説明

インターフェロン、それに関する使用及び組成物

【課題】インターフェロン(IFN)は、サイトカインの中で良く知られたファミリーの一つであり、四つのグループ、即ちIFN−α(白血球)、IFN−β(線維芽細胞)、IFN−γ(リンパ球)、及びIFN−ω(白血球)、に分類されてきた。そのうちの1種である比較的に均質な白血球インターフェロンの取得と特徴付け。
【解決手段】比較的に均質な白血球インターフェロンα、およびインターフェロンポリペプチドを特異的に認識する抗体、本核酸を含有する発現ベクタ、及び、本ポリペプチドを発現する宿主細胞、インターフェロンαを用いた治療法。該インターフェロンは細胞増殖を抑制し、免疫応答を修飾し、タンパク質の発現を変化させることができる。これらの性質がもとで、ウィルス感染及び悪性腫瘍の治療用の治療薬として、白血球インターフェロンの臨床上の使用が可能になった。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
インターフェロン(IFN)は、サイトカインの中で良く知られたファミリーの一つであり、多くの様々な真核細胞が多種の刺激に暴露したときに分泌される。インターフェロンはその化学的特徴及び生物学的特徴によって四つのグループ、即ちIFN−α(白血球)、IFN−β(線維芽細胞)、IFN−γ(リンパ球)、及びIFN−ω(白血球)、に分類されてきた。IFN−α及びβはタイプIインターフェロンとして知られ、IFN−γはタイプII又は免疫インターフェロンとして知られる。これらIFNは抗ウィルス活性、免疫調節活性、及び抗増殖活性を示す。インターフェロンの臨床上の可能性が認識されてきた。
【0002】
ヒト白血球インターフェロンは当初、アイザック及びリンデンマンによって非常に粗な画分として発見及び調製された。この物質を精製及び特徴付けようとする試みの結果、正常又は白血病(慢性骨髄性白血病即ち「CML」)のドナーの白血球を由来とする比較的に均質な白血球インターフェロンの製剤が得られた。これらのインターフェロンは、ウィルス抵抗性状態をその標的細胞にもたらす強力な能力を特徴とするタンパク質ファミリーである。加えて、インターフェロンは細胞増殖を抑制し、免疫応答を修飾し、タンパク質の発現を変化させることができる。これらの性質がもとで、ウィルス感染及び悪性腫瘍の治療用の治療薬として、白血球インターフェロンの臨床上の使用に拍車がかかってきた。
【0003】
過去数十年の間、多数のヒト及び動物インターフェロンが生成、同定、精製及びクローンされてきた。インターフェロン製剤のうちのいくつかは、原型のインターフェロン製剤のいくつかの場合には粗な形態、そして精製された形態という、両方で臨床試験用に調製されてきた。いくつか別個の組換えインターフェロン−α種がクローン及び発現させられてきた。次にこれらのタンパク質は多種の手法で精製され、多種の処方で臨床上の使用に向けて調剤されてきた。世界中の様々な規制機関が認可して臨床上使用されているインターフェロンの大半は、ヒトαインターフェロン(Hu−IFN−α)の混合物又は独立した種である。国によっては、Hu−IFN−β及びγも臨床試験に認可されており、場合によっては治療用途でも認可されている。これらのインターフェロンの臨床上の使用の根元にある論点は、これらは正常な個体によって産生される天然分子であるという点である。確かに、この具体的な論点は、臨床上の使用に向けて調製されたすべてのインターフェロンは、それが天然生成物であれ、組換え生成物であれ、正常な人が天然で生ずるインターフェロンの典型であるという点だった。これは、今まで生産されてきた多数のインターフェロンや、特定の成長因子、リンホカイン、サイトカイン、ホルモン、凝固因子等のタンパク質にとって真実である。
【0004】
発明の概要
本発明は、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、又はそれらの断片(フラグメント)のうちの少なくとも一つに示すアミノ酸配列を含むインターフェロンポリペプチドの少なくとも一部分をコードするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸分子を提供するものである。このように、本発明の一局面は、(a)配列番号
: 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84
又は86のうちの少なくとも一つのアミノ酸配列を含むインターフェロンポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)配列番号
: 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84
又は86のうちの少なくとも一つに示されたポリペプチドの生物学的に活性な断片をコードするヌクレオチド配列;及び(c)上記の(a)又は(b)のヌクレオチド配列のいずれかの少なくとも一つに相補的なヌクレオチド配列、からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチドを提供するものである。
【0005】
本発明の更なる実施態様は、上記の(a)、(b)もしくは(c)のヌクレオチド配列のいずれかに、少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%
又は99% 同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドか、又は、上記の(a)、(b)もしくは(c)のポリヌクレオチドに、そして好ましくは、配列番号
: 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83
又は85のうちの少なくとも一つに示したポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、を含んで成る単離された核酸分子を含む。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミド、5×SSC
(150 mM NaCl、15 mMクエン酸三ナトリウム)、50 mM リン酸ナトリウム (pH
7.6)、5×デンハーツ溶液、10% 硫酸デキストラン、及び 20 mu g/mlの変性させ、せん断したサケ精子DNAを含んで成る溶液中で42℃で一晩インキュベートした後、フィルタを約65℃の0.1×SSC
中で洗浄することを意図している。
【0006】
より広くは、 配列番号
: 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83
又は85のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子の断片とは、ここで解説するように診断用プローブ及びプライマとして有用な少なくとも約15ヌクレオチド長、そしてより好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド長、さらにより好ましくは少なくとも約30ヌクレオチド長、そしてさらにより好ましくは少なくとも約40ヌクレオチド長の断片を意図している。もちろん、より長い50乃至300ヌクレオチド長の断片も、配列番号
: 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83
又は85のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列の少なくとも一つの、全部でないにしても大半に相当する断片と同様に、本発明で有用である。例えば少なくとも20ヌクレオチド長の断片とは、
配列番号 : 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83
又は85のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列の少なくとも一つを由来とする20以上の連続した塩基を含有する断片と意図している。
【0007】
ポリヌクレオチドの「一部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、基準となるポリヌクレオチドの少なくとも約15個のヌクレオチド、そしてより好ましくは少なくとも約20個のヌクレオチド、さらにより好ましくは少なくとも約30個のヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは約30乃至70個(例えば50個)のヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNA又はRNA)を意図している。これらは上述したように、そして以下に詳述するように、診断用プローブ及びプライマとして有用である。
【0008】
別の局面では、本発明は、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26
、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに示すアミノ酸配列を含むネコインターフェロンポリペプチドの少なくとも一部分をコードするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸分子を提供するものである。このように、本発明の一局面は、(a)配列番号
: 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24
又は 26のうちの少なくとも一つのアミノ酸配列を含むネコインターフェロンポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)配列番号
: 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24
又は26のうちの少なくとも一つに示すポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントをコードするヌクレオチド配列;及び(c)上記(a)又は(b)のヌクレオチド配列のいずれか少なくとも一つに相補的なヌクレオチド配列、からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチドを提供するものである。
【0009】
本発明の更なる実施態様は、上記の(a)、(b)もしくは(c)のヌクレオチド配列のいずれかに、少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%
又は99% 同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドか、又は、上記の(a)、(b)もしくは(c)のポリヌクレオチドに、そして好ましくは、
配列番号 : 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23 又は25のうちの少なくとも一つに示したポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、を含んで成る単離された核酸分子を含む。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミド、5×SSC
(150 mM NaCl、15 mMクエン酸三ナトリウム)、50 mM リン酸ナトリウム (pH
7.6)、5×デンハーツ溶液、10% 硫酸デキストラン、及び 20 mu g/mlの変性させ、せん断したサケ精子DNAを含んで成る溶液中で42℃で一晩インキュベートした後、フィルタを約65℃の0.1×SSC
中で洗浄することを意図している。
【0010】
より広くは、 配列番号
: 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23
又は25のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子の一断片とは、ここで解説するように診断用プローブ及びプライマとして有用な少なくとも約15ヌクレオチド長、そしてより好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド長、さらにより好ましくは少なくとも約30ヌクレオチド長、そしてさらにより好ましくは少なくとも約40ヌクレオチド長の断片を意図している。もちろん、より長い50乃至300ヌクレオチド長の断片も、配列番号
: 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23
