説明

インク循環制御装置及び方法

【課題】脱気されたインクを供給し、固体成分の沈降を防止する、インク循環制御装置及びその方法を提供する。
【解決手段】インク循環制御装置100は、インクジェットプリントヘッド130にインクを供給するインク供給部110及びインクを回収するインク回収部120のインク重量を測定するロードセル116,126と、重量センサーで測定されたインク供給部及びインク回収部のインク重量に応じてインク供給及び回収モードとインク復帰モードとを決め、決められたモードに応じてインク供給部及びインク回収部の圧力を調節する圧力制御部118,128と、経路上のバルブ142,144,146を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク循環制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンターは、インクジェットプリントヘッドを駆動させることによってインクジェットプリントヘッドからインクを吐出するものであって、インクジェットプリントヘッドの駆動時に発生する圧力変化及び温度変化によって、インクジェットプリントヘッド内に存在するインクに溶存しているマイクロエアが気泡として発生する。その結果、インクの不吐出及びインク吐出の偏差が発生して、インクの吐出後に基板等にむらができる問題点がある。
【0003】
したがって、インクジェットプリンターは、インクジェットプリントヘッドにインクを供給する供給経路内で空気詰まりが発生する箇所を除去するように構成されたり、当該供給経路内に溶存気体を除去する脱気装置を設けてインク中に溶解されている気体を除去したインク、即ち、脱気インクをインクジェットプリントヘッドに供給するように構成される。これによって、インクジェットヘッドの駆動で発生する気泡の低減及び初期状態時に配管内に残留する気体がインクに溶解されることで発生するインクの不吐出を制御することができる。
【0004】
しかしながら、このような脱気装置は、上記供給経路となる配管に脱気モジュールの入口と出口とが直列に接続され、脱気モジュール内を真空に維持するための真空ポンプが脱気モジュールに接続されるため、脱気インクが空気に接触されることができ、これによりインクに空気が溶解されて、すぐに空気が飽和された状態に戻されるという問題点がある。
【0005】
なお、近年、インクジェットプリンターは、産業用に広く用いられており、例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)上に金、銀等の金属を溶かして製造したインクを噴射して回路パターンを直接形成させたり、産業グラフィックや液晶ディスプレイ(LCD)及び有機発光ダイオード(OLED)の製造並びに太陽電池などに用いられている。
【0006】
この際、インク成分に金、銀等の金属のような固体微粒子を分散させているため、インクを循環させないと、固体成分が沈降することから、結局吐出不良を起こすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、インクジェットプリントヘッドに十分に脱気されたインクを供給し、インク内の固体成分が沈降することを防止できるように、インク循環を制御する装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置は、インクジェットプリントヘッドに供給するインクを貯蔵するインク供給部と、上記インクジェットプリントヘッドから吐出されていないインクを回収するインク回収部のインク重量を測定する重量センサーと、当該重量センサーで測定された上記インク供給部及び上記インク回収部のインク重量に応じてインク供給及び回収モードとインク復帰モードとを決める中央処理部と、当該中央処理部で決められたモードに応じて上記インク供給部及び上記インク回収部の圧力を調節する圧力制御部と、当該中央処理部で決められたモードに応じて上記インク供給部と上記インクジェットプリントヘッドと上記インク回収部とを連結するインク経路上のバルブを制御するバルブ制御部とを含むことができる。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環装置において、上記圧力制御部は、上記中央処理部で決められたモードが、上記インク供給及び回収モードの場合、上記インク供給部の圧力を上記インク回収部の圧力より高く調節し、上記インク復帰モードの場合、上記インク回収部の圧力を上記インク供給部の圧力より高く調節することができる。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置において、上記圧力制御部は、上記中央処理部で決められたモードが、上記インク供給及び回収モードの場合、上記インク回収部の圧力を負圧状態にし、上記インク復帰モードの場合、上記インク供給部の圧力を負圧状態にすることができる。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置において、上記圧力制御部は、上記中央処理部で決められたモードが、上記インク供給及び回収モードの場合、上記インク供給部の高さを上記インク回収部の高さより高く調節し、上記インク復帰モードの場合、上記インク回収部の高さを上記インク供給部の高さより高く調節することができる。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置において、上記バルブ制御部は、上記中央処理部で決められたモードが、上記インク供給及び回収モードの場合、上記インク回収部と上記インク供給部とを連結するインク復帰経路に設けられた第1のバルブを閉め上記インクジェットプリントヘッドと上記インク供給部とを連結するインク供給経路に設けられた第2のバルブ及び上記インクジェットプリントヘッドと上記インク回収部とを連結するインク回収経路に設けられた第3のバルブを開け、上記インク復帰モードの場合、上記第1のバルブを開け上記第2のバルブ及び上記第3のバルブを閉めることができる。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置は、上記インクジェットプリントヘッド内のインクの温度を測定する温度センサーと、当該温度センサーで測定されたインクの温度が、予め設定された温度以下の場合、上記インク供給部内のインクを加熱する温度制御部とをさらに含むことができる。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置において、上記重量センサーは、ロードセルであっても良い。
