説明

インクジェット記録装置

【課題】シートを波打ちさせることで当該シートに記録された画像の画質悪化を低減させつつ、当該シートの反転搬送路でのジャムを低減できる構造を提供する。
【解決手段】記録用紙12を前後方向8に案内する搬送路65と、搬送路65に設けられ、記録用紙12を挟持して搬送するスイッチバックローラ対56と、左右方向に複数配置されており、各々が記録用紙12の上面を押して当該記録用紙12を波打ち状態にする当接部83と、分岐位置36及び合流位置37において搬送路65と接続された反転搬送路67と、反転搬送路67に設けられ、記録用紙12を挟持して分岐位置36から合流位置37に搬送する再搬送ローラ対57とを備える。反転搬送路67の上側ガイド部材32の各ローラ対56、57の間には、各ローラ対56、57の挟持位置を結んだ仮想線76よりも下側に突出し且つ左右方向に延びた突出部34が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を記録するインクジェット記録装置に関し、特に、シートの両面に画像を記録可能なインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シートの搬送路と、搬送路を搬送されるシートに対してインクジェット記録方式で画像を記録する記録部とを備えたインクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置では、シートに画像を記録する際、シートと記録部とを対向させる。この際、シートと記録部との間隔は、高精度で調整されることが要求される。シートと記録部との間隔の誤差が大きくなると、シートに記録される画像の画質が悪化してしまうからである。このようなシートと記録部との間隔の誤差は、主に、シートが反ってシートを支持する支持部材から浮き上がることによって生じる。
【0003】
そこで、シートが画像記録される際における当該シートの支持部材からの浮き上がりを低減するために、当該シートの幅方向の複数箇所を上側から押さえて、波打ちした状態とすることが考えられる。これにより、シートに複数の細かい波を生じさせることによって、シート全体としての反りを小さくすることができる。その結果、シートに記録される画像の画質の悪化を低減することができる。
【0004】
特許文献1には、プラテンの上面がシートの幅方向に沿ってリブと凹部とで交互に形成されており、凹部と対向して設けられてシートを押さえるシート材押さえ板が備えられたインクジェット記録装置が開示されている。当該インクジェット記録装置においては、シートは、リブのある位置ではリブに支持され、リブのない位置ではシート材押さえ板に押さえられる。これにより、シートは幅方向に沿って波打ちした状態となり、シートが支持部材から浮き上がることが低減される。
【0005】
また、従来より、シートの両面に画像を記録することができるインクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置においては、シートを、シートが載置されているトレイからシートに画像を記録する記録部を経て排出口まで搬送する主搬送路の他に、再供給搬送路が形成されている。再供給搬送路は、記録部によって表面を画像記録されて記録部の下流側に搬送されたシートを、再び主搬送路における記録部の上流側に搬送する搬送路である。再供給搬送路を搬送されたシートは、裏面が記録部と対向した状態で記録部に到達する。これにより、記録部は、シートの裏面に画像を記録することができる。
【0006】
また、搬送路及び再供給搬送路が形成されるインクジェット記録装置の内部空間には限りがあるため、搬送路及び再供給搬送路は当該内部空間で湾曲されていることが多い。つまり、搬送路及び再供給搬送路の少なくとも一部は、湾曲路で構成されていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−71532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されたインクジェット記録装置に、上述したような再供給搬送路が採用された場合、以下の問題が生じる。波打ちした状態のシートは波打ちしていない状態のシートよりも湾曲し難い。すると、シート材押さえ板に押さえられて波打ちした状態となったシートが再供給搬送路に導かれると、当該シートは、再供給搬送路に含まれる湾曲路を搬送されにくい。その結果、当該シートは、再供給搬送路の湾曲路において、詰まってしまうおそれがある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートを波打ちさせることで当該シートに記録された画像の画質悪化を低減させつつ、当該シートが再供給搬送路において詰まる可能性を低くすることができるインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 本発明のインクジェット記録装置は、第1搬送路に設けられており、シートを第1搬送向きに搬送する第1搬送部と、上記第1搬送部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられており、上記第1搬送路を案内されるシートを下側から支持する支持部材と、上記支持部材の上方に上記支持部材と対向して設けられており、下面に形成されたノズルからインク滴を吐出することによって上記支持部材に支持されたシートに画像を記録する記録部と、上記ノズルよりも上記第1搬送向きの上流側において、上記搬送向きと直交する幅方向に複数が離間されて設けられており、上記支持部材に支持されたシートの上面に当接する当接部と、上記支持部材よりも上記第1搬送向きの下流側の第1位置、及び上記第1搬送部よりも上記第1搬送向きの上流側の第2位置において上記第1搬送路と接続され、上記支持部材の下側に延びた第2搬送路に設けられており、シートを挟持して上記第1位置から上記第2位置の第2搬送向きに搬送する第2搬送部と、上記第1位置よりも上記第1搬送向き下流側の上記第1搬送路に設けられており、シートを挟持して上記第1搬送向き、または、上記第2搬送路に向けて搬送する第3搬送部と、を備える。