又は25のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列の少なくとも一つの、全部でないにしても大半に相当する断片と同様に、本発明で有用である。例えば少なくとも20ヌクレオチド長の断片とは、
配列番号 : 1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23 又は25のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列の少なくとも一つを由来とする20以上の連続した塩基を含有する断片と意図している。
【0011】
ポリヌクレオチドの「一部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、基準となるポリヌクレオチドの少なくとも約15個のヌクレオチド、そしてより好ましくは少なくとも約20個のヌクレオチド、さらにより好ましくは少なくとも約30個のヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは約30乃至70個(例えば50個)のヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNA又はRNA)を意図している。これらは上述したように、そして以下に詳述するように、診断用プローブ及びプライマとして有用である。
【0012】
別の局面では、本発明はさらに、配列番号 : 28、30、32、34、36、又はそれらの断片 のうちの少なくとも一つに示すアミノ酸配列を含むアカゲザルインターフェロンポリペプチドの少なくとも一部分をコードするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸分子を提供するものである。このように、本発明の一局面は、(a)配列番号
: 28、30、32、34、又は36
のうちの少なくとも一つのアミノ酸配列を含むアカゲザルインターフェロンポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)配列番号
:28、30、32、34、又は36 のうちの少なくとも一つに示すポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントをコードするヌクレオチド配列;及び(c)上記(a)又は(b)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチドを提供するものである。
【0013】
本発明の更なる実施態様は、上記の(a)、(b)もしくは(c)のヌクレオチド配列のいずれかに、少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%
又は99% 同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドか、又は、上記の(a)、(b)もしくは(c)のポリヌクレオチドに、そして好ましくは、
配列番号 :27、29、31、33
又は 35 のうちの少なくとも一つに示したポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、を含んで成る単離された核酸分子を包含する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミド、5×SSC
(150 mM NaCl、15 mMクエン酸三ナトリウム)、50 mM リン酸ナトリウム (pH
7.6)、5×デンハーツ溶液、10% 硫酸デキストラン、及び 20 mu g/mlの変性させ、せん断したサケ精子DNAを含んで成る溶液中で42℃で一晩インキュベートした後、フィルタを約65℃の0.1×SSC
中で洗浄することを意図している。
【0014】
より広くは、 配列番号
: 27、29、31、33
又は 35 のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子の断片とは、ここで解説するように診断用プローブ及びプライマとして有用な少なくとも約15ヌクレオチド長、そしてより好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド長、さらにより好ましくは少なくとも約30ヌクレオチド長、そしてさらにより好ましくは少なくとも約40ヌクレオチド長の断片を意図している。もちろん、より長い50乃至300ヌクレオチド長の断片も、配列番号
: 27、29、31、33
又は 35 のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列の、全部でないにしても大半に相当する断片と同様に、本発明で有用である。例えば少なくとも20ヌクレオチド長の断片とは、
配列番号 : 27、29、31、33 又は 35 のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列を由来とする20以上の連続した塩基を含有する断片と意図している。
【0015】
ポリヌクレオチドの「一部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、基準となるポリヌクレオチドの少なくとも約15個のヌクレオチド、そしてより好ましくは少なくとも約20個のヌクレオチド、さらにより好ましくは少なくとも約30個のヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは約30乃至70個(例えば50個)のヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNA又はRNA)を意図している。これらは上述したように、そして以下に詳述するように、診断用プローブ及びプライマとして有用である。
【0016】
別の局面では、本発明は、配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに示すアミノ酸配列を含むヒトインターフェロンポリペプチドの少なくとも一部分をコードするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸分子を提供するものである。このように、本発明の一局面は、(a)配列番号
: 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又は86
のうちの少なくとも一つのアミノ酸配列を含むヒトインターフェロンポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)配列番号
: 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又は86
のうちの少なくとも一つに示すポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントをコードするヌクレオチド配列;及び(c)上記(a)又は(b)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチドを提供するものである。
【0017】
本発明の更なる実施態様は、上記の(a)、(b)もしくは(c)のヌクレオチド配列のいずれかに、少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%
又は99% 同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドか、又は、上記の(a)、(b)もしくは(c)のポリヌクレオチドに、そして好ましくは、
配列番号 : 37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83
又は85のうちの少なくとも一つに示したポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、を含んで成る単離された核酸分子を包含する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミド、5×SSC
(150 mM NaCl、15 mMクエン酸三ナトリウム)、50 mM リン酸ナトリウム (pH
7.6)、5×デンハーツ溶液、10% 硫酸デキストラン、及び 20 mu g/mlの変性させ、せん断したサケ精子DNAを含んで成る溶液中で42℃で一晩インキュベートした後、フィルタを約65℃の0.1×SSC
中で洗浄することを意図している。
【0018】
より広くは、 配列番号
: 37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83
又は85 のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子の一断片とは、ここで解説するように診断用プローブ及びプライマとして有用な少なくとも約15ヌクレオチド長、そしてより好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド長、さらにより好ましくは少なくとも約30ヌクレオチド長、そしてさらにより好ましくは少なくとも約40ヌクレオチド長の断片を意図している。もちろん、より長い50乃至300ヌクレオチド長の断片も、配列番号
: 37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83
又は85 のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列の、全部でないにしても大半に相当する断片と同様に、本発明で有用である。例えば少なくとも20ヌクレオチド長の断片とは、
配列番号 : 37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83
又は85 のうちの少なくとも一つに示したヌクレオチド配列を由来とする20以上の連続した塩基を含有する断片と意図している。
【0019】
ポリヌクレオチドの「一部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、基準となるポリヌクレオチドの少なくとも約15個のヌクレオチド、そしてより好ましくは少なくとも約20個のヌクレオチド、さらにより好ましくは少なくとも約30個のヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは約30乃至70個(例えば50個)のヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNA又はRNA)を意図している。これらは上述したように、そして以下に詳述するように、診断用プローブ及びプライマとして有用である。
【0020】
別の局面では、インターフェロンポリペプチドをコードする本発明の核酸分子のいずれかには、限定はしないが、それ自体で完全なポリペプチドのアミノ酸配列をコードするものや、完全なポリペプチドのコーディング配列、及び、例えばプレタンパク質もしくはプロタンパク質もしくはプレプロタンパク質配列などの付加的な分泌リーダ配列をコードするものなどの付加的な配列が含まれてもよい。
【0021】
さらに本発明の核酸には、例えば、限定はしないが、リボゾーム結合及びmRNAの安定性など、スプライシング及びポリアデニレーションシグナルを含め、転写、mRNAプロセッシングにおいて役割を果たす転写性非翻訳配列など、イントロンや非コーディング5’末端及び3’末端配列を含む付加的な非コーディング配列;並びに、付加的な機能を提供するものなど、付加的なアミノ酸をコードする付加的なコーディング配列が、上記のタンパク質配列と共にコードされている。
【0022】
このように、本ポリペプチドをコードする配列をマーカ配列に融合させてもよく、該マーカ配列とは例えば、融合後のポリペプチドの精製を簡便にするようなペプチドをコードする配列である。本発明のこの局面のいくつかの好適な実施態様では、このマーカアミノ酸配列は、その多くが市販されている例えばpQEベクタ
(キアゲン社、91311、カリフォルニア州チャッツワース、イートン・アベニュー、9259)に設けられたtagなど、ヘキサ−ヒスチジンペプチドである。例えばジェンツ氏らの解説したヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の便利な精製に役立つ
(Gentz et al. (1989) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 86:
