説明

イルミネーションデバイスおよびその製造方法

【課題】イルミネーションデバイスに関し、特に、光透過性層を利用するイルミネーションデバイスおよびその製造方法に関する。イルミネーションデバイスおよびデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】デバイス10は、特に、基材12と基材上に配設された導電性領域とを含む。基材の表面上に、かつ電流を供給するために導電性領域に電気結合された状態で、1つ以上の光源14(たとえばLED)を配設する。デバイス10はまた、光源14を封入するようにさらには光透過性層16中を光が通過するときに光源14からの光供給の特性を制御するように基材12と少なくとも1つの光源14との上に配設された1層以上の光透過性層16を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イルミネーションデバイスに関し、特に、光管理フィルムまたは光管理デバイスを利用する薄型イルミネーションデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
光管理デバイスや光ガイドを使用するイルミネーションデバイスは、当技術分野で公知であり多数の用途を有する。そのようなデバイスは、光源と、光源により生成された光を所望の方式で導光するためのいくつかの光管理デバイス(たとえば、ガラスまたは他の導光媒体)と、を含む。そのようなデバイスは、特に、特に薄型の光ガイドや光管理デバイスの場合には最小限のスペースを利用して、イルミネーションを提供すべく使用可能である。しかしながら、主にイルミネーションを提供するために使用される公知の照明装置および照明器具は、典型的には、照明デバイス(たとえば、白熱電球照明具および類似の照明デバイス)を収容する嵩高いハウジングを利用する。たとえば自動車用照明具のような特定用途では、こうした公知のイルミネーションデバイスは、比較的多くのスペースを利用する。
【0003】
いくつかの公知のイルミネーションデバイス(スペース節約の努力がなされている)は、多数の孔を配列して有するガラス基材を利用している。このほかに、デバイスは、接続線を孔に通してLEDチップに接続するための孔のアレイの上に配置された照明デバイス用発光ダイオード(LED)チップのアレイを含む。そのようなデバイスは、自動車用の後部制動灯を提供すべく接着テープで自動車の後部窓ガラスに固着される。各チップはさらに透明樹脂材料の被覆により個別に覆われることが知られているが、そのようなデバイスでは、LEDチップを電源に接続する配線が基材の対向面上に施されるので、基材中に孔を設ける必要がある。さらに、デバイスは、典型的には、デバイスが自動車の窓の表面に近接して配置されるように両面接着テープで固着される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一例によれば、基材と、基材上に配設された少なくとも1つの導電性領域と、基材の表面上に配設されたかつ少なくとも1つの導電性領域に電気結合された少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光源と少なくとも1つの導電性領域の少なくとも一部分とを封入するように基材と少なくとも1つの光源との上に配設された少なくとも1層の光透過性層と、を含むイルミネーションデバイスが開示される。
【0005】
他の例によれば、イルミネーションデバイスの作製方法が開示される。本方法は、基材の表面上に少なくとも1種の導電性材料を配設することと、基材の表面上に、かつ少なくとも1種の導電性材料に電気結合された状態で、少なくとも1つの光源を配設することと、少なくとも1つの光源と導電性材料の少なくとも一部分とを封入するように光デバイス回路と基材の表面の少なくとも一部分との上に光透過性層を配設することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】開示されたイルミネーションデバイスの例の側面図である。
【図2】図1のデバイスの分解側面図である。
【図3】開示されたイルミネーションデバイスの他の例の側面図である。
【図4】図3のデバイスの分解側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、従来技術で公知の照明デバイスよりも薄型で少ないスペースを要する照明デバイスを提供する薄型プロファイルを有するイルミネーションデバイスと、そのようなデバイスの作製方法と、を特徴とする。そのようなイルミネーションデバイスは、多種多様な用途で利用可能である。そのような用途の一つは、スペース使用量が問題となる乗物における使用でありうる。このほかに、本発明に開示されたイルミネーションデバイスのいくつかは、光源を封入する光透過性接着剤を含む。この接着剤はまた、乗物の窓のような対象物にイルミネーションデバイスを固着させるためにも使用される。
【0008】
他の例によれば、開示された内容は、乗物または建築物の内部照明または外部照明に供されるイルミネーションデバイスに関する。外部照明は、特に、「ライトボックス」と呼ばれることもあるイルミネーションサインを含みうる。イルミネーションサインは、多くの場合、画像および/または文字の表示を向上させるために使用される。イルミネーションサインの例は、たとえば、空港、大量輸送交通機関の駅、ショッピングモール、および他の公共の場に見いだしうる。サインは、典型的には、グラフィックス(画像および/または文字を含む)が上置されるイルミネーション面を有する筐体を含む。開示されたイルミネーションデバイスは、少なくとも1つの光源と光透過性デバイスとを組み込むことにより、そのようなタイプのイルミネーションサインを得るべく使用可能であり、このデバイスは、フラット型、少なくともほぼフラット型、または湾曲型のいずれかである。
【0009】
本明細書中で使用する場合、「乗物」という用語は、何かを運搬または輸送する手段として広義に定義される。本明細書に開示されるイルミネーションデバイスを利用しうるタイプの乗物としては、たとえば、自動車、トラック、バス、列車、レクレーション用の乗物、船、航空機、オートバイなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
同様に本明細書中で使用する場合、「光源」という用語は、任意の固体照明デバイスを意味し、例としては、LED、蛍光ランプまたは白熱ランプ、エレクトロルミネセンス灯、および他の類似の光源が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
本明細書中で使用する場合、「光透過性層」という用語は、可視光を透過するかまたは可視光の透過性を変化させる任意の材料を意味する。性質を変化させる例としては、反射、屈折、分散、回折、および干渉が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
本明細書に開示されるイルミネーションデバイスは、乗物や建築物に使用される照明具を提供する。この照明具は、より薄型であり、より効率的であり、イルミネーションが均一であり、かつ審美的に魅力がある。
【0013】
ここで、特に記載がないかぎり、本開示に記載の例中に報告された部、パーセント、および比はすべて重量基準であることに留意されたい。
【0014】
