インコア
【課題】管継手内から取り出すことが可能なインコアを提供する。
【解決手段】インコア56を管継手10から引き出すときに、インコア56の鍔部60がシール部材32、36に接触した場合、鍔部60は内側に変形する。これにより、管継手10内に残ってしまったインコア56を取り出すことができる。
【解決手段】インコア56を管継手10から引き出すときに、インコア56の鍔部60がシール部材32、36に接触した場合、鍔部60は内側に変形する。これにより、管継手10内に残ってしまったインコア56を取り出すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体の先端部に装着するインコアに関する。
【背景技術】
【0002】
管体が接続される管継手として、管継手に内蔵されたOリングの内周面に外周面を接触させながら管体を挿入して、この管体を着脱可能に接続するものが挙げられる。
【0003】
このような管継手に管体を挿入する際に、管体の先端がOリングに当たって、Oリングが傷付いたり、脱落したりすることが懸念される。特許文献1では、傘部を備えた樹脂スリーブを金属管の先端部に装着して金属管の先端面を傘部で覆うことにより、管継手に内蔵されたOリングを傷付けることなく管継手に金属管を挿入して接続する技術が開示されている。
【0004】
しかし、樹脂スリーブのようなインコアが先端部に装着された状態で管継手に接続された管体を、管継手から引き抜いて取り外す際に、例えば、インコアの先端部(特許文献1の樹脂スリーブの場合、傘部の外周部)がOリングに接触した場合、管継手内にインコアが残ってしまうことが考えられる。そして、このように管継手内に残ったインコアを取り出すことは難しく、工具等が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−161891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は係る事実を考慮し、管継手内から取り出すことが可能なインコアを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、管継手に内蔵された環状のシール部材に接触して前記管継手に挿入される管体に、該管体の先端部の位置で装着されるインコアにおいて、前記管体に挿入される挿入部と、前記挿入部の端部に設けられ、前記挿入部を前記管体に挿入したときに前記管体の端面を覆う環状の鍔部と、前記鍔部の先端外縁に形成された面取り部と、前記挿入部を前記管継手から引き出すときに前記シール部材に接触した前記鍔部を内側に変形させる変形機構と、を有するインコアである。
【0008】
請求項1に記載の発明では、管体を管継手に挿入するときに、管体の先端部に装着されたインコアの鍔部に形成された面取り部で、管継手に内蔵された環状のシール部材に接触するので、管継手への管体の挿入により、シール部材が傷付いたり、脱落したりするのを防ぐことができる。
【0009】
また、挿入部を管継手から引き出すときにシール部材に鍔部が接触した場合、鍔部が内側に変形することにより、管体を引き抜いて取り外すときに管継手内に残ってしまったインコアを取り出すことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記変形機構は、前記挿入部の端部外周面及び前記鍔部の背面の少なくとも一方に前記挿入部の外周に沿って形成された環状の溝である。
【0011】
請求項2に記載の発明では、挿入部の端部外周面及び鍔部の背面の少なくとも一方に挿入部の外周に沿って環状の溝を形成することにより、挿入部及び鍔部の少なくとも一方の剛性を部分的に小さくする。これによって、挿入部を管継手から引き出すときにシール部材に鍔部が接触した場合、鍔部を内側に変形させることができる。また、簡単な加工により、変形機構を形成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記変形機構は、前記鍔部に形成された該鍔部の材軸方向のスリットである。
【0013】
請求項3に記載の発明では、鍔部の材軸方向のスリットを鍔部に形成することにより、鍔部の剛性を小さくする。これによって、挿入部を管継手から引き出すときにシール部材に鍔部が接触した場合、鍔部を内側に変形させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上記構成としたので、管継手内から取り出すことが可能なインコアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る管継手を示す側断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るインコアを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るインコアを示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るインコアを示す背面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る管継手に管体が挿入される状況を示す説明図である。
