インクジェット記録用紙、及びインクジェット記録装置
【課題】専用の製本機がなくても、フォトブックを簡易に作成することができるインクジェット記録用紙、及びインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙であって、前記インクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも片面にインク受容層を有し、前記支持体の少なくとも一部には磁性体が設けられているインクジェット記録用紙を提供するとともに、冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙を見開き状態で保持する媒体保持手段と、前記媒体保持手段に保持されたインクジェット記録用紙に対してインク液滴を打滴するインク打滴手段と、を備え、前記媒体保持手段は、磁力を発生する磁力発生部材を含んで構成されるインクジェット記録装置を提供することにより、前記課題を解決する。
【解決手段】 冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙であって、前記インクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも片面にインク受容層を有し、前記支持体の少なくとも一部には磁性体が設けられているインクジェット記録用紙を提供するとともに、冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙を見開き状態で保持する媒体保持手段と、前記媒体保持手段に保持されたインクジェット記録用紙に対してインク液滴を打滴するインク打滴手段と、を備え、前記媒体保持手段は、磁力を発生する磁力発生部材を含んで構成されるインクジェット記録装置を提供することにより、前記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット記録用紙、及びインクジェット記録装置に係り、特に、写真や適宜組み込んだ文字からなる写真集、いわゆるフォトブックを簡易に作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェット記録方式は、記録ヘッド(インクジェットヘッド)のノズルからインク液滴を記録媒体に向かって吐出することにより記録を行う方式であり、記録動作時の騒音が低く、ランニングコストが安く、高解像、高品質な画像記録が可能であり、様々な分野で幅広く利用されている。
【0003】
ところで、従来のフォトブック印刷は、ロール状やシート状の用紙を用いて、写真や文字などの画像を印刷した後、所定の製本手順に従って製本を行っている。これにより、好みの写真又は文字を混在させた写真からなる写真集、即ち、フォトブックが完成する。
【0004】
製本には、用紙にあらかじめ接着加工を施し、離型紙を剥がして貼り合わせる方法や、接着剤を塗布して貼り合わせる方法などが用いられる。また、ロール紙の場合には、折り曲げのミシン目をつけたり、大きめのサイズのロール紙を裁断したりして、製本を行っている。
【0005】
特許文献1には、水溶性糊等を使わずに加圧接着方式で製本することができ、しかも環境保全にも寄与する圧着製本用紙が提案されている。この圧着製本用紙は、用紙を構成する紙基材の片面を画像印字記録面とし、反対側の非記録面を感圧接着剤塗布面とするとともに、その面全域若しくはその面の一部に、該基材の製本時に接着剤塗布面同士を対向させて所定圧力にて加圧することにより接着力が発現される感圧性接着剤を塗布して構成されている。
【0006】
また、特許文献2には、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット記録シートが提案されている。このインクジェット記録シートは、支持体上の片面に、合成非晶質シリカとバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層が設けられ、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、クレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含む顔料とバインダーを含むバック層を設けてなり、該記録シートの厚さが150〜500μmとなっている。
【特許文献1】特開2000−158847号公報
【特許文献2】特開2007−125816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の印刷媒体では、写真等を印刷した後に製本しなければならず、専用の製本機を導入することができない小規模写真店や家庭などでは、フォトブックを作成することが困難であった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、専用の製本機がなくても、フォトブックを簡易に作成することができるインクジェット記録用紙、及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る冊子状媒体(請求項1に記載の発明)は、 冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙であって、前記インクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも片面にインク受容層を有し、前記支持体の少なくとも一部には磁性体が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、前記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット記録装置(請求項2に記載の発明)は、冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙を見開き状態で保持する媒体保持手段と、前記媒体保持手段に保持されたインクジェット記録用紙に対してインク液滴を打滴するインク打滴手段と、を備え、前記媒体保持手段は、磁力を発生する磁力発生部材を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、インクジェット記録用紙を構成する支持体の少なくとも一部に磁性体が設けられるとともに、インクジェット記録用紙を保持する媒体保持手段に磁力発生部材が設けられるので、あらかじめ冊子状に製本加工された冊子状媒体を用いても、インクジェット記録用紙の浮き上がりを防止しつつ、インクジェット記録方式による画像記録が可能となる。これにより、専用の製本機がなくても、フォトブックを簡単に作成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記媒体保持手段は、平板状部材で構成され、前記平板状部材の中央部には、前記冊子状媒体の綴じ部を挿入するための開口部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記平板状部材の両端部には、前記磁力発生部材が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記平板状部材には、前記磁力発生部材が内蔵されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、 前記媒体保持手段は、所定の間隔をあけて平行に配置された一対の棒状部材と、前記一対の棒状部材の外側にそれぞれ配置された磁力発生部材とを含んで構成され、前記一対の棒状部材の間に前記冊子状媒体の綴じ部が挿入されるとともに、前記見開きページを構成するインクジェット記録用紙の端部は前記磁力発生部材で保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、インクジェット記録用紙を構成する支持体の少なくとも一部に磁性体が設けられるとともに、インクジェット記録用紙を保持する媒体保持手段に磁力発生部材が設けられるので、あらかじめ冊子状に製本加工された冊子状媒体を用いても、冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙の浮き上がりを防止しつつ、インクジェット記録方式による画像記録が可能となる。これにより、専用の製本機がなくても、フォトブックを簡単に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0018】
〔インクジェット記録用紙〕