821−824)。また、インフルエンザ赤血球凝集タンパク質由来のエピトープに相当する「HA」タグは精製に有用なもう一つのペプチドである(Wilson
et al. (1984) Cell 37:
767)。以下に解説するように、他のこのような融合タンパク質には、NもしくはC末端でFcに融合したインターフェロンが含まれる。
【0023】
さらに本発明は、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクタ、及び、該組換えベクタを含有する宿主細胞や、このようなベクタ及び宿主細胞を作製する方法、並びに、組換え技術によるインターフェロンポリペプチド又はペプチドの生成のためにそれらを使用する方法、にも関するものである。
【0024】
別の局面では、本発明はさらに、(a)配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84又は86のうちの少なくとも一つに示す酸配列を含むインターフェロンポリペプチドのアミノ酸配列;及び(b)配列番号
: 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84又は86のうちの少なくとも一つに示すポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントのアミノ酸配列、から選択されるアミノ酸配列を含んで成る単離されたインターフェロンポリペプチドを提供するものである。さらに本発明のポリペプチドには、上記の(a)又は(b)に記載したものに少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより好ましくは95%、96%、97%、98%
又は99%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドや、上記のものに少なくとも90%の相同性、そしてより好ましくは少なくとも95%の相同性を持つアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも提供される。
【0025】
本発明のこの局面の更なる実施態様は、上記の(a)又は(b)に記載したアミノ酸配列を有するインターフェロンポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を含んで成るペプチド又はポリペプチドに関するものである。本発明のインターフェロンポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチド又はポリペプチドには、少なくとも6個又は7個、好ましくは少なくとも9個、そしてより好ましくは少なくとも約30個のアミノ酸乃至約50個のアミノ酸を持つこのようなポリペプチド部分が含まれるが、上記の本発明のポリペプチドのアミノ酸全体の配列を最高で含むいかなる長さのエピトープ保有ポリペプチドも、本発明に包含されるところである。
【0026】
別の実施態様では、本発明は、上記の(a)又は(b)に記載したアミノ酸配列を有するインターフェロンポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供するものである。さらに本発明は、ここに記載した通りのアミノ酸配列を有するインターフェロンポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離するための方法を提供する。このような抗体は、以下に解説するように治療上、有用である。
【0027】
別の局面では、さらに本発明は、(a)配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24 又は26のうちの少なくとも一つに示す酸配列を含むインターフェロンポリペプチドのアミノ酸配列;及び(b)配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24 又は26のうちの少なくとも一つに示すポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントのアミノ酸配列、から選択されるアミノ酸配列を含んで成る単離されたネコインターフェロンポリペプチドを提供するものである。さらに本発明のポリペプチドには、上記の(a)又は(b)に記載したものに少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより好ましくは95%、96%、97%、98%
又は99%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドや、上記のものに少なくとも90%の相同性、そしてより好ましくは少なくとも95%の相同性を持つアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも提供される。
【0028】
本発明のこの局面の更なる実施態様は、上記の(a)又は(b)に記載したアミノ酸配列を有するネコインターフェロンポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を含んで成るペプチド又はポリペプチドに関するものである。本発明のネコインターフェロンポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチド又はポリペプチドには、少なくとも6個又は7個、好ましくは少なくとも9個、そしてより好ましくは少なくとも約30個のアミノ酸乃至約50個のアミノ酸を持つこのようなポリペプチド部分が含まれるが、上記の本発明のポリペプチドのアミノ酸全体の配列を最高で含むいかなる長さのエピトープ保有ポリペプチドも、本発明に包含される。
【0029】
別の実施態様では、本発明は、上記の(a)又は(b)に記載したアミノ酸配列を有するネコインターフェロンポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供するものである。さらに本発明は、ここに記載した通りのアミノ酸配列を有するネコインターフェロンポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離するための方法を提供する。このような抗体は、以下に解説するように治療上、有用である。
【0030】
別の局面では、さらに本発明は、(a)配列番号 : 28、30、32、34 又は36のうちの少なくとも一つに示す酸配列を含むインターフェロンポリペプチドのアミノ酸配列;及び(b)配列番号 : 28、30、32、34 又は36のうちの少なくとも一つに示すポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントのアミノ酸配列、から選択されるアミノ酸配列を含んで成る単離されたアカゲザルインターフェロンポリペプチドを提供するものである。さらに本発明のポリペプチドには、上記の(a)又は(b)に記載したものに少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより好ましくは95%、96%、97%、98%
又は99%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドや、上記のものに少なくとも90%の相同性、そしてより好ましくは少なくとも95%の相同性を持つアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも提供される。
【0031】
本発明のこの局面の更なる実施態様は、上記の(a)又は(b)に記載したアミノ酸配列を有するアカゲザルインターフェロンポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を含んで成るペプチド又はポリペプチドに関するものである。本発明のアカゲザルインターフェロンポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチド又はポリペプチドには、少なくとも6個又は7個、好ましくは少なくとも9個、そしてより好ましくは少なくとも約30個のアミノ酸乃至約50個のアミノ酸を持つこのようなポリペプチド部分が含まれるが、上記の本発明のポリペプチドのアミノ酸全体の配列を最高で含むいかなる長さのエピトープ保有ポリペプチドも、本発明に包含される。
【0032】
別の実施態様では、本発明は、上記の(a)又は(b)に記載したアミノ酸配列を有するアカゲザルインターフェロンポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供するものである。さらに本発明は、ここに記載した通りのアミノ酸配列を有するアカゲザルインターフェロンポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離するための方法を提供する。このような抗体は、以下に解説するように治療上、有用である。
【0033】
別の局面では、さらに本発明は、(a)配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84
又は86のうちの少なくとも一つに示す酸配列を含むインターフェロンポリペプチドのアミノ酸配列;及び(b)配列番号
: 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84
又は86に示すポリペプチドのうちの少なくとも一つの生物学的に活性なフラグメントのアミノ酸配列、から選択されるアミノ酸配列を含んで成る単離されたヒトインターフェロンポリペプチドを提供するものである。さらに本発明のポリペプチドには、上記の(a)又は(b)に記載したものに少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより好ましくは95%、96%、97%、98%
又は99%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドや、上記のものに少なくとも90%の相同性、そしてより好ましくは少なくとも95%の相同性を持つアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも提供される。
【0034】
本発明のこの局面の更なる実施態様は、上記の(a)又は(b)に記載したアミノ酸配列を有するヒトインターフェロンポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を含んで成るペプチド又はポリペプチドに関するものである。本発明のヒトインターフェロンポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチド又はポリペプチドには、少なくとも6個又は7個、好ましくは少なくとも9個、そしてより好ましくは少なくとも約30個のアミノ酸乃至約50個のアミノ酸を持つこのようなポリペプチド部分が含まれるが、上記の本発明のポリペプチドのアミノ酸全体の配列を最高で含むいかなる長さのエピトープ保有ポリペプチドも、本発明に包含される。
【0035】
別の実施態様では、本発明は、上記の(a)又は(b)に記載したアミノ酸配列を有するヒトインターフェロンポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供するものである。さらに本発明は、ここに記載した通りのアミノ酸配列を有するヒトインターフェロンポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離するための方法を提供する。このような抗体は、以下に解説するように治療上、有用である。
【0036】
別の局面では、さらに本発明は、細胞にin vitroで、細胞にex vivoで、そして細胞にin
vivoで、又は多細胞生物への投与に向けて、ここに記載したインターフェロンポリヌクレオチド又はインターフェロンポリペプチドのいずれかを含んで成る組成物を提供する。本発明のこの局面のいくつかの特に好適な実施態様では、本組成物は、疾患の治療のために宿主生物でインターフェロンポリペプチドを発現させるためのインターフェロンポリヌクレオチドを含んで成る。この点で特に好適なのは、インターフェロンの内因性活性の喪失に関連する機能不全の治療のためにヒト患者において発現させることである。
【0037】