【0015】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置は、上記重量センサーによって測定される上記インク供給部及び上記インク回収部のインク重量が、予め設定された重量以下の場合、インク充填を警報するアラーム部をさらに含むことができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置は、上記インク供給部及び上記インク回収部のインク流動サイクルを測定するサイクルカウンターをさらに含み、上記アラーム部は、上記サイクルカウンターで測定される上記インク流動サイクルが、予め設定されたサイクル以下の場合、インク充填を警報することができる。
【0017】
本発明の他の側面において、本発明の一実施形態に係るインク循環制御方法は、インクジェットプリントヘッドに供給するインクを貯蔵するインク供給部及び当該インクジェットプリントヘッドから吐出されていないインクを回収するインク回収部のインク重量を測定する段階と、上記測定された上記インク供給部及び上記インク回収部のインク重量に応じてインク供給及び回収モードとインク復帰モードとを決める段階と、上記決められたモードに応じて上記インク供給部及び上記インク回収部の圧力を調節する段階と、上記決められたモードに応じて上記インク供給部と上記インクジェットプリントヘッドと上記インク回収部とを連結するインク経路上のバルブを制御する段階とを含むことができる。
【0018】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御方法において、上記圧力を調節する段階は、上記決められたモードが、上記インク供給及び回収モードの場合、上記インク供給部の圧力を上記インク回収部の圧力より高く調節し、上記インク復帰モードの場合、上記インク回収部の圧力を上記インク供給部の圧力より高く調節することができる。
【0019】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御方法において、上記圧力を調節する段階は、上記決められたモードが、上記インク供給及び回収モードの場合、上記インク回収部の圧力を負圧状態にし、上記インク復帰モードの場合、上記インク供給部の圧力を負圧状態にすることができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御方法において、上記圧力を調節する段階は、上記決められたモードが上記インク供給及び回収モードの場合、上記インク供給部の高さを上記インク回収部の高さより高く調節し、上記インク復帰モードの場合、上記インク回収部の高さを上記インク供給部の高さより高く調節することができる。
【0021】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御方法において、上記バルブを制御する段階は、上記決められたモードが、上記インク供給及び回収モードの場合、上記インク回収部と上記インク供給部とを連結するインク復帰経路に設けられた第1のバルブを閉め上記インクジェットプリントヘッドと上記インク供給部とを連結するインク供給経路に設けられた第2のバルブ及び上記インクジェットプリントヘッドと上記インク回収部とを連結するインク回収経路に設けられた第3のバルブを開け、上記インク復帰モードの場合、上記第1のバルブを開け上記第2のバルブ及び上記第3のバルブを閉めることができる。
【0022】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御方法は、上記インクジェットプリントヘッド内のインクの温度を測定する段階と、上記測定されたインクの温度が、予め設定された温度以下の場合、上記インク供給部内のインクを加熱する段階とをさらに含むことができる。
【0023】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御方法は、上記測定された上記インク供給部及び上記インク回収部のインク重量が、予め設定された重量以下の場合、インク充填を警報する段階をさらに含むことができる。
【0024】
また、本発明の一実施形態に係るインク循環制御方法は、上記インク供給部及び上記インク回収部のインク流動サイクルを測定する段階をさらに含み、上記インク充填を警報する段階は、上記測定されたインク流動サイクルが、予め設定されたサイクル以下の場合、インク充填を警報することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るインク循環制御装置及び方法によると、インクジェットプリントヘッドに十分に脱気されたインクを供給し、インク内の固体成分が沈降することを防止するようにするインク循環を効率的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してインクが循環される第1の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略的な構造を示す図面である。
【図2】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してインクを循環させる第2の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略的な構造を示す図面である。
