説明

イルミネーションの点滅装置

【課題】繰り返し見ていても飽きがこないイルミネーションの点滅を可能にしたイルミネーションの点滅装置を提供すること。
【解決手段】オーディオ信号を入力するための入力部(2)と、該入力部(2)に接続したスピーカー(9)と、それぞれにイルミネーション(7)が接続される1又は複数個の出力部(5)と、入力されたオーディオ信号の電圧レベルと予め設定した基準電圧とが一致した場合にのみ前記出力部(5)へ主電源を供給可能にした比較手段(4)と、該比較手段(4)の作動を制御するタイマー(6)と、を備え、入力されたオーディオ信号を音声信号としてスピーカー(8)より出力するとともに、入力されたオーディオ信号の電圧レベルと比較手段(4)における基準電圧が一致しかつ前記比較手段(4)が作動可能な場合にのみ前記出力部(5)から主電源を出力してイルミネーション(7)を発光可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイルミネーションの点滅装置に係り、より詳しくは、入力されたオーディオ信号のリズムに合わせてイルミネーションを点滅可能としたイルミネーションの点滅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特にクリスマスシーズンになると、街角、各種店舗内外、あるいは個人宅において、LED等を用いたイルミネーションによって街中等を飾ることが行われている。
【0003】
そして、このLED等のイルミネーション発光方法としては、一般的に、複数個のLEDを順次、あるいは順不同に点滅させ、これにより、注目効果を高めることが行われている。
【0004】
また、店先、往来において、営業案内、集客のためにキャッチフレーズを発光表示する際に、発光手段を点滅させる方法も提供されている。
【特許文献1】特開2005−215095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来から提供されているLEDの点滅は、予め設定されている所定のリズムに合わせたものであり、点滅パターンが一定である。そのため、初めて見た場合は格別、繰り返し見ているうちに次第にあきてしまうという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は、繰り返し見ていても飽きがこないイルミネーションの点滅を可能にしたイルミネーションの点滅装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明のイルミネーションの点滅装置は、
LED等の発光手段を用いたイルミネーションにおける前記発光手段を点滅させるためのイルミネーションの点滅装置であって、
オーディオ信号を入力するための入力部と、
それぞれに前記発光手段が接続される1又は複数個の出力部と、
前記入力されたオーディオ信号の電圧レベルと予め設定した基準電圧とが一致した場合にのみ前記出力部へ主電源を供給可能にした比較手段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の本発明のイルミネーションの点滅装置は、
LED等の発光手段を用いたイルミネーションにおける前記発光手段を点滅させるためのイルミネーションの点滅装置であって、
オーディオ信号を入力するための入力部と、
それぞれに前記発光手段が接続される1又は複数個の出力部と、
前記入力されたオーディオ信号の電圧レベルと予め設定した基準電圧とが一致した場合にのみ前記出力部へ主電源を供給可能にした比較手段と、
該比較手段の作動を制御するタイマーと、を備えたことを特徴としている。
【0009】
更に、請求項3に記載の本発明のイルミネーションの点滅装置は、請求項1又は請求項2に記載のイルミネーションの点滅装置において、前記入力部にスピーカーを接続したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の本発明では、オーディオ信号が入力される入力部と、それぞれに発光手段が接続される1又は複数個の出力部と、を具備するとともに、入力部に入力されたオーディオ信号の電圧レベルと予め設定した基準電圧とが一致した場合にのみ前記出力部へ主電源を供給可能にした比較手段を備えている。
【0011】
即ち、周知の通り、オーディオ信号における電圧レベルは音階によって異なっているために、入力されたオーディオ信号の電圧と予め設定した基準電圧とが一致した場合にのみ出力部へ主電源を供給可能にした本発明によれば、入力されたオーディオ信号に応じてLED等の発光手段を点滅させることができる。
【0012】
そのため、請求項1に記載の本発明によれば、入力されたオーディオ信号に応じて発光手段の点滅パターンを変えることができるため、入力するオーディ信号を変えることにより、見る者を飽きさせないイルミネーションにすることが可能である。
【0013】
また、請求項2に記載のイルミネーションの点滅装置では、前記請求項1に記載のイルミネーションの点滅装置において、比較手段にタイマーを接続してこのタイマーにより比較手段の作動を制御し、入力されたオーディオ信号の電圧レベルと比較手段における基準電圧とが一致し、かつ、比較手段が作動可能な場合にのみ前記出力部から主電源を出力可能にしているため、点滅のパターンのバリエーションを増やすことが可能である。
【0014】
更に、請求項3に記載のイルミネーションの点滅装置では、入力部にスピーカーを接続しているため、発光手段の発光とともにその点滅パターンの基準となっているメロディーを流すことも可能となり、より見る者を飽きさせないイルミネーションにすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のイルミネーションの点滅装置では、オーディオ信号を入力するための入力部を有しており、この入力部には比較手段としてのコンパレーターが接続され、比較手段において、入力されたオーディオ信号の電圧と予め設定した基準電圧とを比較可能にしている。
