インクタンクおよびインクジェット記録装置

【課題】インクタンクに発光部と電気接点を適確に備える。
【解決手段】インクタンクに基板100を設け、外側に向かって位置する基板100の面に、接点としての電極パッド102を備え、内側に向かって位置する基板100の面に、発光部102を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクタンクおよびインクジェット記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータやファクシミリ装置等の情報出力装置として、所望の文字や画像等を記録用紙などの記録媒体に記録する記録装置が広く使用されている。これらの記録装置は、ビジネスユースの観点からもパーソナルユースの観点からも、高密度、高速かつ高精細の記録が強く望まれるとともに、さらなるコストダウンや信頼性の向上も達成できるように、開発および改良が続けられている。
【0003】
このような記録装置には種々の記録方式をとるものがあるが、その中で、インクを吐出口から記録媒体に向けて吐出させて記録を行うインクジェット記録装置は、低騒音のノンインパクト記録を行うものであり、その構造的な特徴から高密度記録および高速記録が可能であり、さらに低廉なカラープリンタを実現できることから、現在では広く普及している。インクジェット記録装置は、吐出口と、この吐出口からインクを吐出するためのエネルギを発生する素子(例えばインクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換素子)とを有する記録ヘッドを用い、所望の記録情報に応じて記録媒体に対しインクを吐出することで記録を行うものである。
【0004】
インクジェット記録ヘッドの構成としては、複数の吐出口が1列または複数列配置され、各吐出口の内側にエネルギ発生素子がそれぞれ配設されているインクジェット記録ヘッドが一般的である。この種のインクジェット記録ヘッドにおいては、記録ヘッドと液体収納容器であるインクタンクとが一体化されたユニットになっておりインクの色や種類毎にそれぞれ異なるユニットを用い、複数のユニットがキャリッジ上に搭載されるものがある。また、インクジェット記録ヘッドがカートリッジ形態の液体収納容器であるインクタンク(インクカートリッジ)と別体になっており、インクの色や種類(例えばブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の4色)に対応して複数の吐出部を有する1つのインクジェット記録ヘッドに対し、複数のカートリッジを装填するもの等がある。前者の構成では、インクタンクと記録ヘッドとが一体のユニットになったカートリッジとして記録装置本体に対して着脱可能であり、後者の構成では、記録ヘッドを記録装置本体に取り付けたまま、インクカートリッジのみを着脱可能である。
【0005】
いずれの構成が採用されるにしても、近年の記録の高精細化および高画質化の要求に伴い、インクジェット記録ヘッドの性能は格段に向上している。すなわち、記録ヘッドの吐出口およびエネルギ発生素子をより多く設けることや、同時に駆動するエネルギ発生素子の数を増やすことによって、記録速度ひいては記録スループットの向上が図られている。
【0006】
このように高性能化した記録ヘッドにおいて、その寿命や交換時期を知るために、特許文献1には、インクジェット記録ヘッド1105にその記録ヘッド1105の個別の情報が記憶されているEEPROMなどの記憶素子が設けられた構成が開示されている。
【0007】
図27はその構成の説明図である。図示の構成では、EEPROM1018が設けられた記録ヘッド1105からの実質的な電気信号配線は1016(a)〜1016(c)のみであり、これらは記録ヘッド1105上のコネクタ1028からフレキシブルケーブル1206を経て、記録装置本体の制御回路部のCPU(Central Processing Unit)1300に接続されている。
【0008】
さらに、インクカートリッジにもインク残量情報等を記憶する記憶素子が搭載され、記録装置本体側に当該情報を提示可能としたものもある。
【0009】
図28および図29はその構成の2例の説明図である。図28の構成では、上記4色に対応した複数のインクカートリッジ1001K、1001Y、1001Mおよび1001Cにもそれぞれ記憶素子1100A、1100B、1100Cおよび1100Dが搭載されている。これらの記憶素子に係る信号線も記憶素子1018の信号線とともに記録ヘッド1105上でまとめられ、それらの信号線1016の群が記録ヘッド1105上のコネクタ1028からフレキシブルケーブル1206を経て、記録装置本体の制御回路部のCPU1300に接続される。また、図29の構成では、様々な情報を記憶させ得る記憶素子1100A〜1100Dを、記録ヘッド1105を介さずに、直接記録装置本体の制御回路部のCPU1300に伝達し、それに基づいて好適な動作制御を行うことができる構成である。
【0010】
これらのように、記録ヘッドやインクカートリッジに配設される記録素子と記録装置本体との電気的接続には、記録装置の構成にあわせて多種多様なものが存在する。
【0011】
上述したような高品位記録を達成するために、近年ではインクの改良も進められている。すなわち、高い記録性能を達成するために、様々な特性を考慮して成分や組成比が非常に複雑かつ精緻に設定されたインクが用いられている。また、例えばインクの耐候性ないしは記録画像の堅牢性を向上させるために染料成分に代えて顔料成分を色材として含有させたり、高速化のために定着促進用の樹脂成分を添加したり、多色記録を行う場合にそれぞれの色のインク同士が化学反応することを想定した組成としたりするなど、改良されたインクが用いられるようになってきている。さらに、記録媒体の材質(インクジェット記録の専用紙、普通紙、樹脂シートあるいは布など)に応じて、また、求める視覚効果(光沢の有無や、金色および銀色の使用など)に応じて、インクの種類を変えることがある。
【0012】
このように、従来のインクとは成分や組成比が異なるインクを用いることによって、より一層の記録品位向上が図られている。このようなインクは、記録装置において同種のインクのみが使用される場合には記録装置は問題なく機能し、そのインクの性能を十分に引き出して高品位記録を行うことが可能である。しかし、同一の記録装置において異なる種類のインクが交互に使用されるような場合にあって、特に複数の吐出部を有する1つのインクジェット記録ヘッドに対し複数のインクカートリッジを装填可能とする構成では、1つの吐出部の内部で異なる種類のインクが混じり合い、インク同士が反応して凝集や固化を生じ、吐出部内のインク供給路や吐出口内方の液路、あるいは吐出口が形成された記録ヘッドの面(吐出口面)に固着することで記録動作を阻害するという不都合が生じる恐れがある。そのため、異なる種類のインクが記録装置内で混じり合うことがないように配慮する必要があり、ある種類のインクに対応した吐出部には異なる種類のインクを収容しているインクカートリッジが接続されることがないような構成にすることが強く望まれる。
【0013】
そのための第1の方法は、インクの種類毎に異なる形状のインクカートリッジを用い、異なる種類のインクを収容するインクカートリッジ同士の装着の互換性をなくすことである。しかしその場合には、インクカートリッジの製造コストが非常に上昇し、形状が異なるインクカートリッジの保管や管理が煩雑になるという欠点がある。
【0014】
これに対し、第2の方法として有効なものが、図28および図29に示したような、インクカートリッジ1001K〜1001Cにそれぞれ自らが収容しているインクの種類を示すデータを格納する記憶素子1100A〜1100Dを設けた構成である。例えば、特許文献2には、インクの種類を電圧値の相違によって認識できるように、インクカートリッジの記憶素子を記録装置本体の電気回路に接続させる構成が開示されている。また、特許文献3には、収容しているインクの種類や製造日時等を示すデータが格納されている記憶素子に、記録装置本体の制御ICが接続されてデータを読み書きする構成が開示されている。そして、インクカートリッジ側の情報に基づいて、ある種類のインクに対応した吐出部には異なる種類のインクを収容しているインクカートリッジが接続されたことを認識し、さらにこれをユーザに報知することで、上記不都合の発生を未然に防止することが可能となる。
【0015】
さらに、これらの特許文献2および特許文献3に開示されている構成のように、インクカートリッジ1K〜1Cにそれぞれ自らが収容しているインクの種類や残量、また使用有効期限等の情報を格納する一方、特許文献1に開示されている構成のように、記録ヘッド1105に設けられた記憶素子1018によって記録ヘッド1105の識別番号や総プリント枚数等の情報を格納する構成にすると、記録装置本体のCPU1300が記憶素子1018および1100A〜1100Dのそれぞれの情報を読み取ることで、インクカートリッジ1001A〜1001Dおよびその内部のインクの種類を知ることができるとともに、記録ヘッド1105やインクカートリッジ1001A〜1001Dの寿命および交換のタイミングを適切に決定することができる。また、インクに応じた最適な記録条件や、記録ヘッドのインク吐出性能を良好な状態にするための回復処理の条件を設定することによって、良好な記録を実行することも可能となる。
【0016】
さらに、記録ヘッド105やインクカートリッジ1001A〜1001Dの寿命および交換のタイミングを適切に報知する構成として、特許文献4のような構成開示されている。この構成は、記録ヘッドとインクタンクとを一体化したカートリッジにLED形態の発光部を備え、カートリッジの記録通電回数を記憶した記憶素子の情報に応じてインク残量を報知することができるものである。
【0017】
しかしながら、記憶素子1018を記録ヘッド1105に搭載することに加え、インクの種類を含む様々な情報を格納するべく記憶素子をインクカートリッジに搭載する場合には、すべての記憶素子を記録装置本体の制御回路部のCPU1300に電気的に接続して情報を通信しなければならない。従って、記憶素子の数が増えれば、その分それらの接続に要する信号線1016が増加するという問題がある。
【0018】
特に最近では、低廉な記録装置であっても多種多様なインクを用いることが考えられるため、記録ヘッドや複数のインクカートリッジのそれぞれに設けられた記憶素子を記録装置本体の制御回路部のCPU1300に接続するための接続部を常備していなければならない。一般的なカラー記録では、4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のインクを用いるため、各色のインクをそれぞれ収容した4つのインクカートリッジ1001K、1001Y、1001Mおよび1001Cが記録装置本体に同時に装着される。従って、各インクカートリッジ1001K、1001Y、1001Mおよび1001Cに設けられた合計4つの記憶素子1100A〜1100Dのそれぞれに対して信号線1016が必要であり、通常は1つの記憶素子に対して2本以上の信号線1016が設けられる。また、記録ヘッド1105にも記憶素子1018が設けられている場合には、各インクカートリッジの記憶素子に接続されるのとは別に、例えば3本の信号線1016を要する。
【0019】