上記支持部材は、上記第1搬送向きへ延びており、上端が上記当接部の下端より上方に位置しており、且つ上記幅方向における上記当接部の間に上記幅方向に離間されて配置された複数の支持リブを有する。上記第2搬送路は、上側ガイド部材と下側ガイド部材とによって区画されている。上記上側ガイド部材における上記第2搬送部よりも上記第2搬送向きの上流側には、側面視において、上記第3搬送部によるシートの挟持位置と上記第2搬送部によるシートの挟持位置とを結んだ仮想線よりも上記下側ガイド部材側に突出した突出部が形成されている。
【0011】
シートは、幅方向に複数が離間された当接部に押さえられることによって、幅方向に沿って波打ちした状態となる。波打ちした状態のシートが第3搬送部によって第2搬送路に導かれ、その後、当該シートの先端が第2搬送部に到達すると、シートは、第3搬送部と第2搬送部との両方によって搬送される状態となる。この状態でシートが第2搬送路を搬送された場合、シートは、突出部に押しつけられながら第2搬送路を搬送される。このとき、シートは、突出部によって扱かれる。これにより、シートは、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移する。
【0012】
(2) 本発明のインクジェット記録装置は、上記第1位置に設けられており、上記第1搬送路を搬送されるシートの上面に当接して当該シートを上記第2搬送路へ導く経路切換部を更に備える。上記経路切換部は、上記幅方向において上記当接部のシート当接位置とは異なる位置においてシートと当接して、シートの上面をガイドする。
【0013】
波打ちした状態のシートは、幅方向において、当接部に押さえられた位置が谷となり、当接部に押さえられなかった位置が山となる。そして、本構成では、第2搬送路を搬送されるシートの山の部分が、経路切換部によって押さえられる。これにより、シートは、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移し易くなる。
【0014】
(3) 上記経路切換部は、搬送されるシートと当接して回転する拍車を備えている。上記拍車は、上記幅方向において上記当接部とは異なる位置に配置されている。
【0015】
本構成では、第2搬送路を搬送されるシートの山の部分が、拍車によって押さえられる。これにより、シートは、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移し易くなる。
【0016】
(4) 上記突出部は、上記幅方向に沿って間隔をあけて複数設けられている。
【0017】
これにより、第2搬送路を搬送されるシートは、幅方向の広い範囲において、突出部によって扱かれることが可能となる。その結果、シートは、幅方向の広い範囲において、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移する。
【0018】
(5) 上記突出部は、上記幅方向において上記当接部とは異なる位置に設けられている。
【0019】
本構成では、第2搬送路を搬送されるシートの山の部分が、突出部によって押さえられる。これにより、シートは、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移し易くなる。
【0020】
(6) 上記第2搬送路において、上記突出部と上記下側ガイド部材との距離が最も小さい。
【0021】
これにより、波打ちした状態のシートが、突出部と下側ガイド部材との間を通過する際に、当該波打ちの振幅を小さくすることができる。
【0022】
(7) 上記経路切換部は、上記幅方向に沿って複数設けられている。
【0023】
経路切換部が1つのみ設けられている場合に、シートが幅方向において全体として反っていると、以下の問題が発生する。つまり、経路切換部のうち、全体として反っているシートの浮き上がり部分に対向する部分は記録用紙12の山の部分を押さえることができるが、全体として反っているシートの浮き上がり部分に対向しない部分はシートの記録用紙12の山の部分を押さえることができない。そこで、本構成によれば、経路切換部が幅方向に沿って複数設けられている。これにより、経路切換部は、シートの反りに関係なく、シートの幅方向の全域に亘って、シートの山を押さえることができる。その結果、シートは、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移し易くなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、シートは、当接部に押さえられることによって、幅方向に沿って波打ちした状態となる。これにより、記録部によってシートに記録される画像の画質悪化を低減することができる。また、波打ちした状態のシートは、第2搬送路を搬送される過程において、突出部によって扱かれる。これにより、シートは、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移する。よって、第2搬送路が湾曲していたとしても、シートが第2搬送路の湾曲部分において詰まる可能性を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、複合機10の外観斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】図3は、記録部24とプラテン42とガイドレール43、44とを示す斜視図である。