【0016】
また、本発明のイルミネーションの点滅装置では、それぞれに複数個のLED等の発光手段が接続される複数個の出力部を備えており、この出力部と主電源との間に、前記比較手段が介在されている。
【0017】
そして、コンパレーターは、入力されたオーディオ信号の電圧と予め設定した基準電圧とを比較し、オーディオ信号の電圧と基準電圧とが一致した場合にのみ出力部に主電源を供給可能としており、これにより、LED等の発光手段を点滅可能にするとともに、オーディオ信号の種類に応じてLED等の発光パターンを可変可能としている。
【0018】
ここで、コンパレーターにタイマーを接続し、このタイマーによってコンパレーターのオン、オフを切り替えるとよく、これにより、更に発光パターンのバリエーションを増やすことが可能である。
【0019】
更にまた、入力部にスピーカーを接続するとよく、これにより、発光手段の点滅とともに、その点滅パターンの基準となっているメロディーを流すことが可能となる。
【実施例1】
【0020】
本発明のイルミネーションの点滅装置の実施例について図面を参照して説明すると、図1は、本実施例におけるイルミネーションの点滅装置の構成を示すブロック図であり、図において1が本実施例のイルミネーションの点滅装置の部分である。
【0021】
そして、本実施例のイルミネーションの点滅装置では、入力部を備えており、即ち、図において2が入力部であり、この入力部2は、図示しない入力用コネクタを備え、このコネクタを介して、オーディオ装置等からオーディオ信号を入力可能にしている。
【0022】
次に、図において3a〜3g(以下「3」と総称する。)は出力制御部であり、即ち、本実施例のイルミネーションの点滅装置1では、主電源を発光手段に供給するための出力制御部3を備えている。
【0023】
そして、本実施例においては、この出力制御部3を7個備えており、それぞれの出力制御部3に、主電源8、及び、発光手段としてのLED701をそれぞれに複数個ずつ備えた互いに別個のイルミネーション7を接続し、これにより、主電源8をLED701に供給してイルミネーション7を発光可能としている。
【0024】
ここで、前記出力制御部3について説明すると、本実施例における出力制御部3のそれぞれには、前記イルミネーション7が接続される出力部5を備え、この出力部5には主電源8が接続される。また、本実施例における出力制御部3のそれぞれには、比較手段としてのコンパレーター4が備えられており、このコンパレーター4はそれぞれ、前記出力部5と主電源8との間に介在されるとともに、更に、入力部2に接続されている。
【0025】
そして、前記コンパレーター3のそれぞれは、予め設定した基準電圧と前記入力部2より入力されるオーディオ信号の電圧とを比較して、前記基準電圧と前記入力部2より入力されるオーディオ信号の電圧とが一致した場合にのみ、主電源8を前記出力部5に供給可能としている。
【0026】
即ち、オーディオ信号の電圧は音階によって異なっているため、例えば、コンパレーター3a〜3gの基準電圧を、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シの音の電圧のいずれかと同じ値に設定しておくことにより、入力されたオーディオ信号の音階に応じて、この音階と同一電圧を基準電圧としているコンパレーター4に接続されている出力部5にのみ主電源を出力するとともに、その出力部5に接続されたイルミネーション7におけるLED701のみを点灯させることができる。
【0027】
この関係を詳細に説明すると、例えば、出力制御部3aにおけるコンパレーター4の基準電圧をドの音階のオーディオ信号の電圧と同一にし、出力制御部3bにおけるコンパレーター4の基準をレの音階のオーディオ信号の電圧と同一にし、というように、それぞれのコンパレーター4の基準電圧をオーディオ信号の電圧のいずれかと同一にしておく。そうすると、ドの音のオーディオ信号が入力された場合には出力制御部3aに接続されたイルミネーション7のみが発光し、レの音のオーディオ信号が入力された場合には出力制御部3bに接続されたイルミネーション7のみが発光し、というように、入力されたオーディオ信号の音階によって特定のイルミネーション7のみを発光させることができる。そしてこのとき、一般的に同一の音階のみで構成されるメロディーは考えられないため、その結果、各イルミネーション7は点滅することになる。
【0028】
従って、本実施例のイルミネーションの点滅装置によれば、入力されたオーディオ信号の音階が同一でない限りはオーディオ信号の音階に対応したイルミネーション7のみを発光させて、これによりイルミネーション7の全体を点滅させることができるとともに、同一メロディーのオーディオ信号を入力し続けた場合を除けばイルミネーション7の点滅パターンを変えることができる。
【0029】
次に、図において6はタイマーである。即ち、本実施例のイルミネーションの点滅装置1では、コンパレーター4のそれぞれにタイマー6を接続しており、このタイマー6によってコンパレーター4の作動のオン、オフを切り替え可能としている。
【0030】
そのため、入力されたオーディオ信号の電圧とコンパレーター4の基準電圧とが一致した場合でも、コンパレーター4がオフになっているときには出力手段5への電源供給が行われず、これにより、イルミネーション7の点灯時間を調節して、イルミネーション7の点滅パターンのバリエーションを増やすことが可能となる。
【0031】
次に、図において9はスピーカーである。即ち、本実施例のイルミネーションの点滅装置1では、前記入力部2にスピーカー9を接続しており、入力されたオーディオ信号を音声信号として出力可能にしている。
