インクジェット記録装置
【課題】シートを押さえる当接部の上面側(記録部側)に付着したインクが下面側(プラテン側)へ流れることを抑制する。
【解決手段】当接部63は、プラテン50と、プラテン50の上側に配置された記録部45との間の隙間に配置されている。当接部63の上面である第1面81の周縁部からは、囲みリブ84が上向きへ突出されている。囲みリブ84及び第1面81により、インクを貯留する貯留部86が区画されている。囲みリブ84より内側において、第1面81からは、突出リブ83が上向きへ突出されている。当接部63または記録部45の少なくともいずれか一方が変位すると、当接部63は、突出リブ83において記録部45に当接する。記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクは、突出リブ83を伝って第1面81へ流れ込み、貯留部86に貯留される。
【解決手段】当接部63は、プラテン50と、プラテン50の上側に配置された記録部45との間の隙間に配置されている。当接部63の上面である第1面81の周縁部からは、囲みリブ84が上向きへ突出されている。囲みリブ84及び第1面81により、インクを貯留する貯留部86が区画されている。囲みリブ84より内側において、第1面81からは、突出リブ83が上向きへ突出されている。当接部63または記録部45の少なくともいずれか一方が変位すると、当接部63は、突出リブ83において記録部45に当接する。記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクは、突出リブ83を伝って第1面81へ流れ込み、貯留部86に貯留される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラテンからのシートの浮き上がりを抑制してシートに画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送向きへ搬送されるシートを支持するプラテンと、搬送向きと直交する走査方向へ往復動可能な記録部とを備えており、プラテン上のシートに記録部からインク滴を吐出して画像記録を行うインクジェット記録装置が知られている。この種のインクジェット記録装置には、プラテンからのシートの浮き上がりを抑制する当接部を備えたものがある(特許文献1参照)。当接部は、プラテンと記録部との間の隙間に配置されており、搬送されるシートに当接することにより、プラテンからのシートの浮き上がりを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−69264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
隙間を小さくした方が、プラテン上のシートと記録部との間の距離が短くなり、画像記録の精度が良くなる。しかしながら、隙間を小さくすると、当接部が記録部に近接する。そうすると、当接部が記録部と接触するおそれが生じる。記録部には、インクミストなどにより、インクが付着していることがある。そうすると、記録部と当接部との接触により当接部にインクが付着する。当接部にインクが付着すると、記録部の下側にプラテンを配置した場合に、インクが当接部の表面を伝って記録部側からプラテン側の裏面へ移動し、シートを汚してしまう。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、当接部に付着したインクがプラテン側へ流れることを抑制できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明のインクジェット記録装置は、上下方向と交差する第1方向へ往復動可能に設けられており、下方へ向けてインク滴をノズルから吐出する記録部と、上記記録部の下側に上記記録部から間隔をあけて配置されており、上下方向及び上記第1方向と交差する搬送向きへ搬送されるシートを支持するプラテンと、上記ノズルより搬送向き上流側であって、且つ上記記録部の搬送向き上流側端より下流側となる位置に配置されており、上記プラテン上を搬送されるシートの上面に当接する当接部と、を備えている。上記当接部は、上記記録部側に設けられたインクを貯留する貯留部と、上記貯留部の上記第1方向の両端の間となる位置に配置されており、上記記録部側から上向きへ突出し、突出の先端が当該当接部の最上端となる第1突出部と、を有する。
【0007】
搬送されるシートは、上面において当接部に当接することにより、プラテンからの浮き上がりを抑制されて搬送される。記録部と当接部とが近づく向きへ記録部または当接部の少なくとも一方が変位すると、当接部は、第1突出部において記録部に当接する。そうすると、記録部にインクが付着している場合に、第1突出部にインクが付着する。第1突出部に付着したインクは、第1突出部を伝って貯留部へ流れ、貯留部に溜まる。貯留部により、当接部の下面側へインクが流れることが抑制される。
【0008】
(2) 上記当接部は、上記プラテンの上面に沿って広がる形状であり、上記貯留部は、上記当接部の上記記録部側の周縁に沿って上向きへ突出する第2突出部を有しており、上記第1突出部は、上記第2突出部より内側に設けられたものであってもよい。
【0009】
第1突出部から当接部の上面へ流れたインクは、第2突出部により、下面側への移動が抑制される。
【0010】
(3) 上記貯留部は、中央部が周縁部よりも下方に位置する湾曲面で構成されており、上記第1突出部は、上記中央部から上向きへ突出されたものであってもよい。湾曲する貯留部の上面によりインクを貯留できる。
【0011】
(4) 上記貯留部は、上記当接部の周縁に沿って下側に凹んだ第1溝を有するものであり、上記当接部は、上記第1溝より内側に設けられたものであってもよい。第1突出部に付着したインクは、第1溝へ流れ込み、第1溝に貯留される。第1溝は、当接部の周縁に沿って設けられているので、インクが当接部の下面側へ流れることを抑制できる。
【0012】
(5) 上記第1突出部は、上記搬送向きに沿って延びており、上記貯留部は、上記第1突出部の側部から上記第1方向に沿って下側に凹んだ複数の第2溝を有するものであってもよい。
【0013】
第1突出部に付着したインクは、第1突出部を伝って第2溝に至り、毛細管現象により第2溝内を拡散される。よって、第1突出部の近傍にインクが集中して溜まることがなく、当接部と記録部とが再度当接したときに、第1突出部から記録部へインクが移ることを抑制できる。
【0014】
(6) 上記貯留部は、上記第2溝の上記第1突出部側とは反対側の端部と上記当接部の上記記録部側の周縁との間に、下側に凹んだ第1溝を有するであってもよい。第2溝により拡散したインクが当接部の下面側へ移動することを抑制できる。
【0015】
(7) 上記貯留部は、上記記録部側から下側へ凹む複数の凹部または上記記録部側から上側へ突出する複数の凸部の少なくともいずれか一方を有するものであってもよい。複数の凹部または凸部により、当接部とインクとの接触面積が増えるので、当接部に振動等が加えられても、インクを確実に保持できる。
【0016】
(8) 上記プラテンは、上記搬送向きへ延び、且つ上記第1方向へ離間されて配置され、且つ上端が上記当接部の下端より上方に位置する複数の支持リブを有しており、当該支持リブの上端においてシートを支持するものであり、上記当接部は、上記第1方向における上記支持リブの間に配置されたものであってもよい。
【0017】
搬送されるシートは、当接部と支持リブとの間を通過する際に、当接部と支持リブとに互いに反対向きに押さえられ、支持リブに押し上げられた部分を「山」とし、当接部に押し下げられた部分を「谷」とする波形状にされる。波形状にされたシートは、腰が強くなる。その結果、プラテンからのシートの浮き上がりを更に抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、記録部に当接する第1突出部と、インクを貯留する貯留部とを当接部の上面側に設けることにより、第1突出部に付着したインクが下面側へ流れてシートを汚すことを抑制できる。その結果、記録部とプラテンとの間隔を狭くして画像記録の精度を良くできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】インクジェット記録装置10の斜視図である。
【図2】本体13の模式的な縦断面図である。
【図3】記録ヘッド46の下面図である。
【図4】本体13の一部の斜視図である。
【図5】当接部材60を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図、(E)は下面図、(F)は斜視図である。
【図6】(A)は、図5(B)におけるVIA−VIA断面の一部拡大図であり、(B)は、図5(A)におけるVIB−VIB断面の一部拡大図である。
【図7】当接部材70を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図、(E)は下面図、(F)は斜視図である。
【図8】(A)はガイドレール92の一部の平面図であり、(B)は第1孔98に挿入突起65を挿入した状態を示す図であり、(C)は当接部材60がガイドレール92に取り付けられた状態を示す図であり、(D)は(C)のD−D断面図である。
【図9】(A)は変形例1の当接部63の前後方向8と直交する断面図であり、(B)は変形例2の当接部63の前後方向8と直交する断面図であり、(C)は変形例3の当接部63の前後方向8と直交する断面図である。
【図10】(A)は変形例4のプラテン50の前後方向8と直交する断面図であり、(B)は変形例5のプラテン50が第2位置にある状態における前後方向8と直交する断面図である。
【図11】変形例5の本体13の一部が破断した斜視図である。
【図12】変形例5の動作を説明する動作説明図であり、(A)は前後方向8に直交するプラテン50の断面図であり、(B)は第1位置にあるプラテン50の縦断面図であり、(C)は第1位置と第2位置との間の位置にあるプラテン50の縦断面図であり、(D)は第2位置にあるプラテン50の縦断面図である。
【図13】変形例6の動作を説明する当接部材60の縦断面図であり、(A)は第3位置を示しており、(B)は第4位置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明がされる。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲において実施形態が適宜変更されてもよい。以下の説明においては、図1に示されるように、インクジェット記録装置10を使用可能に設置した状態を基準として上下方向7が定義されている。また、操作パネル16がインクジェット記録装置10の側面に設けられており、当該側面をインクジェット記録装置10の前面(正面)として前後方向8が定義されている。また、インクジェット記録装置10を前面側から見て左右方向9が定義されている。
【0021】
[インクジェット記録装置10の概要]
図1に示されるように、インクジェット記録装置10は、記録用紙や、光沢紙や、葉書等であるシート6(図2)に画像を記録するプリンタ部11と、原稿(不図示)に記録された画像を取り込むスキャナ部12と、を備えており、プリント、スキャン、コピー等を実行可能である。スキャナ部12は任意の構成であり、詳細な説明は省略される。
【0022】
[プリンタ部11の概要]
図1に示されるように、プリンタ部11は、本体13と、本体13の下部に収容された給紙カセット20と、を備えている。図2に示されるように、給紙カセット20には、シート6が載置される。本体13の筐体14(図1)内には、図2に示される給送部40、搬送路31、搬送ローラ対34、排紙ローラ対37、当接部材60,70及び記録部45が設けられている。本体13は、給送部40によりシート6を搬送路31へ送り出し、送り出されたシート6を搬送ローラ対34により搬送し、搬送されるシート6を当接部材60,70により押さえ、押さえられたシート6に記録部45からインク滴を吐出して画像記録を行う。画像が記録されたシート6は、排紙ローラ対37により給紙カセット20の排紙トレイ29へ排出される。以下、プリンタ部11の各構成について説明がされる。
【0023】
[筐体14]
図1に示されるように、筐体14は、給紙カセット20が挿抜される挿抜口15を前後方向8における前面に有している。給紙カセット20は、挿抜口15から前後方向8へスライド可能である。
【0024】
[給紙カセット20]
図1に示されるように、給紙カセット20は、筐体14の下部に収容されており、前後方向8へスライド可能である。図2に示されるように、給紙カセット20は、画像記録前のシート6を保持するメイントレイ21と、画像記録後のシート6を受ける排紙トレイ29と、を備えている。排紙トレイ29は、メイントレイ21の上側に配置され、メイントレイ21に支持されている。
【0025】
