インク容器、及びインク容器の収容体

【課題】インクの使用効率を向上させることができるインク容器、及びインク容器の収容体の提供。
【解決手段】フレーム50の左側面45及び右側面46には、開口が設けられている。フレーム50の開口がフィルム65で閉塞されることにより、インク室100が形成される。フレーム100にはインク室100内のインクが流出する貫通孔91が設けられており、インク室100内のインクは、貫通孔91を通じて画像記録装置へ供給される。フィルム65には、貫通孔91の軸線方向33に対して交差する方向へ延出された突条が形成されている。フィルム65付近のインクは、この突条をつたって下方へ流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを収容するためのインク容器、及びインク容器の収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式の記録装置(以下「記録装置」と称する。)には、インクカートリッジが着脱可能に設けられる。インクカートリッジは、記録装置へ供給されるインクを収容するものであり、その内部には、インクが収容されるインク室が形成されている。この種のインクカートリッジにおいては、インク室がインクカートリッジのフレームと、フレームの両面に溶着されるフィルムとにより区画されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のインクカートリッジは、インク室を形成するフレームが扁平形状の略6面体に構成されている。このフレームは、面積が最大である対向する2つの側面に開口を有しており、この開口がフィルムで閉塞されている。また、フレームには、記録装置へインクを供給するためのインク供給孔と、インク室内に大気を導入するための通気孔とが設けられている。インク室内のインクは、インクカートリッジが記録装置に装着された状態で、インク供給孔を通じて記録装置へ供給される。その際、通気孔からフレーム内に空気が流入するので、インク室から記録装置へインクが円滑に供給される。
【0004】
【特許文献1】特開2007−144808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のインクカートリッジでは、インクが徐々に消費された場合に、インク室を区画するフレームの内壁にインク滴が付着することがある。このインク滴をインク室内の下方へ円滑に導く手法としては、液体の濡れ性を利用して、上下方向へ延びるリブをフレームの内壁に設けることが考えられる。しかしながら、特許文献1に記載のインクカートリッジのように、インク室の側面がフィルムで形成されている場合は、フィルムの内面に上記リブ等を設けることが困難であった。このため、フィルムの内面に付着したインク滴が下方へ流れず、インクが多く残ってしまっていた。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、インクの使用効率を向上させることができるインク容器、及びインク容器の収容体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係るインク容器は、少なくとも一側面に開口を有するフレームと、上記開口を閉塞するフィルムと、上記フレームと上記フィルムとにより区画されたインク室内のインクが流出するポートと、を具備し、上記フィルムは、フィルム面に形成される突条を有する。
【0008】
フレームの開口がフィルムで閉塞されることにより、インク室が形成される。フレームには、インク室の下方にポートが設けられている。インク容器が記録装置に装着されると、記録装置では、インク室からポートを通じて供給されるインクを用いて画像記録が行われる。画像記録によりインクが消費される過程で、インク室内のインクが減少する。インク室の側面がフィルムで構成されているので、その側面にはインクを下方へ流すためのリブ等を設けることができない。このため、フィルム付近のインクが下方へ流れず、インクの使い残しが生じることがある。本発明のインク容器は、突条がフィルムに形成されている。フィルム付近のインクは、この突条をつたって下方へ流れ、ポートを介して記録装置へ供給される。
【0009】
(2) 上記突条は、上記フィルムが略鉛直方向に配置された状態で、水平方向に対して交差する方向へ延出していることが好ましい。
【0010】
(3) 上記突条は、上記フィルムの略全域に配置されていることが好ましい。
【0011】
(4) 上記突条は、上記フィルムにおいて上記水平方向に並べられて配置されていることが好ましい。
【0012】
(5) 上記突条は、上記インク室へ向かって突出していてもよい。
【0013】
(6) 上記フィルムを覆い、該フィルム側へ立設したリブを有するカバー部材を更に備え、上記突条は、上記フィルムが上記リブによって塑性変形されてなる。
【0014】
(7) 上記突条は、上記開口の上端付近から下端付近にわたって形成されていることが好ましい。
【0015】
(8) 本発明のインク容器は、上記インク室内に揺動可能に設けられた可動部材を備えていてもよい。
【0016】
(9) 上記フィルムは、多層の合成樹脂フィルムで形成され、上記インク室側の層は上記フレームと同じ材質で構成されている。
【0017】
(10) また、本発明に係るインク容器は、少なくとも一側面に開口を有するフレームと、上記開口を閉塞するフィルムと、上記フレームと上記フィルムとにより区画されたインク室内のインクが流出するポートと、上記インク室内で揺動可能な可動部材と、上記フィルムを覆い、該フィルム側へ立設したリブを有するカバー部材と、を具備し、上記突条は、上記フィルムが上記リブによって塑性変形されてなる。
【0018】
(11) 本発明に係るインク容器の収容体は、上述のインク容器が外装材に覆われて減圧包装されてなる。
【0019】
(12) 本発明のインク容器の収容体は、上記減圧包装によって、上記インク室外の気圧が上記インク室内の気圧よりも下げられてなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、フィルムに形成された突条をつたってインクが下方へ流れるので、インクの使用効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、適宜図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0022】
