説明

インクジェットプリンタのインク供給システム、インクジェットプリンタのインク供給方法、並びにインクジェットプリンタ

【課題】 交換時に廃棄されるインクの量を抑え、交換前のインクの混入を低減させることができるインク供給システムを提供する。
【解決手段】 第一のインクW1が充填された第一主タンク51に接続される第一パイプ55と、第二のインクW2が充填された第二主タンク52に接続される第二パイプ56と、印刷媒体に印刷するインクジェットヘッド58に接続され第一パイプ又は第二パイプに接続される第三パイプ62、63とを備えるインクジェットプリンタのインク供給システムにおいて、第三パイプは、第三パイプと第一パイプとを連通させる着脱可能な第一接続部との接続と、第三パイプと第二パイプとを連通させる着脱可能な第二接続部との接続とを兼用する共通接続部62aを有し、第三パイプと第一パイプが連通した場合にインクジェットヘッドへ第一のインクが供給され、第三パイプと第二パイプが連通した場合にインクジェットヘッドへ第二のインクが供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタのインク供給システム、インクジェットプリンタのインク供給方法、並びにインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェットプリンタでは、インクを噴射して印刷媒体に印刷するインクジェットヘッドに供給するインクを切替えるために、以下の工程を行っていた。
【0003】
まず、二つのインクカートリッジ(主タンク)から二種類のインクを回転式の三方弁である切替弁の別々のポートに流入させた。次に、切替弁を切替えることにより、二種類のインクのうちいずれか一つのインクを切替弁から流出させてインクジェットヘッドに供給することによりインクを切替えていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−203056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のインクジェットプリンタのインク供給方法では、インク交換時に切替弁により流路を切替え、インクジェットヘッドから交換後のインクが噴射されるのを確認してから交換後のインクによる印刷を開始する必要がある。このため、インク交換時に切替弁からインクジェットヘッドまでに収容されていたインクを全てインクジェットヘッドから排出し廃棄する必要があった。
【0005】
また、切替弁からインクジェットヘッドまで交換前のインクが充填されている状態で切替弁を切替え、切替弁からインクジェットヘッドに交換後のインクを流すので、交換後のインクに混入してしまう交換前のインクの量が多かった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、インク交換時に廃棄されるインクの量を抑えるとともに、交換前のインクの混入を低減させインクを確実に交換することができるインクジェットプリンタのインク供給システム、インクジェットプリンタのインク供給方法、並びにインクジェットプリンタを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
【0008】
本発明のインクジェットプリンタのインク供給システムは、第一のインクが充填された第一主タンクに一端が接続される第一パイプと、第二のインクが充填された第二主タンクに一端が接続される第二パイプと、前記第一のインク又は前記第二のインクのいずれかを噴射して印刷媒体に印刷するインクジェットヘッドに一端が接続され、前記第一パイプまたは前記第二パイプが他端に接続される第三パイプと、を備えるインクジェットプリンタのインク供給システムにおいて、前記第三パイプは、前記第三パイプと前記第一パイプと連通させる着脱可能な第一接続部との接続と、前記第三パイプと前記第二パイプとを連通させる着脱可能な第二接続部との接続とを、兼用する共通接続部を有し、前記第三パイプと前記第一パイプが連通した場合に前記インクジェットヘッドへ前記第一のインクが供給され、前記第三パイプと前記第二パイプが連通した場合に前記インクジェットヘッドへ前記第二のインクが供給されることを特徴としている。
【0009】
ここで、第一のインクを用いてインクジェットヘッドで印刷をする準備ができたときには、第一のインクを第一主タンクからインクジェットヘッドまで搬送するために、第一主タンク、第一パイプ、第三パイプ及びインクジェットヘッド内には第一のインクが充填され、第二のインクを用いてインクジェットヘッドで印刷をする準備ができたときには、第二主タンク、第二パイプ、第三パイプ及びインクジェットヘッド内には第二のインクが充填される。
【0010】
この発明によれば、第三パイプに空気導入バルブを設けることで、空気導入バルブから第三パイプ内に空気を導入し、第三パイプ中の第一のインクの少なくとも一部を収容しなおすことができる。
【0011】
続いて、着脱式の第一接続部と第一パイプの他端及び第三パイプの他端とのそれぞれの接続を解除し、着脱式の第二接続部と第二パイプの他端及び第三パイプの他端とのそれぞれを接続することにより、第一接続部と第二接続部を交換する。
【0012】
ここで、第二主タンクを押圧する、あるいは供給ポンプで供給するとともにインクジェットヘッド側から吸引することにより、第三パイプ及びインクジェットヘッド中に収容されていた第一のインクが、インクジェットヘッド側から排出され廃棄される。ここで、第三パイプ中に収容されていた第一のインクの少なくとも一部を前もって収容しなおしたので、インク交換時に廃棄されるインクの量を抑えることができる。
【0013】
また、第三パイプ及びインクジェットヘッド中に収容されていた第一のインクが廃棄されると同時に、第三パイプ及びインクジェットヘッド内が第二のインクで充填される。このため、もともと第二のインクが充填されている第二主タンク及び第二パイプに加えて、第三パイプ及びインクジェットヘッド内が第二のインクで充填される。従って、インクジェットヘッドで印刷されるインクを、第一のインクから第二のインクに確実に交換することができる。
【0014】
また、第三パイプ中に充填された第一のインクの少なくとも一部を収容しなおしたので、第三パイプ中に第二のインクを充填させる際に第二のインクに混入する第一のインクの量を抑えることが可能となる。このため、インクを第一のインクから第二のインクに交換する際の第一のインクの混入を低減させ、より確実にインクを交換することができる。
【0015】
また、前記第一接続部を含み、内部にインクが充填されるインク収納部をさらに有する第一補助タンクに前記第一のインクが充填され、前記第二接続部を含み、内部にインクが充填されるインク収納部をさらに有する第二補助タンクに前記第二のインクが充填されることがより好ましい。
【0016】
この発明によれば、第三パイプに空気導入バルブを設けることで、空気導入バルブから第三パイプ内に空気を導入し、第三パイプ中の第一のインクの少なくとも一部を第一補助タンクに収容することができる。
【0017】
続いて、着脱式の第一補助タンクが有する第一接続部と第一パイプの他端及び第三パイプの他端とのそれぞれの接続を解除し、着脱式の第二補助タンクが有する第二接続部と第二パイプの他端及び第三パイプの他端とのそれぞれを接続することにより、第一補助タンクと第二補助タンクを交換する。
【0018】
ここで、第二主タンクを押圧する、あるいは供給ポンプで供給するとともにインクジェットヘッド側から吸引することにより、第三パイプ及びインクジェットヘッド中に収容されていた第一のインクが、インクジェットヘッド側から排出され廃棄される。ここで、第三パイプ中に収容されていた第一のインクの少なくとも一部を前もって第一補助タンクに収容したので、インク交換時に廃棄されるインクの量を抑えることができる。
【0019】
また、第三パイプ及びインクジェットヘッド中に収容されていた第一のインクが廃棄されると同時に、第三パイプ及びインクジェットヘッド内が第二のインクで充填される。このため、もともと第二のインクが充填されている第二主タンク及び第二パイプに加えて、第三パイプ及びインクジェットヘッド内が第二のインクで充填される。従って、インクジェットヘッドで印刷されるインクを、第一のインクから第二のインクに確実に交換することができる。
【0020】
また、第三パイプ中に充填された第一のインクの少なくとも一部を第一補助タンクに収容するので、第三パイプ中に第二のインクを充填させる際に第二のインクに混入する第一のインクの量を抑えることが可能となる。このため、インクを第一のインクから第二のインクに交換する際の第一のインクの混入を低減させ、より確実にインクを交換することができる。