【図4】図4は、プラテン42と当接部材80と記録用紙12とを示す正面図である。
【図5】図5は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図であって記録用紙12が突出部34と当接している状態が示されている。
【図6】図6は、当接部材80と搬送ローラ60とプラテン42と拍車63と経路切換部41とを模式的に示す平面図である。
【図7】図7は、変形例2における上側ガイド部材32を模式的に示した斜視図である。
【図8】図8は、変形例3におけるプリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図9】図9は、当接部材80と搬送ローラ60とプラテン42と上側ガイド部材32とを模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明においては、複合機10(本発明のインクジェット記録装置の一例)が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
【0027】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10は、概ね直方体に形成されており、下部にインクジェット記録方式で記録用紙12(本発明のシートの一例、図2参照)に画像を記録するプリンタ部11が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
【0028】
プリンタ部11は、正面に開口13が形成された筐体14を有している。また、各種サイズの記録用紙12を載置可能な給紙トレイ20及び排紙トレイ21が、開口13から前後方向8に挿抜可能である。
【0029】
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙トレイ20から記録用紙12をピックアップして給送する給紙部15、給紙トレイ20の上方に設けられており、給紙部15によって給紙された記録用紙12にインク滴を吐出して記録用紙12に画像を記録するインクジェット記録方式の記録部24、記録用紙12を搬送する搬送ローラ対54(本発明の第1搬送部の一例)、排出ローラ対55、スイッチバックローラ対56(本発明の第3搬送部の一例)、及び再搬送ローラ対57(本発明の第2搬送部の一例)などを備えている。
【0030】
[給紙部15]
図2に示されるように、給紙部15は、給紙トレイ20の上方であって記録部24の下方に設けられている。給紙部15は、給送ローラ25、給紙アーム26、及び駆動伝達機構27を備えている。給送ローラ25は、給紙アーム26の先端部で軸支されている。給紙アーム26は、基端部に設けられた軸28を中心として、矢印29の方向に回動する。これにより、給送ローラ25は、給紙トレイ20に当接及び離間が可能である。つまり、給送ローラ25は、給紙トレイ20に載置された記録用紙12に当接可能である。
【0031】
給送ローラ25は、給紙用モータ(不図示)の駆動力が伝達されて回転する。給送ローラ25は、給紙トレイ20上に積載された記録用紙12のうち、一番上側の記録用紙12に当接された状態で、当該記録用紙12を他の記録用紙12から分離して以下で説明する搬送路65へ送り出す。
【0032】
[搬送路65]
図2に示されるように、搬送路65(本発明の第1搬送路の一例)は、給紙トレイ20の後側の端部から上方且つ複合機10の前側へ曲がって、複合機10の背面側(後側)から正面側(前側)へ延出されている。搬送路65は、搬送ローラ対54による挟持位置、記録部24の下側、排出ローラ対55による挟持位置、スイッチバックローラ対56による挟持位置を経て排紙トレイ21へ通じている。給紙トレイ20から給送された記録用紙12は、搬送路65により下方から上方へUターンするように案内されて記録部24に案内される。記録用紙12は、記録部24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に案内される。記録用紙12が搬送路65を搬送される向き(以下、第1搬送向きとも称される。)は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。なお、第1搬送向きは、本発明の第1搬送向きの一例である。搬送路65は、記録部24やローラ対54、55、56などが配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって形成されている。
【0033】
記録部24及び後述するプラテン42よりも第1搬送向きの下流側に分岐位置36(本発明の第1位置の一例)が存在する。両面画像記録の際には、搬送路65を搬送される記録用紙12は、分岐位置36の下流側でスイッチバックされ、後述する反転搬送路67へ向けて搬送される。
【0034】
[搬送ローラ対54、排出ローラ対55、及びスイッチバックローラ対56]
図2に示されるように、搬送路65における記録部24よりも第1搬送向きの上流側には、搬送ローラ60とピンチローラ61とを有する搬送ローラ対54が設けられている。搬送路65において、記録部24よりも第1搬送向きの下流側且つ分岐位置36よりも第1搬送向きの上流側には、排出ローラ62と拍車63とを有する排出ローラ対55が設けられている。搬送路65における分岐位置36よりも第1搬送向きの下流側には、スイッチバック搬送ローラ45と拍車46とを有するスイッチバックローラ対56が設けられている。