イルミネーションデバイス中の要素の位置または方位を記述するために、「上方」、「上側」、「真上」、「上向き」、「真下」、「下方」、「下側」、および「下向き」のような用語を本出願中で使用する場合、これらの用語は、単に便宜を図る目的でイルミネーションデバイスの目視面が水平でありかつ上方から目視されると仮定して使用される。これらの用語は、完成イルミネーションデバイスに必要される方位を意味するものでもなければ、完成デバイスを実際に使用する際に供給光もしくはアンビエント光が通る経路に必要される方位を意味するものでもない。
【0015】
図1は、本開示に係るイルミネーションデバイス10の例を示している。デバイス10は、基材12と、1つ以上の光源14と、基材上に配設されかつ光源を封入する光透過性層16と、所望によりさらにオプションの光透過性デバイス18と、を有する形態で示されている。一例として、基材12は、電気絶縁体(たとえば、ガラス、ガラスエポキシ、透明ポリエステル、または類似の絶縁体)でありうる。さらなる例では、可撓性または剛性になるように基材12を構成することも可能である。さらには、光透過性になるようにしたり、透明性、半透明性、拡散性、屈折性、または反射性のいずれかを有するようにしたりするように、基材12を構成することも可能である。一例として、反射材料は、色や反射性(すなわちミラー)のような種々の特性を光に付与する。反射材料は、ミラーフィルム、不透明フィルム、または光反射の可能な他の材料でありうる。基材12は、空間的に均一であるかパターン化されているかにかかわらず、主に、正反射体、拡散反射体、または正反射体/拡散体の組み合わせでありうる。いくつかの場合には、高反射率コーティングを有する剛性金属基材または支持基材にラミネートされた高反射率フィルムから基材12を作製することが可能である。好適な高反射率材料としては、3Mカンパニー(3M Company)から入手可能なビキュイティ(Vikuiti)(登録商標)高性能正反射(ESR)多層高分子フィルム、厚さ0.4ミルのイソオクチルアクリレートアクリル酸感圧接着剤を用いて硫酸バリウム充填ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ2ミル)をビキュイティ(Vikuiti)(登録商標)ESRフィルムにラミネートすることにより作製されたフィルム(得られたラミネートフィルムは本明細書中では「EDR II」フィルムと記される)、東レ株式会社(Toray Industries,Inc.)から入手可能なE−60系列ルミラー(Lumirror)(登録商標)ポリエステルフィルム、ポーラスポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(たとえば、W.L.ゴア&アソシエーツ,Inc.(W.L.Gore & Associates,Inc.)から入手可能なもの)、ラブスフェア,Inc.(Labsphere,Inc.)から入手可能なスペクトラロン(Spectralon)(登録商標)反射材料、アラノッド・アルミニウム・フェアエードルングGmbH & Co.(Alanod Aluminum−Veredlung GmbH & Co.)から入手可能なミロ(Miro)(登録商標)陽極処理アルミニウムフィルム(ミロ(Miro)(登録商標)2フィルムを含む)、古河電気工業株式会社(Furukawa Electric Co.,Ltd.)製のMCPET高反射率フォームシート、ならびに三井化学株式会社(Mitsui Chemicals,Inc.)製のホワイトレフスター(White Refstar)(登録商標)フィルムおよびMTフィルムが挙げられる。
【0016】
そのほかに、さらなる例では、熱伝導性になるように基材12を構成したり、または少なくとも熱伝導性の領域もしくは部分を基材12に組み入れたりすることも可能である。さらに、発熱要素(たとえば、1つ以上の光源14)から熱を伝達するために熱伝導性バイア(図示せず)を基材に組み入れることが可能である。
【0017】
光源14を電源に電気結合するために、導電体からなる導電性領域を基材12に組み入れることが可能である。そのような導電性領域の例としては、光源14の電気結合を提供するように基材12の上に配設された導電性材料が挙げられる。材料としては、導電性インク、導電性塗料、導電性接着剤、インジウムスズ酸化物、導電性ポリマー、もしくは金属(たとえば、銅、銀、金、アルミニウム、パラジウム、チタン)、または任意の他の好適な導電性材料が挙げられうるが、これらに限定されるものではない。さらに、例として、プリンティング、スプレーイング、ブレードコーティング、ロールコーティング、蒸気コーティング、プラズマコーティング、電気メッキ、または無電解メッキにより、基材12上に導電性領域を形成しうることに注目されたい。
【0018】
このほかに、例として、スクリーンプリンティング、シャドウマスキング、フォトリソグラフィー、エッチング、アブレーティング、またはレーザー誘起サーマルイメージングにより、導電性領域を選択されたパターンで形成することが可能である。所望に応じて光源デバイス14を作動させる回路を形成するように、パターン化導電性領域を構成することが可能である。回路構成は、デバイス14が横切って接続される並列バス、直列回路接続、並列バスのアレイ、直列回路のアレイ、並列バスにより接続された直列回路のアレイ、直列回路により接続された並列バスのアレイ、個別回路のアレイ、またはこれらのいずれかの組合せを含みうる。特に、光源14も配設された基材12の表面上に配設されたパターン化導電性領域または回路を用いて、光源14を電源(図示せず)に電気結合することが可能である。
【0019】
光源14は、アレイ状に配置された1つ以上の発光ダイオード(LED)でありうるが、これに限定されるものではない。使用しうるLEDの例としては、種々の色のLED、たとえば、白色、赤色、橙色、琥珀色、黄色、緑色、青色、紫色、または当技術分野で公知の任意の他の色のLEDが挙げられる。LEDはまた、順バイアスであるか逆バイアスであるか赤外光もしくは紫外光を放出するタイプであるかに依存して、複数の色を放出するタイプでありうる。さらに、LEDは、基材12上に直接に装着可能なパッケージ化LEDまたは非パッケージ化LEDを含みうる。
【0020】
光透過性層16は、透明性、半透明性、部分反射性(たとえば、米国特許第6,208,466号明細書(参照により本明細書に援用されるものとする)に開示されているような制御透過性もしくは選択透過性の反射材料および反射フィルム)、屈折性、拡散性、またはなんらかの方式で光源14から層16を通って放出される光の少なくとも一部分を透過させるのに有効な任意の他の性質のいずれであってもよい。一例として、光透過性層16は、光源14により放出された光を均一に分配するのに有効である。当業者であればわかるであろうが、いかなる数の光学層、光学デバイス、または光学フィルム、たとえば、光透過性層16であっても、本明細書に記載のイルミネーションデバイスの使用に適する可能性がある。特に、光透過性層16はまた、後述されるように、光透過性接着剤、ガラス、またはガラスエポキシでありうる。
【0021】
