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インストルメントパネル
説明

インストルメントパネル

【課題】磁石の吸着が可能でありかつ磁石で取り付けられた物品のガラスへの写り込みによる視界悪化を防止したインストルメントパネルを提供する。
【解決手段】自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネル1を、インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層P2が形成された磁性領域Mと、インストルメントパネルの他部に設けられ磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域NMとを有し、インストルメントパネルの運転席前方側における上面部を磁性制限領域とした構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルに関し、特に磁性体を配合した層を形成した磁性領域を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車室内には、例えばインストルメントパネル等の内装部材が設けられる。インストルメントパネルは、通常、樹脂系材料からなる基材の表面に、意匠性を高めるための塗装、加飾パネルや表皮の貼付等を行なって構成されている。
このような車両の内装部材に関する従来技術として、例えば特許文献1には、自動車の車室内で容易にメモを取ることが可能なよう、インストルメントパネルの正面に書き込み可能なホワイトボードを設置したものが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、ダッシュボード(インストルメントパネル)から落下しないように小物類を載置することを目的として、磁気吸着が可能な軟質滑り止めシートをダッシュボードの表面に貼付することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−307929号公報
【特許文献2】特開2007−302849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インストルメントパネルの表面部に例えば磁性塗料からなる層を設けて、例えばメモやアクセサリなどの物体を磁力で取付可能とすれば、車室内の使い勝手を向上することができ便利である。
しかし、インストルメントパネルに磁石により取り付けた物品の像がフロントガラスに反射してドライバの視界に入ると、視界が悪化することが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、磁石の吸着が可能でありかつ磁石で取り付けられた物品のガラスへの写り込みによる視界悪化を防止したインストルメントパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、前記インストルメントパネルの運転席前方側における上面部を前記磁性制限領域としたことを特徴とするインストルメントパネルである。
【0007】
請求項2の発明は、前記磁性制限領域は、前記インストルメントパネルの車幅方向中央部より運転席側における上面部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネルである。
請求項3の発明は、前記磁性制限領域は、前記インストルメントパネルの車幅方向中央部より運転席側における上面部を含み、かつ、前記インストルメントパネルの中央部より助手席側の車幅方向に半扇状に広がった形状に形成されることを特徴とする請求項2に記載のインストルメントパネルである。
これらの各発明によれば、運転者の前方視界に物品が写り込むことを確実に防止できる。
【0008】
請求項4の発明は、自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、前記インストルメントパネルにはほぼ水平に配置された上面部及び前記上面部の後端部から下方へ延びた正面部が形成され、前記上面部を前記磁性制限領域とし、前記正面部を磁性領域としたことを特徴とするインストルメントパネルである。
これによれば、正面部には磁石の吸着を可能として利便性を向上するとともに、フロントガラスに写り込みやすい上面部には磁石の吸着を不可能として物品の写り込みを防止することができる。
【0009】
請求項5の発明は、自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、前記インストルメントパネルの上部には車両後方側が車両前方側に対して低くされた斜面部が形成され、前記斜面部を前記磁性制限領域としたことを特徴とするインストルメントパネルである。
請求項6の発明は、自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、前記インストルメントパネルの上部には車両後方側が車両前方側に対して低くされた斜面部が形成され、前記斜面部の高さ方向における中間部よりも上方を前記磁性制限領域とし、前記中間部よりも下方を前記磁性領域としたことを特徴とするインストルメントパネルである。
請求項7の発明は、前記斜面部が第1の凸面部と、前記第1の凸面部の下方に設けられた第2の凸面部と、前記第1の凸面部及び前記第2の凸面部の間に配置された凹面部とを有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のインストルメントパネルである。
