説明

インターロイキン6産生抑制剤

【課題】
皮膚外用剤に配合でき、長期間使用することが可能な安全性の高いインターロイキン6産生を抑制する物質を見出し、これを利用したインターロイキン6抑制剤を提供することを課題とする。
【解決手段】
ネオアガロビオース、ネオアガロテトラオースおよびネオアガロヘキサオースからなる群から選ばれる糖類の少なくとも1種以上を有効成分として含有するインターロイキン6産生抑制剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターロイキン6産生抑制剤に関し、さらに詳しくは、皮膚傷害に関わるインターロイキン6の産生を抑制することにより、皮膚傷害の予防または治療のための抗炎症剤等として利用可能なインターロイキン6産生抑制剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターロイキン6を含むサイトカインは、組織の恒常性を保つために細胞から産生されているが、紫外線(太陽光)の長期間に亘る連続的な曝露や、外部/内部からの連続的な刺激等により表皮ケラチノサイトから皮膚にケミカルメディエーター、サイトカイン等が過剰に産生され皮膚組織に傷害を与える。特にインターロイキン6の過剰産生はケラチノサイトの増殖、線維芽細胞からのコラーゲン、プロテオグリカンの産生及びコラーゲナーゼ分泌促進等に深く関与し、皮膚の炎症、皮膚肥厚等の皮膚傷害が生じるものと考えられている(非特許文献1ないし6参照)。
【0003】
そこで、過剰のインターロイキン6産生を抑制することは、皮膚の炎症、皮膚肥厚等の皮膚傷害の治療および予防に有効であることが期待できる。そのため、これらの皮膚傷害に係わるインターロイキン6の過剰な産生を抑制するため、サクラダソウ抽出物等、活性型ビタミンD、グルココルチコイド等の使用が報告されている(特許文献1および非特許文献7〜8参照)。
【0004】
しかしながら、これらの成分の連続投与は安全性上問題があり、長期間使用することはできないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−261454号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Oxholm A et al.“Keratinocyte-expression of interleukin-6 but not of tumoure allergic and theirritant patch test reaction”,Acta Derm Venereol.,1991年,Vol.71,P.93-98
【非特許文献2】Nishimura N et al.“Defective immune response and severe skin damage following UVB irradiation ininterlerleukin -6-deficience mice”,Immunology,1999年,Vol.97.P77-83
【非特許文献3】Shinichi S et al.“Serum levels of interleukin-6 and interleukin-10 correlate with total skinthickness score in patients with systemic sclerosis”,J. of Dermtol. Sci 2001年,Vol.27.P140-146
【非特許文献4】Matthew R et al. “Stimulation of collagenand glycosaminoglycan productionin cultured human adult dermal fibroblasts byrecombinant human Interleukin 6”,The j. Invest. Dermatol. 1991年,Vol.97.P686-692
【非特許文献5】Rachel M.Grossaman et. Al. “Interleukin 6is expressed in high levels in psoriatic skin and stimulates proliferationofcultured human keratinocytes”,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1989年,Vol.86,P6367-6371
【非特許文献6】Meinhard Wlaschek et al. “UVA-inducedautocrinestimulation of fibroblast-derived-collagenase by IL-6:A possiblemechanism in dermal photodamage?”,J. Invest. Dermatol. 1993年,Vol.101,P164-168