【0035】
搬送ローラ対54を構成する搬送ローラ60及びピンチローラ61、排紙ローラ対55を構成する排出ローラ62及び拍車63、並びにスイッチバックローラ対56を構成するスイッチバック搬送ローラ45及び拍車46は相互に当接されており、記録用紙12を挟持して搬送する。
【0036】
搬送ローラ60及び排出ローラ62は、搬送用モータ(不図示)から正逆回転方向の駆動力が伝達されて、正転及び逆転する。例えば、搬送ローラ60及び排出ローラ62は、搬送用モータから正転方向の駆動力が伝達された場合、記録用紙を第1搬送向きへ搬送する方向へ回転され、搬送用モータから逆転方向の駆動力が伝達された場合、記録用紙を第1搬送向きと逆向きへ搬送する方向へ回転される。
【0037】
スイッチバック搬送ローラ45は、搬送ローラ60及び排出ローラ62と同様に、搬送用モータから正逆回転方向の駆動力が伝達されて、正転及び逆転する。詳細には、片面記録が行われる場合、スイッチバック搬送ローラ45は正転される。これにより、記録用紙12はスイッチバック搬送ローラ45及び拍車46に挟持されて第1搬送向きへ搬送され、排紙トレイ21に排紙される。一方、両面記録が行われる場合、スイッチバック搬送ローラ45及び拍車46が記録用紙12の後端部を挟持した状態で、スイッチバック搬送ローラ45の回転方向が正転から逆転へ切り換えられる。これにより、記録用紙12は、第1搬送向きと逆向きに搬送され、後述する経路切換部41にガイドされつつ後述する反転搬送路67へ向けて搬送される。
【0038】
[プラテン42]
図2に示されるように、搬送ローラ対54及び排出ローラ対55の間における搬送路65の下側には、プラテン42(本発明の支持部材の一例)が設けられている。つまり、プラテン42は、搬送ローラ対54よりも第1搬送向きの下流側に設けられている。プラテン42は、概ね薄板形状の部材である。
【0039】
図3に示されるように、プラテン42の上面には、上方に突出した複数の支持リブ52が形成されている。各支持リブ52は、前後方向8に延びている。詳細には、各支持リブ52は、少なくとも後述するノズル40と対向する位置において、前後方向8に延びている。本実施形態では、各支持リブ52は、ノズル40と対向する位置よりも後側まで延びている。換言すると、各支持リブ52は、前後方向8において、後述する当接部材80の当接部83(図2及び図4参照)が設けられている位置まで延びている。
【0040】
また、各支持リブ52は、左右方向9において、相互に所定の間隔を空けて形成されている。搬送路65を搬送される記録用紙12は、プラテン42によって、詳細にはプラテン42の上面に形成された各支持リブ52によって支持される。つまり、プラテン42は、搬送路65を案内される記録用紙12を下側から支持する。
【0041】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、プラテン42と対向して搬送路65の上側に設けられている。記録部24は、キャリッジ23と記録ヘッド39とを備えている。図3に示されるように、キャリッジ23は、プラテン42の後側及び前側に設けられたガイドレール43、44によって支持されている。ガイドレール43、44の少なくとも一方には、公知のベルト機構(不図示)が設けられており、キャリッジ23は、当該ベルト機構と連結されている。ベルト機構はキャリッジモータ(不図示)により駆動され、これにより、キャリッジ23は、左右方向9に移動可能である。
【0042】
図2に示されるように、記録ヘッド39は、キャリッジ23に搭載されている。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が形成されている。記録ヘッド39には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が左右方向9へ往復動しているときに、ノズル40からプラテン42に支持されている記録用紙12に対してインク滴が吐出される。これにより、記録用紙12に画像が記録される。
【0043】
[当接部材80]
図2に示されるように、搬送路65におけるノズル40よりも第1搬送向きの上流側には、複数の当接部材80が設けられている。本実施形態では、図6に示されるように、9個の当接部材80が設けられている。各当接部材80は、図2に示されるように、取り付け部81と、湾曲部82(図3及び図5参照)と、当接部83(図3及び図5参照)とで構成されている。
【0044】
取り付け部81は、概ね平板形状である。各取り付け部81は、ガイドレール43に取り付けられている。以下に詳述する。図3に示されるように、各取り付け部81の上面には、複数(本実施形態では4個)の引っ掛け部75が上側に突出されている。引っ掛け部75は、上端部において後側に屈曲されている。一方、ガイドレール43には複数の開口74が設けられている。各引っ掛け部75は、開口74に挿通されて、開口74に引っ掛けられる。これにより、各取り付け部81の上面は、ガイドレール43の下面に取り付けられる。また、各取り付け部81は、左右方向9において、相互に離間されて取り付けられている。
【0045】
図2及び図3に示されるように、湾曲部82は、取り付け部81から前側に突設されている。湾曲部82は、前側に延びながら下側に向かって湾曲されている。湾曲部82の先端部、つまり前端部からは当接部83が前側に突出されている。以上より、湾曲部82及び当接部83も、取り付け部81と同様に、左右方向9において、相互に離間されて配置されている。
