説明

インクジェット記録装置

【課題】ウエブの走行時のバタツキを確実に抑制し、走行安定を維持することにより、高品質な記録物が得られるインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、ウエブ1を記録するインクジェット記録装置100において、ウエブ1の記録面1a側に配設されたラインヘッド10と、ウエブ1を案内する案内ローラ2と、ウエブ1の非記録面1b側に配設された吸引機構20と、を備え、ウエブ1の走行時に、ラインヘッド10がウエブ1の記録面1a側を記録すると共に、吸引機構20がウエブ1の非記録面1b側を吸引するインクジェット記録装置100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、更に詳しくは、ウエブの走行時のバタツキを抑制し、走行安定性を向上させることにより、高品質な記録物が得られるインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置は、所望のデザインや文字等の模様を簡便に且つ的確に記録できることから、多くの分野で用いられている。
近年、模様の微細化、或いは表現力の向上に伴い、インクジェット記録装置により得られる記録物においてもより高い品質の向上が求められている。
【0003】
ところで、インクジェット記録装置においては、生産効率の観点からは、できる限りウエブを高速で走行させることが望ましいが、ウエブを高速で走行させると、どうしてもウエブのバタツキが生じる。また、ウエブを案内する案内ローラ同士の間隔が広くなる程、バタツキの度合いが大きくなり、記録物の品質が低下するという欠点がある。このため、ウエブのバタツキを抑制する方法が検討されている。
【0004】
例えば、各インクジェットヘッドのノズル面に対向する用紙通路をこれの走行方向上流側と下流側に位置する2本のガイドローラにて形成し、各インクジェットヘッドのノズル幅領域の用紙の走行方向上流側と下流側のそれぞれの端部分が、上流側と下流側のガイドローラのそれぞれに巻き付き接触する各接触点より両ローラ間の内側位置となるようにしたインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかるインクジェット記録装置においては、上記端部分が、上記各接触点に可及的に近接する位置とすることにより、用紙のバタツキを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−99955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載のインクジェット記録装置においては、確かに用紙のバタツキは、抑制されるものの、必ずしも十分とはいえない。
特に、インクジェットヘッドが4ヘッド以上並ぶような構成の場合は、ウエブの走行安定を維持することが難しい。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ウエブの走行時のバタツキを確実に抑制し、走行安定性を向上させることにより、高品質な記録物が得られるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、ウエブの非記録面側に吸引機構を配設し、ウエブの走行時に、ウエブの非記録面側を吸引して負圧とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、(1)ウエブを記録するインクジェット記録装置において、ウエブの記録面側に配設されたラインヘッドと、ウエブを案内する案内ローラと、ウエブの非記録面側に配設された吸引機構と、を備え、ウエブの走行時に、ラインヘッドがウエブの記録面側を記録すると共に、吸引機構がウエブの非記録面側を吸引するインクジェット記録装置に存する。
【0010】
本発明は、(2)吸引機構が、ウエブに接する細径案内ローラと、隣合う細径案内ローラ間に設けられた吸引孔と、を有し、ウエブの非記録面側を吸引孔から吸引する上記(1)記載のインクジェット記録装置に存する。
【0011】
本発明は、(3)吸引機構が、吸引の度合いを調整する調整機構を更に備える上記(2)記載のインクジェット記録装置に存する。
【0012】
本発明は、(4)ラインヘッド、案内ローラ及び吸引機構が収容された本体フレームを更に備え、該本体フレームに設けられた支持具に、細径案内ローラが回動自在となるようにベアリングを介して取り付けられている上記(2)又は(3)に記載のインクジェット記録装置に存する。
【0013】
本発明は、(5)複数のラインヘッドが並設されており、各ラインヘッドに対応するように複数の吸引機構が配設されている上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置に存する。
【0014】
本発明は、(6)複数のラインヘッドが並設されており、該複数のラインヘッドの下面がアーチ状に配設されている上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置に存する。
