インキ組成物
【課題】ハードケーキを形成せず、保存安定性に優れてペン先から円滑に流出させることができ、しかも筆跡が光沢度を示すことができる筆記具用油性金属光沢インキ組成物を得ることが課題とされていた。
【解決手段】(a)平均粒子径が1〜10μmである金属粉顔料
(b)必要によりポリエーテルリン酸エステル
(c)プロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルセロソルブ
(d)アセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂
(e)ワックスディスパージョン
(f)必要により変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤
を含有してなる筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
【解決手段】(a)平均粒子径が1〜10μmである金属粉顔料
(b)必要によりポリエーテルリン酸エステル
(c)プロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルセロソルブ
(d)アセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂
(e)ワックスディスパージョン
(f)必要により変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤
を含有してなる筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェルトチップペン、ラインマーカ、ホワイトボードマーカ等用のインキ及び筆記具に関するものであり、詳細には金属粉顔料を含有するインキを使用した筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、黄銅やアルミニウム等の金属粉顔料、ポリエーテルリン酸エステル、プロピレングリコールモノメチルエーテルとブチルセロソルブ等の混合溶剤、シクロヘキサノン−ホルムアルデヒド樹脂を含有するか、さらに疎水性シリカを含有してなるマーキングペン用金属粉顔料インキ組成物を、中芯式マーキングペンに用いること、そのような組成物を採用することにより、光沢を有すると共に、特に疎水性シリカを含有させた場合には保存安定性が優れることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−209249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、金属粉顔料インキ組成物は、樹脂や分散剤のみによっても比重が重い金属粉がハードケーキを形成する。
また、疑似凝集系の揺変剤を使用すると、確かにハードケーキの形成を防止できるものの、金属粉と揺変剤とにより形成される網目構造によって、金属粉がペン先から流出しにくいという問題がある。
これらの問題の発生を防止するために、特許文献1に記載されたようにマーキングペン用疎水性シリカを揺変剤として使用することによって、確かに金属粉によるハードケーキの形成は解消する。
【0005】
しかしながら、この場合には、金属粉の表面を疎水性シリカが覆ってしまうので、金属粉による光沢の発生を阻害することになり、ひいては筆跡の光沢度が低下するという新たな問題、さらには、非吸収面に対する筆跡の接着性が良くない状況が発生している。
このため、ハードケーキを形成せず、保存安定性に優れてペン先から円滑に流出させることができ、しかも筆跡が光沢度を示すことができ、非吸収面に対する筆跡の接着性が優れた筆記具用油性金属光沢インキ組成物を得ることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、下記の手段を採用することにより、上記の課題が解決されることを見出した。
1.(a)平均粒子径が1〜10μmである金属粉顔料
(b)必要によりポリエーテルリン酸エステル
(c)プロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルセロソルブを含有する溶剤
(d)アセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂
(e)ワックスディスパージョン
(f)必要により変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤
を含有してなる筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
2.金属粉顔料が真鍮顔料又はアルミニウム顔料である1に記載の筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
3.上記の1又は2に記載の筆記具用油性金属光沢インキ組成物を充填してなる筆記具。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ハードケーキを形成せず、保存安定性に優れて適度な粘度を示してペン先から円滑に流出させることができ、しかも筆跡が光沢度を示すことができ、しかも、非吸収面に対する筆跡の接着性に優れる筆記具用油性金属光沢インキ組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は金属粉顔料を含む筆記具用油性金属光沢インキ組成物であって、上記の効果を奏するために特定の組成とすることに特徴を有するものである。そこで、以下において順に説明する。
【0009】
[本発明の組成物を使用できる筆記具]
本発明の筆記具用油性金属光沢インキ組成物を使用することができる筆記具としては、中芯式マーカー等の筆記具の軸に中芯を配置してなる筆記具、フェルトペン、ボールペン、筆ペン等が挙げられる。
【0010】
[金属粉顔料]
本発明におけるインキに含有される金属粉顔料は、球状、鱗片状等の任意の形状の顔料でよく、干渉顔料、パール顔料、金属粉顔料、金属被覆無機顔料、ガラスフレーク顔料といわれる顔料等であり、その平均粒子径は1〜10μmであり、好ましくは3〜7μmである。平均粒子径が1〜10μmの範囲内であると、インク組成物中の顔料として分散性に優れ、且つ筆記性も良好であり、明確に金属光沢を発現することができる。
そのような金属粉顔料はインキ中に5〜40wt%含有され、好ましくは8〜35wt%である。40wt%を超えると、インキ組成物の粘度が高くなりすぎ、かつ固形分も多くなるため、筆記性が悪化したり、目詰まりを起こすことになる。また、5wt%未満であると筆跡に金属光沢を得ることができなくなる。
【0011】
金属顔料の中でも球状の顔料としては、真鍮、アルミニウム等の金属からなる顔料を使用することができる。本発明の筆記具用油性金属光沢インキ組成物に添加することを考慮すると、比重がなるべく小さいほうがより分散性を向上させることができ、さらに金属光沢を有する筆跡を得ようとすると、金属表面での光の反射率が高いほうが好ましい。
【0012】
金属顔料の中でも鱗片状顔料としては、アルミニウムフレークやステンレスフレーク等を採用できるし、さらに、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、錫およびこれらの合金から選ばれる少なくとも一つからなる基材に、金属酸化物被膜、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化錫等、フッ化マグネシウム等のフッ化物、銀、銅等の金属等の被膜を2層以上被覆することにより、顔料表面での干渉により反射光が着色する顔料を使用できる。このように干渉による反射光の着色を利用すると任意の反射光とすることができ、本発明の組成物による金属光沢の色を多様とすることができる。