【非特許文献7】C.Feliciani P et al. “IL-1α,IL-6 andTNF-α in cutaneus lesions of iupus erythematosus are inhibited by topicalapplication of calcipotriol”,Int. J of Immunopathol. Pharmacil. 1995年,Vol.8,P199~207
【非特許文献8】Lange K et al. “Cutaneousinflammation and proliferation in vitro:differential effects and mode of actionof topical glucocorticoids”,Skin Pharmacol Appl Skin Physiol. 2000年,Vol.13,P93-103
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、皮膚外用剤に配合でき、長期間使用することが可能な安全性の高いインターロイキン6産生を抑制する物質を見出し、これを利用したインターロイキン6産生抑制剤の提供をその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アガロースを分解して得られるオリゴ糖が優れたインターロイキン6産生抑制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、ネオアガロビオース、ネオアガロテトラオースおよびネオアガロヘキサオースからなる群から選ばれる糖類の少なくとも1種以上を有効成分として含有するインターロイキン6産生抑制剤である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のインターロイキン6産生抑制剤は、ケラチノサイトの増殖、線維芽細胞からのコラーゲン、プロテオグリカンの産生及びコラーゲナーゼ分泌促進等に関与するインターロイキン6の産生を有効に抑制できるため、皮膚の炎症、皮膚肥厚等の皮膚傷害の治療または予防効果を有する抗炎症剤として使用できるものである。
【0011】
また、皮膚細胞中のメラノサイトに働きかけ、メラニン生成を促進させるメラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)を阻害する作用を有するため、美白効果を有するものである。
【0012】
したがって、本発明のインターロイキン6産生抑制剤は、化粧品、医薬品、医薬部外品等の皮膚外用剤として有利に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ネオアガロオリゴ糖によるインターロイキン6産生抑制作用を示す図である。
【図2】ネオアガロオリゴ糖によるα−MSH阻害作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のインターロイキン6産生抑制剤は、ネオアガロビオース、ネオアガロテトラオースおよびネオアガロヘキサオースからなる群から選ばれる糖類の少なくとも1種以上を有効成分として含有するものである。
【0015】
本発明に用いるネオアガロビオース、ネオアガロテトラオースおよびネオアガロヘキサオースは、アガロース(精製寒天)をβ―アガラーゼによって分解して得られるオリゴ糖(ネオアガロオリゴ糖)である。
【0016】
このネオアガロオリゴ糖のうち、ネオアガロビオースは、3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとD−ガラクトースがα−1,3結合した2糖類であり、ネオアガロテトラオース(4糖)およびネオアガロヘキサオース(6糖)も、同じ構成単位を有する。
【0017】
本発明に用いるネオアガロビオース、ネオアガロテトラオースおよびネオアガロヘキサオース(以下、「ネオアガロオリゴ糖」ということがある)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平1−228465号公報に記載の方法によって精製されたβ−アガラーゼを用いて製造することができる。より具体的には、例えば、寒天またはアガロースを10mMトリス−塩酸緩衝溶液(pH7.5)又は精製水に1.0%濃度になるように加えて加熱溶解後、これに上記β−アガラーゼ50mU/ml以上の濃度になるように添加して、50℃にて4時間以上作用させる。この溶液を沸騰水中で5分間放置することにより反応を停止させ、4℃に冷却する。
【0018】
ここで、特に寒天を基質とした場合には不溶物の沈殿等が存在するため遠心分離により残渣を除去する。得られた上澄液に、ネオアガロオリゴ糖が含まれるので、これを凍結乾燥することによりネオアガロオリゴ糖の混合物を得ることができる。また、上記上澄液を公知の方法により、分離・精製して、それぞれの糖単独の精製物としてもよい。
【0019】
このようにして得られるネオアガロオリゴ糖の含有量は特に限定されるものではないが、インターロイキン6産生抑制剤全量に対して、0.0001〜2質量%(以下、「%」で示す)、さらに、0.01〜0.5%とするのが好ましい。また、その構成比率も特に限定されるものではないが、例えば、ネオアガロビオース:ネオアガロテトラオース:ネオアガロヘキサオース=5:50:45〜20:40:40の範囲が好ましい。
