インクジェットヘッドの製造方法
【課題】本発明は、インクジェットヘッドを構成する層間構造の間に発生し得る隙間を除去することにより、インクジェットヘッド内の気泡発生を防止できるので、より改善された性能のインクジェットヘッドを製造することができ、その製造収率を向上させることができるインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクジェットヘッドを充填剤の溶融温度以上に加熱する工程と、インクジェットヘッド内の隙間が充填されるように、インクジェットヘッドに充填剤を充填する工程と、インクジェットヘッドの隙間に充填剤が残存するようにしながら、インクジェットヘッドの外部に充填剤を排出する工程と、を含むことを特徴とする。
【解決手段】本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法は、インクジェットヘッドを充填剤の溶融温度以上に加熱する工程と、インクジェットヘッド内の隙間が充填されるように、インクジェットヘッドに充填剤を充填する工程と、インクジェットヘッドの隙間に充填剤が残存するようにしながら、インクジェットヘッドの外部に充填剤を排出する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェットヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
インクジェットヘッドは、内部に形成されているチャンバに駆動力を印加してインク液滴をノズルから噴射することにより、印刷を行うことができる装置である。インクジェットヘッドは、インクを収容するリザーバと、リザーバからインクの供給を受けるチャンバと、リザーバとチャンバとの間でインクの流れを制御するリストリクタと、チャンバに圧力を加えるアクチュエータと、チャンバとアクチュエータとの間に介在され、アクチュエータの圧力をチャンバに伝達するメンブレインと、チャンバに結合されるノズルと、を含んで構成される。
【０００３】
このようなインクジェットヘッドを製造するために、それぞれの構成が形成されたプレートを製作し、これらを接合するが、それぞれのプレートの接合は、高分子接合剤を用いて行われている。
【０００４】
しかし、高分子接合剤を用いると、接合過程中に、その大きさが変化したり、それぞれのプレート間の接合が強固ではないため、プレート間に隙間が発生することがあった。また、それぞれのプレートの整列過程における整列誤差からそれぞれのプレート間に隙間が発生することもあった。
【０００５】
インクジェットヘッド内に隙間が発生すると、インクジェットヘッドにインクを充填する過程中に気泡が発生する恐れがある。インクジェットヘッド内の気泡はインクジェットヘッドの性能を低下させ、製造上不良原因となって、その製造収率を低減させるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
こうした従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的はインクジェットヘッドの性能を改善し、製造収率を向上させることができるインクジェットヘッド製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の一実施形態によれば、インクを吐出するインクジェットヘッドを製造する方法であって、インクジェットヘッドを充填剤の溶融温度以上に加熱する工程と、インクジェットヘッド内の隙間が充填されるように、インクジェットヘッドに充填剤を充填する工程と、インクジェットヘッドの隙間に充填剤が残存するようにしながら、インクジェットヘッドの外部に充填剤を排出する工程と、を含むインクジェットヘッドの製造方法が提供される。
【０００８】
この際、充填剤を排出する工程は、インクジェットヘッドに圧縮空気を注入して行われることができる。また、充填剤はインクに対して不活性であってもよい。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の実施例によれば、インクジェットヘッドを構成する層間構造の間に発生し得る隙間を除去することにより、インクジェットヘッド内の気泡発生を防止できるので、より改善された性能のインクジェットヘッドを製造することができ、その製造収率を向上させることができる。
【００１０】
本発明の特徴、利点が以下の図面及び発明の詳細な説明を通してより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す順序図である。
【図２】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す断面図である。
【図３】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す断面図である。
【図４】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す断面図である。
【図５】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法の実施例を添付図面を参照して詳しく説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一であるか対応する構成要素は同じ図面番号を付し、これに対する重複される説明は省略する。
【００１３】
