説明

インターポーザ用ガラス基板の製造方法、インターポーザの製造方法、インターポーザ用ガラス基板、およびインターポーザ

【課題】ハンドリングが容易な上、微細な貫通孔を形成することが可能な、インターポーザ用のガラス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの貫通孔を有するインターポーザ用ガラス基板の製造方法であって、(a)第1の表面および第2の表面を有し、第1の厚さを有するガラス基板を準備する工程と、(b)前記ガラス基板の前記第1の表面に、前記第1の厚さよりも薄い薄肉部を形成する工程であって、これにより、前記薄肉部と、該薄肉部を取り囲む厚肉部とが形成される工程と、(c)前記薄肉部内の領域に、少なくとも一つの貫通孔を形成する工程と、を含む製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターポーザ用のガラス基板およびインターポーザ、ならびにこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、レーザアブレーション法では、被加工対象となる基板材料に微細パターンを形成することができるため、レーザアブレーション法は、小型化や高密度実装化の必要な半導体素子製造分野において、広く利用されている(例えば特許文献1、2)。
【0003】
最近では、ガラス基板のような透明基板に対しても、エキシマレーザのようなレーザ光を用いたレーザアブレーション法により、微細パターンおよびビア用の貫通孔のような構造物を形成できることが明らかになっている。
【0004】
例えば、特許文献3には、板状ガラスにレーザ光を照射することにより、複数の貫通孔(ビア)を形成して、インターポーザ用ガラス基板を製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−88045号公報
【特許文献2】特開2002−126886号公報
【特許文献3】国際公開第WO2010/087483号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半導体素子製造の分野では、素子のさらなる微細化および高密度化が要求されており、インターポーザ用ガラス基板に対しても、貫通孔(ビア)の微細化に対するニーズは、今後益々高まっていくものと予想される。
【0007】
ここで、特許文献3におけるインターポーザ用ガラス基板を製造する方法では、厚さが0.05mm以上0.4mm以下の板状ガラスの表面にレーザ光を照射することにより、貫通孔が形成されることが示されている。
【0008】
しかしながら、このような方法では、以下の理由から、微細な貫通孔(例えば、直径10μmφ以下の貫通孔)を適正に形成することは難しいという問題がある。
【0009】
通常、レーザアブレーション法により形成された貫通孔は、ガラス基板の第1の表面(レーザ光から近い側)から第2の表面(レーザ光から遠い側)に向かって直径が減少したテーパ形状を有する。そのため、第1の表面側からレーザ光を照射して、微細な貫通孔を形成しようとした場合、第2の表面側まで穴が進展せず、第2の表面に開口が形成されない場合が生じ得るからである。
【0010】
このように、通常のレーザアブレーション法では、貫通孔の直径をある程度(例えば、直径10μmφ)以下まで減少させることは難しく、このため、通常の方法では、微細な貫通孔を高密度で配置することには限界がある。
【0011】
また、この問題に対処するため、ガラス基板の厚さを薄くした場合、加工工程および搬送工程など、ガラス基板の取扱の際に、ガラス基板が破損したり、ガラス基板に欠けが生じたりするおそれが高くなる。すなわち、薄いガラス基板では、強度が低下し、ガラス基板のハンドリングが難しくなるという問題が生じ得る。
【0012】
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、ハンドリングが容易な上、微細な貫通孔を形成できる、インターポーザ用のガラス基板の製造方法の提供を目的とする。また、本発明では、そのような特徴を有するインターポーザの製造方法、インターポーザ用のガラス基板、およびそのようなガラス基板を含むインターポーザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明(第1発明)では、
少なくとも一つの貫通孔を有するインターポーザ用ガラス基板の製造方法であって、
(a)第1の表面および第2の表面を有し、第1の厚さを有するガラス基板を準備する工程と、
(b)前記ガラス基板の前記第1の表面に、前記第1の厚さより薄い薄肉部を形成する工程であって、これにより、前記薄肉部と、該薄肉部を取り囲む厚肉部とが形成される工程と、
(c)前記薄肉部内の領域に、少なくとも一つの貫通孔を形成する工程と、
を含む製造方法が提供される。
【0014】
ここで、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記薄肉部は、前記ガラス基板の周縁部を除く領域に形成されても良い。
【0015】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記薄肉部は、前記ガラス基板の前記第1の表面に、複数形成されても良い。
【0016】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記第1の厚さは、0.1mm〜5mmの範囲であっても良い。
【0017】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記薄肉部の厚さは、5μm以上100μm未満であっても良い。
【0018】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記貫通孔の直径は、5μm〜100μmの範囲であっても良い。