【0015】
本発明は、(7)ラインヘッドにより記録されたウエブを乾燥するための乾燥機を更に備える上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置に存する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のインクジェット記録装置においては、吸引機構がウエブの非記録面側を吸引して負圧とすることにより、ウエブが案内ローラ側に引きつけられる。これにより、たとえウエブが走行時であっても、ウエブのバタツキを確実に抑制し、走行安定を維持することができる。
その結果、ラインヘッドから飛翔するインクがウエブに付着する際に、ウエブがバタつくことが抑制されるので、より高品質な記録物が得られることになる。
また、ウエブとラインヘッドとの接触が防止でき、ラインヘッドのノズルの損傷を防止できる。
さらに、紙粉の発生による記録トラブルの発生頻度も同時に低減できる。
【0017】
本発明のインクジェット記録装置においては、吸引機構が細径案内ローラを備える場合、ウエブが吸引孔から吸引されることにより、ウエブが細径案内ローラに沿って走行するようになる。例えば、細径案内ローラを直線状に配設することにより、それに合わせてウエブの走行経路を直線状にすることができる。
また、本体フレームに設けられた支持具に、ベアリングを介して回動自在となるように細径案内ローラが取り付けられていると、ウエブをよりスムーズに走行させることができる。
【0018】
本発明のインクジェット記録装置においては、吸引機構が調整機構を備える場合、ウエブの走行速度に基づくバタツキの度合いに合わせて、吸引の度合いを最適に調整することができる。
【0019】
本発明のインクジェット記録装置においては、複数のラインヘッドが並設されており、各ラインヘッドに対応するように複数の吸引機構が配設されている場合、全ラインヘッドに渡るウエブのバタツキをより確実に抑制することができる。
【0020】
本発明のインクジェット記録装置においては、複数のラインヘッドが並設されており、該複数のラインヘッドの下面がアーチ状となるように配設されている場合、ウエブに対し、ラインヘッドとは反対方向にテンションを掛けることができるので、ウエブのfバタツキをより抑制することができる。
【0021】
本発明のインクジェット記録装置においては、乾燥機を備える場合、ウエブに記録した後、そのまま該ウエブを乾燥させることができる。このため、効率良くインクジェット記録装置による記録物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態を示す概略図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における複数のラインヘッドを示す上面図である。
【図3】図3の(a)は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における吸引機構を示す上面図であり、図3の(b)は、図3の(a)のA−A線における断面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における吸引孔の入り口部を説明する拡大断面図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略平面図である。
【図6】図6は、他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0024】
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置100は、ウエブ1の記録面1a側に配設された複数のラインヘッド10と、ウエブ1を案内する複数の案内ローラ2と、ウエブ1の非記録面1b側に配設された吸引機構20と、ラインヘッド10により記録されたウエブ1を乾燥するための乾燥機3とを備える。
また、ラインヘッド10、案内ローラ2、吸引機構20及び乾燥機3は、本体フレーム4に収容されている。このため、インクジェット記録装置100においては、浮遊するインクや騒音が本体フレーム4の外部に極力漏れないようになっている。
【0025】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100において、ウエブ1の材質は、紙、布帛、フィルム、金属箔等、特に限定されない。また、ウエブ1は、連続して走行可能になっている。
【0026】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、4個のラインヘッド10が並設されている。かかる4個のラインヘッド10は、ウエブ1に対して連続して記録することが可能となっている。
【0027】
図2は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における複数のラインヘッドを示す上面図である。