この結果、図28に示すようにすべての信号線を記録ヘッド1105を介してCPU1300に接続する場合であっても、また図29に示すように記録ヘッド1105の記憶素子18および各インクカートリッジ1001K、1001Y、1001Mおよび1001Cの記憶素子1100A〜1100DをそれぞれCPU1300に直接接続する場合であっても、記憶素子の総数の2倍以上の数の信号線1016が必要となる。
【0020】
このように信号線1016の数が非常に多くなると、電気的接続の信頼性の低下を引き起こさないようにするために、それぞれの接続工程の煩雑化を招くことになる。特に、インクカートリッジの着脱がユーザに委ねられる普及型の記録装置では、そのような接続工程の煩雑化は好ましいものではない。さらに、記録装置本体にも、これらの信号線1016と接続を行うための端子や配線が多数必要となり、製造コストの上昇および構成の複雑化をもたらすことになる。
【0021】
加えて、特許文献4に記載されたようにインクカートリッジに報知手段を備え、これを用いてインク残量を報知する構成の場合、報知手段のオン/オフを行うための配線も必要となる。この配線はグランド線を考慮しなくてもインクカートリッジ一個につき少なくとも一つは必要となる。すなわち、カラー記録を行うためにインクカートリッジが4色分以上用いる場合は4本以上の信号線が必要となり、記録装置本体との接続数はさらに増えてしまうのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平7−076104号公報
【特許文献2】特開平6−155769号公報
【特許文献3】特開2000−301738号公報
【特許文献4】特開平4−275156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の課題は、記録装置本体とインクタンクとの電気的接続を行うための信号線の数を減した構成(後述されている、複数のインクタンクに共通に電気的に接続可能な共通の信号線)を利用しつつ、インクタンクが正しい位置に装着されているか否かを判定することにある。
【0024】
本発明は、上記課題を解決するためのインクタンク及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明のインクタンクは、インクを収納するためのインク収納部を有するタンク本体と、発光部と、前記発光部を発光させるための電気信号を受信するための電気接点と、前記タンク本体の外表面に設けられ、前記発光部と前記電気接点を有する基板と、を備え、前記基板は、前記タンク本体の内部に向いている第1面と前記第1面の裏側の第2面とを有し、前記発光部は前記第1面に配置され、前記電気接点は第2面に配置されていることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、インクタンク装着部と、前記インクタンク装着部に対して着脱可能な上記のインクタンクと、前記電気接点と電気的に接続可能な装置側接点と、前記装置側接点に対して前記電気信号を送信可能な送信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、共通の信号線を利用しつつ、インクタンクが正しい位置に装着されているか否かを判定ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明を適用可能なインクタンクの側面図、正面図および底面図である。
【図2】本発明を適用可能なインクタンクの側断面図である。
【図3】(a)および(b)は本発明を適用可能なインクタンクに配設される基板の機能の概略を説明するための模式的側面図である。
【図4】(a)および(b)は、それぞれ、図3の主要部の拡大図およびそのIVb方向矢視図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、本発明を適用可能なインクタンクに取り付けられる制御基板の一例を示す側面図および正面図である。
【図6】本発明を適用可能なインクタンクが取り付けられるホルダを有する記録ヘッドユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明を適用可能なインクタンクを図14に示すホルダに着脱する際の動作を説明するための模式的側面図である。
【図8】(a)および(b)は、本発明を適用可能なインクタンク取り付け部分の構成の他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明を適用可能なインクタンクを装着して記録を行うインクジェットプリンタの外観を示す図である。
【図10】図9に示す本体カバー201を取り外して示す斜視図である。
【図11】上記インクジェットプリンタの制御構成を示すブロック図である。
【図12】上記インクジェットプリンタのフレキシブルケーブルにおける、インクタンクとの信号接続のための信号配線の構成を、各インクタンクの基板との関係で示す図である。
【図13】制御部などが設けられた上記基板の詳細を示す回路図である。
【図14】図13に示した基板の構成の変形例を示す回路図である。
【図15】上記基板のメモリーアレイに対するデータの書き込みおよび読み出しの動作をそれぞれ説明するためのタイミングチャートである。
【図16】LED101の点灯および消灯の動作をそれぞれ説明するタイミングチャートである。
【図17】本発明の一実施形態に係るインクタンクの着脱に関する制御手順を示すフローチャートである。
【図18】図17におけるインクタンク着脱処理の詳細を示すフローチャートである。
【図19】図18における装着確認制御の詳細を示すフローチャートである。
【図20】(a)は、上記インクタンクの着脱に関する制御における、総てのインクタンクについて正しく装着され、それぞれのLEDが点灯した状態を示す図であり、(b)は、上記点灯の後、本体カバーが閉じられたことにより、キャリッジが光認証のための位置へ移動することを説明する図である。
【図21】(a)〜(d)は、この光認証処理を説明する図である。
【図22】(a)〜(d)は、同様に、光認証処理を説明する図である。
【図23】上記実施形態にかかる記録処理を示すフローチャートである。
【図24】(a)〜(c)は、本発明の他の実施形態に係るインクタンクおよびその取り付け部の構成例およびその装着動作を説明するための図である。
【図25】図24の構成の変形例を示す斜視図である。
【図26】上記他の実施形態に係る構造を有したインクタンクを搭載して記録を行うプリンタを示す斜視図である。
【図27】従来の記録ヘッド、インクタンクおよび記録装置の接続態様の一例を概略的に示す模式図である。
【図28】従来の記録ヘッド、インクタンクおよび記録装置の接続態様の他の例を概略的に示す模式図である。
【図29】従来の記録ヘッド、インクタンクおよび記録装置の接続態様のさらに他の例を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、次の流れに沿って本発明の実施形態を詳細に説明する。
1.本発明を適用可能な機械的構成の例
1.1 インクタンク
1.2 インクタンク取り付け部
1.3 記録装置
2.本発明を適用可能な制御系の構成例
2.1 全体構成
2.2 接続部の構成
2.3 制御部の構成
2.4 制御部の動作
2.5 制御手順
3.他の実施形態
1.本発明を適用可能な機械的構成の例
まず、本発明を適用可能なカートリッジおよびこれを用いるインクジェット記録装置の機械的構成の一例について説明する。
【0029】
1.1 インクタンク(図1〜図5)
図1(a)、(b)および(c)は、それぞれ、本発明に適用可能なインクカートリッジの一実施形態に係るインクタンクの側面図、正面図および底面図、図2はその側断面図である。なお、本説明において、インクタンクの正面とは、ユーザに向き合うことでその操作(着脱操作等)およびユーザへの情報提供(後述するLEDの発光)を可能とする面を言う。
【0030】
図1において、本実施形態のインクタンク1は正面側の下部に支持された支持部材3を有している。支持部材3はインクタンク1の外装と一体に、樹脂により形成されており、後述するタンクホルダへの装着操作等を行う際に被支持部を中心に変位可能な構成である。インクタンク1の背面側および正面側には、タンクホルダ側の係止部にそれぞれ係合可能な第1係合部5および第2係合部6(本例では支持部材3に一体化されている)が設けられ、これらの係合によってインクタンク1のタンクホルダへの装着状態が確保される。この装着時の動作については図7により後述する。
【0031】
インクタンク1の底面には、タンクホルダへの装着時に、後述する記録ヘッドのインク導入口と結合してインク供給を行うためのインク供給口7が設けられている。この底面と正面とが交わる部分にあって、支持部材3の支持部分の底面側には、本実施形態の主要部をなす基体が設けられている。基体の形状としてはチップ形状でも板状であっても良いが、以下では基板100として説明する。
【0032】
図2はインクタンク1の側断面図である。インクタンク1の内部は、支持部材3および基板100が設けられる正面側に位置するインク収納室11と、背面側に位置してインク供給口7に連通する負圧発生部材収納室12とに分割されており、両者は連通口13を介して接続されている。インク収納室11にはインクがそのまま貯留される一方、負圧発生部材収納室12には、インクを含浸保持するスポンジや繊維集合体等のインク吸収体15(以下、便宜的に多孔質部材と示す)が設けられている。この多孔質部材15は、記録ヘッドのインク吐出用のノズル部に形成されるメニスカスの保持力と平衡してインク吐出部からのインク漏れを防止するに十分で、かつ記録ヘッドのインク吐出動作が可能な範囲にある適切な負圧を発生するためのものである。
【0033】
負圧発生部材収納室12の上面には、記録ヘッドへのインク供給に伴って増大する負圧を緩和し、これを好ましい所定範囲に維持すべく外気を導入するための大気連通部12Aが設けられている。
【0034】
また、図2のインクタンク1は、後述の基板が配設されたインクタンク1の本体を用意してから、内部にインクを注入することで製造することができる。その方法を実施するためのインクの注入口は、例えばインク収納室11の上面に形成しておくことができる。そして、インク注入後に、注入口を封止部材11Aによって封止することができる。
【0035】
インクタンク1の使用が開始され、インクが消費されはじめた以降、例えば収納するインク残量が実質的になくなってから、封止部材11Aを取り外し、またはこれを破壊することで注入口を再形成し、注射器等を用いてインクを注入してから、必要に応じ封止部材11Aまたはその代替部材で注入口を封止することも可能である。あるいは、そのような当初形成されていた注入口を利用する代わりに、例えばインク収納室11の上面の別の部位に開口を形成し、この開口を通してインクを注入してから、必要に応じてこれを封止することも可能である。例えば収納するインク残量が実質的になくなったインクタンクに対しそれらのようにしてインクを注入することも、本発明に係るインクタンク製造方法の実施に含まれる。
【0036】
さらに、インク供給口7に対しては、製造されたインクタンク1の物流時や保管時等におけるインク漏出を防止するための封止部材7Aが着脱可能である。この封止部材7Aはキャップやテープ状の部材など、所定の封止性能が発揮され、かつ記録ヘッドへインクタンクの取り付けを行う際に取り外し可能なものであればいかなる形態でもよい。また、使用開始後において記録ヘッドからインクタンクを取り外した場合に、封止部材7Aまたはその代替部材でインク供給口7の封止を行うようにすることもできる。