図１は本発明の一実施例によるインクジェットヘッド２００の製造方法を示す順序図であり、図２〜図５は本発明の一実施例によるインクジェットヘッド２００の製造方法を示す断面図である。
【００１４】
本発明の一実施例を説明する前に、以下に図２を参照して、インクジェットヘッド２００の構造を説明する。
【００１５】
リザーバ（reservoir）２０４は、インク５００を収容し、後述するリストリクタ（restrictor）２０６を介してチャンバ（chamber）２０８にインク５００を提供する。リザーバ２０４には流入口２１８を介して外部からインク５００が供給される。
【００１６】
リストリクタ２０６はリザーバ２０４と後述するチャンバ２０８とを互いに連通させて、リザーバ２０４からチャンバ２０８にインク５００が供給されるようにするチャンネルとしての機能を行うことができる。リストリクタ２０６はリザーバ２０４より小さい断面積を有するように形成され、アクチュエータによりチャンバ２０８に 圧力が加えられる場合、リザーバ２０４からチャンバ２０８に供給されるインク５００の流れを制御することもできる。
【００１７】
チャンバ２０８はリストリクタ２０６に連結され、リザーバ２０４に連通される。チャンバ２０８は複数であってもよく、複数のチャンバ２０８が並んで配置されてもよい。また、リストリクタ２０６に連結されている側の他側はノズル２１６に連結されている。このような構造からインクジェットヘッド２００はリザーバ２０４からインク５００の供給を受けて収容し、これを再びノズル２１６に供給することにより、印刷を行うことができる。
【００１８】
チャンバ２０８の一面はメンブレイン２１０によりカバーされ、チャンバ２０８の位置に対応するメンブレイン２１０の上面にはアクチュエータが結合されることができる。このようなアクチュエータとしては、例えば、圧電体２１２を用いることができる。
【００１９】
圧電体２１２はチャンバ２０８の位置に対応するメンブレイン２１０の上面に結合され、電源により振動を発生することができる。圧電体２１２は圧電体２１２に供給される電圧に応じて振動を発生させ、メンブレイン２１０を介してチャンバ２０８に圧力を加えることができる。
【００２０】
ノズル２１６はチャンバ２０８に連結されて、チャンバ２０８からインク５００の供給を受けてインク５００を吐出する機能を行うことができる。圧電体２１２により発生した振動がチャンバ２０８に伝達されると、チャンバ２０８に圧力が加えられることになり、この圧力によりインク５００はノズル２１６を介して吐出されることができる。
【００２１】
上述したインクジェットヘッド２００をなす構成は、インクジェットヘッド２００のボディ２０２に形成されることができる。ボディ２０２は複数のプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃが積層されて形成されることができる。例えば、図２に示すように、チャンバ２０８、リストリクタ２０６、及び流入口２１８に対応する形状が加工される第１プレート２０２ａと、リザーバ２０４、及びノズル２１６とチャンバ２０８とを連結する通路２１４に対応する形状が加工される第２プレート２０２ｂと、ノズル２１６に対応する形状が加工される第３プレート２０２ｃとを積層してボディ２０２を形成することができる。
【００２２】
それぞれのプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃはシリコンウェハ（Wafer）のような材質からなることができ、インクジェットヘッド２００をなす構成に対応する形状は機械的または物理的加工によりそれぞれのプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃに形成することができる。
【００２３】
図２に示すように、それぞれのプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃを積層する過程中に、それぞれのプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃの間に、上述したような製造工程から隙間２４０，２４２，２４４が発生することがある。
【００２４】
本発明の一実施例によるインクジェットヘッド２００の製造方法は、ステップＳ１００で、インクジェットヘッド２００を充填剤３００の溶融温度以上に加熱し、ステップＳ２００で、インクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４が充填されるように、インクジェットヘッド２００に充填剤３００を充填し、ステップＳ３００で、インクジェットヘッド２００の隙間２４０，２４２，２４４に充填剤３００が残存するようにしながら、インクジェットヘッド２００の外部に充填剤３００を排出して、インクジェットヘッド２００を構成する層間構造の間に発生し得る隙間２４０，２４２，２４４を除去することにより、インクジェットヘッド２００内の気泡発生を防止できるので、より改善された性能のインクジェットヘッド２００を製造することができ、その製造収率を向上させることができる。
【００２５】
本発明の一実施例によるインクジェットヘッド２００を製造するためには、先ず、ステップＳ１００で、インクジェットヘッド２００を充填剤３００の溶融温度以上に加熱することができる。充填剤３００は、インクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４に充填され、製造工程中に発生し得る隙間２４０，２４２，２４４を除去できる一種の内部接合剤であってもよい。充填剤３００は室温で粘度の高い液体または固体状態であってもよく、また、充填剤３００は接着性を有してもよい。