図2に示すように、4個のラインヘッド10は、いずれも本体フレーム4に設けられた基板11に位置固定されている。なお、各ラインヘッド10は、基板11からそれぞれ独立に着脱可能となっており、必要に応じて適宜交換することができる。
【0028】
各ラインヘッド10は、複数の短尺ヘッド12をヘッド用基板13上に千鳥状に配置した構成になっている。
ヘッド用基板13は、一端に、位置決めピン16が設けられており、これにより、本体フレーム4にヘッド用基板13が位置決めされる。そして、ヘッド用基板13は、両端が固定ねじ14で基板11に固定される。なお、ヘッド用基板13は、他端が、基板11に設けられた揺動装置15と接しており、かかる揺動装置15により、位置決めピン16の位置を支点として、ヘッド用基板13の位置の微調整が可能となっている。
【0029】
4個のラインヘッド10には、それぞれにインクが収容されている。なお、これらのインクは、同じ色であっても、異なる色であってもよい。また、インクは、染料でも顔料でもよく、また水性、油性を問わない。
【0030】
例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックが収容されている4つのラインヘッド10で記録すると、フルカラーの表現が可能となる。また、これらの色の濃淡のインクが収容されたラインヘッド10を更に備え、すべてのラインヘッド10で記録すると、表現できる色の幅が拡大する。なお、この他にも、紫外線硬化剤、艶出し剤、難燃剤、下地剤等を溶解した液体をインクとして用いてもよい。
【0031】
吸引機構20は、並設されたラインヘッド10それぞれに対応するように複数配設されている。これにより、ウエブ1のバタツキをより確実に抑制することができる。
【0032】
図3の(a)は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における吸引機構を示す上面図であり、図3の(b)は、図3の(a)のA−A線における断面図である。
図3の(a)及び 図3の(b)に示すように、吸引機構20は、吸引機構20の左側の(すなわち上流側の)案内ローラ(以下便宜的に「左案内ローラ」という。)2aと、吸引機構20の右側の(すなわち下流側の)案内ローラ(以下便宜的に「右案内ローラ」という。)2bとの間に固定される。なお、左案内ローラ2a及び右案内ローラ2bは、いずれも本体フレーム4に設けられた支持具23に取り付けられている。
【0033】
ここで、インクジェット記録装置100においては、吸引機構20が左案内ローラ2a及び右案内ローラ2bに固定されることにより、吸引機構20、左案内ローラ2a及び右案内ローラ2bをユニット化することができる。これにより、部品が簡素化されると共に各位置関係が固定されることで精度向上の効果が得られる。
【0034】
吸引機構20は、バキューム本体部26と、該バキューム本体部26の上面に配置された4本の細径案内ローラ21と、隣合う細径案内ローラ21間のバキューム本体部26に列状に設けられ、下方に向かってバキューム本体部26に通じるように穿設された複数の吸引孔22と、バキューム本体部26の内部に設けられた負圧チャンバー25と、該負圧チャンバー25内を負圧にする吸引ブロアー(図示しない)とを有する。
【0035】
各細径案内ローラ21は、本体フレーム4に設けられた支持具23に渡され、それぞれ独立してフリーに回動自在となるように、ベアリング24を介して取り付けられている。
また、細径案内ローラ21は、ウエブ1に接するように配置されているので、ウエブ1の走行に応じて、回動するようになっている。
【0036】
ここで、吸引機構20は、吸引孔22が等間隔で複数設けられた列を3列備える。
また、図3の(a)に示すように、吸引孔22は、バキューム本体部26に対して互いに千鳥状となっている。
【0037】
図4は、本実施形態に係るインクジェット記録装置における吸引孔の入り口部を説明する拡大断面図である。
図4に示すように、吸引孔の入り口部27は、テーパー状の側部27aと、該側部27aに囲まれた底部27bとからなる。そして、該底部27bには、吸引孔22が穿設されている。
吸引孔の入り口部27は、側部27aがテーパー状となっているので、吸引孔22の上方のみならず、その周辺からも矢印A方向に幅広く吸引することが可能となっている。このため、ウエブ1を部分的ではなく、比較的広範囲で吸引することができる。
【0038】
図3の(a)及び図3の(b)に戻り、吸引孔22は、いずれも負圧チャンバー25に連通しており、該負圧チャンバー25は、ホース28を介して図示しない吸引源である吸引ブロアーに連結されている。
そして、吸引ブロアーで吸引することにより、ホース28を介して負圧チャンバー25内が負圧となり、同時に、ウエブ1の非記録面1b側の空気が、吸引孔22から吸引される。
【0039】
