説明

インクジェットオーバーコート組成物、並びに関連するシステム及び方法

【課題】インクジェットオーバーコート組成物、並びに関連するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性及びハイライタ汚れに対する耐性を改善する組成物、システム及び方法が提供される。オーバーコーティング組成物は、水性液体ビヒクルと、該液体ビヒクル中に分散される約0.5wt%〜約40wt%のラテックスポリマー粒子とを含む。ラテックスポリマー粒子は、4−メチルスチレン、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、及びそれらの組合せの群から選択される約18wt%〜約99.5wt%の重合疎水性モノマーと、約0.1wt%〜約20wt%の重合酸モノマーとを含み得る。オーバーコーティング組成物は、基材上にインクジェットされるように配合されることができ、着色剤を実質的に含まない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットオーバーコート組成物、並びに関連するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットインク化学において、商業用インクジェットインク、とりわけ、平均的な消費者にとって利用可能なものの多くは水性である。
理想的には、印刷及び画像が、基材上で鮮明且つ明瞭であり、鮮明さ及び明瞭さが無期限に維持されるのがよい。
これらの水性インクジェットインクを用いて作成される印刷は、例えば、摩擦耐性、ハイライタ汚れ(highlighter smear)等によって測定されるような耐久性が低い傾向にある。
摩擦耐性及びハイライタ汚れは、例えば、一部がハイライトされ得るような紙、又は紙の束の中若しくはホルダーの中に入れられているような紙等の上の画像に関する異常な状況に関しては試験されない。
よって、摩擦耐性及び/又はハイライタ汚れにより示される耐久性が低ければ、インクの一般的な用法における印刷の品質も低いと予測することができる。
【0003】
或る特定のインクジェット適合性ラテックスポリマーを組み込むことによってインクジェット製剤は進歩を遂げている。
これらのポリマーがインク中に含まれる場合、媒体表面上に部分的なフィルムが形成され、着色剤の少なくとも幾らかを閉じ込めると共に保護することができる。
しかしながら、必ずしも着色剤の全てが印刷時に保護されるわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
ここで、記載されまた図面に示される本開示の例示的な実施の形態を参照する。
本明細書中、これらを説明するのに特定の言葉を使用する。
そうは言っても、それが開示の範囲の限定を意図するものでないことは理解されるであろう。
関連技術分野の熟練者(当業者)が思いつくと考えられ、また本開示が含まれる(having possession of this disclosure)、本明細書中に例示される本発明の特徴の代替形態及びさらなる変更形態、並びに本明細書中に例示される本開示の原理の補足的な応用は、本開示の範囲内にあると考えられるものとする。
【0005】
本開示を明細書に記載し、また特許請求の範囲に記載するのに際し、以下の用語を使用する。
【0006】
単数形("a," "an," and "the")は、別途明確に文脈が示さない限り複数の指示対象も包含するものとする。
よって、例えば、「着色剤(a colorant)」についての言及は、1つ又は複数の着色剤についての言及を包含する。
【0007】
本明細書中で使用される場合、「液体ビヒクル」は、ラテックス微粒子が添加されて、オーバーコーティング組成物のようなラテックス分散液を形成する流体を指す。
加えて、「液体ビヒクル」は、着色剤が添加されてインクを形成する流体を指すのに用いられ、ラテックス微粒子及び他の成分を任意に含み得る。
多くの液体ビヒクル、並びに液体ビヒクルを配合するのに使用され得る特定のビヒクル成分は当該技術分野で既知である。
一般的な液体ビヒクルは、共溶媒、界面活性剤、緩衝剤、殺生物剤、金属イオン封鎖剤、粘度調整剤及び水等の様々な異なる作用物質の混合物を含み得る。
水性液体ビヒクルは主成分として水を含み、これは、液体ビヒクルの全成分のうち、水が最も多く分布していることを意味する。
【0008】
「着色剤」は、本開示の実施の形態によって液体ビヒクル中に懸濁又は溶媒和され得る染料、顔料及び/又は他の微粒子を包含し得る。
染料は一般的に水溶性であり、顔料は一般的に水溶性でない。
しかしながら、幾つかの染料は、溶解度が限定されており、当該技術分野で既知のように難溶性染料、又は不溶性染料として知られている。
本開示によれば、典型的に、本開示のオーバーコーティング組成物によりコーティングされる画像を形成するインクジェットインクに着色剤が使用される。
【0009】
「〜するように構成される("Configured to")」及び「〜するように配合される("formulated to")」は、既定の機能又は目的を達成するための意図的な選択、配置及び/又は設計を指す。
したがって、何かをするように何かを構成するには、第一に特定される課題又は目的、第二にこの目的又は課題に達するための選択及び設計が要求される。
このため、既定の(即ち、製造前に定められる)課題又は目的がなく製造の結果として生じた特質は、「〜するように構成される」又は「〜するように配合される」設計の結果として生じたとは考えられない。