請求項8の発明は、前記斜面部の高さ方向における中間部に加飾パネルが設けられ、前記磁性領域は前記加飾パネルを挟んだ両側に配置されることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のインストルメントパネルである。
これらの各発明においても、斜面の上部又は全部を磁性制限領域とすることによって、物品の写り込みを防止することができる。
【0010】
請求項9の発明は、自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、前記インストルメントパネルの上面部における車幅方向中央部に他の部分に対して隆起した凸部が形成され、前記インストルメントパネルの上部における前記凸部よりも運転席側の領域を前記磁性制限領域としたことを特徴とするインストルメントパネルである。
これによれば、センターメータレイアウトの車両等においても、物品の写り込みを適切に防止することができる。
【0011】
請求項10の発明は、自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、運転席に着座させた成人ダミーの眼部からフロントガラスを見たときに、前記フロントガラスで反射像を視認可能である範囲を前記磁性制限領域としたことを特徴とするインストルメントパネルである。
請求項11の発明は、前記成人ダミーが50パーセンタイル成人男性ダミーであることを特徴とする請求項10に記載のインストルメントパネルである。
これらの各発明によれば、物品の移り込みを防止するための非磁性領域の設定を適切に行なうことができる。
【0012】
請求項12の発明は、前記磁性領域は、磁性体からなる粉状体、粒状体、線状体、網状体の少なくとも1つを配合した磁性塗料をインストルメントパネルの基材に塗布して形成されることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のインストルメントパネルである。
これによれば、インストルメントパネルの形状に関わらず、磁性体を配合した塗料を塗布することによって、容易に磁石領域を形成することができる。
また、このような塗装の表面側に、他の意匠用塗装を施したり、意匠用の表皮を被せることも可能であり、磁性領域を配置する箇所の設計自由度が高くかつ外観品質が良好なインストルメントパネルを提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、インストルメントパネルの上面部において、フロントガラスでの反射像がドライバの視界に入りやすい領域を磁性制限領域とすることによって、このような領域に磁石で物品が取り付けられることを防止し、物品の反射像によってドライバの視界が悪化することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用したインストルメントパネルの実施例1の外観斜視図である。
【図2】図1のインストルメントパネルにおける磁性領域と非磁性領域との境界部の模式的拡大断面図である。
【図3】本発明を適用したインストルメントパネルの実施例2の外観斜視図である。
【図4】本発明を適用したインストルメントパネルの実施例3の外観斜視図である。
【図5】図4のV−V部矢視模式的断面図である。
【図6】本発明を適用したインストルメントパネルの実施例4の模式的断面図である。
【図7】本発明を適用したインストルメントパネルの実施例5の模式的断面図である。
【図8】本発明を適用したインストルメントパネルの実施例6を上方から見た模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、磁石の吸着が可能でありかつ磁石で取り付けられた物品のガラスへの写り込みによる視界悪化を防止したインストルメントパネルを提供する課題を、運転席正面等のインストルメントパネルの上面部を磁性制限領域とし、他の部分を磁性領域とすることによって解決した。
【実施例1】
【0016】
以下、本発明を適用したインストルメントパネルの実施例1について説明する。
図1は、実施例1のインストルメントパネルの外観斜視図である。
インストルメントパネル(ダッシュボード)1は、例えば乗用車等の自動車の車室内前部に設けられる内装部材である。
インストルメントパネル1は、樹脂系材料からなる基材の表面に意匠用等の塗装を施して形成されている。この塗装については、後に詳しく説明する。
インストルメントパネル1は、上面部10、正面部20、下面部30、メータナセル40、センターコンソール50等を備えて構成されている。
【0017】
上面部10は、インストルメントパネル1の上部に、上方に面して配置された面部である。
上面部10は、例えば、車両前方側に対して後方側がやや下がった緩斜面状に形成されている。
上面部10の前端部11は、図示しないフロントガラスの下端部と隣接して配置されている。
上面部10の側端部12は、図示しないAピラー(フロントガラス側端部に沿ったピラー)の下端部と隣接して配置されている。
また、上端部10の左右の側端部12近傍には、図示しないフロントドアガラスに空調風を吹きつけるデフロスタ吹出し口13が設けられている。
【0018】
