説明

インターフェロン−IgG融合体

本発明は、特に、様々な疾患(例えば、HCV)の処置のためのポリペプチドならびに処置の方法およびこれらのポリペプチドを調製する方法を提供する。一実施形態において、上記インターフェロンは、配列番号12、13および14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態において、上記IgG4は、配列番号1において示されているアミノ酸配列を含む。一実施形態において、上記インターフェロンは、ペプチドリンカーにより上記IgG4に融合されている(例えば、ここで、上記リンカーは、約2から約18まで(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18)の個数のアミノ酸を含み;例えば、配列番号7、8、9、10、11、17、18、19または20のアミノ酸配列を含む)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願第60/685,018号の利益を請求する;米国仮特許出願第60/685,018号は、2005年5月26日に出願されており、本明細書中に参考として全体が援用されている。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、インターフェロン(IFN)とIgG4との間の融合ポリペプチドならびに使用の方法およびその調製の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
様々な型のインターフェロンが、ウイルス感染、癌および他の疾患(多発性硬化症が挙げられる)の処置のために承認されてきた。例えば、インターフェロンα−2bは、ヘアリーセル白血病、悪性黒色腫、濾胞性リンパ腫、尖圭コンジローム、AIDS関連カポジ肉腫、慢性C型肝炎感染および慢性B型肝炎感染について承認されてきた。ポリエチレングリコール(PEG)にインターフェロンを融合させることの利点は、そのインビボでの半減期を延長させ、それによって、期間にわたり必要とされる投薬の回数を減少させることである。例えば、2つの以下のようなペグ化されたIFN製品が、1週に1回の投薬頻度で承認されてきた:IFNタンパク質に共有結合した12kDa PEGまたは40kDa PEGを各々有する、PEG−lntron(登録商標)およびPegasys(登録商標)。IFNの長期持続型全身循環レベルが拍動性のプロフィールよりも優れた効力をもたらすので、半減期における薬物動態学的な延長は、患者のコンプライアンスの改善に加えて、都合よく、治療の薬理学的性質および関係する効力を変える。非特許文献1は、インターフェロン−α−2bおよびその変異体とIgG1との間の融合を説明する。Jonesらは、上記融合がHCV感染の処置に適切であり得ること、およびこの融合が有利な薬物動態学の性質を有することを主張する。例えば、IgG1は比較的高レベルの抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を示すことが明らかにされてきた(非特許文献2を参照のこと)ので、延長された半減期、低い毒性および高い活性を示し、そして製造することが簡単かつ安価である分子に融合したインターフェロンを含む組成物に対する当該分野における必要性が、存在する。
【非特許文献1】Jonesら,J.Interferon and Cytokine Res.2004年,24,p.560−572
【非特許文献2】Steplewskiら,Proc Natl Acad Sci U S A.1988年,第85巻,第13号,p.4852−4856
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、特に、当該分野におけるこの必要性に取り組む。本発明は、1つ以上のIgG4ポリペプチド(例えば、例えば、CH2+CH3+ヒンジ領域を含むFc領域ポリペプチド)に融合した1つ以上のインターフェロンポリペプチドを含む、単離されたポリペプチドを提供する。一実施形態において、上記インターフェロンは、インターフェロンα−1a、インターフェロンα−1b、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−2c、インターフェロンα−4a、インターフェロンα−4b、インターフェロンα−5、インターフェロンα−6、インターフェロンα−7a、インターフェロンα−7b、インターフェロンα−8a、インターフェロンα−8b、インターフェロンα−8c、インターフェロンα−10a、インターフェロンα−10b、インターフェロンα−13、インターフェロンα−14a、インターフェロンα−14b、インターフェロンα−14c、インターフェロンα−16、インターフェロンα−17a、インターフェロンα−17b、インターフェロンα−17c、インターフェロンα−17d、インターフェロンα−21a、インターフェロンα−21b、インターフェロンα−24、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンτ、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b、インターフェロンγ−1b、インターフェロンγ、インターフェロンα Fおよびインターフェロンα con1からなる群から選択されるメンバー(例えば、配列番号2、3または15)である。一実施形態において、上記インターフェロンは、配列番号12、13および14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態において、上記IgG4は、配列番号1において示されているアミノ酸配列を含む。一実施形態において、上記インターフェロンは、ペプチドリンカーにより上記IgG4に融合されている(例えば、ここで、上記リンカーは、約2から約18まで(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18)の個数のアミノ酸を含み;例えば、配列番号7、8、9、10、11、17、18、19または20のアミノ酸配列を含む)。本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物中の、本明細書中の任意のIFN−IgG4融合体を含む。
【0005】
本発明はまた、非共有結合性複合体において共に結合した、本発明の2つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10)のIFN−Igポリペプチドを含む多量体を提供する。本発明の一実施形態において、上記多量体のポリペプチドは、二価の陽イオン(例えば、Zn2+)と配位結合している。
【0006】
本発明はまた、結晶形態である本明細書中の任意のIFN−Igポリペプチドを提供する。
【0007】
本発明の範囲内に含まれているのは、1種以上のさらなる薬剤と合わせて、本明細書中の任意のIFN−IgG4融合体を含む組成物である;例えば、これらの薬剤は、フラビウイルス科のウイルス感染、多発性硬化症、慢性肉芽腫症に関連する重症の感染、悪性大理石骨病、難治性もしくは再発性である外部の尖圭コンジローム、ヘアリーセル白血病、慢性期であるフィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)、悪性黒色腫、濾胞性リンパ腫、尖圭コンジローム、AIDS関連カポジ肉腫、B型肝炎感染およびC型肝炎感染から群から選択される医学的状態を処置するために適切である。一実施形態において、上記さらなる薬剤は、リバビリン、イサトリビン、VX−497、ビラミジン、BILN 2061、VX−950、IDN−6556および本明細書中に示されている任意の他の薬剤(例えば、下の「薬学的組成物」の節の中またはその薬学的組成物)からなる群から選択されるメンバーである。
【0008】
本発明はまた、本明細書中に示されている任意のIFN−IgG4融合体をコードする単離されたポリヌクレオチドを含む。本発明の一実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、配列番号4、5および16からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。本発明の一実施形態は、本発明のポリヌクレオチドを含む組換えベクターを含む。また本発明の範囲内に含まれているのは、上記ベクターを含む単離された宿主細胞である。
【0009】
本方法は、インターフェロンをIgG4に融合させる(例えば、配列番号2、3および15から選択されるアミノ酸配列を含む融合体を調製する)工程を包含する、インビボでのインターフェロンの半減期を延長させるための方法を提供する。例えば、一実施形態において、上記方法は、この融合ポリペプチドを、例えば、宿主細胞(例えば、細菌細胞(例えば、E.coli))内で組換えにより発現させる工程(例えば、ここで、上記融合体は、例えば、調節性エレメント(例えば、プロモーター)に作動可能に連結している組換えベクター内で、上記融合体が発現される条件下で、上記融合体をコードするポリヌクレオチドを導入することにより発現される)、必要に応じて上記融合体を単離する工程、および上記融合体またはその薬学的組成物を被験体(例えば、ヒト)の体内に導入する工程を包含する。一実施形態において、上記インターフェロンは、インターフェロンα−1a、インターフェロンα−1b、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−2c、インターフェロンα−4a、インターフェロンα−4b、インターフェロンα−5、インターフェロンα−6、インターフェロンα−7a、インターフェロンα−7b、インターフェロンα−8a、インターフェロンα−8b、インターフェロンα−8c、インターフェロンα−10a、インターフェロンα−10b、インターフェロンα−13、インターフェロンα−14a、インターフェロンα−14b、インターフェロンα−14c、インターフェロンα−16、インターフェロンα−17a、インターフェロンα−17b、インターフェロンα−17c、インターフェロンα−17d、インターフェロンα−21a、インターフェロンα−21b、インターフェロンα−24、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンτ、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b、インターフェロンγ−1b、インターフェロンγ、インターフェロンα Fおよびインターフェロンα con1からなる群から選択されるメンバーである。一実施形態において、上記インターフェロンは、配列番号12、13および14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態において、上記IgG4は、配列番号1において示されているアミノ酸配列を含む。
【0010】
本発明はまた、インターフェロン治療により処置可能である任意の医学的状態、例えば、フラビウイルス科のウイルス感染、多発性硬化症、慢性肉芽腫症に関連する重症の感染、悪性大理石骨病、難治性もしくは再発性である外部の尖圭コンジローム、ヘアリーセル白血病、慢性期であるフィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)、悪性黒色腫、濾胞性リンパ腫、尖圭コンジローム、AIDS関連カポジ肉腫、B型肝炎感染およびC型肝炎感染からなる群から選択される任意の医学的状態を、被験体において、処置または予防するための方法を提供する。上記方法は、被験体に、IgG4に融合したインターフェロンを含む単離されたポリペプチドまたはその薬学的に受容可能な組成物(例えば、配列番号2、3および15から選択されるアミノ酸配列を含む)の治療的に有効な量を投与する工程を包含する。一実施形態において、被験体は、妊婦または授乳婦である。一実施形態において、上記インターフェロンは、インターフェロンα−1a、インターフェロンα−1b、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−2c、インターフェロンα−4a、インターフェロンα−4b、インターフェロンα−5、インターフェロンα−6、インターフェロンα−7a、インターフェロンα−7b、インターフェロンα−8a、インターフェロンα−8b、インターフェロンα−8c、インターフェロンα−10a、インターフェロンα−10b、インターフェロンα−13、インターフェロンα−14a、インターフェロンα−14b、インターフェロンα−14c、インターフェロンα−16、インターフェロンα−17a、インターフェロンα−17b、インターフェロンα−17c、インターフェロンα−17d、インターフェロンα−21a、インターフェロンα−21b、インターフェロンα−24、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンτ、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b、インターフェロンγ−1b、インターフェロンγ、インターフェロンα Fおよびインターフェロンα con1からなる群から選択されるメンバーである。一実施形態において、上記ポリペプチドは、1種以上のさらなる薬剤;例えば、フラビウイルス科のウイルス感染、多発性硬化症、慢性肉芽腫症に関連する重症の感染、悪性大理石骨病、難治性もしくは再発性である外部の尖圭コンジローム、ヘアリーセル白血病、慢性期であるフィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)、悪性黒色腫、濾胞性リンパ腫、尖圭コンジローム、AIDS関連カポジ肉腫、B型肝炎感染およびC型肝炎感染からなる群から選択される医学的状態を処置するために適切である、またはその薬学的組成物と合わせて投与される。一実施形態において、上記さらなる薬剤は、リバビリン、イサトリビン、VX−497、ビラミジン、BILN 2061、VX−950、IDN−6556および本明細書中に示されている任意の他の薬剤(例えば、下の「薬学的組成物」の節の中)からなる群から選択される。一実施形態において、上記インターフェロンは、配列番号12、13および14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態において、上記IgG4は、配列番号1に示されているアミノ酸配列を含む。一実施形態において、上記宿主はヒトである(例えば、妊娠しているヒトまたは授乳婦)。一実施形態において、必要に応じて抗ウイルス治療薬と合わせた、IgG4に融合したインターフェロンを含む単離されたポリペプチドまたはその薬学的に受容可能な組成物の治療的に有効な量は、検出可能なC型肝炎ウイルスのRNAを根絶するためそして処置期間の終了後少なくとも12週間(例えば、24週間)にわたってC型肝炎ウイルスのRNAを検出不可能に維持するために十分な処置期間にわたって、投与される。
【0011】
本発明はまた、ポリヌクレオチドが発現される条件下で、宿主細胞内に、IgG4に融合したインターフェロンを含むポリペプチドをコードするこのポリヌクレオチドを導入する工程を包含する、IgG4に融合したインターフェロンを含むポリペプチドを調製するための方法を提供する。一実施形態において、上記方法はさらに、上記ポリペプチドを単離する工程を包含する。また本発明の範囲内に含まれているのは、上記ポリペプチドを調製するための方法により調製される任意のポリペプチドである。
【0012】
本発明のさらなる実施形態は、必要に応じてリンカーペプチドにより、短い半減期のサイトカイン(例えば、任意の種由来のIL−10)に融合したIgG4を含む任意の単離された融合体;このような融合体をコードする任意のポリヌクレオチドに加えて、このようなポリヌクレオチドを含む任意の単離されたベクター、およびこのようなベクターを含む任意の宿主細胞を含む。本発明はまた、IgG4−IL−10融合ポリペプチドの治療的に有効な量を投与することにより、任意の炎症性障害(例えば、多発性硬化症、炎症性腸症候群、乾癬、クローン病、慢性関節リウマチ、または潰瘍性大腸炎)を被験体において処置または予防するための任意の方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明は、特に、有益なインビボのPK/PDプロフィールを示し、そして単一工程の製造プロセスにより簡便に調製され得るIFN−IgG4産物を提供する。実際、上記単一工程の製造プロセスは、従来のIFNの組換え発現の複雑さと同様の複雑さである。さらに、IFN−IgG4の上記PK/PDプロフィールは、低い投薬頻度のみを必要とする。IgG4は、低い毒性(例えば、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)および/またはCDC(補体依存性細胞傷害))を示すので、他のIgG(例えば、IgG1)と比べて有益である。単一の理論または作用機構による拘束を受けることはないが、IgG4は、Fc補体および/またはFcγレセプターに、比較的不十分にしか結合しないので、本発明のIgG4融合体は、他の免疫グロブリンのサブタイプより低いADCCおよび/またはCDCを示す(例えば、Steplewskiら,Proc Natl Acad Sci U S A.85(13):4852−4856(1988)を参照のこと)。単一の理論または作用機構による拘束を受けることはないが、本発明の融合体は、効果的には胎盤関門を通過しないので、上記融合体は、妊婦の処置のために適切である。インターフェロンa2bは、Macaca mulatta(アカゲザル)において15×10および30×10IU/kgで流産の影響を有することが、示されている。胎盤関門を通過することが不可能であり、例えば、ウイルス感染(例えば、C型肝炎ウイルス)を有する妊婦に禁忌でないインターフェロンa2bが、有益である。
【0014】
(分子生物学)
本発明に従って、当該分野の技術の範囲内で、従来の分子生物学、微生物学および組換えDNA技術が、用いられ得る。このような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、Sambrook,Fritsch & Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第2版(1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(本明細書中で「Sambrookら,1989」);DNA Cloning:A Practical Approach,第I巻および第II巻(D.N.Glover編集,1985);Oligonucleotide Synthesis(MJ.Gait編集,1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins編集(1985));Transcription And Translation (B.D.Hames & S.J.Higgins編集(1984));Animal Cell Culture(R.I.Freshney編集(1986));Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press,(1986));B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning (1984);F.M.Ausubelら(編集),Current Protocols in Molecular Biology.John Wiley & Sons, Inc.(1994)を参照のこと。
【0015】
「ポリヌクレオチド」、「核酸」または「核酸分子」は、1本鎖形態、2本鎖形態またはその他で、リボヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、ウリジンもしくはシチジン;「RNA分子」)またはデオキシリボヌクレオシド(デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシチミジン、もしくはデオキシシチジン;「DNA分子」)のホスファートエステル高分子形態、あるいはその任意のホスホエステルアナログ(例えば、ホスホロチオアートおよびチオエステル)を含む。
【0016】
「ポリヌクレオチド配列」、「核酸配列」または「ヌクレオチド配列」は、核酸(例えば、DNAまたはRNA)における一連のヌクレオチド塩基(「ヌクレオチド」とも呼ばれる)であり、2つ以上のヌクレオチドの任意の鎖を意味する。
【0017】
「コード配列」または発現産物(例えば、RNA、ポリペプチド、タンパク質、または酵素)を「コードする」配列は、発現される場合に、この産物の生成をもたらすヌクレオチド配列である。
【0018】
用語「遺伝子」は、1つ以上のRNA分子、タンパク質もしくは酵素の全体または一部分を含むリボヌクレオチドあるいはアミノ酸の特定の配列をコードするか、あるいはこれらに対応するDNA配列を意味し、そして、例えば、遺伝子が発現される条件を決定する調節性DNA配列(例えば、プロモーター配列)を含んでも含まなくてもよい。遺伝子は、DNAからRNAに転写され得、このRNAは、アミノ酸に翻訳されることもあるし、されないこともある。
【0019】
「タンパク質配列」、「ペプチド配列」もしくは「ポリペプチド配列」または「アミノ酸配列」は、タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドにおいて、一連の2つ以上のアミノ酸を含む。
【0020】
用語「単離されたポリヌクレオチド」または「単離されたポリペプチド」は、細胞または組換えDNA発現系において標準的に見出される他の構成成分から、部分的または完全に分離されたポリヌクレオチド(例えば、RNA分子もしくはDNA分子、または混合高分子)あるいはポリペプチドを各々含む。これらの構成成分としては、細胞膜、細胞壁、リボソーム、ポリメラーゼ、血清成分および外来性のゲノム配列が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
単離されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、好ましくは、本質的に均質の分子の組成物であるが、いくらかの異質性を含み得る。
【0022】
本明細書中に用いられているDNAの「複製」は、DNA配列の混合物中の特定のDNA配列の濃度を増加させるためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用を含む。PCRの説明については、Saikiら,Science(1988)239:487を参照のこと。
【0023】
用語「宿主細胞」は、細胞による物質の生成(例えば、この細胞による、遺伝子、DNA配列もしくはRNA配列またはタンパク質の発現あるいは複製)のために、任意の方法で、選択、改変、トランスフェクション、形質転換、増殖されるか、または使用もしくは操作される任意の生物体の任意の細胞を含む。宿主細胞としては、細菌細胞(例えば、E.coli)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、マウスマクロファージJ774細胞または任意の他のマクロファージ細胞株およびヒト腸上皮Caco2細胞が挙げられる。
【0024】
ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、当該分野において公知の任意の方法により決定され得る(例えば、化学的配列決定または酵素的配列決定)。DNAの「化学的配列決定」は、個々の塩基に特異的な反応を用いて、DNAが無作為に切断される方法(例えば、MaxamおよびGilbert(1977)(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:560の方法)を含む。DNAの「酵素的配列決定」は、Sanger方法(Sangerら,(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463)のような方法を含む。
【0025】
本明細書中のポリヌクレオチドは、天然の調節性(発現調節)配列に隣接し得るか、または異種配列(プロモーター、internal ribosome entry sites(IRES)および他のリボソーム結合部位配列、エンハンサー、応答配列、サプレッサー、シグナル配列、ポリアデニル化配列、イントロン、5’−および3’−の非コード領域などを含む)に連結され得る。