【0037】
なお、インクタンク1の内部構成は、このような多孔質部材の収納室とインクをそのまま貯留する収納室とに分かれた形態に限られない。例えば、多孔質部材がインクタンク内部空間の実質的に全体に充填されるものでもよい。また、負圧発生手段として多孔質部材を用いるのではなく、容積を拡張する方向に張力を発生するゴム等の弾性材料で形成した袋状部材内にインクをそのまま充填し、この袋状部材が発生する張力によって内部のインクに負圧を作用するようにしたものでもよい。さらには、インク収容空間の少なくとも一部を可撓性部材で構成し、その空間内にインクだけを収容するとともに、可撓性部材にばね力を作用させることで負圧を発生させるようにしたものでもよい。これらの場合も上述と同様のインク注入を行うことでインクタンクを製造することが可能である。また、これらの場合、記録ヘッドへのインク供給に伴って増大するインク収容空間内の負圧を緩和し、これを好ましい所定範囲に維持すべくインク収容空間内に外気を導入するための大気連通部が設けられるが、その大気連通部位を利用してインク注入を行うようにすることもできる。
【0038】
インク収納室11の底部には、インクタンク1の装置への装着時において装置側に設けられたインク残量検出用センサ(後述)と対向可能な部位に、被検出部17が設けられている。本実施形態において、インク残量検出用センサは発光部および受光部を有する光センサである。また、被検出部17は、透明もしくは半透明な材質からなり、かつインク非収納時には適切に発光部からの光を反射させて受光部(後述)に戻すことができるように形状,角度等が定められた斜面部を有したプリズム状のものである。
【0039】
図3〜図5を用い、本実施形態の主要部である基板100の構成および機能について説明する。ここで、図3(a)および(b)は本発明の第1の実施形態に係るインクタンクに配置される基板の機能の概略を説明するための模式的側面図、図4(a)および(b)は、それぞれ、図3の主要部の拡大図およびそのIVb方向断面の矢視図、図5(a)および(b)は、それぞれ、第1の実施形態に係るインクタンクに取り付けられる制御基板100の一例を示す側面図および正面図である。
【0040】
記録ヘッド105’を備えた記録ヘッドユニット105に一体化されているホルダ150の第1係止部155および第2係止部156に対し、インクタンク1の第1係合部5および第2係合部6がそれぞれ係合することで、インクタンク1がホルダ150に装着され、固定される。またこのとき、ホルダ150に設けられた接点(以下コネクタと称す)152と、インクタンクに設けられた基板100の外側に向かって位置する面に設けられた接点としての電極パッド102(図5(b))とが接触し、電気的接続が可能となる。
【0041】
インクタンク1の内側に向かって位置する基板100の面には、LEDなど可視光を発生する第1発光部101と、この発光部の制御等を行う制御ユニット103とが設けられており、コネクタ152よりパッド102を介して供給される電気信号により、制御ユニット103は第1発光部101の発光の制御を行う。なお、図5(a)は、制御ユニット103を基板100に実装した後に、保護用の封止剤でこれを被覆した状態を示している。また、インクタンクが収納しているインクの色やインク残量などの情報を記憶させておくメモリ素子を搭載する場合にも、これを同じ位置に実装して封止剤で被覆することができる。
【0042】
ここで、上述したように、インクタンク1の底面および正面をなす両面が交わる部分にあって、支持部材3の支持部分の下方には、本実施形態の主要部をなす基板100が配設されている。この配設部位において、インクタンク1には両面をつなぐ斜面が形成されている。従って、第1発光部101が発光すると、その一部は斜面に沿ってインクタンク1の正面側から外に向かって投光される。
【0043】
かかる配置とした基板100を用いることで、記録装置(ひいてはこれが接続されるコンピュータなどのホスト装置)だけでなく、ユーザに対しても、第1発光部101を兼用してインクタンク1に係る所定の情報を直接提示することが可能となる。すなわち、図3(a)に示すように、ホルダ150を搭載するキャリッジの走査範囲の端部にあって図の右上方向に投光される光を受容する位置に受光部を配置し、その部位にキャリッジが位置したときに第1発光部101の発光を制御することで、記録装置側は受光部の受光内容からインクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。また、例えば走査範囲の中央にキャリッジを位置させて第1発光部101の発光を制御することで、図3(b)に示すように、ユーザはその発光状態を目視することによりインクタンク1に係る所定の情報を認識することが可能となる。
【0044】
インクタンク(液体収容容器)1の所定の情報とは、インクタンク1の装着状態の良否(すなわち装着が完全であるか否か)、装着位置の適否(インク色に対応して予め定められているホルダ上の装着位置に正しく装着されているか否か)、さらにはインク残量の有無(十分なインク量が残っているか否か)などであり、発光の有無や発光の状態(点滅など)によりそれらの情報の提示が可能となるのである。発光の制御およびそれに伴う情報提示の態様については、制御系の構成の説明の項において詳述する。
【0045】
上記基板100ないし第1発光部101の配置および動作に好ましい構成としては、図4(a)および(b)に示すものが挙げられる。すなわち、第1発光部101および制御ユニット103が設けられている基板100の面に対向するインクタンク1の部分には、第1発光部101により発光された光が第1受光部210やユーザの視界に円滑に到達するようにする目的で、少なくとも光軸(矢印)に沿って空間1Aを形成しておくことが望ましい。また、同じ目的のために、支持部材3の配設位置および形状を適切に定めることで、光軸が遮断されないようにする。さらに、ホルダ150には光軸を確保するための穴(もしくは光透過性の部分)150Hが設けられている。
【0046】
1.2 インクタンク取り付け部(図6〜図8)
図6は第1の実施形態に係るインクタンクが着脱可能に構成された記録ヘッドユニットの一例を示す斜視図、図7(a)〜(c)はインクタンクを記録ヘッドユニットに装着する際の動作を説明するための図である。
【0047】
記録ヘッドユニット105は、概して、複数(図では4個)のインクタンクを着脱可能に保持するホルダ150と、底面側に配置される記録ヘッド105’(図6では不図示)とからなっている。そしてインクタンクをホルダ150に装着することで、ホルダ底部に位置する記録ヘッド側のインク導入口107とインクタンク側のインク供給口7とが結合し、両者間のインク連通路が形成される。
【0048】
記録ヘッド105’としては、ノズルを構成する液路内に電気熱変換素子を設け、これに記録信号となる電気パルスを与えることによりインクに熱エネルギを付与し、そのときのインクの相変化により生じる発泡(沸騰)時の圧力をインクの吐出に利用するものを用いることができる。そして、後述するキャリッジ203に設けられた信号伝達用の電気接点部(不図示)と記録ヘッドユニット105側の電気接点部157とのコンタクトが行われ、配線部158を介して記録ヘッド105’の電気熱変換素子駆動回路への記録信号の伝達が行われる。また、電気接点部157からはコネクタ152に至る配線部159も延設されている。
【0049】
インクタンク1を記録ヘッドユニット105に装着する場合には、ホルダ150の上方でインクタンク1を取り扱い(図7(a))、インクタンク背面側に設けられた突起状の第1係合部5を、ホルダ背面側に設けられた貫通孔状の第1係止部155に挿通した状態でホルダ底面上に載置する(図7(b))。この状態でインクタンク1の正面側上端を矢印Pに示すように押下すると、インクタンク1は第1係合部5および第1係止部155の係合部分を回動支点として矢印R方向に回動し、インクタンク正面側が下方に変位してゆく。この過程で、インクタンク正面側の支持部材3に設けられた第2係合部5の側面がホルダ正面側に設けられた第2係止部156に押されながら、支持部材3も矢印Q方向に変位してゆく。
【0050】
そして第2係合部5の上面が第2係止部156の下方に至ると、支持部材3は自身の弾性力によってQ’方向に変位し、第2係合部5が第2係止部156によって係止される。この状態(図7(c))では、第2係止部155が支持部材3を介してインクタンク1を水平方向に弾性的に付勢し、インクタンク1の背面がホルダ150の背面に当接する。また、インクタンク1上方への変位は、第1係合部5が係合した第1係止部155および第2係合部6が係合した第2係止部156によって抑制される。これがインクタンク1の装着完了状態であり、このときインク供給口7およびインク導入口107、またパッド102およびコネクタ152が接合した状態となる。
【0051】
「てこ」の作動にたとえると、図7(b)に示すような装着動作の過程では、第1係合部5および第1係止部155の係合部分が支点、インクタンク1の正面側が力点となる。インク供給口7およびインク導入口107の結合部分は作用点となって、これは力点と支点との間、好ましくは支点近くに位置する。従って、インク供給口7はインクタンク1の回動に伴って大きな力でインク導入口107に押し付けられる。両者の結合部分には通常、インク連通性の確保やインク漏洩の防止を目的としてフィルタ,吸収体,パッキンなど比較的可撓性に富む弾性部材が配設されている。
【0052】
従って、本例のような構成配置および装着動作を採用し、比較的大なる力をもってそれら部材を弾性変形させた状態とすることは、それらの配設目的に照らして好ましいことである。また、装着動作が完了すると、第1係合部5が係合した第1係止部155および第2係合部6が係合した第2係止部156によってインクタンク1の浮き上がりが阻止され、従ってそれら弾性部材の復元が抑制されるので、それらの部材は適切に弾性変形した状態に保持される。
【0053】
一方、接点としてのパッド102およびコネクタ152は金属など比較的剛性の高い導電部材であり、これらの間には良好な電気接続性が確保されるべきである。一方、過大な力をもってそれらを当接させることは、損傷防止や耐久性の観点から好ましくない。本例ではまず、支点から極力離れた部位、すなわちインクタンクの正面近傍にそれらを配置することで、当接力を好ましく小とする。
【0054】
このためには、インクタンク底面上、正面直近の部位に基板のパッドを配置することが考えられる。これとは逆に、インクタンク正面に基板のパッドを配置することも考えられる。しかしいずれの場合でも、第1受光部210およびユーザの目に適切に投光するための第1発光部101の基板上の配置に制約が生じる。また、インクタンク底面上、正面直近の部位に基板を配置する場合、インクタンク1の装着完了直前の状態においてパッド102およびコネクタ152は正対しつつ接近し、そのまま接合することになる。両者の表面の状態によらず良好な電気的接続が行われるようにするためには、大きな装着力を及ぼさなければならず、この結果パッドおよびコネクタに過剰な力が作用する恐れがある。また、万一、インク供給口7およびインク導入口107の結合部分からの漏洩が生じた場合、漏洩インクがインクタンク底面を伝ってパッドおよびコネクタの接続部分まで至る恐れもある。インクタンク正面に基板を配置する場合には、インクタンクの装置本体からの離脱が困難になる可能性がある。