正面部20は、上面部10の車両後方側の端部から下方に延びて形成された面部である。正面部20は、運転席及び助手席に着座する図示しない乗員の上体に対向して配置されている。上面部10の後端部と正面部20の上端部とは、曲面によって滑らかに連続して形成されている。
正面部20は、ナビゲーション装置収容部21、内側吹出し口22、外側吹出し口23、加飾パネル24等を有して構成されている。
【0019】
ナビゲーション装置収容部21は、正面部20の中央部に設けられ、ナビゲーション装置の表示装置等が取り付けられる部分である。
内側吹出し口22及び外側吹出し口23は、乗員の上体に向けて空調風を吹出すものである。
内側吹出し口22は、ナビゲーション装置収容部21の左右に隣接して設けられている。
外側吹出し口23は、正面部20の車幅方向における両端部に設けられている。
加飾パネル24は、例えば木目調、金属調等の表面処理が施された意匠用の部材である。加飾パネル24は、正面部20の下端部近傍に配置され、車幅方向にほぼ沿って延在している。
【0020】
下面部30は、正面部20の下端部から下方に延びて形成された面部である。下面部30は、乗員の脚部と対向して配置されている。下面部30は、下端部側が上端部側に対して車両前方側となるように傾斜して配置されている。
下面部30における助手席側の部分には、開閉式のグローブボックスリッド31が設けられている。
【0021】
メータナセル40は、上面部10及び正面部20における運転席と対向する部分に設けられている。メータナセル40は、上面部10及び正面部20の他部に対して隆起して形成され、内部に計器盤が設けられている。
【0022】
センターコンソール50は、下面部30の車幅方向における中央部から、車両後方に突き出して形成された部分である。
センターコンソール50は、例えば、車両前方側から順に、シフトレバー取付部51、カップホルダ52、コンソールボックス53等が設けられている。
シフトレバー取付部51は、変速機の図示しないシフトレバーが設けられる部分である。
カップホルダ52は、飲料のカップ、ボトル等を収容する凹部である。
コンソールボックス53は、上部に開閉式のリッド部を有し、小物等を収容する収容スペースである。
【0023】
インストルメントパネル1の各部の表面は、樹脂系材料の基材Bと意匠用塗装P1との中間に、例えば鉄粉等の粉状の磁性体を配合した磁性塗料P2からなる層を形成した磁性領域Mと、このような磁性塗料P2からなる層を形成しない非磁性領域NM(磁性制限領域)とを有している。
このような構成により、磁性領域Mにおいては、磁石を吸着させることが可能であり、アクセサリやメモ等を簡易に取り付けることが可能となっている。
【0024】
図2は、インストルメントパネル1における磁性領域Mと非磁性領域NMとの境界部の模式的拡大断面図である。
図2に示すように、磁性領域Mにおいては、基材Bの表面に磁性塗料P2からなる層が形成され、その表面に意匠用塗料P1からなる層が形成されている。
一方、非磁性領域NMにおいては、基材Bの表面に直接意匠用塗装P1からなる層が形成されている。
【0025】
実施例1においては、インストルメント1の車幅方向中央部よりも運転者側における上面部10及びメータナセル40の表面部を磁性制限領域NMとし、その他の領域(上面部10の助手席側の領域、下面部30、センターコンソール50等)を磁性領域Mとしている。
また、正面部20においては、加飾パネル24を上下に挟んだ両側が磁性領域Mとなっている。
以上説明した実施例1によれば、インストルメントパネル1の上面部10において、フロントガラスGでの反射像がドライバの視界に入りやすい運転席正面の領域を非磁性領域NMとすることによって、このような領域に磁石で物品が取り付けられることを防止し、物品の反射像によってドライバの視界が悪化することを防止できる。
一方、他の領域は磁性領域Mとすることによって、メモ、小物、有料道路や駐車場のチケット等の物品を磁石で簡単に取り付けることができ、利便性を向上できる。
また、磁性領域Mを、基材Bの表面側に磁性塗料P2を塗布して形成したことによって、インストルメントパネル1の形状等の設計自由度を損なうことなく容易に磁性を帯びさせることが可能である。
さらに、磁性領域Mにおける磁性塗料P2の表面側に、意匠用塗料P1を塗布することによって、外観品質を向上することができる。
【実施例2】
【0026】
次に、本発明を適用したインストルメントパネルの実施例2について説明する。
なお、以下説明する各実施例においては、従前の実施例と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図3は、実施例2のインストルメントパネルの外観斜視図である。
図3に示すように、実施例2のインストルメントパネル1Bにおいては、非磁性領域NMの車幅方向における助手席側の端部を、車両前方側ほど車幅方向外側に広がるように配置し、非磁性領域NMを半扇形に形成している。非磁性領域NMの車幅方向助手席側の前端部は、図示しないAピラーの基部に隣接して配置されている。
以上説明した実施例2においては、上述した実施例1と同様の効果に加えて、助手席側の視界にも物品の反射像が入り込むことを防止し、ドライバの視界をさらに向上できる効果がある。
【実施例3】
【0027】
次に、本発明を適用したインストルメントパネルの実施例3について説明する。
図4は、実施例3のインストルメントパネルの外観斜視図である。
図5は、インストルメントパネル1を助手席正面部で車幅方向に対して直交する平面で切って見た横断面形状(図4のV−V部矢視断面)を示す模式的断面図である。