本発明では、製本するための専用機材を必要とすることなく、フォトブックを簡単に作成することができるようにするために、図1に示すように、あらかじめ冊子状(ブック状)に製本加工された複数のインクジェット記録用紙12からなる冊子状媒体10が用いられる。
【0019】
ところで、図1(b)に示すように、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12の記録面が表面に露出されるようにした状態(見開き状態)でインクジェット記録方式による画像記録を行う場合、インクジェット記録用紙12の浮き上がりが問題となる。インクジェット記録用紙12の記録面の平面性が十分でないと、インクジェットヘッドのノズルから吐出されるインク液滴の着弾位置にずれが生じてしまい、画像品質の劣化を招く要因となる。
【0020】
そこで本発明では、インクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止するために、インクジェット記録用紙12の支持体の少なくとも一部に磁性体を設けるとともに、後述するインクジェット記録装置30において、媒体保持手段である保持プレート32に磁力発生部材34を設け、当該磁力発生部材34で発生する磁力によってインクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止している。
【0021】
以下、インクジェット記録用紙の構成例(第1及び第2の実施形態)について詳しく説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙を含む冊子状媒体の構成例を示した斜視図である。また、図3は、第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙の一部を示した断面図である。
【0023】
図2及び図3に示すように、第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙12は、支持体14の両面(表面及び裏面)にそれぞれインク受容層20A、20Bを備えた両面記録可能な記録用紙である。
【0024】
このインクジェット記録用紙12の支持体14には、当該記録用紙12の全面にわたって、磁性シート又は磁性粒子を含む樹脂シートで構成される磁性体(磁性体層)16が設けられ、更に、磁性体層16の両面には、紙又はポリエチレン等で構成される支持層18A、18Bが設けられている。そして、各支持層18A、18Bの磁性体層16側とは反対側の面にはそれぞれインク受容層20A、20Bが設けられている。
【0025】
即ち、インクジェット記録用紙12は、裏面側(図3の下側)から表面側(図3の上側)に向かって順に、第2のインク受容層20B、第2の支持層18B、磁性体層16、第1の支持層18A、及び第1のインク受容層20Aが積層された5層構造となっている。
【0026】
本実施形態において、インクジェット記録用紙12の各部の寸法は特に限定されるものではないが、一例として、各部の寸法は、インクジェット記録用紙12の厚さ:500μm程度、磁性体層16の厚さ:200μm程度、支持層18A、18Bの厚さ:各150μm、インク受容層20A、20Bの厚さ:各数μmにそれぞれ構成される。
【0027】
なお、本実施形態では、支持体の両面にそれぞれインク受容層を備えた両面記録が可能なインクジェット記録用紙を一例として示したが、本発明はこれに限らず、支持体の片面にインク受容層を備えた片面記録が可能なインクジェット記録用紙にも同様に適用することが可能である。後述する第2の実施形態についても同様である。
【0028】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙を含む冊子状媒体の構成例を示した斜視図である。また、図5は、第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の一部を示した断面図である。図4及び図5中、第1の実施形態と共通又は類似する部材には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0029】
図4及び図5に示すように、第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙12の支持体14には、第1及び第2の支持層18A、18Bに挟まれる中間層において、当該記録用紙12の四隅にそれぞれ磁性体(磁性体片)16が設けられている。なお、上記中間層における他の領域(磁性体16以外の領域)は、支持層18A、18Bと同一材料(即ち、紙又はポリエチレン等)で構成されている。
【0030】
本実施形態において、磁性体16の形状及び大きさは特に限定されるものではなく、インクジェット記録用紙12やインクジェット記録装置30側構成部材(保持プレート32及び磁力発生部材34など)に応じて適宜最適なものが選択される。
【0031】
磁性体16の形状としては、例えば、円形状、正方形、長方形、その他各種形状を適用することが可能である。図4及び図5では、磁性体16が円形状の平面形状を有する場合を一例として示している。
【0032】
また、磁性体16の大きさとしては、例えば、円形状の場合には、直径20〜25mmであり、正方形状の場合には、一辺20〜25mmである。また、長方形の場合には、加工容易性の観点から、長辺が25mm以上紙幅以下が好ましい。
【0033】
第2の実施形態によれば、インクジェット記録用紙12の支持体14には、当該記録用紙12の全体ではなく、そのうちの一部のみに磁性体16が設けられるので、上述した第1の実施形態に比べてインクジェット記録用紙12の軽量化を図ることができる。これにより、フォトブックの持ち運びが容易となり、ユーザの利便性が向上する。
【0034】
なお、本実施形態は、図6〜図11に示すように変形することもできる。即ち、本実施形態の変形例として、磁性体16が、図6に示すように、インクジェット記録用紙12の外周に沿うように枠状に構成されていてもよいし、図7に示すように、インクジェット記録用紙12の一辺(好ましくは、冊子状媒体10の綴じ部10aと反対側の縁部)に沿うように長方形状に構成されていてもよい。また、複数の磁性体16が、図8に示すように、所定の配列パターンに従って配列されていてもよいし、図9に示すように、ランダムに設けられていてもよい。更に、図10に示すように、インクジェット記録用紙12より少し小さく構成された磁性体16が中央部に設けられていてもよい。また、図11に示すように、インクジェット記録用紙12の四隅ではなく、そのうちの一部の隅部(好ましくは、冊子状媒体10の綴じ部10a側とは反対側の隅部)に磁性体16が設けられていてもよい。
【0035】
〔インクジェット記録装置〕
次に、本発明に係るインクジェット記録装置について説明する。
【0036】
図12は、本発明に係るインクジェット記録装置の構成例を示した要部構成図である。同図に示すインクジェット記録装置30は、主として、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12上にインク液滴を打滴することによって画像を記録する描画部50と、描画部50に対向する位置で冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12を見開き状態で保持する保持プレート32とを備えて構成される。
【0037】
保持プレート32の構成については後で詳しく説明するが、保持プレート32は、不図示の媒体搬送機構によって副走査方向(媒体搬送方向)に移動可能に構成されており、保持プレート32に保持されたインクジェット記録用紙12を描画部50のインクジェットヘッドに対して副走査方向に相対的に搬送することができるようになっている。
描画部50は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色インクに対応した複数のインクジェットヘッド(以下、「記録ヘッド」という。)によって構成されている。
【0038】
各色に対応する記録ヘッドには、インク吐出面(保持プレート32に対向する面)に、インクジェット記録用紙12の搬送方向(副走査方向)に沿って1又は複数のノズル列が設けられており、当該ノズル列を構成するインク吐出用の各ノズルから保持プレート32上に保持されたインクジェット記録用紙12に向けてそれぞれ対応する色インクの液滴を吐出する。
【0039】
インクの吐出方式としては、圧電素子の変位を利用してインク液滴を吐出する圧電方式や、ヒータ等の発熱素子で発生する熱エネルギーを利用してインク液滴を吐出するサーマル方式など各種方式を適用することができる。