【0026】
一般的に、「プロモーター」または「プロモーター配列」は、(例えば、直接的に、またはプロモーターに結合しているタンパク質または物質を介して)細胞内のRNAポリメラーゼを結合させ、そしてコード配列の転写を開始するDNA調節性領域である。プロモーター配列は、一般的に、転写開始部位の3’末端に隣接し、そして、任意のレベルで転写を開始するために必要な最小の数の塩基または要素を含むように上流(5’方向)に伸長する。上記プロモーター配列内には、(例えば、ヌクレアーゼS1を用いたマッピングにより、便利よく定義されている)転写開始部位およびRNAポリメラーゼの結合をもたらすタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が、見出され得る。上記プロモーターは、他の発現調節配列(エンハンサー配列およびリプレッサー配列を含む)または本発明のポリヌクレオチドに作動可能に連結され得る。遺伝子発現を調節するために用いられ得るプロモーターとしては、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(米国特許第5,385,839号および同第5,168,062号)、SV40の初期プロモーター領域(Benoistら,(1981)Nature 290:304−310)、ラウス肉腫ウイルスの3’末端の長いリピート内に含まれているプロモーター(Yamamotoら,(1980)Cell 22:787−797)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら,(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1441−1445)、メラトニン遺伝子の調節性配列(Brinsterら,(1982)Nature 296:39−42);原核生物の発現ベクター(例えば、β−ラクタマーゼプロモーター(Villa−Komaroffら,(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:3727−3731)、またはtacプロモーター(DeBoerら,(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21−25);また、Scientific American(1980) 242:74−94における「Useful proteins from recombinant bacteria」も参照のこと;および酵母または他の真菌に由来するプロモーターエレメント(例えば、Gal 4プロモーター、ADC(アルコールデヒドロゲナーゼ)プロモーター、PGK(ホスホグリセロールキナーゼ)プロモーターまたはアルカリホスファターゼプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
コード配列は、この配列がこのコード配列のRNA(好ましくはmRNA)へのRNAポリメラーゼ媒介性転写を指向し、次いで、RNAが(RNAがイントロンを含む場合に)RNAスプライシングされ得、必要に応じて、このコード配列によりコードされるタンパク質に翻訳され得る場合に、細胞において、転写調節配列および翻訳調節配列「の制御下にある」か、これらの配列に「機能的に連結している」かまたは「作動可能に連結している」。
【0028】
用語「発現する」および「発現」は、遺伝子、RNA配列またはDNA配列における情報が明らかになることを可能にすることまたはこれを引き起こすこと;例えば、対応する遺伝子の転写および翻訳に関係する細胞機能を活性化することにより、タンパク質を生成することを意味する。DNA配列は、細胞においてまたは細胞により発現されて、「発現産物」(例えば、RNA(例えば、mRNA)またはタンパク質)を形成する。上記発現産物自体はまた、細胞により「発現される」と言われる。
【0029】
用語「形質転換」は、ポリヌクレオチドの細胞への導入を意味する。この導入された遺伝子または配列は、「クローン」と呼ばれ得る。この導入されたDNAまたはRNAを受容する宿主細胞は、「形質転換」され、かつ、「形質転換体」または「クローン」である。宿主細胞に導入されたDNAまたはRNAは、任意の起源(宿主細胞と同じ属もしくは種の細胞、または異なる属もしくは種の細胞に由来する細胞を含む)に由来し得る。
【0030】
用語「ベクター」は、宿主を形質転換し、必要に応じて、その導入された配列の発現および/または複製を促進するように、DNA配列またはRNA配列が宿主細胞に導入される手段であるビヒクル(例えば、プラスミド)を含む。
【0031】
本発明において用いられ得るベクターは、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組込み可能なDNAフラグメント、および宿主へのポリヌクレオチドの導入を容易にし得る他のビヒクルを含む。プラスミドは、最も一般的に用いられているベクターの形態であるが、類似の機能を供給し、そして当該分野において公知であるか公知になる全ての他のベクターの形態は、本明細書中の使用に適する。例えば、Pouwelsら,Cloning Vectors:A Laboratory Manual,1985および補遺,Elsevier,N.Y.,およびRodriguezら(編集),Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses,1988,Buttersworth,Boston,MA.を参照のこと。
【0032】
用語「発現系」は、適切な条件下で、ベクターにより輸送され、そして宿主細胞内に導入されるタンパク質または核酸を発現し得る、宿主細胞および適合可能なベクターを意味する。一般的な発現系としては、E.coli宿主細胞およびプラスミドベクター、昆虫宿主細胞およびバキュロウイルスベクター、ならびに哺乳動物宿主細胞およびベクターが挙げられる。
【0033】
本発明のIFN−IgG4融合ポリペプチドをコードする核酸の発現は、原核生物の細胞または真核生物の細胞のいずれかにおいて、従来の方法により実施され得る。E.coli宿主細胞が原核生物システムにおいて最も頻繁に用いられるが、多くの他の細菌(例えば、シュードモナス属およびバチルス属の様々な株)もまた、当該分野において公知であり、用いられ得る。上記IFN−IgG4融合ポリペプチドをコードする核酸を発現するための適切な宿主細胞は、原核生物および高等真核生物を含む。原核生物は、グラム陰性生物とグラム陽性生物との両者(例えば、E.coliおよびB.subtilis)を含む。高等真核生物は、非哺乳動物起源(例えば、昆虫細胞および鳥類)と哺乳動物起源(例えば、ヒト、霊長類および齧歯類)との両者の動物細胞由来の確立された組織培養細胞株を含む。
【0034】
原核生物の宿主ベクター系は、多くの異なる種についての広範なベクターを含む。DNAを増幅するための代表的なベクターは、pBR322または任意の多くのその誘導体(例えば、pUC18または19)である。上記IFN−IgG4ポリペプチドを発現するために用いられ得るベクターとしては、lacプロモーター(pUC系列);trpプロモーター(pBR322−trp);lpプロモーター(pIN系列);λ−pPプロモーターもしくはpRプロモーター(pOTS);またはハイブリッドプロモーター(例えば、ptac(pDR540))を含むベクターが挙げられるが、これらに限定されない。Brosiusらの「Expression Vectors Employing Lambda−,trp−,lac−,and Ipp−derived Promoters」,Rodriguez および Denhardt(編集)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses,1988,Buttersworth,Boston,pp.205−236を参照のこと。米国特許第4,952,496号、同第5,693,489号および同第5,869,320号において、ならびにDavanloo,P.ら,(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:2035−2039;Studier,F.W.ら,(1986)J.Mol.Biol.189:113−130;Rosenberg,A.H.ら,(1987)Gene 56:125−135;およびDunn,J.J.ら,(1988)Gene 68:259において開示されているように、多くのポリペプチドは、E.coli/T7発現系において、高レベルで発現され得る。
【0035】
高度真核生物の組織培養細胞はまた、本発明のIFN−IgG4融合ポリペプチドの組換え調製のために用いられ得る。高度真核生物の組織培養細胞株(昆虫バキュロウイルス発現系および哺乳動物細胞を含む)が、用いられ得る。このような細胞の形質転換またはトランスフェクションおよび増殖は、慣習的な手順になった。有用な細胞株の例としては、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、J774細胞、Caco2細胞、仔ラット腎臓(BRK)細胞株、昆虫細胞株、鳥細胞株、およびサル(COS)細胞株が挙げられる。典型的に、このような細胞株のための発現ベクターは、複製起点、プロモーター、翻訳開始部位、(ゲノムDNAが用いられる場合には)RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、および転写終結部位を含む。これらのベクターはまた、通常、選択遺伝子または増幅遺伝子を含む。適切な発現ベクターは、例えば、アデノウイルス、SV40、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、またはサイトメガロウイルスのような供給源に由来するプロモーターを保有するプラスミド、ウイルス、またはレトロウイルスであり得る。発現ベクターの例としては、pCR(登録商標)3.1、pCDNA1、pCD(Okayamaら,(1985)Mol.Cell Biol.5:1136)、pMC1neo Poly−A(Thomasら,(1987)Cell 57:503)、pREP8、pSVSPORTおよびその誘導体、ならびにバキュロウイルスベクター(例えば、pAC373またはpAC610)が挙げられる。
【0036】
ポリペプチドにおいて起こる修飾(例えば、翻訳後修飾)はしばしば、そのポリペプチドがどのように生成されるかについての機能である。宿主においてクローニングされた遺伝子を発現することにより生成されるポリペプチドについて、例えば、その修飾の性質および程度は、大部分が、宿主細胞の翻訳後修飾の能力およびポリペプチドのアミノ酸配列内に存在する修飾シグナルにより決定される。例えば、周知のように、グリコシル化はしばしば、細菌宿主(例えば、E.coli)において起こらない。従って、IFN−IgG4のグリコシル化が所望される場合、このポリペプチドは、グリコシル化する宿主、一般的には真核生物の細胞において発現され得る。昆虫細胞はしばしば、哺乳動物細胞のグリコシル化と類似する翻訳後のグリコシル化を実行する。この理由のために、昆虫細胞発現系は、グリコシル化の天然のパターンを有する哺乳動物タンパク質を効率的に発現するように、開発されてきた。本発明において用いられ得る昆虫細胞は、昆虫綱の生物に由来する任意の細胞である;例えば、ここで、この昆虫は、Spodoptera fruigiperda(Sf9もしくはSf21)またはTrichoplusia ni(High 5)である。(例えば、IFN−IgG4融合ポリペプチドを調製するために)本発明で用いられ得る昆虫発現系の例としては、Bac−To−Bac(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)またはGateway(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)が挙げられる。所望される場合、脱グリコシル化酵素は、真核生物の発現系における産生の間に付着した炭水化物を除去するために用いられ得る。
【0037】
本発明は、本発明のIFN−IgG4ポリペプチドに対応するアミノ酸配列もしくはヌクレオチド配列に対する任意の表面的な改変またはわずかな改変を企図する。特に、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列保存的な改変体を企図する。ポリヌクレオチド配列の「配列保存的な改変体」は、所定のコドンにおける1つ以上のヌクレオチドの変化がその位置にコードされているアミノ酸に何の変化ももたらさない改変体である。本発明のポリペプチドの機能保存的な改変体もまた、本発明により企図される。「機能保存的な改変体」は、ポリペプチドの全体のコンフォメーションおよび機能を変えることなく、タンパク質または酵素における1つ以上のアミノ酸残基が変化した(類似の性質を有するアミノ酸へのアミノ酸の置換が挙げられるが、決してこれに限定されない)改変体である。類似の性質を有するアミノ酸は、当該分野において周知である。例えば、交換可能であり得る極性/親水性アミノ酸としては、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、スレオニン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられ;交換可能であり得る非極性/疎水性アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられ;交換可能であり得る酸性アミノ酸は、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられ、そして交換可能であり得る塩基性アミノ酸としては、ヒスチジン、リジンおよびアルギニンが挙げられる。
【0038】
本発明は、IFN−IgG4融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、配列番号4、5または16)およびこのポリヌクレオチドにハイブリダイズする核酸を含む。好ましくは、上記核酸は、低いストリンジェンシー条件下で、より好ましくは中程度のストリンジェンシー条件下で、および最も好ましくは高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする。核酸分子の1本鎖形態が、温度および溶液のイオン強度の適切な条件下で、別の核酸分子にアニーリングし得る場合、この核酸分子は、別の核酸分子(例えば、cDNA、ゲノムDNA、またはRNA)に対して「ハイブリダイゼーション可能である」(前出の、Sambrookらを参照のこと)。温度およびイオン強度の条件が、上記ハイブリダイゼーションの上記「ストリンジェンシー」を決定する。典型的な低いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、55℃、5×SSC、0.1% SDS、0.25% ミルク、および42℃でホルムアミドなし;または42℃で、30% ホルムアミド、5×SSC、0.5% SDSである。典型的な中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、このハイブリダイゼーションが、5×または6×SSCを含む40% ホルムアミドにおいて、42℃で実行されることを除いて、低いストリンジェンシー条件と同様である。高いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、このハイブリダイゼーション条件が、50% ホルムアミド、5×または6×SSCにおいて、必要に応じてより高い温度(例えば、42℃より高い:57℃、59℃、60℃、62℃、63℃、65℃または68℃)で実行されることを除いて、低いストリンジェンシー条件と同様である。一般的に、SSCは、0.15M NaClおよび0.015M Na−クエン酸である。ハイブリダイゼーションは、2つの核酸が相補的な配列を含むことを必要とするが、そのハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに依存して、塩基間のミスマッチが可能である。核酸をハイブリダイズするための適切なストリンジェンシーは、当該分野において周知の変数である、核酸の長さおよび相補の程度に依存する。2つのヌクレオチド配列間の類似性または相同性が高いほど、核酸がハイブリダイズし得るストリンジェンシーは、高い。100個のヌクレオチドにより長いハイブリッドについて、その融解温度を算出するための方程式が誘導された(前出のSambrookら,9.50−9.51を参照のこと)。より短い核酸(すなわち、オリゴヌクレオチド)とのハイブリダイゼーションについて、ミスマッチの位置は、より重要になり、そしてオリゴヌクレオチドの長さは、その特異性を決定する(前出のSambrookらを参照のこと)。
【0039】
また本発明において含まれているのは、比較がBLASTアルゴニズムにより行われる(ここで、このアルゴニズムのパラメータは、各参照配列の全体の長さにわたり、各配列間で最大のマッチを与えるように選択される)場合、配列番号4、5もしくは16のいずれかのIFN−IgG4融合体の参照ポリヌクレオチド配列、および配列番号2、3、もしくは15のいずれかのIFN−IgG4融合体の参照アミノ酸配列に対して、少なくとも約70%同一であり、好ましくは少なくとも約80%同一であり、より好ましくは少なくとも約90%同一であり、そして最も好ましくは少なくとも約95%同一である(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、100%)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドおよびアミノ酸配列を含むポリペプチドである。比較がBLASTアルゴリズムを用いて行われる(ここで、このアルゴニズムのパラメータは、各参照配列の全体の長さにわたり、各配列間で最大のマッチを与えるように選択される)場合、配列番号2、3または15のいずれかのIFN−IgG4融合体の参照アミノ酸配列に対して、少なくとも約70%類似し、好ましくは少なくとも約80%類似し、より好ましくは少なくとも約90%類似し、そして最も好ましくは少なくとも約95%類似する(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、100%)アミノ酸配列を含むポリペプチドもまた、本発明に含まれている。
【0040】
配列同一性は、比較されている2つの配列のヌクレオチドまたはアミノ酸の間の厳密なマッチを指す。配列類似性は、同一でない生物化学的に関係するアミノ酸の間のマッチに加えて、比較されている2つのポリペプチドのアミノ酸の間の厳密なマッチとの両方を指す。類似の性質を共有し、交換可能であり得る生物化学的に関係するアミノ酸は、上で議論されている。
【0041】
上記BLASTアルゴリズムに関する以下の参考文献が、本明細書中に参考として援用されている:BLAST ALGORITHMS:Altschul,S.F.ら,(1990)J.Mol.Biol.215:403−410;Gish,W.ら,(1993)Nature Genet.3:266−272;Madden,T.Lら,(1996)Meth.Enzymol.266:131−141;Altschul,S.F.ら,(1997)Nucleic Acids Res.25:3389−3402;Zhang,J.ら,(1997)Genome Res.7:649−656;Wootton,J.C.ら,(1993)Comput.Chem.17:149−163;Hancock,J.M.ら,(1994)Comput.Appl.Biosci.10:67−70;ALIGNMENT SCORING SYSTEMS:Dayhoff,M.O.ら,「A model of evolutionary change in proteins.」,Atlas of Protein Sequence and Structure,(1978)第5巻,補遺3.M.O.Dayhoff(編集),pp.345−352,Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Schwartz,R.M.ら,「Matrices for detecting distant relationships.」,Atlas of Protein Sequence and Structure.(1978)第5巻,補遺3.M.O.Dayhoff(編集),pp.353−358,Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Altschul,S.F.,(1991)J.Mol.Biol.219:555−565;States,D.J.ら,(1991)Methods 3:66−70;Henikoff,S.ら,(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919;Altschul,S.F.ら,(1993)J.Mol.Evol.36:290−300;ALIGNMENT STATISTICS:Karlin,S.ら,(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−2268;Karlin,S.ら,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877;Dembo,A.ら,(1994)Ann.Prob.22:2022−2039;およびAltschul,S.F.「Evaluating the statistical significance of multiple distinct local alignments.」,Theoretical and Computational Methods in Genome Research(S.Suhai編集),(1997)pp.1−14,Plenum,New York。
【0042】
(融合体)
本発明は、必要に応じてリンカーペプチドにより1つ以上のIgG4 Fcポリペプチドに融合した1つ以上の任意のインターフェロンポリペプチド(「IFN−IgG4融合体」)を含む、任意の融合ポリペプチドを含む。一実施形態において、上記インターフェロンは、インターフェロンα−1a、インターフェロンα−1b、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−2c、インターフェロンα−4a、インターフェロンα−4b、インターフェロンα−5、インターフェロンα−6、インターフェロンα−7a、インターフェロンα−7b、インターフェロンα−8a、インターフェロンα−8b、インターフェロンα−8c、インターフェロンα−10a、インターフェロンα−10b、インターフェロンα−13、インターフェロンα−14a、インターフェロンα−14b、インターフェロンα−14c、インターフェロンα−16、インターフェロンα−17a、インターフェロンα−17b、インターフェロンα−17c、インターフェロンα−17d、インターフェロンα−21a、インターフェロンα−21b、インターフェロンα−24、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンτ、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b、インターフェロンγ−1b、インターフェロンα−Fもしくはインターフェロンα con1、またはBlattら,J.Interferon and Cytokine Res.16:489−499(1996)、もしくはPestkaにおけるInterferon from 1981 to 1986,Methods Enzymol.119:3−14(1986);(これらは本明細書中に参考として全体が援用されている)に開示されている任意のインターフェロン種である。これらのインターフェロン種各々についてのポリペプチドおよびコードするポリヌクレオチドは、当該分野において公知である(例えば、Allenら,J.Interferon and Cytokine Res.16:181−184(1996);または公開された米国特許出願第US2004/0219131 A1号を参照のこと;これらの各々は、本明細書中に参考として援用されている)。
【0043】
本発明の一実施形態において、ヒトインターフェロンα−2bのアミノ酸配列は:
【0044】
【化3】