図4に示すように、実施例3のインストルメントパネル1Cにおいては、助手的前方側の上面部10のほぼ全面を非磁性領域NMとし、正面部20、下面部30、センターコンソール50のほぼ全面を磁性領域Mとしている。
【0028】
ここで、非磁性領域NMは、図5に示すように、運転席に着座させた例えばAM50パーセンタイル成人男性ダミー人形Dの眼部位置EPから見たときに、フロントガラスGの反射像として目視可能な範囲に設定する。すなわち、眼部位置EPにおいて反射像を確認できない領域は、磁性領域Mとする。
以上説明した実施例3によれば、上述した実施例1、2と実質的に同様の効果に加えて、さらに、磁石によって取り付けられた物品の写り込みをより確実に防止してドライバの視界悪化を防止できる。
【実施例4】
【0029】
次に、本発明を適用したインストルメントパネルの実施例4について説明する。
図6は、実施例4のインストルメントパネル1Dを助手席正面部で車幅方向に対して直交する平面で切って見た横断面形状を示す模式的断面図(実施例3におけるV−V部矢視断面に相当)である。
図6に示すように、実施例4のインストルメントパネル1Bにおいては、上面部10の前後方向における中間部に、車幅方向にほぼ沿って溝状に伸びた凹面部14が形成されている。
上面部10における凹面部14より車両前方側の領域は、凹面部14に対して上方に隆起しかつ上方が凸となる凸曲面状に形成されている。
上面部10における凹面部14より車両後方側の領域は、正面部20、下面部30とともに、車両後方側が凸となる凸曲面状に形成されている。
【0030】
実施例4においては、上面部10のほぼ全面を非磁性領域NMとしているが、凹面部14の直前(直上)の帯状の領域は、他の部分に対して比較的傾斜が急となっており、乗員側に面しているため、この部分がフロントガラスGに写りこむ可能性は低い。そのため、凹面部14の直前の領域15は、磁性領域Mとして磁石の吸着を可能としている。
以上説明した実施例4においても、上述した各実施例と実質的に同様の効果を得ることができる。
また、上面部10であっても写り込みが生じにくい箇所については磁性領域Mとすることで、磁石が吸着可能な箇所を多くして利便性を向上できる。
【実施例5】
【0031】
次に、本発明を適用したインストルメントパネルの実施例5について説明する。
図7は、実施例5のインストルメントパネル1Eを助手席正面部で車幅方向に対して直交する平面で切って見た横断面形状を示す模式的断面図(実施例3におけるV−V部矢視断面に相当)である。
図7に示すように、実施例5においては、上面部10及び正面部20がともにほぼ平面状に形成され、その境界部にはR面取り状の狭小な凸曲面部が形成されている。上面部10は、ほぼ水平に配置され、正面部20は上面部10の後端部から下方へ伸びている。
実施例5においては、上面部10のほぼ全面を非磁性領域NMとし、正面部20及び下面部30のほぼ全面を磁性領域Mとしている。
以上説明した実施例5においても、上述した各実施例の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
【実施例6】
【0032】
次に、本発明を適用したインストルメントパネルの実施例6について説明する。
図8は、実施例6のインストルメントパネルを上方から見た模式的平面図である。
実施例6のインストルメントパネル1Fは、メータナセル40が車幅方向におけるほぼ中央部に設けられた、いわゆるセンターメータレイアウトとなっている。
実施例6においては、メータナセル40が上面部10から最も隆起した中央部から、車車幅方向における運転的側の領域における上面部10を非磁性領域NMとし、その他の部分を磁性領域Mとしている。
以上説明した実施例6においても、上述した各実施例の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
【0033】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)各実施例では、磁性制限領域を、磁性体を実質的に配置しない非磁性領域としたが、本発明はこれに限らず、例えば、磁性領域に対して相対的に弱い磁性を持たせた領域を磁性制限領域としてもよい。このような磁性制限領域は、例えば、磁性領域に対して低密度の磁性体が配合された磁性塗料を塗布したり、磁性塗料の塗布厚さを薄くして形成することができる。
(2)各実施例の非磁性領域の配置は一例であって、本発明はこれに限定されず、非磁性領域の配置や形状は適宜変更することが可能である。
(3)各実施例では、磁性塗料は、例えば鉄粉を配合して構成されているが、鉄に代えてその他の磁性体を用いてもよい。また、磁性体の携帯も粉状体に限らず、粒状体、線状体、網状体などとしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1,1B,1C,1D,1E,1F インストルメントパネル
10 上面部
11 前端部 12 側端部
13 デフロスタ吹出し口 14 凹面部
20 正面部
21 ナビゲーション装置収容部 22 内側吹出し口
23 外側吹出し口 24 加飾パネル
30 下面部 31 グローブボックスリッド
40 メータナセル 50 センターコンソール
51 シフトレバー取付部 52 カップホルダ
53 コンソールボックス
M 磁性領域 NM 非磁性領域