図1は、インクカートリッジ10の外観形状を示す斜視図であり、(A)には、挿入方向30の前方側から見た斜視図が示されており、(B)には、挿入方向30の後方側から見た斜視図が示されている。図2は、インクカートリッジ10の分解斜視図である。図3は、インクカートリッジ10の側面図である。なお、図3(B)には、インク容器20(本発明のインク容器の一例)が破線で示されている。
【0023】
インクカートリッジ10は、インクジェット方式のプリンタなどに代表される画像記録装置に装着されて使用される。詳細については省略するが、インクカートリッジ10は、画像記録装置が備えるカートリッジ収容部(不図示)に着脱可能に構成されている。インクカートリッジ10は、上記カートリッジ収容部に対して、図1に示される状態で挿入方向30に挿入されて装着される。インクカートリッジ10が装着されると、インクカートリッジ10に収容されたインクが画像記録装置の記録ヘッドへ供給可能となる。
【0024】
図1に示されるように、インクカートリッジ10は、扁平形状の略六面体として構成されている。詳細には、インクカートリッジ10は、幅方向(矢印31の方向)に細く、高さ方向(矢印32の方向)及び奥行き方向(矢印33の方向)が上記幅方向よりも長い略直方体形状に形成されている。
【0025】
図1から図3に示されるように、インクカートリッジ10は、大別して、インク容器20と、ハウジング26と、スライダ27と、コイルバネ23,24とを備えている。インクカートリッジ10の外装はハウジング26及びスライダ27で構成されている。
【0026】
ハウジング26は、インク容器20を保護するものである。このハウジング26によって、インク容器20の前面41(挿入方向30の前方側の面)を除く略全体が覆われている。ハウジング26は、インク容器20を2方向(図2の左右方向)から挟み込む第1カバー21及び第2カバー22(本発明のカバー部材の一例)から構成されている。インク容器20が第1カバー21及び第2カバー22によって挟み込まれることにより、後述のフィルム65(本発明のフィルムの一例)が第1カバー21及び第2カバー22に覆われる。
【0027】
図2に示されるように、第1カバー21は、インク容器20の右側面46(挿入方向30の前方側から見て右側の面、本発明の側面の一例)に取り付けられている。具体的には、第1カバー21の内側に設けられた複数の係合爪12がインク容器20に形成された係合溝13に嵌め入れられることによって、第1カバー21がインク容器20に取り付けられている。これにより、第1カバー21によってインク容器20の右側面46が覆われる。第1カバー21の内壁面112にはリブ110(本発明のリブの一例)が設けられているが、リブ110については後に詳述する。一方、第2カバー22は、インク容器20の左側面45(挿入方向30の前方側から見て左側の面、本発明の側面の一例)に、第1カバー21と同様の取付方法で取り付けられている。これにより、第2カバー22によってインク容器20の左側面45が覆われる。なお、第1カバー21及び第2カバー22は、インク容器20を構成するフレーム50(本発明のフレームの一例)や大気連通バルブ80、インク供給バルブ90などと干渉しない形状に形成されている。
【0028】
スライダ27は、インク容器20の大気連通バルブ80やインク供給バルブ90などを保護するものである。なお、大気連通バルブ80及びインク供給バルブ90については、インク容器20とともに後段で詳述する。スライダ27は、インク容器20との間にコイルバネ23,24を介在させた状態でインク容器20に着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、インク容器20の前面41の上部に穿設されたバネ受け23Aにコイルバネ23が装着される。前面41の下部に穿設されたバネ受け24Aにコイルバネ24が装着されている。そして、バネ受け23Aの上部及びバネ受け24Aの下部それぞれに設けられた係合爪15,16が、スライダ27に形成された係合溝17,18それぞれに嵌め入れられることによって、ハウジング26の前方部(挿入方向30の前方側の部位)28を覆うようにしてスライダ27が取り付けられている。
【0029】
本実施形態では、スライダ27は、ハウジング26の前方部28に沿って奥行き方向・長手方向(矢印33の方向)にスライドするように設けられている。図3(A)には、スライダ27がインク容器20の前面41に近づいた第2位置にある状態が示されており、図1及び図3(B)には、スライダ27がインク容器20の前面41から離れた第1位置にある状態が示されている。スライダ27が第2位置にある状態では、大気連通バルブ80、インク供給バルブ90がスライダ27から外部へ露出される。一方、スライダ27が第1位置にある状態では、大気連通バルブ80、インク供給バルブ90がスライダ27内に配置される。なお、スライダ27のスライド機構は本発明に直接関係しないため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0030】
次に、図4から図7を参照して、本発明の一実施形態に係るインク容器20について詳細に説明する。
【0031】
図4は、インク容器20の拡大斜視図である。図5は、インク容器20の内部構造を示す側面図である。図6は、インク容器20の分解斜視図である。図7は、アーム70の外観形状を示す斜視図である。なお、図4及び図5では、フィルム65が省略されている。
【0032】
図4に示されるように、インク容器20は、扁平形状の略六面体として構成されている。インクカートリッジ10が画像記録装置のカートリッジ収容部に装着されると、インク容器20は、スライダ27が第2位置にある状態で上記カートリッジ収容部に収められる。なお、本実施形態では、図4から図6に示されるように、インク容器20において、挿入方向30の前方側の面を前面41、挿入方向30の後方側の面を後面42、鉛直上方側の面を上面43、鉛直下方側の面を下面44とする。また、前面41、後面42、上面43、下面44それぞれに隣接し、互いに対向する2つの面を左側面45及び右側面46(本発明の側面の一例)とする。前面41から見て左側が左側面45であり、右側が右側面46である。本実施形態では、一対の左側面45及び右側面46がインク容器20において最大面積となっている。
