説明

インクジェットプリントヘッド

【目的】インクジェットプリントヘッドにおけるインクタンクと蒸発チャンバとの間の改善されたインク流路を提供する。
【構成】本発明の一実施例によれば、インクチャネルおよび蒸発チャンバを含む障壁層が矩形基板とオリフィス列を有するノズル部材との間に配置される。基板は加熱素子の2つの線形アレイを備え、ノズル部材の各オリフィスは蒸発チャンバおよび加熱素子と関連する。障壁層のインクチャネルは基板の2つの対向する端部に沿って一般的に連続するインク流入口を有し、基板の端部の周辺を流れるインクがインクチャネルおよび蒸発チャンバにアクセスするのを増幅する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的に、インクジェット(インク噴射)及び他のタイプのプリンタに関し、更に詳細には、この種のプリンタに使用されるインクカートリッジのプリントヘッド部分に関する。
【0002】
【従来の技術】熱インクジェットプリントカートリッジは、小さい体積のインクを急速に加熱することによって動作し、インクを気化させ、複数個のオリフィスのうちの1つを通って、例えば1枚の用紙のような記録用媒体の上にインクの点を印刷するように、インクを排出させる。一般に、オリフィスは、ノズル部材に1つ又は複数の線形列として配列される。各オリフィスから適切に順序だててインクを排出することにより、用紙に対してプリントヘッドが移動するにつれて、用紙上に文字その他の像が印刷される。一般に、プリントヘッドが紙を横断して移動する度に用紙は平行移動される。熱インクジェットプリンタにおいては、インクだけが用紙に衝突するので、高速かつ静粛である。この種のプリンタは、高品質の印刷を達成可能であり、また、コンパクトかつ手頃に製作可能である。
【0003】先行技術によれば、一般に、インクジェットプリントヘッドは次に示す部分を備えている。即ち、(1)インクタンクからオリフィスに近接した各蒸発チャンバまでインクを供給するインクチャネル、(2)所要のパターン(模様)のオリフィスが形成される金属製オリフィスプレート又はノズル部材、(3)蒸発チャンバ1個につき1個の抵抗器から成る一連の薄膜抵抗器を備えたシリコン基板。インクの1つの点(ドット)を印刷するには、選定された特定の薄膜抵抗器に外部電源から電流を流す。これによって、抵抗器が加熱され、ひいては蒸発チャンバ内において抵抗器に近接するインクの薄い層が過熱され、爆発的な気化を生じ、その結果として、関連オリフィスを通って用紙の上にインクの小滴を噴射させる。先行技術による1つのプリントカートリッジは、1985年2月19日付けで発行され本譲受人に譲渡された、「使い捨てインクジェットヘッド」という表題のBuckその他の米国特許第4,500,895号に開示されている。
【0004】Johnsonに付与された「熱インクジェット用共通スロット付きインク供給プリントヘッド」という表題の米国特許第4,683,481号に開示されている先行技術による1つのタイプのインクジェットプリントヘッドにおいては、基板に形成された細長い穴を通ってインクタンクから種々の蒸発チャンバにインクが供給される。次に、インクは、基板とノズル部材との間の障壁層に形成されたマニホルド部分に流れ、更に、複数個のインクチャネルを通って、最終的に種々の蒸発チャンバ内に流入する。この先行技術による構造は中央供給構造として分類され、インクは中央位置から蒸発チャンバに供給され、次に、外側に向かって蒸発チャンバ内に配分される。先行技術によるこのタイプのインク供給構造の欠点は、基板に穴を作るために製造時間が必要とされ、また、必要とされる基板の面積が少なくとも穴の面積だけ増加することである。更に、穴が形成されると、基板は比較的脆くなり、取り扱いが更に困難になる。更に、マニホルドは、蒸発チャンバへのインクの流れを必然的に或る程度拘束することとなる。例えば、蒸発チャンバ内の加熱エレメントに電源を供給すると、蒸発チャンバの近くのインクの流れに影響を及ぼし、クロストーク(妨害的干渉)を起こすことがある。この種のクロストークは、関連加熱エレメント電源を供給した際に、オリフィスによって放出されるインクの量に影響する。
【0005】
【発明の目的】本発明は、インクジェットプリントヘッドにおけるインクタンクと蒸発空洞との間における改良されたインク流通路を提供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】本発明の好ましい実施例においては、矩形の基板と一連のオリフィスを有するノズル部材との間に、インクチャネル及び蒸発チャンバを備えた障壁層が配置される。基板は、2列に線形配置された加熱エレメントを備え、ノズル部材の各オリフィスは、蒸発チャンバ及び加熱エレメントと関連を持つ。障壁層のインクチャネルは、一般に基板の互いに反対側の2つの縁に沿って設けられたインク入口を有するので、基板の周りを流れるインクはインクチャネル及び蒸発チャンバに流入可能である。
