説明

インクジェット用被記録材

【課題】 繊維基材としてポリ乳酸繊維を用いていながらも、インクジェット印刷において、画像鮮明性、耐水性、耐候性及び発色性に優れたインクジェット用被記録材を提供する。
【解決手段】 インクジェット用被記録材を、少なくともポリ乳酸繊維を含有した繊維基材に、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と水溶性カチオンポリマーとを主成分とするインク受容層を備えたものとし、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤をガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲内のものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット用被記録材に係り、特に繊維基材としてポリ乳酸繊維を用いたインクジェット用被記録材に関する。
【背景技術】
【0002】
紙の印刷分野ではインクジェットによる印刷方式が発達し、広く実用化しているが、布帛は紙とは異なり、素材の種類も広範囲にわたり、且つ、編織された組織の粗さ状態も極めて多様で、その上方向性が顕著であるため、インクジェットによる印刷方式を布帛の染色に適用してもインク滲みや濃度むら等のない鮮明な図柄を得ることが困難である。
【0003】
色の滲み防止を目的としたインクジェット染色用布帛として、染料に対し非染着性である化合物を布帛素材に0.1〜50重量%含有させてインク保持層を形成したものが開発されている(特許文献1)。このインク保持層は、一般的な捺染法で用いられる捺染のりと同じ働きをするものであり、インク保持層で保持し染料を繊維に染着させる役割を果たす。しかし、印刷後に湿熱処理をして染着固定をする必要があると共に、その後水洗をして余分の染料やインク保持層(非染着性化合物)を除去する必要がある。また、染着と湿熱による染着固定処理とが2工程に分かれていることから、微細なインクドット単位の繊細且つ鮮明な図柄を得るには限界がある。
【0004】
また、布帛素材上にインク保持層を形成する前に浸透剤としての界面活性剤を布帛素材の単繊維表面に被覆しておくことにより、インク保持層の浸透性を良くしようとするインクジェット染色用布帛が開発されている(特許文献2)。しかし、ここで用いられるインク保持層も一般的な捺染のりと同じ機能を果たすものであり、インクジェット捺染をした後に湿熱処理をして染着固定する必要があるとともに、捺染のりであるインク保持層を除去するための洗浄(水洗)を必要とする。また、染着と湿熱による染着固定処理とが2工程に分かれていることから、微細なインクドット単位の繊細且つ鮮明な図柄を得るには限界がある。
【0005】
また、ポリエステル布帛上にインク保持剤とガラス転移温度が60〜130℃の合成樹脂からなる処理液を付与し、インクジェット捺染後に150℃〜190℃の温度で温熱処理を行うインクジェット捺染方法がある(特許文献3)。しかし、ガラス転移温度が60℃〜130℃の合成樹脂を温熱処理によって被膜化させることから、布帛自体が持つ風合いやしなやかさが大きく損なわれ(硬くなり)、衣服用の布帛には適さないものと思われる。
【0006】
一方、紙や繊維等の多孔質基材上にインク受容層を形成したインクジェット印刷用記録材が数多く提案されている(特許文献4〜特許文献8)。これらのインクジェット印刷用記録材におけるインク受容層は、バインダーとしてガラス転移温度が20℃以上の水性ポリウレタン樹脂を含有し、更に、無機質充填材や染料固着剤等を含有したものとなっている。このようなガラス転移温度が20℃以上の水性ポリウレタン樹脂と無機質充填材を用いているのは、常温で硬く安定したインク受容層を形成するためであるが、この種のインク受理層を衣服等に用いられる布帛に適用すると、生地自体の風合いやしなやかさが大きく損なわれることとなる。
【0007】
また、近年、環境問題から生分解性繊維が注目されており、中でもポリ乳酸繊維は非石油系の新しい合成繊維として利用されている。このポリ乳酸繊維は、自然循環・非公害型のエコロジー繊維であり、合成繊維としての基本物性・加工性を持ち、シルキーな風合いと光沢があり、繊維の強度・伸度はナイロン・ポリエステル系の合成繊維とほぼ同等の繊維物性を持つといった優れた性質がある。
【特許文献1】特開昭61−55277号公報
【特許文献2】特開平8−100379号公報
【特許文献3】特開2000−43244号公報
【特許文献4】特開平10−182962号公報
【特許文献5】特開平11−180036号公報
【特許文献6】特開2000−296666号公報
【特許文献7】特開2001−260523号公報
【特許文献8】特開2001−353956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、芳香族ポリエステル(PET)繊維の融点が約256℃〜265℃であるのに対して、ポリ乳酸繊維の融点は約160℃〜175℃と低く、熱に弱いという難点がある。このためポリ乳酸繊維に対しては、芳香族ポリエステル(PET)繊維において使用できるような温熱処理を用いるインク保持層形成方法の適用には問題があり、優れたインクジェット印刷適性を備えたポリ乳酸繊維ベースのインクジェット用被記録材が要望されている。
