説明

インクジェット用記録紙

【課題】本発明の目的は、オフセット印刷用コート紙のような外観を示し、かつ優れたインクジェット適性を有する低コストで製造可能なインクジェット用記録紙を提供することにある。
【解決手段】印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット用記録紙において、シート状基材の少なくとも片面に顔料とバインダーを主体とした塗工層を少なくとも一層以上設けた記録紙であり、スムースター透気度の標本数が21での標準偏差が6.0以下であることを特徴とするインクジェット用記録紙。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット用記録紙に関するものである。更に詳しくは、オフセット印刷用コート紙のような外観と優れたインクジェット適性の両方を提供するインクジェット用記録紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式を用いて印刷する用途は、端末PC用プリンター、ファックス、または複写機に留まらず、多品種小ロット印刷、可変情報印刷などを可能とする、いわゆる、オンデマンド印刷分野でも実用化が進み、技術的進展が目覚ましい。近年では印刷速度と画質の向上に伴い、印刷部数が従来オフセットやグラビアなどの印刷で行われていた領域でも利用が検討されている。
【0003】
電子写真印刷は無版の印刷方式であるが故に可変情報を扱えるのがメリットである。一方でオフセットやグラビア印刷は可変情報を扱うことはできないものの、高品質の印刷を安価に大量に行うことに適している。そこでインクジェット方式においても、印刷機械、トナー、記録紙の面から高画質化、高速化、省電力化、そして低コスト化へ向けた技術開発が進められている。また、インク定着性、保存性、色再現性、走行性などといった品質の更なる改良要望がある。
【0004】
インクジェット方式は、細かなインク滴を被転写物表面に噴出し、画像を形成する方式である。近年の技術進歩は目覚ましく、非常に高画質となり、弱点であった耐候性も顔料タイプのインクの出現により大幅に改善されてきた。しかし、オフセット印刷やグラビア印刷と比べると、高画質を得るためには印刷速度が遅くなり、また高級感があり高画質な仕上がりとなるコート紙ではインク吸収性を向上させるためにシリカ系やアルミナ系の微細な顔料を良く用いるが高価であるという問題がある。
【0005】
そこで、オンデマンド印刷の領域で、可変情報を扱え、高画質、高速などの条件を満たすことを考えた場合、一つの解決策としてインクの定着性を向上させる薬剤をプリンター内において利用する方式が考え出された。具体的には、そのような定着剤を、着色を目的としたインクと同時に吐出する方法(例えば、特許文献1参照)、インクが着弾する前に吐出する方法(例えば、特許文献1参照)、インクと混合する方法(例えば、特許文献1、2参照)、インクが着弾した後に吐出する方法(例えば、特許文献3参照)、定着剤とインクが混合した後に乾燥する方法(例えば、特許文献4参照)などがある。また、インクを定着させる原理としては、アニオン性、カチオン性を利用したイオン間相互作用によるもの(例えば、特許文献1、2、3、4参照)、ポリマーによるオーバーコート(例えば、特許文献5、6参照)、インクを定着させる層間物質いわゆる顔料を吐出するもの(例えば、特許文献7参照)などがある。
【0006】
このような技術が進展する中、本、カレンダー、パンフレット等の用途で高級感のあるオフセット印刷用コート紙のような外観と優れたインクジェット適性の両方を提供できるインクジェット用記録紙が望まれている。記録媒体としては、普通紙(例えば、特許文献1、4、6、7、9参照)、オフセット印刷用などの商業印刷用コート紙(例えば、特許文献4、8、9、10参照)、アルミナまたはシリカを塗布した媒体(例えば、特許文献11、12参照)、非多孔質のプラスチックシート(例えば、特許文献13参照)、布帛(例えば、特許文献14参照)などの記載例が挙げられる。しかしながら、印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット用記録紙としての性能を特別に満足させるものではない。
【特許文献1】特開平10−016376号公報
【特許文献2】特許第3973794号公報
【特許文献3】特開2002−029141号公報
【特許文献4】特開2003−048317号公報
【特許文献5】特許第4065130号公報
【特許文献6】特開2005−297567号公報
【特許文献7】特開平07−096603号公報
【特許文献8】特開2004−130799号公報
【特許文献9】特開2008−105422号公報
【特許文献10】特開2004−181955号公報
【特許文献11】特開2002−001943号公報
【特許文献12】特開2005−001387号公報
【特許文献13】特開2003−025709号公報
【特許文献14】特開2004−143462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェットプリントにおいて、オフセット印刷用コート紙のような外観を示し、かつ優れたインクジェット適性を有するインクジェット用記録紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、以下のようなインクジェット用記録紙を発明するに至った。