図2に示されるように、メイントレイ21は、シート6が載置される底板22と、前後方向8における底板22の後端から後方斜め上へ向かって延びる傾斜板26と、を備えている。傾斜板26は、給送部40により送り出されるシート6を搬送路31へ案内する。底板22には、シート6をセンタ合わせにより位置決めし、給送部40により送り出されるシート6の斜行を抑制するサイドガイド機構27が設けられている。センタ合わせとは、種々のサイズのシート6の左右方向9(図2の紙面に垂直な方向)における中央を左右方向9における底板22の中央に一致させる位置合わせを意味する。
【0026】
[給送部40]
図2に示されるように、給送部40は、不図示のフレームに回転可能に支持された支軸41と、支軸41に一端部が回動可能に支持されて支軸41から後方斜め下へ向かって延びるアーム42と、アーム42の他端部に回転可能に支持された給送ローラ43と、を備えている。アーム42には、支軸41の回転を給送ローラ43に伝達する複数のギア44が設けられている。
【0027】
支軸41が不図示の駆動モータにより回転されると、支軸41との摩擦力によりアーム42が支軸41と一体に回動され、給送ローラ43がメイントレイ21上のシート6に当接される。また、給送ローラ43は、ギア44を介して支軸41により回転される。そうすると、シート6は、前後方向8における後向きへ送り出される。送り出されたシート6は、メイントレイ21の傾斜板26により搬送路31へ案内される。
【0028】
[搬送路31]
図2に示されるように、搬送路31は、シート6が搬送される通路であり、複数のガイド部材(不図示)及びプラテン50により区画されている。搬送路31は、1点鎖線により示される湾曲路32と、2点鎖線により示される直線路33と、を有している。湾曲路32は、メイントレイ21の傾斜板26の上端を基端として上方へ向かい、次いで湾曲して前後方向8における前方へ向かって延びている。直線路33は、湾曲路32の終端から前後方向8における前方へ向かって直線状に延びている。直線路33の下面は、プラテン50により区画されている。
【0029】
[プラテン50]
図2に示されるように、プラテン50は、上下方向7を厚みとする板状であって、給紙カセット20の上側に配置されている。図4に示されるように、プラテン50の上面からは、シート6を支持する複数の支持リブ51が上向きへ突出されている。支持リブ51は、搬送されるシート6を支持できるように、前後方向8へ延びて設けられている。また、支持リブ51は、左右方向9へ互いに離間され、且つ左右方向9におけるプラテン50の中央部を基準に左右対称となる位置に配置されている。これは、サイドガイド機構27によりセンタ合わせで位置決めされた種々のサイズのシート6を左右対称な位置において支持するためである。
【0030】
[ガイドレール92,93]
図4に示されるように、プラテン50の上側には、記録部45が架設される前後一対のガイドレール92,93が配置されている。ガイドレール92,93には、左右方向9へ延びる鋼板が用いられている。前後方向8における後側のガイドレール92と、前側のガイドレール93とは、前後方向8へ離間されて配置されている。ガイドレール92,93は、左右方向9における両端において不図示のフレームに支持されている。ガイドレール92,93は、架設された記録部45を左右方向9へ往復動可能に支持している。
【0031】
図4に示されるように、ガイドレール92には、後述する当接部材60,70の挿入突起65,75(図5,7)が挿入される複数の挿入孔97が設けられている。図8(A)に示されるように、挿入孔97は、前後方向8へ延びる第1孔98と、前後方向8における第1孔98の中央部から左右方向9における左方へ向かって延びる第2孔99と、を有している。挿入突起65,75は、図8(B)に示されるように、ガイドレール92の下側から第1孔98に挿入された後、左右方向9における左向きへ移動され、図8(C),(D)に示されるように第2孔99に嵌め込まれる。
【0032】
図4に示されるように、ガイドレール92には、左右方向9において当接部材60,70を係止する複数の係止孔92Bが設けられている。1つの当接部材60(当接部材70)に対応して1つの係止孔92Bが設けられている。なお、図4において、一部の係止孔92Bにのみ符号が付されている。係止孔92は、前後方向8における後側の2個の挿入孔97の中間となる位置に設けられている。係止孔92Bには、当接部材60,70に設けられた係止凸部121が嵌め込まれる。詳しくは後述される。
【0033】
[記録部45]
図2に示されるように、記録部45は、キャリッジ48と、キャリッジ48に搭載された記録ヘッド46と、を備えており、プラテン50の上側に間隔を空けて配置されている。記録部45とプラテン50との間に隙間Gが形成されている。
【0034】
図4に示されるように、キャリッジ48は、ガイドレール92,93間に架設されており、左右方向9へ往復動可能にガイドレール92,93に支持されている。キャリッジ48は、不図示のベルトに固着されている。このベルトは、ガイドレール93に設けられており、不図示の駆動モータにより周運動され、キャリッジ48を左右方向9へ往復動させる。
【0035】
図2に示されるように、記録ヘッド46は、キャリッジ48に搭載され、プラテン50の上側に位置している。図3に示されるように、記録ヘッド46は、インク滴を吐出する複数のノズル47を下面に有している。記録ヘッド46は、プラテン50上のシート6へノズル47からインク滴を吐出することにより、シート6に画像を記録する。
【0036】
[搬送ローラ対34]
図2に示されるように、搬送ローラ対34は、プラテン50より搬送向き19における上流側(前後方向8における後側)であって、且つガイドレール92(図4)の下側に、ニップ位置(挟持位置)をプラテン50に近接させて配置されている。搬送ローラ対34は、搬送ローラ35と、搬送ローラ35の下側に配置された従動ローラ36と、を備えている。
【0037】
搬送ローラ35は、左右方向9(図2の紙面に直交する方向)へ延びる回転軸35Aに設けられており、回転軸35Aと一体に回転される。左右方向9における回転軸35Aの両端部は、不図示のフレームに回転可能に支持されている。従動ローラ36は、不図示のホルダに回転可能に支持されている。このホルダは、不図示の弾性部材に上向きへ付勢されている。従動ローラ36は、この弾性部材により、上側に配置された搬送ローラ35に圧接されている。回転軸35Aが不図示の駆動モータにより回転されると、搬送ローラ対34は、シート6をニップし、搬送向き19へシート6を搬送する。
【0038】
[排紙ローラ対37]
図2に示されるように、排紙ローラ対37は、プラテン50より搬送向き19における下流側(前後方向8における前側)であって、且つガイドレール93の下側に配置されている。排紙ローラ対37は、複数の排紙ローラ38と、排紙ローラ38の上側に配置された複数の拍車39と、を備えている。
【0039】
排紙ローラ38は、左右方向9(図2の紙面に直交する方向)へ延びる回転軸38Aに設けられており、回転軸38Aと一体に回転される。左右方向9における回転軸38Aの両端部は、不図示のフレームに回転可能に支持されている。拍車39は、不図示の弾性軸に回転可能に支持されている。この弾性軸の軸方向の両端部は、ガイドレール93に保持された不図示の保持部材に支持されている。拍車39は、撓んだ弾性軸により、排紙ローラ38に圧接されている。回転軸38Aが不図示の駆動モータにより回転されると、排紙ローラ対37は、シート6をニップし、排紙トレイ29へシート6を排出する。
【0040】
[当接部材60]
図2に示される当接部材60,70は、搬送されるシート6が反ってプラテン50から浮き上がることを抑制する部材である。図4に示されるように、複数の当接部材60は、左右方向9へ互いに離間されて配置されている。また、複数の当接部材60は、左右方向9におけるプラテン50の中央を基準に左右対称となる位置にそれぞれ配置されている。これは、センタ合わせにより位置決めされる種々のサイズのシート6を左右対称な位置において押さえるためである。以下、図5,6,8を参照して当接部材60について説明がされる。なお、図5,6,8に示される上下方向7、前後方向8及び左右方向9は、当接部材60をガイドレール92に取り付けた状態における方向である。
【0041】
図5に示されるように、当接部材60は、ガイドレール92に取り付けられる取付部61と、シート6を押さえる当接部63と、取付部61及び当接部63を繋ぐ湾曲部62と、を備えている。当接部材60は、当接部63及び後述の弾性部120が弾性変形可能なように、弾性を有する樹脂材料により成型されている。当接部63及び弾性部120の弾性変形については後述される。
【0042】
取付部61は、上下方向7を厚みとする板状の外形を呈している。取付部61の上面からは、補強用の複数の補強リブ64と、ガイドレール92の挿入孔97(図8(A))に挿入される4つの挿入突起65とが上向きへ突出されている。4つの挿入突起65は、前後方向8及び左右方向9に2個ずつ並ぶ位置に配置されている。4つの挿入突起65が設けられるのは、4点支持により取付部61を確実に支持するためである。
【0043】
挿入突起65の突出の先端部(上端部)には、ガイドレール92(図8(D))の上面に引っ掛かる前後一対の爪66,67が設けられている。爪66は、挿入突起65の上端部から前後方向8における前方へ向かって突出されている。爪67は、挿入突起65の上端部から前後方向8における後方へ向かって突出されている。
【0044】
前後方向8における取付部61の後端からは、上下方向7において可撓性を有する板状の弾性部120が後方へ向かって延びている。弾性部120の突出の先端部(前後方向8における後端部)の上面からは、ガイドレール92に設けられた上述の係止孔92Bに嵌る係止凸部121が上向きへ突出されている。
【0045】
当接部材60のガイドレール92への取り付けは、まず、挿入突起65をガイドレール92の下側から挿入孔97の第1孔98に挿入する(図8(B))。次に、当接部材60を左右方向9における左向きへ移動させる。そうすると、係止凸部121がガイドレール92の下面に当接して弾性部120が撓む。当接部材60をさらに左向きへ移動させて挿入突起65を第2孔99に嵌め込むと(図8(C),(D))、弾性部120の弾性力により、係止凸部121が係止孔92Bに嵌め込まれる。これにより、当接部材60は、前後方向8及び左右方向9において係止され、上下方向7においては若干移動可能である。具体的には、当接部材60は、爪66,67がガイドレール92の上面に当接する下限位置と、補強リブ64の上端がガイドレール92の下面に当接する上限位置との間において上下方向7へ移動可能にガイドレール92に支持されている。取付部61は、下限位置において後述の当接部63がプラテン50の上面に当接せず、上限位置(図6(A))において当接部63が支持リブ51の上端より上方であって、且つ記録部50の下面より下方となる高さ位置においてガイドレール92に取り付けられている。このように当接部材60をガイドレール92に取り付けるのは、ネジなどの固着具を用いずに、部品点数を減らすと共に取り付け作業を容易にし、且つ当接部63の高さ位置(上限位置)をガイドレール92を基準にして、正確に位置決めするためである。
【0046】
当接部材60は、外力が加えられていないときは、自重により下限位置にある。当接部材60は、搬送されるシート6が後述の当接部63に当接すると、下限位置から上限位置へ移動される。詳しくは後述される。
【0047】
図5に示されるように、湾曲部62は、円弧状に湾曲しながら下方へ向かって延びている。これは、ガイドレール92(図4)の下側に配置された搬送ローラ35(図4)と湾曲部62との接触を回避するためである。湾曲部62は、撓みを抑えるために、補強リブ68により補強されている。
【0048】
湾曲部62の下端には、搬送されるシート6の搬送向き19における下流端(以下、単にシート6の先端と記載される)を当接部63へ案内する案内面69が設けられている。詳しく説明すると、案内面69は、搬送ローラ対34(図2)のニップ位置の前方斜め上から前方斜め下へ向かって延びる傾斜面に形成されている。案内面69からは、案内面69の延びる向き(前方斜め下向き)へ延びる3つのガイドリブ69Aが下向きへ突出されている。ガイドリブ69Aは、左右方向9における案内面69の両端部と中央部とにそれぞれ設けられている。搬送ローラ対34により搬送されたシート6の先端は、ガイドリブ69Aの突出の先端(下端)に当接し、当接部63へ案内される。
【0049】