【0010】
本明細書中で使用される場合、「複数」は、1つよりも多いことを指す。
例えば、複数のインクとは、少なくとも2つのインクを指す。
【0011】
本明細書中で使用される場合、「約」という用語は、所与の値が、終点を「少し上回る」又は「少し下回る」ものであり得ることを示すことによって、数値的範囲の終点に自由度を与えるために使用されている。
この用語の自由度の程度は、特定の可変量により決定することができ、当業者の知識の範囲内において、経験及び本明細書中の関連説明に基づいて決定されるであろう。
【0012】
本明細書中、濃度、量及び他の数値データが、範囲の形式で表示又は提示されることがある。
このような範囲の形式は、簡便さ及び簡潔さのために使用されているのであって、範囲の限界として明示されている数値だけでなく、その範囲内に包含される個々の数値又は下位範囲も、その各数値及び下位範囲が明示されているかのように全て包含される、と柔軟に解釈すべきであることを理解されたい。
例示すると、「0.1wt%〜5wt%」という濃度範囲は、0.1wt%〜5wt%の明示されている濃度だけでなく、示されている範囲内の個々の濃度及び下位範囲も包含すると解釈すべきである。
したがって、この数値範囲には、1wt%、2wt%、3wt%及び4wt%等の個々の濃度、並びに0.1wt%〜1.5wt%、1wt%〜3wt%、2wt%〜4wt%、3wt%〜5wt%等の下位範囲が包含される。
これと同じ原則は、ただ1つの数値を記載する範囲にも当てはまる。
例えば、「5wt%未満」のように記載される範囲は、0wt%〜5wt%の値及び下位範囲を全て包含すると解釈すべきである。
さらに、このような解釈は、記載されている範囲又は特性の幅にかかわらず適用されるものとする。
【0013】
本明細書中で使用される場合、便宜上、複数の項目、構造要素、組成要素及び/又は材料が共通のリストに記載されることがある。
しかしながら、このようなリストは、そのリストの各成員が、個別且つ独自の成員として個々に識別されるものと解釈されたい。
したがって、反対の内容が指示されていなければ、このようなリストの個々の成員が、共通の群に示されていることに単に基づいて、同じリストの任意の他の成員の事実上の等価物であると解釈すべきではない。
【0014】
このことを踏まえて、基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性(dry rub resistance)及びハイライタ汚れに対する耐性を改善する、組成物、システム及び方法を開発することが有益であろうことが認識されている。
基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性及びハイライタ汚れに対する耐性等を改善する、オーバーコーティング組成物(単数又は複数)、システム、方法それぞれに適用可能な様々な詳細を本明細書中に示す。
よって、特定の一実施の形態についての議論が、他の関連する実施の形態の文脈における議論に関連し、またこの議論の根拠も提供する。
【0015】
本開示の様々な態様によれば、基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性及びハイライタ汚れに対する耐性を改善するオーバーコーティング組成物は、水性液体ビヒクルと、液体ビヒクル中に分散される約0.5wt%〜約40wt%のラテックスポリマー粒子とを含み得る。
ラテックスポリマー粒子は、約18wt%〜約99.5wt%の重合疎水性モノマーと、約0.1wt%〜約20wt%の重合酸モノマーとを含み得る。
重合疎水性モノマーとしては、4−メチルスチレン、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、及びそれらの組合せが挙げられ得る。
加えて、オーバーコーティング組成物は、基材上にインクジェットされる(ink-jetted)ように配合することができ、着色剤を実質的に含まない。
【0016】
本開示の実施の形態によれば、基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性及び/又はハイライタ汚れに対する耐性を改善する方法は、基材上に、着色剤を含むインクをインクジェットすることであって、印刷画像を形成する、インクジェットすること、及び印刷画像上にオーバーコーティング組成物をインクジェットすることを含み得る。
オーバーコーティング組成物は、オーバーコーティング組成物の開示に関連して本明細書中に記載されるように配合することができる。
【0017】
同様に、乾き摩擦耐性及び/又はハイライタ汚れに対する耐性が改善された画像を作成するシステムは、媒体基材と、着色剤を含むインクジェットインクと、オーバーコーティング組成物とを含み得る。
インクジェットインクは、媒体基材上に印刷されるように配合することができ、オーバーコーティング組成物は、オーバーコーティング組成物の開示に関連して本明細書中に記載されるように、媒体基材上のインクジェットインクをコーティングするように配合することができる。
【0018】
記述したように、オーバーコーティング組成物は、約0.5wt%〜約40wt%のラテックスポリマー粒子を含み得る。
ラテックスポリマー粒子は任意に、約1wt%〜約15wt%、又は約3wt%〜約6wt%の量で存在し得る。
ラテックスポリマー粒子は、約18wt%〜約99.5wt%の重合疎水性モノマーと、約0.1wt%〜約20wt%の重合酸モノマーとを含む。