【0046】
図2及び図3に示されるように、当接部83は、概ね平板形状である。当接部83は、記録部24のノズル40(詳細には複数のノズル40のうち、最も後側のノズル40)よりも第1搬送向きの上流側、且つプラテン42と対向する位置に設けられている。当接部83の下面84(図4参照)には、下面84から下方に向かって突出する当接リブ85が設けられている。当接リブ85の下端は、記録ヘッド39の下面よりも下側に位置しており、プラテン42に支持された記録用紙12の画像記録面、つまり記録用紙12の上面に当接する。これにより、記録用紙12は、当接部83によって、下側へ向けて、つまりプラテン42へ向けて押さえられる。
【0047】
なお、当接部83に、当接リブ85が設けられていなくてもよい。この場合、当接部83の下面84が、記録用紙12の上面に当接する。つまり、当接部83の下面84が、当接部83の下端となる。
【0048】
ここで、図4に示されるように、プラテン42に形成された各支持リブ52は、左右方向9において、各当接部83が形成されていない位置に形成されている。つまり、当接部83と支持リブ52とはお互いに対向していない。また、各支持リブ52は、各当接部83の当接リブ85の下端よりも上側まで突出されている。以上より、搬送路65を搬送されている記録用紙12は、プラテン42と当接部83との間において、前側或いは後側からみて波打った状態となっている。
【0049】
[経路切換部41]
図2に示されるように、経路切換部41は、分岐位置36に配置されている。
【0050】
経路切換部41は、左右方向9に沿って1つまたは複数設けられている。本実施形態では、図6に示されるように、3つの経路切換部41A〜41Cが、左右方向9において、相互に離間されて配置されている。もちろん、経路切換部41の数は、3つ以外でもよい。
【0051】
経路切換部41A〜41Cは、それぞれ、補助ローラ47、補助ローラ48(本発明の拍車の一例)、フラップ49、及び支軸87で構成されている。詳細には、左右方向9の両端に位置する経路切換部41A、41Cは、支軸87と、4つのフラップ49と、2つの補助ローラ47と、2つの補助ローラ48とで構成されている。また、左右方向9の中央に位置する経路切換部41Bは、支軸87と、8つのフラップ49と、4つの補助ローラ47と、4つの補助ローラ48とで構成されている。各経路切換部41は、個別に支軸87を有しているため、個別に回動可能である。
【0052】
各支軸87は、左右方向9に延びており、プリンタ部11のフレームなど(本実施形態では外側ガイド部材18)に回転可能に取り付けられている。
【0053】
各フラップ49は、支軸87から第1搬送向きの下流側へ延出されている。これにより、各フラップ49は、支軸87の回転に伴って回動する。また、各フラップ49は、左右方向9において所定の間隔を空けて配置されている。
【0054】
各補助ローラ47は、左右方向9において2つのフラップ49に挟まれており、当該2つのフラップ49によって回転可能に軸支されている。各補助ローラ48も、補助ローラ47と同様に、2つのフラップ49に挟まれており、当該2つのフラップ49によって回転可能に軸支されている。各補助ローラ47は、フラップ49の延出基端側、つまり支軸87側に取り付けられており、各補助ローラ48は、フラップ49の延出先端側に取り付けられている。
【0055】
また、補助ローラ47及び補助ローラ48の各々の左右方向9の位置は、各当接部材80の当接部83の左右方向9の位置とは異なっている。つまり、補助ローラ47及び補助ローラ48の各々は、左右方向9において、当接部83とは異なる位置に設けられている。
【0056】
フラップ49は、姿勢変化可能に構成されており、内側ガイド部材19よりも上方に位置する排出姿勢(図2に破線で示される姿勢、本発明の第1姿勢の一例)と、延出端部49Aが分岐位置36よりも下方へ進入する反転姿勢(図2に実線で示される姿勢、本発明の第2姿勢の一例)との間で回動する。つまり、反転姿勢のフラップ49の回動先端部は、排出姿勢のフラップ49の回動先端部よりも下方に位置する。すなわち、反転姿勢は、排出姿勢よりも下側に位置した姿勢である。
【0057】
フラップ49は、通常、自重によって反転姿勢を維持するが、記録部24の直下より搬送されてきた記録用紙12に持ち上げられることによって、反転姿勢から排出姿勢に姿勢変化される。記録用紙12は、フラップ49が排出姿勢の場合、更に第1搬送向きの下流側へ搬送される。このとき、補助ローラ47、48は、搬送される記録用紙12の上面と当接することによって回転する。つまり、排出姿勢の経路切換部41は、搬送路65を第1搬送向きに搬送される記録用紙12の上面をガイドして、当該記録用紙12を搬送路65に沿って案内する。
【0058】
その後、記録用紙12の後端が補助ローラ47の直下を通過すると、フラップ49の自重による下向きの力が、記録用紙12がフラップ49を上向きに押す力よりも大きくなる。これにより、フラップ49は、再び自重によって排出姿勢から反転姿勢に姿勢変化する。その結果、記録用紙12の後端は、反転搬送路67の方角を向く。この状態において、スイッチバック搬送ローラ45が正転されると、記録用紙12は排紙トレイ21に排出される。
【0059】