【0040】
また、図示は省略するが、各色に対応する記録ヘッドはキャリッジに搭載されており、キャリッジ駆動機構によって、各記録ヘッドは、キャリッジと一体となってインクジェット記録用紙12の搬送方向(副走査方向)に直交する主走査方向に往復動作できるように構成されている。
【0041】
保持プレート32を副走査方向に移動させつつ、各記録ヘッドが搭載されるキャリッジを主走査方向に往復移動させながら、各色に対応する記録ヘッドの各ノズルからそれぞれ対応する色インクの液滴を吐出することにより、インクジェット記録用紙12の記録面に対して画像を記録することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、各色に対応する記録ヘッドとして、主走査方向に往復動作しながら記録を行うシリアル(シャトル)型ヘッドが適用された場合を一例として示したが、これに限らず、インクジェット記録用紙12の主走査方向における画像形成領域の全幅をカバーするノズル列を有するフルライン型ヘッドを適用することも可能である。
【0043】
各色に対応する記録ヘッドがフルライン型ヘッドで構成される態様によれば、インクジェット記録用紙12と記録ヘッドを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、インクジェット記録用紙12の画像形成領域に画像を記録することができる。このため、シリアル型ヘッドが用いられる場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
【0044】
また、本例では、MCYKの4色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する記録ヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
【0045】
次に、保持プレート32の構成について詳しく説明する。
【0046】
図12に示すように、保持プレート32には、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12が見開き状態で保持される。具体的には、印刷対象となる見開きページを構成するインクジェット記録用紙12A、12Bが保持プレート32の表面側(記録ヘッド側)に配置され、且つ、それ以外のインクジェット記録用紙12Cが保持プレート32の裏面側(記録ヘッド側とは反対側)に配置される。なお、図12では、説明の便宜上、各インクジェット記録用紙12の厚さを誇張して表現しているが、実際にはその厚さは薄く、冊子状媒体10の綴じ部10aに形成される隙間(空間部)はほとんど生じない(図14〜図16についても同様である。)。
【0047】
このように見開き状態でインクジェット記録用紙12を保持できるようにするために、保持プレート32の副走査方向中央部には、冊子状媒体10の綴じ部10aを挿入するための開口部36が設けられている。この開口部36は、主走査方向を長手方向とする長方形状に構成され、保持プレート32の表面及び裏面を貫通するとともに、主走査方向における一端部(図12(b)において下端部)側に開放されるように形成されている。これにより、保持プレート32に対して開口部36の開放部分から冊子状媒体10の綴じ部10aを容易に挿入することができ、保持プレート32上にインクジェット記録用紙12(12A、12B)を見開き状態で配置することができる。
【0048】
開口部36の長さL1は、保持プレート32上でインクジェット記録用紙12の一部がはみ出すことなく確実に保持できるようにするために、インクジェット記録用紙12の長さL2よりも大きく構成されることが必要である。なお、開口部36の長さL1は、保持プレート32の長さL3よりも短く構成されるのはもちろんのことである(即ち、L2<L1<L3)。また、開口部36の幅Wは、冊子状媒体10の厚さに応じて適宜最適な幅を選択すればよい。
【0049】
本実施形態において、冊子状媒体10の種類毎に複数の保持プレート32をあらかじめ用意しておき、冊子状媒体10の種類に応じて保持プレート32を交換して使用する態様が好ましい。保持プレート32を冊子状媒体10の種類に応じた専用ステージとすることで、ページ数などによる厚さの違いやサイズの違いなどによる影響を受けないで、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12を安定した状態で保持することができる。
【0050】
また、開口部36の幅Wを可変させることができるスライド部材を設け、冊子状媒体10の厚さに応じて開口部36の幅Wを可変させるようにしてもよい。この態様によれば、冊子状媒体10が薄い場合には、開口部36の幅Wを小さくすることにより、インクジェット記録用紙12の平面性を高めることができる。その一方で、冊子状媒体10が厚い場合でも、開口部36の幅Wを大きくすることにより、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12を見開き状態で保持可能となる。これにより、様々な厚さの冊子状媒体10を利用可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0051】
更に、本実施形態では、保持プレート32上に保持されたインクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止するために、上述したようにインクジェット記録用紙12の支持体14の少なくとも一部に磁性体16が設けられるとともに、保持プレート32の裏面側に永久磁石又は電磁石で構成される磁力発生部材34が設けられている。
【0052】
磁力発生部材34の形状及び配置は、インクジェット記録用紙12に設けられる磁性体16の配置形態に応じて適宜選択すればよい。具体的には、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12が見開きの状態で保持プレート32に保持された状態において、保持プレート32の表面側に配置されたインクジェット記録用紙12に設けられる磁性体16と磁力発生部材34を同一平面(例えば保持プレート32表面)上に投影した場合、磁性体16及び磁力発生部材34の少なくとも一部(より好ましくは全部)が重なるようにするとよい。
【0053】
例えば、図2及び図3に示した第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙12(記録用紙の全面にわたって磁性体16が設けられる態様)が用いられる場合には、保持プレート32の裏面全体、或いは、保持プレート32の裏面においてインクジェット記録用紙12の外側端部(冊子状媒体10の綴じ部10a側とは反対側の端部)に対応する位置に設けるとよい。
【0054】
図12では、保持プレート32の副走査方向両端部であって、インクジェット記録用紙12A、12Bの外側端部(冊子状媒体10の綴じ部10a側とは反対側の端部)にそれぞれ対応する位置に磁力発生部材34、34が設けられる場合を一例として示している。
【0055】
また、図13に示すように、インクジェット記録用紙12A、12Bの外側端部(冊子状媒体10の綴じ部10a側とは反対側の端部)に位置する隅部にそれぞれ対応する位置に正方形状の磁力発生部材34を設けるようにしてもよい。図13に示した構成は、図4及び図5に示した第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙12(インクジェット記録用紙12の四隅に磁性体16が設けられる態様)に特に好適な態様である。
【0056】
また、本実施形態では、保持プレート32の裏面側に磁力発生部材34が固着されているが、特にこれに限定されるものではなく、保持プレート32に磁力発生部材34が内蔵されていてもよい。
【0057】
図14は、保持プレート32に磁力発生部材34が内蔵される場合の構成例を示した構成図である。同図に示す構成によれば、保持プレート32に磁力発生部材34が内蔵されるので、保持プレート32の裏面側に設けられる場合に比べて、磁力発生部材34で発生する磁力がインクジェット記録用紙12の磁性体16により強く作用するので、インクジェット記録用紙12の浮き上がりをより確実に防止することができる。
【0058】