疎水性モノマーとしては、4−メチルスチレン、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、及びそれらの組合せの群から選択されるものが挙げられ得る。
一態様において、疎水性モノマーは、4−メチルスチレン、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、及びそれらの組合せの群から選択される複数のモノマーを含んでいてもよい。
このような場合には、この群の2種類、3種類又はさらに4種類の疎水性モノマーが、約18wt%〜約99.5wt%の重合疎水性モノマーを占めるように含まれていてもよい。
【0019】
列挙された疎水性モノマーの使用は、オーバーコーティング組成物の乾き摩擦耐性に直接影響を与える。
このため、インクジェットアーキテクチャ(architecture)及び予想される基材との適合性を考慮して、疎水性モノマーを適切に選択して組み込むことによって、コーティングされた画像の乾き摩擦耐性を著しく改善することができる。
【0020】
任意に、さらなる疎水性モノマーをラテックスポリマー粒子中に組み込んでもよい。
重合してラテックスポリマー粒子を形成し得る疎水性モノマーの例としては、スチレン、シクロへキシルメタクリレート、ブチルアクリレート、及びそれらの組合せが挙げられる。
かかるさらなる疎水性モノマーは、約18wt%〜約99.5wt%の重合疎水性モノマーに寄与するものであれば、いずれの所望量でも存在し得る。
一態様において、重合疎水性モノマーの総量は、約80wt%〜約99.5wt%で存在していてもよい。
【0021】
ラテックスポリマー粒子を形成するのに、実質的にいずれの重合性酸モノマーを使用してもよいが、一態様では、酸モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、メタクリロイルオキシエチルスクシネート、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、及びそれらの組合せから選択される1つ、2つ又はそれ以上の酸モノマーを含み得る。
特定の実施形態では、重合酸モノマーの量が約0.1wt%〜約10wt%であり得る。
【0022】
酸モノマーをラテックスポリマー粒子中に組み込んで、液体ビヒクル中におけるラテックスポリマー粒子のアニオン性安定化をもたらすことができる。
このため、全体的なラテックスポリマー粒子の特徴、液体ビヒクル、液体ビヒクル中のラテックスポリマー粒子の量等に応じて種類及び量を変えてもよい。
さらに任意で、これらの酸性モノマーを重合後に中和して、塩を形成してもよい。
媒体のpHを上げることは、重合酸性モノマーの塩を形成する方法の非限定的な一例である。
これらのモノマーは実施形態によっては、重合プロセスの後半で添加してもよいため、個々のポリマー微粒子の外周に向かうほど濃度が高くなることにも留意されたい。
【0023】
これらのコーティング組成物を、染料系及び/又は顔料系インクジェットインクで作成された画像上にオーバーコーティングして、典型的に透明であるか又は実質的に無色であるコーティング格子又は保護フィルムを形成することができる。
特定の実施形態において、着色剤は、染料を含むか若しくはそれから本質的に成るか、又は顔料から本質的に成り得る。
オーバーコーティングとは異なり、共通のビヒクル中にラテックス粒子を含むインクから成るフィルムは、典型的に、とりわけ着色剤が染料である場合、媒体基材とフィルムとの間の着色剤の実質的に完全な封入をもたらさない。
一部の着色剤が、ラテックスの上に常に残るか、又はラテックスによって部分的にしか捕捉されないと考えられる。
本明細書中に開示されるオーバーコートを使用することによって、着色剤と、環境、湿気及び/又は摩擦をもたらす構造体との間に決定的な障壁を設けることができる。
このため、オーバーコーティング組成物は、印刷画像の乾き摩擦耐性及びハイライタ汚れに対する耐性を改善することができる。
【0024】
本明細書中に開示されるラテックスポリマー粒子を含むオーバーコートは、さらなる利点を提供し得る。
例えば、オーバーコートは、(インクジェットインク中の全固形物量を決定するのに際し、顔料及びラテックスの両方を考慮しなければならないため)ラテックス及び顔料の両方を含有する組成物に比べ、組成物中により多くのラテックス固形分を含み得る。
この考慮は、或る特定のインクジェットアーキテクチャの粘度閾値に起因して、コーティング及びインクのそれぞれの固形分が制限される可能性があることから有益である。
インクジェットインクのラテックスポリマー粒子含量の上限は、当然ながら顔料の存在により低くなる。
結果として、ラテックスポリマー粒子を顔料固形物から分離して、より多くのラテックスポリマー粒子を液体ビヒクル中に使用することにより、より多くのラテックスポリマー粒子を提供することができる。
さらに、本願のオーバーコーティングは、単一のオーバーコーティングとして、又は多層のオーバーコーティングとして、色特性を有意に変えることなく画像上に塗布することができる。
【0025】
ラテックスポリマー粒子のガラス転移温度は多くの場合、ラテックスポリマー粒子の印刷適性を指し示し得る。
このため、ラテックスポリマー粒子は約−40℃<T<125℃の範囲をとり得る。
代替的な実施形態において、ガラス転移温度範囲は、約0℃<T<75℃、又はさらに約15℃<T<45℃であり得る。
【0026】
