説明

インク供給装置

【課題】カートリッジ装着部にインクカートリッジを装着する際に生じる摺動抵抗を軽減することにより、インクカートリッジを確実に且つ円滑に装着することが可能なインク供給装置を提供すること。
【解決手段】カートリッジケース110の上部にインクカートリッジ30と当接してインクカートリッジ30を固定するロックレバー145が設けられている。ロックレバー145は、ケース内部側へ付勢されている。カートリッジケース110内には、インクカートリッジ30の挿入動作に連動するリンク部材80があり、未挿入時はリンク部材80がロックレバー145をアンロック位置に保持し、挿入時にリンク部材80が移動することにより上記保持が解除されて、ロックレバー145がロック位置に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク貯留室を有するインクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部を備えたインク供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクを用いて記録用紙に画像を記録するインクジェット記録方式の画像記録装置が広く知られている。この画像記録装置は、インクジェット記録方式の記録ヘッドと、記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクカートリッジとを備える。インクカートリッジは、内部のインクを外部へ流出させるためのインク供給部を備える。インク供給部を通じてインクカートリッジから記録ヘッドにインクが供給される。記録ヘッドに供給されたインクは、記録ヘッドのノズルから記録用紙へ向けて選択的に吐出される。これにより、記録用紙に画像が記録される。
【0003】
上記画像記録装置には、インクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部が設けられている。カートリッジ装着部は、インクカートリッジを着脱可能に構成されている。カートリッジ装着部にインクカートリッジが装着されることにより、インク供給部が開放されて、インクカートリッジ内のインクが記録ヘッドへ供給可能となる。
【0004】
特許文献1に記載の画像記録装置には、カートリッジ装着部においてインクの供給が可能な装着位置でインクカートリッジを保持するための保持機構が設けられている。その保持機構は、カートリッジ装着部の開口を閉じる扉に設けられた扉ロック部材(62)と押圧保持部材(61)とを有する。インクカートリッジがカートリッジ装着部の上記装着位置に配置された状態で開口が扉で閉じられ、更に扉ロック部材(62)によって扉が開口に対して固定される。このとき、押圧保持部材(61)がインクカートリッジを押圧した状態でカートリッジ装着部の装着位置で位置決めされた状態で保持される。なお、上述の括弧内の番号は特許文献1で使用されている符号の番号である。
【0005】
一方、上記保持機構の他の例として、図11に示される保持機構201が知られている。この保持機構201は、カートリッジ装着部203の奥部にインクカートリッジ205が装着されたときに、ロック部材207がバネ208によって下方へ押し下げられる。これにより、インクカートリッジ205の上側に設けられた被係合部209とロック部材207とが係合して、インクカートリッジ205が装着位置で保持される(図9(C)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−196647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の保持機構201では、カートリッジ装着部203にインクカートリッジ205が挿入される際に、カートリッジ装着部203内に突出するロック部材207とインクカートリッジ205とが衝突するため、挿入時に負荷が生じる(図11(A)参照)。また、ロック部材207がバネ208によって付勢されているため、図11(B)に示されるように、インクカートリッジ205の挿入時にロック部材207がインクカートリッジ205の上面206に案内されたとしても、ロック部材207はバネ208の付勢力を受けつつ、上面206を摺接する。そのため、ロック部材207と上面206との間で生じる摺動抵抗がインクカートリッジ205の挿入時の抵抗となり、円滑な挿入が妨げられるという問題がある。また、場合によっては、インクカートリッジ205の挿入時に、ロック部材207がインクカートリッジ205において予期せぬ箇所と係合してしまい、更にそのままユーザが力任せにインクカートリッジ205を挿入させることで、ロック部材207がインクカートリッジ205に噛み込んでしまうという問題が生じ得る。
【0008】
そこで、本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジを装着する際に生じる摺動抵抗を軽減することにより、インクカートリッジを確実に且つ円滑に装着することが可能なインク供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明は、インク貯留室を有するインクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部を備えたインク供給装置として構成されている。このインク供給装置は、上記インクカートリッジの外面に接触する第1位置と上記外面から離間する第2位置とに移動可能な規制部材と、上記規制部材を上記第1位置へ向けて付勢する付勢部材と、上記カートリッジ装着部に対する上記インクカートリッジの挿抜動作に応じて連動し、上記インクカートリッジが上記カートリッジ装着部に対する挿入向きに沿って挿入されて所定の装着位置に到達するまでの間は上記付勢部材の付勢力に抗して上記規制部材を上記第2位置に保持し、上記インクカートリッジが上記装着位置に到達した状態で、上記第2位置における上記保持を解除して上記規制部材を上記第1位置へ移動させる連動部材と、を備える。
【0010】
なお、本明細書においては別段の定めがない限り、「方向」とは、例えば+,−のように相対する向きを有する両矢印の直線で表されるものであり、「向き」とは、方向のうち例えば+若しくは−のように1つのアローヘッドを有する矢印で表されるものである。
【0011】
このように構成されているため、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されていない場合は、規制部材は連動部材によって第2位置に保持される。この状態で、インクカートリッジがカートリッジ装着部に挿入されても、規制部材がインクカートリッジから離間しているので、規制部材とインクカートリッジとの間に摺動抵抗は生じない。インクカートリッジが更に挿入向きに沿って挿入されると、その挿入動作に伴って連動部材が動作する。つまり、連動部材はインクカートリッジの挿入動作に連動する。インクカートリッジが装着位置に到達すると、上記第2位置における保持が解除される。これにより、上記規制部材が上記付勢部材の付勢力によって上記第2位置から上記第1位置へ移動する。第1位置へ移動した規制部材は、インクカートリッジと接触して、当該インクカートリッジが脱抜向きへ移動することを規制する。
【0012】
(2) 上記装着位置は、上記インクカートリッジから上記カートリッジ装着部へインクを供給可能な位置である。
【0013】
(3) 上記連動部材は、上記インクカートリッジが上記装着位置から脱抜される脱抜向きに沿って移動する過程で上記付勢部材の付勢力に抗して上記規制部材を上記第1位置から上記第2位置へ移動させる請求項1又は2に記載のインク供給装置。
【0014】
一方、インクカートリッジが装着位置から脱抜向きへ抜き出されると、その脱抜動作に伴って連動部材が動作する。つまり、連動部材は インクカートリッジの脱抜動作に連動する。インクカートリッジが装着位置から抜き出されると、連動した連動部材によって、規制部材が付勢部材の付勢力に抗して第1位置から第2位置へ移動する。これにより、規制部材は、インクカートリッジから離間する。この状態で、インクカートリッジが抜き出されても、規制部材がインクカートリッジから離間しているので、規制部材とインクカートリッジとの間に摺動抵抗は生じない。