【0033】
インク容器20は、大別して、フレーム50と、アーム70(本発明の可動部材の一例)と、支持ブロック170と、保護部材150と、大気連通バルブ80と、インク供給バルブ90と、フィルム65(図6参照)とにより構成されている。
【0034】
フレーム50は、インク容器20の筐体を構成する部材であり、インク容器20の六面41〜46を形成する。したがって、インク容器20の六面41〜46は、フレーム50の六面に一致する。以下において、インク容器20の各面に付された符号を用いてフレーム50の各面を示す。
【0035】
フレーム50は、透光性のある透明又は半透明の樹脂材料で構成されており、例えば、樹脂材料を射出成形することにより得られる。本実施形態では、フレーム50はポリプロピレンで形成されている。なお、樹脂材料として、ポリアセタールやナイロン、ポリエチレンを採用することも可能である。
【0036】
図4に示されるように、フレーム50は、外周壁51と、複数の内壁52とを備える。内壁52は、外周壁51の内側に配設されている。外周壁51及び内壁52は、フレーム50として一体に形成されている。外周壁51及び内壁52は、インク容器20の左側面45から右側面46に渡って設けられている。外周壁51は、内部に空間を形成するように、前面41、上面43、後面42、下面44に概ね沿って環状に形成されている。これにより、フレーム50の左側面45及び右側面46それぞれに開口57(本発明の開口の一例)が形成される。つまり、フレーム50の左側面45及び右側面46は、それぞれ開放されている。
【0037】
図6に示されるように、フレーム50の側面45,46それぞれに、透明な樹脂で構成された薄肉状のフィルム65が周知の熱溶着法によって溶着されている。具体的には、外周壁51の幅方向31の両端部にフィルム65が溶着される。これにより、フィルム65によって開口57が閉塞されて、外周壁51とフィルム65とによって囲まれた空間がインク室100(本発明のインク室の一例)として区画される。このように区画されたインク室100にインクが収容される。なお、フレーム50に代えて、例えば、右側面46だけが開放された器状のフレームを用いることも可能である。この場合、上記器状のフレームにおいて開放された側の面にフィルム65が溶着されることにより、インク室100が区画される。
【0038】
内壁52は、外周壁51で囲まれた領域内に配設されている。フレーム50には、インク室100の上部空間を幅方向31の中央で仕切り分ける仕切り板53(図4参照)が外周壁51と一体に設けられている。内壁52は、外周壁51、或いは仕切り板53に一体に設けられている。この内壁52の幅方向31の両端部にもフィルム65が溶着されている。これにより、フィルム65の撓みを抑制することができる。また、第1カバー21及び第2カバー22がインク容器20側に変形したとしても、内壁52によって第1カバー21及び第2カバー22の変形が規制される。なお、インク室100の下部、つまり、仕切り板53の下方の空間102(図6参照)は、後述するアーム70及び支持ブロック170が配置されるため、幅方向31にわたって仕切り分けられておらず、左側面45から右側面46へ貫通している。
【0039】
フィルム65は、合成樹脂製の複数のフィルムが積層されて構成されており、多層構造を有する。本実施形態においては、フィルム65は、フレーム50と同じ材質からなるポリプロピレンと、ナイロンと、ポリエチレンテレフタレートとがインク室100側から外方向へ順次接合された3層構造を有する。つまり、フィルム65のインク室100側の層は、フレーム50と同じ材質で構成されている。なお、本実施形態では、合成樹脂製のフィルム65を用いることとしたが、例えば、金属箔を合成樹脂製のフィルムで挟みようにして構成された薄肉状のフィルムを用いることも可能である。もちろん、合成樹脂以外の素材(パルプ、金属、天然樹脂など)で構成されたフィルムを用いても構わない。
【0040】
外周壁51の幅方向(矢印31の方向)の中心に軸受リブ74(図6参照)が立設されている。図6に示されるように、軸受リブ74は、前面41及び下面44で形成されるコーナー付近の外周壁51に設けられている。軸受リブ74は、外周壁51における右側面46側の端部に立設されている。軸受リブ74の左側面45側の面に、円孔状の軸受け67が形成されている。図6に示されるように、この軸受け67に、円柱状の軸77が嵌め入れられ、更に、軸77にアーム70の軸孔78が挿通される。なお、軸77の他端は、後述するように、支持ブロック170側で支持される。
【0041】
図4及び図5に示されるように、フレーム50の後面42にインク注入部105が形成されている。インク注入部105は、後面42からインク室100側に穿設された円孔である。インク注入部105は、後面42の下端付近においてフレーム50と一体に形成されている。インク注入部105は、インク室100に連通している。インク注入部105を通じてインクがインク室100へ注入される。
【0042】
フレーム50の前面41には、検知窓140が形成されている。検知窓140は、インク室100に収容されているインクの量を視覚的或いは光学的に検知するためのものである。検知窓140は、フレーム50と一体に形成されている。したがって、検知窓140は、フレーム50と同じ材質、つまり、透光性のある透明又は半透明の樹脂材料で構成されている。そのため、検知窓140は、外部からの光を透過することができる。なお、検知窓140には、画像記録装置に取り付けられたフォトインタラプタなどの光センサによって光が照射される。光センサは発光素子と受光素子とを有する。本実施形態では、発光素子から出射された光が側壁140Bに照射され、側壁140Bを透過した検出光が上記受光素子によって受光される。
【0043】