図5は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略平面図である。
図5に示すように、吸引機構20は、負圧チャンバー25内を負圧にする吸引ブロアー50と、該吸引ブロアー50の吸引の度合いを調整する調整機構51とを更に備える。なお、本実施形態に係るインクジェット記録装置100において、調整機構51は、吸引ブロアー50の回転の強弱を制御するコントローラとなっている。
吸引機構20が調整機構51を備えることで、ウエブ1の走行速度に基づくバタツキの度合いに合わせて、吸引の度合いを適宜、調整することができる。
【0040】
図1に戻り、乾燥機3は、ラインヘッド10の下方に配置される。これにより、インクジェット記録装置100の設置スペースをコンパクトにすることができる。
乾燥機3は、内部に加熱ヒータを備えており、その熱によりドラム3a表面が加熱されるようになっている。また、乾燥機3は、図示しない吹き付けノズルが設けられており、該吹き付けノズルは、ドラム3aの表面に熱風を吹き付けるようになっている。すなわち、乾燥機3においては、これらの2つの乾燥機能によりドラム3aの表面に巻回されたウエブ1を乾燥する。
本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、このように乾燥機3を備えるので、ウエブ1に記録した後、そのまま該ウエブ1を乾燥させることができる。このため、効率良く記録物を得ることができる。
【0041】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、搬入されたウエブ1が案内ローラ2により、ラインヘッド10の下側に案内される。
そして、ウエブ1の記録面1a側に配設された複数のラインヘッド10によりウエブ1の記録面1aが記録される。このとき、ウエブ1の非記録面1b側が吸引機構20の吸引孔22から吸引される。これにより、ウエブ1の非記録面1b側が負圧となり、ウエブ1は、案内ロール2及び細径案内ローラ21側に引きつけられ、案内ロール2及び細径案内ローラ21に沿ってバタツキなく安定した状態で走行するようになる。なお、上述したように、細径案内ローラ21は、フリーに回動自在となっているので、ウエブ1をスムーズに走行させることができる。
【0042】
そして、記録されたウエブ1は、下方に配置された乾燥機3に案内され、ドラム3aの円周に略1周するように巻回され、ウエブ1の非記録面1b側から乾燥される。なお、ドラム3aに巻回する際には、ウエブ1の非記録面1b側が接するようにする。これによりドラム3aの汚染も抑制される。これによりウエブ1は効率良く乾燥され、ドラム3aの汚染も抑制される。こうして、記録物が得られ、インクジェット記録装置100から搬出される。
【0043】
なお、インクジェット記録装置100において、ウエブ1の搬入方法としては、例えば、巻取りローラに巻きつけたウエブ1をインクジェット記録装置100に搬入する方法が挙げられる。また、記録物の搬出方法としては、例えば、記録物を巻取りローラで巻き取ることにより搬出する方法が挙げられる。
【0044】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、ウエブ1が走行時であっても、ウエブ1のバタツキが確実に抑制され、走行安定性を向上させることができる。
その結果、記録時、すなわちラインヘッド10から飛翔するインクがウエブ1に付着する際に、常にウエブ1が安定した状態にあるので、より高品質な記録物が得られる。
また、ウエブとラインヘッドとの接触が防止でき、ラインヘッドのノズルの損傷を防止できる。
さらに、紙粉の発生による記録トラブルの発生頻度も低減できる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0046】
例えば、本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、ラインヘッド10の下面が直線状となるように配設されているが、複数のラインヘッドの下面がアーチ状に配設されていてもよい。
【0047】
図6は、他の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。
図6に示すように、他の実施形態に係るインクジェット記録装置101においては、複数のラインヘッド30の下面がアーチ状となるように配設されている。このため、ウエブ1に対し、ラインヘッド30とは反対方向にテンションを掛けることができるので、ウエブ1がバタツキをより抑制することができる。
【0048】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、4個のラインヘッドが並設されているが、1〜3個であってもよく、或いは5個以上であってもよい。なお、このときの吸引機構20は、ラインヘッドの数に応じて設けることが好ましい。