ラテックスは、架橋剤をコポリマーラテックス中に組み込むことによって熱剪断劣化しないように安定化することもできる。
例えば、約0.2wt%〜15wt%のこのような架橋剤がラテックスポリマー粒子中に存在し得る。
代替的には、1wt%〜2wt%のこのような架橋剤を使用することができる。
これらの架橋剤は、ラテックスポリマー粒子中のポリマー鎖間に架橋を形成することができる。
使用され得る適切な架橋剤の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、ジビニルベンゼン、又は重合性の二官能性基若しくは多官能性基を有する他のモノマーが挙げられる。
この比較的狭い範囲の架橋は、熱インクジェット印刷時に生じる高熱剪断条件下においてラテックスポリマー粒子の結合性(integrity)の維持を助けることができる上、その室温での成膜特性に悪影響を及ぼすこともない。
【0027】
本開示のラテックスポリマー粒子は、乳化重合を介するモノマー混合物の従来のフリーラジカル付加によって調製することができる。
概して、本開示のラテックス粒子は、モノマーを共に混合しモノマー混合物を形成することによって調製することができる。
重合工程を行ってラテックスポリマー粒子を形成することもできる。
その後、界面活性剤(複数可)をモノマー混合物に添加し、剪断してエマルションを形成することができる。
界面活性剤(複数可)としては、反応性界面活性剤、非反応性界面活性剤、又は反応性界面活性剤と非反応性界面活性剤との組合せが挙げられ得る。
【0028】
任意に、最大約5wt%の連鎖移動剤を重合体に添加して、ラテックスポリマー粒子の分子量を制御することができる。
このような連鎖移動剤の非限定的な例は、イソオクチルメルカプトプロピオネート及びハロゲン化化合物である。
【0029】
オーバーコーティング組成物は、着色剤を実質的に含まず、基材上に印刷されると、基材を覆う実質的に透明なコーティングを形成し、基材上のあらゆる画像を封入することができる。
オーバーコーティング組成物は、複数回塗布してもよいため、多層、すなわちより厚みのあるオーバーコーティングが形成される。
このような場合、オーバーコーティング組成物は大抵、多層が塗布されることがあっても実質的に透明なコーティングを形成するように配合又は構成される。
【0030】
本明細書中に記載されるラテックスポリマー粒子と共に使用され得る典型的な液体ビヒクル製剤は、インクジェットペンのアーキテクチャに応じて、水と、任意に、合計すると0.1wt%〜45wt%で存在する1つ又は複数の共溶媒とを含み得る。
さらに、0.01wt%〜10wt%の範囲の1つ又は複数の非イオン性、カチオン性及び/又はアニオン性の界面活性剤が任意で存在し得る。
製剤の残りは、水、及び殺生物剤、粘度調整剤、pHの調節に関する物質、金属イオン封鎖剤、防腐剤等の当該技術分野で既知の他のビヒクル成分であり得る。
典型的に、液体ビヒクルは、任意の他の単一ビヒクル成分に比べて大部分が水である。
【0031】
使用され得る共溶媒の種類としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエーテル、ポリグリコールエーテル、カプロラクタム、ホルムアミド、アセトアミド、及び長鎖アルコールが挙げられる。
このような化合物の例としては、第一級脂肪族アルコール、第二級脂肪族アルコール、1,2−アルコール、1,3−アルコール、1,5−アルコール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの高級同族体、N−アルキルカプロラクタム、非置換カプロラクタム、置換及び非置換のホルムアミド、置換及び非置換のアセトアミド等が挙げられる。
使用され得る溶媒の具体例としては、トリメチロールプロパン、2−ピロリドン、及び1,5−ペンタンジオールが挙げられる。
【0032】
コーティング製剤の分野の熟練者に既知のように多くの界面活性剤の1つ又は複数も使用することができ、これらは、アルキルポリエチレンオキシド、アルキルフェニルポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、アセチレンポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(ジ)エステル、ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化ポリエチレンオキシドアミド、ジメチコーンコポリオール、置換アミンオキシド等であり得る。
オーバーコーティングの製剤に添加される界面活性剤の量は、0wt%〜5.0wt%の範囲をとり得る。
【0033】
オーバーコーティング製剤に矛盾しなければ、種々の他の添加剤を採用して特定用途に関するオーバーコーティング組成物の特性を最適化してもよい。
これらの添加剤の例は、有害微生物の成長を阻害するのに添加されるものである。
これらの添加剤は、インク製剤に日常的に使用される殺生物剤、殺菌剤、及び他の微生物剤であり得る。
好適な微生物剤の例としては、Nuosept(Nudex, Inc.)、Ucarcide(Union carbide Corp.)、Vancide(R.T. Vanderbilt Co.)、Proxel(ICI America)及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
重金属不純物の有害な影響を排除するために、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)等の金属イオン封鎖剤を含有させてもよく、またインクのpHを制御するために緩衝剤溶液を使用してもよい。
