説明

インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンター

【課題】ダンパー室内からインクなどの液体を排出することが容易な流路構造を備えたインクジェットヘッドを提供すること。
【解決手段】インクジェットヘッド18のヘッド内流路42のインク供給圧力を調整するダンパー34は、インク貯留用凹部45と凹部開口45aを覆ってダンパー室47を区画するダンパー膜46を備える。ノズル面18aが垂直となる印刷姿勢では、ダンパー室47からヘッド内流路42に連通するインク供給口38は、インク貯留用凹部45の周壁45cにおいて、ダンパー室47の上側において、垂直二等分線L1よりもノズル面18aに近く、ダンパー室47の水平二等分線L2よりも垂直二等分線L1に近い部分に設けられている。インクジェットヘッド18の姿勢をノズル面18aが下向きとなる姿勢とすれば、インク供給口38がダンパー室47の下側となり、液体が排出されやすい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドへ供給されるインクの供給圧力の変動を吸収あるいは緩和するダンパーを備えるインクジェットヘッド、および、当該インクジェットヘッドを搭載するインクジェットプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットヘッド内に設けられたヘッド内流路におけるインク供給圧力の急激な変動はインクジェットヘッドからの安定したインクの吐出を妨げることがあるので、特許文献1に記載のインクジェットヘッドは、インクジェットヘッドにインクを供給するためのインクチューブとヘッド内流路との間にインク供給圧力の変動を吸収あるいは緩和するためのダンパーを搭載している。同文献のダンパーは、凹部と凹部開口を塞いてダンパー室を区画している可撓性のダンパー膜を備えている。凹部にはインクチューブに連通するインク流入口と、インクジェットヘッド内のヘッド内流路に連通するインク供給口が開口しており、インクジェットヘッド内のインク供給圧力は、ダンパー膜が変位してダンパー室の容積を増減させることによって調節されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−115092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダンパーを備えるインクジェットヘッドでは、ダンパー室にインクが充填される際にダンパー室内に気泡が残留しやすい。ここで、ダンパー室に気泡が残留すると、この気泡がダンパー室内で成長し、成長した大きな気泡がヘッド内流路の側に移動してインクの吐出不良を発生させることがある。従って、ダンパー室からヘッド内流路に連通するインク供給口は、インクジェットヘッドを印刷姿勢と同様の姿勢となるように配置したときに、ダンパー室の最も上側の部分に設け、気泡がダンパー室内に残留することがないようにすることが一般的である。
【0005】
例えば、図7に示すように、ノズル面100aが垂直となる印刷姿勢で印刷を行うインクジェットヘッド100に、円形凹部101およびダンパー膜102によって区画されたダンパー室103を備えるダンパー104を搭載する場合には、印刷姿勢において円形凹部101をノズル面100aと平行な方向に窪ませて凹部開口101aが水平方向を向くように構成することが考えられるが、このような構成では、ヘッド内流路105が接続されるインク供給口106は円形凹部101の円環状周壁面の最上部分、すなわち、円環状周壁面においてダンパー室を垂直に二分する垂直二等分線L0上に位置する周壁面部分に設けることが一般的である。
【0006】
ここで、インクジェットヘッドの製造工程、および、インクジェットプリンターの製造工程では、インクジェットヘッドからインクを吐出させて印刷を行う印刷検査が行われる。このような印刷検査の後には、インクジェットヘッド100内からインクを排出してヘッド内流路105を洗浄する作業を実施するが、図7に示す構成のインクジェットヘッド100では、インク供給口106が円形凹部101の最上部分に設けられているので、ダンパー室103から検査に用いたインクやインクジェットヘッド100の洗浄に用いた洗浄液を排出することができず、これらの液体がダンパー室103内に残り、インクジェットヘッド100或いはインクジェットヘッド100を搭載したインクジェットプリンターの輸送中に液体が外部に漏れ出すという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、この点に鑑みて、ダンパー室内からインクや洗浄液などの液体を排出することが容易な流路構造を備えたインクジェットヘッド、および、このようなインクジェットヘッドを搭載するインクジェットプリンターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、インクを貯留する凹部と、前記凹部の凹部開口を塞いでダンパー室を区画している可撓性のダンパー膜とを有し、前記ダンパー膜の変位によって前記ダンパー室の容積を増減させてインクノズルのノズル開口と当該ダンパー室との間に設けられているヘッド内流路のインク供給圧力を調節するインクジェットヘッドにおいて、
