説明

インク吐出ヘッドおよびインク吐出ヘッドの製造方法

【課題】インク吐出ヘッドの各部位の精度を確保しつつ、熱源のインクに対する熱伝導の効率を維持して安定した気泡を発生させること
【解決手段】インク吐出ヘッド100は、インクを収容可能なインク室200を形成する基板201上に配置された、インクを吐出するための熱エネルギーをインクに与えるヒータ部210と、少なくともヒータ部210を覆うよう、基板201上に形成される保護膜204と、を有し、保護膜204は、ヒータ部210の上面領域220の膜厚より、上面領域220とは異なる領域の膜厚の方が厚くなるよう形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インクジェットプリンターなどに用いられるインク吐出ヘッドおよびインク吐出ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱源駆動方式を用いたインク吐出ヘッドは、インク室内部に設けられた熱源によってインクに気泡を発生させる。インク吐出ヘッドは、発生させた気泡の膨張力によって、ノズルからインクを用紙面に吐出する。
【0003】
従来のインク吐出ヘッドは、熱源や配線などが内部に形成されるインク室の基板上の全面に保護膜であるパッシベーション層が形成されている(たとえば、特許文献1参照)。保護膜は、インク吐出の際に発生する気泡によるキャビテーションやインクから熱源を保護する。また、保護膜は、アルカリ溶液によるウェットエッチングによってインク供給口を基板に形成する際、インク室内に既に形成されている熱源や配線などにアルカリ溶液が浸透しないようにするためのエッチングストップ層としても機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3937804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術は、基板上の全面に保護膜を一様に形成する構成である。確実にエッチングストップの機能を実現するために保護膜を厚く成膜する場合は、熱源の上面領域の保護膜も厚くなり、インク吐出の際にインクへの熱が伝わりにくくなる。したがって、厚く成膜された保護膜によって、安定して気泡を発生させることができなくなってしまうという問題が一例として挙げられる。
【0006】
安定して気泡を発生させるために保護膜を薄く成膜する場合、保護膜が確実にエッチングストップ層として機能せずに、インク室内の熱源や配線などにアルカリ溶液が浸透してしまう。したがって、薄く成膜された保護膜によって、インク吐出ヘッドにおける各部位の精度が低下してしまうという問題が一例として挙げられる。
【0007】
この発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、インク吐出ヘッドの各部位の精度を確保しつつ、熱源のインクに対する熱伝導の効率を維持して安定した気泡を発生させることができるインク吐出ヘッドおよびインク吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明のインク吐出ヘッドは、インクを収容可能なインク室を形成する基板上に配置された、前記インクを吐出するための熱エネルギーを前記インクに与えるヒータ部と、少なくとも前記ヒータ部を覆うよう、前記基板上に形成される保護膜と、を有し、前記保護膜は、前記ヒータ部の上面領域の膜厚より、前記上面領域とは異なる領域の膜厚の方が厚くなるよう形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明のインク吐出ヘッドは、前記上面領域は、前記基板および前記保護膜を貫通するインク供給口が形成される供給口形成領域とは異なる領域であることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明のインク吐出ヘッドの製造方法は、インクを収容可能なインク室を形成する基板上に、前記インクを吐出するための熱エネルギーを前記インクに与えるヒータ部を配置する素子配置工程と、少なくとも前記ヒータ部を覆うよう、前記基板上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記保護膜のうち、前記ヒータ部の上面領域とは異なる領域に、エッチングマスクを形成するマスク形成工程と、前記エッチングマスクの形成されていない前記保護膜の一部にエッチングをおこなって、前記保護膜形成工程によって形成された保護膜の膜厚よりも薄い膜厚領域を前記基板上に形成する膜厚形成工程と、前記エッチングマスクを除去するマスク除去工程と、前記インク室を区画する流路壁を形成する流路壁形成工程と、前記基板および前記保護膜の一部を除去することで、前記インク室内にインクを供給するインク供給口を形成する供給口形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明のインク吐出ヘッドの製造方法は、インクを収容可能なインク室を形成する基板上に、前記インクを吐出するための熱エネルギーを前記インクに与えるヒータ部を配置する素子配置工程と、少なくとも前記ヒータ部を覆うよう、前記