さらに本発明は、例えばウィルス感染、寄生生物感染、細菌感染、癌、自己免疫疾患、多発性硬化症、リンパ腫及びアレルギーなど、免疫系関連異常を治療するためなどに用いることができると思われるインターフェロンポリペプチドを含んで成る医薬組成物も提供する。インターフェロンポリペプチドの必要な個体を治療する方法も提供される。いくつかの好適な実施態様では、当該の医薬組成物は、非ヒト動物、好ましくはヒト以外の霊長類への投与用の家畜用組成物である。インターフェロンで治療できる状態の例には、限定はしないが、細胞増殖異常、特に癌(例えばヘアリーセル白血病、カポシ肉腫、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、基底細胞癌及び悪性黒色種、卵巣癌、皮膚T細胞リンパ腫)、及びウィルス感染がある。限定はしないが、インターフェロンを用いた処置は、インターフェロン感受性ウィルスの複製を阻害すると有利だと思われる状態を治療するのに用いられよう。本発明で治療できるであろうウィルス感染には、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、他の非A型/非B型肝炎、疱疹ウィルス、エプスタイン−バーウィルス(EBV)、サイトメガロウィルス(CMV)、単純疱疹、6型ヒト疱疹ウィルス(HHV−6)、乳頭腫、ポックスウィルス、ピコルナウィルス、アデノウィルス、ライノウィルス、1型及び2型ヒトTリンパ球好性ウィルス
(HTLV−1/−2)、ヒトロタウィルス、狂犬病、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)を含むレトロウィルス、脳炎及び呼吸器ウィルスの感染がある。さらに本発明の方法は、多種の免疫応答を修飾するためにも用いることができる。
【0038】
ある実施態様では、本インターフェロンは抗ウィルス剤として用いることができる。インターフェロンは、例えば後天性免疫疾患、慢性B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎を含むウィルス性肝炎、乳頭腫ウィルス、疱疹、ウィルス性脳炎の治療や、鼻炎及び呼吸器感染の予防などで、臨床上は抗ウィルス治療法で用いられてきた。
【0039】
別の実施態様では、本インターフェロンを抗寄生生物剤として用いることができる。本インターフェロンは、例えばクリプトスポリジウム−パルブム(Cryptosporidium
parvum)感染を治療するのに用いてよい。
【0040】
さらに別の実施態様では、本インターフェロンを抗菌剤として用いることができる。インターフェロンは臨床上、抗菌療法で用いられてきた。例えば本インターフェロンは、多剤耐性肺結核の治療に用いることができる。
【0041】
さらに別の実施態様では、本インターフェロンは抗癌剤として用いることができる。本インターフェロンを用いたインターフェロン療法は、例えばヘアリーセル白血病、急性骨髄性白血病、骨肉腫、基底細胞癌、神経膠腫、腎細胞癌、多発性骨髄腫、黒色腫、及びホジキン病などの数多くの癌の治療に用いることができる。
【0042】
さらに別の実施態様では、本インターフェロンを免疫療法プロトコルの一部として用いることができる。本発明のインターフェロンは、臨床上は免疫療法、又は特に移植片対宿主拒絶反応を防いだり、又は関節炎、多発性硬化症又は糖尿病などの自己免疫疾患の進行を抑えるためなどに、用いてよい。
【0043】
別の実施態様では、本インターフェロンを、アレルギーを治療するプログラムの一部として用いることができる。
【0044】
さらに別の実施態様では、本インターフェロンをワクチンアジュバントとして用いることができる。本インターフェロンを、予防的又は治療的ワクチン接種の際に免疫応答を高める又は刺激するアジュバント又はコアジュバントとして用いてもよい。
【0045】
一般的な動物の治療だけでなく、本発明は特に、獣医学用プロトコルの一部として霊長類の治療のための本インターフェロンの使用を考察するものである。ある実施態様では、本インターフェロンはアカゲザルインターフェロンである。
【0046】
一般的な動物の治療だけでなく、本発明は特に、獣医学用プロトコルの一部としてネコ類の治療のための本インターフェロンの使用を考察するものである。ある実施態様では、本インターフェロンはネコインターフェロンである。
【0047】
いくつかの実施態様では、本インターフェロンをネコのウィルス感染治療に用いる。例えばネコ免疫不全ウィルス(FIV)に罹患したネコには、正常な健康状態を維持するには支持療法が必要である。本インターフェロンは、FIVに感染したネコの治療法の一部として用いることができる。
【0048】
同様に、本インターフェロンは、ネコ白血病ウィルス(FeLV)に感染したネコの治療法の一部として用いることができる。ネコ白血病ウィルス(FeLV)は今日、米国の家ネコの最も重要な致命的感染性疾患症候群の原因物質である。
【0049】
インターフェロンはネコ汎白血球減少症を治療するために用いることができる。ネコ感染性腸炎、ネコ「ジステンパー」及びネコ運動失調症又は協調運動不能とも呼ばれるネコ汎白血球減少症は感染性の高いネコのウィルス性疾患であり、その突然の発症、発熱、食欲不振(食欲の喪失)、脱水、うつ、嘔吐、血中白血球の減少(白血球減少)、及びしばしば高い死亡率を特徴とする。子宮内(子宮の内部)感染の結果、流産、死産、早期新生児死亡や、月齢2乃至3週で始まる仔猫の協調運動不能(運動失調症)を症状とする小脳低形成(小脳の発達不全)が起きることがある。ネコ科(ネコ科)の仲間はすべて、汎白血球減少症ウィルス(FPV)感染に感受性があり、アライグマ科のアライグマ、ハナグマ、及びキャコミスルも同様である。
【0050】
インターフェロンは、ネコ感染性腹膜炎に感染したネコを治療するために用いることができる。
【0051】
インターフェロンは狂犬病に感染したネコを治療するために用いることができる。
【0052】
ネコの医療に関する他の実施態様では、本インターフェロンを、炎症性気道疾患(IAD)の治療に使用できる。
【0053】
さらに別の実施態様では、本インターフェロンを、イヌ又は他の家庭用ペットを治療するために用いることができる。
【0054】
さらに別の実施態様では、本インターフェロンは家畜動物の治療に用いることができる。
【0055】
さらに本発明は、機能的アンタゴニストを考察するものであり、例えばこのとき一つ又はそれ以上のアミノ酸残基が野生型インターフェロンとは異なり、これにより野生型インターフェロンの一種又はそれ以上の生物学的活性が阻害される。このようなアンタゴニストを用いると、内因性インターフェロンの異常な過発現又は他の活性化を原因とする異常を治療できる。該機能的アンタゴニストを医薬製剤中に調剤してもよい。
【0056】
さらに本発明は、インターフェロンポリペプチドの生物学的活性を向上させる又は阻害することのできる化合物を同定するスクリーニング法を提供するものである。該方法は、インターフェロンポリペプチドにより向上させられる受容体を、インターフェロンポリペプチドの存在下で、候補化合物に接触させるステップと、例えば、前記候補化合物及びインターフェロンポリペプチドの存在下で抗ウィルス活性などを検定するステップと、当該活性を標準レベルの活性に比較するステップと、を含み、このとき前記標準とは、候補化合物の非存在下で該受容体及びインターフェロンを接触させたときに検定されるものである。この検定では、標準に比べたときの活性の増加が、候補化合物がインターフェロン活性のアゴニストであることの指標となり、標準に比べたときの活性の減少が、該化合物がインターフェロン活性のアンタゴニストであることの指標となる。
【0057】
本発明の更なる局面は、体内のインターフェロン活性レベルの上昇を必要とする動物を処置する方法に関するものである。当該方法は、本発明の単離されたインターフェロンポリペプチド又はそのアゴニストを治療上有効量、含んで成る組成物を、このような動物に投与するステップを含む。
【0058】
本発明の更なる局面は、体内のインターフェロン活性レベルの低下を必要とする動物を処置する方法に関するものである。当該方法は、インターフェロンアンタゴニストを治療上有効量、含んで成る組成物を、このような動物に投与するステップを含む。本発明で用いるのに好適なアンタゴニストはインターフェロン特異抗体である。
【0059】
記載した投薬量の投与は一日置きでもよいが、好ましくは一週間当たり一回又は二回である。用量は通常、注射により少なくとも24週間に渡って投与される。
【0060】
用量の投与は、静脈内でも、皮下でも、筋肉内でも、又はいかなる他の許容可能な全身法でもよい。担当医の判断に基づき、投与する薬物量及び用いる治療計画は、もちろん、治療しようとする患者の年齢、性別、及び加療歴、好中球数(例えば好中球減少症の重篤度)、その特定の疾患状態の重篤度、及び、局部的毒性及び全身の副作用を証左とする、当該治療に対する患者のトレランス、に依存することであろう。投薬量及び頻度は、好中球数の最初のスクリーニングの際に決定してもよい。
【0061】
本発明のインターフェロン組成物を用いて従来型の医薬製剤を調製することもできる。該製剤は、治療上有効量のインターフェロンポリペプチドを薬学的に許容可能な担体と一緒に含んで成る。例えば、必要に応じ、アジュバント、希釈剤、保存剤及び/又は可溶化剤を本発明の実施に用いてもよい。本発明のものを含むインターフェロンの医薬組成物には、一定範囲のpH及びイオン強度を有する多種の緩衝剤(例えばTris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)の希釈剤、担体(例えばヒト血清アルブミン)、可溶化剤(例えばポリオキシエチレンソルビチン又はトゥイーンTMポリソルベート)、及び保存剤(例えばチメロソル(原語:thimerosol)、ベンジルアルコール)を含めてもよい。例えば米国特許第4,496,537号を参照されたい。
【0062】
ここに解説した状態を治療するのに投与される本インターフェロン組成物の量は、その組成物のインターフェロン活性に基づく。それは、正の臨床応答に有意な影響を与えるのに充分な量である。臨床上の用量は、患者によっては、何らかのレベルの副作用を起こすだろうが、ヒトを含む哺乳動物のための最大用量は、対処不可能な臨床上重大な副作用が起きない用量で最も高い用量である。本発明の目的のためには、このような臨床上重大な副作用とは、重篤な流行性感冒様症状、中枢神経系の機能低下、重篤な胃腸管障害、脱毛症、重篤な掻痒又は発疹が原因で治療を中止せねばならないようなものである。大幅な白血球及び/又は赤血球及び/又は肝酵素の異常又は貧血様状態でも、用量の制限が必要である。
【0063】
当然ながら、インターフェロンの適用量は、選択した処方に応じて、ある程度は変動するであろう。しかしながら、一般的には、本インターフェロン組成物は、当該の哺乳動物の状態に基づいて、一日当たり約100,000乃至約数百万IU/m2の範囲の量、投与される。上記の範囲は例示的なものであり、当業者であれば、臨床経験及び治療の指標に基づいて選択される、インターフェロンの至適な用量を決定することであろう。
【0064】
本医薬組成物は、当業で公知の方法に基づいて調製された、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、凍結乾燥粉末等々の形であってよい。さらに、このような組成物の投与は主に非経口経路によるが、当業者のニーズによっては、経口又は吸入経路も用いてよい。
【0065】
DNA又はRNAなどの核酸に関してここで用いる用語「単離された」とは、高分子の天然のソースに存在する、それぞれ他のDNA又はRNAから分離された分子を言う。単離されたという用語はさらに、組換えDNA技術により生成されたときには細胞物質又は培地、あるいは化学合成された場合には化学的前駆物質又は他の化学物質、を実質的に含まない核酸又はペプチドも言う。さらに、「単離された核酸」には、天然では断片としては生じず、天然状態では見られないような核酸断片も含まれることを、意図する。
【0066】
本発明の実施にあたっては、他に明示していない限り、当業の技術範囲内にある細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA、及び免疫学の慣用的技術を利用することになるであろう。このような技術は文献に解説されている。例えば
Molecular Cloning A Laboratory Manual, 2nd Ed.,
ed. by Sambrook, Fritsch and
Maniatis (Cold Spring Harbor Laboratory
Press: 1989); DNA Cloning, Volumes
I and II (D. N.