【0019】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記(b)の工程は、前記ガラス基板をエッチングして、前記薄肉部を形成する工程を有しても良い。
【0020】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記(c)の工程は、前記薄肉部内の領域にレーザ光を照射する工程を有しても良い。
【0021】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記レーザ光は、エキシマレーザ光、YAGレーザ光、またはCOレーザ光であっても良い。
【0022】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法において、前記(b)の工程は、さらに、前記ガラス基板の前記第2の表面に、第2の薄肉部を形成する工程を有しても良い。
【0023】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法は、さらに、
(d)前記ガラス基板を切断する工程
を有しても良い。
【0024】
この場合、前記(d)の工程は、前記ガラス基板を前記厚肉部に沿って切断する工程を有しても良い。
【0025】
また、本発明(第2発明)では、
インターポーザの製造方法であって、
(A)貫通孔を有するガラス基板を準備する工程であって、前記ガラス基板は、前述の第1発明のような特徴を有する、インターポーザ用ガラス基板の製造方法によって製造されたガラス基板である工程と、
(B)前記ガラス基板の前記第2の表面に、前記貫通孔と対応するように設置された貫通開口を有する絶縁層を形成する工程と、
(C)前記絶縁層の上部に、導電性材料の導電層を設置する工程であって、前記導電性材料は、前記貫通孔および前記貫通開口を充填する工程と、
(D)前記導電層の上部に、樹脂層を設置する工程と、
を有することを特徴とするインターポーザの製造方法が提供される。
【0026】
また、本発明(第3発明)では、
インターポーザの製造方法であって、
(i)第1の表面および第2の表面を有するガラス基板を準備する工程であって、前記ガラス基板は、前記第1の表面に、厚肉部に取り囲まれた薄肉部を有する工程と、
(ii)前記ガラス基板の前記第2の表面に、絶縁層を設置する工程と、
(iii)前記絶縁層から前記ガラス基板の前記薄肉部までを貫通する、少なくとも一つの貫通孔を形成する工程と、
(iv)前記絶縁層上の少なくとも一部に、導電性材料の導電層を設置する工程であって、前記導電性材料は、前記貫通孔を充填する工程と、
(v)前記導電層の上部に、樹脂層を設置するステップと、
を有するインターポーザの製造方法が提供される。
【0027】
また、本発明(第4発明)では、
少なくとも一つの貫通孔を有するインターポーザ用ガラス基板であって、
薄肉部と、該薄肉部を取り囲む厚肉部とを有し、
前記貫通孔は、前記薄肉部の領域に形成されていることを特徴とするインターポーザ用ガラス基板が提供される。
【0028】
ここで、本発明によるインターポーザ用ガラス基板において、前記厚肉部の厚さは、0.1mm〜5mmの範囲であっても良い。
【0029】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板において、前記薄肉部の厚さは、5μm以上100μm未満であっても良い。
【0030】
また、本発明によるインターポーザ用ガラス基板において、前記貫通孔の直径は、
5μm〜100μmの範囲であっても良い。
【0031】
また、本発明(第5発明)では、
ガラス層内に形成され導電性材料が充填された少なくとも一つのビアと、前記導電性材料と電気的に接続された配線層と、該配線層の上部に配置された樹脂層とを有するインターポーザであって、
前記ビアは、前述の第4発明のようなインターポーザ用ガラス基板の前記貫通孔で構成されることを特徴とするインターポーザが提供される。
【発明の効果】
【0032】
本発明ではハンドリングが容易な上、微細な貫通孔を形成できる、インターポーザ用のガラス基板の製造方法を提供することができる。また、本発明では、そのような特徴を有するインターポーザの製造方法、インターポーザ用のガラス基板、およびそのようなガラス基板を含むインターポーザを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法のフローの一例を概略的に示した図である。
【図2】薄肉部および厚肉部の配置形態の一例を示した図である。
【図3】薄肉部および厚肉部の配置形態の一例を示した図である。
【図4】薄肉部および厚肉部の配置形態の一例を示した図である。
【図5】薄肉部および厚肉部の配置形態の一例を示した図である。
【図6】レーザアブレーション法により、ガラス基板の薄肉部に貫通孔を形成する際に使用される装置構成の一例を示した図である。
【図7】ガラス基板の切断位置を概略的に示した図である。
【図8】ガラス基板の切断位置を概略的に示した図である。
【図9】本発明によるインターポーザの製造方法の各工程における構成部材の一例を示した断面図である。
【図10】インターポーザの第2の製造方法のフローの一例を概略的に示した図である。
【図11】図10の各工程における構成部材の構成の一例を概略的に示した断面図である。
【図12】複数の薄肉部が形成された板ガラスの上面図を示した図である。
【図13】図12の板ガラスのA−A線での断面図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