【0009】
すなわち、印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット用記録紙において、シート状基材の少なくとも片面に顔料とバインダーを主体とした塗工層を少なくとも一層以上設けた記録紙であり、スムースター透気度の標本数が21での標準偏差が6.0以下であることを特徴とするインクジェット用記録紙である。
【0010】
また、シート状基材に設けた塗工層の厚みが、幅2mmの間において標本数21で標準偏差が6.0以下であることを特徴とするインクジェット用記録紙である。
【0011】
また、塗工層の最上層を形成する方法がカーテン塗工であることを特徴とするインクジェット用記録紙である。更には、塗工後の平滑性の仕上げを120℃以上に加熱した金属ロールと、それとニップする弾性ロールにて行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録紙である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のインクジェット用記録紙は印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット用として、オフセット印刷用コート紙のような外観を示し、かつ優れたインクジェット適性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明のインクジェット用記録紙について、詳細に説明する。
【0014】
本発明者は、印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット印刷において、オフセット印刷用コート紙のような外観を示し、かつ優れたインクジェット適性を発現するための技術を検討した。その結果、インクの塗工層への定着を均一とするためには、定着剤の塗工層への吸収が均一であり、それには記録紙の持つ透気度のばらつきを無くすことが重要であり、更にはシート状基材の塗工層の均一性がこれに寄与することを見出した。
【0015】
本発明のインクジェット用記録紙は、印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット方式に向けたものであって、シート状基材の少なくとも片面に顔料とバインダーを主体とした塗工層を少なくとも一層以上設けた記録紙であり、スムースター透気度の標本数が21での標準偏差が6.0以下であることを特徴とする。標準偏差が6.0を超えると、インク定着剤の浸透度合いにムラが生じ、その後に着弾するインクの定着性の均一性にも悪影響を与え、結果として印刷品位の劣る印刷物ができてしまう。ここで言う、スムースター透気度とは空気マイクロメーター型透気度試験器のことである。例えば日本検査システムズ株式会社製(旧・東栄電子工業)のものを使用して測定できる。
【0016】
ここでの顔料とは塗工層に所定の白色度、光沢感、微細な空隙を設けるための顔料成分である。塗工量は片面あたり5〜30g/mであり、単層でも多層でも良い。
【0017】
更に本発明のインクジェット用記録紙は、シート状基材に設けた塗工層の厚みが、幅2mmの間において標本数21で標準偏差が6.0以下である場合に、特に優れた定着剤吸収の均一性を発現することができる。均一な塗工層は均一なインク定着剤の吸収を助ける。本発明における塗工層の厚みの測定は、イオンビームによる切断装置により断面試料を作製し、電子顕微鏡にて観察した時した時の厚みが好ましい。イオンビームによる試料の切断装置としては、例えば日本電子社製の断面試料作製装置SM−09010等が挙げられる。ミクロトームといった鋭利な刃による断面試料作製ではシート状基材と塗工層の境界が不明瞭になる場合があるので好ましくない。
【0018】
本発明に用いられるインクジェット用記録紙の基材としては、木材パルプ、綿、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフなどの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセルなどのセルロース再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリウレタン系繊維などの化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などの無機繊維をシート状にしたものが使用される。
【0019】
繊維のシート状基材を用いる場合に各繊維をシート状にする製法としては、一般的な抄紙工程、湿式法、乾式法、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンボンド、スパンレース、ウォータージェット、メルトブロー、ニードルパンチ、ステッチブロー、フラッシュ紡糸、トウ開維などの各工程から一つ以上が適宜選ばれる。
【0020】
