インクジェット捺染装置
【課題】被捺染材を載置する載置台を複数備えたインクジェット捺染装置において、工程のより一層の効率化を図る。
【解決手段】被捺染材をセットする複数のトレイT1、T2を備えたインクジェット捺染装置1の制御手段は、第1トレイT1にセットされた第1被捺染材(前処理必要)に対して前処理材を吐出するステップ(A)と、ステップ(A)を経た第1被捺染材に対し捺染を実行するステップ(B)と、第2トレイT2にセットされた第2被捺染材(前処理不要)に対し捺染を実行するステップ(C)と、のこれらステップについて、少なくともステップ(A)とステップ(B)との間でステップ(C)を実行する第1制御モードを実行する。
【解決手段】被捺染材をセットする複数のトレイT1、T2を備えたインクジェット捺染装置1の制御手段は、第1トレイT1にセットされた第1被捺染材(前処理必要)に対して前処理材を吐出するステップ(A)と、ステップ(A)を経た第1被捺染材に対し捺染を実行するステップ(B)と、第2トレイT2にセットされた第2被捺染材(前処理不要)に対し捺染を実行するステップ(C)と、のこれらステップについて、少なくともステップ(A)とステップ(B)との間でステップ(C)を実行する第1制御モードを実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドを備えたインクジェット捺染装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アパレル(衣服)メーカーやテキスタイル(布地)メーカーでは、従来から生地本体表面に図柄等をプリントする「捺染」が広く行われている。
そして、捺染を行う捺染装置として、捺染ヘッドから吐出されたインクを被捺染材に直接付着させて捺染を実行するインクジェット捺染装置も開発されている。
【0003】
この様なインクジェット捺染装置に特有の技術的課題として、被捺染材(例えば、布帛)の種類によって前処理が必要になり、全体として工程に時間を要する場合が生じることが挙げられる。具体的には、例えば被捺染材が濃色系の色である場合には、そのままインクを吐出しても所望する色合いが出ないことから、特許文献1に示される様に予め前処理として白インクを吐出し、下地を白色とした上で捺染を行う。
【0004】
また、被捺染材はインクが浸透し易く、インクの色材が被捺染材の組織内部へ浸透して発色性が低下し易いという性質がある。従ってこの様な現象を抑制することを目的として、或いは発色性を高め、滲みを抑制することを目的として、被捺染材内部へインクが浸透することを抑制する機能を有するコート液を該被捺染材に付着することも行われている(例えば特許文献2)。このコート液は一般的には色材を含まず無色であり、上記の機能を発揮するための樹脂が主要成分の一つとして含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−282205号公報
【特許文献2】特開2009−30014号公報
【特許文献3】特開2009−226768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献3には、操作者の無駄な待ち時間をなくすことで作業効率の向上を図るため、印刷媒体を保持する保持手段(プラテン)を複数設け、効率良く印刷を行える様に構成された印刷装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、被捺染材に捺染を行うインクジェット捺染装置においては、上述の様に被捺染材の種類によっては前処理が必要となる為、単に被捺染材を保持する手段を複数設けるのみでは、必ずしも工程の効率を向上させることはできない。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、被捺染材を載置する載置台を複数備えたインクジェット捺染装置において、工程のより一層の効率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係るインクジェット捺染装置は、被捺染材をセットする複数の載置台と、前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、前記複数の載置台と前記捺染ヘッドとの相対位置を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、のこれらステップについて、少なくとも前記ステップ(A)と、当該ステップ(A)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(C)を実行する第1制御モードを実行可能であることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、インクジェット捺染装置の制御手段は、所望する捺染の実行前に前処理材を吐出すべき第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、当該ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対して前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、の間で、第2被捺染材に対する前処理或いは捺染処理であるステップ(C)を実行するので、当該ステップ(C)の実行に要する時間を利用して前記ステップ(A)で前記第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥を促進させることができる。これにより、前記第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0010】
尚、所望する捺染の実行前に前処理として吐出する前処理材には、色材を含むか否かを問わず、最終的な所望する捺染実行に先立って被捺染材に対して吐出されるもの全てが含まれる。即ち、例えば所望する捺染実行に先立って被捺染材に対し白インクを吐出した場合には、白インクによる捺染が行われたこととなるが、この捺染は最終的な所望する捺染ではなく、それに先だって行われる前処理となる。尚、所望する捺染が白インクの吐出により行われる場合もあり(例えば、濃色系の被捺染材に対して白インクを吐出して所望する捺染を行う場合)、即ち白インクにより最終的な所望する捺染が行われる場合もある。
【0011】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記第2被捺染材は、前記前処理材の吐出が不要な被捺染材であり、前記制御手段は、前記第1制御モードと、前記ステップ(C)によって所望する捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(D)を含む第2制御モードと、を切り換え可能であり、前記第2制御モードは、前記ステップ(A)を実行した以降、少なくとも前記ステップ(C)と、当該ステップ(C)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(D)を実行し、その後前記第1被捺染材に対する前記ステップ(B)と、新たにセットされた前記第2被捺染材に対する前記ステップ(C)と、を実行する制御モードであることを特徴とする。
【0012】
本態様の上記第2制御モードによれば、前記第1被捺染材に対する前処理(ステップ(A))と所望する捺染処理(ステップ(B))との間で、前記第2被捺染材への捺染実行(ステップ(C))と、捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(ステップ(D))の実行、つまり新たな第2被捺染材のセット(第2被捺染材の交換)を可能とする。従って、前記ステップ(A)によって第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥時間を、前記ステップ(D)と、当該ステップ(D)の実行によって可能となる第2被捺染材の交換作業と、のこれらによってより一層確保することができる。
【0013】
また、前記ステップ(D)の実行後は、前記第1被捺染材への捺染実行(ステップ(B))と、新たにセットされた第2被捺染材への捺染実行(ステップ(C))と、を連続して行うこと、即ち複数の載置台にセットされた被捺染材に対する最終の捺染処理を連続して行い、その後にこれらを取り出すことが可能となるので、長いアイドルタイムが介在することなく、効率的に捺染を行うことができる。
【0014】
本発明の第3の態様は、被捺染材をセットする複数の載置台と、前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、前記複数の載置台と前記捺染ヘッドとの相対位置を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、前記ステップ(C)によって所望する捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(D)と、のこれらステップについて、前記ステップ(A)が実行された後、少なくとも前記ステップ(C)とその後に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(D)を実行し、その後前記第1被捺染材に対する前記ステップ(B)と、新たにセットされた前記第2被捺染材に対する前記ステップ(C)と、を実行する第2制御モードを実行可能であることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、インクジェット捺染装置の制御手段は、上記第2の態様で述べた第2制御モードを実行可能であるので、上記第2制御モードによって奏される作用効果を得ることができる。
【0016】
本発明の第4の態様に係るインクジェット捺染方法は、被捺染材をセットする複数の載置台と、前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、備えたインクジェット捺染装置において、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、のこれらステップについて、少なくとも前記ステップ(A)と、当該ステップ(A)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(C)を実行することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、インクジェット捺染装置の制御手段は、所望する捺染の実行前に前処理材を吐出すべき第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、当該ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対して前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、の間で、第2被捺染材に対する前処理或いは捺染処理であるステップ(C)を実行するので、当該ステップ(C)の実行に要する時間を利用して前記ステップ(A)で前記第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥を促進させることができる。これにより、前記第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るインクジェット捺染装置の外観斜視図。
【図2】本発明に係るインクジェット捺染装置の側面図。
【図3】被捺染材及びトレイに載置された被捺染材の状態を示す図。
【図4】第1実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図5】第1実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図6】第2実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図7】第2実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図8】第3実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図9】第3実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図10】第4実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図11】第4実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図12】第5実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図13】第5実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図14】第6実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図15】第6実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図16】第7実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図17】第7実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図18】第8実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図19】第8実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図20】第9実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図21】第9実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図22】第10実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図23】第10実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図24】第11実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図25】第11実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図26】第12実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図27】第12実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図28】第13実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図29】第13実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図30】第14実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