前述のように、一般に、レーザアブレーション法を利用した、貫通孔を有するインターポーザ用ガラス基板の製造方法では、形成される貫通孔は、ガラス基板の第1の表面(レーザ光から近い側)から第2の表面(レーザ光から遠い側)に向かって直径が減少したテーパ形状となる傾向にある。従って、これまでのような方法では、厚さが100μmを上回るようなガラス基板の場合、貫通孔の直径をある程度(例えば、直径10μmφ)以下まで減少させることは難しく、このため、通常の方法では、ガラス基板内に微細な貫通孔を高密度で配置することには限界がある。
【0035】
また、この問題に対処するため、ガラス基板の厚さを薄くした場合、加工工程および搬送工程など、ガラス基板のハンドリングの際に、ガラス基板が破損したり、ガラス基板に欠けが生じたりするおそれが高くなる。すなわち、薄いガラス基板では、強度が低下し、ガラス基板のハンドリング性が難しくなるという問題が生じ得る。
【0036】
これに対して、本発明では、
少なくとも一つの貫通孔を有するインターポーザ用ガラス基板の製造方法であって、
(a)第1の表面および第2の表面を有し、第1の厚さを有するガラス基板を準備する工程と、
(b)前記ガラス基板の前記第1の表面に、前記第1の厚さより薄い薄肉部を形成する工程であって、これにより、前記薄肉部と、該薄肉部を取り囲む厚肉部とが形成される工程と、
(c)前記薄肉部内の領域に、少なくとも一つの貫通孔を形成する工程と、
を含むことを特徴とする製造方法が提供される。
【0037】
ここで、本願において、ガラス基板の「第1の厚さ」とは、第1の表面および第2の表面を有するガラス基板において、第1の表面と第2の表面が略平行な場合、第1の表面と第2の表面の間の距離を意味する。略平行とは、目視で並行であることを意味する。一方、ガラス基板の第1の表面と第2の表面が相互に平行ではない場合、ガラス基板の「第1の厚さ」は、ガラス基板の第1の表面と第2の表面の間の距離のうち、最も小さい値を意味するものとする。
【0038】
本発明の製造方法では、ガラス基板は、薄肉部および厚肉部を有し、これらの部分がそれぞれ、ガラス基板の貫通孔形成部およびガラス基板の強度確保部としての役割を有する。すなわち、本発明では、ガラス基板の薄肉部を貫通孔を形成する領域として使用し、ガラス基板の厚肉部をガラス基板の強度を高め、ガラス基板を補強するための領域として使用することができる。
【0039】
本発明の製造方法では、ガラス基板の薄肉部を貫通孔を形成する領域として使用するため、例えばレーザアブレーション法のようなテーパ形状の貫通孔が形成されやすい方法を使用した場合であっても、微細な貫通孔を容易に形成できる。従って、本発明の製造方法では、ガラス基板内に、インターポーザのビアに相当する微細な貫通孔を高密度で多数形成できる。
【0040】
また、本発明の製造方法では、ガラス基板は、厚肉部を有し、この部分は、ガラス基板の補強部材として機能する。従って、ガラス基板のハンドリングの際に、ガラス基板にワレが生じたり、ガラス基板が破損したりすることが有意に抑制される。
【0041】
(本発明の具体的構成)
以下、図面を参照して、本発明をより詳しく説明する。
【0042】
図1には、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法のフローの一例を概略的に示す。
【0043】
図1に示すように、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法は、
(a)第1の表面および第2の表面を有し、第1の厚さを有するガラス基板を準備する工程(ステップ110)と、
(b)前記ガラス基板の前記第1の表面に、前記第1の厚さより薄い薄肉部を形成する工程であって、これにより、前記薄肉部と、該薄肉部を取り囲む厚肉部とが形成される工程(ステップ120)と、
(c)前記薄肉部内の領域に、少なくとも一つの貫通孔を形成する工程(ステップ130)と、を有する。
【0044】
なお、本発明によるインターポーザ用ガラス基板の製造方法は、必要な場合、さらに、
(d)前記ガラス基板を切断する工程(ステップS140)を有しても良い。以下、各工程について、詳しく説明する。
【0045】
(ステップS110)
まず最初に、被加工体となるガラス基板が準備される。
【0046】
ガラス基板の形状は、特に限られず、ガラス基板は、矩形状またはディスク状等であっても良い。
【0047】
ガラス基板の材質は、ガラスである限り、特に限られない。ガラス基板は、例えば、シリカガラス、ソーダライムガラス、アルミノボロシリケート無アルカリガラス、またはリン酸塩ガラスであっても良い。
【0048】
ガラス基板の厚さ(第1の厚さ)は、特に限られないが、本発明は、厚いガラス基板に対しても適用することができることに留意する必要がある。ガラス基板の第1の厚さは、例えば、100μm〜5mmの範囲である。
【0049】
(ステップS120)
次に、ステップS110で準備したガラス基板を用いて、ガラス基板の一方の表面(例えば、第1の表面)に、薄肉部が形成される。また、この薄肉部を取り囲む厚肉部が形成される。
【0050】
ガラス基板に薄肉部を形成する方法は、特に限られない。薄肉部を形成する方法は、例えば、湿式または乾式エッチング法、サンドブラスト法、機械研磨法、および加圧成形法等である。ただし、サンドブラスト法では、得られる薄肉部の一方の表面が粗くなるので、平坦な表面が必要な場合、サンドブラスト処理以外の方法が使用されることが好ましい。この中では、特に、湿式エッチング法が好ましい。湿式エッチング法では、処理中にガラス基板にワレやクラックが生じるおそれが抑制されるからである。
【0051】
薄肉部の厚さは、例えば、5μm以上100μm未満である。薄肉部の厚さは、1種類に限られるものではなく、多種類の厚さの薄肉部を有しても良い。
【0052】
薄肉部(および厚肉部)の形成位置は、特に限られないが、通常の場合、薄肉部は、ガラス基板の周縁部を除く部分に形成される(この場合、ガラス基板の周縁部は、厚肉部となる)。なお、薄肉部(および厚肉部)の形状、数、および配置形態等は、特に限られず、用途に応じて、自由に決定することができる。