【図3】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を示すブロック図である。
【図4a】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してプリンティング初期にインクを循環させる経路を示す図面である。
【図4b】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してプリンティング初期にインクを循環させる経路を示す図面である。
【図5a】図4a及び図4bのインク循環によるインク供給部のインク重量を示すグラフである。
【図5b】図4a及び図4bのインク循環によるインク回収部のインク重量を示すグラフである。
【図6a】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してプリンティング中期にインクを循環させる経路を示す図面である。
【図6b】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してプリンティング中期にインクを循環させる経路を示す図面である。
【図7a】図6a及び図6bのインク循環によるインク供給部のインク重量を示すグラフである。
【図7b】図6a及び図6bのインク循環によるインク回収部のインク重量を示すグラフである。
【図8a】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してプリンティング後期にインクを循環させる経路を示す図面である。
【図8b】本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してプリンティング後期にインクを循環させる経路を示す図面である。
【図9a】図8a及び図8bのインク循環によるインク供給部のインク重量を示すグラフである。
【図9b】図8a及び図8bのインク循環によるインク回収部のインク重量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の具体的な実施形態を詳述する。但し、本発明の思想は、提示される実施形態に制限されることなく、本発明の思想を理解する当業者は、同一思想の範囲内で他の構成要素の追加、変更、削除などを通じて、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提案することができるが、これもまた本願発明の思想の範囲内に含まれると言えるはずである。
【0028】
なお、各実施形態の図面に示される同一思想の範囲内の機能が同一な構成要素は、同一な参照符号を付して説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してインクが循環される第1の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略的な構造を示し、図2は、第2の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略的な構造を示す図面であり、図3は、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を示すブロック図である。
【0030】
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してインクが循環されるインクジェットプリンタの構造に対して詳述する。
【0031】
図1に示されるインクジェットプリンタ100は、インク供給部110と、インク回収部120と、インクジェットプリントヘッド130とを含むことができる。
【0032】
インク供給部110は、インク供給路に沿ってインクジェットプリントヘッド130にインクを供給するものであって、十分に脱気されたインクが充填されているインク供給パック112と、当該インク供給パック112のインクを振動させる振動手段114と、上記インク供給パック112のインク重量を測定する第1のロードセル116及び上記インク供給部110の圧力を調節する第1の圧力調節部110とを含むことができる。
【0033】
上記インク供給パック112は、空気が遮断されるように、多層構造に形成されることができる。
【0034】
上記振動手段114は、インク内の金、銀等の金属のような固体成分が沈降しないように、上記インク供給パック112に振動を加えるものであって、圧電体又は超音波素子を利用することができる。
【0035】
上記第1のロードセル116は、上記インク供給パック112内のインク重量を測定する装置であって、本実施形態ではロードセルを例に挙げて説明しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、通常インク重量を測定できる装置であれば用いることができることは言うまでもない。
【0036】
第1の圧力調節部118は、インク供給、インク回収及びインク復帰の時、インク回収部120との関係においてインク供給部110の圧力を調節するものであって、インク吐出の微細な特性によってインク供給部110内の圧力を減圧、特に大気圧以下の圧力である負圧状態にする装置であることが好ましい。
【0037】
また、インク供給部110は、インク供給パック112内のインクを一定温度に維持するために、ヒーター(図示せず)を備えることができる。
【0038】
インク回収部120は、インクジェットプリントヘッド130から吐出されていないインクを回収するものであって、回収されるインクが満たされるインク回収パック122と、当該インク回収パック122のインク重量を測定する第2のロードセル126と、インク回収部120内の圧力を調節する第2の圧力調節部128とを含むことができる。
【0039】