前記ノズル開口が形成されているノズル面が垂直となる印刷姿勢では、前記凹部は、前記ノズル面と平行な方向に窪んで前記凹部開口が水平方向を向いており、前記ダンパー室から前記ヘッド内流路に連通するインク供給口は、当該ダンパー室を垂直に二分する垂直二等分線よりも前記ノズル面に近い側に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ダンパー室からヘッド内流路に連通するインク供給口は、印刷姿勢においてダンパー室の垂直二等分線よりもノズル面に近い側に設けられている。従って、インクジェットヘッド内からインクや洗浄液などの液体を排出する際などに、インクジェットヘッドの姿勢を印刷姿勢からノズル面が下向きとなる姿勢に変位させてインクノズルからのインク吐出動作を行なえば、インク供給口がダンパー室の下側に位置するので、ダンパー室に残留した液体がインク供給口を介してヘッド内流路の側に移動しやすく、ヘッド内流路からノズル開口を介して外部に排出されやすい。よって、ダンパー室内に残留した液体を外部に排出することが容易となる。
【0010】
本発明において、前記凹部の平面形状は、円形または楕円形であり、前記インク供給口は、前記印刷姿勢では、前記凹部の周壁において当該ダンパー室を水平に二分する水平二等分線よりも前記垂直二等分線に近い部分に設けられていることが望ましい。すなわち、印刷姿勢において、インク供給口がダンパー室の上端側、或いは、下端側に位置するように設けられていることが望ましい。
【0011】
この場合には、前記インク供給口は、前記印刷姿勢では、前記水平二等分線よりも上側に設けられている構成を採用できる。このようにすれば、印刷姿勢においてインク供給口はダンパー室の上端側に位置するので、印刷時などにダンパー室に気泡が上流側から流れてきた場合でも、この気泡は、ダンパー室からヘッド内流路の側に排出されやすく、気泡がダンパー室内で大きく成長することを防止できる。従って、ダンパー室内で成長した大きな気泡が印刷中にヘッド内流路の側に移動してインクの吐出不良を発生させることを回避できる。
【0012】
また、この場合には、前記インク供給口は、前記印刷姿勢では、前記水平二等分線よりも下側に設けられている構成を採用することもできる。このようにすれば、印刷姿勢においてインク供給口はダンパー室の下端側に位置するので、インクジェットヘッドを印刷姿勢としたままでもダンパー室内の液体がインク供給口を介してヘッド内流路の側に移動しやすい。従って、ダンパー室内に液体が残留することを抑制できる。また、インクジェットヘッド内からインクや洗浄液などの液体を排出する際などに、インクジェットヘッドの姿勢を印刷姿勢からノズル面が下向きとなる姿勢に変位させた場合にもインク供給口がダンパー室の下側に位置するので、このような姿勢でインクジェットヘッド内から液体を排出する際にも、液体がヘッド内流路の側に移動してノズル開口から外部に排出されやすい。ここで、インク供給口を水平二等分線よりも下側に設けると、ダンパー室に気泡が発生した場合に、気泡がダンパー室からヘッド内流路の側に排出されず、この気泡がダンパー室内で成長してしまう可能性がある。しかし、インク供給口は水平二等分線よりも垂直二等分線に近い部分に設けられており、インク供給口が気泡の溜まる上端から遠いダンパー室の下端側に位置しているので、ダンパー室内で成長した気泡が印刷動作中にヘッド内流路の側に移動することが抑制される。従って、ダンパー室内で成長した大きな気泡がヘッド内流路の側に移動してインクの吐出不良を発生させることを抑制できる。
【0013】
本発明において、前記インク供給口は、前記凹部の周壁を前記凹部開口の側から切り欠いて設けられており、前記ヘッド内流路において前記インク供給口に接続されている上流端側流路部分は、前記凹部と同一方向に窪む溝部であり、前記凹部に接近するのに伴って溝幅が広がっており、前記凹部開口と前記溝部の溝部開口とは、同一平面上で連続しており、前記溝部開口は、前記凹部開口とともに前記ダンパー膜によって塞がれていることが望ましい。このような構成を備えていれば、ダンパー室に隣接している上流端側流路部分の溝幅が広がることにより、実質的にダンパー室の最大容積が増加する。この結果、インク供給圧力の変動を吸収あるいは緩和するダンパーの性能が向上する。
【0014】
次に、本発明のインクジェットプリンターは、ノズル開口が形成されているノズル面が垂直となる印刷姿勢で上記のインクジェットヘッドが搭載されていることを特徴とする。本発明によれば、インクジェットプリンターの製造工程においてインクジェットヘッドからインクを吐出させて印刷を行う印刷検査を行なった後にインクジェットヘッド内からインクを排出してヘッド内流路を洗浄する際などに、インクジェットヘッド内から検査に用いたインクや洗浄に用いた洗浄液を排出することが容易となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、インクジェットヘッド内からインクや洗浄液などの液体を排出する際に、インクジェットヘッドをノズル面が下向きとなるように配置すれば、インク供給口がダンパー室の下側に位置する。この結果、ダンパー室に残留した液体がインク供給口を介してヘッド内流路の側に移動しやすくなるので、ノズル面が下向きとなる姿勢でインクノズルからのインク吐出動作を行なえば、液体がノズル開口から外部に排出されやすい。よって、ダンパー室内に残留した液体を外部に排出することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用したインクジェットプリンターの主要部分を示す説明図である。