(配列番号12;Genbank 登録番号 CAA25770も参照のこと)であり;ここで、最初のMは、随意選択である。
【0045】
本発明の一実施形態において、ヒトインターフェロンα−2aのアミノ酸配列は:
【0046】
【化4】

(配列番号13; see also Genbank 登録番号 1ITFも参照のこと)であり;ここで、最初のMは、随意選択である。
【0047】
本発明の一実施形態において、ヒトのコンセンサスインターフェロンα(α con−1)のアミノ酸配列は:
【0048】
【化5】


(配列番号14;Blattら,J.Interferon Cytokine Res.16:489−499(1996);Kleinら,J.Chromatography 454:205−215(1988)を参照のこと)であり;ここで、最初のMは、随意選択である。
【0049】
本発明の融合体は、1つ以上のインターフェロンおよび/または1つ以上のIgG4を含む。上記融合体が多数のインターフェロンを含む場合、これらのインターフェロンは、同じであっても異なってもよい。例えば、本発明の融合体は、一実施形態において、ヒトインターフェロンα−2a−ヒトインターフェロンα−2a−IgG4を含む。別の実施形態において、上記融合体は、ヒトインターフェロンα−2a−ヒトインターフェロンα−2b−IgG4またはインターフェロンα−2a−IgG4−インターフェロンα−2aを含む。多数のIgG4ポリペプチドもまた、本発明の融合体において含まれてい得る。例えば、一実施形態において、上記融合体は、ヒトインターフェロンα−2a−ヒトインターフェロンα−2a−IgG4−IgG4またはヒトインターフェロンα−2a−ヒトインターフェロンα−2b−IgG4−IgG4を含む。任意のこれらの実施形態は、用語「IFN−IgG4」の下に含まれている。
【0050】
アミノ末端にインターフェロンを含む融合体は、カルボキシル末端にインターフェロンを含む融合体と共に、本発明の範囲内にある;用語IFN−IgG4は、これらの型の両方の融合体を指す。例えば、本発明は、本発明の任意の融合体をコードするポリヌクレオチドと共に、任意の以下のIFN−IgG4融合体を含む:IgG4 Fc−インターフェロンα−1a、IgG4 Fc−インターフェロンα−1b、IgG4 Fc−インターフェロンα−2a、IgG4 Fc−インターフェロンα−2b、IgG4 Fc−インターフェロンα−2c、IgG4 Fc−インターフェロンα−4a、IgG4 Fc−インターフェロンα−4b、IgG4 Fc−インターフェロンα−5、IgG4 Fc−インターフェロンα−6、IgG4 Fc−インターフェロンα−7a、IgG4 Fc−インターフェロンα−7b、IgG4 Fc−インターフェロンα−8a、IgG4 Fc−インターフェロンα−8b、IgG4 Fc−インターフェロンα−8c、IgG4 Fc−インターフェロンα−10a、IgG4 Fc−インターフェロンα−10b、IgG4 Fc−インターフェロンα−13、IgG4 Fc−インターフェロンα−14a、IgG4 Fc−インターフェロンα−14b、IgG4 Fc−インターフェロンα−14c、IgG4 Fc−インターフェロンα−16、IgG4 Fc−インターフェロンα−17a、IgG4 Fc−インターフェロンα−17b、IgG4 Fc−インターフェロンα−17c、IgG4 Fc−インターフェロンα−17d、IgG4 Fc−インターフェロンα−21a、IgG4 Fc−インターフェロンα−21b、IgG4 Fc−インターフェロンα−24、IgG4 Fc−インターフェロンβ、IgG4 Fc−インターフェロンω、IgG4 Fc−インターフェロンτ、IgG4 Fc−インターフェロンα−N3、IgG4 Fc−インターフェロンα−N、IgG4 Fc−インターフェロンβ−1a、IgG4 Fc−インターフェロンβ−1b、IgG4 Fc−インターフェロンγ−1b、IgG4 Fc−インターフェロンγ、IgG4 Fc−インターフェロンα F、IgG4 Fc−インターフェロンα con1、インターフェロンα−1a−IgG4 Fc、インターフェロンα−1b−IgG4 Fc、インターフェロンα−2a−IgG4 Fc、インターフェロンα−2b−IgG4 Fc、インターフェロンα−2c−IgG4 Fc、インターフェロンα−4a−IgG4 Fc、インターフェロンα−4b−IgG4 Fc、インターフェロンα−5−IgG4 Fc、インターフェロンα−6−IgG4 Fc、インターフェロンα−7a−IgG4 Fc、インターフェロンα−7b−IgG4 Fc、インターフェロンα−8a−IgG4 Fc、インターフェロンα−8b−IgG4 Fc、インターフェロンα−8c−IgG4 Fc、インターフェロンα−10a−IgG4 Fc、インターフェロンα−10b−IgG4 Fc、インターフェロンα−13−IgG4 Fc、インターフェロンα−14a−IgG4 Fc、インターフェロンα−14b−IgG4 Fc、インターフェロンα−14c−IgG4 Fc、インターフェロンα−16−IgG4 Fc、インターフェロンα−17a−IgG4 Fc、インターフェロンα−17b−IgG4 Fc、インターフェロンα−17c−IgG4 Fc、インターフェロンα−17d−IgG4 Fc、インターフェロンα−21a−IgG4 Fc、インターフェロンα−21b−IgG4 Fc、インターフェロンα−24−IgG4 Fc、インターフェロンβ−IgG4 Fc、インターフェロンω−IgG4 Fc、インターフェロンτ−IgG4 Fc、インターフェロンα−N3−IgG4 Fc、インターフェロンα−N−IgG4 Fc、インターフェロンβ−1a−IgG4 Fc、インターフェロンβ−1b−IgG4 Fc、インターフェロンγ−1b−IgG4 Fc、インターフェロンγ−IgG4 Fc、インターフェロンα F−IgG4 Fcまたはインターフェロンα con1−IgG4 Fc;ここで、上記インターフェロン部分および上記IgG4 Fc部分は、必要に応じて、ペプチドリンカーにより融合されている。
【0051】
一実施形態において、上記IgG4 Fcは、以下のアミノ酸配列:
【0052】
【化6】

(配列番号1)を含み;必要に応じて、最初のメチオニン(M)を含む。
【0053】
一実施形態において、上記ヒトインターフェロン−α−2b−ヒトIgG4 Fc融合タンパク質は、以下のアミノ酸配列:
【0054】
【化7】

(配列番号2)を含み;ここで、そのシグナル配列
【0055】
【化8】

(配列番号6)は、随意選択であり、その結果、不在であり得;しかしながら、本発明の一実施形態において、この融合体のN末端は、必要に応じて、メチオニン(M)を含み;ここで、そのリンカーは、下線が引かれており、また随意選択であり;ここで、このリンカーに対してN末端にある配列は、ヒトIFN−α−2bであり、このリンカーに対してC末端にある配列は、ヒトIgG4 Fcである。一実施形態において、上記リンカーは、配列番号7〜11および17〜20から選択される。例えば、一実施形態において、上記インターフェロンα−2bのアミノ酸配列は、Intron A(登録商標)(Schering Corp.;Kenilworth,NJ)のアミノ酸と同一である。
【0056】
一実施形態において、上記ヒトインターフェロン−α−2a−ヒトIgG4 Fc融合タンパク質は、以下のアミノ酸配列:
【0057】
【化9】

