インクジェット記録ヘッド
【課題】 電気配線基板の裏面からインクが回り込み、配線が腐食することによる電気的不良を防止する。
【解決手段】 電気配線基板の配線部を保護するソルダーレジスト１０５ｄまたは接続されていない配線により電気配線基板の裏面に凹部１０５ｅを設け、電気配線基板を接着する接着剤を凹部まで確実に被覆させることにより、電気配線基板の配線部を接着剤だけでインクから保護する構成とする。
【解決手段】 電気配線基板の配線部を保護するソルダーレジスト１０５ｄまたは接続されていない配線により電気配線基板の裏面に凹部１０５ｅを設け、電気配線基板を接着する接着剤を凹部まで確実に被覆させることにより、電気配線基板の配線部を接着剤だけでインクから保護する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、記録紙に対して記録液を吐出することにより記録を行うインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、インクジェット記録装置は、吐出口から記録紙に対して記録液を吐出することにより記録を行う記録装置であり、吐出口から吐出される記録液を形成するためのインクジェット記録ヘッドと、インクジェット記録ヘッドに対して記録液を供給する供給系とから構成されている。
【０００３】
上述したようなインクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、高速な記録や、様々な記録メディアに対する記録が可能であるとともに、記録時における騒音がほとんど生じないという特徴を有するため、プリンタ、ワードプロセッサ、ファクシミリ、複写機等の記録機構を担う装置として広く採用されている。
【０００４】
インクジェット記録装置を用いた記録方法のうち代表的なものとしては、電気熱変換素子を用いた方法があり、この方法は、吐出口付近に設けられた加圧室に電気熱変換素子を設け、これに記録信号となる電気パルスを印加することにより記録液に熱エネルギーを与え、その時の記録液の相変化により生じる記録液の発泡（沸騰）の圧力を利用して微小な吐出口から記録液を吐出させ、それにより、記録紙に記録を行うものである。
【０００５】
なお、上述した記録液の吐出方式においては、電気熱変換素子が配列された基板に対して平行に記録液を吐出させる方式（エッジシューター）と、電気熱変換素子が配列された基板に対して垂直に記録液を吐出させる方式（サイドシューター）とがある。
【０００６】
図６は一般的な記録素子基板ユニット1001の一構成例を示す分解斜視図である。
【０００７】
図６に示すように、記録素子基板1002の片面には記録液を吐出するための記録素子を有する複数の吐出口が設けられ、他方の面には吐出口に記録液を供給する為の共通液室が吐出口列の長さとほぼ等しい長さで開口して設けられている。
【０００８】
第１のプレート1003には、記録素子基板1002に複数色のインクを供給するための複数のインク供給口が形成されており、記録素子基板1002の共通液室が第１のプレート1003のインク供給口にそれぞれ対応し、かつ、記録素子基板1002は第１のプレート1003に対して位置精度良く接着固定される。
【０００９】
第２のプレート1004は、第１のプレート1003に接着固定された記録素子基板1002の外形寸法よりも大きな開口部を有する形状となっている。また、記録素子基板1002と電気配線基板1005を平面的に電気接続できるように第１のプレート1003に接着されており、電気配線基板1005の裏面が接着剤1006によって接着固定され、記録素子基板1002に対して記録液を吐出するための電気パルスを印加するための電気配線基板1005がTAB実装技術によって接続され、さらに、電気配線基板1005は、配線統合基板1007と電気的に接続され記録素子基板ユニット1001が形成される。
【００１０】
図７は図６に示した記録素子基板ユニット1001が設けられた従来のインクジェット記録ヘッドの一構成例を示す図である。
【００１１】
記録素子基板1002には、記録素子基板1002と電気配線基板1005とを電気的に接続するリード線を記録液による腐食や外部から作用する力による断線から保護するために第１の封止樹脂1008が塗布されている。
【００１２】
記録素子基板ユニット1001は配線統合基板1007と電気的に接続された後、記録素子基板ユニット1001のインク供給口と、タンクホルダーユニット1011のインク供給口を連通するように接着剤もしくはゴムにより結合し、電気配線基板1005の一部が折り曲がられ、タンクホルダーユニット1011に、記録素子基板ユニット1001および配線統合基板1007を固定される。
【００１３】
しかしながら、電気配線基板1005を第２のプレート1004に接着固定する接着剤1006の量が不足すると、電気配線基板1005の裏面にインクが回り込み、電気配線基板1005の配線の腐食によって電気的不良が発生することがある。これに対して、特許文献１では、電気配線基板1005の外周囲を、第２の封止樹脂1009で封止することにより、電気配線基板1005の裏面にインクが回り込み、電気配線基板1005の配線の腐食によって電気的不良が発生することを防いでいた。
【特許文献１】特開平１０−０４４４１２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１４】