図31】第14実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図32】第15実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図33】第15実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図34】第16実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図35】第16実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図36】第17実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図37】第17実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図38】第18実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図39】第18実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図40】第19実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図41】第19実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図42】第20実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図43】第20実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図44】第21実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図45】第21実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図46】第22実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図47】第22実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図48】第23実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図49】第23実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図50】第24実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図51】第24実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図52】第25実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図53】第25実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図54】第26実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図55】第26実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下説明する実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることを前提として、以下本発明の一実施例を説明するものとする。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染装置1の外観斜視図、図2は同側面図、図3は被捺染材P及び第1トレイT1(又は第2トレイT2)に載置された被捺染材Pの状態を示す図(斜視図)である。
【0021】
また、図4〜図55は被捺染材Pに前処理及び所望する捺染を実行する際の制御モードの各実施例を示しており、偶数番号の図面は各実施例に係る制御モードのフローチャート、奇数番号の図面は各実施例に係る制御モード実行中の、各トレイ(T1、T2、T3)の動きを示す図である。
【0022】
尚、図中においてx−y−z座標系は説明の便宜上方向を示したものであり、z方向は鉛直(重力)方向、y方向が被捺染材Pの搬送方向(トレイの移動方向)、x方向がy方向及びz方向と直交する方向である。
【0023】
図1、図2に示す様にインクジェット捺染装置1は、装置本体2の底部にガイドテーブル10を備え、このガイドテーブル10上を第1トレイT1、第2トレイT2が移動するよう構成されている。より詳しくは、ガイドテーブル10にはy方向に平行なガイド軸11が配置されており、このガイド軸11によって、下部ベース15がy方向にガイドされる様になっている。
【0024】
また、無端ベルト12が、y方向に沿って駆動プーリー13と従動プーリー14との間に係回されており、この無端ベルト12の一部に下部ベース15が固定されている。駆動プーリー13はトレイ駆動モーター9によって回転駆動され、これにより無端ベルト12が稼働すると、下部ベース15がy方向に移動する様になっている。
【0025】
この下部ベース15には軸17が立設され、この軸17上に上部ベース18が設けられ、更にその上部に、被捺染材Pを載置する「載置台」としての第1トレイT1、第2トレイT2がy方向に適宜の間隔を空けて配置されている。第1トレイT1、第2トレイT2は、その上面が被捺染材Pを載置する載置面となっており、第1トレイT1、第2トレイT2上に被捺染材Pを図3に示す様に載置(セット)し、被捺染材Pが載置された第1トレイT1、第2トレイT2がy方向に移動することで、被捺染材Pは捺染ヘッドとしてのインクジェットヘッド23の下を通過できる様になっている。尚、図3の被捺染材Pは一例としてTシャツを示している。
【0026】
次いで、インクジェット捺染装置1の装置前面右側には各種操作を行う為の操作パネル6が配置されており、装置前面において第1トレイT1、第2トレイT2を挟んで操作パネル6の反対側(装置左側)にはインクカートリッジを収容するインクカートリッジ収容部8が設けられている。
【0027】
インクカートリッジ収容部8に収容されたインクカートリッジからインクが供給される、捺染実行部を構成するインクジェットヘッド23は、前処理材(本実施例では白インク)及び所望する捺染を行う為のインクを吐出するノズル孔(不図示)が複数並んだノズル列(不図示)を複数有する、公知の構造のインクジェットヘッドである。そしてこのインクジェットヘッド23は搬送方向yと交差するx方向(図2において紙面面裏方向)に往復駆動されるキャリッジ22に搭載されている。
【0028】
尚、インクジェット捺染装置1は、本実施形態ではインクジェットヘッド23が搬送方向yと交差するx方向に移動しながら前処理材或いはインクを吐出する所謂シリアル式の捺染装置であるが、インクジェットヘッド23はラインヘッドであってもよいし、またこのラインヘッドが固定的に設けられていても、或いは搬送方向yに移動可能に設けられていても、いずれであっても良いのは勿論である。また、インクジェットヘッド23が搬送方向yに移動する構成の場合には、第1トレイT1、第2トレイT2は必ずしも搬送方向yに移動可能でなくても良く、少なくとも各トレイとインクジェットヘッド23とが相対的に移動可能であれば良い。
【0029】
各トレイが装置の最も前方側(図2において左側)に移動した際の各トレイの位置が被捺染材をセットするセット位置であり、この位置から各トレイが仮想線及び符号T1’、T2’で示す位置にまで搬送され(第1トレイT1の前処理或いは捺染開始位置)、そして各トレイの装置前方側(図2において左側)への移動と、インクジェットヘッド23からのインク吐出と、が交互に行われ、前処理或いは捺染が実行される。被捺染材Pへのインクの吐出が終了すると、各トレイは図2の実線で示すセット位置にまで戻り、前処理材或いはインクが吐出された被捺染材Pを取り出すことができる様になっている。
【0030】
尚、符号3はトレイ駆動モーター9、キャリッジ22を駆動する駆動モーター(不図示)、インクジェットヘッド23、のこれらを制御する制御手段としての制御部であり、第1トレイT1、第2トレイT2、キャリッジ22、インクジェットヘッド23、のこれらが制御部3によって制御される。即ち制御部3が、各トレイにセットされた被捺染材とインクジェットヘッド23との相対位置を制御する制御手段となる。
【0031】
続いて、図4以降を参照しながら第1トレイT1、第2トレイT2、及びトレイが3個の場合には第3トレイT3、の各トレイにセットされた被捺染材に捺染を行う場合の制御モードの実施例について説明する。尚、以下に示す各実施例は、「第1の被捺染材」としての、濃色系の被捺染材と、「第2の被捺染材」としての、淡色系の被捺染材と、のこれらを各トレイにセットして捺染を実行する場合の一実施例である。
【0032】
濃色系の被捺染材は、濃色であるので発色性を向上させる為に捺染実行前に前処理材を吐出し、その後、所望する捺染を実行する。また淡色系の被捺染材は、発色性が良好であることから前処理材を吐出しないでそのまま所望する捺染を実行する。尚、本実施例を含め以下すべての実施例では、前処理材として白インクを用い、捺染領域の全領域について白インクを吐出するが、前処理材がこれに限定されないことは既に述べた通りである。
【0033】
尚、各実施例において、フローチャート(偶数番号図面)の左横に示した括弧付き数字は、各トレイの動きを示す図面(奇数番号図面)において第1トレイT1の左横に示した括弧付き数字に対応している。例えば、図4のステップS101(第1トレイ捺染開始位置へ移動)が実行された後の状態が、図5の(1)で示す状態である。
【0034】
また、各トレイの動きを示す図面(奇数番号図面)の下部に示す矢印は、各トレイの移動方向と移動距離を纏めたものであり、「総移動量」は、各トレイの総移動量を示している。例えば、図5の「3W」は各トレイが被捺染材セット位置と捺染開始位置との間の距離を3回移動したことを示し、「2T」は各トレイがトレイ2個分の距離を移動したことを示している。従ってこれら数値が小さいほど、各トレイの移動量は少なくて済んでいることになる。
【0035】
尚本実施形態では、便宜上、例えばトレイが2個の場合にはトレイ3個分の移動量が被捺染材セット位置と捺染開始位置との間の距離に相当するものとし(1W=3T)、トレイが3個の場合にはトレイ4個分の移動量が被捺染材セット位置と捺染開始位置との間の距離に相当するものとしている(1W=4T)。
【0036】
また、図2及び、図5以降の奇数番号図面において、「被捺染材セット位置」及び「捺染開始位置」は、第1トレイT1の装置前方側端部を基準としているが、「被捺染材セット位置」においては第1トレイT1及び第2トレイT2の双方に対して被捺染材Pをセット可能であり、また、セットした被捺染材Pを取り外し可能であるものとする。しかしながら「捺染開始位置」は、特段の説明がない場合には図示する様に第1トレイT1にセットされた被捺染材Pの捺染開始位置を意味するものとする。
【0037】
■■■第1実施例(T1/濃色系、T2/淡色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図4及び図5に示す第1実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0038】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図4のステップS101〜S106、および各ステップに対応する状態を示す図5に示す通りである。
具体的には、以下の通りとなる。先ず、第1トレイT1を被捺染材セット位置から捺染開始位置へ移動させ(ステップS101)、次いで第1トレイT1にセットされた濃色系の第1被捺染材に対して下地ホワイト捺染(前処理:白インク吐出のこと)を行い(ステップS102)、次いで第2トレイT2にセットされた淡色系の第2被捺染材に対してカラー捺染(最終的な捺染処理:カラーインクの吐出)を実行する(ステップS103)。
【0039】
次いで、再び第1トレイT1を捺染開始位置に移動させ(ステップS104)、次いで第1トレイT1にセットされた濃色系の第1被捺染材に対してのカラー捺染を実行し(ステップS105)、各トレイをセット位置にまで戻す(ステップS106)。以上の第1実施例によれば、各トレイの総移動量は3W+1Tとなる。
【0040】
そして以上説明した制御モードによれば、捺染実行前に前処理材を吐出すべき第1被捺染材(濃色系)に対し、前処理材を吐出するステップ(A)(ステップS102が相当)と、当該ステップ(A)を経た第1被捺染材(濃色系)に対して捺染を実行するステップ(B)(ステップS105が相当)と、の間で、第2被捺染材(淡色系)に対する捺染処理であるステップ(C)(ステップS103が相当)を実行する。
【0041】
従って、上記ステップ(C)(ステップS103)の実行に要する時間を利用してステップ(A)(ステップS102)で第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を促進させることができる。これにより、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0042】
■■■第2実施例(T1/濃色系、T2/淡色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図6及び図7に示す第2実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。制御部3は、上述した第1制御モードと、以下説明する第2制御モードとを切り換え可能に構成されている。
【0043】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図6のステップS201〜S209、および各ステップに対応する状態を示す図7に示す通りである。尚、本実施例を含め、以降の各実施例では、各ステップの動作内容はフローチャートに示す通りであるので、全てのステップについての詳細な説明は省略する。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。
【0044】
本第2実施例においてステップS204、S205は、上記第1実施例では設けられていないステップである。即ち、ステップS203において第2トレイT2の第2被捺染材への捺染が終了するので、捺染の終了した第2被捺染材を第2トレイT2から取り出し、新たな第2被捺染材と交換するのである(ステップS205)。
【0045】
即ち、第2制御モードは、第1被捺染材(濃色系)へ前処理材を吐出するステップ(A)(ステップS202が相当)が実行された後、少なくとも第2被捺染材(淡色系)へ捺染を実行するステップ(C)(ステップS203が相当)とその後に実行される第1被捺染材(濃色系)へ捺染を実行するステップ(B)(ステップS207が相当)と、の間で第2被捺染材(淡色系)を取り出し可能とするステップ(D)(ステップS204が相当)を実行する。これにより、ユーザーは第2トレイT2の被捺染材を交換することができる。