検知窓140は、インク容器20の前面41の中段付近からインク容器20の外側(図5の右向き)へ向かって突設されてる。この検知窓140は、図示されるように、略矩形状の5つの壁面で区画され、内部が中空状の略箱状に形成されている。具体的には、検知窓140は、前面41に平行で、前面41から外向きに所定距離だけ離間した矩形状の前壁140Aと、この前壁140Aの幅方向の二辺を含む一対の側壁140Bと、前壁140Aの上辺を含む上壁140Cと、前壁140Aの下辺を含む下壁140Dとにより区画されている。なお、前壁140Aの幅(幅方向31の寸法)は、前面41の幅よりも小さく設定されている。
【0044】
検知窓140の上部に大気連通バルブ80が設けられている。大気連通バルブ80は、フレーム50の前面41の上部に矢印33の方向へ穿設された大気連通用の貫通孔81(図6参照)を開放又は閉塞する弁機構として構成されている。この大気連通バルブ80は、主として、バルブ本体87、バネ86、シール部材83、キャップ85などの部材で構成されている。大気連通バルブ80は、常時は、貫通孔81を閉塞しており、インクカートリッジ10が画像記録装置に装着されると、大気連通バルブ80が作動して、貫通孔81が開放される。これにより、インク室100内の空気層が大気圧と同圧になる。なお、貫通孔81には、大気連通バルブ80に代えて、フィルムが貼着されていてもよい。
【0045】
検知窓140の下方にインク供給バルブ90が設けられている。インク供給バルブ90は、フレーム50の前面41の下部に矢印33の方向へ穿設されたインク供給用の貫通孔91(本発明のポートの一例)を開放又は閉塞する弁機構として構成されている。このインク供給バルブ90は、主として、バルブ本体97、バネ96、バネ受け94、シール部材93、キャップ95などの部材で構成されている。インク供給バルブ90は、常時は、貫通孔91を液密に閉塞しており、インクカートリッジ10が画像記録装置に装着されると、図示しないインクニードルによってインク供給バルブ90が作動して、貫通孔91が開放される。これにより、インク室100内のインクを貫通孔91から流出させて、上記インクニードルを通じて画像記録装置側へ供給することが可能となる。画像記録装置では、このようにしてインク容器20のインク室100と、画像記録装置の記録ヘッドとが貫通孔91を通じて連結された状態で、インク室100から供給されるインクを用いて画像記録が行われる。インク供給バルブが下壁140Dにあってもよい。
【0046】
図5に示されるように、検知窓140の内部には、前壁140A、側壁140B、上壁140C、及び下壁140Dによって囲まれた空間142が形成される。検知窓140のインク室100側には壁は設けられておらず、空間142がインク室100へ連続して通じている。この空間142に対して、後述するアーム70のインジケータ部72が進入或いは離間する。図5には、空間142内の所定位置にインジケータ部72が進入した第1姿勢が実線で示されている。
【0047】
以下、図5から図7を参照しながら、アーム70の構成について詳細に説明する。
【0048】
アーム70は、インク室100に収容されたインクの液量を検知するための部材である。アーム70の一方端(第1端)に、空間142に対して進入し或いは空間142から離間するインジケータ部72が設けられている。また、アーム70の他方端(第2端)にフロート部73が設けられている。
【0049】
アーム70は、その略中心部に軸孔78が形成されている。この軸孔78に軸77が挿通される。軸77(図6参照)はアーム70を回動自在に支持するためのものであり、その一端は、軸受リブ74に形成された軸受け67(図6参照)に支持され、その他端は支持ブロック170に支持される。アーム70が軸77で軸支されることによって、インク室100内において矢印35(図5参照)の方向へ揺動可能に支持される。
【0050】
フロート部73は、例えば、内部が中空状に形成されており、インクなどの液体に対して浮力を有する浮力体の役割を担っている。したがって、フロート部73は、インク量が所定量以下になった状態で上方に変位する。これにより、フロート部73の変位に応じてアーム70が回動する。本実施形態では、インク中において、軸孔78からフロート部73に至る第2部位76が浮き上がるようにフロート部73が形成されている。なお、フロート部73を中空形状とせず、フロート部73自体をインクの比重よりも小さい比重の素材で形成してもよい。
【0051】
インジケータ部72は、インク室100内のインクの残量を指し示すためのものである。アーム70が図5において時計方向へ回動されると、インジケータ部72が検知窓140の空間142に進入する。空間142に進入したインジケータ部72は、検知窓140の下壁140Dの内面に当接して、それ以上の回動が阻止される。これにより、アーム70が第1姿勢となる。一方、アーム70が図5において反時計方向へ回動されると、インジケータ部72が下壁140Dの内面から離間する第2姿勢に変化する。アーム70は、第2姿勢において、インジケータ部72が下壁140Dの内面から所定距離だけ隔てた位置で静止する。
【0052】
本実施形態では、アーム70は、軸孔78からフロート部73に至る第2部位76が軸孔78からインジケータ部72に至る第1部位75よりも重量が大きくなるように形成されている。したがって、空気中においては、第2部位76が第1部位75よりも重い。そのため、インク室100にインクが入っていない状態では、アーム70は、軸77を中心にして、図5において反時計方向へ回動する。これにより、インジケータ部72が検知窓140の空間142から離間する。つまり、インジケータ部72が空間142から離間していることは、インク室100にインクが入っていないことを意味する。なお、フロート部73の下端がインク室100の底面に当接すると、アーム70の回動が停止して、アーム70が第2姿勢に維持される。
【0053】
