説明

インスタントベシクル製品

【課題】反転ベシクルの粉末を再び溶媒に分散させた場合に、反転ベシクルの分散液が即時に得られる、インスタントベシクル製品を提供すること。
【解決手段】1種以上の非イオン性界面活性剤を有し、任意に親油性安定化因子及び生理活性物質を含む、反転ベシクルの粉末が提供される。該製品は、適当な無極性溶媒中の反転ベシクルの分散液を製造し、次いで上記溶媒を除去して製造される。1以上の賦形剤の混合において、製品は組成物に組み入れられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスタントベシクル製品、その製造方法、及び上記製品を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
無極性溶媒中のベシクルは、Kuniedaら(J.Am.Chem.Soc.113(3) 1051-1052)によって1991年に開示されている。本質的にドデカン中の親水性界面活性剤テトラエチレングリコールドデシルエーテルからなる反転ベシクルは、エチレンオキサイド単位当たり約2.5水分子の添加にもかかわらず1時間〜1日の間に融合し層状液体結晶相に逆戻りするように見える。同じ著者による同じ問題点に関する他の刊行物は、無極性溶媒として直鎖炭化水素化合物の利用についての選択を開示している。しかし、このような分散液は、上記化合物の非常に悪い表面的性質及び嗜好性、その毒性、及び上記化合物が生物分解性でないということを考慮して、製品開発のために非常に制限された実際的な重要性を有する。国際特許出願WO 93/00069は、かなりの時間にわたり安定である無極性溶媒中の反転ベシクルの分散液を開示している。上記公報に開示されたベシクル(vesicle)の分散液は、1以上の界面活性剤、親油性安定化因子、任意に親水性安定化因子及び無極性溶媒からなる混合物を超音波処理することにより製造される。逆ベシクルを製造するための成分は、原則として種々の材料から選択され得る。しかし、10〜30個の炭素原子を有する高級飽和及び不飽和脂肪酸のグリセロールトリエステル、及び植物油等の生物分解性化合物によって炭化水素化合物を置換することにより、逆ベシクルの収率は、偏光顕微鏡により評価されるように、このようなベシクルが炭化水素媒体中で製造された場合の収率よりも、本発明の発明者の経験においてむしろ低くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
反転ベシクルの分散液は、水性媒体中のベシクルの分散液に対して、顕著な利益、とりわけ親油性及び親水性薬剤の封入能力及び親水性薬剤の高い封入能力を示すが故に、封入能力及び効率に影響を及ぼすことなく、上述したようなグリセロールトリエステル及び植物性油脂等の薬学的及び化粧品に許容される媒体中で反転の収率を向上させる方法を見つけるという要求があった。国際特許出願WO 95/20945は、MCTオイル中で30〜40℃で1時間超音波処理することにより得られる特別の加工ガラクトリピドから製造される反転ベシクルの分散液を開示している。大きな反転ベシクルの存在は、微分干渉相対比顕微鏡によって評価されるが、形成されたベシクルの量の評価は粒子サイズ分布を提供しない。上記分散液は約1週間、安定である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
適当な無極性溶媒の中に最初の分散液を製造し、次いで該無極性溶媒を除去し、逆ベシクルの粉末が得られ、同一の無極性溶媒中で分散液はベシクル構造を維持し、従って、反転ベシクルの分散液が再び即時に得られる。意外にも、生分解性オイル等の他の無極性溶媒中の分散液における反転ベシクルの同一の粉末もそのベシクル構造を維持し、この方法により第二の反転ベシクル分散液が即時に得られる。生分解性オイル中の反転ベシクルの量は、生分解性オイル中で直接製造した場合に比較して非常に高いように見える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
反転ベシクルの粉末は、1種以上の非イオン性界面活性剤、及びコレステロール等の親油性安定化因子を任意に含む。親油性安定化因子として用いられる化合物の他の例はWO 93/00069に見られる。製品は、更に生理活性物質を含んでいてもよい。上記非イオン性界面活性剤は、有利には、脂肪酸エステルまたは脂肪酸エーテル等の、ペントース、ヘキソース又はそれらのオリゴマーの誘導体であってもよい。好ましくは、上記非イオン性界面活性剤は、キシロース等のペントースの脂肪酸エステル、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース又はマンニトール等のヘキソース、スクロース、ラクトース又はラクツロース等のオリゴマーである。