図5に示されるように、当接部63は、湾曲部62の下端部の前後方向8における前面から前方斜め下へ向かって延びる板状であって、前方へ向かうにつれてプラテン50(図2)の上面に近づくように水平面に対して若干傾斜されている。前後方向8における当接部63の前端は、前後方向8における記録ヘッド46のノズル47(図3)の後側(搬送向き19にける上流端側)であって、且つ前後方向8におけるキャリッジ48の後端より前側(搬送向き19における上流端より下流側)に位置しており、ノズル47に近接している。複数の当接部材60は、当接部63が上下方向7及び前後方向8において同じ位置となるようにガイドレール92に取り付けられている。
【0050】
当接部63が傾斜されているのは、搬送されるシート6(図2)を前後方向8における当接部63の前端へスムーズに案内するためである。また、当接部63が板状にされているのは、上下方向7における距離が短くされた隙間G(図2)に当接部63を配置し、且つ当接部63の強度を確保するためである。前後方向8における当接部63の前端をノズル47(図3)に近接させるのは、ノズル47に近い位置においてシート6を押さえて画像記録の精度を良くするためである。
【0051】
当接部63は、上下方向7へ撓み易いように、前後方向8における前方へ向かうにつれて左右方向9における両端が互いに近づくように傾斜する先細りの形状にされている。前後方向8における当接部63の前端部は、先細りの形状にされることにより、厚みが若干厚いシート6が搬送されたときに撓み、厚いシート6が当接部63とプラテン50(図2)との間において詰まることを抑制する。
【0052】
当接部63の下面である第2面82からは、当接部63が延びる向き(前方斜め下向き)へ延びる3つの当接リブ63Aが下向きへ突出されている。当接リブ63Aは、左右方向9における両端部と中央部とにそれぞれ設けられており、湾曲部62のガイドリブ69Aと繋がっている。当接リブ63Aは、搬送されるシート6の上面に当接し、シート6を上面側から押さえる。当接リブ63Aが設けられたことにより、当接部材60とシート6との接触面積が減り、シート6の搬送抵抗が小さくなる。その結果、画像記録の精度が良くなる。
【0053】
図6に示されるように、当接部63の上面である第1面81の周縁からは、囲みリブ84(本発明の第2突出部の一例)が上向きへ突出されている。囲みリブ84は、左右方向9における第1面81の両端部及び前後方向8における第1面81の前端部に繋がって設けられている。囲みリブ84は、第1面81と共に、インクを貯留する貯留部86を区画している。
【0054】
左右方向9における第1面81の中央部からは、当接部63が傾斜する向き(前方斜め下向き)へ延びる突出リブ83(本発明の第1突出部の一例)が上向きへ突出されている。第1面81からの突出リブ83の突出量L1は、第1面81からの囲みリブ84の突出量L2よりも大きくされている。よって、記録部45と当接部63とが近づく向きへ記録部45または当接部63の少なくともいずれか一方が変位すると、当接部63は、突出リブ83において記録部45に当接する。このとき、記録部45の下面にインクミストなどによりインクが付着していると、このインクが突出リブ83の上端に付着する。突出リブ83に付着したインクは、重力により、突出リブ83の表面を伝って第1面81へ流れ込む。突出リブ83に付着したインクが囲みリブ84の上端へ流れ込まないように、突出リブ83は、囲みリブ84より内側に設けられており、囲みリブ84から離間されている。
【0055】
第1面81に流れ込んだインクが突出リブ83の近傍に溜まらないように、第1面81に複数のリブ85が設けられている。詳しく説明がされる。リブ85は、左右方向9における突出リブ83の両側にそれぞれ複数ずつ設けられている。リブ85は、左右方向9へ延びており、前後方向8へ互いに離間されて設けられている。リブ85の左右方向9の一方の端は突出リブ83まで延びており、他方の端は囲みリブ84から離間されている。リブ85の第1面81からの突出量L3は、リブ85が記録部45に当接しないように、突出リブ83の突出量L1より小さくされている。隣り合う2つのリブ85により、第2溝102が構成されている。突出リブ83に付着したインクは、突出リブ83を伝って第2溝102へ流れ込み、毛細管現象により第2溝102内を拡散し、リブ85と囲みリブ84とにより構成された第1溝101へ流れ込む。これにより、突出リブ83に付着したインクが突出リブ83の近傍に溜まることがなくなる。そうすると、突出リブ83と記録部45とが再び当接したときに、突出リブ83から記録部45へインクが移動することを抑制できる。
【0056】
[当接部材70]
図4に示されるように、当接部材70は、左右方向9におけるプラテン50の両端部の上側にそれぞれ配置されている。そのため、当接部材70は、当接部材60と形状が若干変えられている。以下、図7を参照して詳しく説明される。なお、図7に示される上下方向7、前後方向8及び左右方向9は、当接部材70をガイドレール92に取り付けた状態における方向である。
【0057】
当接部材70は、取付部71、湾曲部72、及び当接部73を備えている。取付部71には、当接部材60と同様に、補強用の補強リブ74、挿入突起75、弾性部120及び係止凸部121が設けられている。取付部71は、前後方向8における前側の2つの挿入突起75に爪77が設けられていない他は、当接部材60の取付部61とほぼ同じ構成を有している。前側の2つの挿入突起75に爪77が設けられていないのは、他部材との緩衝を回避するためである。取付部71は、4個の挿入突起75、爪76,77及び補強リブ74により、当接部材60の取付部61と同様に、ガイドレール92に取り付けられている。
【0058】
湾曲部72は、補強用の補強リブ78、案内面79及びガイドリブ79Aを有しており、当接部材60の湾曲部62とほぼ同形状に形成されている。
【0059】
当接部73は、前後方向8における前端が後端よりも下方に位置するように水平面に対して若干傾斜された矩形板状である。前後方向8における当接部73の前端(下端)は、前後方向8における当接部63の前端(下端)と、上下方向7及び前後方向8において同じ位置に位置している。
【0060】
当接部73の上面である第1面81側には、当接部材60と同様に、突出リブ83、囲みリブ84及びリブ85が設けられている。また、当接部73の下面である第2面82からは、当接部73が傾斜する向き(前方斜め下向き)へ延びる3つの当接リブ73Aが下向きへ突出されている。当接リブ73Aは、左右方向9における当接部73の両端部と中央部とにそれぞれ設けられており、湾曲部72のガイドリブ79Aと繋がっている。当接リブ73Aは、搬送されるシート6の上面に当接し、シート6を押さえる。
【0061】
当接部材70は、シート6(例えば、A4サイズ、リーガルサイズ)の左右方向9における左端または右端が2つの当接リブ73Aの間となる位置に配置されている。よって、左右方向9における片方の当接リブ73Aにしかシート6が当接しない場合がある。そうすると、当接部73を当接部63のように先細りの形状とすると、ノズル47(図3)の近傍までシート6を押さえることができなくなる。よって、当接部73は、先細りの形状とされておらず、矩形板状にされている。当接部材70は、当接リブ73Aにより、左右方向9におけるシート6の両端より内側において、ノズル47の近傍までシート6を押さえる。なお、前後方向8における当接部73の前端部の左右方向9における中央部には、前端から切り欠いた形状の切欠部73Bが設けられている。切欠部73Bにより、左右方向9における当接部73の中央部に設けられた当接リブ73Aの前後方向8における前端は、左右両側の当接リブ73Aの前端より後方に位置することになる。
【0062】
[実施形態の動作]
図2を参照してインクジェット記録装置10の動作が説明される。メイントレイ21に載置されたシート6は、給送ローラ43により搬送路31へ送り出される。送り出されたシート6は、搬送ローラ対34により搬送される。搬送ローラ対34のニップ位置を通過したシート6の先端は、当接部材60,70のガイドリブ69A,79A(図5,7)により当接部63,73へ案内される。案内されたシート6は、下限位置にある当接部材60,70を上限位置まで持ち上げる。上限位置へ移動された当接部材60,70は、当接部63,73の当接リブ63A,73Aによりシート6を上側から押さえ、プラテン50からのシート6の浮きを抑制する。シート6の先端部が記録ヘッド46のノズル47(図3)の下方となる位置に到達すると、搬送ローラ35の回転が停止される。その後、キャリッジ48が左右方向9へ往復動されながら、ノズル47からシート6にインク滴が吐出され、1行の印刷が行われる。1行の印刷が行われた後、搬送ローラ35が回転され、シート6が1行分だけ搬送される。1行の印刷と1行分のシート6の搬送とが交互に繰り返され、シート6に画像が記録される。画像が記録された後、シート6は、排紙ローラ対37により、排紙トレイ29に排出される。また、シート6が当接部材60,70を通過すると、上限位置にあった当接部材60,70は、自重により下限位置に戻る。
【0063】
記録部45が下方へ変位し、または、当接部63,73が撓むなどして上方へ変位すると、当接部63,73は、突出リブ83(図6)において記録部45に当接する。記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクは、突出リブ83を伝って第2溝102(図6)へ流れ込む。第2溝102へ流れ込んだインクは、毛細管現象により第2溝102内を流れ第1溝101へ流れ込む。インクは、第1溝101及び第2溝102(貯留部86)において貯留される。
【0064】
[実施形態の効果]
本実施形態では、当接部63の第1面81側にインクを貯留する貯留部86が設けられており、記録部45と当接する突出リブ83は、貯留部86を区画する囲みリブ84の内側に設けられている。よって、記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクは、突出リブ83を伝って貯留部86へ流れ込み、貯留部86に貯留される。貯留部86に貯留されることにより、インクが第2面82側へ流れることを抑制できる。その結果、当接部材60,70に付着したインクによりシート6が汚れることを抑制できる。よって、上下方向7における隙間Gの距離を短くして画像記録の精度を良くできる。
【0065】
また、第1面81に複数のリブ85が設けられたことにより、突出リブ83の近傍にインクが集中して留まることを抑制でき、その結果、突出リブ83と記録部45とが再度当接したときに突出リブ83から記録部45へインクが移動することを抑制できる。
【0066】
[変形例1]
上述の実施形態では、第1面81が平面に形成された例が説明された。本変形例では、図9(A)に示されるように、第1面81が湾曲面に形成された例が説明される。第1面81及び第2面82は、左右方向9における中央が左右両端より下方に位置する円弧状の湾曲面に形成されている。第2面82からは、実施形態と同様に、3つの当接リブ63Aが下向きへ突出されている。
【0067】
前後方向8における第1面81の前端部からは、不図示のリブが上向きへ突出されている。このリブは、左右方向9における第1面81の両端まで延びている。このリブ及び第1面81により、貯留部86が区画されている。突出リブ83は、左右方向9における第1面81の中央部に、当接部63が傾斜する向き(前方斜め下向き)へ延びて設けられている。
【0068】
本変形例では、上述の実施形態と同様に、記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクを貯留部86に貯留し、第2面82側へ流れることを抑制できる。
【0069】
[変形例2]
本変形例では、実施形態及び変形例1における複数のリブ85の代わりに、図9(B)に示される半球状の複数の凸部88A及び凹部88Bが第1面81に設けられた例が説明される。複数の凸部88Aは、第1面81から上向きへ突出されている。凹部88Bは、第1面81から凹んでいる。複数の凸部88A及び凹部88Bは、第1面81の全面に渡って設けられている。凸部88A及び凹部88Bにより、第1面81へ流れ込んだインクと当接部63との接触面積が大きくなる。その結果、当接部63に振動等が加えられた場合でも、インクを確実に保持できる。なお、凸部88A及び凹部88Bは、インクとの接触面積を大きくできればよいので、半球状の他、半楕円球状や角柱状など種々の形状に形成し得る。
【0070】
本変形例では、複数の凸部88A及び凹部88Bが設けられた例が説明された。しかしながら、凸部88Aのみ、または凹部88Bのみが第1面81に設けられていてもよい。
【0071】
[変形例3]
本変形例では、囲みリブ84の代わりに、第1面81の周縁部に図9(C)に示される第1溝89が設けられた例が説明される。第1溝89は、左右方向9における第1面81の両端部及び前後方向8における第1面81の前端部に、第1面81から凹んで設けられている。第1溝89により、貯留部86が区画されている。突出リブ83は、上述の実施形態と同様に設けられている。
【0072】