【0007】前記のインク流通路(即ち、縁からの供給路)を用いると、障壁層の中央に設けられたインクマニホルドにインクを供給するための穴またはスロットを基板に設ける必要がない。従って、基板を作成する製造時間が短縮される。更に、所定個数の加熱エレメントに対して基板面積を小さくすることができる。更に、基板は、スロットを設けた同等の基板よりも脆さが小さく、従って、基板の取り扱いが簡素化される。更に、この縁から供給する(エッジフィード)構造においては、シリコン基板の背面全体を、そこを横断して流れるインクによって冷却できる。従って、安定状態における電力発散が改良される。
【0008】更に、多数のインクチャネルに対する共通インク流チャネルを提供する中央マニホルドが必要とされないので、インクは、インクチャネル及び蒸発チャンバ内により迅速に流入することができる。これは、一層の印刷高速化を可能にする。尚その上に、マニホルドを排除することにより、一連のインク排出が行われても、各蒸発チャンバに対してより安定したインク流が維持される。従って、近接蒸発チャンバ間のクロストークが最小限に抑制される。その他の利点については、本開示を読むことによって明白になるはずである。
【0009】
【実施例】図1において参照番号10は、全体として、本発明の1つの実施例に基づくプリントヘッドを組み込んだインクジェットプリントカートリッジを示す。インクジェットプリントカートリッジ10はインクタンク12及びプリントヘッドl4を備え、プリントヘッド14はテープ自動接着法(TAB)を用いて形成される。プリントヘッド14(以後、TABヘッド組立体14と称する)は、例えばレーザ除去によって柔軟な重合体テープ18に2列並置して形成された孔またはオリフィスl7を備えるノズル部材16を有する。テープ18は、KaptonTMテープとして市販されており、3M社から入手可能である。UpilexTM又はこれに等価の他の適当なテープを使用しても差し支えない。
【0010】テープ18の背面には、従来の写真平版エッチング及び/又はめっき加工法をもちいてその上に形成された伝導性トレース36(図3に示す)を有する。これらの伝導性トレースは、プリンタと相互接続するように設計された大きい接触パドによって成端される。プリントカートリッジ10は、テープ18の正面の表面上において接触パッド20がプリンタ電極に接触し、外部発生したエネルギ供給信号をプリントヘッドに供給するように、プリンタ内に取付け可能に設計されている。
【0011】ここに示す様々な実施例においては、テープ18の背面(記録媒質に対面する表面の反対側の面)上にトレースが形成される。テープ18の正面表面からこれらのトレースにアクセスするには、トレースの端部を露出するための孔(通路)をテープ18の正面表面を貫いて形成しなければならない。次に、露出されたトレースの端部は、テープ18の正面表面上に示される接触パッド20を形成するために、例えば、金を用いてめっきされる。ウィンドウ(窓部分)22及び24は、テープ18を貫いて伸延し、伝導性を有するトレースの他の端部を加熱抵抗器を含むシリコン基板上の電極に接着することを容易にするために用いられる。ウィンドウ22及び24は、その下に所在するトレース及び基板の部分を保護するために、カプセル材料によって充填される。
【0012】図1に示すプリントカートリッジ10において、テープ18は、プリントカートリッジの「スノート(鼻部分)」の後端の上において曲げられ、スノートの後壁25の長さの約半分だけ伸延する。テープ18のこの垂下部分は、遠い方の端のウィンドウ22を通過する基板電極に接続される伝導性トレースに所定の経路を通過させるために必要とされる。プリントカートリッジ10から取り外した図1のTABヘッド組立体14の正面図を図2に示す。TABヘッド組立体14のウィンドウ22及び24にはカプセル材料が前以て充填されている。
【0013】TABヘッド組立体14の背面には、個別に電源供給可能な複数の薄膜抵抗器を有するシリコン基板28(図3に示す)が添付される。全体的に、各抵抗器は1つの単一オリフィス17の背後に配置され、1つ又は複数個の接触パッド20に順次に、或いは、同時に印加される1つ以上のパルスにより選択的に付勢された場合、これらの各抵抗器は抵抗加熱器として作用する。オリフィス17及び伝導性トレースの寸法、個数、及び、パターン(模様)は任意であり、本発明の特徴を簡潔明瞭に表示するために様々な形状が設計されている。説明し易くするために、種々の特徴の相対寸法は大幅に調整してある。図2に示すテープ18におけるオリフィスのパターンは、ステップ・アンド・リピート加工法においてレーザその他のエッチング手段とマスキング加工法を組合わせることによって形成しても差し支えない。これらの加工法については、当該技術分野に熟達した通常の技術者が本開示を読めば容易に理解できるはずである。
【0014】この加工法については、図10を用いて後で更に詳細に説明する。図2に示すTABヘッド組立体14の背面を図3に示す。図3において、シリコンダイス又は基板28はテープ18の背面に取り付けられ、インクチャネル及び蒸発チャンバを有する基板28に障壁層30が形成され、その障壁層の1つの縁を図3に示す。この障壁層30の詳細に関しては図7に示し、後で詳しく説明する。図に示すように、インクタンク12(図1)からインクを受け取るインクチャネル32の入口は障壁層30の縁に沿って配置される。同じく図3に示すように、テープ18の背面には伝導性のトレース36が形成され、このトレース36は、テープ18の反対側の接触パッド20(図2)において成端する。