一方、インク室100に所定量以上のインクが貯留されている状態、言い換えれば、フロート部73がインク液中にある状態では、フロート部73に浮力が発生する。この浮力によって、第1部位75と第2部位76との重量の均衡が逆転する。すなわち、インク中では、フロート部73の重力方向に働く力はインジケータ部72の重量方向に働く力よりも小さくなる。したがって、アーム70は、軸77を中心にして、図5において時計方向へ回動する。このとき、インジケータ部72は検知窓140の空間142に進入して、インジケータ部72の下端が下壁140Dの内面に当接した第1姿勢で保持される。つまり、インジケータ部72が空間142に進入していることは、インク室100に所定量以上のインクが貯留されていることを意味する。
【0054】
上述のようにアーム70が動作するため、空間142におけるインジケータ部72の位置を検知窓140の外部から目視で確認し、或いは、フォトインタラプタなどの光センサで監視することで、インク室100内のインクの液量が一定量以上あるかどうかを検知することができる。言い換えれば、インジケータ部72の動きによって、インク室100内のインクの量が目視あるいは光センサにより外部から判別できる。なお、本実施形態においては、回動するアーム70により液量の判別を行っているが、本発明の可動部材は、インク液面に追従して移動するフロートであってもよい。
【0055】
図5に示されるように、アーム70の周囲に保護部材150が取り付けられている。保護部材150は、例えばワイヤーや針金などの線状鋼材を屈曲成形することにより製作される。この保護部材150は、U字状に屈曲されたU字部150Aを有する。保護部材150は、図6に示されるように、フレーム50に形成された掛け部131にU字部150Aが引っ掛けられ、軸受リブ74に形成された孔(不図示)及び支持ブロック170に形成された孔183に保護部材150の端部150Bが挿入されることによって、フレーム50に対して固定される。なお、保護部材150は本発明に関係しないため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0056】
図8は、リブ110を示す第1カバー21の側面図である。
【0057】
図2及び図8に示されるように、第1カバー21の内壁面112には、フレーム50の右側面46の開口57に対応する位置に網目状のリブ110が設けられている。リブ110は、内壁面112からインク容器20側へ突出するように設けられている(図2参照)。すなわち、リブ110は、フィルム65側へ向けて内壁面112に立設されている。内壁面112からのリブ110の高さは特に限定されるものではないが、本実施形態においては0.2〜0.3mm程度に設定されている。このリブ110は、第1リブ110Aと、第1リブ110Aとに交差する第2リブ110Bとにより形成されている。第1リブ110Aは、第1カバー21の高さ方向に対して挿入方向30とは反対側へ傾倒するように内壁面112に沿って延出されている。第2リブ110Bは、第1カバー21の高さ方向に対して挿入方向30側へ傾倒するように内壁面112に沿って延出されている。このように、第1リブ110A及び第2リブ110Bは、貫通孔91の軸線方向(矢印33の方向)と交差する方向へ延出されている。内壁面112には、複数の第1リブ110A及び第2リブ110Bが並べられて配置されている。このため、リブ110は、本実施形態においては、第1リブ110A及び第2リブ110Bにより、第1カバー21の高さ方向に長い菱形の網目状に形成されている。リブ110は、開口57の略全域を覆うように内壁面112に設けられている。具体的には、リブ110は、フレーム50の開口57の上端付近に対応する位置から下端付近に対応する位置にわたって設けられている。また、リブ110は、図5におけるフレーム50の開口57の左端付近に対応する位置から右端付近に対応する位置にわたって設けられている。なお、図には表れていないが、第2カバー22の内壁面にも第1カバー21の内壁面112と同様にリブが設けられている。
【0058】
フレーム50に第1カバー21が取り付けられることにより、フレーム50の右側面46に設けられたフィルム65と、第1カバー21の内壁面112とが対向配置される。その際、フィルム65が撓んでいなければ、リブ110とフィルム65との間の距離はほぼゼロとなる。すなわち、フレーム50に第1カバー21が取り付けられることによって、リブ110がフィルム65に当接する。このため、右側面46のフィルム65が外側へ撓んだ際に、フィルム65が内壁面112に密着する。内壁面112にはリブ110が設けられているので、後述するインク容器の製造方法でフィルム65が内壁面112に密着されることによって、内壁面112の形状がフィルム65に型付けられる。これにより、フィルム65がリブ110によって塑性変形され、フィルム65のフィルム面に突条60(本発明の突条の一例、図10参照)が形成される。突条60については後述する。
【0059】
なお、図には示されていないが、第2カバー22の内壁面にも第1カバー21の内壁面112と同様のリブが設けられている。したがって、左側面45に設けられたフィルム65が第2カバー22の内壁面に密着されることによって、左側面45に設けられたフィルム65のフィルム面にも突条60が形成される。ただし、第2カバー22の内壁面に設けられるリブは、リブ110と異なる形状のものであってもよい。また、フレーム50に代えて右側面46だけが開放された器状のフレームを用いる場合、左側面45にはフィルム65が設けられていないので、リブ110は第1カバー21の内壁面112のみに設けられていればよい。
【0060】
続いて、本発明の実施形態に係るインク容器の収容体120(本発明の収容体の一例)について説明する。ここに、図9は、収容体120を示す斜視図である。
【0061】
図9に示されるように、収容体120は、インクカートリッジ10と、包装袋121(本発明の外装材の一例)とを有する。この包装袋121の内部にインクカートリッジ10が収容されている。収容体120は、インクカートリッジ10が包装袋121に覆われて減圧包装されたものである。一般に、インクカートリッジ10は、収容体120を箱に入れた状態で市場で流通されている。
【0062】