【図2】小切手搬送方向の上流側からインクジェットヘッドを見た場合の側面図である。
【図3】ノズル面を下向きとしたインクジェットヘッドの斜視図である。
【図4】インク供給路形成部の側面図およびダンパーの断面図である。
【図5】変形例のインクジェットヘッドの側面図である。
【図6】本発明を適用した別の例のインクジェットヘッドの側面図である。
【図7】ダンパー室にインク供給口を設ける際に通常に想定される位置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したインクジェットプリンターの実施の形態である小切手処理装置を説明する。
【0018】
(小切手処理装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる小切手処理装置の外観斜視図である。小切手処理装置1は、銀行などの金融機関の窓口などに設置され、持ち込まれた小切手2から、その表面に印刷されている磁気インク文字3を読み取り、読み取り結果に基づいて決済処理などを行う。
【0019】
小切手処理装置1は、装置本体側の本体ケース4と、左右の開閉カバー5、6とを備えている。本体ケース4と開閉カバー5、6の間には、小切手2を搬送するための小切手搬送路7が形成されている。小切手搬送路7は、上から見た場合に略U形状に湾曲して延びている細幅の垂直溝によって規定されている。小切手搬送路7の小切手搬送方向の上流端は、細幅の垂直溝からなる小切手送り出し通路8を介して広幅の垂直溝からなる小切手供給部9に繋がっている。小切手搬送路7の下流端は、左右に分岐している細幅の垂直溝からなる左右の分岐通路10、11を介して、左右の広幅の垂直溝からなる第1および第2小切手排出部12、13に繋がっている。
【0020】
小切手2の表面2aには、金額、振出人、番号、サイン等が記載され、その下端部分には磁気インク文字3が印刷されている。小切手2の裏面2bには裏書き欄などが設けられている。小切手2は、表面2aがU形状の小切手搬送路7の外側を向くようにして、小切手供給部9に挿入される。
【0021】
小切手処理装置1は、小切手搬送路7に沿って小切手2を搬送するための小切手搬送機構(不図示)を備えている。また、小切手搬送路7には、小切手搬送方向の上流側から、小切手2の表面2aの画像を読み取るためのイメージセンサー15と、小切手2の裏面2bの画像を読み取るためのイメージセンサー16と、磁気インク文字3を読み取るための磁気ヘッド17と、小切手2の裏面2bに印刷を行うためのインクジェットヘッド18がこの順番で配置されている。インクジェットヘッド18と小切手搬送路7を挟んで対向する位置には、インクジェットヘッド18のメンテナンスを行うためのヘッドメンテナンスユニット19が配置されている。
【0022】
小切手供給部9に挿入された小切手2は、小切手搬送機構によって小切手送り出し通路8を介して小切手搬送路7に送り出される。小切手2は、小切手搬送路7に沿って搬送されながら、イメージセンサー15、16によって表面画像および裏面画像が読み取られ、磁気ヘッド17により磁気インク文字3が読み取られ、第1小切手排出部12または第2小切手排出部13に振り分けられて排出される。また、磁気インク文字3の読み取り結果から認識された磁気インク文字情報に基づいて決済処理が行われた場合には、小切手搬送路7に沿って搬送される小切手2の裏面2bに、インクジェットヘッド18により裏書印刷が施される。
【0023】
(インクジェットヘッドの配置)
図2は小切手搬送方向の上流側からインクジェットヘッド18およびその周辺部分を見た場合の側面図である。インクジェットヘッド18は、インク滴を吐出する複数のインクノズル20のノズル開口21が設けられたノズル面18aが垂直となる印刷姿勢で小切手処理装置1に搭載されている。インクジェットヘッド18は、U形状の小切手搬送路7の内側においてノズル面18aを小切手搬送路7に向けて配置されており、インクジェットヘッド18の下側部分には、インクタンク(不図示)からインクジェットヘッド18にインクを供給するためのインクチューブ24が接続されている。インクジェットヘッド18はインク滴を水平方向へ吐出する。
【0024】