例えば、0wt%〜2.0wt%を用いることができる。
粘度調整剤及び緩衝剤、並びに所望であればインクの特性を変える当業者に既知の他の添加剤も存在し得る。
このような添加剤は、0wt%〜20.0wt%で存在し得る。
【0035】
前述したように、基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性及びハイライタ汚れに対する耐性を改善する方法は、基材上にインクをインクジェットすることであって、印刷画像を形成する、インクジェットすること、及び印刷画像上に、本明細書中に記載のオーバーコーティング組成物をインクジェットすることを含み得る。
インクは着色剤を含み得る。
一態様において、着色剤は、染料を含むか又はそれから本質的に成り得る。
別の実施形態では、着色剤が、顔料を含むか又はそれから本質的に成り得る。
オーバーコーティング組成物は、媒体基材上のインクジェットインクをコーティングするように配合することができ、実質的に着色剤を含まなくてもよい。
【0036】
本方法は任意に、オーバーコーティング組成物の2回以上の塗布を含んでいてもよい。
さらに、本方法は任意に、室温より少なくとも約10℃高い温度でオーバーコーティング組成物を加熱乾燥する工程を含んでいてもよい。
一態様において、乾燥温度は、室温より少なくとも約25℃高い温度であってもよい。
オーバーコーティング組成物の乾燥を促すのに必要な熱は、基材全体にかかるものであり、基材を劣化させるか、さもなければ基材に対して有害な温度範囲内でないものとする。
【0037】
基材上にインクをインクジェットして印刷画像を形成し、且つ印刷画像上にオーバーコーティング組成物をインクジェットする工程は任意に、シングルインクジェットパスで行うことができる。
このような構成は、「シングルパス」印刷として知られている。
同様に、乾き摩擦耐性及びハイライタ汚れに対する耐性が改善された画像を作成するシステムでは、オーバーコーティング組成物及びインクジェットインクが両方とも、シングルパスで一緒に印刷されるように構成され得る。
このような構成は概して、印刷及びコーティングの速度を増大させることを可能にする。
代替的に、インクジェットインク及びオーバーコーティング組成物は、別個のパスで塗布されるようにも構成することができる。
シングルパスの実施形態では、インクジェットインクを塗布したら、オーバーコーティング組成物を塗布する前に、基材上でインクジェットインクを乾燥させる時間がないことに留意されたい。
よって、インクジェットインク及びオーバーコーティング組成物は、湿潤条件下であっても互いに適合性であるように配合され得るため、オーバーコーティング組成物が印刷画像上に直ちに塗布されても印刷画像を実質的に変化させることはない。
【0038】
本開示のオーバーコーティング組成物によってコーティングすることができるインクジェットインクとしては、本開示のラテックスポリマー粒子を含むオーバーコーティングと機能的な任意のインクジェットインクが挙げられる。
インクジェットインクで作成された画像は、本明細書中に記載の組成物でオーバーコーティングすることができるが、レーザープリンタで作成された画像、オフセットインクで印刷された画像、銀塩写真画像、写真複写機で作成された画像等を含む他の印刷画像をコーティングすることもできる。
【0039】
オーバーコーティング組成物は、カラーインクの印刷に続いて又は先のオーバーコーティングの印刷に続いて、画像をオーバーコーティングするのに適切な任意の時間間隔後に印刷することができる。
例えば、その塗布に応じて、インクの塗布の直後にオーバーコーティング組成物を印刷することが望ましい場合もあり、他の実施形態では、数秒又はさらに数分後にオーバーコーティングを印刷することが望ましい場合もある。
オーバーコートノズルは、インクジェットインクと同じプリントヘッド又は隣接するプリントヘッドに備えられていてもよく、又は別個のアーキテクチャに備えられていてもよい。
【0040】
オーバーコーティング組成物は、基材の実質的に全面を被覆するよう印刷されるように構成されていてもよく、又は画像を有する基材領域を覆うようコーティングを印刷するように構成されていてもよい。
代替的に、オーバーコーティング組成物は、それらの折衷案であれば(in between)いずれの場所に印刷されるように構成されていてもよい。
インクジェットプリンタのパラメータは、インクに関する設定とは異なる量、異なる粘度等でオーバーコーティング組成物をインクジェットするように構成されていてもよい。
一態様において、オーバーコーティング組成物は、インクジェットインクの液滴重量よりも大きい液滴重量で印刷されるように構成されていてもよい。
【0041】
本願のオーバーコーティング組成物でコーティングされる画像は、改善された乾き摩擦耐性及び/又は改善されたハイライタ汚れに対する耐性を示す。
特定の実施形態では、オーバーコーティング組成物を、基材上の印刷画像上にインクジェットして、4ポンドの重りの下10サイクルの摩擦耐性試験にかけても、下位に存在する印刷画像の視認可能な転移を示さない。
一態様では、摩擦耐性を決定するのに、Sutherland型摩擦試験機又は類似の試験機器を使用することができる。
Sutherland型摩擦試験機に関する試験では、インク及びオーバーコートを、HP Bright White紙等の1枚の輝白色紙(bright white paper)に印刷する。