光透過性層16はまた、拡散性であってもよく、任意の好適な拡散フィルムまたは拡散プレートを含みうる。たとえば、層16は、1種もしくは複数種の任意の好適な拡散材料を含みうる。いくつかの実施形態では、層16は、ガラス、ポリスチレンビーズ、およびCaCO3粒子をはじめとするさまざまな分散相を有するポリメチルメタクリレート(PMMA)の高分子マトリックスを含みうる。例示的な拡散体としては、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,St.Paul,Minnesota)から入手可能な3M(登録商標)スコッチカル(Scotchcal)(登録商標)拡散フィルム(タイプ3635−30および3635−70)が挙げられうる。このほかに考えられることとして、拡散体は、一例としてサインとして使用されるような画像および/または文字を有することを特徴としうるグラフィックスを含みうる。光透過性層はまた、反射偏光子を含みうる。任意の好適なタイプの反射偏光子、たとえば、多層光学フィルム(MOF)反射偏光子、拡散反射偏光フィルム(DRPF)偏光子(たとえば、連続相/分散相偏光子)、ワイヤグリッド反射偏光子、またはコレステリック反射偏光子が使用可能である。
【0022】
MOF反射偏光子および連続相/分散相反射偏光子はいずれも、少なくとも2種の材料(通常は高分子材料)間の屈折率差に基づいて、1つの偏光状態の光を選択的に反射するとともに直交偏光状態の光を透過する。MOF反射偏光子のいくつかの例については、同一所有権者の米国特許第5,882,774号明細書(ジョンザ(Jonza)ら)に記載されている。MOF反射偏光子の市販品の例としては、3Mカンパニー(3M Company)から入手可能な拡散表面を含むビキュイティ(Vikuiti)(登録商標)DBEF−D200およびDBEF−D440多層反射偏光子が挙げられる。
【0023】
本開示との関連で有用なDRPFの例としては、たとえば同一所有権者の米国特許第5,825,543号明細書(アウダーカーク(Ouderkirk)ら)に記載されるような連続相/分散相反射偏光子およびたとえば同一所有権者の米国特許第5,867,316号明細書(カールソン(Carlson)ら)に記載されるような拡散反射多層偏光子が挙げられる。他の好適なタイプのDRPFについては、米国特許第5,751,388号明細書(ラーソン(Larson))に記載されている。
【0024】
本開示との関連で有用なワイヤグリッド偏光子のいくつかの例としては、たとえば、米国特許第6,122,103号明細書(パーキンス(Perkins)ら)に記載のものが挙げられる。ワイヤグリッド偏光子は、ユタ州オレムのモクステックInc.(Moxtek Inc.,Orem,Utah)から市販されている。
【0025】
本開示との関連で有用なコレステリック偏光子のいくつかの例としては、たとえば、米国特許第5,793,456号明細書(ブルール(Broer)ら)および米国特許公開第2002/0159019号明細書(ポコルニー(Pokorny)ら)に記載のものが挙げられる。コレステリック偏光子は、多くの場合、コレステリック偏光子を透過した光が直線偏光光に変換されるように出力側の1/4波長遅延層と共に提供する。
【0026】
図2は、図1のデバイス10の分解側面図であり、同じ参照番号は、図1に示されるものと同一の要素を意味する。図2に示されるように、基材12は、基材12のトップ表面22上で配設された1つ以上の導電性領域20を含む。以上に記載したように、導電性領域20は、種々の方法を用いて、たとえば、スクリーン印刷、エッチング、および基材上に導電性材料を配設するための他の公知の方法を用いて、作製可能である。
【0027】
たとえば、スクリーン印刷を用いる第1の作製例に従って、次のように導電性領域を作製した。ミネソタ州セントポールのボメラ・カンパニー(Vomela Company,St.Paul,Minnesota)を介して利用可能な通常の光現像プロセスを用いて、ミズーリ州セントルイスのライアン・スクリーン・プリンティング・サプライズ(Ryan Screen Printing Supplies,St.Louis,Missouri)から市販されている51cm×61cmの230メッシュスクリーン(91スレッド/cm)で作製した。70ジュロメーターのスキージーおよび中圧〜低圧の印圧を用いて、導電性インクをスクリーンにフラッド充填し、次に、基材12(25cm×25cm)としての5ミル(127マイクロメートル)透明ポリエステルシートにスクリーンを押圧接触させた。導電性インクをスクリーン上の開口領域のパターンでスクリーンからシートに転写させた。銀導電性インク(一例として、マサチューセッツ州ウェアハムのエルコンInc.(Ercon,Inc.,Wareham,Massachusetts)製の商品名「1660−136」のインク)をポリエステルシート上にスクリーン印刷して対向バスレールを形成した。この例では、10本の独立したレールを印刷した。印刷されたレールは、0.25mm、0.50mm、0.75mm、1.00mm、1.25mm、1.50mm、1.75mm、2.00mm、2.25mm、および2.50mmの幅であり、それぞれ、31ミル(0.79mm)のギャップを有する。
【0028】
次に、ノースカロライナ州ケアリーのロード・コーポレーション(Lord Corporation,Cary,North Carolina)から「MD−140」という商品名で入手した銀充填導電性接着剤を用いて、メイン州ポートランドのフェアチャイルド・セミコンダクター・コーポレーション(Fairchild Semiconductor Corporation,Portland,Maine)から部品番号「QTLT601C1WTR」として入手した白色光LEDをバスレールのギャップに結合させ、185°F(85℃)で30分間硬化させた。カリフォルニア州パロアルトのヒューレット・パッカード・カンパニー(Hewlett Packard Company,Palo Alto,California)からモデル番号「6214a」として市販されているミリアンペア電流電源を用いて、LEDを発光させた。ヒューレット・パッカード・コーポレーション(Hewlett Packard Corporation)製の3466Aディジタルマルチメーターを用いて、各印刷レールの抵抗を測定した。レール幅とスクリーンメッシュとの関数として抵抗を表1に列挙する。
【0029】
【表1】

【0030】
予想どおり、各LEDの光強度は、電源からの距離に逆比例した。
【0031】
第2の作製例として、第1の例を反復したが、ただし、基材12上の導電性領域20としての並列導電性回路トレースによりLEDを接続した。複数の回路を並置して形成した。複数の回路をすべて、導電性バスにより並列に接続一体化した。この構成を用いて、均一に発光するLEDの二次元アレイを得た。
【0032】
さらに第3の作製例では、以上の第1の例のパターンを作製したが、ただし、3Mカンパニー(3M Company)から市販されている基材としてのフレキシブル回路材料上にパターン化された銅により導電性インク回路を置き換えた。並列バスに接続されたいくつかの直列回路または並列回路で導電性回路トレースをパターン化し、伝統的な半田付け技術により適用されたLEDを用いて均一な面イルミネーションを行うための二次元アレイを提供した。この第3の例では、拡散光源を作製するために、3M ESRフィルムを基材として回路の真下に配置しかつ半透明拡散フィルムを光透過性層16として回路の上方に公称距離で離間させて配置したことに留意されたい。公称距離の間隔は図1および2に示されていないことに留意されたい。
【0033】
図2に戻って説明すると、この図はまた、基材12上に配設されたかつ導電性領域20に電気結合された各光源デバイス14を示している。任意の数の種々の好適な方法を用いて、たとえば、以上の例中で既に記載したような導電性接着剤または伝統的な半田付け法を用いて、LEDのような光源デバイスを基材に結合させ、かつ領域20に電気結合させることが可能である。しかしながら、当業者であればわかるであろうが、光源デバイス14を基材12に配設または結合するために、他の好適な方法およびプロセスを使用することが可能である。