【0015】ウィンドウ22及び24を設けることにより、接着を容易にするために、テープ18のもう一方の側からトレース36の端部及び基板電極にアクセスすることができる。図3の線A−Aに沿った断面側面図を図4R>4に示す。図4に示すように、伝導性のトレース36端部は基板28上に形成された電極40に接続される。同じく図4に示すように、障壁層30の部分42は、基板28から伝導性のトレース36の端部を絶縁するために用いられる。更に図4に示すテープ18の側面図に示すように、障壁層30、ウィンドウ22及び24、及び、種々のインクチャネル32の入口が配置される。インクの小滴46は、インクチャネル32の各々と関連したオリフィス孔から噴射される。
【0016】TABヘッド組立体14とプリントヘッド本体との間を密封するために用いられるヘッドランドパターン(岬模様部分)50を図示するために図1のプリントカートリッジ10をTABヘッド組立体14と共に取り外した場合を図5に示す。ヘッドランドの特徴は誇張して図示されている。更に図5に示すように、インクタンク12からTABヘッド組立体14の背面にインクが流れることを可能にするために、プリントカートリッジ10に中央スロット52が配置される。
【0017】ヘッドランドパターン(岬模様部分)50は、TABヘッド組立体14がヘッドランドパターン50に対して所定場所に押圧された場合に、内側の隆起した壁54上に壁の開口部55及び56を横切って(TABヘッド組立体14が位置決めされた場合に基板を封じ込めるように)分配されたエポキシ樹脂接着剤のビード(小塊)がプリントカートリッジ10の本体とTABヘッド組立体14背面との間でインクシール(インク密封部)を形成するように、プリントカートリッジ10に形成され、構成される。他の接着剤としては、ホットメルト、シリコーン、UV硬化接着剤、及び、これらの混合物を使用しても差し支えない。更に、パターンに従って形成される接着剤薄膜は、接着剤の小滴を分配する面と反対側の面に配置しても差し支えない。
【0018】図3に示すTABヘッド組立体14が正しく位置決めされ、接着剤が分配された後で、図5に示すヘッドランドパターン50に押圧された場合には、基板28の2つの短い端部は、壁の開口部55及び56内において表面部分57及び58によって支持される。ヘッドランドパターン50は、基板28が表面部分57及び58によって支持されら場合に、テープ18の背面が隆起した壁54の上面の上においてプリントカートリッジ10の上平面59とほぼ同じ平面に位置するように構成される。TABヘッド組立体14がヘッドランド50上に押圧されるにつれて、接着剤は下方に搾られる。接着剤は、内側の隆起した壁54の上面から、内側の隆起した壁54と外側の隆起した壁60の溝中にあふれ込み、幾分かはスロット52の方に向かってあふれ込む。接着剤は、壁の開口部55及び56から、内側に向かってスロット52方向に搾られ、また、外側の隆起した壁60の方向に外側に向かって搾られ、接着剤が必要以上に外側に押し出されることが阻止される。外側に押し出された接着剤は、インクシール(イン密封材)として役立つばかりでなく、トレースにインクが接触しないように伝導性トレースをヘッドランド50の周辺内に封入する。
【0019】基板28を封じ込めた接着剤によりこのインクシール(密封部)が形成されるので、インクは、スロット52から基板の側面の周辺を通って障壁層30に形成された蒸発チャンバには流入できるが、TABヘッド組立体14の下から滲み出ることはない。このように、この接着剤によるシールは、TABヘッド組立体14をプリントカートリッジ10に強く機械的に結合し、流体によるシール(密封部)を提供し、トレースをカプセルに封じ込める。更に、接着剤によるシールは、先行技術によるシールよりも硬化が容易であり、シール剤の境界線を容易に観察できるので、プリントカートリッジ本体とプリントヘッドとの間における漏洩を容易に検出することができる。
【0020】インクが中央マニホルド(連成体)を通って最終的にインクチャネルの入口に流入することを可能にするために基板内に長さ方向に細長い穴またはスロットを設ける先行技術によるプリントヘッド構造よりも、インクが基板の側面の周りを通ってインクチャネルに直接流入するエッジフィード(縁から供給する)構造の方が更に多くの利点を備える。1つの利点は、スロットを基板内に形成する必要がないので、基板をより小さくできることである。基板内に細長い中央穴を設ける必要がないので基板の幅を狭くすることができるばかりでなく、中央穴の無い基板構造であるためにひび割れまたは破損する傾向が減少するので基板の長さを短縮することが可能である。このように基板を短縮することによって、図5に示すヘッドランド50を短縮し、ひいては、プリントカートリッジのスノート(鼻部分)の短縮を可能にする。このように短縮可能であることは、回転可能なプラテンに対して用紙を押圧する目的でスノートの移送経路の下側に用紙の幅全体に亙って1つ又は複数のピンチローラを備え、更に、プラテンの周りにおける用紙の接触を維持するために移送経路上に1つ又は複数のローラ(スターホイールとも称する)を備えたプリンタにプリントカートリッジを取付ける場合に重要な意味を持つ。プリントカートリッジのスノート(鼻部分)が短かければスターホイールをピンチローラに近接して設置することが可能であり、プリントカートリッジスノートの移送経路に沿った用紙とローラの接触を一層確実に保持することができる。