その後、試験すべき印刷物を4ポンドの重りに取り付け、重りを反転させて白紙の上に置く。
摩擦試験機のアームによって10サイクル重りを前後に引きずる。
他の設定を用いても摩擦試験を判定することはできるが、これらが本開示の実施例で用いられるパラメータである。
このように、印刷画像の包括的な耐久性及び全体的な美的外観が、オーバーコートの存在によって改善される。
【0042】
さらに、オーバーコーティング組成物は実質的に透明であるため、仮に影響があったとしても、画像の光学密度がコーティングによって実質的に影響を受けることはなく、色彩が影響を受けることもない。
オーバーコートは、光、オゾン及び水からの画像の保護をさらに増大させる。
オーバーコーティング組成物の使用は、乾き摩擦耐性及びハイライタ汚れに対する耐性の改善に起因してより多くのセットの媒体基材の使用を可能にする。
【実施例】
【0043】
以下の実施例は、現時点で分かる本開示の実施形態を例示するものである。
このため、これらの実施例は、本開示の限定とみなすべきものではなく、現在の実験データに基づいて本開示の最もよく分かっている組成物がどのように生成されるかという教示を行っているに過ぎない。
そのようなものとして、代表的な幾つかの組成物及びそれらの製造方法をここに開示する。
【0044】
実施例1−ラテックスポリマー粒子(タイプI)の調製
表1に挙げられる様々なモノマーの組合せ(ラテックスA〜ラテックスI)を用い、且つ乳化重合を用いて調製することによって幾つかのラテックスを調製する。
基本手順は以下の通りとした。
脱イオン水中で約80wt%のモノマーであるモノマーの安定なエマルションを形成する。
全モノマー含量に対して約5wt%未満の量の界面活性剤をエマルション中に含有させる。
使用される適切な界面活性剤としては、Union Carbideから入手可能な市販のTriton、BASFから入手可能なLutensol AT、又はRhodiaから入手可能なRhodafac等のドデシル硫酸ナトリウムが挙げられる。
エマルションを、90℃の温度を有し有効量の水溶性開始剤を含有する水に添加する。
酸化還元開始剤も使用することができることに留意されたい。
開始剤の例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウムが挙げられる。
含水量は、混合物中に20wt%〜25wt%の固形分が得られるように調節する。
エマルションの添加速度、温度の制御、及び固形分は、ラテックスポリマー粒子の粒径に影響を与えるため、重合の間中モニタリング及び制御を行う。
エマルションの添加後、混合物を90℃でさらに2時間維持し、重合反応を完了させる。
その後、反応混合物を冷却すると、所望の粒径及び固形分を有するラテックスポリマー粒子が得られる。
ミニエマルションプロセスを代替的に用いてもラテックスポリマー粒子を生成することができることに留意されたい。
表1は、この包括的な実施形態に従って調製されるラテックスを提示するものである。
【0045】
【表1】

【0046】
実施例2−ラテックスポリマー粒子(タイプII)の調製
モノマー及び対応する重量パーセンテージが表2に概説されるものである以外は、実施例1に記載される手順に従って幾つかのラテックスを調製する(ラテックスL〜ラテックスR)。
【0047】
【表2】

【0048】
実施例3−ラテックスポリマー粒子(タイプIII)の調製
モノマー及び対応する重量パーセンテージが表3に概説されるものである以外は、実施例1に記載される手順に従って幾つかのラテックスを調製する(ラテックスS〜ラテックスAA)。
【0049】
【表3】

【0050】
実施例4−ラテックスポリマー粒子(タイプIV)の調製
モノマー及び対応する重量パーセンテージが表4に概説されるものである以外は、実施例1に記載される手順に従って幾つかのラテックスを調製する(ラテックスBB〜ラテックスJJ)。
【0051】
【表4】

【0052】
実施例5−オーバーコート組成物の調製
8wt%の実施例1のラテックスポリマー粒子(ラテックスA)を液体ビヒクル中に分散させることによって、オーバーコーティング組成物を調製する。
液体ビヒクルは、水溶性であり、加えて、25wt%の有機共溶媒、0.6wt%の界面活性剤、0.15wt%の殺生物剤を含む。
オーバーコーティング組成物は、無色であり、多孔質媒体又は他の媒体上に印刷される顔料系及び染料系のインクジェットインクの両方に対して良好な保護をもたらす。
【0053】
実施例6−試験オーバーコーティングの調製
実施例5のオーバーコーティング組成物を、複数のインクジェットペンに充填し、Hewlett-Packard製のプリンタを用いて基材上の印刷画像上にインクジェットする。
一連の11個の太い(およそ1/8インチの太さの)平行線を含んだ画像を印刷した。
オーバーコーティング組成物は、着色剤を含むインクと同じパスで、また(別個の印刷物において)着色剤を含むインクを印刷した後の別個のパスでインクジェットさせる。
同じパス及び異なるパスで印刷されたオーバーコートのうち、半分を室温で乾燥させ、残りの半分は室温よりも10℃高い温度で加熱乾燥させた。
幾つかの印刷画像は、後の試験のためにコーティングしないでおく。
使用する基材は白色単色の紙とし、インクの着色剤は黒色染料としたため、白色紙基材上に黒色の画像が作成された。
【0054】
実施例7−ハイライタ汚れ試験
実施例6で作成したようなオーバーコートを含む画像を試験し、コーティングしていない画像と比較する。