【0055】
これに対し、本例では、インクタンク1の底面および正面をなす両面が交わる部分にあって、両面をつなぐ斜面に基板100を配置している。ここで、装着完了直前においてパッド102がコネクタ152に当接した状態での、この当接部分のみでの力の釣り合いを考えると、鉛直方向下方に作用する装着力に釣り合ってコネクタ152がパッド102に及ぼす反力(鉛直方向上向きの力)は、コネクタ152およびパッド102間の実際の当接圧(斜面に垂直な方向の力)の分力となる。従って、ユーザが装着完了位置に向けてインクタンクを押下するとき、基板およびコネクタ間の電気的接続を行わせるためのインクタンク装着力の増加分も少なく、ユーザの操作性を著しく低下させることもない。
【0056】
また、装着完了位置(第1係合部5と第1係止部155、および第2係合部6と第2係止部156が係合する位置)に向けてインクタンク1を押圧すると、その押圧力によって基板100の平面に平行な方向の分力(パッド102にコネクタ152上を摺動させる力)も生じる。よって、両者間での良好な電気接続性も確保された装着完了状態を得ることができる。また、この状態では電気的接続部分がインクタンク底面から高い部位に位置するので、漏洩インクが伝わってくる恐れも極めて少ない。さらに、第1受光部210およびユーザの目への第1発光部101の光軸も確保できることになる。
【0057】
すなわち、本例のような電気的接続部分の構成配置は、第1投光部101を第1受光部およびユーザの目への投光に兼用する際の投光経路の確保にとって好ましいだけでなく、インクタンク装着力の大きさ、電気的接触状態の確保、および漏洩インクからの保護など、種々の点を勘案した適切なものと言い得るのである。
【0058】
本発明の第1実施形態または変形例に係るインクタンクの取り付け部分の構成は、図6に示したものに限られない。
【0059】
図8を用いてこれを説明する。同図(a)はインクタンクからインクの供給を受けて記録動作を実行する記録ヘッドユニットの他の構成例及びこれを組み込むキャリッジの斜視図、(b)は両者を結合した状態を示す斜視図である。
【0060】
この例に係る記録ヘッドユニット405は、インクタンク全体を固定保持する上例のようなホルダ150と異なり、図8(a)に示すように、インクタンク正面側に対応したホルダ部分、およびここに配設されていた第2係止部およびコネクタなどを有していない。その他は上例とほぼ同様であり、底面上にはインク供給口7に接続されるインク導入口107を、また背面側には第1係止部155を、さらにその裏面には信号伝達用の電気接点部(不図示)を有している。
【0061】
一方、シャフト417に沿って移動可能なキャリッジ415には、図8(b)に示すように、記録ヘッドユニット405を装着・固定するためのレバー419及び記録ヘッド側電気接点部と接続されている電気接点部418のほか、インクタンク正面側の構成に対応したホルダ部分が設けられている。すなわち、第2係止部156、コネクタ152およびコネクタへの配線部159はキャリッジ側に配設されている。
【0062】
かかる構成にあって、図8(b)に示すように記録ヘッドユニット405をキャリッジ415に装着した状態とすればインクタンクの取り付け部分の全体が構成される。つまり図7と同様の装着動作を経て、インク供給口7およびインク導入口107の接合並びにパッド102およびコネクタ152の接続が行われて装着動作が完了する。
【0063】
1.4 記録装置(図9、図10)
図9は、以上説明したインクタンクを装着して記録を行うインクジェットプリンタ200の外観を示す図であり、図10は、図9に示す本体カバー201を開放した状態を示す斜視図である。
【0064】
図9に示すように、本実施形態のプリンタ200は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載したキャリッジが走査のための移動をして記録を行う機構などプリンタの主要部分が、本体カバー201およびその他のケース部分によって覆われているプリンタ本体と、その前後にそれぞれ設けられる排紙トレイ203と、自動給紙装置(ASF)202とを備えたものである。また、本体カバーを閉じた状態および開いた状態の両方で本プリンタの状態を表示するための表示器、電源スイッチおよびリセットスイッチを備えた操作部213が設けられている。
【0065】
本体カバー201を開放した状態では、図10に示すように、ユーザは、記録ヘッドユニット105およびインクタンク1K、1Y、1M、1C(以下では、これらのインクタンクを同一の符号「1」で示す場合もある)を搭載したキャリッジ205が移動する範囲およびその周辺を見ることができる。実際は、本体カバー201を開けると、キャリッジ205が自動的に同図に示すほぼ中央の位置(以下、「タンク交換位置」ともいう)へ移動するシーケンスが実行され、ユーザは、このタンク交換位置でそれぞれのインクタンクの交換操作などを行うことができる。
【0066】
本実施形態のプリンタは、記録ヘッドユニット105に各色のインクに対応したチップ形態の記録ヘッド(不図示)が設けられ、これら各色の記録ヘッドがキャリッジ205の移動によって用紙などの記録媒体に対して走査を行い、この走査の間に記録媒体にインクを吐出して記録を行うものである。すなわち、キャリッジ205は、その移動方向に延在するガイド軸207と摺動可能に係合するとともに、キャリッジモータおよびその駆動力伝達機構によって、上述の移動をすることができる。そして、K、Y、M、Cのインクに対応したそれぞれの記録ヘッドでは、フレキシブルケーブル206を介して本体側の制御回路から送られる吐出データに基づいてインク吐出が行われる。また、紙送りローラや排紙ローラなどの紙送り機構が設けられ、自動給紙装置202から給紙された記録媒体(不図示)を排紙トレイ203まで搬送することができる。また、キャリッジ205には、インクタンクホルダを一体に備えた記録ヘッドユニット105が着脱自在に装着され、一方、この記録ヘッドユニット105に対してそれぞれのインクタンク1がカートリッジの形態にて着脱自在に装着される。すなわち、キャリッジ205に記録ヘッドユニット105を装着し、さらに記録ヘッドユニット105にインクタンク1を装着することが可能であり、本実施形態ではインクタンク1は記録ヘッドユニット105を介してキャリッジ205に着脱可能である。また、記録ヘッドユニット105にインクタンク1を装着することで、本発明に適用される液体供給システムの一実施形態が構成される。
【0067】
記録動作では、記録ヘッドが上記の移動によって走査しその間にそれぞれの記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録ヘッドにおける吐出口に対応した幅の領域に記録を行うとともに、この走査と次の走査の間に、上記紙送り機構によって上記幅に応じた所定量の紙送りを行うことにより、記録媒体に対して順次記録を行ってゆく。また、上記のキャリッジ移動による記録ヘッドの移動範囲の端部には、各記録ヘッドについてその吐出口が配設された面を覆うキャップなどの吐出回復ユニットが設けられている。これにより、記録ヘッドは所定の時間間隔で回復ユニットが設けられた位置へ移動して、予備吐出などの回復処理を行う。
【0068】
各インクタンク1のタンクホルダ部を備えた記録ヘッドユニット105には、前述したように、各インクタンクに対応してコネクタが設けられており、それぞれのコネクタは装着されるインクタンク1に設けられている基板のパッドと接触する。これにより、それぞれのLED101について、図17〜図19にて後述されるシーケンスに従った点灯ないし点滅の制御が可能となる。
【0069】
具体的には、上記のタンク交換位置では、それぞれのインクタンク1についてインク残量が少なくなったとき、その該当するインクタンク1のLED101を点灯もしくは点滅させる。また、キャリッジの移動範囲において、上述の回復ユニットが設けられた位置と反対側の端部付近には、受光素子を有した第1受光部210が設けられている。これにより、キャリッジ205の移動に伴ってそれぞれのインクタンク1のLED101がこの受光部210を通過する際にLED101を発光させ、その光を受光したときのキャリッジ205の位置に基づいてキャリッジ205におけるそれぞれのインクタンク1の位置を検出することができる。さらに、LEDの点灯などの制御の他の例として、上記タンク交換位置で、インクタンク1が正しく装着されたときにそのタンクのLED101を点灯させる制御を行う。これらの制御は、記録ヘッドのインク吐出などの制御と同様、フレキシブルケーブル206を介して本体側の制御回路からそれぞれのインクタンクに対して制御データ(制御信号)が送られることによって実行される。
【0070】
2. 制御系の構成
2.1 全体構成(図11)
図11は、上述したインクジェットプリンタの制御系の構成例を示すブロック図であり、プリンタ本体におけるPCB(プリント配線基板)形態の制御回路とそれによって制御される、インクタンクのLEDの発光などに関する構成を主に示している。
【0071】
図11において、制御回路300は本プリンタに関するデータ処理および動作制御を実行する。具体的には、CPU301は、ROM303に格納されているプログラムに従い、図17〜図19にて後述される処理などを実行する。また、RAM302は、CPU301による処理実行の際に、ワークエリアとして用いられる。
【0072】
図11において模式的に示されるように、キャリッジ205に搭載された記録ヘッドユニット105は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インクを吐出するための複数の吐出口が形成されたそれぞれの記録ヘッド105K、105Y、105M、105Cを備えている。そして、記録ヘッドユニット105のホルダには、これらの記録ヘッドに対応してインクタンク1K、1Y、1M、1Cが着脱自在に搭載される。なお、インクの色ないしインクタンクの個数はこれらに限られず、また同系色であっても濃度の異なるインクが用いられるものでもよいことは勿論である。
【0073】
それぞれのインクタンク1には、前述したように、LED101、その表示制御回路、および、接触端子であるパッドなどが設けられた基板100が取り付けられている。そして、インクタンク1が記録ヘッドユニット105に正しく装着されたとき、上記基板100上のパッドが記録ヘッドユニット105においてインクタンク1にそれぞれ対応して設けられたコネクタと接触する。また、キャリッジ205に設けられたコネクタ(不図示)と本体側の制御回路300とはフレキシブルケーブル206を介して信号接続する。さらに、キャリッジ205に記録ヘッドユニット105が装着されることにより、キャリッジ205の上記コネクタと記録ヘッドユニット105の上記コネクタとが信号接続する。以上の接続構成により、本体側の制御回路300とそれぞれのインクタンク1との間で信号の授受を行うことが可能となる。これにより、制御回路300は、図17〜図19にて後述されるシーケンスに従った点灯ないし点滅の制御を行うことができる。
【0074】
記録ヘッド105K、105Y、105M、105Cにおけるそれぞれのインク吐出の制御についても、同様に、フレキシブルケーブル206、キャリッジ205のコネクタ、および記録ヘッドユニットのコネクタを介してそれぞれの記録ヘッドに設けられた駆動回路などが、本体側の制御回路300と信号接続し、これにより、制御回路300はそれぞれの記録ヘッドにおけるインク吐出などを制御することができる。
