説明

インジケーターパネル

【課題】自動車用等のインジケーターパネルにおいて、パネルの表面に段差、落ち込みのないフラットな光透過パネル表示、並びに加飾方法を提供する。
【解決手段】インジケーターパネル(10)を、内側のパネル台(11)とそのパネル台と同形状に付形した外装パネル(12)とを内側パネル台の表面をカバーするように接着剤で一体に貼り付けてなり、内側パネル台(11)には光が透過する窓孔(13)が設けられ、外装パネル(12)の裏面に表面から透けて見えるように絵文字(14)を施し、絵文字(14)を内側パネル台(11)の窓孔(13)上に配置してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のインジケーターパネルの表面に段差、落ち込みのないフラットな光透過パネル表示並びに加飾方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
自動車等において、インジケーターパネルにシフトレバーが取付けられ、パネル表面にはシフトレバーの位置を示すP.R.N.D.2.L等の絵文字が設けられる。また、パネルの表面はメッキ調、或いは木目調等の加飾が施される。
【0003】
従来、このようなインジケーターパネルはABS樹脂等の硬質樹脂を用いて樹脂成形されるもので、絵文字等の表示部は打抜穴に文字盤を嵌め込んで構成し、このためパネルの表面は、段差や落ち込みが形成されるためフラットなものが得られなかった(特許文献1及び2)。
【0004】
この従来のインジケーターパネルを図5について説明する。図5(a)はインジケーターパネルの斜視図、図5(b)は文字盤の斜視図である。
図5(a)において、50はABS樹脂で成形されたパネル体であり、このパネル体の面に長孔51を設ける。長孔51に裏側から長孔51より大きい文字盤52を嵌め周辺に接着剤を塗布して一体に貼付ける。文字盤52にP.R.N.D.2.L等の文字が印刷され、内側から光を当てると光が透過して表面に文字が浮かび上がる。53はシフトレバー(図示しない)の取付用開口である。
【0005】
しかし、上記した従来のインジケーターパネルでは、P.R.N.D.2.L等の絵文字の表示が文字盤を嵌め込んで構成されるため、段差や落ち込みのないフラットなパネルが得られず、このため段差、落ち込み部にリチやホコリが溜り、意匠的外観において体裁が悪いものであった。又パネル板の全表面にメッキ調、木目調等の加飾印刷が施されるが、このような加飾印刷はパネル板表面に直かに施されるため、摩滅して薄くなったり、剥落し而も、製作加工に手間が掛りコスト高になっていた。
【0006】
【特許文献1】特開2005−67291号公報
【特許文献2】実公平2−19296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、インジケーターパネルを内外2枚のパネル板を用いることによって段差、落ち込みのないフラットなインジケーターパネルを簡単にしかも、コスト的にも安価に提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るインジケーターパネルは、インジケーターパネル(10)を、内側のパネル台(11)とそのパネル台と同形状に付形した外装パネル(12)とを内側パネルの表面をカバーするように接着剤で一体に貼り付けてなり、内側パネル台(11)には光が透過する窓孔(13)が設けられ、外装パネル(12)の裏面に表面から透けて見えるように絵文字(14)を施し、絵文字(14)を内側パネル台(11)の窓孔(13)上に配置し内側からの光源でパネル表面上で光るようにし透過してなることを特徴とする。
【0009】
上記構成により外装パネルはその裏面に施された絵文字が表面に透けて見えるためパネルの表面に段差、落ち込みのないフラットな面を提供することができる。また絵文字を内装パネル台の窓孔上に配置して内側から光源の光を当てると光が窓孔を透して外装パネルの表面で明るく光るためフラットな面に絵文字を鮮明に浮き出すことができる。
【0010】
また、外装パネル(12)を透明樹脂で構成することが好ましい。
【0011】
上記構成において、「透明」とは透けて見えることであるが、着色透明及び半透明を含むものである。外装パネルの裏面に施された絵文字や加飾印刷が表面に透けて見えるものであり、また着色、半透明にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施例)
図1は本発明に係る自動車用のインジケーターパネルの斜視図であり、図2はその平面図である。図3(a)及び(b)は図2A−A線及びBーBの断面図である。また図4(a)は外装パネルの平面図で、図4(b)は内側パネル台の平面図である。図1及び図2に示すようにインジケーターパネル10のほぼ中央に縦方向に長い溝孔20が設けられ、この溝孔にシフトレバー21が嵌挿され、溝孔に沿ってPの位置からLの位置まで移動し且つ各々の位置で停止するように操作される。シフトレバー21の先端にはノブ22が取付けられている。