【0021】
また、前記第二のインクのインク情報を記録した前記第二補助タンクの記録部から前記インク情報を読取る認識手段をさらに備えることがより好ましい。
【0022】
ここで言うインク情報とは、インクの色や溶剤の種類等を示す情報のことである。
【0023】
この発明によれば、第二補助タンクの記録部に記録されたインク情報を認識手段で読取ることができる。
【0024】
また、前記第一パイプの他端、前記第二パイプの他端及び前記第三パイプの他端が同一直線上に配置されるとともに、前記第一パイプの他端と前記第三パイプの他端との距離と前記第二パイプの他端と前記第三パイプの他端との距離とが異なるように配置されていることがより好ましい。
【0025】
この発明によれば、第一パイプの他端と第三パイプの他端に同時に接続される第一接続部は、第二パイプの他端と第三パイプの他端には同時に接続されない。同様に、第二パイプの他端と第三パイプの他端に同時に接続される第二接続部は、第一パイプの他端と第三パイプの他端には同時に接続されない。このため、第一接続部と第二接続部の誤接続を防止することができる。
【0026】
また、前記第二接続部を接続した場合、前記第二補助タンクに充填されるインクのインク情報を認識し、該インク情報を前記記録部に記録する書込認識手段をさらに備えることがより好ましい。
【0027】
この発明によれば、第二接続部で第三パイプと第二パイプとを接続した場合、第二補助タンクに第二のインクが充填されることとなるが、書込認識手段はこの第二のインクのインク情報を認識し、書込記録部に記録することができる。
【0028】
また、前記第三パイプは該第三パイプへの空気の導入と遮断を切り替える空気導入バルブをさらに有し、前記空気導入バルブから空気の導入をした場合に前記第三パイプの他端方向へ空気が導入されることがより好ましい。
【0029】
この発明によれば、第三パイプに設けられた空気導入バルブから第三パイプ内に空気を導入することで、第三パイプ中の第一のインクの少なくとも一部を収容しなおすことができる。
【0030】
続いて、着脱式の第一接続部と第一パイプの他端及び第三パイプの他端とのそれぞれの接続を解除し、着脱式の第二接続部と第二パイプの他端及び第三パイプの他端とのそれぞれを接続する。
【0031】
ここで、第二主タンクを押圧する、あるいは供給ポンプで供給するとともにインクジェットヘッド側から吸引することにより、第三パイプ及びインクジェットヘッド中に収容されていた第一のインクが、インクジェットヘッド側から排出され廃棄される。ここで、第三パイプ中に収容されていた第一のインクの少なくとも一部を前もって収容しなおしたので、インク交換時に廃棄されるインクの量を抑えることができる。
【0032】
また、第三パイプ及びインクジェットヘッド中に収容されていた第一のインクが廃棄されると同時に、第三パイプ及びインクジェットヘッド内が第二のインクで充填される。このため、もともと第二のインクが充填されている第二主タンク及び第二パイプに加えて、第三パイプ及びインクジェットヘッド内が第二のインクで充填される。従って、インクジェットヘッドで印刷されるインクを、第一のインクから第二のインクに確実に交換することができる。
【0033】
また、第三パイプ中に充填された第一のインクの少なくとも一部を収容しなおしたので、第三パイプ中に第二のインクを充填させる際に第二のインクに混入する第一のインクの量を抑えることが可能となる。このため、インクを第一のインクから第二のインクに交換する際の第一のインクの混入を低減させ、より確実にインクを交換することができる。
【0034】
また、本発明のインクジェットプリンタは、上記のいずれかに記載のインクジェットプリンタのインク供給システムと、前記インクジェットヘッド側から前記第二のインクを吸引する吸引ポンプとを備えることを特徴としている。
【0035】
この発明によれば、インクジェットヘッド側からの吸引を吸引ポンプにより自動的に行うことができる。従って、インクジェットプリンタのインク供給作業をより短時間で終了させることができる。
【0036】
また、本発明のインクジェットプリンタのインク供給方法は、インクを収納するインク収納部をさらに有し前記第一接続部を含む第一補助タンクと、インクを収納するインク収納部をさらに有し前記第二接続部を含む第二補助タンクと、前記第三パイプは該第三パイプへの空気の導入と遮断を切り替える空気導入バルブをさらに有する上記に記載のインクジェットプリンタのインク供給システムを使用するインクジェットプリンタのインク供給方法であって、前記空気導入バルブから空気を導入して、前記第三パイプ中の前記第一のインクの少なくとも一部を前記第一補助タンクに格納させる第一のインク格納工程と、前記第一パイプの他端及び前記第三パイプの他端と前記第一補助タンクが有する前記第一接続部とのそれぞれの接続を解除させる第一補助タンク分離工程と、前記第二パイプの他端及び前記第三パイプの他端と前記第二補助タンクが有する前記第二接続部とをそれぞれ接続させるとともに、前記第二補助タンクに設けられた前記記録部に記録された前記第二のインクの前記インク情報を前記認識手段に読み取らせる第二補助タンク接続工程と、前記第三パイプ及び前記インクジェットヘッドに前記第二のインクを充填させるパイプ充填工程とを備えることを特徴としている。
【0037】
この発明によれば、第一のインク格納工程において、空気導入バルブから空気を導入することにより、第三パイプ中の第一のインクの少なくとも一部を第一補助タンクに収容することができる。
【0038】
続いて、第一補助タンク分離工程において、着脱式の第一補助タンクが有する第一接続部と第一パイプの他端及び第三パイプの他端とのそれぞれの接続を解除する。そして、第二補助タンク接続工程において、第二パイプの他端及び第三パイプの他端と着脱式の第二補助タンクが有する第二接続部とをそれぞれ接続させるとともに、第二補助タンクの記録部に記録された第二の色のインク情報を認識手段に読み取らせる。
【0039】
最後に、パイプ充填工程において、第三パイプ及びインクジェットヘッドに第二のインクを充填させる際に、第三パイプ及びインクジェットヘッド中に収容されていた第一のインクがインクジェットヘッド側から排出され廃棄される。第三パイプ中に収容されていた第一のインクの少なくとも一部を前もって第一補助タンクに収容したので、廃棄されるインクの量を抑えることができる。
【0040】
こうして、もともと第二のインクが充填されている第二主タンク及び第二パイプに加えて、第三パイプ及びインクジェットヘッド内を第二のインクで充填することが可能となる。従って、インクジェットヘッドで印刷されるインクを、第一のインクから第二のインクに確実に交換することができる。
【0041】
また、第三パイプ中に充填された第一のインクの少なくとも一部を第一補助タンクに収容するので、第三パイプ中に第二のインクを充填させる際に第二のインクに混入する第一のインクの量を抑えることが可能となる。このため、第一のインクから第二のインクに交換する際の第一のインクの混入を低減させ、より確実にインクを交換することができる。
【0042】
また、本発明のインクジェットプリンタのインク供給方法は、前記第三パイプは該第三パイプへの空気の導入と遮断を切り替える空気導入バルブをさらに有する上記に記載のインクジェットプリンタのインク供給システムを使用するインクジェットプリンタのインク供給方法であって、前記空気導入バルブから空気を導入して、前記第三パイプ中の前記第一のインクの少なくとも一部を前記第一補助タンクに格納させる第一のインク格納工程と、前記第一パイプの他端及び前記第三パイプの他端と前記第一補助タンクが有する前記第一接続部とのそれぞれの接続を解除させる第一補助タンク分離工程と、前記第二パイプの他端及び前記第三パイプの他端と、内部にインクが充填されていない前記インク収納部を有する前記第二補助タンクの前記第二接続部とをそれぞれ接続させるとともに、前記書込認識手段が、前記第二補助タンクに収容されることになる前記第二のインクの前記インク情報を認識し、前記第二補助タンクの前記書込記録部に書き込む補助空タンク接続工程と、前記第二補助タンク、前記第三パイプ及び前記インクジェットヘッドに前記第二のインクを充填させる補助タンク充填工程とを備えることを特徴としている。
【0043】
この発明によれば、第一のインク格納工程において、空気導入バルブから空気を導入することにより、第三パイプ中の第一のインクの少なくとも一部を第一補助タンクに格納させる。
【0044】