【0020】
本発明のインターロイキン6産生抑制剤の製造にあたっては、有効成分である上記ネオアガロオリゴ糖の少なくとも1種以上と、医薬品、医薬部外品、化粧品等の製剤を製造する場合において通常用いられている任意成分を適宜配合し、外用剤や経口剤とすることができる。
【0021】
このような任意成分としては、例えば、精製水、pH調製剤、低級アルコール、多価アルコール、油剤、粉体、界面活性剤、水溶性高分子、防腐剤、香料、緩衝液、色素、紫外線吸収剤、各種薬効成分等が例示できる。
【0022】
このようにして得られる本発明のインターロイキン6産生抑制剤は、種々の形態の化粧品、医薬品、医薬部外品等とすることができ、常法により、洗顔又は洗浄料、化粧水、乳液、クリーム、パック料、マッサージ料、下地料、ファンデーション、養毛・育毛料等の化粧用皮膚外用剤や、軟膏剤、クリーム剤、湿布剤等の医療用外用剤等の形態とすることができる。
【0023】
上記したように、インターロイキン6の過剰産生はケラチノサイトの増殖、線維芽細胞からのコラーゲン、プロテオグリカンの産生及びコラーゲナーゼ分泌促進等に深く関与し、皮膚の炎症、皮膚肥厚等の皮膚傷害が生じると考えられているから、本発明のインターロイキン6産生抑制剤は、このような皮膚傷害を治療または予防する抗炎症剤として利用できるものである。
【0024】
さらに、本発明のインターロイキン6産生抑制剤は、皮膚細胞中のメラノサイトに働きかけ、メラニン生成を促進させるα−MSHを阻害する作用を有するため、優れた美白作用をも有するものである。
【実施例】
【0025】
次に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0026】
製 造 例 1
ネオアガロオリゴ糖の製造
精製水に1.0%濃度になるようにアガロースを加え、これに特開平1−228465号公報に記載の方法によって精製されたβ−アガラーゼを50mU/mlの濃度になるように添加して、50℃にて4時間以上作用させた。この溶液を沸騰水中で5分間放置することにより反応を停止させ、4℃に冷却した。得られた上澄液を凍結乾燥することによりネオアガロオリゴ糖を得た。このネオアガロオリゴ糖は、ネオアガロビオース8%、ネオアガロテトラオース53%、ネオアガロヘキサオース39%の構成比率であった。
【0027】
試 験 例 1
ケラチノサイトにおけるUV照射時のインターロイキン6産生抑制効果
ヒト正常皮膚ケラチノサイト(クラボウ社製)を、KGM2培地(クラボウ社製)を用いて培養し、これを24穴プレートに1×10/cmの密度で播種し、サブコンフルエント状態まで培養した。この培養細胞にネオアガロオリゴ糖5%液(ネオアガロビオース8%、ネオアガロテトラオース53%、ネオアガロヘキサオース39%の混合物;伊那食品工業社製)を、ネオアガロオリゴ糖の最終濃度で0、0.0167、0.05、0.167、0.5%になるように添加した。3時間後にPBSで2回洗浄後、ハンクス液を2回ずつ添加し、紫外線(UV−B)を50mJ照射した。ハンクス液を除去後、培地を添加し、サンプルを再添加した。24時間後、培地を採取した。採取した培地は、細胞成分なども取り除くため遠心濾過した。取り分けた培地を測定キット(Interleukin−6[(h)IL−6]Human,ELISA;Biotrak System 社製)により測定した。なお、紫外線照射しない細胞についても同様に測定した。結果を図1に示す。図1より、ネオアガロオリゴ糖は、UV照射によるインターロイキン6の産生を抑制することが明らかとなり、濃度が高いほどその効果は顕著であった。
【0028】
試 験 例 2
培養細胞によるメラニン産生抑制試験(α−MSH阻害)
培養細胞としてマウス由来のB16メラノーマ細胞を使用し、メラニン生成抑制試験を行った。直径100mmのシャーレに10%FBS含有MEM培地を加えてマウス由来B16メラノーマ細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5%中にて培養した。翌日、ネオアガロオリゴ糖5%液(ネオアガロビオース8%、ネオアガロテトラオース53%、ネオアガロヘキサオース39%の混合物;伊那食品工業社製)を種々の濃度に調製したものを、ネオアガロオリゴ糖の最終濃度で、0、0.005、0.015、0.05%となるように培地に添加し、30分後にα―MSHを最終濃度1×10−7Mになるように添加し、混和した。培養5日目に培地を交換し、再度、同一の濃度および量のネオアガロオリゴ糖液を添加した。翌日細胞を回収し、一定の細胞数にそろえた後に細胞のメラニン量の定量を行った。α−MSHを添加し、ネオアガロオリゴ液を添加しないものをコントロールとして用い、コントロールのメラニン生成量を100として、それぞれのメラニン生成量を示した。なお、α−MSHを添加しない細胞についても同様にメラニン生成量を求めた。結果を図2に示す。図2より、ネオアガロオリゴ糖は、α−MSH添加によるメラニンの生成を著しく抑制することが明らかとなり、ネオアガロオリゴ糖がα−MSH阻害作用を有することが示された。