【0049】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100において、吸引機構20は、4本の細径案内ローラ21と、3列の吸引孔22が等間隔で複数設けられた列と、を備えているが、細径案内ローラの本数、及び、吸引孔22が等間隔で複数設けられた列数は、特に限定されない。また、吸引孔22は、バキューム本体部26に対して互いに千鳥状となっているが、これに限定されず、例えば碁盤目状であってもよい。
【0050】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、本体フレーム4の外に吸引ブロアー50及び調整機構51を配置しているが、本体フレーム4の内に吸引ブロアー及び調整機構を配置してもよい。この場合、スペースをとらないという利点がある。
【0051】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、乾燥機としてドラム式のものを用いているが、インクに紫外線硬化剤が含まれている場合、UV乾燥機であってもよい。この場合、簡便な装置で十分に乾燥できるので、スペースをとらないという利点がある。
【0052】
本実施形態に係るインクジェット記録装置100においては、ウエブ1の記録面1a側に記録しているが、ウエブ1の記録面1a側を記録した後、非記録面1b側も記録してもよい。
すなわち、ウエブ1の非記録面1b側を記録する場合は、走行状態において記録面1aと非記録面1bとが逆になる。これにより、ウエブ1の両面を記録することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明のインクジェット記録装置は、ウエブにインクジェット記録方式により記録する装置として利用できる。かかるインクジェット記録装置によれば、高品質な記録物が得られる。
【符号の説明】
【0054】
1・・・ウエブ
1a・・・記録面
1b・・・非記録面
2・・・案内ローラ
2a・・・左案内ローラ(案内ローラ)
2b・・・右案内ローラ(案内ローラ)
3・・・乾燥機
3a・・・ドラム
4・・・本体フレーム
10,30・・・ラインヘッド
11・・・基板
12・・・短尺ヘッド
13・・・ヘッド用基板
14・・・固定ねじ
15・・・揺動装置
16・・・位置決めピン
20・・・吸引機構
21・・・細径案内ローラ
22・・・吸引孔
23・・・支持具
24・・・ベアリング
25・・・負圧チャンバー
26・・・バキューム本体部
27・・・吸引孔の入り口部
27a・・・側部
27b・・・底部
28・・・ホース
50・・・吸引ブロアー
51・・・調整機構
100,101・・・インクジェット記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブを記録するインクジェット記録装置において、
前記ウエブの記録面側に配設されたラインヘッドと、
前記ウエブを案内する案内ローラと、
前記ウエブの非記録面側に配設された吸引機構と、
を備え、
前記ウエブの走行時に、前記ラインヘッドが前記ウエブの記録面側を記録すると共に、前記吸引機構が前記ウエブの非記録面側を吸引するインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記吸引機構が、前記ウエブに接する細径案内ローラと、隣合う前記細径案内ローラ間に設けられた吸引孔と、を有し、
前記ウエブの非記録面側を前記吸引孔から吸引する請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記吸引機構が、吸引の度合いを調整する調整機構を更に備える請求項2記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記ラインヘッド、前記案内ローラ及び前記吸引機構が収容された本体フレームを更に備え、
該本体フレームに設けられた支持具に、前記細径案内ローラが回動自在となるようにベアリングを介して取り付けられている請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
複数のラインヘッドが並設されており、各ラインヘッドに対応するように複数の前記吸引機構が配設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
複数のラインヘッドが並設されており、該複数のラインヘッドの下面がアーチ状に配設されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記ラインヘッドにより記録された前記ウエブを乾燥するための乾燥機を更に備える請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−18247(P2013−18247A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155272(P2011−155272)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】