【0034】
光源14を基材12に固着させた後、少なくとも1層の光透過性層16を基材12のトップ表面22上に直接適用することが可能である。層16の適用は、導電性領域20だけでなく光源14をも封入する役割を果たしうる。しかしながら、第2および第3の例で上述したように、たとえば、基材12と層16との間に配設されたスペーサーを用いて、層16と基材12との間の公称間隔を得ることも可能である。
【0035】
光透過性層16はまた、接着剤組成物を用いて器具上に装着することなどのような他の機能に影響を及ぼす可能性もある。例としては、感圧接着剤(PSA)、キャスト接着剤、たとえば、ポリウレタン、ポリアクリレート、またはポリウレタンアクリレート、たとえば、3Mカンパニー(3M Company)から「VHBテープ」という商品名で入手可能なものが挙げられる。一例として、最初に基材12としてのガラスシートに第1の作製例(上記参照)のLED回路(すなわち、導電性領域20および光源14)を適用することにより、図2のデバイス10に類似した構造を有する第4のデバイスを作製した。次に、回路および基材12のトップ表面22の上に接着剤ベースシロップの層を適用した。
【0036】
この例だけの目的で、ただし、これに限定されるものではないが、1パイント(0.47リットル)ガラスジャー中、室温で、307.5グラムのイソオクチルアクリレート(IOA)と、12グラムのアクリル酸(AA)と、6.3グラムのCTB(IOA中の四臭化炭素の25重量%溶液;ペンシルバニア州アレンタウンのエピケムInc.(Epichem Inc.Allentown、Pennsylvania)から入手した)と、0.16グラムの第1の光開始剤(PI1)(ニューヨーク州タリータウンのチバ・スペシャルティー・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals,Tarrytown,New York)から「ダロキュア(Darocur)1173」という商品名で市販されている)と、を手作業で混合することにより、接着剤ベースシロップを調製した。混合物を軽くカバーで覆って窒素で10分間パージし、その後、粘度が約1,000センチポアズ(1Pas)になるまで2つの15ワットブラックライト電球に暴露することにより部分的に重合した。紫外線照射および窒素パージを中断し、1.88グラムの第2の光開始剤(ニュージャージー州フローハムパークのBASFコーポレーション(BASF Corporation,Florham Park,New Jersey)から「ルセリン(Lucerin)TPO」という商品名で市販されているPI2)を添加し、ジャーを密閉し、次に、30分間にわたりローラーミルにかけて接着剤ベースシロップを調製した。次に、250ミリリットルガラスジャー中で35.2グラムのベースシロップを1.0グラムの1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)と手作業で2分間混合した。得られた接着剤シロップは、重量基準でそれぞれ93.2:3.9:2.8のIOA:AA:HDDA比を有していた。
【0037】
回路と基材12のトップ表面22との上に接着剤ベースシロップの層を適用した後、次に、バージニア州マーチンズビルのCPフィルムズ・カンパニー(CP Films Company,Martinsville,Virginia)から「T−10」という商品名で入手した厚さ25マイクロメートルのシリコーン被覆ポリエステル剥離ライナーを接着剤ベースシロップ上に適用する。この集成体を約1ミリメートルのギャップに設定されたバーコーターに通し、次に、約4インチ(10.2cm)の距離で2つの40ワットブラックライト電球で約10分間照射することにより硬化させた。接着剤ベースシロップを硬化させて光透過性層16を形成した後、剥離ライナーを除去した。
【0038】
以上の例では、光透過性層16が、たとえば、アップリケとして表面にデバイスを固着させるために使用しうる光透過性接着剤でもあるイルミネーションデバイス10が得られることに留意された。このデバイスは、たとえば、自動車の窓のようなガラスに固着させることが可能である。
【0039】
以上の第4の例に基づくさらなる例では、図1および2に示されるオプションの光透過性層18、たとえば、接着剤ベース層(光透過性層16)で固着された他方のガラス層を追加することが可能である。このほかに、ヒューレット・パッカード・カンパニー(Hewlett Packard Company)からモデル番号「6214a」として市販されているミリアンペア電流電源を用いて、LED(光源14)を発光させることが可能である。
【0040】
たとえば、アンビエントイルミネーション源として使用するために、大きい配光角(90度超)を有するイルミネーションデバイスを提供するように光透過性層16または18のいずれかを構成することも可能である。同様に、機能的イルミネーション(たとえば、読書灯、スポット灯、出口照明灯など)を得るために、小さい配光角(90度未満)で配光を提供するように層16、18を構成することが可能である。
【0041】
LEDの表面における抽出効率を改良するために光源14を封入したりまたはそれにコーティングを施して、たとえば、LED/光透過境界における全内部反射が起こらないようにすることにより、1つ以上の光源14からの光抽出を向上させることも可能である。これは、全内部反射を用いて封入材料内またはコーティング内に光を導光して均一配光を提供することにより、達成可能である。例として、ナノ粒子、ガラスマイクロスフェア、またはブラッググレーティングを組み込むことにより、反射または散乱による媒体内からの拡散配光を生成することが可能である。例として、プリズム状表面もしくはマイクロ構造化表面、レンズレットアレイ、造形リブ、またはランダムカオス表面パターンを用いて、媒体内からの他の指向配光を達成することが可能である。
【0042】
図3は、基材32と光源34と光透過性層36と2層の輝度向上フィルム38および40とカバー42とを含む多層イルミネーションデバイス30のさらなる例を示している。2層の輝度向上フィルム層38、40は、光を再方向付けしてリサイクルさせることによりイルミネーションデバイスからの光の輝度を増大させるように機能する。そのようなフィルムの例としては、市販の一次元(線形)プリズム状高分子フィルム、たとえば、ビキュイティ(Vikuiti)(登録商標)輝度向上フィルム(BEF)、ビキュイティ(Vikuiti)(登録商標)直角透過フィルム(TRAF)、ビキュイティ(Vikuiti)(登録商標)画像方向付けフィルム(IDF)、およびビキュイティ(Vikuiti)(登録商標)光学照明フィルム(OLF)(これらはすべて、3Mカンパニー(3M Company)から入手可能である)、さらには従来の両面凸状線形レンズアレイが挙げられる。これらの一次元プリズム状フィルムを開示されたダイレクトライト型バックライト中で光抽出フィルムとして使用する場合、通常、プリズム状構造化表面は、光源に対向することが望ましい。
【0043】