インクジェット記録プリンタは、印字を行なう際、インクジェット記録ヘッドの吐出口と記録紙の距離が近いほど、高精彩な印字が可能である為、インクジェット記録ヘッドの吐出口と記録紙の距離を可能な限り、近くする構成をとっている。したがって、第２のプレートと電気配線基板の記録素子基板が配置されていない側の接着部の周囲を第2の封止樹脂によって封止する際、第2の封止樹脂が電気配線基板より記録液を吐出する方向へのはみ出し量が多いと、記録紙に第2の封止樹脂を擦り、記録紙を傷つけてしまう可能性がある為、第２の封止樹脂が電気配線基板より記録液を吐出する方向に出来るだけはみ出さないように、第２の封止樹脂を塗布する必要がある。しかしながら、第２の封止樹脂が電気配線基板より記録液を吐出する方向にはみ出さないように、第２の封止樹脂を塗布するのは、容易ではなく、塗布するのに時間を要するという問題があった。
【００１５】
さらに、通常、インクジェット記録ヘッドは、物流時、アルミで作られた袋等で密閉する形態を取ることが多いが、インクジェット記録ヘッドを製造する際、封止樹脂を多量用いると、封止樹脂からガスが発生し、インクジェット記録ヘッドの吐出口面を汚染し、撥水性を劣化させたり、電気熱変換素子を汚染し、発泡が正常に行なわれなくなってしまうことがあった。
【００１６】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、封止樹脂による汚染がなく、さらに、電気配線基板の裏面にインクが回り込むことにより、配線の腐食によって電気的不良が発生することを防ぎ、印字品質および信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
記録液を吐出する複数の電気熱交換素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板を保持固定する第１のプレートと、裏面に配線を有し、前記配線を覆うレジスト層を有し、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気パルスを印加する電気配線基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板の接続部を封止する第１の封止樹脂と、前記電気配線基板と前記第１のプレートとの間に介在し、前記電気配線基板を接着剤で、保持固定する第２のプレートとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記電気配線基板の裏面の、前記第２のプレートと対向する位置に、凹部が設けられていることを特徴とする。
【００１８】
また、前記電気配線基板の裏面の凹部が、前記電気配線基板の前記レジスト層で設けられていることを特徴とする。
【００１９】
また、前記電気配線基板の前記レジスト層は、前記凹部によって、前記配線部を保護するレジスト層部と、前記配線部と接触しないレジスト層部に分離されていることを特徴とする。
【００２０】
また、前記電気配線基板の配線部を、前記電気配線基板と前記第２のプレートを保持固定するのに用いられる接着剤によって封止することを特徴とする。
【００２１】
また、前記電気配線基板の裏面の凹部が、前記電気配線基板の接続されていない配線で設けられていることを特徴とする。
【００２２】
また、前記電気配線基板の裏面の凹部が、格子状に配列されていることを特徴とする。
【００２３】
上記のように構成された本発明においては、電気配線基板の裏面に設けた凹部に、接着剤が凹部に充填され、配線部を保護するレジスト層を完全に被覆するため、従来のように、第2の封止樹脂により、電気配線基板と第2のプレートの記録素子基板が配置されていない側の接着部の周囲を保護することなく、電気配線基板裏面からインクが回り込み、配線が腐食し、電気的不良が発生することを防ぎ、印字品質および信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【００２４】
また、第2の封止樹脂を用いないため、物流時、アルミで作られた袋等で密閉しても、封止樹脂からガスが発生し、インクジェット記録ヘッドの吐出口面を汚染し、撥水性を劣化させる、もしくは、電気熱変換素子を汚染されることがなく、部品点数を少なくし、安価で従来より容易に製造することが可能なインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【発明の効果】
【００２５】
上記のように構成された本発明においては、電気配線基板の裏面に設けた凹部に、接着剤が凹部に確実に充填され、配線部を保護するレジスト層を完全に被覆するため、従来のように、第2の封止樹脂により、電気配線基板と第2のプレートの記録素子基板が配置されていない側の接着部の周囲を保護することなく、電気配線基板裏面からインクが回り込み、配線が腐食し、電気的不良が発生することを防ぎ、印字品質および信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【００２６】
また、第2の封止樹脂を用いないため、物流時、アルミで作られた袋等で密閉しても、封止樹脂からガスが発生し、インクジェット記録ヘッドの吐出口面を汚染し、撥水性を劣化させる、もしくは、電気熱変換素子を汚染されることがなく、部品点数を少なくし、安価で従来より容易に製造することが可能なインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【００２８】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例１】
【００２９】
図１は本発明のインクジェット記録ヘッドの本実施例の電気配線基板を示す図であり、図２（ａ）は組立完成時の外観斜視図、図２（ｂ）は、図２（ａ）のA−A'断面の接着状態を示す部分拡大図、図２（ｃ）は、図２（ａ）の折り曲げ部の接着状態を示す部分拡大図、図２（ｄ）は、図２（ａ）のＢ−Ｂ'断面の接着状態を示す部分拡大図であり、図３は記録素子基板ユニット101の分解斜視図である。