【００２６】
充填剤３００はインクジェットヘッド２００に用いられるインク５００に対して不活性であってもよい。充填剤３００は、インクジェットヘッド２００の製造の完了後にも、その内に残存することになる。したがって、充填剤３００はインク５００に継続的に接触することになるので、インク５００と反応しない材料を用いることがよい。
【００２７】
充填剤３００は流動性を確保できる溶融温度を有することができる。インクジェットヘッド２００の加熱温度は、充填剤３００がインクジェットヘッド２００の内を流動しながら隙間２４０，２４２，２４４を充填できる程度の流動性を確保することができる温度であってもよく、例えば、充填剤３００の溶融温度以上であることができる。室温で固体状態である充填剤３００の場合には、流動性を確保することができる溶融温度までインクジェットヘッド２００を加熱することができる。
【００２８】
また、粘度の高い液体状態である充填剤３００の場合には、インクジェットヘッド２００に容易に充填されるようにその流動性を増加できる温度までインクジェットヘッド２００を加熱することができ、この場合、加熱温度は室温以上であってもよい。
【００２９】
充填剤３００としては、例えば、ワックス（wax）または不活性ポリマなどを用いることができ、このとき、加熱温度は４０℃〜２００℃内の範囲であることができる。また、加熱温度範囲内で充填剤３００は４ｃｐｓ〜５０ｃｐｓ範囲の粘度を有してもよい。インクジェットヘッド２００はヒータなどを用いて直接または間接的に加熱することができる。
【００３０】
次に、図３に示すように、インクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４が充填されるように、ステップＳ２００で、インクジェットヘッド２００に充填剤３００を充填することができる。充填剤３００は流入口２１８を介して内部に隙間が存在しないように充填されることができる。ここで、充填剤３００はインクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４を充填するのに十分な流動性を有する状態であってもよく、例えば、溶融温度以上に加熱された状態であってもよい。
【００３１】
一方、インクジェットヘッド２００に充填剤３００を充填した後に、充填剤３００に圧力を加えて充填剤３００がインクジェットヘッド２００内に、より強固に充填されるようにすることができる。
【００３２】
次に、図４に示すように、ステップＳ３００で、インクジェットヘッド２００の隙間２４０，２４２，２４４に充填剤３００が残存するようにしながら、インクジェットヘッド２００に圧縮空気を注入してインクジェットヘッド２００の外部に充填剤３００を排出することができる。
【００３３】
インクジェットヘッド２００の流入口２１８を介して圧縮空気を注入すると、インクジェットヘッド２００内に充填されていた充填剤３００がノズル２１６を介して外部に排出されることができる。このとき、隙間２４０，２４２，２４４に充填されている充填剤３００はノズル２１６から排出されないで、インクジェットヘッド２００の隙間２４０，２４２，２４４に残存することができる。
【００３４】
次に、図５に示すように、インクジェットヘッド２００内にインク５００を充填して用いることができる。充填剤３００はインク５００に対して不活性であるので、インク５００に溶解されなく、インクジェットヘッド２００内に残存することができる。
【００３５】
これにより、インクジェットヘッド２００内の不要な隙間は除去されることができる。結局、インクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４による気泡発生を防止できるので、インクジェットヘッド２００の性能を改善することができ、製造収率を向上させることができる。
【００３６】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解できよう。
【符号の説明】
【００３７】
２００ インクジェットヘッド
２０２ ボディ
２０４ リザーバ
２０６ リストリクタ
２０８ チャンバ
２１６ ノズル
２４０，２４２，２４４ 隙間
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェットヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
インクジェットヘッドは、内部に形成されているチャンバに駆動力を印加してインク液滴をノズルから噴射することにより、印刷を行うことができる装置である。インクジェットヘッドは、インクを収容するリザーバと、リザーバからインクの供給を受けるチャンバと、リザーバとチャンバとの間でインクの流れを制御するリストリクタと、チャンバに圧力を加えるアクチュエータと、チャンバとアクチュエータとの間に介在され、アクチュエータの圧力をチャンバに伝達するメンブレインと、チャンバに結合されるノズルと、を含んで構成される。
【０００３】
このようなインクジェットヘッドを製造するために、それぞれの構成が形成されたプレートを製作し、これらを接合するが、それぞれのプレートの接合は、高分子接合剤を用いて行われている。