基板上に第一の保護膜を形成する第一保護膜形成工程と、前記第一の保護膜のうち、前記ヒータ部の上面領域を覆うようメタルマスクを配置して前記メタルマスクに覆われた上面領域とは異なる領域に第二の保護膜を形成した後、前記メタルマスクを除去することで、前記第一の保護膜からなる保護膜の膜厚よりも厚い膜厚領域を前記基板上に形成する膜厚形成工程と、前記インク室を区画する流路壁を形成する流路壁形成工程と、前記基板、前記第一の保護膜および前記第二の保護膜の一部を除去することで、前記インク室内にインクを供給するインク供給口を形成する供給口形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明のインク吐出ヘッドの製造方法は、インクを収容可能なインク室を形成する基板上に、前記インクを吐出するための熱エネルギーを前記インクに与えるヒータ部を配置する素子配置工程と、少なくとも前記ヒータ部を覆うよう、前記基板上に第一の保護膜を形成する第一保護膜形成工程と、前記第一の保護膜のうち、前記ヒータ部の上面領域に、前記ヒータ部をキャビテーションから保護する金属膜を形成する金属膜形成工程と、前記第一の保護膜および前記金属膜を覆うよう、第二の保護膜を形成する第二保護膜形成工程と、前記第二の保護膜のうち、前記ヒータ部の上面領域とは異なる領域に、エッチングマスクを形成するマスク形成工程と、前記エッチングマスクの形成されていない前記第二の保護膜の一部にエッチングをおこなって、前記第二の保護膜のうち膜厚が薄くなる膜厚領域を形成する膜厚形成工程と、前記エッチングマスクを除去するマスク除去工程と、前記インク室を区画する流路壁を形成する流路壁形成工程と、前記基板、前記第一の保護膜および前記第二の保護膜の一部を除去することで、前記インク室内にインクを供給するインク供給口を形成する供給口形成工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ヒータ部の上面領域とは異なる領域の保護膜の膜厚は、上面領域の保護膜の膜厚よりも厚く形成される。換言すれば、上面領域の保護膜の膜厚は、上面領域とは異なる領域の保護膜の膜厚よりも薄く形成される。したがって、保護膜は、確実にエッチングストップ層として機能するとともにヒータ部のインクに対する伝熱性を確保することができるため、精度の高いインク吐出をおこなうことができる。
め、ヒータ部のインクに対する伝熱性を確保することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、供給口形成領域に形成される保護膜の膜厚は、上面領域に形成される保護膜よりも厚く形成されるため、インク供給口を形成するウェットエッチングの際、インク室内への溶液の浸透を防ぐことができ、インク吐出ヘッドの各部位の精度を確保することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、ヒータ部の上面領域とは異なる領域の保護膜の膜厚は、上面領域の保護膜の膜厚よりも厚く形成される。換言すれば、上面領域の保護膜の膜厚は、上面領域とは異なる領域の保護膜の膜厚よりも薄く形成される。したがって、保護膜は、確実にエッチングストップ層として機能するとともにヒータ部のインクに対する伝熱性を確保することができるため、精度の高いインク吐出をおこなうことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、ヒータ部の上面領域とは異なる領域には第一の保護膜および第二の保護膜が形成され、上面領域には第一の保護膜が形成されることとなる。したがって、上面領域における第一の保護膜の膜厚と、上面領域とは異なる領域における第一および第二の保護膜の膜厚は、上面領域の方が、上面領域とは異なる領域よりも薄くなる。したがって、保護膜は、インク供給口を形成する際、確実にエッチングストップ層として機能するとともにヒータ部のインクに対する伝熱性を確保することができるため、精度の高いインク吐出をおこなうことができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、ヒータ部の上面領域とは異なる領域には第一の保護膜および第二の保護膜が形成され、上面領域には第一の保護膜が形成されることとなる。したがって、上面領域における第一の保護膜の膜厚と、上面領域とは異なる領域における第一および第二の保護膜の膜厚は、上面領域の方が、上面領域とは異なる領域よりも薄くなる。したがって、保護膜は、インク供給口を形成する際、確実にエッチングストップ層として機能するとともにヒータ部のインクに対する伝熱性を確保することができるため、精度の高いインク吐出をおこなうことができる。さらに、第二の保護膜をエッチングする際、第二の保護膜を除去可能で金属膜を除去不可となる溶液によって簡易にエッチングをおこなうことができるため、効率的なインク吐出ヘッドの製造をおこなうことができる。さらに、第一の保護膜のエッチングはおこなわない構成であるため、ヒータ部の上面領域に形成される第一の保護膜の厚さの精度を容易に確保することができる。
【0018】