インクジェットヘッド18のノズル面18aと対向する位置には、ヘッドメンテナンスユニット19が配置されている。ヘッドメンテナンスユニット19は、インクジェットヘッド18のノズル面18aを覆うことが可能なヘッドキャップ22と、このヘッドキャップ22を、ノズル面18aを覆うキャッピング位置22Aと、ノズル面18aから離れる方向に移動して小切手搬送路7から退避した退避位置22Bとの間で移動させるヘッドキャップ移動機構23を備えている。ヘッドキャップ22には吸引用のポンプ25が接続されている。
【0025】
小切手処理装置1は、小切手2を処理している間はヘッドキャップ22を退避位置22Bに移動させ、処理が終了すると、ヘッドキャップ22をキャッピング位置22Aに配置してヘッドキャップ22でノズル面18aを覆う。これにより、インクノズル20からのインクの蒸発を防止する。また、小切手処理装置1は、必要に応じて、ヘッドキャップ22をキャッピング位置22Aに配置してヘッドキャップ22でノズル面18aを覆った状態として、インクジェットヘッド18からヘッドキャップ22内へインクを吐出させるインク吐出動作を行う。さらに、必要に応じて、ヘッドキャップ22でノズル面18aを覆った状態として、ポンプ25を駆動して、インクジェットヘッド18からインクを強制的に吐出させるインク吸引動作を行う。これらインク吐出動作およびインク吐出動作によって、インクノズル20の目詰まりを、防止、或いは、解消する。
【0026】
(インクジェットヘッドの全体構成)
図3はノズル面18aを下向きとしたインクジェットヘッド18の斜視図である。図2、図3を参照してインクジェットヘッド18を説明する。なお、インクジェットヘッド18に関する説明では、図2に示す印刷姿勢を基準として、ノズル面18aが位置する側を前方、ノズル面18aとは反対側を後方として説明する。また、印刷姿勢における上下方向(図2における上下方向)を、上下方向として説明する。
【0027】
インクジェットヘッド18は、インクノズル20およびノズル面18aを搭載するヘッド本体部30と、ヘッド本体部30の後側に固定されたインク供給路形成部31を備えている。ヘッド本体部30の内部には、インクノズル20に連通する内部流路32が形成されており、内部流路32には、インクノズル20からインクを吐出させるための圧電素子などが組み込まれている。
【0028】
インク供給路形成部31は上下方向に長い直方体形状をしている。図3に示すように、インク供給路形成部31の後面の下側部分には、インクジェットヘッド18にインクを供給するためのインクチューブ24の下流端が接続されるチューブ接続口33が設けられている。インク供給路形成部31の一方の側面の下側部分にはダンパー34が設けられている。チューブ接続口33はダンパー34に設けられたインク流入口35と連通している。
【0029】
インク供給路形成部31においてヘッド本体部30に隣接する前側部分には、内部流路32へ連通するインク供給部36が形成されている。インク供給部36には、異物を除去するためのフィルターが配置されている。インク供給路形成部31においてインク供給部36の後方であってダンパー34の上方に位置する部分には、ダンパー34とインク供給部36とを接続するインク供給路37が形成されている。インク供給路37の上流端はダンパー34に設けられたインク供給口38に連通しており、インク供給路37の下流端はインク供給部36の上端部分に設けられたインク流入口39に連通している。
【0030】
ここで、ダンパー34、インク供給部36およびインク供給路37は、インク供給路形成部31の流路形成部材31aに、これらの形状と対応する凹部や溝部を形成するとともに、同一平面上に位置しているこれら凹部の凹部開口や溝部の溝部開口を可撓性の膜部材40によって塞いだ構成となっている。
【0031】
インクチューブ24からインクジェットヘッド18に供給されるインクは、ダンパー34に流入し、インク供給路37を経由してインク供給部36に流入して、フィルターを通過する。しかる後に、インク供給部36に形成される複数のインク供給孔41を通過してヘッド本体部30の内部流路32へ流入する。ダンパー34は、インクチューブ24と、インク供給路37、インク供給部36および内部流路32からなるヘッド内流路42の間に配置されて、ヘッド内流路42におけるインク供給圧力を調節する。
【0032】
(ダンパー)
図4(a)はインク供給路形成部31の側面図であり、図4(b)はダンパー34の垂直二等分線L1線における断面図である。ダンパー34は、インク供給路形成部31に形成した一定深さの円形のインク貯留用凹部45と、その凹部開口45aを塞いで取り付けられた可撓性のダンパー膜46を備えている。ダンパー膜46は、流路形成部材の表面を覆う膜部材40の一部分である。印刷姿勢において、インク貯留用凹部45は、ノズル面18aと平行な方向に窪んで、その凹部開口45aが水平方向を向いている。インク貯留用凹部45の凹部開口45aは円形であり、ダンパー膜46は凹部開口45aに対応する円形となっている。ダンパー膜46はその周縁が流路形成部材31aにおける凹部開口45aの周縁に溶着などによって密着固定されている。インク貯留用凹部45とダンパー膜46によってダンパー室47が区画されている。
【0033】