続いて、第一補助タンク分離工程において、第一補助タンクが有する第一接続部と第一パイプの他端及び第三パイプの他端とのそれぞれの接続を解除する。そして、補助空タンク接続工程において、第二パイプの他端及び第三パイプの他端と、未だ内部にインクが充填されていないインク収納部を有する第二補助タンクの第二接続部とをそれぞれ接続させる。ここで、第二補助タンクに第二パイプを介して接続された第二主タンクに充填された第二のインクが第二補助タンクに充填されるインクとなるが、書込認識手段にこの第二のインクのインク情報を認識させる。
【0045】
最後に、補助タンク充填工程において、第二補助タンク、第三パイプ及びインクジェットヘッドに第二のインクを充填させる際に第三パイプ及びインクジェットヘッド中に収容されていた第一のインクがインクジェットヘッド側から排出され廃棄される。第三パイプ中に収容されていた第一のインクの少なくとも一部を前もって第一補助タンクに収容したので、廃棄されるインクの量を抑えることができる。
【0046】
こうして、もともと第二のインクが充填されている第二主タンク及び第二パイプに加えて、第二補助タンク、第三パイプ及びインクジェットヘッド内が第二のインクで充填される。従って、インクジェットヘッドで印刷されるインクを、第一のインクから第二のインクに確実に交換することができる。
【0047】
また、第三パイプ中に充填された第一のインクの少なくとも一部を第一補助タンクに収容するので、第三パイプ中に第二のインクを充填させる際に第二のインクに混入する第一のインクの量を抑えることが可能となる。このため、インクを第一のインクから第二のインクに交換する際の第一のインクの混入を低減させ、より確実にインクを交換することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明のインクジェットプリンタのインク供給システム、インクジェットプリンタのインク供給方法、並びにインクジェットプリンタによれば、インク交換時に廃棄されるインクの量を抑えるとともに、交換前のインクの混入を低減させインクを確実に交換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
(第一の実施形態)
以下、本発明の第一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1から図8は、本発明のインクジェットプリンタの第一実施形態の説明図である。図1はインクジェットプリンタの正面図、図2は図1に示すキャリッジユニットの構成図、図3はインクジェットプリンタのブロック図、図4はインク供給システムの構成図である。
【0050】
本実施形態のインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、印刷媒体である記録紙Pを予め決められた搬送方向L1(図1において紙面に対して垂直な方向)に搬送する搬送手段2と、それぞれ異なる色のインクを噴射して記録紙Pに印刷する複数のインクジェットヘッド58を搬送方向L1に直交する直交方向L2に往復移動させるキャリッジユニット4と、複数のインクジェットヘッド58にそれぞれ接続された複数の第一サブタンク53と、複数の第一サブタンク53にそれぞれ選択的に接続される複数の第一カートリッジ51及び第二カートリッジ52と、各構成を制御する主制御部46とで概略構成されている。
【0051】
なお、第一カートリッジ51は特許請求の範囲の第一主タンクに、第二カートリッジ52は第二主タンクに、第一サブタンク53は第一補助タンクにそれぞれ相当する。
【0052】
つまり、このインクジェットプリンタ1は、記録紙Pを搬送方向L1に搬送しながら、搬送方向L1に直交する直交方向L2にインクジェットヘッド58を移動させて、第一カートリッジ51又は第二カートリッジ52とのいずれかに充填されているインクをインクジェットヘッド58から噴射して記録紙Pに文字や画像等を印刷するプリンタである。なお、本実施形態では、6つのインクジェットヘッド58を備え、各インクジェットヘッド58には、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ライトマゼンタ(Lm)及びライトシアン(Lc)のインクで印刷をする準備ができている場合を例にしている。なお、これら6つのインクジェットヘッド58は、同一構成とされている。
【0053】
キャリッジユニット4は、ヒータ11によって加熱されたプラテン12の上面に置かれた状態で搬送させられる記録紙P上を、上記直交方向L2に沿って往復移動するユニットであって、図1及び図2に示すように、キャリッジ7と、移動手段9とを備えている。
【0054】
インクジェットヘッド58の下面のノズル面58bにはそれぞれ、インクを噴射するノズル孔58aが備えられている。インクジェットヘッド58は、図2に示すように、インクジェットヘッド58が有するノズル面58bを記録紙Pに対向させた状態でキャリッジ7のヘッドベース7aに固定されている。この際、複数のノズル孔58aが搬送方向L1に沿って並ぶように固定されている。また、キャリッジ7が移動する直交方向L2に並ぶように6つのインクジェットヘッド58がそれぞれ固定されている。
【0055】
また、各インクジェットヘッド58は、図1に示すように、第二分割パイプ63、空気導入バルブ57及び第一分割パイプ62を介して第一サブタンク53にそれぞれ接続されている。ここで、第一カートリッジ51には第一パイプ55が、第二カートリッジ52には第二パイプ56がそれぞれ接続されているが、各第一サブタンク53は第一パイプ55にそれぞれ接続されている。
【0056】
なお、この第一分割パイプ62及び第二分割パイプ63は、キャリッジ7の移動に影響を与えないように、軟質な材料で形成された可撓性を有する長尺なチューブとされている。
【0057】
なお、第一分割パイプ62及び第二分割パイプ63が、特許請求の範囲の第三パイプに相当する。
【0058】
空気導入バルブ57は、バルブ部本体80とジョイント部材90とからなり、第一分割パイプ62の他端62bにジョイント部材90が設けられ、第二分割パイプ63の一端63aにバルブ部本体80が設けられている。
【0059】
空気導入バルブ57は、第一分割パイプ62及び第二分割パイプ63への空気の導入と遮断を切り替えるバルブである。すなわち、空気導入バルブ57を構成するバルブ部本体80とジョイント部材90とを互いに接続すると、バルブ部本体80とジョイント部材90との相互間にインクが流れることが可能となるとともに空気の侵入が遮断される。
【0060】
一方、バルブ部本体80とジョイント部材90が互いの接続を解除された時には、バルブ部本体80の内部に有する弁構造により、空気だけでなくインクもバルブ部本体80を流れることができなくなる。つまり、バルブ部本体80は接続を解除された時も第二分割パイプ63への空気の流入を防止する。また、ジョイント部材90の先端には図示しないインク供給孔が設けられ、このインク供給孔から第一分割パイプ62に空気が導入される。
【0061】
また、空気導入バルブ57の接続解除したときに、ジョイント部材90からインクが漏れ出ないように、ジョイント部材90は第一サブタンク53の位置より高い位置に固定されている事が好ましい。更に、ジョイント部材90の開口部が上向きになっていることが好ましい。インクが漏れず、開口部の状態を見ることもできる。
【0062】
キャリッジ7は、図1に示すように、直交方向L2に沿って配された状態で基台30に固定された図示しないキャリッジレール上に移動自在に固定されていると共に、一対のプーリ31に巻回された搬送ベルト32に連結されている。一対のプーリ31のうち、一方のプーリ31は基台30に固定された駆動モータ33からの回転駆動力を受けて回転するようになっている。他方の図示していないプーリは、搬送ベルト32によって連れ回りする。これにより、キャリッジ7は、直交方向L2に向けて往復移動できるようになっている。
【0063】
即ち、これらキャリッジレール、一対のプーリ31、搬送ベルト32及び駆動モータ33は、上記移動手段9を構成している。
【0064】
基台30には、直交方向L2に沿って搬送ローラ34が設けられている。この搬送ローラ34は、記録紙Pの下側に位置する一本の図示しない下側ローラと、記録紙Pの上側に位置する複数の図示しない上側ローラとで構成されている。下側ローラは、図示しないモータによって回転駆動するようになっており、上側ローラは、記録紙Pを押さえ付けて記録紙Pの搬送によって連れ回りするピンチローラとして機能する。つまり、搬送ローラ34は、図示しないモータによって駆動され、記録紙Pを間に挟んだ状態で互いに逆方向に回転するようになっている。これにより、記録紙Pは、搬送方向L1に搬送されるようになっている。即ち、搬送ローラ34は、上記搬送手段2として機能する。
【0065】