【0021】更に、基板を小さくすることによって、ウェーハ1つ当たりに形成できる基板の個数を増加することが可能となり、ひいては、基板1つ当たりの材料コストを引き下げることができる。エッジフィード構造の他の利点は、エッチングによって基板内にスロットを設ける必要が無いので製造時間が節減され、取り扱いに際して基板が破損する傾向が減少することである。更に、基板の背面を横断して基板の縁周りを流れるインクが基板背面から熱を除去するように作用するので、基板はより多くの熱を発散することができる。
【0022】エッジフィード構造は多数の性能上の利点も提供する。基板からマニホルド及びスロットが排除されることによってインクの流れを拘束する要素が減少するので、インクは蒸発チャンバ内に更に急速に流入することが可能になる。インクの流速が大きくなるとプリントヘッドの周波数レスポンスが改良され、オリフィスの個数が一定であれば、印刷速度が向上する。更に、インクの流れが一層高速になれば、蒸発チャンバ内の加熱要素への火入れに際して生ずるインク流量の変動に起因する近接蒸発チャンバ間でのクロストーク(相互干渉)が軽減される。
【0023】完成されたプリントカートリッジ10の一部を示す図6において、TABヘッド組立体14とプリントカートリッジ10の本体との間にシール(密封部)を形成する下敷き接着剤の位置を平行線影によって示す。図6において、接着剤は、通常、配列されたオリフィス17を囲む2本の破線の間に配置される。この場合、外側破線62は図5に示す外側隆起壁60の境界よりも僅かに内側に位置し、内側破線64は図5に示す内側隆起壁54の境界よりも僅かに内側に位置する。接着剤は、壁開口部55及び56(図5)を通って搾り出され、基板上の電極に接続されるトレースをカプセルに入れる(封入する)。
【0024】図6の線B−Bに沿ったこのシールの横断面を図9に示し、後で検討することとする。TABヘッド組立体14を形成するために図2に示すテープ18の背面に添付されたシリコン基板28の正面斜視図を図7に示す。シリコン基板28は、従来の写真平版技術を用いてその上に形成された、図7に示すように平行配置された2つ列の薄膜抵抗器70を有する。これらの薄膜抵抗器は、障壁層30に形成された蒸発チャンバ72を通って露出する。一実施例の場合の基板28は、長さが約2分の1インチであって300個の加熱抵抗器70を備えているので、1インチ当たり600ドットの解像度を可能にする。
【0025】図2に示すテープ18の背面に形成された伝導性トレース36(破線で示す)に接続するために、基板28上には電極74が形成される。電極74に供給される多重化された入来信号を非多重化し、その信号を多数の薄膜抵抗器70に配分するために基板28上に形成されるデマルチプレックサ78を図7に破線の囲みで示す。デマルチプレックサ78を用いると、薄膜抵抗器70の使用個数よりも電極74の使用個数をはるかに少数にすることが可能である。使用電極個数が少なくなれば、図4に示すように、基板への全ての接続部を基板の短い末端部分で作成することが可能であり、従って、基板の長い方の側面の周りを流れるインク流がこれらの接続部によって妨害されることがない。デマルチプレックサ78は、電極74に供給されるコード化された信号を解読するための適当なデコーダであっても差し支えない。デマルチプレックサは、電極74に接続された入力リード線(簡明にするために図示せず)、及び、種々の抵抗器70に接続された出力リード線(図示せず)を備える。
【0026】同様に、従来の写真平版技術を用いて、基板28の表面上に障壁層30が形成される。この障壁層は、その中に蒸発チャンバ72及びインクチャネル80が形成される光導電性(フォトレジスト)その他の重合体であっても差し支えない。既に図4に関して検討したように、障壁層30の部分42は、下敷き基板28から伝導性トレース36を絶縁する。
【0027】図3に示すテープ18の背面に障壁層30上面を接着剤によって添付するためには、例えばポリイソプレン光導電性の未乾層のような薄い接着剤層84を障壁層30の上面に塗布する。障壁層30の上面を接着剤で作ることができれば、別の接着剤層は必要ない。従って、結果として得られる基板構造体は、テープ18に設けられたオリフィスと抵抗器70とが一直線上にくるようにテープ18の背面に対して位置決めされる。この直線配置過程においては、必然的に、電極74と伝導性トレース36の端部も一直線上に配置される。次に、トレース36が電極74に接着される。この直線配列及び接着過程については、図10を参照して後で更に詳しく説明する。直線配置されて接着された基板/テープ構造体は、接着剤層84を硬化させるために圧力をかけた状態で加熱され、テープ18の背面に基板構造体を堅固に添付する。