【0029】
実 施 例 1
クレンジングクリーム
下記組成のクレンジングクリームを下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 3.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリル 2.0
(4)ミツロウ 1.5
(5)ワセリン 6.0
(6)流動パラフィン 40.0
(7)ジメチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(8)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(9)防腐剤 適 量
(10)トリエタノールアミン 1.0
(11)プロピレングリコール 10.0
(12)ポリエチレングリコール20000 0.5
(13)カルボキシビニルポリマー 0.05
(14)精製水 残 量
(15)ネオアガロオリゴ糖液*1 1.0
(16)香料 適 量
*1:製造例1で製造したネオアガロオリゴ糖の5%溶液
(製 法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(10)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.BにAを加え乳化する。
D.Cを冷却後、成分(15)、(16)を加え混合し、クレンジングクリームを得た。
【0030】
このクレンジングクリームは、軽やかな伸び広がりでメイクの汚れ落ちもよく、皮膚の炎症や肥厚が抑えられ、皮膚を滑らかにするものであった。
【0031】
実 施 例 2
洗 顔 料
下記組成の洗顔料を下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)ラウリン酸 5.0
(2)ミリスチン酸 18.5
(3)ステアリン酸 6.0
(4)グリセリン 12.0
(5)ポリエチレングリコール1500 5.0
(6)水酸化カリウム 6.5
(7)精製水 残 量
(8)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0
(9)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 1.8
(10)ポリオキシエチレン(7.5E.O.) 2.0
ラウリルエーテル
(11)ジステアリン酸エチレングリコール 1.0
(12)ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 5.0
(13)ネオアガロオリゴ糖液*1 2.0
(14)香料 適 量
(製 法)
A.成分(1)〜(7)を加熱溶解する。
B.成分(8)〜(11)を加熱溶解する。
C.AにBを加え混合する。
D.Cを冷却後、成分(12)〜(14)を加え混合し、洗顔料を得た。
【0032】
この洗顔料は、キメ細やかな豊かな泡立ちとさっぱりとした使用感であり、皮膚の炎症や肥厚が抑えられ、皮膚を滑らかにするものであった。
【0033】
実 施 例 3
化粧水1(溶解型)
下記組成の化粧水を下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)クエン酸 0.05
(2)クエン酸ナトリウム 0.2
(3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(4)グリセリン 3.0
(5)1,3−ブチレングリコール 8.0
(6)L―アスコルビン酸2−グルコシド*2 2.0
(7)水酸化ナトリウム 0.25
(8)ネオアガロオリゴ糖液*1 5.0
(9)精製水 残 量
(10)エチルアルコール 10.0
(11)香料 適 量
(12)防腐剤 適 量
(13)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.) 0.5
ソルビタン
*2:林原生物化学研究所社製
(製 法)
A.成分(1)〜(9)を混合溶解する。
B.成分(10)〜(13)を混合溶解する。
C.AにBを加え混合し、化粧水を得た。
【0034】
この化粧水は、みずみずしくさっぱりとした使用感であり、皮膚の炎症や皮膚の肥厚が抑えられ、皮膚をみずみずしく保ち、皮膚を滑らかにするものであった。
【0035】
実 施 例 4
化粧水2(油可溶化型)
下記組成の化粧水を下記製法により調製した。
(製 法) (%)
(1)メドウホーム油 0.1
(2)ホホバ油 0.05
(3)香料 適 量
(4)防腐剤 適 量
(5)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.) 0.5
ソルビタン
(6)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化 1.0
ヒマシ油(50E.O.)