包装袋121の内部は、不図示の吸引ポンプなどによって大気圧未満に減圧されている。インク室100内の気圧も大気圧未満に減圧されている。そして、包装袋121内の気圧がインク室100内の気圧よりもさらに低くなるように、包装袋121内が減圧されている。これは、インクカートリッジ10が未使用状態のまま長期間放置された場合に、フィルム65を通して空気がインク室100に侵入して、大気圧未満に設定されたインク室100内の気圧が大気圧に戻されることを防止するために行われている。
【0063】
ところで、包装袋121は、液体を完全に遮断するもののガス透過性を有する。そのため、内部が減圧状態にされた収容体120といえども、そのままの状態で長期間放置されると、包装袋121を通して内部に空気が浸入することになる。そこで、インクカートリッジ10と包装袋121との間にある程度の空間(減圧空間)を配置し、内部の空気がインクカートリッジ10の壁面を通して減圧空間に集積されるようにしている。
【0064】
本実施形態に係る収容体120は、以下のようにして製造される。
【0065】
〈第1工程〉
まず、フレーム50に軸77、アーム70、支持ブロック170、及び保護部材150を取り付ける。なお、アーム70及び支持ブロック170は、射出成形により予め形成されている。その際、アーム70は、インジケータ部72が検出窓140の内側の空間142に収納されるようにフレーム50に取り付けられる。続いて、インク注入部105内にプルチゴムなどの弾性部材を圧入する。これにより、インク注入部105内は、インク注入針が抜き挿しされてもインク注入針の進入経路が閉塞されるように構成される。インク注入部105に弾性部材を取り付けた後に、フレーム50の開口57(図4参照)をフィルム65で閉塞してインク室100を形成する。具体的には、フィルム65をフレーム50の左側面45を覆うように配置した後、左側面45の外周部分を覆うように熱溶着装置(不図示)の熱溶着面を配置してフィルム65をフレーム50の左側面45に熱溶着する。続いて、新たなフィルム65をフレーム50の右側面46を覆うように配置して、当該フィルム65を右側面46に熱溶着する。これにより、フレーム50の開口57がフィルム65で閉塞されて、フレーム50及びフィルム65によってインク室100が形成される。
【0066】
インク室100が形成されると、フレーム50の貫通孔81に大気連通バルブ80を取り付ける。具体的には、フレーム50の貫通孔81に対して、バネ86、バルブ本体87、シール部材83、及びキャップ85を取り付ける。これにより、貫通孔81に大気連通バルブ80が設けられ、貫通孔81が閉塞される。続いて、フレーム50の貫通孔91にインク供給バルブ90を取り付ける。具体的には、フレーム50の貫通孔91に対して、バネ受け94、バネ96、バルブ本体97、シール部材93、及びキャップ95を取り付ける。これにより、貫通孔91にインク供給バルブ90が設けられ、貫通孔91が液密に閉塞される。このように貫通孔81,91が閉塞されることによってインク室100が密閉される。
【0067】
〈中間工程〉
後述の第2工程に先だって、インク室100内の空気を排出した後に、インク室100にインクを注入する。まず、第1工程でインク室100が密閉された後、インク室100内の空気を排出する。本実施形態においては、インク室100内の空気の排出は、インク供給バルブ90から行われる。具体的には、不図示の減圧装置の吸引管をインク供給バルブ90に挿し込んで貫通孔91を開放させる。その後、減圧装置を駆動させてインク室100内の空気を吸引する。減圧装置によってインク室100内の空気が吸引され、インク室100内の気圧が真空に近い状態まで下げられたら、減圧装置を停止させて吸引管をインク供給バルブ90から引き抜く。なお、吸引管がインク供給バルブ90から抜かれると、インク供給バルブ90によって貫通孔91が閉塞される。このため、インク室100内が減圧された状態が維持される。
【0068】
インク室100内が減圧されると、インク注入針をインク注入部105内の弾性部材からインク室100内に挿し込んで、インク室100内にインクを注入する。インク室100内が減圧されているので、インク室100の内外の圧力差を利用してインク室100内にインクが円滑に注入される。インク室100内に所定量(例えばインク室100内の容積の8割程度)のインクが注入されると、インク注入部105からインク注入針が引き抜かれる。本実施形態においては、インクの注入後は、インク室100内の空気の圧力が−60KPa程度に維持される。また、インク室100の内外の圧力差によってフィルム65がインク室100側に撓もうとするが、本実施形態では、支持ブロック170が設けられているために、この撓みは軽減される。
【0069】
〈第2工程〉
フレーム50のインク室100にインクが注入された後、フレーム50にハウジング26を取り付ける。すなわち、フレーム50の右側面46に第1カバー21を取り付け、フレーム50の左側面45に第2カバー22を取り付ける。これにより、フレーム50の右側面46を閉塞するフィルム65の外側に第1カバー21が配置され、フレーム50の左側面45を閉塞するフィルム65の外側に第2カバー22が配置される。なお、フィルム65は、インク室100内が減圧されているために内側(インク室100側)へ撓んでおり、カバー21,22から最大で0.3mm程度離間される。次に、ハウジング26が取り付けられたインク容器20に対して、コイルバネ23,24を介してスライダ27を取り付ける。
【0070】
〈第3工程〉
続いて、インクカートリッジ10を包装袋121に収容し、包装袋121内の空気を排出して減圧包装する。具体的には、包装袋121にインクカートリッジ10を収容した後、包装袋121の一端側に開口を残した状態で包装袋121の残りの部分を溶着する。次に、不図示の減圧装置の吸引管を開口から包装袋121の内側へ挿し込み、減圧装置を駆動させて包装袋121内の空気を排出する。そして、本実施形態においては、包装袋121内の気圧の気圧を−70kPa程度まで下げた後、包装袋121の開口から空気が流入しないように吸引管を引き抜いて開口を溶着する。これにより、インク室100外の気圧がインク室100内の気圧より10kPa程度下げられた状態が維持される。このように、フレーム50、フィルム65、第1カバー21、及び第2カバー22を包装袋121に収容し、包装袋121内の空気を排出して減圧包装することにより、インク室100外の気圧をインク室100内の気圧より下げた状態を維持する。なお、インク室100の内外の圧力は、本実施形態で例示した値に限定されるものではない。すなわち、上述の減圧包装により包装袋121内の気圧がインク室100内の気圧よりも少なくとも2kPa低くなれば、インク室100の内外の圧力は特に限定されるものではない。