このように構成されるインクジェット記録装置30では、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12が見開きの状態で保持プレート32に保持された状態において、保持プレート32と各記録ヘッドを相対的に移動させながら、各記録ヘッドのノズルからインク液滴を吐出することにより、インクジェット記録用紙12上に画像記録が行われる。
【0059】
保持プレート32上に保持されたインクジェット記録用紙12に対する画像記録を終えた場合、他のページに対する画像記録を継続して実施する場合には、保持プレート32から冊子状媒体10を一旦取り外して、手動にてページ変更を行い、冊子状媒体10を保持プレート32にセッティングし直し、画像記録を再び行う。そして、全ての画像記録が終了するまで以上の動作を繰り返す。このようにして、フォトブックを作成することができる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、あらかじめ冊子状に製本加工された冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12に対してインクジェット記録方式による画像記録が行われるので、小規模小売店や家庭などにおいても、専用の製本機を必要とすることなく、フォトブックを容易に作成することができる。
【0061】
また、本実施形態では、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12が見開き状態で保持プレート32に保持される際、保持プレート32に設けられた磁力発生部材34で発生する磁力よってインクジェット記録用紙12が保持プレート32側に引き付けられるので、インクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止することができる。これにより、インクジェット記録用紙12の記録面の平面性を確保することができ、画像品質の向上を図ることができる。
【0062】
また、本実施形態では、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12を見開き状態で保持するための媒体保持手段は、平板状部材(プレート部材)からなる保持プレート32が用いられているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、棒状部材を用いるようにしてもよい。
【0063】
図15は、棒状部材を用いて冊子状媒体10を見開きの状態で保持する場合の構成例を示した構成図である。図15に示す構成では、棒状の保持部材38A、38Bが所定の間隔をあけて平行に設けられ、更に、これらの外側には磁力発生部材34A、34Bが設けられている。そして、棒状の保持部材38A、38Bで冊子状媒体10の綴じ部10aを保持するとともに、印刷対象となるインクジェット記録用紙12A、12Bの外側端部(冊子状媒体10の綴じ部10aとは反対側の端部)を磁力発生部材34A、34Bで保持することにより、インクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止して、インクジェットヘッドの吐出面に対向する記録面の平面性を確保することができる。
【0064】
また、本実施形態の好ましい態様として、フォトブック及びシート紙を印刷するための機構をそれぞれユニット化し、各ユニット(フォトブック印刷ユニット、シート紙印刷ユニット)を適宜入れ替えて使用することにより、1台のインクジェット記録装置でフォトブック及びシート紙の両方を印刷可能とするようにしてもよい。
【0065】
例えば、図16(a)に示すように、シート紙印刷ユニット60は、主として、シート紙54を供給するめの給紙部(給紙カセット)52と、給紙部52から供給されたシート紙54を描画部50に供給する搬送ローラ56と、描画部50に対向する位置でシート紙54の裏面を支持するプラテン58とを含んで構成される。また、図16(b)に示すように、フォトブック印刷ユニット70は、主として、保持プレート32と、磁力発生部材34とを含んで構成される。このように構成されるシート紙印刷ユニット60とフォトブック印刷ユニット70を適宜入れ替えて使用すればよい。
【0066】
なお、各ユニットの構成部材については、図16に示した例に限定されず、各部の形状やサイズに応じて適宜選択すればよい。
【0067】
このようにフォトブック及びシート紙を印刷するための機構をそれぞれユニット化して、各ユニットを入れ替えて使用することにより、1台のインクジェット記録装置でフォトブック及びシート紙を印刷することができる。これにより、省スペース化を図ることができ、特に家庭向けに適したインクジェット記録装置を提供することが可能となる。
【0068】
以上、インクジェット記録用紙、及びインクジェット記録装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】冊子状媒体の構成例を示した図
【図2】第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙を含む冊子状媒体の構成例を示した斜視図
【図3】第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙の一部を示した断面図である
【図4】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙を含む冊子状媒体の構成例を示した斜視図
【図5】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の一部を示した断面図である
【図6】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第1の変形例を示した図
【図7】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第2の変形例を示した図
【図8】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第3の変形例を示した図
【図9】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第4の変形例を示した図
【図10】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第5の変形例を示した図
【図11】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第1の変形例を示した図
【図12】本発明に係るインクジェット記録装置の構成例を示した要部構成図
【図13】本発明に係るインクジェット記録装置の他の構成例を示した要部構成図
【図14】保持プレートと磁力発生部が一体的に構成される場合の構成例を示した構成図
【図15】棒状部材を用いて冊子状媒体を見開きの状態で保持する場合の構成例を示した構成図
【図16】本発明の応用例を説明するための図
【符号の説明】
【0070】
10…冊子状媒体、12…インクジェット記録用紙、14…中間層、16…磁性体、18…支持層、20…インク受容層、30…インクジェット記録装置、32…保持プレート、34…磁力発生部材、36…開口部、38…棒状部材、50…記録ヘッド
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット記録用紙、及びインクジェット記録装置に係り、特に、写真や適宜組み込んだ文字からなる写真集、いわゆるフォトブックを簡易に作成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェット記録方式は、記録ヘッド(インクジェットヘッド)のノズルからインク液滴を記録媒体に向かって吐出することにより記録を行う方式であり、記録動作時の騒音が低く、ランニングコストが安く、高解像、高品質な画像記録が可能であり、様々な分野で幅広く利用されている。
【0003】
ところで、従来のフォトブック印刷は、ロール状やシート状の用紙を用いて、写真や文字などの画像を印刷した後、所定の製本手順に従って製本を行っている。これにより、好みの写真又は文字を混在させた写真からなる写真集、即ち、フォトブックが完成する。
【0004】
製本には、用紙にあらかじめ接着加工を施し、離型紙を剥がして貼り合わせる方法や、接着剤を塗布して貼り合わせる方法などが用いられる。また、ロール紙の場合には、折り曲げのミシン目をつけたり、大きめのサイズのロール紙を裁断したりして、製本を行っている。
【0005】