Glover ed., 1985); Oligonucleotide Synthesis (M. J.
Gait ed., 1984); Mullis et
al. U.S. Patent No: 4,683,195;
Nucleic Acid Hybridization (B. D. Hames &
S. J. Higgins eds. 1984);
Transcription And
Translation (B.
D. Hames & S. J. Higgins eds. 1984);
Culture Of Animal Cells (R.
I. Freshney, Alan R. Liss, Inc., 1987); Immobilized
Cells And Enzymes (IRL Press,
1986); B. Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning (1984); the
treatise, Methods In Enzymology (Academic Press, Inc.,
N.Y.); Gene Transfer Vectors For
Mammalian Cells (J. H. Miller and M. P. Calos eds., 1987,
Cold Spring Harbor Laboratory); Methods In Enzymology,
Vols. 154 and 155 (Wu
et al. eds.), Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology
(Mayer and Walker, eds., Academic
Press, London, 1987); Handbook Of
Experimental Immunology,
Volumes I−IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds., 1986);
Manipulating the
Mouse Embryo, (Cold Spring Harbor
Laboratory Press, Cold Spring Harbor,
N.Y., 1986)を参照されたい。
【0067】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び請求の範囲から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】表1は、ネコIFNα種の抗ウィルス活性を示す。
【図2】表2は、アカゲザルIFNα種の抗ウィルス活性を示す。
【図3】表3は、ヒトIFNα種を増幅するために用いられるPCRプライマの配列を示す。
【図4】表4は、ヒトIFNα種のそれぞれを同定するために用いられるプライマ対(図3に詳述した)を示す。
【0069】
発明の詳細な説明
I.例示的な製剤
別の局面では、本発明は、インターフェロン、インターフェロンアゴニスト又はインターフェロンアンタゴニストを含んで成る医薬製剤を提供するものである。本方法で用いるインターフェロン、インターフェロンアゴニスト及び/又はインターフェロンアンタゴニストは、例えば水、緩衝生理食塩水、ポリーオル(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)又はこれらの適した混合物など、生物学的に許容可能な媒質と一緒に投与されるよう、適宜調剤してもよい。選択された媒質中の有効成分の至適濃度は、医化学者に公知の手法に従って、経験的に決定することができる。ここで用いる場合の「生物学的に許容可能な媒質」には、当該医薬製剤の望ましい投与経路に適切であろうあらゆる溶媒、分散媒等々が含まれる。薬学的に活性な物質のためのこのような媒質の使用は、当業で公知である。従来の媒質又は作用物質が本発明の組成物の活性と適合性がない場合を除き、本発明の医薬製剤中へのその使用は考察されたところである。適した媒質や、他のタンパク質を含むそれらの処方は、例えば書籍レミントンズ・ファーマシューティカル・サイエンセズ(Remington’s
Pharmaceutical Sciences.
Mack Publishing Company, Easton, Pa.,
USA 1985)に解説されている。これらの媒質には、注射可能な「デポジット(原語:deposit)製剤」が含まれる。
【0070】
本発明の医薬組成物には、さらに、家畜、非ヒト霊長類又は家庭用動物、例えばイヌ及びネコ、の治療用など、獣医学用途に適した本発明の組成物の医薬製剤など、獣医用組成物を含めることができる。
【0071】
再充填可能又は生分解性の器具を導入法としてもよい。近年、薬物の制御送達のために、タンパク質様生物薬剤を含む多種の徐放ポリマー器具が開発され、in
vivoでテストされてきた。生分解性及び非生分解性の両方のポリマを含む、(ヒドロゲルを含む)多種の生体適合性ポリマを用いて、特定の標的部位で持続放出を行うインプラントを形成することができる。本発明の製剤は、経口でも、非経口でも、局所でも、又は直腸投与してもよい。これらはもちろん、各投与経路に適した形で与えられる。例えばこれらを、錠剤又はカプセルの形で投与したり、例えば注射、輸注又は吸入による投与、ローション又は軟膏による局所投与や座薬による直腸投与など、注射、吸入、眼用ローション、軟膏、座薬、制御放出パッチによって投与する。経口投与及び局所投与が好ましい。
【0072】
ここで用いる文言「非経口投与」及び「非経口投与する」とは、通常は注射により、経腸及び局所投与以外の投与形態を意味し、その中には、限定はしないが、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、及び胸骨内注射及び輸注が含まれる。
【0073】
ここで用いる文言「全身投与」、「全身投与する」、「末梢投与」、及び「末梢投与する」とは、例えば皮下投与など、化合物、薬物又は他の物質が患者の全身に進入して、代謝及び他の同様のプロセスに晒されるよう、それを中枢神経系に直接投与する以外の方法で投与することを意味する。
【0074】
これらの化合物を、経口、スプレーなどによる鼻孔、直腸、膣内、非経口、槽内、及び頬部及び舌下を含む粉末、軟膏又はドロップによる局所を含め、いかなる適した投与経路で、治療を目的としてヒト及び他の動物に投与してもよい。
【0075】
選択された投与経路に関係なく、適した水和型で用いてもよい本発明の化合物、及び/又は、本発明の医薬組成物は、以下に解説するように、又は、当業者に公知の他の常法により、薬学的に許容可能な剤形に調剤される。
【0076】
本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の投薬レベルは、患者にとって毒性となることなく、特定の患者、組成物、及び投与形態にとって望ましい治療的応答を得るのに効果的な有効成分量が得られるよう、変更してもよい。
【0077】
選択される投薬量は、用いる本発明の特定の化合物、又はそのエステル、塩又はアミドの活性、投与経路、投与時間、用いる特定の化合物の排出速度、治療期間、用いる特定の化合物と組み合わせて用いるその他の薬剤、化合物及び/又は材料、治療しようとする患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康状態及び医療歴、及び、医業で公知の同様のファクタを含め、様々なファクタに依存するであろう。
【0078】
当業で通常の技術を有する医師又は獣医であれば、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定でき、処方することができる。例えば、この医師又は獣医は、医薬組成物中で用いる本発明の化合物の量を、所望の治療効果を得るには少ない量から開始し、所望の効果が得られるまでこの投薬量を次第に増加させていってもよいであろう。
【0079】
一般的には、本発明の化合物の適した一日当たりの用量は、治療効果を生じるには最も少ない有効量である当該化合物量となるであろう。このような有効量は、一般的には、上述したようなファクタに依存することであろう。
【0080】
必要に応じて、活性化合物の効果的な一日当たりの用量を、一日中、選択に応じて単位剤形で、適当な間隔で2回、3回、4回、5回、6回又はそれ以上の小用量に、別々に分割して投与してもよい。
【0081】
「治療」という用語は、さらに予防、治療及び加療を包含するものとして意図されている。
【0082】
本治療を受ける患者は、霊長類、特にヒト、及び他の哺乳動物、例えばウマ、ウシ、ブタ及びヒツジや、広い意味での家禽及びペットを含め、それを必要とするあらゆる動物である。
【0083】
本発明の化合物はそのままでも、又は、薬学的に許容可能な及び/又は無菌の担体と一緒の混合物として投与してもよく、またさらに、他の作用物質と組み合わせて投与することもできる。このような作用物質の非限定的な例には、抗菌剤、例えばペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、及びグリコペプチド、がある。従って連結療法には、最初に投与されたものの治療効果が、次のものを投与したときに完全には消失しないような態様の、有効化合物の逐次、同時及び分離投与が包含される。
【0084】
II.医薬組成物
本発明の化合物を単独で投与することも可能であるが、当該化合物を医薬調剤(組成物)として投与することが好ましい。本発明の組成物を、ヒト又は獣医療に用いるのに便利な態様で投与できるように調合してもよい。いくつかの実施態様では、医薬製剤中に含める当該化合物は、それ自体で有効であっても、又は、生理条件で有効化合物に転化できるなど、プロドラッグであってもよい。
【0085】
従って、本発明の別の局面は、一種又はそれ以上の薬学的に許容可能な担体(添加剤)及び/又は希釈剤と一緒に調合された、治療上有効量の一種又はそれ以上の上記の化合物を含んで成る薬学的に許容可能な組成物を提供するものである。以下に詳述するように、本発明の医薬組成物を、以下に適合させたものを含め、固体形又は液体形での投与に向けて特に調合してもよい。即ち、(1)経口投与、例えば飲薬(水性もしくは非水性の溶液もしくは懸濁液)、錠剤、巨丸剤、粉末、顆粒、舌への塗布用のペースト、(2)例えば皮下、筋肉内又は静脈内注射を例えば無菌の溶液又は懸濁液として行う非経口投与、(3)例えば皮膚へのクリーム、軟膏又はスプレーなど、局所投与、又は(4)例えばペッサリ、クリーム又はフォームなどの膣内又は直腸内、である。しかしながら、いくつかの実施態様では、当該の化合物を単に無菌の水に溶解又は懸濁させてもよい。いくつかの実施態様では、当該医薬製剤は無発熱源性であり、即ち患者の体温を上昇させない。
【0086】
ここで用いられる「治療上有効量」という文言は、本発明の化合物を含んで成る化合物、材料又は組成物の量であって、動物の細胞のうちの少なくとも一つの小集団において、何らかの所望の治療効果を生じ、ひいては被処置細胞の経路の生物学的結果を、医療に応用される妥当な利益/リスク比で、遮断するような量、を意味する。
【0087】
「薬学的に許容可能な」という文言は、ここでは、妥当な利益/リスク比に見合い、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題又は合併症を起こすことなく、ヒト及び動物の組織に接触させて用いるのに適した、健全な医療上の判断の範囲内にある化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を言うために用いられている。
【0088】