【００３０】
図２および図３に示すように、記録素子基板102の片面には記録液を吐出するための記録素子を有する複数の吐出口が設けられ、他方の面には吐出口に記録液を供給する為の共通液室が吐出口列の長さとほぼ等しい長さで開口して設けられている。
【００３１】
第１のプレート103には、記録素子基板102に複数色のインクを供給するための複数のインク供給口が形成されており、記録素子基板102の共通液室が第１のプレート103のインク供給口にそれぞれ対応し、かつ、記録素子基板102は第１のプレート103に対して位置精度良く接着固定される。
【００３２】
第２のプレート104は、第１のプレート103に接着固定された記録素子基板102の外形寸法よりも大きな開口部を有する形状となっている。また、記録素子基板102と電気配線基板105を平面的に電気接続できるように第１のプレート103に接着されており、電気配線基板105の裏面が耐インク性のある接着剤106によって接着固定され、記録素子基板102に対して記録液を吐出するための電気パルスを印加するための電気配線基板105がTAB実装技術によって接続され、さらに、電気配線基板105は、配線統合基板107と電気的に接続され記録素子基板ユニット101が形成される。
【００３３】
また、図1（ａ）、図1（ｂ）に示すように、電気配線基板105は、ベースフィルム105ａと、配線105ｂ、リード線105ｃと、配線105ｂを保護し、絶縁性と応力を保持するために、ソルダーレジスト105ｄを設けて構成されている。そして、ソルダーレジスト105ｄの第2のプレート104と接着時に、第2のプレート104と対向する位置の電気配線基板105の折り曲げ部以外の外周部に、凹部105ｅを設け、配線105ｂを保護しているソルダーレジスト105ｄと、配線105ｂと接触しないソルダーレジスト105ｄに分離されている。そして、図2（ａ）のＡ−Ａ'断面においては、図2（ｂ）に示すように、電気配線基板105と第２のプレート104を接着剤106によって接着固定する際に、接着剤106を確実に凹部105ｅに充填させることにより、配線105ｂを保護しているソルダーレジスト105ｄは、接着剤106で完全に被覆され、電気配線基板105の裏面に記録液が回り込み、ソルダーレジスト105ｄから記録液が浸漬し、配線105bの腐食することによって電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【００３４】
また、図2（ｃ）に示すように、電気配線基板105の折り曲げ部は、第２のプレート104の端部にあわせて折り曲げられており、この時、電気配線基板105の折り曲げ部方向は、接着剤106により、完全に被覆されている。
【００３５】
また、図2（ｄ）に示すように、図1（ａ）のＢ−Ｂ'断面において、記録素子基板102は、記録素子基板102と電気配線基板105とを電気的に接続するリード線105ｃを記録液による腐食や外部から作用する力による断線から保護するために第１の封止樹脂108が塗布されており、第１の封止樹脂108と接着剤106により、配線105ｂを保護しているソルダーレジスト105ｄは、接着剤106で完全に被覆され、電気配線基板105の裏面に記録液が回り込み、ソルダーレジスト105ｄから記録液が浸漬し、配線105bの腐食することによって電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【００３６】
そして、記録素子基板ユニット101は配線統合基板107と電気的に接続された後、記録素子基板ユニット101のインク供給口と、タンクホルダーユニット111のインク供給口を連通するように接着剤もしくはゴムにより結合し、電気配線基板105の一部が折り曲がられ、タンクホルダーユニット111に、記録素子基板ユニット101および配線統合基板107を固定される。
【００３７】
上記のように構成された本発明においては、電気配線基板が、電気配線基板の配線部を保護しているソルダーレジストを、電気配線基板と第２のプレートを保持固定するのに用いられる接着剤により完全に覆われているため、電気配線基板裏面からインクが回り込み、配線が腐食し、電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【実施例２】
【００３８】
図４（ａ）は、本実施例の電気配線基板を示す図であり、図４（ｂ）は、電気配線基板の部分拡大図であり、図４（ｃ）は、本実施例の組み立て完成時の第2のプレートと電気配線基板の接着状態を示す部分拡大図である。
【００３９】
本形態は図4（ａ）、図４（ｂ）、図４（ｃ）に示すように、第1の実施形態において示したものにおいて、電気配線基板205の裏面に凹部205ｅを構成するのに、接続されていない配線205ｆを、配線205ｂを保護しているレジスト層205ｄの外部に設けている。
【００４０】
本形態においても、第２のプレート204に電気配線基板205が接着剤206により接着固定される際に、接着剤206を確実に凹部205ｅに充填させることにより、配線205ｂを保護しているソルダーレジスト205ｄは、接着剤206で完全に被覆され、電気配線基板205の裏面に記録液が回り込み、ソルダーレジスト205ｄから記録液が浸漬し、配線205bの腐食することによって電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【実施例３】
【００４１】
図５（ａ）は、本実施例の電気配線基板を示す図であり、図５（ｂ）は、電気配線基板の部分拡大図であり、図５（ｃ）は、本実施例の組み立て完成時の第2のプレートと電気配線基板の接着状態を示す部分拡大図である。