突出リブ83から第1面81へ流れ込んだインクは、第1面81上を流れ、第1溝89へ流れ込み、第1溝89内を毛細管現象により広がる。
【0073】
本変形例においても、上述の実施形態と同様に、記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクを貯留部86(第1溝89)に貯留し、第2面82側へ流れることを抑制できる。
【0074】
本変形例において、第1溝89より内側の第1面81に、変形例2において説明された複数の凸部88Aや凹部88Bが設けられていてもよい。
【0075】
[変形例4]
上述の実施形態では、上限位置にある当接部63,73の下端が支持リブ51の上端よりも上方に位置する例が説明された。本変形例では、上限位置にある当接部63,73の下端が支持リブ51の上端よりも下方に位置し、当接部63,73と支持リブ51とによって、普通紙などの腰の弱いシート6を波形状にして搬送する例が説明される。
【0076】
図10(A)に示されるように、プラテン50の支持リブ51は、左右方向9において隣り合う2つの当接部材60の中間となる位置に設けられている。これは、波の山の頂点と谷の頂点との間の距離を同じにし、記録ヘッド46の制御を容易にするためである。記録ヘッド46は、波形状により周期的に変化するシート6とノズル47(図3)との距離を考慮してインク滴を吐出することにより、画像記録の精度を良くする。よって、波の山の頂点と谷の頂点との間の距離を同じにした方が、記録ヘッド46の制御が容易になる。
【0077】
搬送されるシート6を波形状にするために、プラテン50の支持リブ51は、突出の先端(上端)が上限位置における当接リブ63A,73Aの下端(前後方向8における前端)よりも上方に位置するように設けられている。搬送されるシート6は、当接部63,73を通過する際に、支持リブ51により支持され、当接リブ63A,73Aにより押し下げられる。シート6は、支持リブ51及び当接リブ63A,73Aにより、支持リブ51により支持された部分を「山」とし、当接リブ63A,73Aにより押し下げられた部分を「谷」とする波形状にされる。波形状にされたシート6は、上方へ反ることを抑制されて搬送される。
【0078】
[変形例5]
本変形例では、変形例4の構成において、普通紙などの腰の弱いシート6だけでなく、光沢紙や厚紙などのシート6(図10(B))にも画像を記録できるように、プラテン50が回動可能に設けられている。詳しく説明がされる。図11に示されるプラテン50は、前後方向8における前端部において排紙ローラ38の回転軸38Aに回動可能に支持されている。よって、前後方向8におけるプラテン50の後端部は、上下に変位可能である。プラテン50は、支持リブ51の上端が、上限位置にある当接部63,73の下端(前後方向8における前端)より上方に位置する図10(A)の第1位置、及び支持リブ51の上端が、上限位置にある当接部63,73の下端より下方に位置する図10(B)の第2位置に回動される。
【0079】
図11に示されるように、前後方向8におけるプラテン50の後端部の下側には、プラテン50を第1位置側(上向き)へ付勢するコイルバネ113が配置されている。コイルバネ113の下端は、不図示のフレームに設けられた中板112に当接して支持されている。コイルバネ113の上端はプラテン50の下面に当接している。プラテン50は、コイルバネ113に第1位置側(上向き)へ付勢され、従動ローラ36を回転可能に保持するホルダ114に当接し、第1位置となっている。
【0080】
図10(B)に示されるように、光沢紙などの非常に腰の強いシート6が搬送されると、プラテン50は、シート6により第1位置から第2位置に回動される。シート6は、プラテン50を第2位置にし、波形状とされることなく搬送される。第2位置にされたプラテン50は、シート6が当接部材60,70を通過すると、コイルバネ113の付勢力により第1位置に戻される。
【0081】
厚紙など普通紙よりも厚みのあるシート6が搬送されると、プラテン50は、シート6により、図12(B)に示される第1位置から、図12(C)に示される位置に回動される。図12(C)に示される位置は、図12(B)に示される第1位置と、図12(D)に示される第2位置との間の位置である。そうすると、シート6は、図12(A)の実線により示されるように、普通紙の場合(図の破線)よりも緩やかな(振幅の小さい)波形状とされて搬送される。記録部45は、シート6が揺やかな波形状にされたものとしてインク滴を吐出する。具体的には、記録ヘッド46は、シート6とノズル47(図3)との間の距離が周期的に変化するが、その変化量が普通紙の場合と比べて小さいものとしてインク滴を吐出する。なお、シート6が普通紙であるか、光沢紙であるか、厚紙であるかは、印刷指示に含まれる情報により判断される。
【0082】
本変形例では、シート6の厚みや腰の強さに応じてプラテン50が回動されるので、シート6の厚みや腰の強さに拘わりなくシート6を搬送して画像を記録できる。
【0083】
本変形例では、前後方向8におけるプラテン50の後端部が回動により上下に変位する例が説明された。しかしながら、プラテン50は、水平状態を維持しつつ全体が上下方向7へ移動可能に設けられていてもよい。
【0084】
[変形例6]
変形例5では、光沢紙などの腰の強いシート6が波形状にされることなく搬送されるように、プラテン50が回動可能に設けられた例が説明された。本変形例では、プラテン50が回動可能に設けられる代わりに、当接部材60,70が回動可能に設けられた例が説明される。
【0085】
図13に示されるように、ガイドレール92には、前後方向8における当接部材60,70の後端部を回動可能に支持する受け部92Aが設けられている。以下では、図13に示される当接部材60について説明されるが、当接部材70についても同様である。
【0086】
当接部材60には、上述の実施形態と異なり、前後方向8における後側の挿入突起65は設けられていない。また、前後方向8における前側の挿入突起65の上下方向7における長さは、上述の実施形態の挿入突起65(図5)よりも長くされている。当接部材60は、前後方向8における前側の挿入突起65の爪66がガイドレール92の上面に当接する第3位置(図13(A))、及び補強リブ64がガイドレール92の下面に当接する第4位置(図13(B))に後端部を軸に回動される。
【0087】
当接部材60が第3位置にあるとき、当接リブ63Aの下端(前後方向8における前端)は、支持リブ51の上端よりも下方に位置している。当接部材60が第4位置にあるとき、当接リブ63Aの下端は、支持リブ51の上端よりも上方に位置している。前後方向8における取付部61の前端部とガイドレール92との間には、コイルバネ115が配置されている。コイルバネ115は、当接部材60を第3位置側(下向き)へ付勢している。
【0088】
光沢紙などの非常に腰の強いシート6(図10(B))が搬送されると、当接部材60は、シート6により第3位置から第4位置に回動される。シート6は、当接部材60を第4位置にし、波形状とされることなく搬送される。第4位置にされた当接部材60は、シート6の通過後、コイルバネ115の付勢力により、第3位置に戻される。
【0089】
厚紙などの普通紙よりも厚みのあるシート6が搬送されるときは、当接部材60は、第3位置と第4位置との間の位置へ回動される。シート6は、図12(A)の実線の波形状に示される場合と同様に、破線により示される普通紙の場合よりも緩やかな(振幅の小さい)波形状にされて搬送される。
【0090】
本変形例では、シート6の厚みや腰の強さに応じて当接部材60,70が回動されるので、シート6の厚みや腰の強さに拘わりなくシート6を搬送して画像を記録できる。
【0091】
本変形例では、回動により当接部63,73が上下に変位する例が説明された。しかしながら、当接部材60,70は、水平状態を維持しつつ全体が上下方向7へ移動可能に設けられていてもよい。
【0092】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、第1面81や囲みリブ84により貯留部86を形成する例が説明された。しかしながら、第1面81に貼り付けたスポンジなどのインクを吸収するインク吸収部材によりインク貯留部が形成されていてもよい。突出リブ83を伝って流れたインクは、インク吸収部材に吸収されて保持される。また、リブ85や凸部88Aや凹部88B等を第1面81に設ける代わりに、インク吸収部材が囲みリブ84の内側に配置されていてもよい。
【0093】
上述の実施形態では、当接部材60,70の2種類の当接部材が用いられた例が説明された。しかしながら、当接部材60または当接部材70の一方のみが用いられていてもよい。
【0094】
上述の実施形態では、突出リブ83が前方下向きへ延びるように設けられた例が説明された。しかしながら、強度を確保できるのであれば、上向きへ突出する棒状のボスが突出リブ83として設けられてもよい。
【0095】
上述の実施形態では、挿入突起65,75を用いて当接部材60,70をガイドレール92に取り付けた例が説明された。しかしながら、当接部材60,70は、ネジなどの固着具を用いてガイドレール92に取り付けられてもよい。また、ガイドレール92と当接部材60,70とが樹脂により一体に成型されていてもよい。
【0096】
上述の実施形態では、当接部材60にガイドリブ69A,63Aが設けられた例が説明された。しかしながら、当接部材60にガイドリブ69A,63Aが設けられていなくともよい。この場合、案内面69によりシート6が当接部63へ案内される。また、シート6は、当接部63の下面により押さえられる。当接部材70についても同様である。
【0097】
上述の実施形態では、搬送路31が湾曲路32を有する例が説明された。しかしながら、搬送路31は、直線路33のみで構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
6・・・シート
7・・・上下方向
9・・・左右方向
10・・・インクジェット記録装置
19・・・搬送向き
45・・・記録部
47・・・ノズル
50・・・プラテン
51・・・支持リブ
60・・・当接部材
63・・・当接部
70・・・当接部材
73・・・当接部
81・・・第1面
82・・・第2面
83・・・突出リブ
84・・・囲みリブ
85・・・リブ
86・・・貯留部
88A・・・凸部
88B・・・凹部
89・・・第1溝
101・・・第1溝
102・・・第2溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラテンからのシートの浮き上がりを抑制してシートに画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送向きへ搬送されるシートを支持するプラテンと、搬送向きと直交する走査方向へ往復動可能な記録部とを備えており、プラテン上のシートに記録部からインク滴を吐出して画像記録を行うインクジェット記録装置が知られている。この種のインクジェット記録装置には、プラテンからのシートの浮き上がりを抑制する当接部を備えたものがある(特許文献1参照)。当接部は、プラテンと記録部との間の隙間に配置されており、搬送されるシートに当接することにより、プラテンからのシートの浮き上がりを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−69264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
隙間を小さくした方が、プラテン上のシートと記録部との間の距離が短くなり、画像記録の精度が良くなる。しかしながら、隙間を小さくすると、当接部が記録部に近接する。そうすると、当接部が記録部と接触するおそれが生じる。記録部には、インクミストなどにより、インクが付着していることがある。そうすると、記録部と当接部との接触により当接部にインクが付着する。当接部にインクが付着すると、記録部の下側にプラテンを配置した場合に、インクが当接部の表面を伝って記録部側からプラテン側の裏面へ移動し、シートを汚してしまう。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、当接部に付着したインクがプラテン側へ流れることを抑制できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明のインクジェット記録装置は、上下方向と交差する第1方向へ往復動可能に設けられており、下方へ向けてインク滴をノズルから吐出する記録部と、上記記録部の下側に上記記録部から間隔をあけて配置されており、上下方向及び上記第1方向と交差する搬送向きへ搬送されるシートを支持するプラテンと、上記ノズルより搬送向き上流側であって、且つ上記記録部の搬送向き上流側端より下流側となる位置に配置されており、上記プラテン上を搬送されるシートの上面に当接する当接部と、を備えている。上記当接部は、上記記録部側に設けられたインクを貯留する貯留部と、上記貯留部の上記第1方向の両端の間となる位置に配置されており、上記記録部側から上向きへ突出し、突出の先端が当該当接部の最上端となる第1突出部と、を有する。