【図6】管継手に管体が挿入される際の従来の問題点を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る管継手に管体が挿入された状況を示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る管継手から管体が引き抜かれた状況を示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るインコアの作用を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るインコアを示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るインコアを示す側面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るインコアを示す正面図である。
【図13】本発明の実施形態に係るインコアの変形例を示す側面図である。
【図14】本発明の実施形態に係るインコアの変形例を示す背面図である。
【図15】本発明の実施形態に係るインコアの変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照しながら、本発明のインコアを説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0017】
図1の側断面図には、管継手10を用いて、管体としての金属管12を金属管14に連結する前の状態が示されている。管継手10を構成する金属製又は樹脂製の継手本体16は、円柱状の中空部18を有する円筒状の部材である。
【0018】
継手本体16の一方端部(金属管14に接続される側の端部)には円筒状の接続部20が突設されており、接続部20の外周面には雄ネジ22が形成されている。また、継手本体16の他方端部(金属管12に接続される側の端部)には円環状のキャップ部材24が取り付けられている。
【0019】
キャップ部材24は、継手本体16の他方端部の外周面に形成された雄ネジ26にねじ接続されており、継手本体16の材軸に対してキャップ部材24を右に回す(以下、「キャップ部材24を締め付ける」とする)ことにより、中空部18の奥壁28へ向かってキャップ部材24を移動させ、継手本体16の材軸に対してキャップ部材24を左に回す(以下、「キャップ部材24を緩める」とする)ことにより、中空部18の奥壁28から離れる方向にキャップ部材24を移動させることができる。キャップ部材24の前面(金属管12が挿入される側の端面)に形成された開口部は、金属管12が挿入される管体挿入口30となっている。
【0020】
継手本体16の中空部18には、奥壁28よりも手前側(キャップ部材24側)に形成された奥壁90からキャップ部材24に向かって、シール部材としてのOリング32、バックアップリング34、シール部材としてのOリング36、ガイド部材38、スプリング40、ガイド部材42、ロックリング44、楔部材46がこの順に内蔵されている。Oリング32、36、バックアップリング34、ガイド部材38、42、ロックリング44、楔部材46は、全て環状の部材である。
【0021】
ガイド部材38は、スプリング40の反発力によってOリング36に押し当てられており、これによって、Oリング32、36が、奥壁90とガイド部材38との間に挟まれて中空部18内に保持されている。そして、これらの部材(Oリング32、36、バックアップリング34、ガイド部材38、42、楔部材46)の内周面に、水、湯等の流体が通る流路としての貫通孔48が形成されている。金属管12は、外周面がOリング32、36の内周面に接触した状態で管継手10に挿入され、これにより、金属管12と金属管14との連結部における止水性が確保される。
【0022】
ロックリング44は、管継手10に金属管12を着脱可能に保持するための部材である。管継手10へ金属管12を装着する場合には、貫通孔48の所定深さまで金属管12を挿入した後にキャップ部材24を締め付けることにより、ロックリング44の傾斜した前面(キャップ部材24側の面)が楔部材46に押されて、ロックリング44の内周に設けられた爪部50が内側(金属管12の中心軸側)へ移動して金属管12の外周面に食い込む。これにより、金属管12を管継手10内に保持して、金属管12が管継手10から抜け出るのを阻止する。また、管継手10から金属管12を引き抜いて取り外す場合には、キャップ部材24を緩めることにより、爪部50を外側(金属管12の中心軸から離れる側)へ移動させて、ロックリング44による保持状態を解除する。
【0023】
金属管14の内周面には雌ネジ52が形成されており、この雌ネジ52に接続部20の雄ネジ22を捩じ込み締め付けることにより、金属管14の中空部と継手本体16の貫通孔48とを連通させるようにして、金属管14に管継手10を接続している。継手本体16の一方端部側の外周面には、スパナ等の工具によって継手本体16を回せるように、スパナ等の工具を噛み合わせることができるナット部54が形成されている。
【0024】
金属管12の先端部には、樹脂によって形成されたインコア56が装着されている。図2の斜視図、図3の側面図、及び図4の背面図に示すように、インコア56は、金属管12に挿入される挿入部58と、挿入部58の一方端部に設けられ、挿入部58を金属管12に挿入したときに金属管12の端面を覆う環状の鍔部60と、鍔部60の先端外縁に形成された面取り部62と、変形機構64とを有している。挿入部58は、一方端部を形成する円筒部68と、円筒部68の上部と下部とから他方端部側へ略水平に張り出す円弧部70A、70Bとによって構成されている。