ここで用いられている「薬学的に許容可能な担体」という文言は、当該アゴニストを身体の一臓器又は一部分から、身体の別の臓器又は一部分に運ぶ又は輸送することに関与する、例えば液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入剤などの薬学的に許容可能な材料、組成物又は伝播体を意味する。各担体は、その調剤中のその他の成分に対して適合性があり、かつ、患者にとって有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。薬学的に許容可能な担体として働かせることのできる材料のいくつかの例には、(1)ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖類、(2)コーンスターチ及びいもでんぷんなどのでんぷん、(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセテートなど、セルロース及びその誘導体、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)ココアバター及び座薬用ろうなどの賦形剤、(9)ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ごま油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油類、(10)プロピレングリコールなどのグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール、(12)オレイン酸エチル及びラウリル酸エチルなどのエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)無発熱源水、(17)等張性生理食塩水、(18)リンガー液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、及び(21)医薬製剤に用いられるその他の非毒性の適合性物質、が含まれる。
【0089】
III. バリアントインターフェロンポリペプチド
本発明のインターフェロンポリペプチドのいくつかの変異型(又はバリアント)はアゴニスト又はアンタゴニストとして作用するであろうと予測される。何らかの特定の理論に縛られることを望む訳ではないが、変異型のタンパク質シグナリング因子は、適した受容体に結合はできるが、この受容体を活性化することはできないことが良く知られている。このような変異タンパク質は野生型タンパク質を置換し、正常な受容体活性化を阻害することでアンタゴニストとして働く。さらに、タンパク質の野生型に比較したときのその活性を高めるために、多くのタンパク質には、一箇所又はそれ以上のアミノ酸置換を行えることも良く知られている。このようなアゴニストは、野生型タンパク質に比較して増加した半減期、結合親和性、又は活性を有するかも知れない。所望の活性を持つ変異体(又はバリアント)を得る多くの方法が公知である。
【0090】
変異体/バリアントタンパク質の大規模なプールを作製する方法が当業で公知である。ある実施態様では、本発明は、コンビナトリアル変異誘発法で作製されたインターフェロンポリペプチドを用いることを考察する。このような方法は、当業で知られているように、点変異体及び切断変異体の両方を作製するのに便利であり、また特に、機能的な潜在的バリアント配列(例えば相同体)を任意のアッセイで同定するのに有用であろう。このようなコンビナトリアル・ライブラリをスクリーニングする目的は、例えば、アゴニスト又はアンタゴニストのいずれかとして作用できるインターフェロンバリアント相同体を作製することである。このように、コンビナトリアル法により得られるバリアントは、天然で生じる形のタンパク質に比較して増加した能力を有するよう、作製することができる。同様に、例えば他の細胞マトリックス成分(例えば受容体)に結合するという模倣はできるが生物学的応答を誘導しないために、インターフェロンポリペプチド又はインターフェロンアゴニストの働きを阻害するという点でアンタゴニストとして作用するインターフェロンバリアントを、該コンビナトリアル法で作製できる。さらに、本方法により、インターフェロンのいくつかのドメインを操作すると、特定の有用な性質を有することが実証されたドメインなど、より使用に適したドメインを融合タンパク質に提供することができる。
【0091】
コンビナトリアル変異誘発の当業水準をさらに例証するために、ギャロップ氏ら
(1994) J Med Chem 37:1233のレビュー文献
では、1990年初期時点でのコンビナトリアル・ライブラリの技術水準を解説している。具体的にはギャロップ氏らは1239ページで、「類似体ライブラリをスクリーニングすると、活性のある配列の最小限の長さを決定したり、結合にとって重要であり、置換に耐えられない残基を特定する上で、助けとなる」と述べている。加えて、ラドナー氏らのPCT公報WO90/02809、ゴッデル氏らの米国特許第5,223,408号及びマークランド氏らのPCT
公報WO92/15679は、特定の活性を持つバリアント/断片を同定するのに迅速にスクリーニングできるバリアント・ライブラリを作製するのに、当業者が利用できると思われる具体的な技術の実例を挙げている。これらの技術は当業の例であり、また、関連するバリアント/切断体の大型のライブラリを作製し、検定すれば、余分な実験を行わずに特定のバリアントを単離できることを実証している。Gustin
et al. (1993) Virology 193:653、及びBass
et al. (1990) Proteins: Structure,
Function and Genetics 8:309−314 も、本発明のインターフェロンポリペプチドの変異誘発バリアントを作製する手段として適合可能な、当業の他の技術例を解説している。
【0092】
実際、どの残基が生物学的機能にとって重要なのかについて予想がなくとも、インターフェロンタンパク質の大規模な変異誘発を行えば、同等の生物学的活性を有するバリアントの幅広いアレイを作製できることは、コンビナトリアル変異誘発技術から明白である。代替的には、このような方法を用いて、向上した活性又はアンタゴニスト活性を有するバリアントの幅広いアレイを作製することも可能である。実際、数十億の様々なバリアントを、プリオリ(原語:priori)の理解又は重要な残基の知識を必要とせずに高処理量の解析によりスクリーニングできるというのは、コンビナトリアル技術の能力である。
【0093】
IV. 抗体アンタゴニスト
抗体の中にはインターフェロンアンタゴニストとして働くことができるものがあると予測される。抗体は特定のエピトープに対して並はずれた親和性及び特異性を有することがある。抗体が、あるタンパク質上のそのエピトープに結合すると、そのタンパク質と他のタンパク質との間にある、適した機能に必要な相互作用が競合的又は非競合的に阻害されることで、そのタンパク質の機能に拮抗するのであろう。
【0094】
インターフェロンアンタゴニスト活性を持つ抗体は、他のインターフェロンアンタゴニストとほとんど同じ方法で同定することができる。例えば、レポータ遺伝子を発現する細胞に候補抗体を投与することができ、レポータ遺伝子の発現を低下させるような抗体はアンタゴニストである。
【0095】
ある変更例では、本発明の抗体は、可変抗原結合ドメイン同士をポリペプチドリンカにより連結して含む一本鎖抗体(scFv)であってもよい。一本鎖抗体は一本のポリペプチド鎖として発現され、細菌で発現させたり、ファージ・ディスプレイ・ライブラリの一部として発現させたりすることができる。この方法では、適したscFvを発現するファージはインターフェロンアンタゴニスト活性を有するであろう。次に、この一本鎖抗体をコードする核酸をファージから回収し、大量のscFvを生成させるために用いる。scFvライブラリの構築及びスクリーニングは、多種の公開文献(米国特許第5,258,498号;
第5,482,858号; 第5,091,513号;
第4,946,778号; 第5,969,108号;第5,871,907号;
第5,223,409号; 第5,225,539号)に広汎に解説されている。
【0096】
実施例
本発明を概略的に解説したところで、以下の実施例を参照されればより容易に理解されよう。以下の実施例は、単に、本発明の特定の局面及び実施態様の描写を目的に含められたのであり、本発明を限定するものとは意図されていない。
【0097】
実施例1:ネコIFNαクローンの単離
ネコ肺細胞株(AKD)のゲノムDNAを標準的方法を用いてPCR増幅して、ネコIFNαクローンを単離した。9つの別々の配列が単離され、
Fe−IFN−αA(配列番号 :
9)、Fe−IFN−αB(配列番号 :
11)、Fe−IFN−αC (配列番号
: 13)、Fe−IFN−αD
(配列番号 : 15)、Fe−IFN−αE (配列番号 : 17)、Fe−IFN−αF (配列番号 : 19)、Fe−IFN−αG
(配列番号 : 21)、Fe−IFN−αH (配列番号 : 23)、及びFe−IFN−αI (配列番号 : 25)と指定された。これらのそれぞれに対応するアミノ酸配列も提供する:Fe−IFN−αA(配列番号
: 10)、Fe−IFN−αB
(配列番号 : 12)、Fe−IFN−αC (配列番号 : 14)、Fe−IFN−αD (配列番号 : 16)、Fe−IFN−αE
(配列番号 : 18)、Fe−IFN−αF (配列番号 : 20)、Fe−IFN−αG (配列番号 : 22)、Fe−IFN−αH
(配列番号 : 24)、及びFe−IFN−αI(配列番号 : 26)。
【0098】
標準的手法を用いてPCRを行った。ゲノムDNAを二回、増幅した。当該ネコ配列を増幅するのに用いたフランキング・プライマは:
5’末端プライマ: 5’−CTCTTCCTTCTTGGTGGCCCTG−3’
3’末端プライマ: 5’−GTGATGAGTCAGTGAGAATCATTTC−3’
である。
【0099】
実施例2:ネコIFNα種の抗ウィルス活性
本インターフェロン種の抗ウィルス活性を、細胞変性効果検定(CPE)を用いて測定した。簡単に説明すると、インターフェロンの連続希釈液をテスト細胞と一緒に1乃至4時間、37℃でインキュベートした。次にウィルスをこの細胞に加え、16時間、37℃でインキュベートした。クリスタルバイオレット染料の取り込みで生存細胞を視覚化し、細胞のほぼ50%がウィルス感染後も生き延びるインターフェロン希釈度を判定した。
【0100】
表1は、CPEで測定したときにネコIFN−αA、IFN−αB、IFN−αC、IFN−αD、IFN−αE、IFN−αF、IFN−αG、及びIFN−αIがそれぞれ抗ウィルス活性を持つことを実証したこれらの実験結果を要約したものである。ネコIFN−αHの活性はこの検定では判定されなかった。この実験では、テスト細胞はAKDネコ肺細胞であり、ウィルスは小胞ストロマティティスウィルス(VSV)だった。
【0101】
実施例3: アカゲザルIFNαクローンの単離
アカゲザルIFNαクローンを、アカゲザル腎細胞株(LLCMK−2)のゲノムDNAから、標準的方法を用いてPCR増幅により単離した。二つの別々のプライマ対を用いて配列を増幅した。ある一つの配列を一番目のプライマ対を用いて単離し、Rh−IFN−α4b
(配列番号 29)と指定した。Rh−IFN−α4b核酸配列に相当するアミノ酸配列を配列番号
: 30と指定する。
【0102】
PCRは標準的手法を用いて行った。ゲノムDNAを二回、増幅した。このアカゲザル配列を増幅するのに用いたフランキング・プライマは:
5’ 末端プライマ: 5’−CTTCAGAGAACCTGGAGCC−3’
3’ 末端プライマ: 5’−AATCATTTCCATGTTGAACCAG−3’
である。
【0103】
さらに三つのアカゲザルIFNαクローンを、アカゲザル腎細胞株(LLCMK−2)のゲノムDNAから、標準的手法と二番目のプライマ対:Rh−IFN−αD1(配列番号
: 31)、Rh−IFN−αD2
(配列番号 : 33)、及びRh−IFN−αD3 (配列番号 : 35)を用いたPCR増幅により単離した。これらのそれぞれに相当するアミノ酸配列も提供する:Rh−IFN−αD1(配列番号
: 32)、Rh−IFN−αD2
(配列番号 : 34)、及びRh−IFN−αD3 (配列番号 : 36)。
【0104】
PCRは標準的手法を用いて行った。ゲノムDNAを二回、増幅した。これらのアカゲザル配列を増幅するのに用いたフランキング・プライマは:
5’末端プライマ: 5’−AGAAGCATCTGCCTGCAATATC−3’
3’末端プライマ: 5’−GCTATGACCATGATTACGAATTC−3’
である。
【0105】
実施例4: アカゲザルIFNα種の抗ウィルス活性
本インターフェロン種の抗ウィルス活性を、細胞変性効果検定(CPE)を用いて測定した。簡単に説明すると、インターフェロンの連続希釈液をテスト細胞と一緒に1乃至4時間、37℃でインキュベートした。次にウィルスをこの細胞に加え、16時間、37℃でインキュベートした。クリスタルバイオレット染料の取り込みで生存細胞を視覚化し、細胞のほぼ50%がウィルス感染後も生き延びたインターフェロン希釈度を判定した。