【0009】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、繊維基材としてポリ乳酸繊維を用いていながらも、インクジェット印刷において、画像鮮明性、耐水性、耐候性及び発色性に優れたインクジェット用被記録材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明のインクジェット用被記録材は、繊維基材と、該繊維基材に形成されたインク受容層とを備え、前記繊維基材は少なくともポリ乳酸繊維を含有し、前記インク受容層は水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と、水溶性カチオンポリマーとを主成分とするものであり、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤のガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲であるような構成とした。
【0011】
本発明の他の態様として、前記繊維基材は、ポリ乳酸繊維と天然繊維との複合繊維であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記繊維基材は、一方の面に支持基材を備えるような構成とした。
【0012】
本発明の他の態様として、前記インク受容層は、炭素数4〜12のアルキル基を有する1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーとを共重合させて得られる弱酸性の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と、水溶性カチオンポリマーと、水系媒体とを含むインク受容層形成剤を前記繊維基材に付与して形成したものであり、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、固形分が50%のエマルジョン状態における粘度が4000〜20000mPa・s/30℃であり、且つ、ガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲内にあるような構成とした。
【0013】
本発明の他の態様として、前記インク受容層形成剤は、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の固形分の含有量が0.5〜5重量%であり、前記水溶性カチオンポリマーの含有量が0.1〜3重量%であり、残りが水系媒体であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の平均粒子径が0.1〜3μmの範囲内にあるような構成とした。
【0014】
本発明の他の態様として、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、ノニオン性界面活性剤の存在下に炭素数4〜12のアルキル基を有する1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーとを共重合させたものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の存在下に炭素数4〜12のアルキル基を有する1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーとを共重合させたものであるような構成とした。
【0015】
本発明の他の態様として、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、その数平均分子量が3000〜20000の範囲内にあり、且つ、重量平均分子量が10000〜100000の範囲内にあるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、最低造膜温度が0℃以下であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、アクリル酸2−エチルヘキシルと、アクリル酸ブチルと、酢酸ビニルとを共重合させたものであるような構成とした。
【0016】
本発明の他の態様として、前記共重合体の酢酸ビニル含有量が20〜50重量%の範囲であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記水溶性カチオンポリマーは、第4級アンモニウム塩の重合体であるような構成とした。
【0017】
本発明の他の態様として、前記水溶性カチオンポリマーは、一般式が
CH2=CH−CH2−NHR
(式中Rは水素又は炭素数1〜18のアルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基を表す)
で示されるモノアリルアミン誘導体又はその塩の重合体、又は、前記モノアリルアミン誘導体又はその塩の重合体と、それらと共重合可能な不飽和二重結合を持つモノマーとの共重合体からなるような構成とした。
【0018】