特に鱗片状のアルミニウム粉末に、シリカ層、銀層、樹脂層を順に積層させてなるクロマシャイン(東洋アルミニウム)、鱗片状のアルミニウム粉末にフッ化マグネシウム層とクロム層とを順に設けてなるクロマフレア(JDS UNIPASE Corp.)を使用することができる。
【0013】
なかでも、真鍮顔料としては、エカルト社製OffsetSuper3000,RotoflexA-209,Rotosafe700 421, Rotosafe700 521,Rotovario580 442、福田金属箔粉製No.700,No7000,MH-670,MH-770、アルミニウム顔料としては、エカルト社製STAPA15,20,30,40,Rotovario506,903silver,Rotosafe760,STANDART Chromal X、東洋アルミニウム社製アルペーストWXM0660,WXM0650を使用することができる。
さらに、Rotosafe700 421, Rotosafe700 521, OffsetSuper3000, Rotovario506,903silver, STAPA20,30,40が好ましい。
【0014】
これらの金属顔料としては、好ましくはリン酸エステル系、リン酸塩およびリン化物、ヴァナジン酸塩、クロム類二量体酸、ダイマー酸などで処理したもの、樹脂により被覆されたもの等を使用でき、さらに下記のような各種の顔料や染料を併用することも可能である。
【0015】
パール顔料としては、光輝感に優れるものであれば特に限定されず、屈折率の低い天然マイカや、合成マイカ、板状シリカ、板状アルミナの表面を屈折率の高い金属酸化物、金属窒化物等の金属化合物で被覆したものや、魚鱗箔、塩基性炭酸塩、オキシ塩化ビスマスがあるが、天然マイカや合成マイカに酸化チタン層と酸化鉄層を順に積層させてなるバリオクロム(BASF)、あるいは天然マイカや合成マイカに酸化チタンと酸化鉄の混合層金属酸化物で被覆したもの(メルク等)、アルミと酸化鉄からなる鱗片状顔料表面にシリカ層と酸化鉄層を順に設けてなるバリオクロム(BASF)が好ましい。パール顔料は屈折率の異なる平行な面での規則的な多重反射によって光沢が出るものである。市販されているパール顔料としては、Iriodin100(粒子径10〜60μm、シルバー色)、Iriodin103(同10〜50μm、シルバー色)、Iriodin300(同10〜60μm、金色)、Iriodin302(同5〜20μm、金色)、Iriodin323(同5〜20μm、金色)、Iriodin504(同10〜60μm、赤色)、Iriodin524(同5〜20μm、赤色)、Iiriodin502(同10〜60μm、ブロンズ色)、Iriodin520(同5〜20μm、ブロンズ色)(以上、メルクジャパン社製)や、ULTIMICA SB−100(同5〜30μm、シルバー色)、ULTIMICA SD−100(同10〜60μm、シルバー色)、ULTIMICA RYB−100(同5〜30μm、金色)、ULTIMICA RYD−100(同10〜60μm、金色)(以上、日本光研工業社製)や、TAYCAPEARL TP−500(同10〜70μm、シルバー色)、TAYCAPEARL TPX−720(同7〜45μm、シルバー色)(以上、テイカ社製)がある。パール顔料は、単独でも2種以上併用しても使用できる。
【0016】
金属被覆顔料としては、天然雲母、合成雲母、板状シリカ、板状アルミナ等の基体をアルミニウム、クロム、銀等の金属により被覆してなる顔料を使用できる。
【0017】
ガラスフレーク顔料は、一例を挙げれば、フレーク状ガラスの表面に金属、又はガラスより屈折率の高い金属酸化物が被覆されてなるものである。フレーク状ガラスの平均粒径(長手方向の寸法)は1〜500μmであり、平均厚みは0.1〜10μmである。本実施形態のフレーク状ガラスの化学組成としては、特に限定されるものではなく、Eガラス組成、Cガラス組成、Aガラス組成等の数種類が挙げられる。フレーク状ガラスの屈折率は、その化学組成に関わらず1.4〜1.7の範囲内にある。
【0018】
フレーク状ガラスの表面に被覆される金属としては、銀、チタン、ニッケル、金、白金、パラジウム、コバルト、銅、又はこれらの合金等が挙げられる。これらの中でも、コスト面及び品質面の双方において優れていることから、銀、チタン、ニッケル又はこれらの合金が好ましい。フレーク状ガラスの表面に金属を被覆する場合、その被覆膜の厚みは0.04〜0.2μmが好ましく、0.05〜0.15μmがより好ましい。この被覆膜の厚みが0.04μm未満の場合は、十分な光輝性が得られない可能性が高い。一方、被覆膜の厚みが0.2μmを超える場合には、金属の使用量の割りには光輝性が向上しなくなり、経済的でない。
【0019】
一方、フレーク状ガラスの表面に被覆される金属酸化物としては、油性インキ組成物の光輝性を高めるべく、ガラスより屈折率が高いものが使用される。この種の金属酸化物としては、屈折率が2.0〜3.0のものが好ましく、その具体例としては、アナターゼ型二酸化チタン(屈折率:約2.5)、ルチル型二酸化チタン(屈折率:約2.7)、酸化鉄(屈折率:約2.4〜2.7)、二酸化ジルコニウム(屈折率:約2.1)等が挙げられる。これらの中でも、化学的耐久性やコスト面に特に優れていることから、アナターゼ型二酸化チタン及びルチル型二酸化チタンのいずれかが好ましく、ルチル型二酸化チタンが最も好ましい。
【0020】
金属酸化物の被覆膜は、金属酸化物の種類や要求される光輝性の程度、或いは干渉色等によって適宜調整されるが、その厚みは0.01〜1μmが好ましく、0.03〜0.8μmがより好ましい。金属酸化物の被覆膜の厚みが0.01μm未満の場合には、十分な光輝性が得られない可能性が高い。一方、金属酸化物の被覆膜の厚みが1μmを超える場合には、金属酸化物の使用量の割りには光輝性が向上しなくなり、経済的でない。
【0021】
また、フレ−ク状ガラスがスパッタリング法により金属で被覆されたガラスフレーク顔料も使用することができる。例えば、銀で被覆された東洋アルミニウム社製の商品名「クリスタルカラーGF2125」、「クリスタルカラーGF2125−M」、「クリスタルカラーGF2140」、「クリスタルカラーGF2140−M」がある。また、ニッケル・クロム・モリブデンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF2525」、「クリスタルカラーGF2525−M」、「クリスタルカラーGF2540」、「クリスタルカラーGF2540−M」がある。また、真鍮で被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF250」、銀合金で被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1345」、チタンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1445」がある。
【0022】
本発明のインキ組成物には、鱗片状顔料の他に公知の着色剤を配合することが可能であり、そのような着色料としては、本発明におけるインキに溶解される染料や、分散が可能な顔料が挙げられる。
染料としては、塩基性染料、直接染料、酸性染料等の各種の染料を使用でき、具体的にはフタロシアニン系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、ハロゲン化フタロシアニン系、イソインドリノン系、アゾメチン金属錯体系、インダンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ベンゾイミダゾロン系、縮合アゾ系、トリフェニルメタン系、キノフタロン系、アントラピリミジン系等の染料である。