【0025】
挿入部58は、金属管12に挿入した際に、挿入部58(円筒部68及び円弧部70A、70B)の外周面と、金属管12の内周面との間に若干の隙間を有するように形成されているので、金属管12にインコア56を装着し易く(挿入部58を挿入し易く)なっている。
【0026】
変形機構64は、挿入部58の一方端部外周面に挿入部58(円筒部68)の外周に沿って形成された環状の第1溝66と、鍔部60の背面74における円筒部68外周面付近に、挿入部58(円筒部68)の外周に沿って形成された環状の第2溝72とによって構成されている。なお、変形機構64は、挿入部58の端部外周面及び鍔部60の背面74の少なくとも一方に挿入部58(円筒部68)の外周に沿って形成された環状の溝であればよい。すなわち、変形機構64は、第1溝66及び第2溝72の少なくとも一方によって構成されていればよい。
【0027】
次に、本発明の第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0028】
管継手10に金属管12を接続する手順としては、まず、図5の側断面図に示すように、キャップ部材24を緩めた状態で、先端部にインコア56が装着された金属管12を、管継手10の管体挿入口30から挿入する。先端部にインコア56が装着されていない金属管12において、金属管12を管継手10に挿入する際に、図6の側断面図に示すように、金属管12の先端がOリング32、36に当たった場合、Oリング32、36が傷付いたり、脱落したりすることが懸念されるが、図5では、鍔部60に形成された面取り部62で、Oリング32、36に接触するので、Oリング32、36が傷付いたり、脱落したりすることを防ぐことができる。
【0029】
次に、図7の側断面図に示すように、外周面をOリング32、36の内周面に接触させながら、中空部18の奥壁28に鍔部60の先端面が当たるまで金属管12を挿入する。
【0030】
次に、キャップ部材24を締め付けて、ロックリング44により金属管12を管継手10内にロックする(金属管12を管継手10内に保持して管継手10から金属管12が抜け出るのを阻止する)。この状態で、金属管12の中空部、鍔部60の中空部、貫通孔48、及び金属管14の中空部が連通し、金属管14から流れ込む水、湯等の流体を金属管12へ送り込んだり、金属管12から流れ込む水、湯等の流体を金属管14へ送り込んだりすることができる。管継手10への金属管12の接続が完了した図7の状態において、Oリング32、36は、内周面が金属管12の外周面に接触しているが、インコア56には接触していない。
【0031】
管継手10から金属管12を取り外す手順としては、まず、キャップ部材24を緩めてロックリング44による管継手10に対する金属管12のロック状態を解除する。
【0032】
次に、管継手10から金属管12を引き抜く。ここで、例えば、図8の側断面図に示すように、鍔部60がOリング32、36に接触したために管継手10内にインコア56が残ってしまった場合には、例えば、手の指を管体挿入口30から挿入し、指の腹をインコア56(円弧部70A、70B)の内周面に押し当てながら引き出せば、図9の側断面図に示すように、Oリング32、36に鍔部60が接触した場合においても、変形機構64により鍔部60が内側(インコア56の中心軸側)へ変形するので、管継手10内に残ってしまったインコア56を、工具等を用いずに容易に取り出すことができる。
【0033】
変形機構64により鍔部60が内側(インコア56の中心軸側)へ変形する作用をもう少し詳しく説明すると、変形機構64を構成する第1溝66及び第2溝72により、挿入部58及び鍔部60の剛性は部分的に小さくなっている。これによって、鍔部60がOリング32、36に接触し、鍔部60がOリング32、36から内側(インコア56の中心軸側)へ向かう力を受けた際に、インコア56(鍔部60)が内側(インコア56の中心軸側)へ変形し縮径する。
【0034】
ここで、鍔部60がOリング32、36に接触する場合としては、鍔部60の外周面にOリング32、36が押し当てられて、インコア56がOリング32、36に保持されている状態や、鍔部60の背面74がOリング32、36に引っ掛かっている状態等が考えられる。
また、変形機構64は、溝(第1溝66、第2溝72)によって構成されているので、簡単な加工により、変形機構64を形成することができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施形態とその作用及び効果について説明する。
【0036】
第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図10の斜視図、図11の側面図、及び図12の正面図に示すように、第2の実施形態のインコア76は、樹脂により形成され、変形機構78を有している。変形機構78は、鍔部60及び円筒部68に形成された複数のスリット80によって構成されている。スリット80は、鍔部60の材軸方向へ形成されている。
【0037】
よって、複数のスリット80を形成することにより鍔部60の剛性を小さくし、インコア76(挿入部58)を管継手10から引き出すときにOリング32、36に鍔部60が接触した場合においても、鍔部60を内側(インコア76の中心軸側)へ変形させることができる。これにより、手の指を管体挿入口30から挿入し、指の腹をインコア76(円弧部70A、70B)の内周面に押し当てながら引き出せば、管継手10内に残ってしまったインコア76を、工具等を用いずに容易に取り出すことができる。