B 基材 P1 意匠用塗料
P2 磁性塗料 G フロントガラス
D ダミー人形 EP 眼部位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、
前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、
前記インストルメントパネルの運転席前方側における上面部を前記磁性制限領域としたことを特徴とするインストルメントパネル。
【請求項2】
前記磁性制限領域は、前記インストルメントパネルの車幅方向中央部より運転席側における上面部に形成されること
を特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネル。
【請求項3】
前記磁性制限領域は、前記インストルメントパネルの車幅方向中央部より運転席側における上面部を含み、かつ、前記インストルメントパネルの中央部より助手席側の車幅方向に半扇状に広がった形状に形成されること
を特徴とする請求項2に記載のインストルメントパネル。
【請求項4】
自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、
前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、
前記インストルメントパネルにはほぼ水平に配置された上面部及び前記上面部の後端部から下方へ延びた正面部が形成され、前記上面部を前記磁性制限領域とし、
前記正面部を磁性領域としたこと
を特徴とするインストルメントパネル。
【請求項5】
自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、
前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、
前記インストルメントパネルの上部には車両後方側が車両前方側に対して低くされた斜面部が形成され、
前記斜面部を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とするインストルメントパネル。
【請求項6】
自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、
前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、
前記インストルメントパネルの上部には車両後方側が車両前方側に対して低くされた斜面部が形成され、
前記斜面部の高さ方向における中間部よりも上方を前記磁性制限領域とし、前記中間部よりも下方を前記磁性領域としたこと
を特徴とするインストルメントパネル。
【請求項7】
前記斜面部が第1の凸面部と、前記第1の凸面部の下方に設けられた第2の凸面部と、前記第1の凸面部及び前記第2の凸面部の間に配置された凹面部とを有すること
を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のインストルメントパネル。
【請求項8】
前記斜面部の高さ方向における中間部に加飾パネルが設けられ、前記磁性領域は前記加飾パネルを挟んだ両側に配置されること
を特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のインストルメントパネル。
【請求項9】
自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、
前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、
前記インストルメントパネルの上面部における車幅方向中央部に他の部分に対して隆起した凸部が形成され、
前記インストルメントパネルの上部における前記凸部よりも運転席側の領域を前記磁性制限領域としたことを特徴とするインストルメントパネル。
【請求項10】
自動車の車室内前部に設けられるインストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの一部に設けられ磁性体を配合した層が形成された磁性領域と、
前記インストルメントパネルの他部に設けられ前記磁性領域に対して低密度の磁性体を配合した層が形成され又は磁性体を配合した層が形成されない磁性制限領域とを有し、
運転席に着座させた成人ダミーの眼部からフロントガラスを見たときに、前記フロントガラスで反射像を視認可能である範囲を前記磁性制限領域としたこと
を特徴とするインストルメントパネル。
【請求項11】
前記成人ダミーが50パーセンタイル成人男性ダミーであること
を特徴とする請求項10に記載のインストルメントパネル。
【請求項12】
前記磁性領域は、磁性体からなる粉状体、粒状体、線状体、網状体の少なくとも1つを配合した磁性塗料をインストルメントパネルの基材に塗布して形成されること
を特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のインストルメントパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−171575(P2012−171575A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38154(P2011−38154)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】