【0075】
キャリッジ205の移動範囲の一方の端部近傍に設けられる第1受光部210は、インクタンク1のLED101からの発光を受けて、それに応じた信号を制御回路300へ出力する。制御回路300は、後述のように、この信号に基づき、それぞれのインクタンク1のキャリッジ205における位置を判断することができる。また、キャリッジ205の移動経路に沿ってエンコーダスケール209が設けられるともに、キャリッジ205にはエンコーダセンサ211が設けられる。このセンサの検出信号はフレキシブルケーブル206を介して制御回路300に入力し、これにより、キャリッジ205の移動位置を知ることができる。この位置情報は、各記録ヘッド吐出制御に用いられるとともに、図17などにて後述される、インクタンク位置を検出する光認証処理において用いられる。さらに、キャリッジ205の移動範囲における所定の位置の近傍に設けられる第2発光/受光部214は、発光素子と受光素子とを有し、キャリッジ205に搭載されるそれぞれのインクタンク1のインク残量に係る信号を制御回路300に出力する。そして、制御回路300は、この信号に基づき、インク残量を検出することができる。
【0076】
2.2 接続部の構成(図12)
図12は、フレキシブルケーブル206における、インクタンク1との信号接続のための信号配線の構成を、各インクタンクの基板100との関係で示す図である。
【0077】
図12に示すように、インクタンク1に対する信号配線は、4本の信号線からなり、また、4つのインクタンク1に共通の信号配線である。すなわち、それぞれのインクタンク1に対する信号配線は、インクタンクにおけるLED101の発光およびその駆動制御などを行う制御ユニット103の動作などの電力供給にかかる電源信号線「VDD」およびアース信号線「GND」と、後述されるように、制御回路300から、LED101の点灯、点滅などの処理に関する制御信号(制御データ)などを送るための信号線「DATA」およびそのクロック信号線「CLK」の4本の信号線から構成される。
【0078】
一方、各インクタンク1K、1Y、1M、1Cの基板100には、これら4本の信号線の信号によって動作する制御ユニット103およびそれによって動作が制御される発光部であるLED101が設けられている。以上はインクタンクに対して接続端子をもっとも少なくする構成のひとつであり、図15および図16について説明する駆動タイミングチャートにて、LED101の制御、インクタンク情報の取得および/または更新を行うことができるものである。
【0079】
2.3 制御部の構成(図13、図14)
図13は本発明を適用可能な制御部などが設けられた基板の一実施形態の詳細を示す回路図である。本実施形態においては、カートリッジをインクタンク、記録剤をインク、発光部を発光ダイオード(LED)として説明する。同図に示すように、インクタンク上の基板100A〜100D内にある制御ユニット103は、メモリアレイ103B(すなわち情報保持部)と、LEDドライバ103C(すなわち駆動部)と、メモリアレイ103BおよびLEDドライバ103Cを制御する入出力制御回路103A(すなわち制御部)とを実装した半導体基板120を有して構成される。入出力制御回路103Aは、本体側の制御回路300からフレキシブルケーブル206を介して送られてくる制御データに応じて、報知動作を行うためのLEDドライバ103Cを介したLED101の表示駆動や、メモリアレイ103Bに対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する。なお、図13はブロック図であるため本体側の制御回路300とインクタンク側の基板100Aとの信号接続を簡略化して描いている。しかし実際には、本体側の制御信号コネクタ110からフレキシブルケーブル206を介して送られてくる制御データは、直接インクタンク上の基板100A〜100Dに伝達されるのではなく、キャリッジ203に設けられた信号伝達用の電気接点部および記録ヘッドユニット105側の電気接点部157等を介して伝達される。
【0080】
メモリアレイ103Bは、本実施形態ではEEPROMの形態のものであり、インク残量、収納するインクの色情報の他、そのインクタンクの固有番号や製造ロット番号などの製造情報等を記憶することができる。色情報はインクタンクの出荷時または製造時に、インクの色に対応して、メモリアレイ103Bの所定のアドレスに書き込まれる。この色情報は、図15および図16にて後述されるように、インクタンクの識別情報として用いられ、インクタンクを特定してメモリアレイ103Bに対するデータの書き込みやメモリアレイ103Bからデータの読み出しを行い、また、そのインクタンクのLED101の点灯、消灯を制御することが可能となる。
【0081】
メモリアレイ103Bに書き込まれ、また、読み出されるデータには、例えば、インク残量のデータがある。本実施形態のインクタンクには、前述したようにその底部にプリズムが設けられ、インクの残量が少なくなったときはこのプリズムを介して光学的にその旨を検出することができる。本実施形態では、これに加え、制御回路300は、吐出データに基づいて記録ヘッドごとの吐出数をカウントし、それに基づいてインクタンクごとのインク残量を計算する。そして、この残量情報をそれぞれ対応するインクタンクのメモリアレイ103Bに書き込み、また、読み出す処理を行う。これにより、メモリアレイ103Bはその時点のインク残量の情報を保持することができ、この情報は、例えば、上記プリズムを用いたインク残量検出と併用したより精度の高い残量検出に用いられたり、装着されたインクタンクが新しいものか、あるいは一度用いられて再装着されたものであるかなどを判断するために用いられたりする。
【0082】
LEDドライバ103Cは、入出力制御回路103Aから出力される信号がオンのときLED101に電源電圧を印加するよう動作し、これにより、LED101を発光させる。従って、入出力制御回路103Aから出力される信号がオンの状態にあるとき、LED101は点灯状態を維持し、上記信号がオフの状態にあるとき、LED101は消灯状態を維持する。
【0083】
113は半導体基板120のLEDドライバ102CにLED101のアノード側を接続するための端子、115は半導体基板120のグランドラインにLED101のカソード側を接続するための端子である。114はLED101に通電する電流を決定する制限抵抗器であり、LEDドライバ103Cの出力とLED114のアノードとの間に介挿されている。なお、この制限抵抗器114は、図示のようにインクタンク上の基板100A〜100Dに実装されるものでもよいし、半導体基板120内に作り込まれたものでもよい。
【0084】
図14は、図13に示した基板100A〜100Dの構成の変形例を示す回路図である。この変形例が図13に示す例と異なる点は、LED101に対して電源電圧を印加する構成において、電源がインクタンクの基板100内部に設けられたVDD電源パターンから供給されるものである。制御ユニット103を構成する各素子は半導体基板120上にまとめて作りこまれることが一般的であり、LED101に接続される半導体基板120上の接続端子を接続端子113のみとした構成である。接続端子数がひとつ少なくなっただけでも、半導体基板120の占有面積に大きく影響するので、半導体基板120のコストダウンにつながるものである。
2.4 制御部の動作(図15、図16)
図15は、上述したメモリアレイ103Bに対するデータの書き込みおよび読み出しの動作をそれぞれ説明するためのタイミングチャートであり、図16は、LED101の点灯および消灯の動作をそれぞれ説明するタイミングチャートである。
【0085】
図15に示すように、メモリアレイ103Bへの書き込みでは、本体側の制御回路300からインクタンク1の制御部103における入出力制御回路103Aに対し、信号線DATA(図12)を介して「開始コード+色情報」、「制御コード」、「アドレスコード」、「データコード」の各データ信号が、クロック信号CLKに同期してこの順で送られてくる。「開始コード+色情報」は、その「開始コード」信号によって、一連のデータ信号の始まりを意味し、また、「色情報」信号によってこの一連のデータ信号の対象となっているインクタンクを特定する。
【0086】
「色情報」は、同図に示すように、インクの色「K」、「C」、「M」、「Y」に対応したコードを有しており、入出力制御回路103Aは、このコードが示す色情報とメモリアレイ103Bに格納されている自身の色情報とを比較し一致しているときにのみ、それ以降のデータ信号を取り込む処理を行い、一致しないときは、それ以降のデータ信号の取り込みを無視する処理を行う。本実施形態においては、この「色情報」が「記録装置からの固体情報」に相当する。これにより、図12に示した共通の信号線「DATA」を介して、本体側からデータ信号をそれぞれのインクタンクに共通に送っても、それに上述の色情報を含めることによってインクタンクを特定することができ、書き込み、読み出し、LEDの点灯、消灯など、その後のデータ信号に基づく処理を、その特定したインクタンクに関してのみ行うことが可能となる。この結果、4つのインクタンクに対して共通の(1本の)データ信号線を介して送信されるデータによってデータの書き込みなどのほか、LEDの点灯、消灯の制御を行うことができ、これらの制御に要する信号線の数を少なくすることが可能となる。なお、このような共通の(1本の)データ信号線を用いる構成は、インクタンクの数に限定されずに同じものとすることができることは、以上の説明からも明らかである。
【0087】
本実施形態の「制御コード」は、図15に示すように、後述するLEDの点灯、消灯制御に用いられる「OFF」、「ON」のコードと、メモリアレイに対するアクセスすなわち読み出しおよび書き込みを示すそれぞれ「READ」および「WRITE」のコードを有している。本書き込み動作では、「WRITE」のコードがインクタンクを特定する上記「色情報」のコードの後に続くことになる。次の「アドレスコード」は、書き込み先であるメモリアレイのアドレスを示し、最後の「データコード」は書き込む内容を表している。
【0088】
なお、本実施形態においては、これらのコードが「記録装置からのコマンド」に相当する。しかし例えば「制御コード」が表す内容は上記の例に限られないことはもちろんであり、例えば、ベリファイコマンド、連続読み出しコマンドなどに関する制御コードを加えて用いることもできる。
【0089】
読み出しでは、上記の書き込みの場合とデータ信号の構成は同じであり、また、「開始コード+色情報」のコードは、上記の書き込みの場合と同様、総てのインクタンクの入出力制御回路103Aによって取り込まれ、それ以降のデータ信号は「色情報」が一致したインクタンクの入出力制御回路103Aだけが取り込む。異なる点は、アドレスコードによってアドレスを指定した後、最初のクロック(図15では13クロック目)の立ち上がりに同期して、読み出したデータの出力が行われる。複数のインクタンクのデータ信号端子が、このような共通の(1本の)データ信号線に接続されていても、読み出したデータが他の入力信号とぶつからないように入出力制御回路103Aが調停を行っているのである。
【0090】