【0015】
(4) 上記規制部材は、上記インクカートリッジの外面に接触することによって上記装着位置から脱抜される脱抜向きへの上記インクカートリッジの移動を制止するものである。
【0016】
(5) 上記カートリッジ装着部に対する上記インクカートリッジの挿抜方向に交わる方向へ延びる壁部が上記インクカートリッジの外面に設けられている。この場合、上記規制部材は、上記インクカートリッジが上記装着位置に到達した状態で、上記壁部における上記挿入向きの後方側の壁面に接触するように配置されている。
【0017】
これにより、上記脱抜向きへのインクカートリッジの移動が確実に制止される。
【0018】
(6) 本発明のインク供給装置は、一端に上記規制部材が設けられ、他端側に被接触部が設けられており、上記規制部材と上記被接触部との間に回動中心が設けられた回動部材と、上記インクカートリッジが上記装着位置から脱抜される脱抜向きへ上記連動部材を弾性付勢する第1弾性部材と、を更に備える。また、上記連動部材は、上記インクカートリッジの挿入過程において上記インクカートリッジに押圧される被押圧部と、上記被押圧部から上記被接触部側へ延出された本体と、上記本体における上記被接触部側の端部に設けられ上記被接触部に接触可能な接触部と、を備える。この場合、上記連動部材は、上記被押圧部が上記インクカートリッジの挿入経路に配置され且つ上記接触部が上記被接触部に接触して上記規制部材を上記第2位置に保持可能な第3位置と、上記第3位置よりも上記挿入向き側に配置され且つ上記接触部が上記被接触部から離間して上記規制部材を上記第1位置へ移動させ得る第4位置との間で移動可能に構成されている。
【0019】
この構成では、連動部材が第1弾性部材によって脱抜向きへ弾性付勢されている。そのため、インクカートリッジが挿入されていない状態では、連動部材は、弾性付勢力を受けた状態で第3位置に配置されている。この状態で、接触部は被接触部に接触して、規制部材を第2位置に保持している。インクカートリッジがカートリッジ装着部に挿入されると、その挿入経路に配置された被押圧部にインクカートリッジが当接する。そして、更に挿入されると、第1弾性部材の弾性付勢力に抗して被押圧部が挿入向きへ押圧される。これにより、第1弾性部材が圧縮されるとともに、被押圧部が挿入向きへ移動する。被押圧部の移動に伴い、本体及び接触部も同方向へ移動する。つまり、インクカートリッジからの押圧力を受けて連動部材が第3位置から挿入向きへ移動する。連動部材が第4位置まで移動すると、接触部が被接触部から離間する。これにより、付勢部材の付勢力によって規制部材が第2位置から第1位置へ移動し、インクカートリッジの脱抜向きへの移動を規制する。
【0020】
一方、インクカートリッジが装着位置から脱抜向きへ抜き出されると、第1弾性部材の弾性力によって、連動部材が第4位置から第3位置へ移動する。これに伴って、接触部が被接触部に接触する。このとき、被接触部は、第1弾性部材の弾性付勢力によって脱抜向きへ押し付けられて、規制部材が付勢部材の付勢力に抗して第1位置から第2位置へ移動する。これにより、規制部材がインクカートリッジから離間する。
【0021】
(7) 上記インクカートリッジは、上記被押圧部に接触してその被押圧部を上記挿入向きへ押圧する押圧部と、上記挿入向きの前方側である第1壁に設けられたインク供給部と、を備える。この場合、上記押圧部は、上記第1壁から上記インク供給部よりも上記挿入向きへ突出されている。
【0022】
この構成によれば、インクカートリッジが第1壁側から落下した場合でも、押圧部が地面だけが床面に衝突し、インク供給部には直接に衝撃力が加わらない。このため、インク供給部が保護される。
【0023】
(8) 上記インクカートリッジは、上記挿入向きの前方側である第1壁に対して接離する方向へスライド可能なスライド部材と、上記スライド部材を上記第1壁から上記挿入向きへ弾性付勢する第2弾性部材と、を備える。上記第1弾性部材及び上記第2弾性部材は、上記インクカートリッジが装着されていない状態における上記第2弾性部材の弾性力が上記第1弾性部材の弾性力よりも小さく、上記インクカートリッジが上記装着位置に装着される過程で上記第2弾性部材が所定量圧縮された状態において上記第2弾性部材の弾性力と上記第1弾性部材の弾性力とが均衡するように構成されている。
【0024】
このようなスライド部材及び第2弾性部材が設けられているため、第1壁のインク供給部が落下時の衝撃からより確実に保護される。また、インクカートリッジが装着位置に装着される過程で、連動部材とスライド部材とが各弾性部材(第1弾性部材及び第2弾性部材)によって押し合う。上記第1弾性部材の弾性力と上記第2弾性部材の弾性力とが上述の関係を有しているため、装着過程における連動部材とスライド部材との押し合い時に第2弾性部材のみが圧縮され、第1弾性部材は圧縮されない。そして、インクカートリッジが装着位置に到達するまでに、第2弾性部材が所定量だけ圧縮されると、各弾性部材の弾性力が均衡する。その後、インクカートリッジが更に装着位置へ向けて移動されると、弾性力のバランスを保った状態で各弾性部材が圧縮されるとともに、連動部材が挿入向きへ移動して第3位置から第4位置へ移る。これにより、規制部材によるインクカートリッジの脱抜向きへの制止が可能となる。また、このように第1弾性部材及び第2弾性部材が圧縮された状態でインクカートリッジが装着されるため、規制部材による制止が解除されたときは、第1弾性部材及び第2弾性部材それぞれの弾性力で脱抜向きへ押し出される。
【0025】
(9) 上記スライド部材は、上記インクカートリッジの上記挿入向きの前方側を覆うものである。
【0026】
(10) 上記インク供給部は、少なくとも上記押圧部と、上記インクカートリッジの外形のうち上記挿入向きに対して最も突出した部分とを結ぶ平面よりも内側に配置されている。
【0027】
これにより、仮にインクカートリッジが落下したとしても、インク供給部が落下時の衝撃から確実に保護される。
【0028】
(11) 上記押圧部は、上記カートリッジ装着部における上記インクカートリッジの装着姿勢において、上記インク供給部よりも下方に設けられている。
【0029】
これにより、インクカートリッジの装着時にインク供給部からインクが漏れ出たとしても、漏れ出たインクが押圧部で受け止められるため、カートリッジ装着部がインクで汚れずに済む。
【0030】
(12) 上記インクカートリッジは、上記第1壁から上記インク供給部よりも上記挿入向きへ突出された突出部を備えている。上記押圧部及び上記突出部は、上記インク供給部を挟むように配置されている。
【0031】
これにより、落下時の衝撃からインク供給部をより確実に保護することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、カートリッジ装着部にインクカートリッジを装着する際に生じる摺動抵抗を軽減することにより、インクカートリッジを確実に且つ円滑に装着することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、プリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【図2】図2は、インクカートリッジ30の構成を示す模式図であり、(A)にはインクカートリッジ30の斜視図が示されており、(B)にはインクカートリッジ30の縦断面図が示されている。
【図3】図3は、インク供給装置100の縦断面構造を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、インクカートリッジ30がカートリッジケース110に装着される過程を時系列的に示す模式断面図である。