特許文献1には、水溶性糊等を使わずに加圧接着方式で製本することができ、しかも環境保全にも寄与する圧着製本用紙が提案されている。この圧着製本用紙は、用紙を構成する紙基材の片面を画像印字記録面とし、反対側の非記録面を感圧接着剤塗布面とするとともに、その面全域若しくはその面の一部に、該基材の製本時に接着剤塗布面同士を対向させて所定圧力にて加圧することにより接着力が発現される感圧性接着剤を塗布して構成されている。
【0006】
また、特許文献2には、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つアルバム製本の加工適性に優れたアルバム用インクジェット記録シートが提案されている。このインクジェット記録シートは、支持体上の片面に、合成非晶質シリカとバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層が設けられ、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、クレー、カオリン、タルクおよび炭酸カルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含む顔料とバインダーを含むバック層を設けてなり、該記録シートの厚さが150〜500μmとなっている。
【特許文献1】特開2000−158847号公報
【特許文献2】特開2007−125816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の印刷媒体では、写真等を印刷した後に製本しなければならず、専用の製本機を導入することができない小規模写真店や家庭などでは、フォトブックを作成することが困難であった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、専用の製本機がなくても、フォトブックを簡易に作成することができるインクジェット記録用紙、及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る冊子状媒体(請求項1に記載の発明)は、 冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙であって、前記インクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも片面にインク受容層を有し、前記支持体の少なくとも一部には磁性体が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、前記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット記録装置(請求項2に記載の発明)は、冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙を見開き状態で保持する媒体保持手段と、前記媒体保持手段に保持されたインクジェット記録用紙に対してインク液滴を打滴するインク打滴手段と、を備え、前記媒体保持手段は、磁力を発生する磁力発生部材を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、インクジェット記録用紙を構成する支持体の少なくとも一部に磁性体が設けられるとともに、インクジェット記録用紙を保持する媒体保持手段に磁力発生部材が設けられるので、あらかじめ冊子状に製本加工された冊子状媒体を用いても、インクジェット記録用紙の浮き上がりを防止しつつ、インクジェット記録方式による画像記録が可能となる。これにより、専用の製本機がなくても、フォトブックを簡単に作成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記媒体保持手段は、平板状部材で構成され、前記平板状部材の中央部には、前記冊子状媒体の綴じ部を挿入するための開口部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記平板状部材の両端部には、前記磁力発生部材が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記平板状部材には、前記磁力発生部材が内蔵されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、 前記媒体保持手段は、所定の間隔をあけて平行に配置された一対の棒状部材と、前記一対の棒状部材の外側にそれぞれ配置された磁力発生部材とを含んで構成され、前記一対の棒状部材の間に前記冊子状媒体の綴じ部が挿入されるとともに、前記見開きページを構成するインクジェット記録用紙の端部は前記磁力発生部材で保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、インクジェット記録用紙を構成する支持体の少なくとも一部に磁性体が設けられるとともに、インクジェット記録用紙を保持する媒体保持手段に磁力発生部材が設けられるので、あらかじめ冊子状に製本加工された冊子状媒体を用いても、冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙の浮き上がりを防止しつつ、インクジェット記録方式による画像記録が可能となる。これにより、専用の製本機がなくても、フォトブックを簡単に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0018】
〔インクジェット記録用紙〕
本発明では、製本するための専用機材を必要とすることなく、フォトブックを簡単に作成することができるようにするために、図1に示すように、あらかじめ冊子状(ブック状)に製本加工された複数のインクジェット記録用紙12からなる冊子状媒体10が用いられる。
【0019】
ところで、図1(b)に示すように、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12の記録面が表面に露出されるようにした状態(見開き状態)でインクジェット記録方式による画像記録を行う場合、インクジェット記録用紙12の浮き上がりが問題となる。インクジェット記録用紙12の記録面の平面性が十分でないと、インクジェットヘッドのノズルから吐出されるインク液滴の着弾位置にずれが生じてしまい、画像品質の劣化を招く要因となる。
【0020】
そこで本発明では、インクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止するために、インクジェット記録用紙12の支持体の少なくとも一部に磁性体を設けるとともに、後述するインクジェット記録装置30において、媒体保持手段である保持プレート32に磁力発生部材34を設け、当該磁力発生部材34で発生する磁力によってインクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止している。
【0021】
以下、インクジェット記録用紙の構成例(第1及び第2の実施形態)について詳しく説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙を含む冊子状媒体の構成例を示した斜視図である。また、図3は、第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙の一部を示した断面図である。
【0023】
図2及び図3に示すように、第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙12は、支持体14の両面(表面及び裏面)にそれぞれインク受容層20A、20Bを備えた両面記録可能な記録用紙である。
【0024】
このインクジェット記録用紙12の支持体14には、当該記録用紙12の全面にわたって、磁性シート又は磁性粒子を含む樹脂シートで構成される磁性体(磁性体層)16が設けられ、更に、磁性体層16の両面には、紙又はポリエチレン等で構成される支持層18A、18Bが設けられている。そして、各支持層18A、18Bの磁性体層16側とは反対側の面にはそれぞれインク受容層20A、20Bが設けられている。
【0025】
即ち、インクジェット記録用紙12は、裏面側(図3の下側)から表面側(図3の上側)に向かって順に、第2のインク受容層20B、第2の支持層18B、磁性体層16、第1の支持層18A、及び第1のインク受容層20Aが積層された5層構造となっている。
【0026】
本実施形態において、インクジェット記録用紙12の各部の寸法は特に限定されるものではないが、一例として、各部の寸法は、インクジェット記録用紙12の厚さ:500μm程度、磁性体層16の厚さ:200μm程度、支持層18A、18Bの厚さ:各150μm、インク受容層20A、20Bの厚さ:各数μmにそれぞれ構成される。