2つの別個の画像、1つはコーティングしていない画像、もう1つはコーティングしていないがその他の点では実質的に同一の画像に、Sharpie Accentタイプのハイライタ、又はFaber-Castell製のハイライタを、印刷画像からおよそ1/2インチ離れた距離をおいて載せる。
ハイライタチップを、1ポンド〜10ポンドの範囲の様々な圧力で平行線と垂直に画像を横切って引きずる(3ポンドが一般的なものである)。
オーバーコートを有しない画像の場合、ハイライタが画像及び基材と接触する領域が、にじみ及び著しい汚れ(smearing)を示す。
オーバーコーティングを有する画像では(オーバーコーティングがどのように塗布されたかに関係なく)、視認可能な汚れ、又はその他の印刷画像に対する変化は目に見えて検出されなかった。
【0055】
実施例8−乾き摩擦耐性試験
実施例6で作成したようなオーバーコートを含む画像を試験し、コーティングしていない画像と比較する。
2つの別個の画像、1つはコーティングした画像、もう1つはコーティングしていないがその他の点では実質的に同一の画像を、Sutherland型摩擦試験機において、4ポンドの重りを用いて10サイクルの摩擦試験にかける。
オーバーコートを有しない画像の場合、摩擦試験にかけた基材の領域は、全体的な灰色と、着色剤の特徴的な縞とを示す。
オーバーコーティングを有する画像では、画像のインクの視認可能な広がりはなく、白色紙上に、摩擦試験にかける前と同じ鮮明な黒色画像が残る。
【0056】
或る特定の好ましい実施形態を参照して本開示を説明してきたが、本開示の精神を逸脱しない限り、様々な変更、変化、省略及び置換を為し得ることを当業者は理解するであろう。
それゆえ、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性およびハイライタ汚れに対する耐性を改善するオーバーコーティング組成物であって、
水性液体ビヒクルと、
前記液体ビヒクル中に分散される約0.5wt%〜約40wt%のラテックスポリマー粒子と
を含み、
前記ラテックスポリマー粒子が、
(a)4−メチルスチレン、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、およびそれらの組合せの群から選択されるモノマーを含む、約18wt%〜約99.5wt%の重合疎水性モノマーと、
(b)約0.1wt%〜約20wt%の重合酸モノマーと
を含み、
前記オーバーコーティング組成物が、前記基材上にインクジェットされるように配合され、着色剤を実質的に含まない
基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性およびハイライタ汚れに対する耐性を改善するオーバーコーティング組成物。
【請求項2】
前記重合酸モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、メタクリロイルオキシエチルスクシネート、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、およびそれらの組合せの群から選択される
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アクリル酸、メタクリル酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、メタクリロイルオキシエチルスクシネート、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、およびそれらの組合せの群から選択される少なくとも2つの重合酸モノマー、または4−メチルスチレン、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、およびそれらの組合せの群から選択される少なくとも2つの重合疎水性モノマーを含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記重合疎水性モノマーがまた、スチレン、シクロへキシルメタクリレート、ブチルアクリレート、およびそれらの組合せの群から選択される重合モノマーを含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記液体ビヒクル中に分散される前記ラテックスポリマー粒子が、約1wt%〜約15wt%の量で存在する
請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記オーバーコーティング組成物が、基材上の印刷画像を覆うようにインクジェットされ、輝白色紙上および4ポンドの重りの下10サイクルの摩擦耐性試験にかけられる場合、下位に存在する印刷画像の視認可能な転移を示さない
請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
全モノマー含量に基づき約0.2wt%〜約15wt%の架橋剤をさらに含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性およびハイライタ汚れに対する耐性を改善する方法であって、
(a)基材上に、着色剤を含むインクをインクジェットすることであって、印刷画像を形成する、インクジェットすることと、
(b)前記印刷画像上にオーバーコーティング組成物をインクジェットすることであって、前記組成物が、水性液体ビヒクルと、前記液体ビヒクル中に分散される約0.5wt%〜約40wt%のラテックスポリマー粒子とを含み、前記ラテックスポリマー粒子が、