【００４２】
本形態は図５（ａ）、図５（ｂ）、図５（ｃ）に示すように、第1の実施形態において示したものにおいて、第２のプレート304に電気配線基板305が接着剤306により接着固定される際に、接着剤306が凹部305eにさらに確実に充填されるように、凹部305eを細かいピッチの格子状に設けたものである。
【００４３】
本形態においては、第２のプレート304に電気配線基板305が接着剤306により接着固定される際に、接着剤306が、凹部305eから毛管力が働き、充填されるため、より確実に被覆され、電気配線基板305の裏面に記録液が回り込み、ソルダーレジスト305ｄから記録液が浸漬し、配線305bの腐食することによって電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【００４４】
【図１】（ａ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の実施例の電気配線基板を示す図。 （ｂ）図１（ａ）の部分拡大図。
【図２】（ａ）本発明のインクジェット記録ヘッドの組立完成時の外観斜視図。 （ｂ）図２（ａ）のA−A'断面の接着状態を示す部分拡大図。 （ｃ）図２（ａ）の折り曲げ部の接着状態を示す部分拡大図。 （ｄ）図２（ａ）のＢ−Ｂ'断面の接着状態を示す部分拡大図。
【図３】本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板ユニットの分解斜視図。
【図４】（ａ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第２の実施例の電気配線基板を示す図。 （ｂ）図４（ａ）の部分拡大図。 （ｃ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第２の実施例の接着状態を示す部分拡大図。
【図５】（ａ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第3の実施例の電気配線基板を示す図。 （ｂ）図５（ａ）の部分拡大図。 （ｃ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第3の実施例の接着状態を示す部分拡大図。
【図６】一般的な記録素子基板ユニットの一構成例を示す分解斜視図。
【図７】図６に示した記録素子基板ユニットが設けられた従来のインクジェット記録ヘッドの一構成例を示す図。
【符号の説明】
【００４５】
101,1001 記録素子基板ユニット
102, 1002 記録素子基板
103, 1003 第1のプレート
104,204,304,1004 第2のプレート
105,205,305,1005 電気配線基板
105a,205a,305a ベースフィルム
105b,205b,305b 配線
105c,205c,305c リード線
105d,205d,305d レジスト部
105e,205e,305e 凹部
205ｆ 接続されていない配線
106,206,306,1006 接着剤
107,1007 配線統合基板
108,1008 第1の封止樹脂
109,1009 第２の封止樹脂
111,1011 タンクホルダー
【技術分野】
【０００１】
本発明は、記録紙に対して記録液を吐出することにより記録を行うインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、インクジェット記録装置は、吐出口から記録紙に対して記録液を吐出することにより記録を行う記録装置であり、吐出口から吐出される記録液を形成するためのインクジェット記録ヘッドと、インクジェット記録ヘッドに対して記録液を供給する供給系とから構成されている。
【０００３】
上述したようなインクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、高速な記録や、様々な記録メディアに対する記録が可能であるとともに、記録時における騒音がほとんど生じないという特徴を有するため、プリンタ、ワードプロセッサ、ファクシミリ、複写機等の記録機構を担う装置として広く採用されている。
【０００４】
インクジェット記録装置を用いた記録方法のうち代表的なものとしては、電気熱変換素子を用いた方法があり、この方法は、吐出口付近に設けられた加圧室に電気熱変換素子を設け、これに記録信号となる電気パルスを印加することにより記録液に熱エネルギーを与え、その時の記録液の相変化により生じる記録液の発泡（沸騰）の圧力を利用して微小な吐出口から記録液を吐出させ、それにより、記録紙に記録を行うものである。
【０００５】
なお、上述した記録液の吐出方式においては、電気熱変換素子が配列された基板に対して平行に記録液を吐出させる方式（エッジシューター）と、電気熱変換素子が配列された基板に対して垂直に記録液を吐出させる方式（サイドシューター）とがある。
【０００６】
図６は一般的な記録素子基板ユニット1001の一構成例を示す分解斜視図である。
【０００７】
図６に示すように、記録素子基板1002の片面には記録液を吐出するための記録素子を有する複数の吐出口が設けられ、他方の面には吐出口に記録液を供給する為の共通液室が吐出口列の長さとほぼ等しい長さで開口して設けられている。
【０００８】
第１のプレート1003には、記録素子基板1002に複数色のインクを供給するための複数のインク供給口が形成されており、記録素子基板1002の共通液室が第１のプレート1003のインク供給口にそれぞれ対応し、かつ、記録素子基板1002は第１のプレート1003に対して位置精度良く接着固定される。