【0027】
なお、本実施形態では、支持体の両面にそれぞれインク受容層を備えた両面記録が可能なインクジェット記録用紙を一例として示したが、本発明はこれに限らず、支持体の片面にインク受容層を備えた片面記録が可能なインクジェット記録用紙にも同様に適用することが可能である。後述する第2の実施形態についても同様である。
【0028】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙を含む冊子状媒体の構成例を示した斜視図である。また、図5は、第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の一部を示した断面図である。図4及び図5中、第1の実施形態と共通又は類似する部材には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0029】
図4及び図5に示すように、第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙12の支持体14には、第1及び第2の支持層18A、18Bに挟まれる中間層において、当該記録用紙12の四隅にそれぞれ磁性体(磁性体片)16が設けられている。なお、上記中間層における他の領域(磁性体16以外の領域)は、支持層18A、18Bと同一材料(即ち、紙又はポリエチレン等)で構成されている。
【0030】
本実施形態において、磁性体16の形状及び大きさは特に限定されるものではなく、インクジェット記録用紙12やインクジェット記録装置30側構成部材(保持プレート32及び磁力発生部材34など)に応じて適宜最適なものが選択される。
【0031】
磁性体16の形状としては、例えば、円形状、正方形、長方形、その他各種形状を適用することが可能である。図4及び図5では、磁性体16が円形状の平面形状を有する場合を一例として示している。
【0032】
また、磁性体16の大きさとしては、例えば、円形状の場合には、直径20〜25mmであり、正方形状の場合には、一辺20〜25mmである。また、長方形の場合には、加工容易性の観点から、長辺が25mm以上紙幅以下が好ましい。
【0033】
第2の実施形態によれば、インクジェット記録用紙12の支持体14には、当該記録用紙12の全体ではなく、そのうちの一部のみに磁性体16が設けられるので、上述した第1の実施形態に比べてインクジェット記録用紙12の軽量化を図ることができる。これにより、フォトブックの持ち運びが容易となり、ユーザの利便性が向上する。
【0034】
なお、本実施形態は、図6〜図11に示すように変形することもできる。即ち、本実施形態の変形例として、磁性体16が、図6に示すように、インクジェット記録用紙12の外周に沿うように枠状に構成されていてもよいし、図7に示すように、インクジェット記録用紙12の一辺(好ましくは、冊子状媒体10の綴じ部10aと反対側の縁部)に沿うように長方形状に構成されていてもよい。また、複数の磁性体16が、図8に示すように、所定の配列パターンに従って配列されていてもよいし、図9に示すように、ランダムに設けられていてもよい。更に、図10に示すように、インクジェット記録用紙12より少し小さく構成された磁性体16が中央部に設けられていてもよい。また、図11に示すように、インクジェット記録用紙12の四隅ではなく、そのうちの一部の隅部(好ましくは、冊子状媒体10の綴じ部10a側とは反対側の隅部)に磁性体16が設けられていてもよい。
【0035】
〔インクジェット記録装置〕
次に、本発明に係るインクジェット記録装置について説明する。
【0036】
図12は、本発明に係るインクジェット記録装置の構成例を示した要部構成図である。同図に示すインクジェット記録装置30は、主として、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12上にインク液滴を打滴することによって画像を記録する描画部50と、描画部50に対向する位置で冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12を見開き状態で保持する保持プレート32とを備えて構成される。
【0037】
保持プレート32の構成については後で詳しく説明するが、保持プレート32は、不図示の媒体搬送機構によって副走査方向(媒体搬送方向)に移動可能に構成されており、保持プレート32に保持されたインクジェット記録用紙12を描画部50のインクジェットヘッドに対して副走査方向に相対的に搬送することができるようになっている。
描画部50は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色インクに対応した複数のインクジェットヘッド(以下、「記録ヘッド」という。)によって構成されている。
【0038】
各色に対応する記録ヘッドには、インク吐出面(保持プレート32に対向する面)に、インクジェット記録用紙12の搬送方向(副走査方向)に沿って1又は複数のノズル列が設けられており、当該ノズル列を構成するインク吐出用の各ノズルから保持プレート32上に保持されたインクジェット記録用紙12に向けてそれぞれ対応する色インクの液滴を吐出する。
【0039】
インクの吐出方式としては、圧電素子の変位を利用してインク液滴を吐出する圧電方式や、ヒータ等の発熱素子で発生する熱エネルギーを利用してインク液滴を吐出するサーマル方式など各種方式を適用することができる。
【0040】
また、図示は省略するが、各色に対応する記録ヘッドはキャリッジに搭載されており、キャリッジ駆動機構によって、各記録ヘッドは、キャリッジと一体となってインクジェット記録用紙12の搬送方向(副走査方向)に直交する主走査方向に往復動作できるように構成されている。
【0041】
保持プレート32を副走査方向に移動させつつ、各記録ヘッドが搭載されるキャリッジを主走査方向に往復移動させながら、各色に対応する記録ヘッドの各ノズルからそれぞれ対応する色インクの液滴を吐出することにより、インクジェット記録用紙12の記録面に対して画像を記録することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、各色に対応する記録ヘッドとして、主走査方向に往復動作しながら記録を行うシリアル(シャトル)型ヘッドが適用された場合を一例として示したが、これに限らず、インクジェット記録用紙12の主走査方向における画像形成領域の全幅をカバーするノズル列を有するフルライン型ヘッドを適用することも可能である。
【0043】
各色に対応する記録ヘッドがフルライン型ヘッドで構成される態様によれば、インクジェット記録用紙12と記録ヘッドを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、インクジェット記録用紙12の画像形成領域に画像を記録することができる。このため、シリアル型ヘッドが用いられる場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
【0044】
また、本例では、MCYKの4色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する記録ヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
【0045】
次に、保持プレート32の構成について詳しく説明する。
【0046】
図12に示すように、保持プレート32には、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12が見開き状態で保持される。具体的には、印刷対象となる見開きページを構成するインクジェット記録用紙12A、12Bが保持プレート32の表面側(記録ヘッド側)に配置され、且つ、それ以外のインクジェット記録用紙12Cが保持プレート32の裏面側(記録ヘッド側とは反対側)に配置される。なお、図12では、説明の便宜上、各インクジェット記録用紙12の厚さを誇張して表現しているが、実際にはその厚さは薄く、冊子状媒体10の綴じ部10aに形成される隙間(空間部)はほとんど生じない(図14〜図16についても同様である。)。
【0047】