構造化表面が二次元特性を有する光増強フィルムのさらなる例としては、米国特許第4,588,258号明細書(フープマン(Hoopman))、同第4,775,219号明細書(アペルドルン(Appeldorn)ら)、同第5,138,488号明細書(シュチェフ(Szczech))、同第5,122,902号明細書(ベンソン(Benson))、同第5,450,285号明細書(スミス(Smith)ら)および同第5,840,405号明細書(シュスタ(Shusta)ら)に開示されているようなキューブコーナー表面構成体、米国特許第6,287,670号明細書(ベンソン(Benson)ら)および同第6,280,822号明細書(スミス(Smith)ら)に記載されるような逆プリズム表面構成体、米国特許第6,752,505号明細書(パーカー(Parker)ら)および米国特許公開第2005/0024754号明細書(エプスタイン(Epstein)ら)に開示されている構造化表面フィルム、およびビーズ型シートが挙げられる。
【0044】
示されるように、カバー42は、全構成体の上に配置される。一例では、カバー42は、透明または半透明の高分子材料である。さらなる実施形態では、カバー42は、拡散層のような光管理デバイスでありうる。
【0045】
図4は、図3のイルミネーションデバイス30のさらなる分解図を示している。この図に示されるように、デバイス30は、図1および2の例の導電性領域20と同様に、基材32上に配設された導電性領域44を含む。さらに、図1および2の例と同様に、図4に示される例は、同様な方式で、基材32から開始して、導電性領域44と光源34と光透過性層36と輝度向上フィルム38および40とカバー42とを追加して作製される。
【0046】
さらなる作製例を、以下の本文中に記載する。
【0047】
第5の作製例では、以上で考察された第1の作製例を反復したが、ただし、以下のように光テープにウレタンの薄肉均一コーティングを施した。1.0部の(A)〔これは、ペンシルバニア州フィラデルフィアのイノレックス・ケミカル・カンパニー(Inolex Chemical Company,Philadelphia Pennsylvania)製の99.7部の5901−300ポリオール(ジプロピレングリコールフタレートアジペートで架橋されたポリエステルポリオールであり、305のヒドロキシル価を有する)および0.3部のジブチルスズジラウレート触媒であった〕と、1.15部の(B)〔これは、ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーション(Bayer Corporation in Pittsburgh Pennsylvania)から入手可能な100部のデスモジュール(Desmodur)N−100脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとし、191の当量を有する)であった〕と、を混合することにより、硬化性二部構成ポリウレタン組成物を調製した。ウレタンは、光透過性層36としてLEDを封入し保護する役割を果たし、さらには、LEDが空気中に存在するときよりも良好にマッチングされた屈折率を有する媒体を提供することによりLEDからの光を多層構造体(38,40,42)に結合した。
【0048】
さらに第6の作製例では、第1の作製例1を反復したが、ただし、光透過性層36としての5ミル(127マイクロメートル)透明ポリエステルを、3Mカンパニー(3M Company)から「ビキュイティ(Vikuiti)ESR」(ESR)という商品名で市販されている高性能正反射フィルムで置き換えて、イルミネーションミラーのようなフィルムを提供した。
【0049】
さらに第7の作製例では、基材32としてESRフィルムを使用して下側反射表面を提供することに加えて、ESRフィルムの保護シートを層としてLED上にラミネートして上側反射表面を提供した。得られた構造体は、上側および下側のミラー表面からの光放出を最小限に抑えてテープ構造体の長さ方向に沿って均一なエッジイルミネーションを提供した。この例は、図3の多層構造体を用いることなく、図1および2の構造体の代わりに使用可能である。
【0050】
第8の作製例では、光透過性層16または36として輝度向上フィルム(BEF)を基材(32または12のいずれか)上に配設した。BEFは、3Mカンパニー(3M Company)から「ビキュイティ(Vikuiti)BEF」(BEF)という商品名で取得したものであった。光源34(または14)の表面から放出された光の輝度は、制御目視角全体にわたり増大された。
【0051】
第9の作製例では、第8の作製例を反復したが、ただし、上側表面上にBEFフィルムを他のBEF層(すなわち層38)と直交する方向にさらにラミネートした。光源34の表面から放出された光の輝度は、目視角をさらに制御することにより増大された。
【0052】
第10の作製例では、以上で考察した第3の例を反復したが、ただし、BEF(たとえば38)を拡散フィルム(すなわち16または36)上に配置して、輝度および発光角をさらに制御した。第2のBEF(たとえば40)を第1のBEF上で直交方向に向けることにより、さらに高輝度かつより均一な指向性光源を提供した。
【0053】
第11の作製例では、第10の例を反復したが、ただし、BEFフィルムにより許容される好ましい角度でキャビティーから逃散できるようになるまでキャビティー内の光を表面間で反復して反射させるキャビティーを形成して目視方向の均一性および輝度を増大させるように、反射体として作用するバック表面上の例10のESR LED回路と、ESR表面からある距離を隔ててかつESR表面に平行して配置された単独のまたは例1に記載されるように組み合わされたBEFと、を有する光キャビティーを形成することにより、均一な指向性面光源を作製した。
【0054】
第12の作製例では、第1の作製例に記載したような光ストリップを作製した。欧州特許第0392847号明細書(その内容は参照により援用されるものとする)に記載の方法を用いて、成形ウレタン要素に位置整合させて発光体を有する成形三次元物品を作製した。成形型中のキャビティーに位置整合させて第1の例のストリップから発光体を有するポーラス成形型を作製した。記載のごとく熱および真空を用いて、透明ポリオレフィンフィルムを成形型の形態に成形した。フィルムは、成形物品の一体化部分であった。1.0部の(A)〔これは、ペンシルバニア州フィラデルフィアのイノレックス・ケミカル・カンパニー(Inolex Chemical Company,Philadelphia Pennsylvania)製の99.7部の5901−300ポリオール(ジプロピレングリコールフタレートアジペートで架橋されたポリエステルポリオールであり、305のヒドロキシル価を有する)および0.3部のジブチルスズジラウレート触媒であった〕と、1.15部の(B)〔これは、ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーション(Bayer Corporation,Pittsburgh,Pennsylvania)から入手可能な100部のデスモジュール(Desmodur)N−100脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとし、191の当量を有する)であった〕と、を混合することにより、硬化性二部構成ポリウレタン組成物を調製した。透明ウレタン組成物をフィルム上に注ぎ、加温成形型(80℃)の形態に成形した。ウレタンを硬化させて固体にする前に、成形型中のキャビティーに位置整合させて光ストリップを液体ウレタンに適用した。ローラーを用いて光テープのバック面に圧力を加えることにより、成形要素ができるかぎり平滑になるようにする。5分間かけてウレタンを硬化させ、次に、離型した。光ストリップ上のバスバーの一方の端はウレタンによりまったく覆われておらず、バスバーへの電源の電気接続が行えるようになっていることに留意されたい。