上記インク回収パック122は、空気が遮断されるように、多層構造に形成されることができる。
【0040】
上記第2のロードセル126は、上記インク回収パック122内のインク重量を測定する装置であって、本実施形態ではロードセルを例に挙げて説明しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、通常インク重量を測定できる装置であれば用いることができるということは言うまでもない。
【0041】
第2の圧力調節部128は、インク供給、インク回収及びインク復帰の時、インク供給部110との関係においてインク回収部120の圧力を調節するものであって、インク吐出の微細特性によってインク回収部120内の圧力を減圧、特に大気圧以下の圧力である負圧状態にする装置であることが好ましい。
【0042】
インクジェットプリントヘッド130は、内部にインク流路が形成されており、アクチュエーター(図示せず)の駆動によってインク流路内の圧力又は体積の変化によりノズルへインクを吐出する装置であって、具体的な構成は一般的なインクジェットプリントヘッドと実質的に同一であるため、詳しい説明は省略することにする。
【0043】
インク供給部110から供給されるインクがサブタンク134を介してインクジェットプリントヘッド130に供給され、インクジェットプリントヘッド130でプリンティングが行われ、プリンティングが完了すると、インクジェットプリントヘッド130から吐出されていないインクがサブタンク134を介してインク回収部120へ移送される。
【0044】
上記インクジェットプリントヘッド130は、サブタンク134のインク供給経路側に、インクジェットプリントヘッド130の内部へ異物が入ってノズルが詰まることを防止するように、フィルター部136を含むことができる。当該フィルター部136は、インクジェットプリントヘッド130のノズル(図示せず)の直径より小さい隙間が形成されたメッシュ(mesh)状であっても良い。
【0045】
さらに、上記インクジェットプリントヘッド130は、温度センサー132を備えることで、インクジェットプリントヘッド130を介して吐出されるインクの温度を制御することができる。
【0046】
さらに、インクジェットプリントヘッド130は、サブタンク134内の圧力を調節して、インクジェットプリントヘッド130内部のインクに存在できる気体を除去する第3の圧力調節部138を含むことができる。当該第3の圧力調節部138は、サブタンク134に連結され、サブタンク134内の圧力を減圧、特に大気圧以下の圧力である負圧状態にする装置であることが好ましい。例えば、第3の圧力調節部138は、脱気モジュールであっても良い。
【0047】
インク供給部110、インク回収部120及びインクジェットプリントヘッド130は、配管によって連結されており、当該配管にバルブを設けて当該バルブを開閉することによって、インク供給経路、インク回収経路及びインク復帰経路を形成する。
【0048】
上記配管は、インク供給経路を形成する第1の配管150及び第2の配管152と、インク回収経路を形成する第4の配管154及び第5の配管156と、インク復帰経路の一部を形成する第3の配管153とを含むことができる。これらの配管は、空気が遮断されるように、多層構造に形成されることができる。
【0049】
また、上記バルブは、第1の配管150から分岐される第1の分岐点151と第5の配管156から分岐される第2の分岐点155との間に設けられる第1のバルブ142と、第2の配管152内に設けられる第2のバルブ144と、第4の配管154内に設けられる第3のバルブ146とを含むことができる。
【0050】
本実施形態におけるインクジェットプリンタ100は、第1の圧力調節部118及び第2の圧力調節部128がインク供給部110及びインク回収部120を減圧して、インク供給部110とインク回収部120との間に圧力の差を発生させることで、インクを循環させる装置であり、インク循環を制御する構成については、図3の詳細な説明で詳述する。
【0051】
一方、図2に示される第2の実施形態におけるインクジェットプリンタは、インクの循環時、インク供給部及びインク回収部の圧力の制御を、インク供給部とインク回収部との間の高さの差を利用して行うものであって、以下では、図1に示される第1の実施形態におけるインクジェットプリンタとの相違点を中心に詳述する。
【0052】
図2に示されるインクジェットプリンタ200は、インク供給部210と、インク回収部220と、インクジェットプリントヘッド230とを含むことができる。
【0053】
上記インクジェットプリンタ200は、インク供給部210及びインク回収部220内の圧力を調節するために、高さ調節部260を備えており、当該高さ調節部260が、インク供給部210及びインク回収部220の高さを調節することによって、インク供給部210及びインク回収部220内の圧力を調節することができる。
【0054】
このように、本実施形態におけるインクジェットプリンタ200は、第1の実施形態におけるインクジェットプリンタのように、インク供給部及びインク回収部内の圧力を減圧する装置を備えるのではなく、インク供給部210及びインク回収部220の高さを調節する装置を備えることによって、インク供給部210及びインク回収部220内の圧力を調節することができる。
【0055】
次に、図3を参照して、インク循環を制御する構成について詳述する。
【0056】
図3に示されるインク循環制御装置10は、インク供給部及びインク回収部のインク重量を測定する重量センサー20と、当該重量センサー20で測定されたインク重量に応じてインク供給及び回収モードとインク復帰モードとを決める中央処理部50と、当該中央処理部50で決められたモードに応じてインク供給部及びインク回収部の圧力を調節する圧力制御部60と、当該中央処理部50で決められたモードに応じてインク供給部とインクジェットプリントヘッドとインク回収部とを連結するインク経路上のバルブを制御するバルブ制御部70とを含むことができる。