【0038】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0039】
なお、第2の実施形態では、鍔部60及び円筒部68に形成された複数のスリット80によって変形機構78を構成した例を示したが、第2の実施形態のインコア76に、第1の実施形態の変形機構64を設けてもよい。すなわち、1つのインコアに、変形機構64と変形機構78とを併設してもよい。これにより、鍔部60が内側(インコアの中心軸側)に変形し易くなるので、より確実に管継手10内に残ってしまったインコアを取り出すことができる。
【0040】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明した。
【0041】
なお、第1及び第2の実施形態では、インコア56、76を管体としての金属管12の先端部に装着した例を示したが、インコア56、76は、さまざまな管体に対して適用することができる。例えば、銅やステンレスにより形成された金属管や樹脂管を管体としてもよい。
【0042】
また、第1及び第2の実施形態では、インコア56、76を樹脂により形成した例を示したが、インコア56、76は、変形機構64、78によって鍔部60を内側(インコア56、76の中心軸側)に変形させることが可能な材料によって形成されていればよい。例えば、インコア56、76は、銅、ステンレス等の金属や樹脂によって形成してもよい。
【0043】
また、第1及び第2の実施形態では、円筒部68と、円弧部70A、70Bとによって挿入部58を構成した例を示したが、挿入部は、管体に挿入されてインコアを管体の先端部に装着できれば、どのような形状であってもよい。例えば、挿入部は、円筒状であってもよい。
【0044】
また、第1及び第2の実施形態では、挿入部58を金属管12に挿入した際に、挿入部58の外周面と、金属管12の内周面との間に若干の隙間を有するようにした例を示したが、金属管12に挿入した挿入部58を金属管12から抜け難くする手段を講じてもよい。
【0045】
例えば、外径を金属管12の内径よりも若干大きくした挿入部58を金属管12へ嵌め込むようにしてもよいし、図13の側面図、及び図14の背面図に示すインコア84のように、外径を金属管12の内径よりも若干大きくし、インコア84の材軸方向に1つ以上のスリット82を形成した円筒状の挿入部86を、金属管12へ嵌め込むようにしてもよい。
【0046】
この場合、スリット82は、インコア84の材軸方向に対して挿入部86の全長に渡って形成してもよいし、インコア84の材軸方向に対して挿入部86の中央部又は先端部のみに形成してもよい。また、スリット82の幅は適宜決めればよい。
【0047】
また、例えば、図15の側面図に示すように、インコア84における挿入部86外周面の他方端部(鍔部60が設けられていない側)付近に突起88を設けるようにしてもよい。
【0048】
金属管12に挿入した挿入部58を金属管12から抜け難くする手段を講じたインコアを、先端部に装着した金属管12において、この金属管12を管継手10から引く抜くときに、インコアの鍔部60が管継手10に内蔵されたOリング32、36に接触した場合、図9で説明したのと同様に、インコアの鍔部60が内側へ変形し、インコアが金属管12に装着されたままスムーズに金属管12を引く抜くことができる。
【0049】
また、金属管12に挿入した挿入部58を金属管12から抜け難くする手段が十分でなく、金属管12からインコアが抜けて管継手10内にインコアが残ってしまった場合には、先に説明したように、手の指を管体挿入口30から挿入し、指の腹をインコアの内周面に押し当てながら引き出せば、管継手10内に残ってしまったインコアを取り出すことができる。
【0050】
すなわち、本発明は、管継手に残ったインコアを管継手から引き出せ、さらには、管体の先端部に装着されたインコアを管体と一緒に管継手から引き出すことができるものである。
【0051】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1及び第2の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10 管継手
12 金属管(管体)
32、36 Oリング(シール部材)
56、76、84 インコア
58、86 挿入部
60 鍔部
62 面取り部
64、78 変形機構
66 第1溝(溝)
72 第2溝(溝)
74 背面
80 スリット
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体の先端部に装着するインコアに関する。
【背景技術】
【0002】
管体が接続される管継手として、管継手に内蔵されたOリングの内周面に外周面を接触させながら管体を挿入して、この管体を着脱可能に接続するものが挙げられる。
【0003】
このような管継手に管体を挿入する際に、管体の先端がOリングに当たって、Oリングが傷付いたり、脱落したりすることが懸念される。特許文献1では、傘部を備えた樹脂スリーブを金属管の先端部に装着して金属管の先端面を傘部で覆うことにより、管継手に内蔵されたOリングを傷付けることなく管継手に金属管を挿入して接続する技術が開示されている。
【0004】