本発明の他の態様として、前記水溶性カチオンポリマーは、重量平均分子量が1000〜5000の範囲内にあるポリアリルアミン塩酸塩であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記インク受容層は、弱酸性であり且つ粒子荷電がノニオン若しくは弱アニオンである変性シリコン樹脂を含有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記インク受容層は、弱酸性であり且つ粒子荷電がノニオン若しくは弱アニオンであるフッ素樹脂を含有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記インク受容層は、弱酸性であり且つ粒子荷電がノニオン若しくは弱アニオンであるポリ乳酸を含有するような構成とした。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明では、インク受容層が繊維基材の風合いやしなやかさを損なうことなく、染料タイプ、顔料タイプいずれのインクも、滲みや濃度むらを生じることなく吸着可能であり、画像鮮明性、耐水性、耐候性及び発色性に優れたインクジェット印刷が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のインクジェット用被記録材は、少なくともポリ乳酸繊維を含有した繊維基材に、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と水溶性カチオンポリマーとを主成分とするインク受容層を備え、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、ガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲内にある。
【0021】
次に、このような本発明のインクジェット用被記録材の構成材料について説明する。
[繊維基材]
本発明のインクジェット用被記録材を構成する繊維基材は、ポリ乳酸繊維、あるいは、ポリ乳酸繊維と綿、ウール、シルクなどの天然繊維と混紡、交編、交織をした複合繊維を用いることができる。また、ポリ乳酸繊維を含む不織布を用いることができる。特に、発色性の点からポリ乳酸繊維のみからなる繊維基材、あるいは、ポリ乳酸繊維と綿との混紡である繊維基材が好ましい。尚、複合繊維の場合、ポリ乳酸繊維の割合は50%以上、好ましくは60%以上とすることができる。
【0022】
ポリ乳酸繊維には特に制限はなく、例えば、カネボウ合成(株)製の「ラクトロン」、クラレ(株)製の「プラスターチ」、東レ(株)製の「エコディア」、ユニチカファイバー(株)製の「テラマック」等を挙げることができる。
繊維基材の厚みは特に限定されず、インクジェットプリンタを通すことを考慮すると、50μm〜3mm程度、好ましくは0.5〜1mm程度とすることができる。
【0023】
また、本発明のインクジェット用記録材は、使用目的に応じて、繊維基材の一方の面(インクジェット印刷を行なう面と反対の面)に支持基材を備えたものであってもよい。支持基材としては、紙、樹脂フィルム、離型紙を備えた粘着紙等を目的に応じて用いることができる。
【0024】
[インク受容層]
本発明のインクジェット用被記録材を構成するインク受容層は、繊維基材の単繊維毎にその表面を被覆するように形成された透明被膜である。このため、繊維基材の風合いやしなやかさを保つことができる。このようなインク受容層は、繊維基材のインクジェット印刷を行なう面から所望の深さまで形成されたものであってよく、また、繊維基材の厚み方向全域において形成されたものであってもよい。尚、本発明におけるインク受容層は、単繊維間に跨る膜状のものを排除するものではなく、使用する繊維基材の風合いやしなやかさを損なわない範囲(要求する風合いやしなやかさが得られる範囲)で、単繊維間に跨る膜状のインク受容層を含むことができる。
【0025】
このようなインク受容層は、上述のように、ガラス転移温度が−50℃〜−10℃、好ましくは−50℃〜−30℃の範囲である水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と、水溶性カチオンポリマーとを主成分とする。このインク受容層において、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤が単繊維表面に高い固着力で固着して薄く均一な皮膜を形成しており、水溶性カチオンポリマーは単繊維表面への水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の固着力を高める作用をなすとともに、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤皮膜が色材に対して発現する吸着力を高める作用をなすと考えられる。このため、インクジェット印刷に使用されるインクが染料タイプ又は顔料タイプの何れであっても、インク受容層は画像鮮明性、耐水性、耐侯性及び発色性に優れた着色適性を発現する。
【0026】
インク受容層の主成分である水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、そのガラス転移温度が−10℃よりも高い場合においても、また、−50℃よりも低い場合においても、繊維基材及びインク色材に対する吸着力が低下し、粘着力若しくは接着力が不十分となる。さらに、ガラス転移温度が−10℃よりも高い場合は、繊維基材の表面に形成されるインク受容層が布の風合いを損ねる原因となる。一方、ガラス転移温度が−50℃よりも低いと、5〜30℃の温度環境においてインクジェット用被記録材を手で触ったときに不快な粘着感を生じるようになる。