【0071】
インクカートリッジ10が包装袋121によって減圧包装されることで、インク室100の内外の圧力差によって、フレーム50の右側面46を閉塞するフィルム65が外側へ撓まされて第1カバー21の内壁面112に密着する。これにより、フィルム65が内壁面112に圧接されて塑性変形し、内壁面112の形状に合致する突条60がフィルム65のフィルム面に形成される。すなわち、リブ110とほぼ同形状の突条60がフィルム65に形成される。フィルム65が第1カバー21の内壁面112に密着した状態が少なくとも包装袋121が開封されるまで維持される。すなわち、インクカートリッジ10の保管時や輸送時に突条60が形成され得る。
【0072】
図10は、突条60が形成されたフィルム65の斜視図である。なお、図10においては、説明の便宜上、インク容器20等が省略されている。
【0073】
本実施形態においては、第1カバー21の内壁面112にリブ110が設けられている。このため、右側面46のフィルム65が内壁面112に密着することで、リブ110の形状に合致する突条60がリブ110によってフィルム65に形成される。上述のように、リブ110は、第1リブ110A及び第2リブ110Bによって形成されている。このため、フィルム65に対して、第1リブ110Aに対応する線条60Aと、第2リブ110Bに対応する線条60Bとからなる突条60が形成される。線条60Aは、第1リブ110Aと同様に、第1カバー21の高さ方向(矢印32の方向)に対して挿入方向30とは反対側へ傾倒するように延出されている。線条60Bは、第2リブ110Bと同様に、第1カバー21の高さ方向(矢印32の方向)に対して挿入方向30側へ傾倒するように延出されている。このように、第1リブ110A及び第2リブ110Bは、インクカートリッジ10が画像記録装置に装着された状態で、水平方向(矢印33の方向)と交差する方向へ延出されている。フィルム65には、複数の線条60A及び線条60Bが並べられて配置されている。このため、突条60は、本実施形態においては、第1カバー21の高さ方向に長い菱形の網目状に形成される。なお、リブ110が開口57の略全域を覆うように内壁面112に設けられているので、突条60は、開口57の上端付近から下端付近にわたって形成されるとともに、開口57の左端付近から右端付近にわたって形成される。このように、突条60は、開口57を閉塞するフィルム65の略全域に配置される。なお、線条60A及び線条60Bの延出方向は、フィルム65のインク室100側の表面の濡れ性等を考慮して決定される。
【0074】
本実施形態におけるインク容器20は、インクカートリッジ10が画像記録装置に装着された状態で、水平方向(矢印33の方向)に対して交差する方向へ延出された突条60がフィルム65に形成されている。このため、フィルム65付近のインクは突条60をつたってインク室100の下方へ流れ、貫通孔91を通じて画像記録装置へ供給される。これにより、インクの使用効率を向上させることができる。
【0075】
また、アーム70は、上述のようにフロート部73を有して構成されている。このフロート部73は、インク室100内のインク量に応じて変位するものである。インク室100内のインクが突条60をつたって下方へ流れるので、フロート部73がインク室100内のインク量に応じて正常に変位する。そのため、例えば画像記録装置に設けられたフォトインタラプタによってインク量が所定量以上であるか否かが正確に判定される。
【0076】
図11は、内壁面112にリブ115が設けられた第1カバー21の側面図である。
【0077】
図11に示されるように、第1カバー21の高さ方向(矢印32の方向)に延びるリブ115(本発明のリブの一例)が第1カバー21の内壁面112に設けられていてもよい。内壁面112には、複数のリブ115が水平方向(矢印33の方向)に並べられて配置されている。この第1カバー21を備えるインクカートリッジ10が上述のように減圧包装されることで、水平方向と直交する方向へ延びる突条(不図示)が右側面46のフィルム65に形成される。この第1カバー21により、右側面46のフィルム65には、開口57の上端付近から下端付近にわたってリブ115に合致する突条が形成される。
【0078】
図12は、内壁面112にリブ116が設けられた第1カバー21の側面図である。
【0079】
図12に示されるように、第1カバー21の内壁面112には、第1カバー21の高さ方向(矢印32の方向)へ延びるリブ116(本発明のリブの一例)が高さ方向へ所定の間隔を隔てて複数設けられていてもよい。このリブ116は、第1カバー21の高さ方向において、開口57の高さに比べて短いものである。リブ116は、第1カバー21の高さ方向に一列に縦並びに配列されている。また、リブ116は、水平方向(矢印33の方向)にも並べて配置されている。この第1カバー21を備えるインクカートリッジ10が上述のように減圧包装されることで、リブ116に合致する突条(不図示)が右側面46のフィルム65に水平方向及び第1カバー21の高さ方向に等間隔で形成される。
【0080】
図13は、内壁面112にリブ117が設けられた第1カバー21の側面図である。
【0081】
図13に示されるように、第1カバー21の内壁面112には、貫通孔91の軸線方向(矢印33の方向)へ蛇行しつつ第1カバー21の高さ方向へ右側面46の上下端にわたって延びるリブ117(本発明のリブの一例)が設けられていてもよい。内壁面112には、複数のリブ117が水平方向(矢印33の方向)に並べられて配置されている。この第1カバー21を備えるインクカートリッジ10が上述のように減圧包装されることで、水平方向と直交する方向へ延びる突条(不図示)が右側面46のフィルム65に形成される。この第1カバー21により、右側面46のフィルム65には、開口57の上端付近から下端付近にわたってリブ117に合致する突条が形成される。