また、これらの繊維には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの各種填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、紙力増強剤などの各種配合剤を各工程、各素材に合わせて好適に配合する。更には、これらの繊維シートの上に樹脂コート層を設ける場合もある。
【0021】
該シート状基材は、必要とする密度、平滑度、透気度を得るために表面サイズなどの各種表面処理やカレンダー処理を施す場合がある。
【0022】
本発明において、シート状基材上の塗工層に用いる顔料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリンの他に、タルクなどの精製した天然鉱物顔料、炭酸カルシウムと他の親水性有機化合物との複合合成顔料、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、有機顔料などが挙げられる。
【0023】
塗工層に用いられるバインダーとしては、スチレン−ブタジエン系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルなどの各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物などが挙げられる。更には、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、りん酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの天然多糖類およびそのオリゴマー更にはその変性体が挙げられる。また、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲンなどの天然タンパク質およびその変性体、ポリ乳酸、ペプチドなどの合成高分子やオリゴマーが挙げられる。これらは単独でも組み合わせでも使用することができる。
【0024】
また、塗工層に用いられる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
【0025】
また、必要に応じて、分散剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
【0026】
本発明において、塗工する方法は特に限定されるものではなく、液だまりを有するサイズプレス、メタリングサイズプレス、ゲートロール、シムサイザーなどの各種フィルムトランスファーコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、キャストコーターなどの各方式を適宜使用することができる。本発明のインクジェット用記録紙のスムースター透気度、塗工層の厚みのばらつきを低減する方法としては、例えば、ブレード塗工方式においては、塗液濃度を高濃度化することで、塗工液のシート状基材への不均一な浸透を低減し、ばらつきを低減することできる。その結果、インク定着剤の吸収が均一となり、インクジェット印刷時、特に、ハーフトーン部でのインクの発色性が均一となる。
【0027】
本発明のインクジェット用記録紙は、塗工層の最上層を形成する塗工方式がカーテン塗工方式であることがより好ましく、インク定着剤の吸収に最も関与する最上層を優れた輪郭塗工によって均一に形成することができ、本発明のインクジェット用記録紙のスムースター透気度、塗工層の厚みの均質性を向上することができる。その結果、インクジェット印刷時には非常に優れたハーフトーン部の発色性を得ることができる。
【0028】
更に、一連の操業で、製造された記録紙は要求される密度、平滑度、透気度、外観を得るために、必要に応じてカレンダー処理などの各種仕上げ処理が施される。
【0029】
本発明のインクジェット用記録紙は、塗工後の平滑性の仕上げを120℃以上に加熱した金属ロールと、それとニップする弾性ロールにて行うことがより好ましく、原紙の凹凸の影響を減じて、塗工層の均質な空隙性を保ちながら、平滑性や光沢度の付与が可能となる。ここでのカレンダー装置のニップ数は1〜12が一般的だが、ニップ数に制限はなく、120℃以上に加熱した金属ロールと弾性ロールから成るニップは1ニップ以上あれば良い。また、線圧にも特に制限はない。
【実施例】
【0030】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り、質量部および質量%を示す。
【0031】
(実施例1)〜(実施例6)および(比較例1)〜(比較例2)
下記の内容に従って、インクジェット用記録紙を作製した。
【0032】
<パルプスラリーの調製>
LBKP(濾水度400mlcsf) 70部
NBKP(濾水度480mlcsf) 30部
填料(原紙中灰分で表示) 8部
市販カチオン化澱粉 1.0部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合(固形質量部)で、1%質量濃度のパルプスラリーを調製し、長網抄紙機で60.0g/mの坪量で原紙を抄造した。
【0033】
<シート状基材の作製>
この原紙に対して、サイズプレスにより両面0.8g/mの酸化澱粉を付着させ、シート状基材を得た。
【0034】
<塗工液の調製>
配合は以下の通りである。