顔料としては、無機顔料や有機顔料を使用することができ、例えば、酸化チタン、酸化鉄、亜鉛華、コバルトブルー、群青、黄鉛、カーボンブラック、フタロシアニン系、アンスラキノン系、アゾ系、キナクリドン系等が挙げられる。
【0023】
[溶剤]
本発明は溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルセロソルブ(エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル)を使用し、さらに溶剤を併用する場合には、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルから少なくとも1種を選択してもよい。
プロピレングリコールモノメチルエーテルは安全性が高く、臭気が少ない溶剤であるが、単独にて使用すると筆跡の乾燥速度が速すぎるので、金属粉のリーフィング性が悪く光沢が低下する。そこで、プロピレングリコールモノメチルエーテルよりも蒸気圧が低いブチルセロソルブ(エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル)を併用することにより、速乾性を損なわず、リーフィング性を向上させることができる。
本発明のインキ組成物において、上記のプロピレングリコールモノメチルエーテルは、該インキ組成物中に50〜90wt%、好ましくは55〜75wt%となるように含有させることができ、ブチルセロソルブは、該インキ組成物中に1〜10wt、好ましくは2〜7wt%となるように含有させることができ、溶剤の含有割合が10wt%を超えると乾燥性が悪化し、1wt%未満であると、筆跡における光沢感の向上が不十分である。
これらの溶剤を使用することにより、金属顔料表面に溶剤を存在させて、より安定性が良好な状態にてインキ中に分散させることができる。
【0024】
ただし、そのような分散安定性を阻害しない範囲において、その他の溶剤を添加することも可能であり、そのような溶剤としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルから少なくとも1種の他に、例えば、ミネラルスピリット、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、などの芳香族炭化水素、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、などのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、などのアルコール類、n−プロパノン、2−ブタノン、などのケトン類テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル等が挙げられる。
【0025】
[分散剤]
本発明のインキ組成物に必要に応じて添加される分散剤としては、ポリエーテルリン酸エステル(楠本化成ディスパロンDA−375)を使用することができる。この分散剤は本発明のインキ組成物中に1〜10wt%の範囲内で添加することができ、更に好ましくは1.5〜8wt%の範囲で添加することができる。これにより、光沢を低下させず、ハードケーキも生成せず、確実に分散できるので、中芯式のマーカーとした場合でもチップから金属粉が流出して、連続筆記でも光沢のある筆跡が得られる。
ポリエーテルリン酸エステルの含有量が10wt%を超えると、分散破壊を起こすので、金属粉の分散が不十分となり、筆記具のチップから金属粉が流出しない可能性がある。逆に添加量が1wt%未満であると、分散不良を発生するので、金属粉の分散が不十分となり、同じく筆記具のチップから金属粉が流出しない可能性がある。
【0026】
[樹脂]
本発明のインキ組成物に配合される樹脂は、該組成物に接着性を付与すると共に顔料の分散安定性を向上させて、金属粉顔料がハードケーキを形成することを防止する作用を発揮する。
このような作用を発揮する樹脂として、本発明においては、アセトフェノン−アルデヒド樹脂を採用することができる。そのような樹脂としては、エボニックデグサ社のTEGO VARIPLUS APや日立化成社のハイラック110Hを採用することができるが、特にエボニックデグサ社のTEGO VARIPLUS APが好ましい。
又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂を採用することができる。そのような樹脂としては、日立化成製ヒタノール1140(軟化点126〜145℃)1133(軟化点123〜145℃)が挙げられる。
これらの樹脂は本発明のインキ組成物中に、5〜30wt%となるように配合し、好ましくは7〜25wt%とする。30wt%を超えると、インキ組成物の粘度が高くなり、ペン先からインキが流出しにくくなるし、逆に5wt%未満であると、筆跡の接着性が低下して剥離しやすくなるとともに、経時によりインキ組成物中にて金属粉顔料がハードケーキを形成しやすくなり、ペンを保存することにより目詰まりによるカスレを生じることとなる。
【0027】
本発明においては、アセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂を使用することの効果を阻害しない範囲にて、上記のアセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂と共に公知の各種のインキ用樹脂を添加することも可能である。
そのような樹脂として例えば、アルキッド樹脂、ケトン樹脂、アミド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリメタクリル酸エステル、α−及びβ−ピネン・フェノール重縮合樹脂、マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物等が挙げられる。そしてこれらの樹脂のうちの一種又は二種以上を使用することができる。
【0028】
[ワックスディスパージョン]
本発明においては、剪断力が加えられることによって、疑似凝集系ではない一時的な網目構造が破壊されるような成分として揺変剤あるいはチキソトロピー付与剤といわれる成分をインキに添加できる。このような揺変剤としては、ワックスディスパージョンを使用する。ワックスディスパージョンを使用すると、金属粉顔料よりも小粒子径であるワックスディスパージョンの粒子が金属粉の間に入り込むので、金属粉同士が固着することによるハードケーキの形成を防止できる。この結果網目構造を取ることがないので中芯式のマーカーによっても金属粉を円滑にペン先から流出させることが可能である。
このようなワックスディスパージョンとしては、BYK社CERAFAK103,106,110,111,CERATIX8461,8463,8466を採用することができ、中でも、CERAFAK111が好ましい。
ワックスディスパージョンは、本発明のインキ組成物中において1〜10wt%となるように配合し、特に2〜5wt%となるように配合することが好ましい。
10wt%を超えると、粘度が高くなり、ペン先からインキが流出しにくくなり、1wt%未満であると、経時によって金属粉顔料がハードケーキを形成し、ペンの保存で目詰まりによるカスレを生じることになる。
【0029】
[変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤]
