説明

インクカートリッジの再生方法

【課題】新インクカートリッジ使用時と比較してほとんど変わらない印字画像の画質が得られるインクカートリッジの再生方法の提供。
【解決手段】600dpiのインクジェットプリンタで印字し、その20枚目の印字画像で評価する場合であって、初期充填カートリッジの印字画像のL***と、初期充填用インクと比較して次の(1)〜(3)の特性のうち少なくとも一つが付与されている再充填用インクを用いた使用済みカートリッジの印字画像のL***から求められるΔEが5未満であることを特徴としたインクカートリッジの再生方法である。
(1) 界面活性剤含有率が低い
(2) 着色剤含有率が低い
(3) 水分含有率が高い
但し、ΔEは次式を示す。
ΔE=((ΔL*2+(Δa*+(Δb*21/2

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクカートリッジの再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタは、低騒音、低コスト、高画質という利点から、近年、急速に普及し、オフィスだけでなくホームユースとしても利用されるようになった。しかしながら、普及価格帯のインクジェットプリンタはインクカートリッジが小型で、使い捨ての場合にはランニングコストにやや難がある。
【0003】
このため、使い終わったカートリッジに再充填(リフィル(refill))するためのインクパッケージ(ポリエチレン製容器)を別途用意し、繰り返し使用することが行われている。しかしながら、再充填されるインクの物性によっては、再充填がうまくいかない、印字画像の画質が新品インクカートリッジ使用時とは変わってしまう、再充填後にインク漏れが起こる、などの問題が生じている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、これらインク再充填の問題に対処するために、例えば特開平7−90206号公報では主にインクカートリッジの形状から、インク漏れ対策を講じている。しかし、それだけでは充分ではない。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、新しいインクカートリッジ使用時と比較して印字画像の画質がほとんど変わりがないインクカートリッジの再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、600dpiのインクジェットプリンタで印字し、その20枚目の印字画像で評価する場合であって、初期充填カートリッジの印字画像のL***と、初期充填用インクと比較して次の(1)〜(3)の特性のうち少なくとも一つが付与されている再充填用インクを用いた使用済みカートリッジの印字画像のL***から求められるΔEが5未満であることを特徴としたインクカートリッジの再生方法が提供される。
(1) 界面活性剤含有率が低い
(2) 着色剤含有率が低い
(3) 水分含有率が高い
但し、ΔEは次式を示す。
ΔE=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明者らは上述した再充填用インク使用時に新品インクカートリッジ使用時と比較して印字画像の画質が変化する原因を以下のように考察した。
(1)印字ノズルから徐々に水分が蒸発するため、再充填直前のインクカートリッジ中には、初期充填されるインクに比して水分含有率が低いインクが少量残っている。そのため初期充填されるインクと全く同じインクを再充填すると、全体として水分含有率が低いインクとなってしまう。
【0008】
(2)インクカートリッジ中にてインクを保持するスポンジ状の部材には着色剤が吸収するが、吸収量には限りがあり、再充填されたインクから吸収する量は少ない。そのため初期充填されるインクと全く同じインクを再充填すると、全体として着色剤含有率の高いインクとなってしまう。
【0009】
(3)インクカートリッジ中にてインクを保持するスポンジ上の部材には界面活性剤が吸着するが、吸着量には限りがあり、再充填されたインクから吸着する量は少ない。そのため初期充填されるインクと全く同じインクを再充填すると、全体として界面活性剤含有率の高いインクとなってしまう。
【0010】
本発明者らはこのような考えに基づいて検討したところ、上記(1)〜(3)の傾向は再充填を繰り返すたびに強くなっていき、その変化によって印字画像の画質が徐々に変わっていくこと、一方、上記(1)〜(3)を反映させて調製したインクは初期充填用インクと比較してインクの表面張力が明らかに高いこと、また、インクの粘度が明らかに低いこと、そして、このようなインクを再充填用とすれば従来問題とされていた初期充填用インクと比較したときの印字画像の画質変化が明らかに抑制されることを見出し本発明に至った。
【0011】
もちろん、このような結果は周囲の温度、インクジェットプリンタの使用状況等によって多少のばらつきは起こり得る。例えばオフィス内のネットワークプリンタとして1日100枚印字した場合と、個人で1週間に2〜3枚印字した場合とでは、上記(1)に挙げた水分蒸発は明らかに前者の方が少ない。しかしながら、上述の規制範囲で調製すればこれらのばらつきに対処した最も有効な結果が得られる。また、ユーザーの使用状況に応じて数種類の再充填用インクを処方して再充填用インクパッケージのラインアップを揃えることも効果的である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のインクカートリッジの再生方法による再充填用インクによれば新品インクカートリッジ使用時と比較してインクの表面張力あるいは粘度が、また、インクの組成において着色剤含有率、界面活性剤含有率あるいは水分含有率がほとんど変わらなくなるため印字画像の画質変化が起こりにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態について説明する。本発明のインクカートリッジの再生方法における再充填用インクはインクの乾燥防止や溶解安定性向上等の目的から次の有機溶媒を使用することが出来る。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、単独もしくは複数混合して用いられる。
【0014】
本発明のリフィルインクでは、インクのぬれ性、浸透性向上等の目的から界面活性剤を使用することができる。そのような界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸等のアニオン系界面活性剤、アセチレングリコール系、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系等のノニオン系界面活性剤、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキルおよびアリールエーテル類、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられる。
【0015】
本発明のリフィルインクの着色材としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。これらは効果が阻害されない範囲で添加される。これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料及び食用染料としてC.I.アシッド.イエロー 17、23、42、44、79、142C.I.アシッド.レッド 1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289C.I.アシッド.ブルー 9、29、45、92、249C.I.アシッド.ブラック 1、2、7、24、26、94C.I.フード.イエロー 3、4C.I.フード.レッド 7、9、14C.I.フード.ブラック 1,2などが挙げられる。
【0016】
直接性染料としてC.I.ダイレクト.イエロー 1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144C.I.ダイレクト.レッド 1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227C.I.ダイレクト.オレンジ 26、29、62、102C.I.ダイレクト.ブルー 1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202C.I.ダイレクト.ブラック 19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171などが挙げられる。
【0017】