【0007】
搬送されるシートは、上面において当接部に当接することにより、プラテンからの浮き上がりを抑制されて搬送される。記録部と当接部とが近づく向きへ記録部または当接部の少なくとも一方が変位すると、当接部は、第1突出部において記録部に当接する。そうすると、記録部にインクが付着している場合に、第1突出部にインクが付着する。第1突出部に付着したインクは、第1突出部を伝って貯留部へ流れ、貯留部に溜まる。貯留部により、当接部の下面側へインクが流れることが抑制される。
【0008】
(2) 上記当接部は、上記プラテンの上面に沿って広がる形状であり、上記貯留部は、上記当接部の上記記録部側の周縁に沿って上向きへ突出する第2突出部を有しており、上記第1突出部は、上記第2突出部より内側に設けられたものであってもよい。
【0009】
第1突出部から当接部の上面へ流れたインクは、第2突出部により、下面側への移動が抑制される。
【0010】
(3) 上記貯留部は、中央部が周縁部よりも下方に位置する湾曲面で構成されており、上記第1突出部は、上記中央部から上向きへ突出されたものであってもよい。湾曲する貯留部の上面によりインクを貯留できる。
【0011】
(4) 上記貯留部は、上記当接部の周縁に沿って下側に凹んだ第1溝を有するものであり、上記当接部は、上記第1溝より内側に設けられたものであってもよい。第1突出部に付着したインクは、第1溝へ流れ込み、第1溝に貯留される。第1溝は、当接部の周縁に沿って設けられているので、インクが当接部の下面側へ流れることを抑制できる。
【0012】
(5) 上記第1突出部は、上記搬送向きに沿って延びており、上記貯留部は、上記第1突出部の側部から上記第1方向に沿って下側に凹んだ複数の第2溝を有するものであってもよい。
【0013】
第1突出部に付着したインクは、第1突出部を伝って第2溝に至り、毛細管現象により第2溝内を拡散される。よって、第1突出部の近傍にインクが集中して溜まることがなく、当接部と記録部とが再度当接したときに、第1突出部から記録部へインクが移ることを抑制できる。
【0014】
(6) 上記貯留部は、上記第2溝の上記第1突出部側とは反対側の端部と上記当接部の上記記録部側の周縁との間に、下側に凹んだ第1溝を有するであってもよい。第2溝により拡散したインクが当接部の下面側へ移動することを抑制できる。
【0015】
(7) 上記貯留部は、上記記録部側から下側へ凹む複数の凹部または上記記録部側から上側へ突出する複数の凸部の少なくともいずれか一方を有するものであってもよい。複数の凹部または凸部により、当接部とインクとの接触面積が増えるので、当接部に振動等が加えられても、インクを確実に保持できる。
【0016】
(8) 上記プラテンは、上記搬送向きへ延び、且つ上記第1方向へ離間されて配置され、且つ上端が上記当接部の下端より上方に位置する複数の支持リブを有しており、当該支持リブの上端においてシートを支持するものであり、上記当接部は、上記第1方向における上記支持リブの間に配置されたものであってもよい。
【0017】
搬送されるシートは、当接部と支持リブとの間を通過する際に、当接部と支持リブとに互いに反対向きに押さえられ、支持リブに押し上げられた部分を「山」とし、当接部に押し下げられた部分を「谷」とする波形状にされる。波形状にされたシートは、腰が強くなる。その結果、プラテンからのシートの浮き上がりを更に抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、記録部に当接する第1突出部と、インクを貯留する貯留部とを当接部の上面側に設けることにより、第1突出部に付着したインクが下面側へ流れてシートを汚すことを抑制できる。その結果、記録部とプラテンとの間隔を狭くして画像記録の精度を良くできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】インクジェット記録装置10の斜視図である。
【図2】本体13の模式的な縦断面図である。
【図3】記録ヘッド46の下面図である。
【図4】本体13の一部の斜視図である。
【図5】当接部材60を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図、(E)は下面図、(F)は斜視図である。
【図6】(A)は、図5(B)におけるVIA−VIA断面の一部拡大図であり、(B)は、図5(A)におけるVIB−VIB断面の一部拡大図である。
【図7】当接部材70を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図、(E)は下面図、(F)は斜視図である。
【図8】(A)はガイドレール92の一部の平面図であり、(B)は第1孔98に挿入突起65を挿入した状態を示す図であり、(C)は当接部材60がガイドレール92に取り付けられた状態を示す図であり、(D)は(C)のD−D断面図である。
【図9】(A)は変形例1の当接部63の前後方向8と直交する断面図であり、(B)は変形例2の当接部63の前後方向8と直交する断面図であり、(C)は変形例3の当接部63の前後方向8と直交する断面図である。
【図10】(A)は変形例4のプラテン50の前後方向8と直交する断面図であり、(B)は変形例5のプラテン50が第2位置にある状態における前後方向8と直交する断面図である。
【図11】変形例5の本体13の一部が破断した斜視図である。
【図12】変形例5の動作を説明する動作説明図であり、(A)は前後方向8に直交するプラテン50の断面図であり、(B)は第1位置にあるプラテン50の縦断面図であり、(C)は第1位置と第2位置との間の位置にあるプラテン50の縦断面図であり、(D)は第2位置にあるプラテン50の縦断面図である。
【図13】変形例6の動作を説明する当接部材60の縦断面図であり、(A)は第3位置を示しており、(B)は第4位置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明がされる。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲において実施形態が適宜変更されてもよい。以下の説明においては、図1に示されるように、インクジェット記録装置10を使用可能に設置した状態を基準として上下方向7が定義されている。また、操作パネル16がインクジェット記録装置10の側面に設けられており、当該側面をインクジェット記録装置10の前面(正面)として前後方向8が定義されている。また、インクジェット記録装置10を前面側から見て左右方向9が定義されている。
【0021】
[インクジェット記録装置10の概要]
図1に示されるように、インクジェット記録装置10は、記録用紙や、光沢紙や、葉書等であるシート6(図2)に画像を記録するプリンタ部11と、原稿(不図示)に記録された画像を取り込むスキャナ部12と、を備えており、プリント、スキャン、コピー等を実行可能である。スキャナ部12は任意の構成であり、詳細な説明は省略される。
【0022】
[プリンタ部11の概要]
図1に示されるように、プリンタ部11は、本体13と、本体13の下部に収容された給紙カセット20と、を備えている。図2に示されるように、給紙カセット20には、シート6が載置される。本体13の筐体14(図1)内には、図2に示される給送部40、搬送路31、搬送ローラ対34、排紙ローラ対37、当接部材60,70及び記録部45が設けられている。本体13は、給送部40によりシート6を搬送路31へ送り出し、送り出されたシート6を搬送ローラ対34により搬送し、搬送されるシート6を当接部材60,70により押さえ、押さえられたシート6に記録部45からインク滴を吐出して画像記録を行う。画像が記録されたシート6は、排紙ローラ対37により給紙カセット20の排紙トレイ29へ排出される。以下、プリンタ部11の各構成について説明がされる。
【0023】
[筐体14]
図1に示されるように、筐体14は、給紙カセット20が挿抜される挿抜口15を前後方向8における前面に有している。給紙カセット20は、挿抜口15から前後方向8へスライド可能である。
【0024】
[給紙カセット20]
図1に示されるように、給紙カセット20は、筐体14の下部に収容されており、前後方向8へスライド可能である。図2に示されるように、給紙カセット20は、画像記録前のシート6を保持するメイントレイ21と、画像記録後のシート6を受ける排紙トレイ29と、を備えている。排紙トレイ29は、メイントレイ21の上側に配置され、メイントレイ21に支持されている。
【0025】
図2に示されるように、メイントレイ21は、シート6が載置される底板22と、前後方向8における底板22の後端から後方斜め上へ向かって延びる傾斜板26と、を備えている。傾斜板26は、給送部40により送り出されるシート6を搬送路31へ案内する。底板22には、シート6をセンタ合わせにより位置決めし、給送部40により送り出されるシート6の斜行を抑制するサイドガイド機構27が設けられている。センタ合わせとは、種々のサイズのシート6の左右方向9(図2の紙面に垂直な方向)における中央を左右方向9における底板22の中央に一致させる位置合わせを意味する。
【0026】
[給送部40]
図2に示されるように、給送部40は、不図示のフレームに回転可能に支持された支軸41と、支軸41に一端部が回動可能に支持されて支軸41から後方斜め下へ向かって延びるアーム42と、アーム42の他端部に回転可能に支持された給送ローラ43と、を備えている。アーム42には、支軸41の回転を給送ローラ43に伝達する複数のギア44が設けられている。
【0027】
支軸41が不図示の駆動モータにより回転されると、支軸41との摩擦力によりアーム42が支軸41と一体に回動され、給送ローラ43がメイントレイ21上のシート6に当接される。また、給送ローラ43は、ギア44を介して支軸41により回転される。そうすると、シート6は、前後方向8における後向きへ送り出される。送り出されたシート6は、メイントレイ21の傾斜板26により搬送路31へ案内される。
【0028】
[搬送路31]
図2に示されるように、搬送路31は、シート6が搬送される通路であり、複数のガイド部材(不図示)及びプラテン50により区画されている。搬送路31は、1点鎖線により示される湾曲路32と、2点鎖線により示される直線路33と、を有している。湾曲路32は、メイントレイ21の傾斜板26の上端を基端として上方へ向かい、次いで湾曲して前後方向8における前方へ向かって延びている。直線路33は、湾曲路32の終端から前後方向8における前方へ向かって直線状に延びている。直線路33の下面は、プラテン50により区画されている。
【0029】
[プラテン50]
図2に示されるように、プラテン50は、上下方向7を厚みとする板状であって、給紙カセット20の上側に配置されている。図4に示されるように、プラテン50の上面からは、シート6を支持する複数の支持リブ51が上向きへ突出されている。支持リブ51は、搬送されるシート6を支持できるように、前後方向8へ延びて設けられている。また、支持リブ51は、左右方向9へ互いに離間され、且つ左右方向9におけるプラテン50の中央部を基準に左右対称となる位置に配置されている。これは、サイドガイド機構27によりセンタ合わせで位置決めされた種々のサイズのシート6を左右対称な位置において支持するためである。
【0030】
[ガイドレール92,93]
図4に示されるように、プラテン50の上側には、記録部45が架設される前後一対のガイドレール92,93が配置されている。ガイドレール92,93には、左右方向9へ延びる鋼板が用いられている。前後方向8における後側のガイドレール92と、前側のガイドレール93とは、前後方向8へ離間されて配置されている。ガイドレール92,93は、左右方向9における両端において不図示のフレームに支持されている。ガイドレール92,93は、架設された記録部45を左右方向9へ往復動可能に支持している。
【0031】
図4に示されるように、ガイドレール92には、後述する当接部材60,70の挿入突起65,75(図5,7)が挿入される複数の挿入孔97が設けられている。図8(A)に示されるように、挿入孔97は、前後方向8へ延びる第1孔98と、前後方向8における第1孔98の中央部から左右方向9における左方へ向かって延びる第2孔99と、を有している。挿入突起65,75は、図8(B)に示されるように、ガイドレール92の下側から第1孔98に挿入された後、左右方向9における左向きへ移動され、図8(C),(D)に示されるように第2孔99に嵌め込まれる。
【0032】