【0053】
図2〜図5には、薄肉部(および厚肉部)の配置形態の一例を示す。
【0054】
図2に示す配置形態の例では、薄肉部110は、矩形状のガラス基板100の第1の表面105において、周縁部を除く全領域に形成されている。このため、ガラス基板100の周縁部が厚肉部120となる。
【0055】
図3に示す配置形態の例では、薄肉部210は、ディスク状のガラス基板200の第1の表面205のうち、周縁部を除く全領域に形成されている。このため、ガラス基板200の周縁部が厚肉部220となる。
【0056】
図4に示す配置形態の例では、矩形状のガラス基板300の第1の表面305内に、長辺方向(X方向)および短辺方向(Y方向)に沿って、複数の矩形状の薄肉部310が規則的に配列されている。また、厚肉部320は、ガラス基板300の周縁部に加えて、周縁部以外の領域にも、X方向およびY方向のそれぞれに沿うようにして、格子状に形成されている。
【0057】
以上の例では、ガラス基板(100、200、300)の第1の表面(105、205、305)にのみ、薄肉部(110、210、310)が形成される場合について説明した。従って、ガラス基板の第2の表面(106、206、306)は、実質的に平坦なままである。しかしながら、本発明は、このような構成に限られず、ガラス基板の第2の表面にも、薄肉部(および厚肉部)が形成されても良い。
【0058】
図5には、ガラス基板の第2の表面にも薄肉部(および厚肉部)が形成されたガラス基板の断面図の一例を示す。
【0059】
図5に示すように、このガラス基板400では、第1の表面405に、複数の薄肉部410および厚肉部420が形成されているとともに、第2の表面406の側にも、複数の薄肉部450および厚肉部460が形成されている。また、第2の表面406における薄肉部450および厚肉部460の垂直方向(Z方向)の位置は、それぞれ、第1の表面405に形成された薄肉部410および厚肉部420の位置と対応している。薄肉部(および厚肉部)は、このようにガラス基板の両表面に配置されても良い。
【0060】
なお、図2〜図5に示した薄肉部110、210、310、410、450、および厚肉部120、220、320、420、460の配置形態は、単なる一例に過ぎず、この他にも様々な配置で、薄肉部および厚肉部を形成することができることは、当業者には明らかであろう。
【0061】
(ステップS130)
次に、前述の工程で形成された薄肉部内の領域に、少なくとも一つの貫通孔が形成される。
【0062】
前述のように、薄肉部では、厚肉部に比べてガラス基板の厚さが有意に低減されている。このため、貫通孔は、薄肉部内の領域に、比較的容易に、比較的短時間で形成することができる。特に、このような構造では、従来のような(例えば、レーザアブレーション法において顕著に認められるような)テーパ形状の貫通孔が形成され、第1の表面側と第2の表面側とで、貫通孔の直径が大きく異なってしまうという問題が軽減されるため、微細な貫通孔を適正に形成することができるようになる。さらに、ガラス基板には、厚肉部120が存在するため、強度不足等により、ガラス基板100がハンドリングの際に破損したり、ワレたりすることも有意に抑制される。
【0063】
貫通孔の直径は、例えば、5μm〜100μmの範囲、好ましくは5μm〜30μmの範囲であっても良い。
【0064】
貫通孔の形成方法は、特に限られない。貫通孔は、例えば、レーザアブレーション法、サンドブラスト法、メカニカルドリリング法、エッチング法、放電加工法、またはこれらの組み合わせにより、形成されても良い。レーザアブレーション法の場合、使用されるレーザ光は、特に限られず、レーザ光は、例えば、エキシマレーザ光、YAGレーザ光、およびCOレーザ光等であっても良い。
【0065】
図6には、レーザアブレーション法により、ガラス基板の薄肉部に貫通孔を形成する際に使用される装置構成の一例を示す。
【0066】
図6に示すように、この装置600は、レーザ光用の光源611と、ホモジナイザー616と、複数の貫通孔を有するマスク613と、投影レンズ617と、ステージ614とを備える。この他、装置600は、レーザ光用の光源611から放射されたレーザ光621を所望の位置に誘導するための、複数のミラー615を有する。ステージ614上には、前述の方法で薄肉部および厚肉部が形成されたガラス基板612が置載される。
【0067】
このような装置600の構成において、レーザ光用の光源611からレーザ光621が放射されると、このレーザ光621は、ホモジナイザー616内に誘導され、ここで均一な強度を有するレーザ光622に調節される。レーザ光622は、ミラー615等により、マスク613の方に誘導される。マスク613は、前述のように多数の貫通孔を有するため、レーザ光622の一部は、これらの貫通孔を通り、投影レンズ617まで誘導される。さらに、投影レンズ617に到達したレーザ光623は、縮小投影された状態で、ガラス基板612の薄肉部650に照射される。これにより、ガラス基板612の薄肉部650に、1または2以上の貫通孔が形成される。
【0068】
なお、ガラス基板612の薄肉部650のより広い領域わたって、複数の貫通孔を形成する場合、例えば、以上の操作の後、光源611からのレーザ光621の放射を一旦停止し、ステージ614に対してガラス基板612を動かしても良い。その後、再度、光源611からレーザ光621を放射して、同様のことを行っても良い。あるいは、その他の方法で、より広い領域わたって、複数の貫通孔を形成できることは、当業者には明らかである。
【0069】
なお、図6の装置構成は、一例であって、他の装置を用いて、ガラス基板の薄肉部に貫通孔を形成しても良いことは、当業者には明らかであろう。
【0070】
(ステップS140)
以上の工程により、ガラス基板の薄肉部に必要な数の貫通孔を形成することができるが必要な場合、さらに、ガラス基板を必要な位置で切断する工程を実施しても良い。