【0055】
第13の作製例によれば、以上に記載の第12の例を反復したが、ただし、3Mカンパニー(3M Company)から「K25スコッチライト(Scotchlite)ガラスバブル」という商品名で入手した0.2%のガラスバブルをウレタンに添加して、拡散封入材料を作製した。
【0056】
第14の作製例によれば、第1の例のLEDのストリップをバスバーの長さ方向に沿って2.5cm×14.0cmの部片にカットした。ガラスを100mm×125mmの部片にカットした。ガラスは、厚さ2mmの自動車グレードのソーラーガラスであり、ミネソタ州オワトーナのビラコン/クルブライト(Viracon/Curvlite Inc.,Owatonna,Minnesota)から入手したものであった。ポリビニルブチラール(PVB)フィルムもまた、100mm×125mmの部片にカットした。PVBフィルムは、厚さ375ミクロンのセーフレックス(Saflex)RK11であり、ミズーリ州セントルイスのソルーシアInc.(Solutia Inc.,St.Louis,Missouri)により供給されたものである。フィルムは、空気を逃がしやくするために一方の表面上にテクスチャーを有していた。PVBフィルムは、テクスチャー表面を有し、空気を逃がしやくするためにガラス表面に適用された。ガラスの層と、セーフレックス(Saflex)RK−11の層と、例1の光テープのストリップと、セーフレックス(Saflex)RK−11の層と、を含む積重体を作製した。ただし、LEDパターンとセーフレックス(Saflex)RK−11の第3のシートとガラスの第2の層とに位置整合させて、パンチングにより3mm孔をシート中に設けた。
【0057】
3Mカンパニー(3M Company)製の白色「471」テープを用いて、サンプルの隅角をテープ留めした。積重体を所定の位置に保持するために、バージニア州マーチンズビルのシーピーフィルムズ(CPFilms,Martinsville,Virginia)から製品名「T1」として入手した厚さ25ミクロンのシリコーン被覆ポリエステル剥離ライナーを125mm×275mmにカットして、スタックにラッピングした。ライナーでラッピングされたスタックを真空封止バッグ中に挿入した。バッグから空気を減圧除去し、通常の真空食品貯蔵装置を用いて封止した。温度および圧力を制御するオートクレーブ中に、封止されたバッグを入れた。表2に示される以下のスケジュールに従って温度および圧力を調整した。
【0058】
【表2】

【0059】
サンプルをオートクレーブから取り出し、保護ライナーおよびテープを除去した。サンプルをガラスクリーナーで清浄化した。サンプルは、空気を閉じ込めることなく透明であった。これは、安全ガラスを製造するための典型的なサイクルであった。照明されたガラスのトップ表面上に種々のフィルムが適用されているとき、独特な効果が観測された。フィルムを組み合わせることにより、独特な効果が発揮された。フィルムとしては、BEF、DBEF、ESR、拡散フィルム、および半透明ティンテッドフィルムが含まれていた。
【0060】
本明細書に記載のイルミネーションデバイスは、さまざまな用途で表面にイルミネーションを施すべく使用するのに好適であり、たとえば、乗物の内表面や外表面などのイルミネーションに好適である。そのほかに、開示されたイルミネーションデバイスは、以上で述べたように、建築物の内部照明または外部照明およびイルミネーションサインなどの他の用途でも使用可能である。
【0061】
ライトボックスと呼ばれることもあるイルミネーションサインは、多くの場合、画像および/または文字の表示を向上させるために使用される。イルミネーションサインの例は、たとえば、空港、大量輸送交通機関の駅、ショッピングモール、および他の公共の場に見いだしうる。サインは、典型的には、グラフィックス(画像および/または文字を含む)が上置されるイルミネーション面を有する筐体を含む。本明細書に記載のデバイスとの関連では、グラフィックスは、光学カバー構造体16、18、36、38、40、および42の一部分上に配置しうるか、その一部分を形成しうる。また、いくつかの実施形態では、基材12、32上の反射表面の一部分として形成可能である。
【0062】
本明細書に記載のイルミネーションデバイスは、オーバーヘッドドーム照明具、グローブボックス照明具、床照明具、マップ灯、ミラー灯、装飾灯、後部窓ブレーキ灯などのような照明具を伝統的に備えた乗物の任意の表面上で使用するのに好適である。そのほかに、本明細書に記載のイルミネーションデバイスは、先行技術の照明システムが利用困難または利用不可能である場所に照明具を提供するのに好適である。デバイスの薄型構成および光源の構成に基づいて、本開示に係るイルミネーションデバイスは、限られたスペース内に設置可能である。
【0063】
当業者であればわかるであろうが、好適なイルミネーションデバイスを提供すべく、本明細書に記載の要素の種々の組合せが可能である。たとえば、導電性領域を可撓性材料から作製するだけでなく、本開示に係る開示された基材を他の可撓性材料から形成することも可能であると予想される。たとえば、3Mカンパニー(3M Company)から「フレキシブル・サーキット(Flexible Circuit)」という商品名で入手されるようなポリエステルテレフタレート(PET)上またはポリアミド上の銅食刻回路。バージニア州マーチンズビルのシーピーフィルムズ(CP Films,Inc.,Martinsville Virginia)から入手されるポリエステルフィルム上にインジウムスズ酸化物(ITO)をパターンスパッターコーティングすることにより、透明導電性領域を作製することも可能である。導電性領域のパターンを形成するのに利用可能な他の選択肢は、ITO被覆ポリエステルの全シートからパターンのレーザーアブレーションまたはエッチングを行うことである。
【0064】
保護カバー(たとえば42)は、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,St.Paul,Minnesota)から「スコッチカル(Scotchcal)」という商品名で入手されるキャストポリビニルクロリドフィルムのような他の透明整合性テープから形成可能である。さらに、LED光源からの強度を拡散させたりもしくは再方向付けしたりするために、フィルムをテクスチャー化して拡散体を形成したり、構造化したり、もしくはマイクロ構造化したりすることが可能であり、または他の照明効果を得るために、着色したり、もしくは3Mカンパニー(3M Company)から「ビキュイティ(Vikuiti)」および「フォトニクス・フィルター・フィルム(Photonics Filter Film)」のような商品名で入手される多層光学フィルム(MOF)などの他の光学的変性フィルムを利用したりすることが可能である。同様に、光テープの表面にラミネートしうる他の形態の輝度向上フィルムが存在する。それらは、それぞれ、その特別な光学的性質に基づいて、輝度および目視角を制御すべく、単独でまたは組み合わせて使用される。
【0065】
保護カバーはまた、ウレタン、シリコーン、アクリレート、ポリビニルブチラール、または構造特性もしくは光学特性に基づいて選択される他のポリマーのようなコーティングで構成することも可能である。これらの保護コーティングは、それらの基本形態で使用しうるか、または拡散性、均一性の向上、色の変更などのために、ナノ粒子、ガラスマイクロスフェアなどを含みうる。
【0066】