また、記録紙Pの下面には、ヒータ11が組み込まれたプラテン12が配置されている。また、このプラテン12には、図示しない吸着機構が備わっている。これにより記録紙Pは、プラテン12の上面に吸い付きながら滑り、搬送ローラ34によって搬送させられるようになっている。
【0066】
また、6つの第一サブタンク53はサブタンク取付部22に、6つの第一カートリッジ51はカートリッジ取付部21の上段に、6つの第二カートリッジ52はカートリッジ取付部21の下段にそれぞれが着脱自在に取付けられている。そして各第一サブタンク53は上下方向に配置された一対の第一カートリッジ51及び第二カートリッジ52のいずれか一つと接続される。
【0067】
また、サブタンク取付部22及びカートリッジ取付部21はそれぞれが基台30上に固定されている。
【0068】
つまり、インクを交換する時に、また封入されているインクの残量や使用期間に応じて、インクジェットプリンタ1の作業者が、第一カートリッジ51、第二カートリッジ52及び第一サブタンク53を容易に交換することができるようになっている。この際、ノズル孔58aに所定の負圧がかかるように、第一サブタンク53はノズル孔58aよりも下方、すなわち鉛直方向の下向きに配置され、第一カートリッジ51及び第二カートリッジ52は第一サブタンク53よりさらに下方に配置されている。
【0069】
また、後述する第二サブタンク54は第一サブタンク53と交換してサブタンク取付部22に着脱自在に取付けることができる。
【0070】
また、基台30には、吸引ユニット40及びワイプユニット41が設けられている。吸引ユニット40は、キャリッジ7が記録紙Pの上方領域(印刷領域)から外れて待機する位置、即ち、ホームポジションに設けられており、吸引キャップ40aと、各吸引ポンプ40bとから構成されている。キャリッジ7がホームポジションに配置されると、それぞれの吸引キャップ40aはそれぞれのインクジェットヘッド58のノズル面58bに当接する。
【0071】
また、吸引ポンプ40bは、ノズル孔58a内の吸引を後述するインク供給システム50のインクジェットヘッド58側から強制的に行ってインクを排出させるポンプである。これにより、何らかの原因によりノズル孔58aが詰まってしまった場合には、ホームポジションにおいて吸引を行い、ノズル孔58a内の詰まりを強制的なインクの排出によって解消することができるようになっている。なお、排出されたインクは、吸引ポンプ40bに接続された廃液タンク40cに回収されるようになっている。
【0072】
ワイプユニット41は、記録紙Pと吸引ユニット40との間に設けられており、ワイプユニット41の動作時にノズル面58bに接触してノズル面58bを拭って汚れ等を除去する弾性体又は多孔質のワイプ部41aを有している。これにより、各インクジェットヘッド58のノズル面58bをできるだけ清浄な状態に維持している。
【0073】
図3に示すように、インクジェットプリンタ1に備えられた主制御部46は、所定の制御プログラムに基づいて演算し制御するCPU46aと、所定領域にあらかじめCPU46aの制御プログラム等を格納しているROM46bと、ROM46b等から読み出したデータやCPU46aの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM46cと、ヒータ11を通電させるヒータ通電手段46dと、駆動モータ33を駆動させる駆動モータ駆動手段46eと、吸引ポンプ40bを駆動させる吸引ポンプ駆動手段46fとを備える。
【0074】
CPU46aは、ROM46b、RAM46c、ヒータ通電手段46d、駆動モータ駆動手段46e、吸引ポンプ駆動手段46f、及び後述するインク供給制御部61のインク制御装置61aとそれぞれ接続されている。
【0075】
CPU46aはさらに入出力パネル47に接続され、使用者は入出力パネル47を介してCPU46aからの情報を得るとともにCPU46aに各種命令を出せるように構成されている。
【0076】
インクジェットプリンタ1には6色のインク用に6セットのインク供給システム50が備えられているが、図4に示すその内の1セットのインク供給システム50を例にして説明する。
【0077】
図3及び図4に示すように、インク供給システム50は、第一カートリッジ51に一端55aが接続される第一パイプ55と、第二カートリッジ52に一端56aが接続される第二パイプ56と、第一サブタンク53又は第二サブタンク54により、第一パイプ55又は第二パイプ56に選択的に接続される第一分割パイプ62と、第一分割パイプ62の他端62bに接続される空気導入バルブ57と、一端63aが空気導入バルブ57に接続される第二分割パイプ63とを備える。そして、第二分割パイプ63の他端63bには、インクジェットヘッド58が接続されている。
【0078】
また、インク供給システム50はさらに、第一パイプ55の経路に配置された第一供給ポンプ60aと、第二パイプ56の経路に配置された第二供給ポンプ60bと、後述する記録部53d、54dに記録されたインク情報を読取るサブタンク検出センサ64と、カートリッジ取付部21の上段のカートリッジの有無を検出する上段カートリッジ検出センサ65aと、カートリッジ取付部21の下段のカートリッジの有無を検出する第二カートリッジ52を検出する下段カートリッジ検出センサ65bと、主制御部46からの命令を受けて各構成を制御するインク供給制御部61とを備える。
【0079】
なお、サブタンク検出センサ64は特許請求の範囲の認識手段に相当する。
【0080】
また、サブタンク検出センサ64はサブタンク取付部22の天面下方に、上段カートリッジ検出センサ65aはカートリッジ取付部21の上段に、下段カートリッジ検出センサ65bはカートリッジ取付部21の下段にそれぞれ固定されている。
【0081】
また、インク情報とは、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)等のインクの色や、溶剤の種類等を示す情報のことである。
【0082】
第一カートリッジ51及び第一サブタンク53には第一のインクW1が、第二カートリッジ52及び第二サブタンク54には第二のインクW2が充填されている。ここで、第一のインクW1と第二のインクW2とは、インクの色のみが異なり溶剤が同一のもの、又はインクの色が同じだが溶剤が異なるもの等となっている。
【0083】
そして、図4に示すように、第一のインクW1を用いてインクジェットヘッド58で印刷をする準備ができた時には、第一のインクW1を第一カートリッジ51からインクジェットヘッド58まで搬送するために、第一パイプ55、第一分割パイプ62、第二分割パイプ63及びインクジェットヘッド58内に第一のインクW1が充填されている。そしてインクの交換に対応するために第二パイプ56内には第二のインクW2が充填されている。
【0084】
第一パイプ55の他端55b、第二パイプ56の他端56b及び第一分割パイプ62の一端62aのそれぞれにはジョイント部材90が設けられている。そして、第一パイプ55の他端55b、第二パイプ56の他端56b及び第一分割パイプ62の一端62aはそれぞれサブタンク取付部22に次のように配置されて固定されている。
【0085】
すなわち、第一パイプ55の他端55b、第二パイプ56の他端56b及び第一分割パイプ62の一端62aが同一直線C上に配置されるとともに、第一パイプ55の他端55bと第一分割パイプ62の一端62aとの距離D1と第二パイプ56の他端56bと第一分割パイプ62の一端62aとの距離D2とが異なるように配置されている。
【0086】
このため、第二パイプ56の他端56bと第一分割パイプ62の一端62aに同時に接続される第二サブタンク54は、第一パイプ55の他端55bと第一分割パイプ62の一端62aには同時に接続されない。従って、第一のインクW1が充填された第一カートリッジ51が第一パイプ55を介して第二のインクW2が充填された第二サブタンク54に接続され、第二サブタンク54内に充填された第二のインクW2に第一のインクW1が混入することを防止することができる。
【0087】
なお、第一分割パイプ62の一端62aは、特許請求の範囲の共通接続部に相当する。
【0088】
第一カートリッジ51は、箱状に成形された樹脂からなるカートリッジケース51aと、カートリッジケース51aの内部に配置され第一のインクW1が充填されているカートリッジバッグ51bと、カートリッジバッグ51bからの第一のインクW1の出入り口となるカートリッジ接続部51cとを備える。
【0089】
また、第二カートリッジ52は、箱状に成形された樹脂からなるカートリッジケース52aと、カートリッジケース52aの内部に配置され第二のインクW2が充填されているカートリッジバッグ52bと、カートリッジバッグ52bからの第二のインクW2の出入り口となるカートリッジ接続部52cとを備える。