【0071】
図7および図8には、ガラス基板の切断位置の一例を概略的に示す。これらの図では、ガラス基板700は、図4に示すような形態の薄肉部および厚肉部を有するものと仮定している。
【0072】
例えば、図7に示すように、ガラス基板700は、切断線P−P、すなわち厚肉部720に沿って切断されても良い。この場合、切断された各ピース790は、切断端面に厚肉部720(の一部)を有する形態となる。あるいは、厚肉部720の幅(X方向の長さ)が切断時の切りしろと等しい寸法の場合、切断後の各ピース790は、端面に実質的に厚肉部720を有さない(すなわち薄肉部710のみで構成される)場合もある。
【0073】
一方、これとは別に、ガラス基板700は、図8に示すように、切断線Q−Qに沿って、すなわち予め薄肉部710のみを含むようにして、切断されても良い。
【0074】
この他にも、様々な形態で、ガラス基板を切断して、少なくとも一つの貫通孔770を有するピース790を採取しても良い。
【0075】
前述のように、本発明による製造方法では、ガラス基板は、各工程(ステップS120〜ステップS140)の間、常に厚肉部を有するため、ガラス基板の強度が低下し、ガラス基板のハンドリングが煩雑になったり、ガラス基板が破損したりする問題を有意に抑制することができる。また、本発明による製造方法では、貫通孔は、ガラス基板の薄肉部内に形成される。このため、例えば、レーザアブレーション法のようなテーパ形状の貫通孔が形成されやすい方法を使用しても、厚いガラス板を使用した場合のような、微細な貫通孔を形成することが難しくなるという問題を有意に軽減することができる。
【0076】
(インターポーザの製造方法)
次に、図9を参照して、本発明によるインターポーザの製造方法について説明する。図9には、本発明によるインターポーザの製造方法の各工程における構成部材の断面図の一例を示す。
【0077】
まず、図9(a)に示すように、第1の表面1005および第2の表面1006を有するガラス基板1000が準備される。
【0078】
このガラス基板1000は、第1の表面1005に、薄肉部1010および厚肉部1020を有し、薄肉部1010の領域内には、少なくとも一つの(図9の例では2つの)貫通孔1050が設置されている。このようなガラス基板1000は、前述のような本発明によるインターポーザ用のガラス基板の製造方法を用いて、準備されても良い。
【0079】
次に、図9(b)に示すように、ガラス基板1000の貫通孔1050に、導電性材料1060が充填される。導電性材料1060は、例えば銅のような高導電性金属であっても良い。
【0080】
導電性材料の設置方法は、特に限られず、導電性材料1060は、例えば、無電解めっき、電解めっき等により形成される。
【0081】
次に、図9(c)に示すように、ガラス基板1000の第2の表面1006上に、絶縁層1070が設置される。絶縁層1070の材質は、絶縁体である限り、特に限られず、絶縁層1070は、例えば無機材料または樹脂等で構成されても良い。
【0082】
また、絶縁層1070の設置方法は、特に限られない。例えば、絶縁層1070が樹脂で構成される場合、絶縁層1070は、塗布法等により設置しても良い。また、例えば、絶縁層1070が無機材料で構成される場合、絶縁層1070は、スパッタリング法等により設置しても良い。
【0083】
その後、絶縁層1070には、ガラス基板1000に充填された導電性材料1060と対応する位置に、貫通開口1075が形成される。このような貫通開口1075は、例えばフォトリソグラフィ等の技術により、容易に形成することができる。あるいは、例えばマスクを使用することにより、最初から、ガラス基板1000の第2の表面1006上に、貫通開口1075を有する絶縁層1070を形成しても良い。
【0084】
なお、図には示していないが、絶縁層は、さらに、ガラス基板1000の第1の表面1005側に設置されても良い。
【0085】
次に、図9(d)に示すように、絶縁層1070の上部に、導電層1080が設置される。導電層1080は、絶縁層1070の貫通開口1075を充填し、導電層1080と、ガラス基板1000の貫通孔1050内の導電性材料1060とが電気的に接続されるように設置される。
【0086】
導電層1080の設置方法は、特に限られない。導電層1080は、例えば、スパッタリング法を用いて設置されても良い。
【0087】
なお、必要な場合、導電層1080は、所望の配線パターンが得られるように、パターン化されても良い。パターン化の方法は、特に限られず、導電層1080は、例えば、マスクを用いたフォトリソグラフィ処理により、パターン化されても良い。
【0088】
次に、図9(e)に示すように、導電層1080の上部に、樹脂層1090が設置される。また、樹脂層1090には、必要に応じて、導電層1080に至る貫通溝が形成される。
【0089】
以上の工程により、微細なビアを有するインターポーザ1095を製造することができる。なお、必要な場合、ガラス基板1000の厚肉部1020は、最終的に切断されても良い。これにより、平坦な形状のインターポーザを提供することができる。あるいは、薄肉部1010に形成されたビアの数が多過ぎる場合、あるいは、インターポーザの寸法を小さくしたい場合は、ガラス基板1000を薄肉部1010内のビアとビアの間等で切断しても良い。
【0090】
なお、前述の方法では、図9(b)〜図9(c)に示すように、絶縁層1070は、貫通孔1050が導電性材料1060で充填された後に、設置される。しかしながら、これとは異なり、ガラス基板1000の第2の表面1006に、貫通開口1075を有する絶縁層1070を設置しておき、導電層1080を設置する工程において、貫通孔1050および貫通開口1075の双方に、導電性材料を一度に充填しても良い。この場合、ガラス基板1000の貫通孔1060に予め導電性材料1060を設置する工程を省略することができる。