以上説明したように、本発明にかかるインク吐出ヘッドおよびインク吐出ヘッドの製造方法によれば、インク吐出ヘッドの各部位の精度を確保しつつ、熱源のインクに対する熱伝導の効率を維持して安定した気泡を発生させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドについて、図1に示したA−A断面を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドの製造方法の一例について模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の変形例にかかるインク吐出ヘッドの製造方法の一例(その1)を示す説明図である。
【図5】本発明の変形例にかかるインク吐出ヘッドの製造方法の一例(その2)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるインク吐出ヘッドおよびインク吐出ヘッドの製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(実施形態)
(インク吐出ヘッドの構成)
図1および図2を用いて、本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドの構成について説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドの一例を示す斜視図である。図1において、インク吐出ヘッド100は、整列した複数のノズル孔110を有する。ノズル孔110のそれぞれは、図2で後述する個別に設けられたインク室200にそれぞれ連通する。
【0022】
インク室200は、図2に詳述する基板201、流路壁・ノズル層205などによって区画形成されている。インク室200内には、インクを吐出するためのヒータ部210(図2参照)がそれぞれ設けられる。インク吐出ヘッド100の下面からインク室200へとつながるインク供給口120によって、インク室200へとインクが供給される。インク室200に供給されたインクは、ヒータ部210の加熱によりその一部が気泡となる。この気泡によって押し出されたインク室200内のインクは、ノズル孔110から吐出する。
【0023】
図2は、本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドについて、図1に示したA−A断面を模式的に示す説明図である。A−A断面は、図示上側鉛直方向からの断面である。図2において、インク吐出ヘッド100の層構造は、基板201と、発熱抵抗層202と、電極層203と、保護膜204と、流路壁・ノズル層205とから構成されている。基板201、保護膜204は、インク供給口120が設けられる。インク室200は、基板201、発熱抵抗層202、電極層203、保護膜204、流路壁・ノズル層205からなる各層によって区画形成され、インク供給口120を介して供給されるインクを保持する。
【0024】
基板201は、シリコンなどを含み構成され、たとえば、500μm〜700μm程度の厚さを有する。発熱抵抗層202は、TaNやTaAlなどを含み構成され、たとえば、20〜100nm程度の厚みとなるように基板201上に形成される。発熱抵抗層202は、熱エネルギーを発生するヒータ部210を有し、電極層203を介してヒータ部210に印加される電圧によって加熱され、インク室200に保持されるインクに気泡を発生させる。ヒータ部210は、所定の解像度に応じてインク吐出ヘッド100に複数設けられる。インク吐出ヘッド100は、流路壁・ノズル層205に設けられたノズル孔110から、発生した気泡の膨張力によってインク室200に保持されたインクを吐出する。
【0025】
なお、特に図示はしないが、インク吐出ヘッド100は、基板201と、発熱抵抗層202との間に絶縁および蓄熱の機能を有する酸化シリコンを含み構成される絶縁層を備える構成でもよい。絶縁層は、たとえば、シリコンからなる基板201を熱酸化することによって形成したり、予め酸化シリコン膜が設けられた基板201を用いる構成でもよい。
【0026】
電極層203は、AlやAl合金を含み構成され、たとえば、500nm程度の厚さとなるように発熱抵抗層203上に形成される。具体的には、たとえば、電極層203は、図示しない電源制御部から印加される電圧が電極層203を介して発熱抵抗層202におけるヒータ部210に印加され、インク室200からインクの吐出がおこなわれるように形成される。
【0027】
保護膜204は、耐インク性および耐アルカリウェットエッチング性を有する窒化シリコンなどを含み構成され、基板201、電極層202および発熱抵抗層203上に形成される。ヒータ部210の上面領域220における保護膜204の厚さは、上面領域220とは異なる領域における保護膜204の厚さよりも薄い構成である。具体的には、たとえば、上面領域220の保護膜204の厚さは400〜500nm程度であり、上面領域220とは異なる領域の保護膜204の厚さは1μm程度である。
【0028】
膜厚の異なる上面領域220および上面領域220とは異なる領域を有する保護膜204の形成についての詳細は図3を用いて説明するが、上面領域220は、少なくともヒータ部210の一部以上を覆う領域を有している。上面領域220の厚さを薄く形成することで、ヒータ部210からインクに対する伝熱性を確保することができるため、安定的なインク吐出をおこなうことができる。