ダンパー膜46は、弾性変形可能な素材から形成されており、ダンパー34が予め想定した範囲のコンプライアンス(基準圧力当たりの容積変化量)を得ることができるように、膜厚、膜平面形状、ヤング率などの特性が決定されている。ダンパー膜46は、インク貯留用凹部45の外側に弾性変形して撓んでダンパー室47を最大容積とする最大容積位置46Aと、インク貯留用凹部45の内側に弾性変形して撓んでダンパー室47を最小容積とする最小容積位置46Bの間を変位する。
【0034】
インク貯留用凹部45の底面45bの中央部分には、ダンパー膜46がインク貯留用凹部45の内側に撓んだときに、インク貯留用凹部45の内周面に貼り付くことを防止するための突起48が形成されている。突起48は、円柱形状であり、ダンパー膜46がインク貯留用凹部45の内側に深く撓んだときに、ダンパー膜46の中央部分46aが当該突起48の平坦な上端面に当接可能となっている。底面45bの中心から上方に離れた位置には、チューブ接続口33と連通する矩形のインク流入口35が形成されている。インク流入口35は、印刷姿勢において、ダンパー室47を垂直に二分する垂直二等分線L1上に設けられている。
【0035】
インク貯留用凹部45の周壁45cは、底面45bから垂直に立ち上がっている。周壁45cにはインク供給路37に連通するインク供給口38が形成されている。インク供給口38は周壁45cの周方向の一部分を凹部開口45aの側から切り欠いて設けられている。ここで、インク供給口38は、周壁45cにおいてダンパー室47を垂直に二分する垂直二等分線L1よりもノズル面18aの側に設けられている。また、ダンパー室47を水平に二分する水平二等分線L2よりも上方であって、水平二等分線L2よりも垂直二等分線L1に近い部分に設けられている。
【0036】
インクチューブ24を介してインクジェットヘッド18内へ供給されるインクのインク供給圧力が上昇すると、ダンパー34は、ダンパー膜46がインク貯留用凹部45の外側に向かって撓んでダンパー室47の容積を増加させ、その圧力上昇を緩和あるいは吸収する。これにより、インクジェットヘッド18内のヘッド内流路42のインク供給圧力は所定の圧力の範囲内に調整される。また、インクチューブ24を介してインクジェットヘッド18内へ供給されるインクのインク供給圧力が下降すると、ダンパー34は、ダンパー膜46がインク貯留用凹部45の底面45bに向かって撓んでダンパー室47の容積を減少させ、その圧力低下を緩和あるいは吸収する。これにより、インクジェットヘッド18内のヘッド内流路42のインク供給圧力は所定の圧力の範囲内に調整される。
【0037】
(インク供給路)
次に、インク供給路37は、インク貯留用凹部45と同じ方向に窪む溝部と、この溝部の溝部開口を覆う膜部材40によって区画されている。インク供給路37は、ダンパー室47に隣接する上流端側流路部分50と、インク供給路形成部31の上側部分に設けられており、下流端がインク供給部36のインク流入口39に接続されている下流側流路部分51と、上流端側流路部分50の下流端と、下流側流路部分51の上流端とを接続している中間流路部分52を備えている。
【0038】
上流端側流路部分50は、ダンパー室47のインク供給口38から上方に一定幅で延びている。中間流路部分52は、上流端側流路部分50の上端から後方に向かって上方に傾斜して延びる一定幅の傾斜流路部分52aと、傾斜流路部分52aの上端から連続して上方に向かって垂直に延びる一定幅の垂直流路部分52bを備えている。垂直流路部分52bの上端が下流側流路部分51の上流端に連続している。
【0039】
下流側流路部分51は、水平方向に並列して延びる第1流路53と第2流路54を備えている。第1流路53は第2流路54の下方に位置している。第1流路53は、水平に延びる一定幅の水平流路部53aと、水平流路部53aの前端(ノズル面18a側の端)から前方に向かって上方に傾斜して延びる一定幅の傾斜流路部53bを備えている。水平流路部53aの後端(ノズル面18aと反対側の端)は、中間流路部分52の下流端に接続されており、傾斜流路部53bの上端は、インク流入口39の手前で第2流路54の下流端と合流してインク流入口39に接続されている。
【0040】
第2流路54は、上方向へ延びる垂直流路部54aと、垂直流路部54aの上端から水平方向へ延びる水平流路部54bを備えている。垂直流路部54aの下端は中間流路部分52の下流端に接続されており、水平流路部54bの前端(ノズル面18a側の端)は、第1流路53と合流してインク流入口39に接続されている。水平流路部54bの下側を規定している下壁部55には、下側へ窪む凹部56が形成されている。凹部56は、水平流路部54bの全長に渡ってバスタブ状に設けられている。第2流路54の水平流路部54bおよび凹部56は、インク流入口39よりも上方に位置している。
【0041】