塩基性染料としてC.I.ベーシック.イエロー 1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91C.I.べーシック.レッド 2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112C.I.ベーシック.ブルー 1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155C.I.ベーシック.ブラック 2、8などが挙げられる。
【0018】
反応性染料としてC.I.リアクティブ.ブラック 3、4、7、11、12、17C.I.リアクティブ.イエロー 1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67C.I.リアクティブ.レッド 1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97C.I.リアクティブ.ブルー 1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95等が使用できる。特に酸性染料および直接性染料が好ましく用いることができる。また、インクジェット用で新たに開発された染料ももちろん用いることができる。例えば、ゼネカ社が上市しているProjet Fast Black 2、Projet Fast Magenta 2、Projet Fast Yellow 2、Projet Fast Cyan 2(登録商品名)が挙げられる。
【0019】
顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
【0020】
顔料分散剤としては親水性高分子として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸およびそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ボリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
【0021】
本発明のリフィルインクには水、有機溶媒、界面活性剤、着色剤の他に従来より知られている添加剤を加えることができる。例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が本発明に使用できる。
【0022】
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよほさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0023】
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0024】
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
【0025】
その他目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤を添加することもできる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。まず初期充填されるインクの処方とそれによって形成されるインクの表面張力と粘度を示す。なお、以下において部は重量基準である。
【0027】
《イエローインク》
イエロー染料Fast yellow2(ゼネカ社製)・・・・1.5部
イエロー染料IJ Yellow307H(ダイワ社製)・・・0.5部
ジエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15部
グリセロール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
界面活性剤ECTD3NEX(日光ケミカルズ社製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部
防腐防黴剤AP(三愛石油社製)・・・・・・・・・・・・・・0.4部
純水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76.6部
インクの表面張力(21℃にて測定)・・・・・・・・・29.7mN/m
インクの粘度(30℃にて測定)・・・・・・・・・・・1.88mP・s
【0028】
《マゼンタインク》
マゼンタ染料MJR611H(三菱化学社製)・・・・・・・1.33部
マゼンタ染料IJ Red207H(ダイワ社製)・・・・・0.67部
ジエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15部
グリセロール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
界面活性剤ECTD3NEX・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部
防腐防黴剤AP(三愛石油社製)・・・・・・・・・・・・・・0.4部
純水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76.6部
インクの表面張力(21℃にて測定)・・・・・・・・・29.9mN/m
インクの粘度(30℃にて測定)・・・・・・・・・・・1.90mP・s
【0029】
《シアンインク》
シアン染料Fast Cyan2(ゼネカ社製)・・・・・・・・・3部
ジエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15部
グリセロール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
界面活性剤ECTD3NEX・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部
防腐防黴剤AP(三愛石油社製)・・・・・・・・・・・・・・0.4部
純水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75.6部
インクの表面張力(21℃にて測定)・・・・・・・・・・29.7mN/m
インクの粘度(30℃にて測定)・・・・・・・・・・・・1.95mP・s
【0030】
《ブラックインク》
ブラック染料1R(ゼネカ社製)・・・・・・・・・・・・・・・・4部
ジエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15部
グリセロール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5部
界面活性剤ECTD3NEX・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部
防腐防黴剤AP(三愛石油社製)・・・・・・・・・・・・・・0.4部
純水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74.6部
インクの表面張力(21℃にて測定)・・・・・・・・・30.9mN/m
インクの粘度(30℃にて測定)・・・・・・・・・・・2.17mP・s
【0031】
次に、実施例および比較例のインクの処方とそれによって形成されるインクの表面張力、粘度および印字評価結果を表1−1〜4−4に示す。表において、
1.処方を示す数値は初期充填されるインクの各材料を100とした重量比である。
2.印字評価は、600dpiのインクジェットプリン夕で、まず新品カートリッジでA4サイズのコピー用紙(NBSリコー製マイペーパー)に評価パターン(上下左右に4等分割し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色インクのべタ印字を行なう)をインクが尽きるまで印字し、その20枚目のL***を測定する。その後、各実施例(比較例)のインクをリフィルし、同様に印字を行ない、その20枚目のL***から次式(1)により両者の差を求める。
【0032】
(数1)
ΔE=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2……(1)
(ΔEが10以上のとき×、5以上10未満のとき△、3以上5未満のとき○、3未満のとき◎)
3.印字評価1は連続印字で行ない、印字評価2は20枚/日で印字を行なった。
4.インクは全て60℃で撹伴溶解し、室温にて放冷後、pHが8.5になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整し、これを有効濾過面積4cm2、濾過孔径0.2μmの濾過フィルターにて濾過し、作製した。
5.また、表面張力は、21℃で測定、粘度は30℃で測定した。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0033】
【表1−1】