インク受容層に含有される水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と水溶性カチオンポリマーの重量比は、50:1〜1:6の範囲とすることができる。
【0027】
上記のような水性エマルジョン型アクリル系粘着剤としては、炭素数4〜12のアルキル基を有する1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーとを共重合させて得られる弱酸性の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤を挙げることができる。
炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2一エチルヘキシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸オクタデシル等が例示されるが、特に、アクリル酸2一エチルヘキシル及びアクリル酸ブチルが好適である。
【0028】
また、ビニル系モノマーとしては、スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、塩化ビニル等が例示されるが、特に酢酸ビニルが好適である。
例えば、アクリル酸ブチルと、アクリル酸2−エチルヘキシルと、酢酸ビニルとの共重合体を選択する場合、各モノマーの含有量は、共重合体のガラス転移温度が上記の範囲(−50℃〜−10℃)内となるように、配合比を適宜に選択することができる。特に、共重合体の酢酸ビニル含有量が20〜50重量%、このましくは20〜30重量%の範囲となるように配合比を設定することができる。また、繊維基材に対する粘着力を向上させるために、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤にアクリル酸、メタクリル酸、又はマレイン酸等を含有させてもよい。
【0029】
上記重合性モノマーの重合に用いるノニオン性界面活性剤としては各種のものが使用可能であるが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等を用いることができる。また、上記重合性モノマーの重合に用いるアニオン性界面活性剤としては各種のものが使用可能であるが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルエタンスルホン酸ナトリウム、アシルグルタミン酸ナトリウム等を用いることができる。
【0030】
上述のような水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、その数平均分子量(Mn)が3000〜20000の範囲内にあり、且つ、重量平均分子量(Mw)が10000〜100000の範囲内にあることが好ましい。また、最低造膜温度(MFT)が0℃以下であることが好ましい。水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の数平均分子量(Mn)が3000未満、あるいは、重量平均分子量(Mw)が10000未満の場合でも、また、数平均分子量(Mn)が20000より大きく、あるいは、重量平均分子量(Mw)が100000より大きい場合でも、基材繊維およびインク色材に対する吸着力が低下し、粘着力若しくは接着力が不十分となる。また、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の最低造膜温度(MFT)が0℃よりも高いと、基材繊維表面に形成されるインク受容層が布の風合いを損ねる原因となり好ましくない。
【0031】
インク受容層の主成分である水溶性カチオンポリマーとしては、酸性もしくは弱酸性の水溶性カチオンポリマーを用いることができる。このような水溶性カチオンポリマーとしては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩の重合体を挙げることができる。
【0032】
また、酸性若しくは弱酸性の水溶性カチオンポリマ−として、一般式が CH2=CH−CH2−NHR (式中Rは水素又は炭素数1〜18のアルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基を表す) で示されるモノアリルアミン誘導体又はその塩の重合体を使用することができる。具体的には、アリルアミン重合体、アリルアミン塩酸塩重合体、アリルアミン硫酸塩重合体、アリルアミン燐酸塩重合体、N−メチルアリルアミン重合体等を例示することができる。特に、重量平均分子量が1000〜5000の範囲内にあるポリアリルアミン塩酸塩重合体が好ましい。
【0033】
また、上記のモノアリルアミン誘導体又はその塩の重合体と、それらと共重合可能な不飽和二重結合を持つモノマーとの共重合体を水溶性カチオンポリマーとして使用することもできる。具体的には、アリルアミン/N−メチルアリルアミン共重合体、この共重合体の塩酸塩、燐酸塩、硫酸塩等を挙げることができるが、更に、特開平2−80681号公報に例示されもたもの、特に、下記の式(1)又は式(2)の分子構造を有するものが好適である。
【0034】
【化1】

【0035】
【化2】

【0036】