【0028】図7の基板構造体が薄い接着剤層84を介してテープ18の背面に固定された後における、1つの単一蒸発チャンバ72、薄膜抵抗器70、及び、錐台形オリフィス17の拡大図を図8に示す。基板28の側面縁部分は縁部分86として示す。作動中、インクは、矢印88によって示すように、図1のインクタンク12から基板28の側面縁86の周りを通ってインクチャネル80及びこれと関連した蒸発チャンバ72に流入する。薄膜抵抗器70に電力を供給すると、抵抗器に近接しているインクの薄い層が過熱され、爆発的な蒸発を引き起こし、その結果として、インクの小滴がオリフィス17を通って噴射される。次に、蒸発チャンバ72は、毛管作用によって補充される。ちなみに、或る好ましい実施例において、障壁層30の厚さは約1ミルであり、基板28の厚さは約20ミルであり、テープl8の厚さは約2ミルである。
【0029】図9は図6の線B−Bに沿った立面断面図であり、基板28を囲む接着剤シール90の一部、及び、インクチャネル及び蒸発チャンバ92及び94を有する障壁層30の上面において薄い接着剤層84によって基板28がテープ18の中央部分に接着固定された状態を示す。図5に示す隆起した壁54を有するプリントヘッドカートリッジ10のプラスチック製本体の一部も示す。薄膜抵抗器96及び98はそれぞれ蒸発チャンバ92及び94内に配置される。インク99がインクタンク12から流出し、プリントカートリッジ10内に設けられた中央スロット52を通り、基板28の周りを通って蒸発チャンバ92及び94に流入する状態を図9に示す。抵抗器96及び98に電力が供給されると、蒸発チャンバ内のインクは、噴出されたインクの小滴101及び102として放出される。
【0030】他の実施例においては、インクタンクは、2つの個別のインクソース(供給源)を備え、各インクタンクは色の異なるインクを含む。この代替実施例においては、図9に示す中央スロット52は破線103によって示すように2分され、中央スロット52のそれぞれの側は別々のインクソースに通ずる。従って、左側に直線配置された蒸発チャンバは一方の色のインクを噴射し、右側に直線配置された蒸発チャンバは他方の色のインクを噴射するように作成できる。この手法は、4色プリントヘッドの作成にも適用可能であり、別々のインクタンクが基板の各側面に沿ったインクチャネルにそれぞれインクを供給するように作成可能である。従って、既に検討した2つの縁から供給する構造の代りに、4つの縁を利用する構造を使用できる。ただし、この場合には、対称性を持たせるために正方形の基板を用いることが好ましい。
【0031】図3に示すTABヘッド組立体l4の好ましい実施例を作成するための1つの方法を図10に示す。先ず、材料としてはKaptonTM又はUpilexTMタイプの重合体テープ104テープを用いる。ただし、テープ104としては、これらの銘柄でなくても、以下に説明する手順における使用に適したな重合体フィルムであれば差し支えない。この種のフィルムとしては、テフロン、ポリマイド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、又は、これらの混合物であっても差し支えない。一般に、テープ104は、リール105に巻いた長い帯状で(ストリップ)納入される。テープ104を正確かつ確実に移送するためには、テープ104の側面に沿ったスプロケットホール106が用いられる。その代わりに、スプロケットホール106無しで、他のタイプの取り付け用具を用いてテープを移送しても差し支えない。
【0032】好ましい本実施例の場合においては、従来の金属析出および写真平版過程を用いて、例えば図3に示すように、伝導性の銅トレース36をその上に既に備えた状態のテープ104が用いられる。伝導性トレースの所定のパターン(模様)は、テープ104上に続いて配置されるシリコン製ダイス上に形成される電極に電気信号を配分するために望ましい方法に依存する。好ましい本過程においては、テープ104は、レーザ加工チャンバに送られ、例えばF2、ArF、KrCl、KrF、または、XeClタイプのExcimerレーザ112が発生するレーザ放射線110を用いて、1つ又は複数のマスク108によって形成されるパターン(模様)にレーザ除去される。マスクされたレーザ放射線は矢印114によって示す。
【0033】或る好ましい実施例においては、この種マスク108は、テープ104の広い部分に亙って、除去された全ての形状を作図する。即ち、例えばオリフィスパターンマスク108の場合には複数のオリフィスが1つのマスクに含まれ、また、蒸発チャンバパターンマスク108の場合には複数の蒸発チャンバが1つのマスクに含まれる。その代りに、例えばオリフィスパターン、蒸発チャンバパターン、または、他のパターンなどのようなパターン(模様)を、レーザ光線よりもかなり大きい共通マスク基板上に並列配置しても差し支えない。この場合には、この種パターンを、レーザ光線内に順次移動する。この種のマスクに使用されるマスク用材料は、例えば多層誘電体またはアルミニウムのような金属で構成され、レーザ波長において高度の反射性を有する材料であることが好ましい。