ペントース及びヘキソースは1以上のエステル化可能なヒドロキシル基を利用するので、上記化合物の脂肪酸エステルは、モノ−、ジ−、トリ−及びポリ−エステルの混合物を含む。最も好ましくは、上記化合物は界面活性剤の重量に基づいて少なくとも50重量%のモノエステルを含み、更に好ましくは少なくとも70重量%のモノエステルを含む。同じことは対応するエーテル化合物にも適用される。エステル化に適当な脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸及びオレイン酸等の、炭素数8〜30個の直鎖飽和及び不飽和脂肪酸である。特に、及び商業的に利用できることを考慮して、スクロースの脂肪酸エステルが、インスタント製品の製造のために用いられる。それらの適当な例は、S-970(スクロースステアレート、50%モノエステル、50%ジ−、トリ−及びポリエステル);P-1570(スクロースパルミテート、70%モノエステル);S-1670(スクロースステアレート、75%モノエステル);M-1695(スクロースミリステート、80%モノエステル)及びL-1695(スクロースラウレート、80%モノエステル)である。
【0006】
反転ベシクルの粉末は、以下の工程を含む方法により製造される。
−1以上の界面活性剤、及び任意の適当な無極性溶媒中の親油性安定化因子及
び生理活性物質の混合物の超音波処理又は微流動化(microfluidisation)によ
り第一の反転ベシクルの分散液を製造し、
−次いで、上記無極性溶媒を除去する。
生理活性物質を含む、ベシクルを構成する反転ベシクル及び/又は成分は、第一の反転ベシクルの分散液を製造するために用いられる無極性溶媒に不溶性又は実質的に不溶性である。上記無極性溶媒は、上記技術を用いた場合に、特にベシクルが溶解する温度より低い温度で、高い蒸気圧を有する化合物又はそれらの混合物から選択される。このような無極性溶媒の例としては、Abil(登録商標)K4、イソパラフィン等のイソアルカン、及び酢酸エチル等の(C1−C4)アルキルアルカノエートが挙げられる。
【0007】
第一の反転ベシクルの分散液は、例えば、国際特許出願WO 93/00069に開示されたような、当業界において公知の方法で製造することができる。好ましくは、第一の反転ベシクルの分散液の製造の間に、水等の親水性安定化因子を加える。ベシクルの粒子サイズを減少するためには少量の水で十分であると思われ、結果として、反転ベシクルの量、及び反転ベシクルの形成速度が増加する。例えば、非イオン性界面活性剤としてスクロースエステルが用いられた場合、界面活性剤の重量に基づいて15重量%までの量の水が有利に用いられる。更に好ましくは、第一の反転ベシクルの分散液の製造の間に、5〜10重量%の水が添加される。該ケースに見られるように、水は製造の間のいくつかの段階で添加され得るが、好ましくは開始時に全てを添加する。
【0008】
第一の反転ベシクルの分散液からの無極性溶媒の除去は、例えば蒸発、遠心、ろ過、凍結乾燥等のいくつかの方法で実施することができる。しかし、ベシクルの二層構造が除去の間に混乱されないようにすることが重要である。蒸発技術が好ましく、特に回転蒸発(rotational evaporation)及び噴霧乾燥(spray-drying)が好ましい。上記工程を用いるには、例えば、いわゆる凍結乾燥工程に用いられる凍結保護物質等の賦形剤の添加は必要でない。
【0009】
上述し、添付した実施例に詳細に記載されたように得られた製品は、ベシクル構造を含み、結果として第一の反転ベシクルに含まれているなら生理活性物質を含み、被包性である。1以上の賦形剤を、本発明の他の特徴を含む組成物に組み入れてもよい。賦形剤は、錠剤、カプセル等を製造するために、乾燥粉末又は顆粒形態であってもよい。賦形剤は、分散液を製造するために、液体又は半固体であってもよい。液体は水又はプロピレングリコール等の極性溶媒であってもよく、又は生分解性化合物である。この方法により、当業界で公知の方法により生分解性化合物中で直接製造する場合に比較し、生分解性化合物中で反転ベシクルの分散液を多量に製造することが可能であることが証明される。このような、生分解性天然又は合成化合物の例としては、オレイン酸等の脂肪酸、落花生油及びゴマ油等の植物性油脂、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びアラキドン酸等の、炭素数12〜30の飽和及び不飽和、直鎖脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリドが挙げられる。
【0010】