本発明では、インク受容層に種々の添加剤を含有させても良い。この添加剤としては、各種界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光漂白剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、pH調整剤等が挙げられる。界面活性剤としては、両性界面活性剤が好ましい。
また、インク受容層は、変性シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリ乳酸のいずれか1種、あるいは、2種以上を含有するものであってもよい。
【0037】
次に、本発明のインクジェット用被記録材を構成するインク受容層の形成方法を説明する。
上述のようなインク受容層は、炭素数4〜12のアルキル基を有する1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーとを共重合させて得られる弱酸性の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と、水溶性カチオンポリマーと、水系媒体とを含むインク受容層形成剤を、繊維基材に付与して形成することができる。
【0038】
インク受容層形成剤に含有させる水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、上述のような水性エマルジョン型アクリル系粘着剤を用いることができ、ガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲内にあり、且つ、固形分が50%のエマルジョン状態における粘度が4000〜20000mPa・s/30℃、好ましくは10000〜15000mPa・s/30℃である。固形分が50%のエマルジョン状態における粘度が4000mPa・s/30℃よりも小さい場合においても、また、20000mPa・s/30℃よりも大きい場合においても、形成されたインク受容層における繊維基材及びインク色材に対する吸着力が低下し、粘着力若しくは接着力が不十分となる。さらに、固形分が50%のエマルジョン状態における粘度が20000mPa・s/30℃よりも大きい場合は、繊維基材に対する浸透性が低下し、単繊維毎に薄く均一な皮膜(インク受容層)を形成することが困難となり、特に繊維基材のしなやかさが損なわれる原因となる。
【0039】
そして、弱酸性(pHが4〜6)となるように調整し、固形分が40〜60重量%の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤として、インク受容層形成剤に含有させることができる。上記のように弱酸性(pHが4〜6)とすることにより、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と水溶性カチオンポリマーとの混合物が実用上支障を来すほどの凝集物を生成することが防止される。したがって、インク受容層形成剤において、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤が長期間にわたり、実用上十分な分散性を維持することができる。
【0040】
インク受容層形成剤では、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の固形分の含有量が0.5〜5重量%であり、上述のような水溶性カチオンポリマーの含有量が0.1〜3重量%であり、残りが水系媒体であることが好ましい。インク受容層形成剤における水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の固形分の含有量が5重量%よりも多い場合は、特に繊維基材の単繊維間へのエマルジョン粒子の浸透性が悪くなる。また、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の固形分の含有量が0.5重量%よりも少ない場合は、インクによる着色濃度を確保するために、繊維基材へのインク受容層形成剤の付与を繰り返し行なう必要が生じ、非効率的になる。一方、水溶性カチオンポリマーの含有量が0.1重量%よりも少ないと、形成されたインク受容層は、インクに含まれる色材に対する吸着力若しくは接着力が不十分なものとなり、水洗堅牢度、洗濯堅牢度等が悪化する原因となる。また、水溶性カチオンポリマーの含有量が3重量%よりも多いと、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の固形分の含有量に対して過剰となり、インクジェット印刷を行なった後に、インクジェット用被記録材が水に濡れたとき、過剰な水溶性カチオンポリマーが流れ出て周囲を汚染する原因となる。
【0041】
また、インク受容層形成剤における水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の平均粒子径は0.1〜3μmの範囲内にあることが好ましい。これにより、繊維基材の単繊維間へのエマルジョン粒子の浸透性が良好で、薄く均一な皮膜(インク受容層)を形成するとともに、形成されたインク受容層は、インクに含まれる色材に対する吸着力若しくは接着力が十分なものとなる。尚、平均粒子径は、レーザー拡散法により測定するものである。
【0042】
また、インク受容層形成剤に含有される水系媒体としては、水を使用することができる。また、水系媒体の蒸発速度を早めるために、水にエチルアルコール、メチルアルコール等の低級アルコールを10〜30%程度加えたものを使用することも可能である。