【０００４】
しかし、高分子接合剤を用いると、接合過程中に、その大きさが変化したり、それぞれのプレート間の接合が強固ではないため、プレート間に隙間が発生することがあった。また、それぞれのプレートの整列過程における整列誤差からそれぞれのプレート間に隙間が発生することもあった。
【０００５】
インクジェットヘッド内に隙間が発生すると、インクジェットヘッドにインクを充填する過程中に気泡が発生する恐れがある。インクジェットヘッド内の気泡はインクジェットヘッドの性能を低下させ、製造上不良原因となって、その製造収率を低減させるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
こうした従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的はインクジェットヘッドの性能を改善し、製造収率を向上させることができるインクジェットヘッド製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の一実施形態によれば、インクを吐出するインクジェットヘッドを製造する方法であって、インクジェットヘッドを充填剤の溶融温度以上に加熱する工程と、インクジェットヘッド内の隙間が充填されるように、インクジェットヘッドに充填剤を充填する工程と、インクジェットヘッドの隙間に充填剤が残存するようにしながら、インクジェットヘッドの外部に充填剤を排出する工程と、を含むインクジェットヘッドの製造方法が提供される。
【０００８】
この際、充填剤を排出する工程は、インクジェットヘッドに圧縮空気を注入して行われることができる。また、充填剤はインクに対して不活性であってもよい。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の実施例によれば、インクジェットヘッドを構成する層間構造の間に発生し得る隙間を除去することにより、インクジェットヘッド内の気泡発生を防止できるので、より改善された性能のインクジェットヘッドを製造することができ、その製造収率を向上させることができる。
【００１０】
本発明の特徴、利点が以下の図面及び発明の詳細な説明を通してより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す順序図である。
【図２】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す断面図である。
【図３】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す断面図である。
【図４】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す断面図である。
【図５】本発明の一実施例によるインクジェットヘッド製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法の実施例を添付図面を参照して詳しく説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一であるか対応する構成要素は同じ図面番号を付し、これに対する重複される説明は省略する。
【００１３】
図１は本発明の一実施例によるインクジェットヘッド２００の製造方法を示す順序図であり、図２〜図５は本発明の一実施例によるインクジェットヘッド２００の製造方法を示す断面図である。
【００１４】
本発明の一実施例を説明する前に、以下に図２を参照して、インクジェットヘッド２００の構造を説明する。
【００１５】
リザーバ（reservoir）２０４は、インク５００を収容し、後述するリストリクタ（restrictor）２０６を介してチャンバ（chamber）２０８にインク５００を提供する。リザーバ２０４には流入口２１８を介して外部からインク５００が供給される。
【００１６】
リストリクタ２０６はリザーバ２０４と後述するチャンバ２０８とを互いに連通させて、リザーバ２０４からチャンバ２０８にインク５００が供給されるようにするチャンネルとしての機能を行うことができる。リストリクタ２０６はリザーバ２０４より小さい断面積を有するように形成され、アクチュエータによりチャンバ２０８に 圧力が加えられる場合、リザーバ２０４からチャンバ２０８に供給されるインク５００の流れを制御することもできる。
【００１７】
チャンバ２０８はリストリクタ２０６に連結され、リザーバ２０４に連通される。チャンバ２０８は複数であってもよく、複数のチャンバ２０８が並んで配置されてもよい。また、リストリクタ２０６に連結されている側の他側はノズル２１６に連結されている。このような構造からインクジェットヘッド２００はリザーバ２０４からインク５００の供給を受けて収容し、これを再びノズル２１６に供給することにより、印刷を行うことができる。
【００１８】
チャンバ２０８の一面はメンブレイン２１０によりカバーされ、チャンバ２０８の位置に対応するメンブレイン２１０の上面にはアクチュエータが結合されることができる。このようなアクチュエータとしては、例えば、圧電体２１２を用いることができる。
【００１９】
圧電体２１２はチャンバ２０８の位置に対応するメンブレイン２１０の上面に結合され、電源により振動を発生することができる。圧電体２１２は圧電体２１２に供給される電圧に応じて振動を発生させ、メンブレイン２１０を介してチャンバ２０８に圧力を加えることができる。