(i)4−メチルスチレン、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、およびそれらの組合せの群から選択される重合モノマーを含む、約18wt%〜約99.5wt%の重合疎水性モノマーと、
(ii)約0.1wt%〜約20wt%の重合酸モノマーと
を含む、インクジェットすることと、
を含み、
前記オーバーコーティング組成物が、前記媒体基材上の前記インクジェットインクをコーティングするように配合され、実質的に着色剤を含まない
基材上の印刷画像の乾き摩擦耐性およびハイライタ汚れに対する耐性を改善する方法。
【請求項9】
前記オーバーコーティング組成物を室温より少なくとも10℃高い温度で加熱乾燥させる工程をさらに含む
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記基材上に前記インクをインクジェットして印刷画像を形成する工程、および前記印刷画像上に前記オーバーコーティング組成物をインクジェットする工程を、インクジェットプリントヘッドのシングルパスで行う
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記オーバーコーティング組成物をインクジェットする工程が、前記印刷画像を覆うようにオーバーコーティング組成物の多層をインクジェットすることを含む
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記重合酸モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、メタクリロイルオキシエチルスクシネート、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、およびそれらの組合せの群から選択される
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記オーバーコーティング組成物の前記重合疎水性モノマーがまた、スチレン、シクロへキシルメタクリレート、ブチルアクリレート、およびそれらの組合せの群から選択される重合モノマーを含む
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
乾き摩擦耐性およびハイライタ汚れに対する耐性が改善された画像を作成するシステムであって、
(a)媒体基材と、
(b)着色剤を含むインクジェットインクであって、前記媒体基材上に印刷されるように配合される、インクジェットインクと、
(c)水性液体ビヒクルと、前記液体ビヒクル中に分散される約0.5wt%〜約40wt%のラテックスポリマー粒子とを含むオーバーコーティング組成物であって、前記ラテックスポリマー粒子が、
(i)4−メチルスチレン、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、およびそれらの組合せの群から選択される、約18wt%〜約99.5wt%の重合疎水性モノマーと、
(ii)約0.1wt%〜約20wt%の重合酸モノマーと
を含む、オーバーコーティング組成物と
を含み、
前記オーバーコーティング組成物が、前記媒体基材上の前記インクジェットインクをコーティングするように配合され、着色剤を実質的に含まない
乾き摩擦耐性およびハイライタ汚れに対する耐性が改善された画像を作成するシステム。
【請求項15】
前記インクジェットインクおよび前記オーバーコーティング組成物が、プリントヘッドのシングルパスで一緒に印刷されるように構成される
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記オーバーコーティング組成物が、前記インクジェットインクの液滴重量よりも大きい液滴重量で印刷されるように構成される
請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記着色剤が顔料である
請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記着色剤が染料である
請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記重合酸モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、メタクリロイルオキシエチルスクシネート、メタクリロイルオキシエチルホスフェート、およびそれらの組合せの群から選択される
請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記オーバーコーティング組成物の前記重合疎水性モノマーがまた、スチレン、シクロへキシルメタクリレート、ブチルアクリレート、およびそれらの組合せの群から選択される重合モノマーを含む
請求項14に記載のシステム。

【公表番号】特表2011−521017(P2011−521017A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504983(P2011−504983)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/060790
【国際公開番号】WO2009/128833
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
【Fターム(参考)】