疑似凝集系の揺変剤としても機能し、必要により使用される成分であり、これによる疑似凝集の形成はせん断力によって速やかに疑似凝集が解消される性質を備えている。
変性ウレアとしては楠本化成社ディスバロンGT-1001、BYK社BYK-410,420,425,430,431を使用することができ、中でもBYK-431を使用することが好ましい。
硫酸エステル系アニオン活性剤としては、共栄社化学フローノンSD-700,SDR-80を使用することができ、中でもフローノンSD-700を使用することが好ましい。
変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤を配合する場合には、本発明のインキ組成物中において0.1〜5wt%となるように配合し、特に0.2〜2wt%となるように配合することが好ましい。
5wt%を超えると、揺変性が高くなりすぎてペン先からインキが流出しにくくなり、0.1wt%未満であると、経時によって金属粉顔料がハードケーキを形成し、ペンの保存で目詰まりによるカスレを生じる可能性が高くなる。
上記のワックスディスパージョンのみを使用する場合よりも、さらに高いハードケーキの形成防止効果を求め、特に経時での目詰まりやカスレ、濃淡の発生を防止することを必要とするときには、変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤を併用することが必要となる。
変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤を使用することによって、さらにペン先からの金属粉の流出を保ったまま揺変性を向上させ、ハードケーキ防止効果も向上させることができる。
【0030】
[他の成分]
本発明のインキ組成物には、必要に応じ、塗膜の多様な色彩、および、優れた光輝性を損なわない程度において、通常配合されている界面活性剤、硬化剤、紫外線吸収剤、静電気除去剤、増粘剤、カップリング剤、可塑剤、分散剤、酸化防止剤、艶出し剤、合成保存剤、潤滑剤、などの各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
【実施例】
【0031】
[筆記具の製造]
金属粉顔料、溶剤を仕込み、50℃になるまで加熱攪拌し、50℃になったところで、樹脂及び分散剤を加えて、50℃の条件下で2時間攪拌して金属粉顔料を分散させる。
その後、加熱を止めて、30℃以下になるまで攪拌した後に、揺変剤であるワックスディスパージョンを加えて、さらに常温にて1時間攪拌を続ける。
このようにして製造したインキ組成物を中芯に充填して、繊維束でできたチップを備えるマーカーに組んで筆記具とする。
使用する物質としては表1〜3に記載のものを用いて、上記の製造方法によりインキ組成物を製造した。
【0032】
[評価]
[インキ粘度]
ELD型粘度計1.34°コーン回転数2.5rpm、及び50rpmで粘度を測定。
[インキ光沢度]
作成したインキ組成物を20μmのバーコーターでpHケン紙上に塗布する。乾燥した塗膜の光沢度をHORIBA社製ハンディ光沢度計(グロスチェッカーIG−310)で測定する。
[保存安定性]
○・・・正立、倒立保存品で大きな濃淡差なし、カスレ書き出し5丸以内で復帰。
△・・・正立、倒立保存品で濃淡あり、カスレは10丸程度の筆記で復帰。
×・・・カスレて書けない。もしくは金属粉が全く流出しない。
[連続筆記]
角度65°、筆記荷重50gで7cm/秒の速さでJIS筆記試験紙に連続した丸を筆記し、筆記可能距離を目視で判断する(光沢がなくなったり、筆跡がカスレたところを終点とする)。
[接着性]
ガラス、PP、アルミ板上に10cmの直線を引き、一晩乾燥させる。乾燥後の筆跡を指で1kgの加重をかけて1回擦る。擦った後の筆跡の状態を目視で観察し評価する。
○・・・指で擦っても変化なし
△・・・指で擦ると、筆跡が一部剥がれる
×・・・指で擦ると筆跡が完全に剥がれる
[TI値]
TI値(チキソトロピーインデックス)は上記のインキ粘度の測定結果を基にして次式から求められる。
TI値=2.5rpmでのインキ粘度/50rpmでのインキ粘度
【0033】
【表1】
Rotovario506 903 Silverはブチルセロソルブ30%含有のペースト状製品
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
実施例1〜3のインキ組成物は、いずれも、ブチルセロソルブとワックスディスパージョンを併用してなるインキ組成物であるが、このような実施例のインキ組成物によれば、回転数が2.5rpm、50rpmのいずれの条件における粘度も低粘度となり、該インキ組成物の塗膜の光沢度が22や23と高い値を示す。
また実施例4のインキ組成物は、含有する顔料が実施例1〜3のインキ組成物とは異なるので、その顔料の特性を反映して、実施例1〜3よりも光沢度が低いが、実施例4と同じ顔料を使用するものの、ワックスディスパージョンを使用せず疎水性シリカを含有する比較例4のインキ組成物よりも光沢度は高くなっている。
そして実施例1〜4のインキ組成物は、連続筆記距離は保存性も極めて良好であるから、金属粉顔料が凝集せず、十分な光沢を呈するように筆記できるインキ組成物であることが理解できる。
【0037】
これに対して、比較例1のワックスディスパージョン及び疎水性シリカを含まないインキ組成物によれば、回転数が2.5rpm、50rpmのいずれの条件における粘度も低粘度となり、連続筆記距離は長く疎水性シリカを含有しないので光沢度も高いが、保存安定性は良くなかった。
この比較例1に対して、ワックスディスパージョンは配合しないが、疎水性シリカを配合した比較例2〜4のインキ組成物は、連続筆記距離は長いものの、回転数2.5rpmでの粘度が高く、かつ光沢度が低下し、保存安定性は比較例1のインキ組成物と同程度であるインキ組成物である。
これらの実施例及び比較例の結果によれば、本発明のインキ組成物は、ワックスディスパージョンを含有することによって、保存安定性と光沢度が共に良好であるという顕著な効果を発揮することが明らかである。
【0038】
実施例5及び6は、樹脂として軟化点100℃以上のフェノール樹脂を使用したインキ組成物の例である。この例によれば、粘度が低く、連続筆記距離が長く、ガラス、PP、アルミの各板に対する接着性が良好であることに加えて、保存性が良好であるという効果を奏する。これに対し、比較例5のように、ワックスディスパージョンを含有しないインキ組成物は保存性が劣り、比較例6に示すインキ組成物のように、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を使用しないインキ組成物は、PP板やアルミ板に対する接着性に劣るものである。
【0039】
表3に記載の結果によれば、フローノンSD=700又はBYK−431を含有する実施例7〜9のインキ組成物は、高いTI値を有し、高い光沢度、優れた接着性、保存安定性を備え、十分な連続筆記距離を有するのに対し比較例7及び8(で示すインキ組成物は、ワックスディスパージョンを含有しないために、連続筆記距離が短く、保存安定性に劣るものであった。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェルトチップペン、ラインマーカ、ホワイトボードマーカ等用のインキ及び筆記具に関するものであり、詳細には金属粉顔料を含有するインキを使用した筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、黄銅やアルミニウム等の金属粉顔料、ポリエーテルリン酸エステル、プロピレングリコールモノメチルエーテルとブチルセロソルブ等の混合溶剤、シクロヘキサノン−ホルムアルデヒド樹脂を含有するか、さらに疎水性シリカを含有してなるマーキングペン用金属粉顔料インキ組成物を、中芯式マーキングペンに用いること、そのような組成物を採用することにより、光沢を有すると共に、特に疎水性シリカを含有させた場合には保存安定性が優れることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−209249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、金属粉顔料インキ組成物は、樹脂や分散剤のみによっても比重が重い金属粉がハードケーキを形成する。