【０００９】
第２のプレート1004は、第１のプレート1003に接着固定された記録素子基板1002の外形寸法よりも大きな開口部を有する形状となっている。また、記録素子基板1002と電気配線基板1005を平面的に電気接続できるように第１のプレート1003に接着されており、電気配線基板1005の裏面が接着剤1006によって接着固定され、記録素子基板1002に対して記録液を吐出するための電気パルスを印加するための電気配線基板1005がTAB実装技術によって接続され、さらに、電気配線基板1005は、配線統合基板1007と電気的に接続され記録素子基板ユニット1001が形成される。
【００１０】
図７は図６に示した記録素子基板ユニット1001が設けられた従来のインクジェット記録ヘッドの一構成例を示す図である。
【００１１】
記録素子基板1002には、記録素子基板1002と電気配線基板1005とを電気的に接続するリード線を記録液による腐食や外部から作用する力による断線から保護するために第１の封止樹脂1008が塗布されている。
【００１２】
記録素子基板ユニット1001は配線統合基板1007と電気的に接続された後、記録素子基板ユニット1001のインク供給口と、タンクホルダーユニット1011のインク供給口を連通するように接着剤もしくはゴムにより結合し、電気配線基板1005の一部が折り曲がられ、タンクホルダーユニット1011に、記録素子基板ユニット1001および配線統合基板1007を固定される。
【００１３】
しかしながら、電気配線基板1005を第２のプレート1004に接着固定する接着剤1006の量が不足すると、電気配線基板1005の裏面にインクが回り込み、電気配線基板1005の配線の腐食によって電気的不良が発生することがある。これに対して、特許文献１では、電気配線基板1005の外周囲を、第２の封止樹脂1009で封止することにより、電気配線基板1005の裏面にインクが回り込み、電気配線基板1005の配線の腐食によって電気的不良が発生することを防いでいた。
【特許文献１】特開平１０−０４４４１２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１４】
インクジェット記録プリンタは、印字を行なう際、インクジェット記録ヘッドの吐出口と記録紙の距離が近いほど、高精彩な印字が可能である為、インクジェット記録ヘッドの吐出口と記録紙の距離を可能な限り、近くする構成をとっている。したがって、第２のプレートと電気配線基板の記録素子基板が配置されていない側の接着部の周囲を第2の封止樹脂によって封止する際、第2の封止樹脂が電気配線基板より記録液を吐出する方向へのはみ出し量が多いと、記録紙に第2の封止樹脂を擦り、記録紙を傷つけてしまう可能性がある為、第２の封止樹脂が電気配線基板より記録液を吐出する方向に出来るだけはみ出さないように、第２の封止樹脂を塗布する必要がある。しかしながら、第２の封止樹脂が電気配線基板より記録液を吐出する方向にはみ出さないように、第２の封止樹脂を塗布するのは、容易ではなく、塗布するのに時間を要するという問題があった。
【００１５】
さらに、通常、インクジェット記録ヘッドは、物流時、アルミで作られた袋等で密閉する形態を取ることが多いが、インクジェット記録ヘッドを製造する際、封止樹脂を多量用いると、封止樹脂からガスが発生し、インクジェット記録ヘッドの吐出口面を汚染し、撥水性を劣化させたり、電気熱変換素子を汚染し、発泡が正常に行なわれなくなってしまうことがあった。
【００１６】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、封止樹脂による汚染がなく、さらに、電気配線基板の裏面にインクが回り込むことにより、配線の腐食によって電気的不良が発生することを防ぎ、印字品質および信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
記録液を吐出する複数の電気熱交換素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板を保持固定する第１のプレートと、裏面に配線を有し、前記配線を覆うレジスト層を有し、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気パルスを印加する電気配線基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板の接続部を封止する第１の封止樹脂と、前記電気配線基板と前記第１のプレートとの間に介在し、前記電気配線基板を接着剤で、保持固定する第２のプレートとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記電気配線基板の裏面の、前記第２のプレートと対向する位置に、凹部が設けられていることを特徴とする。
【００１８】
また、前記電気配線基板の裏面の凹部が、前記電気配線基板の前記レジスト層で設けられていることを特徴とする。
【００１９】
また、前記電気配線基板の前記レジスト層は、前記凹部によって、前記配線部を保護するレジスト層部と、前記配線部と接触しないレジスト層部に分離されていることを特徴とする。
【００２０】
また、前記電気配線基板の配線部を、前記電気配線基板と前記第２のプレートを保持固定するのに用いられる接着剤によって封止することを特徴とする。
【００２１】
また、前記電気配線基板の裏面の凹部が、前記電気配線基板の接続されていない配線で設けられていることを特徴とする。
【００２２】
また、前記電気配線基板の裏面の凹部が、格子状に配列されていることを特徴とする。
【００２３】