【0029】
具体的には、たとえば、インク室200の形状、インク種別などを同条件とした場合、保護膜204の厚さに対するインク室200からインクを吐出するために同等の熱エネルギーを発生させるための吐出電圧は、保護膜204の厚さが厚いほど高い電圧が必要となる。より具体的には、たとえば、同条件下において、保護膜204の厚み333nmに対する吐出電圧は10.1V、保護膜の厚み394nmに対する吐出電圧は11.7V、保護膜の厚み471nmに対する吐出電圧は12.7V程度となった。すなわち、吐出電圧は、保護膜204の厚さが500nm異なることで約5V程度低くてもよい。したがって、インク吐出ヘッド100は、上面領域220の保護膜204の厚さを薄くすることで、ヒータ部210のインクへの伝熱性を確保し、過剰な電圧をヒータ部210に印加することなく安定的なインク吐出を実現することができる。
【0030】
上面領域220は、基板201および保護膜204を貫通するインク供給口120が形成される領域とは異なる領域である。換言すれば、インク供給口120は、上面領域220とは異なる領域に形成される構成である。詳細は図3を用いて説明するが、インク供給口120が形成される領域の保護膜204は、基板201にインク供給口120をウェットエッチングによって形成する際、インク室200内部に、ウェットエッチングに用いる溶液が流入しないためのエッチングストップ層として機能する。上面領域220とは異なる領域は、上面領域220よりも厚く形成されているため、インク室200内への溶液の流入を確実に防止し、インク室200内の各部位に対する悪影響を防止することができる。
【0031】
流路壁・ノズル層205は、基板201上に設けられたヒータ部210の周囲位置に設けられ、インク室200を区画形成する。具体的には、たとえば、側壁である流路壁の内側にインク室200の内部空間を保持する犠牲層を形成した上で、流路壁および犠牲層の上面にノズル層を形成する。その後、流路壁・ノズル層205おいて、基板201上のヒータ部210に対向する位置にノズル孔110を設けるとともに犠牲層の除去をおこなうことで流路壁・ノズル層205によるインク室200の区画形成がなされる。なお、特に図示はしないが、インク吐出ヘッド100は、各層を接続する密着層、流路壁・ノズル層205上面の撥水膜など備える構成でもよい。
【0032】
(インク吐出ヘッドの製造方法)
図3を用いて、本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッド100の製造方法について説明する。図3は、本発明の実施形態にかかるインク吐出ヘッドの製造方法の一例について模式的に示す説明図である。
【0033】
図3において、保護膜形成工程310では、基板201上に形成された発熱抵抗層202および電極層203上の全面を覆うように保護膜204が形成される。保護膜204の形成は、たとえば、プラズマを利用した化学気相成長(プラズマCVD)やスパッタリング法などによって基板201上に成膜される。保護膜204は、たとえば、耐インク性および耐アルカリウェットエッチング性を有する窒化シリコンを含み構成され、1μm程度の厚さで一様に成膜される。
【0034】
エッチングマスク形成工程320では、保護膜形成工程310によって成膜された保護膜204のうち、ヒータ部210の上面領域220とは異なる領域に対して、エッチングマスク301を形成する。エッチングマスク301は、後述する保護膜エッチング工程330におけるドライエッチングに用いられるCF4などのガスに耐性を有するポジ型フォトレジストで形成される。具体的には、たとえば、エッチングマスク301は、以下のように形成される。まず、保護膜204上の全面にスピンコート法などによってポジ型フォトレジストが塗布される。保護膜204上の全面に塗布されたポジ型フォトレジストは、フォトリソグラフィー法によって上面領域220に相当する部分が露光されることで感光する。感光した上面領域220に相当する部分のポジ型フォトレジストは、アルカリ現像溶液などによって溶解され除去される。
【0035】
保護膜エッチング工程330では、保護膜204に対し、CF4などのガスによってドライエッチングをおこなう。保護膜204のうちエッチングマスク301が形成された領域は、ドライエッチングによるエッチングがおこなわれない。保護膜204のうちエッチングマスク301が形成されていない上面領域220に相当する領域は、ドライエッチングによるエッチングがおこなわれ、厚さが400〜500nm程度となるよう薄膜が形成される。
【0036】
エッチングマスク除去工程340では、エッチングマスク形成工程320によって形成されたエッチングマスク301が除去される。具体的には、たとえば、エッチングマスク301は、剥離液などによって除去される。また、エッチングマスク301は、保護膜エッチング工程330によって用いられたCF4ガスを、酸素などを含むガスに変えることで灰化・除去されることとしてもよい。
【0037】