また、疑似凝集系の揺変剤を使用すると、確かにハードケーキの形成を防止できるものの、金属粉と揺変剤とにより形成される網目構造によって、金属粉がペン先から流出しにくいという問題がある。
これらの問題の発生を防止するために、特許文献1に記載されたようにマーキングペン用疎水性シリカを揺変剤として使用することによって、確かに金属粉によるハードケーキの形成は解消する。
【0005】
しかしながら、この場合には、金属粉の表面を疎水性シリカが覆ってしまうので、金属粉による光沢の発生を阻害することになり、ひいては筆跡の光沢度が低下するという新たな問題、さらには、非吸収面に対する筆跡の接着性が良くない状況が発生している。
このため、ハードケーキを形成せず、保存安定性に優れてペン先から円滑に流出させることができ、しかも筆跡が光沢度を示すことができ、非吸収面に対する筆跡の接着性が優れた筆記具用油性金属光沢インキ組成物を得ることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、下記の手段を採用することにより、上記の課題が解決されることを見出した。
1.(a)平均粒子径が1〜10μmである金属粉顔料
(b)必要によりポリエーテルリン酸エステル
(c)プロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルセロソルブを含有する溶剤
(d)アセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂
(e)ワックスディスパージョン
(f)必要により変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤
を含有してなる筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
2.金属粉顔料が真鍮顔料又はアルミニウム顔料である1に記載の筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
3.上記の1又は2に記載の筆記具用油性金属光沢インキ組成物を充填してなる筆記具。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ハードケーキを形成せず、保存安定性に優れて適度な粘度を示してペン先から円滑に流出させることができ、しかも筆跡が光沢度を示すことができ、しかも、非吸収面に対する筆跡の接着性に優れる筆記具用油性金属光沢インキ組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は金属粉顔料を含む筆記具用油性金属光沢インキ組成物であって、上記の効果を奏するために特定の組成とすることに特徴を有するものである。そこで、以下において順に説明する。
【0009】
[本発明の組成物を使用できる筆記具]
本発明の筆記具用油性金属光沢インキ組成物を使用することができる筆記具としては、中芯式マーカー等の筆記具の軸に中芯を配置してなる筆記具、フェルトペン、ボールペン、筆ペン等が挙げられる。
【0010】
[金属粉顔料]
本発明におけるインキに含有される金属粉顔料は、球状、鱗片状等の任意の形状の顔料でよく、干渉顔料、パール顔料、金属粉顔料、金属被覆無機顔料、ガラスフレーク顔料といわれる顔料等であり、その平均粒子径は1〜10μmであり、好ましくは3〜7μmである。平均粒子径が1〜10μmの範囲内であると、インク組成物中の顔料として分散性に優れ、且つ筆記性も良好であり、明確に金属光沢を発現することができる。
そのような金属粉顔料はインキ中に5〜40wt%含有され、好ましくは8〜35wt%である。40wt%を超えると、インキ組成物の粘度が高くなりすぎ、かつ固形分も多くなるため、筆記性が悪化したり、目詰まりを起こすことになる。また、5wt%未満であると筆跡に金属光沢を得ることができなくなる。
【0011】
金属顔料の中でも球状の顔料としては、真鍮、アルミニウム等の金属からなる顔料を使用することができる。本発明の筆記具用油性金属光沢インキ組成物に添加することを考慮すると、比重がなるべく小さいほうがより分散性を向上させることができ、さらに金属光沢を有する筆跡を得ようとすると、金属表面での光の反射率が高いほうが好ましい。
【0012】
金属顔料の中でも鱗片状顔料としては、アルミニウムフレークやステンレスフレーク等を採用できるし、さらに、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロム、錫およびこれらの合金から選ばれる少なくとも一つからなる基材に、金属酸化物被膜、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化錫等、フッ化マグネシウム等のフッ化物、銀、銅等の金属等の被膜を2層以上被覆することにより、顔料表面での干渉により反射光が着色する顔料を使用できる。このように干渉による反射光の着色を利用すると任意の反射光とすることができ、本発明の組成物による金属光沢の色を多様とすることができる。
特に鱗片状のアルミニウム粉末に、シリカ層、銀層、樹脂層を順に積層させてなるクロマシャイン(東洋アルミニウム)、鱗片状のアルミニウム粉末にフッ化マグネシウム層とクロム層とを順に設けてなるクロマフレア(JDS UNIPASE Corp.)を使用することができる。
【0013】
なかでも、真鍮顔料としては、エカルト社製OffsetSuper3000,RotoflexA-209,Rotosafe700 421, Rotosafe700 521,Rotovario580 442、福田金属箔粉製No.700,No7000,MH-670,MH-770、アルミニウム顔料としては、エカルト社製STAPA15,20,30,40,Rotovario506,903silver,Rotosafe760,STANDART Chromal X、東洋アルミニウム社製アルペーストWXM0660,WXM0650を使用することができる。
さらに、Rotosafe700 421, Rotosafe700 521, OffsetSuper3000, Rotovario506,903silver, STAPA20,30,40が好ましい。
【0014】
これらの金属顔料としては、好ましくはリン酸エステル系、リン酸塩およびリン化物、ヴァナジン酸塩、クロム類二量体酸、ダイマー酸などで処理したもの、樹脂により被覆されたもの等を使用でき、さらに下記のような各種の顔料や染料を併用することも可能である。
【0015】