【００２０】
ノズル２１６はチャンバ２０８に連結されて、チャンバ２０８からインク５００の供給を受けてインク５００を吐出する機能を行うことができる。圧電体２１２により発生した振動がチャンバ２０８に伝達されると、チャンバ２０８に圧力が加えられることになり、この圧力によりインク５００はノズル２１６を介して吐出されることができる。
【００２１】
上述したインクジェットヘッド２００をなす構成は、インクジェットヘッド２００のボディ２０２に形成されることができる。ボディ２０２は複数のプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃが積層されて形成されることができる。例えば、図２に示すように、チャンバ２０８、リストリクタ２０６、及び流入口２１８に対応する形状が加工される第１プレート２０２ａと、リザーバ２０４、及びノズル２１６とチャンバ２０８とを連結する通路２１４に対応する形状が加工される第２プレート２０２ｂと、ノズル２１６に対応する形状が加工される第３プレート２０２ｃとを積層してボディ２０２を形成することができる。
【００２２】
それぞれのプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃはシリコンウェハ（Wafer）のような材質からなることができ、インクジェットヘッド２００をなす構成に対応する形状は機械的または物理的加工によりそれぞれのプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃに形成することができる。
【００２３】
図２に示すように、それぞれのプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃを積層する過程中に、それぞれのプレート２０２ａ，２０２ｂ，２０２ｃの間に、上述したような製造工程から隙間２４０，２４２，２４４が発生することがある。
【００２４】
本発明の一実施例によるインクジェットヘッド２００の製造方法は、ステップＳ１００で、インクジェットヘッド２００を充填剤３００の溶融温度以上に加熱し、ステップＳ２００で、インクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４が充填されるように、インクジェットヘッド２００に充填剤３００を充填し、ステップＳ３００で、インクジェットヘッド２００の隙間２４０，２４２，２４４に充填剤３００が残存するようにしながら、インクジェットヘッド２００の外部に充填剤３００を排出して、インクジェットヘッド２００を構成する層間構造の間に発生し得る隙間２４０，２４２，２４４を除去することにより、インクジェットヘッド２００内の気泡発生を防止できるので、より改善された性能のインクジェットヘッド２００を製造することができ、その製造収率を向上させることができる。
【００２５】
本発明の一実施例によるインクジェットヘッド２００を製造するためには、先ず、ステップＳ１００で、インクジェットヘッド２００を充填剤３００の溶融温度以上に加熱することができる。充填剤３００は、インクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４に充填され、製造工程中に発生し得る隙間２４０，２４２，２４４を除去できる一種の内部接合剤であってもよい。充填剤３００は室温で粘度の高い液体または固体状態であってもよく、また、充填剤３００は接着性を有してもよい。
【００２６】
充填剤３００はインクジェットヘッド２００に用いられるインク５００に対して不活性であってもよい。充填剤３００は、インクジェットヘッド２００の製造の完了後にも、その内に残存することになる。したがって、充填剤３００はインク５００に継続的に接触することになるので、インク５００と反応しない材料を用いることがよい。
【００２７】
充填剤３００は流動性を確保できる溶融温度を有することができる。インクジェットヘッド２００の加熱温度は、充填剤３００がインクジェットヘッド２００の内を流動しながら隙間２４０，２４２，２４４を充填できる程度の流動性を確保することができる温度であってもよく、例えば、充填剤３００の溶融温度以上であることができる。室温で固体状態である充填剤３００の場合には、流動性を確保することができる溶融温度までインクジェットヘッド２００を加熱することができる。
【００２８】
また、粘度の高い液体状態である充填剤３００の場合には、インクジェットヘッド２００に容易に充填されるようにその流動性を増加できる温度までインクジェットヘッド２００を加熱することができ、この場合、加熱温度は室温以上であってもよい。
【００２９】
充填剤３００としては、例えば、ワックス（wax）または不活性ポリマなどを用いることができ、このとき、加熱温度は４０℃〜２００℃内の範囲であることができる。また、加熱温度範囲内で充填剤３００は４ｃｐｓ〜５０ｃｐｓ範囲の粘度を有してもよい。インクジェットヘッド２００はヒータなどを用いて直接または間接的に加熱することができる。
【００３０】
次に、図３に示すように、インクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４が充填されるように、ステップＳ２００で、インクジェットヘッド２００に充填剤３００を充填することができる。充填剤３００は流入口２１８を介して内部に隙間が存在しないように充填されることができる。ここで、充填剤３００はインクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４を充填するのに十分な流動性を有する状態であってもよく、例えば、溶融温度以上に加熱された状態であってもよい。