(7)エチルアルコール 8.0
(8)グリセリン 5.0
(9)1,3−ブチレングリコール 5.0
(10)ポリエチレングリコール1500 0.1
(11)ネオアガロオリゴ糖液*1 1.0
(12)精製水 残 量
(製 法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、化粧水を得た。
【0036】
この化粧水は、みずみずしくまろやかな使用感であり、皮膚の炎症や皮膚の肥厚が抑えられ、皮膚をみずみずしく保ち、皮膚を滑らかにするものであった。
【0037】
実 施 例 5
化粧水3(乳化型)
下記組成の化粧水を下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.08
(2)スクワラン 0.02
(3)セスキオレイン酸ソルビタン 0.05
(4)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.) 0.05
ソルビタン
(5)ポリオキシエチレン(8E.O.)アルキレン 0.1
(12〜15)エーテルリン酸
(6)防腐剤 適 量
(7)香料 適 量
(8)エチルアルコール 8.0
(9)ジプロプレングリコール 8.0
(10)グリセリン 4.0
(11)ネオアガロオリゴ糖液*1 1.0
(12)精製水 残 量
(製 法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.BにAを加え乳化し、化粧水を得た。
【0038】
この化粧水は、すっきりとした軽やかな使用感であり、皮膚の炎症や皮膚の肥厚が抑えられ、皮膚をみずみずしく保ち、皮膚を滑らかにするものであった。
【0039】
実 施 例 6
乳 液
下記組成の乳液を下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)ステアリン酸 1.0
(2)セタノール 0.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 0.5
(4)流動パラフィン 2.0
(5)スクワラン 3.0
(6)ホホバ油 3.0
(7)パルミチン酸セチル 3.0
(8)防腐剤 適 量
(9)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.) 0.5
ソルビタン
(11)トリエタノールアミン 0.5
(12)1,3−ブチレングリコール 15.0
(13)グリセリン 3.0
(14)ポリエチレングリコール6000 0.5
(15)精製水 残 量
(16)カルボキシビニルポリマー1%溶液 8.0
(17)グリチルリチン酸ジカリウム*3 0.1
(18)ネオアガロオリゴ糖液*1 1.0
(19)香料 適 量
*3:丸善製薬社製
(製 法)
A.成分(1)〜(12)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(13)〜(15)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に成分(16)〜(18)を加え混合する。
D.Cを冷却し、成分(19)を加え混合し、乳液を得た。
【0040】
この乳液は、滑らかでまろやかな使用感であり、皮膚の炎症や皮膚の肥厚が抑えられ、皮膚に保湿感と適度なエモリエント感を付与し、皮膚を柔軟にするものであった。
【0041】
実 施 例 7
クリーム
下記組成のクリームを下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セタノール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)ワセリン 2.0
(5)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*4 2.0
(6)ミリスチン酸イソトリデシル 5.0
(7)流動パラフィン 8.0
(8)スクワラン 5.0
(9)ミツロウ 1.0
(10)パルミチン酸セチル 2.0
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.) 1.5
ソルビタン
(13)防腐剤 適 量
(14)トリエタノールアミン 1.2
(15)1,3−ブチレングリコール 8.0
(16)グリセリン 2.0
(17)ポリエチレングリコール20000 0.5
(18)精製水 残 量
(19)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 10.0
(20)アルブチン*5 3.0
(21)ネオアガロオリゴ糖液*1 0.5
(22)香料 適 量
*4:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*5:和光純薬工業社製
(製 法)
A.成分(1)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(14)〜(18)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に成分(19)を加え混合する。
D.Cを冷却し、成分(20)、(21)、(22)を加え混合し、クリームを得た。
【0042】
このクリームは、滑らかでコクのある使用感であり、皮膚の炎症や皮膚の肥厚が抑えられ、皮膚に高いエモリエント感を付与し、皮膚を柔軟にするクリームであった。
【0043】
実 施 例 8
美容液(可溶化型)
下記組成の美容液を下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(2)メドウホーム油 0.05
(3)ホホバ油 0.05
(4)防腐剤 適 量
(5)香料 適 量
(6)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.) 0.5
ソルビタン
(7)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化 1.5
ヒマシ油(50E.O.)
