線接続された光電変換部PDからのセンサ信号の転送が開始される。
同時に、光電変換素子137の走査終了データ出力端子NEXTから光電変換素子138の走査開始データ入力端子SIへ転送終了の制御信号Sが出力される。これにより、転送終了の制御信号Sが分割転送開始の制御信号として検知され、光電変換素子138より切換SW1に配線接続された光電変換部PDからのセンサ信号の転送が開始される。
この動作をVOUT−1の終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311まで繰り返すことで、切換SW1に対応するセンサ信号の出力が完了となる。
【0057】
その後、光電変換素子136の走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sが出力され、全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2に入力される。
これにより、2回目の分割転送開始の制御信号が検知され、第2スタートパルス入力端子TR2によって制御される切換SW2が夫々ONとなり、VOUT−1、及び、VOUT−2共に分割された2回目のセンサ信号の出力が開始される。
【0058】
この時、光電変換素子136は自己から出力された転送終了の制御信号Sを、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を検知する制御信号とすることとなる。また、光電変換素子131、乃至、光電変換素子135、及び、光電変換素子137、乃至、光電変換素子1311は他の光電変換素子136から出力された転送終了の制御信号Sを、分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を検知する制御信号とすることとなる。
【0059】
出力されるセンサ信号は、切換SW2に配線接続された2、6、10・・・1866、1870画素目に対応するセンサ信号であり、コンデンサCMに転送された後、シフトレジスタSRにより順次転送されVOUT−1、及び、VOUT−2の出力として信号処理部9へ出力される。この動作を、VOUT−1の終端に位置する光電変換素子136、及び、VOUT−2の終端に位置する光電変換素子1311まで繰り返すことで、切換SW2に対応するセンサ信号の出力が完了となる。
その後、再び終端に位置する光電変換素子136の走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sが出力され、その信号が全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2に入力されることで、次回の分割転送開始の制御信号として検知することとなる。
【0060】
以降、切換SW3、切換SW4も同様の動作を繰返し、光電変換素子13k内部における合計4回の分割転送、及び、光電変換素子13k外部への合計2回(2チャンネル)の分割出力によって1走査ライン分の全てのセンサ信号の出力が完了する。
信号処理部9へ出力されたVOUT−1、及び、VOUT−2からのセンサ信号は、1走査ライン分のセンサ信号としてA/D変換され画像処理が行われる。
以上の動作を全ての走査ライン分繰り返すことで、原稿を読み取るものである。
【0061】
本実施の形態では、光電変換素子13kからのセンサ信号の出力を複数のチャンネルにて分割出力する際に、チャンネル毎に光電変換素子13k数が異なる場合、光電変換素子13kを最大数備えたチャンネルの終端に位置する光電変換素子13kの走査終了データ出力端子NEXTと、他の全ての光電変換素子13kの第2スタートパルス入力端子TR2とを配線接続する構成である。
【0062】
この構成により、分割転送を行う光電変換素子13kを用いて2以上のチャンネルでの分割出力を行う際、分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号となる走査終了データ出力端子NEXTから転送終了の制御信号Sを全ての光電変換素子13kに入力することで共通化できるようになる。このため、各チャンネルにおいて分割転送における分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の時期を同期させることが可能となる(図4参照)。
これにより、分割出力されたセンサ信号の合成を行う際の処理が容易となる。
【0063】
尚、図4における(x,y)は、x=光電変換素子13kの位置、y=分割転送の回数を示しており、例えば(1,1)は、光電変換素子131における分割転送1回目のデータであることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明はイメージスキャナー、ファクシミリ、複写機等の画像読取装置として有効な技術である。
【符号の説明】
【0065】
4 イメージセンサユニット
13 光電変換素子
S 転送終了の制御信号
SI 走査開始データ入力端子
TR2 第2スタートパルス入力端子
TR スタートパルス入力端子
SEL チップセレクタ入力端子
VOUT センサ信号出力端子
NEXT 走査終了データ出力端子
PD 光電変換部
CM コンデンサ
SR シフトレジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
光電変換部からのセンサ信号を転送部により2以上に分割して転送する光電変換素子と、
前記光電変換素子が複数個実装され、且つ、前記光電変換素子からのセンサ信号を2以上のチャンネルに分割して出力するよう配線接続されるセンサ基板と、
前記光電変換素子に原稿からの反射光を結像する結像素子とを備え、
前記光電変換素子より出力される転送終了の制御信号を分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニットであって、
前記光電変換素子を最大数備えた前記チャンネルにおける終端に位置する前記光電変換素子より出力される前記転送終了の制御信号を、前記光電変換素子の全てに入力する
ことを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項2】
前記光電変換素子は、前記チャンネル数にて前記光電変換素子数を除した場合に剰余を生じる個数とした
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサユニット。
【請求項3】
光源と、
光電変換部からのセンサ信号を転送部により2以上に分割して転送する光電変換素子と、
前記光電変換素子が複数個実装され、且つ、前記光電変換素子からのセンサ信号を2以上のチャンネルに分割して出力するよう配線接続されるセンサ基板と、
前記光電変換素子に原稿からの反射光を結像する結像素子とを備え、
前記光電変換素子より出力される転送終了の制御信号を分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニットを用いた画像読取装置であって、
前記光電変換素子を最大数備えた前記チャンネルにおける終端に位置する前記光電変換素子より出力される前記転送終了の制御信号を、前記光電変換素子の全てに入力する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
前記光電変換素子は、前記チャンネル数にて前記光電変換素子数を除した場合に剰余を生じる個数とした
ことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項1】
光源と、
光電変換部からのセンサ信号を転送部により2以上に分割して転送する光電変換素子と、
前記光電変換素子が複数個実装され、且つ、前記光電変換素子からのセンサ信号を2以上のチャンネルに分割して出力するよう配線接続されるセンサ基板と、
前記光電変換素子に原稿からの反射光を結像する結像素子とを備え、
前記光電変換素子より出力される転送終了の制御信号を分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニットであって、
前記光電変換素子を最大数備えた前記チャンネルにおける終端に位置する前記光電変換素子より出力される前記転送終了の制御信号を、前記光電変換素子の全てに入力する
ことを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項2】
前記光電変換素子は、前記チャンネル数にて前記光電変換素子数を除した場合に剰余を生じる個数とした
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサユニット。
【請求項3】
光源と、
光電変換部からのセンサ信号を転送部により2以上に分割して転送する光電変換素子と、
前記光電変換素子が複数個実装され、且つ、前記光電変換素子からのセンサ信号を2以上のチャンネルに分割して出力するよう配線接続されるセンサ基板と、
前記光電変換素子に原稿からの反射光を結像する結像素子とを備え、
前記光電変換素子より出力される転送終了の制御信号を分割された2回目以降のセンサ信号の転送開始の制御信号とするイメージセンサユニットを用いた画像読取装置であって、
前記光電変換素子を最大数備えた前記チャンネルにおける終端に位置する前記光電変換素子より出力される前記転送終了の制御信号を、前記光電変換素子の全てに入力する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
前記光電変換素子は、前記チャンネル数にて前記光電変換素子数を除した場合に剰余を生じる個数とした
ことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−66102(P2013−66102A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204346(P2011−204346)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000104629)キヤノン・コンポーネンツ株式会社 (49)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000104629)キヤノン・コンポーネンツ株式会社 (49)
【Fターム(参考)】
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