しかし、樹脂スリーブのようなインコアが先端部に装着された状態で管継手に接続された管体を、管継手から引き抜いて取り外す際に、例えば、インコアの先端部(特許文献1の樹脂スリーブの場合、傘部の外周部)がOリングに接触した場合、管継手内にインコアが残ってしまうことが考えられる。そして、このように管継手内に残ったインコアを取り出すことは難しく、工具等が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−161891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は係る事実を考慮し、管継手内から取り出すことが可能なインコアを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、管継手に内蔵された環状のシール部材に接触して前記管継手に挿入される管体に、該管体の先端部の位置で装着されるインコアにおいて、前記管体に挿入される挿入部と、前記挿入部の端部に設けられ、前記挿入部を前記管体に挿入したときに前記管体の端面を覆う環状の鍔部と、前記鍔部の先端外縁に形成された面取り部と、前記挿入部を前記管継手から引き出すときに前記シール部材に接触した前記鍔部を内側に変形させる変形機構と、を有するインコアである。
【0008】
請求項1に記載の発明では、管体を管継手に挿入するときに、管体の先端部に装着されたインコアの鍔部に形成された面取り部で、管継手に内蔵された環状のシール部材に接触するので、管継手への管体の挿入により、シール部材が傷付いたり、脱落したりするのを防ぐことができる。
【0009】
また、挿入部を管継手から引き出すときにシール部材に鍔部が接触した場合、鍔部が内側に変形することにより、管体を引き抜いて取り外すときに管継手内に残ってしまったインコアを取り出すことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記変形機構は、前記挿入部の端部外周面及び前記鍔部の背面の少なくとも一方に前記挿入部の外周に沿って形成された環状の溝である。
【0011】
請求項2に記載の発明では、挿入部の端部外周面及び鍔部の背面の少なくとも一方に挿入部の外周に沿って環状の溝を形成することにより、挿入部及び鍔部の少なくとも一方の剛性を部分的に小さくする。これによって、挿入部を管継手から引き出すときにシール部材に鍔部が接触した場合、鍔部を内側に変形させることができる。また、簡単な加工により、変形機構を形成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記変形機構は、前記鍔部に形成された該鍔部の材軸方向のスリットである。
【0013】
請求項3に記載の発明では、鍔部の材軸方向のスリットを鍔部に形成することにより、鍔部の剛性を小さくする。これによって、挿入部を管継手から引き出すときにシール部材に鍔部が接触した場合、鍔部を内側に変形させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上記構成としたので、管継手内から取り出すことが可能なインコアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る管継手を示す側断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るインコアを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るインコアを示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るインコアを示す背面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る管継手に管体が挿入される状況を示す説明図である。
【図6】管継手に管体が挿入される際の従来の問題点を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る管継手に管体が挿入された状況を示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る管継手から管体が引き抜かれた状況を示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るインコアの作用を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るインコアを示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るインコアを示す側面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るインコアを示す正面図である。
【図13】本発明の実施形態に係るインコアの変形例を示す側面図である。
【図14】本発明の実施形態に係るインコアの変形例を示す背面図である。
【図15】本発明の実施形態に係るインコアの変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照しながら、本発明のインコアを説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0017】
図1の側断面図には、管継手10を用いて、管体としての金属管12を金属管14に連結する前の状態が示されている。管継手10を構成する金属製又は樹脂製の継手本体16は、円柱状の中空部18を有する円筒状の部材である。