このように見開き状態でインクジェット記録用紙12を保持できるようにするために、保持プレート32の副走査方向中央部には、冊子状媒体10の綴じ部10aを挿入するための開口部36が設けられている。この開口部36は、主走査方向を長手方向とする長方形状に構成され、保持プレート32の表面及び裏面を貫通するとともに、主走査方向における一端部(図12(b)において下端部)側に開放されるように形成されている。これにより、保持プレート32に対して開口部36の開放部分から冊子状媒体10の綴じ部10aを容易に挿入することができ、保持プレート32上にインクジェット記録用紙12(12A、12B)を見開き状態で配置することができる。
【0048】
開口部36の長さL1は、保持プレート32上でインクジェット記録用紙12の一部がはみ出すことなく確実に保持できるようにするために、インクジェット記録用紙12の長さL2よりも大きく構成されることが必要である。なお、開口部36の長さL1は、保持プレート32の長さL3よりも短く構成されるのはもちろんのことである(即ち、L2<L1<L3)。また、開口部36の幅Wは、冊子状媒体10の厚さに応じて適宜最適な幅を選択すればよい。
【0049】
本実施形態において、冊子状媒体10の種類毎に複数の保持プレート32をあらかじめ用意しておき、冊子状媒体10の種類に応じて保持プレート32を交換して使用する態様が好ましい。保持プレート32を冊子状媒体10の種類に応じた専用ステージとすることで、ページ数などによる厚さの違いやサイズの違いなどによる影響を受けないで、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12を安定した状態で保持することができる。
【0050】
また、開口部36の幅Wを可変させることができるスライド部材を設け、冊子状媒体10の厚さに応じて開口部36の幅Wを可変させるようにしてもよい。この態様によれば、冊子状媒体10が薄い場合には、開口部36の幅Wを小さくすることにより、インクジェット記録用紙12の平面性を高めることができる。その一方で、冊子状媒体10が厚い場合でも、開口部36の幅Wを大きくすることにより、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12を見開き状態で保持可能となる。これにより、様々な厚さの冊子状媒体10を利用可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0051】
更に、本実施形態では、保持プレート32上に保持されたインクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止するために、上述したようにインクジェット記録用紙12の支持体14の少なくとも一部に磁性体16が設けられるとともに、保持プレート32の裏面側に永久磁石又は電磁石で構成される磁力発生部材34が設けられている。
【0052】
磁力発生部材34の形状及び配置は、インクジェット記録用紙12に設けられる磁性体16の配置形態に応じて適宜選択すればよい。具体的には、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12が見開きの状態で保持プレート32に保持された状態において、保持プレート32の表面側に配置されたインクジェット記録用紙12に設けられる磁性体16と磁力発生部材34を同一平面(例えば保持プレート32表面)上に投影した場合、磁性体16及び磁力発生部材34の少なくとも一部(より好ましくは全部)が重なるようにするとよい。
【0053】
例えば、図2及び図3に示した第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙12(記録用紙の全面にわたって磁性体16が設けられる態様)が用いられる場合には、保持プレート32の裏面全体、或いは、保持プレート32の裏面においてインクジェット記録用紙12の外側端部(冊子状媒体10の綴じ部10a側とは反対側の端部)に対応する位置に設けるとよい。
【0054】
図12では、保持プレート32の副走査方向両端部であって、インクジェット記録用紙12A、12Bの外側端部(冊子状媒体10の綴じ部10a側とは反対側の端部)にそれぞれ対応する位置に磁力発生部材34、34が設けられる場合を一例として示している。
【0055】
また、図13に示すように、インクジェット記録用紙12A、12Bの外側端部(冊子状媒体10の綴じ部10a側とは反対側の端部)に位置する隅部にそれぞれ対応する位置に正方形状の磁力発生部材34を設けるようにしてもよい。図13に示した構成は、図4及び図5に示した第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙12(インクジェット記録用紙12の四隅に磁性体16が設けられる態様)に特に好適な態様である。
【0056】
また、本実施形態では、保持プレート32の裏面側に磁力発生部材34が固着されているが、特にこれに限定されるものではなく、保持プレート32に磁力発生部材34が内蔵されていてもよい。
【0057】
図14は、保持プレート32に磁力発生部材34が内蔵される場合の構成例を示した構成図である。同図に示す構成によれば、保持プレート32に磁力発生部材34が内蔵されるので、保持プレート32の裏面側に設けられる場合に比べて、磁力発生部材34で発生する磁力がインクジェット記録用紙12の磁性体16により強く作用するので、インクジェット記録用紙12の浮き上がりをより確実に防止することができる。
【0058】
このように構成されるインクジェット記録装置30では、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12が見開きの状態で保持プレート32に保持された状態において、保持プレート32と各記録ヘッドを相対的に移動させながら、各記録ヘッドのノズルからインク液滴を吐出することにより、インクジェット記録用紙12上に画像記録が行われる。
【0059】
保持プレート32上に保持されたインクジェット記録用紙12に対する画像記録を終えた場合、他のページに対する画像記録を継続して実施する場合には、保持プレート32から冊子状媒体10を一旦取り外して、手動にてページ変更を行い、冊子状媒体10を保持プレート32にセッティングし直し、画像記録を再び行う。そして、全ての画像記録が終了するまで以上の動作を繰り返す。このようにして、フォトブックを作成することができる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、あらかじめ冊子状に製本加工された冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12に対してインクジェット記録方式による画像記録が行われるので、小規模小売店や家庭などにおいても、専用の製本機を必要とすることなく、フォトブックを容易に作成することができる。
【0061】
また、本実施形態では、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12が見開き状態で保持プレート32に保持される際、保持プレート32に設けられた磁力発生部材34で発生する磁力よってインクジェット記録用紙12が保持プレート32側に引き付けられるので、インクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止することができる。これにより、インクジェット記録用紙12の記録面の平面性を確保することができ、画像品質の向上を図ることができる。
【0062】
また、本実施形態では、冊子状媒体10を構成するインクジェット記録用紙12を見開き状態で保持するための媒体保持手段は、平板状部材(プレート部材)からなる保持プレート32が用いられているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、棒状部材を用いるようにしてもよい。
【0063】
図15は、棒状部材を用いて冊子状媒体10を見開きの状態で保持する場合の構成例を示した構成図である。図15に示す構成では、棒状の保持部材38A、38Bが所定の間隔をあけて平行に設けられ、更に、これらの外側には磁力発生部材34A、34Bが設けられている。そして、棒状の保持部材38A、38Bで冊子状媒体10の綴じ部10aを保持するとともに、印刷対象となるインクジェット記録用紙12A、12Bの外側端部(冊子状媒体10の綴じ部10aとは反対側の端部)を磁力発生部材34A、34Bで保持することにより、インクジェット記録用紙12の浮き上がりを防止して、インクジェットヘッドの吐出面に対向する記録面の平面性を確保することができる。
【0064】