【0090】
第一サブタンク53は、箱状に成形された樹脂からなるサブタンクケース53aと、サブタンクケース53aの内部に配置され第一のインクW1が充填されているサブタンクバッグ53bと、第一パイプ55の他端55bと第一分割パイプ62の一端62aにそれぞれ設けられたジョイント部材90に接続される二つのバルブ部本体80と、サブタンクバッグ53b内に充填する第一のインクW1のインク情報を記録した記録部53dを備える。
【0091】
同様に、第二サブタンク54は、箱状に成形された樹脂からなるサブタンクケース54aと、サブタンクケース54aの内部に配置され第二のインクW2が充填されているサブタンクバッグ54bと、第二パイプ56の他端56bと第一分割パイプ62の一端62aにそれぞれ設けられたジョイント部材90に接続される二つのバルブ部本体80と、サブタンクバッグ54b内に充填する第二のインクW2のインク情報を記録した記録部54dを備える。
【0092】
なお、第一サブタンク53が備える二つのバルブ部本体80及びサブタンクケース53aが特許請求の範囲の第一接続部に、第二サブタンク54が備える二つのバルブ部本体80及びサブタンクケース54aが第二接続部に、サブタンクバッグ53b及びサブタンクバッグ54bがインク収納部にそれぞれ相当する。
【0093】
作業者が第一サブタンク53を取り扱う間にサブタンクケース53aに固定された二つのバルブ部本体80の位置が変わらないように、サブタンクケース53aは樹脂や板金などの硬い素材で形成される。第二サブタンク54についても同様に硬い素材で形成される。
【0094】
また、記録部53dはサブタンクケース53aの上面の凹部に設けられ、第一サブタンク53をサブタンク取付部22に取付けた時に記録部53dがサブタンク検出センサ64に接するように配置されている。第二サブタンク54の記録部54dについても同様である。
【0095】
また、第一サブタンク53に備えられた二つのバルブ部本体80の間隔は距離D1に、第二サブタンク54に備えられた二つのバルブ部本体80の間隔は距離D2になるように配置されている。
【0096】
また、カートリッジバッグ51b、カートリッジバッグ52b、サブタンクバッグ53b及びサブタンクバッグ54bは表面にアルミが蒸着された薄いポリエチレンの袋等からなり、可撓性を有して手で押してインクを押し出すこともできる。
【0097】
そして、第一サブタンク53をサブタンク取付部22に取付けると、第一パイプ55の他端55b及び第一分割パイプ62の一端62aに設けられたそれぞれのジョイント部材90と、第一サブタンク53に設けられた二つのバルブ部本体80がそれぞれ接続される。また、第一サブタンク53をサブタンク取付部22から取外すと、第一パイプ55の他端55b及び第一分割パイプ62の一端62aに設けられたそれぞれのジョイント部材90と、第一サブタンク53に設けられた二つのバルブ部本体80との接続が解除される。
【0098】
なお、第二サブタンク54をサブタンク取付部22に取付け、サブタンク取付部22から取外す場合も同様である。
【0099】
図4に示すように、第一供給ポンプ60aは、第一パイプ55の経路に配置され、第一カートリッジ51に充填された第一のインクW1を第一パイプ55に搬送する駆動力を生じるとともに、第一パイプ55の第一のインクW1が流れる経路の開放/閉鎖状態を切り替えることができる。
【0100】
同様に、第二供給ポンプ60bは、第一パイプ56の経路に配置され、第二カートリッジ52に充填された第二のインクW2を第二パイプ56に搬送する駆動力を生じるとともに、第二パイプ56の第二のインクW2が流れる経路の開放/閉鎖状態を切り替えることができる。
【0101】
インク供給制御部61は、CPU46aからの命令を受けて各種の演算と行うインク制御装置61aと、所定時間を計測し信号をインク制御装置61aに送るタイマ61bと、第一供給ポンプ60a及び第二供給ポンプ60bを駆動させる供給ポンプ駆動手段61cと備える。
【0102】
そして、インク制御装置61aは、CPU46a、タイマ61b及び供給ポンプ駆動手段61cとそれぞれ接続されている。
【0103】
次に、本発明のインクジェットプリンタでのインク供給方法について説明する。図5はインク供給方法のフローチャートであり、図6から図8はインク供給方法の各工程を示す説明図である。
【0104】
なお、インク供給方法の各工程の説明を明確にするために、インク供給システム50の主要部のみを図示して説明を行う。そして、インクジェットプリンタ1に6セット備えられたインク供給システム50の内の図4に示す1セットを例にして説明する。
【0105】
なお、インク供給方法の各工程が開始される前においては、インク供給システム50の各構成は図4に示すように配置されている。さらに、キャリッジ7がホームポジションに配置され、吸引キャップ40aはノズル面58bに当接している。
【0106】
主制御部46のCPU46aから第二のインクW2を供給するように命令を受けると、インク供給制御部61のインク制御装置61aは、まず、第一のインク格納工程(ステップS11)において、供給ポンプ駆動手段61cに命令して第一供給ポンプ60aを閉鎖状態にさせる。
【0107】
そして、インクジェットプリンタ1の作業者は、空気導入バルブ57を分離して、ジョイント部材90が設けられた第一分割パイプ62の他端62bから第一分割パイプ62内に空気を導入し、ステップS12に移行する(図6参照)。
【0108】
サブタンクバッグ53bは可撓性を有する袋からなるので、第一分割パイプ62中の第一のインクは自重により第一サブタンク53の方へ移動し、第一分割パイプ62中の第一のインクW1の少なくとも一部を第一サブタンク53に収容することができる。空気導入バルブ57は第一分割パイプ62内にある第一のインクW1をサブタンクバッグ53bへ逆流させ、再格納させる再格納手段として動作する。
【0109】
次に、第一補助タンク分離工程(ステップS12)において、作業者は、サブタンク取付部22から第一サブタンク53を取外す。これにより、第一パイプ55の他端55b及び第一分割パイプ62の一端62aに設けられたそれぞれのジョイント部材90と、第一サブタンク53に設けられた二つのバルブ部本体80との接続が解除され、ステップS13に移行する。
【0110】
次に、第二補助タンク接続工程(ステップS13)において、作業者は、サブタンク取付部22に第二サブタンク54を取付ける。これにより、第二パイプ56の他端56b及び第一分割パイプ62の一端62aに設けられたそれぞれのジョイント部材90と、第二サブタンク54に設けられた二つのバルブ部本体80がそれぞれ接続される(図7参照)。
【0111】
また、作業者がサブタンク取付部22に第二サブタンク54を取付けると、インク制御装置61aはサブタンク検出センサ64に記録部54dに記録された第二のインクW2のインク情報を読取らせることができる。そして、読取ったインク情報をインク制御装置61aに送信させる。インク制御装置61aは、インク情報をCPU46aに送信し、ステップS14に移行する。
【0112】
最後に、パイプ充填工程(ステップS14)において、作業者は、空気導入バルブ57を構成するバルブ部本体80とジョイント部材90を結合させ、第一分割パイプ62への空気の侵入を遮断する。
【0113】
次に、インク制御装置61aは、供給ポンプ駆動手段61cに命令して第二供給ポンプ60bを駆動させ、第二のインクW2を供給しつつ吸引させる。
【0114】
次に、インク制御装置61aは、CPU46aに信号を送り吸引ポンプ駆動手段46fに命令して吸引ポンプ40bを駆動させるとともに、タイマ61bに所定時間の計測を開始させる。
【0115】
そして、予め計測された第一分割パイプ62、第二分割パイプ63及びインクジェットヘッド58が第二のインクW2で充填されるのに要する時間が経過すると、タイマ61bは所定時間の計測を終了しインク制御装置61aに所定時間が経過したという信号を送る。タイマ61bからの信号を受けると、インク制御装置61aはCPU46aに信号を送り吸引ポンプ駆動手段46fに命令して吸引ポンプ40bを停止させる(図8参照)。
【0116】
インクジェットヘッド58側からの吸引を吸引ポンプ40bにより自動的に行うことができるので、インク供給システム50を備えるインクジェットプリンタ1のインク供給作業をより短時間で終了させることができる。
【0117】