(配列番号3)を含み;ここで、本発明の一実施形態において、この融合体のN末端は、必要に応じて、メチオニン(M)を含み;ここで、そのリンカーは、下線が引かれており、また随意選択であり;必要に応じて、シグナル配列を含み;ここで、このリンカーに対してN末端にある配列は、ヒトIFN−α−2aであり、このリンカーに対してC末端にある配列は、ヒトIgG4 Fcである。一実施形態において、上記リンカーは、配列番号7〜11および17〜20から選択される。例えば、一実施形態において、上記インターフェロンα−2aのアミノ酸配列は、Roferon A(登録商標)(Roche Laboratories;Nutley,NJ)のアミノ酸と同一である。
【0058】
一実施形態において、上記ヒトインターフェロン−α con−1−ヒトIgG4 Fc融合タンパク質は、以下のアミノ酸配列:
【0059】
【化10】

(配列番号15)を含み;ここで、本発明の一実施形態において、この融合体のN末端は、必要に応じて、メチオニン(M)を含み;ここで、そのリンカーは、下線が引かれており、また随意選択であり;必要に応じて、シグナル配列を含み;ここで、このリンカーに対してN末端にある配列は、ヒトIFN−α con−1であり、このリンカーに対してC末端にある配列は、ヒトIgG4 Fcである。一実施形態において、上記リンカーは、配列番号7〜11および17〜20から選択される。
【0060】
本発明は、本明細書中の任意のIFN−IgG4融合体をコードする任意のポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、以下のヌクレオチド配列:
【0061】
【化11】

(配列番号4)を含むヒトインターフェロン−α−2b−ヒトIgG4をコードする。
【0062】
一実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、以下のポリヌクレオチド配列:
【0063】
【化12】

【0064】
【化13】

(配列番号5)を含むヒトインターフェロン−α−2a−ヒトIgG4 Fcをコードする。
【0065】
一実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、以下のヌクレオチド配列:
【0066】
【化14】

(配列番号16)を含むヒトインターフェロン−α con−1−ヒトIgG4 Fcをコードする。
【0067】
本発明はさらに、短い半減期のサイトカイン(例えば、IL−10)に融合したIgG4を含む任意の融合ポリペプチド(IL−10−IgG4融合体)を含む。本発明の一実施形態において、ヒトIL−10は、以下のアミノ酸配列:
【0068】
【化15】

(配列番号24;Genbank 登録番号:CAH71813;AAV38450;AAX36831;CAG46825またはXP_525040も参照のこと)を含む。
【0069】
本発明の一実施形態において、上記ヒトIL−10−IgG4融合体は、以下のアミノ酸配列:
【0070】
【化16】