上記のように構成された本発明においては、電気配線基板の裏面に設けた凹部に、接着剤が凹部に充填され、配線部を保護するレジスト層を完全に被覆するため、従来のように、第2の封止樹脂により、電気配線基板と第2のプレートの記録素子基板が配置されていない側の接着部の周囲を保護することなく、電気配線基板裏面からインクが回り込み、配線が腐食し、電気的不良が発生することを防ぎ、印字品質および信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【００２４】
また、第2の封止樹脂を用いないため、物流時、アルミで作られた袋等で密閉しても、封止樹脂からガスが発生し、インクジェット記録ヘッドの吐出口面を汚染し、撥水性を劣化させる、もしくは、電気熱変換素子を汚染されることがなく、部品点数を少なくし、安価で従来より容易に製造することが可能なインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【発明の効果】
【００２５】
上記のように構成された本発明においては、電気配線基板の裏面に設けた凹部に、接着剤が凹部に確実に充填され、配線部を保護するレジスト層を完全に被覆するため、従来のように、第2の封止樹脂により、電気配線基板と第2のプレートの記録素子基板が配置されていない側の接着部の周囲を保護することなく、電気配線基板裏面からインクが回り込み、配線が腐食し、電気的不良が発生することを防ぎ、印字品質および信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【００２６】
また、第2の封止樹脂を用いないため、物流時、アルミで作られた袋等で密閉しても、封止樹脂からガスが発生し、インクジェット記録ヘッドの吐出口面を汚染し、撥水性を劣化させる、もしくは、電気熱変換素子を汚染されることがなく、部品点数を少なくし、安価で従来より容易に製造することが可能なインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【００２８】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例１】
【００２９】
図１は本発明のインクジェット記録ヘッドの本実施例の電気配線基板を示す図であり、図２（ａ）は組立完成時の外観斜視図、図２（ｂ）は、図２（ａ）のA−A'断面の接着状態を示す部分拡大図、図２（ｃ）は、図２（ａ）の折り曲げ部の接着状態を示す部分拡大図、図２（ｄ）は、図２（ａ）のＢ−Ｂ'断面の接着状態を示す部分拡大図であり、図３は記録素子基板ユニット101の分解斜視図である。
【００３０】
図２および図３に示すように、記録素子基板102の片面には記録液を吐出するための記録素子を有する複数の吐出口が設けられ、他方の面には吐出口に記録液を供給する為の共通液室が吐出口列の長さとほぼ等しい長さで開口して設けられている。
【００３１】
第１のプレート103には、記録素子基板102に複数色のインクを供給するための複数のインク供給口が形成されており、記録素子基板102の共通液室が第１のプレート103のインク供給口にそれぞれ対応し、かつ、記録素子基板102は第１のプレート103に対して位置精度良く接着固定される。
【００３２】
第２のプレート104は、第１のプレート103に接着固定された記録素子基板102の外形寸法よりも大きな開口部を有する形状となっている。また、記録素子基板102と電気配線基板105を平面的に電気接続できるように第１のプレート103に接着されており、電気配線基板105の裏面が耐インク性のある接着剤106によって接着固定され、記録素子基板102に対して記録液を吐出するための電気パルスを印加するための電気配線基板105がTAB実装技術によって接続され、さらに、電気配線基板105は、配線統合基板107と電気的に接続され記録素子基板ユニット101が形成される。
【００３３】
また、図1（ａ）、図1（ｂ）に示すように、電気配線基板105は、ベースフィルム105ａと、配線105ｂ、リード線105ｃと、配線105ｂを保護し、絶縁性と応力を保持するために、ソルダーレジスト105ｄを設けて構成されている。そして、ソルダーレジスト105ｄの第2のプレート104と接着時に、第2のプレート104と対向する位置の電気配線基板105の折り曲げ部以外の外周部に、凹部105ｅを設け、配線105ｂを保護しているソルダーレジスト105ｄと、配線105ｂと接触しないソルダーレジスト105ｄに分離されている。そして、図2（ａ）のＡ−Ａ'断面においては、図2（ｂ）に示すように、電気配線基板105と第２のプレート104を接着剤106によって接着固定する際に、接着剤106を確実に凹部105ｅに充填させることにより、配線105ｂを保護しているソルダーレジスト105ｄは、接着剤106で完全に被覆され、電気配線基板105の裏面に記録液が回り込み、ソルダーレジスト105ｄから記録液が浸漬し、配線105bの腐食することによって電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【００３４】
また、図2（ｃ）に示すように、電気配線基板105の折り曲げ部は、第２のプレート104の端部にあわせて折り曲げられており、この時、電気配線基板105の折り曲げ部方向は、接着剤106により、完全に被覆されている。
【００３５】