【0057】
重量センサー20は、インク供給部及びインク回収部のインク重量を測定する装置であって、図1及び図2に示されるインクジェットプリンタにおいてインク供給部のインク重量を測定する第1のロードセルと、インク回収部のインク重量を測定する第2のロードセルとを含むことができる。
【0058】
中央処理部50は、上記重量センサー20で測定されたインク重量に応じてインク供給及び回収モードと、インク復帰モードとを決める。具体的には、第1のロードセルによって測定されるインク供給部のインク重量(W)と、第2のロードセルによって測定されるインク回収部のインク重量(W)との和(W)が予め設定されたインク流動範囲内でありWが供給最低重量以上であれば、インク供給及び回収モードに設定し、Wが上記インク流動範囲内でありWが供給最低重量以下であれば、インク回収部からインク供給部へのインク復帰モードに設定することができる。
【0059】
圧力制御部60は、中央処理部50によって設定されたインク循環モードに応じて、インク供給部及びインク回収部の圧力を調節する。
【0060】
具体的には、上記圧力制御部60は、インク供給及び回収モードにおいて、インク供給部の圧力(P1)をインク回収部の圧力(P2)より高く(P1>P2)してインクジェットプリントヘッドにインクを供給し、インクジェットプリントヘッドから吐出されていないインクを回収することができる。
【0061】
一方、インク復帰モードにおいては、インク回収部の圧力をインク供給部の圧力より高く(P1<P2)して、インク回収部からインク供給部へインクを復帰させることができる。
【0062】
また、圧力制御部60は、インクジェットプリントヘッドをプリンティングする間、サブタンクの圧力を負圧状態にすることによって、インクジェットプリントヘッド内におけるインクに溶けている気体を除去することもできる。
【0063】
図1に示される第1の実施形態におけるインクジェットプリンタにおいて、上記圧力制御部は、第1の圧力調節部118と、第2の圧力調節部128と、第3の圧力調節部138とから構成されることができる。
【0064】
一方、図2に示される第2の実施形態におけるインクジェットプリンタにおいて、上記圧力制御部は、インク供給部及びインク回収部の高さを調節する高さ調節部260と脱気モジュール238とから構成されることができる。
【0065】
バルブ制御部70は、インク供給及び回収モードにおいて、インク復帰経路上に設けられた第1のバルブを閉めインク供給経路上に設けられた第2のバルブ及びインク回収経路上に設けられた第3のバルブを開け、インク復帰モードにおいて、上記第1のバルブを開け上記第2のバルブ及び第3のバルブを閉めることができる。
【0066】
以下、中央処理部50によって設定されたインク循環モードによる圧力制御部60及びバルブ制御部70の動作を詳述する。
【0067】
インク供給及び循環モードの場合、圧力制御部60は、インク回収部内の圧力を減圧して負圧状態にするかインク供給部の高さをインク回収部の高さより高くすることでインク供給部の圧力(P1)をインク回収部の圧力(P2)より高くし、バルブ制御部70は、第1のバルブを閉め第2のバルブ及び第3のバルブを開けることでインク供給部内のインクがインク供給経路(第1の配管→第2の配管)に沿ってインクジェットプリントヘッドに供給されるようにし、また、インクジェットプリントヘッドから吐出されていないインクは、インク回収経路(第4の配管→第5の配管)に沿ってインク回収部へ回収されるようにする。
【0068】
インク復帰モードの場合、圧力制御部60は、インク供給部内の圧力を減圧して負圧状態にするかインク回収部の高さをインク供給部より高くすることでインク回収部の圧力(P2)をインク供給部の圧力(P1)より高くし、バルブ制御部70は、第1のバルブを開け第2のバルブ及び第3のバルブを閉めることでインク回収部内のインクがインク復帰経路(第5の配管→第3の配管→第1の配管)に沿ってインク供給部へ復帰されるようにする。
【0069】
本実施形態において、インク循環制御装置10は、インクジェットプリントヘッド内のインクの温度を測定する温度センサー40と、当該温度センサー40で測定されたインクの温度が予め設定された温度以下の場合にインク供給部内のインクを加熱する温度制御部80とを含むことができる。
【0070】
即ち、温度センサー40は、インクジェットプリントヘッド内のインクの温度を実時間で測定して中央処理部50に伝送し、中央処理部50は、上記測定されたインクの温度が、予め設定された温度以下の場合、温度制御部80にインク供給部を加熱することを命令することができる。
【0071】
上記温度センサー40は、図1及び図2に示される第1及び第2の実施形態におけるインクジェットプリンタにおける温度センサー132、232であっても良く、温度制御部80は、ヒーターであっても良い。
【0072】
さらに、インク循環制御装置10は、上記重量センサー20によって測定されるインク供給部及びインク回収部のインク重量が、予め設定された重量以下の場合、インク充填を警報するアラーム部90を含むことができる。
【0073】
具体的には、重量センサー20でインク供給部のインク重量(W)とインク回収部のインク重量(W)とが測定されると、中央処理部50でWとWとの和(W)が、予め設定されたインク流動最低重量以下であるかを判断し、Wがインク流動最低重量以下であれば、アラーム部90にインク充填を警報することを命令し、アラーム部90は、使用者にインク充填を警報する。この際、中央処理部50は、プリンティングを終了する命令をすることができる。
【0074】
上記アラーム部90は、使用者がインク充填を容易に認識できるように、様々な形で警報することができ、例えば、インクジェットプリンタの制御窓にインク充填を警報したり、インクジェットプリンタの状態表示灯の色を変えたり、警報音を鳴らしたりすることができる。
【0075】