【0091】
(インターポーザの別の製造方法)
次に、図10および図11を参照して、本発明によるインターポーザの別の製造方法(第2の製造方法)について説明する。図10には、インターポーザの第2の製造方法のフローの一例を概略的に示す。また、図11には、図10の各工程における構成部材の断面図の一例を示す。
【0092】
図10に示すように、本発明によるインターポーザの製造方法は、
(i)第1の表面および第2の表面を有するガラス基板を準備する工程であって、前記ガラス基板は、前記第1の表面に、厚肉部に取り囲まれた薄肉部を有する工程(ステップS310)と、
(ii)前記ガラス基板の前記第2の表面に、絶縁層を設置する工程(ステップS320)と、
(iii)前記絶縁層から前記ガラス基板の前記薄肉部までを貫通する、少なくとも一つの貫通孔を形成する工程(ステップS330)と、
(iv)前記絶縁層上の少なくとも一部に、導電性材料の導電層を設置する工程であって、前記導電性材料は、前記貫通孔を充填する工程(ステップS340)と、
(v)前記導電層の上部に、樹脂層を設置するステップ(ステップS350)と、
を有する。
【0093】
以下、図11も参照しながら、各工程について、詳しく説明する。
【0094】
(ステップS310)
まず、図11(a)に示すように、第1の表面1105および第2の表面1106を有するガラス基板1100が準備される。このガラス基板1100は、第1の表面1105側に、薄肉部1110および厚肉部1120を有する。
【0095】
このようなガラス基板は、例えば、前述のガラス基板の製造方法のステップS110〜ステップS120に示したような工程により、準備することができる。
【0096】
なお、以降の記載では、ガラス基板1100の第1の表面1105の周縁部にのみ厚肉部1120が形成されたガラス基板1100を例に、本発明によるインターポーザの第2の製造方法を説明する。しかしながら、ガラス基板の形態は、例えば、図2〜図5に示したガラス基板100、200、300、400などであっても良く、すなわち、ガラス基板は、薄肉部と厚肉部を有する限り、いかなる形態であっても良いことは当業者には明らかである。
【0097】
(ステップS320)
次に、図11(b)に示すように、ガラス基板1100の前記第2の表面1106の側に、絶縁層1170Aが設置される。また、ガラス基板1100の前記第1の表面1105の側に、絶縁層1170Bが設置される。ただし、絶縁層1170Bは、省略しても良い。
【0098】
絶縁層1170A、1170Bの材質は、絶縁体である限り、特に限られず、絶縁層1170A、1170Bは、例えば無機材料または樹脂等で構成されても良い。
【0099】
また、絶縁層1170A、1170Bの設置方法は、特に限られない。例えば、絶縁層1170A、1170Bが樹脂で構成される場合、絶縁層1170A、1170Bは、塗布法等により設置しても良い。また、例えば、絶縁層1170A、1170Bが無機材料で構成される場合、絶縁層1170A、1170Bは、スパッタリング法等により設置しても良い。
【0100】
(ステップS330)
次に、図11(c)に示すように、絶縁層1170Aの表面から前記ガラス基板1100の薄肉部1110を通り、絶縁層1170Bに至る、少なくとも一つの貫通孔1175が形成される。
【0101】
このような貫通孔1175は、例えば、レーザアブレーション法、サンドブラスト法、メカニカルドリリング法、エッチング法、放電加工法、またはこれらの組み合わせにより、形成されても良い。レーザアブレーション法の場合、使用されるレーザ光は、特に限られず、レーザ光は、例えば、エキシマレーザ光、YAGレーザ光、およびCOレーザ光等であっても良い。
【0102】
ここで、本発明による製造方法では、貫通孔1175は、ガラス基板1100の薄肉部1110の領域に形成されるため、微細な直径を有する貫通孔1175を、比較的容易に形成することができることに留意する必要がある。貫通孔1175の直径は、例えば、5μm〜100μmの範囲、好ましくは5μm〜30μmの範囲であっても良い。
【0103】
(ステップS340)
次に、図11(d)に示すように、絶縁層1170A上の少なくとも一部に、導電性材料の導電層1180が設置される。導電性材料1180は、貫通孔1175を充填するように設置される。
【0104】
導電層1180の設置方法は、特に限られず、導電層1180は、スパッタリング法、電解めっき法等により、形成されても良い。
【0105】
必要に応じて、導電層1180は、所望の配線パターンが得られるように、パターン化されても良い。パターン化の方法は、特に限られず、例えば、導電層1180は、マスクを用いたフォトリソグラフィ処理により、パターン化されても良い。
【0106】
(ステップS350)
次に、図11(e)に示すように、導電層1180の上部に、樹脂層1190が設置される。また、樹脂層1190には、必要に応じて、導電層1180に至る貫通溝が形成される。
【0107】
以上の工程により、微細なビアを有するインターポーザ1195を製造できる。
【0108】
なお、必要な場合、ガラス基板1100の厚肉部1120は、最終的に切断されても良い。これにより、平坦な形状のインターポーザを提供できる。あるいは、薄肉部1110に形成されたビアの数が多過ぎる場合、あるいは、インターポーザの寸法を小さくしたい場合は、ガラス基板1100を薄肉部1110内のビアとビアの間等で切断しても良い。
【実施例】
【0109】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0110】
(実施例1)
以下の方法により、多数の微細な貫通孔を有するガラス基板を製作した。
【0111】
(薄肉部の形成)