【0034】
【表1−2】

【0035】
【表1−3】

【0036】
【表1−4】

【0037】
【表2−1】

【0038】
【表2−2】

【0039】
【表2−3】

【0040】
【表2−4】

【0041】
【表3−1】

【0042】
【表3−2】

【0043】
【表3−3】

【0044】
【表3−4】

【0045】
【表4−1】

【0046】
【表4−2】

【0047】
【表4−3】

【0048】
【表4−4】

【0049】
上記表1−1〜4−4から明らかなように実施例の再充填用インクはインクの組成において初期充填用インクと比較して着色剤含有率および界面活性剤含有率のうちの少なくともどちらかを低くし、あるいはまた水分含有率を高くしており、その結果、実施例の再充填用インクは初期充填用インクと比較して明らかにインクの表面張力が高くなっていること、またインクの粘度が低くなっていること、そして、このような特性からなる実施例の再充填用インクによれば初期充填用インクとのL***の差(ΔE )が小さくなること、即ち画質変化が小さくなることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
600dpiのインクジェットプリンタで印字し、その20枚目の印字画像で評価する場合であって、初期充填カートリッジの印字画像のL***と、初期充填用インクと比較して次の(1)〜(3)の特性のうち少なくとも一つが付与されている再充填用インクを用いた使用済みカートリッジの印字画像のL***から求められるΔEが5未満であることを特徴としたインクカートリッジの再生方法。
(1) 界面活性剤含有率が低い
(2) 着色剤含有率が低い
(3) 水分含有率が高い
但し、ΔEは次式を示す。
ΔE=((ΔL*2+(Δa*+(Δb*21/2

【公開番号】特開2008−6824(P2008−6824A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204794(P2007−204794)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【分割の表示】特願平10−42935の分割
【原出願日】平成10年2月9日(1998.2.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】