LED101の点灯または消灯では、図16に示すように、上記と同様、先ず、「開始コード+色情報」のデータ信号が、本体側から信号線DATAを介して入出力制御回路103Aに送られてくる。上述したように、「色情報」によってインクタンクが特定され、その後に送られてくる「制御コード」に基づくLED101の点灯、消灯は特定されたインクタンクのみで行われる。点灯、消灯にかかる「制御コード」は、図15にて上述したように、「ON」または「OFF」のコードがあり、「ON」によってLED101の点灯が行われ、「OFF」によって消灯が行われる。すなわち、制御コードが「ON」のとき、入出力制御回路103Aは、図13にて前述したように、LEDドライバ103Cに対してオン信号を出力し、それ以降もその出力状態を維持する。逆に、制御コードが「OFF」のとき、入出力制御回路103Aは、LEDドライバ103Cに対してオフ信号を出力し、それ以降もその出力状態を維持する。なお、LED101の点灯または消灯の実際のタイミングは、図16に示す各データ信号についてクロックCLKの7クロック目以降に行われる。
【0091】
同図に示す例では、最初、同図の最左端のデータ信号にあるように、ブラックKのインクタンクが特定されて、インクKのタンクのLED101が点灯されている。次に、2番目のデータ信号の「色情報」はマゼンタインクMを指定するものであり、「制御コード」は点灯を指示するものであるから、インクKのタンクのLED101が点灯したまま、インクMのタンクのLED101も点灯する。そして、3番目のデータ信号は、インクKのタンクについて、「制御コード」が消灯を指示するものであるから、インクKのタンクについてのみそのLED101が消灯する。
【0092】
LEDの点滅制御は、上記の説明からも分かるように、本体側の制御回路300が、点灯と消灯の「制御コード」をそれぞれ含むデータ信号をそのインクタンクを特定して送ることによって可能となる。その場合に、その信号を送る周期を定めることによって、点滅の周期を制御することができる。
【0093】
2.5 制御手順(図17〜図23)
図17は、以上説明した本実施形態の構成に基づくインクタンクの着脱に関する制御手順を示すフローチャートであり、特に、本体側の制御回路300による各インクタンク1K、1Y、1M、1CのLED101の点灯、消灯の制御を示すものである。
【0094】
図17に示す処理は、ユーザが本実施形態のプリンタの本体カバー201(図9,図10参照)を開いたとき、所定のセンサによってこれを検知して起動される処理である。本処理が起動されると、先ず、ステップS101で、インクタンク着脱処理を実行する。
【0095】
図18は、このインクタンク着脱処理の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、着脱処理では、先ず、ステップS201で、キャリッジ205を移動するとともにそのとき搭載されているそれぞれのインクタンクについて状態情報(インクタンクの個体情報)を取得する。取得される状態情報としてはそのときのインク残量などであり、これらがそのインクタンクの固有番号とともに、メモリアレイ103Bから読み出される。そして、ステップS202で、キャリッジ205が図9にて説明したインクタンク交換位置に到達したか否かを判断する。
【0096】
キャリッジ205がインクタンク交換位置に到達したと判断すると、ステップS203でインクタンク装着確認制御を行う。
【0097】
図19は、この装着確認制御の詳細を示すフローチャートである。先ず、ステップS301で、キャリッジ205に搭載されるインクタンクの数を示すパラメータNを設定するとともに、このインクタンクの数に応じてLEDの発光を確認するためのフラグF(k)を初期化する。本実施形態では、Nとして、K、C、M、Yのインクタンクの数で4が設定される。これに従い、F(1)、k=1〜4、の4つのフラグが用意され、これらが総て初期化されてその内容が“0”とされる。
【0098】
次に、ステップS302で上記フラグのインクタンクの装着判定順序に関る変数Aを1に設定し、ステップS303で、A番目のインクタンクについて装着確認制御を行う。この制御は、ユーザがインクタンクを記録ヘッドユニット105のホルダ150に正しい位置に装着することにより、前述したホルダ150のコンタクト152とインクタンクのコンタクト102とが接触し、これにより、本体側の制御回路300が、前述したように、インクタンクの個体情報である色情報によってインクタンクを特定しつつ、その特定したタンクのメモリアレイ103Bに格納されている色情報を順次読み出す動作である。また、上記特定するための色情報は、それまでに既に読み出されているものについては、用いないことはもちろんである。さらに、本制御では、この読み出した色情報が、本処理が起動された後、それまでに読み出された色情報と異なるものか否かの判断も行う。
【0099】
そして、ステップS304では、色情報を読み出すことができ、かつその色情報がそれまでに読み出されたものと異なるとき、その色情報のインクタンクがA番目のインクタンクとして装着されたと判断する。それ以外の場合は、A番目のインクタンクが装着されていないと判断する。尚、ここで説明するA番目というのは単にインクタンクの判定を行う順番を説明するものであり、インクタンクの装着位置を示す順番ではない。A番目のインクタンクが装着されていると判断したときは、ステップS305で、そのフラグF(A)、すなわち、用意された4つのフラグF(k)、k=1〜4のうち、k=Aに該当するフラグ(A)の内容を“1”とし、図16にて上述したようにして、該当する色情報のインクタンク1のLED101を点灯する。装着されていないと判断したときは、ステップS311で、そのフラグF(A)の内容を“0”とする。
【0100】
次に、ステップS306で、変数Aを1インクリメントし、ステップS307で、この変数AがステップS301で設定したN(本実施形態のプリンタの場合はN=4)より大きいか否かを判断する。ここで、変数AがN以下であると判断したときは、ステップS303以降の処理を繰り返す。また、変数AがNより大きいと判断したときは、4つのインクタンク総てについて装着確認制御が終了したとして、ステップS308で、本体カバー201が開放された状態か否かを、上記のセンサの出力に基づいて判断する。すなわち、本体カバーが閉じた状態であるときは、ユーザが、例えば、インクタンクのいくつかを未装着あるいは装着が不完全なままカバーを閉じた可能性があるとして、ステップS312で異常状態のステータスを図18の処理ルーチンへ返して本処理を終了する。
【0101】
ステップS308で、本体カバー201が開いた状態であると判断したときは、4つのフラグF(k)、k=1〜4、の総てについてその内容が“1”か否か、すなわち、総てのインクタンクについて、LED101の点灯がされたか否かを判断する。いずれかのインクタンクのLED101が点灯していないと判断したときは、ステップS302以降の処理を繰り返す。すなわち、ユーザが、LED101が点灯していないインクタンクについて、装着し、または装着動作をやり直し、そのインクタンクのLEDが点灯するまで、上記の処理を繰り返す。
【0102】
なお、このステップS309の判断で、総てのインクタンクのLEDが点灯していないと判断したときは、既に点灯しているLEDについて点滅制御を行うことにより、ユーザに対して、未装着あるいは装着が完全でない(ホルダ150のコンタクト152とインクタンク1のコンタクト102と接触がなされてない)インクタンクがあることに注意を喚起するようにしてもよい。
【0103】
総てのインクタンクのLEDが点灯されたと判断したときは、ステップS310で正常終了動作を行い、本処理を終了し、処理は図18に示す処理ルーチンに戻る。図20(a)は、総てのインクタンクについて正しく装着され、それぞれのLEDが点灯した状態を示す図である。
【0104】
再び、図18を参照すると、ステップS203のインクタンク装着確認制御を上記のように実行した後、ステップS204で、その制御が正常終了したか否か、すなわち、正常にインクタンクが装着されたか否かを判断する。装着が正常と判断したときは、ステップS205で操作部213の表示器(図9、図10)を、例えばグリーンに点灯し、ステップS206で正常終了して図17に示す処理ルーチンに戻る。また、装着が異常と判断したときは、ステップS207で操作部213の表示器を、例えば、オレンジで点滅し、ステップS208で異常終了して図17に示す処理ルーチンに戻る。記録装置を制御するホストPCが接続されている場合は、同時にPCモニタを通して装着異常表示を行うこともできる。
【0105】
図17において、ステップS101のインクタンク装着処理を終了すると、ステップS102で、上記着脱処理が正常終了したか否かを判断する。異常終了であると判断したときは、ステップS108で、ユーザが本体カバー201を開けるのを待ち、カバー201が開けられたことによってステップS101の処理が起動され、図18にて説明した処理を繰り返す。
【0106】
ステップS102で、着脱処理が正常に終了したと判断したときは、ステップS103で、ユーザが本体カバー201を閉じるのを待ち、ステップS104でカバー201が閉じられたか否かを判断する。ここで、本体カバーが閉じられたと判断したときは、ステップS105の光認証処理に移行する。この際、図20(b)に示すように、本体カバー201が閉じられたことを検出すると、キャリッジ205は光認証のための位置へ移動するとともに、点灯されているそれぞれのインクタンクのLED101を消灯する。
【0107】
光認証処理は、正常に装着されたインクタンクそれぞれが正しい位置に装着されているか否かを判断する処理である。本実施形態では、インクタンクの装着位置について、例えば、インクタンクと装着位置の形状を他のインクのインクタンクが装着できないような形状とし、それぞれの色のインクタンクに対応して装着位置を定めるような構成をとらないことから、それぞれの色のインクタンクについて本来の位置でないところに誤って装着される可能性がある。このため、本光認証処理を行い、誤って装着されている場合は、ユーザにその旨を知らせるものである。これにより、特に、インクタンクの形状を色ごとに異ならせることなく、インクタンクの製造の効率化や低コスト化を図ることができる。
【0108】
図21(a)〜(d)および図22(a)〜(d)は、この光認証処理を説明する図である。
【0109】
図21(a)に示すように、先ず、第1受光部210に対して、図中左側から右側へ移動キャリッジ205を開始する。そして、最初に、イエローインクのインクタンク1Yが装着されるべき位置のインクタンクが第1受光部210に対向する位置で、インクタンク1YのLED101を発光させる(図24にて説明したように、実際は点灯し所定時間後消灯すること、以下、本認証処理では同様)。インクタンク本来の正しい位置に装着されているとき、第1受光部210はLED101の発光を受光することができ、制御回路300は、その装着位置にはインクタンク1Yが正しく装着されていると判断する。
【0110】
キャリッジ205を移動しつつ、同様にして、図21(b)に示すように、マゼンタインクのインクタンク1Mが装着されるべき位置のインクタンクが第1受光部210に対向する位置で、インクタンク1MのLED101を発光させる。同図に示す例は、インクタンク1Mが正しい位置に装着されていて第1受光部210はその発光を受光することを示している。順次、図21(b)〜(d)に示すように、判断する装着位置を変えながら発光を行って行く。これらの図は、正しい位置に装着されている例を示している。