図4に示されるように、ガイドレール92には、左右方向9において当接部材60,70を係止する複数の係止孔92Bが設けられている。1つの当接部材60(当接部材70)に対応して1つの係止孔92Bが設けられている。なお、図4において、一部の係止孔92Bにのみ符号が付されている。係止孔92は、前後方向8における後側の2個の挿入孔97の中間となる位置に設けられている。係止孔92Bには、当接部材60,70に設けられた係止凸部121が嵌め込まれる。詳しくは後述される。
【0033】
[記録部45]
図2に示されるように、記録部45は、キャリッジ48と、キャリッジ48に搭載された記録ヘッド46と、を備えており、プラテン50の上側に間隔を空けて配置されている。記録部45とプラテン50との間に隙間Gが形成されている。
【0034】
図4に示されるように、キャリッジ48は、ガイドレール92,93間に架設されており、左右方向9へ往復動可能にガイドレール92,93に支持されている。キャリッジ48は、不図示のベルトに固着されている。このベルトは、ガイドレール93に設けられており、不図示の駆動モータにより周運動され、キャリッジ48を左右方向9へ往復動させる。
【0035】
図2に示されるように、記録ヘッド46は、キャリッジ48に搭載され、プラテン50の上側に位置している。図3に示されるように、記録ヘッド46は、インク滴を吐出する複数のノズル47を下面に有している。記録ヘッド46は、プラテン50上のシート6へノズル47からインク滴を吐出することにより、シート6に画像を記録する。
【0036】
[搬送ローラ対34]
図2に示されるように、搬送ローラ対34は、プラテン50より搬送向き19における上流側(前後方向8における後側)であって、且つガイドレール92(図4)の下側に、ニップ位置(挟持位置)をプラテン50に近接させて配置されている。搬送ローラ対34は、搬送ローラ35と、搬送ローラ35の下側に配置された従動ローラ36と、を備えている。
【0037】
搬送ローラ35は、左右方向9(図2の紙面に直交する方向)へ延びる回転軸35Aに設けられており、回転軸35Aと一体に回転される。左右方向9における回転軸35Aの両端部は、不図示のフレームに回転可能に支持されている。従動ローラ36は、不図示のホルダに回転可能に支持されている。このホルダは、不図示の弾性部材に上向きへ付勢されている。従動ローラ36は、この弾性部材により、上側に配置された搬送ローラ35に圧接されている。回転軸35Aが不図示の駆動モータにより回転されると、搬送ローラ対34は、シート6をニップし、搬送向き19へシート6を搬送する。
【0038】
[排紙ローラ対37]
図2に示されるように、排紙ローラ対37は、プラテン50より搬送向き19における下流側(前後方向8における前側)であって、且つガイドレール93の下側に配置されている。排紙ローラ対37は、複数の排紙ローラ38と、排紙ローラ38の上側に配置された複数の拍車39と、を備えている。
【0039】
排紙ローラ38は、左右方向9(図2の紙面に直交する方向)へ延びる回転軸38Aに設けられており、回転軸38Aと一体に回転される。左右方向9における回転軸38Aの両端部は、不図示のフレームに回転可能に支持されている。拍車39は、不図示の弾性軸に回転可能に支持されている。この弾性軸の軸方向の両端部は、ガイドレール93に保持された不図示の保持部材に支持されている。拍車39は、撓んだ弾性軸により、排紙ローラ38に圧接されている。回転軸38Aが不図示の駆動モータにより回転されると、排紙ローラ対37は、シート6をニップし、排紙トレイ29へシート6を排出する。
【0040】
[当接部材60]
図2に示される当接部材60,70は、搬送されるシート6が反ってプラテン50から浮き上がることを抑制する部材である。図4に示されるように、複数の当接部材60は、左右方向9へ互いに離間されて配置されている。また、複数の当接部材60は、左右方向9におけるプラテン50の中央を基準に左右対称となる位置にそれぞれ配置されている。これは、センタ合わせにより位置決めされる種々のサイズのシート6を左右対称な位置において押さえるためである。以下、図5,6,8を参照して当接部材60について説明がされる。なお、図5,6,8に示される上下方向7、前後方向8及び左右方向9は、当接部材60をガイドレール92に取り付けた状態における方向である。
【0041】
図5に示されるように、当接部材60は、ガイドレール92に取り付けられる取付部61と、シート6を押さえる当接部63と、取付部61及び当接部63を繋ぐ湾曲部62と、を備えている。当接部材60は、当接部63及び後述の弾性部120が弾性変形可能なように、弾性を有する樹脂材料により成型されている。当接部63及び弾性部120の弾性変形については後述される。
【0042】
取付部61は、上下方向7を厚みとする板状の外形を呈している。取付部61の上面からは、補強用の複数の補強リブ64と、ガイドレール92の挿入孔97(図8(A))に挿入される4つの挿入突起65とが上向きへ突出されている。4つの挿入突起65は、前後方向8及び左右方向9に2個ずつ並ぶ位置に配置されている。4つの挿入突起65が設けられるのは、4点支持により取付部61を確実に支持するためである。
【0043】
挿入突起65の突出の先端部(上端部)には、ガイドレール92(図8(D))の上面に引っ掛かる前後一対の爪66,67が設けられている。爪66は、挿入突起65の上端部から前後方向8における前方へ向かって突出されている。爪67は、挿入突起65の上端部から前後方向8における後方へ向かって突出されている。
【0044】
前後方向8における取付部61の後端からは、上下方向7において可撓性を有する板状の弾性部120が後方へ向かって延びている。弾性部120の突出の先端部(前後方向8における後端部)の上面からは、ガイドレール92に設けられた上述の係止孔92Bに嵌る係止凸部121が上向きへ突出されている。
【0045】
当接部材60のガイドレール92への取り付けは、まず、挿入突起65をガイドレール92の下側から挿入孔97の第1孔98に挿入する(図8(B))。次に、当接部材60を左右方向9における左向きへ移動させる。そうすると、係止凸部121がガイドレール92の下面に当接して弾性部120が撓む。当接部材60をさらに左向きへ移動させて挿入突起65を第2孔99に嵌め込むと(図8(C),(D))、弾性部120の弾性力により、係止凸部121が係止孔92Bに嵌め込まれる。これにより、当接部材60は、前後方向8及び左右方向9において係止され、上下方向7においては若干移動可能である。具体的には、当接部材60は、爪66,67がガイドレール92の上面に当接する下限位置と、補強リブ64の上端がガイドレール92の下面に当接する上限位置との間において上下方向7へ移動可能にガイドレール92に支持されている。取付部61は、下限位置において後述の当接部63がプラテン50の上面に当接せず、上限位置(図6(A))において当接部63が支持リブ51の上端より上方であって、且つ記録部50の下面より下方となる高さ位置においてガイドレール92に取り付けられている。このように当接部材60をガイドレール92に取り付けるのは、ネジなどの固着具を用いずに、部品点数を減らすと共に取り付け作業を容易にし、且つ当接部63の高さ位置(上限位置)をガイドレール92を基準にして、正確に位置決めするためである。
【0046】
当接部材60は、外力が加えられていないときは、自重により下限位置にある。当接部材60は、搬送されるシート6が後述の当接部63に当接すると、下限位置から上限位置へ移動される。詳しくは後述される。
【0047】
図5に示されるように、湾曲部62は、円弧状に湾曲しながら下方へ向かって延びている。これは、ガイドレール92(図4)の下側に配置された搬送ローラ35(図4)と湾曲部62との接触を回避するためである。湾曲部62は、撓みを抑えるために、補強リブ68により補強されている。
【0048】
湾曲部62の下端には、搬送されるシート6の搬送向き19における下流端(以下、単にシート6の先端と記載される)を当接部63へ案内する案内面69が設けられている。詳しく説明すると、案内面69は、搬送ローラ対34(図2)のニップ位置の前方斜め上から前方斜め下へ向かって延びる傾斜面に形成されている。案内面69からは、案内面69の延びる向き(前方斜め下向き)へ延びる3つのガイドリブ69Aが下向きへ突出されている。ガイドリブ69Aは、左右方向9における案内面69の両端部と中央部とにそれぞれ設けられている。搬送ローラ対34により搬送されたシート6の先端は、ガイドリブ69Aの突出の先端(下端)に当接し、当接部63へ案内される。
【0049】
図5に示されるように、当接部63は、湾曲部62の下端部の前後方向8における前面から前方斜め下へ向かって延びる板状であって、前方へ向かうにつれてプラテン50(図2)の上面に近づくように水平面に対して若干傾斜されている。前後方向8における当接部63の前端は、前後方向8における記録ヘッド46のノズル47(図3)の後側(搬送向き19にける上流端側)であって、且つ前後方向8におけるキャリッジ48の後端より前側(搬送向き19における上流端より下流側)に位置しており、ノズル47に近接している。複数の当接部材60は、当接部63が上下方向7及び前後方向8において同じ位置となるようにガイドレール92に取り付けられている。
【0050】
当接部63が傾斜されているのは、搬送されるシート6(図2)を前後方向8における当接部63の前端へスムーズに案内するためである。また、当接部63が板状にされているのは、上下方向7における距離が短くされた隙間G(図2)に当接部63を配置し、且つ当接部63の強度を確保するためである。前後方向8における当接部63の前端をノズル47(図3)に近接させるのは、ノズル47に近い位置においてシート6を押さえて画像記録の精度を良くするためである。
【0051】
当接部63は、上下方向7へ撓み易いように、前後方向8における前方へ向かうにつれて左右方向9における両端が互いに近づくように傾斜する先細りの形状にされている。前後方向8における当接部63の前端部は、先細りの形状にされることにより、厚みが若干厚いシート6が搬送されたときに撓み、厚いシート6が当接部63とプラテン50(図2)との間において詰まることを抑制する。
【0052】
当接部63の下面である第2面82からは、当接部63が延びる向き(前方斜め下向き)へ延びる3つの当接リブ63Aが下向きへ突出されている。当接リブ63Aは、左右方向9における両端部と中央部とにそれぞれ設けられており、湾曲部62のガイドリブ69Aと繋がっている。当接リブ63Aは、搬送されるシート6の上面に当接し、シート6を上面側から押さえる。当接リブ63Aが設けられたことにより、当接部材60とシート6との接触面積が減り、シート6の搬送抵抗が小さくなる。その結果、画像記録の精度が良くなる。
【0053】
図6に示されるように、当接部63の上面である第1面81の周縁からは、囲みリブ84(本発明の第2突出部の一例)が上向きへ突出されている。囲みリブ84は、左右方向9における第1面81の両端部及び前後方向8における第1面81の前端部に繋がって設けられている。囲みリブ84は、第1面81と共に、インクを貯留する貯留部86を区画している。
【0054】
左右方向9における第1面81の中央部からは、当接部63が傾斜する向き(前方斜め下向き)へ延びる突出リブ83(本発明の第1突出部の一例)が上向きへ突出されている。第1面81からの突出リブ83の突出量L1は、第1面81からの囲みリブ84の突出量L2よりも大きくされている。よって、記録部45と当接部63とが近づく向きへ記録部45または当接部63の少なくともいずれか一方が変位すると、当接部63は、突出リブ83において記録部45に当接する。このとき、記録部45の下面にインクミストなどによりインクが付着していると、このインクが突出リブ83の上端に付着する。突出リブ83に付着したインクは、重力により、突出リブ83の表面を伝って第1面81へ流れ込む。突出リブ83に付着したインクが囲みリブ84の上端へ流れ込まないように、突出リブ83は、囲みリブ84より内側に設けられており、囲みリブ84から離間されている。
【0055】
第1面81に流れ込んだインクが突出リブ83の近傍に溜まらないように、第1面81に複数のリブ85が設けられている。詳しく説明がされる。リブ85は、左右方向9における突出リブ83の両側にそれぞれ複数ずつ設けられている。リブ85は、左右方向9へ延びており、前後方向8へ互いに離間されて設けられている。リブ85の左右方向9の一方の端は突出リブ83まで延びており、他方の端は囲みリブ84から離間されている。リブ85の第1面81からの突出量L3は、リブ85が記録部45に当接しないように、突出リブ83の突出量L1より小さくされている。隣り合う2つのリブ85により、第2溝102が構成されている。突出リブ83に付着したインクは、突出リブ83を伝って第2溝102へ流れ込み、毛細管現象により第2溝102内を拡散し、リブ85と囲みリブ84とにより構成された第1溝101へ流れ込む。これにより、突出リブ83に付着したインクが突出リブ83の近傍に溜まることがなくなる。そうすると、突出リブ83と記録部45とが再び当接したときに、突出リブ83から記録部45へインクが移動することを抑制できる。