インク室形成工程350では、基板201上に設けられたヒータ部210の周囲位置にインク室200を区画形成するよう流路壁・ノズル層205を形成するとともに流路壁・ノズル層205にノズル孔110を設ける。具体的には、たとえば、インク室形成工程350では、側壁である流路壁の内側にインク室200の内部空間を保持する犠牲層を形成した上で、流路壁および犠牲層の上面にノズル層を形成する。
【0038】
そして、インク室形成工程350では、流路壁・ノズル層205おいて、ネガ型フォトレジストを用いたフォトリソグラフィー法などによって基板201上のヒータ部210に対向する位置にノズル孔110を設けるとともに犠牲層の除去をおこなう。なお、本実施形態では、インク室200の区画形成に際して犠牲層を設けることとして説明したが、犠牲層を用いることなくインク室200を区画形成することとしてもよい。また、特に図示はしないが、インク室形成工程350において、ヒータ部210上にタンタル(Ta)製の耐キャビテーション膜などが形成されることとしてもよい。
【0039】
インク供給口形成工程360では、ウェットエッチングによって基板201の一部が除去されることで、基板201における図示下側からインク室200側へ向けてインク供給口120が形成される。本実施形態では、たとえば、ウェットエッチングは、水酸化カリウム(KOH)水溶液やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いておこなう。具体的には、たとえば、フォトレジストを用いて基板201における図示下側の酸化シリコンについて、インク供給口120に相当する位置に対してフッ酸などを用いてエッチングする。その後、剥離液などによってフォトレジストを除去した後、残存した酸化シリコンをエッチングマスクとして機能させることで、基板を溶解除去する構成である。
【0040】
インク供給口形成工程360では、基板201における図示下側からインク室200側へ向けてエッチングが進むが、保護膜204は、アルカリ水溶液に対して不溶な窒化シリコンなどからなるため、エッチングストップ層としての機能を有する。すなわち、インク供給口形成工程360では、基板201におけるインク供給口120に相当する部分についてウェットエッチングをおこなって除去することとなる。
【0041】
インク供給口開口工程370では、CF4などによるドライエッチングによって保護膜204が除去されることで、図示下側からインク室200内へ向けてインク供給口120が形成される。すなわち、インク供給口形成工程360およびインク供給口開口工程370によって、インク室200内にインクを供給するためのインク供給口120の形成がなされる。
【0042】
なお、本発明における各工程と、本発明の実施形態の各工程とを関連付けて説明すると、図3に示した保護膜形成工程310によって、本発明の素子配置工程および保護膜形成工程の処理が実行される。エッチングマスク形成工程320によって、本発明のマスク形成工程の処理が実行される。保護膜エッチング工程330によって、本発明の膜厚形成工程の処理が実行される。エッチングマスク除去工程340によって、本発明のマスク除去工程の処理が実行される。インク室形成工程350によって、本発明の流路壁形成工程の処理が実行される。インク供給口形成工程360およびインク供給口開口工程370によって、本発明の供給口形成工程の処理が実行される。
【0043】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、ヒータ部210の上面領域220の保護膜204の厚さを薄く形成する構成であるため、ヒータ部210によるインクへの伝熱性が向上したインク吐出ヘッド100によって、安定したインク吐出を図ることができる。
【0044】
また、上面領域220以外の領域については、保護膜204の厚さを厚く形成する構成であるため、インク供給口120を形成する際に、ウェットエッチングに用いるアルカリ溶液などがインク室200内に流入することを防止し、インク吐出ヘッド100の各部位の精度を確保することができる。
【0045】
すなわち、本発明の実施形態にかかる保護膜204によれば、インク吐出ヘッド100において、インク供給口120を形成する際のエッチングストップ層としての機能を十分に確保しつつ、インク吐出の際のヒータ部210のインクへの熱伝導の効率を維持することができる。
【0046】
(その他一部の変形例)
本発明の実施形態では特に、保護膜204について、ヒータ部210の上面領域220の厚さを、上面領域220とは異なる領域の厚さよりも薄くなるよう形成するようエッチングすることとして説明したが、これに限ることはない。具体的には、複数の保護膜を積層することによって、保護膜の合計の厚さが厚い領域と薄い領域とを形成することとしてもよい。
【0047】
図4を用いて、本発明の変形例にかかるインク吐出ヘッド100の製造方法について説明する。図4は、本発明の変形例にかかるインク吐出ヘッドの製造方法の一例(その1)を示す説明図である。なお、図4において、本実施形態で示した図1および図2と同等の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