【0034】1つ又は複数個のマスク108によって形成されるオリフィスのパターンは、一般に、図2に示すようなものである。図8に示すような段付きオリフィスの勾配を形成するためには、複数個のマスク108を使用しても差し支えない。一実施例においては、図2及び3に示すウィンドウ(窓部分)22及び24のパターン(模様)は、1つの個別マスク108によって形成されるが、好ましい本実施例においては、テープ104を図1010に示す加工過程にかける前に、従来の写真平版技法を用いて、ウィンドウ22及び24が形成される。ノズル部材も蒸発チャンバを有するようなノズル部材の代替実施例においては、オリフィスを形成するためには1つ又は複数個のマスク108が使用され、テープ104の厚さ方向に形成される蒸発チャンバ、インクチャネル、及び、マニホルドを形成するためには、前記とは異なったマスク108及びレーザエネルギーレベル(及び/又はレーザショット数)が使用される。
【0035】この加工過程用のレーザシステムは、一般に、光線送発射光学装置、直線配列光学装置、高精度および高速のマスク往復移動システム、及び、テープ104の取り扱い及び位置決めに用いられる機構部を有する処理チャンバを備える。好ましい実施例におけるレーザシステムは投射マスク構造を用いる。即ち、マスク108とテープ104の間に配置された高精度レンズ115は、Excimerレーザ光により、マスク108が決定するパターン(模様)のイメージ(像)をテープ104上に投射する。
【0036】レンズ115から出るマスクされたレーザ放射を矢印116で示す。この種の構造の投射マスクを使用すると、マスクがノズル部材から物理的に遠く離れて配置されるので、オリフィス寸法の精度を高くできるという利点が得られる。除去加工過程においては当然形成され放出される煤は、除去加工されているノズル部材からの約1センチメートルの距離を移動する。マスクがノズル部材に接触しているか、或いは、近接している場合においては、煤がマスク上に溜積し、除去される図形を変形させて寸法精度を低下させる傾向を生ずる。好ましい実施例においては、除去加工されるノズル部材から2センチメートル以上離れて投射レンズが配置されるので、ノズル部材またはマスク上に煤が溜まることを回避できる。
【0037】除去加工は、先細状の壁を有する形状を作成する技法として周知であり、レーザが入射する表面におけるオリフィスの直径がレーザが出て行く表面におけるオリフィスの直径よりも大きくなるような先細の形状が形成される。エネルギー密度が1平方センチメートル当たり約2ジュール未満である場合には、先細り傾斜角度は、ノズル部材に入射する光エネルギー密度の変化に応じて著しく変化する。エネルギー密度が制御されない場合には、作成されるオリフィスの先細り傾斜角度は大幅に変化し、その結果として、出口におけるオリフィスの直径が大幅に変動するはずである。出口におけるオリフィスの直径が一定でなければ、噴射されるインクの小滴の体積及び速度が有害に変化し、印刷の品質を低下させる。好ましい実施例においては、除去加工に使用されているレーザ光線の光エネルギーは精密に監視され、先細り傾斜角度が一定になり、ひいては、出口直径が再生可能であるように制御される。出口直径が一定であれば、印刷の品質が向上するという利点のほかに、傾斜があることがオリフィスの機能に有利に作用する。
【0038】理由は、先細り傾斜の作用によって吐き出し速度が増大し、インクが一層集束して放出され、その他の有利な作用が発揮されることによる。先細り傾斜角度は、オリフィスの軸に対して5ないし15度の範囲であれば差し支えない。ここに開示する好ましい実施例としての加工過程を用いると、ノズル部材に対してレーザ光線を揺り動かす必要なしに迅速かつ精密な製造を可能にする。レーザ光線をノズル部材の光線出口表面でなくて光線入口表面に入射しても、精密な出口直径が形成される。
【0039】レーザ除去過程の後で、重合体テープ104を段階的に移動させ、除去過程を繰り返す。これをステップアンドリピートと称する。テープ104上に1つの単一パターンを形成するために必要な全処理時間は2ないし3秒の程度で充分である。既に述べたように、ノズル部材当たりの処理時間を短縮するために、1つのマスクパターンに、除去されるべき形状を多数まとめて含ませても差し支えない。