組成物に本発明の製品を組み入れるいずれの方法でも、非揮発性炭化水素無極性分散液溶媒の悪い悪い表面的な、及び嗜好性が除去されることは明らかである。生理活性物質の反転ベシクルの封入効率が無極性溶媒の選択によって影響を受けるので、本発明の製品は、非溶媒である無極性溶媒、好ましくは生理活性物質をも用いて得られるという利点がある。第二の反転ベシクルの分散液を即座に得るための他の無極性溶媒中の製品の分散について、生理活性物質の高い封入効果が見出される。反転ベシクルの粉末の他の利点は、種々の成分の安定性の向上、及び特に構造上の整合性によるベシクルからの生理活性化合物の漏れ防止である。
【0011】
先の発明を説明、及び明瞭にし理解することを目的として詳細に説明するが、本発明の教示に照らして、当業者が添付した請求の範囲の精神及び範囲を逸脱しないで特定の変化及び修飾をすることは容易に明らかであろう。
以下の実施例は本発明を更に説明する。
実施例1
44.375gのシリコーン油(Abil K4,登録商標)、5gのスクロースパルミテートP1570(C.N.Schmidt B.V.Amsterdam, The Netherlandsから得られたような70%のモノエステル化、及び30%のジ−及びポリエステル化スクロース)、0.5gのコレステロール及び0.125gのp-アミノ安息香酸(PABA)を、90℃の恒温装置付きの容器に計った。混合物をBranson Sonifier 250(Branson Ultrasonics Corp. Danbury, U.S.A.)を用いて97ワット出力で30分間超音波処理し、次いで、7.5℃の冷却水で15分間室温に達するまで容器を冷却した。冷却の間、混合物を50%のデューティサイクルを有する97ワット出力で超音波処理した。冷却の間、マグネチックバーを用いて混合物を撹拌することにより、容器の壁におけるシリコーン油の結晶化を防止した。
【0012】
1.1回転蒸発による無極性溶媒の除去
そのようにして得られたベシクルの分散液50mlを、250mlの丸底フラスコに移した。Buchi Rotavap (Buchi Laboratoriums AG, Flawil, Switzerland)を用いてシリコーン油を蒸発させ、水浴は30℃に維持した。丸底フラスコの回転速度を5にセットし、圧力を0.1バールに減少した。蒸発が終了した後、残ったフィルムを集め、乳鉢中で粉砕した。
【0013】
1.2噴霧乾燥による無極性溶媒の除去
50mlのベシクルの分散液を小型噴霧乾燥機(Buchi 190, Buchi Laboratorium AG Flawil, Switzerland)に移した。作動条件:空気流 500NL/h、入口温度 67℃、出口温度 56℃。
【0014】
実施例2
890gのシリコーン油(Abil K4,登録商標)、100gのスクロースパルミテートP1570、10gのコレステロールを、70℃に維持した恒温装置付きの容器に計った。成分をUltra Turrax高剪断ミキサーを用いて10分間混合した。この予備ホモジネーションの後、混合物を9000PSIの圧力で操作されるM110 T 流動化装置(Microfluidics Corp.,Newton, U.S.A.)に移し、いくつかのサイクルを通過させた。流動化装置は、Neslab Exacal Ex-410装置(Neslab, Newington, U.S.A.)を用いて30℃に温度調整された。最後のサイクルの後、分散液をNeslab Endocal RTE 220フロースルー冷却装置(Neslab, Newington, U.S.A.)を用いて冷却し、水浴の温度は25℃にセットした。
【0015】
2.1回転蒸発による無極性溶媒の除去
そのようにして得られたベシクルの分散液50mlを、250mlの丸底フラスコに移した。Buchi Rotavap (Buchi Laboratoriums AG, Flawil, Switzerland)を用いてシリコーン油を蒸発させ、水浴は30℃に維持した。丸底フラスコの回転速度を5にセットし、圧力を0.1バールに減少した。蒸発が終了した後、残ったフィルムを集め、乳鉢中で粉砕した。
【0016】
2.2噴霧乾燥による無極性溶媒の除去
50mlのベシクルの分散液を小型噴霧乾燥機(Buchi 190, Buchi Laboratorium AG Flawil, Switzerland)に移した。作動条件:空気流 500NL/h、入口温度 67℃、出口温度 56℃。
【0017】
実施例3
実施例1.1で得られた粉末製品1.125g、及びカプリル酸/カプリル酸トリグリセリド(Miglyol 812N,登録商標)、落花生油、ヒマシ油、オレイン酸及び揮発性シリコーン油Abil K4(登録商標)からなる群から選択される油8.875gを20mlのサンプルバイアルに計った。混合物を、マグネチックスターラーを用いて150rpmで10分間撹拌した。製造直後及び室温に2週間分散液を保存した後に、いわゆるマルタ十字として分散液中の反転ベシクルの存在を偏光顕微鏡(Olympus (登録商標)BH2 Tokyo Japan)により評価した。結果を表1に示す。