第一保護膜形成工程410では、基板201上に形成された発熱抵抗層202および電極層203上の全面を覆うように第一保護膜401が形成される。第一保護膜401の形成は、たとえば、プラズマCVDやスパッタリング法などによって、400〜500nm程度の厚さとなるよう基板201上に成膜される。
【0049】
メタルマスク配置形成工程420では、第一保護膜形成工程410によって成膜された第一保護膜401のうち、ヒータ部210の上面領域220を覆うように別途用意したメタルマスク400を配置する。メタルマスク400は、たとえば、厚み数十〜数百μmのステンレス板の所定の位置に開口部が設けられた金属製の板であり、上面領域220に対して、後述する第二保護膜形成工程430における第二保護膜402が成膜されないように配置される。より具体的には、たとえば、メタルマスク400は、メタルマスク端部および基板201などに設けられた位置合わせ用のマークに基づいて、第二保護膜402が成膜される部分を開口部とし、第二保護膜402が成膜されない部分を非開口部として配置される。
【0050】
第二保護膜形成工程430では、基板201上に成膜された第一保護膜401のうち、メタルマスク400が配置されていない領域を覆うように第二保護膜402が形成される。第二保護膜402は、たとえば、第一保護膜401と同等の構成を有することとしてもよく、第一保護膜401および第二保護膜402の合計の厚さを1μm程度とする。
【0051】
インク室形成工程440では、メタルマスク配置工程420において形成されたメタルマスク400を取り外す。また、インク室形成工程440では、基板201上に設けられたヒータ部210の周囲位置にインク室200を区画形成するよう流路壁・ノズル層205を形成するとともに流路壁・ノズル層205にノズル孔110を設ける。また、特に図示はしないが、インク室形成工程440において、ヒータ部210上にタンタル(Ta)製の耐キャビテーション膜などが形成されることとしてもよい。
【0052】
メタルマスク400を取り外すことによって、上面領域220には第一保護膜401が設けられ、上面領域220とは異なる領域には第一保護膜401および第二保護膜402が設けられることとなる。すなわち、上面領域220上における第一保護膜401からなる保護膜の厚さは、上面領域220とは異なる領域における第一保護膜401および第二保護膜402からなる保護膜の厚さよりも薄くなる。
【0053】
インク供給口形成工程450では、ウェットエッチングによって基板201の一部が除去されることで、基板201における図示下側からインク室200側へ向けてインク供給口120が形成される。インク供給口開口工程460では、CF4などによるドライエッチングによって第一保護膜401および第二保護膜402が除去されることで、図示下側からインク室200内へ向けてインク供給口120が形成される。
【0054】
なお、本発明における各工程と、図4に示した変形例の各工程とを関連付けて説明すると、第一保護膜形成工程410によって、本発明の素子配置工程および第一保護膜形成工程の処理が実行される。メタルマスク配置工程420および第二保護膜形成工程430によって、本発明の膜厚形成工程の処理が実行される。インク室形成工程440によって、本発明の流路壁形成工程の処理が実行される。インク供給口形成工程450およびインク供給口開口工程460によって、本発明の供給口形成工程の処理が実行される。
【0055】
このように図4に示した変形例では、上面領域220に第一保護膜401が形成され、上面領域220とは異なる領域には第一保護膜401および第二保護膜402が積層される構成である。したがって、上面領域220と、上面領域220とは異なる領域の保護膜の厚さの合計は、上面領域220の方が上面領域220とは異なる領域よりも薄くなる。したがって、インク供給口120を形成する際、第一保護膜401および第二保護膜402によって確実にエッチングストップ層としての機能を実現するとともに、ヒータ部210のインクに対する伝熱性を確保することができる。
【0056】
また、上面領域220の第一保護膜401の厚さをエッチングによって薄くする構成ではないため、上面領域220上の保護膜の厚さを容易に一様とすることができる。換言すれば、上面領域220上の第一保護膜401の厚さは一様であるため、安定したインク吐出を実現することができる。なお、図4に示した変形例では、上面領域220に1層からなる第一保護膜401を設け、上面領域220とは異なる領域に2層からなる第一保護膜401および第二保護膜402を設けることとして説明したが、これに限ることはない。すなわち、上面領域220の保護膜の層数のほうが、上面領域220とは異なる領域の保護膜の層数よりも少なくなるようにすればよい。
【0057】
また、本発明の実施形態および図4に示した変形例では特に、保護膜204または第一保護膜401および第二保護膜402が形成された上で、ヒータ部210上にTa製の耐キャビテーション膜を設けることとして説明したが、これに限ることはない。具体的には、保護膜の形成に際してTaの耐キャビテーション膜を設けて、耐キャビテーション膜を用いて保護膜の厚さを調整することとしてもよい。
【0058】