【0018】
継手本体16の一方端部(金属管14に接続される側の端部)には円筒状の接続部20が突設されており、接続部20の外周面には雄ネジ22が形成されている。また、継手本体16の他方端部(金属管12に接続される側の端部)には円環状のキャップ部材24が取り付けられている。
【0019】
キャップ部材24は、継手本体16の他方端部の外周面に形成された雄ネジ26にねじ接続されており、継手本体16の材軸に対してキャップ部材24を右に回す(以下、「キャップ部材24を締め付ける」とする)ことにより、中空部18の奥壁28へ向かってキャップ部材24を移動させ、継手本体16の材軸に対してキャップ部材24を左に回す(以下、「キャップ部材24を緩める」とする)ことにより、中空部18の奥壁28から離れる方向にキャップ部材24を移動させることができる。キャップ部材24の前面(金属管12が挿入される側の端面)に形成された開口部は、金属管12が挿入される管体挿入口30となっている。
【0020】
継手本体16の中空部18には、奥壁28よりも手前側(キャップ部材24側)に形成された奥壁90からキャップ部材24に向かって、シール部材としてのOリング32、バックアップリング34、シール部材としてのOリング36、ガイド部材38、スプリング40、ガイド部材42、ロックリング44、楔部材46がこの順に内蔵されている。Oリング32、36、バックアップリング34、ガイド部材38、42、ロックリング44、楔部材46は、全て環状の部材である。
【0021】
ガイド部材38は、スプリング40の反発力によってOリング36に押し当てられており、これによって、Oリング32、36が、奥壁90とガイド部材38との間に挟まれて中空部18内に保持されている。そして、これらの部材(Oリング32、36、バックアップリング34、ガイド部材38、42、楔部材46)の内周面に、水、湯等の流体が通る流路としての貫通孔48が形成されている。金属管12は、外周面がOリング32、36の内周面に接触した状態で管継手10に挿入され、これにより、金属管12と金属管14との連結部における止水性が確保される。
【0022】
ロックリング44は、管継手10に金属管12を着脱可能に保持するための部材である。管継手10へ金属管12を装着する場合には、貫通孔48の所定深さまで金属管12を挿入した後にキャップ部材24を締め付けることにより、ロックリング44の傾斜した前面(キャップ部材24側の面)が楔部材46に押されて、ロックリング44の内周に設けられた爪部50が内側(金属管12の中心軸側)へ移動して金属管12の外周面に食い込む。これにより、金属管12を管継手10内に保持して、金属管12が管継手10から抜け出るのを阻止する。また、管継手10から金属管12を引き抜いて取り外す場合には、キャップ部材24を緩めることにより、爪部50を外側(金属管12の中心軸から離れる側)へ移動させて、ロックリング44による保持状態を解除する。
【0023】
金属管14の内周面には雌ネジ52が形成されており、この雌ネジ52に接続部20の雄ネジ22を捩じ込み締め付けることにより、金属管14の中空部と継手本体16の貫通孔48とを連通させるようにして、金属管14に管継手10を接続している。継手本体16の一方端部側の外周面には、スパナ等の工具によって継手本体16を回せるように、スパナ等の工具を噛み合わせることができるナット部54が形成されている。
【0024】
金属管12の先端部には、樹脂によって形成されたインコア56が装着されている。図2の斜視図、図3の側面図、及び図4の背面図に示すように、インコア56は、金属管12に挿入される挿入部58と、挿入部58の一方端部に設けられ、挿入部58を金属管12に挿入したときに金属管12の端面を覆う環状の鍔部60と、鍔部60の先端外縁に形成された面取り部62と、変形機構64とを有している。挿入部58は、一方端部を形成する円筒部68と、円筒部68の上部と下部とから他方端部側へ略水平に張り出す円弧部70A、70Bとによって構成されている。
【0025】
挿入部58は、金属管12に挿入した際に、挿入部58(円筒部68及び円弧部70A、70B)の外周面と、金属管12の内周面との間に若干の隙間を有するように形成されているので、金属管12にインコア56を装着し易く(挿入部58を挿入し易く)なっている。
【0026】
変形機構64は、挿入部58の一方端部外周面に挿入部58(円筒部68)の外周に沿って形成された環状の第1溝66と、鍔部60の背面74における円筒部68外周面付近に、挿入部58(円筒部68)の外周に沿って形成された環状の第2溝72とによって構成されている。なお、変形機構64は、挿入部58の端部外周面及び鍔部60の背面74の少なくとも一方に挿入部58(円筒部68)の外周に沿って形成された環状の溝であればよい。すなわち、変形機構64は、第1溝66及び第2溝72の少なくとも一方によって構成されていればよい。
【0027】
次に、本発明の第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0028】
管継手10に金属管12を接続する手順としては、まず、図5の側断面図に示すように、キャップ部材24を緩めた状態で、先端部にインコア56が装着された金属管12を、管継手10の管体挿入口30から挿入する。先端部にインコア56が装着されていない金属管12において、金属管12を管継手10に挿入する際に、図6の側断面図に示すように、金属管12の先端がOリング32、36に当たった場合、Oリング32、36が傷付いたり、脱落したりすることが懸念されるが、図5では、鍔部60に形成された面取り部62で、Oリング32、36に接触するので、Oリング32、36が傷付いたり、脱落したりすることを防ぐことができる。