また、図2（ｄ）に示すように、図1（ａ）のＢ−Ｂ'断面において、記録素子基板102は、記録素子基板102と電気配線基板105とを電気的に接続するリード線105ｃを記録液による腐食や外部から作用する力による断線から保護するために第１の封止樹脂108が塗布されており、第１の封止樹脂108と接着剤106により、配線105ｂを保護しているソルダーレジスト105ｄは、接着剤106で完全に被覆され、電気配線基板105の裏面に記録液が回り込み、ソルダーレジスト105ｄから記録液が浸漬し、配線105bの腐食することによって電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【００３６】
そして、記録素子基板ユニット101は配線統合基板107と電気的に接続された後、記録素子基板ユニット101のインク供給口と、タンクホルダーユニット111のインク供給口を連通するように接着剤もしくはゴムにより結合し、電気配線基板105の一部が折り曲がられ、タンクホルダーユニット111に、記録素子基板ユニット101および配線統合基板107を固定される。
【００３７】
上記のように構成された本発明においては、電気配線基板が、電気配線基板の配線部を保護しているソルダーレジストを、電気配線基板と第２のプレートを保持固定するのに用いられる接着剤により完全に覆われているため、電気配線基板裏面からインクが回り込み、配線が腐食し、電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【実施例２】
【００３８】
図４（ａ）は、本実施例の電気配線基板を示す図であり、図４（ｂ）は、電気配線基板の部分拡大図であり、図４（ｃ）は、本実施例の組み立て完成時の第2のプレートと電気配線基板の接着状態を示す部分拡大図である。
【００３９】
本形態は図4（ａ）、図４（ｂ）、図４（ｃ）に示すように、第1の実施形態において示したものにおいて、電気配線基板205の裏面に凹部205ｅを構成するのに、接続されていない配線205ｆを、配線205ｂを保護しているレジスト層205ｄの外部に設けている。
【００４０】
本形態においても、第２のプレート204に電気配線基板205が接着剤206により接着固定される際に、接着剤206を確実に凹部205ｅに充填させることにより、配線205ｂを保護しているソルダーレジスト205ｄは、接着剤206で完全に被覆され、電気配線基板205の裏面に記録液が回り込み、ソルダーレジスト205ｄから記録液が浸漬し、配線205bの腐食することによって電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【実施例３】
【００４１】
図５（ａ）は、本実施例の電気配線基板を示す図であり、図５（ｂ）は、電気配線基板の部分拡大図であり、図５（ｃ）は、本実施例の組み立て完成時の第2のプレートと電気配線基板の接着状態を示す部分拡大図である。
【００４２】
本形態は図５（ａ）、図５（ｂ）、図５（ｃ）に示すように、第1の実施形態において示したものにおいて、第２のプレート304に電気配線基板305が接着剤306により接着固定される際に、接着剤306が凹部305eにさらに確実に充填されるように、凹部305eを細かいピッチの格子状に設けたものである。
【００４３】
本形態においては、第２のプレート304に電気配線基板305が接着剤306により接着固定される際に、接着剤306が、凹部305eから毛管力が働き、充填されるため、より確実に被覆され、電気配線基板305の裏面に記録液が回り込み、ソルダーレジスト305ｄから記録液が浸漬し、配線305bの腐食することによって電気的不良が発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【００４４】
【図１】（ａ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の実施例の電気配線基板を示す図。 （ｂ）図１（ａ）の部分拡大図。
【図２】（ａ）本発明のインクジェット記録ヘッドの組立完成時の外観斜視図。 （ｂ）図２（ａ）のA−A'断面の接着状態を示す部分拡大図。 （ｃ）図２（ａ）の折り曲げ部の接着状態を示す部分拡大図。 （ｄ）図２（ａ）のＢ−Ｂ'断面の接着状態を示す部分拡大図。
【図３】本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板ユニットの分解斜視図。
【図４】（ａ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第２の実施例の電気配線基板を示す図。 （ｂ）図４（ａ）の部分拡大図。 （ｃ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第２の実施例の接着状態を示す部分拡大図。
【図５】（ａ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第3の実施例の電気配線基板を示す図。 （ｂ）図５（ａ）の部分拡大図。 （ｃ）本発明のインクジェット記録ヘッドの第3の実施例の接着状態を示す部分拡大図。
【図６】一般的な記録素子基板ユニットの一構成例を示す分解斜視図。
【図７】図６に示した記録素子基板ユニットが設けられた従来のインクジェット記録ヘッドの一構成例を示す図。
【符号の説明】
【００４５】
101,1001 記録素子基板ユニット
102, 1002 記録素子基板
103, 1003 第1のプレート
104,204,304,1004 第2のプレート
105,205,305,1005 電気配線基板
105a,205a,305a ベースフィルム
105b,205b,305b 配線
105c,205c,305c リード線
105d,205d,305d レジスト部
105e,205e,305e 凹部
205ｆ 接続されていない配線
106,206,306,1006 接着剤
107,1007 配線統合基板
108,1008 第1の封止樹脂
109,1009 第２の封止樹脂