尚、インク受容層形成剤には、上述のような添加剤を1重量%以下の範囲で含有させてもよい。さらに、弱酸性であり、且つ粒子荷電がノニオン若しくは弱アニオンである変性シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリ乳酸のいずれか1種、あるいは、2種以上を3重量%以下の範囲で含有させてもよい。
【0043】
このようなインク受容層形成剤は、上記の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と、酸性若しくは弱酸性の水溶性カチオンポリマーとが、水系媒体中に凝集物を生ずることなく均一に混合分散されたものである。このインク受容層形成剤を、浸漬、塗布、噴霧等の手段によって繊維基材に付与し、その後、乾燥することにより、インク受容層を形成することができる。繊維基材に対するインク受容層形成剤の付与量は、繊維基材100重量部に対して、インク受容層形成剤中の固形分量が0.2〜10重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部となる範囲で設定することができる。
【0044】
尚、上述のように、繊維基材の一方の面(インクジェット印刷を行なう面と反対の面)に支持基材を備えたインクジェット用被記録材を製造する場合には、繊維基材と支持基材との接合は、繊維基材へのインク受容層形成の前後いずれであってもよく、使用する支持基材の材質、インク受容層形成工程における支持基材の耐性等を考慮して適宜設定することができる。
【0045】
ここで、本発明のインクジェット用被記録材をグラビアコーターを用いて製造する例を説明する。この場合、繊維基材ロールから繊維基材を連続的に繰り出し、インク受容層形成剤に浸されたグラビア版と該グラビア版の上部に位置する圧胴の間を繊維基材が通ることにより、インク受容層形成剤が繊維基材に含浸付与される。含浸量の調整は、グラビア版の版深、版−圧胴間の接地圧等で調整することができる。また、グラビア版に付着した余分な液については、ドクターブレードで掻き落とす。その後、インク受容層形成剤が含浸付与された繊維基材を乾燥機に通して、例えば、80℃で乾燥させた後、ロールとして巻き取ってインクジェット用被記録材を得る。
【0046】
本発明のインクジェット用被記録材へのインクジェット印刷は、インクジェット方式の種々の記録装置を用いて行なうことができる。また、使用するインクは、水性インクが最適であり、染料系インクと顔料系インクのいずれも用いることができる。尚、画像鮮明性及び耐候性の点からは、顔料系インクを用いる方が好ましい。
上述のインクジェット用被記録材の実施形態は例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0047】
次に、具体的実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
まず、下記組成のインク受容層形成剤Aを調製した。
(インク受容層形成剤Aの組成)
・水性エマルジョン型アクリル系粘着剤A(固形分53%) … 3重量部
・ポリアリルアミン塩酸塩水溶液(固形分28%) … 6重量部
・水 … 91重量部
【0048】
尚、上記の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤Aは、アクリル酸2−エチルヘキシルと、アクリル酸ブチルと、酢酸ビニルとの共重合体(酢酸ビニル含有量:25重量%、ガラス転移温度:−43℃)とした。尚、ガラス転移温度の測定は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 PYRIS Diamond DSC)を用いて行なった。
【0049】
次に、繊維基材として、ポリ乳酸平織繊維(ユニチカファイバー(株)製 テラマックを使用したポリ乳酸100%の織物)を準備し、このポリ乳酸平織繊維を上記のインク受容層形成剤Aに浸漬して含浸させた。ポリ乳酸平織繊維に対するインク受容層形成剤Aの付与量は、ポリ乳酸平織繊維100重量部に対して、インク受容層形成剤A中の固形分量が1重量部となるように調整した。その後、20℃で乾燥してインク受容層を形成し、インクジェット用被記録材を得た。
【0050】
[実施例2]
乾燥温度を80℃とした他は、実施例1と同様にして、インクジェット用被記録材を得た。
【0051】
[実施例3]
インク受容層形成剤Aの代わりに、下記組成のインク受容層形成剤Bを使用した他は、実施例1と同様にして、インクジェット用被記録材を得た。
(インク受容層形成剤Bの組成)
・水性エマルジョン型アクリル系粘着剤B(固形分50%) … 3重量部
・ポリアリルアミン塩酸塩水溶液(固形分28%) … 6重量部
・水 … 91重量部
尚、上記の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤Bは、アクリル酸2−エチルヘキシルと、アクリル酸ブチルと、酢酸ビニルとの共重合体(酢酸ビニル含有量:40重量%、ガラス転移温度:−15℃)とした。
【0052】
[比較例1]
インク受容層形成剤Aの代わりに、下記組成のインク受容層形成剤Cを使用した他は、実施例1と同様にして、インクジェット用被記録材を得た。
(インク受容層形成剤Cの組成)
・水性エマルジョン型アクリル系粘着剤C(固形分47%) … 3.5重量部