本実施形態では、重量センサー20によって測定されるインク重量に応じてインク充填を警報する構成を説明しているが、本発明に係るインク循環制御装置10は、インク循環サイクルを測定するサイクルカウンター30を含むことができ、サイクルカウンター30によって測定されるサイクルが所定時間内であれば、インク充填を警報するように構成されることができる。
【0076】
以下では、図4から図9を参照して、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用してインクが循環される第2の実施形態におけるインクジェットプリンタのインク循環制御方法を詳述する。
【0077】
図4a及び図4bは、本発明の一実施形態に係るインク循環制御装置を利用して、プリンティング初期にインクを循環させる経路を示す図面であり、図5a及び図5bは、それに応じるインク供給部及びインク回収部のインク重量を示すグラフであり、図6a及び図6bは、プリンティング中期にインクを循環させる経路を示す図面であり、図7a及び図7bは、それに応じるインク供給部及びインク回収部のインク重量を示すグラフであり、図8a及び図8bは、プリンティング後期にインクを循環させる経路を示す図面であり、図9a及び図9bは、それに応じるインク供給部及びインク回収部のインク重量を示すグラフである。
【0078】
図4及び図5を参照すると、プリンティング初期には、インク供給部210のインク供給パック212内は、インクが一杯に充填されており、インク回収部220のインク回収パック222は、空いている状態である。
【0079】
本実施形態では、インク供給部210のインク重量(W)とインク回収部220のインク重量(W)との和(W)が50〜500gの場合、インク流動範囲内とすることとする。即ち、インク流動最低重量を50gに設定することとする。これは、説明の便宜のためであり、要求される条件及び設計仕様に応じて変わることができることは言うまでもない。
【0080】
プリンティング初期には、Wがインク流動範囲内であるため、中央処理部50は、インク供給及び回収モードに設定する。
【0081】
図4aに示されるように、インク供給及び回収モードにおいて、高さ調節部260は、インク供給部210の高さをインク回収部220の高さより高く調節して、インク供給部210の圧力(P1)をインク回収部220の圧力(P2)より高くする。例えば、インク供給部210を上昇させインク回収部220を下降させることができる。
【0082】
なお、バルブ制御部70は、第1のバルブ242を閉め、第2のバルブ244及び第3のバルブ246を開ける。
【0083】
これによって、インク供給部210のインク供給パック212内のインクは、インク供給経路(C1→C2→C3)に沿ってインクジェットプリントヘッド230に供給され、インクジェットプリントヘッド230から吐出されていないインクは、インク回収経路(C4→C5→C6)に沿ってインク回収部220内のインク回収パック222内へ回収される。
【0084】
この際、インク回収パック222内へ回収されるインクは、プリンティング初期に、インク供給パック212内のインクより重量が減少されていることはいうまでもない。例えば、プリンティング初期には、1サイクル当たりインクジェットプリントヘッド230から吐出されるインクの量が約50gであれば、インク回収パック222内に回収されるインクの量は、450g程度になるであろう。
【0085】
インク供給部210のインク重量(W)が最低重量、例えば、約30g以下であれば、中央処理部50は、インク復帰モードに転換する。
【0086】
図4bに示されるように、インク復帰モードにおいて、高さ調節部260は、インク回収部220の高さをインク供給部210の高さより高く調節することで、インク回収部220の圧力(P2)をインク供給部210の圧力(P1)より高くする。例えば、インク回収部220を上昇させインク供給部210を下降させることができる。
【0087】
なお、バルブ制御部70は、第1のバルブ242を開け、第2のバルブ244及び第3のバルブ246を閉める。
【0088】
これによって、インク回収部220のインク回収パック222内のインクは、インク復帰経路(D1→D2→D3→D4→D5→D6)に沿ってインク供給部210内のインク供給パック212内へ復帰される。
【0089】
このように、インク復帰が進行されるにつれて、インク回収部220のインク重量(W)が最低重量、例えば、約30g以下となれば、中央処理部50は、インク供給及び回収モードに転換する。
【0090】
図5aは、インク供給部210のインク重量を示し、図5bは、インク回収部220のインク重量を示すものである。図5aにおいて、下降部はインク供給モード、上昇部はインク復帰モードであり、図5bにおいて、上昇部はインク回収モード、下降部はインク復帰モードである。
【0091】
プリンティング初期には、インク供給及び回収モードとインク復帰モードとを行う1サイクルT1が、300秒程度であることが分かる。
【0092】
プリンティング中期には、図6aに示されるように、インク供給部210のインク供給パック212内は、インクが半分程度充填されており、インク回収部220のインク回収パック222は、最低重量以下である。
【0093】
この際、Wが、約300g程度とインク流動範囲内であるため、インク供給及び回収モードに転換され、圧力調節部260によってインク供給部210の高さがインク回収部220の高さより高く調節され、バルブ制御部70によって第1のバルブ242が閉められ第2のバルブ244及び第3のバルブ246が開けられるにつれて、インクは、インク供給経路(C1→C2→C3)に沿ってインクジェットプリントヘッド230に供給され、インクジェットプリントヘッド230から吐出されていないインクは、インク回収経路(C4→C5→C6)に沿ってインク回収部220内のインク回収パック222内へ回収される。
【0094】