【0111】
これに対し、図22(b)に示すように、マゼンタインクのインクタンク1Mが装着されるべき位置にシアンインクのインクタンク1Cが誤って装着されているときは、第1受光部210に対向しているインクタンク1CのLED101は発光せず、別の位置に搭載されているインクタンク1MのLED101が発光する。この結果、このタイミングでは、第1受光部210は受光できないことから、制御回路300は、その装着位置にはインクタンク1M以外のインクタンクが装着されていると判断する。これに対応して、図22(c)に示すように、シアンインクのインクタンク1Cが装着されるべき位置にマゼンタインクのインクタンク1Mが誤って装着されており、第1受光部210に対向しているインクタンク1MのLED101は発光せず、別の位置に搭載されているインクタンク1CのLED101が発光する。
【0112】
以上説明した光認証処理を行うことにより、制御回路300は本来の位置に装着されていないインクタンクを特定することができる。また、装着されるべき位置に正しいインクタンクが装着されていなかった場合には、その装着位置において、他の3色のインクタンクを順に発光させる制御を行うことによって、その装着位置に誤って何色のインクタンクが装着されてしまったかを特定することもできる。
【0113】
図17において、上述したステップS105の光認証処理の後、ステップS106でこの処理が正常終了したか否かを判断する。光認証が正常終了したと判断したときは、ステップS107で、操作部213の表示器を例えばグリーンに点灯して、本処理を終了する。一方、正常の終了でないと判断したときは、ステップS109で操作部213の表示器を例えばオレンジで点滅するとともに、ステップS110で、ステップS105で特定した、本来の正しい位置に装着されていないインクタンクのLED101を、例えば点滅あるいは点灯する。これにより、ステップS108で、ユーザが本体カバー201を開けたとき、本来の正しい位置に装着されていないインクタンクを知ることができ、正しい位置への再装着を促すことができる。
【0114】
図23は、本実施形態にかかる記録処理を示すフローチャートである。本処理では、先ず、ステップS401で、インク残量確認処理を行う。この処理は、これから記録しようとしているジョブについて、記録データからその記録量を求め、この量とそれぞれのインクタンクの残量とを比較して、上記ジョブの記録に十分な量があるか否かを確認する処理である。なお、この処理では、上記のインク残量は、制御回路300でそのときの残量としてカウントして求めたものを用いることができる。
【0115】
ステップS402では、上記の確認処理に基づいて記録に必要なインク量があるか否かを判断する。十分なインク量があるときは、ステップS403で記録動作を行い、ステップS404で操作部213の表示器をグリーンに点灯して正常終了を行う。一方、ステップS402で十分なインク量がないと判断したときは、ステップS405で、操作部213の表示器をオレンジに点滅するとともに、ステップS406で、インク残量が少ないインクタンク1のLED101を点滅または点灯させて、異常終了する。
【0116】
以上のような構成によれば、記録装置自身もしくは記録装置を制御するホストコンピュータの表示機能がなくとも、あるいはこれをあえて用いなくても、インクタンク自体が具備する表示機能により、ユーザがインクタンクに係る情報を確認できる。そして上述のように、本実施形態の構成はカートリッジの寿命および交換のタイミングを報知するだけでなく、カートリッジの装着が確実に行われたかどうかなどの様々な情報を、発光部を活用してユーザに報知することができる。このように、発光部の活用方法は多岐にわたるものであり、その活用の可能性は非常に広範なものである。
【0117】
3.他の実施形態(図24〜図26)
上述の第1の実施形態では、インクタンク背面側にある第1係合部5をホルダ奥側の第1係止部155に挿通し、インクタンク正面側を押下しつつ挿通部分を回動支点としてインクタンク1を回動させながら装着動作を行う構成であった。これにとって好ましい基板100の配設位置は上述のように回動支点から離れた正面側に位置し、またこれに伴って、第1受光部210およびユーザの目に投光するのに兼用される第1発光部101も基板100に一体化した構成とした。
【0118】
しかし、基板にとって好ましい配設位置と発光部に求められる配設位置とが、インクタンクやその取り付け部の構成に応じて異なる場合があり、その場合には基板および発光部をそれぞれ適宜の位置に配設し得る。すなわち、両者は必ずしも一体化されたものでなくてもよい。
【0119】
図24(a)〜(c)は、本発明の他の実施形態に係るインクタンクおよびその取り付け部の構成例およびその装着動作を説明するための図である。
【0120】
図24(a)において、本実施形態のインクタンク501には、正面上部にLEDなどの発光部601、上面奥側にパッド602が設けられた基板600が配置されている。従って、発光部601が発光すると、正面側から投光される。そこで、キャリッジの走査範囲の端部にあって図の左方向に投光される光を受容する位置に受光部620を配置し、その部位にキャリッジが位置したときに発光部601の発光を制御することで、記録装置側は受光部の受光内容からインクタンク501に係る所定の情報を認識することが可能となる。また、例えば走査範囲の中央にキャリッジを位置させて発光部601の発光を制御することで、ユーザはその発光状態を目視することによりインクタンク501に係る所定の情報を認識することが可能となる。
【0121】
記録ヘッドユニット605は、図24(c)に示すように、複数(図では2個)のインクタンクを着脱可能に保持するホルダ650と、底面側に配置される記録ヘッド605’とからなっている。そしてインクタンク501をホルダ650に装着することで、ホルダ底部に位置する記録ヘッド側のインク導入口607とインクタンク底部に位置するインク供給口507とが結合し、両者間のインク連通路が形成される。ホルダ650は、インクタンク501を装着する際の回動中心となる係合部655を正面側に、装着完了位置にインクタンク501を係止する係止部656を背面側上部に有している。また、係止部656近傍には、基板500のパッド502と接続されるコネクタ652が設けられている。
【0122】
インクタンク501を記録ヘッドユニット605に装着する場合には、ホルダ650の正面からインクタンク501を取り扱い、図24(b)に示すように、インクタンク背面下縁部をホルダ650の背面に押し当て、インクタンク正面の部位をホルダ650の係合部655に係合させた状態とする。この状態でインクタンク501の正面上部を背面方向に押圧すると、インクタンク501は係合部655を中心に矢印方向に回動しながらホルダ内に装着されて行く。図24(a)および(c)はインクタンク501の装着完了状態であり、このときインク供給口507およびインク導入口607、またパッド602およびコネクタ652が接合した状態となる。また、パッド602およびコネクタ652は、装着時の回動中心から極力離れた部位に位置しており、インクタンク501の装着完了直前において両者が当接し、両者間での良好な電気接続性が確保された装着完了状態を得ることができる。
【0123】
なお、ホルダ650側の係合部655および係止部656、あるいはこれらに対応したインクタンク501側の構成は適宜定めることができる。また、図示の例では基板600がインクタンク501の上面に平行な面として設けられているが、第1の実施形態のように斜面に配置することも可能であるのは勿論である。さらに、ホルダ650および関連した構成部材をヘッドユニットが有する構成としなくてもよい。
【0124】
図25は図24の構成の変形例を示す斜視図であり、ここではインクタンク501および記録ヘッド605’を一体に構成してなる2本の記録ヘッドユニット(液体収納カートリッジ)が示されている。本実施形態において、一方はブラックインク用、他方はイエロー、マゼンタおよびシアンインク用のカートリッジである。
【0125】
このような構成に対応して、上記ホルダ650と同様の構成をキャリッジに設ければよい。また、本例においては、正面側に位置する発光部601の制御回路はヘッドユニットの適宜の部位に設けた基板上に構成されたものでもよいが、記録ヘッド605’に一体化された駆動回路基板に制御回路を形成しておき、不図示の配線を介して発光部601への接続を行うこともできる。この場合、記録ヘッド605’の駆動回路および発光部601の制御回路は、配線部657さらには不図示の電気接点部を介して、キャリッジ側電気接点部に接続される。
【0126】
図26は、上述した他の実施形態にかかる構造を有したインクタンクを搭載して記録を行うプリンタを示す斜視図であり、本体カバーを開いた状態で示すものである。同図において、図17、図18等で説明した要素と同様の要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0127】
図26に示すように、ブラックインクを収納したインクタンク501Kとシアン、マゼンタ、イエローの各インクを収納する収納室を一体に形成したインクタンク501CMYがそれぞれ、キャリッジ205上の記録ヘッドユニット605のホルダに装着される。そして、各インクタンクにおいて、上述したように、LED601は基板とは別体に設けられ、インクタンクが装着された状態(のインクタンク交換位置)で、ユーザは正面にこれらLED601を見ることができる。また、このLEDの位置に対応して、受光部210が、キャリッジ205の移動範囲の一方の端部近傍に設けられている。
【符号の説明】
【0128】
1、1K、1C、1M、1Y インクタンク
3 支持部材
3M 支持部材操作部
5 第1係合部
6 第2係合部
7 インク供給口
100 基板
101 発光部(LED)
102、152 パッド(コンタクト端子)
103 制御ユニット
103A 入出力制御回路(制御部)
103B メモリアレイ(情報保持部)
103C LEDドライバ(駆動部)
105 記録ヘッドユニット
105’、105K、105C、105M、105Y 記録ヘッド
107 インク導入口
150 ホルダ
152 コネクタ
154 導光性部材
155 第1係止部
156 第2係止部
157 電気接点部
158、159 配線部
201 本体カバー
206 フレキシブルケーブル
209 エンコーダスケール
210 第1受光部
211 エンコーダセンサ
213 操作部
214 第2発光/受光部
301 CPU
302 RAM
303 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクタンクであって、
インクを収納するためのインク収納部を有するタンク本体と、
発光部と、
前記発光部を発光させるための電気信号を受信するための電気接点と、
前記タンク本体の外表面に設けられ、前記発光部と前記電気接点を有する基板と、
を備え、
前記基板は、前記タンク本体の内部に向いている第1面と前記第1面の裏側の第2面とを有し、
前記発光部は前記第1面に配置され、前記電気接点は第2面に配置されていることを特徴とするインクタンク。
【請求項2】
インクタンクであって、
インクを収納するためのインク収納部を有するタンク本体と、
発光部と、
前記発光部を発光させるための電気信号を受信するための電気接点と、
前記タンク本体の外表面に設けられ、前記発光部と前記電気接点を有する基板と、