【図5】図5は、インクカートリッジ30がカートリッジケース110のインク供給位置に装着された状態を示す模式断面図である。
【図6】図6は、インクカートリッジ150の構成を示す模式図であり、(A)にはインクカートリッジ150の斜視図が示されており、(B)にはインクカートリッジ150の縦断面図が示されている。
【図7】図7は、インクカートリッジ150がカートリッジケース155に装着される前後の状態を示す模式断面図である。
【図8】図8は、インクカートリッジ170の構成を示す模式図であり、(A)にはインクカートリッジ170の斜視図が示されており、(B)にはインクカートリッジ170の縦断面図が示されている。
【図9】図9は、インクカートリッジ170がカートリッジケース110に装着される過程を時系列的に示す模式断面図である。
【図10】図10は、インクカートリッジ170がカートリッジケース110に装着される過程を時系列的に示す模式断面図である。
【図11】図11は、従来の保持機構201の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0035】
《第1実施形態》
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るプリンタ10(本発明の画像記録装置の一例)の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【0036】
[プリンタ10の概要]
プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。図1に示されるように、プリンタ10は、インク供給装置100(本発明のインク供給装置の一例)を備えている。インク供給装置100には、カートリッジケース110(本発明のカートリッジ装着部の一例)が設けられており、このカートリッジケース110に4つのインクカートリッジ30(本発明のインクカートリッジの一例)が水平に保持可能である。カートリッジケース110の開口112の下端部にはカバー19が倒伏可能に軸支されている。カバー19は、開口112の下端部を中心に回動することにより、開口112を開放する開放姿勢と閉塞する閉塞姿勢とに姿勢変化する。なお、インクカートリッジ30は、開口112からカートリッジケース110に挿入される。
【0037】
各インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。具体的には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクがそれぞれの色に対応するインクカートリッジ30に貯留されている。図2に示されるように、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられており、このサブタンク28にインクが一時的に貯留されている。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式に基づいてサブタンク28のインクをノズル29から選択的に吐出する。インクが吐出されると、サブタンク28内がインクカートリッジ30のインク貯留室36(本発明のインク貯留室の一例)に対して負圧となる。これにより、インクカートリッジ30からインクチューブ20を通じて記録ヘッド21のサブタンク28にインクが供給される。
【0038】
給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを吐出する。これにより、画像が記録用紙に記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
【0039】
[インクカートリッジ30]
図2は、インクカートリッジ30の構成を示す模式図であり、(A)にはインクカートリッジ30の斜視図が示されており、(B)にはインクカートリッジ30の縦断面図が示されている。
【0040】
インクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部空間がインク貯留室36である。インクカートリッジ30は、図2(A)に示される起立姿勢、つまり、図中の下側の面を底面とし、図中の上側の面を上面としてカートリッジケース110に対して矢印50で示される向き(以下「挿入向き50」と称する。)に挿入される。インクカートリッジ30は、上記起立姿勢のままカートリッジケース110に装着される。言い換えると、上記起立姿勢は、カートリッジケース110に対するインクカートリッジ30の装着姿勢である。
【0041】
図2に示されるように、インクカートリッジ30は、略直方体形状に形成されている。詳細には、インクカートリッジ30は、幅方向51に細く、高さ方向52と奥行き方向53が上記幅方向51よりも大きい扁平形状に形成されている。インクカートリッジ30は、例えば、透明な樹脂で構成されている。インクカートリッジ30の挿入向き50の前方側の前壁40(本発明の第1壁の一例)には、大気連通口71、残量検知部34、及びインク供給部72(本発明のインク供給部の一例)が設けられている。
【0042】
図2(B)に示されるように、残量検知部34は、略直方体形状に形成されている。残量検知部34は、前壁40の中段付近から外向き(図2(B)の右向き)へ突出している。残量検知部34の内部の空間35は、インク貯留室36と連続するように中空状に形成されている。空間35は、残量検知部34を構成する底壁34A、側壁34B、上壁34D、及び前壁34Eによって区画されている。この空間35に、後述するセンサーアーム60が備える遮光板62が挿入されている。
【0043】
残量検知部34は、インク貯留室36のインク量を視覚的或いは光学的に検知するためのものである。そのため、残量検知部34は、透明な部材で構成されている。したがって、ユーザは、残量検知部34の空間35の中身を外部から視認することができる。残量検知部34の幅であるところの側壁34B間の距離(幅方向51の寸法)は、前壁40の幅よりも小さい。具体的には、残量検知部34は、後述する光センサ114(図3参照)の検知領域115に進入可能な幅に形成されている。
【0044】
センサーアーム60は、インク貯留室36内に設けられている。センサーアーム60は、インク貯留室36に貯留されたインクの液量を検知するための合成樹脂製の部材である。センサーアーム60は、大別して、アーム本体63と、遮光板62と、フロート部64とからなる。
【0045】
アーム本体63は、インクカートリッジ30の側壁41に支持された支軸66に回動可能に支持されている。これにより、センサーアーム60がインクカートリッジ30の内部において矢印67及び矢印68の向きへ揺動可能となる。
【0046】
フロート部64はアーム本体63の一方端に設けられている。フロート部64は、例えば、内部が中空状に形成されており、インクなどの液体に対して浮力を有する浮力体の役割を担っている。したがって、フロート部64は、インク量の増減に応じて上下に移動する。これにより、フロート部64の変位に応じてセンサーアーム60が回動する。なお、フロート部64を中空形状とせず、支軸66からフロート部64に至る部分或いはその一部分をインクの比重よりも小さい比重の素材でフロート部64が形成されていてもよい。
【0047】
遮光板62は、フロート部64とは反対側のアーム本体63の他方端に設けられている。センサーアーム60が図2(B)において時計方向(矢印67の向き)へ回動されると、遮光板62が空間35内を下方へ移動する。そして、遮光板62が残量検知部34の底壁34Aに当接し、下位姿勢(遮光板62が残量検知部34の底壁34Aに当接する姿勢、図2(B)の実線で示す姿勢)を維持する。一方、センサーアーム60が図2(B)において反時計方向(矢印68の向き)へ回動されると、遮光板62が上方へ移動して、底壁34Aから離れる。そして、遮光板62が上壁34Dに当接し、上位姿勢(遮光板62が底壁34Aから上方へ離れて上壁34Dに当接する姿勢、図2(B)の破線で示す姿勢)を維持する。なお、図2(B)では、遮光板62が底壁34Aに当接した姿勢が実線で示され、遮光板62が底壁34Aから離れた姿勢が破線で示されている。