【0013】
インジケーターパネル10は、内側のパネル台11とそのパネル台と同形状に付形した外装パネル12とを内側のパネル台11の表面をカバーするように一体に貼り付けて構成される。
【0014】
パネル台11は、ABS樹脂のような硬質樹脂の成形品として構成し、外装パネル12の支持台となる。このような内側パネル台11には光が透過する窓孔13が設けられる。
【0015】
外装パネル12は、ポリカーボネート又は、アクリル樹脂で構成する。このような外装パネル12は内側パネル台11に比べ薄質、軽量に形成して内側パネル台の表面をカバーするように接着剤で貼り付けて内外一体となす。この外装パネル12の裏面にP.R.N.D.2.L等の絵文字14を施し、表面から透視して見えるようにする。このため、外装パネル12は透明又は着色、半透明の樹脂で形成する。また、この絵文字14は内側パネル台11の窓孔13上に配置する。
【0016】
加飾印刷15は、メッキ調印刷、木目調印刷等を外装パネル12の裏面に施す。この加飾印刷15の上から接着剤を塗布して全面が内側パネル台11の表面に貼付ける。
【0017】
内側パネル台11の内面に照明用ランプ24の光源及びリフレクター25で反射された光が当ると窓孔13を透して絵文字14を下から照らすので、外装パネル12のフラットな表面にP.R.N.D.2.L等の絵文字がくっきり浮び上がる。
【0018】
本発明に係るインジケーターパネルは、外装パネルを内側のパネル台に表面の全体がカバーするように接着させて一体となし、外装パネルをポリカーボネート又はアクリル樹脂のような樹脂で薄質軽量に形成して裏面に絵文字、及び加飾印刷を施すことにより表面を段差や落ち込みのないフラットな面に簡単に形成でき、インジケーター表示やパネル表面の加飾を容易に実施することができる。また、外装パネルの裏面にメッキ調、木目調等の加飾印刷が施されるため印刷による加飾対応が容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明に係るインジケーターパネルは、段差や落ち込みのないフラットな光透過パネル表示面並びに塗装、メッキによる加飾を裏面より絵文字、加飾印刷にて容易に対応でき、而もパネルに配置される各種スイッチ座面等の形成を容易に低コストで実施できるため、自動車等に適用すれば産業上の利用可能性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るインジケーターパネルにシフトレバーを備えた全体の斜視図である。
【図2】上記インジケーターパネルの平面図である。
【図3】図3(a)は図2のA−A線の断面図である。 図3(b)は図2のB−B線の断面図である。
【図4】図4(a)は本発明インジケーターパネルの外装パネルを示す平面図で、図4(b)は内側パネル台の平面図である。
【図5】図5(a)は従来のインジケーターパネルの一例を示す斜視図で、図5(b)はパネルに嵌め込まれる文字盤の斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
10 インジケーターパネル
11 内側パネル台
12 外装パネル
13 窓孔
14 絵文字
15 加飾印刷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジケーターパネル(10)を、内側のパネル台(11)とそのパネル台と同形状に付形した外装パネル(12)とを内側パネル台の表面をカバーするように接着剤で一体に貼り付けてなり、内側パネル台(11)には光が透過する窓孔(13)が設けられ、外装パネル(12)の裏面に表面から透けて見えるように絵文字(14)を施し、絵文字(14)を内側パネル台(11)の窓孔(13)上に配置してなることを特徴とするインジケーターパネル。
【請求項2】
外装パネル(12)を透明樹脂で構成した請求項1記載のインジケーターパネル。
【請求項3】
外装パネル(12)の裏面に加飾印刷(15)を施した請求項1記載のインジケーターパネル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−176332(P2007−176332A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−377589(P2005−377589)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000192914)株式会社神菱 (6)
【出願人】(000150774)株式会社槌屋 (56)
【Fターム(参考)】