パール顔料としては、光輝感に優れるものであれば特に限定されず、屈折率の低い天然マイカや、合成マイカ、板状シリカ、板状アルミナの表面を屈折率の高い金属酸化物、金属窒化物等の金属化合物で被覆したものや、魚鱗箔、塩基性炭酸塩、オキシ塩化ビスマスがあるが、天然マイカや合成マイカに酸化チタン層と酸化鉄層を順に積層させてなるバリオクロム(BASF)、あるいは天然マイカや合成マイカに酸化チタンと酸化鉄の混合層金属酸化物で被覆したもの(メルク等)、アルミと酸化鉄からなる鱗片状顔料表面にシリカ層と酸化鉄層を順に設けてなるバリオクロム(BASF)が好ましい。パール顔料は屈折率の異なる平行な面での規則的な多重反射によって光沢が出るものである。市販されているパール顔料としては、Iriodin100(粒子径10〜60μm、シルバー色)、Iriodin103(同10〜50μm、シルバー色)、Iriodin300(同10〜60μm、金色)、Iriodin302(同5〜20μm、金色)、Iriodin323(同5〜20μm、金色)、Iriodin504(同10〜60μm、赤色)、Iriodin524(同5〜20μm、赤色)、Iiriodin502(同10〜60μm、ブロンズ色)、Iriodin520(同5〜20μm、ブロンズ色)(以上、メルクジャパン社製)や、ULTIMICA SB−100(同5〜30μm、シルバー色)、ULTIMICA SD−100(同10〜60μm、シルバー色)、ULTIMICA RYB−100(同5〜30μm、金色)、ULTIMICA RYD−100(同10〜60μm、金色)(以上、日本光研工業社製)や、TAYCAPEARL TP−500(同10〜70μm、シルバー色)、TAYCAPEARL TPX−720(同7〜45μm、シルバー色)(以上、テイカ社製)がある。パール顔料は、単独でも2種以上併用しても使用できる。
【0016】
金属被覆顔料としては、天然雲母、合成雲母、板状シリカ、板状アルミナ等の基体をアルミニウム、クロム、銀等の金属により被覆してなる顔料を使用できる。
【0017】
ガラスフレーク顔料は、一例を挙げれば、フレーク状ガラスの表面に金属、又はガラスより屈折率の高い金属酸化物が被覆されてなるものである。フレーク状ガラスの平均粒径(長手方向の寸法)は1〜500μmであり、平均厚みは0.1〜10μmである。本実施形態のフレーク状ガラスの化学組成としては、特に限定されるものではなく、Eガラス組成、Cガラス組成、Aガラス組成等の数種類が挙げられる。フレーク状ガラスの屈折率は、その化学組成に関わらず1.4〜1.7の範囲内にある。
【0018】
フレーク状ガラスの表面に被覆される金属としては、銀、チタン、ニッケル、金、白金、パラジウム、コバルト、銅、又はこれらの合金等が挙げられる。これらの中でも、コスト面及び品質面の双方において優れていることから、銀、チタン、ニッケル又はこれらの合金が好ましい。フレーク状ガラスの表面に金属を被覆する場合、その被覆膜の厚みは0.04〜0.2μmが好ましく、0.05〜0.15μmがより好ましい。この被覆膜の厚みが0.04μm未満の場合は、十分な光輝性が得られない可能性が高い。一方、被覆膜の厚みが0.2μmを超える場合には、金属の使用量の割りには光輝性が向上しなくなり、経済的でない。
【0019】
一方、フレーク状ガラスの表面に被覆される金属酸化物としては、油性インキ組成物の光輝性を高めるべく、ガラスより屈折率が高いものが使用される。この種の金属酸化物としては、屈折率が2.0〜3.0のものが好ましく、その具体例としては、アナターゼ型二酸化チタン(屈折率:約2.5)、ルチル型二酸化チタン(屈折率:約2.7)、酸化鉄(屈折率:約2.4〜2.7)、二酸化ジルコニウム(屈折率:約2.1)等が挙げられる。これらの中でも、化学的耐久性やコスト面に特に優れていることから、アナターゼ型二酸化チタン及びルチル型二酸化チタンのいずれかが好ましく、ルチル型二酸化チタンが最も好ましい。
【0020】
金属酸化物の被覆膜は、金属酸化物の種類や要求される光輝性の程度、或いは干渉色等によって適宜調整されるが、その厚みは0.01〜1μmが好ましく、0.03〜0.8μmがより好ましい。金属酸化物の被覆膜の厚みが0.01μm未満の場合には、十分な光輝性が得られない可能性が高い。一方、金属酸化物の被覆膜の厚みが1μmを超える場合には、金属酸化物の使用量の割りには光輝性が向上しなくなり、経済的でない。
【0021】
また、フレ−ク状ガラスがスパッタリング法により金属で被覆されたガラスフレーク顔料も使用することができる。例えば、銀で被覆された東洋アルミニウム社製の商品名「クリスタルカラーGF2125」、「クリスタルカラーGF2125−M」、「クリスタルカラーGF2140」、「クリスタルカラーGF2140−M」がある。また、ニッケル・クロム・モリブデンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF2525」、「クリスタルカラーGF2525−M」、「クリスタルカラーGF2540」、「クリスタルカラーGF2540−M」がある。また、真鍮で被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF250」、銀合金で被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1345」、チタンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1445」がある。
【0022】
本発明のインキ組成物には、鱗片状顔料の他に公知の着色剤を配合することが可能であり、そのような着色料としては、本発明におけるインキに溶解される染料や、分散が可能な顔料が挙げられる。
染料としては、塩基性染料、直接染料、酸性染料等の各種の染料を使用でき、具体的にはフタロシアニン系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、ハロゲン化フタロシアニン系、イソインドリノン系、アゾメチン金属錯体系、インダンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ベンゾイミダゾロン系、縮合アゾ系、トリフェニルメタン系、キノフタロン系、アントラピリミジン系等の染料である。
顔料としては、無機顔料や有機顔料を使用することができ、例えば、酸化チタン、酸化鉄、亜鉛華、コバルトブルー、群青、黄鉛、カーボンブラック、フタロシアニン系、アンスラキノン系、アゾ系、キナクリドン系等が挙げられる。
【0023】
[溶剤]
本発明は溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルセロソルブ(エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル)を使用し、さらに溶剤を併用する場合には、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルから少なくとも1種を選択してもよい。
プロピレングリコールモノメチルエーテルは安全性が高く、臭気が少ない溶剤であるが、単独にて使用すると筆跡の乾燥速度が速すぎるので、金属粉のリーフィング性が悪く光沢が低下する。そこで、プロピレングリコールモノメチルエーテルよりも蒸気圧が低いブチルセロソルブ(エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル)を併用することにより、速乾性を損なわず、リーフィング性を向上させることができる。
本発明のインキ組成物において、上記のプロピレングリコールモノメチルエーテルは、該インキ組成物中に50〜90wt%、好ましくは55〜75wt%となるように含有させることができ、ブチルセロソルブは、該インキ組成物中に1〜10wt、好ましくは2〜7wt%となるように含有させることができ、溶剤の含有割合が10wt%を超えると乾燥性が悪化し、1wt%未満であると、筆跡における光沢感の向上が不十分である。
これらの溶剤を使用することにより、金属顔料表面に溶剤を存在させて、より安定性が良好な状態にてインキ中に分散させることができる。
【0024】