【0106】
表2は、抗ウィルス活性検定(CPE)で測定したときにアカゲザルIFN−α4bが抗ウィルス活性を持つことを実証した実験結果を要約したものである。アカゲザルIFN−αD1、IFN−αD2、及びIFN−αD3の活性はこの検定では判定されなかった。この検定はテスト細胞として、VSVに感染させたマジン−ダービー牛内皮細胞(MDBK)又はアフリカミドリザル腎細胞(Vero)のいずれかを用いて行った。
【0107】
実施例5: ヒトIFNαクローンの単離
18種類のヒトインターフェロン−α種を、米国特許第5,789,551号、第5,869,293号及び第6,001,589号に解説された手法に従い、単離した。簡単に説明すると、ヒトゲノムDNAを標準的方法を用いたPCRで解析した。この解析で用いたプライマを表3及び4で解説する。
【0108】
このアプローチを用いて同定された18種類のヒトインターフェロン−α種は:hu−IFN−α001
(配列番号 : 37)、hu−IFN−α002 (配列番号 : 39)、hu−IFN−α003 (配列番号 : 41)、hu−IFN−α004
(配列番号 : 43)、hu−IFN−α005 (配列番号 : 45)、hu−IFN−α006 (配列番号 : 47)、hu−IFN−α007
(配列番号 : 49)、hu−IFN−α008 (配列番号 : 51)、hu−IFN−α009 (配列番号 : 53)、hu−IFN−α010
(配列番号 : 55)、hu−IFN−α011 (配列番号 : 57)、hu−IFN−α012 (配列番号 : 59)、hu−IFN−α013
(配列番号 : 61)、hu−IFN−α014 (配列番号 : 63)、hu−IFN−α015 (配列番号 : 65)、hu−IFN−α016
(配列番号 : 67)、hu−IFN−α017 (配列番号 : 69)、hu−IFN−α018 (配列番号 : 71)である。これらのそれぞれに対応するアミノ酸配列も提供する:IFN−α001
(配列番号 : 38)、hu−IFN−α002 (配列番号 : 40)、hu−IFN−α003 (配列番号 : 42)、hu−IFN−α004
(配列番号 : 44)、hu−IFN−α005 (配列番号 : 46)、hu−IFN−α006 (配列番号 : 48)、hu−IFN−α007
(配列番号 : 50)、hu−IFN−α008 (配列番号 : 52)、hu−IFN−α009 (配列番号 : 54)、hu−IFN−α010
(配列番号 : 56)、hu−IFN−α011 (配列番号 : 58)、hu−IFN−α012 (配列番号 : 60)、hu−IFN−α013
(配列番号 : 62)、hu−IFN−α014 (配列番号 : 64)、hu−IFN−α015 (配列番号 : 66)、hu−IFN−α016
(配列番号 : 68)、hu−IFN−α017 (配列番号 : 70)、hu−IFN−α018 (配列番号 : 72)である。
【0109】
さらに、hu−IFN−α001及びhu−IFN−α012 を最適なE.coliコドンを用いて逆翻訳して、hu−IFN−α001−BT (配列番号
: 73)及びhu−IFN−α012−BT
(配列番号 : 75)と指定した。これらのそれぞれに対応するアミノ酸配列も提供する:hu−IFN−α001−BT (配列番号 : 74)及びhu−IFN−α012−BT
(配列番号 : 76)。
【0110】
実施例6: ヒトIFNαバリアントの単離
上に詳述したヒトIFNα種を含有する発現ベクタの構築の際、変異を含む以下のクローンを作製した。これらのIFNαバリアントを、活性についてテストすることができる。IFNαバリアントは、サイレント置換を含むことで野生型IFNα種と同一の活性を有することがある。あるいは、当該ポリペプチドの活性を変えるような置換をバリアントが含むこともある。置換の結果、活性が上昇、促進又は増大して、IFNαアゴニストとなる場合もある。さらに置換の結果、活性が低下又は干渉されて、IFNαアンタゴニストとなる場合もある。
【0111】
該バリアント種の核酸配列を提供する: hu−IFN−α019 (配列番号 : 77)、hu−IFN−α020 (配列番号 : 79)、hu−IFN−α021
(配列番号 : 81)、hu−IFN−α022 (配列番号 : 83)、及びhu−IFN−α023 (配列番号 : 85)である。これらのそれぞれに対応するアミノ酸配列も提供する:hu−IFN−α019
(配列番号 : 78)、hu−IFN−α020 (配列番号 : 80)、hu−IFN−α021 (配列番号 : 82)、hu−IFN−α022
(配列番号 : 84)、及びhu−IFN−α023 (配列番号 : 86)である。
【0112】
ここに提供したバリアントは、実施例5で詳述したヒトIFNNα種から作製される。hu−IFN−α002、hu−IFN−α005、hu−IFN−α007、hu−IFN−α013、及びhu−IFN−α015から、それぞれバリアントhu−IFN−α019、hu−IFN−α020、hu−IFN−α021、hu−IFN−α022、及びhu−IFN−α023が作製された。
【0113】
実施例7: ヒトIFNα種の抗ウィルス活性
ヒトIFNα種の抗ウィルス活性も、上で詳述したように、CPE検定を用いて判定した。この検定は以下のテスト細胞及びウィルスの組合せを用いて行った:MDBKテスト細胞とVSV;ヒト上皮扁平(HEP−2)
細胞とVSV;マウス結合組織線維芽細胞 (L929)とEMC;ヒト肺扁平 (H226) 細胞とVSV;及びヒト肺線維芽細胞とインフルエンザ・ウィルス、である。
【0114】
実施例8: ヒトIFNα種の更なる活性
実施例7で詳述した抗ウィルス活性に加え、本インターフェロンα種の活性を二つの更なる検定でテストした。
【0115】
a. MHCクラスI誘導検定:ヒトIFNが、ヒト羊膜上皮細胞(WISH)でMHCクラスI(HLA−B7)抗原の発現を誘導する能力を調べるために、HeLa又はHEP−2
細胞を、1ウェル当たり2.5×105個の細胞(6ウェルプレート)にしてIFNと一緒に72時間、インキュベートする。次に、細胞をマウス抗HLA(W6/32)モノクローナル抗体で処理した後、フルオレセインイソチオシアネート結合ヤギ抗マウスIgGで処置して、HLA−B7抗原の細胞表面発現を検出する。次にこれらの細胞にフローサイトメトリを行って、10,000個の細胞当たりの細胞表面MHCクラスI抗原の発現レベルを定量する。
【0116】
b.抗増殖検定:ヒトIFNが細胞増殖速度を低下させる能力を調べるために、5〜10×104個のH226
ヒト中皮腫細胞を96ウェルプレートの1ウェル毎に播種し、IFNテスト試料又は標準と一緒に37℃で3乃至7日間、インキュベートする。生存細胞をクリスタルバイオレット染料の取り込みで視覚化する。余分な染料を洗い落とした後は、残った色の輝度はウェル中の生存細胞の数に比例しておりIFN標準で生じたものに比較して測定する。
【0117】
hu−IFNα−012は、この検定では強力な抗増殖活性を示した。
【0118】
ここに引用した公開文献及び特許はすべて、引用をもってその全文をここに援用することとする。
【0119】
当業者であれば、日常的な実験によって、ここに解説した本発明の具体的な実施態様の等価物を数多く、認識し、又は確認できることであろう。このような等価物は以下の請求の範囲の包含するところと、意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターフェロンポリペプチドの少なくとも一部分をコードするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸であって、前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号:
2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された核酸。
【請求項2】
前記インターフェロンポリペプチドが、 配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸。
【請求項3】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の単離された核酸。
【請求項4】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の単離された核酸。
【請求項5】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに同一であるアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の単離された核酸。
【請求項6】
配列番号 :
1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、又は83のうちの少なくとも一つにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んで成る、単離された核酸。
【請求項7】
インターフェロンポリペプチドの少なくとも一部分をコードするポリヌクレオチドを含んで成る、単離された核酸であって、前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号
: 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26
、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された核酸。
【請求項8】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の単離された核酸。
【請求項9】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、又はそれらの断片、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の単離された核酸。
【請求項10】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項9に記載の単離された核酸。
【請求項11】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに同一であるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の単離された核酸。
【請求項12】
配列番号 :
1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23 又は 25のうちの少なくとも一つにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸。
【請求項13】
インターフェロンポリペプチドの少なくとも一部分をコードするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸であって、前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号
: 28、30、32、34、36、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された核酸。
【請求項14】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 28、30、32、34、36、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項13に記載の単離された核酸。
【請求項15】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 28、30、32、34、36 、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項14に記載の単離された核酸。