上記のように吸引ポンプ40bを駆動した時に、第一分割パイプ62、第二分割パイプ63及びインクジェットヘッド58中に収容されていた第一のインクW1がインクジェットヘッド58のノズル孔58a側から排出され廃棄される。第一分割パイプ62中に収容されていた第一のインクW1の少なくとも一部を前もって第一サブタンク53に収容したので、廃棄される第一のインクW1の量を抑えることができる。
【0118】
インク制御装置61aからインクの供給が終了したことを示す信号を受けると、CPU46aは、入出力パネル47により、インク供給システム50で印刷されるインクが第二のインクW2に切替えられたことを示す。
【0119】
こうして、本発明の第一実施形態のインクジェットプリンタ1によれば、もともと第二のインクW2が充填されている第二カートリッジ52及び第二パイプ56に加えて、第一分割パイプ62、第二分割パイプ63及びインクジェットヘッド58内を第二のインクW2で充填することが可能となる。従って、インクジェットヘッド58で印刷されるインクを、第一のインクW1から第二のインクW2に確実に交換することができる。
【0120】
また、第一分割パイプ62中に充填された第一のインクW1の少なくとも一部を第一サブタンク53に収容するので、第一分割パイプ62中に第二のインクW2を充填させる際に第二のインクW2に混入する第一のインクW1の量を抑えることが可能となる。このため、第一のインクW1から第二のインクW2に交換する際の第一のインクW1の混入を低減させ、より確実にインクを交換することができる。
【0121】
なお、上記第一実施形態において、第一サブタンク53の構成から記録部53dを、第二サブタンク54の構成から記録部54dを、インク供給システム50の構成からサブタンク検出センサ64を、それぞれ無くしてもよい。
【0122】
これらの構成が無くても、上記の工程により第一のインクW1から第二のインクW2へのインク交換は可能だからである。
【0123】
また、上記第一実施形態でインク供給システム50に備えられていたサブタンク検出センサ64、上段カートリッジ検出センサ65a及び下段カートリッジ検出センサ65bを構成から無くしてもよい。第一サブタンク53又は第二サブタンク54がサブタンク取付部22に取付けられたこと、第一カートリッジ51及び第二カートリッジ52がカートリッジ取付部21に取付けられたことは、これらのセンサが無くても作業者が確認することができるからである。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二実施形態を図面を参照して説明する。図9はインク供給システムの構成図、図10はインクジェットプリンタのブロック図である。なお説明の便宜上、本発明の第二実施形態において、前述の第一実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0124】
第二実施形態が第一実施形態との異なる点は以下の二点である。
【0125】
まず第一に、第二実施形態では、図9に示すように、第一カートリッジ51に充填されている第一のインクW1のインク情報を認識するためにカートリッジケース51aにカートリッジ識別部51dが新たに設けられ、同様に、第二カートリッジ52に充填されている第二のインクW2のインク情報を認識するためにカートリッジケース52aにカートリッジ識別部52dが新たに設けられている。
【0126】
カートリッジ識別部51dとカートリッジ識別部52dは、カートリッジケース51aとカートリッジケース52aのそれぞれの所定位置に設けられた突起であり、この形状はカートリッジの内部に充填されるインクの種類により変えられている。
【0127】
そして第二に、第一実施形態でインク供給システム50が備えていた第二サブタンク54、サブタンク検出センサ64、上段カートリッジ検出センサ65a及び下段カートリッジ検出センサ65bに替えて、第二実施形態のインク供給システム100は、内部にインクが充填されていない第二サブタンク101、書込認識装置103、上段インク情報検出センサ102a及び下段インク情報検出センサ102bを備えている。
【0128】
なお、書込認識装置103は特許請求の範囲の書込認識手段に相当する。
【0129】
第二サブタンク101は、箱状に成形された樹脂からなるサブタンクケース101aと、サブタンクケース101aの内部に配置され内部にインクが充填されていないサブタンクバッグ101bと、第二パイプ56の他端56bと第一分割パイプ62の一端62aにそれぞれ設けられたジョイント部材90に接続される二つのバルブ部本体80と、書込記録部101dを備える。
【0130】
書込記録部101dには、インクが第二サブタンク101の内部に入る際の入口となるバルブ部本体80の位置情報が記録されているとともに、第二サブタンク101の内部に充填されるインクのインク情報を記録することが可能となっている。
なお、第二サブタンク101が備える二つのバルブ部本体80及びサブタンクケース101aが第二接続部に相当する。
【0131】
上段インク情報検出センサ102aは、カートリッジ取付部21の上段に固定され、カートリッジ取付部21の上段に取付けられるカートリッジのカートリッジ識別部の形状を検出することにより、このカートリッジに充填されているインクのインク情報を認識する。なお、下段インク情報検出センサ102bについても同様である。そして、図10に示すように、上段インク情報検出センサ102aと下段インク情報検出センサ102bは、検出結果を書込認識装置103に送信する。
【0132】
書込認識装置103は、第二サブタンク101に充填されるインクのインク情報を認識し、そのインク情報を第二サブタンク101の書込記録部101dに記録する。
【0133】
また、書込認識装置103はサブタンク取付部22の天面下方に固定されている。
【0134】
次に、本発明のインクジェットプリンタでのインク供給方法について説明する。図11はインク供給方法のフローチャートであり、図12から図13はインク供給方法の各工程を示す説明図である。
【0135】
なお、インク供給方法の各工程の説明を明確にするために、インク供給システム100の主要部のみを図示して説明を行う。
【0136】
なお、この工程が開始される前において、図9に示すように、カートリッジ取付部21の上段に第一カートリッジ51が取付けられた時に、上段に固定された上段インク情報検出センサ102aはカートリッジ識別部51dの形状を検出し、検出結果を書込認識装置103に送信している。同様に、カートリッジ取付部21の下段に第二カートリッジ52が取付けられた時に、下段に固定された下段インク情報検出センサ102bはカートリッジ識別部52dの形状を検出し、検出結果を書込認識装置103に送信している。
【0137】
そして、送信されたこれらの検出結果から、書込認識装置103はカートリッジ取付部21の上段及び下段に取付けられたカートリッジに充填されたそれぞれのインクのインク情報を予め認識している。
【0138】
また、第二実施形態のインク供給方法は、第一実施形態と図5に示す第一補助タンク分離工程(ステップS12)まで同一であり、それ以降の工程のみ異なる。
【0139】
なお、インク供給方法の各工程が開始される前においては、インク供給システム100の各構成は図9に示すように配置されている。
【0140】
図11に示すように、第一補助タンク分離工程(ステップS12)に続いて行われる補助空タンク接続工程(ステップS16)において、作業者は、サブタンク取付部22に第二サブタンク101を取付ける。これにより、第二パイプ56の他端56b及び第一分割パイプ62の一端62aに設けられたそれぞれのジョイント部材90と、第二サブタンク101に設けられた二つのバルブ部本体80がそれぞれ接続される(図12参照)。
【0141】
また、作業者がサブタンク取付部22に第二サブタンク101を取付けると、インク制御装置61aは書込認識装置103に書込記録部101dに記録されたバルブ部本体80の位置情報を読取らせる。書込認識装置103はバルブ部本体80の位置情報から、第二サブタンク101が第二パイプ56の他端56bに接続されることを認識すると、第二パイプ56が接続されるカートリッジ取付部21の下段に取付けられている第二カートリッジ52のインク情報を書込記録部101dに書き込み、ステップS17に移行する。
【0142】
最後に、補助タンク充填工程(ステップS17)において、作業者は、空気導入バルブ57を構成するバルブ部本体80とジョイント部材90を結合させ、第一分割パイプ62への空気の侵入を遮断する。
【0143】
次に、インク制御装置61aは、供給ポンプ駆動手段61cに命令して第二供給ポンプ60bを開放状態にさせる。
【0144】