なお、Wが最低重量、例えば、30g以下であれば、中央処理部50は、インク復帰モードに転換し、図6bに示されるように、圧力調節部260によってインク回収部220の高さがインク供給部210の高さより高く調節され、バルブ制御部70によって第1のバルブ242が開けられ第2のバルブ244及び第3のバルブ246が閉められるにつれて、インクは、インク復帰経路(D1→D2→D3→D4→D5→D6)に沿ってインク供給部210内のインク供給パック212内へ復帰される。
【0095】
図7aは、インク供給部210のインク重量を示し、図7bは、インク回収部220のインク重量を示すものである。図7aにおいて、下降部はインク供給モード、上昇部はインク復帰モードであり、図7bにおいて、上昇部はインク回収モード、下降部はインク復帰モードである。
【0096】
プリンティング中期には、インク供給及び回収モードとインク復帰モードとを行う1サイクルT1が、約120秒程度であることが分かる。
【0097】
プリンティング後期には、図8aに示されるように、インク供給部210のインク供給パック212内は、インクが下位レベルに充填されており、インク回収部220のインク回収パック222は、最低重量以下である。
【0098】
この際、Wが、約150g程度とインク流動範囲内であるため、インク供給及び回収モードに転換され、圧力調節部260によってインク供給部210の高さがインク回収部220の高さより高く調節され、バルブ制御部70によって第1のバルブ242が閉められ第2のバルブ244及び第3のバルブ246が開けられるにつれて、インクは、インク供給経路(C1→C2→C3)に沿ってインクジェットプリントヘッド230に供給され、インクジェットプリントヘッド230から吐出されていないインクは、インク回収経路(C4→C5→C6)に沿ってインク回収部220内のインク回収パック222内へ回収される。
【0099】
なお、Wが最低重量、例えば、30g以下であれば、中央処理部50は、インク復帰モードに転換し、図8bに示されるように、圧力調節部260によってインク回収部220の高さがインク供給部210の高さより高く調節されバルブ制御部70によって第1のバルブ242が開けられ第2のバルブ244及び第3のバルブ246が閉められるにつれて、インクは、インク復帰経路(D1→D2→D3→D4→D5→D6)に沿ってインク供給部210内のインク供給パック212内へ復帰される。
【0100】
図9aは、インク供給部210のインク重量を示し、図9bは、インク回収部220のインク重量を示すものである。図9aにおいて、下降部はインク供給モード、上昇部はインク復帰モードであり、図9bにおいて、上昇部はインク回収モード、下降部はインク復帰モードである。
【0101】
プリンティング後期には、インク供給及び回収モードとインク復帰モードとを行う1サイクルT1が、約60秒程度であることが分かる。
【0102】
このように、インク供給、インク回収及びインク復帰が1サイクルをなし、プリンティングされ続けるにつれて、インク供給部210及びインク回収部220のインク重量は徐々に減少するようになり、Wがインク流動最低重量、例えば、50g以下であれば、中央処理部50は、アラーム部90にインク充填を警報することを命令することができる。この際、中央処理部50は、プリンティングを終了させることができる。
【0103】
なお、インク充填は、サイクルカウンター30によって測定されるインク循環サイクルが所定時間以下の場合、例えば、約30秒以内であれば、アラーム部90によって警報されることもできる。
【0104】
上述したように、本実施形態に係るインク循環制御装置は、インクジェットプリンタにおけるインク循環時、インクが空気と接触する経路が遮断されるため、高脱気度が維持されたインクがインクジェットプリントヘッドに供給されることができる。
【0105】
さらに、インクジェットプリントヘッド内のインク内の気体を除去する脱気モジュールが、インク循環経路上に設けられておらず、サブタンクと連結されていることから、インクジェットプリントヘッド内のインクが空気と接触する可能性が遮断され、高脱気度の維持においてさらに効果的である。
【0106】
以上、本発明の好ましい実施形態を詳述したが、これらは例示的なものに過ぎず、当該分野における通常の知識を有する者であれば、これらから各種の変更及び均等な他の実施形態を想到し得るということは明らかである。したがって、本発明の技術的保護の範囲は、添付された特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0107】
10 インク循環制御装置
20 重量センサー
30 サイクルカウンター
40 温度センサー
50 中央処理部
60 圧力制御部
70 バルブ制御部
80 温度制御部
90 アラーム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリントヘッドに供給するインクを貯蔵するインク供給部及び当該インクジェットプリントヘッドから吐出されていないインクを回収して収容するインク回収部のインク重量を測定する重量センサーと、
当該重量センサーで測定された前記インク供給部及び前記インク回収部のインク重量に応じて、インク供給及び回収モードとインク復帰モードとを決める中央処理部と、
当該中央処理部で決められたモードに応じて、前記インク供給部の内部及び前記インク回収部の内部の圧力を調節する圧力制御部と、
当該中央処理部で決められたモードに応じて、前記インク供給部と前記インクジェットプリントヘッドと前記インク回収部とを連結するインク経路上のバルブの開閉を制御するバルブ制御部と
を含む、インク循環制御装置。
【請求項2】
前記圧力制御部は、前記中央処理部で決められたモードが、前記インク供給及び回収モードの場合、前記インク供給部の圧力を前記インク回収部の圧力より高く調節し、前記インク復帰モードの場合、前記インク回収部の圧力を前記インク供給部の圧力より高く調節する、請求項1に記載のインク循環制御装置。