【0018】
表1
分散液中の粉末 外観
Miglyol 812N(登録商標) 反転ベシクル及び多数の反転ベシクルの凝集
落花生油 反転ベシクル及び多数の反転ベシクルの凝集
ヒマシ油 反転ベシクル及び多数の反転ベシクルの凝集
オレイン酸 反転ベシクル及び多数の反転ベシクルの凝集
Abil K4(登録商標) 反転ベシクル及び多数の反転ベシクルの凝集
室温に2週間保存した後に外観には変化が見られなかった。
【0019】
実施例4
実施例1.1で得られた粉末製品1.125g、及びカプリル酸/カプリル酸トリグリセリド(Miglyol 812N,登録商標)、落花生油、ヒマシ油及び揮発性シリコーン油Abil K4(登録商標)からなる群から選択される油8.875gを20mlのサンプルバイアルに計った。混合物を、マグネチックスターラーを用いて150rpmで10分間撹拌した。
製造直後に、1gの反転ベシクル分散液あたりの封入されたPABAの割合として定義されるPABAの封入効率を、下記式により計算した。
EF=[1-(f*FP/TP)]*100%
式中、f=封入されていない無極性溶媒の重量画分
FP=封入されていない無極性溶媒中に溶解しているPABAの濃度(mg/g)
TP=無極性溶媒中の反転ベシクルの分散液に溶解しているPABAの濃度(mg/g)
結果を表2に示す。
【0020】
表2
分散液中の粉末 封入効率(%) 平均±標準偏差
Miglyol 812N(登録商標) 71.8±14.2
落花生油 71.2± 0.9
ヒマシ油 57.9± 0.8
Abil K4(登録商標) 98.5± 0.1
【0021】
実施例5
カプリル酸/カプリル酸トリグリセリド(Miglyol 812N,登録商標)、落花生油、ヒマシ油、オレイン酸及びシリコーン油Abil K4(登録商標)である無極性溶媒中の反転ベシクルの分散液を実施例1に従って製造した。
製造直後、及び室温に2週間保存した後、分散液の外観を実施例3に記載した偏光顕微鏡により評価した。結果を表3に示す。
【0022】
表3
製造直後の反転ベシクルの分散液 外観
Miglyol 812N(登録商標) 少しの巨大な反転ベシクル及び非ベシクル物質
落花生油 少しの反転ベシクル、少しのPABA結晶及び多数の
非ベシクル物質
ヒマシ油 非ベシクル物質のみ
オレイン酸 非ベシクル物質のみ
Abil K4(登録商標) 逆ベシクルのみ
室温に2週間保存した後、外観における変化は観察されなかった。
PABAの欠如(十分な量)によるPABAの封入効果は測定しなかった。
【0023】
実施例6
表4に示す量のシリコーン油Abil K4(登録商標)、スクロースパルミテートP-1570、コレステロール及び水を、88℃の100mlの恒温装置付き反応容器に計った。混合物を4.8mmの直径のマイクロチップを備えたBranson Sonifier 250で30分間、88ワット出力で超音波処理した。次いで、試料を15℃の冷却槽を用いて周囲温度まで冷却した。冷却は凝集を防止するため20分間撹拌しながら実施した。
2つのバッチを準備し、それぞれ、超音波処理を開始した15及び30分後に水を加えた。
全てのバッチを、室温で密封したガラスびん中で撹拌した。
Abil K4(登録商標)中の反転ベシクルの粉末の分散によって、無極性溶媒の除去によりベシクル構造が変化することが明らかである。
【0024】
表4
スクロースパルミテート 10 10 10 10 10 10 10
コレステロール 1 1 1 1 1 1 1
シリコーン油 89 86.5 84 79 79 79 74
水含量(%) 0 2.5 5 10 10 10 15
15分後 30分後
粒径 6-12 2-6 1-4 1-4 1-4 8-16 1-4
(マイクロスコピアル) μm μm μm μm μm μm μm
粒子量 - +/- ++ ++ ++ - ++
粒径分布 - - +/- + +/- + +
水滴 - - - - - + +
可視結晶 - - - - - - -
沈降速度* + - - - - - ++ - -
*沈降速度:++非常に速い、--遅い
【0025】
実施例7
表5に示す組成を有する反転ベシクルの分散液を実施例6に記載された方法に従って製造した。反応容器の代わりに、二重壁を備えた密閉容器を用いた。7.5℃の冷却槽を用いて試料を冷却した。無極性溶媒として酢酸エチルを用いた場合、混合物を超音波処理した温度は60℃に減少した。Abil K4(登録商標)中の反転ベシクルの粉末の分散によって、無極性溶媒の除去によりベシクル構造が変化することが明らかである。
【0026】
表5
反転ベシクル分散液
成分
スクロースパルミテート 10 10 10 10 10 10 10 10 10
P-1570
コレステロール - 1 2 - 1 2 - 1 2
水 - - - 1 1 1 - - -