一方、記録用紙12の後端が反転搬送路67の方角を向いた状態において、スイッチバック搬送ローラ45が逆転されると、記録用紙12は反転搬送路67へ搬送される。つまり、記録用紙12は、フラップ49が反転姿勢の場合、反転搬送路67へスイッチバック搬送される。このとき、補助ローラ48は、搬送路65を第2搬送向きに搬送される記録用紙12の上面と当接することによって回転する。そして、記録用紙12は、経路切換部41の補助ローラ48を介して、反転搬送路67へ導かれる。つまり、反転姿勢の経路切換部41は、搬送路65を搬送される記録用紙12の上面に当接して当該記録用紙12を反転搬送路67へ導く。
【0060】
[反転搬送路67]
図2に示されるように、反転搬送路67(本発明の第2搬送路の一例)は、分岐位置36で搬送路65から分岐され、プラテン42の下側且つ給紙アーム26の上側を通って、搬送ローラ対54よりも第1搬送向きの上流側の合流位置37(本発明の第2位置の一例)で搬送路65と合流するように延びている。つまり、反転搬送路67は、分岐位置36及び合流位置37において、搬送路65と接続されている。
【0061】
記録用紙12は、反転搬送路67を第2搬送向きに案内される。ここで、第2搬送向きとは、反転搬送路67を分岐位置36から合流向き37に向かう向きで、図2における矢印付きの二点鎖線で示される向きを指す。
【0062】
反転搬送路67の上側は、上側ガイド部材32によって区画されている。また、反転搬送路67の下側は、下側ガイド部材33によって区画されている。上側ガイド部材32と下側ガイド部材33とは、記録用紙12が通過可能な所定間隔を隔てて互いに対向するように配置されている。また、上側ガイド部材32と下側ガイド部材33とは、図2における紙面に垂直な方向、つまり左右方向9に延びている。なお、上側ガイド部材32には突出部34が形成されているが、これについては後述される。
【0063】
[再搬送ローラ対57]
反転搬送路67には、再搬送ローラ68とピンチローラ69とを有する再搬送ローラ対57が設けられている。再搬送ローラ68及びピンチローラ69は相互に当接されており、記録用紙12を挟持して搬送する。再搬送ローラ68は、上述の搬送用モータ(不図示)から駆動伝達機構(不図示)を介して回転駆動力が伝達されて回転される。駆動伝達機構は、遊星ギヤなどから構成されており、搬送用モータが正転または逆転のいずれに回転されても、記録用紙12を第2搬送向きへ搬送させるべく、再搬送ローラ68を一回転方向へ回転させる。
【0064】
[突出部34]
図2に示されるように、本実施形態において、反転搬送路67の上側ガイド部材32は、再搬送ローラ対57よりも第2搬送向きの上流側において屈曲されている。具体的には、上側ガイド部材32における反転搬送路67側の面は、第1面70と第2面71とで構成されている。
【0065】
第1面70は、後側である程に高さが低くなる傾斜面である。つまり、第1面70は、前後方向8及び左右方向9に平行に延びた水平面から所定角度だけ傾斜した面である。第2面71は、概ね前後方向8及び左右方向9に平行に延びた略水平面である。つまり、第1面70は、第2面71よりも水平面に対する傾斜角度が大きい。なお、第2面71は、第1面70よりも傾斜角度が小さい傾斜面であってもよい。第1面70が傾斜面であり第2面71が略水平面であるために、第1面70と第2面71との境界が、突出部34となる。なお、前述したように、第1面70及び第2面71は、左右方向9に延びた面であるため、第1面70と第2面71とが交差した突出部34は、左右方向9(本発明の幅方向の一例)に延びた線である。
【0066】
ここで、突出部34は、スイッチバックローラ対56による記録用紙12の挟持位置72と再搬送ローラ対57による記録用紙12の挟持位置73とを結んだ仮想線である図2における破線76(本発明の仮想線の一例)よりも下側ガイド部材33側に突出している。つまり、突出部34は、側面視において、破線76を基準とした場合に、下側ガイド部材33側に突出した凸部を構成している。
【0067】
反転搬送路67を搬送される記録用紙12の先端部が再搬送ローラ対57によって挟持されたとき、図5に示されるように、当該記録用紙12は、その先端部が再搬送ローラ対57によって挟持され、且つその後端部がスイッチバックローラ対56によって挟持された状態となる。
【0068】
ここで、通常、複合機10においては、再搬送ローラ68による記録用紙12の搬送速度は、スイッチバック搬送ローラ45による記録用紙12の搬送速度よりも大きく設定されている。反転搬送路67を搬送される記録用紙12が、スイッチバックローラ対56と再搬送ローラ対57との間において、撓むことを防止するためである。なお、各搬送ローラによる記録用紙12の搬送速度の設定は、例えば、搬送用モータと各搬送ローラ45、68との間に駆動伝達のために配置されたギヤのギヤ比を異なるものとすることで行われる。
【0069】
各搬送ローラ45、68の搬送速度が上記のように設定されている場合に、記録用紙12がその前後端部をローラ対56、47に挟持された状態で第2搬送向きに搬送されると、当該記録用紙12はスイッチバックローラ対56と再搬送ローラ対57との間において張った状態となる。このとき、記録用紙12の上面は、突出部34において、上側ガイド部材32と当接する。
【0070】
この状態において、記録用紙12が更に第2搬送向きに搬送されると、当該記録用紙12の上面は、突出部34において扱かれる。これにより、当接部材80の当接部83とプラテン42の支持リブ52とによって波打ちした状態となっている記録用紙12において、当該波の振幅が低減される。換言すると、記録用紙12は、当接部83と支持リブ52とによって波打ちした形状に癖付けられていても、突出部34に扱かれることによって、当該癖が低減されて真っ直ぐな状態に近くなる。