ここで、第1流路53および第2流路54の幅、長さおよび深さは、第1流路53での圧力損失が第2流路54での圧力損失よりも大きくなるように設定されている。具体的には、インク供給路37を流れるインクの流速が遅い印刷動作時にはインクが第1流路53のみを流れ、インクの流速が速いインク吸引動作時にはインクが第1流路53と第2流路54を流れるように設定されている。従って、ダンパー室47などで発生した気泡がインク供給路37の側に侵入した場合には、気泡は当該気泡に作用する浮力によってインク供給路37の上側に構成された第2流路54の水平流路部54bおよび凹部56に溜まるが、この気泡は、印刷動作時にはヘッド本体部30の側に移動することがなく、インク吸引動作時にヘッド本体部30の側に移動してインクジェットヘッド18から外部へ排出される。
【0042】
(作用効果)
本例によれば、ダンパー室47からヘッド内流路42に連通するインク供給口38は、ダンパー室47においてノズル面18aに近い側に設けられている。従って、小切手処理装置1、或いは、インクジェットヘッド18の製造工程においてインクジェットヘッド18からインクを吐出させて印刷を行う印刷検査を行なった後にインクジェットヘッド18内からインクや洗浄液などの液体を排出する際などに、インクジェットヘッド18の姿勢を印刷姿勢から、図3に示すように、ノズル面18aが下向きとなる姿勢に変位させれば、インク供給口38がダンパー34の下側に位置する。この結果、ダンパー室47に残留した液体がインク供給口38を介してヘッド内流路42の側に移動しやすくなるので、ノズル面18aが下向きとなる姿勢でインク吐出動作或いはインク吸引動作を行なえば、液体がノズル開口21から外部に排出されやすい。よって、ダンパー室47内に残留した液体を外部に排出することが容易となる。
【0043】
また、本例によれば、インクジェットヘッド18の印刷姿勢では、インク供給口38は、周壁45cにおいて当該ダンパー室47を水平に二分する水平二等分線L2よりも上方であって、水平二等分線L2よりも垂直二等分線L1に近い部分に位置する。すなわち、印刷姿勢においてインク供給口38はダンパー室47の上端側に位置するので、印刷時などにダンパー室47に気泡が上流側から流れてきた場合でも、この気泡は、ダンパー室47からヘッド内流路42の側に排出されやすく、気泡がダンパー室47内で大きく成長することを防止できる。従って、ダンパー室47内で成長した大きな気泡が印刷中にヘッド内流路42の側に移動してインクノズル20に到達してインクの吐出不良を発生させることを回避できる。
【0044】
(インクジェットヘッドの変形例)
図5は変形例のインクジェットヘッドの側面図である。本例のインクジェットヘッド18Aは、上記のインクジェットヘッド18に替えて小切手処理装置1に搭載可能なものである。なお、本例のインクジェットヘッド18Aは上記のインクジェットヘッド18と同様の構成を備えているので、対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
本例のインクジェットヘッド18Aでは、インク供給口38Aは、周壁45cを、垂直二等分線L1の近傍から、ノズル面18aに接近する方向に向かって、垂直二等分線L1よりも水平二等分線L2に近い位置まで周方向に切り欠くことにより設けられている。また、インク供給路37において、ダンパー室47に隣接している上流端側流路部分50Aは、インク貯留用凹部45に接近するのに伴って流路幅(溝幅)が広がっている。
【0046】
本例のインクジェットヘッド18Aによれば、インク供給口38Aに隣接する上流端側流路部分50Aの流路幅が広がっているので、インクジェットヘッド18Aの姿勢を印刷姿勢からノズル面18aが下向きとなる姿勢に変位させたときに、ダンパー室47内に残留した液体をヘッド内流路42の側に流出させやすい。また、本例では、上流端側流路部分50Aの開口(溝部開口)は凹部開口45aと同一平面状に位置して凹部開口45aと連続しており、凹部開口45aとともに膜部材40(ダンパー膜46)によって塞がれているので、上流端側流路部分50Aの流路幅が広がることによってダンパー室47の最大容積が実質的に増加する。従って、インク供給圧力の変動を吸収あるいは緩和するダンパー34の性能が向上する。
【0047】
(インクジェットヘッドの別の例)
図6は本発明を適用した別のインクジェットヘッドの側面図である。本例のインクジェットヘッド18Bは、上記のインクジェットヘッド18、18Aに替えて小切手処理装置1に搭載可能である。なお、本例のインクジェットヘッド18Bは上記のインクジェットヘッド18と同様の構成を備えているので、対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
本例のインクジェットヘッド18Bにおいても、インク供給口38Bは、インク貯留用凹部45の周壁45cを周方向に切り欠くことにより設けられている。インク供給口38Bは、ダンパー室47を垂直に二分する垂直二等分線L1よりもノズル面18aに近い側であって、ダンパー室47を水平に二分する水平二等分線L2よりも下方に設けられている。また、インク供給口38Bは、水平二等分線L2よりも垂直二等分線L1に近い側に設けられている。
【0049】