イソパラフィン 90 89 88 89 88 87 - - -
(Exxon Chemical
Internationalから
得られるIsopar E)
酢酸エチル - - - - - - 90 89 88
平均粒径(nm) 324 471 432 142 120 169 5138 1097 426
標準偏差 10 15 58 12 8 3 6396 163 104
【0027】
実施例8
表6に示す組成を有する反転ベシクルの分散液を実施例7に記載された方法に従って製造した。
無極性溶媒を除去した後、0.5gの反転ベシクルの粉末を150rpmで撹拌しながら15gのプロピレングリコールに分散させた。6時間後、全てのバッチでマルタ十字が観察され、シリコーン油Abil K4(登録商標)における同一の製品の分散の後に得られた結果に匹敵した。
【0028】
表6
成分 % % % %
スクロースパルミテート 10 10 10 10
コレステロール 1 2 1 1
水 - - 0.5 1
Abil K4(登録商標) 89 88 88.5 88

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上の非イオン性界面活性剤を含有する、反転ベシクルの粉末であって、上記非イオン性界面活性剤がペントース、ヘキソース又はそれらのオリゴマーの脂肪酸エステルである、粉末。
【請求項2】
ペントース、ヘキソース又はそれらのオリゴマーの脂肪酸エステルが、界面活性剤の重量に基づいて少なくとも50重量%のモノエステルを含有する、請求項1記載の粉末。
【請求項3】
上記モノエステルが界面活性剤の重量に基づいて、少なくとも70重量%存在する、請求項1又は2記載の粉末。
【請求項4】
上記非イオン性界面活性剤がスクロースの脂肪酸エステルである、請求項1〜3のいずれか1項記載の粉末。
【請求項5】
更に親油性安定化因子を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の粉末。
【請求項6】
生理活性化合物を包含する、請求項1〜5のいずれか1項記載の粉末。
【請求項7】
非イオン性界面活性剤、及び任意に親油性安定化因子及び無極性溶媒中の生理活性物質からの反転ベシクルの分散液を製造することを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の粉末の製造方法であって、上記無極性溶媒が生分解性の無極性溶媒ではなく、かつ該無極性溶媒が反転ベシクルの製造後に除去されることを特徴とする方法。
【請求項8】
上記無極性溶媒が蒸発技術により除去される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
上記無極性溶媒が揮発性化合物である、請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
上記揮発性化合物が、シリコーン油、イソパラフィン及び炭素数1〜4個のアルキルアルカノエートからなる群から選択される、請求項7〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
反転ベシクルの分散液を製造する際に、親水性安定化因子を、上記界面活性剤の重量に基づいて15重量%の量まで添加する、請求項7〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
親水性安定化因子を、上記界面活性剤の重量に基づいて5〜10重量%の量、添加する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
親水性安定化因子として水を用いる、請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜6のいずれか1項記載の粉末、又は請求項7〜13のいずれか1項記載の方法により得られた製品により製造された組成物。
【請求項15】
生分解性オイル中の反転ベシクル分散液の製造方法であって、請求項1〜6のいずれか1項記載の粉末、又は請求7項〜13のいずれか1項記載の方法により得られた製品を生分解性オイルに分散することを特徴とする方法。

【公開番号】特開2009−62386(P2009−62386A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272186(P2008−272186)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【分割の表示】特願平9−540544の分割
【原出願日】平成9年5月12日(1997.5.12)
【出願人】(592099787)アステラス ファルマ ユーロープ ベスローテン フェンノートシャップ (5)
【Fターム(参考)】