次に、インク制御装置61aは、CPU46aに信号を送り吸引ポンプ駆動手段46fに命令して吸引ポンプ40bを駆動させ、供給ポンプ駆動手段61cに命令して第二供給ポンプ60bを駆動させるとともに、タイマ61bに所定時間の計測を開始させる。
【0145】
そして、予め計測された第二サブタンク101、第一分割パイプ62、第二分割パイプ63及びインクジェットヘッド58が第二のインクW2で充填されるのに要する時間が経過すると、タイマ61bは所定時間の計測を終了しインク制御装置61aに所定時間が経過したという信号を送る。タイマ61bからの信号を受けると、インク制御装置61aはCPU46aに信号を送り吸引ポンプ駆動手段46fに命令して吸引ポンプ40bを停止させるとともに、供給ポンプ駆動手段61cに命令して第二供給ポンプ60bを停止させる(図13参照)。
【0146】
この第二実施形態では、前記第一実施形態と同様な効果を奏する。
【0147】
また、第二サブタンク101の内部には当初インクが充填されていないので、カートリッジに充填されるインクの種類によらず第二サブタンク101を用いることができる。
【0148】
なお、上記第二実施形態において、第一サブタンク53の構成から記録部53dを、第二サブタンク101の構成から書込記録部101dを、インク供給システム100の構成から書込認識装置103を、それぞれ無くしてもよい。
【0149】
これらの構成が無くても、上記の工程により第一のインクW1から第二のインクW2へのインク交換は可能だからである。
【0150】
また、インク情報検出センサをメモリ読取手段、カートリッジに各種情報を記憶したメモリを配置し、そのメモリを読み込むことで、挿入されているカートリッジの判別が同様にでき、その判別結果に基づき処理をすることも可能である。
【0151】
また、処理ステップごとに確認入力を行い、その確認入力に基づいて次の処理ステップに移行してもよい。そうすることで、処理を確実に行うことができ、また一時的に時間を空けることもできる。
【0152】
また、上記第二実施形態でインク供給システム100に備えられていた書込認識装置103、上段インク情報検出センサ102a及び下段インク情報検出センサ102bを構成から無くしてもよい。第一サブタンク53又は第二サブタンク54がサブタンク取付部22に取付けられたこと、第一カートリッジ51及び第二カートリッジ52がカートリッジ取付部21に取付けられたこと、及び各カートリッジの内部に充填されるインクの種類は、これらのセンサが無くても作業者が確認することができるからである。
【0153】
以上、本発明の第一実施形態及び第二実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更等も含まれる。
【0154】
例えば、上記第一実施形態では、空気導入バルブ57を分離/結合したり、サブタンク取付部22から第一サブタンク53を取外しサブタンク取付部22に第二サブタンク54を取付けるたりする作業を作業者が行った。しかし、上記の作業をインク供給制御部61の命令のもとに自動に行うバルブ切替装置やサブタンク交換装置を新たに備えてもよい。
【0155】
なお、上記第二実施形態でも同様の構成とすることができる。
【0156】
また、上記第二実施形態では、インク供給システム100のインクジェットヘッド58に供給するインクが、第一のインクW1、第二のインクW2という二種類のインクの中から選べるように構成した。
【0157】
しかし、図14に示すように例えば四種類のインクの中から選べるように構成してもよい。すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の色のインクがそれぞれ充填されたイエローカートリッジ111a、マゼンタカートリッジ111b、シアンカートリッジ111c及びブラックカートリッジ111dを接続パイプ112、113、114及び115でそれぞれサブタンク取付部22に接続する。
【0158】
このとき、接続パイプ112、113、114及び115のそれぞれの一端112a、113a、114a及び115aが同一直線C1上に配置されるとともに、第一分割パイプ62の一端62aと一端112a、113a、114a及び115aとの距離をそれぞれD8、D6、D7及びD9とした時に、距離D6と距離D7が、距離D8と距離D9がそれぞれ異なるように配置されることが好ましい。
【0159】
サブタンク116を第一分割パイプ62の一端62aを中心に180度回転させても取付かないので、サブタンク116の誤装着を防止できるからである。
なおこの場合、例えば、マゼンタ(M)色用のマゼンタサブタンク117b、シアン(C)色用のシアンサブタンク117c、ブラック(Bk)色用のブラックサブタンク117dは、それぞれ図15に示すような形状になる。
【0160】
なお、上記第一実施形態でも同様の構成とすることができる。
【0161】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態では、第一パイプ55の他端55b、第二パイプ56の他端56b及び第一分割パイプ62の一端62aの配置により、第一サブタンク53等をサブタンク取付部22に取付ける際の誤装着を防止した。
【0162】
しかし、図16に示すように、第一サブタンク53のサブタンクケース53aの側面の一つに凸部53eを設け、この凸部53eと勘合するようにサブタンク取付部22に凹部22aを設けてもよい。
【0163】
この構成でも、サブタンク116の誤装着を防止できるからである。
【0164】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態では、第一パイプ55の他端55b、第二パイプ56の他端56b及び第一分割パイプ62の一端62aの配置により、第一サブタンク53等をサブタンク取付部22に取付ける際の誤装着を防止した。
【0165】
しかし、第一パイプ55の他端55b、第二パイプ56の他端56b及び第一分割パイプ62の一端62aをこのように配置しなくてもよい。
【0166】
サブタンクの誤装着が防止されていなくても、インクジェットヘッド58で印刷されるインクを、第一のインクW1から第二のインクW2に交換することができるからである。
【0167】
また、上記第一実施形態では、サブタンク取付部22に取付けられるサブタンクの種類を特定するために、第一サブタンク53に記録部53dを、そして第二サブタンク54に記録部54dを備えた。
【0168】
しかし、図17に示すように、第一サブタンク53の構成から記録部53dを無くし、さらに第一パイプ55の他端55b及び第二パイプ56の他端56bにそれぞれ設けられたジョイント部材90のバルブ部本体80が取付けられる面にサブタンク検出センサ118a、118bを設けてもよい。図示はしないが、第二サブタンク54の構成からも記録部54dを無くすことになる。
【0169】
ここで、サブタンク検出センサ118a、118bはサブタンクに設けられたバルブ部本体80に押圧されることによりサブタンクを検出するセンサである。
【0170】
この構成でも、サブタンク取付部22に取付けられるサブタンクの種類を特定できるからである。
【0171】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態でインク供給システム50に備えられていた第一供給ポンプ60a及び第二供給ポンプ60bを構成から無くしてもよい。カートリッジバッグ51b及びカートリッジバッグ52bは可撓性を有するので、手で押して第一カートリッジ51及び第二カートリッジ52からインクを押し出すこともできるからである。
【0172】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態で、第一サブタンク53の替わりに、サブタンクケース53aと、サブタンクケース53aに固定され第一分割パイプ62と第一パイプ55とを連通させる二つのバルブ部本体80と、サブタンクケース53a内で二つのバルブ部本体80を直結するパイプを備えた第一接続コネクタを用いてもよい。
【0173】
同様に、第二サブタンク54の替わりに、サブタンクケース54aと、サブタンクケース54aに固定され第一分割パイプ62と第二パイプ56とを連通させる二つのバルブ部本体80と、サブタンクケース54a内で二つのバルブ部本体80を直結するパイプを備えた第二接続コネクタを用いてもよい。
【0174】
このような構成にしても、上記と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明のインクジェットプリンタの第一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すインクジェットプリンタを構成するキャリッジユニットの構成図である。