また、本実施形態の好ましい態様として、フォトブック及びシート紙を印刷するための機構をそれぞれユニット化し、各ユニット(フォトブック印刷ユニット、シート紙印刷ユニット)を適宜入れ替えて使用することにより、1台のインクジェット記録装置でフォトブック及びシート紙の両方を印刷可能とするようにしてもよい。
【0065】
例えば、図16(a)に示すように、シート紙印刷ユニット60は、主として、シート紙54を供給するめの給紙部(給紙カセット)52と、給紙部52から供給されたシート紙54を描画部50に供給する搬送ローラ56と、描画部50に対向する位置でシート紙54の裏面を支持するプラテン58とを含んで構成される。また、図16(b)に示すように、フォトブック印刷ユニット70は、主として、保持プレート32と、磁力発生部材34とを含んで構成される。このように構成されるシート紙印刷ユニット60とフォトブック印刷ユニット70を適宜入れ替えて使用すればよい。
【0066】
なお、各ユニットの構成部材については、図16に示した例に限定されず、各部の形状やサイズに応じて適宜選択すればよい。
【0067】
このようにフォトブック及びシート紙を印刷するための機構をそれぞれユニット化して、各ユニットを入れ替えて使用することにより、1台のインクジェット記録装置でフォトブック及びシート紙を印刷することができる。これにより、省スペース化を図ることができ、特に家庭向けに適したインクジェット記録装置を提供することが可能となる。
【0068】
以上、インクジェット記録用紙、及びインクジェット記録装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】冊子状媒体の構成例を示した図
【図2】第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙を含む冊子状媒体の構成例を示した斜視図
【図3】第1の実施形態に係るインクジェット記録用紙の一部を示した断面図である
【図4】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙を含む冊子状媒体の構成例を示した斜視図
【図5】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の一部を示した断面図である
【図6】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第1の変形例を示した図
【図7】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第2の変形例を示した図
【図8】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第3の変形例を示した図
【図9】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第4の変形例を示した図
【図10】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第5の変形例を示した図
【図11】第2の実施形態に係るインクジェット記録用紙の第1の変形例を示した図
【図12】本発明に係るインクジェット記録装置の構成例を示した要部構成図
【図13】本発明に係るインクジェット記録装置の他の構成例を示した要部構成図
【図14】保持プレートと磁力発生部が一体的に構成される場合の構成例を示した構成図
【図15】棒状部材を用いて冊子状媒体を見開きの状態で保持する場合の構成例を示した構成図
【図16】本発明の応用例を説明するための図
【符号の説明】
【0070】
10…冊子状媒体、12…インクジェット記録用紙、14…中間層、16…磁性体、18…支持層、20…インク受容層、30…インクジェット記録装置、32…保持プレート、34…磁力発生部材、36…開口部、38…棒状部材、50…記録ヘッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙であって、
前記インクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも片面にインク受容層を有し、
前記支持体の少なくとも一部には磁性体が設けられていることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【請求項2】
冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙を見開き状態で保持する媒体保持手段と、
前記媒体保持手段に保持されたインクジェット記録用紙に対してインク液滴を打滴するインク打滴手段と、を備え、
前記媒体保持手段は、磁力を発生する磁力発生部材を含んで構成されることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記媒体保持手段は、平板状部材で構成され、
前記平板状部材の中央部には、前記冊子状媒体の綴じ部を挿入するための開口部が形成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載のインクジェット記録装置において、
前記平板状部材の両端部には、前記磁力発生部材が設けられていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載のインクジェット記録装置において、
前記平板状部材には、前記磁力発生部材が内蔵されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記媒体保持手段は、所定の間隔をあけて平行に配置された一対の棒状部材と、前記一対の棒状部材の外側にそれぞれ配置された磁力発生部材とを含んで構成され、
前記一対の棒状部材の間に前記冊子状媒体の綴じ部が挿入されるとともに、前記見開きページを構成するインクジェット記録用紙の端部は前記磁力発生部材で保持されることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項1】
冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙であって、
前記インクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも片面にインク受容層を有し、
前記支持体の少なくとも一部には磁性体が設けられていることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【請求項2】
冊子状に製本加工された冊子状媒体を構成するインクジェット記録用紙を見開き状態で保持する媒体保持手段と、
前記媒体保持手段に保持されたインクジェット記録用紙に対してインク液滴を打滴するインク打滴手段と、を備え、
前記媒体保持手段は、磁力を発生する磁力発生部材を含んで構成されることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記媒体保持手段は、平板状部材で構成され、
前記平板状部材の中央部には、前記冊子状媒体の綴じ部を挿入するための開口部が形成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載のインクジェット記録装置において、
前記平板状部材の両端部には、前記磁力発生部材が設けられていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載のインクジェット記録装置において、
前記平板状部材には、前記磁力発生部材が内蔵されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記媒体保持手段は、所定の間隔をあけて平行に配置された一対の棒状部材と、前記一対の棒状部材の外側にそれぞれ配置された磁力発生部材とを含んで構成され、
前記一対の棒状部材の間に前記冊子状媒体の綴じ部が挿入されるとともに、前記見開きページを構成するインクジェット記録用紙の端部は前記磁力発生部材で保持されることを特徴とするインクジェット記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−76311(P2010−76311A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248451(P2008−248451)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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