ただし、そのような分散安定性を阻害しない範囲において、その他の溶剤を添加することも可能であり、そのような溶剤としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルから少なくとも1種の他に、例えば、ミネラルスピリット、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、などの芳香族炭化水素、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、などのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、などのアルコール類、n−プロパノン、2−ブタノン、などのケトン類テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル等が挙げられる。
【0025】
[分散剤]
本発明のインキ組成物に必要に応じて添加される分散剤としては、ポリエーテルリン酸エステル(楠本化成ディスパロンDA−375)を使用することができる。この分散剤は本発明のインキ組成物中に1〜10wt%の範囲内で添加することができ、更に好ましくは1.5〜8wt%の範囲で添加することができる。これにより、光沢を低下させず、ハードケーキも生成せず、確実に分散できるので、中芯式のマーカーとした場合でもチップから金属粉が流出して、連続筆記でも光沢のある筆跡が得られる。
ポリエーテルリン酸エステルの含有量が10wt%を超えると、分散破壊を起こすので、金属粉の分散が不十分となり、筆記具のチップから金属粉が流出しない可能性がある。逆に添加量が1wt%未満であると、分散不良を発生するので、金属粉の分散が不十分となり、同じく筆記具のチップから金属粉が流出しない可能性がある。
【0026】
[樹脂]
本発明のインキ組成物に配合される樹脂は、該組成物に接着性を付与すると共に顔料の分散安定性を向上させて、金属粉顔料がハードケーキを形成することを防止する作用を発揮する。
このような作用を発揮する樹脂として、本発明においては、アセトフェノン−アルデヒド樹脂を採用することができる。そのような樹脂としては、エボニックデグサ社のTEGO VARIPLUS APや日立化成社のハイラック110Hを採用することができるが、特にエボニックデグサ社のTEGO VARIPLUS APが好ましい。
又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂を採用することができる。そのような樹脂としては、日立化成製ヒタノール1140(軟化点126〜145℃)1133(軟化点123〜145℃)が挙げられる。
これらの樹脂は本発明のインキ組成物中に、5〜30wt%となるように配合し、好ましくは7〜25wt%とする。30wt%を超えると、インキ組成物の粘度が高くなり、ペン先からインキが流出しにくくなるし、逆に5wt%未満であると、筆跡の接着性が低下して剥離しやすくなるとともに、経時によりインキ組成物中にて金属粉顔料がハードケーキを形成しやすくなり、ペンを保存することにより目詰まりによるカスレを生じることとなる。
【0027】
本発明においては、アセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂を使用することの効果を阻害しない範囲にて、上記のアセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂と共に公知の各種のインキ用樹脂を添加することも可能である。
そのような樹脂として例えば、アルキッド樹脂、ケトン樹脂、アミド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリメタクリル酸エステル、α−及びβ−ピネン・フェノール重縮合樹脂、マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物等が挙げられる。そしてこれらの樹脂のうちの一種又は二種以上を使用することができる。
【0028】
[ワックスディスパージョン]
本発明においては、剪断力が加えられることによって、疑似凝集系ではない一時的な網目構造が破壊されるような成分として揺変剤あるいはチキソトロピー付与剤といわれる成分をインキに添加できる。このような揺変剤としては、ワックスディスパージョンを使用する。ワックスディスパージョンを使用すると、金属粉顔料よりも小粒子径であるワックスディスパージョンの粒子が金属粉の間に入り込むので、金属粉同士が固着することによるハードケーキの形成を防止できる。この結果網目構造を取ることがないので中芯式のマーカーによっても金属粉を円滑にペン先から流出させることが可能である。
このようなワックスディスパージョンとしては、BYK社CERAFAK103,106,110,111,CERATIX8461,8463,8466を採用することができ、中でも、CERAFAK111が好ましい。
ワックスディスパージョンは、本発明のインキ組成物中において1〜10wt%となるように配合し、特に2〜5wt%となるように配合することが好ましい。
10wt%を超えると、粘度が高くなり、ペン先からインキが流出しにくくなり、1wt%未満であると、経時によって金属粉顔料がハードケーキを形成し、ペンの保存で目詰まりによるカスレを生じることになる。
【0029】
[変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤]
疑似凝集系の揺変剤としても機能し、必要により使用される成分であり、これによる疑似凝集の形成はせん断力によって速やかに疑似凝集が解消される性質を備えている。
変性ウレアとしては楠本化成社ディスバロンGT-1001、BYK社BYK-410,420,425,430,431を使用することができ、中でもBYK-431を使用することが好ましい。
硫酸エステル系アニオン活性剤としては、共栄社化学フローノンSD-700,SDR-80を使用することができ、中でもフローノンSD-700を使用することが好ましい。
変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤を配合する場合には、本発明のインキ組成物中において0.1〜5wt%となるように配合し、特に0.2〜2wt%となるように配合することが好ましい。
5wt%を超えると、揺変性が高くなりすぎてペン先からインキが流出しにくくなり、0.1wt%未満であると、経時によって金属粉顔料がハードケーキを形成し、ペンの保存で目詰まりによるカスレを生じる可能性が高くなる。
上記のワックスディスパージョンのみを使用する場合よりも、さらに高いハードケーキの形成防止効果を求め、特に経時での目詰まりやカスレ、濃淡の発生を防止することを必要とするときには、変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤を併用することが必要となる。
変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤を使用することによって、さらにペン先からの金属粉の流出を保ったまま揺変性を向上させ、ハードケーキ防止効果も向上させることができる。
【0030】
[他の成分]
本発明のインキ組成物には、必要に応じ、塗膜の多様な色彩、および、優れた光輝性を損なわない程度において、通常配合されている界面活性剤、硬化剤、紫外線吸収剤、静電気除去剤、増粘剤、カップリング剤、可塑剤、分散剤、酸化防止剤、艶出し剤、合成保存剤、潤滑剤、などの各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