【0032】
従って、これにより、スピーカー9より出力されるメロディーに合わせてイルミネーション7を点滅させることができ、更に見る者を飽きさせないイルミネーションにすることが可能となる。
【0033】
次に、このように構成される本実施例のイルミネーションの点滅装置1の作用について説明すると、それぞれに複数個のLED701を備えた複数個のイルミネーション7をそれぞれの出力手段5に接続するとともに、主電源8をコンパレーター4に接続し、これによりイルミネーション7に電源を供給可能にした状態において、入力部2にオーディオ装置を接続し、入力部2にオーディオ信号を入力する。そうすると、このオーディオ信号は、スピーカー9と、それぞれのコンパレーター3に出力され、スピーカー9からはメロディーが流れ出る。
【0034】
一方、それぞれのコンパレーター4においては、入力されたオーディオ信号の電圧と予め設定された基準電圧とが比較される。
【0035】
そして、入力されたオーディオ信号の電圧と予め設定された基準電圧とが一致しない場合には出力手段5へは主電源が供給されず、イルミネーション7は発光しない。
【0036】
また、入力されたオーディオ信号の電圧と予め設定された基準電圧とが一致した場合であっても、タイマー6の制御によってコンパレーター4の作動がオフの状態になっているときには、出力手段5へは主電源が供給されずに、この場合もイルミネーション7は発光しない。
【0037】
その一方、入力されたオーディオ信号の電圧と予め設定された基準電圧とが一致し、かつコンパレーター4がオンの状態の場合には、出力手段5に主電源が供給されるとともに、この主電源がイルミネーション7に供給され、これによりイルミネーション7を発光させることができる。
【0038】
このように、本実施例のイルミネーションの点滅装置では、入力されたオーディオ信号の電圧とコンパレーターの基準電圧とが一致した場合にのみイルミネーションを発光可能にしている一方、オーディオ信号においては音階によってその電圧が異なっているとともに同一の音階のみで構成されるメロディーは考えられないため、これにより、イルミネーションを点滅させることができ、更に、入力するオーディオ信号のメロディーを変えることによってイルミネーションの点滅パターンを変えることができる。
【0039】
従って、本実施例のイルミネーションの点滅装置を用いることにより、見る者を飽きさせることのないイルミネーションの点滅を行うことが可能になる。
【0040】
また、このとき、タイマーを用いてコンパレーターのオン、オフを制御することにより、同じ音階の信号が入力された場合であっても、イルミネーションの点灯時間を変えることができ、あるいは発光手段を点灯させないようにすることができ、イルミネーションの点滅パターンのバリエーションを増やすことも可能である。
【0041】
更に、スピーカーを備えて入力されたオーディオ信号をメロディーとして出力することにより、更に、見る者を飽きさせることのないイルミネーションの点滅を行うことが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明では、入力されたオーディオ信号に応じて発光手段を点滅可能にしているため、点滅を必要とする発光手段のすべてに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のイルミネーションの点滅手段の実施例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
1 イルミネーションの点滅装置
2 入力部
3 出力制御部
4 比較手段(コンパレーター)
5 出力部
6 タイマー
7 イルミネーション
701 発光手段(LED)
8 主電源
9 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED等の発光手段(701)を用いたイルミネーションにおける前記発光手段(701)を点滅させるためのイルミネーションの点滅装置であって、
オーディオ信号を入力するための入力部(2)と、
それぞれに前記発光手段(701)が接続される1又は複数個の出力部(5)と、
前記入力されたオーディオ信号の電圧レベルと予め設定した基準電圧とが一致した場合にのみ前記出力部(5)へ主電源を供給可能にした比較手段(4)と、を備えたことを特徴とするイルミネーションの点滅装置。
【請求項2】
LED等の発光手段(701)を用いたイルミネーションにおける前記発光手段(701)を点滅させるためのイルミネーションの点滅装置であって、
オーディオ信号を入力するための入力部(2)と、
それぞれに前記発光手段(701)が接続される1又は複数個の出力部(5)と、
前記入力されたオーディオ信号の電圧レベルと予め設定した基準電圧とが一致した場合にのみ前記出力部(5)へ主電源を供給可能にした比較手段(4)と、
該比較手段(4)の作動を制御するタイマー(6)と、を備えたことを特徴とするイルミネーションの点滅装置。
【請求項3】
前記入力部(2)にスピーカー(9)を接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載イルミネーションの点滅装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−207587(P2007−207587A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25277(P2006−25277)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(593172382)日本ダイナテック株式会社 (7)
【Fターム(参考)】