(8)エチルアルコール 5.0
(9)グリセリン 4.0
(10)ジプロピレングリコール 8.0
(11)1,3−ブチレングリコール 8.0
(12)乳酸ナトリウム 0.5
(13)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)液 0.5
(14)ヒドロキシエチルセルロース 0.08
(15)アルギン酸ナトリウム 0.05
(16)ネオアガロオリゴ糖液*1 10.0
(17)精製水 残 量
(製 法)
A.成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.成分(9)〜(17)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、美容液を得た。
【0044】
この美容液は、まろやかでマイルドな使用感であり、皮膚の炎症や皮膚の肥厚が抑えられ、皮膚に高い保湿感とエモリエント感を付与し、皮膚をみずみずしく柔軟にするものであった。
【0045】
実 施 例 9
パック(ピールオフ型)
下記組成のパックを下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)ポリビニルアルコール 12.0
(2)メチルセルロース 0.1
(3)グリセリン 3.0
(4)1,3−ブチレングリコール 5.0
(5)精製水 残 量
(6)香料 適 量
(7)防腐剤 適 量
(8)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.) 1.0
ソルビタン
(10)エチルアルコール 13.0
(11)ネオアガロオリゴ糖液*1 1.0
(製 法)
A.成分(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.成分(6)〜(10)を混合溶解する。
C.Aを冷却後、B、成分(11)を加え混合し、パックを得た。
【0046】
このパックは、適度な清涼感と高い緊張感があり、皮膚の炎症や皮膚の肥厚が抑えられ、パックした後の皮膚に適度なはり感を付与し、皮膚を柔軟にするものであった。
【0047】
実 施 例 10
マッサージクリーム
下記組成のマッサージクリームを下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(5)パルミチン酸セチル 1.0
(6)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*4 4.0
(7)ワセリン 20.0
(8)流動パラフィン 28.0
(9)ジメチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(10)水酸化ナトリウム 0.1
(11)ジプロピレングリコール 7.0
(12)カルボキシビニルポリマー 0.1
(13)精製水 残 量
(14)ネオアガロオリゴ糖液*1 1.0
(15)香料 適 量
(製 法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(10)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.BにAを加え乳化する。
D.Cを冷却後、成分(14)、(15)を加え混合し、マッサージクリームを得た。
【0048】
このマッサージクリームは、コクがある滑らかな使用感でありマッサージ効果が高く、皮膚の炎症や肥厚が抑えられ、皮膚に潤いとはり感を付与し、皮膚を滑らかにするマッサージクリームであった。
【0049】
実 施 例 11
リキッドファンデーション
下記組成のリキッドファンデーションを下記製法により調製した。
(組 成) (%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)セタノール 0.5
(3)ベヘニルアルコール 1.0
(4)ワセリン 2.5
(5)流動パラフィン 5.0
(6)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1.0
(7)防腐剤 適 量
(8)酸化チタン 6.0
(9)着色顔料 4.0
(10)マイカ 2.0
(11)タルク 4.0
(12)カルボキシメチルセルロース 0.2
(13)ベントナイト 0.4
(14)精製水 残 量
(15)ネオアガロオリゴ糖液*1 1.0
(16)香料 適 量
(製 法)
A.成分(1)〜(7)を加熱溶解する。
B.Aに成分(8)〜(11)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(12)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを加えて乳化する。
E.Dを冷却後、成分(15)、(16)を加え混合し、リキッドファンデーションを得た。
【0050】
このリキッドファンデーションは、軽やかな伸び広がりのある使用感であり、皮膚の炎症や皮膚の肥厚が抑えられ、均一で美しい仕上がりとなるリキッドファンデーションであった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のネオアガロオリゴ糖を有効成分とするインターロイキン6産生抑制剤は、インターロイキン6の産生を有効に抑制でき、さらに寒天由来の成分を有効成分とするため、安全性も高く長期間使用が可能なものである。さらに、このものは、α−MSHを阻害することにより、優れた美白作用をも有するものである。
【0052】
従って、このものは、化粧品や医薬品等の皮膚外用剤として、極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネオアガロビオース、ネオアガロテトラオースおよびネオアガロヘキサオースを含有するネオアガロオリゴ糖混合物を有効成分として含有するα−MSH阻害剤。
【請求項2】
ネオアガロオリゴ糖混合物の構成比率が、ネオアガロビオース:ネオアガロテトラオース:ネオアガロヘキサオース=5:50:45〜20:40:40である請求項1記載のα−MSH阻害剤。
【請求項3】
皮膚外用剤である請求項1または2記載のα−MSH阻害剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−121910(P2012−121910A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−47720(P2012−47720)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【分割の表示】特願2006−93541(P2006−93541)の分割
【原出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【出願人】(000118615)伊那食品工業株式会社 (95)
【Fターム(参考)】