図5を用いて、本発明の変形例にかかるインク吐出ヘッド100の製造方法について説明する。図5は、本発明の変形例にかかるインク吐出ヘッドの製造方法の一例(その2)を示す説明図である。なお、図5において、本実施形態で示した図1および図2と同等の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
第一保護膜形成工程510では、基板201上に形成された発熱抵抗層202および電極層203上の全面を覆うように第一保護膜501が形成される。第一保護膜501の形成は、たとえば、プラズマCVDやスパッタリング法などによって基板201上に一様に成膜される。
【0060】
耐キャビテーション膜形成工程520では、第一保護膜形成工程510によって成膜された第一保護膜501のうち、少なくともヒータ部210の上面領域220を覆うように耐キャビテーション膜500を成膜する。耐キャビテーション膜500は、たとえば、Taなどを含み構成され、スパッタリング法などによって第一保護膜501の上面領域220上に成膜される。
【0061】
また、耐キャビテーション膜500は、ヒータ部210をインク吐出の際に発生するキャビテーションから保護する機能を有しており、後述する第二保護膜エッチング工程540においてエッチングされず、エッチングに用いられる溶液やガスを第一保護膜501に浸透させない。
【0062】
第二保護膜形成工程530では、基板201上に形成された第一保護膜501および耐キャビテーション膜500を覆うよう、第二保護膜502が形成される。第二保護膜502は、たとえば、第一保護膜501と同等の構成を有することとしてもよく、第一保護膜501および第二保護膜502の合計の厚さを1μm程度とする。
【0063】
エッチングマスク形成工程540では、耐キャビテーション膜形成工程520によって成膜された耐キャビテーション膜500のうち、ヒータ部210の上面領域220とは異なる領域に対して、後述する第二保護膜エッチング工程550におけるドライエッチングに用いられるCF4ガスなどのガスに耐性を有するポジ型フォトレジストであるエッチングマスク503を塗布する。
【0064】
第二保護膜エッチング工程550では、第二保護膜502に対し、CF4などのガスによってドライエッチングをおこなう。保護膜502のうちエッチングマスク503が形成された領域は、ドライエッチングによるエッチングがおこなわれない。第二保護膜502のうちエッチングマスク503が形成されていない上面領域220に相当する領域は、ドライエッチングによるエッチングがおこなわれる。なお、図示の例では、第二保護膜エッチング工程550によって、上面領域220に形成された第二保護膜502をすべてエッチングして、耐キャビテーション膜500を露出させる例を示しているが、これに限ることはない。すなわち、第二保護膜エッチング工程550では、上面領域220上の第二保護膜502を薄くするようエッチングかおこなわれる構成である。
【0065】
エッチングマスク除去工程560では、エッチングマスク形成工程540によって形成されたエッチングマスク503が除去される。具体的には、たとえば、エッチングマスク503は、剥離液や酸素などを含むガスなどによって灰化・除去される。
【0066】
インク室形成工程570では、基板201上に設けられたヒータ部210の周囲位置にインク室200を区画形成するよう流路壁・ノズル層205を形成するとともに流路壁・ノズル層205にノズル孔110を設ける。インク供給口形成工程580では、ウェットエッチングによって基板201の一部が除去され、基板201における図示下側からインク室200側へ向けてインク供給口120が形成される。インク供給口開口工程590では、CF4などによるドライエッチングによって第一保護膜501および第二保護膜502が除去されることで、図示下側からインク室200内へ向けてインク供給口120が形成される。
【0067】
なお、本発明における各工程と、図5に示した変形例の各工程とを関連付けて説明すると、第一保護膜形成工程510によって、本発明の素子配置工程および第一保護膜形成工程の処理が実行される。耐キャビテーション膜形成工程520によって、本発明の金属膜形成工程の処理が実行される。第二保護膜形成工程530によって、本発明の第二保護膜形成工程の処理が実行される。エッチングマスク形成工程540によって、本発明のマスク形成工程の処理が実行される。第二保護膜エッチング工程550によって、本発明の膜厚形成工程の処理が実行される。エッチングマスク除去工程560およびインク室形成工程570によって、本発明の流路壁形成工程の処理が実行される。インク供給口形成工程580およびインク供給口開口工程590によって、本発明の供給口形成工程の処理が実行される。
【0068】
このように、図5に示した変形例では、基板201上に形成される第一保護膜501および第二保護膜502における上面領域220を含む領域について、第一保護膜501と、第二保護膜502との間に耐キャビテーション膜500を設けている。耐キャビテーション膜500によって、上面領域220上の第二保護膜502をエッチングする際、第一保護膜503がエッチングされることなく、上面領域220上の保護膜(第一保護膜501および第二保護膜502)の厚さを薄くすることができる。すなわち、耐キャビテーション膜500によって、保護膜に対して意図しないエッチングを確実に防ぐことができる。