さらに、本発明に係るイルミネーションデバイスは、ボタン、コーヒーカップ、交通用視線誘導標、ウィンドウハウジング、ボディーサイドモールディング、バンパーカバー、家具、カウンタートップ、便座、シャワードアなどをはじめとする種々のイルミネーション付き製品の形態に成形可能であると考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
さらにまた、開示されたイルミネーションデバイスは、他の選択肢として、LEDを保護したり屈折率整合を提供したりするために、アクリル樹脂、ポリビニルブチラールポリマー、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、またはシリコーン樹脂などをはじめとする他の好適な材料で被覆可能であると考えられる。ガラスビーズ、シリカ粒子、繊維、または顔料のような拡散性要素を樹脂に充填することが可能である。
【0068】
図に示されるイルミネーションデバイスは、ほぼ平面状の物品としてデバイスを示しているが、当然のことながら、デバイスは、湾曲した物品として作製することも可能である。当業者であればわかるであろうが、種々の構成の光源と共に光管理デバイスのさまざまな組合せを利用してイルミネーションデバイスを作製することが可能である。さらに、当業者であればわかるであろうが、図1〜4に示される構造全体をハウジング内に収容することが可能である。
【0069】
本明細書に記載のイルミネーションデバイスの光学的品質は、追加の光管理フィルムまたは光管理フィルム層を使用することによりさらに向上させることが可能である。本明細書に記載のイルミネーションデバイスに使用するのに好適な光管理デバイスとしては、グレアおよび反射の管理を行う光制御フィルム、プリズム輝度向上フィルム、拡散フィルム、反射フィルム、反射偏光輝度向上フィルム、反射体、および方向変換フィルムが挙げられる。
【0070】
同様に、当業者であればわかるであろうが、本明細書に記載のデバイスで使用される光源は、さまざまな形態で提供可能である。光源は、たとえば、1種以上のLEDの線形もしくは非線形のアレイまたは他の形態の光源(たとえば、蛍光ランプもしくは白熱ランプ、エレクトロルミネセンス灯など)でありうる。他の例では、LED灯のマトリックスまたはグリッドを使用することが可能である。いくつかの例では、光は、着色したものでありうる。さらに他の例では、2種以上の光源をイルミネーションデバイス中に提供しうる。光源は、調光制御、オン/オフ制御、色制御などを含みうる。
【0071】
以上に照らして、本開示は、薄型で、効率的で、イルミネーションが均一で、かつ審美的に魅力のあるイルミネーションデバイスを提供する。このほかに、開示されたイルミネーションデバイスの態様は、使用容易性、たとえば、表面(自動車の窓や他の内表面もしくは外表面など)への装着容易性を提供する。
【0072】
以上に詳述された例は、単に例示および説明を目的として提供されているにすぎず、これらに限定されるものではない。したがって、本開示は、以上に開示された根底をなす基本原理の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲に含まれる任意のさらなる修正形態、変更形態、または等価形態を包含するとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
該基材上に配設された少なくとも1つの導電性領域と、
該基材の表面上に配設されたかつ該少なくとも1つの導電性領域に電気結合された少なくとも1つの光源と、
該少なくとも1つの光源と該少なくとも1つの導電性領域の少なくとも一部分とを封入するように該基材と該少なくとも1つの光源との上に配設された少なくとも1層の光透過性層と、
を含む、イルミネーションデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1層の光透過性層が透明または半透明のうちの1つである、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1層の光透過性層が偏光フィルムである、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1層の光透過性層が光拡散体である、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1層の光透過性層が光透過性接着剤で構成される、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項6】
前記光透過性接着剤を用いて前記第1の光透過層の表面に固着された第2の光透過性層
をさらに含む、請求項5に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項7】
前記基材および前記第2の光透過性層がガラスまたはガラスエポキシのうちの1つである、請求項6に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項8】
前記基材が、光透過性であるように構成される、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項9】
前記光透過性基材が、透明、半透明、屈折性、回折性、反射性、または拡散性のうちの少なくとも1つである、請求項7に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項10】
前記基材が、熱伝導性であるように構成される、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの導電性領域が、導電性のインク、塗料、接着剤、インジウムスズ酸化物、および導電性のポリマーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの導電性領域が、銅、銀、金、アルミニウム、パラジウム、およびチタンのうちの少なくとも1つで構成された金属導体を含む、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの導電性領域が、光透過性である導電体で構成される、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項14】
前記導電体が透明および半透明のうちの1つである、請求項13に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項15】
前記基材が可撓性である、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項16】
前記イルミネーションデバイスが少なくとも2つの光管理デバイスを含有する、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項17】
前記基材と前記少なくとも1つの光源との上に配設された第1の透過性層と、該第1の透過性層の上に配設された第2の透過性層と、を含む少なくとも2層の光透過性層を含む、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項18】
前記光透過性層のうちの少なくとも1つが、透明、半透明、屈折性、回折性、拡散性、または反射性のうちの1つである、請求項17に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項19】