一方、インク供給路37は、ダンパー室47に隣接している上流端側流路部分50Bが、インク供給口38Bから前方(ノズル面18aの側)に向かって一定幅で水平に延びている。中間流路部分52Bは、上流端側流路部分50Bの前端から上方に向かって垂直に延びる一定幅の第1垂直流路部分52Baと、第1垂直流路部分52Baの上端から後方に向かって上方に傾斜して延びる一定幅の傾斜流路部分52Bbと、傾斜流路部分52Bbの上端から連続して上方に向かって垂直に延びる一定幅の第2垂直流路部分52Bcを備えている。第2垂直流路部分52Bcの上端が下流側流路部分51の上流端に連続している。
【0050】
本例によれば、印刷姿勢において、インク供給口38Bはダンパー室47の下端側に位置する。従って、小切手処理装置1の製造工程、或いは、インクジェットヘッド18Bの製造工程においてインクジェットヘッド18Bからインクを吐出させて印刷を行う印刷検査を行なった後にインクジェットヘッド18B内からインクや洗浄液などの液体を排出する際に、インクジェットヘッド18Bを印刷姿勢としたままでもダンパー室47内の液体がインク供給口38Bを介してヘッド内流路42の側に移動しやすい。よって、ダンパー室47内に液体が残留することを抑制できる。
【0051】
また、本例によれば、ダンパー室47からヘッド内流路42に連通するインク供給口38Bは、ダンパー室47においてノズル面18aに近い側に設けられている。従って、インクジェットヘッド18B内からインクや洗浄液などの液体を排出する際に、インクジェットヘッド18Bの姿勢を印刷姿勢からノズル面18aが下向きとなる姿勢に変位させた場合にも、インク供給口38Bがダンパー室47の下側に位置する。よって、このような姿勢でインクジェットヘッド18B内から液体を排出する場合にも、液体がノズル開口21から外部に排出されやすく、ダンパー室47内に残留した液体を外部に排出することが容易となる。
【0052】
ここで、インク供給口38Bを印刷姿勢において水平二等分線L2よりも下側に設けると、ダンパー室47に気泡が発生した場合に、気泡がダンパー室47からヘッド内流路42の側に排出されず、この気泡がダンパー室47内で成長してしまう可能性がある。しかし、インク供給口38Bを水平二等分線L2よりも垂直二等分線L1に近い部分に設けることにより、インク供給口38Bは印刷姿勢において気泡の溜まる上端から遠いダンパー室47の下端側に位置しているので、ダンパー室47内で成長した気泡が印刷動作中にヘッド内流路42の側に移動することが抑制される。従って、ダンパー室47内で成長した大きな気泡がヘッド内流路42の側に移動してインクの吐出不良を発生させることを抑制できる。
【0053】
なお、本例においても、垂直二等分線L1の近傍から、ノズル面18aに接近する方向に向かって、垂直二等分線L1よりも水平二等分線L2に近い位置まで周壁45cを周方向に切り欠いてインク供給口38Bを設けるとともに、インク供給路37の上流端側流路部分50Bを、インク貯留用凹部45に接近するのに伴って流路幅が広がるように構成してもよい。このようにすれば、上流端側流路部分50Bの開口(溝部開口)は凹部開口45aと同一平面状に位置して凹部開口45aと連続しており、凹部開口45aとともに膜部材40(ダンパー膜46)によって塞がれているので、上流端側流路部分50Bの流路幅が広がることによってダンパー室47の最大容積が実質的に増加する。従って、インク供給圧力の変動を吸収あるいは緩和するダンパー34の性能が向上する。
【0054】
(その他の実施の形態)
なお、インク供給口38Bをインク貯留用凹部45の底面45bに設けることもできる。この場合に、インク供給口38Bを、ダンパー室47を垂直に二分する垂直二等分線L1よりもノズル面18aに近い側に設ければ、インクジェットヘッド18Bの姿勢を印刷姿勢からノズル面18aが下向きとなる姿勢に変位させたときに、インク供給口38Bがダンパー室47の下側に位置する。この結果、ダンパー室47に残留した液体がインク供給口38Bを介してヘッド内流路42の側に移動しやすくなる。また、この場合に、インク供給口38Bを、ダンパー室47を水平に二分する水平二等分線L2よりも上方であって、水平二等分線L2よりも垂直二等分線L1に近い底面部分に設ければ、印刷時などにダンパー室47に気泡が発生した場合でも、この気泡は、ダンパー室47からヘッド内流路42の側に排出されやすく、気泡がダンパー室47内で大きく成長することを防止できる。従って、インクジェットヘッド18と同様の作用効果を得ることができる。さらに、この場合に、インク供給口38Bを、ダンパー室47を水平に二分する水平二等分線L2よりも下方であって、水平二等分線L2よりも垂直二等分線L1に近い底面部分に設ければ、別の例のインクジェットヘッド18Bと同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
なお、上記の例では、インク貯留用凹部45は、平面形状が円形の凹部であるが、平面形状が楕円形の凹部、或いは、平面形状が多角形の凹部とすることもできる。また、ダンパー室47のインク供給口38Bの位置は、上記の例に限られず、インク貯留用凹部45の底面45bのどのような位置に設けてもよい。また、インク貯留用凹部45の周壁45cに設けることもできる。
【0056】