【0046】
その後、前記ステップ(B)(ステップS207)と、新たに第2トレイT2にセットされた第2被捺染材(淡色系)に対して実行するステップ(C)(ステップS208が相当)と、を各トレイの所定方向への相対的な移動を介して連続して行う。
【0047】
この第2制御モードによれば、前記ステップ(A)(ステップS202)によって第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥時間を、ステップ(D)(ステップS204)と、これにより可能となる第2被捺染材の交換作業(ステップS205)によってより一層確保することができる。尚、第2被捺染材の交換作業(ステップS205)は、作業者による手作業であるので、厳密には制御部3が実行する第2制御モードの処理内容には属さない(以降で説明する他の実施例でも同様)。
【0048】
尚、ステップS205によって第2被捺染材(淡色系)が交換された後には、各トレイとインクジェットヘッド23との所定方向への相対的な移動を介して第1被捺染材(濃色系)及び第2被捺染材(淡色系)への捺染実行(最終処理)を連続して行い(ステップS207、S208)、そしてこれらを取り出すことができるので(ステップS209)、この様な第2制御モードによって1つの第1被捺染材(濃色系)と2つの第2被捺染材(淡色系)への捺染実行に際して長いアイドル時間が形成されることがなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0049】
尚、本制御モードは第2制御モードであるが、第1被捺染材(濃色系)への前処理と(ステップS202)、当該第1被捺染材への捺染実行(ステップS207)との間で、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行(ステップS203)を行うので、この様な観点において上述した第1制御モードにも該当すると言える。即ち第2制御モードは、第1制御モードにも該当する場合がある(以降において説明する他の実施例に係る第2制御モードも同様)。
【0050】
■■■第3実施例(T1/濃色系、T2/淡色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図8及び図9に示す第3実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の第3制御モードの一実施例である。本実施例において制御部3は、上述した第1、第2の各制御モードに加え、当該第3制御モードを選択可能に構成されている。
【0051】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図8のステップS301〜S306、および各ステップに対応する状態を示す図9に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、2W+2Tとなる。本実施例によれば、第1トレイT1にセットされた第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出と捺染実行との間には第2被捺染材(淡色系)への捺染実行が行われないが、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。本制御モードは、前処理材の乾燥時間よりトレイ移動時間が全体としてネックになる場合に有効である。
【0052】
■■■第4実施例(T1/淡色系、T2/濃色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図10及び図11に示す第4実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0053】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図10のステップS401〜S406、および各ステップに対応する状態を示す図11に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+1Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様に、第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出(ステップS402)と捺染実行(ステップS405)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行が行われるので(ステップS404)、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0054】
■■■第5実施例(T1/淡色系、T2/濃色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図12及び図13に示す第5実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0055】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図12のステップS501〜S509、および各ステップに対応する状態を示す図13に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様に、1つの第1被捺染材(濃色系)と2つの第2被捺染材(淡色系)への捺染実行に際して長いアイドル時間が形成されることがなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0056】
■■■第6実施例(T1/淡色系、T2/濃色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図14及び図15に示す第6実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0057】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図14のステップS601〜S606、および各ステップに対応する状態を示す図15に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、2W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様に、第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出(ステップS602)と捺染実行(ステップS605)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行が行われるので(ステップS604)、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0058】
また、本実施例のステップS601では、上述した第4実施例(図10、図11)のステップS401に比して、トレイ移動量が少ないので(第2トレイT2の捺染開始位置へ移動)、トレイ移動時間の短縮による工程の短縮を図ることができる。
【0059】
■■■第7実施例(T1/濃色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図16及び図17に示す第7実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0060】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図16のステップS701〜S708、および各ステップに対応する状態を示す図17に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出(ステップS702、S703)と捺染実行(ステップS706、S707)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行が行われるので(ステップS704)、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0061】
尚、第1トレイT1にセットされた第1被捺染材(濃色系)については、前処理材の吐出(ステップS702)と捺染実行(ステップS706)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行(ステップS704)に加え、第2トレイT2にセットされた第1被捺染材(濃色系)への前処理が行われるので(ステップS703)、より一層確実に前処理材の乾燥を促進させることができる。即ち、第1被捺染材(濃色系)の前処理と捺染実行との間で実行する工程は、第2被捺染材(淡色系)の捺染処理のみならず、他の第1被捺染材(濃色系)の前処理でも良いし、或いは他の第1被捺染材の捺染処理であっても良いし、或いは第2被捺染材(淡色系)の捺染処理であっても良いし、或いはその他の処理(被捺染材の交換作業)であっても良いし、或いはこれらの任意の組み合わせであっても良い。
【0062】
■■■第8実施例(T1/濃色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図18及び図19に示す第8実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0063】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図18のステップS801〜S811、および各ステップに対応する状態を示す図19に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、2つの第1被捺染材(濃色系)と2つの第2被捺染材(淡色系)への捺染実行に際して長いアイドル時間が形成されることがなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0064】
■■■第9実施例(T1/濃色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図20及び図21に示す第9実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0065】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図20のステップS901〜S908、および各ステップに対応する状態を示す図21に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、図16及び図17を参照しつつ説明した第7実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0066】
■■■第10実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図22及び図23に示す第10実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0067】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図22のステップS1001〜S1008、および各ステップに対応する状態を示す図23に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出(ステップS1002)と捺染実行(ステップS1006)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行(ステップS1003)と他の第1被捺染材(濃色系)への前処理(ステップS1004)が行われる。
【0068】
また更に、他の第1被捺染材(濃色系)への前処理(ステップS1004)と捺染実行(ステップS1007)との間に第1被捺染材(濃色系)への捺染実行(ステップS1006)が行われるので、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0069】
■■■第11実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図24及び図25に示す第11実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0070】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図24のステップS1101〜S1108、および各ステップに対応する状態を示す図25に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0071】
■■■第12実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図26及び図27に示す第12実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0072】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図26のステップS1201〜S1211、および各ステップに対応する状態を示す図27に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0073】
■■■第13実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図28及び図29に示す第13実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0074】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図28のステップS1301〜S1308、および各ステップに対応する状態を示す図29に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0075】
■■■第14実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図30及び図31に示す第14実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0076】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図30のステップS1401〜S1408、および各ステップに対応する状態を示す図31に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0077】
■■■第15実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図32及び図33に示す第15実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0078】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図32のステップS1501〜S1511、および各ステップに対応する状態を示す図33に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0079】