【0040】オリフィス、蒸発チャンバ、及び、インクチャネルを精密に形成するには、レーザ除去加工過程は、他の形のレーザによる穴あけ技法よりも明白な利点を持つ。レーザ除去加工においては、強力な紫外線の短いパルスが表面から約1マイクロメータ以下の厚さの薄い層に吸収される。好ましいパルスエネルギーは、1平方センチメートル当たり約100ミリジュール以上であり、パルスの継続時間は約1マイクロ秒未満である。このような条件の下においては、強力な紫外光線は、化学的接着剤を材料内に光解離する。更に、吸収された紫外線エネルギーは非常に小さな体積の材料に集中され、解離された破片を急速に加熱し、加熱されたこれらの破片が材料の表面から噴射される。これらの過程は極めて迅速に行われるので、熱が周囲の材料に伝播する時間的余裕がない。その結果、周囲の領域は熔融または損傷されず、そして、除去された形状の周囲は、約1マイクロメータの寸法精度で入射光線の形を複写することができる。更に、レーザ除去を用いると、除去される領域全体に亙って光エネルギー密度が一定であるという条件が満足されれば、層内で凹部を形成する底平面を有するチャンバを形成することもできる。この種チャンバの深さは、レーザショット数、及び、各ショットの出力(パワー)密度によって決定される。
【0041】レーザ除去加工は、インクジェットプリントヘッド用ノズル部材の形成に関して、従来の平版電気成型加工と比較して多数の利点を有する。例えば、レーザ除去加工は、一般に、従来の平版電気成形加工よりもコスト安であり、より簡単である。更に、レーザ除去加工過程を用いると、寸法がかなり大きく(即ち、表面積の大きい)、従来の電気成形加工では実現不可能なノズルの幾何学性を備えた重合体ノズル部材を作成することができる。特に、露光強度を制御するか、或は、各露光ごとにレーザ光線の方向を変えて複数回露光することにより独特の形状のノズルを作成することができる。様々なノズルの形状の実例については、「重合体材料を貫通して伸延する少なくとも1つの段付き開口部および段付き開口部を有するノズルプレートを光除去する加工方法」と題し、本譲受人に譲渡され、本明細書に参照文書として記載されている本特許の係属出願第07/658726号に開示されている。更に、電気成形加工過程において必要とされる程度に厳密なプロセス制御を実施することなしに、ノズルの精密な幾何学性を達成することができる。
【0042】重合体材料をレーザ除去することによってノズル部材を形成する場合の更に別の利点は、様々なノズル直径(D)対ノズル長(L)比率を持つオリフィス又はノズルが容易に作成できることである。ちなみに、好ましい本実施例におけるL/D比は1よりも大きい。ノズルの直径に対してノズルの長さ増加することによって得られる利点は、蒸発チャンバ内におけるオリフィスと抵抗器の位置決めの厳密性が緩和されることである。
【0043】使用に際して、レーザ除去加工して作成したインクジェットプリンタ用重合体ノズル部材は、従来の電気成形されたオリフィスプレートよりも優れた特性を有する。例えば、レーザ除去加工した重合体ノズル部材は、水をベースとする印刷用インキによる腐食に対して高度の抵抗力を有し、一般に、疎水性である。更に、レーザ除去加工した重合体ノズル部材は弾力係数が比較的低いので、ノズル部材と下敷き基板または障壁層との間の組み込み応力によるノズル部材と障壁層との剥離傾向が小さくなる。更に、レーザ除去加工した重合体ノズル部材は、重合体基板への固定、或いは、重合体基板による作成が容易である。
【0044】好ましい本実施例においてはExcimerレーザが用いられるが、除去加工を達成するために、光の波長およびエネルギー密度が実質的に同じであるような他の紫外線光源を用いても差し支えない。除去しようとするテープによく吸収させるためには、この種の紫外線光源の波長は150nmから400nmまでの範囲であることが好ましい。更に、周囲の残りの材料を本質的に加熱することなしに、除去された材料を迅速に排出するためには、パルス長が約1マイクロ秒未満である場合、1平方センチメートル当たりのエネルギー密度は約100ミリジュール以上でなくてはならない。
【0045】当該技術分野における通常の熟達者であれば理解できるように、テープ104上にパターン(模様)を形成するためには、多数の他の加工方法が利用できる。この種の加工方法としては、化学的エッチング、スタンピング、反応イオンエッチング、イオンビームミーリング、及び、光成形したパターンを用いた成型または鋳造などが挙げられる。本加工法における次の過程は清浄過程であり、テープ104のレーザ除去された部分を清浄ステーション117の下に配置することである。清浄ステーション117において、レーザ除去によって生じた破片は、通常の工業的方法によって除去される。
【0046】次に、テープ104はその次のステーションに移動される。このステーションは、例えばShinkawa社によって市販されている内部リード接着装置モデル番号IL−20のような通常の自動TABボンダー(接着装置)に組み込まれた、光学的直線配列ステーション118である。ボンダー(接着装置)は、オリフィスを作成するために用いられる方法及び/又は過程と同じ方法及び/又は過程によって作成されたノズル部材上の直線配列(標的)パターン、及び、抵抗器を作成するために用いられる方法及び/又は過程と同じ方法及び/又は過程によって作成された基板上の標的パターンを用いて事前プログラムされる。好ましい本実施例においてはノズル部材は半透明であるので、基板上の標的パターンはノズル部材を通して見ることができる。次に、ボンダーは、2つの標的パターンが一直線上にくるようにノズル部材に対してシリコンダイス120を自動的に位置決めする。Shinkawa TABボンダーは、この種の直線配列機能を有する。基板上の標的パターンとノズル部材上の標的パターンを自動的に直線配列する機能は、抵抗器とオリフィスを正確に一直線上に位置決めするばかりでなく、必然的に、ダイス120上の電極と、テープ104に形成された伝導性トレースの端部とを一直線上に位置決めする。その理由は、トレースとオリフィスはテープ104において直線配置され、基板電極と加熱抵抗器は基板上で直線配置されるからである。従って、2つの標的パターンが直線配置されると、テープ104上及びシリコンダイス120上の全てのパターンは相互に直線配置されることになる。