【0071】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、記録用紙12は、左右方向9に複数が離間された当接部材80の当接部83に押さえられることによって、左右方向9に沿って波打ちした状態となる。波打ちした状態の記録用紙12がスイッチバックローラ対56によって反転搬送路67に導かれ、その後、当該記録用紙12の先端が再搬送ローラ対57に到達すると、記録用紙12は、スイッチバックローラ対56と再搬送ローラ対57との両方に挟持された状態となる。この状態で記録用紙12が反転搬送路67を搬送された場合、記録用紙12は、突出部34に押しつけられながら反転搬送路67を搬送される。このとき、記録用紙12は、突出部34によって扱かれる。これにより、記録用紙12は、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移する。以上より、本実施形態によれば、記録用紙12が反転搬送路67において詰まる可能性を低くすることができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、波打ちした状態の記録用紙12は、左右方向9において、当接部材80の当接部83に押さえられた位置が谷となり、支持リブ52に支持された位置が山となる。ここで、本実施形態では、補助ローラ48が左右方向9において当接部83とは異なる位置に設けられている。よって、本実施形態では、反転搬送路67を搬送される記録用紙12の山の部分が、補助ローラ48によって押さえられる。これにより、記録用紙12は、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移し易くなる。
【0073】
また、経路切換部41が1つのみ設けられており、当該経路切換部41に左右方向9に沿って複数の補助ローラ48が配置されている場合に、記録用紙12が左右方向9において全体として反っていると、以下の問題が発生する。つまり、全体として反っている記録用紙12の浮き上がり部分に対向する補助ローラ48は記録用紙12の山の部分を押さえることができるが、全体として反っている記録用紙12の浮き上がり部分に対向しない補助ローラ48は記録用紙12に届かない。つまり、補助ローラ48は、記録用紙12の山の部分を押さえることができない。そこで、本実施形態によれば、経路切換部41が左右方向9に沿って複数設けられており、各経路切換部41は個別に姿勢変化可能である。これにより、記録用紙12の反りに関係なく、全ての補助ローラ48が、記録用紙12の山を押さえることができる。その結果、記録用紙12は、波打ちした状態から真っ直ぐな状態へと遷移し易くなる。
【0074】
[実施形態の変形例1]
上述の実施形態では、プリンタ部11には、複数の当接部材80が設けられており、各当接部材80は、取り付け部81と、湾曲部82と、当接部83とで構成されていた。しかし、当接部材80は、単体の部材として構成されていてもよい。この場合、当接部材80は、例えば、左右方向9に沿って延びた一つの取り付け部81と、複数の湾曲部82(図3及び図5参照)と、複数の当接部83(図3及び図5参照)とで構成されている。
【0075】
上述の実施形態では、複数の取り付け部81が左右方向9において相互に離間されてガイドレール43に取り付けられていたが、変形例1では、単体の取り付け部81がガイドレール43に取り付けられている。そして、複数の湾曲部82が当該単体の取り付け部81から前側に突設されている。この際、複数の湾曲部82は、左右方向9において相互に離間する位置から突設されている。なお、湾曲部82の先端部から当接部83が前側に突出されていることは、上述の実施形態と同様である。
【0076】
[実施形態の変形例2]
上述の実施形態では、上側ガイド部材32は、それぞれ単一の平面である第1面70と第2面71を備えていた。そして、第1面70と第2面71とが反転搬送路67において記録用紙12をガイドした。しかし、上側ガイド部材32は、第1面70や第2面71のような単一の平面を有していなくてもよい。例えば、上側ガイド部材32は、図7に示されるように、概ね前後方向8、換言すると第2搬送向きに沿って延びており且つ左右方向9において所定の間隔を空けて形成された複数のリブ32A〜32Eによって形成されていてもよい。
【0077】
なお、図7は、リブ32A〜32Eで構成される上側ガイド部材32のみを模式的に示した斜視図である。また、図7では、上側ガイド部材32は5つのリブによって構成されているが、リブの数は5つに限らない。
【0078】
図7に示されるような変形例2の場合、突出部34は、リブの数だけ形成される。つまり、上述の実施形態では、突出部34は左右方向9に延びた線だったが、変形例2では、突出部34は左右方向9に沿って間隔を空けて複数設けられている。
【0079】
また、変形例2のように突出部34が左右方向9に沿って間隔を空けて複数設けられている場合、図9に示されるように、突出部34の左右方向の位置は、各当接部材80の当接部83の左右方向9の位置と異なっていてもよい。つまり、突出部34は、左右方向9において当接部83とは異なる位置に設けられていてもよい。
【0080】
[実施形態の変形例3]
上述の実施形態では、上側ガイド部材32に第1面70と第2面71とが形成されており、第1面70と第2面71とによって突出部34が形成された。しかし、本発明の突出部は、上述の実施形態における突出部34に限らない。
【0081】
例えば、図8に示されるような突出部35が、上側ガイド部材32の下側の面において、下側(下側ガイド部材33側)に突出されていてもよい。