【0056】
[当接部材70]
図4に示されるように、当接部材70は、左右方向9におけるプラテン50の両端部の上側にそれぞれ配置されている。そのため、当接部材70は、当接部材60と形状が若干変えられている。以下、図7を参照して詳しく説明される。なお、図7に示される上下方向7、前後方向8及び左右方向9は、当接部材70をガイドレール92に取り付けた状態における方向である。
【0057】
当接部材70は、取付部71、湾曲部72、及び当接部73を備えている。取付部71には、当接部材60と同様に、補強用の補強リブ74、挿入突起75、弾性部120及び係止凸部121が設けられている。取付部71は、前後方向8における前側の2つの挿入突起75に爪77が設けられていない他は、当接部材60の取付部61とほぼ同じ構成を有している。前側の2つの挿入突起75に爪77が設けられていないのは、他部材との緩衝を回避するためである。取付部71は、4個の挿入突起75、爪76,77及び補強リブ74により、当接部材60の取付部61と同様に、ガイドレール92に取り付けられている。
【0058】
湾曲部72は、補強用の補強リブ78、案内面79及びガイドリブ79Aを有しており、当接部材60の湾曲部62とほぼ同形状に形成されている。
【0059】
当接部73は、前後方向8における前端が後端よりも下方に位置するように水平面に対して若干傾斜された矩形板状である。前後方向8における当接部73の前端(下端)は、前後方向8における当接部63の前端(下端)と、上下方向7及び前後方向8において同じ位置に位置している。
【0060】
当接部73の上面である第1面81側には、当接部材60と同様に、突出リブ83、囲みリブ84及びリブ85が設けられている。また、当接部73の下面である第2面82からは、当接部73が傾斜する向き(前方斜め下向き)へ延びる3つの当接リブ73Aが下向きへ突出されている。当接リブ73Aは、左右方向9における当接部73の両端部と中央部とにそれぞれ設けられており、湾曲部72のガイドリブ79Aと繋がっている。当接リブ73Aは、搬送されるシート6の上面に当接し、シート6を押さえる。
【0061】
当接部材70は、シート6(例えば、A4サイズ、リーガルサイズ)の左右方向9における左端または右端が2つの当接リブ73Aの間となる位置に配置されている。よって、左右方向9における片方の当接リブ73Aにしかシート6が当接しない場合がある。そうすると、当接部73を当接部63のように先細りの形状とすると、ノズル47(図3)の近傍までシート6を押さえることができなくなる。よって、当接部73は、先細りの形状とされておらず、矩形板状にされている。当接部材70は、当接リブ73Aにより、左右方向9におけるシート6の両端より内側において、ノズル47の近傍までシート6を押さえる。なお、前後方向8における当接部73の前端部の左右方向9における中央部には、前端から切り欠いた形状の切欠部73Bが設けられている。切欠部73Bにより、左右方向9における当接部73の中央部に設けられた当接リブ73Aの前後方向8における前端は、左右両側の当接リブ73Aの前端より後方に位置することになる。
【0062】
[実施形態の動作]
図2を参照してインクジェット記録装置10の動作が説明される。メイントレイ21に載置されたシート6は、給送ローラ43により搬送路31へ送り出される。送り出されたシート6は、搬送ローラ対34により搬送される。搬送ローラ対34のニップ位置を通過したシート6の先端は、当接部材60,70のガイドリブ69A,79A(図5,7)により当接部63,73へ案内される。案内されたシート6は、下限位置にある当接部材60,70を上限位置まで持ち上げる。上限位置へ移動された当接部材60,70は、当接部63,73の当接リブ63A,73Aによりシート6を上側から押さえ、プラテン50からのシート6の浮きを抑制する。シート6の先端部が記録ヘッド46のノズル47(図3)の下方となる位置に到達すると、搬送ローラ35の回転が停止される。その後、キャリッジ48が左右方向9へ往復動されながら、ノズル47からシート6にインク滴が吐出され、1行の印刷が行われる。1行の印刷が行われた後、搬送ローラ35が回転され、シート6が1行分だけ搬送される。1行の印刷と1行分のシート6の搬送とが交互に繰り返され、シート6に画像が記録される。画像が記録された後、シート6は、排紙ローラ対37により、排紙トレイ29に排出される。また、シート6が当接部材60,70を通過すると、上限位置にあった当接部材60,70は、自重により下限位置に戻る。
【0063】
記録部45が下方へ変位し、または、当接部63,73が撓むなどして上方へ変位すると、当接部63,73は、突出リブ83(図6)において記録部45に当接する。記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクは、突出リブ83を伝って第2溝102(図6)へ流れ込む。第2溝102へ流れ込んだインクは、毛細管現象により第2溝102内を流れ第1溝101へ流れ込む。インクは、第1溝101及び第2溝102(貯留部86)において貯留される。
【0064】
[実施形態の効果]
本実施形態では、当接部63の第1面81側にインクを貯留する貯留部86が設けられており、記録部45と当接する突出リブ83は、貯留部86を区画する囲みリブ84の内側に設けられている。よって、記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクは、突出リブ83を伝って貯留部86へ流れ込み、貯留部86に貯留される。貯留部86に貯留されることにより、インクが第2面82側へ流れることを抑制できる。その結果、当接部材60,70に付着したインクによりシート6が汚れることを抑制できる。よって、上下方向7における隙間Gの距離を短くして画像記録の精度を良くできる。
【0065】
また、第1面81に複数のリブ85が設けられたことにより、突出リブ83の近傍にインクが集中して留まることを抑制でき、その結果、突出リブ83と記録部45とが再度当接したときに突出リブ83から記録部45へインクが移動することを抑制できる。
【0066】
[変形例1]
上述の実施形態では、第1面81が平面に形成された例が説明された。本変形例では、図9(A)に示されるように、第1面81が湾曲面に形成された例が説明される。第1面81及び第2面82は、左右方向9における中央が左右両端より下方に位置する円弧状の湾曲面に形成されている。第2面82からは、実施形態と同様に、3つの当接リブ63Aが下向きへ突出されている。
【0067】
前後方向8における第1面81の前端部からは、不図示のリブが上向きへ突出されている。このリブは、左右方向9における第1面81の両端まで延びている。このリブ及び第1面81により、貯留部86が区画されている。突出リブ83は、左右方向9における第1面81の中央部に、当接部63が傾斜する向き(前方斜め下向き)へ延びて設けられている。
【0068】
本変形例では、上述の実施形態と同様に、記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクを貯留部86に貯留し、第2面82側へ流れることを抑制できる。
【0069】
[変形例2]
本変形例では、実施形態及び変形例1における複数のリブ85の代わりに、図9(B)に示される半球状の複数の凸部88A及び凹部88Bが第1面81に設けられた例が説明される。複数の凸部88Aは、第1面81から上向きへ突出されている。凹部88Bは、第1面81から凹んでいる。複数の凸部88A及び凹部88Bは、第1面81の全面に渡って設けられている。凸部88A及び凹部88Bにより、第1面81へ流れ込んだインクと当接部63との接触面積が大きくなる。その結果、当接部63に振動等が加えられた場合でも、インクを確実に保持できる。なお、凸部88A及び凹部88Bは、インクとの接触面積を大きくできればよいので、半球状の他、半楕円球状や角柱状など種々の形状に形成し得る。
【0070】
本変形例では、複数の凸部88A及び凹部88Bが設けられた例が説明された。しかしながら、凸部88Aのみ、または凹部88Bのみが第1面81に設けられていてもよい。
【0071】
[変形例3]
本変形例では、囲みリブ84の代わりに、第1面81の周縁部に図9(C)に示される第1溝89が設けられた例が説明される。第1溝89は、左右方向9における第1面81の両端部及び前後方向8における第1面81の前端部に、第1面81から凹んで設けられている。第1溝89により、貯留部86が区画されている。突出リブ83は、上述の実施形態と同様に設けられている。
【0072】
突出リブ83から第1面81へ流れ込んだインクは、第1面81上を流れ、第1溝89へ流れ込み、第1溝89内を毛細管現象により広がる。
【0073】
本変形例においても、上述の実施形態と同様に、記録部45との当接により突出リブ83に付着したインクを貯留部86(第1溝89)に貯留し、第2面82側へ流れることを抑制できる。
【0074】
本変形例において、第1溝89より内側の第1面81に、変形例2において説明された複数の凸部88Aや凹部88Bが設けられていてもよい。
【0075】
[変形例4]
上述の実施形態では、上限位置にある当接部63,73の下端が支持リブ51の上端よりも上方に位置する例が説明された。本変形例では、上限位置にある当接部63,73の下端が支持リブ51の上端よりも下方に位置し、当接部63,73と支持リブ51とによって、普通紙などの腰の弱いシート6を波形状にして搬送する例が説明される。
【0076】
図10(A)に示されるように、プラテン50の支持リブ51は、左右方向9において隣り合う2つの当接部材60の中間となる位置に設けられている。これは、波の山の頂点と谷の頂点との間の距離を同じにし、記録ヘッド46の制御を容易にするためである。記録ヘッド46は、波形状により周期的に変化するシート6とノズル47(図3)との距離を考慮してインク滴を吐出することにより、画像記録の精度を良くする。よって、波の山の頂点と谷の頂点との間の距離を同じにした方が、記録ヘッド46の制御が容易になる。
【0077】
搬送されるシート6を波形状にするために、プラテン50の支持リブ51は、突出の先端(上端)が上限位置における当接リブ63A,73Aの下端(前後方向8における前端)よりも上方に位置するように設けられている。搬送されるシート6は、当接部63,73を通過する際に、支持リブ51により支持され、当接リブ63A,73Aにより押し下げられる。シート6は、支持リブ51及び当接リブ63A,73Aにより、支持リブ51により支持された部分を「山」とし、当接リブ63A,73Aにより押し下げられた部分を「谷」とする波形状にされる。波形状にされたシート6は、上方へ反ることを抑制されて搬送される。
【0078】
[変形例5]
本変形例では、変形例4の構成において、普通紙などの腰の弱いシート6だけでなく、光沢紙や厚紙などのシート6(図10(B))にも画像を記録できるように、プラテン50が回動可能に設けられている。詳しく説明がされる。図11に示されるプラテン50は、前後方向8における前端部において排紙ローラ38の回転軸38Aに回動可能に支持されている。よって、前後方向8におけるプラテン50の後端部は、上下に変位可能である。プラテン50は、支持リブ51の上端が、上限位置にある当接部63,73の下端(前後方向8における前端)より上方に位置する図10(A)の第1位置、及び支持リブ51の上端が、上限位置にある当接部63,73の下端より下方に位置する図10(B)の第2位置に回動される。
【0079】
図11に示されるように、前後方向8におけるプラテン50の後端部の下側には、プラテン50を第1位置側(上向き)へ付勢するコイルバネ113が配置されている。コイルバネ113の下端は、不図示のフレームに設けられた中板112に当接して支持されている。コイルバネ113の上端はプラテン50の下面に当接している。プラテン50は、コイルバネ113に第1位置側(上向き)へ付勢され、従動ローラ36を回転可能に保持するホルダ114に当接し、第1位置となっている。
【0080】
図10(B)に示されるように、光沢紙などの非常に腰の強いシート6が搬送されると、プラテン50は、シート6により第1位置から第2位置に回動される。シート6は、プラテン50を第2位置にし、波形状とされることなく搬送される。第2位置にされたプラテン50は、シート6が当接部材60,70を通過すると、コイルバネ113の付勢力により第1位置に戻される。
【0081】