まず、縦600mm、横400mm、および厚さが180μmの無アルカリガラスからなる板ガラス(旭硝子株式会社製、ENA1)を準備した。
【0112】
次に、この板ガラスの一つの表面(第1の表面)の内側部分に、複数の薄肉部を形成した。薄肉部は、ガラス材のエッチングの際に使用される、一般的な湿式エッチング法により形成した。薄肉部の厚さは、30μmとした。
【0113】
図12には、複数の薄肉部が形成された板ガラスの上面図を示す。この図は、板ガラス1200を第1の表面1205側から見た図である。また、図13には、この板ガラスのA−A線での断面図を示す。
【0114】
図12および図13に示すように、板ガラス1200は、相互に平行な第1の表面1205および第2の表面1206を有する。また、板ガラス1200は、第1の表面1205側に、板ガラス1200の外周縁に沿って形成された厚肉部1220Aを有するとともに、長辺方向(X方向)および短辺方向(Y方向)に沿って格子状に延在する、厚肉部1220Bを有する。また、板ガラス1200の第1の表面1205には、これらの厚肉部1220A、1220Bに取り囲まれた、正方形状の多数の薄肉部1210が形成されている。
【0115】
図12において、厚肉部1220AのX方向の幅L1、L2は、いずれも30mmとし、厚肉部1220AのY方向の幅W1、W2は、いずれも30mmとした。また、厚肉部1220BのX方向の幅P1およびY方向の幅P2は、いずれも2mmとした。薄肉部1210において、X方向の長さS1およびY方向の長さS2は、いずれも6mmとした。
【0116】
(貫通孔の形成)
次に、前述の形態の厚肉部1220A、1220B、および薄肉部1210を有する板ガラス1200の各薄肉部1210に、貫通孔を形成した。
【0117】
貫通孔は、図6に示した構成の装置600を用いて、レーザアブレーション法により形成した。レーザ光源611には、ArFレーザ光源を使用した。このレーザ光の波長は、193nmである。マスク613には、厚さ0.4mmのステンレス製で直径80μmの穴が複数個形成されたものを使用した。レーザ光の照射フルエンスは、板ガラス1200の薄肉部1210の位置において、5J/cmとなるように調節した。レーザ光は、板ガラス1200の第1の表面1205側から照射した。貫通孔のピッチは、板ガラス1200の長辺方向(X方向)および短辺方向(Y方向)とも20μmとした。
【0118】
なお、貫通孔形成処理の際には、1回のレーザアブレーション処理が完了の都度、板ガラス1200をX方向および/またはY方向に2mmだけずらすことを繰り返すことにより、各薄肉部1210の全体にわたって貫通孔を形成した。
【0119】
貫通孔の形成準備の際、および貫通孔の形成処理中に、板ガラス1200には、特に破損等の問題は生じなかった。
【0120】
処理後、貫通孔の形態を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔の直径は、第1の表面1205側では、約8μmφであり、第2の表面1206側では、約6μmφであった。従って、テーパ角度≒1.9゜である。また、板ガラスには、クラックやチッピング等の損傷は、特に認められなかった。
【0121】
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、複数の微細な貫通孔を有するガラス基板を製作した。
【0122】
ただし、実施例2では、ガラスの材質は、ソーダライムガラス(旭硝子株式会社製)とし、ガラスの形状は、直径300mm、厚さ500μmのディスク状とした。
【0123】
また、厚肉部は、ガラスディスクの第1の表面の周囲にのみ形成し、第1の表面のその他の領域は単一の薄肉部とした。厚肉部の幅は、20mmとし、薄肉部の厚さは、30μmとした。
【0124】
さらに、貫通孔は、縦横に沿って規則的に配置し、貫通孔のピッチは、縦方向、横方向とも30μmとした。
【0125】
貫通孔の形成準備の際、および貫通孔の形成処理中に、ガラスディスクには、特に破損等の問題は生じなかった。
【0126】
光学顕微鏡観察の結果、得られた貫通孔の第1の表面側の直径は、約5μmであり、第2の表面側の直径は、約4μmであった。従って、テーパ角度≒1.0゜である。また、ガラスディスクには、クラックやチッピング等の損傷は、特に認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、半導体素子用の部材、より詳しくは、多層回路基板の絶縁層、ウエハレベルパッケージ、電極取り出し用の貫通孔、およびインターポーザなどの用途に好適に使用できる。
【符号の説明】
【0128】
100 ガラス基板
105 第1の表面
106 第2の表面
110 薄肉部
120 厚肉部
200 ガラス基板
205 第1の表面
206 第2の表面
210 薄肉部
220 厚肉部
300 ガラス基板
305 第1の表面
306 第2の表面
310 薄肉部
320 厚肉部
400 ガラス基板
405 第1の表面
406 第2の表面
410 薄肉部
420 厚肉部
450 薄肉部
460 厚肉部
600 装置
611 光源
612 ガラス基板
613 マスク
614 ステージ
615 ミラー
616 ホモジナイザー
617 投影レンズ
621、622、623 レーザ光
650 薄肉部
700 ガラス基板
710 薄肉部
720 厚肉部
770 貫通孔
790 ピース
1000 ガラス基板
1005 第1の表面
1006 第2の表面
1010 薄肉部
1020 厚肉部
1050 貫通孔
1060 導電性材料
1070 絶縁層
1075 貫通開口
1080 導電層
1090 樹脂層
1095 インターポーザ
1100 ガラス基板
1105 第1の表面
1106 第2の表面
1110 薄肉部
1120 厚肉部
1170A、1170B 絶縁層
1175 貫通孔
1180 導電層