(配列番号25)を含み、ここで、本発明の一実施形態において、この融合体のN末端は、必要に応じて、メチオニン(M)を含み;ここで、そのリンカーは、下線が引かれており、また随意選択であり;必要に応じて、シグナル配列を含み;ここで、このリンカーに対してN末端にある配列は、ヒトIL−10であり、このリンカーに対してC末端にある配列は、ヒトIgG4 Fcである。一実施形態において、上記リンカーのアミノ酸配列は、配列番号7〜11および17〜20から選択される。
【0071】
(治療方法)
本発明は、インターフェロンの投与によって緩和される任意の状態を処置または予防するための組成物および方法を提供する。例えば、本発明は、宿主、被験体または患者において宿主中のフラビウイルス科のメンバーであるウイルスによる感染を、本発明のIFN−IgG4融合体またはその薬学的組成物の治療的に有効な投薬量(必要に応じて、以下の「薬学的組成物」の節に示される任意のさらなる治療剤(例えば、リバビリン)を合わせた)をその宿主、被験体または患者に投与することによって処置または予防するための方法を包含する。例えば、本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)を含むヘパシウイルス属のメンバーによって引き起こされる感染を処置または予防するための方法を包含するが、これに限定されない。HCVは、以下の数種の型、亜型および分離株を含む:
C型肝炎ウイルス(1分離株)
C型肝炎ウイルス(BK分離株)
C型肝炎ウイルス(EC1分離株)
C型肝炎ウイルス(EC10分離株)
C型肝炎ウイルス(HC−J2分離株)
C型肝炎ウイルス(HC−J5分離株)
C型肝炎ウイルス(HC−J6分離株)
C型肝炎ウイルス(HC−J7分離株)
C型肝炎ウイルス(HC−J8分離株)
C型肝炎ウイルス(HC−JT分離株)
C型肝炎ウイルス(HCT18分離株)
C型肝炎ウイルス(HCT27分離株)
C型肝炎ウイルス(HCV−476分離株)
C型肝炎ウイルス(HCV−KF分離株)
C型肝炎ウイルス(ヒト分離株)
C型肝炎ウイルス(日本分離株)
C型肝炎ウイルス(台湾分離株)
C型肝炎ウイルス(TH分離株)
C型肝炎ウイルスH分離株
C型肝炎ウイルス1型
C型肝炎ウイルス1a型
C型肝炎ウイルスH77株
C型肝炎ウイルス1b型
C型肝炎ウイルス1c型
C型肝炎ウイルス1d型
C型肝炎ウイルス1e型
C型肝炎ウイルス1f型
C型肝炎ウイルス10型
C型肝炎ウイルス2型
C型肝炎ウイルス2a型
C型肝炎ウイルス2b型
C型肝炎ウイルス2c型
C型肝炎ウイルス2d型
C型肝炎ウイルス2f型
C型肝炎ウイルス3型
C型肝炎ウイルス3a型
C型肝炎ウイルス3b型
C型肝炎ウイルス3g型
C型肝炎ウイルス4型
C型肝炎ウイルス4a型
C型肝炎ウイルス4c型
C型肝炎ウイルス4d型
C型肝炎ウイルス4f型
C型肝炎ウイルス4h型
C型肝炎ウイルス4k型
C型肝炎ウイルス5型
C型肝炎ウイルス5a型
C型肝炎ウイルス6型
C型肝炎ウイルス6a型
C型肝炎ウイルス7型
C型肝炎ウイルス7a型
C型肝炎ウイルス7b型
C型肝炎ウイルス8型
C型肝炎ウイルス8a型
本発明はまた、フラビウイルス属のメンバーによって引き起こされる感染を処置または予防するための方法および組成物を包含する。フラビウイルス属は、黄熱病ウイルス;ダニ媒介ウイルス(例えば、ガジェッツガリーウイルス(Gadgets Gully virus)、カダムウイルス(Kadam virus)、キャサヌール森林病ウイルス、ランガットウイルス、オムスク出血熱ウイルス、ポーワッサンウイルス、ロイヤルファームウイルス(Royal Farm virus)、カルシーウイルス(Karshi virus)、ダニ媒介脳炎ウイルス、ニュードルフウイルス(Neudoerfl virus)、ソフジンウイルス(Sofjin virus)、跳躍病ウイルスおよびネギシウイルス);海鳥ダニ媒介ウイルス(例えば、メアバンウイルス(Meaban virus)、ソーマレズリーフウイルス(Saumarez Reef virus)、およびチュレニーウイルス(Tyuleniy virus));蚊媒介ウイルス(例えば、アロアウイルス(Aroa virus)、バスカラウイルス(Bussuquara virus)、イグェイプウイルス(lguape virus)およびナランハルウイルス(Naranjal virus));デング熱ウイルス(例えば、デング熱ウイルスおよびケドゥグウイルス(Kedougou virus));日本脳炎ウイルス(例えば、カシパコールウイルス(Cacipacore virus)、コウタンゴウイルス(Koutango virus)、日本脳炎ウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、アルフィウイルス(Alfuy virus)、セントルイス脳炎ウイルス、ウスツウイルス(Usutu virus)、西ナイルウイルス、クンジンウイルスおよびヤウデンウイルス(Yaounde virus));ココベラウイルス(Kokobera virus)(例えば、ココベラウイルスおよびストラトフォードウイルス(Stratford virus));タヤウイスル(Ntaya virus)(例えば、バガザウイルス(Bagaza virus)、イレウスウイルス(Ilheus virus)、ロシオウイルス(Rocio virus)、イスラエルトルコ髄膜脳脊髄炎ウイルス(Israel turkey meningoencephalomyelitis virus)、タヤウイルス(Ntaya virus)およびテムブスウイルス(Tembusu virus));スポンドウェニウイルス(例えば、ジカウイルスおよびスポンドウェニウイルス);黄熱病ウイルス(例えば、バンジウイルス(Banzi virus)、ボウボウィウイルス(Bouboui virus)、エッジヒルウイルス(Edge Hill virus)、ジュグラウイルス(Jugra virus)、サボヤウイルス(Saboya virus)、ポチスカムウイルス(Potiskum virus)、セピクウイルス(Sepik virus)、ウガンダSウイルス(Uganda S virus)、ウェッセルスブロンウイルス(Wesselsbron virus)および黄熱病ウイルス);エンテベウイルス(Entebbe virus)(例えば、エンテベコウモリウイルス(Entebbe bat virus)、ソコルクウイルス(Sokoluk virus)、およびヨコセウイルス(Yokose virus));モドックウイルス(Modoc virus)(例えば、アポイウイルス(Apoi virus)、牛骨髄ウイルス(Cowbone Ridge virus)、ジュチアパウイルス(Jutiapa virus)、モドックウイルス、サルビエハウイルス(Sal Vieja virus)およびサンペーリタウイルス(San Perlita virus));リオブラボーウイルス(Rio Bravo virus)(例えば、ブカラサコウモリウイルス(Bukalasa bat virus)、カーレー島ウイルス(Carey Island virus)、ダカーコウモリウイルス(Dakar bat virus)、モンタナミオチス白質脳炎ウイルス(Montana myotis leukoencephalitis virus)、プノンペンコウモリウイルス(Phnom Penh bat virus)、バトゥー洞窟ウイルス(Batu Cave virus)、リオブラボーウイルス、タマナコウモリウイルス(Tamana bat virus)、および細胞融合因子ウイルス(Cell fusing agent virus))。
【0072】
本発明は、ペスチウイルス属のメンバーによって引き起こされる感染を処置または予防するための方法および組成物を包含する。ペスチウイルス属としては、ボーダー病ウイルス(ヒツジ)、ウシウイルス性下痢症ウイルス1、ウシウイルス性下痢症ウイルス2、ブタコレラウイルス(Classical swine fever virus)、および豚コレラウイルス(Hog cholera virus)が挙げられる。
【0073】
さらに、本発明は、G型肝炎ウイルスまたはGB型肝炎ウイルス−A、GB型肝炎ウイルス−BもしくはGB型肝炎ウイルス−Cによって引き起こされる感染を処置または予防するための方法および組成物を包含する。
【0074】
1つの実施形態において、上記被験体は、本発明のIFN−IgG4融合体を、必要に応じてさらなる治療剤(例えば、治療的に有効な量の別の抗ウイルス治療)と合わせて、検出可能なC型肝炎ウイルスRNAを根絶するためそして処置期間の終了後少なくとも12週間(例えば、24週間)にわたってC型肝炎ウイルスRNAを検出不可能に維持するために十分な処置期間にわたって投与される。
【0075】
以下でも考察されるように、用語「合わせた(in association)」は、IFN−IgG4融合体およびさらなる治療剤(例えば、抗ウイルス治療)が同時送達のための単一の組成物へと処方され得るかまたは2つ以上の組成物(例えば、キット)へと別個に処方され得ることを示す。さらに、各成分は、他の成分が投与されるときとは異なる時間に被験体に投与され得る;例えば、各投与は、与えられる期間にわたっていくつかの間隔で同時にではなく(例えば、別個かまたは連続して)与えられ得る。さらに、別々の成分は、被験体に同じかまたは異なる経路(例えば、経口、静脈内、皮下)で投与され得る。
【0076】
「宿主」、「被験体」または「患者」は、哺乳動物(例えば、霊長類、チンパンジー、イヌ(例えば、ビーグル犬)、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ラット(例えば、Sprague Dawleyラット)、マウス、トリ)などの任意の生物体(例えば、ヒト)であり得る。したがって、本発明の方法は、本発明の融合体が、例えば、臨床設定におけるヒトの処置、または例えば、獣医または研究者による動物の処置(例えば、毒物学研究、薬物動態研究または安全性評価研究を行うこと)に使用される実施形態を包含する。1つの実施形態において、「宿主」、「被験体」または「患者」は、妊婦または授乳婦である。慢性C型肝炎感染を罹患する者は、以下の徴候または症状の1つ以上を示し得る:
(a)上昇したALT、
(b)抗HCV抗体に対する陽性試験、
(c)HCV−RNAに対する陽性試験によって示されるようなHCVの存在、
(d)慢性肝疾患の臨床徴候
(e)肝細胞の損傷。
【0077】
このような判定基準は、C型肝炎ウイルス感染を診断するためだけはでなく、薬物処置に対する患者の応答を追跡および評価するためににも使用され得る。このようなパラメータは、処置の用量および持続期間を調節するために、臨床医によって使用され得る。このような判定基準の評価および宿主、患者または被験体の処置レジメンの調整は、当業者によって容易に行われ得る。
【0078】
本発明の方法および組成物は、レシピエントにおけるフラビウイルス科感染を処置または予防するために肝臓移植手順において使用され得る。ドナーの肝臓は、生きているドナーに由来し得(すなわち、生体肝移植(LDLT))、ここでドナーの肝臓の部分が、取り出され、そしてレシピエントに導入される。あるいは、移植片は、死亡したドナー由来であり得、ここで肝臓全体が、取り出され、そして移植される。例えば、本発明の実施形態は、宿主への肝臓の移植または宿主への輸血後におけるフラビウイルス科のウイルスのメンバーであるウイルスによる被験体の感染を予防するための方法を包含し、この方法は、IFN−IgG4またはその薬学的に受容可能な組成物の治療的に有効な量を宿主に投与することを包含する。
【0079】
本発明はまた、被験体において多発性硬化症または多発性硬化症の再発を処置または予防するための方法を包含し、この方法は、その被験体にIFN−IgG4またはその薬学的に受容可能な組成物の治療的に有効な量を投与することを包含する。例えば、1つの実施形態において、上記被験体は、IFNβ−1a−IgG4またはIFNβ−1b−IgG4を投与される。必要に応じて、IFN−IgG4は、トルテロジン;オキシブチニン;オキシブチニン;オキシブチニン;臭化プロパンテリン;塩化トロスピウム;イミプラミン;コハク酸ソリフェナシン;鉱油;ドクセート;ビサコジル;ドクセート便軟化剤緩下薬;リン酸ナトリウム;車前子親水性粘漿薬(Psyllium hydrophilic mucilloid);水酸化マグネシウム;グリセリン;酢酸グラチラマー;ミトキサントロン;塩酸デュロキセチン;ベランファキシン;パロキセチン;フルオキセチン;ブプロピオン;セルトラリン;メクリジン;パパベリン;タダラフィル;バルデナフィル;アルプロスタジル;アルプロスタジル;シルデナフィル;デキサメタゾン;プレドニゾン;メチルプレドニゾロン;アマンタジン;モダフィニル;フルオキセチン;ペモリン;ヒドロキシジン;メクリジン;塩酸デュロキセチン;フェニトイン;アミトリプチリン;ガバペンチン;ノルトリプチリン;クロナゼパム;カルバマゼピン;イミプラミン;バクロフェン;ダントロレン;バクロフェン(鞘内);クロナゼパム;ジアゼパム;チザニジン;イソニアジド;クロナゼパム;デスモプレシン;デスモプレシン;スルファメトキサゾール;シプロフロキサシン;メテナミン;ニトロフラントイン;またはフェナゾピリジンのうちの1種以上またはそれらの薬学的組成物と合わせて投与される。
【0080】
本発明はまた、被験体において慢性肉芽腫症に関連する深刻な感染を処置(例えば、重篤度を減少させるかまたは根絶する)または予防ための方法を包含し、この方法は、その被験体にIFN−IgG4またはその薬学的に受容可能な組成物の治療的に有効な量を投与することを包含する。例えば、1つの実施形態において、上記被験体は、IFNγ−1b−IgG4を投与される。必要に応じて、IFN−IgG4は、トリメトプリムとスルファメトキサゾール(sulfamethazole)との組み合わせまたはトリメトプリムまたはイトラコニゾール(itraconizole)のうちの1種以上あるいはそれらの薬学的組成物と合わせて投与される。
【0081】
本発明はまた、重篤な悪性の大理石骨病を有する患者において、疾患を処置または予防するかあるいは疾患が進行するまでの時間を遅らせるための方法を包含し、この方法は、その患者にIFN−IgG4またはその薬学的に受容可能な組成物の治療的に有効な量を投与することを包含する。例えば、1つの実施形態において、上記被験体は、IFNγ−1b−IgG4を投与される。必要に応じて、IFN−IgG4は、カルシトリオールまたはプレドニゾンのうちの1種以上あるいはそれらの薬学的組成物と合わせて投与される。
【0082】
本発明はまた、難治性または再発性である外部の尖圭コンジロームを処置または予防するための方法を包含し、この方法は、その患者にIFN−IgG4またはその薬学的に受容可能な組成物の治療的に有効な量を投与(例えば、病変内注射)することを包含する。例えば、1つの実施形態において、上記被験体は、インターフェロンα−n3−IgG4を投与される。必要に応じて、IFN−IgG4は、トリクロロ酢酸、ポドフィルム、局所液体窒素処置、ポドフィロトキシン塗布剤、イミキモッドクリーム、ポドフィロックス溶液、5−フルオロウラシルクリームまたはトリクロロ酢酸(TCA)のうちの1種以上あるいはそれらの薬学的組成物と合わせて投与される。
【0083】
本発明または、被験体において、ヘアリーセル白血病、慢性期であるフィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)、悪性黒色腫、濾胞性リンパ腫、尖圭コンジローム、AIDS関連カポジ肉腫、慢性B型肝炎を処置または予防するための方法を包含し、この方法は、その被験体にIFN−IgG4またはその薬学的に受容可能な組成物の治療的に有効な量を投与することを包含する。例えば、1つの実施形態において、上記被験体は、インターフェロンα−2a−IgG4またはインターフェロンα−2b−IgG4を投与される。必要に応じて、IFN−IgG4は、クラドリビン(2−クロロデオキシアデノシン、2−CdA)、ペントスタチン、イマチニブ、ポドフィルム、局所液体窒素処置、ポドフィロトキシン塗布剤、イミキモッドクリーム、ポドフィロックス溶液、5−フルオロウラシルクリーム、トリクロロ酢酸(TCA)、リタキシマブ、トシツモマブおよびヨウ素I131、イブリツモマブチウキセタン、ダカルバジン、アルデスロイキンまたは塩酸ドキソルビシンのうちの1種以上あるいはそれらの薬学的組成物と合わせて投与される。
【0084】
本発明は、被験体において任意の炎症性障害(例えば、多発性硬化症、炎症性腸症候群(inflammatory bowel syndrome)、乾癬、クローン病、慢性関節リウマチ、または潰瘍性大腸炎)を、その被験体にIL−10−IgG4融合体の治療的に有効な量を投与することによって処置または予防するための方法を包含する。
【0085】
本発明の1つの実施形態において、本発明のIFN−IgG4融合体は、他のIFN融合体と比較した場合のその母親がIFN−IgG4を投与される胎児に対する毒性および乳児に対する毒性の減少に起因して、妊婦または授乳婦である患者、被験体または宿主に、任意の上述の方法で投与される。単一の理論または作用機序に拘束されることなく、本発明のIFN−IgG4融合体は、限定的な胎盤移行を示すIgG4部分の存在に起因して、より低い胎児に対する毒性および乳児に対する毒性を示し得る。
【0086】
(薬学的組成物)
本発明は、IFN−IgG4融合体(必要に応じて、さらなる治療剤と合わせた)および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を使用するための方法を包含し、その薬学的に受容可能なキャリアは、上記薬学的組成物自体とともにフラビウイルス科感染を処置するためのものである。上記薬学的組成物は、薬学の分野において周知である任意の方法によって調製され得る;例えば、Gilmanら(編)、(1990)、The Pharmacological Bases of Therapeutics.第8版、Pergamon Press;A.Gennaro(編)、Remington’s Pharmaceutical Sciences.第18版、(1990)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania.;Avisら(編)、(1993)、Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker、New York; Liebermanら(編)、(1990)、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker、New York;およびLiebermanら(編)、(1990)、Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker、New Yorkを参照のこと。
【0087】
IFN−lgG4融合体を含む薬学的組成物は、従来の薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤ならびに従来の技術を使用して調製され得る。このような薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤としては、非毒性の適合可能なフィラー(filler)、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、保存剤、酸化防止剤、滑沢剤、香料、増粘剤、着色剤、乳化剤などが挙げられる。全ての投与経路が企図され、それらとしては、非経口経路(例えば、皮下経路、静脈内経路、腹腔内経路、筋肉内経路)および非経口ではない(non−parenteral)経路(例えば、経口経路、経皮経路、鼻腔内経路、眼内経路、舌下経路、吸入経路、直腸経路および局所経路)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
注射剤は、液体の溶液または懸濁液のいずれか、注射前に液体中に溶解または懸濁するのに適した固体形態、あるいはエマルションとして従来の形態に調製され得る。上記注射剤、溶液およびエマルションはまた、1種以上の賦形剤を含み得る。適切な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールである。さらに、所望される場合、投与される薬学的組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度増強剤(solubility enhancer)、および他のこのような薬剤などの少量の非毒性補助物質(例えば、(例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリル酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンおよびシクロデキストリンなど)を含み得る。
【0089】
非経口調製物に使用される薬学的に受容可能なキャリアとしては、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗微生物剤、等張化剤、緩衝剤、酸化防止剤、局所麻酔剤、懸濁剤および分散剤、乳化剤、封鎖剤またはキレート剤ならびに他の薬学的に受容可能な物質が挙げられる。
【0090】
水性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム液、リンゲル液、等張性デキストロース液、注射用滅菌水、デキストロースと乳酸とを加えたリンゲル液(Dextrose and Lactated Ringers Injection)が挙げられる。非水性の非経口ビヒクルとしては、植物起源の不揮発性油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油および落花生油が挙げられる。静菌濃度または静真菌濃度の抗微生物剤が、一般に、複数用量容器にパッケージ化される非経口調製物に添加され、その抗微生物剤としては、フェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルp−ヒドロキシ安息香酸エステルおよびプロピルp−ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンゼトニウムが挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウムおよびデキストロースが挙げられる。緩衝剤としては、リン酸塩およびクエン酸塩が挙げられる。酸化防止剤としては、亜硫酸ナトリウムが挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカインが挙げられる。懸濁剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN−80)が挙げられる。金属イオンの封鎖剤またはキレート剤としては、EDTAが挙げられる。薬学的キャリアとしてはまた、水混和性ビヒクルのためのエチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール;ならびにpH調整のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸または乳酸が挙げられる。
【0091】
非経口投与のための調製物は、注射用の滅菌溶液、使用の直前に溶媒と合わせられる用意ができている滅菌した乾燥可溶性産物(例えば、凍結乾燥粉末)(皮下組織の錠剤(hypodermic tablet)を含む)、注射用の滅菌懸濁物、使用の直前にビヒクルと合わせられる用意ができている滅菌した乾燥不溶性産物および滅菌したエマルションを含み得る。上記溶液は、水性であっても非水性であってもよい。
【0092】
一定レベルの投薬量が維持されるような徐放システムまたは持続放出システムの移植もまた、本明細書中で企図される。簡単にいうと、この実施形態において、IFN−IgG4融合体は、固体の内部マトリックス(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可撓性または非可撓性の塩化ポリビニル、可撓性のナイロン、可撓性のポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカルボネートコポリマー、親水性ポリマー(例えば、アクリル酸とメタクリル酸とのエステルのヒドロゲル)、コラーゲン、外部のポリマー膜によって囲まれている架橋型ポリビニルアルコールおよび架橋型の部分的に加水分解したポリビニルアセテート(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/酢酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、塩化ポリビニル、酢酸ビニルと、塩化ビニリデンと、エチレンとプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー(terpolymer)、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー(体液中で不溶性である))中に分散される。活性成分は、放出速度を制御する工程において外部のポリマー膜を通過して拡散する。このような非経口組成物に含まれる活性化合物の%は、その特定の性質ならびにIFN−IgG4融合体の活性および被験体の必要性に大きく依存する。
【0093】
IFN−IgG4融合体の濃度は、注射が所望の薬理学的効果をもたらすのに有効な量を提供するように調整され得る。正確な用量は、とりわけ、当該分野において公知であるように、患者の年齢、体重および状態に依存する。
【0094】
単位用量の非経口調製物は、アンプル、バイアルまたは針を備える注射器にパッケージ化される。非経口投与のための全ての調製物は、当該分野において公知でありかつ実施されるように、滅菌されなければならない。
【0095】
IFN−IgG4融合体は、凍結乾燥粉末へと処方され得、その凍結乾燥粉末は、溶液、エマルジョンおよび他の混合物として投与するために再構成され得る。その粉末はまた、固体またはゲルとして再構成および処方され得る。
【0096】
上記滅菌した凍結乾燥粉末は、IFN−IgG4融合体またはその薬学的に受容可能な誘導体を適切な溶媒に溶解することによって調製される。上記溶媒は、上記粉末または再構成された溶液(その粉末から調製された)の安定性または別の薬理学的成分を改善する賦形剤を含み得る。使用され得る賦形剤としては、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロースまたは他の適切な薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。上記溶媒はまた、緩衝剤(例えば、クエン酸塩、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムあるいは他のそのような当業者に公知である緩衝剤)を、いくつかの実施形態では、ほぼ中性のpHで含み得る。当業者に公知である標準的な条件下におけるその後の濾過滅菌、それに続く凍結乾燥は、所望の処方物を提供する。1つの実施形態において、得られた溶液は、凍結乾燥のためにバイアルに分配される。各バイアルは、IFN−IgG4の単一投薬量または複数投薬量を含み得る。上記凍結乾燥粉末は、適切な条件下(例えば、約4℃〜室温)で保存され得る。
【0097】
この凍結乾燥粉末の注射用水による再構成は、非経口投与に使用するための処方物を提供する。再構成のために、上記凍結乾燥粉末は、滅菌水または別の適切なキャリアに添加され得る。その正確な量は、選択された化合物に依存する。このような量は、実験的に決定され得る。
【0098】
吸入による投与は、例えば、ソルビタントリオレエートまたはオレイン酸を、例えば、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは任意の他の生物学的に適合可能な噴霧剤ガスと一緒に含むエアロゾルを使用することによって提供され得る;IFN−IgG4融合体をそれ含むシステムを自体かまたは賦形剤と合わせて粉末形態で使用することも、可能である。
【0099】
1つの実施形態において、IFN−IgG4融合体は、経口投与のための固体投薬形態へと処方され、1つの実施形態において、そのIFN−IgG4融合体は、カプセル剤または錠剤へと処方される。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または同様の性質の化合物の1種以上を含み得る:結合剤;滑沢剤;希釈剤;流動促進剤(glidant);崩壊剤;着色剤;甘味剤;香料;湿潤剤;催吐コーティング;およびフィルムコーティング。結合剤の例としては、微結晶性セルロース、トラガカントガム、グルコース溶液、アラビアゴム粘液、ゼラチン溶液、糖蜜、ポリビニルピロリドン、ポビドン、クロスポビドン、スクロースおよびデンプンのりが挙げられる。滑沢剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、セキショウシおよびステアリン酸が挙げられる。希釈剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトールおよび第二リン酸カルシウムが挙げられる。流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤としては、カルメロースナトリウム架橋重合物(crosscarmellose sodium)、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天およびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としては、例えば、任意の承認された水溶性のFD色素およびC色素、その混合物;ならびに水酸化アルミナに懸濁された不水溶性のFD色素およびC色素が挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトールおよび人工甘味剤(例えば、サッカリン)ならびに多くの噴霧乾燥した香料が挙げられる。香料としては、植物(例えば、果実)から抽出された天然の香料および清涼感をもたらす化合物(例えば、ペパーミントおよびサリチル酸メチルであるが、これらに限定されない)の合成ブレンドが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウリルエーテル(laural ether)が挙げられる。催吐コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、蝋、シェラック、アンモニア処理したシェラックおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。
【0100】
本発明の方法は、例えば、1種以上の他の治療剤と合わせてたIFN−IgG4融合体の投与を包含する。1つの実施形態において、他の治療剤は、被験体に投与される場合にその被験体におけるウイルス感染を処置または予防する抗ウイルス剤である。このような薬剤の投与および投薬量は、代表的に、Physicians’Desk Reference 2003(Physicians’Desk Reference、第57版);Medical Economics Company;ISBN:1563634457;第57版(2002年11月)、および当該分野において周知である治療プロトコルにおける、承認された薬剤の製品情報シートに記載されるスケジュールに従うものである。
【0101】
「治療剤」は、被験体に投与された場合に所望されるかまたは有益な治療効果(所与の医学的状態に関連する症状の進行または重篤度の予防、排除または減少)をもたらす薬剤である。治療剤は、例えば、抗ウイルス剤または抗癌剤であり得る。
【0102】
IFN−IgG4融合体と合わせて、投与され得るかまたは組み合され得る化合物としては、1種以上のリボヌクレオチドアナログ、IMPDHインヒビター、N−グリコシル化インヒビター、N3プロテアーゼインヒビター、NS5Bインヒビター、免疫調節性化合物およびCTPシンターゼインヒビター、チアゾリジン誘導体、ベンズアニリド、フェナントレキノン、ヘリカーゼインヒビター、ポリメラーゼインヒビター、アンチセンスホスホチオエートオリゴデオキシヌクレオチド、IRES依存性翻訳インヒビター、ヌクレアーゼ抵抗性リボザイム、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(alkyloyclohexane)、アルキル脂質、抗酸化剤、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸、ベンゼンジカルボキサミド、ポリアデニル酸誘導体、2’,3’ジデオキシイノシンおよびベンズイミダゾールが挙げられる。
【0103】
上述の通り、本発明の1つの実施形態において、リバビリン
【0104】
【化17】