【0048】
なお、遮光板62が上記下位姿勢にあるときは、遮光板62は側壁34Bの下部の照射部34Cに対向配置される。つまり、遮光板62と照射部34Cと幅方向51において重なる。一方、遮光板62が上記上位姿勢にあるときは、遮光板62は照射部34Cから上方へずれた位置に配置される。つまり、上記上位姿勢では、遮光板62と照射部34Cは幅方向51において重ならない。
【0049】
本実施形態では、インク貯留室36に所定量のインクがある場合に、センサーアーム60は、フロート部64の浮力によって矢印67の向きへ回動され、遮光板62が上記下位姿勢側へ移動し、下位姿勢を維持する。一方、インク貯留室36のインク量が所定量未満になると、センサーアーム60は、液面の降下に伴ってフロート部64が下方へ移動することにより、矢印68の向きへ回動され、遮光板62が上記上位姿勢側へ移動し、上位姿勢を維持する。このように上下方向へ遮光板62が移動することによって、後述する光センサ114の光が遮光板62によって遮断され又は残量検知部34を幅方向51へ通過可能となる。
【0050】
カートリッジケース110において、インクの供給が可能なインク供給位置(本発明の装着位置の一例)にインクカートリッジ30が装着された状態で、後述する光センサ114(図3参照)の発光素子から残量検知部34の側壁34Bの照射部34Cに向けて光が出射される。このとき、遮光板62が上記下位姿勢(図2(B)の実線で示された姿勢)にある場合は、空間35を横切ろうとする光は遮光板62によって遮断される。一方、遮光板62が上記上位姿勢(図2(B)の破線で示された姿勢)にある場合は、光は遮光板62によって遮断されずに、空間35を通過して、光センサ114の受光素子に到達する。したがって、当該受光素子の出力信号の波形を解析したり、或いは出力信号の減衰量や有無を検知することによって、インク貯留室36内のインクが所定量以上あるかどうかを検知することができる。
【0051】
大気連通口71は、前壁40において、残量検知部34よりも上方の前壁面に形成されている。この大気連通口71は、インク貯留室36の空気層と大気とを連通するための貫通孔である。大気連通口71が設けられているため、インク貯留室36内の気圧が常に大気圧に維持される。インク供給部72は、前壁40において、残量検知部34よりも下方の前壁面に形成されている。このインク供給部72は、弾性を有する環状部材で構成されており、前壁40から外方(挿入向き50側)へ突出している。インク供給部72の中心部に貫通孔73が形成されており、この貫通孔73からインクニードル122を通ってインク貯留室36からインクが外部に導出される。
【0052】
インク供給部72は、図2(B)に示されるように、後述する突出部材76(本発明の押圧部の一例)の突出端と残量検知部34の突出端とを通る仮想平面56よりも、前壁40側に収まるように設けられている。つまり、インク供給部72は、仮想平面56を挿入向き50側へ越えていない。このため、インクカートリッジ30を前壁40側から落下させたとしても、落下時の衝撃が直接にインク供給部72に加わらないため、インク供給部72が衝撃から保護される。
【0053】
インクカートリッジ30は、奥行き方向53へ延びるリブ43(本発明の壁部の一例)を有する。リブ43は、インクカートリッジ30の上壁39から上方へ延びている。言い換えると、カートリッジケース110に対するインクカートリッジ30の挿抜方向105に交わる方向(本実施形態では、挿抜方向105に直交する鉛直方向)の上方へ延びている。このリブ43は、インクカートリッジ30の上壁39から上方に延びる2つの側壁と両側壁の頂部同士を接続する上壁とからなる。リブ43は、上壁39の幅よりも小さい幅の側壁を有している。リブ43の前壁40側の端部44は、前壁40と同一面となる壁面を有する。リブ43において端部44とは反対側(挿入向き50とは反対の脱抜向き54側)の端部45は、上壁39において奥行き方向53の中央部付近に位置しており、上壁39に垂直な壁面45Aを有する。壁面45Aは、カートリッジケース110におけるインク供給位置にインクカートリッジ30が装着された状態で、後述するロックレバー145の係合端部146が当接する部位である。
【0054】
[突出部材76]
インクカートリッジ30は、突出部材76を有する。突出部材76は、インクカートリッジ30がカートリッジケース110に挿入される過程で、後述するように、カートリッジケース110が備えるリンク部材80(本発明の連動部材の一例)に接触する。なお、リンク部材80は、突出部材76の接触によりインクカートリッジ30から受ける挿入向き50への押圧力によって、挿入向き50へ移動される。なお、リンク部材80の構成については後述する。
【0055】
なお、インクカートリッジ30は、インク貯留室36を構成する透光性のある材質からなる内部容器と、その内部容器を両側面からカバーする透光性のない材質からなるカバー部材とから構成されている。本実施形態における突出部材76及び後述する第2実施形態における突起153は、そのカバー部材に一体に形成されており、そのカバー部材から挿入向き50へ突出されている。各図においては、インクカートリッジ30が模式的に現されているので、この内部容器とカバー部材とが区別されていない。
【0056】
突出部材76は、図2(A)に示される起立姿勢で、前壁40の下端に設けられている。詳細には、突出部材76は、インク供給部72の下方に設けられており、前壁40から外方(挿入向き50側)へ突出している。本実施形態では、突出部材76の幅は、前壁40の幅と同じである。この突出部材76は、インク供給部72よりも外方へ突出している。つまり、突出部材76の突出量(前壁40から突出端までの距離)は、インク供給部72の突出量よりも大きい。
【0057】
[インク供給装置100]
次に、図3を参照して、インクカートリッジ30が装着されるインク供給装置100の構成について説明する。ここに、図3は、インク供給装置100の縦断面構造を模式的に示す断面図である。
【0058】
インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21(図2参照)へインクを供給するものである。インク供給装置100は、複数のインクカートリッジ30を装着可能なカートリッジケース110を備えている。以下、カートリッジケース110について詳細に説明する。
【0059】
[カートリッジケース110]
図3に示されるように、カートリッジケース110の内部に、インクカートリッジ30が収容される。インクカートリッジ30は、カートリッジケース110の底壁132上において水平方向へ移動可能に支持される。カートリッジケース110は、その前面に開口112を有する。開口112を通じてカートリッジケース110の内部にインクカートリッジ30が挿入される。
【0060】
カートリッジケース110の開口112とは反対側に位置する奥壁117の下部には、カートリッジケース110の内部からカートリッジケース110の背面側へ貫通する孔119が形成されている。インク供給部72と連結される連結部121が、孔119のカートリッジケース110内部側を囲むように、奥壁117に設けられている。連結部121には、管状のインクニードル122が取り付けられている。孔119の背面側にインクチューブ20(図1参照)が接続されている。カートリッジケース110にインクカートリッジ30が装着されると、インク供給部72と連結部121とが連結する。これにより、インクニードル122がインク供給部72の貫通孔73に挿入されて、貫通孔73からインクチューブ20に至るインク通路が形成される。孔119、連結部121、インクニードル122、及びインクチューブ20は、インクカートリッジ30毎に設けられている。つまり、カートリッジケース110に4つのインクカートリッジ30が装着可能である場合は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応する位置に、孔119、連結部121、インクニードル122、及びインクチューブ20が4つずつ設けられている。