【0029】
次に、図7の側断面図に示すように、外周面をOリング32、36の内周面に接触させながら、中空部18の奥壁28に鍔部60の先端面が当たるまで金属管12を挿入する。
【0030】
次に、キャップ部材24を締め付けて、ロックリング44により金属管12を管継手10内にロックする(金属管12を管継手10内に保持して管継手10から金属管12が抜け出るのを阻止する)。この状態で、金属管12の中空部、鍔部60の中空部、貫通孔48、及び金属管14の中空部が連通し、金属管14から流れ込む水、湯等の流体を金属管12へ送り込んだり、金属管12から流れ込む水、湯等の流体を金属管14へ送り込んだりすることができる。管継手10への金属管12の接続が完了した図7の状態において、Oリング32、36は、内周面が金属管12の外周面に接触しているが、インコア56には接触していない。
【0031】
管継手10から金属管12を取り外す手順としては、まず、キャップ部材24を緩めてロックリング44による管継手10に対する金属管12のロック状態を解除する。
【0032】
次に、管継手10から金属管12を引き抜く。ここで、例えば、図8の側断面図に示すように、鍔部60がOリング32、36に接触したために管継手10内にインコア56が残ってしまった場合には、例えば、手の指を管体挿入口30から挿入し、指の腹をインコア56(円弧部70A、70B)の内周面に押し当てながら引き出せば、図9の側断面図に示すように、Oリング32、36に鍔部60が接触した場合においても、変形機構64により鍔部60が内側(インコア56の中心軸側)へ変形するので、管継手10内に残ってしまったインコア56を、工具等を用いずに容易に取り出すことができる。
【0033】
変形機構64により鍔部60が内側(インコア56の中心軸側)へ変形する作用をもう少し詳しく説明すると、変形機構64を構成する第1溝66及び第2溝72により、挿入部58及び鍔部60の剛性は部分的に小さくなっている。これによって、鍔部60がOリング32、36に接触し、鍔部60がOリング32、36から内側(インコア56の中心軸側)へ向かう力を受けた際に、インコア56(鍔部60)が内側(インコア56の中心軸側)へ変形し縮径する。
【0034】
ここで、鍔部60がOリング32、36に接触する場合としては、鍔部60の外周面にOリング32、36が押し当てられて、インコア56がOリング32、36に保持されている状態や、鍔部60の背面74がOリング32、36に引っ掛かっている状態等が考えられる。
また、変形機構64は、溝(第1溝66、第2溝72)によって構成されているので、簡単な加工により、変形機構64を形成することができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施形態とその作用及び効果について説明する。
【0036】
第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図10の斜視図、図11の側面図、及び図12の正面図に示すように、第2の実施形態のインコア76は、樹脂により形成され、変形機構78を有している。変形機構78は、鍔部60及び円筒部68に形成された複数のスリット80によって構成されている。スリット80は、鍔部60の材軸方向へ形成されている。
【0037】
よって、複数のスリット80を形成することにより鍔部60の剛性を小さくし、インコア76(挿入部58)を管継手10から引き出すときにOリング32、36に鍔部60が接触した場合においても、鍔部60を内側(インコア76の中心軸側)へ変形させることができる。これにより、手の指を管体挿入口30から挿入し、指の腹をインコア76(円弧部70A、70B)の内周面に押し当てながら引き出せば、管継手10内に残ってしまったインコア76を、工具等を用いずに容易に取り出すことができる。
【0038】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0039】
なお、第2の実施形態では、鍔部60及び円筒部68に形成された複数のスリット80によって変形機構78を構成した例を示したが、第2の実施形態のインコア76に、第1の実施形態の変形機構64を設けてもよい。すなわち、1つのインコアに、変形機構64と変形機構78とを併設してもよい。これにより、鍔部60が内側(インコアの中心軸側)に変形し易くなるので、より確実に管継手10内に残ってしまったインコアを取り出すことができる。
【0040】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明した。
【0041】
なお、第1及び第2の実施形態では、インコア56、76を管体としての金属管12の先端部に装着した例を示したが、インコア56、76は、さまざまな管体に対して適用することができる。例えば、銅やステンレスにより形成された金属管や樹脂管を管体としてもよい。
【0042】
また、第1及び第2の実施形態では、インコア56、76を樹脂により形成した例を示したが、インコア56、76は、変形機構64、78によって鍔部60を内側(インコア56、76の中心軸側)に変形させることが可能な材料によって形成されていればよい。例えば、インコア56、76は、銅、ステンレス等の金属や樹脂によって形成してもよい。