は、IFN−IgG4融合体と合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。リバビリンは、Schering Corporation;Kenilworth、NJによってREBETOL(登録商標)として販売されている。その製造および処方は、例えば、米国特許第4,211,771号に記載される。
【0105】
上述の通り、本発明の1つの実施形態において、ラミブジン(lamuvidine)
【0106】
【化18】

;またはジドブジン
【0107】
【化19】

は、IFN−IgG4融合体と合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。
【0108】
本発明の別の実施形態において、ゲムシタビン
【0109】
【化20】

は、IFN−IgG4融合体と合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。ゲムシタビンは、Eli Lilly and Co.(Indianapolis、IN)によってGEMZAR(登録商標)として販売される。
【0110】
本発明のさらなる実施形態は、VX497
【0111】
【化21】

と合わせたIFN−IgG4融合体の投与または組み合わせを含む。
【0112】
本発明の1つの実施形態は、IFN−IgG4融合体と合わせた、ミコフェノール酸モフェチル(MMF;2−モルホリノエチル(E)−6−(1,3−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−6−メトキシ−7−メチル−3−オキソ−5−イソベンゾフラニル)−4−メチル−4−ヘキセノエート)の投与または組み合わせを含む。MMFは、Roche Laboratories(Nutley、NJ)によってCellCept(登録商標)として販売されている。
【0113】
別の実施形態は、IFN−IgG4融合体と合わせた、EICAR
【0114】
【化22】

または
【0115】
【化23】

の投与または組み合わせを含む。
【0116】
本発明の1つの実施形態は、IFN−IgG4融合体と合わせたチアゾフリン
【0117】
【化24】

の投与または組み合わせを含む。
【0118】
本発明の別の実施形態は、IFN−IgG4融合体と合わせた、デオキシノジリマイシン(deoxynojirimycin)および/もしくはその誘導体(例えば、N−ノニル−デオキシノジリマイシン(De Clercqら、Mini Rev Med Chem.2(2):163−75(2002))またはn−ブチルデオキシノジリマイシン(nB−DNJ;Ouzounovら、Antiviral Res.55(3):425−35(2002))の投与または組み合わせを含む。
【0119】
別の実施形態において、BILN−2061
【0120】
【化25】

は、IFN−IgG4融合体と合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。
【0121】
別の実施形態において、チマルファシン(thymalfasin)(例えば、ZADAXINTM)は、IFN−IgG4融合体と合わせて投与されるか、または組み合わされる。ZADAXINTMは、SciClone Pharmaceuticals International,Ltd.(San Mateo、CA)から入手可能である。
【0122】
なお別の実施形態において、イサトルビン(isatoribine)
【0123】
【化26】

は、IFN−IgG4融合体と合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。
【0124】
別の実施形態において、IFN−IgG4融合体は、テルビブジン(telbivudine)
【0125】
【化27】

、バルトルシチビン(valtorcitibine)
【0126】
【化28】

、MN283
【0127】
【化29】

またはNM107(Idenix Pharmaceuticals;Cambridge、MA)などの任意のNS5Bインヒビターと合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。
【0128】
別の実施形態において、IFN−IgG4融合体は、
【0129】
【化30】

または
【0130】
【化31】

と合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。
【0131】
さらなる実施形態において、IFN−IgG4融合体は、Qasimら、Biochemistry 36:1598−1607(1997)に開示されるElgin cの任意のP改変体と合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。
【0132】
なお別の実施形態において、IFN−IgG4融合体は、グリオトキシン
【0133】
【化32】

と合わせて、投与されるかまたは組み合わされる。
【0134】
本発明の他の実施形態は、RD3−4082
【0135】
【化33】

またはRD3−4078
【0136】
【化34】

またははSudoらにおいて開示される任意の他のプロテアーゼインヒビターと合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0137】
本発明のさらなる実施形態は、
【0138】
【化35】

またはKakiuchiらにおいて開示される任意の他のプロテアーゼインヒビターと合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0139】
本発明の別の実施形態は、RD4−6205
【0140】
【化36】

またはSudoらにおいて開示される任意の他のプロテアーゼインヒビターと合わせた、IFN−IgG4融合体の投与または組み合わせを含む。
【0141】
本発明の1つの実施形態は、セルレニン
【0142】
【化37】

またはLohmannらにおいて開示される任意の他のHCV RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)インヒビターと合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0143】
本発明の1つの実施形態は、セプレン(ceplene)
【0144】
【化38】

と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0145】
本発明のなお別の実施形態は、アマンタジン
【0146】
【化39】

と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0147】
本発明のさらなる実施形態は、IDN−6556
【0148】
【化40】

と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0149】
本発明のなお別の実施形態は、ナフトキノン、2−メチルナフトキノン、2−ヒドロキシナフトキノン、5−ヒドロキシナフトキノン、5,8−ジヒドロキシナフトキノン、アルカンニンまたはシコニン(Takeshitaら、Analytical Biochem.247:242−246(1997))と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0150】
本発明のさらなる実施形態は、以下と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む:1−アミノ−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1(トランス),3(トランス),5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1(シス),3(シス),5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1,3,3,5−テトラメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1,3,5,5−テトラメチル−3−エチルシクロヘキサン、1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3,3−ジエチルシクロヘキサン、1−アミノ−1,5,5−トリメチル−シス−3−エチルシクロヘキサン、1−アミノ−(1S,5S)シス−3−エチル−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1,5,5−トリメチル−トランス−3−エチルシクロヘキサン、1−アミノ−(1R,5S)トランス−3−エチル−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−エチル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−プロピル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン、N−メチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、N−エチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、またはN−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)ピロリジンあるいは米国特許第6,034,134号に開示される任意の他の1−アミノアルキルシクロヘキサン N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)インヒビター。
【0151】
本発明のさらなる実施形態は、d−α−トコフェロールまたは米国特許第5,922,757号に開示される任意の他の抗HCV化合物と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0152】
本発明の別の実施形態は、タウロウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸または遊離胆汁酸あるいは米国特許第5,846,964号に開示される任意の他の胆汁酸HCVインヒビターと合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0153】
本発明の別の実施形態は、1,1’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビス(4,4’−トランス−(4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ)ベンズイミダゾイル)ピペリジン、1,1’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビス(4,4’−ベンズイミダゾイル)ピペリジンまたは米国特許第5,830,905号に開示される任意の他の抗HCV化合物と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0154】
本発明の別の実施形態は、N,N’−4−[(2−ベンズイミダゾール)フェニル]−1,4−ブタンジカルボキサミド、N,N’−4−[(2−ベンズイミダゾール)フェニル]−1,6−ヘキサンジカルボキサミド、N,N’−4−[(2−ベンズイミダゾール)フェニル]−1,8−オクタンジカルボキサミド、N,N’−4−[(2−ベンズイミダゾール)フェニル]−1,9−ノナンジカルボキサミド、N,N’−4−[(2−ベンズイミダゾール)フェニル]−1,10−デカンジカルボキサミドまたはN,N’−4−[(2−ベンズイミダゾール)フェニル]−1,4−ブテンジカルボキサミドあるいは米国特許第5,633,388号に開示される任意の他のカルボキサミドHCVインヒビターと合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0155】
本発明の別の実施形態は、米国特許第5,496,546号に開示される任意のポリアデニル酸(5’)誘導体と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0156】
本発明のさらなる実施形態は、2’,3’−ジデオキシイノシン(米国特許第5,026,687号)と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0157】
本発明の1つの実施形態は、
【0158】
【化41】

または米国特許第5,891,874号に開示される任意の他のベンズイミダゾールと合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0159】
本発明のさらなる実施形態は、IFN−IgG4融合体と合わせたVX−950
【0160】
【化42】

の、投与または組み合わせを含む。
【0161】
本発明の別の実施形態は、ビラミジン(viramidine)
【0162】
【化43】

またはレボビリン(levovirin)
【0163】
【化44】

と合わせたIFN−IgG4融合体の、投与または組み合わせを含む。
【0164】
1つの実施形態において、本発明は、トルテロジン;オキシブチニン;オキシブチニン;オキシブチニン;臭化プロパンテリン;塩化トロスピウム;イミプラミン;コハク酸ソリフェナシン;鉱油;ドクセート;ビサコジル;ドクセート便軟化剤緩下薬;リン酸ナトリウム;車前子親水性粘漿薬;水酸化マグネシウム;グリセリン;酢酸グラチラマー;ミトキサントロン;塩酸デュロキセチン;ベランファキシン;パロキセチン;フルオキセチン;ブプロピオン;セルトラリン;メクリジン;パパベリン;タダラフィル;バルデナフィル;アルプロスタジル;アルプロスタジル;シルデナフィル;デキサメタゾン;プレドニゾン;メチルプレドニゾロン;アマンタジン;モダフィニル;フルオキセチン;ペモリン;ヒドロキシジン;メクリジン;塩酸デュロキセチン;フェニトイン;アミトリプチリン;ガバペンチン;ノルトリプチリン;クロナゼパム;カルバマゼピン;イミプラミン;バクロフェン;ダントロレン;バクロフェン;クロナゼパム;ジアゼパム;チザニジン;イソニアジド;クロナゼパム;デスモプレシン;デスモプレシン;スルファメトキサゾール;シプロフロキサシン;メテナミン;ニトロフラントイン;フェナゾピリジン、トリメトプリムおよびスルファメトキサゾールの組み合わせあるいはトリメトプリム、イトラコナゾール、カルシトリオール、プレドニゾン、トリクロロ酢酸、ポドフィルム、局所液体窒素処置、ポドフィロトキシン塗布剤、イミキモッドクリーム、ポドフィロックス溶液、5−フルオロウラシルクリーム、トリクロロ酢酸(TCA)、クラドリビン(2−クロロデオキシアデノシン、2−CdA)、ペントスタチン、イマチニブから選択されるものの1種以上;トリクロロ酢酸、ポドフィルム、局所液体窒素処置、ポドフィロトキシン塗布剤、イミキモッドクリーム、ポドフィロックス溶液、5−フルオロウラシルクリーム、トリクロロ酢酸(TCA)、リタキシマブ、トシツモマブおよびヨウ素I131、イブリツモマブチウキセタン、ダカルバジン、アルデスロイキンまたは塩酸ドキソルビシンのうちの1種以上と合わせたIFN−IgG4の、投与または組み合わせを含む。
【0165】
上記においても考察されるように、本発明の組成物および方法は、必要に応じて1種以上のさらなる抗ウイルス剤(例えば、リバビリン、インターフェロンα−2aまたはインターフェロンα−2b、あるいはペグ化インターフェロンα−2aまたはペグ化インターフェロンα−2b)と「合わせた」IFN−IgG4融合体を含む。用語「合わせた」は、本発明の組み合わせの成分が同時送達のための単一の組成物へと処方され得るかまたは2つ以上の組成物(例えば、キット)へと別個に処方され得ることを示す。さらに、本発明の組み合わせの成分は、他の成分が投与されるときとは異なる時間に被験体に投与され得る;例えば、各投与は、与えられる期間にわたっていくつかの間隔で同時にではなく(例えば、別個かまたは連続して)与えられ得る。さらに、別々の成分は、被験体に同じかまたは異なる経路(例えば、経口、静脈内、皮下)で投与され得る。
【0166】
本発明は、上で考察される1種以上の抗ウイルス剤(例えば、リバビリン)と薬学的に受容可能なキャリアを含むその薬学的組成物とを合わせてIFN−IgG4融合体を含む組成物を含む。
【0167】
(投薬量および投与)
このような物質の治療的投与のための代表的なプロトコルは、当該分野において周知である。本発明の薬学的組成物は、例えば、任意の(例えば、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射)または非経口ではない経路(例えば、経口、経鼻)によって投与され得る。
【0168】
本発明の丸剤は、経口的に投与され得る。注射可能な組成物は、当該分野において公知である医学的デバイスによって投与され得る;例えば、上で考察されるREDIPEN(登録商標)またはNOVOLET(登録商標)Novo Penを含む皮下針による注射によって。
【0169】
本発明の注射可能な薬学的組成物はまた、針を有さない皮下注射デバイスによって投与され得る;例えば、米国特許第5,399,163号;同第5,383,851号;同第5,312,335号;同第5,064,413号;同第4,941,880号;同第4,790,824号または同第4,596,556号に開示されるデバイス。
【0170】
本発明の組成物は、例えば、1日に3回、1日に2回、1日に1回、1週間に3回、1週間に2回または1週間に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、5週間毎に1回、6週間毎に1回、7週間毎に1回または8週間毎に1回投与され得る。
【0171】
投与において、本発明の化合物または本発明の化合物と合わせて投与される任意の他の抗ウイルス剤の1日量は、可能な場合、Physicians’Desk Reference 2003(Physicians’Desk Reference、第57版);Medical Economics Company;ISBN:1563634457;第57版(2002年11月)に従って投与される。しかし、適切な投薬量は、治療を受ける被験体の特定の特徴を補うために、例えば、投与される化合物の効力、副作用、年齢、体重、医学的状態、健康全般および応答に依存して臨床家によって変更され得る。
【0172】
用語「治療的に有効な量」は、投与者(例えば、研究者、医師または獣医)によって求められる組織、系、被験体または宿主の生物学的応答または医学的応答を誘発する治療剤または物質(例えば、IFN−IgG4融合体)の量を意味し、その応答としては、例えば、フラビウイルス科ウイルス(例えば、HCV)感染の症状の緩和、およびフラビウイルス科ウイルス(例えば、HCV)感染およびその症状の進行を任意の程度まで予防、遅延または停止すること(宿主への肝臓の移植後のフラビウイルス科ウイルス(例えば、HCV)による宿主の感染の予防を含む)が挙げられる;あるいは、1つの実施形態において、その応答としては、多発性硬化症、B型肝炎ウイルス感染、尖圭コンジローム、癌(例えば、白血病、リンパ腫、黒色腫、カポジ肉腫)または本明細書中で考察される任意の医学的障害の緩和、およびこのような医学的障害およびその症状の進行を任意の程度まで予防、遅延または停止することが挙げられる。例えば、1つの実施形態において、IFN−IgG4融合体または別の抗ウイルス剤(例えば、リバビリンおよび/またはペグ化されているかもしくはペグ化されていないインターフェロンα−2aもしくはインターフェロンα−2b)を含む組み合わせの「治療的に有効な投薬量」は、検出可能なフラビウイルス科ウイルスRNA(例えば、HCV RNA)の任意の期間(例えば、12週間以上(例えば、24週間))にわたる根絶を生じる。宿主におけるウイルスRNAの検出は、従来の当該分野において周知である方法を使用して容易に行われ得る。
【0173】
1つの実施形態において、本発明の任意のIFN−IgG4融合体またはIL−10−IgG4融合体の治療的に有効な投薬量または治療的に有効な量は、1ヶ月〜2ヶ月に約1回の投薬頻度で体重60kgあたり約2mg〜約3mg(例えば、体重60kgあたり約2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8または2.9mg)である。
【0174】
1つの実施形態において、リバビリン(例えば、REBETROL(登録商標))の治療的に有効な用量は、患者の体重に依存する。1つの実施形態において、REBETOL(登録商標)の推奨用量は、下の表1に提供される。
【0175】
【化45】