前記光透過性層のうちの少なくとも1つが輝度向上フィルム(BEF)である、請求項17に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項20】
前記第2の透過性層の上に配設されたカバーをさらに含む、請求項17に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項21】
前記カバーが、透明、半透明、屈折性、回折性、拡散性、または反射性のうちの1つである、請求項20に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項22】
前記基材の形状がほぼ平面状である、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項23】
前記基材が湾曲している、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項24】
自動車と組み合わされる、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項25】
建築物と組み合わされる、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項26】
イルミネーションサインと組み合わされる、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項27】
基材の表面上に少なくとも1種の導電性材料を配設することと、
該基材の表面上に、かつ該少なくとも1種の導電性材料に電気結合された状態で、少なくとも1つの光源を配設することと、
該少なくとも1つの光源と該導電性材料の少なくとも一部分とを封入するように該導電性材料と該基材の表面の少なくとも一部分との上に少なくとも1層の光透過性層を配設することと、
を含む、イルミネーションデバイスの作製方法。
【請求項28】
前記少なくとも1層の光透過性層が透明または半透明のうちの1つである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1層の光透過性層が偏光フィルムである、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1層の光透過性層が光拡散体である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1層の光透過性層が光透過性接着剤シロップで構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記光透過性接着剤シロップの表面上に剥離ライナーを適用することと、
前記光透過性接着剤シロップを硬化させることと、
該剥離ライナーを除去することと、
硬化された前記光透過性接着剤シロップの上に第2の光透過性層を配設することと、
をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記基材および前記第2の光透過性層がガラスまたはガラスエポキシのうちの1つである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記基材が、光透過性であるように構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記光透過性基材が、透明、半透明、屈折性、回折性、反射性、または拡散性のうちの少なくとも1つである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記基材が、熱伝導性であるように構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの導電性領域が、導電性のインク、塗料、接着剤、インジウムスズ酸化物、および導電性のポリマーのうちの少なくとも1つを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの導電性領域が、銅、銀、金、アルミニウム、パラジウム、およびチタンのうちの少なくとも1つで構成された金属導体を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つの導電性領域が、光透過性である導電体で構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
前記導電体が透明および半透明のうちの1つである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記基材が可撓性である、請求項27に記載の方法。
【請求項42】
前記イルミネーションデバイスが少なくとも2つの光管理デバイスを含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項43】
少なくとも2層の光透過性層を含むようにすることが、前記基材と前記少なくとも1つの光源との上に第1の透過性層を配設することと、該第1の透過性層の上に第2の透過性層を配設することと、を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項44】
前記光透過性層のうちの少なくとも1つが、透明、半透明、屈折性、回折性、拡散性、または反射性のうちの1つである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記光透過性層のうちの少なくとも1つが輝度向上フィルム(BEF)である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第2の透過性層の上にカバーを配設することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記カバーが、透明、半透明、屈折性、回折性、拡散性、または反射性のうちの1つである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記基材の形状がほぼ平面状である、請求項27に記載の方法。
【請求項49】
前記基材が湾曲している、請求項27に記載の方法。
【請求項50】
前記基材の表面上に少なくとも1種の導電性材料を配設することが、プリンティング、スプレーイング、ブレードコーティング、ロールコーティング、蒸気コーティング、プラズマコーティング、電気メッキ、および無電解メッキからなる群から選択されるプロセスを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項51】
前記基材の表面上に少なくとも1種の導電性材料を配設することが、スクリーンプリンティング、シャドウマスキング、フォトリソグラフィー、エッチング、アブレーティング、およびレーザー誘起サーマルイメージングからなる群から選択されるプロセスを用いて、導電性材料の所定のパターンを形成することを含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−92787(P2013−92787A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−272529(P2012−272529)
【出願日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【分割の表示】特願2008−526312(P2008−526312)の分割
【原出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】