厚紙など普通紙よりも厚みのあるシート6が搬送されると、プラテン50は、シート6により、図12(B)に示される第1位置から、図12(C)に示される位置に回動される。図12(C)に示される位置は、図12(B)に示される第1位置と、図12(D)に示される第2位置との間の位置である。そうすると、シート6は、図12(A)の実線により示されるように、普通紙の場合(図の破線)よりも緩やかな(振幅の小さい)波形状とされて搬送される。記録部45は、シート6が揺やかな波形状にされたものとしてインク滴を吐出する。具体的には、記録ヘッド46は、シート6とノズル47(図3)との間の距離が周期的に変化するが、その変化量が普通紙の場合と比べて小さいものとしてインク滴を吐出する。なお、シート6が普通紙であるか、光沢紙であるか、厚紙であるかは、印刷指示に含まれる情報により判断される。
【0082】
本変形例では、シート6の厚みや腰の強さに応じてプラテン50が回動されるので、シート6の厚みや腰の強さに拘わりなくシート6を搬送して画像を記録できる。
【0083】
本変形例では、前後方向8におけるプラテン50の後端部が回動により上下に変位する例が説明された。しかしながら、プラテン50は、水平状態を維持しつつ全体が上下方向7へ移動可能に設けられていてもよい。
【0084】
[変形例6]
変形例5では、光沢紙などの腰の強いシート6が波形状にされることなく搬送されるように、プラテン50が回動可能に設けられた例が説明された。本変形例では、プラテン50が回動可能に設けられる代わりに、当接部材60,70が回動可能に設けられた例が説明される。
【0085】
図13に示されるように、ガイドレール92には、前後方向8における当接部材60,70の後端部を回動可能に支持する受け部92Aが設けられている。以下では、図13に示される当接部材60について説明されるが、当接部材70についても同様である。
【0086】
当接部材60には、上述の実施形態と異なり、前後方向8における後側の挿入突起65は設けられていない。また、前後方向8における前側の挿入突起65の上下方向7における長さは、上述の実施形態の挿入突起65(図5)よりも長くされている。当接部材60は、前後方向8における前側の挿入突起65の爪66がガイドレール92の上面に当接する第3位置(図13(A))、及び補強リブ64がガイドレール92の下面に当接する第4位置(図13(B))に後端部を軸に回動される。
【0087】
当接部材60が第3位置にあるとき、当接リブ63Aの下端(前後方向8における前端)は、支持リブ51の上端よりも下方に位置している。当接部材60が第4位置にあるとき、当接リブ63Aの下端は、支持リブ51の上端よりも上方に位置している。前後方向8における取付部61の前端部とガイドレール92との間には、コイルバネ115が配置されている。コイルバネ115は、当接部材60を第3位置側(下向き)へ付勢している。
【0088】
光沢紙などの非常に腰の強いシート6(図10(B))が搬送されると、当接部材60は、シート6により第3位置から第4位置に回動される。シート6は、当接部材60を第4位置にし、波形状とされることなく搬送される。第4位置にされた当接部材60は、シート6の通過後、コイルバネ115の付勢力により、第3位置に戻される。
【0089】
厚紙などの普通紙よりも厚みのあるシート6が搬送されるときは、当接部材60は、第3位置と第4位置との間の位置へ回動される。シート6は、図12(A)の実線の波形状に示される場合と同様に、破線により示される普通紙の場合よりも緩やかな(振幅の小さい)波形状にされて搬送される。
【0090】
本変形例では、シート6の厚みや腰の強さに応じて当接部材60,70が回動されるので、シート6の厚みや腰の強さに拘わりなくシート6を搬送して画像を記録できる。
【0091】
本変形例では、回動により当接部63,73が上下に変位する例が説明された。しかしながら、当接部材60,70は、水平状態を維持しつつ全体が上下方向7へ移動可能に設けられていてもよい。
【0092】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、第1面81や囲みリブ84により貯留部86を形成する例が説明された。しかしながら、第1面81に貼り付けたスポンジなどのインクを吸収するインク吸収部材によりインク貯留部が形成されていてもよい。突出リブ83を伝って流れたインクは、インク吸収部材に吸収されて保持される。また、リブ85や凸部88Aや凹部88B等を第1面81に設ける代わりに、インク吸収部材が囲みリブ84の内側に配置されていてもよい。
【0093】
上述の実施形態では、当接部材60,70の2種類の当接部材が用いられた例が説明された。しかしながら、当接部材60または当接部材70の一方のみが用いられていてもよい。
【0094】
上述の実施形態では、突出リブ83が前方下向きへ延びるように設けられた例が説明された。しかしながら、強度を確保できるのであれば、上向きへ突出する棒状のボスが突出リブ83として設けられてもよい。
【0095】
上述の実施形態では、挿入突起65,75を用いて当接部材60,70をガイドレール92に取り付けた例が説明された。しかしながら、当接部材60,70は、ネジなどの固着具を用いてガイドレール92に取り付けられてもよい。また、ガイドレール92と当接部材60,70とが樹脂により一体に成型されていてもよい。
【0096】
上述の実施形態では、当接部材60にガイドリブ69A,63Aが設けられた例が説明された。しかしながら、当接部材60にガイドリブ69A,63Aが設けられていなくともよい。この場合、案内面69によりシート6が当接部63へ案内される。また、シート6は、当接部63の下面により押さえられる。当接部材70についても同様である。
【0097】
上述の実施形態では、搬送路31が湾曲路32を有する例が説明された。しかしながら、搬送路31は、直線路33のみで構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
6・・・シート
7・・・上下方向
9・・・左右方向
10・・・インクジェット記録装置
19・・・搬送向き
45・・・記録部
47・・・ノズル
50・・・プラテン
51・・・支持リブ
60・・・当接部材
63・・・当接部
70・・・当接部材
73・・・当接部
81・・・第1面
82・・・第2面
83・・・突出リブ
84・・・囲みリブ
85・・・リブ
86・・・貯留部
88A・・・凸部
88B・・・凹部
89・・・第1溝
101・・・第1溝
102・・・第2溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向と交差する第1方向へ往復動可能に設けられており、下方へ向けてインク滴をノズルから吐出する記録部と、
上記記録部の下側に上記記録部から間隔をあけて配置されており、上下方向及び上記第1方向と交差する搬送向きへ搬送されるシートを支持するプラテンと、
上記ノズルより搬送向き上流側であって、且つ上記記録部の搬送向き上流側端より下流側となる位置に配置されており、上記プラテン上を搬送されるシートの上面に当接する当接部と、を備えており、
上記当接部は、
上記記録部側に設けられたインクを貯留する貯留部と、
上記貯留部の上記第1方向の両端の間となる位置に配置されており、上記記録部側から上向きへ突出し、突出の先端が当該当接部の最上端となる第1突出部と、を有するものであるインクジェット記録装置。
【請求項2】
上記当接部は、上記プラテンの上面に沿って広がる形状であり、
上記貯留部は、上記当接部の上記記録部側の周縁に沿って上向きへ突出する第2突出部を有しており、
上記第1突出部は、上記第2突出部より内側に設けられたものである請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
上記貯留部は、中央部が周縁部よりも下方に位置する湾曲面で構成されており、
上記第1突出部は、上記中央部から上向きへ突出されたものである請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
上記貯留部は、上記当接部の周縁に沿って下側に凹んだ第1溝を有しており、
上記第1突出部は、上記第1溝より内側に設けられたものである請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
上記第1突出部は、上記搬送向きに沿って延びており、
上記貯留部は、上記第1突出部の側部から上記第1方向に沿って下側に凹んだ複数の第2溝を有するものである請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
上記貯留部は、上記第2溝の上記第1突出部側とは反対側の端部と上記当接部の上記記録部側の周縁との間に、下側に凹んだ第1溝を有する請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
上記貯留部は、上記記録部側から下側へ凹む複数の凹部または上記記録部側から上側へ突出する複数の凸部の少なくともいずれか一方を有するものである請求項2から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
上記プラテンは、
上記搬送向きへ延び、且つ上記第1方向へ離間されて配置され、且つ上端が上記当接部の下端より上方に位置する複数の支持リブを有しており、当該支持リブの上端においてシートを支持するものであり、
上記当接部は、上記第1方向における上記支持リブの間に配置されたものである請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項1】
上下方向と交差する第1方向へ往復動可能に設けられており、下方へ向けてインク滴をノズルから吐出する記録部と、
上記記録部の下側に上記記録部から間隔をあけて配置されており、上下方向及び上記第1方向と交差する搬送向きへ搬送されるシートを支持するプラテンと、
上記ノズルより搬送向き上流側であって、且つ上記記録部の搬送向き上流側端より下流側となる位置に配置されており、上記プラテン上を搬送されるシートの上面に当接する当接部と、を備えており、
上記当接部は、
上記記録部側に設けられたインクを貯留する貯留部と、
上記貯留部の上記第1方向の両端の間となる位置に配置されており、上記記録部側から上向きへ突出し、突出の先端が当該当接部の最上端となる第1突出部と、を有するものであるインクジェット記録装置。
【請求項2】
上記当接部は、上記プラテンの上面に沿って広がる形状であり、
上記貯留部は、上記当接部の上記記録部側の周縁に沿って上向きへ突出する第2突出部を有しており、
上記第1突出部は、上記第2突出部より内側に設けられたものである請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
上記貯留部は、中央部が周縁部よりも下方に位置する湾曲面で構成されており、
上記第1突出部は、上記中央部から上向きへ突出されたものである請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
上記貯留部は、上記当接部の周縁に沿って下側に凹んだ第1溝を有しており、
上記第1突出部は、上記第1溝より内側に設けられたものである請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
上記第1突出部は、上記搬送向きに沿って延びており、
上記貯留部は、上記第1突出部の側部から上記第1方向に沿って下側に凹んだ複数の第2溝を有するものである請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
上記貯留部は、上記第2溝の上記第1突出部側とは反対側の端部と上記当接部の上記記録部側の周縁との間に、下側に凹んだ第1溝を有する請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
上記貯留部は、上記記録部側から下側へ凹む複数の凹部または上記記録部側から上側へ突出する複数の凸部の少なくともいずれか一方を有するものである請求項2から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
上記プラテンは、
上記搬送向きへ延び、且つ上記第1方向へ離間されて配置され、且つ上端が上記当接部の下端より上方に位置する複数の支持リブを有しており、当該支持リブの上端においてシートを支持するものであり、
上記当接部は、上記第1方向における上記支持リブの間に配置されたものである請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−111829(P2013−111829A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259496(P2011−259496)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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