を備え、
前記基板は、前記インク収納部に面している第1面と前記第1面の裏側の第2面とを有し、
前記発光部は前記第1面に配置され、前記電気接点は第2面に配置されていることを特徴とするインクタンク。
【請求項3】
前記外表面は凹部を有し、
前記発光部が前記凹部内に位置するように、前記基板は前記凹部上に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクタンク
【請求項4】
前記発光部が前記外表面と前記基板との間に位置するように、前記基板は前記外表面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクタンク
【請求項5】
前記インク収納部に収納されるインクの色を示す色情報を保持する情報保持部と、
前記電気接点を介して入力された前記電気信号が示す色情報および発光コマンドと、前記情報保持部に保持されている色情報と、に基づいて、前記発光部の発光を制御する制御部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項6】
前記制御部は、前記電気接点を介して入力された色情報と前記メモリに保持されている色情報とが一致した場合に、前記電気接点を介して入力された発光コマンドに従って前記発光部を発光させることを特徴とする請求項5に記載のインクタンク。
【請求項7】
前記インクタンクは、前記発光部からの光を受光可能な受光部と、インクタンク装着部と、を備えたインクジェット記録装置の前記インクタンク装着部に着脱可能に構成されており、
前記インクタンク装着部に装着された前記インクタンクが前記受光部に対向している状態で、前記発光部からの光は前記インク収納部を介さずに前記受光部に到達することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項8】
インクタンク装着部と、
前記インクタンク装着部に対して着脱可能な、請求項1乃至7のいずれかに記載のインクタンクと、
前記電気接点と電気的に接続可能な装置側接点と、
前記装置側接点に対して前記電気信号を送信可能な送信手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記インクタンクに設けられた発光部からの光を受光可能な受光部を更に備え、
前記インクタンク装着部に装着された前記インクタンクが前記受光部に対向している状態で、前記発光部からの光は前記インク収納部を介さずに前記受光部に到達することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
装置側接点と、前記装置側接点に発光コマンドおよび色情報を送信可能な送信手段と、インクタンク装着部と、を備えたインクジェット記録装置の前記インクタンク装着部に着脱可能なインクタンクであって、
インクを収納するためのインク収納部を有するタンク本体と、
前記インク収納部に収納されるインクの色を示す色情報を保持する情報保持部と、
発光部と、
前記装置側接点と電気的に接続可能な電気接点と、
前記送信手段より前記電気接点を介して入力された前記発光コマンドおよび色情報と、前記情報保持部に保持されている色情報と、に基づいて、前記発光部の発光を制御可能な制御部と、
前記タンク本体の外表面に設けられ、前記発光部と前記電気接点と前記メモリと前記制御部とを有する基板と、
を備え、
前記基板は、前記タンク本体の内部に向いている第1面と前記第1面の裏側の第2面とを有し、
前記発光部は前記第1面に配置され、前記電気接点は第2面に配置されることを特徴とするインクタンク。
【請求項11】
装置側接点と、前記装置側接点に発光コマンドおよび色情報を送信可能な送信手段と、インクタンク装着部と、を備えたインクジェット記録装置の前記インクタンク装着部に着脱可能なインクタンクであって、
インクを収納するためのインク収納部を有するタンク本体と、
前記インク収納部に収納されるインクの色を示す色情報を保持する情報保持部と、
発光部と、
前記装置側接点と電気的に接続可能な電気接点と、
前記送信手段より前記電気接点を介して入力された発光コマンドおよび色情報と、前記情報保持部に保持されている色情報と、に基づいて、前記発光部の発光を制御可能な制御部と、
前記タンク本体の外表面に設けられ、前記発光部と前記電気接点と前記メモリと前記制御部とを有する基板と、
を備え、
前記基板は、前記インク収納部に面している第1面と前記第1面の裏側の第2面とを有し、
前記発光部は前記第1面に配置され、前記電気接点は第2面に配置されていることを特徴とするインクタンク。
【請求項12】
前記外表面は凹部を有し、
前記発光部が前記凹部内に位置するように、前記基板は前記凹部上に配置されていることを特徴とする請求項10または11に記載のインクタンク。
【請求項13】
前記発光部が前記外表面と前記基板との間に位置するように、前記基板は前記外表面に設けられていることを特徴とする請求項10または11に記載のインクタンク
【請求項14】
前記制御部および前記メモリを有する制御ユニットが、前記第1面に配置されていることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項15】
前記制御部は、前記電気接点を介して入力された色情報と前記メモリに格納されている色情報とが一致した場合に、前記電気接点を介して入力された発光コマンドに従って前記発光部を発光させることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項16】
前記インクタンク装着部に装着された前記インクタンクが前記インクジェット記録装置に設けられた受光部に対向している状態で、前記発光部からの光は前記インク収納部を介さずに前記受光部に到達することを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項17】
1つの受光部と、
複数の異なるインク色のそれぞれに対応した複数の装着部を有し、前記複数の装着部が前記受光部に順次対向するように移動可能なキャリッジと、
前記複数の装着部のそれぞれに対応した複数の本体側接点と、
前記複数の装置側接点に対して共通に電気的に接続された共通配線と、
発光コマンドおよび色情報を前記共通配線に送信可能な本体側制御手段と、
前記複数の装着部に着脱可能な複数のインクタンクと、
を備えるインクジェット記録装置であって、
前記複数のインクタンクのそれぞれは、
(i)収納されるインクの色を示す色情報を保持する情報保持部と、
(ii)前記本体側接点と電気的に接続可能なタンク側接点と、
(iii)前記受光部に投光可能な光を発するための発光部と、
(iv)(a)前記情報保持部に保持されている色情報を前記タンク側接点および前記本体側接点を介して前記共通配線に送信可能な制御部であって、(b)前記共通配線より前記本体側接点および前記タンク側接点を介して送られてきた発光コマンドおよび色情報と、前記メモリに格納されている色情報と、に基づいて、前記発光部の発光を制御可能で制御部と、
を有し、
前記本体側制御手段は、
(I)前記共通配線を介して前記複数の装着部に装着されている複数のインクタンクに色情報を要求し、前記共通配線を介して前記複数のインクタンクから受け取った色情報に基づいて前記複数の異なるインク色のそれぞれに対応した複数のインクタンクが装着されているか否かを確認する確認処理を行い、
(II)前記確認処理によって前記複数の異なるインク色のそれぞれに対応した複数のインクタンクが装着されていることが確認された場合、前記複数のインクタンクそれぞれが対応する色の装着部に装着されているか否かを判定する判定処理を行い、
(III)前記判定処理では、前記対応する色の装着部が前記受光部に対向している状態における前記発光部の発光に対する前記受光部の受光結果を利用して、前記インクタンクが前記対応する色の装着部に装着されているか否かを判定することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項18】
前記本体側制御手段は、前記確認処理によって前記複数の異なるインク色のそれぞれに対応した複数のインクタンクが装着されていることが確認されなかった場合、前記判定処理を行わないことを特徴とする請求項17に記載のインクジェット記録装置。
【請求項19】
前記インクタンクの着脱のために開閉可能な本体カバーを更に備え、
前記本体側制御手段は、前記本体カバーが閉じられたことに応じて前記確認処理を行うことを特徴とする請求項17または18に記載のインクジェット記録装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記電気接点を介して入力された色情報と前記メモリに格納されている色情報とが一致した場合に、前記電気接点を介して入力された発光コマンドに従って前記発光部を発光させることを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項21】
複数の異なるインク色複数の異なるインク色にそれぞれ対応した複数の装着部と、
前記複数の異なるインク色にそれぞれ対応した複数のインクタンクが前記複数の装着部に装着されているか否かを確認する確認手段と、
前記確認手段により前記複数の異なるインク色にそれぞれ対応した複数のインクタンクが前記複数の装着部に装着されていることが確認された場合、前記複数のインクタンクのそれぞれが対応する色の装着部に装着されているか否かを判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項22】
インク収納部と、
前記インク収納部に収納されるインクの色を示す色情報を保持する情報保持部と、
発光部と
電気接点と、
前記電気接点を介して色情報とコマンドを受け、受けた色情報と前記情報保持部に保持されている色情報とに基づいて前記受けたコマンドの実行を制御する制御部と、
を備えるインクタンクであって、
前記制御部は、(i)前記受けたコマンドが前記発光部を発光させるための発光コマンドの場合、前記受けた色情報と前記情報保持部に保持されている色情報とに基づいて前記発光コマンドの実行を制御し、(ii)前記受けたコマンドが前記発光部の発光を停止させるための発光停止コマンドの場合、前記受けた色情報と前記情報保持部に保持されている色情報とに基づいて前記発光停止コマンドの実行を制御し、(iii)前記受けたコマンドが前記情報保持部に情報を書き込むための書き込みコマンドの場合、前記受けた色情報と前記情報保持部に保持されている色情報とに基づいて前記書き込みコマンドの実行を制御し、(iv)前記受けたコマンドが前記情報保持部から情報を読み出すための読み出しコマンドの場合、前記受けた色情報と前記情報保持部に保持されている色情報とに基づいて前記読み出しコマンドの実行を制御することを特徴とするインクタンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−232602(P2012−232602A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197507(P2012−197507)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2012−98204(P2012−98204)の分割
【原出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】