【0061】
カートリッジケース110の奥壁117の中央部には、光センサ114が設けられている。光センサ114は、カートリッジケース110に装着されたインクカートリッジ30のインク量を検知するためのものである。本実施形態では、光センサ114として、発光素子及び受光素子(ともに不図示)を有する光透過型のフォトインタラプタが用いられている。発光素子は、受光素子へ向けて光を発光するものであり、例えば発光ダイオードが該当する。また、受光素子は、光を受光可能なものであり、例えばフォトトランジスタが該当する。これら発光素子及び受光素子は、互いに対向するように配置されている。
【0062】
光センサ114は、図示しない制御部に接続されており、受光素子から出力される電気信号が出力信号として上記制御部に入力される。本実施形態では、カートリッジケース110のインク供給位置にインクカートリッジ30が装着されると、光センサ114の発光素子から受光素子に至る検知領域115に残量検知部34の下部が進入する。つまり、残量検知部34の側壁34Bの照射部34C(図2参照)が検知領域115内に位置する。検知領域115に残量検知部34が進入したときの光センサ114の出力信号(受光量)に基づいてインクの残量が所定量になったかどうかが制御部によって判定される。なお、光センサ114は、インクカートリッジ30毎に設けられている。つまり、カートリッジケース110に4つのインクカートリッジ30が装着可能である場合は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応する位置に、4つの光センサ114が設けられている。
【0063】
[ロック機構144]
カートリッジケース110にロック機構144が設けられている。ロック機構144は、インクカートリッジ30が上記インク供給位置に配置された状態で、そのインクカートリッジ30が挿入向き50とは反対の脱抜向き54へ移動することを規制して、上記インク供給位置でインクカートリッジ30を制止させる役割を担う。このロック機構144は、カートリッジケース110の上部の開口112側に設けられている。なお、ロック機構144は、インクカートリッジ30毎に設けられている。つまり、カートリッジケース110に4つのインクカートリッジ30が装着可能である場合は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応する位置に、4つのロック機構144が設けられている。
【0064】
ロック機構144は、大別すると、ロックレバー145(本発明の回動部材の一例)と、ロックレバー145に付勢力を付与するコイルバネ148(本発明の付勢部材の一例)とにより構成されている。ロックレバー145は、リブ43の端部45の壁面45Aに接触して端部45と係合する係合端部146(本発明の規制部材の一例)と、後述するリンク部材80の接触部83に接触して接触部83と係合する係合片140(本発明の被接触部の一例)とを有する。図3(A)に示されるように、係合端部146は、ロックレバー145の挿入向き50側の端部に設けられており、係合片140は、ロックレバー145において支軸143よりも脱抜向き54側に設けられている。
【0065】
係合端部146と係合片140との間に支軸143が設けられている。ロックレバー145は、支軸143を回動中心として回動可能に支持されている。これにより、ロックレバー145は、図3(A)に示されるアンロック位置と、図3(B)に示されるロック位置との間で回動可能に支持されている。ここで、ロック位置は、係合端部146がカートリッジケース110内のインクカートリッジ30の壁面45Aに接触して、インクカートリッジ30を上記インク供給位置で固定(保持)する位置であり、本発明の第1位置に相当する。アンロック位置は、係合端部146がカートリッジケース110内のインクカートリッジ30の壁面45Aから上方へ離間することにより、インクカートリッジ30を固定せずに挿抜方向105へ移動可能な状態とする位置であり、本発明の第2位置に相当する。つまり、ロックレバー145は、上記アンロック位置において、係合端部146が壁面45Aに接触可能な位置に配置されている。本実施形態では、ロックレバー145が支軸143によって軸支されることにより、係合端部146がロック位置とアンロック位置との間で移動可能となる。
【0066】
ロックレバー145の支軸143から上方へ突出する支持片148Aにコイルバネ148の一端が支持されている。コイルバネ148の他端は、支持片148Aよりも挿入向き50側の固定部148Bに固定されている。このコイルバネ148は、圧縮方向へ弾性付勢力を生じさせるように、自然長から所定長さ伸長された状態で支持片148A及び固定部148Bに取り付けられている。これにより、ロックレバー145は、コイルバネ148によって、図3の時計回転方向へ回転させる弾性付勢力が付与される。つまり、係合端部146は、コイルバネ148によって、ロック位置へ向けて弾性付勢される。本実施形態では、ロックレバー145に外力が加えられていない状態では、ロックレバー145はコイルバネ148によって常にロック位置側へ付勢されている。
【0067】
ロック機構144の近傍に、光センサ141が設けられている。光センサ141は、上述した光センサ114と同様に構成されており、検知領域142を有する。ロックレバー145の係合端部146とは反対側に被検知部147が設けられている。光センサ141は、被検知部147の回動範囲に検知領域142が位置するように配置されている。したがって、被検知部147は、ロックレバー145の位置に応じて検知領域142に進入可能である。被検知部147が検知領域142に進入すると、光センサ141の光が遮断される。本実施形態では、ロックレバー145が上記ロック位置にあるときに被検知部147が検知領域142に配置され、ロックレバー145が上記アンロック位置にあるときに検知領域142から退避した位置に配置される。被検知部147が検知領域142に進入又は検知領域142から退出したときの光センサ141の出力信号(受光量)に基づいて、ロックレバー145がロック位置にあるかどうかが、図示しない制御部によって検知される。なお、光センサ141は、インクカートリッジ30毎に設けられている。つまり、カートリッジケース110に4つのインクカートリッジ30が装着可能である場合は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応する位置に、4つの光センサ141が設けられている。
【0068】
なお、本実施形態では、被検知部147は、光を遮断し、或いは光を通過させるものとしたが、これらは、必ずしも各光センサ141において発光素子から受光素子に到達する光量を完全に遮断する必要はなく、例えば、発光素子から受光素子へ向かって出射された光の全部又は一部を反射又は回折するなど、光の向きを変えて受光素子に至る光量を遮断又は低下させたり、磨りガラスや絞りのような部材によって光を減衰させたりして、受光素子が受光する光量をある程度以下とするものであってもよい。
【0069】
[リンク部材80]
カートリッジケース110には、リンク部材80が設けられている。リンク部材80は、インクカートリッジ30ごとに設けられている。つまり、カートリッジケース110に4つのインクカートリッジ30が装着可能である場合は、4つのインクカートリッジそれぞれに対応する4つのリンク部材80が設けられている。
【0070】