【0043】
また、第1及び第2の実施形態では、円筒部68と、円弧部70A、70Bとによって挿入部58を構成した例を示したが、挿入部は、管体に挿入されてインコアを管体の先端部に装着できれば、どのような形状であってもよい。例えば、挿入部は、円筒状であってもよい。
【0044】
また、第1及び第2の実施形態では、挿入部58を金属管12に挿入した際に、挿入部58の外周面と、金属管12の内周面との間に若干の隙間を有するようにした例を示したが、金属管12に挿入した挿入部58を金属管12から抜け難くする手段を講じてもよい。
【0045】
例えば、外径を金属管12の内径よりも若干大きくした挿入部58を金属管12へ嵌め込むようにしてもよいし、図13の側面図、及び図14の背面図に示すインコア84のように、外径を金属管12の内径よりも若干大きくし、インコア84の材軸方向に1つ以上のスリット82を形成した円筒状の挿入部86を、金属管12へ嵌め込むようにしてもよい。
【0046】
この場合、スリット82は、インコア84の材軸方向に対して挿入部86の全長に渡って形成してもよいし、インコア84の材軸方向に対して挿入部86の中央部又は先端部のみに形成してもよい。また、スリット82の幅は適宜決めればよい。
【0047】
また、例えば、図15の側面図に示すように、インコア84における挿入部86外周面の他方端部(鍔部60が設けられていない側)付近に突起88を設けるようにしてもよい。
【0048】
金属管12に挿入した挿入部58を金属管12から抜け難くする手段を講じたインコアを、先端部に装着した金属管12において、この金属管12を管継手10から引く抜くときに、インコアの鍔部60が管継手10に内蔵されたOリング32、36に接触した場合、図9で説明したのと同様に、インコアの鍔部60が内側へ変形し、インコアが金属管12に装着されたままスムーズに金属管12を引く抜くことができる。
【0049】
また、金属管12に挿入した挿入部58を金属管12から抜け難くする手段が十分でなく、金属管12からインコアが抜けて管継手10内にインコアが残ってしまった場合には、先に説明したように、手の指を管体挿入口30から挿入し、指の腹をインコアの内周面に押し当てながら引き出せば、管継手10内に残ってしまったインコアを取り出すことができる。
【0050】
すなわち、本発明は、管継手に残ったインコアを管継手から引き出せ、さらには、管体の先端部に装着されたインコアを管体と一緒に管継手から引き出すことができるものである。
【0051】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1及び第2の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
10 管継手
12 金属管(管体)
32、36 Oリング(シール部材)
56、76、84 インコア
58、86 挿入部
60 鍔部
62 面取り部
64、78 変形機構
66 第1溝(溝)
72 第2溝(溝)
74 背面
80 スリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管継手に内蔵された環状のシール部材に接触して前記管継手に挿入される管体に、該管体の先端部の位置で装着されるインコアにおいて、
前記管体に挿入される挿入部と、
前記挿入部の端部に設けられ、前記挿入部を前記管体に挿入したときに前記管体の端面を覆う環状の鍔部と、
前記鍔部の先端外縁に形成された面取り部と、
前記挿入部を前記管継手から引き出すときに前記シール部材に接触した前記鍔部を内側に変形させる変形機構と、
を有するインコア。
【請求項2】
前記変形機構は、前記挿入部の端部外周面及び前記鍔部の背面の少なくとも一方に前記挿入部の外周に沿って形成された環状の溝である請求項1に記載のインコア。
【請求項3】
前記変形機構は、前記鍔部に形成された該鍔部の材軸方向のスリットである請求項1に記載のインコア。
【請求項1】
管継手に内蔵された環状のシール部材に接触して前記管継手に挿入される管体に、該管体の先端部の位置で装着されるインコアにおいて、
前記管体に挿入される挿入部と、
前記挿入部の端部に設けられ、前記挿入部を前記管体に挿入したときに前記管体の端面を覆う環状の鍔部と、
前記鍔部の先端外縁に形成された面取り部と、
前記挿入部を前記管継手から引き出すときに前記シール部材に接触した前記鍔部を内側に変形させる変形機構と、
を有するインコア。
【請求項2】
前記変形機構は、前記挿入部の端部外周面及び前記鍔部の背面の少なくとも一方に前記挿入部の外周に沿って形成された環状の溝である請求項1に記載のインコア。
【請求項3】
前記変形機構は、前記鍔部に形成された該鍔部の材軸方向のスリットである請求項1に記載のインコア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−149700(P2012−149700A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8796(P2011−8796)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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