【実施例】
【0031】
[筆記具の製造]
金属粉顔料、溶剤を仕込み、50℃になるまで加熱攪拌し、50℃になったところで、樹脂及び分散剤を加えて、50℃の条件下で2時間攪拌して金属粉顔料を分散させる。
その後、加熱を止めて、30℃以下になるまで攪拌した後に、揺変剤であるワックスディスパージョンを加えて、さらに常温にて1時間攪拌を続ける。
このようにして製造したインキ組成物を中芯に充填して、繊維束でできたチップを備えるマーカーに組んで筆記具とする。
使用する物質としては表1〜3に記載のものを用いて、上記の製造方法によりインキ組成物を製造した。
【0032】
[評価]
[インキ粘度]
ELD型粘度計1.34°コーン回転数2.5rpm、及び50rpmで粘度を測定。
[インキ光沢度]
作成したインキ組成物を20μmのバーコーターでpHケン紙上に塗布する。乾燥した塗膜の光沢度をHORIBA社製ハンディ光沢度計(グロスチェッカーIG−310)で測定する。
[保存安定性]
○・・・正立、倒立保存品で大きな濃淡差なし、カスレ書き出し5丸以内で復帰。
△・・・正立、倒立保存品で濃淡あり、カスレは10丸程度の筆記で復帰。
×・・・カスレて書けない。もしくは金属粉が全く流出しない。
[連続筆記]
角度65°、筆記荷重50gで7cm/秒の速さでJIS筆記試験紙に連続した丸を筆記し、筆記可能距離を目視で判断する(光沢がなくなったり、筆跡がカスレたところを終点とする)。
[接着性]
ガラス、PP、アルミ板上に10cmの直線を引き、一晩乾燥させる。乾燥後の筆跡を指で1kgの加重をかけて1回擦る。擦った後の筆跡の状態を目視で観察し評価する。
○・・・指で擦っても変化なし
△・・・指で擦ると、筆跡が一部剥がれる
×・・・指で擦ると筆跡が完全に剥がれる
[TI値]
TI値(チキソトロピーインデックス)は上記のインキ粘度の測定結果を基にして次式から求められる。
TI値=2.5rpmでのインキ粘度/50rpmでのインキ粘度
【0033】
【表1】
Rotovario506 903 Silverはブチルセロソルブ30%含有のペースト状製品
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
実施例1〜3のインキ組成物は、いずれも、ブチルセロソルブとワックスディスパージョンを併用してなるインキ組成物であるが、このような実施例のインキ組成物によれば、回転数が2.5rpm、50rpmのいずれの条件における粘度も低粘度となり、該インキ組成物の塗膜の光沢度が22や23と高い値を示す。
また実施例4のインキ組成物は、含有する顔料が実施例1〜3のインキ組成物とは異なるので、その顔料の特性を反映して、実施例1〜3よりも光沢度が低いが、実施例4と同じ顔料を使用するものの、ワックスディスパージョンを使用せず疎水性シリカを含有する比較例4のインキ組成物よりも光沢度は高くなっている。
そして実施例1〜4のインキ組成物は、連続筆記距離は保存性も極めて良好であるから、金属粉顔料が凝集せず、十分な光沢を呈するように筆記できるインキ組成物であることが理解できる。
【0037】
これに対して、比較例1のワックスディスパージョン及び疎水性シリカを含まないインキ組成物によれば、回転数が2.5rpm、50rpmのいずれの条件における粘度も低粘度となり、連続筆記距離は長く疎水性シリカを含有しないので光沢度も高いが、保存安定性は良くなかった。
この比較例1に対して、ワックスディスパージョンは配合しないが、疎水性シリカを配合した比較例2〜4のインキ組成物は、連続筆記距離は長いものの、回転数2.5rpmでの粘度が高く、かつ光沢度が低下し、保存安定性は比較例1のインキ組成物と同程度であるインキ組成物である。
これらの実施例及び比較例の結果によれば、本発明のインキ組成物は、ワックスディスパージョンを含有することによって、保存安定性と光沢度が共に良好であるという顕著な効果を発揮することが明らかである。
【0038】
実施例5及び6は、樹脂として軟化点100℃以上のフェノール樹脂を使用したインキ組成物の例である。この例によれば、粘度が低く、連続筆記距離が長く、ガラス、PP、アルミの各板に対する接着性が良好であることに加えて、保存性が良好であるという効果を奏する。これに対し、比較例5のように、ワックスディスパージョンを含有しないインキ組成物は保存性が劣り、比較例6に示すインキ組成物のように、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を使用しないインキ組成物は、PP板やアルミ板に対する接着性に劣るものである。
【0039】
表3に記載の結果によれば、フローノンSD=700又はBYK−431を含有する実施例7〜9のインキ組成物は、高いTI値を有し、高い光沢度、優れた接着性、保存安定性を備え、十分な連続筆記距離を有するのに対し比較例7及び8(で示すインキ組成物は、ワックスディスパージョンを含有しないために、連続筆記距離が短く、保存安定性に劣るものであった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)平均粒子径が1〜10μmである金属粉顔料
(b)必要によりポリエーテルリン酸エステル
(c)プロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルセロソルブを含有する溶剤
(d)アセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂
(e)ワックスディスパージョン
(f)必要により変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤
を含有してなる筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
【請求項2】
金属粉顔料が真鍮顔料又はアルミニウム顔料である請求項1に記載の筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の筆記具用油性金属光沢インキ組成物を充填してなる筆記具。
【請求項1】
(a)平均粒子径が1〜10μmである金属粉顔料
(b)必要によりポリエーテルリン酸エステル
(c)プロピレングリコールモノメチルエーテル及びブチルセロソルブを含有する溶剤
(d)アセトフェノン−アルデヒド樹脂又は軟化点100℃以上のフェノール樹脂
(e)ワックスディスパージョン
(f)必要により変性ウレア及び/又は硫酸エステル系アニオン活性剤
を含有してなる筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
【請求項2】
金属粉顔料が真鍮顔料又はアルミニウム顔料である請求項1に記載の筆記具用油性金属光沢インキ組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の筆記具用油性金属光沢インキ組成物を充填してなる筆記具。
【公開番号】特開2012−102310(P2012−102310A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63303(P2011−63303)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390039734)株式会社サクラクレパス (211)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390039734)株式会社サクラクレパス (211)
【Fターム(参考)】
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