リンク部材80は、カートリッジケース110に対するインクカートリッジ30の挿抜動作に応じて連動するように構成されている。リンク部材80は、例えば、可塑性を有する線条部材を屈曲形成することにより形成される。リンク部材80の一端に被押圧部81(本発明の被押圧部の一例)が設けられており、その他端に接触部83(本発明の接触部の一例)が設けられている。被押圧部81から接触部83に至るアーム形状に形成された部位がリンク本体82(本発明の本体の一例)である。被押圧部81は、インクカートリッジ30の挿入過程において突出部材76に押圧される部位である。リンク本体82は、被押圧部81からロック機構144の係合片140側へ延出されている。接触部83は、係合片140と接触する部位である。
【0071】
カートリッジケース110の奥壁117の下部には、奥壁117を貫通する開口129が設けられており、被押圧部81及びリンク本体82の被押圧部81側は、開口129を通じてカートリッジケース110の背面側から内部に挿通されている。リンク本体82は、開口129からインクカートリッジ110の背面側において奥壁117に沿って上方へ延出され、更にカートリッジケース110の上面に沿って脱抜向き54へ延出されている。
【0072】
図3に示されるように、リンク部材80は、図3(A)に示される保持位置と、図3(B)に示される解除位置との間で移動可能に構成されている。上記保持位置は、ロックレバー145をコイルバネ148の弾性付勢力に抗してアンロック位置に保持させる位置であり、本発明の第3位置に相当する。上記解除位置は、上記保持位置よりも挿入向き50側に設定されており、ロックレバー145の上記アンロック位置における保持を解除して、ロックレバー145をロック位置へ移動可能とする位置であり、本発明の第4位置に相当する。
【0073】
本実施形態では、リンク部材80が上記保持位置にあるときに、被押圧部81がインクカートリッジ30の突出部材76の挿入経路に配置され、且つ、接触部83が係合片140に接触して係合片140を脱抜向き54へ押し付けるように構成されている。このため、リンク部材80は、インク供給装置100のフレーム101に固定されたコイルバネ85(本発明の第1弾性部材の一例)によってコイルバネ148よりも大きい弾性付勢力で脱抜向き54へ付勢されている。したがって、コイルバネ148の弾性付勢力以外の外力がリンク部材80に加えられていない状態では、リンク部材80はコイルバネ85によって脱抜向き54へ付勢されることにより、常に保持位置に配置される。
【0074】
一方、リンク部材80が上記解除位置にあるときは、接触部83が係合片140から挿入向き50側へ離間した位置に配置される。この解除位置にリンク部材80があるときは、 上記アンロック位置におけるロックレバー145の保持が解除されて、ロックレバー145が上記ロック位置へ移動可能となる。
【0075】
[インクカートリッジ30の装着動作]
以下、図3から図5を参照して、インクカートリッジ30をカートリッジケース110に装着する動作について説明する。ここに、図4及び図5は、インクカートリッジ30がカートリッジケース110に装着される過程を時系列的に示す模式断面図である。
【0076】
図3(A)に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジケース110に挿入されていない状態では、リンク部材80がコイルバネ85によって脱抜向き54側へ押圧されている。そのため、リンク部材80は上記保持位置に配置される。したがって、ロックレバー145は、上記アンロック位置(図3A参照)に配置されており、係合端部146は上方へ持ち上げられた状態を維持している。本実施形態では、インクカートリッジ30がインク供給位置に到達するまでの間、ロックレバー145がアンロック位置に保持される。この状態で、ロックレバー145の被検知部147は、光センサ141の検知領域142から退出しているため、検知領域142の光は遮断されない。このとき、光センサ141からは、HIレベルの出力信号が出力される。
【0077】
係合端部146が上方へ持ち上げられた状態では、図4(A)に示されるように、インクカートリッジ30と係合端部146とが接触しない。そのため、インクカートリッジ30がカートリッジケース110に対して挿入向き50へ挿入されると、インクカートリッジ30は、係合端部146から脱抜向き54の摺動抵抗を受けることなく、円滑に挿入される。
【0078】
インクカートリッジ30が更に挿入されると、突出部材76の先端が被押圧部81に当接する(図4(B)参照)。そして、更にインクカートリッジ30が挿入されると、インクカートリッジ30の挿入動作に連動して、上記保持位置に配置されていたリンク部材80がコイルバネ85の弾性付勢力に抗して挿入向き50へ移動する。
【0079】
図5に示されるように、インクカートリッジ30がインク供給位置に到達すると、リンク部材80は解除位置に到達する。ここで、インク供給位置とは、インクカートリッジ30からインクニードル122へインクを供給することが可能な位置であって、本実施形態では、図5に示されるように、インク供給部72の貫通孔73にインクニードル122が挿通される位置である。リンク部材80が解除位置に到達すると、端部45の壁面45Aがロックレバー145の係合端部146を挿入向き50へ通り過ぎる位置に配置される。そして、係合端部146と壁面45Aとがこのような位置関係にある状態で、接触部83は係合片140から挿入向き50へ離間する。これにより、アンロック位置におけるロックレバー145の保持が解除される。ロックレバー145は、コイルバネ148の弾性付勢力を受けて、図5における時計回転方向へ移動し、係合端部146がインクカートリッジ30の上壁39の上面及び壁面45Aに当接する。これにより、インクカートリッジ30の脱抜向き54への移動がロックレバー145によって規制される。
【0080】
このとき、ロックレバー145の被検知部147によって検知領域142の光が遮断される。したがって、光センサ141の出力信号のレベルはHIからLOWに変化する。
【0081】
また、インクカートリッジ30がインク供給位置に到達すると、残量検知部34の照射部34Cが光センサ114の検知領域115に配置される。照射部34Cが検知領域115に進入すると、インク貯留室36に所定量以上のインクが貯留されている場合、つまり、遮光板62が下位姿勢(実線参照)にある場合は、遮光板62によって検知領域115の光が遮断される。この場合、光センサ114からLOWレベルの出力信号が出力される。一方、インク貯留室36のインクが所定量未満である場合、つまり、遮光板62が上位姿勢(破線参照)にある場合は、遮光板62によって検知領域115の光が遮断されないので、光センサ114からHIレベルの出力信号が出力される。
【0082】
一方、インクカートリッジ30がカートリッジケース110から脱抜される際には、ユーザがロックレバー145の被検知部147側の端部を押し下げる。これにより、ロックレバー145がアンロック位置となるように、ロックレバー145が回動される。この回動動作に伴い、係合端部146がインクカートリッジ30のリブ43よりも上方へ移動し、係合端部146がリブ43の端部45から離れる。これにより、インクカートリッジ30のロックが解除されて、リンク部材80はインクカートリッジ30を脱抜向き54へ押圧しつつ、解除位置から保持位置へ移動する。すなわち、インクカートリッジ30の脱抜動作に連動して、リンク部材80が解除位置から保持位置へ移動する。リンク部材80が保持維持に到達すると、接触部83が係合片140を脱抜向き54へ押圧し、ロックレバー145がコイルバネ148の弾性付勢力に抗してアンロック位置に保持される。このとき、係合端部146がインクカートリッジ30から離間しているので、この状態でインクカートリッジ30が抜き出されても、インクカートリッジ30は係合端部146から摺動抵抗を受けることなく、円滑に抜き出される。
【0083】
このように、本実施形態のプリンタ10では、インクカートリッジ30の挿抜時に係合端部146から摺動抵抗を受けないので、カートリッジケース110に対してインクカートリッジ30が円滑に挿抜される。
【0084】
《第2実施形態》