■■■第16実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図34及び図35に示す第16実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0080】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図34のステップS1601〜S1608、および各ステップに対応する状態を示す図35に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。また本実施例によれば、図28及び図29を参照しつつ説明した第13実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0081】
■■■第17実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図36及び図37に示す第17実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0082】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図36のステップS1701〜S1708、および各ステップに対応する状態を示す図37に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0083】
■■■第18実施例(T1/淡色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図38及び図39に示す第18実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0084】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図38のステップS1801〜S1807、および各ステップに対応する状態を示す図39に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0085】
■■■第19実施例(T1/淡色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図40及び図41に示す第19実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0086】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図40のステップS1901〜S1911、および各ステップに対応する状態を示す図41に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0087】
■■■第20実施例(T1/淡色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図42及び図43に示す第20実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0088】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図42のステップS2001〜S2007、および各ステップに対応する状態を示す図43に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、2W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。また本実施例によれば、図38及び図39を参照しつつ説明した第18実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0089】
■■■第21実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図44及び図45に示す第21実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0090】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図44のステップS2101〜S2107、および各ステップに対応する状態を示す図45に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0091】
■■■第22実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図46及び図47に示す第22実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0092】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図46のステップS2201〜S2211、および各ステップに対応する状態を示す図47に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0093】
■■■第23実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図48及び図49に示す第23実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0094】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図48のステップS2301〜S2307、および各ステップに対応する状態を示す図49に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。また本実施例によれば、図44及び図45を参照しつつ説明した第21実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0095】
■■■第24実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図50及び図51に示す第24実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0096】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図50のステップS2401〜S2407、および各ステップに対応する状態を示す図51に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0097】
■■■第25実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図52及び図53に示す第25実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0098】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図52のステップS2501〜S2511、および各ステップに対応する状態を示す図53に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0099】
■■■第26実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図54及び図55に示す第26実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0100】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図54のステップS2601〜S2607、および各ステップに対応する状態を示す図55に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、2W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。また本実施例によれば、図50及び図51を参照しつつ説明した第24実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0101】
以上説明した各実施例は一例であり、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。特に、上述した第1〜第26実施例の各制御モードについては、制御部3はいずれか1つの制御モードのみを実行可能であっても良いし、或いはいずれか2つが選択可能であっても良いし、或いはいずれか3つが選択可能であっても良いし、・・・、という様に制御部3が備える制御モードは、第1〜第26実施例の各制御モードの組み合わせ全てについて考えられる。
【0102】
また、上記第1〜第26実施例のほか、複数のトレイT1、T2、・・・について全て同じ捺染材(第1被捺染材(濃色系)或いは第2被捺染材(淡色系))の場合もあり得る。この場合、全てのトレイについて同じ処理を順次行うこととなり、例えば全て第1被捺染材(濃色系)であれば、「第1トレイ下地ホワイト捺染、第2トレイ下地ホワイト捺染、・・・、第1トレイカラー捺染、第2トレイカラー捺染、・・・」の様に同じ処理を順次行うこととなる。従ってこの様な制御モード(第4制御モードとする)を、上記第1〜第26実施例で示す制御モードに加えて更に備え、切り換え可能とすることもできる。
【0103】
また上記実施例では、被捺染材が濃色系の場合に前処理(下地ホワイト捺染)を行うことがインクジェット捺染装置1の制御部3により決定されるが、前処理を行うか否かをユーザーがインクジェット捺染装置1の操作部6やインクジェット捺染装置1に接続されたコンピューター等を介して選択し得る様に構成されていても良い。これにより例えば、被捺染材が淡色系の場合であっても種々の前処理を行うことができる。
【0104】
また加えて、本発明は布帛等の被捺染材にインクを吐出するインクジェット捺染装置に対して適用したが、記録用紙等の被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 インクジェット捺染装置、2 装置本体、3 制御部、6 操作部、8 インクカートリッジ収容部、9 トレイ駆動モーター、10 ガイドテーブル、11 ガイド軸、12 無端ベルト、13 駆動プーリー、14 従動プーリー、15 下部ベース、17 軸、
18 上部ベース、22 キャリッジ、23 インクジェットヘッド、P 被捺染材、T1 第1トレイ、T2 第2トレイ、T3 第3トレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される被捺染材の捺染側の面に向けてインクを吐出して所望の捺染を実行する捺染ヘッドを備えたインクジェット捺染装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アパレル(衣服)メーカーやテキスタイル(布地)メーカーでは、従来から生地本体表面に図柄等をプリントする「捺染」が広く行われている。
そして、捺染を行う捺染装置として、捺染ヘッドから吐出されたインクを被捺染材に直接付着させて捺染を実行するインクジェット捺染装置も開発されている。
【0003】
この様なインクジェット捺染装置に特有の技術的課題として、被捺染材(例えば、布帛)の種類によって前処理が必要になり、全体として工程に時間を要する場合が生じることが挙げられる。具体的には、例えば被捺染材が濃色系の色である場合には、そのままインクを吐出しても所望する色合いが出ないことから、特許文献1に示される様に予め前処理として白インクを吐出し、下地を白色とした上で捺染を行う。
【0004】
また、被捺染材はインクが浸透し易く、インクの色材が被捺染材の組織内部へ浸透して発色性が低下し易いという性質がある。従ってこの様な現象を抑制することを目的として、或いは発色性を高め、滲みを抑制することを目的として、被捺染材内部へインクが浸透することを抑制する機能を有するコート液を該被捺染材に付着することも行われている(例えば特許文献2)。このコート液は一般的には色材を含まず無色であり、上記の機能を発揮するための樹脂が主要成分の一つとして含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−282205号公報
【特許文献2】特開2009−30014号公報
【特許文献3】特開2009−226768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献3には、操作者の無駄な待ち時間をなくすことで作業効率の向上を図るため、印刷媒体を保持する保持手段(プラテン)を複数設け、効率良く印刷を行える様に構成された印刷装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、被捺染材に捺染を行うインクジェット捺染装置においては、上述の様に被捺染材の種類によっては前処理が必要となる為、単に被捺染材を保持する手段を複数設けるのみでは、必ずしも工程の効率を向上させることはできない。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、被捺染材を載置する載置台を複数備えたインクジェット捺染装置において、工程のより一層の効率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係るインクジェット捺染装置は、被捺染材をセットする複数の載置台と、前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、前記複数の載置台と前記捺染ヘッドとの相対位置を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、のこれらステップについて、少なくとも前記ステップ(A)と、当該ステップ(A)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(C)を実行する第1制御モードを実行可能であることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、インクジェット捺染装置の制御手段は、所望する捺染の実行前に前処理材を吐出すべき第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、当該ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対して前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、の間で、第2被捺染材に対する前処理或いは捺染処理であるステップ(C)を実行するので、当該ステップ(C)の実行に要する時間を利用して前記ステップ(A)で前記第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥を促進させることができる。これにより、前記第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0010】