【図3】本発明のインクジェットプリンタの第一実施形態のブロック図である。
【図4】本発明のインクジェットプリンタの第一実施形態のインク供給システムの構成図である。
【図5】本発明のインクジェットプリンタの第一実施形態のインク供給システムのインク供給方法のフローチャートである。
【図6】本発明のインクジェットプリンタの第一実施形態のインク供給システムのインク供給方法の工程を示す説明図である。
【図7】本発明のインクジェットプリンタの第一実施形態のインク供給システムのインク供給方法の工程を示す説明図である。
【図8】本発明のインクジェットプリンタの第一実施形態のインク供給システムのインク供給方法の工程を示す説明図である。
【図9】本発明のインクジェットプリンタの第二実施形態のインク供給システムの構成図である。
【図10】本発明のインクジェットプリンタの第二実施形態のブロック図である。
【図11】本発明のインクジェットプリンタの第二実施形態のインク供給システムのインク供給方法のフローチャートである。
【図12】本発明のインクジェットプリンタの第二実施形態のインク供給システムのインク供給方法の工程を示す説明図である。
【図13】本発明のインクジェットプリンタの第二実施形態のインク供給システムのインク供給方法の工程を示す説明図である。
【図14】本発明のインクジェットプリンタの実施形態の変形例のインク供給システムを示す説明図である。
【図15】本発明のインクジェットプリンタの実施形態の変形例のサブタンクの形状を示す説明図である。
【図16】本発明のインクジェットプリンタの実施形態の変形例のサブタンク及びサブタンク取付部の形状を示す説明図である。
【図17】本発明のインクジェットプリンタの実施形態の変形例のインク供給システムの要部拡大図である。
【符号の説明】
【0176】
1 インクジェットプリンタ
40b 吸引ポンプ
50、100 インク供給システム
51 第一カートリッジ(第一主タンク)
52 第二カートリッジ(第二主タンク)
53 第一サブタンク(第一補助タンク)
53b、54b サブタンクバッグ(インク収納部)
54 第二サブタンク(第二補助タンク)
54d 記録部
55 第一パイプ
55b 第一パイプの他端
56 第二パイプ
56b 第二パイプの他端
57 空気導入バルブ
58 インクジェットヘッド
64 サブタンク検出センサ(認識手段)
62 第一分割パイプ
62a 第一分割パイプの一端(第三パイプの他端、共通接続部)
63 第二分割パイプ
101 補助空タンク
101d 書込記録部
103 サブタンク検出書込センサ(書込認識手段)
W1 第一のインク
W2 第二のインク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のインクが充填された第一主タンクに一端が接続される第一パイプと、
第二のインクが充填された第二主タンクに一端が接続される第二パイプと、
前記第一のインク又は前記第二のインクのいずれかを噴射して印刷媒体に印刷するインクジェットヘッドに一端が接続され、前記第一パイプまたは前記第二パイプが他端に接続される第三パイプと、を備えるインクジェットプリンタのインク供給システムにおいて、
前記第三パイプは、前記第三パイプと前記第一パイプとを連通させる着脱可能な第一接続部との接続と、前記第三パイプと前記第二パイプとを連通させる着脱可能な第二接続部との接続とを、兼用する共通接続部を有し、
前記第三パイプと前記第一パイプが連通した場合に前記インクジェットヘッドへ前記第一のインクが供給され、前記第三パイプと前記第二パイプが連通した場合に前記インクジェットヘッドへ前記第二のインクが供給されることを特徴とするインクジェットプリンタのインク供給システム。
【請求項2】
前記第一接続部を含み、内部にインクが充填されるインク収納部をさらに有する第一補助タンクに前記第一のインクが充填され、前記第二接続部を含み、内部にインクが充填されるインク収納部をさらに有する第二補助タンクに前記第二のインクが充填されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインク供給システム。
【請求項3】
請求項2に記載のインクジェットプリンタのインク供給システムにおいて、
前記第二のインクのインク情報を記録した前記第二補助タンクの記録部から前記インク情報を読取る認識手段をさらに備えることを特徴とするインクジェットプリンタのインク供給システム。
【請求項4】
請求項1に記載のインクジェットプリンタのインク供給システムにおいて、
前記第一パイプの他端、前記第二パイプの他端及び前記第三パイプの他端が同一直線上に配置されるとともに、前記第一パイプの他端と前記第三パイプの他端との距離と前記第二パイプの他端と前記第三パイプの他端との距離とが異なるように配置されていることを特徴とするインクジェットプリンタのインク供給システム。
【請求項5】
請求項2に記載のインクジェットプリンタのインク供給システムにおいて、
前記第二接続部を接続した場合、前記第二補助タンクに充填されるインクのインク情報を認識し、該インク情報を前記第二補助タンクの書込記録部に記録する書込認識手段をさらに備えることを特徴とするインクジェットプリンタのインク供給システム。
【請求項6】
前記第三パイプは該第三パイプへの空気の導入と遮断を切り替える空気導入バルブをさらに有し、前記空気導入バルブから空気の導入をした場合に前記第三パイプの他端方向へ空気が導入されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのインク供給システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタのインク供給システムと、
前記インクジェットヘッド側から前記第二のインクを吸引する吸引ポンプとを備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項8】
インクを収納するインク収納部をさらに有し前記第一接続部を含む第一補助タンクと、インクを収納するインク収納部をさらに有し前記第二接続部を含む第二補助タンクと、前記第三パイプは該第三パイプへの空気の導入と遮断を切り替える空気導入バルブと、前記第二のインクのインク情報を記録した前記第二補助タンクの記録部から前記インク情報を読取る認識手段をさらに有する請求項1に記載のインクジェットプリンタのインク供給システムを使用するインクジェットプリンタのインク供給方法であって、
前記空気導入バルブから空気を導入して、前記第三パイプ中の前記第一のインクの少なくとも一部を前記第一補助タンクに格納させる第一のインク格納工程と、
前記第一パイプの他端及び前記第三パイプの他端と前記第一補助タンクが有する前記第一接続部とのそれぞれの接続を解除させる第一補助タンク分離工程と、
前記第二パイプの他端及び前記第三パイプの他端と前記第二補助タンクが有する前記第二接続部とをそれぞれ接続させるとともに、前記第二補助タンクの前記記録部に記録された前記第二のインクの前記インク情報を前記認識手段に読み取らせる第二補助タンク接続工程と、
前記第三パイプ及び前記インクジェットヘッドに前記第二のインクを充填させるパイプ充填工程とを備えることを特徴とするインクジェットプリンタのインク供給方法。
【請求項9】
前記第三パイプは該第三パイプへの空気の導入と遮断を切り替える空気導入バルブをさらに有する請求項5に記載のインクジェットプリンタのインク供給システムを使用するインクジェットプリンタのインク供給方法であって、
前記空気導入バルブから空気を導入して、前記第三パイプ中の前記第一のインクの少なくとも一部を前記第一補助タンクに格納させる第一のインク格納工程と、
前記第一パイプの他端及び前記第三パイプの他端と前記第一補助タンクが有する前記第一接続部とのそれぞれの接続を解除させる第一補助タンク分離工程と、
前記第二パイプの他端及び前記第三パイプの他端と、内部にインクが充填されていない前記インク収納部を有する前記第二補助タンクの前記第二接続部とをそれぞれ接続させるとともに、前記書込認識手段が、前記第二補助タンクに充填されることになる前記第二のインクの前記インク情報を認識し、前記第二補助タンクの前記書込記録部に書き込む補助空タンク接続工程と、
前記第二補助タンク、前記第三パイプ及び前記インクジェットヘッドに前記第二のインクを充填させる補助タンク充填工程とを備えることを特徴とするインクジェットプリンタのインク供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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