以下、図6及び図7を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図6は、本発明の第2実施形態に係るインクカートリッジ150の構成を示す模式図であり、(A)にはインクカートリッジ150の斜視図が示されており、(B)にはインクカートリッジ150の縦断面図が示されている。図7は、インクカートリッジ150がカートリッジケース155に装着される前後の状態を示す模式断面図である。なお、上述の第1実施形態と共通する構成要素については、第1実施形態で用いた符号と同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0085】
第2実施形態では、図6に示されるように、リブ43の端部44から挿入向き50へ突出する突起153(本発明の突出部の一例)がインクカートリッジ150に設けられている点と、図7に示されるように、リンク部材80に代えてリンク部材180(本発明の連動部材の一例)がカートリッジケース155に設けられている点が上述の第1実施形態と異なる。
【0086】
突起153は、インクカートリッジ150の前壁40の上部に配置されている。つまり、インク供給部72の上方に配置されている。インク供給部72は、突起153と突出部材76とによって挟まれるように配置されている。突起153の幅方向の寸法は、リブ43の幅方向51の寸法よりも細く形成されている。突起153は、インク供給部72よりも外方へ突出している。本実施形態では、突起153は、突出部材76と同じ突出長さに形成されている。
【0087】
このように構成されたインクカートリッジ150では、突出部材76に加えて突起153が設けられているため、インクカートリッジ150が落下したときの衝撃からインク供給部72をより確実に保護することができる。
【0088】
図7に示されるように、リンク部材180は、カートリッジケース155に対するインクカートリッジ150の挿抜動作に応じて連動するように構成されており、上述した第1実施形態のリンク部材80と概ね同様に構成されている。つまり、リンク部材180は、その一端に被押圧部181(本発明の被押圧部の一例)が設けられており、その他端に接触部183(本発明の接触部の一例)が設けられている。本実施形態では、被押圧部181から接触部183に至るリンク本体182が上下方向に短く形成されている。また、カートリッジケース155の奥壁117の上部には、奥壁117を貫通する開口189が設けられており、被押圧部181及びリンク本体182の被押圧部181側は、開口189を通じてインクカートリッジ155の背面側から内部に挿通されている。被押圧部181は、インクカートリッジ150がカートリッジケース155に挿入されたときに突起153が通る経路に配置されている。
【0089】
このように構成されたリンク部材180が採用された場合でも、インクカートリッジ150の挿抜時に係合端部146から摺動抵抗を受けないので、カートリッジケース155に対してインクカートリッジ150が円滑に挿抜される。また、本実施形態では、ロックレバー145の係合端部146と壁面45との係合点、及び、被押圧部181と突起153との押圧点がともにカートリッジケース155の上部にある。そのため、インクカートリッジ150がインク供給位置に配置された状態において、上記係合点、及び、上記押圧点で加えられる力が挿抜方向105において釣り合うので、カートリッジケース155内でインクカートリッジ150に回転方向の力が生じない。したがって、カートリッジケース155内でインクカートリッジ150がこじったり、傾斜したりすることはない。
【0090】
《第3実施形態》
以下、図8から図10を参照しながら、本発明の第3実施形態について説明する。ここに、図8は、本発明の第3実施形態に係るインクカートリッジ170の構成を示す模式図であり、(A)にはインクカートリッジ170の斜視図が示されており、(B)にはインクカートリッジ170の縦断面図が示されている。図9及び図10は、インクカートリッジ170がカートリッジケース110に装着される過程を時系列的に示す模式断面図である。
【0091】
図8に示されているように、インクカートリッジ170は、インク貯留室36を有するカートリッジ本体31と、カートリッジ本体31における挿入向き50の前側を覆うカバー32(本発明のスライド部材の一例)と、から構成されている。このカバー32によって、前壁40に設けられたインク供給部72や残量検知部34等が保護されている。なお、図9及び図10に示されるように、この実施形態では、上述の第1実施形態と同様にカートリッジケース110が採用される。
【0092】
カートリッジ本体31は、突出部材76が設けられていないことの他は、インクカートリッジ170は、上述の実施形態のインクカートリッジ30と同様の構成である。したがって、幅方向51に細い薄平な略直方体形状の外形であり、その内部空間にインク貯留室36を有する。また、カートリッジ本体31の挿入向き50の前側には、インク貯留室36と連続する残量検知部34、大気連通口71及びインク供給部72が設けられている。これらの構成は、上述の実施形態と同様なので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0093】
カバー32は、カートリッジ本体31の挿入向き50の前側部分を覆う中空の箱形状である。カバー32は、カートリッジ本体31の外壁に沿って、前壁40から挿入向き50に沿った方向へスライド可能である。言い換えると、カバー32は、前壁40に対して接離する方向へスライド可能である。各図には現れていないが、カバー32は、カートリッジ本体31から挿入向き50へ所定の距離だけ離れた位置においてカートリッジ本体31に係止され、そのスライド範囲が規制されている。
【0094】
カートリッジ本体31とカバー32との間にはコイルバネ37,38(本発明の第2弾性部材の一例)が介設されている。このコイルバネ37,38によって、カバー32が、カートリッジ本体31から離れる向き(挿入向き50)へ弾性的に付勢されている。本実施形態では、コイルバネ37,38の2つを合わせた弾性付勢力と、コイルバネ85の弾性付勢力とが次の関係を有するように、コイルバネ37,38及びコイルバネ85が構成されている。つまり、インクカートリッジ170が装着されていない状態では、コイルバネ37,38の弾性付勢力は、コイルバネ85の弾性付勢力よりも小さい。また、インクカートリッジ170が上記インク供給位置に装着される過程でコイルバネ37,38が所定量だけ圧縮されると、コイルバネ37,38の弾性付勢力とコイルバネ85の弾性付勢力とが均衡する。本実施形態では、このような力関係となるように設計されたコイルバネ37,38及びコイルバネ85が採用されている。
【0095】
カバー32における挿入向き50の前側には、上述と同様の突出部材76が設けられている。これらは上述した実施形態と同様なので、ここでは詳細な説明を省略する。カバー32における挿入向き50の前側の中央付近には、幅方向51に貫通した窓33が形成されている。カバー32がカートリッジ本体31に最も接近したとき、この窓33に対応する位置へ残量検知部34が進入する。カバー32がカートリッジ本体31から離れると、残量検知部34が窓33に対応する位置から外れる。この窓33は、光センサ114の光を透過させる。
【0096】
各図には現れていないが、カバー32における挿入向き50の前側には、インク供給部72に対応する位置に、連結部121及びインクニードル122が挿通可能な貫通孔が形成されている。これら貫通孔を通じて、連結部121及びインクニードル122がインク供給部72にアクセスされる。
【0097】
[インクカートリッジ170の装着動作]
以下、図9及び図10を参照して、インクカートリッジ170をカートリッジケース110に装着する動作について説明する。ここに、図9及び図10は、インクカートリッジ170がカートリッジケース110に装着される過程を時系列的に示す模式断面図である。
【0098】
図9(A)に示されるように、インクカートリッジ170がカートリッジケース110に対して挿入向き50へ挿入されると、インクカートリッジ170は、係合端部146から脱抜向き54の摺動抵抗を受けることなく、円滑に挿入向き50へ移動する。