【0047】このように、市販されている装置のみを用いて、テープ104に対するシリコンダイス120の自動的な直線配列が達成される。伝導性トレースとノズル部材を一体化することにより、この種の直線配列機能が可能になる。このような一体化を実施すると、プリントヘッドの組立てコストが節減されるばかりでなく、プリントヘッドの材料コストも節減される。
【0048】次に、自動TABボンダーは、テープ104に設けられたウィンドウ(窓部分)を通って伝導性トレースの端部を関連基板電極上に押し下げるために、連動接着法(ギャングボンディング)を用いる。次に、ボンダーは、トレースの端部を関連電極に溶接するために、例えば熱圧縮接着法を用いて、熱を供給する。結果として得られる構造の一実施例の側面図を図4に示す。例えば超音波接着、伝導性エポキシ樹脂、はんだペースト、または、他の周知の手段のような前記以外のタイプの接着方法を用いても差し支えない。次に、テープ104は、加熱および圧力ステーション122に移動される。図7に関して既に検討したシリコン基板上に形成された障壁層30の上面には接着剤の層84が配置されている。前記の接着過程の後で、シリコンダイス120はテープ104に圧しつけられ、接着剤層84を硬化させてダイス120をテープ104に物理的に接着するために、熱がくわえられる。
【0049】その後で、テープ104は移動し、任意に、巻取りリール124に巻取られる。その後で、個々のTABヘッド組立体を相互に分離するために、テープ104を切断しても差し支えない。次に、結果として得られるTABヘッド組立体は、プリントカートリッジ10上に配置され、既に説明した図9の接着剤シール90が形成され、ノズル部材をプリントカートリッジに堅固に固定し、ノズル部材とインクタンクの間において基板の周りに耐インクシール(インク漏れ防止密封部)を設け、インクからトレースを隔離するためにヘッドランドに近接した場所でトレースをカプセルに封入する。
【0050】次に、通常の熔融貫通タイプの接着加工法によって柔軟なTABヘッド組立体上の周囲の点をプラスチック製プリントカートリッジ10に固定し、図1に示すように重合体テープ18をプリントカートリッジ10の表面とほぼ同一平面に保つ。以上、本発明の原理、好ましい実施例、及び、作動方法について説明した。ただし、本発明は特定の実施例に制限されるものではない。例えば、前記の発明は、熱タイプのインクジェットプリンタと同様に熱タイプ以外のインクジェットプリンタと一緒に使用できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いることにより、インクジェットプリントヘッドにおけるインクタンクと蒸発空洞との間におけるインク流通路を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクジェットプリントカートリッジの斜視図である。
【図2】TABプリントヘッド組立体の正面表面の斜視図である。
【図3】TABヘッド組立体の裏面表面の斜視図である。
【図4】図3の線A−Aにおける断面の側立面図である。
【図5】図1のインクジェットプリントカートリッジの部分斜視図である。
【図6】図1のインクジェットプリントカートリッジの部分斜視図である。
【図7】基板構造の遠近法による平面図である。
【図8】TABヘッド組立体の一部分の、遠近法による部分破断平面図である。
【図9】図6の線B−Bにおける概略断面図である。
【図10】望ましいTABヘッド組立体を形成するプロセスの1つを示す図である。
【符号の説明】
12:インクタンク
16:ノズル部材
17:オリフィス
18:テープ
20:接触パッド
22、24:ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】複数のインクオリフィスを有するノズル部材と、第1の外側端を有する基板上に前記オリフィスの関連する1つに近接して配置された加熱手段と、前記各オリフィスとインクタンクとを連通し、インクが前記基板の前記第1外側端の周辺に流れ前記オリフィスに近接して流れるのを可能にする流体チャネルと、を備えて成るインクジェットプリントヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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