・ポリアリルアミン塩酸塩水溶液(固形分28%) … 6重量部
・水 …90.5重量部
尚、上記の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤Cは、アクリル酸2−エチルヘキシルと、アクリル酸ブチルと、酢酸ビニルとの共重合体(酢酸ビニル含有量:80重量%、ガラス転移温度:5℃)とした。
【0053】
[比較例2]
インク受容層形成剤Aの代わりに、下記組成のインク受容層形成剤Dを使用した他は、実施例1と同様にして、インクジェット用被記録材を得た。
(インク受容層形成剤Dの組成)
・水性エマルジョン型アクリル系粘着剤A(固形分53%) … 6重量部
・水 … 94重量部
【0054】
[比較例3]
乾燥温度を170℃とした他は、実施例1と同様にして、インクジェット用被記録材を得た。しかし、繊維基材であるポリ乳酸平織繊維が乾燥時の熱により収縮を生じ、インクジェット用被記録材として実用に供し得ないものであった。
【0055】
[評 価]
上述のように作製した各インクジェット用被記録材(実施例1〜3、比較例1、2)について、下記の評価方法で風合いを評価し、結果を下記の表1に示した。
(風合いの評価方法)
インク受容層形成剤を含浸させる前のポリ乳酸平織繊維と、インクジェット用被
記録材との手触り具合を比較して、下記の基準で評価した。
評価基準
○ : 含浸前後の手触りが変化しない。風合い良好。
△ : 含浸後、若干硬くなる。
× : 含浸後硬くなり、布がごわつく。
【0056】
また、各インクジェット用被記録材に対して、ピエゾ方式のインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製 PM−4000PX、水性顔料インク使用)を用いてインクジェット印刷を行った。柄はテキストパターン及びグラフィックパターンをミックスしたものを用いた。
【0057】
このようにインクジェット印刷を行なった各インクジェット用被記録材について、下記の評価方法で滲み、耐洗濯性を評価し、結果を下記の表1に示した。
(滲みの評価方法)
印刷面を目視により観察して、下記の基準で評価した。
評価基準
○ : 滲みがほとんどなく、シャープな画像が得られた。
△ : 滲みはあるが、印刷の識別は可能であった。
× : 滲みがひどく印刷の識別が困難であった。
【0058】
(耐洗濯性の評価方法)
印刷後25℃以下にて24時間乾燥させて、印刷物を市販合成洗剤(花王(株)
製 アタック)を溶かした水溶液に50℃で1時間浸漬し、乾燥後の色落ち具合
を下記の基準で評価した。
評価基準
○ : インクがほとんど流れず、良好であった。
△ : インクが少し流れ、印刷に滲みが見られた。
× : インクが流れて印刷の識別が困難であった。
【0059】
【表1】

【0060】
表1に示されるように、実施例1〜3のインクジェット用被記録材は、風合いが良好で、印刷後の滲みがなく、耐洗濯性も良好であった。
これに対して、ガラス転移温度が5℃である水性エマルジョン型アクリル系粘着剤Cをインク受容層に含有する比較例1のインクジェット用被記録材は、印刷後の滲みがなく、耐洗濯性も良好であるものの、ポリ乳酸平織繊維の風合いが損なわれたものであった。
また、水溶性カチオンポリマーであるポリアリルアミン塩酸塩をインク受容層に含有しない比較例2のインクジェット用被記録材は、風合いが良好であるものの、耐洗濯性がやや悪く、さらに、印刷後の滲みがひどく、実用に供し得ないものであった。
【産業上の利用可能性】
【0061】
インクジェット印刷に供される記録材に適用することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維基材と、該繊維基材に形成されたインク受容層とを備え、前記繊維基材は少なくともポリ乳酸繊維を含有し、前記インク受容層は水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と、水溶性カチオンポリマーとを主成分とするものであり、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤のガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲であることを特徴とするインクジェット用被記録材。
【請求項2】
前記繊維基材は、ポリ乳酸繊維、または、ポリ乳酸繊維と天然繊維との複合繊維であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用被記録材。
【請求項3】
前記繊維基材は、一方の面に支持基材を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット用被記録材。
【請求項4】
前記インク受容層は、炭素数4〜12のアルキル基を有する1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーとを共重合させて得られる弱酸性の水性エマルジョン型アクリル系粘着剤と、水溶性カチオンポリマーと、水系媒体とを含むインク受容層形成剤を前記繊維基材に付与して形成したものであり、前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、固形分が50%のエマルジョン状態における粘度が4000〜20000mPa・s/30℃であり、且つ、ガラス転移温度が−50℃〜−10℃の範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項5】