尚、所望する捺染の実行前に前処理として吐出する前処理材には、色材を含むか否かを問わず、最終的な所望する捺染実行に先立って被捺染材に対して吐出されるもの全てが含まれる。即ち、例えば所望する捺染実行に先立って被捺染材に対し白インクを吐出した場合には、白インクによる捺染が行われたこととなるが、この捺染は最終的な所望する捺染ではなく、それに先だって行われる前処理となる。尚、所望する捺染が白インクの吐出により行われる場合もあり(例えば、濃色系の被捺染材に対して白インクを吐出して所望する捺染を行う場合)、即ち白インクにより最終的な所望する捺染が行われる場合もある。
【0011】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記第2被捺染材は、前記前処理材の吐出が不要な被捺染材であり、前記制御手段は、前記第1制御モードと、前記ステップ(C)によって所望する捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(D)を含む第2制御モードと、を切り換え可能であり、前記第2制御モードは、前記ステップ(A)を実行した以降、少なくとも前記ステップ(C)と、当該ステップ(C)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(D)を実行し、その後前記第1被捺染材に対する前記ステップ(B)と、新たにセットされた前記第2被捺染材に対する前記ステップ(C)と、を実行する制御モードであることを特徴とする。
【0012】
本態様の上記第2制御モードによれば、前記第1被捺染材に対する前処理(ステップ(A))と所望する捺染処理(ステップ(B))との間で、前記第2被捺染材への捺染実行(ステップ(C))と、捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(ステップ(D))の実行、つまり新たな第2被捺染材のセット(第2被捺染材の交換)を可能とする。従って、前記ステップ(A)によって第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥時間を、前記ステップ(D)と、当該ステップ(D)の実行によって可能となる第2被捺染材の交換作業と、のこれらによってより一層確保することができる。
【0013】
また、前記ステップ(D)の実行後は、前記第1被捺染材への捺染実行(ステップ(B))と、新たにセットされた第2被捺染材への捺染実行(ステップ(C))と、を連続して行うこと、即ち複数の載置台にセットされた被捺染材に対する最終の捺染処理を連続して行い、その後にこれらを取り出すことが可能となるので、長いアイドルタイムが介在することなく、効率的に捺染を行うことができる。
【0014】
本発明の第3の態様は、被捺染材をセットする複数の載置台と、前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、前記複数の載置台と前記捺染ヘッドとの相対位置を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、前記ステップ(C)によって所望する捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(D)と、のこれらステップについて、前記ステップ(A)が実行された後、少なくとも前記ステップ(C)とその後に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(D)を実行し、その後前記第1被捺染材に対する前記ステップ(B)と、新たにセットされた前記第2被捺染材に対する前記ステップ(C)と、を実行する第2制御モードを実行可能であることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、インクジェット捺染装置の制御手段は、上記第2の態様で述べた第2制御モードを実行可能であるので、上記第2制御モードによって奏される作用効果を得ることができる。
【0016】
本発明の第4の態様に係るインクジェット捺染方法は、被捺染材をセットする複数の載置台と、前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、備えたインクジェット捺染装置において、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、のこれらステップについて、少なくとも前記ステップ(A)と、当該ステップ(A)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(C)を実行することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、インクジェット捺染装置の制御手段は、所望する捺染の実行前に前処理材を吐出すべき第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、当該ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対して前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、の間で、第2被捺染材に対する前処理或いは捺染処理であるステップ(C)を実行するので、当該ステップ(C)の実行に要する時間を利用して前記ステップ(A)で前記第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥を促進させることができる。これにより、前記第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るインクジェット捺染装置の外観斜視図。
【図2】本発明に係るインクジェット捺染装置の側面図。
【図3】被捺染材及びトレイに載置された被捺染材の状態を示す図。
【図4】第1実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図5】第1実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図6】第2実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図7】第2実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図8】第3実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図9】第3実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図10】第4実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図11】第4実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図12】第5実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図13】第5実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図14】第6実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図15】第6実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図16】第7実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図17】第7実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図18】第8実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図19】第8実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図20】第9実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図21】第9実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図22】第10実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図23】第10実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図24】第11実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図25】第11実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図26】第12実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図27】第12実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図28】第13実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図29】第13実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図30】第14実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図31】第14実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図32】第15実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図33】第15実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図34】第16実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図35】第16実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図36】第17実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図37】第17実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図38】第18実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図39】第18実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図40】第19実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図41】第19実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図42】第20実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図43】第20実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図44】第21実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図45】第21実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図46】第22実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図47】第22実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図48】第23実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図49】第23実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図50】第24実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図51】第24実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図52】第25実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図53】第25実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【図54】第26実施例に係る制御モードのフローチャート。
【図55】第26実施例に係る制御モード実行中のトレイの動きを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明するが、本発明は、以下説明する実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることを前提として、以下本発明の一実施例を説明するものとする。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染装置1の外観斜視図、図2は同側面図、図3は被捺染材P及び第1トレイT1(又は第2トレイT2)に載置された被捺染材Pの状態を示す図(斜視図)である。
【0021】
また、図4〜図55は被捺染材Pに前処理及び所望する捺染を実行する際の制御モードの各実施例を示しており、偶数番号の図面は各実施例に係る制御モードのフローチャート、奇数番号の図面は各実施例に係る制御モード実行中の、各トレイ(T1、T2、T3)の動きを示す図である。
【0022】
尚、図中においてx−y−z座標系は説明の便宜上方向を示したものであり、z方向は鉛直(重力)方向、y方向が被捺染材Pの搬送方向(トレイの移動方向)、x方向がy方向及びz方向と直交する方向である。
【0023】
図1、図2に示す様にインクジェット捺染装置1は、装置本体2の底部にガイドテーブル10を備え、このガイドテーブル10上を第1トレイT1、第2トレイT2が移動するよう構成されている。より詳しくは、ガイドテーブル10にはy方向に平行なガイド軸11が配置されており、このガイド軸11によって、下部ベース15がy方向にガイドされる様になっている。
【0024】
また、無端ベルト12が、y方向に沿って駆動プーリー13と従動プーリー14との間に係回されており、この無端ベルト12の一部に下部ベース15が固定されている。駆動プーリー13はトレイ駆動モーター9によって回転駆動され、これにより無端ベルト12が稼働すると、下部ベース15がy方向に移動する様になっている。
【0025】