【0099】
インクカートリッジ170が更に挿入されると、突出部材76の先端が被押圧部81に当接する(図9(B)参照)。この状態から、インクカートリッジ170が挿入向き50へ押し付けられると、コイルバネ37,38だけが圧縮されてカートリッジ本体31が挿入向き50へ移動する。このとき、コイルバネ85の弾性付勢力は、コイルバネ37,38を合わせた弾性付勢力よりも大きいため、コイルバネ85は圧縮されない。つまり、リンク部材80は保持位置を維持する。
【0100】
そして、更にインクカートリッジ170が挿入向き50へ押し付けられて、図10(C)に示されるように、インク供給部72がカバー32から露出され、且つ、窓33が残量検知部34の照射部34Cに対向する位置に配置されるまで、カバー32とカートリッジ本体31とが相対的に接近すると、コイルバネ37,38の弾性付勢力とコイルバネ85の弾性付勢力とが均衡する。その後、インクカートリッジ170が更に挿入向き50へ押し付けられてインク供給位置に到達するまでの間は、弾性付勢力のバランスを保った状態でコイルバネ37,38及びコイルバネ85が圧縮される。これにより、リンク部材80が挿入向き50へ移動する。
【0101】
図10(D)に示されるように、インクカートリッジ170がインク供給位置に到達すると、リンク部材80が解除位置に到達する。リンク部材80が解除位置に到達すると、端部45の壁面45Aがロックレバー145の係合端部146を挿入向き50へ通り過ぎる位置に配置される。つまり、係合端部146がリブ43で支持されなくなる。そして、係合端部146と壁面45Aとがこのような位置関係にある状態で、接触部83は係合片140から挿入向き50へ離間する。これにより、アンロック位置におけるロックレバー145の保持が解除される。ロックレバー145は、コイルバネ148の弾性付勢力を受けて、図10における時計回転方向へ移動し、係合端部146がインクカートリッジ30の上壁39の上面及び壁面45Aに当接する。これにより、インクカートリッジ30の脱抜向き54への移動がロックレバー145によって規制される。
【符号の説明】
【0102】
10・・・プリンタ
30・・・インクカートリッジ
31・・・カートリッジ本体
32・・・カバー
37,38・・・コイルバネ
56・・・仮想平面
72・・・インク供給部
76・・・突出部材
80・・・リンク部材
85・・・コイルバネ
100・・・インク供給装置
110・・・カートリッジケース
141・・・光センサ
150・・・インクカートリッジ
153・・・突起
155・・・カートリッジケース
170・・・インクカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク貯留室を有するインクカートリッジが装着されるカートリッジ装着部を備えたインク供給装置であって、
上記インクカートリッジの外面に接触する第1位置と上記外面から離間する第2位置とに移動可能な規制部材と、
上記規制部材を上記第1位置へ向けて付勢する付勢部材と、
上記カートリッジ装着部に対する上記インクカートリッジの挿抜動作に応じて連動し、上記インクカートリッジが上記カートリッジ装着部に対する挿入向きに沿って挿入されて所定の装着位置に到達するまでの間は上記付勢部材の付勢力に抗して上記規制部材を上記第2位置に保持し、上記インクカートリッジが上記装着位置に到達した状態で、上記第2位置における上記保持を解除して上記規制部材を上記第1位置へ移動させる連動部材と、を備えるインク供給装置。
【請求項2】
上記装着位置は、上記インクカートリッジから上記カートリッジ装着部へインクを供給可能な位置である請求項1に記載のインク供給装置。
【請求項3】
上記連動部材は、上記インクカートリッジが上記装着位置から脱抜される脱抜向きに沿って移動する過程で上記付勢部材の付勢力に抗して上記規制部材を上記第1位置から上記第2位置へ移動させる請求項1又は2に記載のインク供給装置。
【請求項4】
上記規制部材は、上記インクカートリッジの外面に接触することによって上記装着位置から脱抜される脱抜向きへの上記インクカートリッジの移動を制止するものである請求項1から3のいずれかに記載のインク供給装置。
【請求項5】
上記カートリッジ装着部に対する上記インクカートリッジの挿抜方向に交わる方向へ延びる壁部が上記インクカートリッジの外面に設けられており、
上記規制部材は、上記インクカートリッジが上記装着位置に到達した状態で、上記壁部における上記挿入向きの後方側の壁面に接触するように配置されている請求項1から4のいずれかに記載のインク供給装置。
【請求項6】
一端に上記規制部材が設けられ、他端側に被接触部が設けられており、上記規制部材と上記被接触部との間に回動中心が設けられた回動部材と、
上記インクカートリッジが上記装着位置から脱抜される脱抜向きへ上記連動部材を弾性付勢する第1弾性部材と、を更に備え、
上記連動部材は、上記インクカートリッジの挿入過程において上記インクカートリッジに押圧される被押圧部と、上記被押圧部から上記被接触部側へ延出された本体と、上記本体における上記被接触部側の端部に設けられ上記被接触部に接触可能な接触部と、を備えており、上記被押圧部が上記インクカートリッジの挿入経路に配置され且つ上記接触部が上記被接触部に接触して上記規制部材を上記第2位置に保持可能な第3位置と、上記第3位置よりも上記挿入向き側に配置され且つ上記接触部が上記被接触部から離間して上記規制部材を上記第1位置へ移動させ得る第4位置との間で移動可能である請求項1から5のいずれかに記載のインク供給装置。
【請求項7】
上記インクカートリッジは、
上記被押圧部に接触してその被押圧部を上記挿入向きへ押圧する押圧部と、
上記挿入向きの前方側である第1壁に設けられたインク供給部と、を備え、
上記押圧部は、上記第1壁から上記インク供給部よりも上記挿入向きへ突出されている請求項1から6のいずれかに記載のインク供給装置。
【請求項8】
上記インクカートリッジは、
上記挿入向きの前方側である第1壁に対して接離する方向へスライド可能なスライド部材と、
上記スライド部材を上記第1壁から上記挿入向きへ弾性付勢する第2弾性部材と、を備え、
上記第1弾性部材及び上記第2弾性部材は、
上記インクカートリッジが装着されていない状態における上記第2弾性部材の弾性力が上記第1弾性部材の弾性力よりも小さく、上記インクカートリッジが上記装着位置に装着される過程で上記第2弾性部材が所定量圧縮された状態において上記第2弾性部材の弾性力と上記第1弾性部材の弾性力とが均衡するように構成されている請求項1から7のいずれかに記載のインク供給装置。
【請求項9】
上記スライド部材は、上記インクカートリッジの上記挿入向きの前方側を覆う請求項8に記載のインク供給装置。
【請求項10】
上記インク供給部は、少なくとも上記押圧部と、上記インクカートリッジの外形のうち上記挿入向きに対して最も突出した部分とを結ぶ平面よりも内側に配置されている請求項7から9のいずれかに記載のインク供給装置。
【請求項11】
上記押圧部は、上記カートリッジ装着部における上記インクカートリッジの装着姿勢において、上記インク供給部よりも下方に設けられている請求項7から10のいずれかに記載のインク供給装置。
【請求項12】
上記インクカートリッジは、上記第1壁から上記インク供給部よりも上記挿入向きへ突出された突出部を備え、
上記押圧部及び上記突出部は、上記インク供給部を挟むように配置されている請求項7から11のいずれかに記載のインク供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−228377(P2010−228377A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80584(P2009−80584)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】