1190 樹脂層
1195 インターポーザ
1200 板ガラス
1205 第1の表面
1206 第2の表面
1210 薄肉部
1220A、1220B 厚肉部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの貫通孔を有するインターポーザ用ガラス基板の製造方法であって、
(a)第1の表面および第2の表面を有し、第1の厚さを有するガラス基板を準備する工程と、
(b)前記ガラス基板の前記第1の表面に、前記第1の厚さよりも薄い薄肉部を形成する工程であって、これにより、前記薄肉部と、該薄肉部を取り囲む厚肉部とが形成される工程と、
(c)前記薄肉部内の領域に、少なくとも一つの貫通孔を形成する工程と、
を含む製造方法。
【請求項2】
前記薄肉部は、前記ガラス基板の周縁部を除く領域に形成されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記薄肉部は、前記ガラス基板の前記第1の表面に、複数形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1の厚さは、0.1mm〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項5】
前記薄肉部の厚さは、5μm以上100μm未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項6】
前記貫通孔の直径は、5μm〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項7】
前記(b)の工程は、前記ガラス基板をエッチングして、前記薄肉部を形成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項8】
前記(c)の工程は、前記薄肉部内の領域にレーザ光を照射する工程を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項9】
前記レーザ光は、エキシマレーザ光、YAGレーザ光、またはCOレーザ光であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記(b)の工程は、さらに、前記ガラス基板の前記第2の表面に、第2の薄肉部を形成する工程を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項11】
さらに、
(d)前記ガラス基板を切断する工程
を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項12】
前記(d)の工程は、前記ガラス基板を前記厚肉部に沿って切断する工程を有することを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
インターポーザの製造方法であって、
(A)貫通孔を有するガラス基板を準備する工程であって、前記ガラス基板は、請求項1乃至11のいずれか一つに記載の製造方法によって製造されたガラス基板である工程と、
(B)前記ガラス基板の前記第2の表面に、前記貫通孔と対応するように設置された貫通開口を有する絶縁層を形成する工程と、
(C)前記絶縁層の上部に、導電性材料の導電層を設置する工程であって、前記導電性材料は、前記貫通孔および前記貫通開口を充填する工程と、
(D)前記導電層の上部に、樹脂層を設置する工程と、
を有することを特徴とするインターポーザの製造方法。
【請求項14】
インターポーザの製造方法であって、
(i)第1の表面および第2の表面を有するガラス基板を準備する工程であって、前記ガラス基板は、前記第1の表面に、厚肉部に取り囲まれた薄肉部を有する工程と、
(ii)前記ガラス基板の前記第2の表面に、絶縁層を設置する工程と、
(iii)前記絶縁層から前記ガラス基板の前記薄肉部までを貫通する、少なくとも一つの貫通孔を形成する工程と、
(iv)前記絶縁層上の少なくとも一部に、導電性材料の導電層を設置する工程であって、前記導電性材料は、前記貫通孔を充填する工程と、
(v)前記導電層の上部に、樹脂層を設置するステップと、
を有するインターポーザの製造方法。
【請求項15】
少なくとも一つの貫通孔を有するインターポーザ用ガラス基板であって、
薄肉部と、該薄肉部を取り囲む厚肉部とを有し、
前記貫通孔は、前記薄肉部の領域に形成されていることを特徴とするインターポーザ用ガラス基板。
【請求項16】
前記厚肉部の厚さは、0.1mm〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項15に記載のインターポーザ用ガラス基板。
【請求項17】
前記薄肉部の厚さは、5μm以上100μm未満であることを特徴とする請求項15または16に記載のインターポーザ用ガラス基板。
【請求項18】
前記貫通孔の直径は、5μm〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか一つに記載のインターポーザ用ガラス基板。
【請求項19】
ガラス層内に形成され導電性材料が充填された少なくとも一つのビアと、前記導電性材料と電気的に接続された配線層と、該配線層の上部に配置された樹脂層とを有するインターポーザであって、
前記ビアは、請求項15乃至18のいずれか一つに記載のインターポーザ用ガラス基板の前記貫通孔で構成されることを特徴とするインターポーザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−166999(P2012−166999A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31404(P2011−31404)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】