この下部ベース15には軸17が立設され、この軸17上に上部ベース18が設けられ、更にその上部に、被捺染材Pを載置する「載置台」としての第1トレイT1、第2トレイT2がy方向に適宜の間隔を空けて配置されている。第1トレイT1、第2トレイT2は、その上面が被捺染材Pを載置する載置面となっており、第1トレイT1、第2トレイT2上に被捺染材Pを図3に示す様に載置(セット)し、被捺染材Pが載置された第1トレイT1、第2トレイT2がy方向に移動することで、被捺染材Pは捺染ヘッドとしてのインクジェットヘッド23の下を通過できる様になっている。尚、図3の被捺染材Pは一例としてTシャツを示している。
【0026】
次いで、インクジェット捺染装置1の装置前面右側には各種操作を行う為の操作パネル6が配置されており、装置前面において第1トレイT1、第2トレイT2を挟んで操作パネル6の反対側(装置左側)にはインクカートリッジを収容するインクカートリッジ収容部8が設けられている。
【0027】
インクカートリッジ収容部8に収容されたインクカートリッジからインクが供給される、捺染実行部を構成するインクジェットヘッド23は、前処理材(本実施例では白インク)及び所望する捺染を行う為のインクを吐出するノズル孔(不図示)が複数並んだノズル列(不図示)を複数有する、公知の構造のインクジェットヘッドである。そしてこのインクジェットヘッド23は搬送方向yと交差するx方向(図2において紙面面裏方向)に往復駆動されるキャリッジ22に搭載されている。
【0028】
尚、インクジェット捺染装置1は、本実施形態ではインクジェットヘッド23が搬送方向yと交差するx方向に移動しながら前処理材或いはインクを吐出する所謂シリアル式の捺染装置であるが、インクジェットヘッド23はラインヘッドであってもよいし、またこのラインヘッドが固定的に設けられていても、或いは搬送方向yに移動可能に設けられていても、いずれであっても良いのは勿論である。また、インクジェットヘッド23が搬送方向yに移動する構成の場合には、第1トレイT1、第2トレイT2は必ずしも搬送方向yに移動可能でなくても良く、少なくとも各トレイとインクジェットヘッド23とが相対的に移動可能であれば良い。
【0029】
各トレイが装置の最も前方側(図2において左側)に移動した際の各トレイの位置が被捺染材をセットするセット位置であり、この位置から各トレイが仮想線及び符号T1’、T2’で示す位置にまで搬送され(第1トレイT1の前処理或いは捺染開始位置)、そして各トレイの装置前方側(図2において左側)への移動と、インクジェットヘッド23からのインク吐出と、が交互に行われ、前処理或いは捺染が実行される。被捺染材Pへのインクの吐出が終了すると、各トレイは図2の実線で示すセット位置にまで戻り、前処理材或いはインクが吐出された被捺染材Pを取り出すことができる様になっている。
【0030】
尚、符号3はトレイ駆動モーター9、キャリッジ22を駆動する駆動モーター(不図示)、インクジェットヘッド23、のこれらを制御する制御手段としての制御部であり、第1トレイT1、第2トレイT2、キャリッジ22、インクジェットヘッド23、のこれらが制御部3によって制御される。即ち制御部3が、各トレイにセットされた被捺染材とインクジェットヘッド23との相対位置を制御する制御手段となる。
【0031】
続いて、図4以降を参照しながら第1トレイT1、第2トレイT2、及びトレイが3個の場合には第3トレイT3、の各トレイにセットされた被捺染材に捺染を行う場合の制御モードの実施例について説明する。尚、以下に示す各実施例は、「第1の被捺染材」としての、濃色系の被捺染材と、「第2の被捺染材」としての、淡色系の被捺染材と、のこれらを各トレイにセットして捺染を実行する場合の一実施例である。
【0032】
濃色系の被捺染材は、濃色であるので発色性を向上させる為に捺染実行前に前処理材を吐出し、その後、所望する捺染を実行する。また淡色系の被捺染材は、発色性が良好であることから前処理材を吐出しないでそのまま所望する捺染を実行する。尚、本実施例を含め以下すべての実施例では、前処理材として白インクを用い、捺染領域の全領域について白インクを吐出するが、前処理材がこれに限定されないことは既に述べた通りである。
【0033】
尚、各実施例において、フローチャート(偶数番号図面)の左横に示した括弧付き数字は、各トレイの動きを示す図面(奇数番号図面)において第1トレイT1の左横に示した括弧付き数字に対応している。例えば、図4のステップS101(第1トレイ捺染開始位置へ移動)が実行された後の状態が、図5の(1)で示す状態である。
【0034】
また、各トレイの動きを示す図面(奇数番号図面)の下部に示す矢印は、各トレイの移動方向と移動距離を纏めたものであり、「総移動量」は、各トレイの総移動量を示している。例えば、図5の「3W」は各トレイが被捺染材セット位置と捺染開始位置との間の距離を3回移動したことを示し、「2T」は各トレイがトレイ2個分の距離を移動したことを示している。従ってこれら数値が小さいほど、各トレイの移動量は少なくて済んでいることになる。
【0035】
尚本実施形態では、便宜上、例えばトレイが2個の場合にはトレイ3個分の移動量が被捺染材セット位置と捺染開始位置との間の距離に相当するものとし(1W=3T)、トレイが3個の場合にはトレイ4個分の移動量が被捺染材セット位置と捺染開始位置との間の距離に相当するものとしている(1W=4T)。
【0036】
また、図2及び、図5以降の奇数番号図面において、「被捺染材セット位置」及び「捺染開始位置」は、第1トレイT1の装置前方側端部を基準としているが、「被捺染材セット位置」においては第1トレイT1及び第2トレイT2の双方に対して被捺染材Pをセット可能であり、また、セットした被捺染材Pを取り外し可能であるものとする。しかしながら「捺染開始位置」は、特段の説明がない場合には図示する様に第1トレイT1にセットされた被捺染材Pの捺染開始位置を意味するものとする。
【0037】
■■■第1実施例(T1/濃色系、T2/淡色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図4及び図5に示す第1実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0038】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図4のステップS101〜S106、および各ステップに対応する状態を示す図5に示す通りである。
具体的には、以下の通りとなる。先ず、第1トレイT1を被捺染材セット位置から捺染開始位置へ移動させ(ステップS101)、次いで第1トレイT1にセットされた濃色系の第1被捺染材に対して下地ホワイト捺染(前処理:白インク吐出のこと)を行い(ステップS102)、次いで第2トレイT2にセットされた淡色系の第2被捺染材に対してカラー捺染(最終的な捺染処理:カラーインクの吐出)を実行する(ステップS103)。
【0039】
次いで、再び第1トレイT1を捺染開始位置に移動させ(ステップS104)、次いで第1トレイT1にセットされた濃色系の第1被捺染材に対してのカラー捺染を実行し(ステップS105)、各トレイをセット位置にまで戻す(ステップS106)。以上の第1実施例によれば、各トレイの総移動量は3W+1Tとなる。
【0040】
そして以上説明した制御モードによれば、捺染実行前に前処理材を吐出すべき第1被捺染材(濃色系)に対し、前処理材を吐出するステップ(A)(ステップS102が相当)と、当該ステップ(A)を経た第1被捺染材(濃色系)に対して捺染を実行するステップ(B)(ステップS105が相当)と、の間で、第2被捺染材(淡色系)に対する捺染処理であるステップ(C)(ステップS103が相当)を実行する。
【0041】
従って、上記ステップ(C)(ステップS103)の実行に要する時間を利用してステップ(A)(ステップS102)で第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を促進させることができる。これにより、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0042】
■■■第2実施例(T1/濃色系、T2/淡色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図6及び図7に示す第2実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。制御部3は、上述した第1制御モードと、以下説明する第2制御モードとを切り換え可能に構成されている。
【0043】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図6のステップS201〜S209、および各ステップに対応する状態を示す図7に示す通りである。尚、本実施例を含め、以降の各実施例では、各ステップの動作内容はフローチャートに示す通りであるので、全てのステップについての詳細な説明は省略する。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。
【0044】
本第2実施例においてステップS204、S205は、上記第1実施例では設けられていないステップである。即ち、ステップS203において第2トレイT2の第2被捺染材への捺染が終了するので、捺染の終了した第2被捺染材を第2トレイT2から取り出し、新たな第2被捺染材と交換するのである(ステップS205)。
【0045】
即ち、第2制御モードは、第1被捺染材(濃色系)へ前処理材を吐出するステップ(A)(ステップS202が相当)が実行された後、少なくとも第2被捺染材(淡色系)へ捺染を実行するステップ(C)(ステップS203が相当)とその後に実行される第1被捺染材(濃色系)へ捺染を実行するステップ(B)(ステップS207が相当)と、の間で第2被捺染材(淡色系)を取り出し可能とするステップ(D)(ステップS204が相当)を実行する。これにより、ユーザーは第2トレイT2の被捺染材を交換することができる。
【0046】
その後、前記ステップ(B)(ステップS207)と、新たに第2トレイT2にセットされた第2被捺染材(淡色系)に対して実行するステップ(C)(ステップS208が相当)と、を各トレイの所定方向への相対的な移動を介して連続して行う。
【0047】
この第2制御モードによれば、前記ステップ(A)(ステップS202)によって第1被捺染材に対して吐出された前処理材の乾燥時間を、ステップ(D)(ステップS204)と、これにより可能となる第2被捺染材の交換作業(ステップS205)によってより一層確保することができる。尚、第2被捺染材の交換作業(ステップS205)は、作業者による手作業であるので、厳密には制御部3が実行する第2制御モードの処理内容には属さない(以降で説明する他の実施例でも同様)。
【0048】
尚、ステップS205によって第2被捺染材(淡色系)が交換された後には、各トレイとインクジェットヘッド23との所定方向への相対的な移動を介して第1被捺染材(濃色系)及び第2被捺染材(淡色系)への捺染実行(最終処理)を連続して行い(ステップS207、S208)、そしてこれらを取り出すことができるので(ステップS209)、この様な第2制御モードによって1つの第1被捺染材(濃色系)と2つの第2被捺染材(淡色系)への捺染実行に際して長いアイドル時間が形成されることがなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0049】
尚、本制御モードは第2制御モードであるが、第1被捺染材(濃色系)への前処理と(ステップS202)、当該第1被捺染材への捺染実行(ステップS207)との間で、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行(ステップS203)を行うので、この様な観点において上述した第1制御モードにも該当すると言える。即ち第2制御モードは、第1制御モードにも該当する場合がある(以降において説明する他の実施例に係る第2制御モードも同様)。
【0050】
■■■第3実施例(T1/濃色系、T2/淡色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図8及び図9に示す第3実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の第3制御モードの一実施例である。本実施例において制御部3は、上述した第1、第2の各制御モードに加え、当該第3制御モードを選択可能に構成されている。
【0051】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図8のステップS301〜S306、および各ステップに対応する状態を示す図9に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、2W+2Tとなる。本実施例によれば、第1トレイT1にセットされた第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出と捺染実行との間には第2被捺染材(淡色系)への捺染実行が行われないが、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。本制御モードは、前処理材の乾燥時間よりトレイ移動時間が全体としてネックになる場合に有効である。
【0052】
■■■第4実施例(T1/淡色系、T2/濃色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図10及び図11に示す第4実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0053】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図10のステップS401〜S406、および各ステップに対応する状態を示す図11に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+1Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様に、第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出(ステップS402)と捺染実行(ステップS405)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行が行われるので(ステップS404)、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0054】
■■■第5実施例(T1/淡色系、T2/濃色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図12及び図13に示す第5実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0055】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図12のステップS501〜S509、および各ステップに対応する状態を示す図13に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様に、1つの第1被捺染材(濃色系)と2つの第2被捺染材(淡色系)への捺染実行に際して長いアイドル時間が形成されることがなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0056】