【0082】
なお、突出部35は、左右方向9に延設された一つのものとして構成されていてもよいし、左右方向9に沿って間隔を空けて設けられた複数のものとして構成されていてもよい。
【0083】
[実施形態の変形例4]
反転搬送路67の上側ガイド部材32と下側ガイド部材33との距離は、本発明の突出部と本発明の下側ガイド部材との間において最も小さくなっていてもよい。例えば、図8に示された構成が上記の構成に相当する。つまり、図8に示された構成の場合、反転搬送路67において、突出部35と下側ガイド部材33との距離Dが最も小さくなっている。
【0084】
[実施形態の変形例5]
上述の実施形態では、経路切換部41は補助ローラ47、48を備えていたが、経路切換部41は補助ローラ47、48の一方のみを備えていてもよいし、補助ローラ47、48を備えていなくてもよい。
【0085】
例えば、経路切換部41が補助ローラ47、48を備えていない場合、搬送路65を搬送される記録用紙12の上面は、フラップ49と当接する。この場合、各フラップ49の左右方向9の位置は、各当接部材80の当接部38の左右方向9の位置と異なっていてもよい。つまり、経路切換部41は、左右方向9において、各当接部83が記録用紙12と当接する位置とは異なる位置において記録用紙12と当接して、記録用紙12の上面をガイドしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10・・・複合機
12・・・記録用紙
24・・・記録部
32・・・上側ガイド部材
33・・・下側ガイド部材
34・・・突出部
36・・・分岐位置
37・・・合流位置
40・・・ノズル
41・・・経路切換部
42・・・プラテン
48・・・補助ローラ
56・・・スイッチバックローラ対
57・・・再搬送ローラ対
65・・・搬送路
67・・・反転搬送路
80・・・当接部材
83・・・当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1搬送路に設けられており、シートを第1搬送向きに搬送する第1搬送部と、
上記第1搬送部よりも上記第1搬送向きの下流側に設けられており、上記第1搬送路を案内されるシートを下側から支持する支持部材と、
上記支持部材の上方に上記支持部材と対向して設けられており、下面に形成されたノズルからインク滴を吐出することによって上記支持部材に支持されたシートに画像を記録する記録部と、
上記ノズルよりも上記第1搬送向きの上流側において、上記搬送向きと直交する幅方向に複数が離間されて設けられており、上記支持部材に支持されたシートの上面に当接する当接部と、
上記支持部材よりも上記第1搬送向きの下流側の第1位置、及び上記第1搬送部よりも上記第1搬送向きの上流側の第2位置において上記第1搬送路と接続され、上記支持部材の下側に延びた第2搬送路に設けられており、シートを挟持して上記第1位置から上記第2位置の第2搬送向きに搬送する第2搬送部と、
上記第1位置よりも上記第1搬送向き下流側の上記第1搬送路に設けられており、シートを挟持して上記第1搬送向き、または、上記第2搬送路に向けて搬送する第3搬送部と、を備え、
上記支持部材は、上記第1搬送向きへ延びており、上端が上記当接部の下端より上方に位置しており、且つ上記幅方向における上記当接部の間に上記幅方向に離間されて配置された複数の支持リブを有し、
上記第2搬送路は、上側ガイド部材と下側ガイド部材とによって区画されており、
上記上側ガイド部材における上記第2搬送部よりも上記第2搬送向きの上流側には、側面視において、上記第3搬送部によるシートの挟持位置と上記第2搬送部によるシートの挟持位置とを結んだ仮想線よりも上記下側ガイド部材側に突出した突出部が形成されているインクジェット記録装置。
【請求項2】
上記第1位置に設けられており、上記第1搬送路を搬送されるシートの上面に当接して当該シートを上記第2搬送路へ導く経路切換部を更に備え、
上記経路切換部は、上記幅方向において上記当接部のシート当接位置とは異なる位置においてシートと当接して、シートの上面をガイドする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
上記経路切換部は、搬送されるシートと当接して回転する拍車を備えており、
上記拍車は、上記幅方向において上記当接部とは異なる位置に配置されている請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
上記突出部は、上記幅方向に沿って間隔をあけて複数設けられている請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
上記突出部は、上記幅方向において上記当接部とは異なる位置に設けられている請求項4に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
上記第2搬送路において、上記突出部と上記下側ガイド部材との距離が最も小さい請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
上記経路切換部は、上記幅方向に沿って複数設けられている請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−111838(P2013−111838A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259605(P2011−259605)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】