【0082】
なお、本実施形態においては、内壁面にリブ(例えばリブ110)が設けられている形態について説明したが、内壁面112にフィルム65から離間する方向へ凹んだ溝が設けられていてもよい。この場合、上述の減圧包装が行われることにより、フィルム65に対してインク室100の外側へ向けて突出する突条が形成される。本実施形態のように内壁面112にリブ110が設けられている場合、内壁面112に溝が設けられている場合に比べてフィルム65に対して突条が容易に形成され得る。すなわち、内壁面112にリブ110が設けられている場合、インク室100の内外の圧力差が小さくてもフィルム65に突条60が容易に形成される。したがって、内壁面112には溝ではなくリブ110が設けられていることが好ましい。
【0083】
また、本実施形態においては、フレーム50に溶着されたフィルム65に対してリブ110を利用してフィルム65に突条60が形成される形態について説明した。ただし、突条60は、必ずしもフィルム65がフレーム50に溶着された後に形成される必要はなく、フィルム65がフレーム50に溶着される前に形成されていてもよい。この場合、フィルム65が皺になってフィルム65をフレーム50に隙間なく溶着できないおそれがある。したがって、突条60は、リブ110を利用して形成されることが好ましい。
【0084】
また、本実施形態においては、インク量を判定するためのアーム70が設けられたインク容器20に本発明が適用される場合について説明したが、本発明は、アーム70が設けられていないインク容器に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、インクカートリッジ10の外観形状を示す斜視図であり、(A)には、挿入方向30の前方側から見た斜視図が示されており、(B)には、挿入方向30の後方側から見た斜視図が示されている。
【図2】図2は、インクカートリッジ10の分解斜視図である。
【図3】図3は、インクカートリッジ10の側面図である。
【図4】図4は、インク容器20の拡大斜視図である。
【図5】図5は、インク容器20の内部構造を示す側面図である。
【図6】図6は、インク容器20の分解斜視図である。
【図7】図7は、アーム70の外観形状を示す斜視図である。
【図8】図8は、リブ110を示す第1カバー21の側面図である。
【図9】図9は、収容体120を示す斜視図である。
【図10】図10は、突条60が形成されたフィルム65の斜視図である。
【図11】図11は、内壁面112にリブ115が設けられた第1カバー21の側面図である。
【図12】図12は、内壁面112にリブ116が設けられた第1カバー21の側面図である。
【図13】図13は、内壁面112にリブ117が設けられた第1カバー21の側面図である。
【符号の説明】
【0086】
10・・・インクカートリッジ
20・・・インク容器(本発明のインク容器の一例)
21・・・第1カバー(本発明のカバー部材の一例)
22・・・第2カバー(本発明のカバー部材の一例)
45・・・左側面(本発明の側面の一例)
46・・・右側面(本発明の側面の一例)
50・・・フレーム
57・・・開口
60・・・突条
65・・・フィルム
70・・・アーム(本発明の可動部材の一例)
91・・・貫通孔(本発明のポートの一例)
100・・・インク室
110,115,116,117・・・リブ
120・・・収容体
121・・・包装袋(本発明の外装材の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一側面に開口を有するフレームと、
上記開口を閉塞するフィルムと、
上記フレームと上記フィルムとにより区画されたインク室内のインクが流出するポートと、を具備し、
上記フィルムは、フィルム面に形成される突条を有するインク容器。
【請求項2】
上記突条は、上記フィルムが略鉛直方向に配置された状態で、水平方向に対して交差する方向へ延出している請求項1に記載のインク容器。
【請求項3】
上記突条は、上記フィルムの略全域に配置されている請求項1又は2に記載のインク容器。
【請求項4】
上記突条は、上記フィルムにおいて上記水平方向に並べられて配置されている請求項2又は3に記載のインク容器。
【請求項5】
上記突条は、上記インク室へ向かって突出している請求項1から4のいずれかに記載のインク容器。
【請求項6】
上記フィルムを覆い、該フィルム側へ立設したリブを有するカバー部材を更に備え、
上記突条は、上記フィルムが上記リブによって塑性変形されてなる請求項5に記載のインク容器。
【請求項7】
上記突条は、上記開口の上端付近から下端付近にわたって形成されている請求項1から6のいずれかに記載のインク容器。
【請求項8】
上記インク室内に揺動可能に設けられた可動部材を備える請求項1から7のいずれかに記載のインク容器。
【請求項9】
上記フィルムは、多層の合成樹脂フィルムで形成され、上記インク室側の層は上記フレームと同じ材質で構成されている請求項1から8のいずれかに記載のインク容器。
【請求項10】
少なくとも一側面に開口を有するフレームと、
上記開口を閉塞するフィルムと、
上記フレームと上記フィルムとにより区画されたインク室内のインクが流出するポートと、
上記インク室内で揺動可能な可動部材と、
上記フィルムを覆い、該フィルム側へ立設したリブを有するカバー部材と、を具備し、
上記突条は、上記フィルムが上記リブによって塑性変形されてなるインク容器。
【請求項11】
請求項6又は10に記載のインク容器が外装材に覆われて減圧包装されてなるインク容器の収容体。
【請求項12】
上記減圧包装によって、上記インク室外の気圧が上記インク室内の気圧よりも下げられてなる請求項11に記載のインク容器の収容体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−56699(P2009−56699A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225977(P2007−225977)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】