■■■第6実施例(T1/淡色系、T2/濃色系)■■■■■■■■■■■■■■■■
図14及び図15に示す第6実施例は、トレイが2個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットして、捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0057】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図14のステップS601〜S606、および各ステップに対応する状態を示す図15に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、2W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様に、第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出(ステップS602)と捺染実行(ステップS605)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行が行われるので(ステップS604)、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0058】
また、本実施例のステップS601では、上述した第4実施例(図10、図11)のステップS401に比して、トレイ移動量が少ないので(第2トレイT2の捺染開始位置へ移動)、トレイ移動時間の短縮による工程の短縮を図ることができる。
【0059】
■■■第7実施例(T1/濃色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図16及び図17に示す第7実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0060】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図16のステップS701〜S708、および各ステップに対応する状態を示す図17に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出(ステップS702、S703)と捺染実行(ステップS706、S707)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行が行われるので(ステップS704)、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0061】
尚、第1トレイT1にセットされた第1被捺染材(濃色系)については、前処理材の吐出(ステップS702)と捺染実行(ステップS706)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行(ステップS704)に加え、第2トレイT2にセットされた第1被捺染材(濃色系)への前処理が行われるので(ステップS703)、より一層確実に前処理材の乾燥を促進させることができる。即ち、第1被捺染材(濃色系)の前処理と捺染実行との間で実行する工程は、第2被捺染材(淡色系)の捺染処理のみならず、他の第1被捺染材(濃色系)の前処理でも良いし、或いは他の第1被捺染材の捺染処理であっても良いし、或いは第2被捺染材(淡色系)の捺染処理であっても良いし、或いはその他の処理(被捺染材の交換作業)であっても良いし、或いはこれらの任意の組み合わせであっても良い。
【0062】
■■■第8実施例(T1/濃色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図18及び図19に示す第8実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0063】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図18のステップS801〜S811、および各ステップに対応する状態を示す図19に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、2つの第1被捺染材(濃色系)と2つの第2被捺染材(淡色系)への捺染実行に際して長いアイドル時間が形成されることがなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0064】
■■■第9実施例(T1/濃色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図20及び図21に示す第9実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0065】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図20のステップS901〜S908、および各ステップに対応する状態を示す図21に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、図16及び図17を参照しつつ説明した第7実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0066】
■■■第10実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図22及び図23に示す第10実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0067】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図22のステップS1001〜S1008、および各ステップに対応する状態を示す図23に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、第1被捺染材(濃色系)への前処理材の吐出(ステップS1002)と捺染実行(ステップS1006)との間に、第2被捺染材(淡色系)への捺染実行(ステップS1003)と他の第1被捺染材(濃色系)への前処理(ステップS1004)が行われる。
【0068】
また更に、他の第1被捺染材(濃色系)への前処理(ステップS1004)と捺染実行(ステップS1007)との間に第1被捺染材(濃色系)への捺染実行(ステップS1006)が行われるので、第1被捺染材(濃色系)に対して吐出された前処理材の乾燥を待つ専用の時間を設ける必要がなく、工程のより一層の効率化を図ることができる。
【0069】
■■■第11実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図24及び図25に示す第11実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0070】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図24のステップS1101〜S1108、および各ステップに対応する状態を示す図25に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0071】
■■■第12実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図26及び図27に示す第12実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第1被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0072】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図26のステップS1201〜S1211、および各ステップに対応する状態を示す図27に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0073】
■■■第13実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図28及び図29に示す第13実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0074】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図28のステップS1301〜S1308、および各ステップに対応する状態を示す図29に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0075】
■■■第14実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図30及び図31に示す第14実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0076】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図30のステップS1401〜S1408、および各ステップに対応する状態を示す図31に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0077】
■■■第15実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図32及び図33に示す第15実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0078】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図32のステップS1501〜S1511、および各ステップに対応する状態を示す図33に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0079】
■■■第16実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図34及び図35に示す第16実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0080】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図34のステップS1601〜S1608、および各ステップに対応する状態を示す図35に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。また本実施例によれば、図28及び図29を参照しつつ説明した第13実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0081】
■■■第17実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図36及び図37に示す第17実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0082】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図36のステップS1701〜S1708、および各ステップに対応する状態を示す図37に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0083】
■■■第18実施例(T1/淡色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図38及び図39に示す第18実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0084】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図38のステップS1801〜S1807、および各ステップに対応する状態を示す図39に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0085】
■■■第19実施例(T1/淡色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図40及び図41に示す第19実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0086】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図40のステップS1901〜S1911、および各ステップに対応する状態を示す図41に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0087】
■■■第20実施例(T1/淡色系、T2/淡色系、T3/濃色系)■■■■■■■■■
図42及び図43に示す第20実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第2被捺染材をセットし、第3トレイT3に濃色系の第1被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0088】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図42のステップS2001〜S2007、および各ステップに対応する状態を示す図43に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、2W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。また本実施例によれば、図38及び図39を参照しつつ説明した第18実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0089】
■■■第21実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図44及び図45に示す第21実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0090】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図44のステップS2101〜S2107、および各ステップに対応する状態を示す図45に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0091】
■■■第22実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図46及び図47に示す第22実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0092】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図46のステップS2201〜S2211、および各ステップに対応する状態を示す図47に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0093】