【0069】
また、上述した説明では、実施形態および一部の変形例について別々の例として説明したが、これに限ることはない。すなわち、それぞれを組み合わせた構成として、実施形態および一部の変形例を適宜組み合わせて利用してもよい。
【符号の説明】
【0070】
100 インク吐出ヘッド
110 ノズル孔
120 インク供給口
200 インク室
201 基板
202 発熱抵抗層
203 電極層
204 保護膜
205 流路壁・ノズル層
210 ヒータ部
220 上面領域
301,503 エッチングマスク
400 メタルマスク
401,501 第一保護膜
402,502 第二保護膜


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを収容可能なインク室を形成する基板上に配置された、前記インクを吐出するための熱エネルギーを前記インクに与えるヒータ部と、
少なくとも前記ヒータ部を覆うよう、前記基板上に形成される保護膜と、を有し、
前記保護膜は、前記ヒータ部の上面領域の膜厚より、前記上面領域とは異なる領域の膜厚の方が厚くなるよう形成されていることを特徴とするインク吐出ヘッド。
【請求項2】
前記上面領域は、前記基板および前記保護膜を貫通するインク供給口が形成される供給口形成領域とは異なる領域であることを特徴とする請求項1に記載のインク吐出ヘッド。
【請求項3】
インクを収容可能なインク室を形成する基板上に、前記インクを吐出するための熱エネルギーを前記インクに与えるヒータ部を配置する素子配置工程と、
少なくとも前記ヒータ部を覆うよう、前記基板上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
前記保護膜のうち、前記ヒータ部の上面領域とは異なる領域に、エッチングマスクを形成するマスク形成工程と、
前記エッチングマスクの形成されていない前記保護膜の一部にエッチングをおこなって、前記保護膜形成工程によって形成された保護膜の膜厚よりも薄い膜厚領域を前記基板上に形成する膜厚形成工程と、
前記エッチングマスクを除去するマスク除去工程と、
前記インク室を区画する流路壁を形成する流路壁形成工程と、
前記基板および前記保護膜の一部を除去することで、前記インク室内にインクを供給するインク供給口を形成する供給口形成工程と、
を含むことを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
インクを収容可能なインク室を形成する基板上に、前記インクを吐出するための熱エネルギーを前記インクに与えるヒータ部を配置する素子配置工程と、
少なくとも前記ヒータ部を覆うよう、前記基板上に第一の保護膜を形成する第一保護膜形成工程と、
前記第一の保護膜のうち、前記ヒータ部の上面領域を覆うようメタルマスクを配置して前記メタルマスクに覆われた前記上面領域とは異なる領域に第二の保護膜を形成した後、前記メタルマスクを除去することで、前記第一の保護膜からなる保護膜の膜厚よりも厚い膜厚領域を前記基板上に形成する膜厚形成工程と、
前記インク室を区画する流路壁を形成する流路壁形成工程と、
前記基板、前記第一の保護膜および前記第二の保護膜の一部を除去することで、前記インク室内にインクを供給するインク供給口を形成する供給口形成工程と、
を含むことを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
インクを収容可能なインク室を形成する基板上に、前記インクを吐出するための熱エネルギーを前記インクに与えるヒータ部を配置する素子配置工程と、
少なくとも前記ヒータ部を覆うよう、前記基板上に第一の保護膜を形成する第一保護膜形成工程と、
前記第一の保護膜のうち、前記ヒータ部の上面領域に、前記ヒータ部をキャビテーションから保護する金属膜を形成する金属膜形成工程と、
前記第一の保護膜および前記金属膜を覆うよう、第二の保護膜を形成する第二保護膜形成工程と、
前記第二の保護膜のうち、前記ヒータ部の上面領域とは異なる領域に、エッチングマスクを形成するマスク形成工程と、
前記エッチングマスクの形成されていない前記第二の保護膜の一部にエッチングをおこなって、前記第二の保護膜のうち膜厚が薄くなる膜厚領域を形成する膜厚形成工程と、
前記エッチングマスクを除去するマスク除去工程と、
前記インク室を区画する流路壁を形成する流路壁形成工程と、
前記基板、前記第一の保護膜および前記第二の保護膜の一部を除去することで、前記インク室内にインクを供給するインク供給口を形成する供給口形成工程と、
を含むことを特徴とするインク吐出ヘッドの製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−75416(P2013−75416A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216312(P2011−216312)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】