前記インク受容層形成剤は、水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の固形分の含有量が0.5〜5重量%であり、前記水溶性カチオンポリマーの含有量が0.1〜3重量%であり、残りが水系媒体であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット用被記録材。
【請求項6】
前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤の平均粒子径が0.1〜3μmの範囲内にあることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のインクジェット用被記録材。
【請求項7】
前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、ノニオン性界面活性剤の存在下に炭素数4〜12のアルキル基を有する1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーとを共重合させたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項8】
前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の存在下に炭素数4〜12のアルキル基を有する1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルとビニル系モノマーとを共重合させたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項9】
前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、その数平均分子量が3000〜20000の範囲内にあり、且つ、重量平均分子量が10000〜100000の範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項10】
前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、最低造膜温度が0℃以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項11】
前記水性エマルジョン型アクリル系粘着剤は、アクリル酸2−エチルヘキシルと、アクリル酸ブチルと、酢酸ビニルとを共重合させたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項12】
前記共重合体の酢酸ビニル含有量が20〜50重量%の範囲であることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット用被記録材。
【請求項13】
前記水溶性カチオンポリマーは、第4級アンモニウム塩の重合体であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項14】
前記水溶性カチオンポリマーは、一般式が
CH2=CH−CH2−NHR
(式中Rは水素又は炭素数1〜18のアルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基を表す)
で示されるモノアリルアミン誘導体又はその塩の重合体、又は、前記モノアリルアミン誘導体又はその塩の重合体と、それらと共重合可能な不飽和二重結合を持つモノマーとの共重合体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項15】
前記水溶性カチオンポリマーは、重量平均分子量が1000〜5000の範囲内にあるポリアリルアミン塩酸塩であることを特徴とする請求項14に記載のインクジェット用被記録材。
【請求項16】
前記インク受容層は、弱酸性であり且つ粒子荷電がノニオン若しくは弱アニオンである変性シリコン樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項17】
前記インク受容層は、弱酸性であり且つ粒子荷電がノニオン若しくは弱アニオンであるフッ素樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。
【請求項18】
前記インク受容層は、弱酸性であり且つ粒子荷電がノニオン若しくは弱アニオンであるポリ乳酸を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のインクジェット用被記録材。

【公開番号】特開2006−218791(P2006−218791A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35747(P2005−35747)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(598143871)株式会社デンエンチョウフ・ロマン (4)
【出願人】(000000147)伊藤忠商事株式会社 (43)
【出願人】(000183923)ザ・インクテック株式会社 (268)
【Fターム(参考)】