111,1011 タンクホルダー
【特許請求の範囲】
【請求項１】
記録液を吐出する複数の電気熱交換素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板を保持固定する第１のプレートと、裏面に配線を有し、前記配線を覆うレジスト層を有し、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気パルスを印加する電気配線基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板の接続部を封止する第１の封止樹脂と、前記電気配線基板と前記第１のプレートとの間に介在し、前記電気配線基板を接着剤で、保持固定する第２のプレートとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記電気配線基板の裏面の、前記第２のプレートと対向する位置に、凹部が設けられていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
【請求項２】
前記電気配線基板の裏面の凹部が、前記電気配線基板の前記レジスト層で設けられていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項３】
前記電気配線基板の前記レジスト層は、前記凹部によって、前記配線部を保護するレジスト層部と、前記配線部と接触しないレジスト層部に分離されていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項４】
前記電気配線基板の配線部を、前記電気配線基板と前記第２のプレートを保持固定するのに用いられる接着剤によって封止することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項５】
前記電気配線基板の裏面の凹部が、前記レジスト層と前記電気配線基板の接続されていない配線によって設けられていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項６】
前記電気配線基板の裏面の凹部が、格子状に配列されていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項１】
記録液を吐出する複数の電気熱交換素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板を保持固定する第１のプレートと、裏面に配線を有し、前記配線を覆うレジスト層を有し、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気パルスを印加する電気配線基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板の接続部を封止する第１の封止樹脂と、前記電気配線基板と前記第１のプレートとの間に介在し、前記電気配線基板を接着剤で、保持固定する第２のプレートとを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記電気配線基板の裏面の、前記第２のプレートと対向する位置に、凹部が設けられていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
【請求項２】
前記電気配線基板の裏面の凹部が、前記電気配線基板の前記レジスト層で設けられていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項３】
前記電気配線基板の前記レジスト層は、前記凹部によって、前記配線部を保護するレジスト層部と、前記配線部と接触しないレジスト層部に分離されていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項４】
前記電気配線基板の配線部を、前記電気配線基板と前記第２のプレートを保持固定するのに用いられる接着剤によって封止することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項５】
前記電気配線基板の裏面の凹部が、前記レジスト層と前記電気配線基板の接続されていない配線によって設けられていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項６】
前記電気配線基板の裏面の凹部が、格子状に配列されていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘッド。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００７−２８３５０２（Ｐ２００７−２８３５０２Ａ）
【公開日】平成１９年１１月１日（２００７．１１．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１０９９１８（Ｐ２００６−１０９９１８）
【出願日】平成１８年４月１２日（２００６．４．１２）
【出願人】（０００００１００７）キヤノン株式会社 (59,756)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１１月１日（２００７．１１．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年４月１２日（２００６．４．１２）
【出願人】（０００００１００７）キヤノン株式会社 (59,756)
【Ｆターム（参考）】
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