なお、インクジェットヘッド18、18A、18B内からインクや洗浄液などの液体を排出する際に、インク吸引動作とともに、インクジェットヘッド18、18A、18Bに接続されているインクチューブ24をチョークするチョーク動作を行なえば、ダンパー室47内に残留した液体を確実に外部に排出することができる。
【符号の説明】
【0057】
1・・小切手処理装置、2・・小切手、2a・・表面、2b・・裏面、3・・磁気インク文字、4・・本体ケース、5・6・・開閉カバー、7・・小切手搬送路、8・・小切手送り出し通路、9・・小切手供給部、10・11・・分岐通路、12・・第1小切手排出部、13・・第2小切手排出部、15・16・・イメージセンサー、17・・磁気ヘッド、18・18A・18B・・インクジェットヘッド、18a・・ノズル面、19・・ヘッドメンテナンスユニット、20・・インクノズル、21・・ノズル開口、22・・ヘッドキャップ、22A・・キャッピング位置、22B・・退避位置、23・・ヘッドキャップ移動機構、24・・インクチューブ、25・・ポンプ、30・・ヘッド本体部、31・・インク供給路形成部、31a・・流路形成部材、32・・内部流路、33・・チューブ接続口、34・・ダンパー、35・・インク流入口、36・・インク供給部、37・・インク供給路、38・38A・38B・・インク供給口、39・・インク流入口、40・・膜部材、41・・インク供給孔、42・・ヘッド内流路、、45・・インク貯留用凹部、45a・・凹部開口、45b・・底面、45c・・周壁、46・・ダンパー膜、46a・・中央部分、46A・・最大容積位置、46B・・最小容積位置、47・・ダンパー室、48・・突起、50・50A・50B・・上流端側流路部分、51・・下流側流路部分、52・・中間流路部分、52a・・傾斜流路部分、52b・・垂直流路部分、52B・・中間流路部分、52Ba・・垂直流路部分、52Bb・・傾斜流路部分、52Bc・・垂直流路部分、53・・第1流路、53a・・水平流路部、53b・・傾斜流路部、54・・第2流路、54a・・垂直流路部、54b・・水平流路部、55・・下壁部、56・・凹部、L1・・垂直二等分線、L2・・水平二等分線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを貯留する凹部と、前記凹部の凹部開口を塞いでダンパー室を区画している可撓性のダンパー膜とを有し、前記ダンパー膜の変位によって前記ダンパー室の容積を増減させてインクノズルのノズル開口と当該ダンパー室との間に設けられているヘッド内流路のインク供給圧力を調節するインクジェットヘッドにおいて、
前記ノズル開口が形成されているノズル面が垂直となる印刷姿勢では、前記凹部は、前記ノズル面と平行な方向に窪んで前記凹部開口が水平方向を向いており、前記ダンパー室から前記ヘッド内流路に連通するインク供給口は、当該ダンパー室を垂直に二分する垂直二等分線よりも前記ノズル面に近い側に設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項2】
請求項1において、
前記凹部の平面形状は、円形または楕円形であり、
前記インク供給口は、前記印刷姿勢では、前記凹部の周壁において当該ダンパー室を水平に二分する水平二等分線よりも前記垂直二等分線に近い部分に設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項3】
請求項2において、
前記インク供給口は、前記印刷姿勢では、前記水平二等分線よりも上側に設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項4】
請求項2において、
前記インク供給口は、前記印刷姿勢では、前記水平二等分線よりも下側に設けられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記インク供給口は、前記凹部の周壁を前記凹部開口の側から切り欠いて設けられており、
前記ヘッド内流路において前記インク供給口に接続されている上流端側流路部分は、前記凹部と同一方向に窪む溝部であり、前記凹部に接近するのに伴って溝幅が広がっており、
前記凹部開口と前記溝部の溝部開口とは、同一平面上で連続しており、
前記溝部開口は、前記凹部開口とともに前記ダンパー膜によって塞がれていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項6】
ノズル開口が形成されているノズル面が垂直となる印刷姿勢で請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載のインクジェットヘッドが搭載されていることを特徴とするインクジェットプリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−67133(P2013−67133A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208673(P2011−208673)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】