【００３１】
一方、インクジェットヘッド２００に充填剤３００を充填した後に、充填剤３００に圧力を加えて充填剤３００がインクジェットヘッド２００内に、より強固に充填されるようにすることができる。
【００３２】
次に、図４に示すように、ステップＳ３００で、インクジェットヘッド２００の隙間２４０，２４２，２４４に充填剤３００が残存するようにしながら、インクジェットヘッド２００に圧縮空気を注入してインクジェットヘッド２００の外部に充填剤３００を排出することができる。
【００３３】
インクジェットヘッド２００の流入口２１８を介して圧縮空気を注入すると、インクジェットヘッド２００内に充填されていた充填剤３００がノズル２１６を介して外部に排出されることができる。このとき、隙間２４０，２４２，２４４に充填されている充填剤３００はノズル２１６から排出されないで、インクジェットヘッド２００の隙間２４０，２４２，２４４に残存することができる。
【００３４】
次に、図５に示すように、インクジェットヘッド２００内にインク５００を充填して用いることができる。充填剤３００はインク５００に対して不活性であるので、インク５００に溶解されなく、インクジェットヘッド２００内に残存することができる。
【００３５】
これにより、インクジェットヘッド２００内の不要な隙間は除去されることができる。結局、インクジェットヘッド２００内の隙間２４０，２４２，２４４による気泡発生を防止できるので、インクジェットヘッド２００の性能を改善することができ、製造収率を向上させることができる。
【００３６】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解できよう。
【符号の説明】
【００３７】
２００ インクジェットヘッド
２０２ ボディ
２０４ リザーバ
２０６ リストリクタ
２０８ チャンバ
２１６ ノズル
２４０，２４２，２４４ 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項１】
インクを吐出するインクジェットヘッドを製造する方法であって、
前記インクジェットヘッドを充填剤の溶融温度以上に加熱する工程と、
前記インクジェットヘッド内の隙間が充填されるように、前記インクジェットヘッドに前記充填剤を充填する工程と、
前記インクジェットヘッドの隙間に前記充填剤が残存するようにしながら、前記インクジェットヘッドの外部に前記充填剤を排出する工程と、
を含むインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項２】
前記充填剤を排出する工程は、
前記インクジェットヘッドに圧縮空気を注入して行われることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項３】
前記充填剤は、前記インクに対して不活性であることを特徴とする請求項１または２に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項１】
インクを吐出するインクジェットヘッドを製造する方法であって、
前記インクジェットヘッドを充填剤の溶融温度以上に加熱する工程と、
前記インクジェットヘッド内の隙間が充填されるように、前記インクジェットヘッドに前記充填剤を充填する工程と、
前記インクジェットヘッドの隙間に前記充填剤が残存するようにしながら、前記インクジェットヘッドの外部に前記充填剤を排出する工程と、
を含むインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項２】
前記充填剤を排出する工程は、
前記インクジェットヘッドに圧縮空気を注入して行われることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項３】
前記充填剤は、前記インクに対して不活性であることを特徴とする請求項１または２に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１０−５８４９７（Ｐ２０１０−５８４９７Ａ）
【公開日】平成２２年３月１８日（２０１０．３．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１２０２７０（Ｐ２００９−１２０２７０）
【出願日】平成２１年５月１８日（２００９．５．１８）
【出願人】（５９４０２３７２２）サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド． (1,585)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年３月１８日（２０１０．３．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年５月１８日（２００９．５．１８）
【出願人】（５９４０２３７２２）サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド． (1,585)
【Ｆターム（参考）】
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