1つの実施形態において、先にインターフェロンによって処置されていない患者に対するリバビリン(例えば、REBETOL(登録商標))による処置の持続期間は、24週間〜48週間である。処置の持続期間は、ベースラインの疾患特性、治療に対する応答、およびレジメンの耐用性に依存してその患者に対して個別化されるべきである。処置の24週間後、ウイルス学的応答が、評価されるべきである。処置の中止は、24週間でアッセイの検出限界を下回るHCV RNAを達成しなかったあらゆる患者において検討され得る。
【0176】
1つの実施形態において、インターフェロン治療後に再発する患者では、リバビリン(例えば、REBETOL(登録商標))による処置の持続期間は、24週間である。
【0177】
REBETOL(登録商標)は、食物に関係なく投与され得るが、食物摂取に関して一貫した様式で投与されるべきである。
【0178】
臨床家または医師は、治療を受ける患者において観察される進行に従って、本発明のIFN−Ig融合体の投薬量を調整し得る。例えば、肝炎ウイルス(例えば、HCV)感染を罹患する患者のウイルス量は、当該分野において周知である多くの方法のいずれかを使用してモニタリングされ得る。本発明の1つの実施形態において、ウイルス量は、以下でより詳細に考察されるようなrtPCRまたはELISA(例えば、Fabriziら、J.Clin.Microbiol.43(1):414−20(2005)またはCookら、J.Clin.Microbiol.42(9):4130−6(2004)を参照のこと)によってモニタリングされる。
【0179】
理想的には、必ずではないが、本発明の組成物を投与される感染している宿主は、最終的に、その宿主の身体においてある期間(例えば、12週間以上)にわたってHCV RNAが検出不可能であることを示す。
【0180】
本発明の文脈において用語「HCV−RNAが検出不可能(no bdetectable HCV−RNA)」は、定量的な複数サイクルの逆転写PCR(rtPCT)方法論によって測定されたところ患者の血清1mlあたり約100コピー未満のHCV−RNAが存在することを意味する。このようなPCRベースのアッセイは、慣習的であり、そして非常に当該分野において周知である。一般に、rtPCRは、検体からRNAを単離し、そのRNAを逆転写してcDNAを産生し、amplifying 特定の核酸配列をPCRによって増幅し、次いで種々の方法を使用してその増幅された配列を検出することによって行われる(Urdeaら、Clin.Chem.43:1507−1511(1997))。
【0181】
1つの実施形態において、本発明の組成物は、フラビウイルス科ウイルスに感染した宿主に投与される場合、持続性のウイルス学的応答を示す。用語「持続性のウイルス学的応答」は、本発明の文脈において使用される場合、本発明によって処置された患者の血清において併用療法処置の終了後に少なくとも24週間にわたってHCV−RNAが検出不可能なままであることを意味する。好ましくは、持続性のウイルス学的応答の期間は、処置の終了後少なくとも1年間以上である。
【0182】
同様に、本明細書中で考察される癌性適応症の処置における投薬量は、当該分野において周知である方法を使用してモニタリングされ得、そして処置する臨床家または医師は、投与されるべきIFN−Igの投薬量を、観察された進行のレベルおよび観察される他の臨床的な危急(例えば、選択された処置レジメンに対する有害反応)に従って調整し得る。本発明の1つの実施形態において、本明細書中で考察されるような白血病適応症(例えば、ヘアリーセル白血病または慢性骨髄性白血病)の本発明のIFN−Igする処置の進行は、白血球酵素アルカリホスファターゼについてのような血液化学試験(LAPスコア)を使用してモニタリングされる(Rambaldiら、Blood 73(5):1113−5(1989))。より低いLAPスコアは、CMLに関連している。本発明の1つの実施形態において、ヘアリーセル白血病の本発明のIFN−Igによる処置の進行は、、例えば、低い白血球数、低い赤血球数または低い血小板を検出する全血球算定;肥大した脾臓または肝臓を検出する身体検査;ヘアリーセルを検出する骨髄生検;ヘアリーセルを検出する末梢血スミア;へアリーセルの存在を確認し得る、血球または骨髄細胞において行われる酒石酢酸抵抗性酸ホスファターゼについての試験;あるいは肥大した脾臓または肝臓を検出する腹部コンピューター連動断層(CT)スキャンによってモニタリングされる。本発明の1つの実施形態において、黒色腫の本発明のIFN−Igを使用する処置の進行は、全身写真撮影およびほくろの位置確認(mole mapping)を含む皮膚の視診によってモニタリングされる。本発明の1つの実施形態において、悪性の大理石骨病(osteopertosis)の処置の進行は、骨格X線(大理石骨病患者のX線は、しばしば、チョークホワイト(chalky white)の外見を伴う異常な密度を有する)、骨密度試験、骨生検、CATスキャンまたはMRIを使用してモニタリングされ得る。本発明の1つの実施形態において、難治性または再発性の尖圭コンジローム(性器いぼ)の処置の進行は、感染した皮膚表面の視診によってモニタリングされ得る。本発明の1つの実施形態において、濾胞性リンパ腫の処置の進行は、全血球算定(CBC)、末梢血スミアの検査、腰部X線およびCTスキャンならびに血液化学試験(例えば、LDH、尿酸、肝機能試験、およびクレアチニンを含む)によってモニタリングされ得る。LDHは、しばしば、腫瘍量の指標であり、ここで高いLDHは、ネガティブな予後因子である。本発明の1つの実施形態において、カポジ肉腫(例えば、AIDS関連カポジ肉腫)の処置の進行は、皮膚病変の視診、腰部X線(肺の病変を可視化するため)、気管支鏡検査(上気道の病変を可視化するため)および内視鏡検査(胃および小腸の病変を可視化するため)によってモニタリングされる。本発明の1つの実施形態において、慢性肉芽腫症(CGD)に関連する感染の処置の進行は、患者の面接および体温のモニタリング、腰部X線、過剰に高いレベルの免疫グロブリンを検出する血球算定、または高い赤血球沈降速度またはESR(慢性感染または炎症の徴候)を検出する試験によってモニタリングされる。本発明の1つの実施形態において、多発性硬化症(MS)の処置の進行は、脳におけるプラークまたは瘢痕の存在を検出する磁気共鳴画像化法MS症状の発作、再燃、紅斑、または再発の頻度をモニタリングするための患者の面接によってモニタリングされる。
【0183】
(キットおよび製品)
本発明のキットは、例えば、丸剤、散剤、注射可能な液体、錠剤、分散可能な顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤または坐剤などの薬学的投薬においてIFN−IgG4融合体またはその薬学的組成物を備える。例えば、Gilmanら(編)(1990)、The Pharmacological Bases of Therapeutics、第8版、Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Sciences、前出、Easton、Penn.;Avisら(編)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker、New York;Liebermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker、New York;and Liebermanら(編)(1990)、Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker、New Yorkを参照のこと。
【0184】
本発明のキットはまた、例えば、そのキット中の薬学的組成物および投薬形態に関する情報を含む添付文書の形態において情報を備え得る。一般に、このような情報は、患者および医師が同封されt薬学的組成物および投薬形態を有効かつ安全に使用するのに役立つ。例えば、IFN−IgG4に関する以下の情報は、挿入物として供給され得る:薬物動態、薬力学、臨床試験、効能のパラメータ、適応および用法、禁忌、警告、注意、有害反応、過量投与、適切な投薬量および投与、供給方法、適切な保存条件、参考文献ならびに特許情報。
【0185】
本発明のキットはまた、例えば、薬学的処方物(より好ましくは、薬学的投薬形態(例えば、丸剤、散剤、注射可能な液体、錠剤、分散可能な顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤または坐剤))で、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせたリバビリン(例えば、Rebetol(登録商標))などの別の治療用組成物を備え得る。
【0186】
IFN−IgG4および他の治療用組成物(例えば、リバビリン)は、キットにおいてか、別個の組成物としてか、または単一の組成物中に組み合わされて供給され得る。
【実施例】
【0187】
以下の実施例は、本発明をより明確に記載するために提供され、そして本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0188】
(実施例1:ヒトインターフェロン−α−2b/Ala−Ser/ヒトIgG4 Fc融合タンパク質のクローニング、発現および精製)
pE3−327−IFNa2bから得られたクローニングされたヒトインターフェロン−α−2b(IFNa2b)(IFNa2bシグナルペプチド配列を含む)を、PCR反応を介してヒトIgG4 Fcに融合した。成熟タンパク質は、ヒトIFNa2b−(Ala−Serリンカー)−ヒトIgG4 Fcを含んだ:
(ヒトインターフェロン−α−2b/Ala−Ser/ヒトIgG4 Fc融合タンパク質(配列番号2))
【0189】
【化46】

【0190】
【化47】

【0191】
【化48】

IgG4領域において実線で下線を付けられた残基は、野生型IgG4においてセリンである残基が変異したものである。上記変異は、IgG4分子の間における分子間ジスルフィド結合の形成を容易し(したがって、上記融合体のダイマー形態の形成に都合がよい)、そして分子内結合の形成を妨げる。
【0192】
ベクターは、アンピシリン耐性マーカーおよびサイトメガロウイルスプロモーター領域を含んだ。
【0193】
プラスミドをEscherichia coli XL1−Blue(Stratagene)中に形質転換し、500ml Luria Broth−50ug/mLアンピシリン中で10時間増殖させ、そしてQiagen Plasmid Maxi Kit(Qiagen、カタログ番号12163)を使用してdsDNAを調製することによって、DNAを調製した。精製したdsDNAを、リン酸カルシウム法(Gormanら、DNA Prot.Engineer.Tech.2:3(1990))を使用してヒト胚腎臓293(HEK293)細胞にトランスフェクトした。細胞を、最初に、10%ウシ胎仔血清(Cellgro)を含む50% Hamm’s F12/50% DMEM F−12中で増殖させた。トランスフェクションの24時間後、その培地を、1ug/mLアポ−トランスフェリン(Sigma)および5ug/mLインスリン(Sigma)を添加したCHO−PF無血清培地(Sigma)に変えた。分泌されたタンパク質を、トランスフェクションの96時間後に回収した。上清を、プロテインA−Sepharose CL−4Bカラム(Pharmacia)に適用し、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で緩衝液を交換し、そしてCentriprep−10(Amicon)を使用して0.5 mlまで濃縮した。精製したタンパク質を、A280によって定量した。
【0194】
さらなる融合タンパク質を、Ala−Serジペプチド配列とヒトIgG4 Fcとの間に種々のサイズのリンカーを挿入することによって産生した。これらのリンカーは、以下である:Gly−Ser−Gly(配列番号9)、Gly−Ser−Gly−Ser−Gly(配列番号10)、および(Gly−Gly−Gly−Ser)−Gly(配列番号11)。
【0195】
(実施例2:IFNα−2b−IgG4の薬物動態)
ヒトIFNα−2b−IgG4融合体構築物を、従来の分子クローニング技術を使用して調製した。簡単にいうと、3種の構築物を、調製した:1つは、IFNα−2bのC末端と、Ala−Serリンカーと、ヒトIgG4のFc領域(CH2+CH3+ヒンジ領域)との間に直接的な融合を含み、残りの2つは、ASGSG(配列番号7)またはASGSGSG(配列番号8)を含むリンカーを含む。HEK293細胞のトランスフェクション後、発現された組換えタンパク質を、プロテイン−A上で精製し、そしてPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)緩衝液に、0.79mg/mLと2.31mg/mLとの間の範囲の濃度で可溶化した。これらの融合タンパク質の生物活性(IFN α2bに関する)を、有効な生物検定を使用して評価した。参照のネイティブなIFNα−2b標準タンパク質を、上記融合タンパク質の生物活性を比較するために使用した。これらのタンパク質の薬物動態を、Sprague Dawleyラットにおいて1mg/kgの用量における静脈内投与後に評価した。投与前、投与の1時間後、4時間後、8時間後、24時間後、ならびに投与の2日後、3日後、4日後、7日後、10日後、14日後、22日後、および28日後に得た血漿サンプルを、有効な生物検定を使用して分析した。上記アッセイの結果を、以下の表2に示す。
【0196】
【化49】