【請求項16】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 28、30、32、34、36 、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項15に記載の単離された核酸。
【請求項17】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 28、30、32、34、36 、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに同一であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の単離された核酸。
【請求項18】
配列番号 :
27、29、31、33 又は35のうちの少なくとも一つにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んで成る、単離された核酸。
【請求項19】
インターフェロンポリペプチドの少なくとも一部分をコードするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸であって、前記インターフェロンポリペプチドが、
配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された核酸。
【請求項20】
前記インターフェロンポリペプチドが、 配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項19に記載の単離された核酸。
【請求項21】
前記インターフェロンポリペプチドが、 配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項20に記載の単離された核酸。
【請求項22】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の単離された核酸。
【請求項23】
前記インターフェロンポリペプチドが、配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、又はそれらの断片のうちの少なくとも一つに同一であるアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の単離された核酸。
【請求項24】
配列番号 :
37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、又は83のうちの少なくとも一つにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んで成る単離された核酸。
【請求項25】
前記インターフェロンポリペプチドが生物学的に活性なフラグメントを含む、請求項1乃至24のいずれかに記載の単離された核酸。
【請求項26】
上記請求項のいずれかに記載の核酸を含む、原核細胞及び真核細胞の少なくとも一方において複製可能な発現ベクタ。
【請求項27】
請求項26に記載の発現ベクタを含む宿主細胞。
【請求項28】
ポリペプチドを生成する方法であって、請求項27に記載の細胞を、細胞培地で培養して前記ポリペプチドを発現させるステップと、前記ポリペプチドを前記細胞培養物から単離するステップと、を含む、方法。
【請求項29】
配列番号 :
2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んで成る、単離されたポリペプチド。
【請求項30】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに少なくとも90%同一である、請求項29に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項31】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに少なくとも95%同一である、請求項30に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項32】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに少なくとも98%同一である、請求項31に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項33】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに同一である、請求項32に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項34】
配列番号 :
2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24 又は26のうちの少なくとも一つに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチド。
【請求項35】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24 又は26のうちの少なくとも一つに少なくとも90%同一である、請求項34に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項36】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24 又は26のうちの少なくとも一つに少なくとも95%同一である、請求項35に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項37】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24 又は26のうちの少なくとも一つに少なくとも98%同一である、請求項36に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項38】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24 又は26のうちの少なくとも一つに同一である、請求項37に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項39】
配列番号 :
28、30、32、34 又は36のうちの少なくとも一つに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んで成る、単離されたポリペプチド。
【請求項40】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 28、30、32、34 又は36のうちの少なくとも一つに少なくとも90%同一である、請求項39に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項41】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 28、30、32、34 又は36のうちの少なくとも一つに少なくとも95%同一である、請求項40に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項42】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 28、30、32、34 又は36のうちの少なくとも一つに少なくとも98%同一である、請求項41に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項43】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 28、30、32、34 又は36のうちの少なくとも一つに同一である、請求項42に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項44】
配列番号 :
38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチド。
【請求項45】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに少なくとも90%同一である、請求項44に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項46】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに少なくとも95%同一である、請求項45に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項47】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに少なくとも98%同一である、請求項46に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項48】
前記アミノ酸配列が、配列番号 : 38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、68、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、又は84のうちの少なくとも一つに同一である、請求項47に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項49】
請求項27乃至46のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチド。
【請求項50】
インターフェロンポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体。
【請求項51】
請求項29乃至48のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体。
【請求項52】
薬学的に許容可能な賦形剤と組み合わされた、請求項29乃至48のいずれかに記載の組成物。
【請求項53】
治療上有効量のインターフェロンポリペプチドを投与するステップを含む、患者を治療する方法。
【請求項54】
請求項29乃至48のいずれかに記載の単離されたポリペプチドを治療上有効量、投与するステップを含む、患者を治療する方法。
【請求項55】
前記方法が、免疫系関連疾患のための治療を含む、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項56】
前記免疫系関連疾患がウィルス感染、寄生生物感染、細菌感染、癌、自己免疫疾患、多発性硬化症、リンパ腫、及びアレルギからなる群より選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記患者が非ヒト動物である、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項58】
インターフェロンポリペプチドの生物学的活性を高める又は阻害する化合物を同定する方法。
【請求項59】
インターフェロンポリペプチドの生物学的活性を高める化合物がインターフェロンアゴニストである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
インターフェロンポリペプチドの生物学的活性を阻害する化合物がインターフェロンアンタゴニストである、請求項58に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−207221(P2010−207221A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52964(P2010−52964)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【分割の表示】特願2002−539385(P2002−539385)の分割
【原出願日】平成13年11月5日(2001.11.5)
【出願人】(502433379)ペストカ バイオメディカル ラボラトリーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】