重質炭酸カルシウム顔料(平均粒子径0.8μm) 70部
カオリン(平均粒子径0.4μm) 30部
市販スチレンブタジエン系ラテックスバインダー(平均粒子径180nm)10部
市販ヒドキシエチルエーテル化コーン澱粉 1.5部
市販ステアリン酸カルシウム系潤滑剤 0.3部
市販合成系増粘剤 0.1部
上記配合で、塗工液を撹拌・分散させ、水酸化ナトリウムにてpH9.6に調整した。
【0035】
これらの塗工液に水を加え、固形分濃度を66%、62%、55%に調整した。ブレードコーター、またはカーテンコーターにて塗工し、75度入射−反射角の光沢度(JIS P8142)が約60%となるように線圧を調節してカレンダー処理した。塗工量は約10g/mとした。カレンダーの金属ロール温度については表1に記載した。カレンダーは弾性ロールである樹脂ロールと金属ロール一対から成り、表と裏に一度ずつ金属ロールが当たるように処理した。
【0036】
上記実施例1〜6および比較例1〜2により得られたインクジェット用記録紙について、下記の測定方法により測定し、その評価結果を表1に掲げた。
【0037】
<スムースター透気度>
縦20cm、横10cmのサンプルを合計21枚採取した。それぞれのサンプルについて一点ずつスムースター透気度を測定し、標本数21として標準偏差を求めた。
【0038】
<塗工層の厚み>
日本電子社製の断面試料作製装置SM−09010を用いて断面試料を作製し、日本電子社製の電界放射型透過電子顕微鏡JSM−6700Fを使用した観察によって塗工層の厚みを計測した。標本数を21として標準偏差を求めた。
【0039】
印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェットプリンターとして、ヒューレット・パッカード社製「CM8060」を用いてインクジェット印刷後の画像品位について評価を行った。
<均一性>
インクジェット印刷後のシートについて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれ単色のハーフトーン部の色濃度の均一性を目視で判定した。品質判定基準は以下の通りである。
◎:特性が非常に良好。
○:良好。
△:実用上問題ないレベル。
×:実用上問題があり使用不可レベルを示す。
【0040】
【表1】

【0041】
<評価結果>
実施例1は透気度の標準偏差が請求項1の範囲にあり、インク定着剤の吸収が均一となりハーフトーン部でのインクの発色性が均一となった。実施例2では塗工層厚みが請求項2の範囲となり、更にその均一性が実施例1と同じ○の評価の範囲であるが更に良好であった。実施例3および4ではカーテン塗工にすることで透気度と塗工層の均質性が実施例1および2よりも向上して、非常に優れたハーフトーン部の均質性が得られた。更に実施例5および6ではカレンダー仕上げを請求項4記載の温度条件で実施することで、ブレード方式、カーテン方式それぞれで作製したサンプルのインク発色の均一性を更に改善することができた。一方で、比較例1と2は透気度および塗工層厚みのばらつきが大きいことで、インク定着剤の表面への吸収も不均一となり、インク発色性に劣る結果となった。
【0042】
印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット印刷において、オフセット印刷用コート紙のような外観と優れたインクジェット適性の両方を持ち合わせる記録紙として利用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明におけるインクジェット用記録紙は、インクジェット用記録紙としての使用に留まらず、湿式および乾式電子写真、オフセット印刷、グラビア印刷、熱転写等の他の印刷方式に使用することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷前にインク定着剤を記録紙に供給する形式のインクジェット用記録紙において、シート状基材の少なくとも片面に顔料とバインダーを主体とした塗工層を少なくとも一層以上設けた記録紙であり、スムースター透気度の標本数が21での標準偏差が6.0以下であることを特徴とするインクジェット用記録紙。
【請求項2】
該塗工層の厚みが、幅2mmの間において標本数21で標準偏差が6.0以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録紙。
【請求項3】
塗工層の最上層を形成する方法がカーテン塗工であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録紙。
【請求項4】
塗工後の平滑性の仕上げを120℃以上に加熱した金属ロールと、それとニップする弾性ロールにて行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録紙。

【公開番号】特開2010−76115(P2010−76115A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243834(P2008−243834)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】