タンパク質1mgあたり2.1×10IUと3.3×10IUとの間の範囲の3種の融合構築物の生物活性(IFN基準の標準的な生物活性は、タンパク質1mgあたり2.6×10IU;インビトロアッセイにおいて決定される場合)。
【0197】
インターフェロン生物活性を測定した細胞変性効果(CPE)アッセイは、細胞をウイルス誘導性の細胞死または細胞変性効果から保護するインターフェロン(IFN)(またはIFN活性を有する分子)の能力に基づく。上記アッセイは、96ウェル形式においてヒト線維芽細胞(FS−71、正常なヒト二倍体包皮細胞)およびEMCウイルス(脳心筋炎ウイルス)を使用した:一定数の細胞を、約4時間にわたってIFN(参照IFN基準)で処理し、次いで一定数のウイルス粒子を感染させたサンプルの存在下で算出した。ウイルスに感染したコントロール細胞がCPEの所定の段階に到達した後、その培地を回収し、そしてその細胞を、クリスタルバイオレットを使用して比色分析でアッセイした。次いで、上記サンプルを、生物活性の算出のためにIFN参照基準についての活性曲線と比較した。
【0198】
ラットにおけるこれらの融合タンパク質の薬物動態は、IFNタンパク質に対して、IFNに由来する生物活性の最終的な半減期(t1/2)における実質的な改善を示した。そのt1/2は、ラットにおいてIFNタンパク質を用いた1時間のt1/2(t1/2は、ヒトにおいて約2時間である)と比較して、5.6日間と9.7日間との間の範囲であった。
【0199】
(実施例3:IFNa2b−IgG4の発現、精製および性質決定)
産生用細胞株である293 c18を、American Type Culture Collection(CRL−10852)から入手し、10% FBSを補ったDMEM中で維持した。IFN融合タンパク質 SCH YおよびIFN融合タンパク質 SCH ZをコードするcDNAを、発現ベクターであるpCEP4ベクター(Invitrogen Corp.;Carlsbad,CA)にクローニングした。TransIT−293(Mirus Bio,Madison,WI)を用いて、発現ベクターであるpCEP4−LPD475およびpCEP4−LPD476を、293 c18細胞内にトランスフェクションした。次いで、トランスフェクションした細胞培養物を、ジェネティシン(400μg/mL)およびハイグロマイシンB(400μg/mL)で処理した。
【0200】
上記融合タンパク質の産生のために、これらのトランスフェクションした細胞を、T型フラスコ内で、10% FBSを含むDMEM中に播種した。播種の約3日後に、培養物を、200mM グルタミン(40ml/L)、Trace A(1ml/L)、Trace B(1ml/L)、Tris Ph 7.4(15ml/L)、IS(iron supplement)Fe(1ml/L,Irvine Scientific;Santa Ana,CA)を補った293 SFMII(Invitrogen Corp.)に交換した。72時間以内に、インキュベーターの温度を、37℃から34℃まで下降させ、そして産生の間中、34℃で維持した。この温度の変更後の約10〜12日目に、上記培養物の上清を回収した。この馴化培養培地を、卓上遠心分離機で遠心分離した。この上清を、0.2μm フィルターを通して濾過した。
【0201】
上記融合体を、プロテインAカラムクロマトグラフィーにより、次の通りに精製した:IFNα−2b−IgG4の2つのクローンを、5mLのHiTrap−rProtein Aカラムを用いて精製した。このカラムの寸法は、1.6cm×2.5cmであった。この精製を、冷蔵室内で、AKTA 100システム(GE Healthcare;Piscataway,NJ)を用いて実施した。ロードする標的は、約10mg/mLの樹脂であった。
【0202】
上記カラムを、125mM 塩化ナトリウム、pH 7.2を含む、カラム3つの容量の10mM リン酸ナトリウムで平衡化した。次いで、フィード(feed)を、上記カラムに流速1ml/分でロードした。上記カラムを、カラム10個の容量の上記の緩衝液を用いて、同じ流速で洗浄した。洗浄後、結合したタンパク質を、100mM 酢酸ナトリウム、pH 2.9を用いて、流速1ml/分で溶出した。
【0203】
このプールを、1M Tris塩基を用いて、pH 5.5に調整し、0.22μm フィルターを通して濾過し、そして予備解析用に用いた。その後、このプールを、125mM 塩化ナトリウム、pH 7.2を含む1リットルの10mM リン酸ナトリウムに対して透析し、0.22μmで濾過し、そして4℃で保管した。
【0204】
(表3.プールの解析結果)
【0205】
【化50】

上記IFNα−2b−IgG4融合体を、サイズ排除HPLCカラムで解析した。その結果は、下記の表4において示されている。
【0206】
(表4.IFNα−2b−IgG4のサイズ排除HPLC解析)
配列 MW IFNα−2b−IgG4 (SCH Z)=45070.15
配列 MW IFNα−2b−IgG4 (SCH Y)=45214.28
【0207】
【化51】

リゾチーム、ウシ血清アルブミン(BSA)およびIgGを、IFNα−2b−IgG4 SCH−YまたはIFNα−2b−IgG4 SCH−Zのサイズを算出する対照となるサイズ標準として、上記カラムに通した。分子量が上記カラムから溶出されたポリペプチドのサイズの約半分であるので、上記カラムから溶出されたIFNα−2b−IgG4は二量体であったことが、導き出された。
【0208】
この実施例において発現された融合体の生物活性を、インビトロでの細胞変性効果(CPE)アッセイにおいて上記に示されているように測定した:
IFNa2b−IgG4(SCH Y):7.48×10IU/mg
IFNa2b−IgG4(SCH Z):1.02×10IU/mg
本発明は、本明細書中に記載されている特定の実施形態により、範囲を限定されることを意図しない。実際、本明細書中に記載されている改変に加えて、本発明の様々な改変が、上記の説明から、当業者にとって明らかである。このような改変は、添付されている特許請求の範囲の範囲内におさまることを意図されている。
【0209】
特許、特許出願、刊行物、製品の説明、およびプロトコールは、本出願を通じて引用されており、その開示は、本明細書中に参考として全体が全ての目的のために援用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のIgG4 Fcポリペプチドに融合した1つ以上のインターフェロンポリペプチドを含む、単離されたポリペプチド。
【請求項2】
請求項1に記載のポリペプチドであって、ここで、前記インターフェロンは、インターフェロンα−1a、インターフェロンα−1b、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−2c、インターフェロンα−4a、インターフェロンα−4b、インターフェロンα−5、インターフェロンα−6、インターフェロンα−7a、インターフェロンα−7b、インターフェロンα−8a、インターフェロンα−8b、インターフェロンα−8c、インターフェロンα−10a、インターフェロンα−10b、インターフェロンα−13、インターフェロンα−14a、インターフェロンα−14b、インターフェロンα−14c、インターフェロンα−16、インターフェロンα−17a、インターフェロンα−17b、インターフェロンα−17c、インターフェロンα−17d、インターフェロンα−21a、インターフェロンα−21b、インターフェロンα−24、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンτ、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b、インターフェロンγ−1b、インターフェロンγ、インターフェロンα Fおよびインターフェロンα con−1からなる群から選択されるメンバーである、ポリペプチド。
【請求項3】
配列番号2、3および15からなる群から選択されるメンバーにおいて示されているアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項4】
請求項1に記載のポリペプチドであって、ここで、前記インターフェロンは、配列番号12〜14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
【請求項5】
請求項1に記載のポリペプチドであって、ここで、前記IgG4は、配列番号1において示されているアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
【請求項6】
請求項1に記載のポリペプチドであって、ここで、前記インターフェロンは、ペプチドリンカーにより前記IgG4に融合されている、ポリペプチド。
【請求項7】
請求項6に記載のポリペプチドであって、ここで、前記リンカーは、約2〜約18個のアミノ酸を含む、ポリペプチド。
【請求項8】
請求項6に記載のポリペプチドであって、ここで、前記リンカーは、
【化1】

【化2】

からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
【請求項9】
必要に応じて二価の陽イオンと配位結合した、請求項1に記載の2つ以上のポリペプチドを含む、多量体。
【請求項10】
請求項9に記載の多量体であって、ここで、前記陽イオンは、Zn2+である、多量体。
【請求項11】
結晶性である、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項12】
請求項1に記載の前記ポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項13】
1つ以上のさらなる薬剤と合わせた請求項1に記載のポリペプチドを含む、組成物またはその薬学的組成物。
【請求項14】
フラビウイルス科のウイルス感染、多発性硬化症、慢性肉芽腫症に関連する重症の感染、悪性大理石骨病、難治性もしくは再発性である外部の尖圭コンジローム、ヘアリーセル白血病、慢性期であるフィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)、悪性黒色腫、濾胞性リンパ腫、尖圭コンジローム、AIDS関連カポジ肉腫、B型肝炎感染およびC型肝炎感染からなる群から選択される医学的状態を処置するために適切な1つ以上のさらなる薬剤と合わせて、請求項1に記載のポリペプチドを含む、組成物またはその薬学的組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の組成物であって、ここで、前記さらなる薬剤は、リバビリン、イサトリビン、VX−497、ビラミジン、BILN 2061、VX−950およびIDN−6556からなる群から選択されるメンバーである、組成物。
【請求項16】
請求項1に記載のポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項17】
配列番号4、5および16からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項16に記載のポリヌクレオチド。
【請求項18】
請求項16に記載のポリヌクレオチドを含む、単離されたベクター。
【請求項19】
請求項18に記載のベクターを含む、単離された宿主細胞。
【請求項20】
インターフェロンのインビボでの半減期を延長させるための方法であって、該インターフェロンをIgG4に融合させる工程を包含する、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、ここで、前記IgG4に融合した前記インターフェロンは、配列番号2、3および15からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、ここで、前記インターフェロンは、インターフェロンα−1a、インターフェロンα−1b、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−2c、インターフェロンα−4a、インターフェロンα−4b、インターフェロンα−5、インターフェロンα−6、インターフェロンα−7a、インターフェロンα−7b、インターフェロンα−8a、インターフェロンα−8b、インターフェロンα−8c、インターフェロンα−10a、インターフェロンα−10b、インターフェロンα−13、インターフェロンα−14a、インターフェロンα−14b、インターフェロンα−14c、インターフェロンα−16、インターフェロンα−17a、インターフェロンα−17b、インターフェロンα−17c、インターフェロンα−17d、インターフェロンα−21a、インターフェロンα−21b、インターフェロンα−24、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンτ、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b、インターフェロンγ−1b、インターフェロンγ、インターフェロンα Fおよびインターフェロンα con1からなる群から選択されるメンバーである、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、ここで、前記インターフェロンは、配列番号12〜14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、方法。
【請求項24】
請求項20に記載の方法であって、ここで、前記IgG4は、配列番号1において示されているアミノ酸配列を含む、方法。
【請求項25】
フラビウイルス科のウイルス感染、多発性硬化症、慢性肉芽腫症に関連する重症の感染、悪性大理石骨病、難治性もしくは再発性である外部の尖圭コンジローム、ヘアリーセル白血病、慢性期であるフィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)、悪性黒色腫、濾胞性リンパ腫、尖圭コンジローム、AIDS関連カポジ肉腫、B型肝炎感染、C型肝炎感染からなる群から選択される医学的状態ならびに任意の処置可能な医学的状態を、被験体において、インターフェロン治療により処置または予防するための方法であって、該被験体に、IgG4に融合したインターフェロンを含む単離されたポリペプチドまたはその薬学組成物の治療的に有効な量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、ここで、IgG4に融合した前記インターフェロンは、配列番号2、3および15からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、妊婦または授乳婦である、方法。
【請求項28】
請求項25に記載の方法であって、ここで、前記インターフェロンは、インターフェロンα−1a、インターフェロンα−1b、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−2c、インターフェロンα−4a、インターフェロンα−4b、インターフェロンα−5、インターフェロンα−6、インターフェロンα−7a、インターフェロンα−7b、インターフェロンα−8a、インターフェロンα−8b、インターフェロンα−8c、インターフェロンα−10a、インターフェロンα−10b、インターフェロンα−13、インターフェロンα−14a、インターフェロンα−14b、インターフェロンα−14c、インターフェロンα−16、インターフェロンα−17a、インターフェロンα−17b、インターフェロンα−17c、インターフェロンα−17d、インターフェロンα−21a、インターフェロンα−21b、インターフェロンα−24、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンτ、インターフェロンα−N3、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b、インターフェロンγ−1b、インターフェロンγ、インターフェロンα Fおよびインターフェロンα con1からなる群から選択されるメンバーである、方法。
【請求項29】
請求項25に記載の方法であって、ここで、前記ポリペプチドは、1種以上のさらなる薬剤またはその薬学的組成物と合わせて投与される、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、ここで、前記ポリペプチドは、フラビウイルス科のウイルス感染、多発性硬化症、慢性肉芽腫症に関連する重症の感染、悪性大理石骨病、難治性もしくは再発性である外部の尖圭コンジローム、ヘアリーセル白血病、慢性期であるフィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)、悪性黒色腫、濾胞性リンパ腫、尖圭コンジローム、AIDS関連カポジ肉腫、B型肝炎感染およびC型肝炎感染からなる群から選択される医学的状態を処置するために適切な1種以上のさらなる薬剤またはその薬学的組成物と合わせて投与される、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、ここで、前記さらなる薬剤は、リバビリン、イサトリビン、VX−497、ビラミジン、BILN 2061、VX−950およびIDN−6556からなる群から選択される、方法。
【請求項32】
請求項25に記載の方法であって、ここで、前記インターフェロンは、配列番号12〜14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、方法。
【請求項33】
請求項25に記載の方法であって、ここで、前記IgG4は、配列番号1において示されているアミノ酸配列を含む、方法。
【請求項34】
請求項25に記載の方法であって、ここで、前記宿主は、ヒトである、方法。
【請求項35】
請求項25に記載の方法であって、ここで、前記医学的状態は、C型肝炎ウイルス感染であり、ここで、必要に応じて抗ウイルス治療薬と合わせた、IgG4に融合したインターフェロンを含む単離されたポリペプチドまたはその薬学的組成物の治療的に有効な量は、検出可能なC型肝炎ウイルスのRNAを根絶するためそして処置期間の終了後少なくとも12週間にわたってC型肝炎ウイルスのRNAを検出不可能に維持するために十分な処置期間にわたって投与される、方法。
【請求項36】
IgG4に融合したインターフェロンを含むポリペプチドを調製するための方法であって、請求項16に記載のポリヌクレオチドを、該ポリヌクレオチドが発現される条件下で、宿主細胞に導入する工程を包含する、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、さらに前記ポリペプチドを単離する工程を包含する、方法。
【請求項38】
請求項36に記載の方法により生成される、ポリペプチド。
【請求項39】
請求項36に記載の方法であって、ここで、前記IgG4に融合したインターフェロンは、配列番号2、3および15からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、方法。

【公表番号】特表2008−545409(P2008−545409A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513641(P2008−513641)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/020000
【国際公開番号】WO2006/127757
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】