【請求項3】
前記圧力制御部は、前記中央処理部で決められたモードが、前記インク供給及び回収モードの場合、前記インク回収部の圧力を負圧状態にし、前記インク復帰モードの場合、前記インク供給部の圧力を負圧状態にする、請求項2に記載のインク循環制御装置。
【請求項4】
前記圧力制御部は、前記中央処理部で決められたモードが、前記インク供給及び回収モードの場合、前記インク供給部の高さを前記インク回収部の高さより高く調節し、前記インク復帰モードの場合、前記インク回収部の高さを前記インク供給部の高さより高く調節する、請求項2に記載のインク循環制御装置。
【請求項5】
前記バルブ制御部は、前記中央処理部で決められたモードが、前記インク供給及び回収モードの場合、前記インク回収部と前記インク供給部とを連結するインク復帰経路に設けられた第1のバルブを閉め前記インクジェットプリントヘッドと前記インク供給部とを連結するインク供給経路に設けられた第2のバルブ及び前記インクジェットプリントヘッドと前記インク回収部とを連結するインク回収経路に設けられた第3のバルブを開け、前記インク復帰モードの場合、前記第1のバルブを開け前記第2のバルブ及び前記第3のバルブを閉める、請求項1から4の何れか1項に記載のインク循環制御装置。
【請求項6】
前記インクジェットプリントヘッド内のインクの温度を測定する温度センサーと、
当該温度センサーで測定されたインクの温度が、予め設定された温度以下の場合、前記インク供給部内のインクを加熱する温度制御部と
をさらに含む、請求項1から5の何れか1項に記載のインク循環制御装置。
【請求項7】
前記重量センサーは、ロードセルである、請求項1から6の何れか1項に記載のインク循環制御装置。
【請求項8】
前記重量センサーによって測定される前記インク供給部及び前記インク回収部のインク重量が、予め設定された重量以下の場合、インク充填を警報するアラーム部をさらに含む、請求項1から7の何れか1項に記載のインク循環制御装置。
【請求項9】
前記インク供給部及び前記インク回収部のインク流動サイクルを測定するサイクルカウンターをさらに含み、
前記アラーム部は、前記サイクルカウンターで測定される前記インク流動サイクルが、予め設定されたサイクル以下の場合、インク充填を警報する、請求項8に記載のインク循環制御装置。
【請求項10】
インクジェットプリントヘッドに供給するインクを貯蔵するインク供給部及び当該インクジェットプリントヘッドから吐出されていないインクを回収して収容するインク回収部のインク重量を測定する段階と、
当該測定された前記インク供給部及び前記インク回収部のインク重量に応じて、インク供給及び回収モードとインク復帰モードとを決める段階と、
当該決められたモードに応じて、前記インク供給部の内部及び前記インク回収部の内部の圧力を調節する段階と、
当該決められたモードに応じて、前記インク供給部と前記インクジェットプリントヘッドと前記インク回収部とを連結するインク経路上のバルブの開閉を制御する段階と
を含む、インク循環制御方法。
【請求項11】
前記圧力を調節する段階は、前記決められたモードが、前記インク供給及び回収モードの場合、前記インク供給部の圧力を前記インク回収部の圧力より高く調節し、前記インク復帰モードの場合、前記インク回収部の圧力を前記インク供給部の圧力より高く調節する、請求項10に記載のインク循環制御方法。
【請求項12】
前記圧力を調節する段階は、前記決められたモードが、前記インク供給及び回収モードの場合、前記インク回収部の圧力を負圧状態にし、前記インク復帰モードの場合、前記インク供給部の圧力を負圧状態にする、請求項11に記載のインク循環制御方法。
【請求項13】
前記圧力を調節する段階は、前記決められたモードが、前記インク供給及び回収モードの場合、前記インク供給部の高さを前記インク回収部の高さより高く調節し、前記インク復帰モードの場合、前記インク回収部の高さを前記インク供給部の高さより高く調節する、請求項11に記載のインク循環制御装置。
【請求項14】
前記バルブを制御する段階は、前記決められたモードが、前記インク供給及び回収モードの場合、前記インク回収部と前記インク供給部とを連結するインク復帰経路に設けられた第1のバルブを閉め前記インクジェットプリントヘッドと前記インク供給部とを連結するインク供給経路に設けられた第2のバルブ及び前記インクジェットプリントヘッドと前記インク回収部とを連結するインク回収経路に設けられた第3のバルブを開け、前記インク復帰モードの場合、前記第1のバルブを開け前記第2のバルブ及び前記第3のバルブを閉める、請求項10から13の何れか1項に記載のインク循環制御方法。
【請求項15】
前記インクジェットプリントヘッド内のインクの温度を測定する段階と、
前記測定されたインクの温度が、予め設定された温度以下の場合、前記インク供給部内のインクを加熱する段階と、
をさらに含む、請求項10から14の何れか1項に記載のインク循環制御方法。
【請求項16】
前記測定された前記インク供給部及び前記インク回収部のインク重量が、予め設定された重量以下の場合、インク充填を警報する段階をさらに含む、請求項10から15の何れか1項に記載のインク循環制御方法。
【請求項17】
前記インク供給部及び前記インク回収部のインク流動サイクルを測定する段階をさらに含み、
前記インク充填を警報する段階は、前記測定されたインク流動サイクルが、予め設定されたサイクル以下の場合、インク充填を警報する、請求項16に記載のインク循環制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【公開番号】特開2012−86210(P2012−86210A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1260(P2011−1260)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】