■■■第23実施例(T1/淡色系、T2/濃色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図48及び図49に示す第23実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に淡色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に濃色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0094】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図48のステップS2301〜S2307、および各ステップに対応する状態を示す図49に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。また本実施例によれば、図44及び図45を参照しつつ説明した第21実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0095】
■■■第24実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図50及び図51に示す第24実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0096】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図50のステップS2401〜S2407、および各ステップに対応する状態を示す図51に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、3W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第1制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0097】
■■■第25実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図52及び図53に示す第25実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第2制御モード」の一実施例である。
【0098】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図52のステップS2501〜S2511、および各ステップに対応する状態を示す図53に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、4Wとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。
【0099】
■■■第26実施例(T1/濃色系、T2/淡色系、T3/淡色系)■■■■■■■■■
図54及び図55に示す第26実施例は、トレイが3個の場合の実施例であり、第1トレイT1に濃色系の第2被捺染材をセットし、第2トレイT2に淡色系の第1被捺染材をセットし、第3トレイT3に淡色系の第2被捺染材をセットして捺染を実行する場合の「第1制御モード」の一実施例である。
【0100】
本実施例での各トレイの動きと処理内容は、図54のステップS2601〜S2607、および各ステップに対応する状態を示す図55に示す通りである。尚、本実施例での各トレイの総移動量は、2W+2Tとなる。本実施例によれば、既に説明した第2制御モードと同様な作用効果を得ることができる。また本実施例によれば、図50及び図51を参照しつつ説明した第24実施例に比して、各トレイの移動距離が短くて済み、トレイ移動時間の短縮を図ることができる。
【0101】
以上説明した各実施例は一例であり、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。特に、上述した第1〜第26実施例の各制御モードについては、制御部3はいずれか1つの制御モードのみを実行可能であっても良いし、或いはいずれか2つが選択可能であっても良いし、或いはいずれか3つが選択可能であっても良いし、・・・、という様に制御部3が備える制御モードは、第1〜第26実施例の各制御モードの組み合わせ全てについて考えられる。
【0102】
また、上記第1〜第26実施例のほか、複数のトレイT1、T2、・・・について全て同じ捺染材(第1被捺染材(濃色系)或いは第2被捺染材(淡色系))の場合もあり得る。この場合、全てのトレイについて同じ処理を順次行うこととなり、例えば全て第1被捺染材(濃色系)であれば、「第1トレイ下地ホワイト捺染、第2トレイ下地ホワイト捺染、・・・、第1トレイカラー捺染、第2トレイカラー捺染、・・・」の様に同じ処理を順次行うこととなる。従ってこの様な制御モード(第4制御モードとする)を、上記第1〜第26実施例で示す制御モードに加えて更に備え、切り換え可能とすることもできる。
【0103】
また上記実施例では、被捺染材が濃色系の場合に前処理(下地ホワイト捺染)を行うことがインクジェット捺染装置1の制御部3により決定されるが、前処理を行うか否かをユーザーがインクジェット捺染装置1の操作部6やインクジェット捺染装置1に接続されたコンピューター等を介して選択し得る様に構成されていても良い。これにより例えば、被捺染材が淡色系の場合であっても種々の前処理を行うことができる。
【0104】
また加えて、本発明は布帛等の被捺染材にインクを吐出するインクジェット捺染装置に対して適用したが、記録用紙等の被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 インクジェット捺染装置、2 装置本体、3 制御部、6 操作部、8 インクカートリッジ収容部、9 トレイ駆動モーター、10 ガイドテーブル、11 ガイド軸、12 無端ベルト、13 駆動プーリー、14 従動プーリー、15 下部ベース、17 軸、
18 上部ベース、22 キャリッジ、23 インクジェットヘッド、P 被捺染材、T1 第1トレイ、T2 第2トレイ、T3 第3トレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被捺染材をセットする複数の載置台と、
前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、
前記複数の載置台と前記捺染ヘッドとの相対位置を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、
前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、
前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、
のこれらステップについて、少なくとも前記ステップ(A)と、当該ステップ(A)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(C)を実行する第1制御モードを実行可能である、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット捺染装置において、前記第2被捺染材は、前記前処理材の吐出が不要な被捺染材であり、
前記制御手段は、前記第1制御モードと、前記ステップ(C)によって所望する捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(D)を含む第2制御モードと、を切り換え可能であり、
前記第2制御モードは、前記ステップ(A)を実行した以降、少なくとも前記ステップ(C)と、当該ステップ(C)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(D)を実行し、
その後前記第1被捺染材に対する前記ステップ(B)と、新たにセットされた前記第2被捺染材に対する前記ステップ(C)と、を実行する制御モードである、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項3】
被捺染材をセットする複数の載置台と、
前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、
前記複数の載置台と前記捺染ヘッドとの相対位置を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、
前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、
前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた、前記前処理材の吐出が不要な第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、
前記ステップ(C)によって所望する捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(D)と、
のこれらステップについて、前記ステップ(A)を実行した以降、少なくとも前記ステップ(C)と、当該ステップ(C)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(D)を実行し、
その後前記第1被捺染材に対する前記ステップ(B)と、新たにセットされた前記第2被捺染材に対する前記ステップ(C)と、を実行する第2制御モードを実行可能である、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項4】
被捺染材をセットする複数の載置台と、
前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、備えたインクジェット捺染装置において、
前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、
前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、
前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、
のこれらステップについて、少なくとも前記ステップ(A)と、当該ステップ(A)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(C)を実行する、
ことを特徴とするインクジェット捺染方法。
【請求項1】
被捺染材をセットする複数の載置台と、
前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、
前記複数の載置台と前記捺染ヘッドとの相対位置を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、
前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、
前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、
のこれらステップについて、少なくとも前記ステップ(A)と、当該ステップ(A)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(C)を実行する第1制御モードを実行可能である、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェット捺染装置において、前記第2被捺染材は、前記前処理材の吐出が不要な被捺染材であり、
前記制御手段は、前記第1制御モードと、前記ステップ(C)によって所望する捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(D)を含む第2制御モードと、を切り換え可能であり、
前記第2制御モードは、前記ステップ(A)を実行した以降、少なくとも前記ステップ(C)と、当該ステップ(C)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(D)を実行し、
その後前記第1被捺染材に対する前記ステップ(B)と、新たにセットされた前記第2被捺染材に対する前記ステップ(C)と、を実行する制御モードである、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項3】
被捺染材をセットする複数の載置台と、
前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、
前記複数の載置台と前記捺染ヘッドとの相対位置を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、
前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、
前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた、前記前処理材の吐出が不要な第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、
前記ステップ(C)によって所望する捺染が実行された前記第2被捺染材を取り出し可能な状態とするステップ(D)と、
のこれらステップについて、前記ステップ(A)を実行した以降、少なくとも前記ステップ(C)と、当該ステップ(C)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(D)を実行し、
その後前記第1被捺染材に対する前記ステップ(B)と、新たにセットされた前記第2被捺染材に対する前記ステップ(C)と、を実行する第2制御モードを実行可能である、
ことを特徴とするインクジェット捺染装置。
【請求項4】
被捺染材をセットする複数の載置台と、
前記載置台にセットされた被捺染材に対して前処理を行う為の前処理材の吐出、及び被捺染材に対して所望する捺染を行う為のインクの吐出を行う捺染ヘッドと、備えたインクジェット捺染装置において、
前記複数の載置台のうち一の載置台にセットされた第1被捺染材に対し、前記前処理材を吐出するステップ(A)と、
前記ステップ(A)を経た前記第1被捺染材に対し、前記捺染の為のインクを吐出するステップ(B)と、
前記複数の載置台のうち前記第1被捺染材がセットされた載置台とは異なる載置台にセットされた第2被捺染材に対し、前記前処理材を吐出し又は前記捺染の為のインクを吐出するステップ(C)と、
のこれらステップについて、少なくとも前記ステップ(A)と、当該ステップ(A)以降に実行される前記ステップ(B)と、の間で前記ステップ(C)を実行する、
ことを特徴とするインクジェット捺染方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【公開番号】特開2013−47399(P2013−47399A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185636(P2011−185636)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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